説明

電子写真用弾性ローラの製造

【課題】薄くて硬い接着剤層を形成することで、接着剤層が削れてしまうのを防ぎ、ローラの外観不良を低減する。
【解決手段】接着剤層103を介して弾性層102が軸芯体101に接着している電子写真用弾性ローラの製造方法において、該軸芯体の外周に接着剤を塗布する工程と、該接着剤を紫外線照射により硬化し、接着剤層を形成する工程と、該接着剤層が形成された該軸芯体の周囲にリング状部材を装着する工程と、環状塗工ヘッドを用いて該接着剤層の外周上に液状ゴムを吐出塗布する工程と、塗布された該液状ゴムを加熱硬化し弾性層を形成する工程とを有し、該接着剤は少なくとも、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン、光カチオン重合開始剤、およびビニル基を有するシランカップリング剤を含有し、形成された該接着剤層の厚さは10nm乃至100nmであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンター又は複写機の如き画像形成装置および電子写真プロセスカートリッジに用いられる電子写真用弾性ローラの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真記録装置の本体内部には画像形成部が設置され、クリーニング、帯電、潜像形成、現像、転写、定着のプロセスを経て画像が形成される。画像形成部は、像担持体である感光ドラムを備えており、さらに、クリーニング部、帯電部、潜像形成部、現像部および転写部を備えている。この画像形成部で形成された感光ドラム上の現像剤画像は転写部材により、記録材に転写され、搬送された後、定着部にて加熱加圧され定着された記録画像として排出される。
【0003】
電子写真方式を用いたプリンターの例を示す。一成分接触現像方式のプリンターにおいて、感光ドラムは帯電ローラやコロナ帯電器により均一に帯電され、レーザーにより静電潜像を形成する。次に、現像容器内の現像剤が現像剤塗布ローラおよび現像剤規制部材により適正な摩擦電荷で現像ローラ上に塗布され、感光ドラムと現像ローラとの接触部で現像剤による現像が行われる。その後、感光ドラム上の現像剤は、転写ローラにより記録紙に転写される。続いて、定着ローラによってかけられる熱と加圧ローラによってかけられる圧力によって定着され、感光ドラム上に残留した現像剤はクリーニングブレードによって除かれ、一連のプロセスが完了する。
【0004】
現像ローラを用いた電子写真装置においては、現像ローラは感光ドラム及び現像剤規制部材に圧接された状態にある。そして、現像を行う際には現像ローラと感光ドラム、現像ローラと現像剤規制部材の間に現像剤が介在して圧接している。感光ドラムに転写されない現像剤は、現像剤塗布ローラによって剥ぎ取られ再度現像容器内に戻り、容器内で攪拌され再び現像剤塗布ローラによって現像ローラ上に搬送される。これらの工程を繰り返すうちに現像剤には摩擦などによる負荷がかかる。そこで、現像剤への負荷を軽減するという目的から、現像ローラは軸芯体の周囲に適度な弾性を有する弾性層を設けた構成となっている。また、現像ローラや帯電ローラは常に他部材と接触した状態で回転しているので、接触状態を安定に保つ必要があるためにローラとして高い寸法精度が必要とされる。接触状態を安定に保つことができないと現像剤の供給量がばらついたり、感光ドラムに対する圧力分布がばらつき、画像濃度ムラなどを生じさせることがある。
【0005】
近年、電子写真のカラー化及び高画質化のニーズが高まり、電子写真用弾性ローラに対して外形寸法の高精度化や厚みムラの抑制が厳しく要求されている。弾性ローラを製造するための方法として、従来より、環状塗工ヘッドを用いた塗工法が知られている(特許文献1参照)。これによれば、液状材料の粘度や液状材料層の厚さによる塗工工程の制限をある程度除去し、より容易な装置で軸芯体外周上に液状材料を直接塗工して、良好かつ均一な液状材料層を形成することができる。また、環状塗工ヘッドを用いた塗工法において、塗工した液状材料が重力方向に垂れることを抑制し、寸法精度のより一層の向上を図るために、軸芯体と環状塗工ヘッドの間に脱着可能なリング状部材を挿入する方法がある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−293015号公報
【特許文献2】特開2007−130589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、軸芯体への弾性層の接着性の向上を図る一つの方法として、軸芯体と弾性層との間に接着剤層を設けることがある。そして、軸芯体と弾性層との接着性を良好なものとするためには、接着層には十分な厚さを持たせることが好ましい。しかし、接着層を厚く形成した場合、その厚みムラが問題となることがある。即ち、前述したように、環状塗工ヘッドを用いた塗工工程において、軸芯体と環状塗工ヘッドの間にリング状部材を挿入した場合、軸芯体とリング状部材のクリアランスが狭くなり、接着剤層とリング状部材が干渉してしまい接着剤層が削れてしまうことがある。このような接着剤層の削れはローラの外観不良の一因となり得る。
【0008】
よって、本発明の目的は、薄くても弾性層と軸芯体との接着性に優れ、かつ、外観不良の発生を有効に抑制した電子写真用弾性ローラの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電子写真用弾性ローラの製造方法は、軸芯体と、該軸芯体の外周に形成された接着剤層と、該接着剤層の外周に形成された弾性層とを有し、該接着剤層を介して該弾性層が該軸芯体に接着している電子写真用弾性ローラを製造する方法において、
該軸芯体の外周に接着剤を塗布する工程と、該接着剤を紫外線照射により硬化し、接着剤層を形成する工程と、該接着剤層が形成された該軸芯体の周囲にリング状部材を装着する工程と、環状塗工ヘッドを用いて該接着剤層の外周上に液状ゴムを吐出塗布する工程と、塗布された該液状ゴムを加熱硬化し弾性層を形成する工程とを有し、該接着剤は少なくとも、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン、光カチオン重合開始剤、およびビニル基を有するシランカップリング剤を含有し、該接着剤層の厚さは10nm乃至100nmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る接着剤層は、薄くても、軸芯体と弾性層との接着性に優れる。そのため、環状塗工ヘッドを用いて液状材料を塗布する際に軸芯体とリング状部材が干渉しても接着剤層が削れてしまうのを抑制できる。その結果、ローラの外観不良の発生を低減することが可能である。さらに接着剤層の材料にエポキシ基含有のオルガノアルコキシシランを用い、紫外線照射によって硬化を行うことで余分な熱が発生しにくい。そのため、熱硬化のような溶剤の揮発中における相分離が生じにくく、均一な膜を得ることができる。その結果、ローラの長手方向および周方向におけるローラの電気的抵抗値のムラを抑えることができ、ひいては画像濃度ムラを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の弾性ローラの概略を表す構成図である。
【図2】本発明の弾性ローラの概略を表す断面図である。
【図3】本実施形態のリングコート機の概略を表す断面図である。
【図4】本発明に用いる光学式位置検出器の概略説明図である。
【図5】本実施形態のリング塗工ヘッドを表す図である。
【図6】本発明の基準に対する環状塗工ヘッド位置座標の求め方の一例の概略説明図である。
【図7】本発明に係る弾性ローラの製造方法の概略説明図である。
【図8】本発明に係る弾性ローラの製造方法の概略説明図である。
【図9】本発明に係る弾性ローラの製造方法の概略説明図である。
【図10】本発明に係る弾性ローラの製造方法の概略説明図である。
【図11】本発明の振れ測定に用いる振れ測定装置の概略説明図である。
【図12】本発明の画像形成装置の概略を表す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明による電子写真用弾性ローラの製造方法及び電子写真用弾性ローラについて詳細に説明する。
【0013】
本発明に係る電子写真用弾性ローラの製造方法は、軸芯体と、軸芯体の外周に形成された接着剤層と、接着剤層の外周に形成された弾性層とを有し、弾性層は接着剤層を介して軸芯体に接着している電子写真用弾性ローラを製造する方法である。本方法は、軸芯体外周上への弾性層の形成に環状塗工ヘッドを用いるものであり、以下の(1)乃至(5)の製造工程を有する。
(1)軸芯体の外周に接着剤を塗布する工程。
(2)接着剤を紫外線照射により硬化し接着剤層を形成する工程。
(3)接着剤層が形成された軸芯体の周囲にリング状部材を装着する工程。
(4)環状塗工ヘッドを用いて接着剤層の外周上に液状ゴムを吐出塗布する工程。
(5)塗布された該液状ゴムを加熱硬化し弾性層を形成する工程。
【0014】
(1)の工程において軸芯体の外周に塗布される接着剤は、少なくともエポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン、光カチオン重合開始剤、およびビニル基を有するシランカップリング剤を含有する。また、(2)の工程において形成された接着剤層の厚さは10nm乃至100nmである。
【0015】
(軸芯体)
本発明で使用される軸芯体は、電極および支持部材として機能するものである。軸芯体は、鉄、アルミニウム,銅合金,ステンレス鋼の金属または合金に、必要に応じてクロム,ニッケルで鍍金処理を施しても良い。また、合成樹脂の如き材質で構成されても良い。形状は、円柱形や中心部を空洞化した円筒形が好ましい。軸芯体の外径は適宜決めることができるが、通常、直径4.0mm〜20.0mmの範囲にする。
【0016】
(接着剤の組成)
