説明

電子部品搭載用パッケージおよび通信用モジュール

【課題】 高周波特性が向上した電子部品搭載用パッケージおよび通信用モジュールを提供する。
【解決手段】 電子部品搭載用パッケージ10は、基体1、誘電体2、信号リード3、搭載基板4、接地リード7および蓋体8を備える。基体1は、金属円板状部材からなり、厚み方向に貫通する貫通孔1aが設けられる。また、基体1は、電子部品6を搭載する一方主面である搭載面1bを基準とする厚みが異なる2つの部分である薄層部1cと厚層部1dとからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信分野等に用いられる光半導体素子等の電子部品を搭載して収納するための電子部品搭載用パッケージおよびそれを用いた通信用モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
長距離伝送における高速通信に対する需要が急激に増加しており、高速大容量な情報伝送に関する研究開発が進められている。長距離伝送では、伝送による損失を抑えることが重要であり、伝送損失と伝送速度の観点から光信号による光通信が注目されている。光通信では、光信号を受発信する光通信装置を使用する。光通信の高速化は、光通信装置に用いられる半導体装置等の高速化によって実現される。光信号の高出力化と高速化によって、伝送容量を向上させることができる。
【0003】
従来の半導体装置に代表される電子装置の光出力は0.2〜0.5mW程度であり、電子部品として用いられる半導体素子の駆動電力は5mW程度である。しかし、より高出力の半導体装置では、光出力が1mW程度まで高くなってきており、また、半導体素子の駆動電力も10mW以上が要求されている。さらに、従来の半導体装置による伝送容量は2.5〜10Gbps(Giga bit per second)程度であったが、近年では25〜40Gbps程度まで向上してきており、半導体装置をより高出力化させ、高速化させることが必要である。
【0004】
従来の光通信装置に用いられているLD(Laser Diode:レーザダイオード)、PD(
Photo Diode:フォトダイオ−ド)などの光半導体素子を含む電子部品を搭載する電子部品搭載用パッケージおよびこれを用いた電子装置は、たとえば特許文献1および特許文献2に記載されている。
【0005】
いずれもステムの搭載面に電子部品を搭載し、ステムを貫通する信号リードを基板に挿通して電子部品と基板配線とを接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−144366号公報
【特許文献2】特開2005−228766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ステムを備える電子部品搭載用パッケージを用いる場合、信号リードの基板に挿通している部分は、周囲が誘電体で囲まれるが、ステムから基板までは信号リードが露出した状態となるので、不要なインダクタンス成分が発生して高周波特性が劣化する。不要なインダクタンス成分を小さくするために、信号リードの露出部分を短くする、すなわち基板への挿通深さをより深くすると、ステムと基板との距離が短くなる。基板のパッケージ側表面に接地導体層が設けられている場合、ステムと接地導体層の距離が短くなることで共振が生じてしまい高周波特性が低下する。
【0008】
本発明の目的は、高周波特性が向上した電子部品搭載用パッケージおよび通信用モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態の電子部品搭載用パッケージは、金属板状部材からなり、厚み方向に貫通する貫通孔が設けられた基体であって、一方主面に電子部品が搭載され、前記一方主面を基準とする厚みが他の部分に比べて薄い薄層部を有する基体と、
前記貫通孔の中心部に挿通され、前記基体の主面に対して直交する方向に延びる信号線路導体と、
前記信号線路導体と前記貫通孔の内周面との間に設けられる誘電体と、
前記基体の一方主面側に設けられ、前記電子部品と前記信号線路導体とを接続する接続導体と、
前記基体の他方主面側に設けられ、前記信号線路導体と平行に延びる接地導体と、を備えることを特徴とする電子部品搭載用パッケージである。
【0010】
また本実施形態の通信用モジュールは、前記電子部品搭載用パッケージと、前記電子部品搭載用パッケージに搭載された電子部品と、回路基板とを有する通信用モジュールであって、
前記回路基板は、
誘電体層と、
前記誘電体層の一方面に設けられる接地導体層と、
前記誘電体層の一方面から他方面まで貫通し、前記電子部品搭載用パッケージの前記信号線路導体を挿通するための挿通孔が設けられた貫通導体と、
前記誘電体層の他方面に設けられ、前記貫通導体と接続される信号配線層とを有し、
前記信号線路導体が、前記貫通導体の前記挿通孔に挿通されて、前記電子部品搭載用パッケージが前記回路基板に実装された状態で、前記接地導体層は、前記基体の薄層部と前記誘電体層とが対向する領域に設けられ、
