説明

電圧−周波数変換回路およびそれを備えた血圧測定装置

【課題】簡易な方式により精度の高い電圧−周波数変換回路を提供する。
【解決手段】抵抗素子16は、入力端子とノードN0との間に設けられる。スイッチ素子15は、ノードN0と接地電圧GNDとの間に設けられ、ノードNCの電圧レベルに応じて導通する。抵抗素子13は、ノードN0とノードNAとの間に設けられる。抵抗素子12は、ノードNAとNOR回路11Aの入力ノードの一方側との間に設けられる。コンデンサ14は、ノードNAとノードNCとの間に接続される。NOR回路11Aの入力ノードは、抵抗素子12を介してノードNAと、接地電圧GNDと接続される。NOR回路11Bの入力ノードは、NOR回路11Aの出力ノードと、接地電圧GNDと接続される。NOR回路11Cの入力ノードは、ノードNCと、接地電圧GNDと接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧−周波数変換回路に関し、特に、RC発振回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電圧や電流、静電容量などのアナログ量を計測する場合、アナログ値とデジタル値に変換すること(A/D変換)が利用されている。その方式は積分型、逐次比較型、ΔΣ型等、種々の方式があり、対象となるアナログ量に最適な変換方式が選択されている。また、それらの回路が集積されたICが各社から製品化されている。
【0003】
しかしながら、これらのICのコストは高く、また、ソフトウェアによる制御が必要である。
【0004】
さらに、高精度の計測を行うために分解能を向上すると、その分コストが高くなるという問題がある。
【0005】
実用上、最も確実且つ精度の高い測定が可能であるものは周波数であり、これを用いれば、コストを安く、高精度のA/D変換が可能となる。
【0006】
例えば、特開平9−113310号公報においては、ピエゾ抵抗型センサ装置が開示されており、センサのばらつきを補正するとともに周波数に変換する方式が開示されている。
【0007】
また、特開平10−104292号公報においては、静電容量型センサ装置が開示されており、当該文献においては、圧力に従って変化する容量成分を周波数に変換する回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−113310号公報
【特許文献2】特開平10−104292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載されるピエゾ抵抗型センサ装置においては、CR発振回路を用いた方式が開示されているが、2つのCR発振回路から発振された発振周波数の周期時間差を算出する等複雑な変換方式を採用しており、コストが掛かるという問題がある。また、上記特許文献2に記載される静電容量型センサ装置は、温度特性の影響を受けやすく、かつ、コストも高いという問題がある。
【0010】
本発明は、簡易な方式により精度の高い電圧−周波数変換回路およびそれを備えた血圧測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る電圧−周波数変換回路は、容量成分と、抵抗成分とを含むRC発振回路を備える。RC発振回路は、入力電圧が入力される入力端子と、入力端子と第1の内部ノードとの間に接続される第1の抵抗素子と、第1の内部ノードと一方電極が接続され、他方電極が第2の内部ノードと接続される第1のコンデンサと、第1のコンデンサと並列に第1の内部ノードと一方導通端子が接続された第2の抵抗素子と、第2の抵抗素子の他方導通端子に接続され、第2の抵抗素子を介して第1の内部ノードと第2の内部ノードとの間に接続された第1の論理回路と、第2の内部ノードと接続され第1の論理回路の出力信号に応じた発振信号を出力する第2の論理回路と、第2の内部ノードの電圧レベルに応じて、一方電極と接続された第1の内部ノードを固定電圧と電気的に接続して第1のコンデンサを充電あるいは放電するための第1のスイッチ素子とを含む。
【0012】
好ましくは、入力電圧は、ピエゾ抵抗式センサの出力電圧に相当する。
好ましくは、第1のスイッチ素子は、第2の内部ノードの電圧レベルがしきい値以上の場合に導通して、一方電極と接続された第1の内部ノードを固定電圧と電気的に接続されて第1のコンデンサは放電される。第1のスイッチ素子は、第2の内部ノードの電圧レベルがしきい値未満の場合に非導通となり、一方電極と接続された第1の内部ノードは入力電圧と接続されて第1のコンデンサは充電される。
【0013】
好ましくは、入力端子と第3の内部ノードとの間に接続される第3の抵抗素子と、第3の内部ノードと一方電極が接続され、他方電極が第4の内部ノードと接続される第2のコンデンサと、第2のコンデンサと並列に第3の内部ノードと一方導通端子が接続された第4の抵抗素子とを含む。第1の論理回路は、第4の抵抗素子の他方導通端子に接続される第3のインバータ回路と、第3のインバータ回路の出力端子と第4の抵抗素子の他方導通端子との入力を受けて、第2の内部ノードに出力する排他的論理和回路とを有する。第2の論理回路は、第2の内部ノードと第4の内部ノードとの間に接続される第3のインバータ回路と、第4の内部ノードと接続される第3のインバータ回路とを有する。第4の内部ノードの電圧レベルに応じて、一方電極と接続された第3の内部ノードを固定電圧と電気的に接続して第2のコンデンサを放電するための第2のスイッチ素子をさらに含む。
【0014】
