説明

電子部品の実装構造および電子機器

【課題】部品数が少なく、低コストで薄型化された電子部品の実装構造および電子機器を提供する。
【解決手段】キースイッチ実装部10は、FPC13と、FPC13の端部上に搭載されたLED12と、FPC13の上方に配置され、上方に凸のドーム部Rdを有するドーム支持シート19と、ドーム支持シート19に付設されたメタルドーム18と、入力キー11を支持するラバーシート15と、各部材を支持する固定支持板21とを備えている。ドーム支持シート19は、LED12から発光された光を光取り入れ端Liから取り入れ、内部に導光して、光取り出し部Lo(ドーム部Rd)から面方向に取り出す。ドーム支持シート19が導光板としての機能も兼ね備えており、別途導光板が不要となって、部品数が低減され、薄型化も可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末,PDA,パソコン等に搭載される電子部品の実装構造およびこれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯端末などの電子機器のキースイッチ部の構造として、キーをバックライトで照らすようにしたものが提案されている。
たとえば、特許文献1には、図9に示すように、発光素子290から発光された光を導光板220を介して全反射によって側方に導き、途中の部位で光を乱反射させることにより、フィルム247を通して、キーボタン245を照らすように構成されたものが開示されている。この構造では、キーボタン245を押すと、突起部240がドーム状の接点部材であるメタルドーム275を下方に凹ませて、これにより、プリント回路基板260上のスイッチ265がオン状態になる。
【0003】
上記従来のキースイッチ部の構造により、キーボタン245が照らされることで、ユーザが暗い場所でもキーボタン245の数字,記号等を明確に把握することができ、かつ、突起部245によりメタルドーム275を押すことでクリック感覚を向上することができる、などの優れた機能を発揮することができる。
特許文献2にも、同様の構造が開示されている。
【特許文献1】特開2006−324240号公報
【特許文献2】特開2005−268165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のキースイッチ部の構造においては、キーボタン245のほかに、導光板220,メタルドーム275およびこれを支持するドーム支持シート270,プリント回路基板260など、多数の部品が必要なために、部品コストおよびこれを組み立てるための製造コストが多大であり、全体の厚みも多大であるという不具合があった。
【0005】
本発明の目的は、部品数の低減と薄型化とが可能な電子部品の実装構造およびこれを備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子部品の実装構造は、上方に凸のドーム状の接点部材を支持するドーム支持シートを、光取り入れ部から入光された光を内部に導光して、光取り出し部から面方向に出光するように構成したものである。つまり、いわゆるドーム支持シートに、接点部材(いわゆるメタルドーム)を支持する機能と、導光板としての機能を兼備させたものである。
【0007】
これにより、別途導光板が不要となるので、実装構造のコストの削減を図ることができ、かつ、厚みも小さくなるので、実装構造や、実装構造を備えた電子機器の薄型化を図ることができる。
また、ドーム支持シートの上方に導光板が存在しないので、クリック感覚も向上する。
【0008】
ドーム支持シートの光取り出し部は、ドーム支持シート全面であってもよいが、接点部材を覆うドーム部であることにより、一般的に接点部材の上方に設けられる入力キーの部分を照明することができる。
【0009】
ドーム支持シートの光取り出し部に、光取り出し用パターンを形成することにより、光取り出し用パターンが形成された領域で全反射を起こさずに光が面方向に出光される。光取り出し用パターンには、乱反射パターンや回析パターンがある。そして、乱反射パターンには、突起からなるドットパターンや、反射率が下地と異なる光散乱剤をベタ印刷したベタパターンがある。
【0010】