前記接地導体層と前記基体の薄層部との間隔が、前記信号線路導体を伝送する高周波信号の波長の1/8以上となるように、前記電子部品搭載用パッケージが前記回路基板に実装されることを特徴とする通信用モジュールである。
【0011】
また本実施形態の通信用モジュールは、前記誘電体と前記貫通導体との間隔が、前記信号線路導体を伝送する高周波信号の波長の1/16以下となるように、前記電子部品搭載用パッケージが前記回路基板に実装されることを特徴とする。
【0012】
また本実施形態の通信用モジュールは、前記電子部品搭載用パッケージは、1または複数の前記線路導体と1または複数の接地導体とを有し、
前記信号線路導体と前記接地導体とは、前記基体の主面に平行な方向に、一直線状に位置するように設けられ、
前記回路基板は、前記接地導体層が、前記信号線路導体および前記接地導体の配列方向に直交する方向に延びて設けられ、前記接地導体層の幅方向端部と前記接地導体の中心との距離が、前記信号線路導体を伝送する高周波信号の波長の1/4以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本実施形態の電子部品搭載用パッケージによれば、いわゆるステムを備える電子部品搭載用パッケージにおいて、ステムである基体が、電子部品を搭載する一方主面を基準とする厚みが他の部分に比べて薄い薄層部を有する。
【0014】
基体が薄層部を有することにより、電子部品搭載用パッケージを回路基板に実装したときに回路基板と基体との間隔が、薄層部との間で広くなり、回路基板の接地導体層と基体との間隔が広くなる。間隔をこのように広げることで不要な共振の発生を抑制することができ、電子部品搭載用パッケージの高周波特性が向上する。
【0015】
本実施形態の通信用モジュールによれば、いわゆるステムを備える電子部品搭載用パッケージにおいて、薄層部を有し、前記接地導体層と前記基体の薄層部との間隔が、前記信号線路導体を伝送する高周波信号の波長の1/8以上となるように、前記電子部品搭載用パッケージが前記回路基板に実装される。
【0016】
この間隔を高周波信号の波長の1/8以上に広げることで不要な共振の発生を抑制することができ、通信モジュールの高周波特性が向上する。
【0017】
また本実施形態の通信用モジュールによれば、前記誘電体と前記貫通導体との間隔が、前記信号線路導体を伝送する高周波信号の波長の1/16以下となるように、前記電子部品搭載用パッケージが前記回路基板に実装される。
【0018】
この間隔は、信号線路導体が露出している部分の長さに相当する。この間隔を高周波信号の波長の1/16以下とすることで、不要なインダクタンス成分を小さくすることができ、通信モジュールの高周波特性が向上する。
【0019】
また本実施形態の通信用モジュールによれば、前記接地導体層が、前記信号線路導体および前記接地導体の配列方向に直交する方向に延びて設けられており、前記接地導体層の幅方向端部と前記接地導体の中心との距離が、前記信号線路導体を伝送する高周波信号の波長の1/4以下である。
【0020】
前記接地導体層の幅方向寸法を上記のように規定することにより、幅方向における共振の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態である電子部品搭載用パッケージ10の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の切断面線A−Aで切断したときの断面図である。
【図3】本発明の実施形態である通信用モジュール100の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態である電子部品搭載用パッケージ12の構成を示す断面図である。
【図5】通信用モジュール100を回路基板20の裏面側からみた平面図である。
【図6】電子部品搭載用パッケージ10における基体1の他の態様を示す斜視図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態である箱型の電子部品搭載用パッケージ30の構成を示す図である。
【図8】電子部品搭載用パッケージ30における基体1の他の態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の実施形態である電子部品搭載用パッケージ10の外観を示す斜視図である。図2は、図1の切断面線A−Aで切断したときの断面図である。
【0023】
電子部品搭載用パッケージ10は、基体1、誘電体2、信号リード3、搭載基板4、接地リード7および蓋体8を備える。
【0024】
基体1は、金属円板状部材からなり、厚み方向に貫通する貫通孔1aが設けられる。また、基体1は、電子部品6を搭載する一方主面である搭載面1bを基準とする厚みが異なる2つの部分である薄層部1cと厚層部1dとからなる。
【0025】
