説明

電気またはハイブリッド自動車用のエネルギー蓄積システム

【課題】ハイブリッドまたは電気自動車に使用することができる、電池負荷平準化システムを提供する。
【解決手段】電池が断続的大電流負荷を受ける電気動力システム用の電池負荷平準化システムであって、システムは、第1の電池と、第2の電池と、電池に結合された負荷を含む。システムは、受動蓄積素子と、受動蓄積素子と直列電気回路にて結合され、受動蓄積素子から負荷へ電流を導通するように極性付けられた単方向導通装置であって、直列電気回路は、電池端子電圧が受動蓄積素子上の電圧より低いときに、受動蓄積素子が負荷へ電流を供給するように電池に並列に結合される、単方向導通装置と、第1および第2の電池を低電圧並列構成または高電圧直列構成に接続する電池切り換え回路とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電気駆動システムに関し、より詳細には、ハイブリッドまたは電気自動車に使用することができる、電池負荷平準化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも1つの知られている自動車は、車両の推進用の電力を供給するために、通常は鉛蓄電池である電池を含む。たとえば図1は、電気推進型、およびまたハイブリッド電気自動車に用いられる、通常の交流(AC)電気推進システム10を含む従来技術の自動車である。電気推進システムは、鉛蓄電池12などの少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニットと、エネルギー蓄積ユニット12を、DCリンク18を介したトラクションインバータ16から電気的に断路するための直流(DC)コンタクタ14を含む。具体的には電池12は、ACモータ20への電力を制御するためのトラクションDC−ACインバータ16などの周波数制御インバータに接続する、DCリンクに接続される。
【0003】
車両の動作においては、通常、車両の加速時または、たとえば車両が急勾配を上る動作中には、電池は、しばしば大電流レベルで電力の短いバーストを供給することが要求される。通常の電池から大電流が引き出されるときは、電池端子電圧が低下する。このような電圧の減少は、車両の正しい動作に影響し、または電力制御回路内のスイッチング素子の効率を低下させ、なぜなら制御回路はまた、最大限の電池電圧において、すなわち車両が一定速度モードで公称電流を引き出しているときに、高効率で動作するように設計されなければならないからである。
【0004】
電気駆動システムの電池に対する大電流要件の影響を低減する1つの方法は、大電流の状況のときに追加の電力を供給するために、DCリンクに結合された補助の受動エネルギー蓄積素子を用いることである。この方法の1つの実装形態は、図2の従来技術に示される。具体的には図2は、トラクション電池32と、大容量キャパシタ34と、車両の加速時、およびその他の急勾配を上る際の大電力要求時に、大容量キャパシタ34がトラクション電池32と電力を共有するのを可能にする比較的低コストの大容量キャパシタ電子回路インターフェース36とを含むエネルギー蓄積システム30を示す。
【0005】
動作時には、知られている車両が低電力クルーズ状態で動作するとき、ダイオード40は、大容量キャパシタ電圧が、電池電圧よりわずかに高い電圧のままとなることを可能にする。大電力加速が完了した直後は、エネルギー蓄積システムからの必要な電流は大幅に減少し、電池電圧は公称電池電圧または、場合によってはそれより高い電圧に増加し、一方、大容量キャパシタは、ほぼ加速直後の電圧のままとなる。さらに、車両の減速時は、シリコン制御整流器42がゲートされ、電気モータ44および付随するトラクション駆動部46からの回生エネルギーが、最初に、ダイオード40が導通する点へ電圧が増加するまで大容量キャパシタ34を充電し、その時点で大容量キャパシタ34と電池32は共に部分的に再充電される。したがって、ゴルフカートおよび小型実用車を含む低速電気自動車においては、知られているエネルギー蓄積システムは良好に機能し、また大容量キャパシタとトラクション電池の間の効率的な低コストのインターフェースをもたらす。しかし動作時には、大容量キャパシタ34に蓄積されるエネルギー量は、最大電池電圧およびダイオード40の両端の電圧降下の和と、最小電池電圧およびダイオード40の両端の電圧降下の和との間の電圧差の二乗に制限される。
【特許文献1】米国特許第4,533,011号公報
【特許文献2】米国特許第4,862,009号公報
【特許文献3】米国特許第4,926,104号公報
【特許文献4】米国特許第5,168,975号公報
【特許文献5】米国特許第5,345,154号公報
【特許文献6】米国特許第5,373,195号公報
【特許文献7】米国特許第5,589,743号公報
【特許文献8】米国特許第5,710,699号公報
【特許文献9】米国特許第5,713,425号公報
【特許文献10】米国特許第5,722,502号公報
【特許文献11】米国特許第5,723,956号公報
【特許文献12】米国特許第5,903,449号公報
【特許文献13】米国特許第6,170,587−B1号公報
【特許文献14】米国特許第6,186,255−B1号公報
【特許文献15】米国特許第6,227,997−B1号公報
【特許文献16】米国特許第6,258,006−B1号公報
【特許文献17】米国特許第6,319,168−B1号公報
【特許文献18】米国特許第6,331,365−B1号公報
【特許文献19】米国特許第6,332,257−B1号公報
【特許文献20】米国特許第6,360,834−B1号公報
【特許文献21】米国特許第6,401,850−B1号公報
【特許文献22】米国特許第6,441,581−B1号公報
【特許文献23】米国特許第6,478,705−B1号公報
【特許文献24】米国特許第6,481,517−B1号公報
【特許文献25】米国特許第6,486,568−B1号公報
【特許文献26】米国特許第6,507,128−B2号公報
【特許文献27】米国特許第6,533,692−B1号公報
【特許文献28】米国特許第6,533,693−B2号公報
【特許文献29】米国特許第6,569,055−B2号公報
