説明

電子ロックシステム及び非接触媒体発行機並びに電子ロック

【課題】ユーザでも簡単に電子ロックの機能拡張を行うことができる。
【解決手段】発行機3は、非接触型ICカード等の非接触媒体2のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアにプログラムを書き込んだり、既に記憶されたプログラムを編集する。電子ロック4は、非接触媒体2が所定の通信エリア内に位置するときに、発行機3によって非接触媒体2のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに書き込まれたプログラムを読み取り、この読み取ったプログラムの手順に従って処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばホテル等に採用され、予め発行されるカードや携帯電話等に登録された錠前の施解錠に必要な施解錠情報の正当性を判別し、正常に認証したときのみ錠前を自動的に施解錠制御する電子ロックシステムに関するとともに、この電子ロックシステムを構成する非接触媒体発行機及び電子ロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ホテルでは客の宿泊時にチェックインからチェックアウトまでを1枚のカード(例えば磁気カードやICカードなど)で管理する電子ロックシステムを採用している。
【0003】
この電子ロックシステムでは、客室入口において、各部屋のドアに配設されたエスカチオン(座金)にカードの情報を読み取るためのカードリーダを備えた電子ロックが設けられている。そして、電子ロックのカードリーダで読み取られるカードには、例えばチェックイン、チェックアウトの日時や部屋番号等の情報がチェックイン時にホテル従業員によるカード発行制御器の操作によって書き込まれ、記憶されるようになっている。
【0004】
そして、客がホテルに宿泊する場合には、客がフロントでチェックインの手続きを済ませると、上記カード発行器によって発行された1枚のカードがホテル従業員から客に手渡される。カードが手渡された客は、宿泊する部屋の扉に配設された電子ロックのカードリーダにカードをかざすことにより、そのカード内の各種情報が読み込まれる。そして、電子ロックは、読み込んだ各種情報が入室を許可してよいと情報と判断すると、その部屋のドアの電気錠を自動的に解錠制御する。これにより、ドアの開放が可能となり、カードを所有する客がその部屋に入室することができる。なお、下記特許文献1には、上記のように各種情報が記憶されたカードを用いて入退室を管理するシステムが開示されている。
【0005】
このように、ホテルに採用される従来の電子ロックシステムでは、チェックイン時に発行される磁気カードやICカード等のカードの各種情報を電子ロックの制御部が読み取り、この読み取った各種情報の判別結果に基づいて所定の処理を実行していた。
【特許文献1】特開平9−297865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のホテルの電子ロックシステムに用いられるカードには、例えば部屋番号やチェックイン、チェックアウトの日時等の情報(データ×nバイト)しか記録されていなかった。しかも、これらの情報に基づいて実行するプログラムは、予め仕様が固定化された複数の命令(命令1、2、3、…)として電子ロックの内部メモリに記憶されていた。そのため、部屋への入出時のログの収集や各種設定機能などを拡張して仕様を変更する場合には、電子ロックに内蔵された内部メモリを変更する仕様に合わせて交換しなければならず、ユーザが簡単に機能拡張することが困難であった。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザでも簡単に電子ロックの機能拡張を行うことができる電子ロックシステムを提供するとともに、この電子ロックシステムを構成する非接触媒体発行機及び電子ロックを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載された電子ロックシステムは、外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体から取得する施解錠情報の正当性を判別し、正常に認証したときのみ電気錠を施解錠制御する電子ロックを備えた電子ロックシステムにおいて、
前記非接触媒体のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに対するプログラムの書き込み及び編集が可能な機能を有する非接触媒体発行機を備え、
前記電子ロックは、前記非接触媒体が所定の通信エリア内に位置するときに、前記非接触媒体発行機によって前記非接触媒体のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに書き込まれたプログラムを読み取り、この読み取ったプログラムの手順に従って各処理を実行する機能を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載された電子ロックシステムは、外部から取得する施解錠情報の正当性を判別し、正常に認証したときのみ電気錠を施解錠制御する電子ロックを備えた電子ロックシステムにおいて、
前記電子ロックとの間で非接触通信可能とされ、メモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに対するプログラムの書き込み及び編集可能な機能を有する端末を備え、
