説明

電子機器、プログラム、及びガイダンス方法

【課題】操作に関するガイダンスの出力をより的確なタイミングで行うことができるようにする。
【解決手段】電子機器において、所定の操作ミスの発生を検出する操作ミス検出手段と(ステップ61〜68)、操作ミスの発生回数をカウントするカウント手段と(ステップ70)、操作ミス発生回数のカウント値が2以上の所定値に達したことに応じて所定のガイダンスの出力を行うガイダンス出力手段と(ステップ72)を設ける。操作ミス発生回数のカウント値は、たとえばガイダンスが所定回数行われる毎にクリアする。ガイダンスの内容はガイダンスを行った回数に応じて変更するようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作に関するガイダンスを行う機能を有する電子機器、この電子機器に適したプログラム、及びガイダンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーションシステムのような、マンマシンインタフェースを備えたシステムとして、複雑な操作手順を必要とするとき、操作を補助するための音声によるガイダンスを行うようにしたものが知られている。さらに、音声ガイダンスの出力及び非出力をユーザが任意に切り替えることができるようにしたシステムや、操作回数、操作スピード等に応じて音声ガイダンスの出力及び非出力を切り替えるようにしたシステムも公開されている。
【0003】
具体的にはたとえば、操作ボタンが所定時間以上押下された場合には、その操作ボタンにアサインされている機能を実行し、所定時間未満押下された場合にはその機能の説明を音声で行うことにより、視覚が不自由な者でも容易に操作を行うことができるようにした技術が知られている(たとえば特許文献1参照)。また、装置を使用するにあたっての基本事項に関する音声ガイダンスと、実際の使用時に適宜必要となる個別的対処事項についての音声ガイダンスとを所定の操作により使い分けて利用できるようにした技術が知られている(たとえば特許文献2参照)。さらに、ユーザによるアクセス回数やユーザに対する案内回数、音声認識におけるトークバックの繰り返し数や発声速度等に基づいて操作の慣れの程度を判断し、その程度に応じて、ガイダンスの内容、ガイダンス音声の発声速度やピッチ等を変更するようにした技術も知られている(たとえば特許文献3参照)。
【0004】
これらの従来技術における主なガイダンスの方式を分類すると、次のようになる。すなわち、(1)音声ガイダンスの出力を行うか否か、ガイダンスの内容を詳細なもの又は簡易なものとするか等を選択ボタンにより切り替えるようにしたもの、(2)音声ガイダンスの対象となる機能を行うためのボタンについて、その押下時間に応じて音声ガイダンスの出力に関する切替えを行うようにしたもの、(3)音声ガイダンスの対象となる操作の慣れの程度を操作回数等により判断し、慣れの程度に応じて音声ガイダンスの出力に関する切替えを行うようにしたもの、(4)音声ガイダンスの対象となる操作の操作速度等に応じて、音声ガイダンスの出力に関する切替えを行うようにしたもの、等である。
【0005】
【特許文献1】特開2003−316212号公報
【特許文献2】特開2002−41278号公報
【特許文献3】特開2001−22370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、かかる従来方式のうち(3)及び(4)の、音声ガイダンスの出力に関する切替えを自動的に行うようにした方式の場合、操作の慣れの程度を操作速度や操作回数等に基づいて判定しているので、判定された慣れの程度は必ずしも本質的な意味における操作者の慣れを示しているとは言い難い場合がある。また、(1)及び(2)の音声ガイダンスの出力及び非出力等を操作者が選択して切り替える方式の場合は、その選択行為自体が煩わしいことに加え、音声ガイダンスの出力条件を詳細に区分することが困難であることが多い。
【0007】
本発明の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、電子機器において、操作に関するガイダンスの出力をより的確なタイミングで行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、第1の発明に係る電子機器は、所定の操作ミスの発生を検出する操作ミス検出手段と、操作ミスの発生回数をカウントするカウント手段と、操作ミス発生回数のカウント値が2以上の所定値に達したことに応じて所定のガイダンスの出力を行うガイダンス出力手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
