説明

電動パワーステアリング装置用負荷低減装置

【課題】低速時、あるいは停止した状態での据え切りなどの操舵時のパワーステアリングモータの負荷を軽減し、前記パワーステアリングモータの小容量化を実現する。
【解決手段】車両の速度が一定の速度以下の低速走行時あるいはほとんど停止した状態での据え切りなどの操舵時において、ステアリングホイール8の操作によるトルクセンサ値が±Viniにより規定される不感帯の範囲を超えると、前記トルクセンサ値に応じた左前輪1のインホイールモータ2の左前輪目標モータトルク指示値と右前輪3のインホイールモータ4の右前輪目標モータトルク指示値が算出される。そして、左前輪1が前記左前輪目標モータトルク指示値をもとにインホイールモータ2により、また、右前輪3が前記右前輪目標モータトルク指示値をもとにインホイールモータ4により、それぞれパワーステアリングモータ5の操舵アシスト負荷が減少する方向へ回転制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各車輪を個別に制御可能な、例えばインホイールモータを使用し電動式パワーステアリング装置の負荷を軽減する電動パワーステアリング装置用負荷低減装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車を含めた自動車の操舵方式として、油圧に代わってモータで操舵力をアシストする電動パワーステアリング装置が実用化されている。
このような電動パワーステアリング装置の負荷を軽減させるものとしては、操舵トルクを検出し、前記操舵トルクの検出出力を微分し、前記操舵トルクの検出出力と、前記操舵トルクの微分出力とにもとづいて、ハンドルの手放し戻り条件が成立すると電動機を発電制動させ、前記操舵トルクの検出出力と前記操舵トルクの微分出力との加算出力にもとづいて前記電動機の出力トルクを制御し、前記電動機の慣性を補償し、発電制動を実行中においても電動機制御条件が成立した場合には微分制御を優先させる電動パワーステアリング装置がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−332964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、従来の電動パワーステアリング装置では、車両速度が低速であったり、据え切り時のほとんど停止した状態でのステアリング操作に対しては電動パワーステアリング装置の負荷軽減効果は期待できないという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低速時、あるいは停止した状態での据え切りなどの操舵時のパワーステアリングモータの負荷を軽減し、前記パワーステアリングモータの小容量化を実現できる電動パワーステアリング負荷低減装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、ステアリングホイールの回転操作をパワーステアリングモータにより支援する電動パワーステアリング装置に付加される負荷低減装置であって、操舵される左車輪および右車輪をそれぞれ個別に回転駆動する電動機と、前記ステアリングホイールの操舵方向と操舵トルクとを検出する操舵トルク検出手段と、前記操舵トルク検出手段により検出した操舵方向と操舵トルクとに応じた、前記左車輪および前記右車輪を旋回させる操舵左車輪目標トルクおよび操舵右車輪目標トルクを算出する目標トルク算出手段と、前記目標トルク算出手段により算出した操舵左車輪目標トルクをもとに、前記左車輪を駆動する電動機の回転を、前記パワーステアリングモータの負荷を軽減させる方向に制御するとともに、前記操舵右車輪目標トルクをもとに、前記右車輪を駆動する電動機の回転を、前記パワーステアリングモータの負荷を軽減させる方向に制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、低速時、あるいは停止した状態における据え切りなどの操舵時のパワーステアリングモータの負荷を軽減し、パワーステアリングモータの小容量化を実現できる電動パワーステアリング負荷低減装置を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態である電動パワーステアリング負荷低減装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の電動パワーステアリング負荷低減装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態の電動パワーステアリング負荷低減装置におけるEVECUとESPECUの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態の電動パワーステアリング負荷低減装置におけるトルクセンサ値に対する右前輪と左前輪の目標トルクの関係を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の電動パワーステアリング負荷低減装置において左方向へハンドルを切ったときの右前輪と左前輪の動きを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の実施の形態である電動パワーステアリング装置用負荷低減装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態の電動パワーステアリング装置用負荷低減装置は、モータで操舵力をアシストする電動パワーステアリング装置に適用され、ドライバによるステアリング操作時のパワーステアリングモータの負荷を軽減し、前記パワーステアリングモータの小容量化を実現する。
【0010】
まず本発明の前提となる電動パワーステアリング装置の基本的な構成について説明する。
電動パワーステアリング装置は、パワーステアリングモータ5、トルクセンサ7、ステアリングホイール8、ステアリングシャフト9、電動パワーステアリング装置ECU(以下EPS ECUという)11、ラック25、左右のタイロッド26、左右のステアリングナックル29、左右の支持部材27、28などを含んで構成されている。
【0011】
ステアリングホイール8にステアリングシャフト9の一端が一体的に回転可能に連結され、ステアリングシャフト9の他端に不図示のピニオンが設けられている。
前記のピニオンはラック25に噛合しており、ラック25の両端にそれぞれ左右のタイロッド26が連結されている。
左右のタイロッド26は、それぞれ左右のステアリングナックル29に連結されている。
左右のステアリングナックル29は左前輪1および右前輪3のホイールを回転可能に支持している。
左右の支持部材27、28は、左右のキングピン軸31、32を中心にしてステアリングナックル29を揺動可能に支持するものである。
言い換えると、左右の支持部材27、28は、左右のキングピン軸31、32を中心にして左前輪1および右前輪3を旋回させるものである。
したがって、タイロッド26、ステアリングナックル29、左右の支持部材27、28により、左前輪1および右前輪3を旋回させるためのリンク機構が構成されている。
【0012】
パワーステアリングモータ5は、図示しない動力伝達機構を介してステアリングシャフト9に対してその回転方向に沿った駆動力を与えることにより、タイロッド26を矢印Aあるいは矢印A´方向へ駆動するものである。
あるいは、パワーステアリングモータ5は、図示しない動力伝達機構を介してラック25に対してラック25の移動方向に沿った駆動力を与えることにより、タイロッド26を矢印Aあるいは矢印A´方向へ駆動するものである。
言い換えると、パワーステアリングモータ5は、ステアリングホイール8によるドライバの操舵を支援するアシストトルクを発生させるものである。
トルクセンサ7は、ステアリングホイール8によるドライバの操舵トルクを検出し出力するものである。
EPS ECU11は、トルクセンサ7で検出された操舵トルクに応じてパワーステアリングモータ5を駆動することによって電動パワーステアリング装置を制御するコンピュータである。
【0013】
次に本発明に係る電動パワーステアリング装置用負荷低減装置について説明する。
電動パワーステアリング装置用負荷低減装置は、前記のパワーステアリングモータ5、トルクセンサ7、EPS ECU11に加えて、インホイールモータ2,4と、インホイールモータECU(以下、EV ECUという)12とを含んで構成されている。
【0014】
インホイールモータ2は、左前輪1のホイール内に設けられ左駆動輪1を回転駆動するものである。
このインホイールモータ2は、例えばロータの回転を減速する減速機構、ロータの回転角度を検出する回転角度検出手段を備え、左前輪1を前進方向および後進方向へ駆動させるための駆動トルクを発生する。
【0015】
インホイールモータ4は、右前輪3のホイール内に設けられ右前輪3を回転駆動するものである。
