説明

電子機器

【課題】複数の押ボタンが配列された押ボタンユニットを備える電子機器において、押ボタンユニットの誤った取付けを防止し、また、押ボタンユニットの取付けを容易にする。
【解決手段】電子機器であるインターホン1は、複数の押ボタン2a〜2fが縦横に対称に配列された押ボタンユニット2と、押ボタンユニット2の押ボタン2a〜2fの押し操作によりスイッチングされるスイッチが実装される回路基板9と、押ボタンユニット2及び回路基板9を収納するフロントカバー11を備える。押ボタンユニット2は、押ボタン2a〜2fに加えて、押ボタン2a〜2fを支持するための支持部21を備え、支持部22は、押ボタン2a〜2fの配列に対して非対称に設けられている。フロントカバー11は、押ボタン2a〜2fの先端部が露出される開口15a〜15fと、支持部21が当接されて押ボタンユニット2を位置決めする位置決め用リブ16a、16bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の押ボタンが配列された押ボタンユニットを備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばインターホン等の電子機器において、同一形状の複数の押ボタンを縦横に対称に配列したものがある。このような電子機器では、筐体は、各押ボタンの先端部を筐体外に露出させるための複数の押ボタン開口を有しており、各押ボタンは、個別化されていると共に、押ボタン先端部に動作や機能を示す各押ボタン毎に異なる印刷表示が施されている。筐体の各押ボタン開口は、同一形状であり、縦横に対称に配列されており、各押ボタンは、各押ボタンの先端部を印刷表示に該当する押ボタン開口に挿入し、押ボタンの先端部を押ボタン開口から露出させた状態で、樹脂製の別部品を用いて筐体内に保持するようになっている。
【0003】
また、押ボタンが弾性復帰用の可撓片を介して枠体と連結された押ボタンユニットにおいて、可撓片近傍の押ボタンの裏面と枠体の裏面に夫々係止片と係止リブを突設し、係止片と係止リブの当接により、可撓片の塑性変形を防止するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、押ボタンがランナー部によって連結された押ボタンユニットを備えた電子機器において、ケースの内側面にリブを設け、リブに形成された溝に押ボタンユニットのランナー部を係合させることにより、押ボタンユニットをケース内で位置決めするようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。さらに、複数個の押ボタンが細線より成るリブで繋がれて一体化された押ボタンユニットを備える電子機器において、押ボタンユニットの1つの押ボタンに凸部を設けると共に、この凸部と係合する凹部をハウジングに設け、押ボタンユニットの組立時に逆挿入を防止するようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】実開平3−128977号公報
【特許文献2】特開2000−138017号公報
【特許文献3】実開昭61−51620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述した従来の電子機器においては、印刷表示の異なる同一形状の複数の押ボタンが個別化されているため、各押ボタンを筐体の該当する押ボタン開口に挿入する作業に時間がかかり、また、押ボタンを間違った押ボタン開口に挿入して組立ててしまうことがある。押ボタンを間違った押ボタン開口に挿入して組立ててしまうと、組立て直しにも時間がかかってしまう。さらに、各押ボタンの管理も大変であり、押ボタンの納品時に個々の押ボタンの印刷表示内容を確認しながらの数量確認作業や、出庫、入庫作業において、間違いを起こすことがある。
【0005】
そこで、複数の押ボタンを一体的に連結した押ボタンユニットを作製し、その押ボタンユニットを筐体に取付けるようにすることが考えられる。このようにすれば、複数の押ボタンが一体化されているため、組立て作業の工数が少なくなり、組立て作業の時間を短くでき、また、部品点数も少なくなり、部品管理も容易となる。
【0006】
しかしながら、同一形状の複数の押ボタンを縦横に対称に配列した構成にあっては、押ボタンの配列は180度回転しても同じであるため、複数の押ボタンを単純に連結した押ボタンユニットでは、押ボタンユニットを180度回転した誤った向きに取付けてしまう可能性がある。
