説明

電子部品

【課題】回転つまみの回動位置に応じた所望の照光を行う電子部品を提供する。
【解決手段】フレキシブル回路基板20と、回転体60と、回転体60の回転によってその電気的出力を変化する摺動子70と摺接パターン23からなる電気的機能部と、回転体60を収納するケース90と、ケース90上部に設置されこのケース90を介して回転体60と一体に移動自在に設置される回転つまみ120とを具備する。回転体60の下側に発光素子25を設置する。ケース90の発光素子25に対向する位置に第1透光部101を設ける。回転体60の所定の移動位置において第1透光部101に対向する位置に第2透光部65を設ける。回転つまみ120の回転体60の第2透光部65に対向する位置に第3透光部127を設ける。第1,第2,第3透光部101,65,127が上下に対向した際に発光素子25の光を第3透光部127から放射させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照光機能を有する電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回転式電子部品の中には、回転つまみを有し、この回転つまみを回転することでその電気的出力を変化するものがあった。その際回転つまみの中央に開口を設け、開口内に別の電子部品を設置する場合もあった(例えば特許文献1)。
【0003】
一方回転式電子部品の中には、携帯機器の機能選択用のつまみのように、その回転つまみの表面にリング状に記号等の表示を複数印刷形成し、回転つまみの回動位置に応じて選択した機能等がわかるように構成したものがある。
【0004】
しかしながら従来、回転つまみの回動位置に応じて選択した所定の機能の表示のみをその裏面側から照光できる構造のものについては、構造が複雑であった。
【特許文献1】特開2001−184967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、回転つまみの回動位置に応じて所望の照光を行うことができる簡便な構造の電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に記載の発明は、回路基板と、前記回路基板上に移動自在に設置される移動体と、前記回路基板と移動体との間に設置されて移動体の移動によってその電気的出力を変化する電気的機能部と、前記移動体を収納するケースと、前記ケース上部に設置されこのケースを介して前記移動体と一体に移動自在に構成されるつまみと、を具備してなる電子部品において、前記移動体の下側に発光素子を設置すると共に、前記ケースの発光素子に対向する位置に上下に光を通す第1透光部を設け、前記移動体の所定の移動位置において前記第1透光部に対向する位置に上下に光を通す第2透光部を設け、さらに前記つまみの前記移動体の第2透光部に対向する位置に上下に光を通す第3透光部を設け、前記第1,第2,第3透光部が上下に対向した際に発光素子の光をつまみの第3透光部から放射させることを特徴とする電子部品にある。
【0007】
本願請求項2に記載の発明は、前記つまみの上面には銘板が取り付けられており、この銘板の前記第3透光部に対向する部分に光を通して所望の表示を行う透光表示部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電子部品にある。
【0008】
本願請求項3に記載の発明は、前記電子部品の中央には開口を設け、この開口内に他の電子部品を設置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品にある。
【0009】
本願請求項4に記載の発明は、前記電子部品の中央の開口内には、他の電子部品の円筒状の外周側面に設けたクリック係合部にクリック体を弾接させることで、前記第2透光部が前記第1透光部に対向する位置で前記移動体を係止してクリック感覚を生じさせるクリック機構を設けたことを特徴とする請求項3に記載の電子部品にある。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、簡便な構造の電子部品であり、しかも移動体(つまみ)が所定の移動位置にあるときにつまみの第3透光部から発光素子の光を放射させることができ、一方移動体(つまみ)が所定の移動位置にないときは移動体及びつまみに遮られることで発光素子の光は前記第3透光部から放射されない。これらのことから移動体(つまみ)が所定の移動位置にあるときのみにつまみの第3透光部から発光素子の光を放射させることができ、移動体(つまみ)の移動位置に応じた効果的な照光を行うことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、つまみの上面に取り付けた銘板の透光表示部を移動体(つまみ)の移動位置に応じて効果的に照光することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、中央に他の電子部品を設置した構造の電子部品の効果的な照光を行うことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、移動体がクリック機構によって係止される位置で発光素子の光をつまみの第3透光部から放射させることができる。