本発明に係る血圧測定装置は、被測定者の所定の測定部位に巻き付けるためのカフと、カフ内の圧力を検出するための圧力検出手段とを備える。圧力検出手段は、カフ内の圧力に応じた電圧を発生するピエゾ抵抗式センサと、容量成分と、抵抗成分とを含むRC発振回路とを含む。RC発振回路は、入力電圧が入力される入力端子と、入力端子と第1の内部ノードとの間に接続される第1の抵抗素子と、第1の内部ノードと一方電極が接続され、他方電極が第2の内部ノードと接続される第1のコンデンサと、第1のコンデンサと並列に第1の内部ノードと一方導通端子が接続された第2の抵抗素子と、第2の抵抗素子の他方導通端子に接続され、第2の抵抗素子を介して第1の内部ノードと第2の内部ノードとの間に接続された第1の論理回路と、第2の内部ノードと接続され第1の論理回路の出力信号に応じた発振信号を出力する第2の論理回路と、第2の内部ノードの電圧レベルに応じて、一方電極と接続された第1の内部ノードを固定電圧と電気的に接続して第1のコンデンサを充電あるいは放電するための第1のスイッチ素子とを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る電圧−周波数変換回路および血圧測定装置は、容量成分と、抵抗成分とを含むRC発振回路を備える。RC発振回路は、入力電圧が入力される入力端子と、入力端子と第1の内部ノードとの間に接続される第1の抵抗素子と、第1の内部ノードと一方電極が接続され、他方電極が第2の内部ノードと接続される第1のコンデンサと、第1のコンデンサと並列に第1の内部ノードと一方導通端子が接続された第2の抵抗素子と、第2の抵抗素子の他方導通端子に接続され、第2の抵抗素子を介して第1の内部ノードと第2の内部ノードとの間に接続された第1の論理回路と、第2の内部ノードと接続され第1の論理回路の出力信号に応じた発振信号を出力する第2の論理回路と、第2の内部ノードの電圧レベルに応じて、一方電極と接続された第1の内部ノードを固定電圧と電気的に接続して第1のコンデンサを充電あるいは放電するための第1のスイッチ素子とを含む。
【0016】
当該構成により、第1の論理回路の出力信号に応じて第1のスイッチ素子が第1のコンデンサを充電あるいは放電する。第1のコンデンサの充電時間は、入力端子に入力される入力電圧に従って変化するため、簡易な方式で発振信号の周波数を調整することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る血圧計1の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る血圧計1のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に従うピエゾ抵抗式の圧力センサ32を説明する図である。
【図4】従来のRC発振回路を説明する図である。
【図5】従来のRC発振回路の各ノードの電圧レベルを説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態に従う電圧−周波数変換回路34を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態に従う電圧−周波数変換回路34の各ノードの電圧レベルを説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態の変形例に従う電圧−周波数変換回路34#を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態の変形例に従う電圧−周波数変換回路34#の各ノードの電圧レベルを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0019】
<外観および構成について>
はじめに、本発明の実施の形態に係る血圧測定装置(以下「血圧計」という)1の外観および構成について説明する。
【0020】
(外観について)
図1は、本発明の実施の形態に係る血圧計1の外観斜視図である。
【0021】
図1を参照して、血圧計1は、本体部10と、被測定者の手首に巻き付け可能なカフ20とを備える。本体部10はカフ20に取り付けられている。本体部10の表面には、たとえば液晶等により構成される表示部40と、ユーザ(代表的に被測定者)からの指示を受付けるための操作部41とが配置されている。操作部41は、たとえば複数のスイッチを含む。
【0022】
(ハードウェア構成について)
図2は、本発明の実施の形態に係る血圧計1のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【0023】
図2を参照して、血圧計1のカフ20は、空気袋21を含む。空気袋21は、エアチューブ31を介して、エア系30に接続される。
【0024】
本体部10は、上述の表示部40および操作部41に加え、エア系30と、各部を集中的に制御し、各種演算処理を行なうためのCPU(Central Processing Unit)100と、CPU100に所定の動作をさせるプログラムや各種データを記憶するためのメモリ部42と、測定された血圧値を記憶するための不揮発性メモリ(たとえばフラッシュメモリ)43と、CPU100に電力を供給するための電源44と、計時動作を行なう計時部45と、外部よりデータの入力を受付けるためのデータ入出力部46と、警告音等を発するためのブザー62とを含む。
【0025】
操作部41は、電源をONまたはOFFするための指示の入力を受付ける電源スイッチ41Aと、測定開始の指示を受付けるための測定スイッチ41Bと、測定停止の指示を受付けるための停止スイッチ41Cと、フラッシュメモリ43に記録された血圧などの情報を読み出す指示を受付けるためのメモリスイッチ41Dとを有する。なお、操作部41は、被測定者を識別するためのID(Identification)情報を入力するために操作されるIDスイッチ(図示せず)をさらに有してもよい。これにより、被測定者ごとに測定データの記録および読出しをすることができる。
【0026】
エア系30は、空気袋21内の圧力(カフ圧)を検出するための圧力センサ32と、カフ圧を加圧するために、空気袋21に空気を供給するためのポンプ51と、空気袋21の空気を排出しまたは封入するために開閉される弁52とを含む。
【0027】
本体部10は、上記エア系30に関連して、増幅器33と、電圧−周波数変換回路(発振回路)34と、ポンプ駆動回路53と、弁駆動回路54とをさらに含む。
【0028】
圧力センサ32は、本例においては、一例として、ピエゾ抵抗式の圧力センサとする。増幅器33は、圧力センサ32の出力電圧を増幅させて電圧−周波数変換回路34に出力する。電圧−周波数変換回路34は、増幅器33を介した圧力センサ32の出力電圧に応じた発振周波数の信号をCPU100に出力する。電圧−周波数変換回路34については後述する。なお、増幅器33は、圧力センサ32からの出力信号の電圧レベル差(振幅)が小さいためにその差を増幅するために設けているが、圧力センサ32からの出力信号の電圧レベル差(振幅)が大きい場合には特に設ける必要が無く、圧力センサ32と直接接続する構成とすることも可能である。
