説明

電子的位置決め支援装置を備えた車両の誘導充電システム

【課題】
独立請求項は、計器、運動学的支援装置または機械学的支援装置なしに、ステーション側で固定された構造を有する一次コイルに対して、車両中の二次コイルを自己ガイドして電子的位置決めを確実に行うシステムに関連し、このシステムは、エネルギー消費、機能安全性および磨耗という意味合いでの移動部材、摩擦部材および弾性部材の欠点なしに、90%を超える効率でエネルギー伝送を行なうことを保証している。
【解決手段】
この本発明の目的を達成するために、ステーション側のコイル筐体は、使用材料の選択、表面および内側支持部により、電子的な筐体、反射部材および冷却部材の役割を果たし、したがって、操作準備が完了したパッケージの形態で、単体のステーション側への設置として、電気接続を備えたいずれの平坦な底面にも据え付けることができる。車両は、乗客および荷物の両方を搬送するために使用可能であり、車両の運転手により操舵可能であり、または、運転手なしに、例えば、ある領域を清掃するために、自然環境保全のために、もしくは、内部物流のために操作されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
現在までの従来技術を、(出願日順で)以下の通り示す。
−特許文献1:H02J7/00、ダイムラー社(Daimler)、1992年、10月28日には、剛性レバーを介したコイルの持ち上げ機能、センサー制御された一次コイルの運動が開示されている。
−特許文献2:H01F38/14、豊田社(Toyoda)、1995年6月28日には、タイヤストッパーおよび変位機器を備えた機械的な位置決め支援装置が開示されている。
−特許文献3:H02J17/00、豊田社(Toyoda)、1995年3月24日には、機械的な位置決め支援装置、探査充電電流を用いた微細な位置決めが開示されている。
−特許文献4:H02M10/44、住友社、1997年1月30日には、車両の前端における機械的な位置決め支援装置、コイル結合の様々な運動学的な形態、視認または車輪ガイドを介した位置決め、様々な運動学的な提案がされている。H02M10/44というIPC記号は、2009年1月版には見当たらない。他の版にも見当たらない。特開000009017666AA号参照。見つかったのは、H01M10/46の審査クラスのみで、このクラスは、充電機器(H02J7/00の充電回路)と機械的に組み合わせた蓄電池用のクラスである。この従来技術は、特開000058069404AA号(1981年10月21日、デンソー出願)を含んでいるが、これは、横方向または垂直方向の位置決め支援装置はない。車輪ストッパーのみが示されている。
−特許文献5:B60L11/18、横浜社、2001年9月3日には、唯一の位置決め支援装置としてストッパーを備えた固定コイル溝、固定軌道を当然のものと考えている。
−特許文献6:B60L5/00、松下社、2005年6月7日には、反復法におけるコイル結合の運動学的位置決めが開示されている。
−特許文献7:B60L11/18、住友社、2005年12月8日、電磁波を用いた位置決め、および、近隣域での通信、および、運動学的位置決め支援装置
−特許文献8:B60L11/18、トヨタ社、2006年8月31日(2005年9月29日には、日本にて、特開002007097345AA号として)ビデオ、とりわけバックアップカメラを用いた駐車支援、目標表面を確認するためにユーザーの入力により位置決めプロセスが開始すること、充電ステーションの特定、ならびに、主観的なビデオ特定および追加的な信号による位置決め、コイル結合のための移動支援が開示されている。駐車車両が充電機器を有しているか否かの認識に関しては詳しく記載されていない。微細位置決めは手動で確認され、操作状態の認識はない。
− 特許文献9:H02J17/00、H01F38/14、SEW社、2007年7月17日には、車輪負荷を介してコイル持ち上げが始動、剛性レバーを介した結合、溝を介した位置決めが開示されている。
【0003】
上述の刊行物他は、能動的な運動学による位置決め支援や、剛性を有するまたは運動学的に位置決めされたエネルギー伝送ユニットと連携させた、静的な車輪ガイド部材を介した受動的な位置決め支援や、または、ビデオ信号および人間によるビデオ特定を用いた電子的な位置決め支援、ならびに、手動によるビデオ選択、すなわち主観的な位置付けの手法を開示している。しかし、完全に自動または半自動での位置決め選択肢を有する、純粋に電子的なコイル位置付け、すなわち全自動のコイル位置決めについては記載していない。
【0004】
問題点:運動学は、機械的な仕事すなわちエネルギー消費、磨耗および機能における危険性をはらんでいる。充電側で位置変換器の間隔を固定することにより、車両側での標準化への大きな労力が必要となる。こうして得られた最適な位置決め結果により、最高のエネルギー伝達効率が得られるが、機械的な位置決め支援装置のためにエネルギーを投入することにより、この伝達効率は低減し、製造、設置および保守のコストを上昇させることにもなる。
【0005】
ビデオベースでの位置決め支援装置、または、光学手段による探査または追尾は、適切な照明条件に依存し、運転手の注意や判断能力に依存する。照明が不十分で、逆光であると、誤認が生じる。画像処理を介した距離認識および位置決めは、レーダーによる距離認識および位置決めほどには精確ではない。
【0006】
さらに、異なる供給業者のコイルを特定するために、または、いくつかの空いている一連のコイルのうちで、あるコイルが操作準備完了状態にないかを特定するためには、運転手が窓ガラスを通して見ることが不可欠である。したがって、これは、モニターを見ることにより置き換えられえない。操作状態の表示、または、供給業者が異なることは、ビデオ画像上では必ずしも識別可能ではない。
【0007】
ビデオ特定においては、車両の周囲の環境中での選択されたコイルを、モニター上で選択するために、運転手は実際の印象とモニターの画像との間を関連付けなければならない。目が、その周りにあるいくつもの窓とモニターとの間を往復移動してしまう。これは厄介であり間違いが生じやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公開第000004236286A1号公報
【特許文献2】特開000009017666AA号公報
【特許文献3】特開000008265992AA号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第5850135号公報
【特許文献5】特開002003079006AA号公報
【特許文献6】特開002006345588AA号公報
【特許文献7】特開002007159359AA号公報
【特許文献8】欧州特許出願公開第000001930203A1号公報
【特許文献9】独国特許出願公開第102007033654A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
請求項1による本発明の課題は、ユーザーの介入、機械的な作用および摩擦、ならびに、さらなるまたは不良化しやすいセンサー系および運転支援システムを可能な限り大幅に回避することにより、システムコスト、ライフサイクルコスト、作業の危険性、人間のユーザーエラーおよび技術的な誤動作のしやすさを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
電子的位置決め支援装置は、全ての充電ステーションと車両とについて同じで、かつ精確に普遍的な方法で、十分な充電位置へガイドすることができる。地上に隆起して設置されたコイル筐体は、その特徴的な反射特性および目視可能なマークのために、識別する目的で用いられ、同時に、車両の底部中に設置された二次コイルから垂直方向に十分小さい距離をあけている。
【0011】
達成される利点:請求項1による誘導充電ステーションの電子的位置決め支援装置は、充電ケーブルを用いた手動充電よりも、ユーザーに対してより大きい利便性、機能の安全性、及び確実性を提供する。この支援装置は、気候条件、汚染ならびに運転手の訓練度、知識および技能に関わらず、常に信頼性を持って動作する。したがって、この車両は、公共電力網に対して、より頻繁に接続される。充電およびエネルギー返還の両方の目的で接続される。これにより、イーモバイルの幅広い躍進を、より大衆現象にする可能性が大きくなり、かつ、最大負荷時間における電力変動を補うために、車両のバッテリーを確実に利用可能にする傾向がある。
【0012】
地面中に平坦な形で設置することにより、公共物の破損や、美的な観点からの反対(反発)の対象とはならない。駐車車両によるエネルギー伝送およびデータ伝送を遮蔽することにより、悪用および改ざんを防ぐことができる。この理由は、この充電技術が、このプロセス中にほぼアクセス不能であるのみならず、誘導ベースの通信用のプロトコルがあまり普及していないという理由による。車両外で可動する部品をアクセスできないようにして、またこれを省くことにより、損傷の危険性を低減する。
【0013】
実施形態2による発明のさらなる構成
本発明のより有用な構成を、実施形態2に特定する。この請求項2による実施形態の変形例により、レーダーに基づくセンサーのより高い精度および耐干渉性を用いることが可能となる。レーダーセンサーは、近接域における距離の制御および障害物検出のために、そもそも、ますます多用されつつあり、その結果、追加コストが生じるには及ばない。レーダーセンサーは、ますますセンサーの統合が進み、構成部品が統合および機能が統合されているために、駐車支援装置として日常的に用いられ、その結果、半自動式操車用の既存のシステムを利用することができる。
【0014】
センサーベースの測距および物体の位置付け(位置決め)、ならびに、軌道演算およびコンピュータベースの操舵指令の変換を用いて、車両の十分な位置決めを行うことができる。操舵角度および車輪回転を検出することにより達成される精度は、大まかな位置決めには十分であり、さらなる計器を省くことができる。
【0015】
