説明

電子メール自動送信方法/プログラム/プログラム記録媒体/システム、携帯端末装置

【課題】 メール送信条件を自動車の位置情報と関連づけた場合の問題点を除去した電子メール自動送信システムを提供する。
【解決手段】 携帯電話機1が、カーナビゲーション装置2から目的地到着予想時刻などの情報を取得し、取得した目的地到着予想時刻が、携帯電話機1にあらかじめ設定しておいた、目的地到着予想時刻と関連したメール送信条件に適合した場合に、電子メールを自動的に送信するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機とカーナビゲーション装置が一体となって、車の位置情報などを電子メールで発信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムは、ユーザによって設定された目的地への道案内を行うとともに、現在地と、現在地から目的地までの道のりと、自動車の走行スピードと、目的地到着予想時刻を算出し、ユーザに知らせることが可能である。さらに、渋滞情報、事故情報などを取得し、これらの情報をユーザに知らせたり、走行ルートの再検索を行ったり、目的地到着予想時刻の再計算を行ったりすることが可能である。
【0003】
ユーザが誰かと待ち合わせを行っている場合、ユーザは、カーナビゲーションシステムに表示される目的地到着予想時刻をみて、待ち合わせ時刻に間に合うか、遅れるかを予想することが可能である。もし、待ち合わせ時刻に遅れそうな場合、ユーザは、携帯電話機の通話機能、電子メール送信機能を用いることにより、待ち合わせしている相手に連絡をとることが可能である。
【0004】
しかしながら、自動車を運転中に携帯電話機を操作することは非常に危険であり、大事故につながるおそれもある。
【0005】
そこで、特開2000−285382号公報(特許文献1)は、携帯電話機とカーナビゲーション装置を相互接続し、カーナビゲーション装置によって得られた車の位置情報にもとづいて、携帯電話機から、車の運行情報を含んだ電子メールを自動的に送信する技術を開示している。
【特許文献1】特開2000−285382号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の発明は、目的地に到着したとか、途中地点を通過したという位置情報にもとづいて、電子メールを送信するか否かを判断している。したがって、次のような問題点がある。
【0007】
第1に、あらかじめ設定しておいたメール送信地点よりも前で渋滞にまきこまれてしまった場合、待ち合わせしている相手など、電子メールを送信したい相手に自動的に連絡することができないことである。
【0008】
第2に、渋滞、事故、工事などの交通事情によって、目的地までのルートを変更し、メール送信地点を通らなくなった場合、電子メールの自動送信ができなくなることである。
【0009】
第3に、目的地を変更した場合やルートを変更した場合、メール送信条件の再設定が必要なことである。
【0010】
第4に、予定通り走行している場合など、相手への電子メールの送信が不要な場合でも、あらかじめ設定しておいた地点を通過したり、目的地に到着したりすれば、電子メールの送信が行われるため、余計な通信料が発生することである。
【0011】
本発明の目的は、このような問題点を除去するため、メール送信条件を自動車の位置情報以外の情報と関連づけて設定し、電子メールを自動的に送信する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は、携帯電話機が、カーナビゲーション装置から目的地到着予想時刻などの情報を取得し、取得した目的地到着予想時刻が、携帯電話機にあらかじめ設定しておいた、目的地到着予想時刻と関連したメール送信条件に適合した場合に、電子メールを自動的に送信するようにする。
【0013】
待ち合わせを行っているユーザにとって、待ち合わせ時刻と目的地到着予想時刻のずれ、すなわち、どの程度遅れるのかが最も直接的な関心事である。したがって、目的地到着予想時刻に応じて電子メールの送信を行えば、ユーザの要望をより満足させることができる。
【0014】