ここで、電子機器としては、たとえば、ナビゲーション装置やオーディオ・ビジュアル機器が該当する。操作ミスとしては、たとえば、無効状態にある所定のボタンが押下された場合や、確定すべき入力文字が確定されずに別の状態に遷移する操作が行われた場合、電源をオフする操作によって所定の処理が中断された場合が該当する。ガイダンスとしては、たとえば、音声によるものや、文字の表示によるもの、LEDを用いたインジケータによるもの、ビープ音によるものが該当する。
【0010】
この構成において、操作ミス検出手段により所定の操作ミスの発生が検出されると、カウント手段は、操作ミス発生回数のカウント値をカウントアップする。そして、カウント値が所定値に達すると、ガイダンス出力手段が所定のガイダンスを行う。したがって、ガイダンスを行うか否かの判定基準となる該所定値を適切に定めることにより、所定操作ミスに係る操作についての慣れの程度を客観的に判定し、ガイダンスを的確なタイミングで行うことができる。
【0011】
第2の発明に係る電子機器は、第1発明において、操作ミス検出手段は、無効状態にある所定の操作子が操作された場合、禁止されている所定の操作が行われた場合、処理能力を超える所定の操作が行われた場合、所定の入力受入れ状態において、受け入れた入力が確定されることなく、他の操作によって該状態から他の状態に遷移した場合、所定の入力受入れ状態において、受け入れた入力が確定されることなく、所定時間が経過したことによって該状態から他の状態に遷移した場合、又は、所定の設定操作が行われているときに、設定が完了する前に電源がオフとされた場合を前記所定の操作ミスとして検出するものであることを特徴とする。
【0012】
第3の発明に係る電子機器は、第1又は第2発明において、カウント手段は、操作ミス発生回数のカウント値を、ガイダンスが所定回数行われる毎にクリアするものであることを特徴とする。所定回数としては、1回以上の任意の回数を採用することができる。
【0013】
第4の発明に係る電子機器は、第1〜第3のいずれかの発明において、ガイダンスを行った回数に応じてガイダンスの内容を変更する手段を有することを特徴とする。
【0014】
第5の発明に係る電子機器は、第1〜第4のいずれかの発明において、前記所定操作ミスが発生し得る所定の操作受入れ状態が、所定操作ミスの発生が検出されることなく終了したことに応じて、操作ミス発生回数のカウント値を減ずる手段を有することを特徴とする。ここで、所定の操作受入れ状態としては、たとえば、音響効果を設定する操作を受け入れるための操作画面を表示している状態や、文字の入力を受け入れるための操作画面を表示している状態、操作画面を介した操作を受け入れていない状態が該当する。
【0015】
第6の発明に係る電子機器は、第1〜第5のいずれかの発明において、ガイダンス出力手段は、操作ミス発生回数のカウント値が所定値に達する原因となる操作ミスが発生した時点、又はその後、その操作ミスが発生した所定の操作受入れ状態に再度移行する時点において前記ガイダンスの出力を行うものであることを特徴とする。
【0016】
第7の発明に係る電子機器は、第1又は第2発明において、カウント手段は、操作ミス発生回数のカウントを、前記所定操作ミスが発生し得る所定の操作受入れ状態に移行したときに初期値をゼロとして開始し、その状態が終了するまで行うものであることを特徴とする。
【0017】
第8の発明に係るプログラムは、第1〜第7の発明に係る電子機器を構成する各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0018】
