説明

電子写真画像形成方法及びプロセスカートリッジ

【課題】高光沢な画像を得ることができる画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供すること。
【解決手段】1種以上の有彩色トナー画像と透明トナー画像を形成する画像形成方法であって、透明トナー画像を形成する現像装置4が、透明トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を担持する現像ローラ5と、該現像ローラの軸線方向に沿って現像剤を搬送し、該現像ローラに現像剤を供給する現像剤供給搬送部材を備え、潜像担持体と対向する箇所を通過後の該現像剤は、中央部で該現像剤供給搬送路と仕切部材によって仕切られた、該現像ローラの軸線方向に沿って該現像剤を搬送する現像剤搬送路に回収され、該透明トナーの粘弾性において、損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=正接損失(tanδ)で表わされる正接損失が80〜160℃にピークを有し、かつ正接損失のピーク値が3以上であり、該透明トナーが滑剤を有していることを特徴とする画像形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真における画像形成方法およびプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザープリンタ、乾式静電複写機等の画像形成装置に用いられる電子写真法は、光導電性層などの像担持体表面を一様に帯電させ、次いでその像担持体表面を露光し、露光された部分の電荷を消散させることにより電気的な潜像を形成し、更に該潜像にトナーと呼ばれる電荷を持った微粉末等を付着することによって可視化させ、得られた可視像を転写紙等の記録媒体に転写した後、加熱、加圧などにより永久定着させるとともに、転写できずに像担持体表面に残った微粉末等を清掃する工程からなる。
【0003】
近年の画像形成装置では、トナー定着時の省エネルギー化の要求や高速で処理できる画像形成装置の要求が高まっており、トナー自体に低温で溶融する特性が求められている。
また、高画質化の要求も大きく、写真画像等の画像の要求に対しては記録用紙等の被記録媒体表面に光沢性を付与することによって、鮮明な高光沢画像を提供できることが知られている。
【0004】
これらは例えば有彩色トナーのない非画像部に透明トナーを配置することにより、被記録媒体上の有彩色トナーのある部分との光沢差をなくしたり、被記録媒体上の全面に透明トナーを配置したりする方法などが用いられている。(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)また有彩色トナーと透明トナー像が形成された被記録媒体を定着装置を用いて加熱溶融し、冷却剥離することで被記録媒体全面を高光沢の画像を形成する装置が開示(特許文献4参照)されている。
これらの方法によれば被記録媒体全面で光沢差をなくし均一な光沢を提供可能である。
一方、印刷分野においては、記録媒体の光沢を制御するためには、UVニス印刷、ニス引き、PP貼り加工などが一般に行なわれ、ある特定の部分的を高光沢とするいわゆるスポットニスが行なわれる。この場合、通常のカラー印刷の後に部分的に高光沢とするための版を作成し、UVニス等を用いてスポット印刷することが行なわれている。この方法によるとスポットニスを施した部分は写真のように高光沢を得ることができ、スポットニスを施さない部分は低い光沢で、画像上の光沢差が大きく通常の印刷と比べ差別化が図れるものである。
【0005】
しかしながら、オフセット印刷でこれを行なうためには専用の版を用意する必要があり、また可変データには対応できないため、一定以上の印刷ロット枚数が必要になる。
それに対して、レーザープリンタ、乾式静電複写機等の画像形成装置に用いられる電子写真法でこの性能を実現できれば、印刷用の版が不要となり可変データにも対応することができる。
【0006】
電子写真方式で同一被記録媒体上で異なる光沢を形成する方法としては、トナーに用いる樹脂の数平均分子量により光沢性を制御する方法(特許文献5参照)や有色トナーを定着した後、透明トナー像を形成し、定着温度を下げて光沢を下げる方法(特許文献6参照)が、更には、1回目には光沢範囲を印字、定着し、2回目に非光沢範囲を印字、定着する方法が開示(特許文献7参照)されている。これらの方法によれば同一被記録媒体上で異なる光沢を得ることは可能であるが、しかしながら、スポットニスで行なわれているような写真光沢に近いスポット高光沢は未だ実現できていない。
【0007】
従来、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いる現像装置として、図1に示す構造のものが知られている。図1に示す現像装置(4)は、現像剤担持体である現像ローラ(5)に現像剤を供給する搬送路と現像剤を攪拌する搬送路とを分けて設けており、2つの搬送路で現像剤を逆方向に搬送することにより現像剤を循環させている。
図1に示す現像装置では、現像ローラ(5)に現像剤を供給する搬送路と、現像ローラ(5)に供給され現像領域を通過した現像剤を回収する搬送路とが共通である。よって、現像ローラ(5)に供給する搬送路の搬送方向下流側ほど現像ローラ(5)に供給する現像剤のトナー濃度が低下するという問題があった。現像ローラ(5)に供給するトナー濃度が低下すると、現像時の画像濃度も低下する。
【0008】
このような問題は、特許文献8及び特許文献9に記載された現像装置のように現像ローラへの現像剤の供給用オーガと現像済みの現像剤の回収用オーガとを異なる現像剤搬送路に設けることによる解消策が示されている。以下、特許文献8及び特許文献9のそれぞれに記載された現像装置の構成について説明する。
【0009】
特許文献8に記載の現像装置を図2に示す。
図2に示す現像装置(4)は、現像ローラ(5)に現像剤を供給する供給搬送路(9)と現像領域を通過した現像剤を回収する回収搬送路(7)とを分けて設けている。
このような現像装置(4)では、現像領域を通過した現像剤は回収搬送路(7)に送られるため、供給搬送路(9)に混入することがない。これにより、供給搬送路(9)内の現像剤のトナー濃度が変化することなく、現像ローラ(5)に供給される現像剤のトナー濃度も一定となる。
【0010】
しかし、回収搬送路(7)に送られた現像剤をすぐに供給搬送路(9)に供給するため、トナーの補給がなされトナー濃度が適切に保たれていても、攪拌が不充分となり、現像時の画像濃度の不均一や濃度低下が発生するという問題がある。このような問題は、回収現像剤のトナー濃度が低下する高印字率の画像ほど顕著となる。
【0011】
次に、特許文献9に記載の現像装置を図3に示す。
図3に示す現像装置(4)も、現像ローラ(5)に現像剤を供給する供給搬送路(9)と現像領域を通過した現像剤を回収する回収搬送路(7)とを分けて設けている。さらに、供給搬送路(9)の最下流側まで搬送された現像剤と、回収搬送路(7)の最下流側まで搬送された回収現像剤とを攪拌しながら供給搬送路(9)とは逆方向に現像剤を搬送する攪拌搬送路(10)を備えている。
このような現像装置(4)では、現像済みの現像剤は回収搬送路(7)に送られるため、供給搬送路(9)に混入することがない。これにより、供給搬送路(9)内の現像剤のトナー濃度が変化することなく、現像ローラ(5)に供給される現像剤のトナー濃度も一定となる。
【0012】
さらに、回収現像剤をすぐに供給搬送路(9)に供給するのではなく、攪拌搬送路(10)で攪拌した後で供給搬送路(9)に現像剤を供給するため、現像されずに供給搬送路(9)を通過した現像剤と回収現像剤が攪拌された状態で再び供給搬送路に供給することができる。これにより、図2で説明した現像装置(4)の問題点であった、現像時の画像濃度の不均一や画像濃度の低下を防止する手法が示されている。
【0013】
しかし、これら特許文献の技術は、文献内にて画像濃度の安定化を目的としているとの記述があることから、有色のトナーを用いた現像方式を対象としていることは明らかであり、透明トナーを用いた現像方式で、なおかつ、光沢の安定性を目的とした技術ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記従来技術を鑑みてなされたものであり、低温定着性に優れ、高い耐ホットオフセット特性と良好な保管安定性を持ちながらも、記録媒体上でムラなく安定した高光沢な画像を得ることができる画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった。本発明はこれに基づいてなされたものであり、上記課題はつぎの(1)〜(10)の本発明によって好適に解決される。
(1)「記録媒体上に1種以上の有彩色トナー画像と透明トナー画像を形成する画像形成方法であって、少なくとも、前記透明トナー画像を形成する現像装置が、透明トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を表面上に担持して回転し、潜像担持体と対向する箇所で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送し、該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給搬送部材を備えた現像剤供給搬送路を有し、該潜像担持体と対向する箇所を通過後の該現像剤は、現像剤搬送部材を備え、少なくとも長手方向両端部を除く中央部で該現像剤供給搬送路と仕切部材によって仕切らた、該現像剤担持体の軸線方向に沿って該現像剤を搬送する現像剤搬送路に回収され、該透明トナーの粘弾性において、損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=正接損失(tanδ)で表わされる正接損失が80〜160℃にピークを有し、かつ正接損失のピーク値が3以上であり、該透明トナーが滑剤を有していることを特徴とする画像形成方法。」;
(2)「該現像剤担持体と、該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送し、該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給搬送部材を備えた現像剤供給搬送路と、該潜像担持体と対向する箇所を通過後の該現像剤担持体上から回収された該現像剤を該現像剤担持体の軸線方向に沿って、且つ、前記現像剤供給搬送部材と同方向に搬送する現像剤回収搬送部材を備えた現像剤回収搬送路と、現像に用いられずに該現像剤供給搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された余剰現像剤と、該現像剤担持体から回収され該現像剤回収搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された回収現像剤との供給を受け、該現像剤担持体の軸線方向に沿って、且つ、該余剰現像剤と該回収現像剤とを攪拌しながら該現像剤供給搬送部材とは逆方向に搬送する現像剤攪拌搬送部材を備え該現像剤を該現像剤供給搬送路に供給する現像剤攪拌搬送路と、を有し、該現像剤回収搬送路、該現像剤供給搬送路及び該現像剤攪拌搬送路からなる3つの現像剤搬送路はそれぞれ仕切り部材により仕切られ、該現像剤攪拌搬送路と該現像剤回収搬送路とはほぼ同じ高さに設けられ、該現像剤供給搬送路は他の2つの該現像剤搬送路の上方に位置するように設けられていることを特徴とする、前記(1)項に記載の画像形成方法。」;
(3)「該現像剤担持体と、該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送し該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給搬送部材を備えた現像剤供給搬送路と、現像に用いられずに該現像剤供給搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された余剰現像剤の供給を受け該現像剤担持体の軸線方向に沿って該余剰現像剤を攪拌しながら該現像剤供給搬送部材とは逆方向に搬送する現像剤攪拌搬送部材を備え該現像剤を該現像剤供給搬送路に供給する現像剤攪拌搬送路とを有し、該現像剤供給搬送路と該現像剤攪拌搬送路は、少なくとも長手方向両端部を除く中央部で仕切部材によって仕切られており、該潜像担持体と対向する箇所を通過した現像剤は、該現像剤攪拌搬送路に回収され該現像剤攪拌搬送路を搬送されてきた現像剤と混合された後に該現像剤供給搬送路へ供給されることを特徴とする、前記(1)項に記載の画像形成方法。」;
(4)「前記透明トナー画像による少なくとも1層のトナー層が、記録媒体上で最表面に形成されることを特徴とする、前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の画像形成方法」。
(5)「前記透明トナーを構成する熱可塑性樹脂が、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が6以下のポリエステル樹脂からなることを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載の画像形成方法。」;
(6)「前記透明トナーを構成する熱可塑性樹脂として、結晶性のポリエステル樹脂を含有することを特徴とする前記(1)項乃至(5)項のいずれかに記載の画像形成方法。
(7)「前記透明トナーが、内部に脂肪酸アマイド系滑剤を含有することを特徴とする、前記(1)項乃至(6)項のいずれかに記載の画像形成方法。」;
(8)項「前記有彩色トナー上に形成された透明トナーの定着後のトナー層が1〜15μmであることを特徴とする、前記(1)項乃至(7)項のいずれかに記載の画像形成方法。」;
(9)「前記現像装置と、トナーもしくは現像剤を補給する補給装置を有し、該補給装置が、形状が容易に変形する、補給用トナーもしくは現像剤を収納する収納容器と、該収納容器内の補給用トナーもしくは現像剤を吸引して該現像装置に供給する吸引ポンプを有する画像形成装置が用いられることを特徴とする、前記(1)項乃至(8)項のいずれかに記載の画像形成方法。」;
(10)「像担持体と、少なくとも像担持体上に形成された静電潜像をトナー及びキャリアを含む現像剤により可視像とする現像装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能に備えられ、前記(1)項乃至(9)項のいずれかに記載の画像形成方法に用いられることを特徴とするプロセスカートリッジ。」。
【発明の効果】
【0016】
