説明

電動送風機及びそれを用いた電気掃除機

【課題】前面シュラウド近傍で生じる循環流を防止あるいは低減し、送風効率の高い電動送風機およびそれを用いた電気掃除機を提供する。
【解決手段】ファンケース34と一体成型されたファンケーススペーサ35を、前面シュラウド27の吸気口30側と当接シールすることで、インペラ25の排気口37から吸気口30へ戻る循環流を防止するとともに、前面シュラウド27の排気口37側とファンケーススペーサ35の隙間gを狭くすることで、排気口37付近で生じる循環流を低減させることで、送風効率を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動送風機及び電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電動送風機としては、図10、図11に示すように、前面シュラウド1、後面シュラウド2、ブレード3を有するインペラ4と、インペラ4の周囲にエアガイド5と、吸気口6を有しインペラ4とエアガイド5を内包するファンケース7と、モータ部(図示せず)で構成され、インペラ4の吸気口8側あるいは排気口9側の前面シュラウド1端部とファンケース7との間をラビリンス構成とし、インペラ4の排気口9から前面シュラウド1の上側を通ってインペラ4の吸気口へ流れる循環流Aを低減させることにより、送風効率を向上させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、図12に示すように、前面シュラウド1の排気口9側端部とエアガイド5の端部との間の隙間を埋める固着部10をファンケース7に設け、前面シュラウド1の排気口9側端部と固着部10をわずかに接している状態にすることで、インペラ4の排気口9からインペラ4の吸気口への循環流Aを低減させることにより、送風効率を向上させるものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、図13に示すように、ファンケース7の吸気口6にキャップ11をファンケース7と一体的に形成し、前面シュラウド1の吸気口8側をキャップ11と当接することにより、循環流Aが生じるのを防止するものもある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開昭60−216097号公報
【特許文献2】特開平6−307391号公報
【特許文献3】特開平6−323297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図10、図11に示す前記従来の構成では、ファンケース7は耐熱性や防音性から金属で作られるのが一般的であるため、図10および図11のような複雑な形状の加工が困難であり、さらにインペラ4の前面シュラウド1とファンケース7との間に隙間が残る構成であるため、循環流矢印Aを完全に防ぐことはできないので、ある一定以上の送風効率向上は望めないという課題を有していた。
【0006】
また、図12に示す前記従来の構成では、固着部10を前面シュラウド1の排気口9付近に設けているが、径の大きい排気口9付近は、インペラ4の回転によるブレ(矢印Bが大きく、シール性を保つことが困難である上に、前面シュラウド1と固着部10の当接部での摩擦損失が大きいという課題を有していた。
【0007】
さらに、図13に示す前記従来の構成では、ファンケース7とインペラ4の前面シュラウド1の排気口9側との間の隙間による循環流Cにより、送風効率が低下してしまうという課題を有していた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ファンケース内の前面シュラウド近傍で発生する循環流を防止し、送風効率を向上させる電動送風機及びそれを用いた電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電動送風機及びそれを用いた電気掃除機は、ファンケーススペーサをファンケースと一体成型し、ファンケーススペーサをインペラの吸気口でのみ接触させ、インペラの前面シュラウドの外周端とファンケーススペーサとの隙間を狭くなるよう構成したものである。
【0010】
これによって、インペラの回転によるブレが少なく、シール性を保つことが容易な前面シュラウドの吸気口側をシールし、前面シュラウドの排気口側端部とファンケースの隙間を前面シュラウドの傾斜部とファンケーススペーサとの間の隙間よりも狭くすることで、インペラの排気口から前面シュラウドの上側を通ってインペラの吸気口へ流れる循環流を防止し、さらに、前面シュラウドの排気口付近での循環流を低減させることができるため、送風効率を向上させることができる。
【0011】
また、ファンケーススペーサをファンケースと一体成型することにより、簡単な構成で上記効果を得ることができる。この際、ファンケースとファンケーススペーサとの接触部分を広く取ることができるため、ファンケーススペーサがファンケースから外れることを防ぐことができる。さらに、ファンケーススペーサを樹脂部品とすることにより、複雑な形状にしても加工を容易にすることができる。