本発明で使用される接着剤は、上記したように少なくともエポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン、光カチオン重合開始剤、およびビニル基を有するシランカップリング剤を含有することを特徴とする。接着剤に使用することができる適当な溶剤としては、例えば、エタノール、2−ブタノールなどのアルコールや、酢酸エチルや、メチルエチルケトンなど、或いは、これらを混合したものが挙げられる。
【0017】
エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランおよびシランカップリング剤は軸芯体と弾性層の接着性を強化するための必須成分である。オルガノアルコキシシランの一分子に含まれるエポキシ基は1または2以上であり特に限定されない。また、接着剤は、オルガノアルコキシシランとして、エポキシ基を有していないオルガノアルコキシシランを更に含有することができる。この場合、オルガノアルコキシシラン成分のうち、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランの含有量がオルガノアルコキシシラン成分全体の1%〜50%の範囲であることが好ましい。
【0018】
上記エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランとしては、下記式(1)で示される構造を有するエポキシ基を有するオルガノアルコキシシランを含むことが望ましい。
Ra―Z―Si―(OR)3 式(1)
上記式(1)中、Raはエポキシ基、Zは炭素数が1以上6以下のアルキレン基、Rは炭素数が1以上3以下の低級アルキル基である。そして、上記式(1)で示される構造においては、Zがプロピル基であり、Rがエチル基であるものがより好ましい。有機成分であるアルキレン鎖の長さを変えることで、接着剤層の柔軟性をコントロールすることが可能である。
【0019】
更にエポキシ基を有するオルガノアルコキシシランとは別に、下記式(2)で示される構造を有するオルガノアルコキシシランを含有することが好ましい。
Rb―Si―(OR)3 式(2)
上記式(2)中、Rbは炭素数が1以上21以下の直鎖状のアルキル基であり、Rは、上記式(1)と同様に炭素数1以上3以下の低級アルキル基である。そして、上記式(2)で示される構造においては、Rbがヘキシル基であり、Rがメチル基であるものがより好ましい。
【0020】
紫外線照射によってカチオン重合可能な基が開裂する。これによってオルガノアルコキシシラン同士を架橋することができる。光カチオン重合開始剤としては、エポキシ基が高い反応性を示すルイス酸あるいはブレンステッド酸のオニウム塩を用いることが好ましい。
【0021】
このように紫外線照射によって接着剤層を硬化させることで、余分な熱が発生しにくいため、熱硬化のような溶剤の揮発中における相分離が生じにくく、均一な膜を得ることができる。
【0022】
(接着剤の粘度)
本発明で使用される接着剤の粘度は0.8mPa・s乃至1.8mPa・sであることが好ましい。特に、接着剤の粘度が1.0mPa・s乃至1.6mPa・sであることがより好ましい。接着剤の粘度が0.8mPa・s未満であると、接着剤を軸芯体の外周に塗布し硬化させたときの接着剤層の厚みが10nm未満となり、軸芯体と弾性層を接着させる効果を十分に有しない。また、接着剤の粘度が1.8mPa・s以上であると接着剤層の厚みが100nm以上となり、塗工ムラも大きくなってしまう。塗工ムラが大きくなると、ローラとしての電気的抵抗値にもムラが発生してしまうため、画像濃度ムラが生じてしまう。
【0023】
(接着剤の塗布および硬化)
本発明の現像ローラは、図1及び図2に例示したように、軸芯体101の表面に設けられた上記接着剤からなる接着剤層103と、この接着剤層の周囲に設けられた弾性層102を有するものである。本発明の現像ローラを製造するには、まず、接着剤を軸芯体101表面に塗布する。
塗布する方法としては、ロールコーターやスプレーコーター等の一般的塗装機械を使用してもよいし、接着剤をスポンジ等に染み込ませて手塗りで行ってもよい。具体的には例えば、接着剤を染み込ませたスポンジを60rpmで回転している芯金に100gの荷重で押し当て、10mm/secの速さでスライドさせることにより、再現良く所望の厚さの接着層を得ることが出来る。次に、軸芯体101に塗布した接着剤を紫外線硬化して、接着剤層103を形成させる。紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、エキシマUVランプなどを用いることができ、これらのうち、紫外線の波長が150nm以上480nm以下の光を豊富に含む紫外線源が用いられる。なお、紫外線の積算光量は、下記で定義される。
紫外線積算光量(mJ/cm2)=紫外線強度(mW/cm2)×照射時間(sec)
紫外線の照射量は、紫外線硬化や表面処理の効果に応じて適宜選択すれば良く、好ましい紫外線積算光量は約100〜100000mJ/cm2の範囲である。
【0024】
(接着剤層の硬度)
本発明の接着剤を硬化させ形成させた接着剤層の硬度は、鉛筆硬度で4H以上8H以下であることが好ましい。鉛筆硬度が4H未満であると、弾性層材料の塗布時において接着剤層とリング状部材が接触した場合、接着剤層が削れてしまうことがある。接着剤層の削れはローラの外観不良の一因となる。一方、接着剤層の硬度が9H以上になると接着剤層にひび割れが発生する場合がある。接着剤層のひび割れもローラの外観不良や、画像濃度ムラの原因となるため好ましくない。
【0025】
(接着剤層の塗工ムラ)
本発明の接着剤を塗布し硬化させて形成させた接着剤層の塗工ムラは、少なければ少ないほど良く、ローラの長手方向および周方向において10nm以下であることが好ましい。接着剤層の塗工ムラが10nm以上であるとローラにおける電気的抵抗値にムラが発生し、それに起因して画像においても濃度ムラが生じてしまう場合がある。
【0026】
(弾性層の形成)
本発明の現像ローラの製造方法に好適に用いることができる環状塗工ヘッドを有する塗工機の概略説明図を図3に示す。本発明では、以下、該塗工機のことをリングコート機と呼ぶ。
【0027】
このリングコート機は、架台31の上に略垂直にコラム32が取り付けられ、架台31とコラム32の上部に精密ボールネジ33が略垂直に取り付けられている。44はリニアガイドであり、精密ボールネジ33と平行にコラム32に該リニアガイド44は2本取り付けられている。Linear Motionガイド(以下LMガイド)34はリニアガイド44と精密ボールネジ33とを連結し、サーボモータ35よりプーリ36を介して回転運動が伝達され昇降できるようになっている。コラム32には環状塗工ヘッド固定テーブル45が取り付けられている。環状塗工ヘッド固定テーブル45には、環状塗工ヘッド位置補正XYステージ46が取り付けられており、環状塗工ヘッド位置補正XYステージ46上に環状塗工ヘッド38が取り付けられている。図4は環状塗工ヘッド位置補正XYステージ46周辺の機構を真上から見た図であり、図4における奥側が図3におけるLMガイド側である。ここでのX方向とは、図4における左右方向であり、Y方向とは、図4における前後方向である。環状塗工ヘッド位置補正XYステージ46はXY両方向(水平方向)への駆動機構を備えており、ステッピングモータによって駆動される。また、図4に示したように、環状塗工ヘッド固定テーブル45には、軸芯体の位置および塗工ヘッドの位置を検出するために、LED位置検出器48がXY方向にそれぞれ一組ずつ、計2組が取り付けられている。なお、光学位置検出の光源として、レーザーを用いても良い。このように、測定物の位置検出の精度を上げるため、LED位置検出器48は2組以上取り付けられることが好ましい。また、LED位置検出器48は投光部と受光部1対からなり、受光した光の輝度の差から測定物の位置を検出するものである。
【0028】
LMガイド34にはブラケット37が取り付けられる。ブラケット37には、軸芯体位置補正XYステージ47が取り付けられており、軸芯体位置補正XYステージ47上に軸芯体101を保持し固定する軸芯体下保持軸39が、略垂直に取り付けられている。また、逆側のローラの軸芯体101を保持する軸芯体上保持軸40の中心軸がブラケット37の上部に取り付けられ、軸芯体上保持軸40は軸芯体下保持軸39に対向して略同心になるように配置して軸芯体を保持している。環状塗工ヘッド38の中心軸は、軸芯体下保持軸39と軸芯体上保持軸40の移動方向と平行となるようにそれぞれに支持されている。また、軸芯体下保持軸39及び軸芯体上保持軸40が昇降移動時において、環状塗工ヘッド38の内側に開口した環状スリットになっている吐出口の中心軸と、軸芯体下保持軸9及び軸芯体上保持軸40の中心軸が略同心になるように調節してある。
【0029】
液状材料の供給口41は、配管42を介して供給弁43に接続されている。材料供給弁43は、その手前に混合ミキサー、材料供給ポンプ、材料定量吐出装置、材料タンクを備え、単位時間当たりの量が一定になるように液状材料を吐出可能としている。液状材料は材料タンクから、材料定量吐出装置により一定量計量され、混合ミキサーで混合される。その後、材料供給ポンプにより混合された液状材料は、材料供給弁43から配管42を経由して、供給口41に送られる。
【0030】
供給口41より送り込まれた液状材料は、環状塗工ヘッド38内の流路を通り、環状塗工ヘッド38のノズルから吐出する(図3)。液状材料の層厚を一定にさせるために、環状塗工ヘッドノズルからの吐出量と材料供給ポンプからの供給量を一定にして、保持されている軸芯体101を軸芯体の中心軸方向に上方へ移動させる。それにより、軸芯体101は環状塗工ヘッド38に対して相対的に軸方向に移動し、軸芯体101の外周上に液状材料からなるロール形状の層102が形成される。上記環状塗工ヘッドを有するリングコート機を用いて、本発明によって弾性ローラを製造することができる。図5は環状塗工ヘッドの断面図である。材料供給口54から材料が供給され、スリット51を通過し塗工ヘッドの内周面に吐出される。環状塗工ヘッドは外側の部品52と内側の部品53により構成されている。
【0031】
