説明

電子装置

【課題】配線基板上に電子部品を搭載し、その上に電子部品の放熱および電極の用をなすクリップを設け、クリップを配線基板にはんだ付けしてなる電子装置において、簡易な構成にて、配線基板の一面上におけるクリップの高さ位置ずれを抑制する。
【解決手段】配線基板10の一面11上にて電子部品20を介して搭載されたクリップ30は、端子部32にてはんだ50を介して接続されるとともに、板部31と一体に形成され板部31の外郭から配線基板10の一面11側に延びる脚部32を備えており、この脚部32は、配線基板10に対して接合することなく非導通状態で直接接触しており、クリップ30は脚部32にて配線基板10に支持されることにより、配線基板10の一面11上におけるクリップ30の高さが規定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板上に電子部品を搭載し、その上に電子部品の放熱および電極の用をなすクリップを設け、クリップを配線基板にはんだ付けしてなる電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にこの種の電子装置としては、配線基板と、一面側を配線基板の一面に対向させた状態で配線基板の一面上に搭載された電子部品と、放熱性および導電性を有する金属製のものであって、配線基板の一面上にて電子部品における一面とは反対側の他面上を覆うように設けられて電子部品と電気的に接続された板状の板部を有するクリップとを備えたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
ここで、クリップには、板部と一体に形成され、配線基板と電気的に接続された端子部が備えられている。この端子部は、板部の外郭から配線基板の一面側にまで延びて、はんだを介して配線基板と電気的に接続されたものであり、これにより、電子部品の他面側も、クリップを介して配線基板と電気的に接続される。また、この場合、電子部品に発生する熱が電子部品の他面側からクリップの板部に放熱されるようになっている。
【0004】
しかし、このような電子装置において、上記したように、配線基板の一面上にはんだを介してクリップを搭載する場合、クリップの端子部と配線基板との間に介在するはんだの厚さばらつきにより、配線基板の一面上におけるクリップの高さが狙いの位置からずれてしまう恐れがある。そして、このような位置ずれは、装置の体格のばらつき等の不具合につながる。
【0005】
ここで、従来では、基板上に半導体素子を搭載し、その上にクリップに相当する放熱板を搭載する構成において、基板と放熱板との間に別体のクリアランス調整部材を介在させることで、放熱板の高さを規定するようにしたものが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−26067号公報(第6頁、図3)
【特許文献2】特開2001−274177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2の方法の場合、別体のクリアランス調整部材が必要となり、組み付けの部品点数の増加を招くため、クリアランス調整部材の組み付け誤差が発生したり、組み付けに手間がかかったりするなどの不具合が生じる恐れがある。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、配線基板上に電子部品を搭載し、その上に電子部品の放熱および電極の用をなすクリップを設け、クリップを配線基板にはんだ付けしてなる電子装置において、簡易な構成にて、配線基板の一面上におけるクリップの高さ位置ずれを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、配線基板(10)と、
一面(21)側を配線基板(10)の一面(11)に対向させた状態で配線基板(10)の一面(11)上に搭載された電子部品(20)と、
放熱性および導電性を有する金属製のものであって、配線基板(10)の一面(11)上にて電子部品(20)における一面(21)とは反対側の他面(22)上を覆うように設けられて電子部品(20)と電気的に接続された板状の板部(31)と、この板部(31)と一体に形成され板部(31)の外郭から配線基板(10)の一面(11)側にまで延びて配線基板(10)とはんだ(50)を介して電気的に接続された端子部(32)とを有するクリップ(30)と、を備え、
電子部品(20)に発生する熱が電子部品(20)の他面(22)側からクリップ(30)の板部(31)を介して放熱される電子装置において、
クリップ(30)には、板部(31)と一体に形成され板部(31)の外郭から配線基板(10)の一面(11)側に延びる脚部(33)が設けられており、
脚部(33)は、配線基板(10)に対して接合されることなく直接接触しており、
クリップ(30)は脚部(33)にて配線基板(10)に支持されることにより、配線基板(10)の一面(11)上におけるクリップ(30)の高さが規定されていることを特徴とする。
【0010】
それによれば、配線基板(10)と脚部(33)との接触は、接合されない直接接触であり、この脚部(33)によりクリップ(30)の高さが規定されるから、従来のような別体のクリアランス調整部材を用いることなく、簡易な構成が実現できる。
【0011】
また、仮に脚部(33)と配線基板(10)とを、はんだを介さずとも熱圧着等により接合した場合、その接合エネルギーにより脚部(33)が変形し、結果、クリップ(30)の高さもばらつく可能性があるが、本発明では、脚部(33)と配線基板(10)とは接合することなく直接接触しているのみであるから、配線基板(10)の一面(11)上における脚部(33)の高さによってクリップ(30)の高さが規定されることになる。