【0029】
CPU100は、電圧−周波数変換回路34から得られる発振周波数を圧力に変換し圧力を検知する。ポンプ駆動回路53は、ポンプ51の駆動をCPU100から与えられる制御信号に基づいて制御する。弁駆動回路54は弁52の開閉制御をCPU100から与えられる制御信号に基づいて行なう。
【0030】
ポンプ51、弁52、ポンプ駆動回路53および弁駆動回路54は、カフ圧を調整するための調整機構50を構成する。なお、カフ圧を調整するためのデバイスは、これらに限定されるものではない。
【0031】
データ入出力部46は、たとえば、着脱可能な記録媒体132からプログラムやデータの読み出しおよび書き込みをする。また/あるいは、データ入出力部46は、外部の図示しないコンピュータから通信回線を介してプログラムやデータの送受信ができてもよい。
【0032】
また、本実施の形態における血圧計1は、図1に示されるように、本体部10がカフ20に取り付けられた形態であることとするが、上腕式の血圧計で採用されているような、本体部10とカフ20とがエアチューブ(図2においてエアチューブ31)によって接続される形態のものであってもよい。
【0033】
なお、カフ20には空気袋21が含まれることとしたが、カフ20に供給される流体は空気に限定されるものではなく、たとえば液体やゲルであってもよい。あるいは、流体に限定されるものではなく、マイクロビーズなどの均一な微粒子であってもよい。
【0034】
また、本実施の形態では、所定の測定部位が手首であることとするが、限定的ではなく、上腕など他の部位であってもよい。
【0035】
図3は、本発明の実施の形態に従うピエゾ抵抗式の圧力センサ32を説明する図である。
【0036】
図3を参照して、圧力センサ32は、電源電圧Vdと固定電圧である接地電圧GNDとの間に並列に接続された抵抗素子Rp1およびRp2と、抵抗素子Rp3,Rp4とを含む。そして、抵抗素子Rp1とRp2との間の接続ノードが出力端子(+)側と接続されている。また、抵抗素子Rp3とRp4との間の接続ノードが出力端子(−)側と接続されている。当該ピエゾ抵抗式の圧力センサは、圧力に応じて各抵抗素子の抵抗値が変化することに伴い、出力端子に電位差が生じる。圧力センサ32は、当該出力端子に生じた電圧信号を増幅器33を介して電圧−周波数変換回路34に出力する。
【0037】
まず、従来のRC発振回路について説明する。
図4は、従来のRC発振回路を説明する図である。
【0038】
図4(a)を参照して、従来のRC発振回路は、抵抗素子13と、NOR回路11A〜11Cと、コンデンサ14とを含む。
【0039】
抵抗素子13は、ノードNAとノードNBとの間に設けられる。抵抗素子12は、ノードNAとNOR回路11Aの入力ノードの一方側との間に設けられる。
【0040】
コンデンサ14は、一方電極がノードNAと接続され、他方電極は、ノードNCと接続される。NOR回路11Aの入力ノードの一方側は、抵抗素子12を介してノードNAと接続され、他方側は固定電圧である接地電圧GNDと接続され、排他的NOR論理演算結果をNOR回路11Bの入力ノードの一方側に出力する。
【0041】
NOR回路11Bの入力ノードの一方側は、NOR回路11Aの出力ノードと接続され、NOR回路11Bの入力ノードの他方側は、固定電圧である接地電圧GNDと接続され、排他的NOR論理演算結果をNOR回路11CのノードNCに伝達する。
【0042】
NOR回路11Cの入力ノードの一方側は、ノードNCと接続され、他方側は固定電圧である接地電圧GNDと接続され、排他的NOR論理演算結果を出力ノードNBに伝達する。
【0043】
なお、NOR回路11A,11B,11Cの他方の入力ノードは接地電圧GNDと接続されている。したがって、当該NOR回路11A,11B,11Cは、それぞれ入力信号を反転して出力するインバータ回路として機能している。
【0044】
当該RC発振回路の動作について説明する。
RC発振回路は、抵抗13およびコンデンサ14による時定数回路により、NOR回路11Aのしきい値に達するまでの時間によって発振周波数が設定される。
【0045】
具体的には、NOR回路11Aの入力ノードが「L」レベルに設定されてNOR回路11Aの出力が「H」レベルになると、NOR回路11B,11Cを介してノードNBも「H」レベルに設定される。
【0046】
そして、コンデンサ14が充電されてノードNAの電圧レベルが「H」レベルとなると、NOR回路11Aの一方の入力ノードも「H」レベルとなり、NOR回路11Aの出力レベルが変化する。これに伴いNOR回路11Aの出力レベルが「H」レベルから「L」レベルに設定されることにより、NOR回路11B,11Cを介してノードNBも「L」レベルに設定される。
【0047】
そして、今度はコンデンサ14に蓄積された電荷が放電されてノードNAの電圧レベルが「L」レベルとなると、NOR回路11Aの一方の入力ノードも「L」レベルとなるためNOR回路11Aの出力レベルが「L」レベルから「H」レベルに変化する。そして、NOR回路11B,11Cを介してノードNBも「H」レベルに設定される。
【0048】
当該充電動作および放電動作が繰り返されることにより、ノードNBの電圧は「L」レベル、「H」レベルと交互に出力されて発振動作となる。
【0049】
図5は、従来のRC発振回路の各ノードの電圧レベルを説明する図である。
図5を参照して、ここでは、ノードNA,NB,NCの電圧波形が示されている。
【0050】
ここで、充電動作および放電動作の期間について説明する。
図4(b)は、抵抗RおよびコンデンサCで構成される一般的な時定数回路の充電動作を説明する図である。
【0051】
すなわち、抵抗Rは、図4(a)の抵抗13、コンデンサCは、図4(a)のコンデンサ14に相当する。
【0052】
当該時定数回路の電圧Voは次式で表される。
【0053】
【数1】