基体1は、搭載された電子部品6が発生する熱を放散する機能を有する。このため、基体1は、熱伝導性の良い金属から成り、搭載される電子部品6やセラミック製の搭載基板4の熱膨張係数に近い材質やコストの安い材質として、たとえば、Fe−Ni−Co合金やFe−Mn合金等の鉄系の合金や純鉄等の金属が選ばれる。より具体的には、Fe99.6質量%−Mn0.4質量%系のSPC(Steel Plate Cold)材がある。基体1がFe−Mn合金から成る場合は、このインゴット(塊)に圧延加工や打ち抜き加工等の周知の金属加工方法を施すことによって所定形状に製作され、貫通孔1aはドリル加工や金型による打ち抜き加工によって形成される。また、基体1の搭載面1bは、切削加工やプレス加工することによって形成することができる。
【0026】
基体1の形状は、厚層部1dの厚みが0.5〜2mm、薄層部1cの厚みが0.1〜1mm程度の板状であり、その形状には特に制限はないが、たとえば直径が3〜10mmの円板状、半径が1.5〜8mmの円周の一部を切り取った半円板状、一辺が3〜15mmの四角板状等である。貫通孔1aを有する基体1に1個の電子部品6を搭載しているが、複数の電子部品6を搭載したり、電子部品6の数や電子部品6の端子の数に応じて、信号リード3を固定する貫通孔1aを3つ以上形成してもよい。
【0027】
基体1の厚層部1dの厚みは0.5mm以上2mm以下が好ましい。厚みが0.5mm未満の場合は、電子部品6を保護するための金属製の蓋体8を金属製の基体1の上面に接合する際に、接合温度等の接合条件によって基体1が曲がったりして変形し易くなり、変形によって気密性が低下しやすくなる。一方、厚みが2mmを超えると、電子部品搭載用パッケージや電子装置の厚みが不要に厚いものとなり、小型化し難くなる。
【0028】
基体1の表面には、耐食性に優れ、電子部品6や搭載基板4あるいは蓋体8を接合し固定するためのろう材との濡れ性に優れた、厚さが0.5〜9μmのNi層と厚さが0.5〜5μmのAu層とをめっき法によって順次被着させておくのがよい。これにより、基体1が酸化腐食するのを有効に防止できるとともに電子部品6や搭載基板4あるいは蓋体8を基体1に良好にろう接することができる。
【0029】
誘電体2は、信号リード3と貫通孔1aの内周面との間に設けられる。信号リード3は、貫通孔1aの中心部に挿通され、基体1の主面に対して直交する方向に延びる。基体1の貫通孔1a周辺部分が外皮導体として機能し、誘電体2と信号リード3とによって同軸線路が構成される。
【0030】
搭載基板4は、主面が搭載面1bに直交するように設けられ、一方主面に、電子部品6と信号リード3とを接続する接続導体4aを有する。電子部品6は、搭載基板4の一方主面に実装され、ボンディングワイヤ6aによって電子部品6の信号パッドと接続導体4aとを電気的に接続する。
【0031】
信号リード3は、基体1の搭載面1b側に0.5〜3mm程度突出し、この突出した部分と接続導体4aとがろう材5などの導電性材料によって接続されている。また、信号リード3は、本実施形態では2本設けられており、いずれも基体1の厚層部1dに設けられる。信号リード3は、厚層部1dの一方主面とは反対側の面(以下では厚層裏面という。)1eに直交する方向に1〜20mm程度の長さで延びるように設けられる。なお、本実施形態において、2本の信号リード3はいずれも同じ長さであり、基体1の搭載面1bおよび厚層裏面1eからそれぞれ突出する突出長さも同じである。
【0032】
接地リード7は、信号リード3と同様に基体1の厚層部1dに設けられるが、基体1を貫通する必要はなく、厚層裏面1eに固着されるか、厚層裏面1eから数mm程度挿入されて固着される。
【0033】
信号リード3と接地リード7とは、厚層裏面1eに平行な方向に、一直線状に配列し、2本の信号リード3の間の中間位置に1本の接地リード7が位置するように設けられる。
【0034】
蓋体8は、搭載基板4、電子部品6などを収容する収容空間を有し、搭載面1bに接着固定される。蓋体8には、電子部品6と対向する部分に光を透過させる窓を設けてもよいし、窓に換えて、または窓に加えて光ファイバおよび戻り光防止用の光アイソレータを接合したものでもよい。
【0035】
蓋体8は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金、Fe−Mn合金等の金属から成り、これらの板材にプレス加工や打ち抜き加工等の周知の金属加工方法を施すことによって作製される。蓋体8は、基体1の材料と同程度の熱膨張係数を有するものが好ましく、基体1の材料と同じものを用いるのがより好ましい。蓋体8が窓を有する場合は、電子部品6と対向する部分に孔を設けたものに、平板状やレンズ状のガラス製の窓部材を低融点ガラスなどによって接合する。
【0036】
蓋体8の基体1への接合は、シーム溶接やYAGレーザ溶接等の溶接またはAu−Snろう材等のろう材によるろう接によって行われる。
【0037】
誘電体2は、ガラスやセラミックスなどの誘電性の無機材料から成り、信号リード3と基体1との絶縁間隔を確保するとともに、信号リード3を基体1の貫通孔1a内に固定する機能を有する。このような誘電体2の例としては、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス等のガラスおよびこれらのガラス誘電体2の熱膨張係数や比誘電率を調整するためのセラミックフィラーを加えたものが挙げられ、インピーダンスマッチングのためにその比誘電率を適宜選択する。比誘電率を低下させるフィラーとしては、酸化リチウム等が挙げられる。