第9の発明に係るガイダンス方法は、電子機器が、所定の操作ミスの発生を検出する操作ミス検出工程と、電子機器が、操作ミスの発生回数をカウントするカウント工程と、電子機器が、操作ミス発生回数のカウント値が所定値に達したことに応じて所定のガイダンスの出力を行うガイダンス出力工程とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、操作ミス発生回数のカウント値に応じてガイダンスを行うようにしたため、操作の慣れの状態を客観的に把握し、適切なタイミングでガイダンスを行うことができる。また、ガイダンスを行った回数に応じてガイダンスの内容を変化させるようにしたため、操作ミスが無くならない場合には、操作ミス抑制力のより高いガイダンスを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示す。同図に示すように、このシステムは、システム各部の制御を行う本体制御部10、システムの動作に必要な各種データを保有するデータストア部20、並びにマンマシンインタフェースとしての機能を果たす表示器30及び音声装置40を備える。
【0021】
本体制御部10は、本発明に従い、所定の操作ミスに対して所定のガイダンスを行うための制御を行うガイダンス制御部11、主にナビゲーション機能に関する制御を行うナビゲーション制御部12、及び電源の制御を行う電源制御部13を備える。データストア部20は、操作ミスの回数を記憶する操作ミス回数記憶部21及びガイダンス用の音声データを保有する音声データベース22を備える。
【0022】
表示器30は、ユーザがシステムに対する操作入力を行うための操作部31、ユーザに対し視覚を通じて種々の情報を付与するための表示部32及びLED33、並びに表示部32及びLED33をガイダンス制御部11からのデータに基づいて駆動する表示出力部34を備える。操作部31は、表示部32上に設けられたタッチパネル31a及びハードキー31bを備える。音声装置40は、音声信号を音響に変換するスピーカ41、ガイダンス制御部11からの信号に基づきスピーカ41を駆動する音声出力部42を備える。
【0023】
ガイダンス制御部11は、操作ミス回数記憶部21において記憶される操作ミスの回数及びナビゲーション制御部12からの電源情報又は操作部31により入力される情報に基づき、ガイダンスが必要であるか否かを判定する。この判定結果に基づき、ガイダンス制御部11は、表示出力部34を制御し、表示部32及びLED33によるガイダンスとしての表示を行う。あるいは、音声データベース22から必要な音声データを読み出して音声出力部42へ供給し、音声によるガイダンスを行う。
【0024】
図2は図1のシステムの正面図であり、操作パネルを示している。ハードキー31bは操作パネルの開閉、電源のオン・オフ、ナビゲーションに関する各種操作、表示やオーディオに関する各種操作等を行うための各種キーで構成されている。表示部32上にタッチパネル31aが設けられており、本体制御部10は、タッチパネル31a上のタッチ位置及び表示部32におけるボタンやキーの表示位置に基づき、押下されたボタンやキーを認識することができるようになっている。LED33は各種情報を表示するインジケータとしての機能を有する。
【0025】
図3は図2の操作パネルを開くと現れる、DVDやメモリスティック等の挿入口を有する部分を示す。図中の35はデータストア部20を構成する内蔵ハードディスクである。なお、操作ミス回数記憶部21はこのハードディスク20によらず、内蔵メモリにより構成してもよい。図4は図1のシステムの背面図である。図中の43は、電源コネクタであり、電源ライン及び音声出力ラインを構成している。
【0026】
図5は表示部32における表示画面の一例を示す。図中の51はユーザが所定の機能の選択を行うために表示されている5つの選択ボタン、52及び53はそれぞれ、選択ボタン51のうちの所定のボタン54に関連しており、ボタン54が押下された場合にのみ有効となる2つ及び1つの関連ボタンである。55は図5の画面を終了させて他の画面に移行させるための画面終了ボタンである。5つの選択ボタン51のうちの所定ボタン54以外のものが押下された場合、関連ボタン52及び53は無効とされ、その表示意匠が、押下不能である旨を示す表示意匠に変更されるようになっている。
【0027】
図6は本体制御部10による処理の一部を示すフローチャートである。同図の処理においては、図5の画面表示が行われているときに、無効化された関連ボタン52及び53が押下される毎に、操作ミスとしてその押下回数をカウントし、所定のカウント値に達したとき、所定のガイダンスを行うようにしている。なお、処理の開始時にはカウント値はゼロとなっている。
【0028】
