説明

電動機制御回路および電動機制御方法

【課題】三相モータの回転数が何らかの原因により急上昇した場合に、電動機の回転数検出値が所定値を超えるときは、回生時制御パターンによる制御によらずに、回生電力を制限する。
【解決手段】
電池100と、回生動作するインバータ12と、インバータ12を制御するコントローラ11とを備えた電動機制御回路1において、コントローラ11は、三相モータ2が所定の回転数を超えて発電するときは、インバータ12に力行時進角制御パターンを送出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機の力行制御・回生制御を行なう電動機制御回路において、高回転領域にて動作する場合または何らかの原因で回転数が急上昇した場合に、電力変換器の破壊、電池の過充電を防止することができる電動機制御回路および電動機制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車(電動式の自動二輪車,自転車等の二輪車を含む)に搭載される電動機は、減速時等には発電機として動作し回生電力を発生する。図1はこの種の電動機の制御装置を示すシステム構成図である。図1において、三相モータ9を駆動する電動機制御回路8は、コントローラ81と、インバータ82と、回生時余剰電力消費用抵抗83と、 磁極位置検出回路84と、電池電圧検出回路85とを備えている。なお、図1では説明の便宜上、負荷をシンボルとして符号300で示してある。
【0003】
コントローラ81は、力行制御モード(アクセルが「開」となっている場合)には、トルク指令Sおよび磁極位置検出回路84からの磁極位置信号を取得して、インバータ82に各相の電気量の実効値を決定するパルスを出力することができ、回生制御モード(アクセルが「閉」となっている場合)には三相モータ9からの電力を電池200に戻すことができる。
【0004】
インバータ82は直流を交流に変換し電動機を駆動する半導体スイッチ素子からなる。磁極位置検出回路84は、ロータ位置検出センサ91からの検出信号を取得して、磁極位置信号をコントローラ81に出力し、コントローラ81は回転速度を求めることができる。
電池電圧検出回路85は、電池200の端子電圧を検出することができる。
【0005】
図2は、力行制御モードにおけるコントローラ81による電動機制御回路8の制御原理を示す図である。図2において、横軸は三相モータ9の回転数N(rpm)を示し、縦軸はトルクを示しており、発電電力の一部は電池200に回生され、一部は回生時余剰電力消費用抵抗83により消費される。また、デューティの計算値が100%を超えてしまうときは、最大電気角を60°として進角制御を行なう。
【0006】
図3は、回生制御モードにおけるコントローラ81による電動機制御回路8の制御原理を示す図である。回生制御モードでは、過充電とならないように、発電電力の一部を図示しない抵抗等に消費させることにより回生電力を制御する必要がある。図3において、横軸は三相モータ9の回転数N(rpm)を示し、縦軸は電力を示しており、電動機制御回路8の発電電力Wmの一部は電池200に回生され(回生電力をWaとして示す)、一部は消費用抵抗83により消費される(抵抗消費電力Wrとして示す)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、たとえば力行制御モードで運転中に三相モータ9の回転数が、高回転領域にて動作する場合または何らかの原因で回転数が急上昇した場合に、電圧により、インバータ82を構成するスイッチ素子が破壊されることがある。また、回生時には電池へ大電流が流れ、電池が損傷することがある。
【0008】
本発明の目的は、三相モータの回転数が何らかの原因により急上昇した場合に、電動機の回転数検出値が所定値を超えるときは、回生時制御パターンによる制御によらずに、回生電力を制限することができる電動機制御回路および電動機制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電動機制御回路は、直流電源と、前記直流電源からの電力を交流電力に変換して電動機に供給するとともに、前記電動機からの発電電力の全部または一部を回生電力として前記直流電源に戻す電力変換器と、前記電力変換器を制御するコントローラとを備え、前記コントローラが、前記電動機が所定の回転数を超えて発電するときは、前記電力変換器に力行時進角制御パターンを送出する電動機制御回路において、