【0007】
従って、複数の押ボタンを連結した押ボタンユニットを筐体に取付ける構成を採用するにあたっては、押ボタンユニットを誤った向きに取付けてしまうことを防止する構造を有することが望まれる。また、押ボタンユニットを筐体に取付け易い構造とし、組立て作業性を向上できることも望まれる。
【0008】
なお、上述した特許文献1及び特許文献2には、押ボタンユニットを誤った向きに取付けてしまうことを防止する構成が記載されておらず、これら特許文献1及び特許文献2に開示の内容を適用したとしても、上記の課題を解決することはできない。また、上述した特許文献3には、押ボタンユニットの1つの押ボタンに凸部を設けると共にハウジングに凹部を設けることにより、押ボタンユニットの逆挿入を防止する構成が記載されている。しかしながら、このような構成では、押ボタンの凸部及びハウジングの凹部は非常に小さいものとなり、そのような凸部と凹部は、組立てを行う作業者が目視認識し難く、また、係合させ難いため、組立て作業性の向上を望めない。従って、この特許文献3に開示の内容を適用したとしても、上記の課題を解決することはできない。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、押ボタンの管理がし易く、作業性があり、コストダウンを実現でき、また、押ボタンユニットの誤った向きでの取付けを防止できると共に、押ボタンユニットの取付けを容易にできる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、同一形状の複数の押ボタンが縦横に対称に配列された押ボタンユニットと、押ボタンユニットの各押ボタンの押し操作によりスイッチングされる複数のスイッチが実装される回路基板と、押ボタンユニット及び回路基板を収納し、押ボタンユニットの各押ボタンの先端部が露出される開口を有する筐体とを備えた電子機器において、押ボタンユニットは、複数の押ボタンに加え、筐体と回路基板との間に挟まれ、複数の押ボタンを支持するための支持部と、複数の押ボタンを支持部に弾性的に連結する各押ボタン毎に設けられた撓み性を持つヒンジ部とを備え、支持部は、押ボタンの配列に対して非対称に設けられており、該支持部の筐体との接触個所は各押ボタンに対して等間隔にあり、該支持部の各ヒンジ部との連結箇所に各ヒンジ部の実質的な長さを長くするための切欠きを有し、筐体は、支持部が当接されて押ボタンユニットを位置決めする位置決め用リブを有し、各押ボタンは、該押ボタンのヒンジ部との連結箇所にヒンジ部の実質的な長さを長くするための切欠きを有し、各ヒンジ部は、同一形状であるものである。
【0011】
請求項2の発明は、同一形状の複数の押ボタンが縦方向又は横方向に対称に配列された押ボタンユニットと、押ボタンユニットの各押ボタンの押し操作によりスイッチングされる複数のスイッチが実装される回路基板と、押ボタンユニット及び回路基板を収納し、押ボタンユニットの各押ボタンの先端部が露出される開口を有する筐体とを備えた電子機器において、押ボタンユニットは、複数の押ボタンに加え、複数の押ボタンを支持するための支持部と、複数の押ボタンを支持部に弾性的に連結する撓み性を持つヒンジ部とを備え、支持部は、押ボタンの配列に対して非対称に設けられており、筐体は、支持部が当接されて押ボタンユニットを位置決めする位置決め用リブを有するものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2に記載の電子機器において、支持部は、筐体と回路基板との間に挟まれ、該支持部の筐体との接触個所が各押ボタンに対して等間隔にあるものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、複数の押ボタンは、ヒンジ部により支持部に連結されて押ボタンユニットとして一体化されているため、組立て作業の工数が少なくなり、組立て作業の時間を短くでき、また、部品点数も少なくなり、部品管理も容易となる。従って、作業の工数が減ることと、部品点数が減ることにより、コストダウンを実現できる。
【0014】
