説明

電子部品の装着方法及び装着装置

【課題】装着順にどの部品供給ユニットに係る電子部品をどの位置に装着するかの装着データを変更することなく、適正な代替電子部品を登録するようにして、部品切れが生じた場合の適正な代替を可能にすること。
【解決手段】部品供給ユニット13Bから供給される電子部品の部品切れが生じた際に代替されるこの部品切れに係る前記電子部品を管理コンピュータ7の表示装置7Bに表示された画面で指定して登録し、同じく表示装置7Bに表示された画面で前記部品切れに係る電子部品に代わる代替可能電子部品を指定し、この指定された代替可能電子部品が前記部品切れに係る電子部品と前記部品供給ユニット13の供給形態が一致しない場合には、代替電子部品として登録しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィーダベース上に複数並設された部品供給ユニットより電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法及び装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電子部品の装着装置は、例えば特許文献1などに開示されている。一般に、部品供給ユニットにより供給される電子部品切れが生じた場合には、部品IDが違うが代替可能な電子部品を供給する他の部品供給ユニットを使用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−87305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば電子部品の形状が僅か違う場合には、部品保持具である吸着ノズルに吸着保持された電子部品を部品認識カメラが撮像して、この電子部品の位置を認識した際にエラーとなることがあった。
【0005】
そこで、装着順にどの部品供給ユニットに係る電子部品をどの位置に装着するかの装着データを変更することなく、適正な代替電子部品を登録するようにして、部品切れが生じた場合の適正な代替を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、電子部品を供給する複数種の部品供給装置から電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法において、
前記部品供給装置から供給される電子部品の部品切れが生じた際に代替されるこの部品切れに係る前記電子部品を指定して登録し、
前記部品切れに係る電子部品に代わる代替可能電子部品を指定し、
各電子部品毎にこの電子部品の特徴を表す部品ライブラリデータに基づいてこの指定された代替可能電子部品が前記部品切れに係る電子部品に代替できないと判定した場合には、代替電子部品として登録しない
ことを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、電子部品を供給する複数種の部品供給装置から電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法において、
前記部品供給装置から供給される電子部品の部品切れが生じた際に代替されるこの部品切れに係る前記電子部品を指定して登録し、
前記部品切れに係る電子部品に代わる代替可能電子部品を指定し、
この指定された代替可能電子部品が前記部品切れに係る電子部品と前記部品供給装置の供給形態が一致しない場合には、代替電子部品として登録しない
ことを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、電子部品を供給する複数種の部品供給装置から電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法において、
前記部品供給装置から供給される電子部品の部品切れが生じた際に代替されるこの部品切れに係る前記電子部品を指定して登録し、
前記部品切れに係る電子部品に代わる代替可能電子部品を指定し、
この指定された代替可能電子部品及び前記部品切れに係る電子部品の収納形態が共に収納テープであって、この代替可能電子部品の収納テープの幅が前記部品切れに係る電子部品の収納テープの幅以下でない場合には、この指定された代替可能電子部品を代替電子部品として登録しない
ことを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、電子部品を供給する複数種の部品供給装置から電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法において、