【0012】
よって、本発明によれば、簡易な構成にて、クリップ(30)の端子部(32)と配線基板(10)との間に介在するはんだ(50)の厚さばらつきの影響を低減し、配線基板(10)の一面(11)上におけるクリップ(30)の高さ位置ずれを抑制することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の電子装置において、配線基板(10)の一面(11)上にて、電子部品(20)およびクリップ(30)の全体はモールド樹脂(40)により封止されており、モールド樹脂(40)の上面(41)は配線基板(10)の一面(11)に水平な面とされており、
クリップ(30)の板部(31)の上面(31a)は平坦面であって、板部(31)の上面(31a)は、クリップ(30)の脚部(33)の支持によって配線基板(10)の一面(11)に水平な面とされていることにより、板部(31)の上面(31a)上のモールド樹脂(40)の厚さ(t)が一定とされていることを特徴とする(図1等参照)。
【0014】
それによれば、電子部品(20)の熱は、板部(31)の平坦な上面(31a)からその上部のモールド樹脂(40)を介して放熱されるが、板部(31)の上面(31a)上のモールド樹脂(40)を一定の厚さ(t)としているから、当該モールド樹脂(40)の厚さ(t)がばらつく場合に比べて、板部(31)の上面(31a)からの放熱が安定して行える。
【0015】
また、請求項3に記載の発明のように、請求項1または2に記載の電子装置においては、配線基板(10)は、配線基板(10)の一面(11)側のうち脚部(33)と接触する部位に、周囲とは電気的に絶縁されたダミーランド(15)を有するものであり、脚部(33)はダミーランド(15)に接合することなく直接接触しているものにできる(図1等参照)。
【0016】
さらに、請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の電子装置において、配線基板(10)は、配線基板(10)の一面(11)側のうちクリップ(30)の端子部(32)と接触する部位に、端子部(32)と配線基板(10)とを電気的に接続するためのランド電極(13)を有するものであり、端子部(32)は、はんだ(50)を介してランド電極(13)に電気的に接続されており、ダミーランド(15)は、ランド電極(13)と同等かそれ以上の熱伝導性を有するものであることを特徴とする。
【0017】
それによれば、電子部品(20)の熱が板部(31)に伝わり、その板部(31)からの熱を、脚部(33)を介して配線基板(10)にも放熱するようにした場合に、脚部(33)を介した放熱性に優れることが期待できる。
【0018】
さらに、請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の電子装置において、ダミーランド(15)は、ランド電極(13)と同等の熱伝導性を有するものであり、ダミーランド(15)と前記ランド電極(13)とは、同一材料よりなることを特徴とする。
【0019】
それによれば、ダミーランド(15)とランド電極(13)とを同一工程で製造することが可能となり、製造の簡素化が期待できる。
【0020】
また、請求項6に記載の発明のように、請求項1または2に記載の電子装置において、配線基板(10)は、基材(10a)と、基材(10a)における配線基板(10)の一面(11)側に設けられたランド電極(13)とを有するものであり、脚部(33)は、配線基板(10)の基材(10a)に接合することなく直接接触しているものであってもよい(図9等参照)。
【0021】
さらに、請求項7に記載の発明のように、請求項6に記載の電子装置においては、配線基板(10)の一面(11)側において脚部(33)の周囲に位置する部位には、配線基板(10)の一面(11)と水平方向への脚部(33)の位置ずれを防止するストッパ(16)が設けられていてもよい(図10等参照)。
【0022】
脚部(33)は、配線基板(10)に対して接合することなく直接接触するだけあるため、当該接触状態であっても位置ずれの可能性があるが、本発明によれば、ストッパ(16)を設けることにより、その位置ずれを防止することが可能となる。また、クリップ(30)の搭載時において、このストッパ(16)が位置決めのマークにもなるから位置決めも容易になることが期待される。
【0023】
また、請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の電子装置において、配線基板(10)は、配線基板(10)の一面(11)側のうち脚部(33)と接触する部位に、凹部(17)を有し、脚部(33)は、凹部(17)に挿入される凸部(33a)を有し、凸部(33a)が凹部(17)に挿入されることにより、配線基板(10)の一面(11)と水平方向への前記脚部(33)の位置ずれが防止されていることを特徴とする(図11等参照)。
【0024】
それによれば、凹部(17)と凸部(33a)との干渉によって、脚部(33)が配線基板(10)の一面(11)と水平方向へ位置ずれするのを防止できる。
【0025】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る電子装置の概略平面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。
【図4】第3実施形態の他の例としての電子装置を示す概略側面図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。
【図6】本発明の第5実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。