すなわち、図6の処理を開始し、ステップ61において、いずれかのボタンの押下を検出すると、本体制御部10は、ステップ62において、押下されたボタンが画面終了ボタン55であるか否かを判定する。画面終了ボタン55ではないと判定した場合にはステップ63へ進み、押下されたボタンが所定のボタン54であるか否かを判定する。所定ボタン54であると判定した場合には、ステップ64において、所定ボタン54に関連する関連ボタン52及び53の表示意匠を、その押下が可能である旨を示す表示意匠に変更し、関連ボタン52及び53を有効化する。その後、ステップ61に戻る。
【0029】
ステップ63において、押下されたボタンが所定ボタン54ではないと判定した場合には、ステップ65へ進み、押下されたボタンが関連ボタン52又は53であるか否かを判定する。関連ボタンではないと判定した場合には、押下されたボタンは選択ボタン51のうちの所定ボタン54以外のボタンであるとみなすことができる。したがってこの場合にはステップ66へ進み、関連ボタン52及び53の表示意匠を、その押下が不能である旨を示す表示意匠に変更し、関連ボタン52及び53を無効化する。その後、ステップ67において、押下された選択ボタン51に対応する処理を行い、ステップ61に戻る。
【0030】
ステップ65において、押下されたボタンが関連ボタン52又は53であると判定した場合にはステップ68へ進み、関連ボタン52及び53が有効であるか否かを判定する。有効であるということは、所定ボタン54の押下により関連ボタン52及び53がステップ64において有効化されているということを意味する。したがって有効であると判定した場合には、ステップ69において、押下された関連ボタン52又は53に対応する処理を行い、ステップ61に戻る。
【0031】
ステップ68において、押下されたボタンである関連ボタン52及び53が有効ではないと判定した場合には、ボタンの押下は操作ミスであるため、ステップ70へ進み、操作ミス回数のカウント値をカウントアップする。次にステップ71において、操作ミスのカウント値が所定値に達したか否かを判定する。所定値に達していないと判定した場合にはステップ61へ戻る。
【0032】
ステップ71において、操作ミスのカウント値が所定値に達したと判定した場合には、ステップ72へ進み、所定のガイダンスを行う。すなわち、図5の画面における操作方法を示す音声を、スピーカ41から出力する。ガイダンスの内容としては、たとえば、「×××ボタン(ボタン52及び53)は△△△を設定するためのものです。この設定は○○○ボタン(ボタン54)を押下したときに有効になります。」が該当する。この後ステップ61に戻る。
【0033】
ステップ62において、押下されたボタンが画面終了ボタン55であると判定した場合には、ステップ73へ進み、操作ミス回数のカウント値をクリアする。これにより、図6の処理が終了する。
【0034】
この図6の処理によれば、無効化された関連ボタン52又は53を押下する操作ミスの回数が所定値に達すると、正しい操作に導くガイダンスを行うようにしたため、適切なタイミングでガイダンスを行い、ユーザが操作ミスを繰り返すのを防止することができる。
【0035】
図7は表示部32における表示画面の別の例を示す。75は入力する文字や記号を指定するための文字入力キー、76は入力した文字の消去やスペース入力等を行うための入力補助キー、77は入力された文字や記号を表示する領域、78は入力された文字や記号の入力を確定するための確定キー、そして79は図7の画面を終了するための画面終了キーである。
【0036】
図8は本体制御部10による別の処理を示すフローチャートである。この処理においては、図7の表示画面において、文字等の入力がなされた後に入力結果を確定することなく画面終了キー79が押下され又は車両電源のオフによる強制終了がなされた場合、及び、キー75又は76が連打されたために処理速度上の制限に起因して連打による押下回数と確定された文字数とが一致しない場合を操作ミスとみなしてその回数をカウントし、所定のカウント値に達したとき、図7の画面による文字入力受入れ状態に再度移行した時点で所定のガイダンスを行うようにしている。
【0037】
