説明

電動モータ装置およびワイパ駆動用電動モータ装置

【課題】輸送効率の向上により物流コストを低減できる電動モータ装置およびワイパ駆動用電動モータ装置を提供する。
【解決手段】電動モータ部10の回転力を出力軸45に伝達する伝達機構20と、開口部21bを有するギヤケース21(ケース)と、を備え、ギヤケース21に伝達機構20を収納すると共に、電動モータ部10を取り付けた電動モータ装置1において、開口部21bを閉塞可能、かつギヤケース21を車両(被取付体)に固定するためのブラケットと、前記ブラケットよりも外形が小さく形成され、開口部21bを閉塞可能な仮カバー90と、を有し、ギヤケース21には、開口部21bの周縁に、ブラケットを係合可能なネジ締結孔22b(係合部)と、仮カバー90を係合可能な爪部31(仮係合部)とが形成されていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両等に搭載される電動モータ装置およびワイパ駆動用電動モータ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のワイパアームの駆動源には、車両に搭載されたバッテリなどの電源により作動する電動モータを使用した電動モータ装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
図9は、従来のワイパ駆動用の電動モータ装置1の説明図であり、図10は、図9のY−Y線に沿った断面図である。
【0003】
図9に示すように、従来の電動モータ装置1は、例えば車両のリヤワイパ駆動用として用いられるものであって、モータハウジング11と、モータハウジング11に結合されると共に出力軸45を外側に向かって突設させたギヤケース21と、を備えている。
ギヤケース21の内部には、電動モータ部10の回転運動を出力軸45に伝達する伝達機構(不図示)が設けられている。伝達機構としては、例えばウォーム減速機構が採用される。
【0004】
また、電動モータ装置1は、ギヤケース21の開口を覆い、ギヤケース21の締結部に締結部材を介して締結固定されるブラケット80を備え、ブラケット80が不図示の車両のバックドアの内側に取り付けられる。
このとき、出力軸45は、車両のバックドアの内側から外側に向かって突設されており、出力軸45の先端のネジ部45a(図10参照)は車両のリヤワイパに接続されている。そして、電動モータ部10が回転することにより出力軸45が回動運動し、リヤワイパが所定角度で回動して、車両のリヤウインドガラスを払拭している。
【0005】
ところで、ギヤケース21に固定されるブラケット80は、ギヤケース21の開口を閉塞してギヤケース21内に塵埃が侵入するのを防止する機能と、電動モータ装置1を車両のバックドアに固定する機能と、を有している。
【0006】
ここで、ブラケット80には、電動モータ装置1を車両のバックドアに固定するためのステー80a,80b,80cが一体形成されている。ステー80a,80b,80cは、車両のバックドアに設けられた固定部に対応して、電動モータ部10およびギヤケース21の外側に向かって突設されている。このため、ブラケット80の外形は、電動モータ部10およびギヤケース21の外形よりも大きく形成されている。
【0007】
また、出力軸45は、車両搭載時に、バックドアの内側から外側に向かって突設されるため、出力軸45の全長は、バックドアの厚みよりも長く形成される必要がある。したがって、図10に示すように、出力軸45は、ギヤケース21から外側に向かって突設され、長尺に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−199695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述したブラケットおよび出力軸を備えた電動モータ装置を梱包して通い箱等で輸送する場合、各ステーおよび出力軸が電動モータ部およびギヤケースから突設されているため、通い箱内における電動モータ装置1個当たりに要するスペースが大きくなる。また、ブラケットの形状および出力軸の全長は、電動モータ装置が搭載される車種によって異なるため、電動モータ装置1個当たりに要するスペースが車種によって異なる。また、ブラケットを取り外した状態で搬送するとなると、減速機構内に塵埃が侵入してしまうおそれがある。
このため、電動モータ装置を効率よく積載できず、輸送効率が低下して物流コストが高コストになるおそれがある。
【0010】
そこで本発明は、輸送効率の向上により物流コストを低減できる電動モータ装置、およびこの電動モータ装置を用いたワイパ駆動用電動モータ装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る電動モータ装置は、電動モータ部の回転力を出力軸に伝達する伝達機構と、開口部を有するケースと、を備え、このケースに、前記伝達機構を収納すると共に前記電動モータ部を取り付けた電動モータ装置において、前記開口部を閉塞可能、かつ前記ケースを被取付体に固定するためのブラケットと、前記ブラケットよりも外形が小さく形成され、前記開口部を閉塞可能な仮カバーと、を有し、前記ケースには、前記開口部の周縁に、前記ブラケットを係合可能な係合部と、前記仮カバーを係合可能な仮係合部とが形成されていることを特徴としている。