【図7】本発明の第6実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。
【図8】本発明の第7実施形態に係る電子装置の概略側面図である。
【図9】本発明の第8実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。
【図10】本発明の第9実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。
【図11】図10におけるストッパの平面形状のバリエーションを示す概略平面図である。
【図12】本発明の第10実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図である。
【図13】本発明の第11実施形態に係る電子装置の概略平面図である。
【図14】本発明の第12実施形態に係る配線基板上への電子部品およびクリップの搭載工程を示す工程図であり、(a)は第1の方法、(b)は第2の方法を示す。
【図15】本発明の第12実施形態に係るクリップのはんだ付け工程の第1の例を示す工程図である。
【図16】本発明の第12実施形態に係るクリップのはんだ付け工程の第2の例を示す工程図である。
【図17】本発明の第12実施形態に係るクリップのはんだ付け工程の第3の例を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。また以下の各図においては、モールド樹脂40の内部要素を、モールド樹脂40を透過して示してある。
【0028】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、図1において(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。
【0029】
本実施形態の電子装置は、大きくは、配線基板10と、この配線基板10の一面11上に搭載された電子部品20と、この電子部品20からの放熱を行うとともに電子部品20の電極となるクリップ30と、配線基板10の一面11上にて電子部品20およびクリップ30の全体を封止するモールド樹脂40とを備えて構成されている。
【0030】
配線基板10は、樹脂やセラミック等の絶縁性材料よりなる基材10aに、導電性材料よりなる配線および電極等を形成してなるものであり、一方の板面を一面11、他方の板面を他面12とする板状を成す。このような配線基板10としては、樹脂を基材10aとするプリント基板や、セラミックを基材10aとするセラミック基板などが挙げられる。
【0031】
配線基板10は、基材10aにおける配線基板10の一面11側に、電子部品20やクリップ30と電気的に接続されるランド電極13と、ワイヤボンディングやソケットやフレキシブルプリント基板などの配線部材が接続されるにより外部との電気的接続を行う接続電極14と、後述するダミーランド15とを有する。
【0032】
ここで、これら各電極およびランド13〜15は、CuやAlあるいはW(タングステン)、Moなどの金属導体よりなるもので、めっきやペースト塗布などの方法により形成される膜である。
【0033】
また、ランド電極13および接続電極14は、配線基板10の図示しない配線により自身以外の周囲と電気的に接続され、これら配線とともに電気回路を構成するものである。一方、ダミーランド15は、自分自身の周囲とは電気的に絶縁されたものであり、当該電気回路からは電気的に独立したものである。
【0034】
電子部品20は、たとえばパワー素子などよりなる半導体チップである。この電子部品20は、一面21側を配線基板10の一面11に対向させつつ、当該一面21とは反対の他面22側を配線基板10の一面11の上方に向けた状態で、配線基板10の一面11上に搭載されている。
【0035】
ここで、電子部品20は、配線基板10のランド電極13に対して、はんだ50を介して電気的に接続されている。このはんだ50としては、一般的な共晶はんだや、鉛フリーはんだなどが用いられる。
【0036】
クリップ30は、Cu、FeまたはAlなどの放熱性および導電性を有する金属製の板材よりなるものであって、配線基板10の一面11上にて電子部品20の他面22上を覆うように設けられて電子部品20と電気的に接続された板状の板部31と、この板部31と一体に形成され板部31の外郭から配線基板10の一面11側にまで延びる端子部32とを有する。
【0037】
そして、端子部32の終端部は、配線基板10とはんだ50を介して電気的に接続されている。ここでは、端子部32は、配線基板10のランド電極13とはんだ50を介して電気的に接続されている。
【0038】
一方、板部31も、はんだ50を介して電子部品20の他面側と電気的に接続されている。これにより、電子部品20の一面21側、他面22側は、それぞれ配線基板10、クリップ30に電気的に接続され、配線基板10、電子部品20およびクリップ30の間で電気回路が構成されている。
【0039】
また、電子部品20に発生する熱が、主として電子部品20の他面22側からクリップ30の板部31に伝わり、板部31において配線基板10の一面11の上方を向く面(つまり電子部品20とは反対側の面)である上面31aを介して放熱されるようになっている。
【0040】
さらに、本実施形態では、図1に示されるように、クリップ30には、板部31と一体に形成され板部31の外郭から配線基板10の一面11側に延びる脚部33が設けられている。ここでは、脚部33は複数個設けられており、具体的には、矩形板状の板部31の4個のコーナー部にそれぞれ脚部33が設けられている。
【0041】