光取り出し用パターンを形成する方法としては、ドーム支持シートとは屈折率の異なる樹脂などからなる光散乱剤をインクジェットやスクリーン印刷などによってドーム支持シートの表面に塗布したり、エンボス,サンドブラスト,レーザー加工などによって微細凹凸を形成したり、屈折率を変化させるドーパントをドープしたり、パターンが形成された別のシートを貼り合わせる、などの方法がある。光取り出し用パターンは、ドーム支持シートの上面,下面,内部のいずれにあってもよい。
【0011】
ドーム支持シートの前記光取り出し用パターンは、光取り入れ部からの距離に応じて、パターン間距離、パターンサイズ,パターン数,及び光散乱率のうち少なくとも1つを調整することにより、前記各光取り出し部からの出光量を平均化するように、構成されていることが好ましい。
【0012】
ドーム支持シートの光取り出し用パターンが、平面視において情報表示媒体の形状を有していてもよい。情報表示媒体には、文字,数字,記号,各種パターンがある。
【0013】
ドーム支持シートが多層構造を有していることにより、実装構造の厚みをほとんど増やすことなく、強度を向上させることができる。
【0014】
ドーム支持シートの下方に、接点部材の下方に位置する部位に形成されたスイッチ部を含む回路層が形成された回路基板を配置することにより、実装構造を配線板モジュール化することが可能になる。回路基板には、フレキシブルプリント配線板,リジッドプリント配線板などがある。
【0015】
ドーム支持シートの上方に、接点部材の上方に位置する部位に入力キーを付設したラバーシートを配置して、ドーム支持シートの光取り出し用パターンを、入力キーの下方に位置する部位に設けることにより、入力キーまたはその上方に設けられる文字,数字,記号,各種パターンなどを、暗闇でも認識できるように照射することができる。
【0016】
本発明の電子機器は、上述の電子部品の実装構造を備えたものであって、携帯端末,PDA,パソコン等がある。これにより、低コストで薄型化された実装構造を備えた電子機器が得られる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電子部品の実装構造又は電子機器によると、部品数の低減により、コストの削減および薄型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯端末(電子機器)の構造を概略的に示す斜視図である。図2は、実施の携帯に係る携帯端末の入力部の構成を示す平面図である。
図1および図2に示すように、携帯端末1は、各種情報を表示するための表示部3と、伝達または表示しようとする事項を入力するための入力部4と、入力部4に対して表示部3を回動自在に支持するヒンジ部5とを備えている。
【0019】
表示部3には、液晶表示パネルを用いた表示装置6と、表示装置6を挟んでヒンジ部5と対向する外端部に配置されたスピーカ8とが設けられている。
入力部4には、数字,文字,記号のほか,機種によって設定された各種機能を表すパターンが表示されている複数の入力キー11が配置されたキースイッチ実装部10と、キースイッチ実装部10を挟んでヒンジ部5と対向する外端部に配置されたマイク9とが設けられている。図2に示す破線の位置に、2個のLED12が配置されており、LED12から発光された光により、後述するドーム支持シートを介して入力キー11及びその周囲の領域を含む被照明領域Rlmが照らされるようになっている。なお、数字,文字,記号のほか,機種によって設定された各種機能を表すパターンは、入力キー11とは別の部材、たとえば入力キーの上方に設けられた薄い表示板などに表示してもよい。
【0020】
図3は、図2に示すIII-III線における縦断面図であって、本発明の電子部品の実装構造としてのキースイッチ実装部10の構成を示している。同図に示すように、キースイッチ実装部10は、両面に回路層が形成された両面回路タイプのFPC(フレキシブルプリント配線板)13と、FPC13の端部上に搭載されたLED12と、FPC13の上方に配置されたドーム支持シート19と、ドーム支持シート19に支持されるドーム状の接点部材であるメタルドーム18と、ドーム支持シート19の上方に配置され、入力キー11を支持するラバーシート15と、FPC13の下方に延びる固定支持板21とを備えている。
【0021】
メタルドーム18は、一般的には、SUSの薄膜のプレス加工によって形成されるが、銅,銅合金等、他の金属の薄膜を用いてもよい。メタルドーム18の膜厚は、たとえば0.01mm〜0.1mmである。