【0012】
本発明によれば、ケースには、ブラケットを係合可能な係合部に加えて仮カバーを係合可能な仮係合部が形成されているので、ブラケットに代えて仮カバーをケースに装着して開口部を閉塞できる。また、仮カバーはブラケットよりも外形が小さいので、仮カバーを装着することにより、ブラケットを装着した状態よりも外形が小さい状態で、輸送時に電動モータ装置を効率よく積載できる。さらに、仮カバーを装着することで、車種に対応したブラケットの形状の違いの影響を受けることなく、輸送時に電動モータ装置を効率よく積載できる。したがって、輸送効率の向上により電動モータ装置の物流コストを低減できる。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る電動モータ装置は、電動モータ部の回転力を出力軸に伝達する伝達機構と、前記電動モータ部が取付けられると共に、前記伝達機構が収納されるケースとを備えた電動モータ装置において、前記出力軸は、前記伝達機構に連結された基端側出力軸と、前記ケースよりも外側の先端側出力軸とにより分割構成され、かつこれら基端側出力軸と先端側出力軸とが着脱自在に構成されていることを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、出力軸が基端側出力軸と先端側出力軸とにより分割構成されているので、電動モータ装置が搭載される車種に対応させて先端側出力軸の長さのみを変更することで、基端側出力軸の長さを同一としつつ、車種に対応させて出力軸の全長を変更できる。また、基端側出力軸と先端側出力軸とが着脱自在に構成されているので、先端側出力軸を電動モータ装置から離脱できる。これにより、車種に対応した出力軸の長さの違いの影響を受けることなく、先端側出力軸を装着した状態よりも外形が小さい状態で、輸送時に電動モータ装置を効率よく積載できる。したがって、輸送効率の向上により電動モータ装置の物流コストを低減できる。
【0015】
また、本発明の請求項3に係る電動モータ製造装置は、電動モータ部の回転力を出力軸に伝達する伝達機構と、開口部を有するケースと、を備え、このケースに前記伝達機構を収納すると共に、前記電動モータ部を取付けた電動モータ装置において、前記開口部を閉塞可能、かつ前記ケースを被取付体に固定するためのブラケットと、前記ブラケットよりも外形が小さく形成され、前記開口部を閉塞可能な仮カバーと、を有し、前記ケースには、前記開口部の周縁に、前記ブラケットを係合可能な係合部と、前記仮カバーを係合可能な仮係合部とが形成されており、前記出力軸は、前記伝達機構に連結された基端側出力軸と、前記ケースよりも外側の先端側出力軸とにより分割構成され、かつこれら基端側出力軸と先端側出力軸とが着脱自在に構成されていることを特徴としている。
【0016】
本発明によれば、仮カバーを装着した状態かつ先端側出力軸を電動モータ装置から離脱させた状態で、輸送時に電動モータ装置を積載できる。これにより、ブラケットおよび先端側出力軸を装着した状態よりも外形が小さい状態で、かつ車種の違いによる外形の変化の影響を受けることなく、輸送時に電動モータ装置を効率よく積載できる。したがって、輸送効率の向上により電動モータ装置の物流コストを低減できる。
【0017】
また、本発明の請求項4に係る電動モータ装置は、前記仮カバーには、前記基端側出力軸から離脱された前記先端側出力軸を仮保持可能な仮保持機構が設けられていることを特徴としている。
【0018】
本発明によれば、離脱させた先端側出力軸を仮カバーに保持させることで、輸送時における先端側出力軸の紛失を防止できる。また、車種ごとに異なる各電動モータ装置に対応した先端側出力軸を保持できるので、車種ごとに長さの異なる先端側出力軸の誤組を防止できる。
【0019】
また、本発明の請求項5に係る電動モータ装置は、前記仮係合部は、前記ケースおよび前記仮カバーのいずれか一方に形成された爪部と、前記ケースおよび前記仮カバーのいずれか他方に前記爪部に対応して形成された孔部と、により構成され、これら爪部と孔部とがスナップフィットにより係合されていることを特徴としている。
【0020】
本発明によれば、仮係合部がスナップフィットにより係合されているので、仮カバーの着脱を容易に行える。これにより、輸送時における仮カバーの装着工数およびブラケット組付時における仮カバーの離脱工数を低減できる。
【0021】
また、本発明の請求項6に係る電動モータ装置は、前記仮カバーの大きさが、前記開口部、および前記開口部とは異なる外形を有する他の電動モータ装置のケースの開口部の双方を閉塞可能な大きさに設定されていることを特徴としている。
【0022】
本発明によれば、出力軸の回動角度の違い等によりケースの開口部の形状が異なる他の電動モータ装置が適用された場合でも、輸送時に同一の仮カバーを適用できる。このように仮カバーに汎用性を持たせることで、開口形状の違いに対応して形状の異なる仮カバーを新規に形成する必要がない。したがって、仮カバーによるコスト上昇を抑制して電動モータ装置の物流コストを低減できる。
【0023】
また、本発明の請求項7に係るワイパ駆動用電動モータ装置は、上述の電動モータ装置を、車両のワイパアームの駆動用に用いたことを特徴としている。