そして、本実施形態では、各脚部33は、その終端部にて配線基板10に対して接合することなく非導通状態で直接接触している。具体的には、配線基板10は、配線基板10の一面11側のうち脚部33と接触する部位に、上記ダミーランド15を有するものであり、脚部33は、このダミーランド15に対して、はんだを介さずに接合することなく直接接触している。
【0042】
そして、ダミーランド15は、配線基板10における周囲とは電気的に絶縁された部分であるから、脚部33と配線基板10との接触部は非導通状態の接触となる。また、脚部33とダミーランド15とは接合することなく直接接触するが、これは、溶接や、はんだまたは接着剤等を介した接合や、金属結合または化学結合をせずに、当該脚部と配線基板との間に限れば、離脱可能に単に直接接触しているだけの状態のことである。
【0043】
こうして、クリップ30は、脚部33にて配線基板10に支持されており、それにより、配線基板10の一面11上におけるクリップ30の高さが規定されている。具体的には、配線基板10の一面11上における板部31の上面31aの高さが狙いの高さからずれることなく規定されている。
【0044】
また、ここでは、端子部32および各脚部33は、ディプレス加工により形成されている。一般的なディプレス加工によって、端子部32および各脚部33は、図1に示されるように、板部31側の起点部分が曲げられて板部31から斜め下方に向かって延びるとともに、ランド電極13やダミーランド15と接触する終端部が、板部31と平行な板形状となるように更に曲げられたものとされている。
【0045】
また、モールド樹脂40は、配線基板10の一面11上にて、電子部品20を封止するとともに、板部31、端子部32および脚部33のクリップ30全体を封止しているが、このモールド樹脂40は、一般的な金型を用いたトランスファーモールド法により成形されている。
【0046】
このモールド樹脂40は、典型的な形状として配線基板10の一面11上に厚みを有する板状をなしており、ここでは矩形板状をなしている。そして、モールド樹脂40の上面41は、配線基板10の一面11に水平な平坦面とされている。つまり、モールド樹脂40は、配線基板10の一面11から当該上面41までの距離を実質的な板厚とする板状のものとされている。
【0047】
また、図1に示されるように、本実施形態では、クリップ30の板部31の上面31aは平坦面とされており、この板部31の上面31aは、上述したクリップ30の脚部33の支持によって配線基板10の一面11に水平な面とされている。つまり、本実施形態では、配線基板10の一面11、板部31の上面31aおよびモールド樹脂40の上面41の3面が互いに平行な位置関係にある。
【0048】
それにより、板部31の上面31a上のモールド樹脂40の厚さt(図1(b)参照)、すなわちモールド樹脂40のうち板部31の上面31aを被覆する部位の厚さtがばらつくことなく一定とされている。
【0049】
このような電子装置は、配線基板10の一面11上に、はんだ50を介して、電子部品20およびクリップ30を搭載した後、脚部33とダミーランド15とを直接接触させた状態で、はんだ50をリフローさせ、更に固化させた後、このものをモールド樹脂40で封止することにより製造される。
【0050】
ところで、本実施形態によれば、配線基板10と脚部33との接触は、接合されない直接接触であり、この脚部33によりクリップ30の高さが規定されるから、従来のような別体のクリアランス調整部材を用いることなく、簡易な構成が実現できる。
【0051】
また、配線基板10と脚部33との接触は非導通であるため、配線基板10のうち脚部33と接触する部位に、配線等の特に電気的な構成を追加することは不要となる。また、配線基板10と脚部33との接触は非導通であるが故に、接合しない直接接触で十分である。
【0052】
また、仮に脚部33と配線基板10のダミーランド15とを、はんだを介さずとも熱圧着等により接合した場合、その接合エネルギーにより脚部33が変形し、結果、クリップ30の高さもばらつく可能性がある。
【0053】
しかし、本実施形態では、脚部33と配線基板10とは接合することなく直接接触しているのみであるから、脚部33の変形は起こらず、配線基板10の一面11上における脚部33の高さによってクリップ30の高さが規定されることになる。
【0054】
よって、本実施形態によれば、簡易な構成にて、クリップ30の端子部32と配線基板10との間に介在するはんだ50の厚さばらつきの影響を低減し、配線基板10の一面11上におけるクリップ30の高さ位置ずれを抑制することができる。
【0055】
また、本実施形態では、電子部品20の熱を、板部31の平坦な上面31aからモールド樹脂40を介して放熱するようにしているが、板部31の上面31a上のモールド樹脂40を一定の厚さtとしているから、当該モールド樹脂40の厚さtがばらつく場合に比べて、板部31の上面31aからの放熱が安定して行える。
【0056】
たとえば、配線基板10の一面11上におけるクリップ30の高さ位置ずれが発生し、板部31の上面31aが配線基板10の一面11と水平な位置からずれてしまった場合、上記モールド樹脂40の厚さtがばらつくことになる。そうすると、板部31の上面31a上の厚さtが比較的大きい部分では放熱が小さくなるなどの不具合が生じるが、本実施形態では、そのような問題を回避できる。
【0057】
また、上述したように、クリップ30の端子部32は、はんだ50を介して配線基板10のランド電極13に電気的に接続されているが、脚部33と直接接触するダミーランド15は、当該ランド電極13と同等かそれ以上の熱伝導性を有するものであることが望ましい。具体的には、たとえばランド電極13がCuの場合、ダミーランド15はAgよりなるものにする。