【0038】
たとえば、誘電体2の比誘電率が6.8であり、信号リード3の外径が0.25mmの場合は、貫通孔1aの直径を0.75mmとすることで信号リード3の特性インピーダンスを25Ωとすることができる。また、誘電体2の比誘電率が5であり、信号リード3の外径が0.25mmの場合は、貫通孔1aの直径を0.64mmとすることで特性インピーダンスを25Ωとすることができ、貫通孔1aの直径を1.62mmとすることで特性インピーダンスを50Ωとすることができる。
【0039】
信号リード3は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成り、たとえば信号リード3がFe−Ni−Co合金から成る場合は、このインゴット(塊)に圧延加工や打ち抜き加工、切削加工等の周知の金属加工方法を施すことによって、長さが1.5〜22mmで直径が0.1〜1mmの直線状に製作される。信号リード3の強度を確保しながらより高い特性インピーダンスでのマッチングを行ないつつ小型にするには、信号リード3の直径は0.15〜0.3mmが好ましい。信号リード3の直径が0.15mmよりも細くなると、電子部品搭載用パッケージを実装する場合の取り扱いで信号リード3が曲がりやすくなり、作業性が低下しやすくなる。また、直径が0.3mmよりも太くなると、インピーダンス整合させた場合の貫通孔1aの径が信号リード3の径に伴い大きくなるので、製品の小型化に向かないものとなってしまう。
【0040】
信号リード3を貫通孔1aに充填された誘電体2を挿通して固定するには、たとえば、以下のような方法による。誘電体2がガラスから成る場合は、まず、周知の粉体プレス法や押し出し成形法を用いてガラス粉末を成形して、内径が信号リード3の外径で、外径が貫通孔1a内径となる筒状の成形体を作製し、この誘電体2の成形体の挿通孔に信号リード3を挿通して成形体を型に入れる。所定の温度に加熱してガラス成分を溶融させた後、冷却して固化させることによって、信号リード3が固定された所定形状の誘電体2を形成しておく。これにより、誘電体2によって貫通孔1aが気密に封止されるとともに、誘電体2によって信号リード3が基体1と絶縁されて固定され、同軸線路が形成される。あらかじめ貫通孔1aの形状に合わせた誘電体2だけを形成しておき、これを貫通孔1aに挿入するとともに信号リード3も誘電体2の挿通孔に挿通し、誘電体2と貫通孔1aの内面および信号リード3の外面との接合を同時に行ってもよい。
【0041】
搭載基板4は、酸化アルミニウム(アルミナ:Al)質焼結体、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体等のセラミックス絶縁材料等から成る絶縁基板に接続導体4aが形成されたものである。絶縁基板がたとえば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、まずアルミナ(Al)やシリカ(SiO)、カルシア(CaO)、マグネシア(MgO)等の原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状とし、これを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等によってシート状に成形してセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)を得る。その後、グリーンシートを所定形状に打ち抜き加工するとともに必要に応じて複数枚積層し、これを約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
【0042】
接続導体4aの形成方法は、絶縁基板と同時焼成で、あるいは絶縁基板を作製した後に金属メタライズを形成する周知の方法や、絶縁基板を作製した後に蒸着法やフォトリソグラフィ法によって形成する方法がある。パッケージが小型である場合は、それに搭載される搭載基板4はさらに小さいので、接続導体4aは微細なものとなり、また接続導体4aと信号リード3との位置合わせ精度を高めるためには蒸着法やフォトリソグラフィ法によって接続導体4aを形成する方法が好ましく、この場合は、必要に応じて絶縁基板の主面に研磨加工を施す場合もある。
【0043】
以下、接続導体4aを蒸着法やフォトリソグラフィ法によって形成する場合について詳細に説明する。接続導体4aは、たとえば密着金属層、拡散防止層および主導体層が順次積層された3層構造の導体層から成る。
【0044】
密着金属層は、セラミックス等から成る絶縁基板との密着性を良好とするという観点からは、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル−クロム(Ni−Cr)合金、窒化タンタル(TaN)等の熱膨張率がセラミックスと近い金属のうちの少なくとも1種より成るのが好ましく、その厚みは0.01〜0.2μm程度が好ましい。密着金属層の厚みが0.01μm未満では、密着金属層を絶縁基板に強固に密着することが困難となる傾向があり、0.2μmを超えると、成膜時の内部応力によって密着金属層が絶縁基板から剥離し易くなる傾向がある。
