説明

電子機器及びトイレ装置

【課題】周波数が変動する電源を用いる環境下であっても通電とノイズとの区別を確実に行い、的確に運転を再開することができる電子機器及びトイレ装置を提供する。
【解決手段】周波数が変化する交流電源から電力の供給を受け、前記交流電源のゼロクロスを検出してゼロクロス検知信号を出力する電源回路と、制御信号を出力する制御部と、前記制御信号に基づいて動作する被制御部と、を備え、前記制御部は、前記交流電源が停電すると、所定の時間内に前記ゼロクロス検知信号を所定の回数以上受信した場合に、前記被制御部の動作を再開させることを特徴とする電子機器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びトイレ装置に関し、より具体的には、交流電力により動作する電子機器であって、例えば洋式腰掛便器に腰掛けた使用者の「おしり」などを水で洗浄する衛生洗浄機能などを有する電子機器及びトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電力により動作する電子機器において、交流電源のゼロクロス検知に基づいて電源の停電の有無を判断する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。この技術を用いると、停電が起こったことは、周波数によって決められた間隔毎にゼロクロスが起こらないことを基に判断することができる。また、停電からの復帰に際しては、周波数によって決められた間隔毎にゼロクロスが起こることを検知すればよい。
【特許文献1】特開平3−295473号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電源の周波数が一定の場合には、ゼロクロス検知信号が通電によるものかノイズによるものかを区別することができる。従って、ゼロクロスを一定周期毎に検知できれば、電源が通電していると判断できる。
しかし、周波数が変動する交流電源を用いる場合、一定周期を定めることができないため、ゼロクロス検知信号が通電によるものかノイズによるものかを区別することが困難となる。
【0004】
本発明は、周波数が変動する電源を用いる環境下であっても通電とノイズとの区別を確実に行い、的確に運転を再開することができる電子機器及びトイレ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、周波数が変化する交流電源から電力の供給を受け、前記交流電源のゼロクロスを検出してゼロクロス検知信号を出力する電源回路と、制御信号を出力する制御部と、前記制御信号に基づいて動作する被制御部と、を備え、前記制御部は、前記交流電源が停電すると、所定の時間内に前記ゼロクロス検知信号を所定の回数以上受信した場合に、前記被制御部の動作を再開させることを特徴とする電子機器が提供される。
【0006】
また、本発明の他の一態様によれば、周波数が変化する交流電源から電力の供給を受け、前記交流電源のゼロクロスを検出してゼロクロス検知信号を出力する電源回路と、制御信号を出力する制御部と、前記電力供給開始時に初期化動作を実行するとともに、前記制御信号に基づいてパルス駆動により動作するモータと、前記モータにより進退される吐水ノズルと、を備え、前記制御部は、前記モータの駆動途中で前記交流電源が停電すると、所定の時間内に前記ゼロクロス検知信号を所定の回数以上受信した場合に、前記モータの動作を再開させることを特徴とするトイレ装置が提供される。
【0007】
また、本発明のさらに他の一態様によれば、周波数が変化する交流電源から電力の供給を受け、前記交流電源のゼロクロスを検出してゼロクロス検知信号を出力する電源回路と、制御信号を出力する制御部と、前記電力供給開始時に初期化動作を実行するとともに、前記制御信号に基づいてパルス駆動により動作するモータと、前記モータにより駆動される制御弁と、を備え、前記制御部は、前記モータの駆動途中で前記交流電源が停電すると、所定の時間内に前記ゼロクロス検知信号を所定の回数以上受信した場合に、前記モータの動作を再開させることを特徴とするトイレ装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、周波数が変動する電源を用いる環境下であっても通電とノイズとの区別を確実に行い、的確に運転を再開することができる電子機器及びトイレ装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において類似する要素には同一の符号を付して、詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる電子機器の要部構成を例示するブロック図である。 本実施形態の電子機器は、電源回路1と、制御部2と、被制御部3と、操作部4と、を有する。この電子機器は、交流電源900により動作するものであり、機械的に動作したり、熱を発生したり、音を発生したり、光を発生したり、画像を表示したりするための機構を適宜備える。この電子機器の一例としては、衛生洗浄機能を備えたトイレ装置を挙げることができる。
【0010】
ここで、交流電源900は、周波数が一定ではなく、例えば、250〜600ヘルツの範囲内で変化する。
【0011】