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、上記(1)項及び(2)項記載の本発明により、低温定着性に優れ、高い耐ホットオフセット特性と良好な保管安定性を持ちながらも、記録媒体上でムラなく安定した高光沢な画像が得られる画像形成方法を提供することができ、また、上記(3)項記載の本発明により、低温定着性に優れ、高い耐ホットオフセット特性と良好な保管安定性を持ちながらも、トナー補給によるトナー濃度の変動に対しても迅速な対応が可能で、記録媒体上でムラなく更に安定した高光沢な画像が得られる画像形成方法を提供することができ、加えて、現像装置をコンパクトなものにすることができるという利点もある。さらに、透明トナー画像による少なくとも1層のトナー層が、記録媒体上で最表面に形成される場合には、叙上の効果に加えて、より効率的に高光沢な画像を得ることができ、また、前記透明トナーを構成する熱可塑性樹脂が、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が6以下のポリエステル樹脂からなるものであることにより、より高い光沢を得ることができ、更に、透明トナーの熱可塑性樹脂が結晶性のポリエステル樹脂を含有するものであることにより、低温での定着性が向上し、低温での光沢性を向上させることができ、更に、透明トナーが、内部に脂肪酸アマイド系滑剤を含有することにより、叙上の効果に加えて、充分な光沢を得つつ、良好な定着強度と透過性を得ることができ、また、前記のような現像装置と、トナーもしくは現像剤を補給する補給装置を有し、該補給装置が、形状が容易に変形する、補給用トナーもしくは現像剤を収納する収納容器と、該収納容器内の補給用トナーもしくは現像剤を吸引して該現像装置に供給する吸引ポンプを有する画像形成装置が用いられることにより、収容容器内の補給用トナーもしくは現像剤が消費された後は収容容器のみを取り外して廃棄することができ、なおかつ、廃棄時には容器が減容されるため、廃棄物の量を少なくすることができる、というきわめて優れた効果が発揮される。また叙上の、プロセスカートリッジは、低温定着性に優れ、高い耐ホットオフセット特性と良好な保管安定性を持ちながらも、記録媒体上でムラなく安定した高光沢な画像が得ることができる画像形成装置を着脱可能なプロセスカートリッジとして使用することができる、というきわめて優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】現像剤供給搬送路と、現像剤回収搬送路とが共通である従来の二成分現像装置の1例を示す図である。
【図2】現像剤供給用オーガを有する第1の攪拌室と現像剤回収用オーガを有する第2の攪拌室とを現像剤搬送路に設けてなり、本発明で用いられる二成分現像装置の1例を示す図である。
【図3】現像剤供給搬送路の最下流側まで搬送された現像剤と、供給搬送路とは異なる現像剤回収搬送路の最下流側まで搬送された回収現像剤とを攪拌しながら現像剤供給搬送路とは逆方向に現像剤を搬送する攪拌搬送路を備え、本発明で用いられる二成分現像装置の別の1例を示す図である。
【図4】本発明における電子写真現像装置を具備したカラー画像形成装置の1例を示す図である。
【図5】仕切り部材により仕切られた現像剤供給搬送路、現像剤回収搬送路、現像剤攪拌搬送路をもつ現像方式の1例を示す。
【図6】該現像方式における現像剤搬送路内の現像剤の流れを説明する図である。
【図7】該現像方式内の現像剤の流れの模式図である。
【図8】潜像担持体例としての感光体を用いた画像形成装置に、本発明の現像装置(3)を用いたときの感光体まわりの概略を示した各部材配置構成図である。
【図9】現像剤供給搬送部材と現像剤撹拌搬送部材との関係を含む現像装置の内部の構成例を組み立て状態で示した図である。
【図10】現像剤供給搬送部材と現像剤撹拌搬送部材との関係を含む現像装置の内部の個々の構成例を示した図である。
【図11】本発明で使用されるトナー補給装置例の概略構成図である。
【図12】該トナー補給装置のトナー補給器に設けられるノズルの概略構成を示す図である。
【図13】前記トナー補給装置例におけるスクリューポンプの概略構成を示す断面図である。
【図14】本発明における現像剤収容部材例に現像剤を充填した状態の斜視図である。
【図15】該現像剤収容部材内部の現像剤が排出されて減容した(しぼんだ)状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった。その結果、画像形成装置において、透明トナー画像を形成する少なくとも現像装置で、二成分現像方式における現像剤に用いるトナーとして、損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=正接損失(tanδ)で表わされる正接損失が80〜160℃にピークを有し、かつ正接損失のピーク値が3以上であり、滑剤を有している透明トナーを使用し、現像装置として、透明トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を表面上に担持して回転し、潜像担持体と対向する箇所で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送し、該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給搬送部材を備えた現像剤供給搬送路と、該潜像担持体と対向する箇所を通過後の該現像剤担持体上から回収された該現像剤を該現像剤担持体の軸線方向に沿って、且つ、前記現像剤供給搬送部材と同方向に搬送する現像剤回収搬送部材を備えた現像剤回収搬送路と、現像に用いられずに該現像剤供給搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された余剰現像剤と、該現像剤担持体から回収され該現像剤回収搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された回収現像剤との供給を受け、該現像剤担持体の軸線方向に沿って、且つ、該余剰現像剤と該回収現像剤とを攪拌しながら該現像剤供給搬送部材とは逆方向に搬送する現像剤攪拌搬送部材を備え、該現像剤を該現像剤供給搬送路に供給する現像剤攪拌搬送路とを有し、該現像剤回収搬送路、該現像剤供給搬送路及び該現像剤攪拌搬送路からなる3つの現像剤搬送路はそれぞれ仕切り部材により仕切られ、該現像剤攪拌搬送路と該現像剤回収搬送路とはほぼ同じ高さに設けられ、該現像剤供給搬送路は他の2つの該現像剤搬送路の上方に位置するように設けられているという特定構造の現像装置を用いることで、低温定着性に優れ、高い耐ホットオフセット特性と良好な保管安定性を持ちながらも、同時に、記録媒体上でムラなく安定した高光沢な画像を得ることができるということを見出した。
また、現像装置として、透明トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を表面上に担持して回転し、潜像担持体と対向する箇所で該潜像担持体の表面の潜像に該透明トナーを供給して現像する現像剤担持体と、該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送し、該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給搬送部材を備えた現像剤供給搬送路と、現像に用いられずに該現像剤供給搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された余剰現像剤の供給を受け、該現像剤担持体の軸線方向に沿って、該余剰現像剤を攪拌しながら該現像剤供給搬送部材とは逆方向に搬送する現像剤攪拌搬送部材を備え、該現像剤を該現像剤供給搬送路に供給する現像剤攪拌搬送路とを有し、該現像剤供給搬送路と該現像剤攪拌搬送路は、少なくとも長手方向両端部を除く中央部で仕切部材によって仕切られており、該潜像担持体と対向する箇所を通過した現像剤は、該現像剤攪拌搬送路に回収され、該現像剤攪拌搬送路を搬送されてきた現像剤と混合された後に該現像剤供給搬送路へ供給されるという特定構造の現像装置を用いると、低温定着性に優れ、高い耐ホットオフセット特性と良好な保管安定性を持ちながらも、同時に、トナー補給によるトナー濃度の変動に対しても迅速な対応が可能で、記録媒体上でムラなく更に安定した高光沢な画像を得ることができるということを見出した。また、現像剤搬送経路が前記の現像装置よりも少ないため、現像装置をコンパクトなものにすることができるという利点もある。
【0019】
すなわち、より具体的には、供給部材(1軸目)による供給搬送路、攪拌搬送部材(2軸目)による攪拌搬送路からなる二つの搬送路を要件とする現像装置、および、供給部材(1軸目)による供給搬送路、攪拌搬送部材(2軸目)による攪拌搬送路、回収搬送部材(3軸目)による回収搬送路の3つの搬送路を要件とする現像装置を本発明は包含する。
どちらにも共通するのは、供給部材によって現像領域に供給された現像剤は、そのまま供給搬送路へは戻らず、直接、もしくは回収搬送路を経由して攪拌搬送路へ送られ、攪拌工程を経てから再度供給搬送路に送られるという点である。以降このような現像方式を本明細書では一方向循環現像と記載することもある。前者の現像方式は、回収搬送部材(3軸目)による回収搬送路がなく、現像領域を通過した現像剤が、攪拌搬送路へ直で送られる(2軸の一方向循環現像方式)が、これに対し、後者の現像方式においては、現像領域を通過した現像剤は一旦回収搬送路に回収され、攪拌搬送路へ送られる(3軸の一方向循環現像方式)。いずれの現像方式においても、現像領域に供給されることなく供給搬送路を通過してきた現像剤と、現像領域を通過して攪拌搬送路若しくは回収搬送路に回収された現像剤は、攪拌搬送路にて混合され、供給搬送路へ送られる。
【0020】
そのため、供給搬送路に、現像に用いられたためにトナー濃度が低下した現像剤が混入することがないため、現像時にトナー濃度のムラに起因するトナー付着量のムラが発生しにくい。そのため、記録媒体上の何れの部分においても、安定した厚さの透明トナー画像を形成することができ、光沢の安定した画像を提供することが可能となる。
【0021】
画像形成装置の構成を、2軸の一方向循環現像のように、現像剤回収搬送路を用いらず、潜像担持体を通過した現像剤が現像剤攪拌搬送路に回収され、現像剤攪拌搬送路を搬送されてきた現像剤と混合された後に現像剤供給搬送路へ供給されるようにすると、トナー補給を行なった際の、現像剤中へのトナーの分散及び均一化が非常に早いという利点がある。
画像形成装置内を現像剤が周回しているところにトナーを補給すると、補給直後には、どうしてもトナー濃度の高い箇所とトナー濃度の低い箇所が発生してしまう。トナー濃度を均一にするためには、補給したトナーが速やかに現像剤全体に行き届く必要がある。
【0022】
現像剤供給搬送路と現像剤攪拌搬送路しか現像剤の搬送経路がない従来の画像形成装置や、3軸の一方向循環現像装置のように、現像剤の周回経路長が決定している画像形成装置の場合、流動する現像剤の流れの中でトナーが補給された部分から最も遠い部分まで補給トナーが行き届くには時間がかかってしまう。そのため、その間に現像領域に供給される現像剤にはトナー濃度にムラが生じてしまう恐れがあり、その場合、出力画像濃度ムラの原因となる。
【0023】
2軸の一方向循環現像の場合、現像剤供給搬送路に流れ込んだトナー濃度の高い現像剤は、現像剤攪拌搬送路を流れる現像剤に対して現像領域を経由して長手方向全体に回収されるため、現像剤全体に対する補給トナーの行き届きが早い。その結果、トナー濃度の均一化が早く、トナー補給に起因する出力画像の濃度ムラ発生を防ぐことができる。
更に、2軸の一方向循環現像は、現像剤回収搬送路が存在しないため、現像装置をコンパクトなものにすることが可能であるという利点もある。
【0024】
本発明の透明トナーは粘弾性測定において損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=正接損失(tanδ)で表わされる正接損失が80〜160℃にピークを有しており、正接損失のピーク値が3以上である樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂が好ましい。
【0025】
低温で定着し高い光沢性を確保するためにはある温度(ガラス状体からゴム状体を経て流動体状になる溶融温度)から著しく貯蔵弾性が低い値を示す必要がある。このように貯蔵弾性率(G’)が著しく低下する特性は表面平滑度の低い記録紙や有彩色トナーの微小凹凸に入り込みやすく、いわゆる延展性にも優れる。その一方で、耐ホットオフセットの観点から貯蔵弾性率(G’)はある粘度になってからは低下の傾きは緩やかになりその粘度を維持することが重要である。さらに損失弾性率(G”)は貯蔵弾性率(G’)のような著しい低下を起こさないとしても急激な低下を起こす必要がある。
このように貯蔵弾性率(G’)がある温度から著しく低下しつつ、ある温度域で(外部からの正弦応力印加に対する)非発現ひずみ(compliance)の極大値を示さない(外部から加えられた正弦刺激に感応しない、すなわち、インプットされた刺激力が内部消失する虚数項の形の極大アウトプットロスがない)と、正接損失のピークは発現しない。
このような特性を持つトナーのみが正接損失のピークを持つが、そのピークの温度は80〜160℃に発現することが好ましく、正接損失の値が3以上であることが好ましい。
ピークの温度が80℃以下であると保管環境で貯蔵弾性率(G’)が低下しトナーとしての保存性が悪くなってしまい、保管環境でトナーが凝集してしまう。160℃以上であると低温で定着する目的が損なわれてしまう。
また正接損失の値が3より小さいと、損失弾性率(G”)のカーブと比較して貯蔵弾性率(G’)があまり低下しておらず、低温定着と耐ホットオフセットの効果があまり得られない。
【0026】
本発明におけるトナーの正接損失(tanδ)は粘弾性測定によって測定される。トナーを0.8g、φ20mmのダイスを用い30Mpaの圧力で成型し、TA社製ADVANCED RHEOMETRIC EXPANSION SYSTEMでφ20mmのパラレルコーンを使用して周波数1.0Hz、昇温速度2.0℃/分、歪み0.1%(自動歪み制御:許容最小応力1.0g/cm、許容最大応力500g/cm、最大付加歪み200%、歪み調整200%)で、損失弾性率(G”)、貯蔵弾性率(G’)、正接損失(tanδ)の測定を行なった。このとき貯蔵弾性率(G’)が10以下になった場合の正接損失(tanδ)の値は除外した。
【0027】
さらに本発明に使用する透明トナーの熱可塑性樹脂は重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が6以下であることが好ましい。特に樹脂中に架橋モノマーを多く含有し、多量に分岐させた分子量分布の広い樹脂は定着した際に光沢が出ず本発明には適さない。
高い光沢を出すためには線状のポリエステル樹脂あるいは微量に架橋したポリエステル樹脂を用いることが好ましい。このときの重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は6以下が好ましく、更に好ましくは5以下である。重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が6よりも大きいポリエステル樹脂は光沢が低くなり好ましくない。また線状のポリエステル樹脂あるいは微量に架橋したポリエステル樹脂は分子量の異なった複数の線状ポリエステル樹脂あるいは微量に架橋したポリエステル樹脂を用いることも可能である。
【0028】
本発明における結着樹脂の数平均分子量、重量平均分子量は、THF溶解分の分子量分布をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定装置GPC−150C(ウォーターズ社製)によって測定することで得られる。カラムにはKF801〜807(ショウデックス社製)を使用した。測定は以下の方法で行なう。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流した。試料0.05gをTHF5gに充分に溶かした後、前処理用フィルター(例えば、孔径0.45μm クロマトディスク(クラボウ製))で濾過し、最終的に試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料のTHF溶解分の重量平均分子量Mw、個数平均分子量Mnの測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressureChemical Co.、あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。
また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0029】