このインホイールモータ4は、例えばロータの回転を減速する減速機構、ロータの回転角度を検出する回転角度検出手段を備え、右前輪3を前進方向および後進方向へ駆動させるための駆動トルクを発生する。
【0016】
なお、この実施の形態では、インホイールモータ2,4を使用する車両を例に説明するが、左前輪1および右前輪3をそれぞれ駆動可能な電動モータを備えている車両であれば、インホイールモータ2,4でなくてもよい。
【0017】
EPS ECU11は、前述のように電動パワーステアリング装置を制御するとともに、EV ECU12と通信を行い、電動パワーステアリング負荷を低減する機能を有している。
EV ECU12はEPS ECU11と通信を行い、インホールモータ2、4を制御するコンピュータである。
【0018】
次に動作について説明する。
図2は、この実施の形態の電動パワーステアリング装置用負荷低減装置の動作を示すフローチャートである。
図3は、この実施の形態の電動パワーステアリング装置用負荷低減装置におけるEVECU12とESPECU11の動作を示すフローチャートである。
図4は、この実施の形態の電動パワーステアリング装置用負荷低減装置におけるトルクセンサ値に対する右前輪と左前輪の目標トルクの関係を示す説明図である。
図5はこの実施の形態の電動パワーステアリング装置用負荷低減装置において左方向へハンドルを切ったときの右前輪と左前輪の動きを示す説明図である。
【0019】
以下、図2に示すフローチャートに従い、図4、図5を参照して動作について説明する。
この電動パワーステアリング装置用負荷低減装置は、図2のフローチャートに示すように、EPS ECU11が、自車両の車両速度が一定の速度以下になっている状態、例えば自車両の車両速度が一定の速度以下の低速走行時あるいは停止した状態であるか否を判定する(ステップS1)。
この低速走行時あるいは停止した状態は、EPS ECU11、EV ECU12により速度計の出力から判定可能である。
【0020】
この結果、EPS ECU11が自車両の車両速度が一定の速度以下の低速あるいはほとんど停止した状態であると判定すると、続いてトルクセンサ7により検出されるトルクセンサ値が不感帯の範囲を規定する一定の値Viniよりも大きいか否を判定し、ステアリングホイール8の操作が行われているか否を判定する(ステップS2)。
【0021】
この結果、トルクセンサ値が±Viniにより規定される不感帯の範囲を超えており、ステアリングホイール8の操作が行われていると判定すると、EPS ECU11は、ESP制御を開始し、トルクセンサ7により検出されたトルクセンサ値を取り込み、このトルクセンサ値に応じたインホイールモータ2の左前輪目標モータトルク指示値と、インホイールモータ4の右前輪目標モータトルク指示値とを算出する(ステップS3)。
車両が低速走行時あるいは停止した状態でステアリングホイール8の操作が行われる状況は、例えば、駐車場内での移動時あるいは据え切りなどの操舵時に発生する。
EPS ECU11はEV ECU12と通信を行い、前記算出したインホイールモータ2の左前輪目標モータトルク指示値とインホイールモータ4の右前輪目標モータトルク指示値とをEV ECU12へ送信する。
【0022】
EV ECU12は、EPS ECU11から送信された前記左前輪目標モータトルク指示値と右前輪目標モータトルク指示値を受信すると、インホイールモータ2を前記受信した左前輪目標モータトルク指示値に応じて制御するとともに、インホイールモータ4を、前記受信した右前輪目標モータトルク指示値に応じてそれぞれ制御する(ステップS4)。
【0023】
図4(a)は、ステアリングホイール8により“右切り”あるいは“左切り”のハンドル操作が行われたときの右前輪目標モータトルク指示値を示しており、また同図(b)はこのときの左前輪目標モータトルク指示値を示している。
したがって、ステアリングホイール8が“左切り”操作されトルクセンサ7により検出されたトルクセンサ値が前記不感帯の範囲を超え、例えばトルクセンサ値Taとなると、このトルクセンサ値Taに応じたインホイールモータ4の右前輪目標モータトルク指示値τ1と、インホイールモータ2の左前輪目標モータトルク指示値−τ2とがEPS ECU11からEV ECU12へ送信される。
【0024】
図4に示す例では、トルクセンサ値Tの極性はステアリングホイール8が“左切り”操作される場合を正、“右切り”操作される場合を負としている。
