説明

電動式パワーステアリング装置用コラムユニット

【課題】ハウジング9aの後端部とステアリングコラム6bの前端部との結合部の強度及び剛性を確保できる構造を実現する。
【解決手段】前記ステアリングコラム6bの前端部に、この前端部を径方向外方に曲げ起こして成る曲げ起こし部28と、このステアリングコラム6bの内外両周面同士を連通させる透孔30a、30bとを形成する。前記ハウジング9aを、これら各透孔30a、30b及び前記曲げ起こし部28を内部に包埋する状態で射出成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内側にステアリングシャフトを回転自在に支持する為のステアリングコラムと、内部に電動式パワーステアリング装置の構成部品を収納するハウジングとを組み合わせて成る、電動式パワーステアリング装置用コラムユニットの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用ステアリング装置は、図10に示す様に構成して、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド4、4を押し引きして、前車輪に舵角を付与する様にしている。前記ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持されている。このステアリングコラム6の前端部は、電動式パワーステアリング装置の構成部品である、ウォーム減速機7やトルク測定器8(後述する図11及び本発明の実施の形態を示す図1参照)等を収納したハウジング9の後端部に連結固定している。このハウジング9には、前記電動式パワーステアリング装置の動力源である電動モータ10を支持固定している。
【0003】
前記ステアリングホイール1により前記ステアリングシャフト5を回転させると、このステアリングシャフト5に付与されたトルクの方向及び大きさが前記トルク測定器8により測定される。このトルク測定器8は、前記ハウジング9内に回転自在に支持されて、トーションバー11により互いに結合された入力軸12及び出力軸13と、これら両軸12、13同士の回転方向に関する相対変位量を測定する為の変位測定器14(図1、11参照)とから成る。この様なトルク測定器8の構成及び作用は、従来から周知であるから、詳しい説明は省略する。このトルク測定器8の測定結果に基づき、前記電動モータ10が前記出力軸13に対し、前記ステアリングホイール1の操作方向と同じ方向の補助トルクを付与し、この出力軸13を、前記ステアリングシャフト5から前記入力軸12に入力されたトルクよりも大きなトルクで回転させる。
【0004】
上記出力軸13の先端部は、自在継手15aを介して中間シャフト16の後端部に接続し、この中間シャフト16の前端部を、別の自在継手15bを介して、前記入力軸3に接続している。尚、図10に示した構造は、ステアリングホイール1の上下位置を調節する為のチルト機構と、前後位置を調節する為のテレスコピック機構とを組み込んでいる。この為に、前記ステアリングコラム6の中間部を、車体17に支持した支持ブラケット18に対し、上下位置及び前後位置の調節を可能に支持している。又、前記チルト機構を構成する為に、前記ハウジング9の前上端部に設けた支持筒19を車体17に対し、横軸を中心とする揺動変位を可能に支持している。又、前記テレスコピック機構を構成する為に、前記ステアリングシャフト5を、インナシャフトとアウタシャフトとを、トルク伝達可能に、且つ、伸縮可能に組み合わせたものとし、前記ステアリングコラム6を、アウタコラムとインナコラムとを伸縮可能に組み合わせたものとしている。
【0005】
上述の様な、ステアリングコラム6とハウジング9とを組み合わせて成る電動式パワーステアリング装置用コラムユニットで、このハウジング9の軽量化並びにコスト低減を図る為に、このハウジング9を合成樹脂製とする事が、特許文献1に記載されている。図11は、この特許文献1に記載された、電動式パワーステアリング装置用コラムユニットの従来構造の1例を示している。この従来構造の場合、それぞれがポリアミド樹脂等の合成樹脂製のセンサハウジング20とギヤハウジング21とを溶着して、中空のハウジング9aとしている。この様に、ハウジング9aを合成樹脂製とした場合でもステアリングコラム6aは、強度及び剛性を確保すべく、炭素鋼の如き鉄系合金等の金属製とする必要がある。この為に、図11に示した従来構造の場合には、金属製で円筒状ステアリングコラム6aの前端部を、前記ハウジング9aの後端部に形成した円筒部22に外嵌する事で、このハウジング9aの後端部と前記ステアリングコラム6aの前端部とを結合している。
【0006】