しかも、筐体には、押ボタンユニットの支持部が当接されて押ボタンユニットを位置決めする位置決め用リブがあり、押ボタンユニットは、支持部が押ボタンの配列に対して非対称であるため、押ボタンユニットを正規の向きにして押ボタンユニットの支持部を筐体の位置決め用リブに当接させた場合にのみ、押ボタンユニットの各押ボタンが筐体の開口から露出される。従って、押ボタンユニットを誤った向きで筐体に取付けることを防止できる。さらに、押ボタンユニットが正規の向きであるか否かは、押ボタンユニットの押ボタンと支持部の位置関係、及び筐体の開口と位置決め用リブの配置関係から、押ボタンユニットを位置決め用リブに当接させる前に一目瞭然であり、また、押ボタンユニットの支持部を筐体の位置決め用リブに当接させるだけで、押ボタンユニットが位置決めされて、押ボタンユニットの各押ボタンを筐体の開口に露出させた状態に取付けることができる。従って、押ボタンユニットを誤った向きで筐体に取付けることを未然に防止できると共に、押ボタンユニットを容易に取付けることができ、組立て作業性が向上する。
【0015】
また、押ボタンユニットの支持部が筐体と回路基板との間に挟まれることにより、押ボタンユニットの各押ボタンが筐体内に保持されるため、従来のように押ボタンを筐体内に保持するための別部品が不要となる。また、押ボタンユニットの支持部と筐体との接触個所が各押ボタンに対して等間隔にあると共に、各ヒンジ部が同一形状であるため、各押ボタンを押し操作したときのクリック感が全て同じになる。また、押ボタンユニットの支持部には、各ヒンジ部との連結箇所に各ヒンジ部の実質的な長さを長くするための切欠きがあり、各押ボタンには、各ヒンジ部との連結箇所に各ヒンジ部の実質的な長さを長くするための切欠きがあるため、各押ボタンを押し操作したときの各ヒンジ部の変形量が小さくて済み、これにより、各ヒンジ部の劣化を抑えることができ、押ボタンユニットを長寿命化することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、複数の押ボタンは、ヒンジ部により支持部に連結されて押ボタンユニットとして一体化されているため、組立て作業の工数が少なくなり、組立て作業の時間を短くでき、また、部品点数も少なくなり、部品管理も容易となる。従って、作業の工数が減ることと、部品点数が減ることにより、コストダウンを実現できる。
【0017】
しかも、筐体には、押ボタンユニットの支持部が当接されて押ボタンユニットを位置決めする位置決め用リブがあり、押ボタンユニットは、支持部が押ボタンの配列に対して非対称であるため、押ボタンユニットを正規の向きにして押ボタンユニットの支持部を筐体の位置決め用リブに当接させた場合にのみ、押ボタンユニットの各押ボタンが筐体の開口から露出される。従って、押ボタンユニットを誤った向きで筐体に取付けることを防止できる。さらに、押ボタンユニットが正規の向きであるか否かは、押ボタンユニットの押ボタンと支持部の位置関係、及び筐体の開口と位置決め用リブの配置関係から、押ボタンユニットを位置決め用リブに当接させる前に一目瞭然であり、また、押ボタンユニットの支持部を筐体の位置決め用リブに当接させるだけで、押ボタンユニットが位置決めされて、押ボタンユニットの各押ボタンを筐体の開口に露出させた状態に取付けることができる。従って、押ボタンユニットを誤った向きで筐体に取付けることを未然に防止できると共に、押ボタンユニットを容易に取付けることができ、組立て作業性が向上する。
【0018】
請求項3の発明によれば、押ボタンユニットの支持部が筐体と回路基板との間に挟まれることにより、押ボタンユニットの各押ボタンが筐体内に保持されるため、従来のように押ボタンを筐体内に保持するための別部品が不要となる。また、押ボタンユニットの支持部と筐体との接触個所が各押ボタンに対して等間隔にあるため、各押ボタンを押し操作したときのクリック感が全て同じになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態による電子機器について図面を参照して説明する。図1、図2、図3(a)(b)は、電子機器であるインターホンの概略構成を示す。このインターホン1は、宅内の各部屋に設置されて、各部屋間での音声通話や異常発生時に通報等を行うための機器である。
【0020】
インターホン1は、インターホン1の各種動作を選択するための動作選択用の6個の押ボタン2a〜2fと、動作選択用の押ボタン2a〜2fの押し操作により選択された動作内容を決定するための動作決定用の押ボタン3とを備える。また、インターホン1は、液晶表示部4と、LEDランプ5と、アラームランプ6と、マイク7と、スピーカ8と、インターホン1を動作させるための各種電子部品が実装される回路基板9と、動作選択用の押ボタン2a〜2f、動作決定用の押ボタン3、及び回路基板9等を収納する筐体10とを備える。
【0021】