更に本発明に用いられる画像形成装置においては1回の定着でも充分可能であるが、更に高い光沢を得たい場合は、高光沢とする部分を第一の画像形成時に有彩色トナーと透明トナーとで潜像形成、露光、現像し記録媒体に転写した後、定着機で定着した後、第二の画像形成で有彩色トナーを潜像形成、露光、現像し記録媒体に転写した後、定着機で定着することができる。これにより通常光沢部分は1回の定着で、高光沢の部分は2回定着機を通過することになる。
【0030】
定着機を2回通過することによって、透明トナーを形成した部分は透明トナーを形成していない部分よりもトナー量が多いが、定着機を2回通過することによって充分に熱量を供給することができ、更に表面の平滑性が上がり高い光沢を出すことができる。
通常光沢部分も低い定着温度で使用するわけではなく、1回の定着で充分な定着強度を維持できるだけの熱量を与えて使用する。
本画像形成装置では高光沢を実現する透明トナーは有彩色トナーの上部に形成され、定着機に接触するため有彩色トナーよりも高い離型性、耐ホットオフセット性かつ高い光沢性が求められる。
【0031】
有彩色トナーの光沢性は使用目的によって選択することができる。全体に高い光沢性が要求される場合は、トナーの重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が小さいものを使用すればよく、低い光沢性が要求される場合は、トナーの重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が大きいものを選択すればよい。
しかしながら、有彩色トナーの光沢が高い場合は透明トナーの光沢も高くなりやすいが、記録媒体上での光沢差は低くなる。一方、有彩色トナーの光沢が低いトナーを用いる場合は、記録媒体上での光沢差は大きくしやすいが透明トナーを載せても高い光沢が出にくくなる。
【0032】
これは光沢の低い有彩色トナーの場合、有彩色トナー樹脂自体が粘弾性によりもとに戻ろうとする力が働くため有彩色トナーと透明トナーの界面で光の散乱が起きやすくなるためである。このように有彩色トナーの光沢が低い場合は、透明トナー層を厚くすることによって高光沢を実現することができる。本発明の場合、有彩色トナー上に形成された透明トナーの定着後のトナー層の厚みは1〜15μmであることが好ましい。1μm以下であると高光沢化が難しく、15μm以上であると定着強度が弱くなるとともに、透過性が悪くなり有彩色トナーの色再現性が悪くなるからである。なおトナー層厚みの測定方法は被記録媒体をミクロトームで切断しトナー層厚みを確認する。
【0033】
また本発明の透明トナーは、粘弾性測定において損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=正接損失(tanδ)で表わされる正接損失が80〜160℃にピークを有しているが、結晶性のポリエステル樹脂を併用することも可能である。
結晶性のポリエステル樹脂を併用すると低温での定着が可能になると共に、低温でも画像の光沢性を上げることが可能になる。結晶性ポリエステル樹脂の含有量はポリエステル樹脂100部に対して1〜25部、好ましくは1〜15部である。結晶性ポリエステル樹脂の比率が高くなると、感光体等像担持体表面にフィルミングを起こしやすくなると共に、保存安定性が悪化する。さらに結晶性ポリエステル樹脂の比率が高くなると樹脂の透明性が損なわれ、透明トナーとして要求される透明性を確保できなくなってしまう。またトナー内部に脂肪酸アマイド系の滑剤を含有すると、滑剤としても効果的だが、結晶性ポリエステルの結晶化が促進され、保存安定性を改良することが可能である。
【0034】
本発明の透明トナーには滑剤を含有する必要がある。透明トナーは画像の最上部に位置するため高い耐ホットオフセット性が求められ、滑剤を含有することで定着部材との離型性を大きくすることができる。使用できる滑剤としては流動パラフィン、マイクロリスタンワックス、天然パラフィン、合成パラフィン、ポリオレフィンワックス、及びこれらの部分酸化物、あるいはフッ化物、塩化物などの脂肪族炭化水素系滑剤、牛脂、魚油などの動物油、やし油、大豆油、菜種油、米ぬかワックス、カルナウバワックスなどの植物油、モンタンワックスなど高級脂肪族アルコール・高級脂肪酸系滑剤、脂肪酸アマイド、脂肪酸ビスアマイド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛などの金属石鹸系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、ポリフッ化ビニリデンなどが使用できるがこれらに限定されるものではない。滑剤は単独或は複数組合せて用いることができるが、トナー内部に含有する場合は定着用樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは1〜7重量部の範囲で含有する。トナー内部に滑剤を含有することにより定着時の耐ホットオフセット性能と定着強度を得ることができ、高い擦り試験強度を得ることができる。これにより高速の画像形成装置で用いた場合、低温定着性が確保することができる。添加量が0.1重量部よりも少ないとオフセットが発生し易くなり、10重量部よりも多くなるとキャリアスペントは発生しやすくなり、さらに画質が劣化し易くなる。トナー表面層に滑剤を含有する場合は、定着用樹脂100重量部に対して0.001〜1重量部、好ましくは0.01〜0.3重量部の範囲で含有することが好ましい。
トナー粒子表面層に滑剤を含有する場合、滑剤が直接的に像担持体と接触するため、像担持体表面に薄い膜を形成し、トナーを容易に剥がすことや再付着の防止に効果がある。
【0035】
また透明トナー、有彩色トナーは帯電制御剤を含有することができる。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、ホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類、有機金属錯体、キレート化合物、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体、第四級アンモニウム塩がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類がある。これらの単独或いは2種類以上を組み合せて用いることができる。
【0036】
これらの帯電制御剤をトナーに内部添加する場合、定着用樹脂に対して0.1〜10重量部添加することが好ましく、帯電制御剤により着色されている場合もあるため、透明トナーの場合はできるだけ白色又は透明色のものを選定する。
【0037】
さらには透明トナー、有彩色トナーには外部添加剤を含有することができる。外部添加剤には例えば、シリカ、テフロン(登録商標)樹脂粉末、ポリ沸化ビニリデン粉末、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤、或いは例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末の如き流動性付与剤、凝集防止剤、樹脂粉末、或いは例えば、酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤、また、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として用いることもできる。これらは単独或いは複数組合せて使用することができ、空転等の現像ストレスに対して耐性を持たせるように選択される。
【0038】
二成分現像剤方式を用いる場合、磁性キャリアに用いる磁性体微粒子としてはマグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Zn、Mg、Cu等)を一種又は二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や合金の粒子を使用できる。その形状は粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合は鉄等の強磁性微粒子を用いることが好ましい。また、化学的な安定性を考慮するとマグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトを用いることが好ましい。
【0039】
具体的には、MFL−35S、MFL−35HS(パウダーテック社製)、DFC−400M、DFC−410M、SM−350NV(同和鉄粉工業社製)等が好適な例として挙げられる。
強磁性微粒子の種類及び含有量を選択することにより所望の磁化を有する樹脂キャリアを使用することもできる。このときのキャリアの磁気特性は1,000エルステッドにおける磁化の強さは30〜150emu/gが好ましい。このような樹脂キャリアは磁性体微粒子と絶縁性バインダー樹脂との溶融混練物をスプレードライヤーで噴霧して製造したり、磁性体微粒子の存在下に水性媒体中でモノマーないしプレポリマーを反応、硬化させ縮合型バインダー中に磁性体微粒子が分散された樹脂キャリアを製造できる。
【0040】
磁性キャリアの表面には正または負帯電性の微粒子または導電性微粒子を固着させたり、樹脂をコーティングしたりして帯電性を制御できる。
表面のコート材としてはシリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が用いられ、さらに正または負帯電性の微粒子または導電性微粒子を含んでコーティングすることができるが、シリコーン樹脂及びアクリル樹脂が好ましい。
【0041】
本発明の電子写真用トナーと磁性キャリアとの混合比はトナー濃度として2〜10wt%が好ましい。
またトナー粒子の粒度は種々の方法により測定されるが、本発明ではコールターカウンターマルチサイザーIIIを用い個数分布、体積分布を測定した。このとき、測定試料は界面活性剤を加えた電解液中に測定トナーを加え超音波分散機で1分間分散させたものを50,000個測定した。トナー粒子の平均粒径は2〜10μmが好ましい。
【0042】
本発明における透明トナー、有彩色トナーを作製するには定着用樹脂、滑剤、必要に応じて着色剤、更に必要に応じて帯電制御剤、滑剤、添加剤を均一に分散した定着用樹脂を組合せてヘンシェルミキサー、スーパーミキサーの如き混合機により充分混合してから加熱ロール、ニーダ、エクストルーダーの如き熱溶融混練機を用いて溶融混練して素材類を充分に混合せしめた後、冷却固化後微粉砕及び分級を行なってトナーを得る。このときの粉砕方法としては高速気流中にトナーを包含させ、衝突板にトナーを衝突させそのエネルギーで粉砕するジェットミル方式やトナー粒子同士を気流中で衝突させる粒子間衝突方式、更には高速に回転したロータと狭いギャップ間にトナーを供給し粉砕する機械式粉砕法等が使用できる。
【0043】
また、トナー材料を有機溶媒相に溶解または分散させた油相を、水系媒体相中に分散させ、樹脂の反応を行なった後、脱溶剤し、濾過と洗浄、乾燥することにより、トナーの母体粒子を製造する溶解懸濁法でも可能である。また、ポリエステル伸長法によってトナーの母体粒子を製造してもよい。
【0044】
本発明における電子写真現像装置を用いた画像形成装置の一例を図4に示す。
図4の符号(101A)は駆動ローラ、(101B)は従動ローラ、(102)は潜像担持体例としての感光体ベルト、(103)は帯電器、(104)はレーザ書き込み系ユニット、(105A)〜(105D)はそれぞれイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色のトナーを収容する現像ユニット、(105E)は透明のトナーを収容する現像ユニット、(106)は給紙カセット、(107)は中間転写ベルト、(107A)は中間転写ベルト駆動用の駆動軸ローラ、(107B)は中間転写ベルトを支持する従動軸ローラ、(108)はクリーニング装置、(109)は定着ローラ、(109A)は加圧ローラ、(110)は排紙トレイ、(113)は紙転写ローラを示している。
【0045】
このカラー画像形成装置では、前記転写ドラムに対して可撓性の中間転写ベルト(107)が使用されており、該中間転写体たる中間転写ベルト(107)は駆動軸ローラ(107A)と一対の従動軸ローラ(107B)に張架されて時計方向に循環搬送されていて、一対の従動軸ローラ(107B)間のベルト面を駆動ローラ(101A)の外周の感光体ベルト(102)に対して水平方向から当接させた状態としている。
【0046】
通常のカラー画像出力時は、感光体ベルト(102)上に形成される各色のトナー像は、形成の都度前記中間転写ベルト(107)に転写されて、カラーのトナー像を合成し、これを給紙カセット(106)から搬送される転写紙に対し紙転写ローラ(113)によって一括転写し、転写後の転写紙は定着装置の定着ローラ(109)と加圧ローラ(109A)の間へと搬送され、定着ローラ(109)と加圧ローラ(109A)による定着後、排紙トレイ(110)に排紙される。
【0047】
現像ユニット(105A)〜(105E)がトナーで現像すると、現像ユニットに収容されている現像剤のトナー濃度が低下する。現像剤のトナー濃度の低下はトナー濃度センサ(図示せず)により検知される。トナー濃度の低下が検知されると、各現像ユニットにそれぞれ接続されているトナー補給装置(図示せず)が稼動し、トナーを補給してトナー濃度を上昇させる。このとき、補給されるトナーは現像ユニットに収容されているトナーと同色のものである。
トナーの補給方法に制限はなく、例えば、スクリュー搬送によってトナーを搬送してもよいし、気流によるエアー搬送にてトナーを搬送してもよい。
【0048】
図4の例では中間転写ベルト上にトナー像を重ねて画像を形成しているが、中間転写ベルトを用いることなく転写ドラムから直接に記録媒体へ転写を行なうシステムにおいても、同様に本発明の電子写真画像形成装置とすることができる。
【0049】
次に、現像装置周辺の構成について説明する。図5〜7は、仕切り部材により仕切られた現像剤供給搬送路、現像剤回収搬送路、現像剤攪拌搬送路をもつ現像方式を図示したものである。
【0050】
図5は、5つの現像装置(105A、B、C、D、E)のうち、少なくとも(105E)が備える現像装置(4)及び感光体(1)を示す拡大構成図である。
図5に示すように感光体(1)は図中矢印(G)方向に回転しながら、その表面を不図示の帯電装置により帯電される。帯電された感光体(1)の表面は不図示の露光装置より照射されたレーザ光により静電潜像を形成された潜像に現像装置(4)からトナーを供給され、トナー像を形成する。
現像装置(4)は、図中矢印(I)方向に表面移動しながら感光体(1)の表面の潜像に現像剤を供給し、現像する現像剤担持体としての現像ローラ(5)を有している。また、現像ローラ(5)に現像剤を供給しながら図5の奥方向に現像剤を搬送する現像剤供給搬送部材としての供給スクリュー(8)を有している。
現像ローラ(5)の供給スクリュー(8)との対向部から表面移動方向下流側には、現像ローラ(5)に供給された現像剤を現像に適した厚さに規制する現像剤規制部材としての現像ドクタ(12)を備えている。
現像ローラ(5)の感光体(1)との対向部である現像部から表面移動方向下流側には、現像部を通過した現像済みの現像剤を回収し、回収した回収現像剤を供給スクリュー(8)と同方向に搬送する現像剤回収搬送部材としての回収スクリュー(6)を備えている。供給スクリュー(8)を備えた現像剤供給搬送路である供給搬送路(9)は、現像ローラ(5)の横方向に、回収スクリュー(6)を備えた現像剤回収搬送路としての回収搬送路(7)は現像ローラ(5)の下方に並設されている。
【0051】
現像装置(4)は、供給搬送路(9)の下方で回収搬送路(7)に並列して、現像剤攪拌搬送路である攪拌搬送路(10)を設けている。攪拌搬送路(10)は、現像剤を攪拌しながら供給スクリュー(8)とは逆方向である図中手前側に搬送する現像剤攪拌搬送部材としての攪拌スクリュー(11)を備えている。