【0045】
拡散防止層は、密着金属層と主導体層との相互拡散を防ぐという観点からは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、Ni−Cr合金、Ti−W合金等の熱伝導性の良好な金属のうち少なくとも1種より成ることが好ましく、その厚みは0.05〜1μm程度が好ましい。拡散防止層の厚みが0.05μm未満では、ピンホール等の欠陥が発生して拡散防止層としての機能を果たしにくくなる傾向があり、1μmを超えると、成膜時の内部応力によって拡散防止層が密着金属層から剥離し易く成る傾向がある。なお、拡散防止層にNi−Cr合金を用いる場合は、Ni−Cr合金は絶縁基板との密着性が良好なため、密着金属層を省くことも可能である。
【0046】
主導体層は、電気抵抗の小さい金(Au)、Cu、Ni、銀(Ag)の少なくとも1種より成ることが好ましく、その厚みは0.1〜5μm程度が好ましい。主導体層の厚みが0.1μm未満では、電気抵抗が大きなものとなり搭載基板4の接続導体4aに要求される電気抵抗を満足できなくなる傾向があり、5μmを超えると、成膜時の内部応力によって主導体層が拡散防止層から剥離し易く成る傾向がある。また、Cuは酸化し易いので、その上にNiおよびAuからなる保護層を被覆してもよい。
【0047】
接続導体4aがマイクロストリップ構造とした場合、搭載基板4の絶縁層として比誘電率が9.5のアルミナを用い、厚みを0.2mmとし、幅を0.64mmとすると、特性インピーダンスが25Ωとなる。
【0048】
このようにして作製した搭載基板4を基体1の搭載面1bに接合し、信号リード3と接続導体4aとをろう材5で接続する。
【0049】
電子部品6を搭載基板4に搭載し、基体1に蓋体8を接合することによって、電子部品搭載用パッケージ10に電子部品6が搭載された電子装置11が得られる。
【0050】
搭載する電子部品6としては、LD(レーザーダイオード)やPD(フォトダイオ−ド)等の光半導体素子、半導体集積回路素子を含む半導体素子、水晶振動子や弾性表面波素子等の圧電素子、圧力センサー素子、容量素子、抵抗器等が挙げられる。
【0051】
電子部品6の搭載基板4への搭載、あるいは搭載基板4の電子部品搭載用パッケージ10への搭載は、ろう材や導電性樹脂等の導電性の接合材によって固定することによって行なえばよい。たとえば、搭載基板4を基体1上に搭載した後に電子部品6を搭載基板4上に搭載する場合は、搭載基板4の固定には金−錫(Au−Sn)合金や金−ゲルマニウム(Au−Ge)合金のろう材を接合材として用い、電子部品6の固定には、これらよりも融点の低い錫−銀(Sn−Ag)合金や錫−銀−銅(Sn−Ag−Cu)合金のろう材や、融点よりも低い温度で硬化可能な、Agエポキシ等の樹脂製の接着剤を接合材として用いればよい。また、電子部品6を搭載基板4に搭載した後に搭載基板4を基体1上に搭載してもよく、その場合は上記とは逆に、搭載基板4を基体1上に搭載する際に用いる接合材の融点の方を低くすればよい。いずれの場合であっても、搭載基板4や基体1の搭載面1bに接合材のペーストを周知のスクリーン印刷法を用いて印刷したり、フォトリソグラフィ法によって接合材層を形成したり、接合材となる低融点ろう材のプリフォームを載置するなどすればよい。
【0052】
図3は、本発明の実施形態である通信用モジュール100の構成を示す断面図である。
通信用モジュール100は、回路基板20に電子装置11が実装されて得られる。回路基板20は、たとえばフレキシブルプリント基板(FPC)などで実現され、誘電体層21、接地導体層22、貫通導体23および信号配線層24を有する。誘電体層21は、板状の誘電性材料からなる。誘電性材料としては、有機樹脂材料、セラミックス材料、樹脂とセラミックスとの混合材料などを用いることができる。有機樹脂材料としては、たとえば、エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂などを用いることができる。セラミックス材料としては、アルミナなどの金属酸化物、窒化ケイ素などの窒化物、炭化ケイ素などの炭化物、およびガラス材料などを用いることができる。
【0053】
貫通導体23は、誘電体層21の一方面から他方面まで貫通し、電子部品搭載用パッケージ10の信号リード3を挿通するための挿通孔23aが設けられる。貫通導体23は、誘電体層21の一方面上に設けられる、円環形状の表面導体23bと、誘電体層21に内挿され、中心に挿通孔23aを有する内挿導体23cと、誘電体層21の他方面上に設けられる、円環形状の裏面導体23dとからなる。挿通孔23aは、信号リード3の直径とほぼ同じ大きさの孔径を有し、実装時には、一方面側から他方面側に信号リード3が挿通される。信号リード3は、予め定める長さだけ挿通孔23aに挿通される。このとき、その先端が裏面導体23dよりも突出するように挿通され、突出した先端と裏面導体23dとが、はんだなどの導電性接続材によって接続されるとともに、信号リード3が貫通導体23に対して固定される。