すなわち、処理を開始すると本体制御部10は、まずステップ81において、操作ミス回数のカウント値が所定値に達しているか否かを判定する。所定値に達していると判定した場合にはステップ82へ進み、所定のガイダンスを行う。すなわち、図7の画面における操作方法を示す音声を、スピーカ41から出力する。ガイダンスの内容としては、たとえば「入力した文字を確定する場合には、OKキー(確定キー78)を押してから終了してください。また、操作はゆっくりと行ってください。」が該当する。この後、ステップ83において、操作ミスのカウント値をクリアし、ステップ84に進む。一方、ステップ81において操作ミスのカウント値が所定値に達していないと判定した場合には直ちにステップ84に進む。
【0038】
ステップ84では、いずれかのキーが押下されるのを待機する。キーの押下を検出すると、ステップ85へ進み、押下されたキーが文字等の入力用のキーであるか否か、すなわち文字入力キー75又は入力補助キー76であるか否かを判定する。入力用のキーであると判定した場合にはステップ86において、押下されたキーに対応した入力処理を行い、必要に応じて表示領域77の表示を更新し、ステップ84に戻る。
【0039】
ステップ85において、押下されたキーが入力用のキーではないと判定した場合には、ステップ87へ進み、押下されたキーが確定キー78であるか否かを判定する。確定キー78であると判定した場合には、ステップ88へ進み、入力用のキー75又は76の押下回数すなわち入力された文字又は記号の字数と、確定された文字又は記号の字数とを比較し、両字数が一致するか否かを判定する。一致すると判定した場合はそのままステップ84に戻る。一致しないと判定した場合には、キー75又は76の連打による操作ミスであるとみなし、ステップ89において、操作ミス回数のカウント値をカウントアップしてから、ステップ84に戻る。
【0040】
ステップ87において、押下されたキーが確定キー78でないと判定した場合には、ステップ90へ進み、図7の画面の終了か否か、すなわち押下されたキーが画面終了キー79又はハードキー31b(図2)のうちの電源オフキーであるか否かの判定を行う。画面終了ではないと判定した場合にはステップ84へ戻る。画面終了であると判定した場合には、ステップ91へ進み、入力された文字又は記号が、確定キー78の押下により確定されているか否かを判定する。
【0041】
ステップ91において、入力された文字又は記号が確定されていないと判定した場合には、操作ミスであるとみなし、ステップ92において操作ミス回数のカウント値をカウントアップしてから図8の処理を終了する。確定済みであると判定した場合にはそのまま図8の処理を終了する。
【0042】
図8の処理によれば、入力した文字や記号の確定を行わずに図7の画面を終了したり、電源をオフにしたりした場合や、連打により押下回数と入力字数とが一致しなかったりした場合には、操作ミスとしてその回数をカウントし、カウント値が所定値に達した場合には、かかる操作ミスが生じないように導くガイダンスを行うようにしたため、適切なタイミングでガイダンスを行い、操作ミスが繰り返されるのを防止することができる。
【0043】
図9は表示部32における表示画面の別の例を示す。この画面は、あるデータを削除している最中に表示されるものである。図中の表示領域91には、現在データの削除中であるため、操作入力が禁止されている旨、及び電源をオフにしてはならない旨のメッセージが表示されている。
【0044】
図10は本体制御部10によるさらに別の処理を示すフローチャートである。この処理においては、図9の画面が表示されている状態において、電源をオフする操作や他の操作入力が行われた場合、これを操作ミスとみなし、そのミス操作の回数をカウントし、カウント値が所定値に達したとき、図9の画面を表示している状態に再度移行した時点で所定のガイダンスを行うようにしている。
【0045】
すなわち、図10の処理を開始すると、制御部10は、まず、ステップ91において、操作ミス回数のカウント値が所定値に達したか否かを判定する。所定値に達していないと判定した場合にはステップ97へ進む。所定値に達していると判定した場合にはステップ92へ進み、ガイダンスを行った回数のカウント値が所定値に達したか否かを判定する。所定値に達していないと判定した場合には、ステップ93において、操作ミスを防止するための所定のガイダンスを行う。ガイダンスの内容としては、たとえば「現在データを削除中です。他の操作は行わないでください。また電源を切らないでください。」が該当する。この後、ステップ95においてガイダンス回数のカウント値をカウントアップし、ステップ96へ進む。
【0046】