また、目的地到着予想時刻と関連したメール送信条件を設定することにより、電子メールの送信は現在自動車がどの位置にあるかとは関係なくなるので、上述の問題点がなくなる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明は、次のような効果を有する。
【0016】
第1に、あらかじめ設定しておいたメール送信地点よりも前で渋滞にまきこまれてしまった場合でも、待ち合わせしている相手など、電子メールを送信したい相手に自動的に連絡することができる。
【0017】
第2に、渋滞、事故、工事などの交通事情によって、目的地までのルートを変更し、メール送信地点を通らなくなった場合でも、電子メールの自動送信ができる。
【0018】
第3に、目的地を変更した場合やルートを変更した場合、メール送信条件の再設定が不要である。
【0019】
第4に、予定通り走行している場合など、相手への電子メールの送信が不要な場合には、電子メールの送信が行われないため、余計な通信料が発生しない。
【0020】
第5に、ユーザの望むタイミングで電子メールを自動送信できる。なぜなら、携帯電話機にあらかじめ電子メールを送信したいタイミングをメール送信条件として登録しておくことができるからである。
【0021】
第6に、目的地到着予想時刻などのナビゲーション装置が持っている時々刻々と変化する情報を、電子メールで自動的に送信できる。なぜなら、あらかじめ登録されている送信メールテキストに、ナビゲーション装置から取得した情報を加えることができるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1を参照すると、本発明の一実施形態の電子メール自動送信システムは、携帯電話機1と、ナビゲーション装置2と、ケーブル3からなる。
【0024】
ケーブル3は、携帯電話機1とナビゲーション装置2を接続し、両者間の通信を可能にする。
【0025】
携帯電話機1は、制御部11と、メモリ12と、タイマ13と、表示部14と、操作部15と、アンテナ16と、無線部17と、ナビゲーション装置との通信部18を含む。
【0026】
制御部11は、メモリ12と、タイマ13と、表示部14と、操作部15と、無線部17と、ナビゲーション装置との通信部18と接続されていて、これらの制御を行う。メモリ12は、「待ち合わせ時刻」、「情報取得時間間隔」、「メール送信条件」、「機能終了条件」、「メールの宛先」、「送信メール」などを記憶しておく。タイマ13は、起動されると時間経過をカウントし始め、指定された時間が経過するとタイムアップを通知する。表示部14は、ユーザが携帯電話機1の操作を行う際に、操作メニューなどを表示する。操作部15は、ユーザに操作を行わせ、「待ち合わせ時刻」、「情報取得時間間隔」、「メール送信条件」、「機能終了条件」、「メールの宛先」、「送信メール」などの設定を行わせる。アンテナ16は、電波の送信を行う。無線部17は、無線関係の処理を行う。ナビゲーション装置との通信部18は、ナビゲーション装置2との通信を確立する。
【0027】
ナビゲーション装置2は、カーナビゲーション本体21と、通信制御部22と、通信部23を含む。
【0028】
カーナビゲーション本体21は、従来のカーナビゲーションシステムと同様の構成である。現在の場所を計測する位置計測機能、現在地から目的地までの経路を算出する経路算出機能、目的地へ到着する時刻を算出する到着時刻算出機能を備える。当業者にとってよく知られており、また、本発明とは直接関係ないので、その詳細な構成は省略する。通信制御部22は、通信部23を制御することにより、携帯電話機1との通信の制御を行う。通信部23は、携帯電話機1との通信を確立する。
【0029】
次に、本実施形態の電子メール自動送信システムの動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図2を参照すると、携帯電話機1の側からみた、本実施形態の電子メール自動送信システムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。
【0031】
ユーザは、あらかじめ、操作部15を介して、「待ち合わせ時刻」、「情報取得時間間隔」、「メール送信条件」、「機能終了条件」、「メールの宛先」、「送信メール」の入力、設定を行う。制御部11は、これらの設定値をメモリ12に保存する。以降の各ステップの処理は、制御部11が主体となって行う。
【0032】