前記部品供給装置から供給される電子部品の部品切れが生じた際に代替されるこの部品切れに係る前記電子部品を指定して登録し、
前記部品切れに係る電子部品に代わる代替可能電子部品を指定し、
前記部品切れに係る電子部品を吸着する前記吸着ノズルの全ての種類が前記指定された代替可能電子部品に係る電子部品を吸着する前記吸着ノズルとして使用できるよう登録されていない場合には、この指定された代替可能電子部品を代替電子部品として登録しない
ことを特徴とする。
【0010】
第5の発明は、電子部品を供給する複数種の部品供給装置から電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法において、
前記部品供給装置から供給される電子部品の部品切れが生じた際に代替されるこの部品切れに係る前記電子部品を指定して登録し、
前記部品切れに係る電子部品に代わる代替可能電子部品を指定し、
この指定された電子部品のサイズが前記部品切れに係る電子部品のサイズより大きい場合には、この指定された代替可能電子部品を代替電子部品として登録しない
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、装着順にどの部品供給ユニットに係る電子部品をどの位置に装着するかの装着データを変更することなく、適正な代替電子部品を登録するようにして、部品切れが生じた場合の適正な代替を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電子部品実装ラインの管理システムの概略図を示す。
【図2】電子部品装着装置の平面図である。
【図3】電子部品装着装置の制御ブロック図である。
【図4】代替部品リスト編集画面を示す図である。
【図5】親部品の追加登録に係るフローチャートを示す図である。
【図6】子部品の追加登録に係るフローチャートを示す図である。
【図7】部品ライブラリデータを示す図である。
【図8】部品ライブラリデータに基づく子部品の追加の可否を判定するためのフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づき本発明の実施形態につき説明する。図1は基板としてのプリント基板6上に電子部品(以下、単に「部品」と略す場合もある。)を装着する電子部品実装ラインの管理システムの概略図であり、この電子部品実装ラインは前記基板6上に半田クリームを塗布するスクリーン印刷機や、前記基板6上に接着剤を塗布する接着剤塗布装置や、前記基板6上に電子部品を装着する電子部品装着装置1、2、3、4などの作業装置を備えているが、これらの装置に限らず、電子部品実装ラインに電子部品の実装に係る他の装置も含んでもよい。
【0014】
そして、前記電子部品装着装置1、2、3、4は相互に通信回線5を介して送受信が可能で有ると共に、それぞれ前記通信回線5を介して管理コンピュータ7にも接続されてこの管理コンピュータ7との間で送受信が可能である。
【0015】
そして、前記管理コンピュータ7にはキーボード等の入力手段7A、表示画面に入力装置としてのタッチパネルスイッチが形成されるモニタなどの表示装置7Bが接続されており、これらの部品ライブラリデータやパターンプログラムデータを作成することができ、記憶手段である内部メモリに格納すると共に、前記電子部品装着装置1、2、3、4に通信回線5を介して送信して後述する各RAM31に格納する。
【0016】
前記部品ライブラリデータは、部品ID毎に電子部品の特徴を表すデータであり、図7に示すように、部品ID毎に、部品形状、部品種別、供給種類、収納テープの幅であるテープ幅、部品寸法、使用優先順序毎のノズル候補1、2、3、照明方式、点灯パターン指定、視野指定などから構成される。
【0017】
前記パターンプログラムデータは、プリント基板PのX方向・Y方向のサイズ、厚み、基板認識の有無などから構成される基板情報データと、その装着順序毎(ステップ番号毎)に、プリント基板P内でのX座標、Y座標、角度情報、電子部品を供給する部品供給ユニット13Bの配置番号等から構成される装着データと、各部品供給ユニット13Bのフィーダベース13A上における配置番号に対応した各電子部品の種類の情報である部品配置データと、どの装着ヘッドのどの位置にどの種類の吸着ノズル(電子部品を部品供給ユニットから吸着して取出す)が装着されているかを示すノズル配置データと、電子部品実装ライン1における何番目の装置のどの装置機種かに係る装置情報などから構成される。
【0018】