ドーム支持シート19は、「ドームシート」とも呼ばれるものであって、一般的には、樹脂シートにメタルドーム18を貼り付けることで、メタルドーム18に接する部分(ドーム部Rd)がドーム状に変形する。ただし、当初からドーム部Rdが形成されたドーム支持シート19のドーム部Rdに、メタルドーム18を貼り付けてもよい。ドーム支持シート19のドーム部Rdの代表的な高さは、0.15mm〜0.5mm程度である。
【0022】
ドーム支持シート19は、LED12に対峙する端部で、テーパ状に厚さが拡大した光取り入れ端Li(光取り入れ部)となっており、LED12から発光された光を光取り入れ端Liから取り入れ、その内部で全反射させて導光し、光取り出し部Loから面方向に光を取り出すように構成されている。本実施の形態では、ドーム部Rdが光取り出し部Loでもある。そのために、ドーム支持シート19は、透光性のある材料、たとえばPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂,ウレタン樹脂,ポリカーボネート樹脂,アクリル系樹脂,シクロオレフィン系樹脂,シリコン樹脂,PETなどによって構成されている。
なお、ドーム支持シート19は、必ずしもテーパ状に厚さが拡大した光取り入れ端Li(光取り入れ部)を有している必要はなく、たとえば、レンズ等を接合した光取り入れ部などであってもよい。
【0023】
つまり、本実施の形態では、ドーム支持シート19は、導光板としての機能も兼ね備えている。ドーム支持シート19の厚みは、光を通し、かつ、入力キー11が押されたときに撓むためには、0.01mm〜0.1mm程度であればよい。また、厚みが拡大した光取り入れ端Liでは、0.025mm〜1.0mm程度である。
【0024】
LED12は、側面が発光面となっており、下面に電力や信号を授受するための電極を有している。LED12は、FPC13の端部上に設置されて、FPC13の上面側の回路層から供給される電力および信号によって発光し、発光した光をその側面からドーム支持シート19の光取り入れ端に入光させる。本実施の形態では、2個のLED12を用いているが、1つだけでもよいし、3個以上でもよい。また、LED12の配置場所は、本実施の形態における部位に限定されるものではない。
【0025】
図3下方の拡大断面図に示すように、ドーム支持シート19のドーム部の上面には、ドットパターン(乱反射パターン)からなる光取り出し用パターン25が形成されており、光取り出し用パターン25によってドーム支持シート19を伝わる光を乱反射により上方に取り出して、上方の入力キー11の被照明領域Rlmを照射している。
なお、本発明の光取り出し用パターンは、乱反射パターンに限定されるものではなく、回析パターンを用いてもよい。また、乱反射パターンである場合でも、ドットパターンに限定されるものではなく、反射率が下地と異なる光散乱剤をベタ印刷したベタパターンであってもよい。
【0026】
乱反射パターンである光取り出し用パターン25を形成する方法としては、導光板17とは屈折率の異なる樹脂(アクリル樹脂,ウレタン樹脂やシリコン樹脂など)からなる光散乱剤を、スクリーン印刷,インクジェットなどによってドーム支持シートの表面に塗布したり、エンボス,サンドブラスト,レーザーなどによって微細凹凸を形成したり、屈折率を変化させるドーパントをドープする方法、シートを貼り合わせる方法などがあり、いずれの方法を採用してもよい。
また、光取り出し用パターン25は、導光板17の上面,下面,内部のいずれに形成してもよい。
さらに、ドーム部Rdの曲率によっては、特別の光取り出し用パターンを形成しなくても、ドーム部Rdで全反射が崩れて、上方に光を取り出すこともでき、その場合には、ドーム部Rdの形状が光取り出し用パターンを兼備することになる。
【0027】
本実施の形態では、光取り出し用パターン25のドットの寸法は、たとえば高さが、たかだか0.05mm程度で、径が、たかだか0.5mm程度である。本実施の形態では、LED12から遠ざかるほど、光取り出し用パターン25中のドット数を多くする、ドットの大きさを大きくする、などによって、各入力キー11の明るさをできるだけ均一化している。
なお、乱反射パターンとして、ドットパターンではなく,上述のベタパターンを用いる場合には、径がたかだか0.5mm程度の光散乱剤を多数印刷すればよい。そして、光取り入れ部から遠ざかるほど、光散乱剤の数(パターン数)を多くする、あるいは、光散乱剤の大きさ(パターン寸法)を大きくする、などによって、各入力キー11の明るさをできるだけ均一化することができる。その具体的な方法については、後述する。