ステップ201で、ナビゲーション装置との通信部18を介して、ナビゲーション装置2との接続を検出する。検出されたら、ステップ202で、メモリ12からあらかじめ設定されている設定値のうち、「待ち合わせ時刻」、「情報取得時間間隔」、「メール送信条件」、「機能終了条件」の読み出しを行う。読み出しが終了すると、ステップ203で、ナビゲーション装置との通信部18を制御し、ナビゲーション装置2から、「目的地到着予想時刻」、「現在地」、「目的地までの距離」などの情報を取得する。取得が終了すると、ステップ204で、取得した情報のチェックを行う。ステップ203で取得した情報が「機能終了条件」と一致しない場合には、ステップ205に進む。ステップ203で取得した情報が「機能終了条件」と一致する場合には、この機能を終了する。
【0033】
ステップ205で、ステップ203で取得した情報が、さらに、「メール送信条件」と一致するかどうかを判断する。ステップ203で取得した情報が「メール送信条件」に一致する場合には、ステップ206に進み、メモリ12に記憶されている「メールの宛先」、「送信メール」を読み出し、これらの情報と、ステップ203で取得した情報を用いて、送信する電子メールを作成し、無線部17を制御して電子メールの送信処理を行う。電子メール送信後、ステップ207に進む。
【0034】
ステップ205で、ステップ203で取得した情報が「メール送信条件」と一致しない場合には、ステップ206の電子メール送信処理を行わずにステップ207に進む。
【0035】
ステップ207で、「情報取得時間間隔」の値をもとにタイマ13を起動し、一定時間待機する。タイムアップしたら、ステップ203〜ステップ207を繰り返す。
【0036】
次に、以上の処理の流れを、具体例を用いて詳細に説明する。
【0037】
ユーザは、あらかじめ、操作部15を介して、「待ち合わせ時刻」=11:00、「情報取得時間間隔」=5分、「メール送信条件」=「目的地到着予想時刻」が「待ち合わせ時刻」より10分以上遅れた場合、「機能終了条件」=目的地に到着した(目的地までの距離が0km)場合、「メールの宛先」=hanako@xxx.xxx.xx.xx、「送信メール」=『表題:遅れます、本文:ごめんなさい。遅れます。到着予想時刻は「目的地到着予想時刻」です。』のように設定を行っておく。制御部11は、これらの設定値をメモリ12に保存する。以降の各ステップの処理は、制御部11が主体となって行う。
【0038】
ステップ201で、ナビゲーション装置との通信部18を介して、ナビゲーション装置2との接続を検出する。接続が検出されると、ステップ202で、メモリ12からあらかじめ設定されている設定値のうち、「待ち合わせ時刻」=11:00、「情報取得時間間隔」=5分、「メール送信条件」=「目的地到着予想時刻」が「待ち合わせ時刻」より10分以上遅れた場合、「機能終了条件」=目的地に到着した(目的地までの距離が0km)場合、の読み出しを行う。読み出しが終了すると、ステップ203で、ナビゲーション装置との通信部18を制御して、ナビゲーション装置2から、「目的地到着予想時刻」=11:15、「現在地」=AA、「目的地までの距離」=50km、という情報を取得する。情報の取得が終了すると、ステップ204で、取得した情報のチェックを行う。ステップ203で取得した情報のうち、「目的地までの距離」=50kmが、「機能終了条件」=目的地に到着した(目的地までの距離が0km)場合と一致しないため、ステップ205に進み、ステップ203で取得した情報が「メール送信条件」と一致するかどうかを判断する。ステップ203で取得した情報のうち、「目的地到着予想時刻」=11:15が、「メール送信条件」=「目的地到着予想時刻」が「待ち合わせ時刻」より10分以上遅れた場合と一致するため、ステップ206に進み、メモリ12に記憶されている「メールの宛先」=hanako@xxx.xxx.xx.xx、「送信メール」=『表題:遅れます、本文:ごめんなさい。遅れます。到着予想時刻は「目的地到着予想時刻」です。』を読み出す。これらと、ステップ203で取得した情報「目的地到着予想時刻」=11:15を用いて送信する電子メールを作成し、無線部17を制御して電子メールの送信処理を行う。電子メール送信後、ステップ207に進む。
【0039】