また他の電子部品の外周側面を用いてクリック機構を構成するので、クリック機構の構造が簡単になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1,図2は本発明の第1実施形態にかかる電子部品(以下「揺動式電子部品付き回転式電子部品」という)1−1の分解斜視図であり、図1はその上側部分、図2はその下側部分を示している。また図3は揺動式電子部品付き回転式電子部品1−1の概略断面図(図示の都合上、各部の断面は一致していない)である。図1,図2に示すように揺動式電子部品付き回転式電子部品1−1は、取付部材(以下「取付板」という)10上に、回路基板(以下「フレキシブル回路基板」という)20を載置し、その上に他の電子部品(以下「揺動式電子部品」という)40と、移動体(以下「回転体」という)60と、ケース90と、つまみ(以下「回転つまみ」という)120と、銘板150とを設置して構成されている。以下各構成部品について説明する。なお以下の説明において、「上」はつまみ120や揺動式電子部品40を操作する側を、「下」はその反対側を言うものとする。
【0015】
取付板10は硬質の金属板や樹脂板からなる平板であり、その所定位置に下記する揺動式電子部品40取付用の複数(8つ)の貫通する小孔からなる取付穴11と、下記するケース90取付用の複数(4つ、但し図2では3つのみ示す)の貫通する小孔からなる取付部13とを設けて構成されている。
【0016】
フレキシブル回路基板20は可撓性を有する合成樹脂フイルム(例えばポリエチレンテレフタレートフイルム)22上に5つの押圧スイッチ21と、押圧スイッチ21の外周を囲む位置に設置される一対の摺接パターン23及び発光素子25と、前記取付板10の各取付穴11に対向する位置に設けられる複数(8つ)の貫通する小孔からなる取付穴27と、前記取付板10の各取付部13に対向する位置に設けられる複数(4つ)の貫通する小孔からなる取付部29とを具備して構成されている。押圧スイッチ21は中央の押圧スイッチ21の周囲に等角度間隔で4つの押圧スイッチ21を配置するように設置されている。何れの押圧スイッチ21もフレキシブル回路基板20上に形成した図示しない一対のスイッチパターン上に金属板をドーム形状に形成した反転板(可動接点板)を載置し、一方のスイッチパターンに反転板の外周を当接し、他方のスイッチパターンを反転板の中央下面に所定距離離間して対向して構成されている。摺接パターン23は前記中央の押圧スイッチ21を中心として円弧状に形成され、例えばスイッチパターンや抵抗体パターンによって構成されている。また発光素子25は前記摺接パターン23とほぼ同一の円弧軌跡上に設置されている。発光素子25はフレキシブル回路基板20上の図示しない回路パターンに接続されており、その表面には透明な絶縁性材料からなる図示しない封止樹脂31(図3参照)が塗布されている。この実施形態では発光素子25は複数の色彩の光に切り換えられる多色切換型発光素子で構成されており、発光素子25の真上に位置する下記する第2透光部65(即ち回転体60の回転位置)に応じてその発光する色彩を切り換えるようにその電気回路が構成されている。なお回転体60の回転位置は前記摺接パターン23の出力信号を処理することによって検出する。
【0017】
揺動式電子部品40は略円筒状の収納ケース41内に機構部品を収納し、その上面中央に設けた開口43から操作レバー45を突出して構成されている。操作レバー45はこれを360°の方向に自由に揺動することができると共に直立状態の操作レバー45を真下に押圧して押し込むことができ、揺動して下降した部分又は真下に押し込んで下降した部分に対向する位置の前記何れかの押圧スイッチ21が押圧できるように構成されている(例えば図2において、操作レバー45を右方向に揺動させれば右側の押圧スイッチ21が押圧され、操作レバー45を真下に押し込めば中央の押圧スイッチ21が押圧される)。収納ケース41の外周側面には円周方向に向かって等間隔に上下方向に延びる溝47が設けられ、これらによって円周方向に凹凸状のクリック係合部49が構成されている。また収納ケース41の下面外周の前記フレキシブル回路基板20に設けた各取付穴27に対向する位置にはこれら取付穴27に挿入される小突起状の取付部51が設けられている。
【0018】