弾性ローラを製造するにあたり、まず軸芯体上保持軸が塗工ヘッドの中心になるよう塗工ヘッドの中心位置を調整する。図3で示したLMガイドを鉛直方向に移動させ、軸芯体上保持軸40の先端がLED位置検出器の測定範囲に入るように調整し、軸芯体上保持軸の中心の位置座標(水平面におけるXおよびY座標)を読み取り、座標の原点とした。以後、全ての位置座標の測定において、座標の原点は軸芯体上保持軸40の中心位置座標とする。続いて、環状塗工ヘッド38の位置を補正する。塗工ヘッドの位置を補正する手法としては、例えば環状塗工ヘッドの位置座標を接触式で求めて調整する方法や、環状塗工ヘッドに基準となるピンを立て、環状塗工ヘッドの位置座標をLED位置検出器によって非接触で求める方法などが挙げられる。
【0032】
その一例として、環状塗工ヘッドに基準となるピンを立て、環状塗工ヘッドの位置座標をLED位置検出器によって求める方法の概略説明図を図6に示す。図6に示すように、環状塗工ヘッド38上に、環状塗工ヘッド38の中心軸から等距離になるように、X軸とY軸にそれぞれ2本ずつ、計4本のピン49を立てる。まず、LED位置検出器48(図6には不図示)によって軸芯体上保持軸40と環状塗工ヘッドに立てたピンの間の距離を計測する。その時、図6に示すように、距離X1、X2、Y1、Y2がX1=X2、Y1=Y2となるように環状塗工ヘッド位置補正XYステージ46を駆動する。この工程を経ることにより、軸芯体上保持軸を基準とした環状塗工ヘッドの中心位置座標が相対的に求められる。
【0033】
本発明に係る弾性ローラの製造方法の概略説明図を図7乃至図10に示す。
【0034】
軸芯体101は、軸芯体上保持軸40および軸芯体下保持軸39によって上下軸方向に把持される。このとき、塗工ヘッドの材料出口部56より進行方向(図7(a)において矢印Aで示す方向)前方の部分に、脱着可能なリング状部材301が装着される。これにより、塗工開始時に弾性層材料出口部56から吐出した弾性層材料が、軸芯体に対する塗工ヘッドの相対的な進行方向(矢印A方向)へ漏洩することが防止され、軸芯体外周面に高い寸法精度で弾性層材料を塗工できる。
【0035】
軸芯体外周面上への弾性層材料の塗工終了後には、リング状部材301が、塗工ヘッドの材料出口部56より進行方向(矢印A方向)後方から、取り外される。
【0036】
本発明において、軸芯体を上下軸方向に把持するとは、図8(a)に示すように軸芯体を鉛直方向になるよう軸芯体の端部を把持するものである。上下軸方向に軸芯体101を把持した状態で、LMガイドが下降する(不図示)。この時、図8(b)に示すように、LED位置検出器48によって、例えば軸芯体の軸方向(長手方向)位置101−1および101−2の二箇所の中心位置座標(水平面におけるXおよびY座標)を検出する。水平位置座標を検出する軸芯体の長手方向位置は、軸芯体の長さにもよるが、通常軸芯体両端からそれぞれ好ましくは80nm以内、より好ましくは50nm以内の二点を選ぶ。端部に近い方が精度の面で好ましい。次に、任意に選んだ二箇所の軸芯体測定箇所101−1および101−2のうち、101−2の中心位置座標を基準とする。軸芯体測定箇所101−1の中心位置座標が軸芯体測定箇所101−2の中心の真下にくるように、軸芯体位置補正XYステージ47により補正する(図9(a))。これにより、軸芯体の倒れを補正することができ、それにより液状材料を塗工したときの弾性層の偏りを補正することができる。
【0037】
環状塗工ヘッド38から液状材料を吐出させ、保持されている軸芯体101を垂直方向に上方へ移動させる最中、装置を上下移動させた時に機械的誤差(XおよびY方向)が生じることがある。その場合は機械的誤差に対応して、液状材料吐出中の環状塗工ヘッド位置を同期(XおよびY方向)させてもよい(図9(b))。
【0038】
以下、装置を上下移動させた時に生じてしまう機械的誤差のことを装置の走り誤差と呼ぶことにする。このとき、環状塗工ヘッド位置補正XYステージにより環状塗工ヘッド位置を移動させる。この場合、予めLED位置検出器48でマスタの位置座標(XおよびY)を検出し、装置の走り誤差を求めておく。そして塗工時に環状塗工ヘッド38を装置の走り誤差と同期させ水平方向に動かすことで、装置の走り誤差を打ち消し、より厚みが均一な液状材料層を設けることができる。またこの際、環状塗工ヘッドは固定した状態で、装置の走り誤差に同期させ、軸芯体を水平方向に動かしても良い。以上の工程を経て、軸芯体101の外周上に液状材料からなる円筒形状(ローラ形状)の層102が形成される(図10(a))。そして、軸芯体上保持軸を上昇させ、リングコート機から軸芯体を取り外し(図10(b))、加熱硬化させることで弾性ローラが製造される。
このような振れの小さい弾性ローラを製造するための工程をまとめると次のとおりである。
・装置の走り誤差を測定する工程。
・軸芯体の中心位置座標を検出し軸芯体の倒れを補正する工程。
・環状塗工ヘッドの位置座標が軸芯体の中心位置座標に水平方向において一致するように環状塗工ヘッドの位置を補正する工程。
・および液状材料塗工時における、装置の走り誤差に同期した環状塗工ヘッドおよび/または軸芯体の位置補正工程。
【0039】
(弾性層の厚さ)
なお、弾性層の厚さは通常0.5mm〜6.0mmの範囲とすることが好ましい。より好ましくは、2.0mm〜4.0mmである。弾性層の厚みが0.5mm以下であると、例えば現像ローラの場合、弾性層の弾性が得られず、現像剤へのストレスを低減させることができない。また、弾性層の厚みが6.0mm以上であると、縦型リングコート機においても、液状材料の自重により重力方向に垂れが生じ、外径寸法や振れを悪化させることがある。振れ測定は、図11に示すように、基準となる定盤201上に垂直に取り付けられた軸芯体支持部材202に、弾性ローラの軸芯体露出部分を把持させ、把持部分を支点としてローラを回転させる。このときのローラと定盤間の距離の変動を、軸芯体と垂直に配置した非接触位置検出器(キーエンス社製 LS−5000)で測定し、ローラと定盤間の距離の最大値と最小値の差を値として求める。弾性層の軸方向に1cmピッチで前記ローラと定盤間の距離の最大値と最小値の差を求め、その差の値の中で最大の値を弾性層の振れの値とする。なお、弾性ローラとして好ましく使用できる振れは、装置のグレードや耐久性にもよるが、60μm以下が好ましく、特には50μm以下、さらには30μm以下がより好ましい。30μm以下とすることにより、他部材に与える応力に偏りが生じ、ストレスが大きな部分の磨耗や劣化を早める原因となることを防止でき、電荷や現像剤の供給バランスがくずれることによる画像弊害、特には濃度ムラなどが生じる原因となることを防止できる。
【0040】
(液状材料の降伏応力)
軸芯体の外周に環状塗工ヘッドで塗布する液状材料の降伏応力は、20Pa〜600Paが好ましい。降伏応力(しばしば降伏点と呼ばれる)とは、それ以下では試料が固体として振舞う限界応力のことである。降伏応力を超えると、凝集フィラーによって形成されていた3次元網目構造の構造破壊が生じ、試料は流動を開始する。加えられた応力によって際限なく変形し続け、応力を除いても元の形状に戻ることはない。つまり、塗膜の厚みが大きくなるにつれて材料の質量が増えるため、重力方向に材料が流れやすくなる。流れを生じさせないためには、自重に対抗するために充分な降伏応力を持つことが必要である。塗膜の厚みに対して充分な降伏応力を持つことにより、形状が安定し寸法精度の良い成形物を得ることが出来る。降伏応力のより好ましい範囲は、100Pa以上400Pa以下である。降伏応力が20Pa以上600Pa以下の範囲にある場合、塗工厚みに対する寸法精度を維持し、塗工面の平滑さとのバランスを最良の状態で、両立することができる。降伏応力が600Paを超える場合には、塗工時における材料のレベリング作用効果が小さすぎて、塗工後の表面にスジが発生したり凹凸ができたりするなどの困難が生じる。20Pa未満の場合には、重力に対して降伏応力が小さすぎて塗膜形成後の形状を保持することができないため、変形してしまい、弾性ロールの塗工厚みに対する外径寸法差が大きくなりロールが使用に耐えられない。弾性ロールとして好適に使用できる寸法精度は、画像形成装置のグレードや耐久性にもよるが、ロールの外径に対して長手方向における外径のムラが3%以内の寸法差に抑えられた場合である。3%を超えると他部材に与える応力に偏りが生じ、ストレスが大きな部分の磨耗や劣化を早める原因となったり、電荷や現像剤の供給バランスがくずれることによる画像弊害などが生じる原因となる。
【0041】
(液状ゴム)
本発明での液状材料とは、室温で少なくともある一定時間流動性を持つポリマーで、加熱または経時により硬化が進行するものである。具体的には、液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状ニトリルゴム、液状クロロプレンゴム、液状エチレン−プロピレンゴム等などの液状ジエンゴム、液状シリコーンゴム、液状ウレタンゴムが挙げられる。このようなゴムは、単独で用いてよく、又は二種以上を混合して用いてもよい。中でも、弾性層には、十分な変形回復力を持たせることが重要であるため、液状材料としては液状シリコーンゴム、液状ウレタンゴムを用いることが好ましい。
【0042】
液状ウレタンゴムは、イソシアネート(硬化剤)及び高分子ポリオール(主剤)より得られる。イソシアネートの具体例としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等を挙げることができる。これらのイソシアネートは、単独で用いてよく、又は二種以上を混合して用いてもよい。高分子ポリオールの例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、カプロラクトンエステルポリオール、ポリカーボネートエステルポリオール、シリコーンポリオール等を挙げることができる。これらの重量平均分子量は通常500以上5000以下である。より具体的には、ポリエステルポリオールとして、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキシレンアジペート、エチレンアジペート及びブチレンアジペートの共重合体等を使用することができる。また、ポリエーテルポリオールとして、ポリカプロラクトン、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等を使用することができる。これらのポリオールは、単独で用いてよく、又は二種以上を混合して用いてもよい。また必要に応じて、液状ウレタンプレポリマーには、導電剤、鎖延長剤、架橋剤および触媒等を混合することもできる。
