説明

電気光学装置の駆動装置、電気光学装置及び電子機器

【課題】電気光学装置において、高品位なカラー立体画像を表示可能な電気光学装置及び電子機器を提供することを課題とする。
【解決手段】駆動装置は、走査線(3a)、データ線(6a)及び画素部(14)を備える第1電気光学パネル(1)と、第1電気光学パネルからの出射光の偏光軸を切り替える偏光軸切り替え手段(1114b)とを備える電気光学装置を駆動する。該駆動装置は、走査線を介して走査信号を供給する走査信号供給手段(104)と、データ線を介して、フィールド期間毎に第1画像及び第2画像の一方に対応する画像信号を画素部に供給する画像信号供給手段(101)とを備える。第1画像に対応する画像信号が供給されるフィールド期間と、第2画像に対応する画像信号が供給されるフィールド期間とは、夫々、時間軸上において複数のサブフィールド期間に分割されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影画像を観測者に立体的に認識させることが可能な電気光学装置及び電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン上に画像投影する電気光学装置の例として、観察者の左右の目に対応する別々の画像を交互に表示することにより、観測者に投影画像を立体的に認識させるものがある。この種の電気光学装置の一つの原理方式として、互いに直交する偏光軸を有する2種類の画像を交互に投影しつつ、夫々の画像に対応する偏光方向を有する偏光板を左右に配置することにより構成された偏光メガネを装着した観測者が、投影画像を観察するものがある。この方式によれば、観測者が左右の目に夫々取り込んだ画像を脳内で合成することにより、投影画像を立体的に認識することができる。
【0003】
例えば特許文献1では、R(赤色)、G(緑色)及びB(青色)に対応する3枚の液晶パネルの各々に偏光切り替え素子を設けることによって、立体画像をカラー表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7―270780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
投影画像の画質を向上させるための手段として、電気光学装置の画像表示領域に配線された複数の走査線に対して走査信号を供給する速度を向上させることによって(即ち、フィールド周波数を高速化することによって)、単位時間当たりに表示可能な画像のコマ数を増加させることが考えられる。しかしながら、走査信号の供給速度は走査線駆動回路等に含まれる部品や素子の性能に依存するため、現実として限界がある。また、走査速度が向上すると、その分、各画素部に供給される画像信号の容量も増加するため、画像信号の入出力を行うための画像信号供給回路等にも同様に負担を強いることとなる。特に、立体画像を投影可能な電気光学装置の場合、観測者の左右の目に対応する2種類の画像を表示する必要があるため、単に平面的な画像を投影する場合に比べて、画像信号の量が急増するため、これらの問題点はより一層深刻なものとなる。
【0006】
本発明は例えば上記問題点等に鑑みてなされたものであり、高品位なカラー立体画像を表示可能な電気光学装置及び電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電気光学装置の駆動装置は上記課題を解決するために、画像表示領域に相交差して配線された複数の走査線及び複数のデータ線並びに該複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して配列された複数の画素部を備える第1電気光学パネルと、該第1電気光学パネルからの出射光の偏光軸を切り替えることにより、互いに交差する偏光軸を有する第1画像及び第2画像に対応する透過光を射出する偏光軸切り替え手段とを備える電気光学装置の駆動装置であって、前記複数の走査線を介して、走査信号を供給する走査信号供給手段と、前記複数のデータ線を介して、フィールド期間毎に第1画像及び第2画像の一方に対応する画像信号を前記複数の画素部に供給する画像信号供給手段とを備え、前記第1画像に対応する画像信号が供給される第1フィールド期間及び前記第2画像に対応する画像信号が供給される第2フィールド期間は、夫々、時間軸上において複数のサブフィールド期間に分割されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る駆動装置によって駆動される電気光学装置は、第1電気光学パネルと偏光軸切り替え手段とを備え、互いに交差する偏光軸を有する2種類の画像を交互に投影することが可能である。この投影された2種類の画像を、例えば左右の目の位置に対応するカメラで撮影した画像など、観察者の左右の目で視認される2種類の画像としておけば、夫々の画像に対応する偏光板を左右に配置して構成された偏光メガネを装着した観測者によって観察されることにより、立体的に認識することができる。尚、電気光学装置によって表示される画像は、静止画及び動画を問わない。互いに交差する二つの偏光軸は、典型的には若しくは理想的には直交するが、立体表示に悪影響が及ばない程度であれば、直交からずれてもかまわない。
【0009】