【0054】
積分定数Aを算出するために初期条件、時刻t=0のときに電圧Vo=0とした場合には電圧Voは次式で表される。
【0055】
【数2】

【0056】
一方、図4(a)に示されるRC発振回路の充電動作の初期条件は、放電動作により電圧がVthに達した直後に充電動作が開始される。すなわち、時刻t=0のときに、ノードNaの電圧Voは、Vth−Vdとなる。
【0057】
したがって、(1)式に初期条件を代入すると、次式となる。
【0058】
【数3】

【0059】
これをtについて解くと、次式となる。
【0060】
【数4】

【0061】
当該電圧VoがNOR回路11Aの入力ノードに伝達され、NOR回路11Aのしきい値Vthに達すると、NOR回路11Aの出力レベルが変化し、「L」レベルに設定される。すなわち、NORゲートのしきい値Vthに達する時間は、Vo=Vthとなる時間である。また、NORゲートのしきい値Vthは、一般的に電源電圧Vdの1/2であるため上式に代入すると、次式として表される。
【0062】
【数5】

【0063】
そして、この上記充電動作に掛かる時間tcは、次式で表される。
【0064】
【数6】

【0065】
次に放電動作について考える。
図4(c)は、抵抗RおよびコンデンサCで構成される一般的な時定数回路の放電動作を説明する図である。
【0066】
すなわち、抵抗Rは、図4(a)の抵抗13、コンデンサCは、図4(a)のコンデンサ14に相当する。
【0067】
当該時定数回路の電圧Voは次式で表される。
【0068】
【数7】

【0069】
図4(a)に示されるRC発振回路の放電動作の初期条件は、充電動作により電圧がVthに達した直後に放電動作が開始される。すなわち、時刻t=0のときに、ノードNAの電圧Voは、Vth+Vdとなる。
【0070】
したがって、(7)式に初期条件を代入すると、次式となる。
【0071】
【数8】

【0072】
これをtについて解くと、次式となる。
【0073】
【数9】

【0074】
NORゲートのしきい値Vthに達する時間は、Vo=Vthとなる時間である。また、NORゲートのしきい値Vthは、一般的に電源電圧Vdの1/2であるため上式に代入すると、次式として表される。
【0075】
【数10】

【0076】
そして、この上記放電動作に掛かる時間tdは、次式で表される。
【0077】
【数11】

【0078】
したがって、図4(a)に示されるRC発振回路は、時間tc=tdの関係を有するためデューティ50%のパルス波形を得ることができる。
【0079】
上記したように充電動作に掛かる時間tcおよび放電動作に掛かる時間tdの合計時間が1周期となる。
【0080】
したがって、上式(6),(11)から明らかなように、抵抗成分あるいは容量成分等を変化させることにより発振周波数を変化させることが可能である。
【0081】
従来の静電容量型センサ装置においては、当該RC発振回路が用いられ、コンデンサ容量を変化させて発振周波数を変化させる方式が採用されていた。
【0082】
図6は、本発明の実施の形態に従う電圧−周波数変換回路34を説明する図である。
図6を参照して、本発明の実施の形態に従う電圧−周波数変換回路34は、抵抗素子12,13,16と、NOR回路11A〜11Cと、コンデンサ14と、スイッチ素子15とを含む。
【0083】
抵抗素子16は、入力端子とノードN0との間に設けられる。また、スイッチ素子15は、ノードN0と固定電圧である接地電圧GNDとの間に設けられ、ノードNCの電圧レベルに応じて導通する。また、抵抗素子13は、ノードN0とノードNAとの間に設けられる。抵抗素子12は、ノードNAとNOR回路11Aの入力ノードの一方側との間に設けられる。
【0084】
コンデンサ14は、一方電極がノードNAと接続され、他方電極は、ノードNCと接続される。NOR回路11Aの入力ノードの一方側は、抵抗素子12を介してノードNAと接続され、他方側は固定電圧である接地電圧GNDと接続され、排他的NOR論理演算結果をNOR回路11Bの入力ノードの一方側に出力する。
【0085】
NOR回路11Bの入力ノードの一方側は、NOR回路11Aの出力ノードと接続され、NOR回路11Bの入力ノードの他方側は、固定電圧である接地電圧GNDと接続され、排他的NOR演算結果をNOR回路11CのノードNCに伝達する。
【0086】
NOR回路11Cの入力ノードの一方側は、ノードNCと接続され、他方側は固定電圧である接地電圧GNDと接続され、排他的NOR演算結果を出力ノードNBに伝達する。
【0087】
本例においてもRC発振回路と同様に、抵抗13,16およびコンデンサ14による時定数回路により、NOR回路11Aのしきい値に達するまでの時間によって発振周波数が設定される。
【0088】
具体的には、NOR回路11Aの入力ノードが「L」レベルである場合、その出力信号は「H」レベルに設定される。これに伴い、NOR回路11Bの出力信号は「L」レベル、NOR回路11Cの出力信号は「H」レベルに設定される。
【0089】
ノードNCの電圧レベルが「L」レベルであるため、コンデンサ14の一方電極は抵抗13,16を介して入力端子と接続されるため、抵抗13,16およびコンデンサ14で構成される時定数回路により、ノードNAの電圧は充電動作により次式で表される。すなわち、上述したように(1)式を用いてRC発振回路の充電動作の初期条件を入力する。
【0090】
初期条件は、時刻t=0のときに、ノードNaの電圧Voは、Vth−Vdとなる。
【0091】
【数12】