【0043】
特に加工性が良好で寸法精度の安定性が高く、硬化反応時に反応副生成物が発生しないなどの生産性に優れる理由から、付加反応架橋型液状シリコーンゴムを用いることが、より好ましい。液状シリコーンゴムは、例えばオルガノポリシロキサン(A液)およびオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B液)を含み、さらに触媒や他の添加物を適宜含む組成物である。
【0044】
(導電剤および充填剤)
液状ゴムに含ませることのできる導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、PAN系カーボンブラック、ピッチ系カーボンブラック等のカーボン粉が挙げられる。混合量はその種類にもよるが、液状ゴム中に含まれる量が5質量%〜20質量%の範囲であることが好ましい。5質量%より少ない場合は導電性を発揮するのに十分な量ではなく、20質量%より多い場合はポリマー量とのバランスが悪くなり、電子写真で使用するロールとして好ましい機械特性が出せなくなる。
【0045】
この導電剤添加量の調整により、弾性層の体積抵抗率を1.0×103Ω・cm乃至5.0×106Ω・cmの範囲に調整することが好ましい。なお、この弾性層には、上記導電剤以外に必要に応じ、以下の充填剤、架橋剤など、その他ゴム用添加剤を適宜添加することができる。
【0046】
液状ゴムに含ませることのできる充填剤としては例えば以下の無機フィラーが挙げられる。ヒュームドシリカ、湿式シリカ、石英微粉末、ケイソウ土、カーボンブラック、酸化亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維など。これらの充填剤の表面を有機珪素化合物、例えば、ポリジオルガノシロキサン等で処理して疎水化してもよい。充填剤の充填量は、液状ゴム中に含まれる量が5質量%乃至20質量%の範囲であることが好ましい。
【0047】
液状ゴムに含ませることのできる架橋剤としては、従来公知の硫黄、有機過酸化物、ヒドロシリル架橋剤などが挙げられる。また、硫黄系加硫剤および過酸化物による加硫効率を上げるために、加硫促進剤を併用してもよい。
【0048】
(硬化方法)
軸芯体の外周に塗布された液状材料の層を赤外線加熱で熱処理して硬化し、弾性ローラとする。液状材料の層の表面は、粘着性を有している。このため、熱処理する方法としては非接触で、装置が簡易で、軸芯体外周上の液状材料の層を長手方向に均一に熱処理できる赤外線加熱が好ましい。この時、赤外線加熱装置を固定し、液状材料からなる円筒形状(ローラ形状)の未硬化物層を設けた軸芯体を周方向に回転させることにより、周方向に均一に熱処理が行われる。塗布液表面の熱処理温度としては、使用する液状材料にもよるが、例えば付加反応架橋型液状シリコーンゴムの場合、シリコーンゴム硬化反応が開始する100℃以上250℃以下が好ましい。
【0049】
ここで、液状材料層を硬化して得られた弾性層の物性安定化、弾性層中の反応残渣及び未反応低分子分を除去する等を目的として、赤外線加熱後の弾性層に更に熱処理による二次硬化を行ってもよい。その後、弾性層の両端を突き切って弾性層を必要な長さにすると共に、弾性層形成に際して異常が発生しやすい、液状材料を軸芯体上に形成する際の始端及び終端を予め除去することも好ましい。
【0050】
(表面層)
以上のようにして形成された弾性層の外周側に耐磨耗性や現像剤の摩擦帯電性、離形性の観点から、さらに表面層を設けることもできる。表面層を形成する材料としては、各種のポリアミド、フッ素樹脂、水素添加スチレン−ブチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、オレフィン樹脂が挙げられる。これらの材料は、単独で用いてよく、又は二種以上を混合して用いてもよい。これらの材料には必要に応じて各種添加剤が添加される。
【0051】
これらの表面層を構成する材料は、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、ボールミルの如きビーズを利用した従来公知の分散装置を使用して、分散させる。得られた表層形成用の分散体は、スプレー塗工法又はディッピング法により弾性層の表面に塗布される。表面層の厚みとしては、5μm〜50μmが好ましい。低分子量成分がしみ出してきて感光ドラムを汚染することを防止する観点から5μm以上が好ましく、ローラが硬くなり、それにより現像剤の融着が発生してしまうことを防止する観点から50μm以下が好ましい。より好ましくは10μm〜30μmである。
【0052】
本発明の弾性ローラは現像ローラとして使用することができる。本発明の現像ローラを搭載した一般的なプロセスカートリッジおよび電子写真装置の一例を図12に模式図として示した。この図12により以下説明する。
【0053】
尚、本画像形成装置は、それぞれイエロー、シアン、マゼンダおよびブラックの現像剤画像を形成する画像形成ユニット10a〜10dが4個あり、タンデム方式で設けられている。そして、感光体11、帯電装置12、画像露光装置(不図示)からのビーム13、現像装置14、クリーニング装置15、転写ローラ16の仕様は、基本的構成においてこれら4個の画像形成ユニット10a〜10dは同じである。ただし、各色現像剤特性に応じて少し調整に差異があってもよい。また、感光体11、帯電装置12、現像装置14およびクリーニング装置15が一体となり、着脱可能なプロセスカートリッジを形成している。また、本発明に関するプロセスカートリッジとしては、現像装置14からなる現像カートリッジタイプなどがある。
【0054】
現像装置14には、一成分系現像剤5を収容した現像容器6と、現像容器6内の長手方向に延在する開口部に位置し、感光ドラム11と対向設置された現像ローラ1とを備え、感光ドラム11上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。また、現像ローラ1に一成分現像剤5を供給すると共に現像に使用されずに現像ローラ1に担持されている一成分現像剤5を現像ローラ1から掻き取る現像剤供給ローラ7が設けられている。さらに、現像ローラ1上の一成分現像剤5の担持量を規制すると共に摩擦帯電する現像ブレード8が設けられている。
【0055】
感光ドラム11の表面が帯電装置12により所定の極性・電位に一様に帯電され、画像情報が画像露光装置からのビーム13として、帯電された感光ドラム11の表面に照射され、静電潜像が形成される。次いで、形成された静電潜像上に本発明の弾性ローラを現像ローラ1とする現像装置14から一成分系現像剤が供給され、感光ドラム11表面に現像剤像が形成される。この現像剤像は感光ドラム11の回転に伴って、転写ローラ16と対向する場所に来たときにその回転と同期して供給されてきた紙等の転写材25に転写される。
【0056】
なお、本図12では4つの画像形成ユニット10a〜10dが一連に連動して所定の色画像を1つの転写材25上に重ねて形成されている。したがって、転写材25をそれぞれの画像形成ユニットの画像形成と同期させる、つまり、画像形成が転写材25の挿入と同期している。そのために、転写材25を輸送するための転写搬送ベルト17が感光ドラム11と画像転写装置16との間に挟まれるように、転写搬送ベルト17の駆動ローラ18、テンションローラ19及び従動ローラ20に架けまわされる。そして、転写材25は転写搬送ベルト17に吸着ローラ21の働きにより静電的に吸着された形で搬送されている。なお、22は転写材25を供給するための供給ローラである。
【0057】
画像が形成された転写材25は、転写搬送ベルト17から剥離装置23の働きにより剥がされ、定着装置24に送られ、現像剤像は転写材25に定着されて、印画が完了する。一方、現像剤像の転写材25への転写が終わった感光ドラム11はさらに回転して、クリーニング装置15により表面がクリーニングされ、必要により除電装置(不図示)によって除電される。その後感光ドラム11は次の画像形成に供される。なお、図12において、26、27はそれぞれ画像転写装置16、吸着ローラ21へのバイアス電源を示す。
【0058】
なお、ここでは、タンデム型の転写材上へ直接各色の現像剤画像を転写する装置で説明したが、現像ローラとして本発明の弾性ローラを使用する装置であればいずれでもよい。白黒の単色画像形成装置、転写ローラや転写ベルトに一旦各色の現像剤像を重ねてカラー画像を形成し、それを転写部材へ一括して転写する画像形成装置が挙げられる。また、各色の現像ユニットがロータ上に配置されたり、感光ドラムに並列して配置されたりした画像形成装置等も挙げられる。また、プロセスカートリッジではなく、感光ドラム、帯電装置、現像装置等が直接画像形成装置に組み込まれていても構わない。
【実施例】
【0059】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。
【0060】
(接着剤層の厚み測定)
軸芯体の外周上に接着剤を塗布し、その後紫外線照射によって硬化させて接着剤層を形成させた。次に薄膜測定装置「F20−EXR」(商品名、FILMETRICS社製)を用いて接着剤層の厚み測定を行うための前準備を行った。始めに接着剤層を塗布していない軸芯体を用いてベースラインの取り込みを行った。次に解析する膜構造の設定を行い、予測されるおおよその膜厚を入力した。その後解析するデータ範囲として、波長範囲を400nm乃至1000nmに設定した。以上のような準備を行った後、軸芯体の長手方向を端部より等間隔に3箇所、かつ周方向に等間隔に3箇所の合計9箇所について接着剤層の厚み測定を行い、得られた値の平均値を接着剤層の厚みとした。