ステップ92において、ガイダンスを行った回数のカウント値が所定値に達したと判定した場合には、ステップ94において、ステップ93におけるガイダンスよりも操作ミスについての抑止力の強いガイダンスを出力する。ガイダンスの内容としては、たとえば「データの削除中に他の操作を行ったり、電源を切ったりした場合にはデータが壊れることがあります。絶対に行わないでください。」が該当する。この後、ステップ96へ進む。
【0047】
ステップ96においては、操作ミス回数のカウント値をクリアする。次のステップ97においては、何らかの操作、たとえばキーやボタンの押下あるいは電源をオフする操作が行われたか否かを判定する。かかる操作が行われていない場合はそのままステップ99へ進み、操作が行われたと判定した場合には、そのような操作はいずれも操作ミスであるため、ステップ98において、操作ミス回数のカウント値をカウントアップしてから、ステップ99へ進む。
【0048】
ステップ99では、図9の画面の終了であるか否かを判定する。画面終了となる場合としては、データの削除処理が完了して別の表示状態へ移行する場合や、電源がオフとされて強制終了する場合がある。画面終了ではないと判定した場合にはステップ97へ戻り、画面終了であると判定した場合には、図10の処理を終了する。
【0049】
図10の処理によれば、ガイダンス回数をカウントし、カウント値が所定値に達した後は、それ以前よりも操作ミスに対する抑止力の強いガイダンスを行うようにしたため、より危険な操作ミスに対し、適切なタイミングで、操作ミス防止効果が高いガイダンスを行うことができる。
【0050】
なお、本発明は上述実施形態に限定されることなく、適宜変形して実施することができる。たとえば、上述においては、所定の操作を受け入れる状態として、図5、図7、及び図9の画面を表示している状態を例示し、それぞれについて操作ミス回数をカウントし、ガイダンスを行う処理を別個に説明したが、これらの処理は1つのシステムにおいて同時並行的に行うようにしてもよい。つまり、1つのシステムにおいて図5、図7及び図9の各画面に遷移する毎に、各画面で発生したミス操作を別個にカウントしてゆき、各画面毎にガイダンスを行うようにしてもよい。
【0051】
また、上述においては、操作ミスである場合として、無効状態にある操作子が操作された場合、処理能力を超える操作が行われた場合、所定の入力を受け入れる状態において、受け入れた入力が確定されることなく、他の操作によって該状態から他の状態に遷移した場合、及び、禁止されている操作が行われた場合について述べたが、これら以外にも、たとえば、所定の入力を受け入れる状態において、受け入れた入力が確定されることなく、所定時間が経過したことによって該状態から他の状態に遷移した場合や、所定の設定操作が行われているときに、設定が完了する前に電源がオフとされた場合を操作ミスとすることもできる。なお、所定の操作受入れ状態において、これらの操作ミスのうちのいずれについてカウントを行い、ガイダンスの対象とするかは、その状態において最も適切なものを採用することができる。複数の操作ミスについてのカウント結果を総合して、ガイダンスを行うようにしてもよい。
【0052】
また、上述においては、ガイダンスを行うべき操作ミス回数の所定のカウント値については特に言及しなかったが、この所定のカウント値としては、操作ミスを検出する状態において受け付ける操作やそれによる設定行為の重要度等に応じ、2以上の任意の値を設定することができる。
【0053】
また、上述においては言及しなかったが、たとえば図8の処理において、操作ミスの発生が検出されることなく同図の処理を終了する場合には、操作ミス発生回数のカウント値を減ずるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムの操作パネルを示している正面図である。
【図3】図2の操作パネルを開くと現れる、DVDやメモリスティック等の挿入口を有する部分を示す図である。
【図4】図1のシステムの背面図である。
【図5】図1のシステムの表示部における表示画面の一例を示す図である。
【図6】図1のシステムの本体制御部による処理の一部を示すフローチャートである。
【図7】図1のシステムの表示部における表示画面の別の例を示す図である。
【図8】図1のシステムの本体制御部による別の処理を示すフローチャートである。
【図9】図1のシステムの表示部における表示画面の別の例を示す図である。