【特許文献30】米国特許第6,592,484−B1号公報
【特許文献31】米国特許第6,603,215−B2号公報
【特許文献32】米国特許第6,604,591−B2号公報
【特許文献33】米国特許第6,645,105−B2号公報
【特許文献34】米国特許第6,679,799−B2号公報
【特許文献35】米国特許第6,729,423−B2号公報
【特許文献36】米国特許第6,737,822−B2号公報
【特許文献37】米国特許第6,784,563−B2号公報
【特許文献38】米国特許第6,817,432−B2号公報
【特許文献39】米国特許第6,837,816−B2号公報
【特許文献40】米国特許第6,915,220−B2号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その結果、知られているエネルギー蓄積システムは、車両が重い加重で加速する、かつ/または急勾配を上るときに、延長された期間にわたって比較的大電力レベルを供給するには効果的でない。さらに、知られているエネルギーシステムは、許容できる効率および妥当なコストで、大容量キャパシタ出力電圧をトラクション駆動部のために必要な電圧レベルに整合することにおいては効果的ではない場合もある電子回路インターフェースを含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、電池が断続的大電流負荷を受ける、電気動力システム用の電池負荷平準化システムが提供される。システムは、第1の電池と、第2の電池と、電池に結合された負荷を含む。システムはまた、受動蓄積素子と、受動蓄積素子と直列電気回路にて結合され、受動蓄積素子から負荷へ電流を導通するように極性付けられた単方向導通装置であって、直列電気回路は、電池端子電圧が受動蓄積素子上の電圧より低いときに、受動蓄積素子が負荷への電流を供給するように電池と並列に結合される、単方向導通装置と、第1および第2の電池を低電圧並列構成または高電圧直列構成に接続する電池切り換え回路とを含む。
【0008】
もう1つの態様では、電気自動車が提供される。電気自動車は、第1の電池と、第2の電池と、第1および第2の電池に結合された負荷であって、第1および第2の電池は車両を移動するための推進力を供給するように構成される負荷と、電池負荷平準化システムとを含む。電池負荷平準化システムは、受動蓄積素子と、受動蓄積素子と直列電気回路にて結合され、受動蓄積素子から負荷へ電流を導通するように極性付けられた単方向導通装置であって、直列電気回路は、第1および第2の電池の少なくとも1つの電池端子電圧が受動蓄積素子上の電圧より低いときに、受動蓄積素子が負荷へ電流を供給するように第1および第2の電池の少なくとも1つと並列に結合される、単方向導通装置と、第1および第2の電池を低電圧並列構成または高電圧直列構成に接続する電池切り換え回路とを含む。
【0009】
他の態様では、ハイブリッド自動車が提供される。ハイブリッド自動車は、第1の電池と、第2の電池と、第1および第2の電池に結合された負荷であって、第1および第2の電池は車両を移動するための推進力を供給するように構成される負荷と、電池負荷平準化システムとを含む。電池負荷平準化システムは、受動蓄積素子と、受動蓄積素子と直列電気回路にて結合され、受動蓄積素子から負荷へ電流を導通するように極性付けられた単方向導通装置であって、直列電気回路は、第1および第2の電池の少なくとも1つの電池端子電圧が受動蓄積素子上の電圧より低いときに、受動蓄積素子が負荷へ電流を供給するように第1および第2の電池の少なくとも1つと並列に結合される、単方向導通装置と、第1および第2の電池を低電圧並列構成または高電圧直列構成に接続する電池切り換え回路とを含む。
【0010】
他の態様では、電池が断続的大電流負荷を受ける電気動力システム用の電池負荷平準化システムを組み立てる方法が提供される。システムは、第1の電池と、第2の電池と、第1および第2の電池に結合された負荷を含む。方法は、単方向導通装置が受動蓄積素子から負荷へ電流を導通するように極性付けられるように、単方向導通装置を受動蓄積素子と直列電気回路にて結合するステップと、電池端子電圧が受動蓄積素子上の電圧より低いときに、受動蓄積素子が負荷へ電流を供給するように、直列電気回路を第1および第2の電池と並列に結合するステップと、第1および第2の電池を低電圧並列構成または高電圧直列構成に接続するために電池切り換え回路を使用するステップとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図3は、電池負荷平準化システム100を示す。電池負荷平準化システム100は、負荷106に電力を供給するために使用される第1の電池102および第2の電池104を含む。負荷106は、電気自動車に動力を供給するための電気的トラクションモータなどの、交流(AC)または直流(DC)負荷でよい。電池負荷平準化システム100はまた、それぞれ第1および第2の電池102および104を低電圧並列または高電圧直列構成に接続するように動作可能な、複数のコンタクタを含む電池切り換え回路110を含む。
【0012】
電池切り換え回路110は、第1の電池102および第2の電池104の正および負端子が正母線112および負母線114のそれぞれに接続されるのを可能にする。正および負母線112および114は、本明細書では正および負DCリンクとも呼ばれ、電池102および104をパワーエレクトロニクス回路116に結合し、パワーエレクトロニクス回路116はAC負荷すなわちACモータに交流を供給するためのDC−ACインバータ、またはDC負荷すなわちDCモータに直流を供給するためのDCチョッパまたはパルス幅変調回路(図示せず)などのスイッチングレギュレータ118を含むことができる。
【0013】
より具体的には、電池切り換え回路110は、第1の電池102の正端子と正母線112の間に結合された第1のコンタクタ120と、第1の電池102の負端子と第2の電池104の負端子の間に結合された第2のコンタクタ122と、第1の電池102の正端子と第2の電池104の負端子の間に結合された第3のコンタクタ124を含む。
【0014】