前記所定の回転数が、前記電動機が無負荷発電して動作させた場合においてその発電電圧が前記直流電源の電圧と釣り合う回転数であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の電動機制御回路では、前記コントローラは、前記電動機が前記所定の回転数以上または前記所定の回転数を超える回転数で発電するときは、前記電力変換器に力行時進角制御パターンを送出するように構成できる。また、前記コントローラは、前記電動機が所定の回転数以下または未満、かつ所定のトルク以下または未満で発電する場合において、前記直流電源の電圧が前記所定電圧以下または未満であるときは、前記電力変換器に、回転数が現回転数よりも大きいときの回生時制御パターンを送出することができる。
【0011】
本発明の電動機制御方法は、直流電源からの直流電力を交流電力に変換して電動機に供給するとともに、前記電動機からの発電電力の全部または一部を回生電力として前記直流電源に戻し、前記電動機が所定の回転数を超えて発電するときは、前記電力変換器を力行時進角制御パターンで動作させる電動機制御方法において、前記所定の回転数が、前記電動機が無負荷発電して動作させた場合においてその発電電圧が前記直流電源の電圧と釣り合う回転数であることを特徴とする。
【0012】
本発明の電動機制御方法では、前記電動機が所定の回転数以上または前記回転数を超える回転数で発電するときは、前記電力変換器に力行時進角制御パターンを送出することができる。
【0013】
本発明の電動機制御方法では、前記電動機が前記所定の回転数以下または未満、かつ所定のトルク以下または未満で発電する場合において、前記直流電源の電圧が所定電圧以下または未満であるときは、前記電力変換器に、回転数が現回転数よりも大きいときの回生時制御パターンを送出することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、電動機の回転数が高速となり、あるいは何らかの原因により急上昇した場合に、力行時進角制御における負のトルク領域の回転数−トルク特性を利用して電動機の回生電力を制限するので、電力変換器を構成するスイッチ素子の破壊や電源電池の過充電を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図4は、本発明の電動機制御回路の一実施形態を示すシステム構成図である。図4において、三相モータ2を駆動する電動機制御回路1は、コントローラ11と、インバータ(本発明の電力変換器)12と、磁極位置検出回路13と、電池電圧検出回路14とを備えている。なお、図4では説明の便宜上、負荷をシンボルとして符号300で示してある。
【0016】
コントローラ11は、力行制御モード(アクセルが「開」となっている場合)では、トルク指令Sおよび磁極位置検出回路13からの磁極位置信号を取得するとともに回転速度(回転数)を求め、インバータ12に各相の電気量の実効値を決定するパルスを出力することができ、回生制御モード(アクセルが「閉」となっている場合)では三相モータ2からの電力を電池100に戻すことができる。
【0017】
インバータ12は直流を交流に変換し三相モータ2を駆動する半導体スイッチ素子からなる。磁極位置検出回路13は、ホール素子センサ21からの検出信号を取得して、前述したように磁極位置信号をコントローラ11に出力することができる。電池電圧検出回路14は、電池100の端子電圧を検出することができる。
【0018】
図5(A)は三相モータ2による制御領域を示す図であり、本実施形態では、三相モータ2の回転数Nと駆動トルクTqの関係が、力行時制御領域(力行時電圧制御領域,力行時進角制御領域)(I)、回生時電圧補正なしの制御領域(II)、回生時電圧補正ありの制御領域(III)、回生/高回転時制御領域(IV)の何れに属するかにより、これらの領域に応じた制御が行なわれる。なお、回生時電圧補正ありの制御領域(III)は、後述するように回生時電圧補正なしの制御領域(II)の下限のラインを意味している。これらのモデルを、図5(B)に(I)〜(IV)に示す。
【0019】
力行電圧制御領域(I)における制御は以下のように行なわれる。
コントローラ11は、アクセル開度(トルク指令S)を受け取ると、現在の回転数を基にデューティ指示値Dfを求め、このデューティ指示値Dfを電池電圧Vbに応じて補正する。
補正後デューティ指示値Dgは、電池電圧基準値をVb0として、
Dg=Df×Vb0/Vb ・・・(1)
により求められる。
【0020】
補正後デューティ指示値Dgが100%を超えているときは、コントローラ11は、インバータ12に送出する制御信号のディユーティを100%に設定し、進角制御を行なう。これにより、電池電圧Vbの所定範囲で一定の正のトルクを出力することができる。進角量φは、