電源回路1は、このような交流電源900から供給される交流電力を電源として、制御部2や被制御部3を動作させるための交流または直流の電圧P1、P2を生成する。例えば、制御部2がCPU(Central Processing Unit)を有する場合、このCPUを動作させるための直流5ボルトなどの電圧P1を生成し、制御部2に供給する。また、被制御部3が直流24ボルトで駆動するステッピングモータを有する場合、電源回路1は、交流電源900から供給される交流電力を電源として直流24ボルトの電圧P2を生成し、被制御部3に供給する。
なお、交流電源900は、電源回路1に内蔵されていてもよい。例えば、電源回路1は、各種の燃料により交流電力を発生する発電機を交流電源900として内蔵することもできる。
【0012】
また、電源回路1は、交流電源900から供給される交流電力のゼロクロス点を検出し、その検知信号S1を制御部2に出力する。すなわち、電源回路1は、交流電源900から供給される交流電力の電圧のマイナスからプラスへの遷移、及びプラスからマイナスへの遷移の少なくともいずれかを検知し、これに対応したゼロクロス検知信号S1を生成して出力する。
【0013】
制御部2は、電源回路1から供給される電圧P1により動作し、電源回路1から出力されたゼロクロス検知信号S1に基づいて一部の被制御部3の動作を制御する。
被制御部3は、制御部2から出力される制御信号C1に基づいて所定の動作をする。その動作としては、前述したように、機械的な動作であったり、熱の発生や、音の発生、光の発生、画像の表示などを挙げることができる。
【0014】
また、操作部4は、例えばスイッチなどを有し、電子機器の使用者がこのスイッチを操作することにより、被制御部3に所定の動作を実行させたり停止させることができる。すなわち、使用者が操作部4を操作すると、その内容に応じた制御信号C2が制御部2に出力され、制御部2は、この制御信号C2に基づいて被制御部3の動作を制御する。
【0015】
図2は、電源回路1の具体例を表す回路図である。
電源回路1は、交流電源900から供給される交流電力を変換して電圧P1、P2を生成する電源部1Aを有する。電源部1Aは、例えば、制御部2に供給する電圧P1として、5ボルトの直流電圧Vccを生成する。
また、本具体例の電源回路1は、フォトカプラ1Bを有する。フォトカプラ1Bは、交流電源900に接続された一対の発光ダイオード1Cと、これら発光ダイオード1Cから放出される光を受けるフォトトランジスタ1Dと、を有する。交流電源900から供給される交流電圧がマイナスからプラスに遷移する時と、プラスからマイナスに遷移する時、一対の発光ダイオード1Cの両方が消灯する瞬間が生ずる。これに対応して、フォトトランジスタ1Cからの出力は、ローレベルに遷移する。つまり、交流電源900から供給される交流電圧がマイナスからプラスに遷移する時と、プラスからマイナスに遷移する時、フォトカプラ1Bからの出力S1は、ハイレベルからローレベル側へのパルスを生ずる。このようにして、交流電源900のゼロクロス検知信号S1を得ることができる。なお、このようにして生成されたゼロクロス検知信号S1は、インバータなどで適宜反転してもよい。 また、本発明においてゼロクロス点を検出する方法は図2の構成に限定されるものではなく、その他各種の回路構成により交流電源900のゼロクロス点を同様に検出することが可能である。
【0016】
図3は、本実施形態の電子機器において実行される動作の状態遷移図である。
交流電源900から所定の交流電力が供給されている状態においては、制御部2は、原則として通常動作(状態S10)を実行する。通常動作においては、被制御部3に電圧P2が供給され、制御部2は被制御部3を通常の態様で動作させる。被制御部3の通常の動作は、例えば、衛生洗浄機能を備えたトイレ装置であればノズルから吐水することによる洗浄動作であり、音楽再生機であれば音楽の再生・停止・早送り等の動作である。
またさらに、通常動作としては、電子機器の主要な操作にかかる設定を変更する動作も挙げることができる。例えば、衛生洗浄機能を備えたトイレ装置であれば、吐水の温度調節、吐水ノズルの位置調節、吐水ノズルや便座便蓋の動作基準点の設定を変更する動作などを挙げることができる。また、音楽再生機であれば、音量の調整やイコライザの調整などを挙げることができる。
【0017】
一方、通常動作(状態S10)においては、制御部2は停電検知処理を実行する。停電検知処理は、交流電源900から供給される交流電力の停電の有無を判断する処理である。例えば、所定の時間内に入力されるゼロクロス検知信号S1の数が所定値を下回った時には、停電したと判断することができる。
【0018】
そして、制御部2は、停電を検知すると、停電時動作(状態S20)を実行する。すなわち、交流電源900が停電になると、制御部2は、被制御部3の動作を中断させ、または待機させる。
【0019】
ここで、多くの場合、電源回路1に設けられた電源部1Aはコンデンサなどを内蔵しているので、その蓄積容量により、交流電源900が停電しても、電圧P1は直ちに降下しない。つまり、交流電源900が停電しても、制御部2は電源部1Aから出力される電圧P1が降下するまでの間は、動作を続けることができる。また、多くの場合、電子機器の制御部2の消費電力は、被制御部3の消費電力よりも小さい。停電時動作(状態S20)において被制御部3を停止させることにより、電源部1Aに残留する電力を制御部2のために用いることができ、制御部2の動作時間をより長くすることができる。具体的には、後に詳述するように、交流100ボルトを供給する交流電源900が停電した後に、直流5ボルトで動作する制御部2は、およそ1秒間の間、動作を続けることも可能である。