ナビゲーションシステムと音声入力とを連携させたレーダーによる位置付けは、常にタッチスクリーン上での入力よりも速いが、この理由は、自動的に正しいコイルに導かれ、運転手が、フィードバックプロンプトで確認のみを行うからである。データベースに登録すると共に、ユーザープロファイルを事前設定することにより、例えば、常に、所定の供給業者による規定のまたは好適なコイルのみへ、または、遮蔽されたコイルのみへと運転することが可能となる。
【0016】
ある単純化された実施形態では、駐車プロセスは、例えば、自宅のガレージで行うことができるが、この際、上述の電子コイルの位置付けなしでも、手動で充電表面上に大まかに位置決めして、そして微細な位置決めを始動させることによって行う。ここで、この微細な位置決めは、好ましくは、バックへのシフトが行われた場合、速度が歩行速度未満に落ちた場合、または、操舵角度が鋭角になった場合に、運転手からの相応する確認を得た後に、コイル呼び出しモードで認識準備完了状態に切り替わって行われ、そして、車両は、駐車支援の動作工程と同じように、好ましくは半自動で精確に位置決めされる。
【0017】
これにより、レーダーセンサーがない車両でさえ、精確なコイルとの結合が利用可能(アクセス可能)となる。家庭では課金のためのテレマティックス機能も必要ではない。これにより、さらにシステムコストを下げることができ、これは、むしろ初期の段階のE-モビリティにおける、通勤車両用の標準となるであろう。ステーション側のコイルは、据え付けキットとして地上に設置可能で、あるいは、相応の追尾マークを備えて地下に設置可能である。後者の方が、床の清浄および冬場のサービスが容易になる。地下の変形例は、いずれにしてもレーダーの位置付けにとっては、より不適切で、コイルの距離をより長くする必要がある。
【0018】
請求項4による本発明のさらなる構成
請求項4による本発明の構成によれば、換気用スロットを備えたステーション側のコイルの筐体は、明らかに特定可能な物体になり、周囲の傾斜台の構造が、路上の車両のレーダー支持面であるがゆえに生じる静的負荷および動的負荷に対する十分な強度、高い統合性、および、レーダー波の十分な照射透過性を同時に提供し、製造のコスト効率を良くする。
【0019】
この外部から見える傾斜台の要素は、内部の反射立ち上げ縁(reflection rising edge)を完全に包む。これにより、反射パターンを模倣、捏造するのが非常に困難になる。充電ディスクには、表示部もボタンも外部接続部も設けられていないので、したがって、上部がわずかに丸みを有する見た目のよい形状を有する大きく包み込まれた物体である。内側のLED照明は、位置灯、動作状態表示部および周囲のための照明として機能する。
【0020】
請求項4による本発明の設計により、ステーション側のコイル筐体の底部部分は、周辺の凹型の立ち上がり縁を介した距離補償反射体(distance-compensating reflector)となり、したがって、この底部部分は、この位置では通常の強度よりも強い明確な信号を反射し、この信号を、接近角度には依存せずに、車両のセンサーシステムにフィードバックし、この場合、この反射体は、車両とコイル筐体の設置位置との間の傾斜に応じて、広い許容差範囲内で減少されない特徴的な信号パターンを戻す。
【0021】
いくつもの場所に付けられて、はっきりと目視可能なコイルのマークにより、エネルギー供給業者の情報を提供し、充電位置を混同しないようにする。電子位置付けが用いられない場合、ある列に複数の隣り合う空いているコイルが同様に選択の対象となる場合、運転手が所定の供給業者のコイルを用いたい場合、または、運転手が、否定的な動作状態を表示したコイルを避けたい場合には、運転手による目視での特定を、画像処理に置き換えることはできない。このために、コイルには、車両と同様のマークが設けられている。これは、好ましくは、製造者のイニシャルおよびある一連の番号からなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】エネルギー源(3)の上方にある車両(4)を示す乗用車の実施形態
【図2】エネルギー源(3)の上方にある車両(4)を示す乗用車の実施形態
【図3】エネルギー源用の、地面より下方にあるエネルギー供給配線。
【図4】コイル(1)、電力電子装置(5)、送風機(6)および供給配線を備えた誘導部材(3)の筐体。
【図5】さらなる電子装置(5)の配置例の上方にある巻き線の例を備えた、ステーション側のコイル(1)の概略図。
【図6】換気シャフトと、冷却送風機用および圧力抵抗性を有する筐体傾斜台用の防水性の設置空間とを備えた一次側の筐体
【図7】網戸(7)を備えた水はね防水性を有する吸気用シャフトおよび雨水排水部