【0052】
供給搬送路(9)と攪拌搬送路(10)とは仕切り部材としての第一仕切り壁(133)によって仕切られている。第一仕切り壁(133)の供給搬送路(9)と攪拌搬送路(10)とを仕切る箇所は図中手前側と奥側との両端は開口部となっており、供給搬送路(9)と攪拌搬送路(10)とが連通している。
なお、供給搬送路(9)と回収搬送路(7)とも第一仕切り部材(133)によって仕切られているが、第一仕切り壁(133)の供給搬送路(9)と攪拌搬送路(7)とを仕切る箇所には開口部を設けていない。
【0053】
また、攪拌搬送路(10)と回収搬送路(7)との2つの搬送路は仕切り部材としての第二仕切り壁(134)によって仕切られている。第二仕切り壁(134)は、図中手前側が開口部となっており、攪拌搬送路(10)と回収搬送路(7)とが連通している。
現像剤搬送部材である供給スクリュー(8)、回収スクリュー(6)及び攪拌スクリュー(11)は、この例の装置では、樹脂のスクリューからなっており、一例としては、各スクリュー径を全てφ18[mm]、スクリューピッチを25[mm]、回転数を約600[rpm]としたものが挙げられる。
【0054】
現像ローラ(5)上にステンレスからなる現像ドクタ(12)によって薄層化された現像剤を感光体(1)との対抗部である現像領域まで搬送し現像を行なう。現像ローラ(5)の表面はV溝あるいはサンドブラスト処理されており、構成の一例としては、φ25[mm]のAl[アルミ]素管を用い、現像ドクタ(12)及び感光体(1)とのギャップを0.3[mm]程度にしたものが挙げられる。
【0055】
現像後の現像剤は回収搬送路(7)にて回収を行ない、図5中の断面手前側に搬送され、非画像領域部に設けられた第一仕切り壁(133)の開口部で、攪拌搬送路(10)へ現像剤が移送される。なお、攪拌搬送路(10)における現像剤搬送方向上流側の第一仕切り壁(133)開口部の付近で攪拌搬送路(10)の上側に設けられたトナー補給口から攪拌搬送路(10)にトナーが供給される。
【0056】
次に、3つの現像剤搬送路内での現像剤の循環について説明する。
図6は現像剤搬送路内の現像剤の流れを説明する現像装置(4)の斜視断面図である。図中の各矢印は現像剤の移動方向を示している。
また、図7は、現像装置(4)内の現像剤の流れの模式図であり、図6と同様、図中の各矢印は現像剤の移動方向を示している。
【0057】
攪拌搬送路(10)から現像剤の供給を受けた供給搬送路(9)では、現像ローラ(5)に現像剤を供給しながら、供給スクリュー(8)の搬送方向下流側に現像剤を搬送する。そして、現像ローラ(5)に供給され現像に用いられず供給搬送路(9)の搬送方向下流端まで搬送された余剰現像剤は第一仕切り壁(133)の開口部より攪拌搬送路(10)に供給される(図7中矢印(E))。
【0058】
現像ローラ(5)から回収搬送路(7)に送られ、回収スクリュー(6)によって回収搬送路(7)の搬送方向下流端まで搬送された回収現像剤は第二仕切り壁(134)の開口部より攪拌搬送路(10)に供給される(図7中矢印(F))。
そして、攪拌搬送路(10)は、供給された余剰現像剤と回収現像剤とを攪拌し、攪拌スクリュー(11)の搬送方向下流側であり、供給スクリュー(8)の搬送方向上流側に搬送し、第一仕切り壁(133)の開口部より供給搬送路(9)に供給される(図7中矢印(D))。
攪拌搬送路(10)では攪拌スクリュー(11)によって、回収現像剤、余剰現像剤及び移送部で必要に応じて補給されるトナーを、回収搬送路(7)及び供給搬送路(9)の現像剤と逆方向に攪拌搬送する。そして、搬送方向下流側で連通している供給搬送路(9)の搬送方向上流側に攪拌された現像剤を移送する。なお、攪拌搬送路(10)の下方には、不図示のトナー濃度センサが設けられ、センサ出力により不図示のトナー補給制御装置を作動し、不図示のトナー収容部からトナー補給を行なっている。
【0059】
図7に示す現像装置(4)では、供給搬送路(9)と回収搬送路(7)とを備え、現像剤の供給と回収とを異なる現像剤搬送路で行なうので、現像済みの現像剤が供給搬送路(9)に混入することがない。よって、供給搬送路(9)の搬送方向下流側ほど現像ローラ(5)に供給される現像剤のトナー濃度が低下することを防止することができる。また、回収搬送路(7)と攪拌搬送路(10)とを備え、現像剤の回収と攪拌とを異なる現像剤搬送路で行なうので、現像済みの現像剤が攪拌の途中に落ちることがない。よって、充分に攪拌がなされた現像剤が供給搬送路(9)に供給されるため、剤供給搬送路(9)に供給される現像剤が攪拌不足となることを防止することができる。このように、供給搬送路(9)内の現像剤のトナー濃度が低下することを防止し、供給搬送路(9)内の現像剤が攪拌不足となることを防止することができるので現像時の画像濃度を一定にすることができる。
【0060】
図8は、感光体(1)を用いた画像形成装置に、本発明の現像装置(3)を用いたときの感光体(1)まわりの概略を示した各部材配置構成図である。
現像装置(3)はケーシング(301)内に、現像剤(320)を現像剤供給搬送路で撹拌搬送する現像剤供給搬送部材(304)及び現像剤攪拌搬送路で撹拌搬送する現像剤撹拌搬送部材(305)、現像ローラ(302)などの回転部材及びその他の部材を具備している。現像ローラ(302)はその長手方向の寸法が感光体(1)の長手方向と略同じ長さを有している。
現像ローラ(302)は感光体(1)に近接して対向させることで現像ニップ領域(A)を構成するようにして近接配置されている。この感光体(1)との対向部位に相当するケーシング(301)の部位は現像ローラ(302)を露出させるため開口している。
現像ローラ(302)によりケーシング(301)内の現像剤(320)は現像ニップ領域(A)へ搬送されるようになっている。現像ニップ領域(A)で感光体(1)の表面に形成されている静電潜像に現像剤(320)中のトナーが付着してトナー像として顕像化される。
【0061】
現像装置(3)は、ケーシング(301)の内部に現像ローラ(302)、現像剤供給搬送部材(304)、現像剤撹拌搬送部材(305)、現像剤規制部材(303)を有し、現像剤(320)を撹拌搬送して循環させている。
現像ローラの周囲に円筒状に位置するスリーブ(302c)は、アルミ等の非磁性の金属で形成されている。マグネットローラー(302d)は、各磁石が所定の方向を向くように不動部材、例えば、ケーシング(301)に固定されており、その周囲をスリーブ(302c)が回転して、現像ローラ内部に設けたマグネットローラー(302d)の円周方向に配置した、複数の磁石によって引き付けた現像剤(320)を搬送していく。
現像ローラ(302)と感光体(1)は現像ニップ領域(A)で直接には接触せずに、現像に適する一定の間隔、現像ギャップ(GP1)を保持して対向している。
【0062】
現像ローラ(302)上において現像剤(320)を穂立ちさせ、現像剤(320)を感光体(1)に接触させることで、感光体(1)表面の静電潜像にトナーを付着させて顕像化する。
この現像装置(3)では、固定軸(302a)には接地されたバイアス用の電源(図示せず)が接続されている。固定軸(302a)に接続された電源の電圧は、スリーブ(302c)に印加される。一方、感光体(1)を構成する最下層の導電性支持体(図示せず)は接地されている。
こうして、現像ニップ領域(A)には、キャリアから離脱したトナーを感光体(1)側へ移動させる電界を形成しておき、スリーブ(302c)と感光体(1)の表面に形成された静電潜像との電位差によりトナーを感光体(1)側に向けて移動させることに供している。
【0063】
なお、本例の現像装置は、露光用の光で書き込む方式の画像形成装置と組み合わせている。帯電装置(2)により感光体(1)上に一様に負極性の電荷を乗せ、書き込み量を少なくするために文字部を露光用の光で露光することで、低下した電位の文字部(静電潜像)に負極性のトナーで現像する所謂反転現像方式を採用している。これは一例であり、本発明の現像方式の中で、感光体(1)に乗せる帯電電荷の極性は大きな問題ではない。
【0064】
現像後、現像ローラ(302)上に担持された現像後の現像剤(320)は現像ローラ(302)の回転と共に下流側に搬送され、ケーシング(301)内に引き入れられる。該ケーシング(301)の一部はスリーブ(302c)の周面に近接して沿う湾曲形状をしており、シール効果により所謂トナー飛散防止機能を果たしている。
引き入れられた現像剤には、それまで現像ローラ(302)周囲に引き寄せていた現像剤(320)を現像ローラ(302)から引き離す“剤離し”の作用が働き、剤離し領域(図8に符号(9)で示す。)が形成される。
【0065】
感光体(1)にトナーを付着させた現像剤(320)は、現像剤中のトナー濃度が下がっているため、このトナー濃度が低下した現像剤が現像ローラ(302)から離れずに再度現像ニップ領域(A)に搬送され現像に供給されると、狙いの画像濃度を得ることができないという不具合が生じてしまう。
【0066】
これを防止するため、本例では、現像後の剤離し領域(9)で、現像ローラ(302)から現像剤を離す。現像ローラ(302)から離した現像剤はその後、狙いのトナー濃度、トナー帯電量になるように、ケーシング(301)内で充分に撹拌混合する。
【0067】
こうして、狙いのトナー濃度、帯電量にされた現像剤が、現像ローラ上の剤汲み上げ領域(図8に符号(10)で示す)で、現像ローラ(302)に汲み上げられる。
現像ローラ(302)に引き付けられ、所謂汲み上げられた現像剤は現像剤規制部材(303)を通過することにより、所定の厚さに整えられて、磁気ブラシを形成しながら現像ニップ領域(A)に搬送される。
【0068】
以下、必要に応じて、現像装置の内部の構成を組み立て状態で示した図9及び分解状態で示した図10等をも参照しつつ、各部材の配置構成などを説明する。図8に示したように、現像剤供給搬送部材(304)は現像ローラ(302)のまわりの位置で、剤汲み上げ領域(10)の近傍に配置されている。この位置は現像剤規制部材(303)の上流側でもある。図9、10に示すように、現像剤供給搬送部材(304)は回転軸の回りにスパイラルを設けたスクリュー形状をしており、現像ローラ(302)の中心(O―302をとおる中心線(O―302a)と平行な中心線(O−304a)を中心に回転し、該中心線(O−304a)の長手方向奥側から手前側に向けて矢印(11)で示すように現像剤を撹拌しながら搬送する。つまり、現像剤供給搬送部材(304)は回転軸の回転により現像剤をその軸方向に搬送する。
【0069】
現像剤撹拌搬送部材(305)は現像ローラ(302)のまわりの位置で、剤離し領域(9)の近傍に配置されている。図9に示すように、現像剤撹拌搬送部材(305)は回転軸の回りにスパイラルを設けたスクリュー形状をしており、現像ローラ(302)の中心(O―302)をとおる中心線(O−302a)と平行な中心線(O−305a)を中心に回転し、中心線(O−305a)の長手方向手前側から奥側に向けて矢印(12)で示すように現像剤を撹拌しながら搬送する。つまり、現像剤撹拌搬送部材(305)は回転軸の回転により現像剤を現像剤供給搬送部材(304)による搬送方向と逆向きに搬送する。
【0070】
現像剤供給搬送部材(304)に対して現像剤撹拌搬送部材(305)は斜め上方に位置する関係となっているのが好ましく、ケーシング(301)内で現像剤供給搬送部材(304)周囲の空間と現像剤撹拌搬送部材(305)周囲の空間とは隣接している。
現像剤供給搬送部材(304)及び現像剤撹拌搬送部材(305)の奥側端部は現像ローラ(302)の奥側端部よりも若干奥側に位置するように設定して、現像ローラ(302)の奥側端部の現像剤の供給を確保している。また、現像剤供給搬送部材(304)及び現像剤撹拌搬送部材(305)の手前側端部は現像ローラ(302)の手前側端部よりも手前側に位置するようにして後述するトナー補給のためのスペースを確保している。現像剤規制部材(303)は現像ローラ(302)の長さに合わせて設置されている。
【0071】
現像剤供給搬送部材(304)と現像剤撹拌搬送部材(305)の間であって、現像ローラ(302)の長手方向両端部を除く中央部で、現像剤供給搬送部材(304)周囲の空間と現像剤撹拌搬送部材(305)周囲の空間とを遮蔽する仕切板(306)がケーシング(301)の現像ローラ(302)から離れる側の内壁と一体に片持ち支持状に形成されている。
【0072】
仕切板(306)はその長手方向については、現像ローラ(302)の長手方向両端部を除く中央部に位置し、現像ローラ(302)の長手方向両端部に対応する部位にはない。一方、現像剤供給搬送部材(304)及び現像剤撹拌搬送部材(305)の各長手方向端部は現像ローラ(302)の長手方向両端部まで及んでいる。
現像剤撹拌搬送部材(305)で矢印(12)の向きに搬送された現像剤はその搬送方向端部でケーシング(301)の側壁で進路を絶たれるため該側壁に沿って現像剤供給搬送路へ移動し、矢印(13)に沿って現像剤供給搬送部材(304)により該現像剤供給搬送路を移動する。
同様に、現像剤供給搬送部材(304)で矢印(11)の向きに搬送された現像剤はその搬送方向端部でケーシング(301)の側壁で進路を絶たれるために該側壁に沿って移動し、矢印(14)に沿って現像剤撹拌搬送部材(305)により該現像剤撹拌搬送路を移動する。
【0073】
仕切板(306)はその長手方向については、現像ローラ(302)の長手方向両端部を除く中央部に位置するようにしたのは、その長手方向の端部での矢印(13)、(14)の現像剤の流れを可能にして、全体として矢印(11)、(14)、(12)、(13)に沿う循環搬送路を形成するためである。
なお、図示の例では、仕切板(306)はその奥側の端部近傍に開口(307)を設けていて、この開口(307)を介して現像剤撹拌搬送路から現像剤供給搬送路への現像剤の移動を行なうようにしているので、現像ローラ(302)の長手方向奥側端部まで仕切板(306)が及ぶ構成とすることもできる。
【0074】
こうして、本発明の現像装置(3)は、現像剤を担持して回転し感光体(1)に形成された静電潜像を可視像化する現像ローラ(302)と、現像ローラ(302)に現像剤を汲み上げる剤汲み上げ領域(10)の近傍に配置されていて現像ローラ(302)の中心線(O−302a)と平行な中心線(O−304a)を中心に回転し、その中心線(O−304a)の長手方向に現像剤を撹拌しつつ搬送する現像剤供給搬送部材(304)と、現像ローラ(302)から現像剤を離す剤離し領域(9)の近傍に配置されていて、現像ローラ(302)の中心線(302a)と平行な中心線(305a)を中心に回転し、現像剤供給搬送部材(304)が現像剤を搬送する向きの反対の向きに現像剤を撹拌しつつ搬送する現像剤撹拌搬送部材(305)と、現像剤供給搬送部材(304)と現像剤撹拌搬送部材(305)の間であって、かかる構成では、現像装置(3)内、つまりケーシング、現像ローラ(302)の長手方向両端部を除く中央部で、現像剤供給搬送路と現像剤撹拌搬送路を遮蔽する仕切板(306)とを有する構成により、矢印(11)、(14)、(12)、(13)に沿う循環搬送路を構成する(301)内の現像剤供給搬送部材(304)、現像剤攪拌搬送部材(305)が現像ローラ(302)の横に2本並べて配置されることから、現像ローラから離れる方向(水平方向に)に2つの撹拌搬送部材を配置する図5に示した技術に比べて、現像装置の横(水平方向)の大きさを小さくすることができる。
【0075】
さらに、こうして、水平方向のコンパクト化を図った現像装置(3)においても、仕切板(306)により現像ローラ(302)の長手方向両端部を除く中央部で現像剤供給搬送部材(304)周囲と現像剤撹拌搬送部材(305)周囲の空間が仕切られているので、現像ローラ(302)に対しては現像剤供給搬送部材(304)により、トナーとキャリアを充分に撹拌混合された現像剤(320)のみが供給され、現像直後のトナー濃度の下がった現像剤は専ら現像剤撹拌搬送部材(305)により撹拌搬送されるだけで、直ぐに現像ローラ(320)に供給されることがないので、現像ローラ(320)へは狙いの帯電量を持ったトナーだけが現像に用いられることとなり、高画質を得ることができる。