回転体60は合成樹脂を略円板状に形成し、その中央に上下に貫通する略円形の開口61を設けて構成されている。回転体60の上面の所定位置には下記するロック部材170を挿入する四角筒状のロック部材収納部63が設けられ、また回転体60の同一円周上の所定位置には複数(この実施形態では6個)の上下に貫通する円形の第2透光部65が設けられ、また同様に回転体60の同一円周上の所定位置には複数(この実施形態では4つ)の上下に貫通する矩形状の係止部67が設けられ、また回転体60の開口61の内周面にはクリック機構収納部69が設けられている。ロック部材収納部63の底面には図3に示すように貫通する小孔からなるガイド孔64が設けられている。前記複数の第2透光部65は同一円弧上に等間隔に設けられている。またこの回転体60の裏面側の所定位置には摺動子70が取り付けられる。摺動子70は弾性金属板製であり、略矩形状の基部71の外周辺から一対のアーム部73を突出してこれを基部71の下面側に折り曲げ、その先端に下方向に凸となるように屈曲してなる摺接部75を設けて構成されている。そして基部71に設けた小孔77に回転体60の下面に設けた図示しない小突起を挿入してその先端を熱カシメすることでこの摺動子70は回転体60の下面に取り付けられる。クリック機構収納部69には、クリック機構80が設置される。図4(a)はクリック機構80の要部概略平面図であり、図4(b)は回転体60の図4(a)のA−A部分での断面概略図である。クリック機構80は板バネ81と金属製の球からなるクリック体83とを具備している。板バネ81は弾性金属板を細帯状で、中央に小円弧状に屈曲する部分(図4に示すクリック体係止部85)を設けて構成されている。そして板バネ81の両端をクリック機構収納部69の両端に設けた有底の溝からなる係止部69aに係合し、板バネ81のクリック体係止部85に係止したクリック体83を板バネ81によって揺動式電子部品40のクリック係合部49に弾接し、その溝47に係合するように設置する。前記クリック機構80は、クリック体83が溝47に係合した際、即ち回転体60が係止(静止)された位置で、第2透光部65が下記するケース90の第1透光部101に上下方向で対向する位置となるように設置されている。
【0019】
ケース90は合成樹脂製であり、中央に開口93を有する円形の上面部91の外周から下方向に向けて略円筒状の側壁部95を設けることで、その下面側に前記回転体60を収納する収納部97を設けて構成されている。ケース90の下端面の所定位置からは小突起状の取付係合部99が突出している。各取付係合部99は前記フレキシブル回路基板20の各取付部29に対向する位置にこれら取付部29に挿入できる外径寸法で形成されている。ケース90の上面部91の前記発光素子25に対向する位置には、上下に光を通す円形の貫通する第1透光部101が設けられている。この第1透光部101には、その下面側から導光体110が挿入され取り付けられる。導光体110は、透明な合成樹脂(例えばポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等)を略円形の柱状に成形して構成されており、その中央付近に半径方向外方に突出するつば部111を設けている。そして図3に示すように、導光体110は第1透光部101に挿入され、つば部111をケース90の下面に当接して取り付ける。上面部91の開口93の内周辺の一部(約半周)には、これをくわえ込むようにロック部材170を取り付けるロック部材ガイド部103が設けられている。ロック部材170は合成樹脂製であり、その下部に前記ロック部材ガイド部103をくわえ込む略コ字状の本体部171と、本体部171の上面から突出する柱状の押圧部173とを具備して構成されている。本体部171はその全体が前記回転体60のロック部材収納部63に上下動自在にぴったり挿入される外形寸法形状に形成されている。本体部171の下面からは棒状のガイド突起175が突出している。ガイド突起175にはコイルバネ179が挿入され、前記回転体60に設けたガイド孔64(図3参照)に上下動自在に挿入される。また上面部91のロック部材ガイド部103の下面の所定位置には、前記ロック部材170の本体部171(その下部)を挿入してその位置にロックする凹状のロック係合部105(図3に点線で示す)が設けられている。
【0020】
回転つまみ120は合成樹脂を略円板状に成形し、円形の上面部121の外周辺から下方向に向かって円筒状に側壁部123を垂下して構成されている。上面部121の中央には円形に貫通する操作レバー露出部(開口)125が設けられ、また上面部121の外周近傍部分には外周近傍の円弧に沿って複数(6個)の円形に貫通する第3透光部127が設けられ、第3透光部127に隣接して前記ロック部材170の押圧部173を上下動自在に挿入する挿通部129が設けられている。各第3透光部127は前記回転体60の各第2透光部65に対向する位置に設けられており、また挿通部129は前記回転体60のロック部材収納部63に対向する位置に設けられている。図3に示すように、上面部121の下面の前記操作レバー露出部125の周囲の位置からは下方向に向かって突出する筒状の取付部131が設けられ、その下端辺からは前記回転体60の各係止部67に挿入される複数(4つ、但し図示は2つ)の小突起状の係止取付部133が突出している。
【0021】
銘板150は合成樹脂フイルム(例えばポリエチレンテレフタレートフイルム等)に所望の印刷を行なったものであり、その中央に円形の開口151を設け、その外周の前記回転つまみ120の挿通部129に対向する部分に舌片状の切り欠き153を設け、さらに前記回転つまみ120の各第3透光部127に対向する部分に光を通して所望の表示を行う透光表示部155を設けて構成されている。透光表示部155は、前記合成樹脂フイルムを透明な材質で構成すると共に、印刷を設けない又は光を通す印刷とすることで、少なくともその部分においては光が(所望の模様や色彩等の装飾を伴なって)透過して所望の表示を行うように構成されている。