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照した実施形態の説明;車両(4)は、任意の方向から誘導ディスク(3)に接近し、事前設定によるレーダーの自動探索モード、または、手動始動探索モードで、地面上の充電コイルを自動的に認識する。事前設定では、ユーザーは、例えば、頻繁に訪れる目的地(例えば、職場の位置または買い物の位置など)の近隣で、探索モードを自動的に始動することなどを定義することができる。または、レーダーによる位置付けを用いずに、単純に目視で接近することにより、コイルの上へと運転する。
【0024】
ナビゲーションシステムを介した妥当性の比較は、そのデータベース登録に基づいて、近隣域にある全ての充電ディスクを連続的に検出する。運転手の簡単な指令に基づいて、ナビゲーションシステムは、運転手を最も近い充電ステーションに導くこともできるし、または、対応する戻り方向のチャンネルを備えた好適なテレマティックスの選択肢がこの車両中に存在する場合には、車両を次の空いている充電ステーションに導くこともできる。
【0025】
近隣における妥当性比較に続いて、空いている充電ステーションがある場合には2つの選択肢が存在する。運転手が、ナビゲーションシステムを介してこの充電ステーションの事業会社および電力データを受け取る。または、運転手は、マッチングするデータベース登録がない場合、および、利用できる充電の選択肢が複数ある場合、所望の充電ステーションを視覚的に特定するように促される。
【0026】
コイル(1)は、地面上約70mmにある。給電電子装置(5)は、コイル体の下方で、同じ筐体内に位置付けられている。筐体は、吸気および排気用の表面防水スロット以外では、包み込まれている。外部との接続は、電源ケーブルのみである。筐体送風機(6)により確実に空冷が行われる。
【0027】
コイル筐体の高さは、以下のように設計されている。すなわち、
・電気車両の地上高は、いずれにせよ小さいが、これから、最大充電時のバネの通常の移動をひいても、十分な空き空間が残るように
・最悪の場合、すなわち、最大負荷を上回った場合で、同時にタイヤ圧力が最小値を下回った場合でも、筐体中に給電電子装置の構成部品のためのスペースがあり、車両は、コイル筐体の上面に置かれうるように、
したがって、別体の電子装置筐体と、これに対応する配線、およびこれらの設置費用を省くことができるように、設計されている。
【0028】
車両約2台分の長さに相当する距離から、近接レーダーは、コイル筐体の特徴的な反射体を自動的に検出し、スクリーン上にコイルデータを表示して、運転手に対してドッキングプロセスを提案する。同時に、射程に入った反射体は、その一部分が泥または破壊により覆われていても、その機能を保障する。この半自動式の駐車プロセスは、確認後に始動される。
【0029】
充電状態および請求に関するデータは、接近のための約20秒の間に交換される。微細な位置決めは、ABSにおける駐車支援装置の既存のアルゴリズムを用いて、かつ、電磁操舵システムおよび車輪回転および操舵角度を検出することにより達成される。
【0030】
微細な位置決め用の制御要素として探索充電電流を利用することにより、これ以外の微細な位置決め支援装置(例えば、近接スイッチ、磁場センサーまたは画像処理システム)なしに、微細な位置決めを行うことができる。充電プロセスは、すでに、電磁コイル結合の大まかな捕捉範囲で始まっているので、刻々と十分な電力の伝送効率を利用できる。さらに、充電をソフト始動することにより、バッテリーを含む関連する構成要素の寿命を上昇させることができる。自己制御型自動反復により、コイルが最大限に一致する位置への探索接近を、運転手がほとんど認知できないような数秒以内で終了するプロセスにすることができる。
【0031】
充電プロセスは、車輪が停止すると即座に開始する。自動的に始動される電気駐車ブレーキにより、傾斜位置またはステーション表面の側方の傾斜に関わらず、確実な充電操作が保証される。
【0032】
充電ステーションを備えた駐車場所には、もちろん、充電を行いたい車両またはエネルギー返還を提案する車両のみが接近する。適切な電気車両のみが承認されて、この種の駐車場所を使用する。運転手は、この利用による商取引に関する取引条件に自動的に同意する。
【0033】
充電するか否かというステーション側からの要求(クエリー)は不要である。なぜならば、車両側のコイル(2)が、微細な位置決めの間に、常にステーション側のコイル(1)を呼び出さねばならず(起動させなければならず)、車両側のバッテリーの状態に応じて、および/または、公共電気網における利用可能な容量に応じて、充電または返還が始めるからである。
【0034】
この自動始動なしでは、車両の蓄電池を過剰な電気網の電力で充電するための重要な時間枠、または、緊急に要求される公共電気網への返還の重要な時間枠が、失われてしまうであろう。全体として、自動充電または自動返還によってのみ、多くの電気車両を利用可能にでき、公共電気網における最大負荷の補償が可能となる
【0035】
基本的なアルゴリズムにより、
・自動返還時には、事前設定された最小充電レベルに違反しないこと、
・ユーザーが事前設定した残存充電容量は、最も経済的な夜間電力レートが利用可能である場合のみ用いられること、
・これ以外の事前設定に応じて、最大充電は、ユーザーが事前設定した日および1日のうちの時間に可能であること、