【0061】
(接着剤層の塗工ムラ測定)
上記のように接着剤層の厚みを合計9箇所において測定した結果、得られた値の最大値と最小値の差を求め、その値を接着剤層の塗工ムラとした。
【0062】
(接着剤の粘度測定)
接着剤の粘度は、塗料温度を25℃に調整した後、毛細管粘度計の一種であるウベローデ(Ubelode)型粘度計を用いてJIS Z8803の液体の粘度―測定方法に基づいて測定した。
【0063】
(接着剤層の鉛筆硬度測定)
硬化後の接着剤層の厚みが30nmとなるように、接着剤の粘度を1.3mPa・sに調製した。また、厚さ1mmで表面が平滑なSUS製の金属板を洗浄し、乾燥させた。その後、接着剤をスポンジに染み込ませて金属板上に塗布し、紫外線照射によって接着剤を硬化して接着剤層を得た。次に、JIS K−5600−5−4の塗料一般試験方法第5部第4節 塗膜の機械的性質 引っかき硬度(鉛筆法)に基づいて、接着剤層の鉛筆硬度測定を行った。
【0064】
(実施例1)
(液状材料の調製)
液状の分子鎖量末端ビニル基封鎖ジメチルポリシロキサン
(分子量 Mw=10万)80質量%
カーボンブラック (電気化学工業製デンカブラック粉状) 7質量%
シリカ (日本アエロジル製:商品名:AEROSIL50) 13質量%
上記材料をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力210〔Pa〕の液状のシリコーンゴムベース材料を得た。さらにこのベース材料100部に対して、塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液(白金含有量3質量%)0.02部を加えて混合し混合物Aとした。また、ベース材料100部に対して、粘度10cpsのオルガノハイドロジェンポリシロキサン(SiH含有量1質量%)1.5部を加えて混合し混合物Bとした。混合物Aと混合物Bをそれぞれ、原料タンク1、原料タンク2にセットし、圧送ポンプを使用してスタチックミキサーに送り出し混合物Aと混合物Bを1:1の比率で混合した。
【0065】
(接着剤の調整)
以下の成分を300mlのナスフラスコ中で混合した後、室温で30分攪拌し、次いで120℃に設定したオイルバス上で、20時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Iを得た。加水分解性シラン化合物が全て脱水縮合したと仮定した時のポリシロキサン重合物の溶液全重量に対する質量比率を固形分とした場合、この縮合物Iの固形分は28.0質量%であった。
・グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)(加水分解性シラン化合物)
[商品名:KBE−403、信越化学工業(株)製]
43.60g(0.157mol)
・ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)(加水分解性シラン化合物)
[商品名:KBM−3063、信越化学工業(株)製]
41.90g(0.203mol)
・水 38.90g
・エタノール 68.55g
次に、上記縮合物I10.00gに、2−ブタノール36.00g/エタノール234.00gの混合溶剤を加え固形分1.0質量%とした。上記のように固形分1.0質量%に希釈した縮合物10.0gに下記のような光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、本発明における接着剤とした。
・芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製]をメチルイソブチルケトン(MIBK)で10質量%に希釈したもの 0.1g
・ビニルトリエトキシシラン
[商品名:SILQUEST A−171 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製] 1.0g
また、接着剤の粘度は1.0mPa・sであった。
【0066】
(接着剤の塗布および硬化)
軸芯体をMEK(メチルエチルケトン)で洗浄し、乾燥させた。その後、スポンジに接着剤を染み込ませ、手塗りで軸芯体に接着剤を塗布した。これに、254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cm2になるように照射し、接着剤を架橋反応により硬化および乾燥させることによって接着剤層を形成した。紫外線の照射には、ハリソン東芝ライティング(株)製の低圧水銀ランプを用いた。また、接着剤層の厚さは15nm、塗工ムラは5nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度は7Hであった。
【0067】
(弾性ローラの作成の前準備)
図3に示した形態の環状塗工ヘッド38を有する縦型リングコート機を用いた。弾性ローラを製造するにあたり、まず軸芯体上保持軸40の位置座標を基準として、環状塗工ヘッド中心の位置座標を測定した。以後、全ての位置座標の測定において、座標の原点は軸芯体上保持軸40とする。はじめに、軸芯体上保持軸40の位置座標(XおよびY)をLED位置検出器48によって検出し、その座標を原点と決定した。次に、軸芯体上保持軸40を環状塗工ヘッド38の内側に固定した。その後、LED位置検出器48によって軸芯体上保持軸と環状塗工ヘッドに立てたピンの間の距離を測定し、環状塗工ヘッド中心の位置座標(XおよびY)を算出した。次に、図6においてX1=X2、Y1=Y2となるように環状塗工ヘッド中心の位置座標を調整した。これによって、軸芯体上保持軸40の中心位置座標と環状塗工ヘッド38の中心位置座標を水平方向において一致させることができた。
【0068】
次に、軸芯体上保持軸40に対する軸芯体下保持軸39の倒れ補正を行った。LED位置検出器48によって軸芯体下保持軸39の中心位置座標を測定し、軸芯体上保持軸40の中心位置座標に水平方向において一致するように軸芯体下保持軸39の中心位置座標を調整した。これによって、軸芯体上保持軸と軸芯体下保持軸の倒れ補正ができる。
【0069】
(弾性ローラの作成)
軸芯体下保持軸39の上端を、環状塗工ヘッド38の中を通って環状塗工ヘッドより上位に位置させた。このとき、塗工ヘッドの材料吐出口57より進行方向(図7(a)において矢印Aで示す方向)前方の部分に、脱着可能なリング状部材301を装着する。その状態で、軸芯体下保持軸39にセットされた長さ280.0mm、外径φ6.0mmの鉄製軸芯体を、軸芯体上保持軸40を下降させることで、鉛直方向に把持した。その後、LMガイド34で把持した軸芯体を下降させるときに、LED位置検出器48によって、軸芯体の端部からの距離14.0mm、266.0mmの2箇所の位置座標(XおよびY)を検出した。次に、この2箇所の位置座標が水平方向において一致するように、軸芯体下保持軸39の位置座標を調整した。これによって、軸芯体が持つ倒れを補正することができる。なお、用いたリング状部材301の内径はφ6.2mmであり、軸芯体の外径φ6mmに対して約0.1mmのクリアランスを持っている。また、リング状部材301の外径はφ12.0mmであり環状塗工ヘッドの内径φ12.0mmとほぼ同じで、全外周面が環状塗工ヘッドに接触するようになっている。
【0070】
その後、速度60mm/sで軸芯体保持軸を鉛直方向に上昇させて軸芯体を移動させた。その際、予め求めておいた塗工装置の走り誤差分だけ環状塗工ヘッド38を同時に水平方向に動かした(図9(a))。環状塗工ヘッドの位置補正を行いながら、環状塗工ヘッドの内側に開口した環状スリットから、上記ゴム材料を5.04ml/secで吐出し、軸芯体の外周にゴム材料からなる円筒形状(ロール形状)にゴム材料の層を形成した。リングコート機から軸芯体を取り外し、未硬化の成形物層を有するローラ(以下、未硬化のローラ)を作成した。
【0071】
この未硬化のローラを、軸芯体を中心として60rpmで回転させ、その未硬化の成形物層表面に、株式会社ハイベック製の赤外線加熱ランプ「HYL25」(商品名)で赤外線(出力1000W)を4分間照射し、硬化させた。なお、赤外線照射時の成形物層表面とランプの距離は60mmであり、成形物層表面の温度は170℃であった。その後、硬化したゴムの弾性層の物性を安定させ、ゴムの弾性層中の反応残渣および未反応低分子分を除去する等を目的として、電気炉で170℃、1時間の二次硬化を行った。以上の工程を経て、軸芯体の外周上に外径Φ12.0mm、層厚3.0mm、長手方向における弾性層の長さが240.0mmの弾性ローラを得た。
【0072】
(現像ローラの作製)
以下の材料を混合し、MEKを加え、サンドミルで1時間分散した。
・ポリウレタンポリオールプレポリマー「タケラックTE5060」(商品名、三井武田ケミカル株式会社製)100質量部。
・イソシアネート「コロネート2521」(商品名、日本ポリウレタン株式会社製)77質量部。
・カーボンブラック「MA100」(商品名、三菱化学株式会社製)24質量部。
【0073】
分散後さらにMEKを加えて固形分20質量%から30質量%の範囲で塗布乾燥後の膜厚が20μmとなるように調整して、表面層用塗料を得た。
【0074】
この塗料中に、作成した弾性ローラを浸漬して、表面層に塗布した後、自然乾燥させた。次いで、140℃にて60分間加熱処理して、塗料膜を硬化し、表面層が形成された現像ローラを得た。
【0075】
(外観検査)
作成した弾性ローラおよびその弾性ローラに上記のように表面層用塗料を塗布した現像ローラのそれぞれについて目視における外観検査を行い、下記基準で評価した。結果を表3に示す。
A:弾性ローラ、現像ローラともに接着剤の付着が認められない。
B:弾性ローラには微小な接着剤の付着が認められるが、現像ローラにはその影響が認められない。
C:弾性ローラには顕著な接着剤の付着が認められ、現像ローラにもその影響が認められる。
【0076】
(画像評価)
作成した現像ローラ1を温度23℃、湿度50%の環境下で24時間放置し、エージングを施した。その後現像ローラとして下記の電子写真方式の画像形成装置に用いる電子写真プロセスカートリッジ中に組み込んだ。