前記電子ロックは、前記端末のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに書き込まれたプログラムを非接触通信によって読み取り、この読み取ったプログラムの手順に従って各処理を実行する機能を有することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載された非接触媒体発行機は、外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体に電子ロックに関する施解錠情報を書き込み又は編集して前記非接触媒体を発行する非接触媒体発行機において、
前記非接触媒体のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアにプログラムを書き込む機能と、前記所定ファイル又は前記プログラムエリアに格納されたプログラムの編集を行う機能とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載された非接触媒体発行機は、請求項3の非接触媒体発行機において、
プログラムを入力する入力手段を有し、該入力手段で入力したプログラムを、前記非接触媒体のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに書き込み可能であることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載された非接触媒体発行機は、請求項3の非接触媒体発行機において、
プログラムのソースコードから中間コードを含む所定のコードを生成するためのコンパイル機能を有するコード生成機能と、該コード生成機能によって生成されたコードを前記非接触媒体のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに書き込む機能とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載された非接触媒体発行機は、請求項3〜5のいずれかの非接触媒体発行機において、
情報を暗号化する暗号化機能を有し、前記プログラム又は中間コードを含む所定のコードが暗号化機能の一部又は全てであり、前記プログラム又は前記中間コードを含む所定のコードを前記非接触媒体に書き込むことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載された電子ロックは、外部から取得する施解錠情報の正当性を判別し、正常に認証したときのみ電気錠を施解錠制御する電子ロックにおいて、
外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体が所定の通信エリア内に位置する時、あるいは非接触通信を可能とした端末との非接触通信時において、前記非接触媒体あるいは前記端末のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに書き込まれたプログラムを読み取り、該プログラムを実行することを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載された電子ロックは、請求項7の電子ロックにおいて、
前記中間コードを含む所定のコードを実行する実行機能を有し、前記プログラムが前記中間コードを含む所定のコードである時、該コードを読み取り、前記中間コードを含む所定のコードを実行することを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載された電子ロックは、請求項7又は8の電子ロックにおいて、
情報を暗号化する暗号化機能を有し、前記プログラム又は中間コードを含む所定のコードが暗号化機能の一部である時、前記プログラム又は前記中間コードを含む所定のコードを読み取って、内部に設けた暗号化機能を基に所定のプログラム又は前記中間コードを含む所定のコードを実行することを特徴とする。
【0017】
請求項10の電子ロックは、請求項7の電子ロックにおいて、
外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体が所定の通信エリア内に位置する時、あるいは非接触通信を可能とした端末との非接触通信時において、当該電子ロック内の所定のメモリエリアを読み出し、前記メモリエリア内に記憶された動作履歴情報の正当性を判別し、正常に認証した場合に、前記動作履歴情報を前記非接触媒体あるいは前記端末内の所定のメモリエリアに出力することを特徴とする。
【0018】
請求項11の電子ロックは、請求項7の電子ロックにおいて、
外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体が所定の通信エリア内に位置する時、あるいは非接触通信を可能とした端末との非接触通信時において、前記非接触媒体あるいは前記端末内の所定のメモリエリアを読み出し、前記メモリエリア内に記憶された各種設定情報の正当性を判別し、正常に認証した場合に、前記各種設定情報を当該電子ロック内の所定のメモリエリアに書き込むことを特徴とする。
【0019】
請求項12の電子ロックは、請求項7の電子ロックにおいて、
外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体が所定の通信エリア内に位置する時、あるいは非接触通信を可能とした端末との非接触通信時において、前記非接触媒体あるいは前記端末内の所定のメモリエリアを読み出し、前記メモリエリア内に記憶された施解錠情報の正当性を判別し、正常に認証した場合に、当該電子ロックの解錠又は施錠を行うことを特徴とする。
【0020】
請求項13の電子ロックは、請求項7の電子ロックにおいて、