次に、図2に基づいて、他の電子部品装着装置2、3、4と同様な構造の電子部品装着装置1を例として説明する。先ず、電子部品装着装置1には、プリント基板6を搬送する搬送装置12と、この搬送装置12を挟んで手前側と奥側に配設される電子部品を供給するための部品供給装置13と、駆動源により一方向(プリント基板6の搬送方向と直交するY方向)に移動可能な一対のビーム14A、14Bと、それぞれ複数(例えば、12本)の部品保持手段である吸着ノズル15を着脱可能に備えて前記各ビーム14A、14Bに沿った方向(プリント基板6の搬送方向であるX方向)に各駆動源により移動可能で且つ回転可能な作業ヘッドとしての装着ヘッド16とが設けられている。
【0019】
前記搬送装置12は電子部品装着装置1の前後の中間部に配設され、上流側装置からプリント基板6を受け継ぐ基板供給部12Aと、前記各装着ヘッド16の吸着ノズル15に吸着保持された電子部品を装着するために基板供給部12Aから供給されたプリント基板6を位置決め固定する基板位置決め部12Bと、この基板位置決め部12Bで電子部品が装着されたプリント基板6を受け継いで下流側装置に搬送する基板排出部12Cとから構成され、これら基板供給部12A、基板位置決め部12B及び基板排出部12Cはプリント基板6の幅(搬送方向と直交する方向の幅)に合わせて間隔が調整できる一対の搬送コンベアから構成される。
【0020】
前記部品供給装置13は、キャスタ付きのカートのフィーダベース13A上に部品供給ユニット13Bを多数並設したものであり、部品供給側の先端部がプリント基板6の搬送路に臨むように装着装置本体に連結具(図示せず)を介して着脱可能に配設され、この連結具を解除して把手を引くと下面に設けられたキャスタにより移動できる構成である。
【0021】
この部品供給ユニット13Bは種々の種類の部品供給形態があり、例えば収納テープを使用するものにあっては、多数の電子部品をキャリアテープの凹部から成る各収納部に一定の間隔で収容したカバーテープで覆う収納テープが搭載されており、収納テープを間欠送りすると共にキャリアテープからカバーテープを剥離することで、部品供給ユニット13Bの部品取出位置に電子部品が1個ずつ供給され、各収納部から前記装着ヘッド16の吸着ノズル15により取出される。
【0022】
X方向に長い前後一対の前記ビーム14A、14Bは、Y方向リニアモータ17の駆動により左右一対の前後に延びたガイドに沿って前記各ビーム14A、14Bに固定されたスライダが摺動して個別にY方向に移動する。前記Y方向リニアモータ17は左右一対の基体11A、11Bに沿って固定された左右一対の固定子と、前記ビーム14A、14Bの両端部に設けられた取付板の下部に固定された可動子17Aとから構成される。
【0023】
また、前記ビーム14A、14Bにはその長手方向(X方向)にX方向リニアモータ19によりガイドに沿って移動する前記装着ヘッド16が夫々内側に設けられており、前記X方向リニアモータ19は各ビーム14A、14Bに固定された前後一対の固定子と、各固定子の間に位置して前記装着ヘッド16に設けられた可動子とから構成される。
【0024】
従って、各装着ヘッド16は向き合うように各ビーム14A、14Bの内側に設けられ、前記搬送装置12の基板位置決め部12B上のプリント基板6や部品供給ユニット13Bの部品取出し位置上方を移動する。
【0025】
そして、この吸着ノズル15は上下軸モータ20により昇降可能であり、またθ軸モータ21により装着ヘッド16を鉛直軸周りに回転させることにより、結果として各装着ヘッド16の各吸着ノズル15はX方向及びY方向に移動可能であり、垂直線回りに回転可能で、且つ上下動可能となっている。
【0026】
18は前記吸着ノズル15に吸着保持された電子部品を撮像する部品認識カメラで、22はプリント基板6に付された基板認識マークを撮像するための基板認識カメラで各装着ヘッド16に搭載されている。
【0027】
23は種々の吸着ノズル15を収納するノズルストッカであり、前記搬送装置12の奥側位置に2個、手前側位置に2個設置可能であり、吸着ノズル15の形状・サイズが異なるために、異なる種類のものが準備される。
【0028】
次に、図3に示す制御ブロック図について説明する。先ず、30は本装着装置の装着に係る動作を統括制御する制御手段、種々の判定をする判定手段、種々の比較をする比較手段、実行手段としてのCPU、31は電子部品の装着ステップ番号順(装着順序毎)にプリント基板6内でのX方向、Y方向及び角度位置から成る装着座標情報や各部品供給ユニット13Bの配置番号情報等から成る装着データ、部品供給ユニット13Bの配置番号毎の部品IDに係る部品配置データ、電子部品毎の電子部品のサイズデータ等から成る部品ライブラリデータ(図7参照)等を格納する記憶手段としてのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)、32はプログラムを格納するROM(リ−ド・オンリー・メモリ)である。