・これ以外の事前設定に応じて、最大返還は、ユーザーが事前設定した日および1日のうちの時間に可能であること、ならびに
・駐車時にユーザーが呼び出した出発時間を伴った目的地登録について、十分な充電が存在すること
が確保される。
【0036】
別の実施形態では、ナビゲーションシステムのマルチメディアインタフェースにより、追加のサービス、例えば、充電位置への自動ロギング、充電または返還にかかる時間、充電プロセス前後のバッテリー容量、または、使用充電ステーションの数、頻度および空間分布に関する統計、ならびに、これ以外の同様のサービスが提示される。インターネット接続により、ナビゲーションシステムのテレマティックスサービスが、ユーザーの電子メールボックスまたはユーザーポータルの保護領域に、データを伝送することができる。これにより、運転手は、エネルギー供給業者からの電力請求書を実質的により簡単にチェックすることができ、または、自身のユーザープロファイル用の適切なレートを決めることができる。
【符号の説明】
【0037】
1 ステーション側の一次コイル
2 車両側の二次コイル
3 ステーション側のコイル筐体
4 車両
5 電気および電子システム
6 送風機
7 網戸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導充電ステーションの近隣での、電気車両用の電子的位置決め支援装置において、
前記車両中に存在するまたはその中に任意選択で設けられたセンサーは、レーダー、レーザー、ライダー、超音波、赤外線、衛星または誘導に基づいていて、前記センサーに基づいた駐車支援装置は、追加的に、
ステーション側のコイル筐体または内部のコイル技術に基づいて、視覚的な周囲環境の描写なしに、ユーザーの手動入力なしに、および、ステーション側のさらなる反射体なしに近隣にある誘導充電ステーションを全自動で認識するために用いられ、かつ
コンピュータで支援される駐車操作において、前記車両を、前記車両の底面にあるコイルを用いて、前記ステーション側のコイル上に十分精確に位置決めするために用いられ、
前記2つのコイルが、追加の移動または持ち上げ装置を用いてより精確なまたはより近くに重ねられることなく、前記位置決めが行われることを特徴とする電子的位置決め支援装置。
【請求項2】
好適な周囲環境検出は、近接レーダーであることを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項3】
好ましくは、近接レーダーを介して、コイル筐体上における金属製物体の存在は排除されることで、確実に妨害なしに充電が行われることを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項4】
ステーション側のコイル筐体は、好ましくは、車両側の走査センサーのために非常に特徴的な反射体として機能し、同時に周囲の凹型の立ち上がり縁は、様々な距離のレーダー信号用の反射体を形成し、同時に、円形の基底面により、様々な接近角度用の反射体を形成することを特徴とする請求項2に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項5】
前記コイル筐体の屋根は、コイルが妨害なく結合するように、好ましくは可能な限り高い電磁線透過率を有し、かつ、前記コイル筐体の壁は、好ましくは、レーダー反射を可能な限り良好にするために、可能な限り低い電磁線透過率を有することを特徴とする請求項4に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項6】
ある好適な実施形態では、目視可能な筐体の全表面が、電磁線透過値の高い単一のプラスチック複合材料から製造可能であり、これは、アンダーカットや工具なしで、自動射出圧縮成形または射出成形プロセスを用いて、一体として製造可能であることを特徴とする請求項4に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項7】
2つの別体のつまみが、上方筐体部分の下側から突出しており、前記つまみが、好ましくは、排出される暖気の再循環を防ぎ、同時に、前記上方筐体部分と基底部との組み立て時に混同を防ぐ位置決めパターンとして機能することを特徴とする請求項4に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項8】
前記コイル筐体は、好ましくは、90°ずれた4つの特徴的な表面を有する周辺傾斜台上に装備されていることを特徴とする請求項4に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項9】
前記基底部は、前記周辺立ち上がり縁とともに、単一の平坦な金属シートから工具を使用せずに製造されていて、この製造は、位置決めテンプレートの位置決めのための折り曲げとともに、全自動打ち抜き曲げプロセスおよび深絞りプロセスにより行われることを特徴とする請求項4に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項10】