外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体が所定の通信エリア内に位置する時、あるいは非接触通信を可能とした端末との非接触通信時において、前記非接触媒体あるいは前記端末内の所定のメモリエリアを読み出し、前記メモリエリア内に記憶された当該電子ロックのファームウェアの正当性を判別し、正常に認証した場合に、当該電子ロックのファームウェアを書き換えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、従来のように電子ロックに内蔵された内部メモリを変更する必要がなく、非接触媒体や端末を媒体として電子ロックが実行するプログラムを変更することにより、専門の業者に頼らずユーザが簡単に電子ロックの機能拡張を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、添付した図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明に係る電子ロックシステムの第1実施形態を示すブロック構成図、図2及び図3は同システムの第1実施形態の動作フローチャート、図4は同システムの第2実施形態を示すブロック構成図、図5は同システムの第2実施形態の動作フローチャートである。
【0023】
本例の電子ロックシステムは、例えばホテル等のロックシステムに採用され、各客室毎に配設された電子ロックの機能拡張を行う際に、ICカード等の非接触媒体や携帯電話等の端末に所望のプログラムを各種データとともに編集可能に書き込み、この書き込んだプログラムを対応する電子ロックに読み込ませて各種処理を実行するものである。
【0024】
まず、本発明に係る電子ロックシステムの第1実施形態の構成について図1を参照しながら説明する。
【0025】
図1に示すように、第1実施形態の電子ロックシステム1(1A)は、非接触媒体2と、非接触媒体発行機(以下、発行機と略称する)3と、電子ロック4とを備えて概略構成される。
【0026】
非接触媒体2は、カード状の外部記憶媒体であり、例えば非接触型ICカード等で構成される。この非接触媒体2は、電子ロック4との間で相互認証を行うためのデータ、電子ロック4に関する各種設定データ、例えば部屋番号やチェックイン、チェックアウトの日時等のデータ、電子ロック4が実行するための各種プログラム、電子ロック4のハードウェアの基本的な制御を行うための電子ロック4のファームウェアを、メモリエリア内に設けた所定のファイル又はプログラムエリアに記憶している。
【0027】
上記各種データ(電子ロック4のファームウェアを含む)やプログラムは、発行機3によって、非接触媒体2のメモリエリア内に設けた所定のファイル又はプログラムエリアに書き込まれる。この各種データやプログラムの書き込みは、その非接触媒体2の使用が可能な電子ロック4毎に行われる。また、非接触媒体2が記憶するプログラムには、後述する電子ロック4の記憶部(内部メモリ)4bの所定のメモリエリアを読み出して非接触媒体2に書き込んで電子ロック4のログを収集するためのプログラム、電子ロック4の記憶部(内部メモリ)4bの所定のメモリエリアに非接触媒体2に記録されたデータを書き込んで電子ロック4に各種設定を行うためのプログラム、電子ロック4の電気錠の解錠や施錠を行うためのプログラム等が含まれる。
【0028】
図1に示すように、発行機3は、入力部3a、非接触読み書き部3b、記憶部3c、表示部3d、制御部3eを備えている。
【0029】
入力部3aは、表示部3dに表示される所定の入力画面において、非接触媒体2のメモリエリアに設けた所定のファイルやプログラムエリアに書き込まれる各種データやプログラム、非接触媒体2に既に書き込まれたプログラムの編集情報等を入力している。
【0030】
また、入力部3aは、非接触媒体2に書き込むプログラムのコードとして、ソースコードや中間コードによるインタプリタ言語、コンパイル後の中間コードやオブジェクトコード等のコンパイラ言語の何れの言語で行うかを選択入力している。これにより、プログラムに対する手順の簡素度、メモリ使用量、実行速度の優先度に応じて、非接触媒体2に書き込まれるプログラムの書式を選択することができる。
【0031】
非接触読み書き部3bは、入力部3aの入力に基づく制御部3eの指令により、非接触媒体2のメモリエリアに設けた所定のファイルやプログラムエリアに各種データやプログラムを非接触で書き込んでいる。また、非接触読み書き部3bは、非接触媒体2のメモリエリアに設けた所定のファイルやプログラムエリアに既に書き込まれた各種データやプログラムを編集する際に、これらの各種データやプログラムを制御部3eの指令により読み込んでいる。
【0032】
記憶部3cは、制御部3eの指令により非接触読み書き部3bが非接触媒体2から非接触で読み込んだ各種データやプログラムを記憶している。また、記憶部3cには、制御部3eが各種機能(コード生成機能、暗号化機能、プログラム編集機能)を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0033】
表示部3dは、非接触媒体2に対する各種データやプログラムの書き込み、非接触媒体2に既に書き込まれたプログラムを編集する際の入力画面を表示している。また、表示部3dは、非接触媒体2に書き込まれた各種データやプログラムの内容を表示する他、非接触媒体2から読み込んだ各種データに基づいて電子ロック4のログを表示することもできる。
【0034】
制御部(CPU)3eは、非接触媒体2に対する各種データやプログラムの読み書きや非接触媒体2に既に書き込まれたプログラムを編集する際に、入力部3a、非接触読み書き部3b、記憶部3c、表示部3dを統括制御している。また、制御部3eは、非接触媒体2に各種データとともにプログラムを書き込むに際して、コード生成機能、暗号化機能、プログラム編集機能を有している。
【0035】
コード生成機能は、インタプリタを用いる場合、特定のプログラミング言語(一連の動作指示を記述するための人工言語)で記述されたソースプログラミングのソースコード又は中間的なコード(中間コード)を入力とし、これらソースコード又は中間コードを逐次解釈して、翻訳等をせずに出力している。また、コード生成機能は、ソースコードから中間コードを含む所定のコードを生成するためのコンパイル機能を有している。すなわち、コンパイラを用いる場合には、ソースプログラミングのソースコードを入力とし、このソースコードを中間コードや他の異なる言語形式(例えばオブジェクトコード)に翻訳して出力している。