φ=(Dg−100)/(P(V)×RN+Q(V))+ΔF ・・・(2)
により決定することができる。RNは無負荷回転数比、P(V),Q(V)は、電池電圧Vbの関数であり、ΔFは定数である。
【0021】
無負荷回転数比RNは、現在の回転数をN、無負荷回転数をN0として、
RN=N/N0 ・・・(3)
で表される。無負荷回転数N0は、三相モータ2を無負荷運転して発電動作させた場合においてその発電電圧が前記直流電源の電圧と釣り合う回転数である。
【0022】
無負荷回転数N0は、
N0=A×Vb+B ・・・(4)
で表されるものとする。A,Bは、図6に示すように、異なる電池電圧Vb1,Vb2での無負荷回転数N01,N02を求め(α1,α2参照)、2つの式、N01=A×Vb1+B,N02=A×Vb2+Bから求めることができる。
【0023】
進角制御により、電源電圧が低下しても、進角制御(弱め界磁制御)により回転数を大きくすることができ、結果として三相モータ2のコイルを流れる電流を大きくして、負荷に応じたトルクを発生することができる。
【0024】
回生時電圧補正なしの制御領域(II)における制御は以下のように行なわれる。
回生時には三相モータ2は発電機として動作し、発電電力が電源側に返される。このとき、電池電圧Vbが低すぎると、電池100に流入する電流が過大となり、インバータ12が破壊される危険があるため、回生電流を制限する必要がある。
【0025】
本実施形態では、回生時電圧補正なしの制御領域(II)における制御において、電源電圧Vbが所定電圧VLを超えるときは、コントローラ11は回生制御におけるスイッチ素子のオン時間を所定のマップにより求め、当該オン時間によりインバータ12を制御する。
【0026】
回生時電圧補正ありの制御領域(III)における制御は以下のように行なわれる。
上述したように、回生時には三相モータ2は発電機として動作し、発電電力が電源側に返される。この場合、電池電圧Vbが所定電圧VLに対して低いときはもちろん高いときでも、電池100に流入する電流が過大となりインバータ12が破壊されたり電池100が過充電となり電池寿命を短くしたりする危険がある。このため、回生時電圧補正ありの制御領域(III)では、マイナストルクが大きくならないように、デューティを設定し(デューティの値は、予め作成してある所定マップから取得することができる)発電を制限する。たとえば、図7(A)に示すように、三相モータ2の回転数Nが4000〔rpm〕であるときにデューティが80パーセントで制御すると、トルクTqは、−2〔Nm〕となり、電池100に流入する電流が過大となる。したがって、この場合にはデューティをトルクTqが−1〔Nm〕となるまで低くして(ここでは、50パーセント)、電池100に流入する電流を抑えている。
【0027】
回生時電圧補正ありの制御領域(III)における制御では、コントローラ11は、三相モータ2が、所定の回転数(ここでは無負荷回転数N0)以下、かつ所定のトルク以下で発電する場合において、電源電圧Vbが所定電圧VL以下であるときは、インバータ12に、回転数が現回転数Nよりも大きいときの回生時制御パターンを送出することができる。また、回生時電圧補正ありの制御領域(III)における制御において、電源電圧Vbが所定電圧VL以下のときは、新たな回転数N′を、現在の回転数Nに、基準電池電圧Vb0と現在の電池電圧Vbとの比(Vb0/Vb)を乗じた値とする。具体的には、上記マップの参照位置を電圧比に応じてシフトさせてその値を取得する。
【0028】
なお、図5(A)および図7(A)では、回生時電圧補正なしの制御領域(II)の下限値(すなわち回生時電圧補正ありの制御領域(制御ライン)(III)を示す値β)を一定値(−1〔Nm〕)としたが、回転数Nにより異なる値とすることもできる。
【0029】
回生/高回転時制御領域(IV)における制御は以下のように行なわれる。
たとえば、本発明の電動機制御回路が電気自動車に搭載されているものとする。この電気自動車が、下り坂を高速で走行することで回転数が高くなり、あるいは何らかの外的要因により三相モータ2の回転数が異常に高くなることがある。これにより、三相モータ2のコイルの逆起電圧が高くなり、電池100に流入する電流が過大となり、インバータ12が破壊されたり電池100が過充電となり寿命を短くしたりする危険がある。
【0030】
このため、回生/高回転時制御領域(IV)では、高回転領域での逆起電圧からインバータ12を保護し、電池100に流れ込む回生電流を制限し、発電電力を小さくする必要がある。