【0054】
接地導体層22は、このようにして電子装置11が実装された状態で、少なくとも基体1の薄層部1cと誘電体層21とが対向する領域に設けられる。図示していないが、電子部品搭載用パッケージ10の接地リード7は、信号リード3と同様に回路基板20を厚み方向に貫通し、固定される。そして、固定された状態で、接地導体層22と電気的に接続される。
【0055】
信号配線層24は、誘電体層21の他方面に設けられ、裏面導体23dと接続することで、貫通導体23と電気的に導通される。したがって、実装時には、信号配線層24と信号リード3とは、貫通導体23を介して電気的に接続され、高周波信号は、信号配線層24と信号リード3とを伝送することができる。
【0056】
上記のように、回路基板20に電子装置11が実装された状態で、接地導体層22と基体1の薄層部1cとの間隔G1、具体的には接地導体層22の表面と、薄層部1cの表面である薄層裏面1fとの距離が、信号リード3を伝送する高周波信号の波長の1/8以上となっている。
【0057】
接地導体層22と基体1の薄層部1cとの間隔G1が、高周波信号の波長の1/8未満である、すなわち、接地導体層22と基体1の薄層部1cとが近づき過ぎると共振が生じてしまい、伝送する高周波信号の高周波特性が低下する。接地導体層22と基体1の薄層部1cとの間隔G1を上記の如く十分に広げることで不要な共振の発生を抑制することができる。
【0058】
さらに、誘電体2と貫通導体23との間隔G2、具体的には、筒状の誘電体2の底面と貫通導体23の表面導体23bとの距離が、信号リード3を伝送する高周波信号の波長の1/16以下となっている。
【0059】
この間隔G2は、信号リード3が露出している部分の長さに相当する。信号リード3の露出部分が長いほど不要なインダクタンス成分が大きくなるので、間隔G2を上記の如く十分に狭めることで、不要なインダクタンス成分を小さくすることができる。
【0060】
また電子部品搭載用パッケージ10を、蓋体8側から平面視したとき、基体1の厚層部1dと、接地導体層22とは重複する部分があり、この重複部分によっても共振が発生する。重複部分による不要な共振の発生を抑制するためには、重複部分の長さのうち最も長いものが、信号リード3を伝送する高周波信号の波長の1/8以下とすればよい。
【0061】
本実施形態では、薄層部1cと厚層部1dとの間の段差は、信号リード3および接地リード7が配列する方向に平行な直線状に設けられている。このとき、重複部分において、直線状の段差に対して直交する方向の長さG3を、信号リード3を伝送する高周波信号の波長の1/8以下とする。
【0062】
図4は、本発明の他の実施形態である電子部品搭載用パッケージ12の構成を示す断面図である。なお、本実施形態は、接地リード7に設けられた間隔規定部9をすることのみが上記の実施形態と異なる構成であるので、上記の実施形態である電子部品搭載用パッケージ10と同じ構成については、同じ参照符号を付して説明は省略する。
【0063】
上記のように、間隔G1および間隔G2を所望の間隔とすることで、高周波特性を向上させることができるが、これらの間隔は、実装時の信号リード3および接地リード7の回路基板20への挿通深さによって決まる。実装工程では、冶具を用いた手作業または実装装置により、各リードを挿通させるが、手作業では挿通深さの精度が十分に得られず、実装装置では、各リードの挿通深さを検出する検出機構などが必要となる。
【0064】
本実施形態では、接地リード7に間隔規定部9を設けている。間隔規定部9は、接地リード7の外方に突出する突起部からなる。接地リード7に間隔規定部9が設けられていると、電子部品搭載用パッケージ12の接地リード7を挿通するときに、間隔規定部9の突起部が回路基板20の表面に接触した時点で、それ以上は電子部品搭載用パッケージ12を挿通することができなくなる。挿通することができなくなった状態で、間隔G1および間隔G2が、上記のような適切な範囲となるように、間隔規定部9の接地リード7における位置を設定しておけば、挿通できなくなるまで挿通するという単純な作業で、高精度に間隔G1および間隔G2を達成できる。
【0065】
図5は、通信モジュール100を回路基板20の裏面側からみた平面図である。
図5に示すように、2本の信号リード3と1本の接地リード7とは、基体1の主面に平行な方向、すなわち紙面に平行な方向に、一直線状に設けられ、2本の信号リード3の中間に1本の接地リード7が位置するように設けられる。
【0066】
ここで、接地導体層22は、誘電体層21に一方面に広く形成されているのではなく、少なくとも電子装置11の近傍においては、信号リード3と接地リード7の配列方向に直交する方向に延びる矩形状部分を有している。そして、この矩形状部分の幅方向端部と接地リード7の中心との距離D1が、信号リード3を伝送する高周波信号の波長の1/4以下に設定される。すなわち、矩形状部分の幅寸法は2×D1に設定される。
【0067】
接地導体層22の矩形状部分において、このような幅寸法とすることにより、幅方向における共振の発生を抑制することができる。