・画像形成装置「HP Color LaserJet 3800(商品名)」(ヒューレット・パッカード社製)。
・電子写真プロセスカートリッジ;公称寿命6000枚、A4サイズ、5%印字率、プリントカートリッジ:シアン。
【0077】
次いで、この電子写真プロセスカートリッジを上記画像成形装置中に組み込んで、温度23℃、湿度50%の環境下において連続モード(毎分21枚出力)で耐久試験を行った。通紙時は、印字率5%の文字画像を3000枚連続出力した。その後、ベタ画像、画像濃度0.6のハーフトーン画像(マクベス反射濃度計 RD918を用いて測定)、文字画像を1枚ずつ出力し、濃度ムラ(ローラピッチ)を目視にて観察して、下記基準で評価した。結果を表3に示す。
A:全画像において良好。
B:ハーフトーン画像にて濃度ムラが若干確認されるが、実用上問題ない。
C:ベタ画像、ハーフトーン画像にて濃度ムラが若干確認されるが、実用上問題ない。
D:ベタ画像、ハーフトーン画像にて顕著な濃度ムラが確認される。
【0078】
(実施例2)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0079】
接着剤の調整は、実施例1と同様の縮合物I10.00gに、2−ブタノール4.50g/エタノール29.00gの混合溶剤を加え固形分6.5質量%とした。上記のように固形分6.5質量%に希釈した縮合物10.0gに下記のような光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。
・芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製]をメチルイソブチルケトン(MIBK)で10質量%に希釈したもの 0.1g
・ビニルトリエトキシシラン
[商品名:SILQUEST A−171 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製] 1.0g
接着剤の粘度は1.55mPa・sであった。
【0080】
次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、硬化した。接着剤層の厚さは57.5nm、塗工ムラは10nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度は5Hであった。その後、実施例1と同様に弾性ローラおよび現像ローラを作成し、外観評価および画像評価を行った。結果を表3に示す。
【0081】
(実施例3)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0082】
以下の成分を300mlのナスフラスコ中で混合した後、室温で30分攪拌し、次いで120℃に設定したオイルバス上で、20時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Iを得た。この縮合物Iの固形分(加水分解性シラン化合物が全て脱水縮合したと仮定した時のポリシロキサン重合物の溶液全重量に対する質量比率)は28.0質量%である。
・グリシドキシヘキシルトリエトキシシラン(GHeTES)(加水分解性シラン化合物)
50.11g(0.157mol)
・ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)(加水分解性シラン化合物)
[商品名:KBM−3063、信越化学工業(株)製]
41.90g(0.203mol)
・水 38.90g
・エタノール 85.46g
次に、上記縮合物I10.00gに、2−ブタノール18.00g/エタノール112.00gの混合溶剤を加え固形分2.0質量%とした。
【0083】
上記のように固形分2.0質量%に希釈した縮合物10.0gに下記の実施例1と同様な光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。接着剤の粘度は1.1mPa・sであった。次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、硬化した。接着剤層の厚さは19nm、塗工ムラは5.5nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度は6Hであった。その後、実施例1と同様に弾性ローラおよび現像ローラを作成し、外観評価および画像評価を行った。結果を表3に示す。
【0084】
(実施例4)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0085】
以下の成分を300mlのナスフラスコ中で混合した後、室温で30分攪拌し、次いで120℃に設定したオイルバス上で、20時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Iを得た。この縮合物Iの固形分(加水分解性シラン化合物が全て脱水縮合したと仮定した時のポリシロキサン重合物の溶液全重量に対する質量比率)は28.0質量%である。
・グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)(加水分解性シラン化合物)
[商品名:KBE−403、信越化学工業(株)製]
43.60g(0.157mol)
・ヘニコシルトリメトキシシラン(HenTMS)(加水分解性シラン化合物)
84.61g(0.203mol)
・水 25.93g
・エタノール 72.54g
次に、上記縮合物I10.00gに、2−ブタノール18.00g/エタノール112.00gの混合溶剤を加え固形分2.0質量%とした。上記のように固形分2.0質量%に希釈した縮合物10.0gに下記の実施例1と同様な光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。接着剤の粘度は1.05mPa・sであった。次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、硬化した。接着剤層の厚さは17nm、塗工ムラは6nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度は5Hであった。その後、実施例1と同様に弾性ローラおよび現像ローラを作成し、外観評価および画像評価を行った。結果を表3に示す。
【0086】
(実施例5)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0087】
以下の成分を300mlのナスフラスコ中で混合した後、室温で30分攪拌し、次いで120℃に設定したオイルバス上で、20時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Iを得た。この縮合物Iの固形分(加水分解性シラン化合物が全て脱水縮合したと仮定した時のポリシロキサン重合物の溶液全重量に対する質量比率)は28.0質量%である。
・グリシドキシヘプチルトリエトキシシラン(GHepTES)(加水分解性シラン化合物)
52.30g(0.157mol)
・ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)(加水分解性シラン化合物)
[商品名:KBM−3063、信越化学工業(株)製]
41.90g(0.203mol)
・水 38.90g
・エタノール 91.10g
次に、上記縮合物I10.00gに、2−ブタノール11.00g/エタノール72.00gの混合溶剤を加え固形分3.0質量%とした。上記のように固形分3.0質量%に希釈した縮合物10.0gに下記の実施例1と同様な光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。接着剤の粘度は1.2mPa・sであった。次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、硬化した。接着剤層の厚さは24nm、塗工ムラは8nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度は4Hであった。その後、実施例1と同様に弾性ローラおよび現像ローラを作成し、外観評価および画像評価を行った。結果を表3に示す。
【0088】
(実施例6)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0089】
接着剤の調整は、実施例1と同様の縮合物I10.00gに、2−ブタノール4.0g/エタノール26.00gの混合溶剤を加え固形分7.0質量%とした。上記のように固形分7.0質量%に希釈した縮合物10.0gに下記のような光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。
・芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製]をメチルイソブチルケトン(MIBK)で10質量%に希釈したもの 0.1g
・ビニルトリエトキシシラン
[商品名:SILQUEST A−171 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製] 1.0g
接着剤の粘度は1.6mPa・sであった。
【0090】
次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、硬化した。接着剤層の厚さは65nm、塗工ムラは15nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度は4Hであった。その後、実施例1と同様に弾性ローラおよび現像ローラを作成し、外観評価および画像評価を行った。結果を表3に示す。
【0091】
(実施例7)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0092】