【0012】
また、この電動送風機を用いた電気掃除機は、送風効率が高く、吸引力が強い、きわめて実用的なものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電動送風機及びそれを用いた電気掃除機は、ファンケース内の前面シュラウド近傍で生じる循環流を低減あるいは防止することにより、送風効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
第1の発明は、電動機により回転駆動されるインペラと、このインペラの周囲に複数のトングを配置したエアガイドと、中央に吸気口を有し、前記インペラおよび前記エアガイドを内包するファンケースとを有し、前記インペラは、吸気口と傾斜部を有する前面シュラウドと、この前面シュラウドと間隔を置いて配される後面シュラウドと、この1対のシュラウドで挟持されるブレードを有し、前記ファンケース内面に、前記インペラの吸気口から前記エアガイドのインペラ側先端の上部までカバーするファンケーススペーサを前記ファンケースと一体成型し、前記ファンケーススペーサは前記インペラの吸気口でのみ前記前面シュラウドと接触し、前記インペラの前面シュラウドの外周端と前記ファンケーススペーサとの隙間を前記前面シュラウドの傾斜部と前記ファンケーススペーサとの間の隙間よりも狭くなるよう構成することにより、ファンの回転半径が小さいことでファンの回転によるブレが少なく、シール性を保つことが容易な前面シュラウドの吸気口側を接触方式のシール構造とし、ファンの回転半径が大きいことでファンの回転によるブレが大きい前面シュラウドの排気口側端部とファンケース間は非接触方式のシール構造とし、この隙間を前面シュラウドの傾斜部とファンケーススペーサとの間の隙間よりも狭くすることで、インペラの排気口から前面シュラウドの上側を通ってインペラの吸気口へ流れる循環流を防止し、さらに、前面シュラウドの排気口付近での循環流を低減させることができるため、送風効率を向上させることができる。
【0015】
第2の発明は、特に、第1の発明において、エアガイドのインペラ側先端付近におけるファンケーススペーサの形状を、前記エアガイドのインペラ側先端位置から前記インペラの回転軸方向に略平行となる平行部を形成することにより、インペラが軸方向にブレたとしても前面シュラウドとファンケーススペーサが接触することがないため、前面シュラウドがファンケーススペーサに接触することで起きる摩擦損失を防ぐことができる。
【0016】
第3の発明は、特に、第1の発明において、エアガイドのインペラ側先端付近におけるファンケーススペーサの形状を、前記エアガイドのインペラ側先端位置より内側の位置から前記インペラの回転軸方向に略平行となる平行部を形成することにより、ファンケーススペーサが、エアガイドのインペラ側先端部分を確実に覆うことができるため、エアガイドの流路間の隙間を流れる漏れ流れ損失を防ぐことができる。
【0017】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、エアガイドのインペラ側先端付近におけるファンケーススペーサの形状を、前記インペラの回転軸方向に対して傾斜する傾斜部を有するよう形成することにより、インペラ排気口から出た気流をエアガイドの方向へ導くことができるため、前面シュラウドとファンケースの間の隙間に気流が流れ込むことを低減させることができる。
【0018】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、エアガイドのインペラ側先端付近におけるファンケーススペーサの形状を、前記インペラ方向が凸となるフィレットを有するよう形成することにより、インペラ排気口から出た気流をエアガイドの方向へ導くことができるだけでなく、前面シュラウドとファンケーススペーサとの隙間を小さくすることができるため、前面シュラウドとファンケースの間の隙間に気流が流れ込むことを低減させることができる。
【0019】
第6の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、エアガイドのインペラ側先端付近におけるファンケーススペーサの形状を、前記インペラ方向が凹となるフィレットを有するよう形成することにより、インペラが軸に対してねじれる方向にブレたとしても、前面シュラウドとファンケーススペーサが接触することがないため、前面シュラウドがファンケーススペーサに接触することで起きる摩擦損失を防ぐことができる。
【0020】
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明における電動送風機を有する電気掃除機とすることにより、送風効率が高く、吸引力が強い、きわめて実用的な電気掃除機を得ることができる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
(実施の形態1)
図1から図5は、本発明の実施の形態1における電動送風機を示すものである。