【0029】
なお、前記RAM31に格納された前記装着データ、部品配置データ、部品ライブラリデータ等は、前記管理コンピュータ7にも格納されている。
【0030】
そして、CPU30は前記RAM31に記憶されたデータに基づき、前記ROM32に格納されたプログラムに従い、電子部品装着装置の部品装着動作に係る動作を統括制御する。即ち、CPU30は、インターフェース33及び駆動回路36を介して前記X方向リニアモータ19、Y方向リニアモータ17、上下軸モータ20及びθ軸モータ21の駆動を制御する。
【0031】
26はインターフェース33を介して前記CPU30に接続される認識処理装置で、前記部品認識カメラ18、基板認識カメラ22により撮像して取込まれた画像の認識処理が該認識処理装置26にて行われ、CPU30に処理結果が送出される。即ち、CPU30は、前記部品認識カメラ18、基板認識カメラ22により撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を認識処理装置26に出力すると共に、認識処理結果を認識処理装置26から受取るものである。
【0032】
即ち、前記認識処理装置26の認識処理により電子部品の位置ずれ量が把握されると、その結果がCPU30に送られ、CPU30はプリント基板6の位置ずれ量に当該電子部品の位置ずれ量を加味して、前記ビーム4A、4BをY方向リニアモータ17の駆動によりY方向に、装着ヘッド16をX方向リニアモータ19の駆動によりX方向に移動させることにより、またθ軸モータ21によりθ回転させ、X、Y方向及び鉛直軸線回りへの回転角度位置の補正がなされるものである。
【0033】
また、CPU30には操作画面等を表示するモニタ27、このモニタ27の表示画面に形成された入力装置としてのタッチパネルスイッチ28がインターフェース33を介して接続されている。
【0034】
次に、前記部品供給ユニット13Bにより供給される電子部品がなくなり部品切れが生じた場合において、代替部品を適切に使用できるようにするための代替部品のリスト作成時のチェックについて説明する。先ず、図5の親部品の追加登録に係るフローチャートに基づいて説明するが、代替部品リスト編集画面を示す図4において、管理コンピュータ7の表示装置7Bに表示されたタッチパネルスイッチである親ID追加スイッチ部7B1を押圧操作すると共に次いで画面右部に表示された代替される親部品を選択すべく任意の部品IDスイッチ部7B2を同様に押圧選択する(ステップS01)。すると、「親ID」の欄に選択された親部品の部品IDが表示装置7Bに表示され、既にリスト登録されて管理コンピュータ7の内部メモリに格納されている親部品登録件数が、例えば最大登録可能件数である100件以下否かが管理コンピュータ7のマイコン(以下、単に「前記マイコン」と略す。)により判定される(ステップS02)。
【0035】
そして、前記マイコンにより100件以下であると判定されると、前記選択された部品IDと既に登録されて前記内部メモリに格納された部品IDとが重複していないかがマイコンにより判定され(ステップS03)、重複されていないと判定されると、マイコンにより親部品の追加の登録がされる(ステップS04)。
【0036】
次いで、再び親ID追加スイッチ部7B1を押圧操作すると共に次いで任意の部品IDスイッチ部7B2を同様に押圧選択するようにして、前述したように、順次親部品の追加の登録を行うことができる。
【0037】
そして、この親部品の追加の登録されたデータは、管理コンピュータ7の内部メモリに格納されると共に前記電子部品装着装置1、2、3、4に通信回線5を介して送信して各RAM31にも格納される。
【0038】
なお、前記マイコンにより100件超であると判定されたり、選択された部品IDと既に登録されて前記内部メモリに格納された部品IDとが重複していると判定されると、この親部品の追加の登録はされず、ステップS01に戻ることとなる。
【0039】
次に、図6に基づき、子部品の追加登録に係るフローチャートについて説明する。先ず、タッチパネルスイッチである子ID追加スイッチ部7B3を押圧操作して、次いで画面右部に表示された代替される画子部品を選択すべく任意の部品IDスイッチ部7B2を同様に押圧選択すると(ステップS11)、「子ID1」の欄に選択された子部品の部品IDが表示され、既に登録されて前記内部メモリに格納されている子部品登録件数が、例えば最大登録可能件数である8件以下否かが前記マイコンにより判定される(ステップS12)。
【0040】