【0076】
仕切板(306)は、現像剤供給搬送部材(304)が撹拌搬送する現像剤(320)を支えて現像剤搬送経路を形成すると共に、剤離し領域(9)で該仕切部材(306)上流側にて現像ローラ(302)から離され現像剤撹拌搬送部材(305)により撹拌搬送される現像剤が再度現像ローラ(302)に引き付けられて、現像剤供給搬送部材(304)により撹拌される空間へ移動するのを防止する。
【0077】
この機能をより確実にするため、好ましくは現像ローラ(302)の外周部と仕切板(306)との間隔、仕切板ギャップ(GP2)を、0.2〜1mm程度のギャップに保持する。0.2mm未満では現像ローラ(302)の回転時の偏心により仕切板(306)が現像ローラにぶつかるおそれがあり、1mmを超えると穂切り性能が不完全になるからである。これにより、仕切板(306)の設定位置を剤離し領域(9)の任意の位置にしても充分な機能を得る。つまり、仕切板設定位置の自由度が増す。
【0078】
さらに、剤離し領域(9)からずれた配置としても、仕切板としての機能を得ることは可能である。しかし、剤離し領域(9)からずれた配置とした場合には、仕切板が多量の現像剤を規制するケースも生じ得ることから、現像剤が受けるストレスが大となり、好ましくない。
その場合、現像ローラ(302)を間にして感光体(1)と反対側の現像ローラ(302)の周りに剤離れ領域(9)が位置し、現像ローラの回転方向上で剤離れ領域(9)の下流側に隣接して剤汲み上げ位置(10)が位置する構成とし、剤離し領域(9)と剤汲み上げ位置(10)との間で、現像ローラ(302)の周囲に現像剤が付着する量が最も少ない位置に、現像剤供給搬送路の空間と、現像剤撹拌搬送路の空間を遮蔽するようにして、仕切板(306)を設け、かつ、仕切板(306)の現像ローラ(302)側の端部を現像ローラ(302)に対向させた構成とすることが好ましい。
【0079】
このような構成であれば、前記仕切板ギャップ(GP2)の0.2〜1mmの設定をしなくてもこの仕切板が設けられる部位では現像ローラ(302)の周囲に現像剤が付着する量が最も少ない位置であるので、仕切板(306)の機能を発揮できる。また、該仕切板により規制されることで現像剤が受けるストレスを最小限にすることができる。つまり、仕切板設定時のギャップ管理を緩和できる。尤も、その上で仕切板ギャップ(GP2)を0.2〜1mmの設定にする条件をさらに付加した構成とすれば、現像剤に与えるストレスをより少なくすることが可能となる。
【0080】
図9、10に示したように、現像剤撹拌搬送部材(305)は現像ローラ(302)から離された現像剤(320)を撹拌しながら現像装置の奥側に矢印(12)の向きに搬送する。現像剤撹拌搬送路の搬送方向下流側、現像装置の奥側の端部では、図9、図10に示すように仕切板(306)の一部に開口(307)が設けてあり、現像剤撹拌搬送部材(305)により搬送された現像剤(320)が、現像剤供給搬送路へ矢印(307)の向きに移動していく。
【0081】
図10に示すように、現像剤撹拌搬送部材(305)による現像剤の搬送方向下流部では、開口(307)に対応する範囲で、スクリュー部に代えて羽根車(308)の構成としてもよい。
この羽根車(308)は現像剤撹拌搬送部材(305)の軸部(305J)について軸心(中心線(O−305a))から法線方向に板状に延びる複数枚の羽根状部材を設けた構成であり、その回転に伴って現像剤(320)を跳ねる機能を有する。
【0082】
現像剤撹拌供給部材(304)の中心(O−304)と現像剤撹拌搬送部材(305)の中心(O−305)とは略同一鉛直線上にあり、羽根車(308)が回転することで、ケーシング(301)の内壁に沿って現像剤(320)を跳ねる。開口(307)はこの跳ねによる現像剤の進路を妨げないように、中心(O−304)と中心(O−305)とを結ぶ略鉛直線よりもわずかにケーシング内壁寄りの位置からケーシング内壁部に及ぶように形成すると好ましい。
【0083】
現像剤供給搬送部材(304)の回転方向は、現像ローラ(1)と逆向きにすることが好ましい。一般に、スクリューは、被搬送物を軸方向に送りながら、回転方向に寄せる作用があるので、現像剤供給搬送部材(304)は現像剤(320)を現像剤供給搬送路で現像ローラ(302)に寄せながら搬送することになる。従って、現像ローラ(302)への連続した現像剤供給が可能になる。
【0084】
現像剤撹拌搬送部材(305)を現像ローラ(302)と同じ向きに回転させていると、現像剤(320)を現像ローラ(302)から離れた方向に寄せながら搬送することになり、剤離し領域(9)で磁気力や仕切板(306)などにより一度現像ローラ(302)から離された現像剤が現像ローラ(302)に再度付着することが防止される。よって、現像後のトナー濃度が低下した現像剤が現像剤供給搬送部材(304)の領域に搬送されることを防ぐことができる。
【0085】
現像装置(3)内の現像剤(320)は、現像動作を繰り返す内にトナーが消費されていくので、現像装置外部から装置内の現像剤に対してトナーを補給する必要がある。現像ローラ(302)から現像剤(320)が離される剤離し領域(9)の近傍に配置した現像剤撹拌搬送路の上流側端部、即ち、現像装置の手前側の端部近傍に設けた現像剤の補給部より外部などからトナーの補給を行なうと、補給されたトナーが直ちに現像に供されることがなく、現像剤撹拌搬送部材(305)で撹拌され、安定した所定のトナー濃度で現像に供される。
【0086】
現像剤撹拌搬送路は、現像ローラ(302)に対しては、離れた現像剤(320)を回収するのみであり、現像ローラ(302)へのトナー供給は行なわないので、補給用開口(310)から新しく補給されたトナーにより充分に撹拌されていない、トナー濃度が不均一な状態の現像剤が現像に供されることがない。
【0087】
補給トナーは、現像ローラ(302)から離れた、トナー濃度の低下した現像剤(320)と共に撹拌混合されながら、現像装置(3)の奥側まで搬送される。それまでにトナー濃度は正常化され、現像剤供給搬送部材(304)により手前側に搬送されながら現像ローラ(302)に供給され現像に使用される。
【0088】
本例に係る現像装置(3)では、現像剤供給搬送部材(304)で搬送される現像剤(320)は、手前側に向けて搬送されながら、現像ローラ(302)に汲み上げられる。現像ローラ(302)に汲み上げられた現像剤(320)は、磁気ブラシを介して感光体(1)に接触して現像に供された後、現像装置(3)内で剤離し領域(9)で現像ローラ(302)から離され、現像剤撹拌搬送部材(305)により、奥側へ向けて搬送される。
【0089】
このような現像剤循環系路は図9、10等で矢印(11)、(14)、(12)、(13)で説明したとおりであるが、現像剤供給搬送部材(304)により手前側まで搬送される前に現像に使用されることから、現像剤撹拌搬送部材(305)により奥側へ戻される現像剤が多くなり、現像剤(320)が奥側に溜まる傾向にある。これを放置すると剤の円滑な循環が阻害される可能性がある。
【0090】
これは、現像剤供給搬送部材(304)の現像剤搬送能力を現像剤撹拌搬送部材(305)よりも大きくすることで、現像剤供給搬送部材(304)による単位時間あたりの現像剤搬送量を現像剤撹拌搬送部材(305)による単位時間あたりの現像剤搬送量よりも大きくし、奥行方向における現像剤の搬送バランスをとることで解決できる。これにより、円滑な現像剤の循環が長期にわたり維持できる。
現像剤撹拌搬送部材(305)に対して、現像剤供給搬送部材(304)のスクリューの外径を大きくすることで現像剤撹拌搬送部材(305)の現像剤搬送能力を上げることができる。現像剤供給搬送部材(304)のスクリューのスパイラルピッチを大きくすること、回転数を大きくすること、また、現像剤供給搬送部材(304)による現像剤搬送経路の空間を大きくすることによっても、同様の利益を得ることができる。
【0091】
本実施形態では、補給トナー収容器(230)内に、少なくとも補給用トナーが収容されている。画像形成装置(100)では、補給トナー収容器(230)内部から現像剤収容部(14)内に、このキャリアを含んだ補給用現像剤が補給される。
【0092】
本発明において、現像装置に収容されている現像剤中のトナーの重量比率は、2wt%以上15wt%未満であることが好ましい。15wt%より多いと現像装置からのトナーの飛散が発生しやすくなり、不良画像の原因となる。2wt%未満であると、トナーの帯電量が過度に上昇したり、トナーの供給量が不足したりするため、画像濃度が低下し、不良画像の原因となる。
【0093】
本実施形態の画像形成装置(100)は、形状が容易に変形するトナー収納部材(231)に補給用トナーを充填させ、スクリューポンプ(223)によってこの補給用トナーを吸引して、現像装置(10)に供給するトナー補給装置(200)を備えていることが好ましい。
以下に、図11〜図15を参照して、トナー補給装置(200)の構成を詳細に説明する。
【0094】
図11は、本発明で使用されるトナー補給装置(200)の概略構成図である。トナー補給装置(200)に備えられた補給トナー収容器(230)の内部には、減容可能な袋状部材としてのトナー収納部材(231)が備えられている。現像装置(10)の現像剤収容部(14)に補給される新規な補給用トナーは、トナー収納部材(231)内部に収容されている。トナー収納部材(231)は、このトナーが現像剤収容部(14)に補給されることによる内部の圧力の減少に伴って減容する。
トナー補給器(220)は、ハウジングの所定箇所に開設された補給口(15a)の上端に連結して備えられたスクリューポンプ(223)と、スクリューポンプ(223)に接続して備えられたノズル(240)と、ノズル(240)に接続して備えられた空気供給手段とを備えており、現像剤収容部(14)に設置されるトナー濃度センサ(図示なし)等の検知信号に応じて駆動し、適量のトナーをトナー収容器(230)から現像剤収容部(14)に供給する。
【0095】
スクリューポンプ(223)とノズル(240)の間には、このスクリューポンプ(223)に連通されるトナー搬送通路としての搬送チューブ(221)を有している。この搬送チューブ(221)は、好ましくは、フレキシブルで耐トナー性に優れたポリウレタン、ニトリル、EPDM等のゴム材料で形成されたものを利用する。
また、トナー補給装置(200)は、補給用トナー収納容器としての補給トナー収容器(230)を支持するための容器ホルダ(222)を有しており、この容器ホルダ(222)は樹脂等の剛性の高い材料で形成されている。
【0096】
補給トナー収容器(230)は、柔軟なシート材で形成される袋状部材としてのトナー収納部材(231)と、トナー排出口を形成する排出口形成部材としての口金部(232)を有している。
トナー収容部材(231)の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好適に用いられる。例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の樹脂が好適に挙げられる。
また、口金部(232)には、スポンジ、ゴム等で形成されるシール材(233)が設けられており、このシール材(233)には十字型の切り込みが設けられている。そして、この切り込みにトナー補給器(220)のノズル(240)をとおすことで、補給トナー収容器(230)とトナー補給器(220)が連通し固定される。
【0097】
本実施形態では、口金部(232)が、補給トナー収容器(230)の下方に備えられている。ここで、口金部(232)が下方に備えられている状態とは、補給トナー収容器(230)がトナー補給装置(200)に配設された状態において、口金部(232)が、補給トナー収容器(230)における下方向きの鉛直成分を含んだ位置に備えられていることを表わしている。
【0098】
なお、口金部(232)が、補給用トナー収容器本体に備えられる位置としては、これに限られるものではなく、補給トナー収容器(230)がトナー補給装置(200)に配設された状態において、補給トナー収容器(230)本体の水平方向に備えられてもよく、また、斜め方向に備えられていてもよい。
【0099】
補給トナー収容器は、トナーの消耗に応じて順次新しいものと交換されるが、本実施形態の補給トナー収容器(230)は、上述した構成を備えることで、その着脱を容易に行なうことが可能であり、また、交換時や使用時におけるトナー漏れを防止することが可能である。
なお、トナー収容部材(231)としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の補給トナー収容器(230)は、画像形成装置(100)のトナー補給装置(200)への着脱が容易であり、また、保存や、搬送に適していて、取扱性に優れている。
【0100】
図12(a)は、トナー補給器(220)に設けられるノズル(240)の概略構成を示す外観図であり、図12(b)は、その軸方向断面図であり、図12(c)は、図12(b)中、符号(A−A)位置の断面図である。このノズル(240)は、図12(b)に示すように、内管(241)とその内管(241)を内部に収容する外管(242)とからなる2重管構造を有している。内管(241)の内部は、補給トナー収容器(230)内の現像剤を排出するためのトナー搬送通路としてのトナー流路(241a)となっている。補給トナー収容器(230)内のトナーは、スクリューポンプ(223)による吸引力により、吸引され、トナー流路(241a)をとおってスクリューポンプ(223)内に引き込まれる。
【0101】
図13は、スクリューポンプ(223)の概略構成を示す断面図である。このスクリューポンプ(223)は、一軸偏芯スクリューポンプと呼ばれるもので、内部にロータ(224)及びステータ(225)を備えている。ロータ(224)は、円形断面が螺旋状に捻れた形状を有し、硬い材質で形成されており、ステータ(225)の内部に嵌合される。一方、ステータ(225)は、ゴム状の柔軟な材料で形成され、長円形断面が螺旋状に捻れた形状の穴を有しており、この穴にロータ(224)が嵌合される。また、ステータ(225)の螺旋のピッチは、ロータ(224)の螺旋のピッチの2倍の長さに形成されている。また、ロータ(224)は、ユニバーサルジョイント(227)及び軸受(228)を介して、ロータ(224)を回転駆動させるための駆動モータ(226)に接続されている。
【0102】
この構成において、補給トナー収容器(230)からノズル(240)のトナー流路(241a)及び搬送チューブ(221)をとおって搬送されてきたトナーは、スクリューポンプ(223)のトナー吸引口(223a)から内部に入り込む。そして、ロータ(224)とステータ(225)の間に形成されるスペースに入り込み、ロータ(224)の回転に伴って、図11中右側方向に吸引搬送される。そして、ロータ(224)とステータ(225)の間のスペースを通過したトナーは、トナー落下口(223b)から下方に落下し、現像装置(10)の現像剤補給口(14)を介して、現像装置(10)の内部に供給される。
【0103】
また、本実施形態で使用されるトナー補給器(220)は、補給トナー収容器(230)内に空気を供給する空気供給手段を備えている。
図11に示すように、各エア流路(244a)、(244b)は、それぞれ、気体供給通路としてのエア供給路(261a)、(261b)を介して、別個の気体送出装置としてのエアポンプ(260a)、(260b)に接続されている。
【0104】