接着剤の調整は、実施例1と同様の縮合物I10.00gに、2−ブタノール3.3g/エタノール21.70gの混合溶剤を加え固形分8.0質量%とした。上記のように固形分8.0質量%に希釈した縮合物10.0gに下記のような光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。
・芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製]をメチルイソブチルケトン(MIBK)で10質量%に希釈したもの 0.1g
・ビニルトリエトキシシラン
[商品名:SILQUEST A−171 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製] 1.0g
接着剤の粘度は1.7mPa・sであった。
【0093】
次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、硬化した。接着剤層の厚さは80nm、塗工ムラは20nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度は4Hであった。その後、実施例1と同様に弾性ローラおよび現像ローラを作成し、外観評価および画像評価を行った。結果を表3に示す。
【0094】
(実施例8)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0095】
接着剤の調整は、実施例1と同様の縮合物I10.00gに、2−ブタノール40.0g/エタノール260.00gの混合溶剤を加え固形分0.9質量%とした。上記のように固形分0.9質量%に希釈した縮合物10.0gに下記のような光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。
・芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製]をメチルイソブチルケトン(MIBK)で10質量%に希釈したもの 0.1g
・ビニルトリエトキシシラン
[商品名:SILQUEST A−171 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製] 1.0g
接着剤の粘度は0.9mPa・sであった。
【0096】
次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、硬化した。接着剤層の厚さは12nm、塗工ムラは4nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度は8Hであった。その後、実施例1と同様に弾性ローラおよび現像ローラを作成し、外観評価および画像評価を行った。結果を表3に示す。
【0097】
(実施例9)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0098】
以下の成分を300mlのナスフラスコ中で混合した後、室温で30分攪拌し、次いで120℃に設定したオイルバス上で、20時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Iを得た。この縮合物Iの固形分(加水分解性シラン化合物が全て脱水縮合したと仮定した時のポリシロキサン重合物の溶液全重量に対する質量比率)は28.0質量%である。
・グリシドキシメチルトリエトキシシラン(GMeTES)(加水分解性シラン化合物)
39.15g(0.157mol)
・メチルトリメトキシシラン(MeTMS)(加水分解性シラン化合物)
27.66g(0.203mol)
・水 38.90g
・エタノール 20.66g
次に、縮合物I10.00gに、2−ブタノール40.0g/エタノール260.00gの混合溶剤を加え固形分0.9質量%とした。上記のように固形分0.9質量%に希釈した縮合物10.0gに下記のような光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。
・芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製]をメチルイソブチルケトン(MIBK)で10質量%に希釈したもの 0.1g
・ビニルトリエトキシシラン
[商品名:SILQUEST A−171 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製] 1.0g
接着剤の粘度は0.9mPa・sであった。
【0099】
次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、硬化した。接着剤層の厚さは11nm、塗工ムラは4nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度は9Hであった。
【0100】
その後、実施例1と同様に弾性ローラおよび現像ローラを作成し、外観評価および画像評価を行った。結果を表3に示す。
【0101】
(実施例10)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0102】
接着剤の調整は、実施例1と同様の縮合物I10.00gに、2−ブタノール45.0g/エタノール295.0gの混合溶剤を加え固形分0.8質量%とした。上記のように固形分0.8質量%に希釈した縮合物10.0gに下記のような光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。
・芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製]をメチルイソブチルケトン(MIBK)で10質量%に希釈したもの 0.1g
・ビニルトリエトキシシラン
[商品名:SILQUEST A−171 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製] 1.0g
接着剤の粘度は0.80mPa・sであった。次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、硬化した。接着剤層の厚さは10nm、塗工ムラは5nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度は8Hであった。その後、実施例1と同様に弾性ローラおよび現像ローラを作成し、外観評価および画像評価を行った。結果を表3に示す。
【0103】
(実施例11)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0104】
接着剤の調整は、実施例1と同様の縮合物I10.00gに、2−ブタノール2.8g/エタノール18.2gの混合溶剤を加え固形分質量9.0質量%とした。上記のように固形分9.0質量%に希釈した縮合物10.0gに下記のような光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。
・芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製]をメチルイソブチルケトン(MIBK)で10質量%に希釈したもの 0.1g
・ビニルトリエトキシシラン
[商品名:SILQUEST A−171 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製] 1.0g
接着剤の粘度は1.80mPa・sであった。次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、硬化した。接着剤層の厚さは100nm、塗工ムラは22nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度は3Hであった。その後、実施例1と同様に弾性ローラおよび現像ローラを作成し、外観評価および画像評価を行った。結果を表3に示す。
【0105】
(比較例1)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0106】
以下の成分を300mlのナスフラスコ中で混合した後、室温で30分攪拌し、次いで120℃に設定したオイルバス上で、20時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Iを得た。この縮合物Iの固形分(加水分解性シラン化合物が全て脱水縮合したと仮定した時のポリシロキサン重合物の溶液全重量に対する質量比率)は28.0質量%である。
・ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)(加水分解性シラン化合物)
[商品名:KBM−3063、信越化学工業(株)製]
74.16g(0.36mol)
・水 38.90g
・エタノール 63.08g
次に、上記縮合物I10.00gに、2−ブタノール24.00g/エタノール153.00gの混合溶剤を加え固形分1.5質量%とした。
【0107】
上記のように固形分1.5質量%に希釈した縮合物10.0gに下記の実施例1と同様な光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。接着剤の粘度は1.05mPa・sであった。次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、紫外線を照射した。しかしながら接着剤層は硬化しなかった。
【0108】
(比較例2)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0109】
接着剤の調整は、実施例1と同様の縮合物I10.00gに、2−ブタノール36.00g/エタノール234.00gの混合溶剤を加え固形分1.0質量%とした。上記のように固形分1.0質量%に希釈した縮合物10.0gに下記のようなビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。
・ビニルトリエトキシシラン
[商品名:SILQUEST A−171 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製] 1.0g