そして、図3に表したように、停電時動作(状態S20)において、制御部2は、通電検知処理を実行する。通電検知処理は、交流電源900から供給される交流電力の通電の再開を検出する処理である。具体的には、制御部2は、所定時間内に所定の回数だけゼロクロス検知信号S1を受信した時には、交流電源900が通電復帰したと判断することができる。このようにすれば、ノイズによる誤検知を効果的に防止することが可能となる。
【0020】
図4は、本実施形態の電子機器の動作を説明するためのグラフ図である。
また、図5は、比較例における動作を説明するためのグラフ図である。
交流電源900として、商用電源のように周波数が安定した電源を用いる場合には、図5に例示したように、一定間隔T(ms)でゼロクロス検知信号が検出される。従って、それらの途中にノイズによる信号が入っても、周期の異なる割り込み信号であるので、ノイズであると判定できる。
【0021】
しかし、図4に表したように交流電源900の周波数が変動する場合には、交流電力VACによるゼロクロス検知信号であるか、ノイズであるか、の判別が困難な場合がある。つまり、交流電源900の周波数が変動する場合にはそのゼロクロス検知信号が不定期に出現するため、ノイズによる割り込みであるか否かの判断が困難となる場合がある。
【0022】
そこで、本実施形態においては、所定時間内に所定の回数だけゼロクロス検知信号を受信した場合には、交流電源900の通電が復帰したと判断する。図4に表した具体例の場合、ゼロクロス検出タイマが所定時間N(ms)カウントする間に、制御部2がゼロクロス検知信号を4回受信したら、通電が復帰したと判断する。従って、図4の具体例の場合、停電中に、ゼロクロス検出タイマがN(ms)カウントする間に、ノイズによるパルスが2回発生した場合、及び3回発生した場合、のいずれにおいても、通電が復帰したとは判断しない。そして、ゼロクロス検出タイマがN(ms)カウントする間に、パルスが4回発生したら、通電が復帰したと判断して、通常動作(状態S10)を再開する。
【0023】
電子機器の通常の使用環境において、ノイズによるパルスの発生の頻度は、交流電源900のゼロクロス検知信号の頻度よりもはるかに低い。従って、ゼロクロス検出タイマの設定時間と、その時間内に受信するゼロクロス検知信号の数を積算するカウンタの設定値を、交流電源900の変動する周波数の最小(割り込み周期は一番長い)の値を考慮して設定すればよい。すなわち、ノイズ環境を考慮し、最低何サイクル分のゼロクロス検出をもって、通電が復帰したと判断するかを適宜設定することができる。
【0024】
ゼロクロス検出タイマで設定した時間内に、ゼロクロス検知信号の積算カウンタで設定した回数未満のゼロクロス検知信号があったとしても、これらはノイズとみなして排除する(停電時動作を継続する)ことができる。仮にこれらのいずれかがゼロクロス検知信号であったとしても、所定の条件を満たさない程度の電源の復帰であれば、被制御部3を駆動するに十分な電圧は供給されないものとみなして、通常動作を再開する必要はない。
以上説明したように、本実施形態によれば、ノイズによるパルスの誤検知を防止し、交流電源900の通電の復帰を確実に検出することができる。
【0025】
図6は、本実施形態の電子機器において実行される動作を例示するフローチャートである。
通常動作時は、交流電源900から交流電力が供給され、被制御部3は、制御部2による制御のもとで通常の動作を実行している(ステップS110)。そして、制御部2は、停電検出処理を実行する(ステップS112)。図3に関して前述したように、停電検知処理においては、例えば所定の時間内に入力されるゼロクロス検知信号S1の数が所定値を下回った時には、停電したと判断する。停電を検知しない時(ステップS112:no)は、一連のステップをスキップして再びステップS110に戻る。
【0026】
一方、制御部2は、停電を検知する(ステップS112:yes)と、停電時動作(状態S20)を実行する。すなわち、被制御部3の現在の駆動状態を記憶する(ステップS114)。これは、例えば、制御部2に設けられたメモリに所定の情報を格納することにより実行できる。そして、被制御部3の駆動を停止させる(ステップS116)。例えば、被制御部3のステッピングモータが回転中であれば、その回転動作を途中で停止させるように制御信号を出力する。しかる後に、制御部2は、通電検知処理を実行する(ステップS118)。すなわち、前述したように、制御部2は、所定時間内に所定の回数だけゼロクロス検知信号S1を受信した時には、交流電源900が通電復帰したと判断する(ステップS118:yes)。このようにすれば、ノイズによる誤検知を効果的に防止することが可能となる。
【0027】
通電が復帰したと判断した場合(ステップS118:yes)には、制御部2は、ステップS114において記憶した状態を読み出し(ステップS120)、この情報に基づいて被制御部3の駆動を許可する(ステップS122)。すなわち、被制御部3は、ステップS116において停止された状態から、動作を続けて再開することができる。
【0028】