動作選択用の押ボタン2a〜2fは、押ボタンユニット2として一体化されており(図2参照)、各押ボタン2a〜2fは、同一形状であり、縦横(2行3列)に対称に配列されている。各押ボタン2a〜2fの先端部には、動作や機能を示す「子機1」「子機2」「子機3」「転送/外出」「在宅」「通報/停止」の文字が印刷表示されている。動作決定用の押ボタン3は、押ボタンユニット2と別体であり、動作選択用の押ボタン2a〜2fと異なる形状である。動作決定用の押ボタン3の先端部には、「呼出/決定」の文字が印刷表示されている。
【0022】
回路基板9には、動作選択用の押ボタン2a〜2fの押し操作によりスイッチングされる複数のスイッチ60(図3参照)、動作決定用の押ボタン3の押し操作によりスイッチングされるスイッチ(不図示)、インターホン1の各種動作を行うための各種電子部品や制御回路等(不図示)等が実装されている。
【0023】
筐体10は、フロントカバー11と、ベース12とを備えている。フロントカバー11は、押ボタンユニット2の動作選択用の各押ボタン2a〜2fの先端部を露出させる開口15a〜15fと、押ボタンユニット2を位置決めする位置決め用リブ16a、16bと、動作決定用の押ボタン3の先端部を露出させる開口17とを備える。開口15a〜15fは、同一形状であり、押ボタンユニット2の動作選択用の各押ボタン2a〜2fの配列に対応して、縦横に対称に配列されている。押ボタンユニット2及び押ボタン3は、筐体10内に保持され、各押ボタン2a〜2fの先端部が開口15a〜15fから露出されると共に、押ボタン3の先端部が開口17から露出される。
【0024】
図4(a)(b)、図5(a)〜(e)は、上記押ボタンユニット2の概略構成を示す。押ボタンユニット2は、動作選択用の6個の押ボタン2a〜2fに加え、押ボタン2a〜2fを支持するための支持部21と、押ボタン2a〜2fを支持部21に連結する各押ボタン2a〜2f毎に1対ずつ設けられた複数のヒンジ部22a〜22fとを備える。
【0025】
動作選択用の押ボタン2a〜2fは、上述のように、同一形状であり、縦横(2行3列)に対称に配置されている。各押ボタン2a〜2fは、回路基板9に実装されたスイッチ60をスイッチング動作させるための突起部31を有しており、また、各ヒンジ部22a〜22fとの連結箇所に、ヒンジ部22a〜22fの実質的な長さを長くするための切欠き32を有している。
【0026】
支持部21は、ヒンジ部22a〜22fを介して各押ボタン2a〜2fを支持している。支持部21は、各押ボタン2a〜2fを支持する役割に加え、押ボタンユニット2を位置決めする役割を持っており、このため、押ボタン2a、2b、2cを囲んで枠状に、すなわち押ボタン2a〜2fの配列に対して非対称に設けられている。支持部21は、各ヒンジ部22a〜22fとの連結箇所に、ヒンジ部22a〜22fの実質的な長さを長くするための切欠き41を有している。各ヒンジ部22a〜22fは、同一形状であり、撓み性を持ち、各押ボタン2a〜2fを支持部22に弾性的に連結している。
【0027】
このような構成の押ボタンユニット2は、支持部21を上記フロントカバー11の位置決め用リブ16a、16b(図2、図3(a)(b)参照)の内側に嵌め込み、押ボタンユニット2の裏面側から回路基板9をビス70によりビス止めすることにより、フロントカバー11に取付けられる。
【0028】
位置決め用リブ16a、16bは、押ボタンユニット2の支持部21を嵌め込んだときに、支持部21がX方向(左右方向)及びY方向(上下方向)に位置ずれを起こさない形状になっており、また、押ボタンユニット2を正規の向きにして支持部21を嵌め込んだときに、押ボタンユニット2の各押ボタン2a〜2fがフロントカバー11の開口15a〜15fから露出する位置に形成されている。
【0029】
従って、押ボタンユニット2は、支持部21を位置決め用リブ16a、16bの内側に嵌め込むことにより、支持部21の外側面が位置決め用リブ16a、16bの内側面に当接し、これにより、X方向(左右方向)及びY方向(上下方向)に位置決めされ、押ボタンユニット2が正規の向きである場合には、各押ボタン2a〜2fの先端部がフロントカバー11の開口15a〜15fから露出された状態となる。このとき、押ボタンユニットが180度回転した誤った向きである場合には、支持部21が押ボタン2a〜2fの配列に対して非対称に設けられているため、各押ボタン2a〜2fの先端部は開口15a〜15fから露出されない。
【0030】