【0092】
これをtについて解くと、次式となる。
【0093】
【数13】

【0094】
NORゲートのしきい値Vthに達する時間は、Vo=Vthとなる時間である。また、NORゲートのしきい値Vthは、一般的に電源電圧Vdの1/2であるため上式に代入すると、次式として表される。
【0095】
【数14】

【0096】
そして、この上記充電動作に掛かる時間teは、次式で表される。
【0097】
【数15】

【0098】
そして、当該充電電圧がNOR回路11Aの入力ノードに伝達され、NOR回路11Aのしきい値Vthに達すると、NOR回路11Aの出力レベルが変化し、「L」レベルに設定される。これに伴い、NOR回路11Bの出力信号は「L」レベルから「H」レベルに設定される。そして、NOR回路11Cの出力信号は「H」レベルから「L」レベルに設定される。
【0099】
NOR回路11Bの出力信号が「H」レベルに設定されるに伴い、ノードNCの電圧レベル(「H」レベル)に応じてスイッチ素子15が導通(オン)する。これにより、固定電圧である接地電圧GNDとノードN0とが電気的に接続される。これに伴い、抵抗13およびコンデンサ14による時定数回路により、ノードNBの電圧は放電動作により次式で表される。
【0100】
【数16】

【0101】
すなわち、上記(11)式と同様である。
当該充電電圧がNOR回路11Aの入力ノードに伝達され、NOR回路11Aのしきい値Vth未満になると、NOR回路11Aの出力レベルが変化し、「L」レベルから「H」レベルに設定される。
【0102】
そして、NOR回路11Bの出力信号が「H」レベルから「L」レベルに設定される。また、NOR回路11Cの出力信号が「L」レベルから「H」レベルに設定される。
【0103】
NOR回路11Bの出力信号が「L」レベルに設定されるに伴い、ノードNCの電圧レベル(「L」レベル)に応じてスイッチ素子15が非導通(オフ)となる。これにより、固定電圧である接地電圧GNDとノードN0とが電気的に切離される。これに伴い、抵抗13,16を介してコンデンサ14の一方電極は入力端子と接続されるため上述した充電動作が実行される。
【0104】
すなわち、上記の充電動作および放電動作に従いNOR回路11Cの出力信号は「L」レベル、「H」レベル、「L」レベル・・・と発振信号を出力する。
【0105】
本実施の形態に従う電圧−周波数変換回路34において、コンデンサ14および抵抗12,13,16の容量成分および抵抗成分は固定の値であり、入力端子に入力される入力電圧が変化する。上述したように入力端子に入力される入力電圧は、圧力センサから圧力に応じて出力された出力電圧である。
【0106】
図7は、本発明の実施の形態に従う電圧−周波数変換回路34の各ノードの電圧レベルを説明する図である。
【0107】
図7を参照して、ここでは、ノードNAとノードNBの電圧レベルが示されている。
本実施の形態に従う構成、すなわち、入力端子から入力される入力電圧が変化する構成においては、式(15)で示されるように充電時間teが変化する。なお、放電時間は、コンデンサ14および抵抗12,13,16の容量成分および抵抗成分が固定であるため変化しない。なお、式(15)における抵抗Rは、図6の抵抗13,16の合計値に相当する。コンデンサCは、図6のコンデンサ14に相当する。
【0108】
NOR回路11Aのしきい値に達するまでの充電時間が入力電圧に依存するため、発振信号の周期が変化し発振周波数を変化させることが可能である。
【0109】
すなわち、本実施の形態に従う電圧−周波数変換回路34により、圧力センサ32の出力電圧に応じた発振周波数の信号をCPU100に出力し、CPU100は、発振周波数を圧力に変換して圧力を検知する。
【0110】
したがって、簡易な方式により、コストが安くかつ精度の高い電圧−周波数変換回路を実現することが可能である。また、それを用いた血圧測定装置を実現することが可能である。
【0111】
なお、図6の構成においては、一方の入力ノードが固定電圧である接地電圧GND(「L」レベル)と接続されたNOR回路の構成について説明したが、一方の入力ノードが電源電圧Vd(「H」レベル)と接続する構成とすることにより、NOR回路の代わりにNAND回路を用いた構成とすることも可能である。
【0112】
また、図6の構成においては、NOR回路11A〜11Cを用いた構成について説明したが、それぞれの入力ノードは、固定電圧である接地電圧GNDと接続されているため入力信号の論理レベルを反転させるインバータ回路として機能している。したがって、NOR回路11A〜11Cをインバータ回路に置換した構成とすることも可能である。当該構成により、回路の構成素子数を削減して回路のレイアウトを小さくすることが可能である。
【0113】
(実施の形態の変形例)
図8は、本発明の実施の形態の変形例に従う電圧−周波数変換回路34#を説明する図である。
【0114】
図8を参照して、本発明の実施の形態の変形例に従う電圧−周波数変換回路34#は、図6で説明した電圧−周波数変換回路34と比較して、NOR回路11Dと、抵抗素子17,20,21と、スイッチ素子18と、コンデンサ19とをさらに設けた点が異なる。
【0115】
具体的には、抵抗素子17は、入力端子とノードN1との間に設けられる。また、スイッチ素子18は、ノードN1と固定電圧との間に設けられ、ノードNBの電圧レベルに応じて導通/非導通となる。抵抗素子20は、ノードNEとノードN1との間に設けられる。コンデンサ19は、一方電極がノードNEと接続され、他方電極はノードNBと接続される。NOR回路113は、一方の入力ノードをノードNBと接続し、他方は固定電圧と接続されてNOR論理演算結果をノードNDに伝達する。抵抗素子21の一方導通端子はノードNEと接続され、他方導通端子はNOR回路11Bの入力ノードと接続される。