但し、上述の様な従来構造の場合、これらハウジング9aの後端部とステアリングコラム6aの前端部との結合強度を高くする事が難しい。即ち、これらハウジング9aの後端部とステアリングコラム6aの前端部とを締り嵌めで嵌合固定した場合でも、このハウジング9aを構成する合成樹脂と、前記ステアリングコラム6aを構成する金属との線膨張率の差に基づいて、前記両端部同士の結合固定部の嵌合強度が次第に低下する可能性がある。特に、温度上昇に伴う前記円筒部22の外径の拡大分が、前記ステアリングコラム6aの前端部の内径の拡大分よりも大きくなると、前記円筒部22の外周面を抑え付ける力(面圧)が過大になり、この円筒部22が、外径が小さくなる方向に塑性変形する。この結果、前記結合固定部の嵌合強度の低下が著しくなる。
【0007】
又、金属と合成樹脂との締り嵌めに基づく、前記両端部同士の結合部の強度及び剛性は、初期段階から必ずしも大きくはない。従って、ステアリングホイール1の高さ調節時等に前記結合部に曲げ方向の力が加わった場合にも、前記円筒部22の外周面が塑性変形し、前記結合固定部の嵌合強度が低下する可能性がある。何れにしても、この嵌合強度が低下すると、前記ステアリングコラム6aと前記ハウジング9aとの結合部ががたつく等の問題が発生する可能性がある。尚、この様な問題は、ステアリングコラムを鉄系合金の如き、必要とする強度及び剛性を得易い金属により造り、ハウジングをアルミニウム系合金の如き、軽量ではあるが前記ステアリングコラムを構成する金属に比べて軟質の金属により造る場合にも生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−298246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ハウジングの後端部とステアリングコラムの前端部との結合部の強度及び剛性を確保できる構造を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電動式パワーステアリング装置用コラムユニットは、ステアリングコラムとハウジングとを備える。
このうちのステアリングコラムは、内部にステアリングシャフトを挿通するもので、金属製で円筒状である。
又、前記ハウジングは、前記ステアリングコラムの前端部に結合固定され、内部に電動式パワーステアリング装置の構成部品の少なくとも一部を収納するもので、前記ステアリングコラムを構成する金属に比べて軟質の金属の鋳造品若しくは合成樹脂の射出成形品である。
更に、本発明の電動式パワーステアリング装置用コラムユニットでは、前記ステアリングコラムの前端部に、この前端部を径方向外方に曲げ起こして成る曲げ起こし部と、このステアリングコラムの内外両周面若しくは両側面を連通させる除肉部とを形成している。そして、前記ハウジングを、この除肉部及び前記曲げ起こし部を内部に包埋する状態で、鋳造若しくは射出成形している。
【0011】
上述の様な本発明の電動式パワーステアリング装置用コラムユニットを実施するのに、具体的には、請求項2に記載した発明の様に、前記ステアリングコラムの前端部に、前記曲げ起こし部と、大径円筒部と、複数の透孔とを備える。
このうちの曲げ起こし部は、前方に向かうに従って直径が大きくなる方向に傾斜した、部分円すい筒状である。
又、前記大径円筒部は、前記曲げ起こし部の大径側端部から、前方に向け折れ曲がっている。
又、前記各透孔は、前記曲げ起こし部及び前記大径円筒部の円周方向複数箇所に形成されたもので、それぞれが前記除肉部である。
そして、前記ハウジングの後端部を、前記曲げ起こし部及び大径円筒部の内径側と外径側とに存在させると共に、前記ハウジングを構成する金属若しくは合成樹脂の一部を、前記各透孔内に入り込ませている。
【0012】
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記曲げ起こし部と、複数の透孔とを備える。
このうちの曲げ起こし部は、前記ステアリングコラムの前端縁部に設けられたもので、径方向外方に向け折れ曲がった外向フランジ状である。
又、前記各透孔は、前記曲げ起こし部及び前記ステアリングコラムの前端部でこの曲げ起こし部よりも後寄り部分に形成されたもので、それぞれが前記除肉部である。
そして、前記ハウジングの後端部を、前記曲げ起こし部の前後両側及び前記ステアリングコラムの前端部の内径側と外径側とに存在させると共に、前記ハウジングを構成する金属若しくは合成樹脂の一部を、前記各透孔内に入り込ませている。
【0013】
或いは、請求項4に記載した発明の様に、前記曲げ起こし部と、複数の切り欠きとを備える。
このうちの曲げ起こし部は、前記ステアリングコラムの前端縁部に設けられたもので、径方向外方に向け折れ曲がっている。