図7は、本実施形態の電子機器において実行される動作のもうひとつの具体例を表すフローチャートである。
本具体例においては、制御部2は、停電を検知する(ステップS112:yes)と、被制御部3を駆動させるためのアルゴリズムを停止する(ステップS115)。例えば、被制御部3に設けられたステッピングモータを所定のパルス数だけ回転させる動作を実行している最中に、停電を検知すると、制御部2は、その動作のためのアルゴリズムを途中で停止する。つまり、ステッピングモータを所定のパルス数だけ回転させるアルゴリズムは、その内部パラメータが途中の状態で停止される。
【0029】
その後、通電が復帰したと判断する(ステップS118:yes)と、制御部2は、アルゴリズムを再開する(ステップS121)。この時、ステップS115において内部パラメータが途中の状態のままアルゴリズムは停止していたので、被制御部3は、その状態から動作を再開する。上述の具体例においては、被制御部3のステッピングモータは、目標とするパルス数に至る途中の状態から回転を再開し、所定のパルス数だけ回転を続ける。
【0030】
以上説明したように、本実施形態によれば、周波数が変動する交流電源900により動作する電子機器において、例えば1秒間程度よりも短い停電(瞬断)が生じた場合に、制御部2は、ノイズによる信号を通電復帰の信号であると誤検知することなく、交流電源900の通電復帰を確実に判定することができる。そして、被制御部3が動作中に停電が生じた場合に、その動作を中断させ、通電復帰すると動作を再開させることができる。つまり、電子機器が動作中に比較的短い時間の停電(瞬断)が生じた場合に、電子機器はその動作を一端停止し、通電復帰後にその動作を再開することができる。
【0031】
本実施形態によれば、比較的短い時間の停電によって電子機器が初期化されることなく、動作を継続させることができる。また、比較的短い時間の停電が生じた場合でも、動作の基準点がずれるなどの問題が生ずることがない。また、停電が生じた時に、被制御部3の動作を停止させることにより、電源回路1に残留した電力を制御部2のために有効に利用することができる。つまり、電源回路1に内蔵されるコンデンサなどに蓄積された残留電力を被制御部3により浪費させず、制御部2の動作のために利用できる。その結果として、停電が発生した際に、制御部2が動作を継続できる時間を延ばすことができ、通電復帰した時に被制御部3の動作を継続して再開させることができる。つまり、より長い停電に際しても電子機器が初期化することなく、動作を再開させることができる。
【0032】
以下、本実施形態の電子機器の一例として、衛生洗浄機能などを備えたトイレ装置について説明する。
図8は、本発明の実施の形態にかかるトイレ装置の模式斜視図である。
このトイレ装置10は、洋式腰掛便器950に設置されている。洋式腰掛便器950は、いわゆる「ロータンク式」のものでもよく、または水道に直結されて洗浄水を流す「直圧式」のものでもよい。その上に設置されたトイレ装置10は、本体部12と、この本体部12に対して開閉自在に軸支された便座14及び便蓋16と、を備える。本体部12からは、使用者のスイッチ操作などに応じて吐水ノズル410が便器950のボウル内に伸出し、その先端付近に設けられた吐水口から水を噴射して、使用者の「おしり」などを洗浄可能とされている。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0033】
本体部12には、電源コード32及びアース線34が配設され、例えば漏電保護プラグ30を介して交流電源900に接続可能とされている。また、本体部12には、給水配管22も配設され、接続金具20を介してトイレの給水栓800に接続可能とされている。なお、給水栓800には分岐水路810も適宜接続され、図示しないロータンクあるいは直圧式の給水バルブ機構にも給水可能とされている。
【0034】
図9は、トイレ装置10の構成を例示するブロック図である。
すなわち、トイレ装置10は、給水路を開閉するバルブユニット100と、供給された水を加熱する熱交換ユニット200と、ノズルに供給する水量を調整する流量調整弁ユニット300と、便器のボウル内に伸出し水を噴射するノズルユニット400と、を有する。ノズルユニット400には、吐水ノズル410と、これを伸出・後退させるモータ480と、吐水ノズル410の外周に水を噴射してその胴体を洗浄するノズル洗浄室490と、が設けられている。これら各要素の動作は、制御部500(図1の制御部2に対応する)により制御される。
【0035】
制御部500には、便座14に使用者が座っていることを検知する着座センサ600からの信号や、リモコン700によるスイッチ操作の情報などが入力される。制御部500には、電源回路570(図1の電源回路1に対応する)が接続されている。すなわち、電源回路570は、漏電保護プラグ30を介して供給される交流電源900からの交流電力を所定の直流電圧に変換し、制御部500に供給する。なお、電源回路570は、制御部500以外の各要素にも電力を供給するが、それらの電力供給経路は図9においては便宜上省略した。
【0036】
このような構成を有するトイレ装置において、漏電保護プラグ30を交流電源900に差し込むと、制御部500が電源の投入を検知し、「初期化動作」を開始する。あるいは、交流電源900が長時間停電し、制御部500の動作も停止した後に、交流電源900が通電復帰した場合にも、初期化動作を開始する。