ステップ207で、「情報取得時間間隔」=5分の値をもとにタイマ13を起動し、5分間待機する。5分経過したら、ステップ203に戻り、再度、ナビゲーション装置2から「目的地到着予想時刻」=11:05、「現在地」=BB、「目的地までの距離」=45km、という情報を取得する。情報の取得が終了すると、ステップ204で、取得した情報をチェックする。ステップ203で取得した情報のうち、「目的地までの距離」=45kmが「機能終了条件」=目的地に到着した(目的地までの距離が0km)場合と一致しないため、ステップ205に進み、ステップ203で取得した情報が「メール送信条件」と一致するかどうかを判断する。ステップ203で取得した情報「目的地到着予想時刻」=11:05が、「メール送信条件」=「目的地到着予想時刻」が「待ち合わせ時刻」より10分以上遅れた場合という条件に一致しないため、電子メールの送信を行わず、ステップ207に進む。
【0040】
ステップ207で、「情報取得時間間隔」=5分の値をもとにタイマ13を起動し、5分間待機する。5分経過したら、ステップ203に戻り、再度、ナビゲーション装置2から「目的地到着予想時刻」=XX:XX、「現在地」=CC、「目的地までの距離」=0km、という情報を取得する。情報の取得が終了すると、ステップ204で、取得した情報をチェックする。ステップ203で取得した情報のうち、「目的地までの距離」=0kmが、「機能終了条件」=目的地に到着した(目的地までの距離が0km)場合と一致しているため、この機能を終了する。
【0041】
図3を参照すると、カーナビゲーション装置2の側からみた、本実施形態の電子メール自動送信システムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。
【0042】
カーナビゲーション本体21では、目的地の設定、目的地までのルート算出がなされている。さらに、走行中は逐一、現在地の算出、目的地到着予想時刻の算出が行われている。以降の各ステップの処理は、通信制御部22が主体となって行う。
【0043】
ステップ301で、通信部23を介して、携帯電話機1と接続する。接続が完了すると、ステップ302で、携帯電話機1からの情報取得要求を受信する。受信すると、ステップ303で、カーナビゲーション本体21から「目的地到着予想時刻」、「現在地」、「目的地までの距離」などの情報を取得する。情報を取得すると、ステップ304で、通信部23を制御して、携帯電話機1にこれらの情報を送信する。ステップ305で、携帯電話機1との接続が切断されれば終了する。携帯電話機1との接続が切断されるまで、ステップ302からステップ305を繰り返す。
【0044】
次に、以上の処理の流れを、具体例を用いて詳細に説明する。
【0045】
カーナビゲーション本体21では、目的地の設定、目的地までのルート算出がなされている。さらに、走行中は逐一、現在地の算出、目的地到着予想時刻の算出が行われている。以降の各ステップの処理は、通信制御部22が主体となって行う。
【0046】
ステップ301で、通信部23を介して、携帯電話機1と接続する。接続が完了すると、ステップ302で、携帯電話機1からの情報取得要求を受信する。受信すると、ステップ303で、カーナビゲーション本体21から「目的地到着予想時刻」=11:05、「現在地」=BB、「目的地までの距離」=45kmという情報を取得する。情報を取得すると、ステップ304で、通信部23を制御し、携帯電話機1にこれらの情報を送信する。ステップ305で、携帯電話機1との接続が切断されれば終了する。携帯電話機1との接続が切断されるまで、ステップ302からステップ305を繰り返す。
【0047】
本実施形態では、携帯電話機1が、一定時間ごとに、ナビゲーション装置2に対して、情報取得要求を送信し、ナビゲーション装置2の通信制御部22がこの要求を受信すると、ナビゲーション本体21から送信する情報を取得し、通信部23を制御して携帯電話機1へ送信する。
【0048】
しかし、ナビゲーション装置2がタイマを有し、一定時間ごとに携帯電話機1へ情報を送信する方法も考えられる。通信制御部22が、このタイマと接続され、制御を行うとする。通信制御部22がタイマを起動すると、タイマは時間経過をカウントし始め、指定された時間が経過すると、タイムアップを通信制御部22に通知する。すると、通信制御部22は、カーナビゲーション本体21から携帯電話機1に送信する情報を取得し、通信部23を制御して、この取得した情報を携帯電話機1へ送信する。携帯電話機1においては、制御部11が、ナビゲーション装置との通信部18を制御し、ナビゲーション装置2からの情報をいつでも受信できる状態にしておく。