電池負荷平準化システム100を低電圧並列構成で動作させるためには、コンタクタ120および122は閉路され、コンタクタ124は開路され、それにより電池102および104は、それぞれ母線112および114と並列構成にて電気的に結合されるようになる。適宜、電池負荷平準化システム100を高電圧直列構成で動作させるためには、コンタクタ120および122は開路され、コンタクタ124は閉路され、それにより電池102および104は、それぞれ母線112および114と直列構成にて電気的に結合されるようになる。
【0015】
電池負荷平準化システム100はまた、電池102および104の出力端とパワーエレクトロニクス回路116の間に直列に結合されたメインコンタクタ130、およびプリチャージ回路132を含む。電池負荷平準化システム100はまた、大容量キャパシタなどの受動蓄積素子140を含み、受動蓄積素子140は、たとえばダイオードなどの単方向導通装置142と、電流制限スイッチ144と、第1の抵抗器146と、第2の抵抗器148と、シリコン制御整流器、バイポーラトランジスタ、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)などでそれらに限定されない半導体スイッチ150とに直列に結線される。運転者によって発生されるスロットルまたは制動コマンドに応答するエネルギー蓄積システムコントローラ160は、パワーエレクトロニクス回路118への制御リンクを通じて制御信号を供給する。本明細書の用語によれば大容量キャパシタは、複数の直列接続されたキャパシタセルを備え、各大容量キャパシタセルは100ファラッドより大きいキャパシタンスを有する。例示的実施形態では、ここで述べられる大容量キャパシタは、セル当たり1000ファラッドより大きなセルキャパシタンスを有する。
【0016】
したがって、電池負荷平準化システム100は、高電圧直列構成または低電圧並列構成において動作可能である。たとえば、低トラクション駆動モータ速度では、電池切り換え回路110は低電圧並列モードに構成され、すなわちコンタクタ120および122は共に閉路され、コンタクタ124は開路される。したがって、電池102および104は、それぞれ母線112および114に並列に結合される。ほぼ同時に、受動蓄積素子140、たとえば大容量キャパシタは、最初に電流制限スイッチ144を通じてプリチャージを開始する。より具体的には、十分な時間が与えられれば、抵抗器146は、大容量キャパシタ140が、電池端子電圧からダイオード降下以内の最大値、すなわち直列または並列構成に構成された電池102および104の複合電圧に、充電されるのを可能にする。別法として、特にハイブリッド自動車では、駆動システムは最初に電池のエネルギー蓄積のみで機能することができ、大容量キャパシタ140は車両減速時の車両の運動エネルギーを用いて、すなわちインバータ118、SCR150、および電流制限抵抗器148を通じた発電機としてのモータ106の動作時の回生電力を用いて、プリチャージすることができる。プリチャージ回路132は、図2に示されるようなトラクション駆動システム118内に含まれる、DCリンクフィルタキャパシタを充電するために使用され、それによってメインDCコンタクタ130に対する過渡電流ストレスを低減する。
【0017】
具体的には、電流制限スイッチ144は電流の大きさに対して感応性があり、低電流では比較的低抵抗を有し、大電流では高抵抗を有するように選択される。したがって、負荷106が公称値の電流を引き出しているときは、電池102および104は、電流制限スイッチ144の比較的低インピーダンスを通じ、スイッチ144の抵抗内で過大な電力を消費せずに、受動蓄積素子140のための充電電流を供給する。しかし、エネルギー蓄積素子140が高度に放電され、それによりその電圧が公称複合電池電圧より大幅に低い場合は、電流制限スイッチ144を通じて引き出される増加した電流は、スイッチ144を、固定抵抗器146の抵抗よりも大幅に大きくなるように選ばれる比較的高抵抗の状態に遷移させることになる。
【0018】
したがって大容量キャパシタすなわち受動エネルギー蓄積素子144は、抵抗146を通る電流によって再充電されることになる。好ましくは抵抗146の抵抗値は、電池状態に応じて約30〜60秒内でキャパシタ144を再充電する電流レベルを供給するように選択される。したがって電流制限装置144は、システムが、負荷106がACまたはDC電気モータを備える車両の急加速によって生じ得るような、負荷106中の大電流の引き出しによる大電力パルス負荷を受けた直後に、電池102および104からの大容量キャパシタ140の大電流再充電を防止することによって改良された電池の負荷平準化を実現する。電流制限スイッチ144の設計は、大容量キャパシタ140の充電電流が指数関数的に減少し、大容量キャパシタ上の電圧が増加するにつれてスイッチが発振しないように選ばれる。
【0019】
さらに一実施形態では、エネルギー蓄積システムコントローラ(ECSS)は、複数の比較的低コストの電圧センサ162からのフィードバック信号を使用するプロセッサと、コンタクタ120、122、および124の動作を容易にするために、それぞれコンタクタ120、122、および124に結合された通常のコンタクタドライバ回路とすることができる。したがって、車両が比較的低速度で動作しているときは、並列コンタクタ120および122は、配達実用車用途におけるのろのろ運転で典型的なように、トラクション駆動部が大部分の時間を比較的低速度での動作に費やすことを前提として、「ノーマルクローズ」として構成される。エネルギー蓄積システムコントローラ160内のロジックはまた、「直列」モードコンタクタ124が閉路される前に「並列」モードコンタクタ120および122が開路されることおよび同様にその逆を可能にするために、十分な順序付けられた「ロックアウト」および適切な時間遅延を実現する。
【0020】
より具体的には、車両が、たとえば軽度の制動時など回生モードで動作するときは、電池負荷平準化システム100は、運転者の入力制動コマンドのレベルに基づく中程度の回生エネルギー捕捉の期間の最初の「並列モード」の後に、メインコンタクタ130が開路されるように構成される。
【0021】