また、インホイールモータ2の左前輪目標モータトルク指示値とインホイールモータ4の右前輪目標モータトルク指示値の極性は車両が前方に進む場合を正、バックすなわち後方へ進む場合を負としている。
このため、車両が低速で前方へ進みながら、あるいはほとんど停止した状態でステアリングホイール8が“左切り”操作され、このときのトルクセンサ値TがTiniを超えて+Taとなると、インホイールモータ2の左前輪目標モータトルク指示値は−τ2、インホイールモータ4の右前輪目標モータトルク指示値は+τ1となる。
すなわち、左前輪1は図5(a)に示すようにインホイールモータ2により車両がバックする矢印B方向へ駆動され、右前輪3は図5(b)に示すようにインホイールモータ4により車両が前進する矢印F方向へ駆動される。
【0025】
この結果、左前輪1の矢印B方向への回転駆動と右前輪3の矢印F方向への回転駆動によりモーメントが作用し、左前輪1は左側の支持部材27のキングピン軸31を中心にして図5(a)に示すように反時計方向へ旋回し、右前輪3は右側の支持部材28のキングピン軸32を中心にして同図(b)に示すように反時計方向へ旋回する。
左側のキングピン軸31を中心にした左前輪1の反時計方向への旋回と、右側のキングピン軸32を中心にした右前輪3の反時計方向への旋回により、タイロッド26には矢印A´方向への駆動力が作用する。
ラック25は、パワーステアリングモータ5の出力軸に取り付けられた前記のピニオンと係合しているため、タイロッド26に作用する矢印A´方向への駆動力は、パワーステアリングモータ5を、ステアリングホイール8が“左切り”操作されたときと同様の回転方向へ回転させる。
つまり、パワーステアリングモータ5は、負荷側、出力軸側から駆動力を受けてアシストされながらステアリングホイール8の“左切り”操作に応じた回転方向へ付勢されることになる。
このため、車両速度が一定の速度以下の低速あるいは据え切り時のほとんど停止した状態でのステアリング操作に応じた車両の方向転換についての応答性が向上する。
また、パワーステアリングモータ5は、負荷側、出力軸側から駆動力を受けてアシストされながらステアリングホイール8の“左切り”操作に応じた回転方向へ回転駆動される結果、車両速度が一定の速度以下の低速あるいは据え切り時のほとんど停止した状態でのステアリング操作に応じてパワーステアリングモータ5に加わる負荷は、負荷側、出力軸側から駆動力を受けてアシストされる分、従来に比べて小さくなり、電動パワーステアリングモータ5の小容量化を実現できる。
【0026】
以上、ステアリングホイール8の“左切り”操作について説明したが、車両が低速で前方へ進みながら、あるいはほとんど停止した状態でステアリングホイール8が“右切り”操作され、このときのトルクセンサ値Tが±Tiniで規定される不感帯の範囲を超えて−Taとなると、インホイールモータ2の左前輪目標モータトルク指示値は+τ2、インホイールモータ4の右前輪目標モータトルク指示値は−τ1となる。
そして、パワーステアリングモータ5は、負荷側、出力軸側から駆動力を受けてステアリングホイール8の“右切り”操作に応じた回転方向へ付勢されることになる。
【0027】
ここでさらにEVECU12とESPECU11の動作について詳細に説明する。
図3は、EVECU12とESPECU11の各動作を示すフローチャートである。
自車両の車両速度が一定の速度以下の低速走行時あるいは据え切り時のほとんど停止した状態であり、トルクセンサ値が±Viniにより規定される不感帯の範囲を超えており、ステアリングホイール8の操作が行われていると、EPS ECU11はEPS制御を開始し、トルクセンサ7により検出されたトルクセンサ値を取り込み、このトルクセンサ値に応じたインホイールモータ2の左前輪目標モータトルク指示値と、インホイールモータ4の右前輪目標モータトルク指示値とを算出する(ステップS21)。
【0028】
このとき車両が電気自動車である場合には、EV ECU12は左前輪1の車輪速度を検出しながら左前輪1のインホイールモータ2を制御し、また右前輪3の車輪速度を検出しながらインホイールモータ4を制御している(ステップS11)。
EPS ECU11はEV ECU12と通信を行い、前記算出した左前輪目標モータトルク指示値と右前輪目標モータトルク指示値とをEV ECU12へ送信する(ステップS22)。