【0024】
本発明によれば、輸送効率の向上により物流コストを低減した電動モータ装置を用いることで、低コストなワイパ駆動用電動モータ装置を提供できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ケースには、ブラケットを係合可能な係合部に加えて仮カバーを係合可能な仮係合部が形成されているので、ブラケットに代えて仮カバーをケースに装着して開口部を閉塞できる。また、仮カバーはブラケットよりも外形が小さいので、仮カバーを装着することにより、ブラケットを装着した状態よりも外形が小さい状態で、輸送時に電動モータ装置を効率よく積載できる。さらに、仮カバーを装着することで、車種に対応したブラケットの形状の違いの影響を受けることなく、輸送時に電動モータ装置を効率よく積載できる。したがって、輸送効率の向上により電動モータ装置の物流コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】電動モータ装置の平面図である。
【図2】ブラケットを備えた電動モータ装置の分解斜視図である。
【図3】出力軸側から見たときの電動モータ装置の斜視図である。
【図4】仮カバーを備えた電動モータ装置の分解斜視図である。
【図5】仮カバーを装着したときの電動モータ装置の説明図である。
【図6】図5のA−A線に沿った断面図である。
【図7】出力軸の回動角度が実施例よりも大きい電動モータ装置の説明図である。
【図8】変形例における仮カバーの説明図である。
【図9】従来のワイパ駆動用の電動モータ装置の説明図である。
【図10】図9のY−Y線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本実施形態の電動モータ装置1について、図面を参照して説明をする。
図1は、電動モータ装置1の平面図である。なお、図1では、後述するブラケット80(図2参照)および仮カバー90(図4参照)を取り外した状態となっている。
図1に示すように、本実施形態の電動モータ装置1は、例えば車両のバックドアに設けられ、車両のリヤウインドガラスを払拭するリヤワイパ(何れも不図示)を回動させる、リヤワイパ駆動用に用いられるものである。
本実施形態の電動モータ装置1は、一方側(図1における左側)に配された電動モータ部10と、他方側(図1における右側)に配置された伝達機構20と、伝達機構20を収納するギヤケース21(請求項の「ケース」に相当。)と、を備えている。
【0028】
電動モータ装置1の電動モータ部10は、ブラシ15を用いて電力を給電する、いわゆるブラシ付モータである。電動モータ部10は、有底筒状のモータハウジング11と、モータハウジング11の内側に回転自在に配置されたアーマチュア13と、を備えている。
モータハウジング11は、ヨーク部11aと、底部11bと、開口11cとを有した鉄等の金属からなる部材である。モータハウジング11は、例えば深絞りによるプレス加工等により成型される。
ヨーク部11aの内周面には、複数のマグネット12が接着剤等により取り付けられている。底部11bは、不図示のすべり軸受やスラストプレート、スチールボール等を介して、モータシャフト13aの一端13e(図1における左側)を軸支している。
【0029】
モータハウジング11の開口11cは、伝達機構20側を向くように取り付けられている。モータハウジング11の開口11cの縁部には、フランジ部11dが形成されている。フランジ部11dには、フランジ部11dを貫通する取付孔が形成されている。フランジ部11dの取付孔にボルト85を挿通し、ギヤケース21にボルト85を締結することで、ギヤケース21にモータハウジング11が固定されている。
【0030】
アーマチュア13は、モータシャフト13aと、モータシャフト13aに外挿固定されたアーマチュアコア13bと、モータシャフト13aのアーマチュアコア13bよりも他端側(図1における右側)に配置されたコンミテータ13dと、を有している。
モータシャフト13aは鉄等の金属からなる棒状部材である。モータシャフト13aの一端13e(図1における左側)は、モータハウジング11の底部11bに軸支されており、モータシャフト13aの他端13g(図1における右側)は、図示しないすべり軸受を介してギヤケース21に回転自在に軸支されている。
【0031】
アーマチュアコア13bは、例えば電磁鋼板等の磁性材を積層して形成された部材である。アーマチュアコア13bは、マグネット12に対応した位置に配置される。アーマチュアコア13bのティース13fには、コイル13cが巻回されており、コイル13cの端末部がコンミテータ13dに接続されている。
コンミテータ13dは略円柱状の部材である。コンミテータ13dの外周面には、板状に形成されたセグメント14が周方向に沿って複数並設されている。これらセグメント14に、コイル13cの端末部が接続されている。
【0032】
(伝達機構)
次に、電動モータ部10の回転力を出力軸45に伝達する伝達機構20について説明する。伝達機構20は,ギヤケース21内に収納されたウォーム16と、ウォーム16に噛合されるウォームホイール23と、ウォームホイール23に接続された動力伝達部材25と、動力伝達部材25に接続された連結プレート26と、連結プレート26に接続された第2セクタギヤ28と、により構成されている。