【0058】
それによれば、電子部品20の熱が板部31に伝わり、その板部31からの熱を、板部31の上面31aからだけでなく、脚部33を介して配線基板10側にも放熱するようにした場合に、この脚部33を介した放熱性が優れることが期待される。
【0059】
さらに、本実施形態では、ダミーランド15を、ランド電極13と同等の熱伝導性を有するものとし、ダミーランド15とランド電極13とを、同一材料よりなるものとしてもよい。たとえば、両者13、15を共にCuよりなるものとしてもよい。
【0060】
それによれば、配線基板10の形成工程において、ダミーランド15とランド電極13とを同一の成膜やエッチングにより製造することが可能となり、製造の簡素化が期待できる。
【0061】
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態に係る電子装置の概略平面構成を示す図である。本実施形態は、上記第1実施形態に比べて、クリップ30における脚部33の位置が相違するものである。
【0062】
上記第1実施形態では、矩形板状の板部31の4個のコーナー部にそれぞれ脚部33が設けられていたが(図1参照)、本実施形態では、図2に示されるように、脚部33は矩形板状の板部31のコーナー部だけでなく、辺の途中部分に設けてもよい。
【0063】
これにより、上記第1実施形態と同様に、簡易な構成にて、クリップ30の端子部32と配線基板10との間に介在するはんだ50の厚さばらつきの影響を低減し、配線基板10の一面11上におけるクリップ30の高さ位置ずれを抑制することができる。
【0064】
(第3実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、図3において(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。本実施形態は、上記第1実施形態に比べて、クリップ30における脚部33の加工方法が相違するものである。
【0065】
上記第1実施形態では、脚部33は、ディプレス加工により形成されており、上述したように2箇所曲げられることで、ダミーランド15と接触する終端部が、板部31と平行な板形状とされていた。
【0066】
これに対して、本実施形態のように、脚部33は、折り曲げ加工により形成されたものであってもよい。この場合、図3に示されるように、脚部33は、板部31側の起点で1回折り曲げただけの形状となり、脚部33の当該終端部では、折り曲げ前の板材の端面がダミーランド15に対向して直接接触したものとなる。
【0067】
また、図4は、本第3実施形態の他の例としての電子装置を示す概略側面図である。この図4に示されるように、複数個の脚部33について、ディプレス加工により形成されたものと、折り曲げ加工により形成されたものが混在していてもよい。図4では、図中の2個の脚部33のうち左側がディプレス加工によるもの、右側が折り曲げ加工によるものである。
【0068】
なお、本実施形態は、クリップ30の脚部33の加工方法を折り曲げ加工としたものであるから、上記第1実施形態だけでなく、上記第2実施形態にも適用可能であることはもちろんである。
【0069】
(第4実施形態)
図5は、本発明の第4実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、図5において(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。本実施形態は、上記第1実施形態に比べて、クリップ30における脚部33の形状を一部変形したところが相違するものである。
【0070】
この図5には、クリップ30において板部31から2個の脚部33が設けられているが、図中の右側の脚部33の方が左側の脚部33よりも幅広の脚部33とされている。ここでは、この幅広の脚部33は1回のみ折り曲げられた折り曲げ加工によるものであり、その幅が板部33の辺と同じ寸法となるまで広いものとされている。
【0071】
このように幅広の脚部33とすることにより、脚部33と配線基板10との接触面積が大きいものとなり、脚部33を介したクリップ30の支持が安定しやすいものとなる。なお、上記した幅広の脚部33は、折り曲げ加工以外にも、ディプレス加工で形成してもよいことはもちろんである。
【0072】
(第5実施形態)
図6は、本発明の第5実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、図6において(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。上記各実施形態では、クリップ30には端子部32は1個のみであったが、端子部32は複数個設けられていてもよい。
【0073】
図6では、矩形板状の板部31の対向する2辺において各辺の途中部分に端子部32が設けられることで、2個の端子部32を有する構成とされている。なお、端子部32の位置を適宜設計変更することで、3個以上の端子部32を有する構成であってもよいことは言うまでもない。
【0074】
(第6実施形態)
図7は、本発明の第6実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、図7において(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。上記各実施形態では、クリップ30の板部31と配線基板10との間に設けられる電子部品20は1個であったが、この電子部品20は複数個であってもよい。
【0075】