また、押ボタンユニット2は、支持部21を位置決め用リブ16a、16bの内側に嵌め込んだ後、回路基板9をビス70によりビス止めすることにより、各押ボタン2a〜2fの先端部がフロントカバー11の開口15a〜15fから露出された状態で、支持部21がフロントカバー11と回路基板9との間に挟まれ、すなわちZ方向(前後方向)に位置決めされ、これにより、フロントカバー11に固定される。
【0031】
なお、支持部21は、フロントカバー11と回路基板9との間に挟まれたときにフロントカバー11と接触する複数の接触面29a〜29f(図4(a)(b)、図5(a)〜(e)参照)を有しており、接触面29a〜29fは、押ボタン2a〜2fに対して等間隔に設けられている。従って、支持部21は、フロントカバー11と回路基板9との間に挟まれたとき、押ボタン2a〜2fに対して等間隔でフロントカバー11と接触する。
【0032】
このようにして取付けられた押ボタンユニット2は、フロントカバー11の外側から動作選択用の押ボタン2a〜2fが押されることにより、ヒンジ部22a〜22fが撓んで押ボタン2a〜2fが移動し、回路基板9に実装されたスイッチ60が押圧されてスイッチング動作する。インターホン1は、上記のように押ボタンユニット2を取付け、また、押ボタン3を不図示の保持部材を用いて取付けた後、ベース12をビス80によりビス止めすることにより、組立てられる。
【0033】
このような構成のインターホン1によれば、動作選択用の6個の押ボタン2a〜2fは、ヒンジ部22a〜22fにより支持部21に連結されて押ボタンユニット2として一体化されているため、組立て作業の工数が少なくなり、組立て作業の時間を短くでき、また、部品点数も少なくなり、部品管理も容易となる。従って、作業の工数が減ることと、部品点数が減ることにより、コストダウンを実現できる。
【0034】
しかも、フロントカバー11には、押ボタンユニット2の支持部21が当接されて押ボタンユニット2を位置決めする位置決め用リブ16a、16bがあり、押ボタンユニット2は、支持部21が押ボタン2a〜2fの配列に対して非対称であるため、押ボタンユニット2を正規の向きにして押ボタンユニット2の支持部21をフロントカバー11の位置決め用リブ16a、16bに嵌め込んだ場合にのみ、押ボタンユニット2の各押ボタン2a〜2fがフロントカバー11の開口15a〜15fから露出される。従って、押ボタンユニット2を誤った向きでフロントカバー11に取付けることを防止できる。
【0035】
さらに、押ボタンユニット2が正規の向きであるか否かは、押ボタンユニット2の押ボタン2a〜2fと支持部21の位置関係、及びフロントカバー11の開口15a〜15fと位置決め用リブ16a、16bの配置関係から、押ボタンユニット2を位置決め用リブ16a、16bに嵌め込む前に一目瞭然である。また、押ボタンユニット2の支持部21をフロントカバー11の位置決め用リブ16a、16bに嵌め込むだけで、押ボタンユニット2が位置決めされて、押ボタンユニット2の各押ボタン2a〜2fをフロントカバー11の開口15a〜15fに露出させた状態に取付けることができる。従って、押ボタンユニット2を誤った向きで筐体に取付けることを未然に防止できると共に、押ボタンユニット2を容易に取付けることができ、組立て作業性が向上する。
【0036】
また、押ボタンユニット2の支持部21がフロントカバー11と回路基板9との間に挟まれることにより、押ボタンユニット2の各押ボタン2a〜2fが保持されるため、従来のように押ボタンを筐体内に保持するための別部品が不要となる。また、押ボタンユニット2の支持部21とフロントカバー11との接触個所が各押ボタン2a〜2fに対して等間隔にあると共に、各ヒンジ部22a〜22fが同一形状であるため、各押ボタン2a〜2fを押し操作したときのクリック感が全て同じになる。
【0037】
また、押ボタンユニット2の支持部21には、各ヒンジ部22a〜22fとの連結箇所に各ヒンジ部22a〜22fの実質的な長さを長くするための切欠き41があり、各押ボタン2a〜2fには、各ヒンジ部22a〜22fとの連結箇所に各ヒンジ部22a〜22fの実質的な長さを長くするための切欠き32があるため、各ヒンジ部22a〜22fの変形量が小さくて済み、これにより、各ヒンジ部22a〜22fの劣化を抑えることができ、押ボタンユニット2を長寿命化することができる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、支持部21は、支持部21の外形を非対称な形状にして、押ボタンユニット2が正規の向きでない場合に、位置決め用リブ16a、16bに嵌め込むことができないようにしてもよい。また、支持部21は、枠状に形成されていなくてもよく、例えば、コ字状、L字状に形成されていてもよい。押ボタンの配列は、2行3列に限られず、1行4列、3行3列等任意であってよい。また、本発明の電子機器は、インターホン1に限られず、AV機器、画像表示プロジェクタ、プリンタ等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係るインターホンの概略構成を示す斜視図。