【0116】
NOR回路11Bは、NOR回路11Aの出力信号と抵抗素子21を介するノードNEからの信号との入力を受けて、排他的NOR論理演算結果をノードNCに伝達する。
【0117】
上記の実施の形態に従う構成においては充電時間が入力電圧に従って調整されて発振信号の「H」レベルの期間が調整される方式について説明したが、本実施の形態の変形例に従う構成においてはさらに発振信号の「L」レベルの期間が調整される方式について説明する。
【0118】
具体的には、NOR回路11Aの入力ノードが「L」レベルである場合、上述したようにNOR回路11Cの出力信号は「H」レベルに設定される。これに伴い、NOR回路11Bの出力信号は「L」レベル,NOR回路11Cの出力信号は「H」レベルに設定される。また、NOR回路11Dの出力信号は「L」レベルに設定される。
【0119】
この場合において、ノードNCは「L」レベルであるためスイッチ素子15は非導通である。一方、ノードNBは「H」レベルであるためスイッチ素子18は導通している。したがって、固定電圧である接地電圧GNDとノードN1とが電気的に結合されている。すなわち、NOR回路11Bの抵抗素子20,21を介して入力される入力ノードは「L」レベルに設定されている。したがって、NOR回路11Bは、一方の入力ノードが「L」レベルであるためインバータ回路として機能している。
【0120】
次に、ノードNCの電圧レベルが「L」レベルであるため、上述したようにコンデンサ14の一方電極は抵抗13,16を介して入力端子と接続されるため充電動作が実行される。そして、充電動作によりノードNAの電圧がNOR回路11Aの入力ノードに伝達され、NOR回路11Aのしきい値Vthに達すると、NOR回路11Aの出力レベルが変化し、「L」レベルに設定される。これに伴い、NOR回路11Bの出力信号は「L」レベルから「H」レベルに設定される。そして、NOR回路11Cの出力信号は「H」レベルから「L」レベルに設定される。そして、NOR回路11Dの出力信号は「L」レベルから「H」レベルに設定される。
【0121】
NOR回路11Bの出力信号が「H」レベルに設定されるに伴い、ノードNCの電圧レベル(「H」レベル)に応じてスイッチ素子15が導通(オン)する。これにより、固定電圧である接地電圧GNDとノードN0とが電気的に接続される。これに伴い、放電動作が実行される。この際、NOR回路11Cの出力信号は「H」レベルから「L」レベルに設定されるためスイッチ素子18は非導通(オフ)となる。一方、NOR回路11Aの出力信号は「L」レベルであるため、NOR回路11Bは、一方の入力ノードが「L」レベルであるためインバータ回路として機能している。
【0122】
次に、NOR回路11Cの出力信号が「L」レベルであり、ノードNBの電圧レベルが「L」レベルであるため、コンデンサ19の一方電極は抵抗17,20を介して入力端子と接続されるため充電動作が実行される。そして、充電動作によりノードNEの電圧がNOR回路11Bの入力ノードに伝達され、NOR回路11Bのしきい値Vthに達すると、NOR回路11Bの出力レベルが変化し、「L」レベルに設定される。これにより、スイッチ素子15が非導通(オフ)となる。したがって、固定電圧である接地電圧GNDとノードN0とが電気的に切離される。これに伴い、抵抗13,16を介してコンデンサ14の一方電極は入力端子と接続されるため上述した充電動作が実行される。
【0123】
また、NOR回路11Bの出力レベルが「L」レベルに設定されることに伴いNOR回路11Cの出力レベルが「L」レベルから「H」レベルに設定される。したがって、NOR回路11Cの出力信号は「H」レベルであるためスイッチ素子18が導通する。これに伴い、ノードN1が接地電圧GNDと接続される。これに伴い放電動作が実行される。
【0124】
すなわち、上記で説明した充電動作および放電動作に従いNOR回路11Dの出力信号は「H」レベル、「L」レベル、「H」レベル、「L」レベル・・・と発振信号を出力する。
【0125】
なお、本実施の形態に従う電圧−周波数変換回路34#は、抵抗17,20およびコンデンサ19で構成される時定数回路によりノードNEがNOR回路11Bのしきい値Vthに達する充電時間の方が、抵抗13およびコンデンサ14で構成される時定数回路によりノードNAがNOR回路11Aのしきい値Vth以下になる放電時間よりも短くなるように抵抗成分および容量成分が設定されているものとする。
【0126】
本実施の形態に従う電圧−周波数変換回路34#において、コンデンサ14,19および抵抗12,13,16,17,20,21の容量成分および抵抗成分は固定の値であり、入力端子に入力される入力電圧が変化する。上述したように入力端子に入力される入力電圧は、圧力センサにおける圧力に応じて出力された出力電圧である。
【0127】
図9は、本発明の実施の形態の変形例に従う電圧−周波数変換回路34#の各ノードの電圧レベルを説明する図である。
【0128】
図9(a)を参照して、ここでは、ノードNAとノードNEの電圧レベルが示されている。
【0129】
本実施の形態の変形例に従う構成、すなわち、入力端子から入力される入力電圧が変化する構成においては、ノードNAの充電時間tfおよびノードNEの充電時間tgが変化する。なお、放電時間は、コンデンサ14,19および抵抗12,13,16,17,20,21の容量成分および抵抗成分が固定であるため変化しない。
【0130】
以下、ノードNAの充電時間およびノードNEの充電時間について説明する。
まず、ノードNEについて説明する。
【0131】
充電時の初期条件として、t=0のときに、Voは0−Vdとなる。
したがって、初期条件を代入すると、ノードNEの電圧は、次式の如く表される。
【0132】
【数17】