前記周辺立ち上がり縁があるために、周辺迷路システムへ浸透する水は、傾斜位置の幅広い許容差範囲にわたって、通気口を介して前記筐体の内部へ浸透する前に、好ましくは常に逆側に落ちることを特徴とする請求項4に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項11】
好ましくは、前記上方筐体部分の中の、立ち上がり傾斜した吸気スロットは、傾斜角度の広い許容誤差範囲にわたって、前記筐体の電子装置を水の噴射および表面の水から保護し、前記立ち上がり縁にまで浸透した水は、前記凹型立ち上がり縁の低い縁の回りで穴を介して落ち、前記基底部の下にある前記凹部を介して落ちることを特徴とする請求項4に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項12】
全体が金属製である基底部により、好ましくは、対流冷却用の十分広い表面も提供されることを特徴とする請求項4に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項13】
好適な実施形態では、様々な原色の中央光源を備えたLED照明ユニットは、前記換気スロットの後方の前記立ち上がり縁の後方領域にある、周辺に延在する光ファイバーを介して、操作状態を表示し、同時に位置標示灯として機能し、周辺に照明を当てることを特徴とする請求項4に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項14】
前記筐体は、前記コイルに加えて、好ましくは供給電子装置および返還電子装置を統合していることを特徴とする請求項4に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項15】
前記吸気スロット中の網戸は、好ましくは前記電子装置を、飛び入る虫および這い込む虫から保護し、浮遊物または多量に蓄積された汚染水の侵入を防ぎ、前記網戸は容易に交換可能で、容易に洗浄可能であることを特徴とする請求項4に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項16】
前記コイル筐体は、好ましくは、交差流換気により空冷されることを特徴とする請求項4に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項17】
送風機の温度制御ユニットは、好ましくは、過熱時には充電プロセスを中断し、または、過度の直接の太陽照射で、これに相当する加熱がなされる場合には、車両の影により十分に冷却された際に初めて、時間的にずらしてまたは小規模にのみ、充電プロセスを開始させることを特徴とする請求項4に記載の地面側のコイル筐体。
【請求項18】
好ましくは、テレマティックスサービスを使用して、定期的に更新された前記データベースを介して、または、車両中に存在するまたはその中に任意選択で設けられた自己学習型ナビゲーションシステムを介して、前記充電ステーションの位置付けの妥当性チェックが行われ、
これに関して、前記ナビゲーションシステムが、前記充電ステーションの事業会社または電気容量などに関するデータを表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項19】
コイルに関して適合するデータベース登録がない場合、および、複数の空いているコイルが互いに近くにある場合、目視で運転手が所定の供給業者によるコイルを選択したいと望んでいる場合、または、様々な供給業者が直近で営業している場合には、システムは、コイル特性に基づいて目視によりコイルの特定を行うように促すことを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項20】
コイルの特性は、好ましくは、ヘッドアップ表示部を介して挿入され、入力は好ましくは音声入力を介して行われ、ここで、好ましくは、最も容易に接近可能なコイルが、入手可能なコイル特性のリスト中で、強調された提案として表示されることを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項21】
好適な実施形態では、運転手は提案を確認する、または、リスト登録番号を入力して代わりとなるコイルを選択することができることを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項22】
車両中に存在するまたはその中に任意選択で設けられた駐車支援装置が、コイルを充電するための位置付け支援装置により拡張され、前記車両の底部にある受信側のコイルの設置位置に応じて、前記車両を前記充電ステーションにガイドする機能を引き継ぎ、ここで、前記ステーション側の充電コイルは、好ましくは、駐車スペースの中央に位置付けられ、前記車両側のコイルは、好ましくは、前記車両の底面の中央に位置付けられていることを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項23】