さらに、電池を比較的低電力の並列モードで動作させるとき、SCR150はオンにゲートされ、電流が電流制限抵抗器148を通って流れて大容量キャパシタ140を充電するのを可能にし、したがって大容量キャパシタ140上の電圧が電池電圧より大幅に高く増加するのを可能にし、それによって図2に示される知られている構成と比較して増加されたエネルギー蓄積レベルを実現する。大容量キャパシタ140上の電圧が、「直列モード」での公称電圧の所定の閾値電圧より低いことを条件として、メインコンタクタ130は開路のままとなって大容量キャパシタ140に蓄積されたエネルギーの一部が次の加速事象時に利用されることを可能にする。たとえば102および104が並列に構成された並列電池構成と、大容量キャパシタ140の間の電圧差が、所定の電圧レベル内となる時点で、ECSS 160は、メインコンタクタ130を閉路するコマンドを送出する。同様に、軽度の回生エネルギー捕捉にて動作時に、ESSCは、機械的コンタクタの寿命を増すのを容易にするために、メインコンタクタ130が閉路のままとなることを確実にする。制御の追加の詳細は、図8を参照して説明する。
【0022】
図3に示される電池負荷平準化システム100は、直列構成の電池および大容量キャパシタの両方の公称電圧が同じ電圧定格であることを前提として、図2に示される従来技術と比較して、大容量キャパシタ内のエネルギー蓄積のレベルの増加を可能にする。さらに電池負荷平準化システム100は、トラクション電池のDCリンクからの部分的な減結合をもたらす比較的低コストの実装を実現し、したがって全体的な駆動システム効率が向上する。
【0023】
図4は、電池切り換え回路210を含むシステム200である。システム200は、電池切り換え回路210を除いて、電池負荷平準化システム100とほぼ同様である。例示的実施形態では、回路210は、(図3に示される)メインコンタクタ130を不要にすることが可能になる直列/並列回路である。回路210は、それぞれがノーマルオープンのコンタクタである、第1のコンタクタ212、第2のコンタクタ214、第3のコンタクタ216、および第4のコンタクタ218を含む。
【0024】
具体的には、コンタクタ212および218は、個々のコンタクタの両端の電圧の低減を容易にするために直列に結合される。適宜、回路210は、コンタクタ212または218の少なくとも1つを不要にできるように十分な電圧定格を有する単一のコンタクタを含み、この簡略化は、本実施形態に含まれる。例示的実施形態では、回路210はまた、ESSCロジック、ゲートドライバコマンド上の電気ノイズ、および/または接点溶着によって、コンタクタの組の1つの開路が妨げられる万一の状況において、直列および並列コンタクタの両方が同時に閉路するのを防止するのを容易にするために、機械的インターロック215を含む。
【0025】
より具体的には、第1および第4のコンタクタ212および218は第1の電池102の正端子と第2の電池104の負端子の間に直列に結合され、第2のコンタクタ214は第1の電池102の正端子と正母線112の間に結合され、第3のコンタクタ216は第1の電池102の負端子と第2の電池104の負端子の間に結合される。
【0026】
システム200はまた、第1のプリチャージ回路230、第2のプリチャージ回路232、および第3のプリチャージ回路234を含み、これらは、DC−ACインバータ118内にあるDCリンクフィルタキャパシタをプリチャージするために用いられ(図3のプリチャージ回路132と同様の機能)、それにより、それぞれコンタクタ212、214、216、および218を閉路するときの過渡動作時のコンタクタおよびDCリンクフィルタキャパシタに対する電流ストレスを低減する。第4のプリチャージ回路134はオプションの回路であり、先に述べたような電流制限スイッチおよび抵抗器146と比較して短時間で電池システムから大容量キャパシタ140をプリチャージすることを可能にする。
【0027】
システム200を低電圧並列構成で動作させるためには、機械的インターロック214は、コンタクタ212および218が開路となり、コンタクタ214および216が閉路となるような第1の位置に置かれる。したがって、電池102および104は、並列に結合されて母線112に電力を供給する。システム200を高電圧直列構成で動作させるためには、機械的インターロック214は、コンタクタ212および218が閉路となり、コンタクタ214および216が開路となるような第2の位置に置かれる。したがって、電池102および104は、母線112と直列に結合される。
【0028】
さらに、プリチャージ回路230、232、および234は、電気モータトラクション駆動部またはDC負荷内に収容されるDCリンクキャパシタCdc(図2に示される)をプリチャージするために使用される。この実施形態の制御は、図3に示される電池負荷平準化システム100の制御と同様であり、本明細書で後に説明する。
【0029】
図5は、電池切り換え回路310を含むシステム300を示す。システム300は、電池切り換え回路310を除いて、電池負荷平準化システム100とほぼ同様である。例示的実施形態では、(図4に示される)並列コンタクタ214および216は、それぞれダイオード312および314で置き換えられる。
【0030】
加速時、または比較的一定速度での動作および低モータ速度動作時は、直列コンタクタ120は開路され、電池102および104は、ダイオード312および314を通じて並列構成に構成される。したがって、加速またはほぼ一定速度で動作するために必要な電力は、図3および図4に示されるように、電池102および104と大容量キャパシタ140の組合せによって、電気モータ駆動部すなわち負荷106に供給される。適宜、車両の減速時は、ダイオード312および314によって回生電力が電池102および104に流入するのが阻止され、したがって回生エネルギーは大容量キャパシタ140内に捕捉される。したがって、大容量キャパシタ140の電圧は、SCR150および電流制限抵抗器148を通って流れる回生電流の関数としてほぼ直線的に増加する。高レベルの回生電力、すなわち長い下り坂の勾配での車両の動作時は、大容量キャパシタ140上の電圧は大幅に増加する。大容量キャパシタ電圧が、直列構成での予測される電池電圧の所定の電圧内に上昇するに従って、コンタクタ120は閉路され、回生電力は今度は、(直列構成に構成された)電池102および104と大容量キャパシタ140の両方に印加される。