【0036】
暗号化機能は、入出力データや暗証番号を決まった規則に従ってデータを変換して第三者に盗み見られたり改竄されないようにする機能である。この暗号化機能の暗号化には、対になる2つの鍵を使う公開鍵暗号と、どちらにも同じ鍵を用いる秘密鍵暗号がある。公開鍵暗号としては、例えばRSA(Rivest Shamir Adleman )、ElGamal暗号、楕円曲線暗号などがある。秘密鍵暗号としては、例えばアメリカ政府標準のDES(Data Encryptncryption Standard)や、IDEA(International Data Encryption Algorithm )、FEAL(Fast data Encipherment ALgorihtme)、MISTYなどがある。また、上記公開鍵暗号、秘密鍵暗号を用いた処理の他、スクランブル処理などを用いることができる。そして、非接触媒体2に書き込まれたプログラムが暗号のアルゴリズム又はその一部であり、そのプログラムを読み取り、アルゴリズムとして実行するようにすることで、より暗号解析を困難にして不正使用を防止することができる。具体的には、電子ロック4が暗号化機能を有しており、非接触媒体2としてのカードに書き込まれたプログラムが暗号化機能の一部であるとき、該プログラムは、電子ロック4が持つ暗号機能と組み合わせて実行する。例えば、該プログラムがメインプログラムであり、電子ロック4が持つ暗号化機能は、実行に必要な関数や定数であれば良い。
【0037】
プログラム編集機能は、非接触媒体2に既に書き込まれたプログラムを必要に応じて再編集する機能である。
【0038】
図1に示すように、電子ロック4は、非接触読み書き部4a、記憶部4b、制御部4c、電気錠4dを備えている。
【0039】
非接触読み書き部4aは、電子ロック4の所定の通信エリア内に非接触媒体2が位置するとき(例えば通信エリア内で非接触媒体2としてのICカードがかざされたとき)に、その非接触媒体2との間で通信を行い、非接触媒体2との間で相互認証した後に、非接触媒体2のメモリエリアに設けた所定のファイル又はプログラムエリアに書き込まれた各種データ及びプログラムを制御部4cの指令により非接触で読み込んでいる。また、非接触読み書き部4aは、記憶部4bに記憶された例えば入退室状況を示すログ情報(動作履歴情報)などのデータを、制御部4cの指令により非接触媒体2のメモリエリアに設けた所定のファイル又はプログラムエリアに非接触で書き込んでいる。
【0040】
記憶部4bは、例えば入退室状況を示すログ情報、非接触媒体2との間で相互認証するためのデータ等を記憶している。また、記憶部4bは、非接触媒体2から読み込んだ各種データやプログラムを記憶することもできる。
【0041】
制御部(CPU)4cは、非接触媒体2からのプログラムの読み取り、非接触媒体2に対する各種データの読み書き、電気錠4dの施解錠制御を行う際に、非接触読み書き部4a、記憶部4b、電気錠4cを統括制御している。
【0042】
さらに説明すると、制御部4cでは以下の制御を行っている。すなわち、制御部4cは、常にポーリングをしており、非接触媒体2が所定の通信エリア内に位置するときに、その非接触媒体2と通信を開始し、非接触媒体2のメモリエリアに設けた所定のファイル又はプログラムエリアに書き込まれたプログラムを非接触で読み取り、この読み取ったプログラムを実行している。この読み取ったプログラムは、非接触媒体2にプログラムを書き込む際に選択されたソースコードや中間コード、コンパイル後の中間コードやオブジェクトコード等のコードのいずれかであり、該当するコードを読み取り、読み取ったプログラムの手順に従って処理を実行している。
【0043】
制御部4cは、非接触読み書き部4aが非接触媒体2から非接触で読み取ったプログラムの一部を暗号機能又は暗号機能の一部として実行している。
【0044】
制御部4cは、非接触読み書き部4aが非接触媒体2から非接触で読み取ったプログラムのうち、電子ロック4の所定のメモリエリアを読み出すプログラムを実行したときに、記憶部4bの所定のメモリエリアを読み出し、このメモリエリアから読み出したデータの正当性を判別し、正常に認証した場合に、そのデータを非接触媒体2のメモリエリアに設けた所定のファイル又はプログラムエリアに書き込むべく非接触読み書き部4aを制御している。これにより、電子ロック4のログ(入退室状況)を非接触媒体2に書き込むことができ、この非接触媒体2から電子ロック4のログを収集することができる。
【0045】
制御部4cは、非接触読み書き部4aが非接触媒体2から非接触で読み取ったプログラムのうち、非接触媒体2に記憶されたデータを記憶部4bの所定のメモリエリアに書き込むプログラムを実行したときに、非接触媒体2から読み取ったデータの正当性を判別し、正常に認証した場合に、そのデータを記憶部4bの所定のメモリエリアに書き込む制御をしている。これにより、非接触媒体2を仲介媒体として電子ロック4に各種設定を行うことができる。
【0046】
制御部4cは、非接触読み書き部4aが非接触媒体2から非接触で読み取ったプログラムのうち、電子ロック4の解錠又は施錠のプログラムを実行したときに、非接触媒体2のメモリエリア内に記憶された施解錠情報の正当性を判別し、正常に認証した場合に、電気錠4dを解錠又は施錠するべく制御している。
【0047】
制御部4cは、非接触読み書き部4aが非接触媒体2から非接触で読み取ったデータが電子ロック4のファームウェアであるときに、電子ロック4のファームウェアを書き換えている。これにより、電子ロック4は、制御上で必要なソフトウェアを非接触媒体2からダウンロードすることができる。