そして、8件以下であると判定されると、子ID1として前記選択された部品IDと既に登録されて前記内部メモリに格納された親部品IDとが重複していないかが前記マイコンにより判定され(ステップS13)、重複されていないと判定されると、子ID1として前記選択された部品IDと既に登録されて前記内部メモリに格納された他の子部品である部品IDとが重複していないかが前記マイコンにより判定される(ステップS14)。
【0041】
この場合、子ID1として部品IDが選択された場合には、既に他の子部品が登録されていないので、重複していないと前記マイコンにより判定されるが、次の子ID2として部品IDが選択された場合には、既に登録された他の子部品である子ID1と重複されているかが判定され、その次の子ID3として部品IDが選択された場合には、他の子部品である子ID1や子ID2と重複されているかが判定されることとなる。
【0042】
従って、今回追加登録される子IDが親部品IDと重複しないように、更には既に登録されている子IDと重複しないように判定され、重複登録が防止されることとなる。
【0043】
そして、重複されていないと判定されると(ステップS14)、次に親部品のライブラリデータ(図7参照)とこの子ID1の子部品の部品ライブラリデータとを比較してエラーがないかが前記マイコンにより判定される(ステップS15)。このエラーがないかの判定に際しては、部品ライブラリデータに基づく子部品の追加の可否を判定するためのフローチャートを示す図8に基づき、後述する。
【0044】
そして、エラーがないと、前記マイコンにより判定されると、マイコンにより子部品の追加の登録がされる(ステップS16)。
【0045】
次いで、再び子ID追加スイッチ部7B3を押圧操作すると共に次いで任意の部品IDスイッチ部7B2を同様に押圧選択するようにして、前述したように、順次子部品の追加の登録を行うことができる。
【0046】
そして、この子部品の追加の登録がされて作成された代替電子部品のリストは、管理コンピュータ7の内部メモリに格納されると共に前記電子部品装着装置1、2、3、4に通信回線5を介して送信して各RAM31にも格納される。従って、装着データを変更することなく、適正な代替電子部品のリストを作成・格納するようにして、部品切れが生じた場合の適正な代替を可能にすることができる。
【0047】
なお、既に登録されて前記内部メモリに格納されている子部品登録件数が、最大登録可能件数である8件超であると判定されたり、子ID1として選択された部品IDと既に登録されて前記内部メモリに格納された親部品IDとが重複していると判定されたり、子ID1として選択された部品IDと既に登録されて前記内部メモリに格納された他の子部品である部品IDとが重複していると判定されたり、親部品のライブラリデータとこの子ID1の子部品の部品ライブラリデータとを比較してエラーがあると前記マイコンにより判定されると、この子部品の追加の登録はされず、ステップS11に戻ることとなる。
【0048】
次に、前述したステップS15において、親部品のライブラリデータとこの子ID1の子部品の部品ライブラリデータとを比較してエラーがないかが前記マイコンにより判定されたが、その判定について図8に基づき説明する。
【0049】
先ず、子ID1の部品の供給形態が親IDの部品の供給形態が一致するか否かが前記マイコンにより判定される(ステップS21)。この場合、紙テープ、エンボステープ、粘着テープを使用する部品供給ユニット13B同士は、部品の供給形態が一致するものと判定し、収納テープを扱う部品供給装置13とそれ以外の部品供給装置13、例えば供給トレイを使用する部品供給装置とは一致せずNG(判定結果が不良。)と判定され、子部品の追加登録はされない。この場合、子ID1が「ALC3333−B0NIT」で、親IDが「ALC3333−B0NCC」の場合には、図7に示す部品ライブラリデータによれば、共にエンボステープであるので、部品の供給形態が一致する一致するものと判定される。
【0050】
一致するものと判定されると、次に供給形態(収納形態)が収納テープ(紙テープとエンボステープと粘着テープ)か否かが前記マイコンにより判定される(ステップS22)。この場合、収納テープでないと判定されると、ステップS24へと進むが、収納テープであると判定されると、次にこの子IDの部品を供給する収納テープのテープ幅が親IDの部品を供給する収納テープのテープ幅以下か否かが判定される(ステップS23)。れは、親IDの部品を供給する収納テープのテープ幅より大きい場合には、親IDの部品を供給する部品供給ユニットの代わりに子IDの部品を供給する部品供給ユニットをフィーダベース13A上に配置することができないからである。
【0051】