【図2】同インターホンの構成を示す裏面側から見た組立前の斜視図。
【図3】同インターホンの構成を示す図1のA−A線断面に相当する図であり、(a)は押ボタンユニットを取付けた状態の断面図、(b)は同押ボタンユニットを取付ける前の断面図。
【図4】(a)は同インターホンの押ボタンユニットの構成を示す正面側から見た斜視図、(b)は同押ボタンユニットの構成を示す裏面側から見た斜視図。
【図5】(a)同押ボタンユニットの構成を示す裏面図、(b)は同平面図、(c)は同正面図、(d)は(b)のB−B線断面図、(e)は(c)のC−C線断面図。
【符号の説明】
【0040】
1 インターホン(電子機器)
2 押ボタンユニット
2a〜2f 押ボタン
9 回路基板
10 筐体
11 フロントカバー
12 ベース
15a〜15f 開口
16a、16b 位置決め用リブ
21 支持部
22a〜22f ヒンジ部
32 切欠き
41 切欠き
60 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一形状の複数の押ボタンが縦横に対称に配列された押ボタンユニットと、前記押ボタンユニットの各押ボタンの押し操作によりスイッチングされる複数のスイッチが実装される回路基板と、前記押ボタンユニット及び回路基板を収納し、前記押ボタンユニットの各押ボタンの先端部が露出される開口を有する筐体とを備えた電子機器において、
前記押ボタンユニットは、前記複数の押ボタンに加え、前記筐体と前記回路基板との間に挟まれ、前記複数の押ボタンを支持するための支持部と、前記複数の押ボタンを前記支持部に弾性的に連結する各押ボタン毎に設けられた撓み性を持つヒンジ部とを備え、
前記支持部は、前記押ボタンの配列に対して非対称に設けられており、該支持部の前記筐体との接触個所は前記各押ボタンに対して等間隔にあり、該支持部の前記各ヒンジ部との連結箇所に各ヒンジ部の実質的な長さを長くするための切欠きを有し、
前記筐体は、前記支持部が当接されて前記押ボタンユニットを位置決めする位置決め用リブを有し、
前記各押ボタンは、該押ボタンの前記ヒンジ部との連結箇所に前記ヒンジ部の実質的な長さを長くするための切欠きを有し、
前記各ヒンジ部は、同一形状であることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
同一形状の複数の押ボタンが縦方向又は横方向に対称に配列された押ボタンユニットと、前記押ボタンユニットの各押ボタンの押し操作によりスイッチングされる複数のスイッチが実装される回路基板と、前記押ボタンユニット及び回路基板を収納し、前記押ボタンユニットの各押ボタンの先端部が露出される開口を有する筐体とを備えた電子機器において、
前記押ボタンユニットは、前記複数の押ボタンに加え、前記複数の押ボタンを支持するための支持部と、前記複数の押ボタンを前記支持部に弾性的に連結する撓み性を持つヒンジ部とを備え、
前記支持部は、前記押ボタンの配列に対して非対称に設けられており、
前記筐体は、前記支持部が当接されて前記押ボタンユニットを位置決めする位置決め用リブを有することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
前記支持部は、前記筐体と前記回路基板との間に挟まれ、該支持部の前記筐体との接触個所が前記各押ボタンに対して等間隔にある請求項2に記載の電子機器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−120378(P2006−120378A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−305169(P2004−305169)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】