【0133】
これをtについて解くと、次式となる。
【0134】
【数18】

【0135】
NORゲートのしきい値Vthに達する時間は、Vo=Vthとなる時間である。
したがって、この上記充電動作に掛かる時間tgは、次式で表される。
【0136】
【数19】

【0137】
なお、式(19)における抵抗Rは、図8の抵抗17,20の合計値に相当する。コンデンサCは、図8のコンデンサ19に相当する。
【0138】
次に、ノードNAについて考える。
まず、ノードNAの放電時の初期条件は、t=0のときに、Vo=Vth+Vdとなる。
【0139】
したがって、ノードNAについて、放電時におけるノードNAは、上記で説明したように、上式(8)として得られる。
【0140】
一方、上述したように、本実施の形態に従う電圧−周波数変換回路34#は、抵抗17,20およびコンデンサ19で構成される時定数回路によりノードNEがNOR回路11Bのしきい値Vthに達する充電時間の方が、抵抗13およびコンデンサ14で構成される時定数回路によりノードNAがNOR回路11Aのしきい値Vth以下になる放電時間よりも短くなるように抵抗成分および容量成分が設定されているものとする。
【0141】
したがって、ノードNEがNOR回路11Bのしきい値Vthに達した際には、図9に示されるようにノードNAは、しきい値Vthよりも所定電圧高い電圧に設定されている。
【0142】
それゆえ、まず、ノードNEがNOR回路11Bのしきい値Vthに達した際の電圧を求める。
【0143】
具体的には、上式(8)にノードNEの電圧がVthとなる時間tgを代入する。
【0144】
【数20】

【0145】
当該電圧がノードNEの電圧がVthとなった際におけるノードNAの電圧である。
ノードNAの充電動作時の初期条件は、t=0のときに、Vo=K−Vdであるので、この初期条件を式(1)に代入すると、ノードNAの電圧は、次式の如く表される。
【0146】
【数21】