【0028】
FPC13は、図3下方の拡大図にしめすように、ベースフィルム31と、ベースフィルム31の両面に設けられた回路層32と、回路層32の一部を露出させ、他の部分を被覆するカバーレイ33と、上下の回路層32を接続するスルーホール導体層34とを備えた両面回路タイプの構造を有している。
【0029】
ベースフィルム31の材料としては、厚みが12.5μm〜50μm程度のポリイミドフィルムが用いられる。ポリイミドフィルムに限らず、ポリエステルフィルム,ガラスエポキシフィルム等も用いることができる。
回路層32やスルーホール導体層34の材料としては、銅を用いるのが一般的であるが、これに限定されるものではない。
【0030】
カバーレイ33としては、ベースフィルム31と同じ材料からなるフィルムカバーレイや、液状のエポキシ樹脂インク等を印刷して形成されるカバーコートインクや、エポキシ,アクリル,ポリイミド,ポリウレタンなどの樹脂を用いた感光性カバーレイがあり、いずれを用いてもよい。本実施の形態では、ポリイミドフィルムを用いたフィルムカバーレイを用いている。そして、金型等で加工したポリイミドフィルムを熱硬化型接着剤で基板と貼り合わせることによって形成している。
【0031】
そして、上面側の回路層32における、メタルドーム18の下方に位置する領域には、中央部32aと、外円部32bとからなるスイッチ回路Scが形成されている。回路層32の中央部32aおよび外円部32bとは、通常は非導通状態であるが、メタルドーム18と、中央部32aおよび外円部32bとが接触すると、導通状態となる。
なお、FPC13は、両面回路タイプである必要はなく、片面回路タイプであってもよい。また、FPCではなく、リジッドプリント配線板を用いてもよい。さらに、固定支持板21はなくてもよい。
【0032】
一方、ラバーシート15のうちメタルドーム18の中央部、つまり、ドームの頂上付近の上方に位置する部分は、下方に突出した突起部15aとなっている。突起部15aは、本実施の形態では、プレス加工や射出成形によりラバーシート15と一体的に設けられているが、別途、円柱部材の溶接,ろう付け,接着剤塗布,樹脂の印刷などによって設けてもよい。
【0033】
固定支持板21は、ラバーシート15,ドーム支持シート19,LED12,FPC13等を支持するものであり、FPC13に接着剤層23を介して接続されている。固定支持板21は、SUS,Mg合金,などの金属の他、ABS樹脂等の樹脂によって形成されている。
【0034】
図3および図3下方の拡大図に示すように、入力キー11が押されると、ラバーシート15が撓み、メタルドーム18およびドーム支持シート19がラバーシート15の突起部15aに当接して凹むことで、メタルドーム18と回路層32の中央部32aおよび外円部32bとが相接触する。これにより、回路層32のスイッチ回路Scがオンになり、入力キー11の押圧を止めると、スイッチ回路Scがオフに戻る。
【0035】
本実施の形態のキースイッチ実装部10(電子部品の実装構造)によると、ドーム支持シート19が導光板としての機能を兼ね備えていることで、部品数の低減によりコストが削減される。また、導光板が別途不要なことで、実装構造10の厚さも低減し、薄型化を図ることができる。
たとえば、一般的な導光板の厚さは、0.025mm〜0.5mm程度であり、導光板を別途配置した場合には、導光板とドーム支持シート19との隙間(0.2mm程度)も必要となるので、合計0.025mm〜0.5mmプラス約0.2mm程度の厚み低減が可能である。
【0036】
突起部15aは必ずしも必要ではないが、突起部15aを設けることにより、クリック感覚が高まるというメリットがある。ただし、本実施の形態では、導光板がなく、入力キー11の直下に薄いラバーシート15とドーム支持シート19とがあるだけなので、突起部15aがなくても、従来の実装構造(図9参照)よりもクリック感覚が向上する。
【0037】
(変形例1)
図4は、上記実施の形態の変形例1に係るドーム支持シート19のドーム部の構成を示す縦断面図である。