【0033】
ウォーム16は、モータシャフト13aの他端側(図1における右側)において、モータシャフト13aと一体形成されている。ウォーム16は、ギヤケース21に設けられた図示しないすべり軸受を介してギヤケース21に回転自在に軸支されている。
また、ウォーム16に噛合されるウォームホイール23は、不図示のウォームホイール軸により軸支されおり、ウォームホイール軸は、ギヤケース21の底部21aに支持されている。
電動モータ部10の回転力は、ウォーム16からウォームホイール23へと伝達されて、ウォームホイール23が回転される。なお、電動モータ部10のアーマチュア13の回転速度は、ウォーム16とウォームホイール23との間で減速された後、電動モータ部10の回転力が出力軸45に伝達される。
【0034】
動力伝達部材25は、平板状の金属により形成されており、長尺形状のプレート部25bと、プレート部25bに一体形成された扇形状の第1セクタギヤ部25cと、を備えている。プレート部25bの端部25eには、連結軸25aが取り付けられている。連結軸25aは、ウォームホイール23のウォームホイールギヤ23aよりも内径側において、ウォームホイール23の回転軸に沿って配置されており、ウォームホイール23に挿通されている。そして、連結軸25aは、ウォームホイール23の回転により、ウォームホイール23の回転方向に沿って所定の円周上を運動する。
【0035】
動力伝達部材25の第1セクタギヤ部25cは、第2セクタギヤ28に噛合されている。第2セクタギヤ28は扇形状をしており、ウォームホイール23の外側に配置されている。第2セクタギヤ28の回動中心には、第2セクタギヤ28との相対回転が規制された状態で出力軸45が取り付けられている。出力軸45の詳細については後述する。
【0036】
また、第1セクタギヤ部25cの回動中心には、ウォームホイール23の回転軸に沿ってセクタギヤ軸25dが取り付けられている。そして、セクタギヤ軸25dと出力軸45との間には、長尺板状の連結プレート26が配置されている。セクタギヤ軸25dと出力軸45との間に連結プレート26が配置されることにより、セクタギヤ軸25dと出力軸45との距離は一定に保たれる。
【0037】
伝達機構20は、以下のように動作する。
動力伝達部材25の端部25eに取り付けられている連結軸25aは、ウォームホイール23の回転によりウォームホイール23の周方向に沿って回転移動する。この連結軸25aの回転移動により、互いに回転自在に連結されている動力伝達部材25および連結プレート26は、リンク動作を行う。
【0038】
このリンク動作は、連結軸25aの回転移動により、動力伝達部材25と連結プレート26との間の相対的な角度が増大および減少するように連続的に繰り返される。そして、連結軸25aが一回転するときに、この相対的な角度が増大および減少する一連の運動が一度行われる。
【0039】
動力伝達部材25および連結プレート26のリンク動作により、動力伝達部材25の第1セクタギヤ部25cは、セクタギヤ軸25dを中心に回動する。そして、第1セクタギヤ部25cの回動により、第1セクタギヤ部25cに噛合された第2セクタギヤ28、および第2セクタギヤ28に取り付けられた出力軸45が回動する。出力軸45は、連結軸25aが取り付けられたウォームホイール23が一回転することにより一往復回動している。
この出力軸45の回動により、出力軸45に取り付けられるリヤワイパ(不図示)は回動させられる。
【0040】
(ギヤケース)
上述の伝達機構20は、ギヤケース21内に収納される。
ギヤケース21は、例えば樹脂等からなる一面が開口された箱状の部材であり、インジェクション成型等により形成される。ギヤケース21は、電動モータ部10側(図3における左側)に形成されたモータ取付部21dと、このモータ取付部21dの電動モータ部10とは反対側に形成され底部21aを有する伝達機構収納部21cと、により構成されている。
【0041】
モータ取付部21dは、電動モータ部10側が開口されており、この開口と伝達機構収納部21cとは、モータシャフト13aが挿通される貫通孔を介して連通している。そして、開口から貫通孔にモータシャフト13aを挿通しつつ、ボルト85を用いてモータ取付部21dにモータハウジング11を固定することにより、電動モータ部10がギヤケース21に取り付けられる。
【0042】
モータ取付部21dの開口の内側には、不図示のブラシホルダが配置されている。ブラシホルダには、ブラシ15が収納されている。ブラシ15は、コンミテータ13dを挟んで両側に配置されており、コンミテータ13dに摺接している。
また、モータ取付部21dには、電動モータ40に給電するためのコネクタ部材70が組み付けられる。コネクタ部材70には、バッテリ等の電源(不図示)から延出されたハーネス(不図示)が接続され、ブラシ15を介して電動モータ部10に給電している。
【0043】
図2は、ブラケット80を備えた電動モータ装置1の分解斜視図である。
図2に示すように、伝達機構収納部21cは、収納壁部22で囲まれた領域に形成されており、底部21aと、底部21aと反対側の開口部21bと、を有している。