図7では、矩形板状の板部31と配線基板10との間に、2個の電子部品20を有する構成とされている。この場合、電子部品20は同種の部品でもよいし、たとえばパワー素子とダイオードというように異種の部品でもよい。なお、電子部品20の位置を適宜設計変更することで、3個以上の電子部品20を有する構成であってもよいことは言うまでもない。
【0076】
(第7実施形態)
図8は、本発明の第7実施形態に係る電子装置の概略側面構成を示す図である。本実施形態は、上記第1実施形態に比べて、クリップ30における板部31に電子部品20が入り込む掘り込み31bを設けたところが相違するものである。
【0077】
図8に示されるように、本実施形態では、板部31における電子部品20と対向する面に、掘り込み31bが設けられ、この掘り込み31bに、電子部品20のうち厚さ方向における他面22側が入り込んでいる。
【0078】
たとえば、電子部品20が矩形板状のチップである場合、この掘り込み31bはそれよりも一回り大きい矩形の開口形状を有する凹部として構成される。このような掘り込み31bはプレス加工等により容易に形成できる。そして、この掘り込み31bに、電子部品20が入り込むことで、電子部品20の位置ずれ防止が期待できる。
【0079】
なお、本実施形態は、クリップ30の板部31に掘り込み31bを設けたものであるから、上記第1実施形態だけでなく、それ以外の上記各実施形態にも適用可能であることはもちろんである。
【0080】
(第8実施形態)
図9は、本発明の第8実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、図9において(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。本実施形態は、配線基板10のうちクリップ30の脚部33が接触する部位の構成を変形したものである。
【0081】
上記各実施形態では、配線基板10の一面11側において、脚部33が接触する部位は、配線基板10のダミーランド15であったが、本実施形態では、図9に示されるように、このダミーランド15を省略して、配線基板10の基材10aに脚部33を、接合させることなく直接接触させるようにしている。
【0082】
ここで、配線基板10の基材10aとは、当業者の認識や種々の用語集等から周知のもので、いわゆる配線基板10のベースであり、樹脂基板なら樹脂部分、セラミック基板ならセラミック部分といった絶縁部である。
【0083】
この場合、ダミーランド15が無い分、脚部33の高さを調整してやれば、上記同様、クリップ30の高さを規定できる。また、当該基材10aは絶縁部であるから、脚部33と配線基板10との接触は非導通状態の接触であることはもちろんである。
【0084】
なお、本第8実施形態は、上記各実施形態においてダミーランド15を省略した構成であるから、上記各実施形態について適用できることは言うまでもない。
【0085】
(第9実施形態)
図10は、本発明の第9実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、図10において(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。また、図11(a)、(b)、(c)はそれぞれ図10におけるストッパ16の平面形状のバリエーションを示す概略平面図である。
【0086】
本実施形態は、上記第8実施形態において、更に、配線基板10の一面11側において脚部33の周囲に位置する部位に、配線基板10の一面11と水平方向への脚部33の位置ずれを防止するストッパ16を設けたものである。
【0087】
このストッパ16としては、図11に示されるように、その平面形状が「コ」の字形状のもの(図11(a)参照)、「ロ」の字形状のもの(図11(b)参照)、カギ括弧形状のもの(図11(c))などが採用できる。そして、脚部33は、ストッパ16を避けて、配線基板10の基材10aのうちダミーランド15で囲まれた部位に、接合することなく直接接触するようにしている。
【0088】
脚部33は、配線基板10に対して接合することなく直接接触するだけあるため、当該接触状態であっても位置ずれの可能性があるが、本実施形態によれば、ストッパ16を設けることにより、その位置ずれを防止することが可能となる。また、クリップ30の搭載時において、このストッパ16が位置決めのマークにもなるから、精度のよい位置決めが容易になるという利点もある。
【0089】
(第10実施形態)
図12(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ本発明の第10実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図であり、クリップ30の脚部33と配線基板10との接触部の断面構成を示している。
【0090】
図12に示されるように、本実施形態では、配線基板10は、配線基板10の一面11側のうち脚部33と接触する部位に、凹部17を有し、脚部33は、凹部17に挿入される凸部33aを有し、凸部33aが凹部17に挿入されている。そして、それにより、配線基板10の一面11と水平方向への脚部33の位置ずれが防止されている。
【0091】
本実施形態は、図12(a)、(b)、(d)に示されるように、脚部33とダミーランド15とが接触する場合でも、図12(c)に示されるように、脚部33と配線基板10の基材10aとが接触する場合でも、どちらでも適用できる。
【0092】
具体的に、図12(a)の例では、脚部33の凸部33aは、エッチング等により形成された突起であり、凹部17は配線基板10のダミーランド15および基材10aを貫通するスルーホールとして構成されている。
【0093】
また、図12(b)の例では、脚部33の凸部33aは、プレス等により形成されたものであり、凹部17は上記スルーホールとして構成されている。