【0023】
図1から図3に示すように、本実施の形態における電動送風機21には電動機22が配置されている。電動機22はブラケット23によって覆われ、回転軸24によってインペラ25と接続されている。インペラ25は、傾斜部26を有する板金製の前面シュラウド27と、前面シュラウド27と間隔を置いて配した板金製の後面シュラウド28と、1対の前面シュラウド27、後面シュラウド28とで狭持される複数枚の板金製ブレード29と、前面シュラウド27の中央に設けた吸気口30に対応して設けた樹脂製インデューサ31から構成されている。
【0024】
そして、インペラ25の周囲には、複数枚のトング32によって流路が分けられたエアガイド33が配置されており、金属製のファンケース34によってインペラ25とエアガイド33が内包されている。そして、樹脂製のファンケーススペーサ35がファンケース34と一体的に成型されている。
【0025】
インペラ25周辺の詳細を図4を用いて説明する。
【0026】
図4に示すように、ファンケース34の吸気口36近傍で、前面シュラウド27の吸気口30側と、ファンケーススペーサ35が当接シールされることにより、循環流Dが生じないようにしている。さらに、インペラ25の排出口37とファンケース34との隙間によって生じる循環流Fを低減するために、ファンケーススペーサ35にはエアガイド33のインペラ25側先端位置38から回転軸24に略平行となる平行部35aが設けられている。
【0027】
以上のように構成された電動送風機について、以下その動作、作用を説明する。
【0028】
まず、電動送風機21を起動すると、電動機22が回転し、それに伴って回転軸24とインペラ25が回転する。その結果、インペラ25の吸気口30から空気が吸い込まれ、排気口37から排出される。インペラ25の排気口37から排気された空気の大部分はトング32によって分けられたエアガイド33の流路に流れ込み、ディフューザ効果により、圧力回復が行われる。
【0029】
この際、インペラ25の排出口37から排出された空気の一部が、前面シュラウド27とファンケース34との間の隙間を通り、インペラ25の吸気口30に再び流れ込む循環流Dが生じてしまう。この循環流Dの流れは、送風の仕事をしていないため、送風効率が低下してしまう。
【0030】
しかし、本実施の形態では、前面シュラウド27の吸気口30側と、ファンケーススペーサ35が当接シールされているため、上記循環流Dを防止することで送風効率を向上させる構成としている。特に、本発明では、径の小さい前面シュラウド27の吸気口30側でシールする構成としているので、インペラ25の回転によるブレ量が少なく、シール性を保つことが容易であり、そして径の大きい前面シュラウド27の排気口37側はインペラ25の回転によるブレ量が大きいので、前面シュラウド27の排気口37端部とファンケーススペーサ35の間は隙間gを設ける非接触方式のシール構造とした組合せにしているので、シール性を高めるという特長を有している。
【0031】
また、前面シュラウド27の排出口37側とファンケース34との間の隙間gが大きい場合、前面シュラウド27の傾斜部26とファンケース34との間の隙間eに空気が入ったり出たりする循環流Fが生じる。この循環流Fの流れも送風の仕事をしていないため、送風効率が低下してしまう。この循環流Fを低減するために、前面シュラウド27の傾斜部26とファンケース33との間の隙間eを狭くすると、空気の粘性による摩擦損失が増え、かえって送風効率が低下してしまう可能性がある。
【0032】
しかし、本実施の形態では、ファンケーススペーサ35をエアガイド33のインペラ25側先端位置38付近まで設けることにより、前面シュラウド27の排出口37側とファンケース34との間の隙間gを減らす構成としているので、空気の粘性による摩擦損失を増やすことなく、循環流矢印Fを低減することで、送風効率を向上させる構成としている。
【0033】
ここで、本実施の形態では、ファンケーススペーサ35をエアガイド33のインペラ25側先端位置38から回転軸24に略平行となる平行部35aを設けているので、インペラ25が回転軸24方向あるいは回転軸24に対してねじれる方向にブレた場合でも、前面シュラウド27がファンケーススペーサ35に当たり、摩擦損失が生じることを防ぐことができる。このことは、特に、前面シュラウド27の剛性を確保するのが困難な場合や、インペラ25の回転速度が速い場合などの理由により、インペラ25の回転中に、遠心力により前面シュラウド27が径方向に変形してしまう場合にでも、前面シュラウド27
がファンケーススペーサ35に当たることがないため、効果的である。
【0034】