そして、親IDの部品を供給する収納テープのテープ幅を超える場合にはNGと判定され、子部品の追加登録はされないが、親IDの部品を供給する収納テープのテープ幅以下であると判定されると、次に親IDの部品に設定されている全ての吸着ノズル15が子IDの部品に全て登録されているかが前記マイコンに判定される(ステップS23)。
【0052】
この場合、子IDの部品に全て登録されていない場合には判定がNGと判定され、子部品の追加登録はされないが、親IDが「ALC3333−B0NCC」の場合の吸着ノズル15のノズルID「HA04C」、「FA05」、「HA05C」は、子ID1が「ALC3333−B0NIT」の場合には全て登録されているので、親IDの部品の吸着に使用する全ての吸着ノズル15が、子部品についても登録されていると判定される。
【0053】
そして、親IDの部品に設定されている全ての吸着ノズル15が子IDの部品に全て登録されていると判定されると、子IDの部品のサイズが親IDの部品のサイズと同等以下か否かが判定され(ステップS25)、同等以下でないと判定されると判定がNGと判定され、子部品の追加登録はされず、同等以下と判定されるとOK(判定結果が良好)と判定され追加登録される。
【0054】
このように、例えばX方向又はY方向の最長サイズが同等以下でない電子部品の場合には、プリント基板6上に先に装着された電子部品に隣接して装着する場合に、この先に装着された電子部品と干渉する虞れがあるからであり、この干渉を避けるためである。
【0055】
以上のように、子ID1についで、子ID2、ID3・・・の子部品の追加登録の際にも、上述の図8に示すフローチャートに係る制御がなされる。
【0056】
なお、上述したエンボステープは電子部品の収納のための収納凹部が形成されたキャリアテープ及び収納凹部の上面開口を閉塞するカバーテープが合成樹脂材料で作製され、紙テープはキャリアテープが紙でカバーテープが合成樹脂材料で作成される。また、粘着テープは所定間隔を存して電子部品の搭載位置に貫通穴を有するベーステープと、その幅が貫通穴の幅より僅かに小さく該ベーステープの裏面から該貫通穴を介して電子部品を接着する構造である。
【0057】
ここで、電子部品装着装置1の電子部品の装着運転について簡単に説明すると、その上流側作業装置(図示せず)からプリント基板6を受け取り、基板位置決め部にてこのプリント基板6を位置決め固定し、一方のビーム4AがY方向リニアモータ17の駆動によりY方向に移動すると共にX方向リニアモータ19によりビーム14Aに設けられた装着ヘッド16がX方向に移動し、装着データに従い対応する部品供給ユニット13Bの部品取出し位置上方まで移動して、上下軸モータ20の駆動により装着ヘッド16に設けられた吸着ノズル15を下降させて部品供給ユニット13Bから電子部品を取出す。
【0058】
そして、取出した後は装着ヘッド16の吸着ノズル15を上昇させて、部品認識カメラ18上方を通過させ、この移動中に複数の吸着ノズル15に吸着保持された複数の電子部品を一括して撮像して、この撮像された画像を認識処理装置26が認識処理して吸着ノズル15に対する位置ズレを把握する。
【0059】
また、各装着ヘッド16に設けられた基板認識カメラ22が前記プリント基板6上方位置まで移動して、プリント基板6に付された基板認識マークを撮像して、この撮像された画像を認識処理装置26が認識処理してプリント基板の位置が把握される。
【0060】
そして、装着データの装着座標に前記基板認識マークの認識処理結果及び各部品認識処理結果を加味して、吸着ノズル15が位置ずれを補正しつつ、それぞれ電子部品をプリント基板6上に装着する。このようにして、プリント基板6上に全ての電子部品の装着をしたら、この基板6を基板位置決め部から基板排出部を介して後工程装置に受け渡して、このプリント基板6上への電子部品の装着動作は終了する。
【0061】
ここで、部品供給ユニット13Bから吸着ノズル15により電子部品の取出しがされることにより、残数管理カウンターや、検知センサー等を使用した残数管理によって電子部品の残数が少なくなって、部品切れとなったことが各電子部品装着装置1、2、3、4でそのCPU30により把握される。
【0062】
すると、このとき、部品切れが生じた場合において、代替部品を使用するという機能が選択されている場合には、装着データを変更することなく、登録された代替部品が使用されることとなる。即ち、登録された親部品が部品切れとなったときに、CPU30はこの親部品の代替部品としての子ID1の部品を供給する部品供給ユニット13Bがフィーダベース上における配置番号が部品配置データからわかるので、CPU30はその部品供給ユニット13Bから吸着ノズル15が子ID1に係る電子部品を取出して、プリント基板6上の装着するように制御する。
【0063】