【0048】
電気錠4dは、例えばモータやソレノイドなどの駆動装置と錠前で構成され、制御部4cの制御により錠前を施錠または解錠するべく駆動し、扉枠の係止穴に対してデッドボルトを突出(施錠時)又は引き込む(解錠時)ことにより錠前が施解錠される。
【0049】
次に、上記構成による電子ロックシステム1Aの動作について図2及び図3を参照しながら説明する。
【0050】
まず、非接触媒体2にプログラムを書き込む場合と非接触媒体2に既に書き込まれたプログラムを編集する場合の動作について図2を参照しながら説明する。
【0051】
図2に示すように、発行機3では、まずプログラムの入力か編集かを判別する(ST1)。プログラムの入力と判別すると、入力部3aから必要なプログラムを入力する(ST2)。
【0052】
これに対し、プログラムの編集と判別すると、対象となる非接触媒体2から既に書き込まれたプログラムを元になるプログラムとして読み込み(ST3)、この読み込んだ元のプログラムを編集する(ST4)。
【0053】
そして、上記プログラムの入力(ST2)又はプログラムの編集(ST4)が終了したと判断すると(ST5)、入力されたプログラム又は編集されたプログラムを非接触媒体2のメモリエリアに設けた所定のファイル又はプログラムエリアに書き込む(ST6)。
【0054】
次に、電子ロック4の制御部4cが実行する動作について図3を参照しながら説明する。
【0055】
図3に示すように、電子ロック4では、常にポーリングをしており(ST11)、非接触媒体2を検出したか否かを判別している(ST12)。この非接触媒体2の検出は、非接触媒体2が電子ロック4の所定の通信エリア内に位置しているか否かによって行われる。非接触媒体2が所定の通信エリア内に位置して非接触媒体2を検出すると、電子ロック4と非接触媒体2との間で相互認証を行い(ST13)、非接触媒体2からプログラムを読み込む(ST14)。そして、この読み取ったプログラムの手順に従って順次処理を実行する(ST15)。
【0056】
以下、上記プログラムの手順に従って実行される処理内容の各例について説明すると、電子ロック4は、非接触媒体2が所定の通信エリアに位置する時、電子ロック4内の所定のメモリエリア(記憶部4b)から動作履歴情報を読み出した場合には、その動作履歴情報の正当性を判別し、正常に認証すると、その動作履歴情報を非接触媒体2の所定のメモリエリアに出力する(図3のログ収集)。
【0057】
また、電子ロック4は、非接触媒体2が所定の通信エリアに位置する時、非接触媒体2内の所定のメモリエリアから各種設定情報を読み出した場合には、その各種設定情報の正当性を判別し、正常に認証すると、その各種設定情報を電子ロック4内の所定のメモリエリアに書き込む(図3の機能設定)。
【0058】
さらに、電子ロック4は、非接触媒体2が所定の通信エリアに位置する時、非接触媒体2内の所定のメモリエリアから施解錠情報を読み出した場合には、その施解錠情報の正当性を判別し、正常に認証すると、その施解錠情報に基づいて電気錠を施錠又は解錠する(図3の解錠/施錠)。
【0059】
また、電子ロック4は、非接触媒体2が所定の通信エリアに位置する時、非接触媒体2内の所定のメモリエリアから電子ロック4のファームウェアを読み出した場合には、その電子ロック4のファームウェアの正当性を判別し、正常に認証すると、電子ロック4内にある電子ロック4のファームウェアを書き換える(図3のダウンロード)。
【0060】
次に、本発明に係る電子ロックシステムの第2実施形態の構成について図4を参照しながら説明する。
【0061】
図4に示すように、第2実施形態の電子ロックシステム1(1B)は、非接触媒体機能を持つ端末5と、電子ロック4とを備えて概略構成される。
【0062】
図4に示すように、端末5は、非接触媒体機能5a、入力部5b、記憶部5c、表示部5d、制御部5eを有し、例えば電子決済や本人認証ができる機能が付いた携帯電話(お財布携帯)等で構成される。
【0063】
非接触媒体機能5aは、第1実施形態の非接触媒体2と発行機3とを兼ねた機能であり、入力部5bの入力に基づく制御部5eの指令により、記憶部5cのメモリエリアに設けた所定のファイルやプログラムエリアに各種データやプログラムを書き込んでいる。また、非接触媒体機能5aは、記憶部5cのメモリエリアに設けた所定のファイルやプログラムエリアに既に書き込まれた各種データやプログラムを編集する際に、これらの各種データやプログラムを制御部5eの指令により読み込んでいる。さらに、非接触媒体機能5aは、端末5が電子ロック4の所定の通信エリアに位置するときに、電子ロック4の記憶部4bに記憶された例えば入退室状況を示すログ情報などのデータを非接触で読み込み、読み込んだデータを記憶部5cのメモリエリアに設けた所定のファイル又はプログラムエリアに書き込んでいる。
【0064】
入力部5bは、表示部5dに表示される所定の入力画面において、記憶部5cのメモリエリアに設けた所定のファイルやプログラムエリアに書き込まれる各種データやプログラム、記憶部5cに既に書き込まれたプログラムの編集情報等を入力している。
【0065】
また、入力部5bは、記憶部5cに書き込むプログラムのコードとして、ソースコードや中間コードによるインタプリタ言語、コンパイル後の中間コードやオブジェクトコード等のコンパイラ言語の何れの言語で行うかを選択入力している。これにより、プログラムに対する手順の簡素度、メモリ使用量、実行速度の優先度に応じて、記憶部5cに書き込まれるプログラムの書式を選択することができる。
【0066】
記憶部5cは、非接触媒体機能5aによって電子ロック4との間の通信により非接触で読み書きされる各種データやプログラムを記憶している。また、記憶部5cには、制御部5eが各種機能(コード生成機能、暗号化機能、プログラム編集機能)を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0067】