エア流路は、図12(b)に示すように、トナー補給器(220)のノズルの内管(241)と外管(242)との間に、空気供給通路として設けられているものであり、このエア流路は、図12(c)に示すように、互いに独立した断面半円状の2つの流路(244a)、(244b)から構成されている。
【0105】
また、エアポンプ(260a)、(260b)としては、通常のダイアフラム型のエアポンプを利用することができる。これらエアポンプ(260a)、(260b)から送り出される空気は、それぞれ、エア流路(244a)、(244b)をとおって、各エア流路の気体供給口としてのエア供給口(246a)、(246b)から補給トナー収容器(230)内に供給される。各エア供給口(246a)、(246b)は、トナー流路(241a)の現像剤排出口としてのトナー流出口(247)の図中下方に位置している。これにより、各エア供給口(246a)、(246b)から供給される空気は、トナー流出口(247)付近のトナーに対して供給されることになり、使用されないまま長期間放置されてトナー流出口(247)にトナーが詰まった状態になったとしても、そのトナー流出口(247)を塞いでいるトナーを崩すことができる。
【0106】
また、エア供給路(261a)、(261b)には、図示省略した気体送出制御手段としての制御部からの制御信号により、開閉動作する閉塞手段としての開閉弁(262a)、(262b)が設けられている。開閉弁(262a)、(262b)は、制御部からON信号を受け取ると弁を開けて空気を通過させ、制御部からOFF信号を受け取ると弁を閉めて空気の通過を阻止するように動作する。
【0107】
次に、本実施形態におけるトナー補給器(220)の動作について図11を用いて説明する。
上記制御部は、現像装置(10)からトナー濃度が不足した旨の信号を受け取ることで、トナー補給動作を開始する。このトナー補給動作では、まず、エアポンプ(260a)、(260b)をそれぞれ駆動させ、現像剤収容器(230)内に空気を供給するとともに、スクリューポンプ(223)の駆動モータ(226)を駆動させて、現像剤の吸引搬送を行なう。
【0108】
エアポンプ(260a)、(260b)から空気が送り出されると、その空気は、エア供給路(261a)、(261b)からノズル(240)のエア流路(244a)、(244b)に入り込み、エア供給口(246a)、(246b)から補給トナー収容器(230)内に供給される。この空気によって、補給トナー収容器(230)内のトナーは、攪拌されて、空気を多く内包した状態となり、流動化が促進される。
【0109】
また、補給トナー収容器(230)内に空気が供給されると、補給トナー収容器(230)内の内圧が高まることになる。従って、補給トナー収容器(230)の内圧と外圧(大気圧)との間に圧力差が生じ、流動化したトナーには、圧力の引く方向へ移動する力が働く。これにより、補給トナー収容器(230)内のトナーは、圧力の引く方向すなわち現像剤流出口(247)から流出することになる。
本実施形態では、スクリューポンプ(223)による吸引力も作用して、補給トナー収容器(230)内の現像剤が現像剤流出口(247)から流出する。
【0110】
上述のようにして、補給トナー収容器(230)から流出したトナーは、トナー流出口(247)からノズル(240)のトナー流路(241a)をとおり、搬送チューブ(221)を介してスクリューポンプ(223)内に移動する。そして、スクリューポンプ(223)内を移動した後、トナー落下口(223b)から下方に落下し、トナー補給口(14)から現像装置(10)内にトナーが補給される。一定量のトナー補給が完了したら、制御部は、エアポンプ(260a)、(260b)及び駆動モータ(226)の駆動を停止させ、かつ、開閉弁(262a)、(262b)を閉じ、トナー補給動作を終了する。このように、トナー補給動作終了時に開閉弁(262a)、(262b)を閉じることで、トナー収容器(230)内のトナーがノズル(240)のエア供給路(244a)、(244b)をとおってエアポンプ(260a)、(260b)側に逆流するのを防止している。
【0111】
また、エアポンプ(260a)、(260b)から供給される空気の供給量は、スクリューポンプ(223)によるトナー及び空気の吸引量よりも少なく設定されている。よって、トナーを消費するにつれて、補給用トナー収容器(230)の内圧が減少することになる。
ここで、本実施形態における補給トナー収容器(230)のトナー収納部材(231)は、柔軟なシート材で形成されているため、内圧の減少に伴って減容する。
【0112】
図14は、現像剤収容部材(231)に現像剤を充填した状態の斜視図である。
図15は、現像剤収容部材(231)内部の現像剤が排出されて減容した(しぼんだ)状態を示す正面図である。ここで、現像剤収容部材(231)は60%以上減容されるものが望ましい。
【0113】
なお、本発明において使用される画像形成装置の構成としては、本実施形態において説明した、上述の構成を有するものに限られるものではなく、同様の機能を有していれば、他の構成を有する画像形成装置を使用することも可能である。
【実施例】
【0114】
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて説明する。なお、本発明はここに例示される実施例に限定されるものではない。また、以下において「部」は重量部を、「%」は重量%を表わす。
【0115】
[ポリエステル樹脂の作成]
(ポリエステル樹脂Aの作製)
芳香族ジオール成分及びエチレングリコール、グリセリン、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、イタコン酸より選ばれた単量体を、表1の組成(同表に示されるようにアルコール成分として62モル%のBPA−PO、及び38モル%のエチレングリコール、カルボン酸成分として5モル%のアジピン酸、55モル%のテレフタル酸及び40モル%のイソフタル酸の割合)に従って、蒸留塔を有する5リットルのオートクレーブに全量が4000gとなるように仕込み、常圧下、170〜260℃、無触媒の条件でエステル化反応せしめた後、反応系に全カルボン酸成分に対し400ppmの3酸化アンチモンを加え3Torrの真空下でグリコールを系外へ除去しながら250℃で重縮合を行い樹脂を得た。なお、架橋反応は撹拌トルクが10kg・cm(100ppm)となるまで実施し、反応は反応系の減圧状態を解除して停止させた。
【0116】
(ポリエステル樹脂Bの作製)
アルコール成分として59モル%のBPA−PO、及び41モル%のエチレングリコール、カルボン酸成分として4モル%のアジピン酸、56モル%のテレフタル酸、39モル%のイソフタル酸及び1モル%トリメリット酸の割合で用いた他は、ポリエステル樹脂Aの作製の場合と同様にして、ポリエステル樹脂Bを作製した。
【0117】
(ポリエステル樹脂Cの作製)
アルコール成分として57モル%のBPA−PO、42モル%のエチレングリコール及び1モル%のグリセリン、カルボン酸成分として6モル%のアジピン酸、55モル%のテレフタル酸及び39モル%のイソフタル酸の割合で用いた他は、ポリエステル樹脂Aの作製の場合と同様にして、ポリエステル樹脂Cを作製した。
【0118】
(ポリエステル樹脂Dの作製)
アルコール成分として55モル%のBPA−EO、40モル%のエチレングリコール及び5モル%のグリセリン、カルボン酸成分として5モル%のアジピン酸、55モル%のテレフタル酸及び40モル%のイソフタル酸の割合で用いた他は、ポリエステル樹脂Aの作製の場合と同様にして、ポリエステル樹脂Dを作製した。
【0119】
(ポリエステル樹脂Eの作製)
アルコール成分として52モル%のBPA−EO、41モル%のエチレングリコール及び7モル%のグリセリン、カルボン酸成分として4モル%のアジピン酸、55モル%のテレフタル酸及び41モル%のイソフタル酸の割合で用いた他は、ポリエステル樹脂Aの作製の場合と同様にして、ポリエステル樹脂Eを作製した。
【0120】
<ポリエステル樹脂の軟化点の測定>
フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
【0121】
<ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定>
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、DSC210)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミニウムパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
【0122】
<ポリエステル樹脂の酸価の測定>
JIS K0070の方法に基づき測定した。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
【0123】
<ポリエステル樹脂の接損失ピーク温度(℃)の測定>
試料0.8g、φ20mmのダイスを用い30Mpaの圧力で成型し、TA社製ADVANCED RHEOMETRIC EXPANSION SYSTEMでφ20mmのパラレルコーンを使用して周波数1.0Hz、昇温速度2.0℃/分、歪み0.1%(自動歪み制御:許容最小応力1.0g/cm、許容最大応力500g/cm、最大付加歪み200%、歪み調整200%)、GAPはサンプルセット後FORCEが0〜100gmになる範囲で、損失弾性率(G”)、貯蔵弾性率(G’)、正接損失(tanδ)の測定し、正接損失ピーク温度(℃)を求めた。なお、このとき、貯蔵弾性率(G’)が10以下になった場合の正接損失(tanδ)の値は除外した。
【0124】
<ポリエステル樹脂の分子量の測定>
ポリエステル樹脂の数平均分子量、重量平均分子量は、THF溶解分の分子量分布をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定装置GPC−150C(ウォーターズ社製)によって測定した。
測定は、カラム(KF801〜807:ショウデックス社製)を使用し、以下の方法で行なった。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流した。試料0.05gをTHF5gに十分に溶かした後、前処理用フィルター(孔径0.45μm クロマトディスク(クラボウ製))で濾過し、最終的に試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定した。
試料のTHF溶解分の重量平均分子量Mw、個数平均分子量Mnの測定にあたっては、分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10である単分散の標準ポリスチレン試料(東洋ソーダ工業社製)により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。(他にも、例えばPressureChemical Co.製の標準ポリスチレン試料なども使用可能である。)
また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた
【0125】
【表1】

【0126】
[結晶性ポリエステル樹脂の作製]
(結晶性ポリエステル樹脂A)
結晶性ポリエステル樹脂Aは、表2に示したように、アルコール成分として100モル%の1,4−ブタンジオール、カルボン酸成分として90モル%のフマル酸、5モル%のコハク酸、5モル%のトリメリット酸の割合の組成物4000gとハイドロキノン4gを、温度計、攪拌器、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた容量5リットルの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温し、160℃に保って5時間、続いて200℃で1時間反応させたのち、8.3kPaにて1時間反応させ、各結晶性ポリエステルを得た。
【0127】
(結晶性ポリエステル樹脂Bの作製)
結晶性ポリエステル樹脂Bは、表2に示したように、アルコール成分として90モル%の1,5−ペンタンジオール及び10モル%の1,6−へキサンジオール、カルボン酸成分として5モル%のコハク酸、5モル%のトリメリット酸及び90モル%のテレフタル酸の割合のものを用いた他は、結晶性ポリエステル樹脂Aの作製の場合と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂Bを作製した。
【0128】
<結晶性ポリエステル樹脂の軟化点の測定>
前記ポリエステル樹脂の軟化点の測定方法と同様にして結晶性ポリエステルの軟化点を測定した。
【0129】
【表2】

【0130】
[トナーの作製]
(透明トナーの製造例1)
ポリエステル樹脂A 100重量部
(Tg64℃、Mw15300、Mn3800、酸価7mgKOH/g、正接損失ピーク温度143.7℃)
結晶性ポリエステル樹脂A(軟化点70℃) 15重量部
カルナウバワックス(セラリカNODA/カルナウバワックスNo.1) 5重量部
エチレン・ビスステアリン酸アマイド(花王/EB−P) 2重量部
上記のトナー原材料を、へンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製、FM20B)を用いて予備混合した後、二軸混練機(株式会社池貝製、PCM−30)で100〜130℃の温度で溶融、混練した。得られた混練物は室温まで冷却後、ハンマーミルにて200〜300μmに粗粉砕した。次いで、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて、重量平均粒径が5.2±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、MDS−I)で、重量平均粒径が6.0±0.2μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.20以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、トナー母体粒子を得た。次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0重量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、透明トナー1を製造した。
【0131】
(透明トナーの製造例2)
ポリエステル樹脂A 100重量部
(Tg64℃、Mw15300、Mn3800、酸価7mgKOH/g、正接損失ピーク温度143.7℃)
結晶性ポリエステル樹脂A(軟化点70℃) 30重量部
カルナウバワックス(セラリカNODA/カルナウバワックスNo.1) 5重量部
エチレン・ビスステアリン酸アマイド(花王/EB−P) 2重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー2を製造した。
【0132】
(透明トナーの製造例3)
ポリエステル樹脂B 100重量部
(Tg67.5℃、Mw18700、Mn4900、酸価6.6mgKOH/g、正接損失ピーク温度156.5℃)
カルナウバワックス(セラリカNODA/カルナウバワックスNo.1) 5重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー3を製造した。
【0133】
(透明トナーの製造例4)
ポリエステル樹脂B 100重量部
(Tg67.5℃、Mw18700、Mn4900、酸価6.6mgKOH/g、正接損失ピーク温度156.5℃)
カルナウバワックス(セラリカNODA/カルナウバワックスNo.1) 3重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー4を製造した。