ここで、インペラ25が回転軸24方向あるいは回転軸24に対してねじれる方向に大きくブレないことがわかっている場合には、図5のようにファンケーススペーサ41をエアガイド33のインペラ25側先端位置38より内側から回転軸24に対して略平行となる平行部35bを構成したほうがよい。このことにより、エアガイド33のトング32先端まで確実にファンケーススペーサ41で覆うことができるので、図3の矢印Hで示すエアガイド33のトング32先端上部で各流路間での空気の出入りによる漏れ損失を低減できるので、送風効率を向上させることができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、ファンケーススペーサ35を樹脂製、前面シュラウド27を板金製としているので、もし、前面シュラウド27がファンケーススペーサ35に当たることがあっても、強度の弱いファンケーススペーサ35が削れることになるため、装置の破壊に至ることはなく、安全に使用することができる。
【0036】
また、ファンケーススペーサ35をファンケース34と一体成型することにより、複雑な取り付け方法を必要とせず、簡単な構成で送風効率向上効果を得ることができる。さらに、ファンケース34とファンケーススペーサ35との接触部分を広く取ることができる構成であるため、ファンケーススペーサ35がファンケース34から外れることを防ぐことができる。さらに、ファンケーススペーサ35は樹脂製としているため、複雑な形状にしても加工を容易にすることができる。
【0037】
以上のように、本実施の形態では、ファンケーススペーサ35によって、前面シュラウド27近傍で生じる循環流を低減あるいは防止することが可能であるため、送風効率を向上させることができる。
【0038】
(実施の形態2)
図6は、本発明の第2の形態における電動送風機のインペラ25周辺の詳細構成図である。
【0039】
本実施の形態が、実施の形態1と異なる点は、ファンケーススペーサ51に、エアガイド33のインペラ25側トング32先端位置38から、回転軸24方向に対して角度Iだけ傾斜部52が設けられている点である。その他は実施の形態1と同様であり、同一番号を付して詳細な説明を省略する。
【0040】
インペラ25の回転に伴い、排気口37から排気された空気の一部は排気口37から広がる方向に流れ、前述したような循環流となり、送風効率を低下させてしまう。しかし、本実施の形態では、ファンケーススペーサ51に傾斜部52を設けているので、空気の流れJで示すように、傾斜部52によってエアガイド33へ空気の流れが導かれるため、循環流を低減させ、送風効率を高めることができる。
【0041】
(実施の形態3)
図7は、本発明の第3の形態における電動送風機のインペラ25周辺の詳細構成図である。
【0042】
本実施の形態が、実施の形態1と異なる点は、ファンケーススペーサ61に、エアガイド33のインペラ25側トング32先端位置38付近に、インペラ25方向が凸になるようなフィレット部62を設けた点である。その他は実施の形態1と同様であり、同一番号を付して詳細な説明を省略する。
【0043】
前述のように、インペラ25の回転に伴い、排気口37から排気された空気の一部は排気口37から広がる方向に流れ、前述したような循環流となり、送風効率を低下させてしまう。しかし、本実施の形態では、ファンケーススペーサ51にフィレット部62を設けているので、空気の流れkで示すように、フィレット部62によってエアガイド33へ空気の流れが導かれるため、循環流を低減させ、送風効率を高めることができる。さらに、実施の形態2のように傾斜部52を設けた場合と比較して、前面シュラウド27の排気口37側とファンケーススペーサ61との間の距離lを小さくすることができるので、さらに循環流低減効果を得ることができるため、送風効率をより高めることができる。
【0044】
(実施の形態4)
図8は、本発明の第4の形態における電動送風機のインペラ25周辺の詳細構成図である。
【0045】
本実施の形態が、実施の形態1と異なる点は、ファンケーススペーサ71に、エアガイド33のインペラ25側トング32先端位置38付近に、インペラ25方向が凹になるようなフィレット部72を設けた点である。その他は実施の形態1と同様であり、同一番号を付して詳細な説明を省略する。
【0046】
インペラ25が回転中に、回転軸24方向あるいは回転軸24に対してねじれる方向に大きくブレた場合、前面シュラウド27がファンケーススペーサ71に当たり、摩擦損失が生じてしまうが、本実施の形態では、ファンケーススペーサ71にインペラ25方向が凹になるようなフィレット部72を設けているため、前面シュラウド27がファンケーススペーサ71に当たることを防止することができる。このことは、特に、前面シュラウド27の剛性を確保するのが困難な場合や、インペラ25の回転速度が速い場合などの理由により、インペラ25の回転中に、遠心力により前面シュラウド27が径方向に変形してしまう場合にでも、前面シュラウド27がファンケーススペーサ71に当たることがないため、効果的である。
【0047】
(実施の形態5)
図9は、本発明の実施の形態5における電気掃除機を示すものである。
【0048】
図9において、電気掃除機81は、ホース82、延長管83および床面上を移動して塵埃を吸引する吸引具84を有しており、掃除機本体85には、実施の形態1〜4に示したファンケーススペーサ(図示せず)を有する電動送風機21が内蔵されている。