【0022】
次に揺動式電子部品付き回転式電子部品1−1の組立方法を説明する。まず予め回転体60の下面に摺動子70を取り付け、また回転体60のクリック機構収納部69にクリック機構80を設置し、また導光体110をケース90の第1透光部101にその下側から挿入して取り付け、また回転つまみ120の上面に銘板150をその各透光表示部155が回転つまみ120の各第3透光部127に一致するようにして貼り付けておく。
【0023】
そしてまず銘板150を取り付けた回転つまみ120の下側にケース90を設置し、さらにケース90の下側の収納部97内に回転体60を設置し、図3に示すように回転つまみ120の各係止取付部133を回転体60の各係止部67に挿入して各係止取付部133の先端を回転体60の下面に突出してその先端を熱カシメする。なおこれら回転つまみ120とケース90と回転体60とを組み立てる前に、コイルバネ179をガイド突起175に取り付けたロック部材170の本体部171を、ケース90のロック部材ガイド部103にくわえ込むように取り付けておき、前記組み立ての際に、コイルバネ176と共に本体部171の下部を回転体60のロック部材収納部63に挿入し、押圧部173を回転つまみ120の挿通部129に挿入する。
【0024】
一方取付板10上にフレキシブル回路基板20を載置し、その上に揺動式電子部品40を載置し、そのとき揺動式電子部品40の各取付部51をフレキシブル回路基板20の各取付穴27と取付板10の各取付穴11に挿入し、取付板10の下面側に突出する各取付部51の先端を熱カシメして固定する。
【0025】
そして前記回転体60と回転つまみ120を取り付けたケース90を、揺動式電子部品40を取り付けたフレキシブル回路基板20上に載置し、その際回転体60の開口61に揺動式電子部品40を挿入してクリック機構80のクリック体83を板バネ81によって収納ケース41のクリック係合部49に弾接し、同時にケース90の各取付係合部99をフレキシブル回路基板20の各取付部29と取付板10の各取付部13とに挿入し、取付板10の下面から突出する取付係合部99の先端を熱カシメして固定する。これによって図3に示す揺動式電子部品付き回転式電子部品1−1が完成する。
【0026】
図3に示すように揺動式電子部品付き回転式電子部品1−1は、フレキシブル回路基板20と、フレキシブル回路基板20上に回転移動自在に設置される回転体60と、フレキシブル回路基板20と回転体60との間に設置されて回転体60の回転移動によってその電気的出力が変化する電気的機能部(摺動子70と摺接パターン23からなる)と、回転体60を収納するケース90と、ケース90上部に設置されこのケース90を介して回転体60と一体に回転移動自在に設置される回転つまみ120とを具備して構成されている。
【0027】
そして回転つまみ120を回転すると、これと一体に回転体60が回転し、摺動子70が摺接パターン23上を摺動することで摺接パターン23の電気的出力が変化する。同時に一体に回転する第2,第3透光部65,127が、静止している第1透光部101に対向したとき(このときクリック体83は何れかの溝47に係合している)、発光素子25の光が導光体110を通して回転つまみ120の第3透光部127から銘板150の透光表示部155を通してその上面側に放射され、所望の表示(所望の模様や色彩等)が明るく表示される。特にこの実施形態では発光素子25は多色切換型発光素子なので、発光素子25の真上に位置する第2透光部65に応じてその発光する色彩を切り換え、これによって回転つまみ120が選択した透光表示部155の所望の表示がより確実且つ容易にこれを操作している者に伝わるようにしている。また導光体110を設けているので発光素子25から発射された光を効率的に第1,第3透光部101,127に導くことができる。
【0028】
つまりこの実施形態においては、回転体60の下側に発光素子25を設置すると共に、ケース90の発光素子25に対向する位置に上下に光を通す第1透光部101を設け、回転体60の所定の回転移動位置において第1透光部101に対向する位置に上下に光を通す第2透光部65を設け、回転つまみ120の回転体60の第2透光部65に対向する位置に上下に光を通す第3透光部127を設け、第1,第2,第3透光部101,65,127が上下に対向した際に発光素子25の光を回転つまみ120の第3透光部127から放射させる構成となっているので、回転体60(回転つまみ120)が所定の回転移動位置にあるときに回転つまみ120の第3透光部127から発光素子25の光を放射させることができ、一方回転体60(回転つまみ120)が所定の移動位置にないときは回転体60及び回転つまみ120に遮られることで発光素子25の光は第3透光部127から放射されず、これらのことから回転体60(回転つまみ120)が所定の移動位置にあるときのみに回転つまみ120の第3透光部127から発光素子25の光を放射させることができ、回転体60(回転つまみ120)の回転移動位置に応じた効果的な照光を行うことができる。