ギヤケース21の収納壁部22の端面22aは、後述するブラケット80および仮カバー90(図3参照)との合わせ面となっている。
収納壁部22の端面22aには、タッピングネジ87が螺入されるネジ締結孔22b(請求項の「係合部」に相当。)が複数箇所(本実施形態では4箇所)形成されている。タッピングネジ87をネジ締結孔22bに螺入することにより、ブラケット80を固定している。
【0044】
また、ギヤケース21の開口部21bの周縁であって収納壁部22には、外側に向かって立設された爪部31(請求項の「仮係合部」に相当。)が形成されている。爪部31は、開口部21bの中心を挟んで二対形成されている。
爪部31の先端側には、爪部31の高さがギヤケースの底部21a側から開口部21b側に向かって漸次低くなるように傾斜した傾斜面31aが形成されている。爪部31は、後述する仮カバー90に形成された仮係合片92の孔部92a(請求項の「仮係合部」に相当。)と、スナップフィットにより係合される。
【0045】
(ブラケット)
図2に示すように、ブラケット80は鉄等の金属からなる平板状の部材であり、プレス等により形成される。ブラケット80は、ブラケット本体部81と、ブラケット本体部81と一体形成されたステー80a,80b,80cと、により形成されている。
ブラケット本体部81は、ギヤケース21の開口部21b全体を閉塞可能なように、ギヤケースの開口部21bの開口面積よりも広く形成されている。ギヤケース21の開口部21b全体を閉塞することで、ギヤケース21内に塵埃が侵入するのを防止している。
【0046】
ブラケット本体部81には、ギヤケース21のネジ締結孔22bに対応した位置に、固定用貫通孔81aが複数箇所(本実施形態では4箇所)形成されている。固定用貫通孔81aには、タッピングネジ87が挿通され、タッピングネジ87はギヤケース21のネジ締結孔22bに螺入される。これにより、ブラケット80は、電動モータ装置1側の主面がギヤケース21の収納壁部22の端面22aに当接した状態で、ギヤケース21に締結固定される。
【0047】
ステー80a,80b,80cは、不図示の車両等の被取付体に電動モータ装置1を固定可能なように、電動モータ装置1の外側に向かって突設されて形成されている。このため、ブラケット80の外形は、電動モータ装置1の外形よりも大きく形成されている。ステー80a,80b,80cの先端にはフランジボルト89が設けられており、車両のバックドア等に設けられた不図示の固定部にフランジボルト89を締結することで、電動モータ装置1が車両に取り付けられる。
【0048】
(出力軸)
図3は、出力軸45側から見たときの電動モータ装置1の斜視図である。
図3に示すように、出力軸45は、例えば鉄等の金属により形成された棒状部材であり、ギヤケース21の外側に向かって突設されている。出力軸45は、基端側出力軸47と先端側出力軸46とにより分割構成されている。
出力軸45の全長は、電動モータ装置1が搭載される車種によって適宜設定されるため、車種毎に異なっている。そこで、基端側出力軸47の全長を車種毎で同一に設定し、先端側出力軸46の全長を車種毎に対応させて変更することで、車種毎の出力軸45の全長の違いに対応している。
【0049】
基端側出力軸47は、ギヤケース21の底部21aを貫通して伝達機構20に連結されている(図2参照)。具体的には、基端側出力軸47は、ギヤケース21を貫通して、第2セクタギヤ28に接続されている。基端側出力軸47と第2セクタギヤ28とは、例えばセレーションにより嵌合されており、相対回転が規制されている。これにより、第2セクタギヤ28の回動に対応して、基端側出力軸47が回動可能となっている。そして、基端側出力軸47は、第2セクタギヤ28を貫通して、連結プレート26に対して回動可能に連結されている。
また、基端側出力軸47におけるギヤケース21の外側部分にはセレーション47aが形成されており、先端側出力軸46と嵌合可能となっている。
【0050】
先端側出力軸46のギヤケース21側には、基端側出力軸47のセレーション47aと嵌合可能なように、凹部46bが形成されている。これにより、先端側出力軸46と基端側出力軸47とは、相対回転が規制された状態で着脱可能に接続される。
また、先端側出力軸46の先端側には、ネジ部46aが形成されている。ネジ部46aには、不図示のリヤワイパがナット等により固定される。
【0051】
(仮カバー)
図4は、仮カバー90を備えた電動モータ装置1の分解斜視図である。
仮カバー90は、ブラケット80が装着される前に、ギヤケース21に装着される。図4に示すように、仮カバー90は、樹脂等からなる平板状の部材であり、インジェクション成型により、ギヤケース21の開口部21bに対応した形状に形成されている。仮カバー90は、車両に取り付けるための各ステー80a,80b,80c(図3参照)に相当する部分が形成されていないため、ブラケット80よりも外形が小さく形成されている。
【0052】
図5は、仮カバー90を装着したときの電動モータ装置1の説明図である。