【0031】
図6は、電池切り換え回路410を含むシステム400である。システム400は、電池切り換え回路410を除いて、システム300とほぼ同様である。例示的実施形態では、断路器、すなわち図5に示される直列コンタクタ120の機能は、逆並列のそれぞれSCR412および414を使用して実装される。適宜、回路410は、それぞれ電池102および104からの電流の制限を容易にするために、少なくとも2つのヒューズ430および432を含む。
【0032】
動作時に、車両が加速または比較的急な坂を上っており、追加の電力が必要なときは、SCR414が活動化され、それにより第1の電池102および第2の電池104は、それぞれ母線112および114の間に直列構成に配置されるようになる。さらに、ヒューズ432は、母線112への電流の制限を容易にする。
【0033】
車両が、必要な電力が少ないモードで動作するときは、SCR412およびSCR414の両方が非活動化され、それにより第1の電池102および第2の電池104は、それぞれ母線112および114の間に並列構成に配置されるようになる。具体的には、第1の電池102からの電流はダイオード422およびヒューズ430を通って第1の母線112へ導かれ、第2の電池104からは電流がダイオード426およびヒューズ432を通って母線112へ導かれて負荷106へ電力を供給する。
【0034】
適宜、車両が比較的急な傾斜を下降しているとき、車両は、回生モードで動作するように構成される。具体的には、SCR412が活動化され、SCR414は非活動化され、それにより電流は、母線112からヒューズ432を通り、電池104、SCR412、第1の電池102、ヒューズ430を通って流れて母線114への電気回路が完結され、したがって直列構成に接続された第1の電池102と第2の電池104の両方の充電を容易にする。ダイオード422および426は、並列構成の第1および第2の電池へ電流が導かれるのを制限する。
【0035】
図7は、電池切り換え回路510を含むシステム500である。システム500は、電池切り換え回路510を除いてシステム400とほぼ同様である。例示的実施形態では、回路510はまた、第1のコンタクタ540と、第2のコンタクタ542を含む。例示的実施形態では、断路器、すなわち図5に示される直列コンタクタ120の機能は、逆並列のそれぞれSCR512および514を使用して実装される。適宜、回路510は、それぞれ電池102および104からの電流の制限を容易にするために、少なくとも2つのヒューズ530および532を含む。回路510はまた、電気的分離を可能にするのを容易にし、また電池温度が低く、「凍結状態」のときに電池102および104を通って流れるリーク電流の防止を容易にするために、第1のコンタクタ540および第2のコンタクタ542を含む。本明細書の用語によれば、電池の動作温度が、およそ摂氏140°より低いとき、電池は凍結状態で動作する。
【0036】
例示的実施形態では、電池102および104は、それぞれ摂氏260°より高い温度で動作するように構成されたナトリウム塩化ニッケル電池または、ナトリウム硫黄電池のうちの少なくとも1つを用いて実装される。例示的実施形態では、ナトリウム塩化ニッケル電池およびナトリウム硫黄電池は、それぞれキログラム当たり約100ワット/時間より大きな高エネルギー密度を有する。さらに、これらの電池は比較的安価であり、たとえば空冷または水冷など、周囲空気条件を使用して効果的に冷却することができる。
【0037】
もう1つの実施形態では、電池102および104は、燃料電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、および鉛蓄電池を用いて実装される。さらにシステム500は、それぞれ電池102および104の一方の側だけに配置されたコンタクタ540および542を示しているが、有害なリーク電流からの更なる保護をもたらすために、電池102および104のそれぞれの両端子にコンタクタを結合できることが理解されるべきであり、したがってそれらも本実施形態に含まれる。
【0038】
たとえば急な下り坂の勾配で車両を動作させるなどの第1の動作モードでは、車両が比較的高い回生電力レベルに達するとき、および/または直列接続された電池の電圧がほぼ最大限度に達するような長距離にわたって動作するとき、電気モータトラクション駆動部(上記の実施形態には図示せず)内に装備された過電圧保護アルゴリズムが、DCリンク電圧、すなわち母線112の電圧を許容限界に維持しながら、回生電力のレベルを次第に減少させる。これが起きると、車両運転者は、電気的制動トルクの減少を感知し、ブレーキペダルをさらに押し下げることによって補償することになり、それにより電気的制動出力が減少するに従って機械的制動出力を実効的に増加させる。
【0039】
動作時には、システム500は、システム500を動作させるために、モータ106の速度およびトルクを示すフィードバック、大容量キャパシタ電圧、電池電圧を使用する。さらにシステム500は、可能な場合は常に、車両の動作を補完するために、大容量キャパシタ140内に蓄積されたエネルギーを利用する。たとえば、高度の車両加速時には、電池102および104は直列構成に置かれ、大容量キャパシタ140の電圧は、およそ電池電圧からのダイオード降下までの電圧内に充電され、大容量キャパシタ140と電池102および104は共に、主として開回路電圧と電池102および104および大容量キャパシタ140の付随する内部抵抗に基づいて、電力を共有する。適宜、低速度動作時には、電池102および104は並列構成に構成され、回生エネルギー捕捉は、大容量キャパシタ140上の電圧が(並列構成された)電池電圧より高いレベルに増加することを可能にする。この状況では、次の加速は、大容量キャパシタ電圧が電池電圧をほぼ等しくなるまで、大容量キャパシタ140からの蓄積されたエネルギーを用いる。
【0040】