【0049】
また、ナビゲーション装置2において、前回、携帯電話機1へ送信した情報を記憶しておくメモリを有し、ナビゲーション本体21の情報が変更されたときに、携帯電話機1へ情報を送信する方法も考えられる。通信制御部22が、メモリと接続され、前回、携帯電話機1へ送信した情報を記憶しておく。さらに、通信制御部22は、タイマと接続され、制御を行うものとする。通信制御部22がタイマを起動すると、タイマは時間経過をカウントし始め、指定された時間が経過するとタイムアップを通信制御部22に通知する。すると、通信制御部22は、カーナビゲーション本体21から携帯電話機へ送信する情報を取得する。通信制御部22はメモリから前回携帯電話機1へ送信した情報を読み出し、カーナビゲーション本体21から取得した情報と比較を行う。それらの情報に違いがあった場合、通信制御部22は、通信部23を制御して、カーナビゲーション本体21から取得した情報を携帯電話機1へ送信する。さらに、メモリ内の、携帯電話機1へ送信した前回の情報を新しい情報で上書きする。携帯電話機1においては、制御部11はナビゲーション装置との通信部18を制御し、ナビゲーション装置2からの情報をいつでも受信できるようにしておく。
【0050】
例えば、ナビゲーション装置2から携帯電話機1へ送信する情報が、「目的地到達予想時刻」のみだった場合、前回送信した情報が「目的地到着予想時刻」=11:00だったとすれば、カーナビゲーション本体21から取得した「目的地到着予想時刻」情報が11:00だった場合は、携帯電話機1へ送信を行わず、「目的地到着予想時刻」情報が11:04だった場合は、携帯電話機1へ送信を行う。これにより、携帯電話機1とカーナビゲーション装置2の間のデータ送信量を減らすことができる。
【0051】
本実施形態では、機能終了の判断、電子メール送信の判断、電子メール作成、などの処理を携帯電話機1で行ったが、これらの処理の一部または全部をナビゲーション装置2で実行することも可能である。
【0052】
本実施形態では、携帯電話機1の制御部11が、メモリ12にあらかじめ設定されている「メールの宛先」、「送信メール」から電子メールを作成し、無線部17を制御して電子メールの送信を行う。
【0053】
しかし、送信カーナビゲーション本体21が通信モジュールを搭載し、パケット通信などの通信機能付きのカーナビゲーションシステムだった場合、電子メールの送信の処理をナビゲーション装置2で行う方法も考えられる。
【0054】
携帯電話機1において、制御部11が、ナビゲーション装置2から取得した情報とあらかじめ設定された「メール送信条件」が一致したと判断した場合、制御部11はメモリ12に記憶されている「メールの宛先」、「送信メール」を読み出し、これらと取得した情報を用いて送信する電子メールを作成する。さらに、制御部11は、ナビゲーション装置との通信部18を制御し、作成した電子メールをナビゲーション装置2に送信する。ナビゲーション装置2において、通信制御部22が携帯電話機1から作成した電子メールの受信を検出した場合、カーナビゲーション本体21にこの作成した電子メールを渡し、ナビゲーション本体21はこの電子メールの送信を行う。
【0055】
本実施形態では、携帯電話機1のメモリ12にあらかじめ登録されている「メールの宛先」は1件だけだったが、「メールの宛先」を複数設定しておき、電子メールの送信時にこのあらかじめ登録されている複数の宛先に同時に送信することも可能である。
【0056】
本実施形態では、携帯電話機1のメモリにあらかじめ登録されている「メールの送信条件」は1件のみだったが、ユーザから設定できる「メール送信条件」を複数設けることも可能である。これにより、ユーザが電子メールの送信タイミングを細かく制御することが可能である。
【0057】
例えば、「メールの送信条件1」=1回目の電子メール送信は「目的地到着予想時刻」が「待ち合わせ時刻」より10分以上遅れた場合、「メール送信条件2」=2回目以降は前回の電子メールしたときの遅れとくらべて5分変動があった場合、というような設定を行うことも可能となる。