仮カバー90には、ギヤケース21の爪部31に対応した位置に、仮係合片92が形成されている。仮係合片92は、仮カバー90の内側主面90bおよび外側主面90aに対して垂直に、ギヤケース21に向かって立設されている。仮係合片92には、ギヤケース21の爪部31が係合可能な孔部92aが形成されており、仮係合片92は、爪部31の立設された方向に弾性変形可能に形成されている。そして、仮カバー90の内側主面90bと、ギヤケース21の端面22aとを当接させて配置することで、仮係合片92の孔部92aとギヤケース21の爪部31とがスナップフィットにより係合され、ギヤケース21に仮カバー90が装着される。
【0053】
図6は、図5のA−A線に沿った断面図である。
仮カバー90の外側主面90aには、基端側出力軸47から離脱された先端側出力軸46を仮保持可能な仮保持機構95が設けられている。
図6に示すように、仮保持機構95は、外側主面90aから垂直に一対の立壁95aが対向して立設されており、断面略U字形状に形成されている。
一対の立壁95aの内壁95bの離間距離は、先端側出力軸46の直径と略同一か、先端側出力軸46の直径よりも若干狭く形成されている。そして、立壁95aの間に先端側出力軸46を配置することにより、先端側出力軸46は一対の立壁95aに挟持可能となっている。
また、一対の立壁95aの先端部95cの離間距離は、先端側出力軸46の直径よりも狭く形成されている。これにより、先端側出力軸46は、一対の立壁95aの先端部95cから外れることなく、一対の立壁95aに挟持されて保持される。
【0054】
(作用)
続いて、以下に、本実施形態の仮カバー90および分割構成された出力軸45の作用について説明する。
上述のように、ステー80a,80b,80cおよび出力軸45は、電動モータ部10およびギヤケース21の外側に向かって突設されて形成されている(図3参照)。このため、電動モータ装置1を輸送する際、電動モータ装置1に要するスペースが大きくなり、輸送効率が低下するおそれがある。また、ブラケット80を取り外した状態で搬送すると、ギヤケース21の開口部21bが開放された状態となるため、伝達機構20内に塵埃が侵入してしまうおそれがある。
【0055】
そこで、図5に示すように、電動モータ装置1の輸送時には、ブラケット80を取り外し、開口部21bを仮カバー90により閉塞している。仮カバー90はブラケット80(図3参照)よりも外形が小さく形成されているため、仮カバー90を装着したときの電動モータ装置1の外形は、ブラケット80を装着したときの電動モータ装置1の外形よりも小さくなる。
【0056】
また、出力軸45を先端側出力軸46と基端側出力軸47とが着脱自在に分割構成されている。そこで、電動モータ装置1の輸送時には、基端側出力軸47から先端側出力軸46を離脱させている。このため、先端側出力軸46を離脱させたときの電動モータ装置1の外形は、先端側出力軸46を装着させたときの電動モータ装置1の外形よりも小さくなる。なお、離脱された先端側出力軸46は、仮カバー90に設けられた仮保持機構95に保持させ、先端側出力軸46の紛失等を防止している。
以上のように、仮カバー90を装着し先端側出力軸46を離脱させて外形を小さくすることで、電動モータ装置1の輸送に要するスペースを削減し効率よく積載している。
【0057】
(効果)
本実施形態によれば、ギヤケース21には、ブラケット80を取付可能なネジ締結孔22b(係合部)に加えて、仮カバー90を係合可能な爪部31(仮係合部)が形成されているので、ブラケット80に代えて仮カバー90をギヤケースに装着して開口部21bを閉塞できる。また、仮カバー90はブラケット80よりも外形が小さいので、仮カバー90を装着することにより、ブラケット80を装着した状態よりも外形が小さい状態で、電動モータ装置1を効率よく積載できる。さらに、仮カバー90を装着することで、車種に対応したブラケット80の形状の違いの影響を受けることなく、輸送時に電動モータ装置1を効率よく積載できる。したがって、輸送効率の向上により電動モータ装置1の物流コストを低減できる。
【0058】
また、本実施形態によれば、出力軸45が基端側出力軸47と先端側出力軸46とにより分割構成されているので、電動モータ装置1が搭載される車種に対応させて先端側出力軸46の長さのみを変更することで、基端側出力軸47の長さを同一としつつ、車種に対応させて出力軸45の全長を変更できる。また、基端側出力軸47と先端側出力軸46とが着脱自在に構成されているので、先端側出力軸46を電動モータ装置1から離脱できる。これにより、車種に対応した出力軸45の長さの違いの影響を受けることなく、先端側出力軸46を装着した状態よりも外形が小さい状態で、輸送時に電動モータ装置1を効率よく積載できる。したがって、輸送効率の向上により電動モータ装置1の物流コストを低減できる。
【0059】
また、本実施形態によれば、離脱させた先端側出力軸46を仮カバー90に保持させることで、輸送時における先端側出力軸46の紛失を防止できる。また、車種毎に異なる各電動モータ装置1に対応した先端側出力軸46を保持できるので、車種毎に長さの異なる先端側出力軸46の誤組を防止できる。
【0060】
また、本実施形態によれば、仮カバー90とギヤケース21との固定手段をスナップフィットとすることで、仮カバーの着脱91を容易に行える。これにより、輸送時における仮カバー90の装着工数およびブラケット80の組付時における仮カバー90の離脱工数を低減できる。
【0061】
(実施形態の変形例)
次に、実施形態の変形例の仮カバー90について説明する。