図8は、図3〜7に示されるシステムを制御する方法を説明するグラフである。例示的実施形態では、初期モータ速度はほぼゼロrpmと示され、大容量キャパシタは実質的に、並列に構成された電池の電池電圧にプリチャージされる。図示のように、最初に、ほぼ一定のトルクが印加され、モータ速度が増加し、電力は並列構成の電池と大容量キャパシタの両方によって供給される。トルクが突然、定格の約30%に減少するとき、すなわち車両および/または駆動部がクルーズモードになると、電池電圧は急に増加し、一方、大容量キャパシタは、電流制限スイッチまたはプリチャージ回路により、ゆっくり増加する。しかし、回生制動時には、エネルギーが大容量キャパシタに印加され、電圧増加は、ほぼ回生制動電流の線形関数となる。この例では、回生制動モード時の大容量キャパシタ電圧は、エネルギー蓄積システムコントローラが電池が直列モードに構成されるように命令を出す電圧閾値に達しなかった。したがって次の加速時には、最初に駆動部および/または車両を加速するためのすべてのエネルギーは、大容量キャパシタから供給される。大容量キャパシタ電圧が並列構成の電池の閾値電圧に達すると、電力は円滑に遷移され、電池および大容量キャパシタの両方によって供給される。
【0041】
約50%のモータ速度の時点およびそれ以上では、大容量キャパシタ電圧は増加する。大容量キャパシタ上の電圧を増加させる厳密な方法は、特定の実施形態および応用例に依存する。一般にキャパシタは、直列構成(図3〜7に示される)に構成された電池から、または回生制動を含む他の供給源によってプリチャージされる。大容量キャパシタ電圧が電池電圧より低いときは、電池がすべての電力を供給する。たとえばハイブリッド自動車では、電池だけを用いた通常のプリチャージ回路と比較して大容量キャパシタを再充電する時間を短くするために、エンジン出力と、駆動部を回生モードに構成することの組合せを用いることができる。大部分の時間、駆動部は低速度で動作すると考えられ、したがって最大限の出力時の、この特定の遷移の頻度はごく小さい。代替の制御技法は、駆動部が通常、高い速度および出力範囲で動作する幹線道路モードタイプの動作時に、制御が電池を直列構成にさせる、自動的なコンピュータ制御のアルゴリズムをもつことである。所定の条件の後でのみ、すなわち駆動部が所与の時間または距離について再び低速動作で動作するときに、自動制御は、次に車両が静止する時点で電池を切り換えて並列構成に戻すようになる。
【0042】
図8は、モータ速度が約50%のときに電池を並列構成から直列構成に切り換えるシステムを示しているが、ここで述べられたシステムは、非限定的に、車両速度、モータトルク、モータ速度、およびその他の入力など、システムから受け取られた複数の入力を使用して、電池を並列モードから直列モードに再構成することになることが理解されるべきである。したがって図8は例示的実施形態であり、電池は、50%のモータ速度より上で、または50%のモータ速度より下で、並列から直列に、または直列から並列に切り換え得ることが理解されるべきである。
【0043】
本明細書では、加速のための高出力および長い勾配を上るための高エネルギーを必要とする電気および/またはハイブリッド自動車に使用することができる、複数のエネルギー蓄積システムについて述べた。本明細書の用語によれば、ハイブリッド自動車は、車両に推進力を供給するために電気モータと熱機関の組合せを使用する車両を表す。さらに本明細書の用語によれば、電気自動車は、モータと複数の電池を含み、電池が車両を動作させるための推進力を供給する車両を表す。
【0044】
システムは、高電力密度大容量キャパシタと、高エネルギー密度を有する高エネルギー蓄電池の組合せを含む。大容量キャパシタは、市街地におけるのろのろ運転時の初期加速および減速用、および追い越し操作時の電力の短いバースト用に、十分な電力を供給するように大きさが選ばれる。さらに、比較的低コストの大容量キャパシタの電子回路インターフェースにより、特定の期間、電池を大容量キャパシタから減結合することが可能となり、したがって回生エネルギー捕捉時の、大容量キャパシタの理想的な蓄積エネルギーのうちの高い割合が利用される。この蓄積エネルギーは、その後の加速時に用いられ、したがって燃料を節約し、走行距離を伸ばす。本明細書で述べたシステムはまた、低速の市街地運転と高速の幹線道路運転の両方で効率的に動作させるように、トラクション駆動部の入力電圧を整合することを可能にする。
【0045】
したがって、本明細書で述べたシステムは、比較的高価なDC−DCコンバータが不要な、低コストの大容量キャパシタ/電池インターフェース装置の実現を容易にする。システムはロバストであり、信頼性があり、電池切り換え事象の間の円滑な遷移を実現する。固体電池切り換え回路、(コンタクタが用いられる場合)コンタクタは、大きな過渡電流ストレスを受けない。システム制御は、単純な電圧、モータ速度フィードバックセンサ、および/またはトルクコマンド信号に基づく。大容量キャパシタインターフェースは、知られているインターフェース技法と比較して、向上されたエネルギー蓄積の利用を実現する。低速の市街地運転タイプのサイクルは、主として大容量キャパシタを用いて行われ、したがって電池寿命を増強する。高電力密度大容量キャパシタ構成要素は、高いサイクル効率を示す。大容量キャパシタは、実質的にDCリンク上にあり、DC−DCコンバータ損失を無くすのを容易にする。大容量キャパシタと電池の組合せは、低速および高速動作の両方で長い上り坂または下り坂の勾配で使用することができる、十分なエネルギー蓄積を実現する。さらにシステムは、特にDCリンクが、高速高出力動作と比較して定格電圧の約50%で動作する低モータ速度動作時に、全体的なシステム、すなわち大容量キャパシタ、電池、および/またはトラクション駆動部の改善されたサイクル効率を実現する。
【0046】
以上、様々な特定の実施形態に関して本発明を説明したが、当業者には特許請求の範囲の趣旨および範囲内での変更によって本発明を実施することができることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来技術の電気推進システムを示す図である。
【図2】従来技術のエネルギー蓄積システムを示す図である。
【図3】例示の電池切り換え回路を含む、電池負荷平準化システムを示す図である。
【図4】図3に示される電池負荷平準化システムに用いることができる、例示の電池切り換え回路を示す図である。
【図5】図3に示される電池負荷平準化システムに用いることができる、例示の電池切り換え回路を示す図である。