又、前記各切り欠きは、前記曲げ起こし部の外周縁部分に形成されたもので、それぞれが前記除肉部である。
そして、前記ハウジングの後端部を、前記曲げ起こし部の前後両側に存在させると共に、このハウジングを構成する金属若しくは合成樹脂の一部を、前記各切り欠き内に入り込ませている。
【発明の効果】
【0014】
上述の様に構成する本発明の電動式パワーステアリング装置用コラムユニットによれば、ハウジングの後端部とステアリングコラムの前端部との結合部の強度及び剛性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す要部断面図。
【図2】図1から、ハウジングのうちの主部と、ステアリングコラムとを取り出して示す断面図。
【図3】ステアリングコラムの前端部を、ハウジングの主部と組み合わせる以前の状態で示す斜視図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す、図2のA部に相当する図。
【図5】本発明の実施の形態の第3例を示す、図3と同様の図。
【図6】同じく、図4と同様の図。
【図7】本発明の実施の形態の第4例を示す、ステアリングコラムの前端部の端面図(a)及び断面図(b)。
【図8】本発明に関する参考例の第1例を示す、ステアリングコラムの前端部の端面図(a)及び側面図(b)。
【図9】同第2例を示す、図8と同様の図。
【図10】電動式パワーステアリング装置の1例を示す、部分切断側面図。
【図11】従来構造の1例を示す要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施の形態の第1例]
図1〜3は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて本発明の特徴は、ステアリングコラムの前端部と、電動式パワーステアリング装置用のハウジングの後端部との結合固定部の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図11に示した構造を含めて、従来から知られている電動式パワーステアリング装置用コラムユニットと同様である。そこで、従来から知られている構造部分に関しては、説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分、及び先に説明しなかった部分を中心に説明する。
【0017】
本例の電動式パワーステアリング装置用コラムユニットは、ステアリングコラム6bの前端部と、ハウジング9bを構成する主部23の後端部とを、この主部23を合成樹脂により射出成形する際に、一体的に結合固定している。
前記ハウジング9bは、それぞれが同種の合成樹脂を射出成形して成る、前記主部23と蓋部24とを、ねじ止め、溶着等の適宜の方法により結合固定して、中空状に構成している。そして、入力軸12の前端部(図1の左端部)、出力軸13の後端部(図1の右端部)乃至中間部、トーションバー11、トルク測定器8等を、収納している。又、前記出力軸13の中間部で軸方向に離隔した2箇所位置を前記ハウジング9bの内側に、1対の転がり軸受25a、25bにより、回転自在に支持している。そして、これら両転がり軸受25a、25bの間部分で前記出力軸13に、ウォームホイール26を、セレーション係合等により外嵌固定している。そして、このウォームホイール26と、電動モータ10(図10参照)により回転駆動されるウォーム27とを噛合させて、前記出力軸13に補助トルクを付加する様にしている。
【0018】
一方、前記ステアリングコラム6bは、炭素鋼等の鉄系合金、或いはアルミニウム合金製の金属管(引き抜き管乃至は電縫管)で、全体を円管状とすると共に、前端部を略ラッパ状に拡径している。即ち、前記ステアリングコラム6bの前端部に、曲げ起こし部28と、大径円筒部29と、それぞれが除肉部である複数の透孔30a、30bとを形成している。このうちの曲げ起こし部28は、前方に向かうに従って直径が大きくなる方向に傾斜した、部分円すい筒状である。又、前記大径円筒部29は、前記ステアリングコラム6bの本体部分(前記曲げ起こし部28よりも後寄り部分)と同心の円筒状である。更に、前記各透孔30a、30bは、前記曲げ起こし部28と前記大径円筒部29とに、それぞれ複数ずつ形成している。尚、図示の例では、これら曲げ起こし部28と大径円筒部29とに形成する前記各透孔30a、30bの数を互いに同じとし、円周方向に関する位相を互いに一致させている。但し、これら各透孔30a、30bの数は、必要とする強度等に応じて、自由(但し、好ましくは、それぞれ3箇所以上、合計6箇所以上)に設定でき、勿論、曲げ起こし部28と大径円筒部29との間で位相を一致させる必要はない。
【0019】