【0134】
(透明トナーの製造例5)
ポリエステル樹脂A 100重量部
(Tg64℃、Mw15300、Mn3800、酸価7mgKOH/g、正接損失ピーク温度143.7℃)
結晶性ポリエステル樹脂B(軟化点111℃) 20重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー5を製造した。
【0135】
(透明トナーの製造例6)
水100部、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水分散液(三洋化成工業製、固形分20%)10部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50%水溶液(エレミノール MON−7、三洋化成工業製)20部、高分子保護コロイドであるカルボキシメチルセルロース(セロゲンBSH、三洋化成工業製)の1%水溶液を40部、および酢酸エチル15部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを水相とする。
【0136】
撹拌棒および温度計をセットした容器に、ポリエステル樹脂A(Tg64℃、Mw15300、Mn3800、酸価7mgKOH/g、正接損失ピーク温度143.7℃)250部、カルナウバワックス40部、および酢酸エチル200部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問かけて30℃にまで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度:1.2Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:5回の条件で、ワックスの分散を行ないワックス分散液を得た。
【0137】
前記水相1250部、前記ワックス分散液1110部、プレポリマーの50%酢酸エチル溶液(三洋化成工業製、数平均分子量6500、Tg55℃、遊離イソシアネート含有量1.5重量%)130部、イソブチルアルコール1部、イソホロンジアミン7部、乳化安定剤UCAT660M(三洋化成工業製)5部を容器に入れ、28℃環境下において、TKホモミキサー(特殊機化製)を用いて9,000rpmで30分間混合し、水系媒体分散液を得た。
その後、前記水系媒体分散液を58℃まで昇温し、TKホモミキサーを用いて回転数1,500rpmで1時間更に分散混合し乳化スラリーを得た。
【0138】
撹拌機および温度計をセットした容器に、前記乳化スラリーを投入し、35℃で10時間脱溶剤した後、45℃で12時間熟成を行ない、有機溶媒が留去された分散液を得た。
前記分散液100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。
その後、濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキにイオン交換水500部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで30分間撹拌した後、減圧濾過し、濾過ケーキを得た。
上記の濾過ケーキを循風乾燥機にて40℃で24時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、重量平均粒径5.2μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.14のトナー母体粒子を得た。
次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0重量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、透明トナー6を製造した。
【0139】
(透明トナーの製造例7)
水100部、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水分散液(三洋化成工業製、固形分20%)10部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50%水溶液(エレミノール MON−7、三洋化成工業製)20部、高分子保護コロイドであるカルボキシメチルセルロース(セロゲンBSH、三洋化成工業製)の1%水溶液を40部、および酢酸エチル15部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを水相とする。
【0140】
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、プレポリマー(ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、アジピン酸、テレフタル酸の縮合物と、イソホロンジイソシアネートの反応物)の50%酢酸エチル溶液(三洋化成工業製、数平均分子量6500、重量平均分子量18000、Tg55℃、遊離イソシアネート含有量1.5重量%)400g、ビスフェノールAポリプロピレンオキサイド付加物とアジピン酸の縮合物(数平均分子量800)、100g、イソホロンジアミン20g、酢酸エチル50gを加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、5時間反応させ後に、減圧下で酢酸エチルを留去してウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂Fを得た。この樹脂の軟化点は104℃、Tgは60℃、酸化は18KOHmg/g、水酸基化は45KOHmg/gであった。
【0141】
次に撹拌棒および温度計をセットした容器に、ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂Fを500部、カルナウバワックス40部、および酢酸エチル200部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問かけて30℃にまで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度:1.2Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:5回の条件で、ワックスの分散を行ないワックス分散液を得た。
【0142】
前記水相1420部、前記ワックス分散液1420部、乳化安定剤UCAT660M(三洋化成工業製)5部を容器に入れ、28℃環境下において、TKホモミキサー(特殊機化製)を用いて9,000rpmで30分間分散混合し乳化スラリーを得た。
【0143】
撹拌機および温度計をセットした容器に、前記乳化スラリーを投入し、35℃で10時間脱溶剤した後、45℃で12時間熟成を行ない、有機溶媒が留去された分散液を得た。
前記分散液100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。
その後、濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキにイオン交換水500部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで30分間撹拌した後、減圧濾過し、濾過ケーキを得た。
上記の濾過ケーキを循風乾燥機にて40℃で24時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、重量平均粒径5.0μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.13のトナー母体粒子を得た。
次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0重量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、透明トナー7を製造した。
【0144】
(透明トナーの製造例8)
ポリエステル樹脂C 100重量部
(Tg63℃、Mw19600、Mn3200、酸価6.6mgKOH/g、正接損失ピーク温度136.5℃)
カルナウバワックス(セラリカNODA/カルナウバワックスNo.1) 5重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー8を製造した。
【0145】
(透明トナーの製造例9)
ポリエステル樹脂A 100重量部
(Tg64℃、Mw15300、Mn3800、酸価7mgKOH/g、正接損失ピーク温度143.7℃)
結晶性ポリエステル樹脂B(軟化点111℃) 10重量部
カルナウバワックス(セラリカNODA/カルナウバワックスNo.1) 5重量部上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー9を製造した。
【0146】
(透明トナーの製造例10)
ポリエステル樹脂A 100重量部
(Tg64℃、Mw15300、Mn3800、酸価7mgKOH/g、正接損失ピーク温度143.7℃)
結晶性ポリエステル樹脂A(軟化点70℃) 15重量部
カルナウバワックス(セラリカNODA/カルナウバワックスNo.1) 5重量部 ステアリン酸アマイド(花王/脂肪酸アマイドS) 2重量部
上記のトナー原材料を使うこと以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー10を製造した。
【0147】
(透明トナーの製造例11)
ポリエステル樹脂D 100重量部
(Tg60.3℃、Mw19840、Mn3580、酸価6.8mgKOH/g、正接損失ピーク温度137.0℃)
結晶性ポリエステル樹脂A(軟化点70℃) 15重量部
カルナウバワックス(セラリカNODA/カルナウバワックスNo.1) 5重量部
エチレン・ビスステアリン酸アマイド(花王/EB−P) 2重量部
上記のトナー原材料を使うこと以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー11を製造した。
【0148】
(透明トナーの製造例12)
ポリエステル樹脂E 100重量部
(Tg61.9℃、Mw19800、Mn3500、酸価7.0mgKOH/g、正接損失ピーク温度87.6℃)
結晶性ポリエステル樹脂A(軟化点70℃) 15重量部
カルナウバワックス(セラリカNODA/カルナウバワックスNo.1) 5重量部
エチレン・ビスステアリン酸アマイド(花王/EB−P) 2重量部
上記のトナー原材料を使うこと以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー11を製造した。
【0149】
【表3】

【0150】
(カラートナーの製造例)
[マスターバッチの製造例]
カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)50部、ポリエステル樹脂(三洋化成工業製、RS801)50部を、更には水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて160℃で50分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕して、ブラックマスターバッチ1を得た。また、C.I.Pigment Red 269、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Yellow 155をそれぞれカーボンブラックの代わりに使用すること以外は同様にして、マゼンタマスターバッチ1、シアンマスターバッチ1、イエローマスターバッチ1を作成した。
【0151】
[カラートナーの製造例]
ポリエステル樹脂A 92重量部
(Tg64℃、Mw15300、Mn3800、酸価7mgKOH/g、正接損失ピーク温度143.7℃)
結晶性ポリエステル樹脂A(軟化点70℃) 15重量部
カルナウバワックス(セラリカNODA/カルナウバワックスNo.1) 4重量部
エチレン・ビスステアリン酸アマイド(花王/EB−P) 2重量部
ブラックマスターバッチ1 16重量部
上記のトナー原材料を使う以外は透明トナー1と同様にして、ブラックトナー1を製造した。
また、マゼンタマスターバッチ1、シアンマスターバッチ1、イエローマスターバッチ1をそれぞれブラックマスターバッチ1の代わりに使用すること以外は同様にして、それぞれマゼンタトナー1、シアントナー1、イエロートナー1を製造した。
【0152】
(二成分現像剤の製造例)
作製した透明トナーおよびカラートナー各5質量%と、コーティングフェライトキャリア95質量%を、ターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し帯電させ、それぞれ二成分現像剤を作製した。
【実施例1】
【0153】
透明トナー製造例1で作製した透明トナー1及びカラートナー製造例で作成した各カラートナー各5質量%と、コーティングフェライトキャリア95質量%を、ターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し帯電させ、透明トナー現像剤1とブラック現像剤1、マゼンタ現像剤1、シアン現像剤1、イエロー現像剤1を作製した。
【0154】
透明トナー現像剤1を図4の現像ユニット(105E)内に収容し、現像ユニット(105A〜D)にはそれぞれイエロー現像剤1、マゼンタ現像剤1、シアン現像剤1、ブラック現像剤1を収容した。現像ユニット(105A〜E)は図5に示す現像装置を搭載しており、図11〜15に示すトナー補給装置を搭載している。各現像ユニットに補給されるトナーには、各現像ユニットに収容した現像剤に使用しているトナーと同じものを用いた。
上記画像形成装置を用いて透明トナー及び有彩色トナーの出力を行なった。付着量0.4mg/cm2のカラートナーのベタ画像上に付着量0.4mg/cmの透明トナーのベタ画像を重なるように、露光、現像、転写し、定着の線速を160mm/秒、定着温度190℃、NIP幅11mmで定着した後、画像の光沢度を測定した。定着後の透明トナーによるトナー層の厚さは7μmであった。
なお評価には王子製紙製PODグロスコート紙128g/mを使用した。
【0155】
<定着性>
定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)とホットオフセット温度(耐ホットオフセット温度)を求めた。各特性評価の基準は以下のとおりである。
[低温定着性]
◎:130℃未満
○:130〜140℃
□:140〜150℃
△:150〜160℃
×:160℃以上
【0156】
[ホットオフセット性]
◎:201℃以上
○:200〜191℃
□:190〜181℃
△:180〜171℃
×:170℃以下
<光沢度>
光沢は日本電色工業社製グロスメーターVGS−1Dを用い60度光沢で10箇所の画
像を評価し、平均光沢が80以上を◎、60〜80を○、40〜60を△、40以下を×
とした。
<保存性>
保存性評価はそれぞれのトナー10gを30mlのスクリューバイアル瓶に入れタッピングマシンで100回タッピングした後、45℃24時間恒温槽で保管し、室温に戻した後針入度試験機で針入度を測定した。針入度が10mm以下のものは×、10mm以上は○とした。
<光沢ムラ>
上記の画像精細性評価の画像出力を1000枚連続で行ない、出力された画像の光沢ムラを目視にてランク評価を行なった。
◎:画像上にムラが一切存在しない状態
○:問題とはならないレベルの光沢ムラがわずかに観察される状態
△:問題とはならないレベルの光沢ムラが観察される状態
×:許容範囲外で光沢ムラが非常に目立つ状態
【実施例2】
【0157】
出力画像のトナー層を、透明トナーのベタ画像上にカラートナーのベタ画像を形成する
ようにしたこと以外は実施例1と同様にして評価を行なった。