初期化動作としては、例えば、流量調整弁ユニット300や、ノズルユニット400などにおいて、その電動可動部を動作させ、動作基準点を決定する処理が実行される。この時、例えば電動可動部をその動作範囲の端まで動作させた後、所定のストロークあるいは所定の時間(あるいはパルス数)だけ逆転動作させたり、動作範囲の他端まで逆転動作させることによって動作基準点を決定することができる。このようにして動作基準点を決定した後は、電動可動部はこの動作基準点を原点あるいは指標として所定量だけ正確に動作できる。
そして、本実施形態においては、交流電源900が例えば1秒間以内のように比較的短い時間、停電した場合に、トイレ装置は動作を中断し、通電復帰すると、初期化動作をせずに、中断していた動作を再開する。
【0037】
以下、本実施形態のトイレ装置の被制御部の構成について詳細に説明する。
図10は、ノズルユニット400及び流路切替弁415の具体例を表す模式斜視図である。
本具体例の吐水ノズル410は、ノズル取付台450に進退自在に取り付けられている。また、ノズル洗浄室490は、ノズル取付台450に固定されている。一方、モータ480は、パルス駆動されるステッピングモータであり、駆動プーリ482を介してタイミングベルト484を駆動する。タイミングベルト484は、従動プーリ486とテンショナー488とにより張支され、ラッチ部492で固定された吐水ノズル410に駆動力を付与して、矢印Aの方向に伸出・後退させる。吐水ノズル410の後端には、流路切替弁415が設けられている。
【0038】
後に図18を参照して詳述するように、モータ480は交流電源900が投入されると初期化動作を実行し、吐水ノズル410の基準点を決定する。そして、本実施形態においては、交流電源900が比較的短い時間だけ停電した場合には、動作を中断し、通電復帰すると、初期化動作をせずに、中断していた動作を継続して再開する。例えば、吐水ノズル410を矢印Aの方向に進出させている途中で、交流電源900が停電すると、制御部500からの指令によりモータ480の動作が停止し、そのときのモータの駆動状態を制御部500に記憶させる。そして、制御部500が動作を停止する前に交流電源900の通電が復帰すると、図4に関して前述したように、制御部500は、ゼロクロス検知信号に基づいて通電を判定する。そして、初期化動作をすることなく、モータ480の動作を再開させる。つまり、吐水ノズル410は、制御部500に記憶されていた情報に基づいて停止していた状態から進出動作を再開し、所定の位置まで進出する。
【0039】
このようにすれば、吐水ノズル410の動作中に短い時間の停電が生じた場合でも、初期化動作が実行されることはなく、吐水ノズル410は動作を継続して再開する。従って、使い勝手にすぐれ、また停電により動作の基準点がずれることもない。
【0040】
図11は、吐水ノズル410の内部構造を例示する斜視模式図である。
吐水ノズル410の先端付近には、例えば、「おしり」用の収束水流を噴射する吐水口402、「おしり」用の拡散水流を噴射する吐水口404、「ビデ」用の吐水口406などが適宜設けられている。これらの吐水口には、ステータ420から水路412、414、416を介して水が供給される。すなわち、ノズルユニット400には、複数の流路が設けられている。ここで、ステータ420は、吐水ノズル410の後端に設けられ、流路切替弁415の一部を構成している。
【0041】
図12は、流路切替弁415を構成する要素を分解して表した模式平面図である。
すなわち、流路切替弁415は、図12(a)に表したステータ420と、図12(b)に表したロータ430と、により構成されている。図6(a)に表したように、ステータ420には、吐水口402、404、406にそれぞれ連通する通水口422、424、426が設けられている。一方、ロータ430には、第1の通水口432と、第2の通水口434と、が設けられている。ステータ420は吐水ノズル410に対して固定され、ロータ430はステータ420に対して回転可能に重ね合わされて流路切替弁415を構成している。流量調整弁ユニット300(図9)から供給された水は、ロータ430の側に導入され、ロータ430の通水口432、434から、ステータ420の通水口422、424、426を介して、吐水口402、404、406に供給される。そして、モータ440(図10参照)でロータ430を回転させることにより、吐水口402、404、406への水の供給を切り替えることができる。ここで、モータ440は、パルス駆動されるステッピングモータである。
【0042】
図13は、ステータ420とロータ430との角度関係を例示する模式平面図である。 ステータ420に対するロータ430の回転角度が図13(a)から(d)に示すように変わることで、吐水口402、404、406への水の供給が切り替わる。
【0043】
このように、吐水ノズル410の後端に設けられたモータ440及び流路切替弁415(図10参照)の作用により、吐水口402、404、406への水の供給を適宜切り替えることができる。