前端部に、上述の様な曲げ起こし部28と、大径円筒部29と、複数の透孔30a、30bとを形成した、前記ステアリングコラム6bと、前記ハウジング9bの主部23とは、このハウジング9bを熱可塑性の合成樹脂により射出成形する際に結合固定する。即ち、この主部23を射出成形する為の金型のキャビティ内の所定位置に前記ステアリングコラム6bの前端部を位置させた状態で、このキャビティ内に前記合成樹脂を、加熱溶融させた状態で送り込む。このキャビティ内に送り込まれた溶融樹脂は、前記ステアリングコラム6bの前端部を包埋しつつ、このキャビティ内で冷却固化して前記主部23を構成する。この際、前記溶融樹脂の一部は、前記各透孔30a、30b内に入り込んで、これら各透孔30a、30b内で固化する。この結果、前記主部23を構成する合成樹脂のうち、前記ステアリングコラム6bの前端部よりも外径側に存在する部分と内径側に存在する部分とが一体に結合される。同時に、前記主部23と前記ステアリングコラム6bとが、強固に結合される。尚、前記合成樹脂の種類は、必要とする強度、剛性、耐久性を確保できるものであれば、特に問わない。例えば、ガラス繊維や炭素繊維等の補強材を混入した、ポリアミド樹脂(PA)やポリエチレンテレフタレート(PET)等が、好ましく使用できる。
【0020】
本例の電動式パワーステアリング装置用コラムユニットは、上述の様に、複数の透孔30a、30bを形成した、鉄系合金製のステアリングコラム6bの前端部を、合成樹脂製のハウジング9bの主部23の後端部に包埋固定しているので、これらステアリングコラム6bと主部23との結合部の強度及び剛性を十分に高くできる。この為、温度変化を伴う、長期間に亙る使用によっても、前記ステアリングコラム6bと前記ハウジング9bとの結合部ががたつく等の問題が発生する事はない。
【0021】
[実施の形態の第2例]
図4も、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、ハウジングを構成する主部23aの後端部の肉厚を、上述した実施の形態の第1例の場合よりも薄くしている。その代わりに、この主部23aの外面の円周方向複数箇所に、補強リブ31を形成している。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
【0022】
[実施の形態の第3例]
図5〜6は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、ステアリングコラム6cの前端縁部を径方向外方に向け、ほぼ直角に折り曲げる事により、外向フランジ状の曲げ起こし部28aを形成している。そして、この曲げ起こし部28a、及び、前記ステアリングコラム6cの前端部でこの曲げ起こし部28aよりも後ろ寄り部分に、それぞれ複数ずつの透孔30a、30bを形成している。そして、ハウジングを構成する主部23bを射出成形する際に、前記曲げ起こし部28aを含む、前記ステアリングコラム6cの前端部を、前記主部23bの後端部に包埋して、これらステアリングコラム6cと主部23bとを結合固定している。
その他の部分の構成は、上述した実施の形態の第2例と同様であるから、重複する説明は省略する。
【0023】
[実施の形態の第4例]
図7は、請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合も、ステアリングコラム6dの前端縁部を径方向外方に向け、ほぼ直角に折り曲げる事により、外向フランジ状の曲げ起こし部28aを形成している。特に本例の場合には、この曲げ起こし部28aの外周縁部分に、複数の切り欠き32、32を形成している。そして、ハウジングを射出成形する際に、このハウジングを構成する合成樹脂の一部を前記各切り欠き32、32内に入り込ませた状態で、このハウジングと前記ステアリングコラム6dとを結合固定している。
その他の部分の構成は、上述した実施の形態の第3例と同様であるから、重複する説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、ハウジングを合成樹脂製とする構造に限らず、アルミニウム合金製とする構造でも実施可能である。
尚、ステアリングコラムの前端部をハウジングの後端部に包埋支持する構造で、これらステアリングコラムとハウジングとの結合強度を向上させる為の構造としては、図8〜9に示す様な構造も考えられる。このうちの図8に示した構造は、ステアリングコラム6eの前端部に設けた大径円筒部29aの形状を円周方向に関する波形としたものである。又、図9に示した構造は、ステアリングコラム6fの前端部に曲げ起こし部を形成せず、このステアリングコラム6fの前端部にエンボス状の突起33、33を形成したものである。何れの構造の場合でも、ステアリングコラムとハウジングとの結合強度を向上させる事はできるが、このステアリングコラムの前端部でこのハウジングの後端部に包埋される部分の見掛け上の厚さ(断面形状に関する外接円と内接円との直径の差の1/2)が大きくなる。この結果、このハウジングの後端部の厚さ寸法が部分的に(波形の頂部や突起33、33の頂部に対応する部分で)小さくなり、薄肉・軽量化と、当該部分の耐久性確保との両立が難しくなる可能性がある。これに対して、本発明の場合には、これらの両立が容易である。