半自動式の駐車支援装置でよくあるように、好ましくは、運転手は,前進ギアおよび逆進ギアを入れることにより、ならびに、ブレーキペダルおよびアクセルペダルを操作することにより、もしくは、操舵ハンドルを握ることにより、次の駐車工程を開始し任意の時点でこのプロセスを中断することができ、または、前記コイル上に位置決めするために全自動の自動操舵部を始動させることを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項24】
微細な位置決め領域では、数センチメートルの寸法または適切に調節された捕捉範囲において、前記車両側のコイルが、好ましくは、電磁パルスにより、ステーション側のコイルを呼び出し、同時に双方のコイル間での誘導通信が始まり、誘導エネルギー伝送が重なり、好ましくは、この交換は、常に、ユーザー側の介入なしにおよびステーション側からの要求なしに、ユーザーの事前設定の一部として強制的に開始されることを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項25】
好ましくは、充電プロセスおよび返還プロセスの承認および課金の目的で、運転手が特定され、この特定は、この運転手の車両の個人の鍵を介して行われ、ここで、前記鍵は、好ましくは、事前設定された充電および返還の最低値、または、座席およびエアコン設定などのこれ以外の運転手の個人設定値も保存していることを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項26】
前記車両の個人の鍵の承認は、好ましくは、前記車両側のテレマティックスサービスのオンラインポータルを介して、これをエネルギー供給会社の提供と関連付けることにより始動されることを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項27】
数センチメートルの寸法の前記微細な位置決め領域では、前記充電プロセスは、好ましくは、探査充電で始まり、ここで、駐車支援装置は、好ましくは、追加の電磁場センサーを使用せずに、追加的な制御変数として充電電流の最終強度を、既存のまだ優先されている距離警告機器と共にのみ利用し、前後および横方向にずらす操車を繰り返して、数秒で可能な最短の経路を通って、2つのコイルを精確に重複させることを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項28】
前記充電ステーションが位置付けされた後に、妥当性比較の結果が否であった場合には、自己学習型ナビゲーションシステムは、自動的に、この充電プロセス中に獲得されまだ記録されていない前記充電ステーションに関するデータを、戻りチャンネルを介して、好ましくは、車両メーカーに依存せず、テレマティックスサービスに報告し、これに関して、新規の充電ステーションが、この時点から、中央オンラインポータルを介して、前記サービスの全てのユーザーに対して記録されることを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項29】
正確な充電位置は、衛星座標に基づいて、好ましくは、前記ナビゲーションシステムを介して自動的に記録され、充電時間、充電前後の充電状態、充電の長さなどの重要なデータは、車両中に存在するまたはその中に任意選択で設けられた車内コンピュータにより、好ましくは誘導的に利用可能になり、これにより、全充電データは、好ましくは誘導的な戻りチャンネルを介して、車両メーカーに依存しないテレマティックスサービスを介して、または、GSM、インターネット接続もしくはUSBなどの車両内のデータインタフェースを介して、ユーザーに対して永続的におよび自動的に利用可能とすることができることを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。
【請求項30】
ピーク需要時に、過剰なエネルギーが前記車両側の蓄電池から電気網に伝送される返還プロセスも、好ましくはメーカーに依存しないテレマティックスサービスを備えた同じナビゲーションシステムを介して、好ましくは便利におよび信頼性を持って、記録されうることを特徴とする請求項1に記載の位置決め支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−533282(P2012−533282A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520000(P2012−520000)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/060027
【国際公開番号】WO2011/006884
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(508237443)コンダクティクス−バンプフラー ゲーエムベーハー (13)
【Fターム(参考)】