【0094】
また、図12(c)の例では、脚部33の凸部33aは、上記突起であり、凹部17は配線基板10の基材10aに設けられたレーザービアとして構成されている。
【0095】
また、図12(d)の例では、脚部33の凸部33aは、上記突起であり、凹部17は配線基板10のダミーランド15および基材10aを貫通するスルーホールとして構成されている。ここでは、ダミーランド15は、スルーホール電極と同様の形でめっき等にて形成され、スルーホールの内面から配線基板10の他面12側まで連続したものとして形成されている。
【0096】
(第11実施形態)
図13は、本発明の第11実施形態に係る電子装置の概略平面構成を示す図である。この図13に示されるように、ひとつのダミーランド15に複数個の脚部33を接触させるようにしてもよい。脚部33と配線基板10とは非導通状態であるから、複数個の脚部33を一つのダミーランド15に接触させても影響は無い。
【0097】
(第12実施形態)
上述したが、上記各実施形態の電子装置は、配線基板10の一面11上に、はんだ50を介して、電子部品20およびクリップ30を搭載した後、脚部33と配線基板10(つまり、配線基板10のダミーランド15もしくは配線基板10の基材10a)とを直接接触させた状態で、はんだ50をリフローさせ、更に固化させた後、このものをモールド樹脂40で封止することにより製造される。
【0098】
ここで、本発明の第12実施形態では、当該製造方法における各工程について、より具体的な方法を提供する。図14は、配線基板10の一面11上への電子部品20およびクリップ30の搭載工程を示す工程図であり、(a)は第1の方法、(b)は第2の方法を示す。
【0099】
図14(a)に示される第1の方法は、配線基板10側に電子部品20を搭載した後、クリップ30を配線基板10に搭載するものであり、図14(b)に示される第2の方法は、クリップ30側に電子部品20をはんだ付けした後、クリップ30および電子部品20を配線基板10に搭載するものである。これら両方法はいずれを採用してもよい。
【0100】
図15は、脚部33と配線基板10とを直接接触させた状態で、はんだ50をリフローさせ、更に固化させる工程、いわゆる、クリップ30のはんだ付け工程の第1の例を示す工程図である。
【0101】
脚部33と配線基板10とを直接接触させた状態で、はんだ50をリフローさせ、更に固化させるとき、リフローしたはんだ50による表面張力によってクリップ30が浮き、脚部33と配線基板10との間に隙間が発生することが懸念される。
【0102】
そのため、図15に示されるように、クリップ30上に錘100を置いてはんだ付けを実施することが望ましい。この錘100の荷重により、脚部33と配線基板10(つまりダミーランド15もしくは基材10a)との直接接触状態が確保され、この状態で、はんだ50のリフローおよび固化がなされる。
【0103】
また、図16は、本実施形態におけるクリップ30のはんだ付け工程の第2の例を示す工程図である。当該はんだ付けにおいては、上記図15に示される第1の例に代えて、この第2の例を採用してもよい。
【0104】
この第2の例では、クリップ30における板部31の上面31aにて、ワークを治具110に支持させることで、配線基板10に上記錘100の役目を持たせるものであり、上記図15の第1の例と同様の効果が期待される。
【0105】
また、図17は、本実施形態におけるクリップ30のはんだ付け工程の第3の例を示す工程図である。当該はんだ付けにおいては、上記図15に示される第1の例および図16に示される第2の例に代えて、この第3の例を採用してもよい。
【0106】
この第3の例では、一般的な吸着コレット120を用いてクリップ30を配線基板10上に搭載するが、このとき、配線基板10における脚部33との接触部に、基板厚さ方向に貫通するスルーホール130を設け、これを介して吸引することで、脚部33を配線基板10に確実に接触させる。そして、この状態で、はんだ50のリフローおよび固化を行えば、上記第1および第2の例と同様の効果が期待される。
【0107】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、クリップ30の脚部33は複数個であったが、当該脚部33の配線基板10との接触面積が十分に確保され配線基板10へのクリップ30の支持が十分になされるならば、脚部33は1個であってもよい。
【0108】
また、上記各実施形態では、配線基板10の一面11上にて電子部品20およびクリップ30の全体が、モールド樹脂40により封止されていたが、上記各実施形態において、このモールド樹脂40は省略された構成であってもよい。
【0109】
また、ダミーランド15は、配線基板10の一面11側のうち脚部33と接触する部位に設けられ、ダミーランド15自身の周囲とは電気的に絶縁されたものであるから、上記したようなランド電極13や接続電極14と同様の導体ではなく、たとえば樹脂やセラミックなどの絶縁材料よりなる膜であってもよい。
【0110】
また、上記各実施形態では、クリップ30の脚部33は、配線基板10に対して接合されることなく非導通状態で直接接触していた。これは、配線基板10と脚部33との接触は電気的接続が不要であるため、配線基板10のうち脚部33と接触する部位に、特に電気的な構成を追加することは不要となるためである。さらに言うならば、当該接触は電気的接続が不要であるが故に、接合されない直接接触で十分であるためである。
【0111】
しかしながら、場合によっては、配線基板10と脚部33との接触は導通するものであってもよい。この場合でも、従来のような別体のクリアランス調整部材を用いることがないから、簡易な構成が実現できる。