【0068】
さらに、矩形状部分の延伸方向端部のうち、電子装置11側の端部と接地リード7の中心との距離D2も、信号リード3を伝送する高周波信号の波長の1/4以下に設定される。これにより、接地導体層22の矩形状部分において、延伸方向における共振の発生を抑制することができる。
【0069】
上記の実施形態では、基体1において、薄層部1cと厚層部1dとの間の段差が、信号リード3および接地リード7が配列する方向に平行な直線状に設けられている構成としている。しかしながら、薄層部1cは、既に示したように接地導体層22との間隔G1を十分に広げるために設けるものであるので、基体1において段差が直線状となる構成には限定されない。
【0070】
図6は、電子部品搭載用パッケージ10における基体1の他の態様を示す斜視図である。図6(a)に示すように、他の態様としては、薄層部1cと厚層部1dとを同心円板状に設けており、薄層部1cが厚層部1dよりも外側に位置するように構成している。厚層部1dは、少なくとも信号リード3、接地リード7および誘電体2の配置位置を含む領域に設けられる。
【0071】
図6(b)に示すように、さらに他の態様としては、厚層部1dが、直方体と直方体の長手方向両端部に接続される半円板とから構成される。厚層部1dを構成する直方体は、長辺が2本の信号リード3の間隔と同じであり、短辺が誘電体2の直径よりやや長く形成される。半円板は、直径が直方体の短辺と同じ長さであり、直径と短辺とが一致するように設けられる。
【0072】
厚層部1dと接地導体層22との間で不要な共振が生じるので、図6に示す態様のように、薄層部1cがなるべく大きくなるように基体1を構成するほうが好ましい。
【0073】
さらに、上記では、いわゆるステム型の電子部品搭載用パッケージについて説明したが、これに限らず、いわゆる箱型の電子部品搭載用パッケージであってもよい。
【0074】
図7は、本発明のさらに他の実施形態である箱型の電子部品搭載用パッケージ30の構成を示す図である。図7(a)は斜視図であり、図7(b)は図7(a)の切断面線A−Aで切断したときの断面図であり、図7(c)は平面図である。
【0075】
ステム型と箱型の違いは、信号リード3が1本であり、信号リード3を挟んで2本の接地リード7が一直線状に設けられていること、基体1の形状が円板状ではなく、矩形板状であることであるので、上記の実施形態である電子部品搭載用パッケージ10と同じ構成については、同じ参照符号を付して説明は省略する。
【0076】
一般的に、ステム型は小型化に有利であり、箱型は放熱性に優れる。また、本実施形態の電子部品搭載用パッケージ30のように、信号リード3が2本の接地リード7に挟まれるように配置されると、信号リード3に対する接地電位が安定するので、信号リード3がより周波数の高い信号を伝送することができる。
【0077】
本実施形態の電子部品搭載用パッケージ30は、1つの面が開放された箱型筐体31の内部空間に半導体素子6を収納する。箱型筐体31は、開放面の反対側にある底板31a、および底板31aの4辺から底板31aに対して垂直に起立する側壁31bから構成される。側壁31bのうちの1つの側壁が基体1となる。基体1には、貫通孔1aが設けられ、貫通孔1aの中心に信号リード3が挿通さえる。誘電体2は、信号リード3と貫通孔1aの内周面との間に設けられる。
【0078】
側壁の1つである基体1は、薄層部1cと厚層部1dとを有し、接地リード7は、信号リード3と同様に基体1の厚層部1dに設けられる。信号リード3は、接続導体4aとろう材5によって電気的に接続される。
【0079】
電子部品搭載用パッケージ10,12と同様に、薄層部1cを有するので、電子部品搭載用パッケージ30を回路基板20に実装した場合に、誘電体層21の表面に設けられた接地導体層22との間隔を十分広くするために設けられる。これによって、上記の実施形態と同様に不要な共振の発生を抑制することができる。
【0080】
図8は、電子部品搭載用パッケージ30における基体1の他の態様を示す斜視図である。図8(a)に示すように、他の態様としては、矩形板状の薄層部1cに対して円板状の厚層部1dを重ね合わせるように設けられ、薄層部1cが厚層部1dよりも外側に位置するように構成している。厚層部1dは、少なくとも信号リード3、接地リード7および誘電体2の配置位置を含む領域に設けられる。図8(b)に示すように、さらに他の態様としては、薄層部1c矩形板状に形成され、厚層部1dが、直方体と直方体の長手方向両端部に接続される半円板とから構成される。
【0081】
厚層部1dと接地導体層22との間で不要な共振が生じるので、図8に示す態様のように、薄層部1cがなるべく大きくなるように基体1を構成するほうが好ましい。
【0082】