表示部5dは、記憶部5cへの各種データやプログラムの書き込み、記憶部5cに既に書き込まれたプログラムを編集する際の入力画面を表示している。また、表示部5dは、記憶部5cに書き込まれた各種データやプログラムの内容を表示する他、記憶部5cから読み込んだ各種データに基づいて電子ロック4のログを表示することもできる。
【0068】
制御部(CPU)5eは、記憶部5cに対する各種データやプログラムの読み書きや記憶部5cに既に書き込まれたプログラムを編集する際に、非接触媒体機能5a、入力部5b、記憶部5c、表示部5dを統括制御している。また、制御部5eは、記憶部5cに各種データとともにプログラムを書き込むに際して、前述したコード生成機能、暗号化機能、プログラム編集機能を有している。
【0069】
すなわち、コード生成機能は、インタプリタを用いる場合、特定のプログラミング言語(一連の動作指示を記述するための人工言語)で記述されたソースプログラミングのソースコード又は中間的なコード(中間コード)を入力とし、これらソースコード又は中間コードを逐次解釈して、翻訳等をせずに出力している。また、コード生成機能は、ソースコードから中間コードを含む所定のコードを生成するためのコンパイル機能を有している。すなわち、コンパイラを用いる場合には、ソースプログラミングのソースコードを入力とし、このソースコードを中間コードや他の異なる言語形式(例えばオブジェクトコード)に翻訳して出力している。
【0070】
暗号化機能は、記憶部5cに書き込まれるプログラムを暗号化したり、プログラムの一部を暗号機能の一部として書き込んでいる。そして、記憶部5に書き込まれたプログラムが暗号のアルゴリズム又はその一部であり、そのプログラムを読み取り、アルゴリズムとして実行するようにすることで、より暗号解析を困難にして不正使用を防止することができる。
【0071】
プログラム編集機能は、記憶部5cに既に書き込まれたプログラムを必要に応じて再編集する機能である。
【0072】
図4に示すように、電子ロック4は、第1実施形態と同様に、非接触読み書き部4a、記憶部4b、制御部4c、電気錠4dを備えている。
【0073】
非接触読み書き部4aは、電子ロック4の所定の通信エリア内に端末5が位置するとき(例えば通信エリア内に端末5が位置するとき)に、その端末5との間で通信を行い、端末5との間で相互認証した後に、端末5の記憶部5cのメモリエリアに設けた所定のファイル又はプログラムエリアに書き込まれた各種データ及びプログラムを制御部4cの指令により非接触で読み込んでいる。また、非接触読み書き部4aは、例えば入退室状況を示すログ情報を電子ロック4から端末5に送る際、記憶部4bの所定のメモリエリアに記憶されたログ情報を制御部4cの指令により読み込んでいる。なお、非接触読み書き部4aは、端末5から読み込んだデータやプログラムを記憶部4bの所定のメモリエリアに書き込んで記憶することもできる。
【0074】
記憶部4bは、例えば入退室状況を示すログ情報、端末5との間で相互認証するためのデータ等を記憶している。また、記憶部4bは、端末5から読み込んだ各種データやプログラムを記憶することもできる。
【0075】
制御部(CPU)4cは、端末5からのプログラムの読み取り、記憶部4bに対する各種データの読み書き、電気錠4dの施解錠制御を行う際に、非接触読み書き部4a、記憶部4b、電気錠4cを統括制御している。
【0076】
さらに説明すると、制御部4cでは以下の制御を行っている。すなわち、制御部4cは、常にポーリングをしており、端末5が所定の通信エリア内に位置するときに、その端末5と通信を開始し、端末5の記憶部5cのメモリエリアに設けた所定のファイル又はプログラムエリアに書き込まれたプログラムを読み取り、この読み取ったプログラムの手順に従って処理を実行している。その際のプログラムは、端末5の記憶部5cにプログラムを書き込む際に選択されたソースコードや中間コード、コンパイル後の中間コードやオブジェクトコード等のコードのいずれかであり、該当するコードを読み取り、プログラムの手順に従って処理を実行している。
【0077】
制御部4cは、非接触読み書き部4aが端末5から非接触で読み取ったプログラムの一部を暗号機能又は暗号機能の一部として実行している。
【0078】
制御部4cは、非接触読み書き部4aが端末5から非接触で読み取ったプログラムのうち、電子ロック4の所定のメモリエリアを読み出すプログラムを実行したときに、記憶部4bの所定のメモリエリアをデータを読み出し、この読み出したデータの正当性を判別し、正常に認証した場合に、そのデータを端末5の記憶部5cのメモリエリアに設けた所定のファイル又はプログラムエリアに書き込むべく非接触読み書き部4aを制御している。これにより、電子ロック4のログ(入退室状況)を端末5の記憶部5cに書き込むことができ、この端末5に電子ロック4のログを収集することができる。
【0079】
制御部4cは、非接触読み書き部4aが端末5から非接触で読み取ったプログラムのうち、端末5の記憶部5cに記憶されたデータを記憶部4bの所定のメモリエリアに書き込むプログラムを実行したときに、端末5から読み取ったデータの正当性を判別し、正常に認証した場合に、そのデータを記憶部4bの所定のメモリエリアに書き込む制御をしている。これにより、端末5を仲介媒体として電子ロック4に各種設定を行うことができる。
【0080】
制御部4cは、非接触読み書き部4aが端末5から非接触で読み取ったプログラムのうち、電子ロック4の解錠又は施錠のプログラムを実行したときに、端末5のメモリエリア内に記憶された施解錠情報の正当性を判別し、正常に認証した場合に、電気錠4dを解錠又は施錠するべく制御している。
【0081】