【0029】
また回転つまみ120を回転する際、ロック部材170の本体部171はそのコ字状に凹んでいる部分がケース90のロック部材ガイド部103をくわえ込んだ状態で移動するが、ロック部材ガイド部103の下面の所定位置に設けたロック係合部105(図3参照)にロック部材170の本体部171(その下部)が位置した際はコイルバネ179の弾発力によって本体部171がロック係合部105に係合し、回転体60及び回転つまみ120はこの位置にロックされる。ロックを解除するにはロック部材170の押圧部173を押圧すれば良い。
【0030】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施形態では発光素子25として多色切換型発光素子を用いたが、単色の発光素子であっても良い。また上記実施形態では取付板10上にフレキシブル回路基板20を載置したが、フレキシブル回路基板20の代りに硬質の回路基板を用いた場合は、取付板10は不要である。上記実施形態では発光素子25の数を1つとし、一ヶ所のみ照光したが、発光素子25の数を複数とし、複数ヶ所を照光しても良い。上記実施形態では本発明を回転式電子部品に利用した例を示したが、移動体が直線状又は曲線状に移動することで電気的出力を変化させる構造のスライド式電子部品にも同様に本発明を適用できる。また電気的機能部の構成も種々の変更が可能であり、要は回路基板と移動体との間に設置されて移動体の移動によってその電気的出力が変化する電気的機能部であればどのような構成であっても良い。上記実施形態ではケース90の第1透光部101に導光体110を取り付けたが、導光体110は省略しても良い。銘板150も場合に応じて省略しても良い。また回転式電子部品の中央に設置する他の電子部品は揺動式電子部品以外の各種電子部品であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】揺動式電子部品付き回転式電子部品1−1の上側部分の分解斜視図である。
【図2】揺動式電子部品付き回転式電子部品1−1の下側部分の分解斜視図である。
【図3】揺動式電子部品付き回転式電子部品1−1の概略断面図である。
【図4】図4(a)はクリック機構80の要部概略平面図、図4(b)は回転体60の図4(a)のA−A部分での断面概略図である。
【符号の説明】
【0032】
1−1 揺動式電子部品付き回転式電子部品(電子部品)
10 取付板(取付部材)
20 フレキシブル回路基板(回路基板)
23 摺接パターン(電気的機能部)
25 発光素子
40 揺動式電子部品
49 クリック係合部
60 回転体(移動体)
65 第2透光部
70 摺動子(電気的機能部)
80 クリック機構
81 板バネ
83 クリック体
90 ケース
101 第1透光部
110 導光体
120 回転つまみ(つまみ)
127 第3透光部
150 銘板
155 透光表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、
前記回路基板上に移動自在に設置される移動体と、
前記回路基板と移動体との間に設置されて移動体の移動によってその電気的出力を変化する電気的機能部と、
前記移動体を収納するケースと、
前記ケース上部に設置されこのケースを介して前記移動体と一体に移動自在に構成されるつまみと、を具備してなる電子部品において、
前記移動体の下側に発光素子を設置すると共に、前記ケースの発光素子に対向する位置に上下に光を通す第1透光部を設け、
前記移動体の所定の移動位置において前記第1透光部に対向する位置に上下に光を通す第2透光部を設け、
さらに前記つまみの前記移動体の第2透光部に対向する位置に上下に光を通す第3透光部を設け、前記第1,第2,第3透光部が上下に対向した際に発光素子の光をつまみの第3透光部から放射させることを特徴とする電子部品。
【請求項2】
前記つまみの上面には銘板が取り付けられており、この銘板の前記第3透光部に対向する部分に光を通して所望の表示を行う透光表示部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記電子部品の中央には開口を設け、この開口内に他の電子部品を設置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記電子部品の中央の開口内には、他の電子部品の円筒状の外周側面に設けたクリック係合部にクリック体を弾接させることで、前記第2透光部が前記第1透光部に対向する位置で前記移動体を係止してクリック感覚を生じさせるクリック機構を設けたことを特徴とする請求項3に記載の電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−123902(P2008−123902A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308006(P2006−308006)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(000215833)帝国通信工業株式会社 (262)
【Fターム(参考)】