【図6】図3に示される電池負荷平準化システムに用いることができる、例示の電池切り換え回路を示す図である。
【図7】図3に示される電池負荷平準化システムに用いることができる、例示の電池切り換え回路を示す図である。
【図8】図3に示されるシステムの動作時のグラフである。
【符号の説明】
【0048】
10 電気推進システム
12 電池
14 (DC)コンタクタ
16 DC−ACインバータ
18 DCリンク
20 ACモータ
30 エネルギー蓄積システム
32 電池
34 大容量キャパシタ
36 電子回路インターフェース
40 ダイオード
42 シリコン制御整流器
44 電気モータ
46 トラクション駆動部
100 電池負荷平準化システム
102 第1の電池
104 第2の電池
106 負荷
110 電池切り換え回路
112 母線
114 負母線
116 パワーエレクトロニクス回路
118 DC−ACインバータ
120 コンタクタ
122 第2のコンタクタ
124 第3のコンタクタ
130 メインコンタクタ
132 プリチャージ回路
140 大容量キャパシタ
142 導通装置
144 電流制限スイッチ
146 第1の抵抗器
148 第2の抵抗器
150 半導体スイッチ
160 エネルギー蓄積システムコントローラ
162 電圧センサ
200 システム
210 回路
212 第1のコンタクタ
214 第2のコンタクタ
215 機械的インターロック
216 第3のコンタクタ
218 第4のコンタクタ
230 第1のプリチャージ回路
232 第2のプリチャージ回路
234 第3のプリチャージ回路
300 システム
310 電池切り換え回路
312 ダイオード
314 ダイオード
400 システム
410 電池切り換え回路
412 SCR
414 SCR
422 ダイオード
426 ダイオード
430 ヒューズ
432 ヒューズ
500 システム
510 回路
512 SCR
514 SCR
530 ヒューズ
532 ヒューズ
540 第1のコンタクタ
542 第2のコンタクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池が断続的大電流負荷を受ける、電気動力システム用の電池負荷平準化システムであって、第1の電池と、第2の電池と、前記第1および第2の電池に結合された負荷とを含み、前記システムは、
受動蓄積素子と、
前記受動蓄積素子と直列電気回路にて結合され、前記受動蓄積素子から前記負荷へ電流を導通するように極性付けられた単方向導通装置であって、前記直列電気回路は、前記電池端子電圧が前記受動蓄積素子上の電圧より低いときに、前記受動蓄積素子が前記負荷へ電流を供給するように前記電池と並列に結合される、単方向導通装置と、
前記第1および第2の電池を低電圧並列構成または高電圧直列構成に接続する、電池切り換え回路と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記電池切り換え回路を前記受動蓄積素子から断路するように構成された断路器をさらに備える、請求項1記載の電池負荷平準化システム。
【請求項3】
前記受動蓄積素子の電圧と、前記負荷からの電力流の方向および大きさに基づいて、前記断路器を選択的に動作させるためのコントローラをさらに備える、請求項2記載の電池負荷平準化システム。
【請求項4】
前記電池切り換え回路が、第1のコンタクタ、第2のコンタクタ、および第3のコンタクタを備え、前記第1および第2のコンタクタは前記第1および第2の電池を低電圧並列構成に接続するように動作可能であり、前記第3のコンタクタは前記第1および第2の電池を高電圧直列構成に接続するように動作可能である、請求項1記載の電池負荷平準化システム。
【請求項5】
前記第1のコンタクタと直列に結合された第4のコンタクタと、
前記第1および第4のコンタクタをほぼ同時に作動させるための、第1の装置と、
前記第2および第3のコンタクタをほぼ同時に作動させるための、第2の装置と
をさらに備える、請求項4記載の電池負荷平準化システム。
【請求項6】
前記第2の装置が、前記第1および第4のコンタクタと前記第2および第3のコンタクタの間に結合された機械的インターロックを備え、前記機械的インターロックは、短絡の防止を容易にするために、前記第1および第4のコンタクタを開路し、ほぼ同時に前記第2および第3のコンタクタを閉路するように構成される、請求項5記載の電池負荷平準化システム。
【請求項7】
溶着された接点を含む障害の場合に、前記第1および第2の電池を並列構成から直列構成に切り換えるのを防止するように構成された機械的インターロックをさらに備える、請求項5記載の電池負荷平準化システム。
【請求項8】
前記第1の電池と直列に結合された第1のダイオードと、前記第2の電池と直列に結合された第2のダイオードをさらに備え、それにより電力が前記第1および第2の電池から前記負荷へ流れるとき、前記第1および第2の電池が低電圧並列モードに構成されるようになる、請求項1記載の電池負荷平準化システム。
【請求項9】
前記負荷からの両方向の電力の流れすなわち電流の流れに対して、前記第1および第2の電池を高電圧直列モードに電気的に接続する、断路器をさらに備える、請求項8記載の電池負荷平準化システム。
【請求項10】
前記断路器が、逆並列のシリコン制御整流器を用いて実装される、請求項9記載の電池負荷平準化システム。
【請求項11】
前記断路器が、固体スイッチを用いて実装される、請求項9記載の電池負荷平準化システム。
【請求項12】
前記第1および第2の電池が、それぞれ摂氏260°より高い温度で動作可能なナトリウム塩化ニッケル電池およびナトリウム硫黄電池のうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載の電池負荷平準化システム。
【請求項13】
電気的分離を可能にし、低温または凍結状態にあるときに前記第1および第2の電池を通ってリーク電流が流れるのを防止するために、前記第1および第2の電池のそれぞれの1つまたは両方の端子と直列に結合された少なくとも1つの断路器をさらに備える、請求項12記載の電池負荷平準化システム。
【請求項14】