【図10】図1のシステムの本体制御部によるさらに別の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
10:本体制御部、11:ガイダンス制御部、12:ナビゲーション制御部、13:電源制御部、20:データストア、21:操作ミス回数記憶部、22:音声データベース、30:表示器、31:操作部、31a:タッチパネル、31b:ハードキー、32:表示部、33:LED、34:表示出力部、35:内蔵ハードディスク、40:音声装置、41:スピーカ、42:表示出力部、43:電源コネクタ、51:5つの選択ボタン、52:2つの関連ボタン、53:1つの関連ボタン、54:所定ボタン、55:画面終了ボタン、75:文字入力キー、76:入力補助キー、77:入力された文字や記号を表示する領域、78:確定キー、79:画面終了キー、91:表示領域。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の操作ミスの発生を検出する操作ミス検出手段と、
前記操作ミスの発生回数をカウントするカウント手段と、
前記操作ミス発生回数のカウント値が2以上の所定値に達したことに応じて所定のガイダンスの出力を行うガイダンス出力手段とを具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記操作ミス検出手段は、無効状態にある所定の操作子が操作された場合、禁止されている所定の操作が行われた場合、処理能力を超える所定の操作が行われた場合、所定の入力受入れ状態において、受け入れた入力が確定されることなく、他の操作によって該状態から他の状態に遷移した場合、所定の入力受入れ状態において、受け入れた入力が確定されることなく、所定時間が経過したことによって該状態から他の状態に遷移した場合、又は、所定の設定操作が行われているときに、設定が完了する前に電源がオフとされた場合を前記所定の操作ミスとして検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記カウント手段は、前記操作ミス発生回数のカウント値を、前記ガイダンスが所定回数行われる毎にクリアするものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記ガイダンスを行った回数に応じて前記ガイダンスの内容を変更する手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記所定操作ミスが発生し得る所定の操作受入れ状態が、前記所定操作ミスの発生が検出されることなく終了したことに応じて、前記操作ミス発生回数のカウント値を減ずる手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記ガイダンス出力手段は、前記操作ミス発生回数のカウント値が前記所定値に達する原因となる操作ミスが発生した時点、又はその後、その操作ミスが発生した所定の操作受入れ状態に再度移行する時点において前記ガイダンスの出力を行うものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記カウント手段は、前記操作ミス発生回数のカウントを、前記所定操作ミスが発生し得る所定の操作受入れ状態に移行したときに初期値をゼロとして開始し、その状態が終了するまで行うものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項8】
請求項1〜7の電子機器を構成する各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
電子機器が、所定の操作ミスの発生を検出する操作ミス検出工程と、
前記電子機器が、前記操作ミスの発生回数をカウントするカウント工程と、
前記電子機器が、前記操作ミス発生回数のカウント値が所定値に達したことに応じて所定のガイダンスの出力を行うガイダンス出力工程とを具備することを特徴とするガイダンス方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−259855(P2006−259855A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−73058(P2005−73058)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】