【実施例3】
【0158】
搭載する現像装置を図8のものにしたこと以外は実施例1と同様にして評価を行なった。
【0159】
(比較例1)
搭載する現像装置を図1のものにしたこと以外は実施例1と同様にして評価を行なった。
【0160】
(比較例2)
透明トナーとして、トナー製造例2で作成した透明トナー2を用いたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。
【実施例4】
【0161】
透明トナーとして、トナー製造例3で作成した透明トナー3を用いたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。
【0162】
(比較例3)
透明トナーとして、トナー製造例4で作成した透明トナー4を用いたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。
【0163】
(比較例4)
透明トナーとして、トナー製造例5で作成した透明トナー5を用いたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。
【実施例5】
【0164】
透明トナーとして、トナー製造例6で作成した透明トナー6を用いたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。
【0165】
(比較例5)
透明トナーとして、トナー製造例7で作成した透明トナー7を用いたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。
【実施例6】
【0166】
透明トナーとして、トナー製造例8で作成した透明トナー8を用いたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。
【実施例7】
【0167】
透明トナーとして、トナー製造例9で作成した透明トナー9を用いたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。
【実施例8】
【0168】
透明トナーとして、トナー製造例10で作成した透明トナー10を用いたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。
【実施例9】
【0169】
透明トナーとして、トナー製造例11で作成した透明トナー11を用いたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。
【実施例10】
【0170】
透明トナーとして、トナー製造例12で作成した透明トナー12を用いたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。
【実施例11】
【0171】
透明トナーによるベタ画像の付着量を0.05mg/cmとしたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。定着後の透明トナーによるトナー層の厚さは0.5μmであった。
【実施例12】
【0172】
透明トナーによるベタ画像の付着量を0.1mg/cmとしたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。定着後の透明トナーによるトナー層の厚さは2μmであった。
【実施例13】
【0173】
透明トナーによるベタ画像の付着量を1.2mg/cmとしたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。定着後の透明トナーによるトナー層の厚さは14μmであった。
【実施例14】
【0174】
透明トナーによるベタ画像の付着量を1.5mg/cmとしたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。定着後の透明トナーによるトナー層の厚さは16μmであった。
【実施例15】
【0175】
搭載する現像装置を図8のものにしたこと以外は実施例2と同様にして評価を行なった。
【実施例16】
【0176】
搭載する現像装置を図5のものにしたこと以外は実施例3と同様にして評価を行なった。
【実施例17】
【0177】
搭載する現像装置を図5のものにしたこと以外は実施例4と同様にして評価を行なった。
【実施例18】
【0178】
搭載する現像装置を図5のものにしたこと以外は実施例5と同様にして評価を行なった。
【実施例19】
【0179】
搭載する現像装置を図5のものにしたこと以外は実施例6と同様にして評価を行なった。
【実施例20】
【0180】
搭載する現像装置を図5のものにしたこと以外は実施例7と同様にして評価を行なった。
【実施例21】
【0181】
搭載する現像装置を図5のものにしたこと以外は実施例8と同様にして評価を行なった。
【実施例22】
【0182】
搭載する現像装置を図5のものにしたこと以外は実施例9と同様にして評価を行なった。
【実施例23】
【0183】
搭載する現像装置を図5のものにしたこと以外は実施例10と同様にして評価を行なった。
【実施例24】
【0184】
搭載する現像装置を図5のものにしたこと以外は実施例11と同様にして評価を行なった。
【実施例25】
【0185】
搭載する現像装置を図5のものにしたこと以外は実施例12と同様にして評価を行なった。
【実施例26】
【0186】
搭載する現像装置を図5のものにしたこと以外は実施例13と同様にして評価を行なった。
【実施例27】
【0187】
搭載する現像装置を図5のものにしたこと以外は実施例14と同様にして評価を行なった。
上記実施例1〜27、比較例1〜5の組み合わせ及び評価結果を表4に示す。
【0188】
【表4】

【符号の説明】
【0189】
(図1〜図3)
1 静電潜像保持体(特許文献1、図1より)
4 現像装置
5 現像ローラ
6 第2のオーガ(特許文献1、図1より)
7 回収搬送路
8 第1のオーガ(特許文献1、図1より)
9 供給搬送路
10 攪拌搬送路
11 第2のオーガ(特許文献1、図4より)
15 現像ローラ回転軸
16 現像剤規制部材(特許文献1、図1より)
27 濃度センサ(特許文献2、図1より)
209 第3のオーガ(特許文献1、図1より)
401 第1のオーガ(特許文献1、図4より)
403 仕切り部材
404 仕切り部材
405 仕切り部材
(図4)
101A 駆動ローラ
101B 従動ローラ
102 感光体ベルト
103 帯電器
104 レーザ書き込み系ユニット
105A〜105D それぞれイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色のトナーを収容する現像ユニット
105E 透明のトナーを収容する現像ユニット
106 給紙カセット
107 中間転写ベルト
107A 中間転写ベルト駆動用の駆動軸ローラ
107B 中間転写ベルトを支持する従動軸ローラ
108 クリーニング装置
109 定着ローラ
109A 加圧ローラ
110 排紙トレイ
113 紙転写ローラ
(図5〜図7)
1 感光体
4 現像装置
5 現像ローラ
6 回収スクリュー
7 回収搬送路
8 供給スクリュー
9 供給搬送路
10 攪拌搬送路
11 攪拌スクリュー
12 現像ドクタ
133 第一仕切り壁
134 第二仕切り壁
(図8〜図10)
1 感光体
2 帯電装置
3 現像装置
9 剤離し領域
10 剤汲み上げ領域
11 現像剤循環系路
12 現像剤循環系路
13 現像剤循環系路
14 現像剤循環系路
301 ケーシング
302 現像ローラ
302a 固定軸
302c スリーブ
302d マグネットローラ
303 現像剤規制部材
304 現像剤供給搬送部材
305 現像剤撹拌搬送部材
305J 軸部
306 仕切板
307 開口
308 羽根車
310 補給用開口
320 現像剤
O−302 中心
O−302a 中心線
O−304a 中心線
O−305a 中心線
A 現像ニップ領域A
GP1 現像ギャップ
GP2 仕切板ギャップ
(図11〜15)
14 現像剤収容部
15 ハウジング
15a 補給口
200 現像剤補給装置
220 現像剤補給器
221 搬送チューブ
222 容器ホルダ
223 スクリューポンプ
223a トナー吸引口
223b トナー落下口
224 ロータ
225 ステータ
226 駆動モータ
227 ユニバーサルジョイント
228 軸受
230 現像剤収容器
231 現像剤収納部材
232 口金部
233 シール材
240 ノズル
241 内管
241a 現像剤流路
242 外管
244a,244b エア流路
246a,246b エア供給口
247 現像剤流出口
260a,260b エアポンプ
261a,261b エア供給路
262a,262b 開閉弁
【先行技術文献】
【特許文献】
【0190】
【特許文献1】特開平4−278967号公報
【特許文献2】特開平4−362960号公報
【特許文献3】特開平9−200551号公報
【特許文献4】特開平5−158364号公報
【特許文献5】特開平8−220821号公報
【特許文献6】特開2009−109926号公報
【特許文献7】特開平4−338984号公報
【特許文献8】特許3127594号公報
【特許文献9】特開平11−167260号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上に1種以上の有彩色トナー画像と透明トナー画像を形成する画像形成方法であって、少なくとも、前記透明トナー画像を形成する現像装置が、透明トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を表面上に担持して回転し、潜像担持体と対向する箇所で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送し、該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給搬送部材を備えた現像剤供給搬送路を有し、該潜像担持体と対向する箇所を通過後の該現像剤は、現像剤搬送部材を備え、少なくとも長手方向両端部を除く中央部で該現像剤供給搬送路と仕切部材によって仕切らた、該現像剤担持体の軸線方向に沿って該現像剤を搬送する現像剤搬送路に回収され、該透明トナーの粘弾性において、損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=正接損失(tanδ)で表わされる正接損失が80〜160℃にピークを有し、かつ正接損失のピーク値が3以上であり、該透明トナーが滑剤を有していることを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
該現像剤担持体と、該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送し、該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給搬送部材を備えた現像剤供給搬送路と、該潜像担持体と対向する箇所を通過後の該現像剤担持体上から回収された該現像剤を該現像剤担持体の軸線方向に沿って、且つ、前記現像剤供給搬送部材と同方向に搬送する現像剤回収搬送部材を備えた現像剤回収搬送路と、現像に用いられずに該現像剤供給搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された余剰現像剤と、該現像剤担持体から回収され該現像剤回収搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された回収現像剤との供給を受け、該現像剤担持体の軸線方向に沿って、且つ、該余剰現像剤と該回収現像剤とを攪拌しながら該現像剤供給搬送部材とは逆方向に搬送する現像剤攪拌搬送部材を備え該現像剤を該現像剤供給搬送路に供給する現像剤攪拌搬送路と、を有し、該現像剤回収搬送路、該現像剤供給搬送路及び該現像剤攪拌搬送路からなる3つの現像剤搬送路はそれぞれ仕切り部材により仕切られ、該現像剤攪拌搬送路と該現像剤回収搬送路とはほぼ同じ高さに設けられ、該現像剤供給搬送路は他の2つの該現像剤搬送路の上方に位置するように設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
該現像剤担持体と、該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送し該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給搬送部材を備えた現像剤供給搬送路と、現像に用いられずに該現像剤供給搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された余剰現像剤の供給を受け該現像剤担持体の軸線方向に沿って該余剰現像剤を攪拌しながら該現像剤供給搬送部材とは逆方向に搬送する現像剤攪拌搬送部材を備え該現像剤を該現像剤供給搬送路に供給する現像剤攪拌搬送路とを有し、該現像剤供給搬送路と該現像剤攪拌搬送路は、少なくとも長手方向両端部を除く中央部で仕切部材によって仕切られており、該潜像担持体と対向する箇所を通過した現像剤は、該現像剤攪拌搬送路に回収され該現像剤攪拌搬送路を搬送されてきた現像剤と混合された後に該現像剤供給搬送路へ供給されることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記透明トナー画像による少なくとも1層のトナー層が、記録媒体上で最表面に形成されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項5】
前記透明トナーを構成する熱可塑性樹脂が、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が6以下のポリエステル樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記透明トナーを構成する熱可塑性樹脂として、結晶性のポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項7】
「前記透明トナーが、内部に脂肪酸アマイド系滑剤を含有することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項8】
前記有彩色トナー上に形成された透明トナーの定着後のトナー層が1〜15μmであることを特徴とする、請求項1乃至7項のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記現像装置と、トナーもしくは現像剤を補給する補給装置を有し、該補給装置が、形状が容易に変形する、補給用トナーもしくは現像剤を収納する収納容器と、該収納容器内の補給用トナーもしくは現像剤を吸引して該現像装置に供給する吸引ポンプを有する画像形成装置が用いられることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項10】
像担持体と、少なくとも像担持体上に形成された静電潜像をトナー及びキャリアを含む現像剤により可視像とする現像装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能に備えられ、請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成方法に用いられることを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−32774(P2012−32774A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81534(P2011−81534)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】