【0058】
本実施形態では、携帯電話機1がナビゲーション装置2から取得する情報として、「目的地到着予想時刻」、「現在地」、「目的地までの距離」をあげたが、この3つに限らず、ナビゲーション本体21が保持している情報であればなんでも携帯電話機1が取得することも可能である。
【0059】
また、携帯電話機1がナビゲーション装置2から取得する情報は、機能終了条件および電子メール送信条件を判断するための最低限の情報のみとし、電子メール送信時に、その送信メールに必要な情報を取得するという方法も考えられる。
【0060】
例えば、あらかじめ携帯電話機1に以下のように設定されていたとする。「待ち合わせ時刻」=11:00、「情報取得時間間隔」=5分、「メール送信条件」=「目的地到着予想時刻」が「待ち合わせ時刻」より10分以上遅れた場合、「機能終了条件」=目的地に到着した(目的地までの距離が0km)場合、「メールの宛先」=hanako@xxx.xxx.xx.xx、「送信メール」=『表題:遅れます、本文:ごめんなさい。遅れます。到着予想時刻は「目的地到着予想時刻」です。現在地は「現在地」です。』この場合、携帯電話機1は、ナビゲーション装置2から「目的地到着予想時刻」と「目的地までの距離」の2つの情報を取得することにより、機能を終了する必要があるか、電子メールを送信する必要があるかという判断を行うことができる。そのため、携帯電話機1がナビゲーション装置2から定期的に取得する情報はこの2つでよい。電子メールを送信する必要があると判断された場合のみ、制御部11はナビゲーション装置との通信部18を制御することによって、「現在地」を取得し、電子メールを作成することが可能である。これにより、携帯電話1とナビゲーション装置2の間の通信情報量を減らすことができる。
【0061】
本実施携帯では、携帯電話機1がナビゲーション装置2から取得した情報を判断して、あらかじめ登録されている宛先へ電子メールの送信を行った。もし、電子メールを受信した場合、電子メールの発信元が登録されている電子メールの宛先と一致した場合、ナビゲーション装置2から情報を取得し、電子メールを送信するという方法も考えられる。
【0062】
本実施形態では、携帯電話機1とナビゲーション装置2をケーブル3で接続する方法を提案したが、Bluetoothや無線LAN、UWBなどの無線技術を用いる方法も考えられる。
【0063】
本実施形態では、カーナビゲーション本体21と通信制御部22と通信部23でナビゲーション装置2を構成しているが、携帯電話機1との通信機能が内蔵されているカーナビゲーション本体を用いてもよい。この場合、通信制御部22と通信部23はカーナビゲーション本体21内部に位置する。
【0064】
本実施形態では、携帯電話機1がナビゲーション装置との通信部18を含んでいる構成を提案したが、ナビゲーション装置との通信部18は外付けでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態の電子メール自動送信システムの構成を示す図である。
【図2】携帯電話機1の側からみた、本実施形態の電子メール自動送信システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】カーナビゲーション装置2の側からみた、本実施形態の電子メール自動送信システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1 携帯電話機
11 制御部
12 メモリ
13 タイマ
14 表示部
15 操作部
16 アンテナ
17 無線部
18 ナビゲーション装置との通信部
2 ナビゲーション装置
21 カーナビゲーション本体
22 通信制御部
23 通信部
201〜207 ステップ
301〜305 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーナビゲーション装置と接続された携帯端末装置が、前記カーナビゲーション装置の提供する、目的地到着予想時刻を含む車両情報と関連づけられた形で定められた電子メール送信条件と、前記車両情報のうち所定の情報を挿入可能な形で定められた電子メールテキストと、電子メールの送信先アドレスをあらかじめ利用者に登録させる第1のステップと、