接着剤の粘度は1.0mPa・sであった。
【0110】
次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、紫外線を照射した。しかしながら接着剤は硬化しなかった。
【0111】
(比較例3)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。接着剤の調整は、実施例1と同様の縮合物I10.00gに、2−ブタノール36.00g/エタノール234.00gの混合溶剤を加え固形分1.0質量%とした。上記のように固形分1.0質量%に希釈した縮合物10.0gに下記のような光カチオン重合開始剤を混合し、本発明における接着剤とした。
・芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製]をメチルイソブチルケトン(MIBK)で10質量%に希釈したもの 0.1g
接着剤の粘度は1.05mPa・sであった。
【0112】
次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、紫外線を照射した。しかしながら、接着剤層は硬化しなかった。
【0113】
(比較例4)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0114】
接着剤の調整は、実施例1と同様の縮合物I10.00gに、2−ブタノール24.00g/エタノール153.00gの混合溶剤を加え固形分1.5質量%とした。上記のように固形分1.5質量%に希釈した縮合物10.0gに下記のような光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。
・芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製]をメチルイソブチルケトン(MIBK)で10質量%に希釈したもの 0.1g
・ビニルトリエトキシシラン
[商品名:SILQUEST A−171 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製] 1.0g
接着剤の粘度は1.05mPa・sであった。次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、紫外線照射ではなく160℃に温調した熱風循環炉に2時間放置した。しかしながら接着剤層は硬化しなかった。
【0115】
(比較例5)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0116】
接着剤の調整は、実施例1と同様の縮合物I10.00gに、2−ブタノール73.00g/エタノール477.00gの混合溶剤を加え固形分0.5質量%とした。上記のように固形分0.5質量%に希釈した縮合物10.0gに下記のような光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。
・芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製]をメチルイソブチルケトン(MIBK)で10質量%に希釈したもの 0.1g
・ビニルトリエトキシシラン
[商品名:SILQUEST A−171 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製] 1.0g
接着剤の粘度は0.5mPa・sであった。次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、硬化した。接着剤層の厚さは5nm、塗工ムラは1nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度は9Hであった。その後、実施例1と同様に弾性ローラを作成したが、軸芯体と弾性層は接着しなかったため、外観評価及び画像評価は行わなかった。
【0117】
(比較例6)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0118】
接着剤の調整は、実施例1と同様の縮合物I10.00gに、2−ブタノール2.40g/エタノール15.60gの混合溶剤を加え固形分10.0質量%とした。上記のように固形分10.0質量%に希釈した縮合物10.0gに下記のような光カチオン重合開始剤およびビニル基含有シランカップリング剤を混合し、接着剤とした。
・芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製]をメチルイソブチルケトン(MIBK)で10質量%に希釈したもの 0.1g
・ビニルトリエトキシシラン
[商品名:SILQUEST A−171 SILANE、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製] 1.0g
接着剤の粘度は1.9mPa・sであった。次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、硬化した。接着剤層の厚さは120nm、塗工ムラは25nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度はBであった。その後、実施例1と同様に弾性ローラおよび現像ローラを作成し、外観評価および画像評価を行った。結果を表3に示す。
【0119】
(比較例7)
液状材料の調整は実施例1と同様にして行った。
【0120】
接着剤の調製として下記の材料を混合し、接着剤とした。
・フェニルトリエトキシシラン(PhTES) 3.0g
[商品名:KBE−103、信越化学工業(株)製]
・n−ヘキサン 96.0g
・硬化触媒 1.0g
接着剤の粘度は1.8mPa・sであった。
【0121】
次に実施例1と同様に軸芯体に接着剤を塗布し、紫外線照射ではなく160℃に温調した熱風循環炉に2時間放置して、接着剤層を硬化させた。接着剤層の厚さは100nm、塗工ムラは50nmであり、前述の方法で測定した鉛筆硬度は4Bであった。その後、実施例1と同様に弾性ローラおよび現像ローラを作成し、外観評価および画像評価を行った。結果を表3に示す。
【0122】
【表1】

【0123】
※比較例7は接着剤成分が異なる。詳細は明細中の比較例参照のこと。
【0124】
【表2】

【0125】
※接着剤が硬化しなかったため、測定できなかった。
【0126】
【表3】

【0127】
※1 耐久試験後半で、現像ローラの端部(非画像領域)にのみ弾性層の削れが認められた。
【0128】
接着剤層と弾性層の接着性が実施例1に比べて劣るためと推測される。
【0129】
※2 接着剤の硬化後、接着剤層の一部にひび割れが観察された。
【0130】
※3 接着剤が硬化しなかったため、評価できなかった。
【0131】
※4 接着剤層と弾性層が接着しなかったため、評価は行わなかった。
【符号の説明】
【0132】
101 軸芯体
102 弾性層
103 接着剤層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸芯体と、該軸芯体の外周に形成された接着剤層と、該接着剤層の外周に形成された弾性層とを有し、該接着剤層を介して該弾性層が該軸芯体に接着している電子写真用弾性ローラの製造方法において、
該軸芯体の外周に接着剤を塗布する工程と、
該接着剤を紫外線照射により硬化し、接着剤層を形成する工程と、
該接着剤層が形成された該軸芯体の周囲にリング状部材を装着する工程と、
環状塗工ヘッドを用いて該接着剤層の外周上に液状ゴムを吐出塗布する工程と、
塗布された該液状ゴムを加熱硬化し弾性層を形成する工程とを有し、
該接着剤は少なくとも、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン、光カチオン重合開始剤、およびビニル基を有するシランカップリング剤を含有し、該接着剤層の厚さは10nm乃至100nmであることを特徴とする電子写真用弾性ローラの製造方法。
【請求項2】
軸芯体の外周に塗布される接着剤の粘度が、1.0mPa・s乃至1.6mPa・sである請求項1に記載の電子写真用弾性ローラの製造方法。
【請求項3】
前記接着剤層の鉛筆硬度が4H以上8H以下である請求項1または2に記載の電子写真用弾性ローラの製造方法。
【請求項4】
前記接着剤層における塗工ムラが10nm以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真用弾性ローラの製造方法。
【請求項5】
前記接着剤が、前記エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランとして式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を含有し、更に式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を含有する請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真用弾性ローラの製造方法:
Ra―Z―Si―(OR)3 式(1)
Rb−Si−(OR)3 式(2)
[上記式(1)及び(2)中、Raはエポキシ基を、Zは炭素数が1以上6以下のアルキレン基を、Rは炭素数が1以上3以下のアルキル基を、Rbは炭素数が1以上21以下の直鎖状のアルキル基を表す]。
【請求項6】
式(1)及び式(2)で示される加水分解性シラン化合物のそれぞれが、グリシドキシプロピルトリエトキシシランとヘキシルトリメトキシシランである請求項5に記載の電子写真用弾性ローラの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−204361(P2010−204361A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49388(P2009−49388)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】