本実施形態では、コントローラ11は、三相モータ2が無負荷回転数N0を超えて発電するときは(すなわち、回生モードにあるときであっても)、インバータ12に力行時進角制御パターンを送出する。これにより、発電電圧Vgを抑え、強制的にトルクが0〔Nm〕付近となるように制御することができる。
【0031】
図7(B)は、回生/高回転時制御領域(IV)での回転数−トルクの特性を示す説明図である。この制御領域では進角制御を上述した(2)式により求める。
また、この制御領域では、進角量下限値というパラメータによって、たとえば進角量の計算値が小さい場合であっても、積極的に進角制御を行なうべく進角量が大きくなるように設定をし直して、起電圧相殺処理を行なうことができる。すなわち、現在の回転数が無負荷回転数よりも大きい場合において、進角量計算値が進角量下限値φLよりも小さいときは、進角量φを進角量下限値φLにセットする。
【0032】
ここで、進角量下限値φLは、図8に示すように、回転数Nごとのマップ形式になっている。現在の回転数Nに電圧比(基準電圧Vb0/現在の電池電圧値Vb)を乗算して得られる回転数(下限値参照回転数)NL(NL/N=Vb0/Vb)を使用してマップの参照位置をずらし、電池電圧に応じた値を取得できるように構成されている。なお、回生/高回転時制御領域(IV)では、トルクの値が−1〔Nm〕となるように、進角量φを所定のマップを参照して制御するようにもできる。また、回生/高回転時制御領域(制御ライン)(IV)を一定値(−1〔Nm〕)とせずに、回転数Nにより異なる値とすることもできる。
【0033】
本実施形態では、モータの速度変動があったときに即応できるように、全てのモードについてモータ制御に必要なパラメータを逐次演算している。図9および図10のフローチャートにより、本実施形態で使用するパラメータの導出方法を説明する。
【0034】
コントローラ11は電池電圧検出回路14から電池電圧Vbを、磁極位置検出回路13から回転数Nを取得し(S101,S102)、無負荷回転数N0(=電池電圧Vb×A+B:(4)式参照)を算出する(S103)。本実施形態では、制御モードを遷移させる無負荷回転数N0に補正を加え(S104)、この補正した回転数を制御遷移回転数Nt(無負荷回転数N0+C)としている。つぎに回転数比Rr(回転数N÷無負荷回転数N0)を算出し(S105)、マップを参照して回転数Nに対応するデューティ上限値DMを取得する(S106)。
【0035】
そして、補正後回転数N′=回転数N×Vb0÷電池電圧Vbを求め、マップを参照して補正後回転数N′に対応する進角量下限値φL、および回生デューティDrを取得する(S107,S108)。
【0036】
また、アクセルacc・回転数N・所定の係数から、デューティ計算値Dcを算出し(S109)、デューティ計算値Dcがデューティ制限値Dsを超えているか否かを判断し(S111)、超えていないときは、デューティ計算値Dcをデューティ指示値Dfとし(S112)、超えているときはデューティ制限値Dsをデューティ指示値Dfとする(S113)。そして、デューティ指示値Dfを電圧補正し、補正後デューティ指示値Dfを、デューティ制限値Ds×Vb0÷電池電圧Vbとして求める(S114)。
【0037】
つぎに、回転数比が1.0を超えたか否か(すなわち回転数Nが無負荷回転数Nnを超えたか否か)を判断し(S115)、超えていないときはそのデューティ指示値Dfをデューティ値Dとし、超えているときはデューティ指示値Dfを100%とした値をデューティ値Dとする(S116)。
そして、デューティ指示値が100%を超えているか否かを判断し(S117)、超えていないときは進角指示値φfを0とし(S118)、超えているときは進角指示値φfを計算する(S119)。そして、進角指示値が最大値(60°)以下か否かを判断し(S120)、60°を超えているときは進角値指示値φfを60°とし(S121)、60°未満であるときはその進角指示値φfをそのまま維持する。
【0038】
次に、回転数比<1.0か(無負荷回転数N0以上かを判断し(S122)、1.0を超えているときはφfを現在の値に確定する(S125)。回転数比が1.0未満であるときは、現在の進角指示値φfが進角下限値φL未満であるかを判断し(S123)比較し、進角指示値φfが進角下限値φL以上であるときはφfを現在の値に確定し(S125)、未満であるときは進角指示値φfを進角下限値φLとして(S124)、φfを確定する(S125)。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来の電動機制御回路を示すシステム構成図である。