そして、後に図18を参照して詳述するように、モータ440も、交流電源900が投入されると初期化動作を実行し、ロータ430の基準点を決定する。そして、本実施形態においては、交流電源900が比較的短い時間だけ停電した場合には、初期化動作をせずに、中断していた動作を継続して再開する。例えば、モータ440が回転して流路を切り替えている途中で、交流電源900が停電すると、制御部500からの指令によりモータ440の動作が停止する。そして、制御部500が動作を停止する前に交流電源900の通電が復帰すると、図4に関して前述したように、制御部500は、ゼロクロス検知信号に基づいて通電を判定する。そして、初期化動作をすることなく、モータ440の動作を再開させる。つまり、ロータ430は、停止していた状態から進出動作を再開し、所定の位置まで回転して流路が切り替えられる。
【0044】
このようにすれば、ロータ430の回転中に短い時間の停電が生じた場合でも、初期化動作が実行されることはなく、ロータ430は回転を継続して再開する。従って、使い勝手にすぐれ、また停電によりロータ430の回転動作の基準点がずれることもない。
【0045】
以上、本実施形態のノズルユニット400の構成について説明した。
【0046】
次に、流量調整弁ユニット300について説明する。
図14は、流量調整弁ユニット300の外観を例示する模式斜視図である。
流量調整弁ユニット300は、制御弁となる流量調整弁部310と、モータ350と、を有する。流量調整弁部310は、熱交換ユニット200から水を導入する導入口312と、ノズル洗浄室490に水を供給する導出口316と、吐水ノズル410に水を供給する導出口318と、を有する。モータ350は、パルス駆動されるステッピングモータである。
【0047】
図15は、流量調整弁ユニット300の内部構造を模式的に表した断面図である。
流量調整弁部310は、その内部に、遮断壁360により仕切られた入水室314を有する。遮断壁360は、Oリングなどの防水シール362により液密を維持しつつ回転可能に支持され、モータ350のドライブシャフト352と連動して回転する。ドライブシャフト352にはロータ320が接続され、モータ350により回転可能とされている。一方、ロータ320に対向し重なり合うようにステータ330が流量調整弁部310に固定されている。
【0048】
図16は、ステータ330とロータ320の模式平面図である。
ステータ330には、導出口316、318にそれぞれ連通する通水口332、334が設けられている。また、ロータ320には、切り欠き322が設けられている。モータ350がロータ320を回転させることにより、ロータの切り欠き322とステータの通水口332、334との重なり合い状態が変化し、通水路の開閉やその開度が制御される。つまり、入口312から入水室314に導入された水は、ロータ320の切り欠き322と、ステータ330の通水口332または334を介して、導出口316、318から導出される。
【0049】
図17は、ロータ320とステータ330との角度関係を例示する模式図である。なお、同図に表した角度は、ロータ320がストッパ(図示せず)に当接した位置からの角度を表す。図17(a)〜(f)に表したようにステータ330に対するロータ320の回転角度を変えることで、実行する吐水状態に合わせて水勢を調整することができる。
そして、後に図18を参照して詳述するように、モータ350も、交流電源900が投入されると初期化動作を実行し、ロータ320の基準点を決定する。そして、本実施形態においては、交流電源900が比較的短い時間だけ停電した場合には、初期化動作をせずに、中断していた動作を継続して再開する。例えば、モータ350が回転して水勢を変化させている途中で、交流電源900が停電すると、制御部500からの指令によりモータ350の動作が停止する。そして、制御部500が動作を停止する前に交流電源900の通電が復帰すると、図4に関して前述したように、制御部500は、ゼロクロス検知信号に基づいて通電を判定する。そして、初期化動作をすることなく、モータ350の動作を再開させる。つまり、ロータ320は、停止していた状態から進出動作を再開し、所定の位置まで回転して水勢が所定の状態とされる。
【0050】
このようにすれば、ロータ320の回転中に短い時間の停電が生じた場合でも、初期化動作が実行されることはなく、ロータ320は回転を継続して再開する。従って、使い勝手にすぐれ、また停電によりロータ320の回転動作の基準点がずれることもない。
【0051】
図18は、本実施形態のトイレ装置において実行される初期化動作のタイミングチャートの一例である。同図においては、吐水ノズルを駆動するモータ480と、流路切替弁415を駆動するモータ440と、流量調整弁ユニット300のモータ350の初期化動作のタイミングをそれぞれ表した。
【0052】
本実施形態によれば、交流電源900が比較的短い時間だけ停電した後に通電復帰した場合には、モータ480や、モータ440や、モータ350は、初期化動作を実行せずに、動作を再開する。従って、使用者は操作部4(図1参照)をもう一度操作する必要はなく、所定の動作が完了する。
【0053】
また、図4に関して前述したように、通電検知処理において、ノイズにより通電復帰と誤検知することを防止できる。仮にノイズにより通電復帰したと誤検知すると、実際には電源が通電していないのに被制御部3(モータ480、モータ440、モータ350など)の動作を再開させる制御を開始することとなる。この場合、再開後に、これらモータが実際には動いていないのに、動いているものとして制御が進められてしまう。その結果として、例えば、ステッピングモータが回転していなのに、所定のパルス数だけ回転したものとして制御が進められてしまい、動作の基準点がずれてしまうという問題が生ずる。