【0049】
以上のように構成された電気掃除機について、以下その動作、作用を説明する。
【0050】
まず、電気掃除機21を起動すると電動送風機21が送風を行う。電動送風機21は、内部に実施の形態1〜4に示したファンケーススペーサ(図示せず)が設けられているため、高い送風効率で動作する。したがって電気掃除機全体としても高い送風効率で動作でき、強い吸引力を得ることができ、きわめて実用的なものである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上のように、本発明にかかる電動送風機およびそれを用いた電気掃除機は、ファンケーススペーサにより、前面シュラウド近傍で生じる循環流を防止あるいは低減することができるため、送風効率を向上させることができるので、家庭用はもちろんのこと業務用の機器にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態1における電動送風機の正面図
【図2】同電動送風機のインペラの構成を示す斜視図
【図3】同電動送風機のエアガイドの斜視図
【図4】同電動送風機のインペラ周辺の詳細構成を示す断面図
【図5】同電動送風機の別形態のインペラ周辺の詳細構成を示す断面図
【図6】本発明の実施の形態2における電動送風機のインペラ周辺の詳細構成を示す断面図
【図7】本発明の実施の形態3における電動送風機のインペラ周辺の詳細構成を示す断面図
【図8】本発明の実施の形態4における電動送風機のインペラ周辺の詳細構成を示す断面図
【図9】本発明の実施の形態5における電気掃除機の全体構成図
【図10】従来の電動送風機のインペラ周辺の詳細構成を示す断面図
【図11】同電動送風機の別形態のインペラ周辺の詳細構成を示す断面図
【図12】同電動送風機の別形態のインペラ周辺の詳細構成を示す断面図
【図13】同電動送風機の別形態のインペラ周辺の詳細構成を示す断面図
【符号の説明】
【0053】
21 電動送風機
22 電動機
24 回転軸
25 インペラ
27 前面シュラウド
28 後面シュラウド
29 ブレード
30 吸気口
32 トング
33 エアガイド
34 ファンケース
35、41、51、61、71 ファンケーススペーサ
35a 平行部
35b 平行部
52 傾斜部
62、72 フィレット部
81 電気掃除機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機により回転駆動されるインペラと、このインペラの周囲に複数のトングを配置したエアガイドと、中央に吸気口を有し、前記インペラおよび前記エアガイドを内包するファンケースとを有し、前記インペラは、吸気口と傾斜部を有する前面シュラウドと、この前面シュラウドと間隔を置いて配される後面シュラウドと、この1対のシュラウドで挟持されるブレードを有し、前記ファンケース内面に、前記インペラの吸気口から前記エアガイドのインペラ側先端の上部までカバーするファンケーススペーサを前記ファンケースと一体成型し、前記ファンケーススペーサは前記インペラの吸気口でのみ前記前面シュラウドと接触し、前記インペラの前面シュラウドの外周端と前記ファンケーススペーサとの隙間を前記前面シュラウドの傾斜部と前記ファンケーススペーサとの間の隙間よりも狭くなるよう構成する電動送風機。
【請求項2】
エアガイドのインペラ側先端付近におけるファンケーススペーサの形状は、前記エアガイドのインペラ側先端位置から前記インペラの回転軸方向に略平行となる平行部を形成する請求項1に記載の電動送風機。
【請求項3】
エアガイドのインペラ側先端付近におけるファンケーススペーサの形状は、前記エアガイドのインペラ側先端位置より内側の位置から前記インペラの回転軸方向に略平行となる平行部を形成する請求項1に記載の電動送風機。
【請求項4】
エアガイドのインペラ側先端付近におけるファンケーススペーサの形状は、前記インペラの回転軸方向に対して傾斜する傾斜部を有するよう形成される請求項1から3のいずれか1項に記載の電動送風機。
【請求項5】
エアガイドのインペラ側先端付近におけるファンケーススペーサの形状は、前記インペラ方向が凸となるフィレットを有するよう形成される請求項1から4のいずれか1項に記載の電動送風機。
【請求項6】
エアガイドのインペラ側先端付近におけるファンケーススペーサの形状は、前記インペラ方向が凹となるフィレットを有するよう形成される請求項1から4のいずれか1項に記載の電動送風機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の電動送風機を有する電気掃除機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−38027(P2010−38027A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201518(P2008−201518)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】