【符号の説明】
【0112】
10 配線基板
10a 配線基板の基材
11 配線基板の一面
13 ランド電極
15 ダミーランド
16 ストッパ
17 凹部
20 電子部品
21 電子部品の一面
22 電子部品の他面
30 クリップ
31 板部
31a 板部の上面
32 端子部
33 脚部
33a 脚部の凸部
40 モールド樹脂
41 モールド樹脂の上面
50 はんだ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板(10)と、
一面(21)側を前記配線基板(10)の一面(11)に対向させた状態で前記配線基板(10)の一面(11)上に搭載された電子部品(20)と、
放熱性および導電性を有する金属製のものであって、前記配線基板(10)の一面(11)上にて前記電子部品(20)の一面(21)とは反対側の他面(22)上を覆うように設けられて前記電子部品(20)と電気的に接続された板状の板部(31)と、この板部(31)と一体に形成され前記板部(31)の外郭から前記配線基板(10)の一面(11)側にまで延びて前記配線基板(10)とはんだ(50)を介して電気的に接続された端子部(32)とを有するクリップ(30)と、を備え、
前記電子部品(20)に発生する熱が前記電子部品(20)の他面(22)側から前記クリップ(30)の前記板部(31)を介して放熱される電子装置において、
前記クリップ(30)には、前記板部(31)と一体に形成され前記板部(31)の外郭から前記配線基板(10)の一面(11)側に延びる脚部(33)が設けられており、
前記脚部(33)は、前記配線基板(10)に対して接合されることなく直接接触しており、
前記クリップ(30)は前記脚部(33)にて前記配線基板(10)に支持されることにより、前記配線基板(10)の一面(11)上における前記クリップ(30)の高さが規定されていることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記配線基板(10)の一面(11)上にて、前記電子部品(20)および前記クリップ(30)の全体はモールド樹脂(40)により封止されており、
前記モールド樹脂(40)の上面(41)は、前記配線基板(10)の一面(11)に水平な面とされており、
前記クリップ(30)の前記板部(31)の上面(31a)は、平坦面であって、前記板部(31)の上面(31a)は、前記クリップ(30)の前記脚部(33)の支持によって前記配線基板(10)の一面(11)に水平な面とされていることにより、前記板部(31)の上面(31a)上の前記モールド樹脂(40)の厚さ(t)が、一定とされていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記配線基板(10)は、前記配線基板(10)の一面(11)側のうち前記脚部(33)と接触する部位に、周囲とは電気的に絶縁されたダミーランド(15)を有するものであり、
前記脚部(33)は、前記ダミーランド(15)に接合することなく直接接触していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記配線基板(10)は、前記配線基板(10)の一面(11)側のうち前記クリップ(30)の前記端子部(32)と接触する部位に、前記端子部(32)と前記配線基板(10)とを電気的に接続するためのランド電極(13)を有するものであり、
前記端子部(32)は、前記はんだ(50)を介して前記ランド電極(13)に電気的に接続されており、
前記ダミーランド(15)は、前記ランド電極(13)と同等かそれ以上の熱伝導性を有するものであることを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記ダミーランド(15)は、前記ランド電極(13)と同等の熱伝導性を有するものであり、
前記ダミーランド(15)と前記ランド電極(13)とは、同一材料よりなることを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記配線基板(10)は、基材(10a)と、前記基材(10a)における前記配線基板(10)の一面(11)側に設けられたランド電極(13)とを有するものであり、
前記脚部(33)は、前記配線基板(10)の基材(10a)に接合することなく直接接触していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項7】
前記配線基板(10)の一面(11)側において前記脚部(33)の周囲に位置する部位には、前記配線基板(10)の一面(11)と水平方向への前記脚部(33)の位置ずれを防止するストッパ(16)が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
前記配線基板(10)は、前記配線基板(10)の一面(11)側のうち前記脚部(33)と接触する部位に、凹部(17)を有し、
前記脚部(33)は、前記凹部(17)に挿入される凸部(33a)を有し、
前記凸部(33a)が前記凹部(17)に挿入されることにより、前記配線基板(10)の一面(11)と水平方向への前記脚部(33)の位置ずれが防止されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−235010(P2012−235010A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103567(P2011−103567)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】