前記携帯端末装置が、前記カーナビゲーション装置から、車両の現在の状態を示す前記車両情報を受信する第2のステップと、
前記携帯端末装置が、前記第2のステップで受信した前記車両情報が前記第1のステップで登録された前記電子メール送信条件を満たすか否かを判断し、満たす場合にのみ、前記電子メールテキストを、前記第2のステップで受信した前記車両情報のうち前記所定の情報を挿入したうえで、前記送信先アドレスに自動的に送信する第3のステップを有する電子メール自動送信方法。
【請求項2】
前記携帯端末装置が、前記第2のステップで前記カーナビゲーション装置から前記車両情報を受信する時間間隔をあらかじめ前記利用者に登録させる第4のステップをさらに有し、
前記携帯端末装置は、前記第2のステップと前記第3のステップを前記時間間隔で反復する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記携帯端末装置が、前記カーナビゲーション装置の提供する前記車両情報と関連づけられた形で定められる、電子メール自動送信機能の終了条件をあらかじめ前記利用者に登録させる第5のステップをさらに有し、
前記携帯端末装置は、前記第2のステップで受信した前記車両情報が前記第5のステップで登録された前記終了条件を満たすか否かを判断し、満たす場合には、前記反復を終了する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法を、前記携帯端末装置となるべきコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法を、前記携帯端末装置となるべきコンピュータに実行させるプログラムを記録した、コンピュータ読み取りが可能な記録媒体。
【請求項6】
カーナビゲーション装置と接続された携帯端末装置において、
前記カーナビゲーション装置の提供する、目的地到着予想時刻を含む車両情報と関連づけられた形で定められた電子メール送信条件と、前記車両情報のうち所定の情報を挿入可能な形で定められた電子メールテキストと、電子メールの送信先アドレスをあらかじめ利用者に登録させる第1の手段と、
前記カーナビゲーション装置から、車両の現在の状態を示す前記車両情報を受信する第2の手段と、
前記第2の手段が受信した前記車両情報が前記第1の手段が登録した前記電子メール送信条件を満たすか否かを判断し、満たす場合にのみ、前記電子メールテキストを、前記第2の手段が受信した前記車両情報のうち前記所定の情報を挿入したうえで、前記送信先アドレスに自動的に送信する第3の手段を有することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
前記第2の手段が前記カーナビゲーション装置から前記車両情報を受信する時間間隔をあらかじめ前記利用者に登録させる第4の手段と、
前記第2の手段と前記第3の手段に、各自の処理を前記時間間隔で反復させる第5の手段をさらに有する、請求項6に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記カーナビゲーション装置の提供する前記車両情報と関連づけられた形で定められる、電子メール自動送信機能の終了条件をあらかじめ前記利用者に登録させる第6の手段と、
前記第2の手段が受信した前記車両情報が前記第5の手段が登録した前記終了条件を満たすか否かを判断し、満たす場合には、前記反復を終了させる第7の手段をさらに有する、請求項7に記載の携帯端末装置。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか1項に記載の携帯端末装置と、
車両の現在の状態を示す車両情報を生成する手段と、前記車両情報を前記携帯端末に送信する手段を有するカーナビゲーション装置が相互接続されたシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2005−127949(P2005−127949A)
【公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−365847(P2003−365847)
【出願日】平成15年10月27日(2003.10.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】