EV ECU12は、EPS ECU11から左前輪目標モータトルク指示値と右前輪目標モータトルク指示値とを受信すると(ステップS12)、左前輪1のインホイールモータ2を前記受信した左前輪目標モータトルク指示値をもとに、また右前輪3のインホイールモータ4を前記受信した右前輪目標モータトルク指示値をもとに、パワーステアリングモータ5の操舵アシスト負荷が減少する方向へそれぞれ回転制御する(ステップS13)。
【0029】
以上説明したように、この実施の形態によれば、車両の速度が一定の速度以下の低速走行時あるいはほとんど停止した状態での据え切りなどの操舵時において、ステアリングホイール8の操作によるトルクセンサ値が±Viniにより規定される不感帯の範囲を超えると、前記トルクセンサ値に応じた、左前輪1のインホイールモータ2の左前輪目標モータトルク指示値と右前輪3のインホイールモータ4の右前輪目標モータトルク指示値が算出される。
そして、左前輪1が左前輪目標モータトルク指示値をもとにインホイールモータ2により、右前輪3が右前輪目標モータトルク指示値をもとにインホイールモータ4により、それぞれパワーステアリングモータ5の操舵アシスト負荷が減少する方向へ回転制御される

すなわちパワーステアリングモータ5は、負荷側、出力軸側から駆動力を受けてステアリングホイール8の操作に応じた回転方向と同一の回転方向へ付勢される。
このため、パワーステアリングモータ5が、負荷側、出力軸側から駆動力を受けてステアリングホイール8の操作に応じた回転方向と同一の回転方向へ付勢される分、パワーステアリングモータ5にとっての負荷が軽減され、パワーステアリングモータ5の小容量化が図れることになる。
したがって、低速時、あるいは、ほとんど停止した状態での据え切りなどの操舵時、従来ではパワーステアリングモータ5にとって比較的大きな負荷がかかる状況になるが、この実施の形態によれば、このような状況に対応してパワーステアリングモータ5の容量を大きくする必要がなくなる。
つまり、車両速度の低速時、ほとんど停止した状態における据え切りなどの操舵時のパワーステアリングモータ5の負荷を軽減でき、パワーステアリングモータ5の小容量化を実現できる。
【符号の説明】
【0030】
1……左前輪、2,4……インホイールモータ(電動機)、3……右前輪、5……パワーステアリングモータ、7……トルクセンサ(操舵トルク検出手段)、8……ステアリングホイール、11……EPS ECU(目標トルク算出手段)、12……EV ECU(制御手段、車速判定手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイールの回転操作をパワーステアリングモータにより支援する電動パワーステアリング装置に付加される負荷低減装置であって、
操舵される左車輪および右車輪をそれぞれ個別に回転駆動する電動機と、
前記ステアリングホイールの操舵方向と操舵トルクとを検出する操舵トルク検出手段と、
前記操舵トルク検出手段により検出した操舵方向と操舵トルクとに応じた、前記左車輪および前記右車輪を旋回させる操舵左車輪目標トルクおよび操舵右車輪目標トルクを算出する目標トルク算出手段と、
前記目標トルク算出手段により算出した操舵左車輪目標トルクをもとに、前記左車輪を駆動する電動機の回転を、前記パワーステアリングモータの負荷を軽減させる方向に制御するとともに、前記操舵右車輪目標トルクをもとに、前記右車輪を駆動する電動機の回転を、前記パワーステアリングモータの負荷を軽減させる方向に制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置用負荷低減装置。
【請求項2】
車両の低速走行あるいは停止した状態を判定する車速判定手段をさらに備え、
前記操舵トルク検出手段は、前記車速判定手段が前記車両の低速走行あるいは停止した状態を判定すると、前記ステアリングの操舵方向と、その操舵方向における操舵トルクとを検出することを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置用負荷低減装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−126427(P2011−126427A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287065(P2009−287065)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】