箱型の電子部品搭載用パッケージ30においても、ステム型の電子部品搭載用パッケージ10と同様に、電子部品6を搭載した電子装置として回路基板20に実装し、通信モジュールを構成する。1本の信号リード3と2本の接地リード7は一直線状に設けられ、回路基板20の挿通孔に挿通されて実装される。回路基板20に設けられる接地導体層22は、ステム型の電子部品搭載用パッケージ10を実装する場合と同様に、不要な共振の発生を抑制するために、信号リード3と接地リード7の配列方向に直交する方向に延びる矩形状部分を有し、その幅方向端部と接地リード7の中心との距離D1が、信号リード3を伝送する高周波信号の波長の1/4以下に設定される。さらに、矩形状部分の延伸方向端部のうち、電子装置が実装されている側の端部と接地リード7の中心との距離D2も、信号リード3を伝送する高周波信号の波長の1/4以下に設定される。
【0083】
また、電子部品搭載用パッケージ30をFPCに実装し、FPCを回路基板と接続させて通信モジュールを構成してもよい。箱型の電子部品搭載用パッケージ30の場合、FPCの端部に実装し、FPCを略90度に折り曲げて、電子部品搭載用パッケージ30が実装されていない側の端部を回路基板に接続する。これにより、電子部品搭載用パッケージ30の底板31aが回路基板20と平行になり、底板31aを筐体などに接合して底板31aからの伝熱による冷却効率を向上させることができる。
【0084】
上記では、信号リード3と接地リード7について、信号リード3の本数および接地リード7の本数は、1本または2本に限定されず、3本以上であってもよい。また、1本の信号リード3を挟んで2本の接地リードを設ける構成が好ましい。たとえば、差動信号の伝送などに適用するためには、信号リード3を少なくとも2本設ける必要がある。サイズが予め決まっている場合は、電子部品搭載用パッケージ10のように、1本の接地リード7を挟んで2本の信号リード3を設ける構成が好ましいが、より好ましくは、3本の接地リード7の間に2本の信号リード3を設け、信号リード3が2本の接地リード7に挟まれるような構成である。
【符号の説明】
【0085】
1 基体
1a 貫通孔
1c 薄層部
1d 厚層部
2 誘電体
3 信号リード
4 搭載基板
4a 接続導体
6 電子部品
7 接地リード
8 蓋体
9 間隔規定部
10,12 電子部品搭載用パッケージ
11 電子装置
12 電子部品搭載用パッケージ
20 回路基板
21 誘電体層
22 接地導体層
23 貫通導体
23a 挿通孔
24 信号配線層
100 通信用モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板状部材からなり、厚み方向に貫通する貫通孔が設けられた基体であって、一方主面に電子部品が搭載され、前記一方主面を基準とする厚みが他の部分に比べて薄い薄層部を有する基体と、
前記貫通孔の中心部に挿通され、前記基体の主面に対して直交する方向に延びる信号線路導体と、
前記信号線路導体と前記貫通孔の内周面との間に設けられる誘電体と、
前記基体の一方主面側に設けられ、前記電子部品と前記信号線路導体とを接続する接続導体と、
前記基体の他方主面側に設けられ、前記信号線路導体と平行に延びる接地導体と、を備えることを特徴とする電子部品搭載用パッケージ。
【請求項2】
請求項1記載の電子部品搭載用パッケージと、前記電子部品搭載用パッケージに搭載された電子部品と、回路基板とを有する通信用モジュールであって、
前記回路基板は、
誘電体層と、
前記誘電体層の一方面に設けられる接地導体層と、
前記誘電体層の一方面から他方面まで貫通し、前記電子部品搭載用パッケージの前記信号線路導体を挿通するための挿通孔が設けられた貫通導体と、
前記誘電体層の他方面に設けられ、前記貫通導体と接続される信号配線層とを有し、
前記信号線路導体が、前記貫通導体の前記挿通孔に挿通されて、前記電子部品搭載用パッケージが前記回路基板に実装された状態で、前記接地導体層は、前記基体の薄層部と前記誘電体層とが対向する領域に設けられ、
前記接地導体層と前記基体の薄層部との間隔が、前記信号線路導体を伝送する高周波信号の波長の1/8以上となるように、前記電子部品搭載用パッケージが前記回路基板に実装されることを特徴とする通信用モジュール。
【請求項3】
前記誘電体と前記貫通導体との間隔が、前記信号線路導体を伝送する高周波信号の波長の1/16以下となるように、前記電子部品搭載用パッケージが前記回路基板に実装されることを特徴とする請求項2記載の通信用モジュール。
【請求項4】
前記電子部品搭載用パッケージは、1または複数の前記線路導体と1または複数の接地導体とを有し、
前記信号線路導体と前記接地導体とは、前記基体の主面に平行な方向に、一直線状に位置するように設けられ、
前記回路基板は、前記接地導体層が、前記信号線路導体および前記接地導体の配列方向に直交する方向に延びて設けられ、前記接地導体層の幅方向端部と前記接地導体の中心との距離が、前記信号線路導体を伝送する高周波信号の波長の1/4以下であることを特徴とする請求項2または3記載の通信用モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−64817(P2012−64817A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208613(P2010−208613)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】