また、この子ID1の部品を供給する部品供給ユニット13Bにおいて、部品切れが生じた場合には、子ID2の部品を供給する部品供給ユニット13Bから吸着ノズル15が子ID1に係る電子部品を取出して、プリント基板6上の装着するように制御する。
【0064】
このようにして、前記部品供給装置13により供給される電子部品がなくなり部品切れが生じた場合において、適切な代替部品をプリント基板6上に装着することができる。
【0065】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0066】
1、2、3、4 電子部品装着装置
5 通信回線
7 管理コンピュータ
30 CPU
31 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を供給する複数種の部品供給装置から電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法において、
前記部品供給装置から供給される電子部品の部品切れが生じた際に代替されるこの部品切れに係る前記電子部品を指定して登録し、
前記部品切れに係る電子部品に代わる代替可能電子部品を指定し、
各電子部品毎にこの電子部品の特徴を表す部品ライブラリデータに基づいてこの指定された代替可能電子部品が前記部品切れに係る電子部品に代替できないと判定した場合には、代替電子部品として登録しない
ことを特徴とする電子部品の装着方法。
【請求項2】
電子部品を供給する複数種の部品供給装置から電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法において、
前記部品供給装置から供給される電子部品の部品切れが生じた際に代替されるこの部品切れに係る前記電子部品を指定して登録し、
前記部品切れに係る電子部品に代わる代替可能電子部品を指定し、
この指定された代替可能電子部品が前記部品切れに係る電子部品と前記部品供給装置の供給形態が一致しない場合には、代替電子部品として登録しない
ことを特徴とする電子部品の装着方法。
【請求項3】
電子部品を供給する複数種の部品供給装置から電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法において、
前記部品供給装置から供給される電子部品の部品切れが生じた際に代替されるこの部品切れに係る前記電子部品を指定して登録し、
前記部品切れに係る電子部品に代わる代替可能電子部品を指定し、
この指定された代替可能電子部品及び前記部品切れに係る電子部品の収納形態が共に収納テープであって、この代替可能電子部品の収納テープの幅が前記部品切れに係る電子部品の収納テープの幅以下でない場合には、この指定された代替可能電子部品を代替電子部品として登録しない
ことを特徴とする電子部品の装着方法。
【請求項4】
電子部品を供給する複数種の部品供給装置から電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法において、
前記部品供給装置から供給される電子部品の部品切れが生じた際に代替されるこの部品切れに係る前記電子部品を指定して登録し、
前記部品切れに係る電子部品に代わる代替可能電子部品を指定し、
前記部品切れに係る電子部品を吸着する前記吸着ノズルの全ての種類が前記指定された代替可能電子部品に係る電子部品を吸着する前記吸着ノズルとして使用できるよう登録されていない場合には、この指定された代替可能電子部品を代替電子部品として登録しない
ことを特徴とする電子部品の装着方法。
【請求項5】
電子部品を供給する複数種の部品供給装置から電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法において、
前記部品供給装置から供給される電子部品の部品切れが生じた際に代替されるこの部品切れに係る前記電子部品を指定して登録し、
前記部品切れに係る電子部品に代わる代替可能電子部品を指定し、
この指定された電子部品のサイズが前記部品切れに係る電子部品のサイズより大きい場合には、この指定された代替可能電子部品を代替電子部品として登録しない
ことを特徴とする電子部品の装着方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−33781(P2013−33781A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167895(P2011−167895)
【出願日】平成23年7月31日(2011.7.31)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】