【0147】
これをtについて解くと、上記充電動作に掛かる時間tfは、次式となる。
【0148】
【数22】

【0149】
なお、式(22)における抵抗Rは、図8の抵抗13,16の合計値に相当する。コンデンサCは、図8のコンデンサ14に相当する。
【0150】
したがって、NOR回路11AおよびNOR回路11Bのしきい値に達するまでの充電時間が入力電圧に依存するため、発振信号の周期が変化し発振周波数を変化させることが可能である。
【0151】
すなわち、本実施の形態に従う電圧−周波数変換回路34#により、圧力センサ32の出力電圧に応じた発振周波数の信号をCPU100に出力し、CPU100は、発振周波数を圧力に変換して圧力を検知する。
【0152】
したがって、簡易な方式により、コストが安くかつ精度の高い電圧−周波数変換回路を実現することが可能である。また、それを用いた血圧測定装置を実現することが可能である。
【0153】
また、本実施の形態の変形例に従う構成において、抵抗13,16およびコンデンサ14で構成される時定数回路により充電時間が入力電圧に従って調整されて発振信号のノードNBの「H」レベルの期間が調整されるとともに、抵抗17,20およびコンデンサ19で構成される時定数回路により充電時間が入力電圧に従って調整されて発振信号のノードNBの「L」レベルの期間が調整される。
【0154】
これにより、ノードNBの反転信号を出力するNOR回路11Dの発振信号である発振周波数が調整される。
【0155】
なお、図8の構成においては、一方の入力ノードが固定電圧である接地電圧GND(「L」レベル)と接続されたNOR回路11A,11C,11Dの構成について説明したが、一方の入力ノードが電源電圧Vd(「H」レベル)と接続する構成とすることにより、NOR回路の代わりにNAND回路を用いた構成とすることも可能である。
【0156】
また、図8の構成においては、NOR回路11A,11C,11Dの構成の代わりに入力信号の論理レベルを反転させるインバータ回路をそれぞれ置換した構成とすることも可能である。当該構成により、回路の構成素子数を削減して回路のレイアウトを小さくすることが可能である。
【0157】
本実施の形態の変形例に従う構成により、入力電圧に従って発振信号の「H」レベルの期間および「L」レベルの期間が調整されるためダイナミックレンジを広くする取ることが可能であり、より精度の高い電圧−周波数変換回路を実現することが可能である。また、それを用いた血圧測定装置を実現することが可能である。
【0158】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0159】
1 電子血圧計、10 本体部、20 カフ、21 空気袋、30 エア系、31 エアチューブ、32 圧力センサ、33 増幅器、34,34# 電圧−周波数変換回路、40 表示部、41 操作部、41A 電源スイッチ、41B 測定スイッチ、41C 停止スイッチ、41D メモリスイッチ、42 メモリ部、43 フラッシュメモリ、44 電源、45 計時部、46 データ入出力部、50 調整機構、51 ポンプ、52 弁、53 ポンプ駆動回路、54 弁駆動回路、62 ブザー、100 CPU、132 記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容量成分と、抵抗成分とを含むRC発振回路を備え、
前記RC発振回路は、
入力電圧が入力される入力端子と、
前記入力端子と前記第1の内部ノードとの間に接続される第1の抵抗素子と、
前記第1の内部ノードと一方電極が接続され、他方電極が第2の内部ノードと接続される第1のコンデンサと、
前記第1のコンデンサと並列に前記第1の内部ノードと一方導通端子が接続された第2の抵抗素子と、
前記第2の抵抗素子の他方導通端子に接続され、前記第2の抵抗素子を介して前記第1の内部ノードと前記第2の内部ノードとの間に接続された第1の論理回路と、
前記第2の内部ノードと接続され前記第1の論理回路の出力信号に応じた発振信号を出力する第2の論理回路と、
前記第2の内部ノードの電圧レベルに応じて、前記一方電極と接続された前記第1の内部ノードを固定電圧と電気的に接続して前記第1のコンデンサを放電するための第1のスイッチ素子とを含む、電圧−周波数変換回路。
【請求項2】
前記入力電圧は、ピエゾ抵抗式センサの出力電圧に相当する、請求項1記載の電圧−周波数変換回路。
【請求項3】
前記第1のスイッチ素子は、前記第2の内部ノードの電圧レベルがしきい値以上の場合に導通して、前記一方電極と接続された第1の内部ノードを固定電圧と電気的に接続されて前記第1のコンデンサは放電され、
前記第1のスイッチ素子は、前記第2の内部ノードの電圧レベルがしきい値未満の場合に非導通となり、前記一方電極と接続された第1の内部ノードは前記入力電圧と接続されて前記第1のコンデンサは充電される、請求項1記載の電圧−周波数変換回路。
【請求項4】
前記入力端子と前記第3の内部ノードとの間に接続される第3の抵抗素子と、
前記第3の内部ノードと一方電極が接続され、他方電極が第4の内部ノードと接続される第2のコンデンサと、
前記第2のコンデンサと並列に前記第3の内部ノードと一方導通端子が接続された第4の抵抗素子とを含み、
前記第1の論理回路は、前記第4の抵抗素子の他方導通端子に接続される第3のインバータ回路と、前記第3のインバータ回路の出力端子と前記第4の抵抗素子の他方導通端子との入力を受けて、前記第2の内部ノードに出力する排他的論理和回路とを有し、
前記第2の論理回路は、前記第2の内部ノードと前記第4の内部ノードとの間に接続される第3のインバータ回路と、前記第4の内部ノードと接続される第3のインバータ回路とを有し、
前記第4の内部ノードの電圧レベルに応じて、前記一方電極と接続された前記第3の内部ノードを固定電圧と電気的に接続して前記第2のコンデンサを放電するための第2のスイッチ素子をさらに含む、請求項1記載の電圧−周波数変換回路。
【請求項5】
被測定者の所定の測定部位に巻き付けるためのカフと、
カフ内の圧力を検出するための圧力検出手段とを備え、
前記圧力検出手段は、
前記カフ内の圧力に応じた電圧を発生するピエゾ抵抗式センサと、
容量成分と、抵抗成分とを含むRC発振回路とを含み、
前記RC発振回路は、
入力電圧が入力される入力端子と、
前記入力端子と前記第1の内部ノードとの間に接続される第1の抵抗素子と、
前記第1の内部ノードと一方電極が接続され、他方電極が第2の内部ノードと接続される第1のコンデンサと、
前記第1のコンデンサと並列に前記第1の内部ノードと一方導通端子が接続された第2の抵抗素子と、
前記第2の抵抗素子の他方導通端子に接続され、前記第2の抵抗素子を介して前記第1の内部ノードと前記第2の内部ノードとの間に接続された第1の論理回路と、
前記第2の内部ノードと接続され前記第1の論理回路の出力信号に応じた発振信号を出力する第2の論理回路と、
前記第2の内部ノードの電圧レベルに応じて、前記一方電極と接続された前記第1の内部ノードを固定電圧と電気的に接続して前記第1のコンデンサを放電するための第1のスイッチ素子とを含む、血圧測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−200103(P2010−200103A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43953(P2009−43953)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】