【0054】
これに対して、本実施形態によれば、停電中に実行される通電検知処理において、所定の時間に所定の数のゼロクロス検知信号が得られることに基づいて判断することにより、ノイズによる誤判断を防止できる。つまり、停電中のノイズにより、被制御部3の動作の基準点がずれるという問題を解消できる。
【0055】
次に、トイレ装置に設けることができる便器洗浄ユニットについて説明する。
図19は、便器洗浄ユニットの要部構成を例示するブロック図である。
また、図20は、この便器洗浄ユニットの流路構成を表す模式図である。
【0056】
この便器洗浄ユニットは、図8に関して前述したような腰掛便器のリム(ボウルの上部)と封水部(ボウルの下部)とにそれぞれ洗浄水を供給可能としたものである。ここでは、リムへの給水を「リム洗浄」、封水部への給水を「ジェット洗浄」と呼ぶ。
【0057】
本具体例の便器洗浄ユニットの構成について説明すると、止水栓810の二次側には、まず定量制御部(定流量弁)820が設けられ、さらに、流路開閉・切替部822、圧力センサ826、負圧破壊部828が設けられて、リム952と封水部954とにそれぞれ給水される。流路開閉・切替部822は、パルス駆動されるステッピングモータや電磁クラッチを含むアクチュエータにより駆動され、このアクチュエータは、制御部2により制御される。
【0058】
流路開閉・切替部822に設けられた流路の切替と流量調整の機構は、図12に関して前述したステータ420とロータ430に類似したステータとロータを有する。つまり、これらステータとロータとの相対的な角度関係により、リム洗浄とジェット洗浄の切替と流量の制御が実行される。
【0059】
図21は、アクチュエータ824のステッピングモータの制御角度の一例を表すグラフ図である。
便器の洗浄に際しては、まず、流路をリムに切り替え、リム洗浄が実行される。これにより、便器950のボウル面が上方から洗浄され、排泄物は封水に流し込まれる。しかる後に、流路を封水部に切り替えてジェット洗浄が実行される。これにより、排泄物とともに封水が排水管に排出される。この際に、ジェット洗浄の流量を3段階に変化させ、少ない水量で確実な排水が可能とされている。その後、再びリム洗浄が実行され、便器950のボウルの封水が所定の水位まで形成される。
【0060】
以上説明した一連の排水動作に際して、交流電源900が比較的短い時間だけ停電した場合、本実施形態によれば、アクチュエータ824はその動作を停止させ、通電復帰すると動作をその状態から再開する。その際に、図4に関して前述したように、ノイズにより通電復帰を誤判断することがない。従って、ノイズの誤判断によりアクチュエータの動作基準点がずれることがなく、確実に洗浄動作を再開させ完了させることができる。
【0061】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、図1乃至図21に関して前述した各具体例が有する特徴は、技術的に可能な範囲において適宜組み合わせることができ、これらも本発明の範囲に包含される。
また、本実施形態の電子機器は、トイレ装置には限定されず、周波数が変化する交流電源により動作するあらゆる電子機器を包含する。
また、トイレ装置の構造や、その初期化動作の内容についても、図10乃至図21に関して前述したものには限定されず、当業者が適宜設計変更することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができるものも本発明の要旨を含む限り、本発明の範囲に包含される。例えば、吐水ノズルは、水圧により進退するものであってもよく、あるいはひとつあるいは複数のシリンダ体の内部にスライド可能とされた多段式の構造を有するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態にかかる電子機器の要部構成を例示するブロック図である。
【図2】電源回路1の具体例を表す回路図である。
【図3】本実施形態の電子機器において実行される動作の状態遷移図である。
【図4】本実施形態の電子機器の動作を説明するためのグラフ図である。
【図5】比較例における動作を説明するためのグラフ図である。
【図6】本実施形態の電子機器において実行される動作を例示するフローチャートである。
【図7】本実施形態の電子機器において実行される動作をもうひとつの具体例を表すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態にかかるトイレ装置の模式斜視図である。
【図9】トイレ装置10の構成を例示するブロック図である。
【図10】ノズルユニット400及び流路切替弁415の具体例を表す模式斜視図である。
【図11】吐水ノズル410の内部構造を例示する斜視模式図である。
【図12】流路切替弁415を構成する要素を分解して表した模式平面図である。
【図13】ステータ420とロータ430との角度関係を例示する模式平面図である。
【図14】流量調整弁ユニット300の外観を例示する模式斜視図である。
【図15】流量調整弁ユニット300の内部構造を模式的に表した断面図である。