本変形例では、ドーム支持シート19の上面側には、粘着剤を挟んでラミネートにより形成された厚さ0.025mm程度の補強板24が付設されており、ドーム支持シートが多層構造になっている。そして、補強板24のドーム部Rdに光取り出し用パターン25が形成されている。この変形例では、図示しないが、補強板24の端部からもLED12からの光が導入される。補強板25の材質としては、たとえばPET樹脂,シリコン樹脂等の樹脂を用いることができる。
なお、本変形例においても、光取り出し用パターンは、乱反射パターンに限定されるものではなく、回析パターンを用いてもよい。また、乱反射パターンである場合でも、ドットパターンに限定されるものではなく、反射率が下地と異なる光散乱剤をベタ印刷したベタパターンであってもよい。
【0038】
本変形例によると、ドーム支持シート19に補強板24を付設した多層構造とすることにより、ドーム支持シート19を補強しつつ、実施の形態と同じ効果を発揮することができる。
なお、補強板24のうちドーム部Rdはなくてもよく、その場合には実施の形態と同様に、ドーム支持シート19のドーム部Rd(図3参照)に光取り出し用パターン25を形成することになる。
【0039】
(変形例2)
図5は、実施の形態の変形例2に係るドーム支持シート19の平面図である。本変形例では、ドットパターンを用いた場合の光取り出し用パターン25のドットを、数字,文字,記号のほか,機種によって設定された各種機能を表すパターンの形状にしている。すなわち、本変形例では、光取り出し部(Lo)は、ドーム部Rd全体ではなく、ドットのパターン部分だけとなる。
【0040】
本変形例によると、入力キー11あるいはその上方の部材に、数字,文字,記号等を表示する必要がないので、コストの低減を図ることができる。また、数字,文字,記号等にユーザの指が触れないことで、多数の繰り返し使用した場合に、数字,文字,記号等が次第に摩耗して認識困難となる事態を防止することができる。
【0041】
次に、光取り出し用パターン25のパターン間距離,パターン数,サイズ等を、光取り入れ部からの距離に応じて調整することで、各光取り出し部からの出光量を平均化するための変形例について説明する。
(変形例3)
図6は、実施の形態の変形例3に係るドーム支持シート19の平面図である。本変形例では、光取り出し用パターン25を文字や数字の位置、つまり入力キー11の位置とは無関係に設けており、各光取り出し部からの出光量を、光取り入れ部から遠ざかるにつれ光取り出し用パターン25の間隔(パターン間距離)を狭くすることにより、平均化している。
【0042】
(変形例4)
図7は、実施の形態の変形例4に係るドーム支持シート19の平面図である。本変形例では、本変形例では、光取り出し用パターン25を文字や数字の位置、つまり入力キー11の位置とは無関係に設けており、各光取り出し部からの出光量を、光取り入れ部から遠ざかるにつれ光取り出し用パターン25のサイズ(パターンサイズ)を大きくすることにより、平均化している。
【0043】
(変形例5)
図8は、実施の形態の変形例5に係るドーム支持シート19の平面図である。本変形例では、本変形例では、上記実施の形態と同様に、光取り出し用パターン25を文字や数字の位置、つまり入力キー11の位置に対応して設けており、各光取り出し部からの出光量を、光取り入れ部から遠ざかるにつれドットの数(パターン数)を多くすることにより、平均化している。
【0044】
(変形例6)
本変形例においては、図示を省略するが、光取り出しパターン25の各部に、光散乱率の異なる材料を塗布しておいて、各光取り出し部からの出光量を、光取り入れ部から遠ざかるにつれ光散乱率を高くすることにより、平均化することもできる。
【0045】
上記実施の形態や変形例に係る電子部品の実装構造は、FPC13に、ドーム支持シート19およびメタルドーム18を搭載した配線板モジュール、さらに、固定支持板21を加えた配線板モジュール、さらに、LED12を加えた配線板モジュール、さらに入力キー11およびラバーシート15を加えた配線板モジュールとして一体化することができる。
【0046】
上記開示された本発明の実施の形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の電子部品の実装構造は、携帯端末,PDA,パソコンなど、キー部材を備えた電子機器に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末の構造を概略的に示す斜視図である。
【図2】実施の携帯に係る携帯端末の入力部の構成を示す平面図である。