前記電池切り換え回路に結合されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、モータ速度、トルクコマンド、受動蓄積素子電圧、および電池ユニット電圧のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1および第2の電池を低電圧並列構成または高電圧直列構成に接続するように構成される、請求項1記載の電池負荷平準化システム。
【請求項15】
外部電力源を用いて前記受動蓄積素子を充電するように構成されたプリチャージ回路をさらに備える、請求項1記載の電池負荷平準化システム。
【請求項16】
前記外部電力源が、負荷からの回生電力を受け取るように構成された駆動部を有する電気回路を通して、前記受動蓄積素子を充電するハイブリッド自動車エンジンを備える、請求項15記載の電池負荷平準化システム。
【請求項17】
前記プリチャージ回路が、半導体スイッチを用いて、負荷からの回生電力を受け取るように構成される、請求項15記載の電池負荷平準化システム。
【請求項18】
前記外部電力源は、前記第1および第2の電池を備え、前記電池切り換え回路は、前記第1および第2の電池を低電圧並列構成または高電圧直列構成に結合するように構成される、請求項15記載の電池負荷平準化システム。
【請求項19】
前記半導体スイッチが、シリコン制御整流器、バイポーラトランジスタ、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、およびゲートターンオフサイリスタ(GTO)のうちの少なくとも1つを備える、請求項17記載の電池負荷平準化システム。
【請求項20】
前記第1および第2の電池が、ナトリウム塩化ニッケル電池、ナトリウム硫黄電池、燃料電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、および鉛蓄電池のうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載の電池負荷平準化システム。
【請求項21】
前記単方向導通装置がダイオードを含む、請求項1記載の電池負荷平準化システム。
【請求項22】
電気自動車であって、
第1の電池と、
第2の電池と、
前記第1および第2の電池に結合された負荷であって、前記第1および第2の電池は、車両を移動するための推進力を供給するように構成される、負荷と、
電池負荷平準化システムであって、
受動蓄積素子と、
前記受動蓄積素子と直列電気回路にて結合され、前記受動蓄積素子から前記負荷へ電流を導通するように極性付けられた単方向導通装置とを含み、前記直列電気回路は、前記第1および第2の電池の少なくとも1つの電池端子電圧が前記受動蓄積素子上の電圧より低いときに、前記受動蓄積素子が前記負荷へ電流を供給するように、前記第1および第2の電池の少なくとも1つと並列に結合される、電池負荷平準化システムと、
前記第1および第2の電池を低電圧並列構成または高電圧直列構成に接続する、電池切り換え回路と
を備える電気自動車。
【請求項23】
ハイブリッド自動車であって、
第1の電池と、
第2の電池と、
前記第1および第2の電池に結合された負荷と、
電池負荷平準化システムであって、
受動蓄積素子と、
前記受動蓄積素子と直列電気回路にて結合され、前記受動蓄積素子から前記負荷へ電流を導通するように極性付けられた単方向導通装置とを含み、前記直列電気回路は、前記第1および第2の電池の少なくとも1つの電池端子電圧が前記受動蓄積素子上の電圧より低いときに、前記受動蓄積素子が前記負荷へ電流を供給するように、前記第1および第2の電池の少なくとも1つと並列に結合される、電池負荷平準化システムと、
前記第1および第2の電池を低電圧並列構成または高電圧直列構成に接続する、電池切り換え回路と
を備えるハイブリッド自動車。
【請求項24】
電池が断続的大電流負荷を受ける電気動力システム用の電池負荷平準化システムを組み立てる方法であって、前記システムは、第1の電池と、第2の電池と、前記第1および第2の電池に結合された負荷とを含み、前記方法は、
単方向導通装置が受動蓄積素子から負荷へ電流を導通するように極性付けられるように、前記単方向導通装置を前記受動蓄積素子と直列電気回路にて結合するステップと、
前記電池端子電圧が前記受動蓄積素子上の電圧より低いときに、前記受動蓄積素子が前記負荷へ電流を供給するように、前記直列電気回路を前記第1および第2の電池と並列に結合するステップと、
前記第1および第2の電池を低電圧並列構成または高電圧直列構成に接続するための電池切り換え回路を使用するステップと
を含む方法。
【請求項25】
前記電池切り換え回路と前記受動蓄積素子の間に、断路器を結合するステップをさらに含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記断路器にコントローラを結合するステップをさらに含み、前記コントローラは、前記受動蓄積素子の電圧、および前記負荷からの電力の流れの方向および大きさに基づいて前記断路器を選択的に動作させるように構成される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記電池切り換え回路が、第1のコンタクタと、第2のコンタクタと、第3のコンタクタを含み、前記方法は、前記第1および第2のコンタクタを前記第1および第2の電池に結合するステップをさらに含み、それにより前記第1および第2のコンタクタは前記第1および第2の電池を低電圧並列構成に結合するのを容易にするようになり、かつ前記第3のコンタクタは前記第1および第2の電池を高電圧直列構成に結合するのを容易にするようになる、請求項24記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−523000(P2009−523000A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549486(P2008−549486)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/048133
【国際公開番号】WO2007/081495
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】