【図16】ステータ330とロータ320の模式平面図である。
【図17】ロータ320とステータ330との角度関係を例示する模式図である。
【図18】本実施形態のトイレ装置において実行される初期化動作のタイミングチャートの一例である。
【図19】便器洗浄ユニットの要部構成を例示するブロック図である。
【図20】便器洗浄ユニットの流路構成を表す模式図である。
【図21】アクチュエータ824のステッピングモータの制御角度の一例を表すグラフ図である。
【符号の説明】
【0063】
1 電源回路、 1A 電源部、 1B フォトカプラ、 1C フォトトランジスタ、 1C 発光ダイオード、 1D フォトトランジスタ、 2 制御部、 3 被制御部、 4 操作部、 10 トイレ装置、 12 本体部、 14 便座、 16 便蓋、 20 接続金具、 22 給水配管、 30 漏電保護プラグ、 32 電源コード、 34 アース線、100 バルブユニット、200 熱交換ユニット、300 流量調整弁ユニット、310 流量調整弁部、312 導入口、314 入水室、316 導出口、318 導出口、320 ロータ、322 切り欠き、330 ステータ、332 通水口、334 通水口、350 モータ、352 ドライブシャフト、360 遮断壁、362 防水シール、400 ノズルユニット、402 吐水口、404 吐水口、406 吐水口、410 吐水ノズル、412 水路、415 流路切替弁、420 ステータ、422 通水口、424 通水口、426 通水口、430 ロータ、432 通水口、434 通水口、440 モータ、450 ノズル取付台、480 モータ、482 駆動プーリ、484 タイミングベルト、486 従動プーリ、488 テンショナー、490 ノズル洗浄室、490 ラッチ部、492 ラッチ部、500 制御部、570 電源回路、600 着座センサ、700 リモコン、800 給水栓、810 分岐水路、810 止水栓、822 切替部、824 アクチュエータ、826 圧力センサ、828 負圧破壊部、900 交流電源、950 洋式腰掛便器、952 リム、954 封水部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数が変化する交流電源から電力の供給を受け、前記交流電源のゼロクロスを検出してゼロクロス検知信号を出力する電源回路と、
制御信号を出力する制御部と、
前記制御信号に基づいて動作する被制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記交流電源が停電すると、所定の時間内に前記ゼロクロス検知信号を所定の回数以上受信した場合に、前記被制御部の動作を再開させることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記交流電源が停電すると、前記被制御部の動作を停止させ、前記被制御部の動作を停止させた状態を記憶することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記被制御部の動作を再開させる際に、前記動作を停止させた状態から再開させることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
周波数が変化する交流電源から電力の供給を受け、前記交流電源のゼロクロスを検出してゼロクロス検知信号を出力する電源回路と、
制御信号を出力する制御部と、
前記電力供給開始時に初期化動作を実行するとともに、前記制御信号に基づいてパルス駆動により動作するモータと、
前記モータにより進退される吐水ノズルと、
を備え、
前記制御部は、前記モータの駆動途中で前記交流電源が停電すると、所定の時間内に前記ゼロクロス検知信号を所定の回数以上受信した場合に、前記モータの動作を再開させることを特徴とするトイレ装置。
【請求項5】
周波数が変化する交流電源から電力の供給を受け、前記交流電源のゼロクロスを検出してゼロクロス検知信号を出力する電源回路と、
制御信号を出力する制御部と、
前記電力供給開始時に初期化動作を実行するとともに、前記制御信号に基づいてパルス駆動により動作するモータと、
前記モータにより駆動される制御弁と、
を備え、
前記制御部は、前記モータの駆動途中で前記交流電源が停電すると、所定の時間内に前記ゼロクロス検知信号を所定の回数以上受信した場合に、前記モータの動作を再開させることを特徴とするトイレ装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記交流電源が停電すると、前記モータの動作を停止させ、前記モータの動作を停止させた状態を記憶することを特徴とする請求項4または5に記載のトイレ装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記モータの動作を再開させる際に、前記動作を停止させた状態から再開させることを特徴とする請求項6記載のトイレ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−41918(P2009−41918A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203929(P2007−203929)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】