【図3】図2に示すIII-III線におけるキースイッチ実装部の縦断面図である。
【図4】実施の形態の変形例1に係るドーム支持シートのドーム部の縦断面図である。
【図5】実施の形態の変形例2に係るドーム支持シートの平面図である。
【図6】実施の形態の変形例3に係るドーム支持シートの平面図である。
【図7】実施の形態の変形例4に係るドーム支持シートの平面図である。
【図8】実施の形態の変形例5に係るドーム支持シートの平面図である。
【図9】特許文献1に記載された従来の実装構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 携帯端末(電子機器)
3 表示部
4 入力部
5 ヒンジ部
6 表示装置
8 スピーカ
9 マイク
10 キースイッチ実装部(電子部品の実装構造)
11 入力キー(キー部材)
12 LED
13 FPC(フレキシブルプリント配線板)
15 ラバーシート
15a 突起部
18 メタルドーム
19 ドーム支持シート
21 固定支持板
24 補強板
25 光取り出し用パターン
31 ベースフィルム
32 回路層
32a 中央部
32b 外円部
33 カバーレイ
34 スルーホール導体層
Rlm 被照明領域
Rd ドーム部
Li 光取り入れ端(光取り入れ部)
Lo 光取り出し部
Sc スイッチ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に凸のドーム状の接点部材と、
前記接点部材の上面に沿ったドーム部を有し、該ドーム部で前記接点部材を支持するドーム支持シートと、
を備え、
前記ドーム支持シートは、光取り入れ部から入光された光を内部に導光して、光取り出し部から面方向に出光するように構成されている、電子部品の実装構造。
【請求項2】
請求項1記載の電子部品の実装構造において、
前記ドーム支持シートの光取り出し部は、前記ドーム部である、電子部品の実装構造。
【請求項3】
請求項1または2記載の電子部品の実装構造において、
前記ドーム支持シートの光取り出し部には、光取り出し用パターンが形成されている、電子部品の実装構造。
【請求項4】
請求項3記載の電子部品の実装構造において、
前記ドーム支持シートの前記光取り出し用パターンは、前記光取り入れ部からの距離に応じて、パターン間距離、パターンサイズ,パターン数,及び光散乱率のうち少なくとも1つを調整することにより、前記各光取り出し部からの出光量を平均化するように、構成されている、電子部品の実装構造。
【請求項5】
請求項3または4記載の電子部品の実装構造において、
前記ドーム支持シートの前記光取り出し用パターンは、平面視において情報表示媒体の形状を有している、電子部品の実装構造。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の電子部品の実装構造において、
前記ドーム支持シートは、多層構造を有している、電子部品の実装構造。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の電子部品の実装構造において、
前記ドーム支持シートの下方に配置され、前記接点部材の下方に位置する部位に形成されたスイッチ部を含む回路層が形成された回路基板をさらに含む電子部品の実装構造。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1つに記載の電子部品の実装構造において、
前記ドーム支持シートの上方に配置され、前記接点部材の上方に位置する部位に入力キーを付設したラバーシートをさらに備え、
前記光取り出し部は、前記入力キーの下方に位置する部位に設けられている、電子部品の実装構造。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の電子部品の実装構造を備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−231174(P2009−231174A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−77266(P2008−77266)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(500400216)住友電工プリントサーキット株式会社 (197)
【Fターム(参考)】