図7は、出力軸45の回動角度が実施例よりも大きい電動モータ装置100の説明図である。
図8は、変形例における仮カバー90の説明図である。
上述の実施形態では、仮カバー90の大きさは、図1に示す電動モータ装置1のギヤケース21の開口部21bを閉塞可能に設定されていた。しかし、本変形例では、仮カバー90の大きさは、実施形態の電動モータ装置1の開口部21b、および図7に示す出力軸の回動角度が大きい電動モータ装置100(以下「広角電動モータ装置100」という。)の開口部210bの双方を閉塞可能に設定されている点で、実施形態とは異なっている。なお、実施形態と同様の構成部分については、説明を省略している。
【0062】
(広角電動モータ装置)
図7に示す広角電動モータ装置100の伝達機構20は、ギヤケース210内に収納されたウォーム16と、ウォーム16と噛合されるウォームホイール23と、ウォームホイール23と接続される第1連結プレート260と、第1連結プレート260と接続される第2連結プレート280と、により構成されている。
第1連結プレート260は、長尺板状に形成された部材である。第1連結プレート260の一方側は、ウォームホイール23に設けられた連結軸250aに回動自在に接続されている。また、第1連結プレート260の他方側は、第2連結プレート280の一方側に回動自在に接続されている。第2連結プレート280の他方側には、第2連結プレート280との相対回転が規制された状態で出力軸45が取り付けられている。
【0063】
連結軸25aは、ウォームホイール23の回転によりウォームホイール23の周方向に沿って回転移動する。この連結軸25aの回転移動により、互いに回転自在に連結されている第1連結プレート260および第2連結プレート280は、リンク動作を行う。そして、このリンク動作により、第2連結プレート280に取り付けられた出力軸45が回動する。出力軸45は、連結軸25aが取り付けられたウォームホイール23が一回転することにより一往復回動している。この出力軸45の回動により、出力軸45に取り付けられるリヤワイパ(不図示)は回動させられる。
なお、第1連結プレート260は、電動モータ部10の回転軸に沿う方向にリンク動作する。したがって、広角電動モータ装置100のギヤケース210は、実施形態の電動モータ装置1のギヤケース21と比較して、電動モータ装置1の軸方向に長く形成されている。
【0064】
(仮カバー)
図8は、変形例における仮カバー90の説明図である。なお、図8において、電動モータ装置1のギヤケース21の開口部21bを一点鎖線で、広角電動モータ装置100のギヤケース210の開口部210bを二点鎖線で図示している。
図8に示すように、仮カバー90の大きさは、電動モータ装置1のギヤケース21の開口部21b、および広角電動モータ装置100のギヤケース210の開口部210bを閉塞可能なように、領域S(図8におけるハッチング領域)にわたって設定されている。
【0065】
また、仮カバー90には、電動モータ装置1のギヤケース21の爪部31、および広角電動モータ装置100のギヤケース210の爪部310に対応して、仮係合片92が複数箇所(変形例では6箇所)形成されている。
変形例の仮カバー90は、実施形態の仮カバー90(図3参照)よりも、外形が電動モータ装置1の軸方向に長く形成される。このため、実施形態の仮カバー90と比較して、輸送時のスペースを要するため若干輸送効率が低下する。しかしながら、ブラケット80を装着したときよりも輸送効率が大きく向上し、さらにギヤケース21(210)の開口部21b(210b)の形状が異なる電動モータ装置1および広角電動モータ装置100のいずれにも装着できる点で利点がある。
【0066】
(変形例の効果)
本実施形態によれば、出力軸45の回動角度の違い等によりギヤケース21の開口部21bの形状が異なる他の電動モータ装置1が適用された場合でも、同一の仮カバー90を適用できる。このように仮カバー90に汎用性を持たせることで、開口部21bの開口形状の違いに対応して形状の異なる仮カバー90を新規に形成する必要がない。したがって、仮カバー90によるコスト上昇を抑制して電動モータ装置1の物流コストを低減できる。
【0067】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本実施形態および変形例では、仮カバー90は樹脂によりインジェクション成型されていたが、鉄等の金属によりプレス加工等で形成されてもよい。
【0068】
実施形態および変形例では、ブラケット80は、タッピングネジ87によりギヤケース21に締結固定されていた。しかし、ブラケット80の固定方法はこれに限られることはなく、例えばスナップフィット等によりブラケット80がギヤケース21に固定されていてもよい。ただし、ギヤケース21にブラケット80を強固に固定できる点で、本実施形態および変形例に優位性がある。
【0069】