【符号の説明】
【0025】
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5 ステアリングシャフト
6、6a、6b、6c、6d、6e、6f ステアリングコラム
7 ウォーム減速機
8 トルク測定器
9、9a、9b ハウジング
10 電動モータ
11 トーションバー
12 入力軸
13 出力軸
14 変位測定器
15a、15b 自在継手
16 中間シャフト
17 車体
18 支持ブラケット
19 支持筒
20 センサハウジング
21 ギヤハウジング
22 円筒部
23、23a、23b 主部
24 蓋部
25a、25b 転がり軸受
26 ウォームホイール
27 ウォーム
28、28a 曲げ起こし部
29、29a 大径円筒部
30a、30b 透孔
31 補強リブ
32 切り欠き
33 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にステアリングシャフトを挿通する円筒状のステアリングコラムと、このステアリングコラムの前端部に結合固定され、内部に電動式パワーステアリング装置の構成部品の少なくとも一部を収納するハウジングとを備え、前記ステアリングコラムは金属製であり、このハウジングは、このステアリングコラムを構成する金属に比べて軟質の金属の鋳造品若しくは合成樹脂の射出成形品である電動式パワーステアリング装置用コラムユニットであって、前記ステアリングコラムの前端部に、この前端部を径方向外方に曲げ起こして成る曲げ起こし部と、このステアリングコラムの内外両周面若しくは両側面同士を連通させる除肉部とが形成されており、前記ハウジングは、この除肉部及び前記曲げ起こし部を内部に包埋する状態で、鋳造若しくは射出成形されている電動式パワーステアリング装置用コラムユニット。
【請求項2】
前記ステアリングコラムの前端部に設けられた、前方に向かうに従って直径が大きくなる方向に傾斜した部分円すい筒状の前記曲げ起こし部と、この曲げ起こし部の大径側端部から前方に向け折れ曲がった大径円筒部と、これら曲げ起こし部及び大径円筒部の円周方向複数箇所に形成された、それぞれが前記除肉部である複数の透孔とを備え、前記ハウジングの後端部が、前記曲げ起こし部及び大径円筒部の内径側と外径側とに存在すると共に、このハウジングを構成する金属若しくは合成樹脂の一部が、前記各透孔内に入り込んでいる、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置用コラムユニット。
【請求項3】
前記ステアリングコラムの前端縁部に設けられた、径方向外方に向け折れ曲がった外向フランジ状の前記曲げ起こし部と、この曲げ起こし部及び前記ステアリングコラムの前端部でこの曲げ起こし部よりも後寄り部分に形成された、それぞれが前記除肉部である複数の透孔とを備え、前記ハウジングの後端部が、前記曲げ起こし部の前後両側及び前記ステアリングコラムの前端部の内径側と外径側とに存在すると共に、前記ハウジングを構成する金属若しくは合成樹脂の一部が、前記各透孔内に入り込んでいる、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置用コラムユニット。
【請求項4】
前記ステアリングコラムの前端縁部に設けられた、径方向外方に向け折れ曲がった外向フランジ状の前記曲げ起こし部と、この曲げ起こし部の外周縁部分に形成された、それぞれが前記除肉部である複数の切り欠きとを備え、前記ハウジングの後端部が、前記曲げ起こし部の前後両側に存在すると共に、このハウジングを構成する金属若しくは合成樹脂の一部が、前記各切り欠き内に入り込んでいる、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置用コラムユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−250588(P2012−250588A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123504(P2011−123504)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】