制御部4cは、非接触読み書き部4aが端末5から非接触で読み取ったデータが電子ロック4のファームウェアであるときに、電子ロック4のファームウェアを書き換えている。これにより、電子ロック4は、制御上で必要なソフトウェアを端末5からダウンロードすることができる。
【0082】
電気錠4dは、例えばモータやソレノイドなどの駆動装置と錠前で構成され、制御部4cの制御により錠前を施錠または解錠するべく駆動し、扉枠の係止穴に対してデッドボルトを突出(施錠時)又は引き込む(解錠時)ことにより錠前が施解錠される。
【0083】
次に、上記構成による電子ロックシステム1Bの動作について説明する。まず、端末5の制御部5eが実行する動作について図5を参照しながら説明する。
【0084】
図5に示すように、非接触媒体機能を持つ端末5では、まずプログラムの入力か編集かを判別する(ST21)。プログラムの入力と判別すると、入力部5bから必要なプログラムを入力する(ST22)。
【0085】
これに対し、プログラムの編集と判別すると、記憶部5cに既に書き込まれた対象となるプログラムを読み込み(ST23)、この読み込んだ元のプログラムを編集する(ST24)。
【0086】
そして、上記プログラムの入力(ST22)又はプログラムの編集(ST24)が終了したと判断すると(ST25)、入力されたプログラム又は編集されたプログラムを記憶部5cのメモリエリアに設けた所定のファイル又はプログラムエリアに書き込む(ST26)。
【0087】
そして、電子ロック4では、端末5が所定の通信エリア内に位置して端末5を検出すると、電子ロック4と端末5との間で相互認証を行い、端末5の記憶部5cからプログラムを読み込む。そして、電子ロック4は、この端末5から読み取ったプログラムの手順に従って順次処理を実行する。
【0088】
以下、上記プログラムの手順に従って実行される処理内容の各例について説明すると、電子ロック4は、非接触通信を可能とした端末5との非接触通信時において、電子ロック4内の所定のメモリエリア(記憶部4b)から動作履歴情報を読み出した場合には、その動作履歴情報の正当性を判別し、正常に認証すると、その動作履歴情報を端末5内の所定のメモリエリアに出力する(図3のログ収集に相当)。
【0089】
また、電子ロック4は、端末5との非接触通信時において、端末5内の所定のメモリエリアから各種設定情報を読み出した場合には、その各種設定情報の正当性を判別し、正常に認証すると、その各種設定情報を電子ロック4内の所定のメモリエリアに書き込む(図3の機能設定に相当)。
【0090】
さらに、電子ロック4は、端末5との非接触通信時において、端末5内の所定のメモリエリアから施解錠情報を読み出した場合には、その施解錠情報の正当性を判別し、正常に認証すると、その施解錠情報に基づいて電気錠を施錠又は解錠する(図3の解錠/施錠に相当)。
【0091】
また、電子ロック4は、端末5との非接触通信時において、端末5内の所定のメモリエリアから電子ロック4のファームウェアを読み出した場合には、その電子ロック4のファームウェアの正当性を判別し、正常に認証すると、電子ロック4内にある電子ロック4のファームウェアを書き換える(図3のダウンロードに相当)。
【0092】
このように、本例の電子ロックシステムによれば、従来のように電子ロックに内蔵された内部メモリを変更する必要がなく、非接触媒体2や端末5を媒体として電子ロック4が実行するプログラムを変更することができる。これにより、専門の業者に頼らずユーザが簡単に電子ロックの機能拡張を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係る電子ロックシステムの第1実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】第1実施形態の電子ロックシステムにおいて発行機の制御部が実行する動作フローチャートである。
【図3】第1実施形態の電子ロックシステムにおいて電子ロックの制御部が実行する動作フローチャートである。
【図4】本発明に係る電子ロックシステムの第2実施形態を示すブロック構成図である。
【図5】第2実施形態の電子ロックシステムにおいて端末の制御部が実行する動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
1(1A,1B) 電子ロックシステム
2 非接触媒体
3 発行機
3a 入力部
3b 非接触読み書き部
3c 記憶部
3d 表示部
3e 制御部
4 電子ロック
4a 非接触読み書き部
4b 記憶部
4c 制御部
4d 電気錠
5 端末
5a 非接触媒体機能
5b 入力部
5c 記憶部
5d 表示部
5e 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体から取得する施解錠情報の正当性を判別し、正常に認証したときのみ電気錠を施解錠制御する電子ロックを備えた電子ロックシステムにおいて、
前記非接触媒体のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに対するプログラムの書き込み及び編集が可能な機能を有する非接触媒体発行機を備え、
前記電子ロックは、前記非接触媒体が所定の通信エリア内に位置するときに、前記非接触媒体発行機によって前記非接触媒体のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに書き込まれたプログラムを読み取り、この読み取ったプログラムの手順に従って各処理を実行する機能を有することを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項2】
外部から取得する施解錠情報の正当性を判別し、正常に認証したときのみ電気錠を施解錠制御する電子ロックを備えた電子ロックシステムにおいて、
前記電子ロックとの間で非接触通信可能とされ、メモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに対するプログラムの書き込み及び編集可能な機能を有する端末を備え、