実施形態および変形例では、仮カバー90には仮係合片92が形成され、ギヤケース21には、爪部31が形成され、仮係合片92と爪部31とがスナップフィットにより係合することにより、ギヤケース21に仮カバー90が装着されていた。しかし、仮カバー90の装着方法は実施形態および変形例のスナップフィットに限られない。例えば、仮カバー90における電動モータ部10と対応した位置に、モータハウジング11を把持可能な把持部を形成し、モータハウジング11を把持することで、ギヤケース21に仮カバー90が装着されてもよい。また、タッピングネジ等で締結することにより、ギヤケース21に仮カバー90が装着されてもよい。ただし、スナップフィットにより仮カバー90を容易に着脱でき、仮カバー90の装着工数およびブラケット80の組付時における仮カバー90の離脱工数を低減できる点で、実施形態および変形例に優位性がある。
【0070】
実施形態および変形例では、先端側出力軸46と基端側出力軸47とは、セレーション47aにより嵌合されていたが、嵌合手段はセレーションに限られず、例えばキー溝等により嵌合されてもよい。
【0071】
実施形態および変形例では、リヤワイパアーム駆動用の電動モータ装置1を例に説明をした。しかし、本発明の適用は、リヤワイパアーム駆動用の電動モータ装置1にかぎられることはなく、例えば、車両のパワーウィンドウ、サンルーフ、電動シート等を駆動させる電動モータ装置にも広く適用できる。
【符号の説明】
【0072】
1 電動モータ装置
10 電動モータ部
20 伝達機構
21 ギヤケース(ケース)
21b 開口部
22b ネジ締結孔(係合部)
31 爪部(仮係合部)
45 出力軸
46 先端側出力軸
47 基端側出力軸
80 ブラケット
90 仮カバー
92a 孔部(仮係合部)
95 仮保持機構
100 広角電動モータ装置(他の電動モータ装置)
210 広角電動モータ装置のギヤケース(他の電動モータ装置のケース)
210b 広角電動モータ装置の開口部(他の電動モータ装置のケースの開口部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータ部の回転力を出力軸に伝達する伝達機構と、
開口部を有するケースと、を備え、
このケースに、前記伝達機構を収納すると共に前記電動モータ部を取り付けた電動モータ装置において、
前記開口部を閉塞可能、かつ前記ケースを被取付体に固定するためのブラケットと、
前記ブラケットよりも外形が小さく形成され、前記開口部を閉塞可能な仮カバーと、
を有し、
前記ケースには、前記開口部の周縁に、前記ブラケットを係合可能な係合部と、前記仮カバーを係合可能な仮係合部とが形成されていることを特徴とする電動モータ装置。
【請求項2】
電動モータ部の回転力を出力軸に伝達する伝達機構と、
前記電動モータ部が取付けられると共に、前記伝達機構が収納されるケースとを備えた電動モータ装置において、
前記出力軸は、前記伝達機構に連結された基端側出力軸と、前記ケースよりも外側の先端側出力軸とにより分割構成され、かつこれら基端側出力軸と先端側出力軸とが着脱自在に構成されていることを特徴とする電動モータ装置。
【請求項3】
電動モータ部の回転力を出力軸に伝達する伝達機構と、
開口部を有するケースと、を備え、
このケースに前記伝達機構を収納すると共に、前記電動モータ部を取付けた電動モータ装置において、
前記開口部を閉塞可能、かつ前記ケースを被取付体に固定するためのブラケットと、
前記ブラケットよりも外形が小さく形成され、前記開口部を閉塞可能な仮カバーと、
を有し、
前記ケースには、前記開口部の周縁に、前記ブラケットを係合可能な係合部と、前記仮カバーを係合可能な仮係合部とが形成されており、
前記出力軸は、前記伝達機構に連結された基端側出力軸と、前記ケースよりも外側の先端側出力軸とにより分割構成され、かつこれら基端側出力軸と先端側出力軸とが着脱自在に構成されていることを特徴とする電動モータ装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電動モータ装置であって、
前記仮カバーには、前記基端側出力軸から離脱された前記先端側出力軸を仮保持可能な仮保持機構が設けられていることを特徴とする電動モータ装置。
【請求項5】
請求項1、3および4のいずれか1項に記載の電動モータ装置であって、
前記仮係合部は、前記ケースおよび前記仮カバーのいずれか一方に形成された爪部と、前記ケースおよび前記仮カバーのいずれか他方に前記爪部に対応して形成された孔部と、により構成され、これら爪部と孔部とがスナップフィットにより係合されていることを特徴とする電動モータ装置。
【請求項6】
請求項1、3、4および5のいずれか1項に記載の電動モータ装置であって、
前記仮カバーの大きさは、前記開口部、および前記開口部とは異なる外形を有する他の電動モータ装置のケースの開口部の双方を閉塞可能な大きさに設定されていることを特徴とする電動モータ装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の電動モータ装置を、車両のワイパアームの駆動用に用いたことを特徴とするワイパ駆動用電動モータ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−17362(P2013−17362A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150110(P2011−150110)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】