【図2】図1の電動機制御回路の力行制御モードにおける制御原理を示す図である。
【図3】図1の電動機制御回路の回生制御モードにおける制御原理を示す図である。
【図4】本発明の電動機制御回路の一実施形態を示すシステム構成図である。
【図5】(A)は図4の電動機制御回路による制御領域を示す図、(B)は各領域のインバータが授受する電力を示すモデルである。
【図6】無負荷回転数を決定するための係数を求めるための回転数−トルクの負荷時の特性を示す図である。
【図7】(A)は図5(A)の回生時電圧補正ありの制御領域における動作を説明するための回転数−トルク特性図、(B)は図5(A)の回生/高回転時制御領域における動作を説明するための回転数−トルク特性図である。
【図8】回転数Nと進角下限値φLとの関係を示すマップである。
【図9】本実施形態で使用するパラメータの導出方法を説明するためのフローチャートの前半を示す図である。
【図10】本実施形態で使用するパラメータの導出方法を説明するためのフローチャートの後半を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1 電動機制御回路
2 三相モータ
11 コントローラ
12 インバータ
13 磁極位置検出回路
14 電池電圧検出回路
21 ホール素子センサ
100 電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源と、
前記直流電源からの電力を交流電力に変換して電動機に供給するとともに、前記電動機からの発電電力の全部または一部を回生電力として前記直流電源に戻す電力変換器と、
前記電力変換器を制御するコントローラとを備え、
前記コントローラが、前記電動機が所定の回転数を超えて発電するときは、前記電力変換器に力行時進角制御パターンを送出する電動機制御回路において、
前記所定の回転数が、前記電動機が無負荷発電して動作させた場合においてその発電電圧が前記直流電源の電圧と釣り合う回転数であることを特徴とする電動機制御回路。
【請求項2】
前記コントローラは、前記電動機が前記所定の回転数以上または前記所定の回転数を超える回転数で発電するときは、前記電力変換器に力行時進角制御パターンを送出することを特徴とする請求項1に記載の電動機制御回路。
【請求項3】
前記コントローラは、前記電動機が前記所定の回転数以下または未満、かつ所定のトルク以下または未満で発電する場合において、前記直流電源の電圧が所定電圧以下または未満であるときは、前記電力変換器に、回転数が現回転数よりも大きいときの回生時制御パターンを送出することを特徴とする請求項1または2に記載の電動機制御回路。
【請求項4】
直流電源からの直流電力を交流電力に変換して電動機に供給するとともに、前記電動機からの発電電力の全部または一部を回生電力として前記直流電源に戻し、
前記電動機が所定の回転数を超えて発電するときは、前記電力変換器を力行時進角制御パターンで動作させる電動機制御方法において、
前記所定の回転数が、前記電動機が無負荷発電して動作させた場合においてその発電電圧が前記直流電源の電圧と釣り合う回転数であることを特徴とする電動機制御方法。
【請求項5】
前記電動機が前記所定の回転数以上または前記所定の回転数を超える回転数で発電するときは、前記電力変換器に力行時進角制御パターンを送出することを特徴とする請求項4に記載の電動機制御方法。
【請求項6】
前記電動機が前記所定の回転数以下または未満、かつ所定のトルク以下または未満で発電する場合において、前記直流電源の電圧が所定電圧以下または未満であるときは、前記電力変換器に、回転数が現回転数よりも大きいときの回生時制御パターンを送出することを特徴とする請求項4または5に記載の電動機制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−19397(P2011−19397A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227071(P2010−227071)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【分割の表示】特願2003−435701(P2003−435701)の分割
【原出願日】平成15年12月26日(2003.12.26)
【出願人】(000151276)株式会社東京アールアンドデー (34)
【出願人】(502002050)株式会社ピューズ (8)
【Fターム(参考)】