前記電子ロックは、前記端末のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに書き込まれたプログラムを非接触通信によって読み取り、この読み取ったプログラムの手順に従って各処理を実行する機能を有することを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項3】
外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体に電子ロックに関する施解錠情報を書き込み又は編集して前記非接触媒体を発行する非接触媒体発行機において、
前記非接触媒体のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアにプログラムを書き込む機能と、前記所定ファイル又は前記プログラムエリアに格納されたプログラムの編集を行う機能とを備えたことを特徴とする非接触媒体発行機。
【請求項4】
プログラムを入力する入力手段を有し、該入力手段で入力したプログラムを、前記非接触媒体のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに書き込み可能であることを特徴とする請求項3記載の非接触媒体発行機。
【請求項5】
プログラムのソースコードから中間コードを含む所定のコードを生成するためのコンパイル機能を有するコード生成機能と、該コード生成機能によって生成されたコードを前記非接触媒体のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに書き込む機能とを備えたことを特徴とする請求項3記載の非接触媒体発行機。
【請求項6】
情報を暗号化する暗号化機能を有し、前記プログラム又は中間コードを含む所定のコードが暗号化機能の一部又は全てであり、前記プログラム又は前記中間コードを含む所定のコードを前記非接触媒体に書き込むことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の非接触媒体発行機。
【請求項7】
外部から取得する施解錠情報の正当性を判別し、正常に認証したときのみ電気錠を施解錠制御する電子ロックにおいて、
外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体が所定の通信エリア内に位置する時、あるいは非接触通信を可能とした端末との非接触通信時において、前記非接触媒体あるいは前記端末のメモリエリア内に設けた所定ファイル又はプログラムエリアに書き込まれたプログラムを読み取り、該プログラムを実行することを特徴とする電子ロック。
【請求項8】
前記中間コードを含む所定のコードを実行する実行機能を有し、前記プログラムが前記中間コードを含む所定のコードである時、該コードを読み取り、前記中間コードを含む所定のコードを実行することを特徴とする請求項7記載の電子ロック。
【請求項9】
情報を暗号化する暗号化機能を有し、前記プログラム又は中間コードを含む所定のコードが暗号化機能の一部である時、前記プログラム又は前記中間コードを含む所定のコードを読み取って、内部に設けた暗号化機能を基に所定のプログラム又は前記中間コードを含む所定のコードを実行することを特徴とする請求項7又は8記載の電子ロック。
【請求項10】
外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体が所定の通信エリア内に位置する時、あるいは非接触通信を可能とした端末との非接触通信時において、当該電子ロック内の所定のメモリエリアを読み出し、前記メモリエリア内に記憶された動作履歴情報の正当性を判別し、正常に認証した場合に、前記動作履歴情報を前記非接触媒体あるいは前記端末内の所定のメモリエリアに出力することを特徴とする請求項7記載の電子ロック。
【請求項11】
外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体が所定の通信エリア内に位置する時、あるいは非接触通信を可能とした端末との非接触通信時において、前記非接触媒体あるいは前記端末内の所定のメモリエリアを読み出し、前記メモリエリア内に記憶された各種設定情報の正当性を判別し、正常に認証した場合に、前記各種設定情報を当該電子ロック内の所定のメモリエリアに書き込むことを特徴とする請求項7記載の電子ロック。
【請求項12】
外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体が所定の通信エリア内に位置する時、あるいは非接触通信を可能とした端末との非接触通信時において、前記非接触媒体あるいは前記端末内の所定のメモリエリアを読み出し、前記メモリエリア内に記憶された施解錠情報の正当性を判別し、正常に認証した場合に、当該電子ロックの解錠又は施錠を行うことを特徴とする請求項7記載の電子ロック。
【請求項13】
外部記憶媒体としてカード状の非接触媒体が所定の通信エリア内に位置する時、あるいは非接触通信を可能とした端末との非接触通信時において、前記非接触媒体あるいは前記端末内の所定のメモリエリアを読み出し、前記メモリエリア内に記憶された当該電子ロックのファームウェアの正当性を判別し、正常に認証した場合に、当該電子ロックのファームウェアを書き換えることを特徴とする請求項7記載の電子ロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−170022(P2007−170022A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368256(P2005−368256)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】