第1電気光学パネルは、例えば基板間に液晶層が挟持された液晶パネルである。第1電気光学パネルは、本発明に係る電気光学装置の駆動装置によって、その動作時において、例えば電源信号、データ信号、制御信号等の各種信号が入出力されると、基板上に作り込まれた走査線駆動回路等を含む走査信号供給手段によって、走査信号が複数の走査線を介して画素部に供給される。これと並行して、例えば、同じ基板上に作り込まれたデータ線駆動回路やサンプリング回路等を含む画像信号供給手段によって、画像信号が複数のデータ線を介して、画素部に同時に又は逐次に供給される。このように第1電気光学パネルは、各種の制御信号が入出力されることにより、画像表示領域から表示画像に対応する表示光を射出する。
【0010】
このような第1電気光学パネルの画像表示は、例えば、画像表示領域にマトリクス状に配列された画素部の各々に画素スイッチング用TFTが備えられることによって行われるアクティブマトリクス駆動によって実現される。この場合、画素スイッチング用TFTのゲート端子に走査信号が印加されると、データ線から供給される画像信号が、画素スイッチング用TFTのソースドレインを介して、画素部を構成する画素電極に書き込まれる。その結果、画素部を構成する画素電極と対向電極間との間に画像信号に対応する駆動電圧が印加され、液晶の配向状態等の電気光学物質の動作状態を変えることができる。
【0011】
第1画像及び第2画像は、電気光学装置が備える偏光軸切り替え手段によって、第1電気光学パネルからの出射光の偏光軸を、互いに交差する方向に所定のタイミングで切り替えることにより表示することができる。偏光軸切り替え手段は、例えばTN(Twisted Nematic)液晶を基板間に挟持した液晶パネルなどの電気光学パネルの一種として形成してもよい。
【0012】
画像信号供給手段は、複数のデータ線を介して、フィールド期間毎に第1画像及び第2画像の一方に対応する画像信号を複数の画素部に供給する。つまり、各フィールド期間においては、第1画像又は第2画像の一方が電気光学装置の画像表示領域に表示される。
【0013】
本発明では特に、第1画像に対応する画像信号が供給される第1フィールド期間及び第2画像に対応する画像信号が供給される第2フィールド期間は、夫々、時間軸上において連続する複数のサブフィールド期間に分割されている。つまり、第1及び第2画像に対応する画像信号は、夫々、少なくとも2つ以上連続する複数のサブフィールド期間に渡って供給される。画像信号をこのように供給することで、第1及び第2画像を互いに切り替える際に要する、電気光学装置の偏光軸切り替え手段の切り替え動作等の回数を軽減することができる。その結果、第1及び第2画像を互いに切り替える際に関係する種々の駆動回路の負担を軽減することができるため、実質的にフィールド周波数の高速化を図ることできる。つまり、表示する画像の種類は同じでも、駆動回路にかかる負担が軽い分、実質的にフィールド周波数をより高く設定することができる。そのため、単位時間あたりに表示可能な画像のコマ数を増加させることにより、表示画像の品位を高めることができる。また単位時間あたりに表示可能なコマ数を増加することにより、各表示コマ間の画像変化を少なくすることができるため、表示画像のフリッカの軽減にも貢献することができる。言い換えれば、表示コマ数を多くすることにより、各表示コマ間の変化が滑らかにすることができるので、フリッカを軽減することができる。特にコマ毎に表示画像が逐次変化する動画を表示する場合には、表示映像の動きをより滑らかにすることができる。
【0014】
以上説明したように、本発明に係る駆動装置によれば、第1電気光学パネルの走査速度を向上させることにより、投影画像の高品位化を効果的に図ることができる。
【0015】
本発明の電気光学装置の駆動装置の一の態様では、前記複数のサブフィールド期間において、前記走査信号供給手段によって前記走査信号が供給される前記走査線の本数が互いに異なることを特徴とする。
【0016】
この態様によれば、サブフィールド期間毎に走査信号が供給される走査線の本数を揃える必要がないので、例えば、特定のサブフィールド期間においては走査信号を供給する走査線の本数を減らすことにより、フィールド周波数を実質的に高速化することが可能となる。その結果、表示画像におけるフリッカの発生をより効果的に抑制することができ、より高品位な画像を表示することが可能となる。
【0017】
本発明の電気光学装置の駆動装置の他の態様では、前記第1フィールド期間及び前記第2フィールド期間の一方に対応する前記複数のサブフィールド期間は、第1サブフィールド期間及び前記第1サブフィールド期間より時間的に遅れて設けられる第2サブフィールド期間を含んでなり、前記走査信号供給手段は、前記第2サブフィールド期間において前記走査信号が供給される走査線の本数が、前記第1サブフィールド期間の1/2になるように、前記走査線に対して前記走査信号を供給すると共に、前記第1サブフィールド期間において複数本の前記走査線に対して同時に走査信号を供給することを特徴とする。
【0018】
この態様では、第1フィールド期間及び前記第2フィールド期間の一方が時間軸上で分割されてなる複数のサブフィールド期間は、第1サブフィールド期間と、第1サブフィールド期間より時間的に遅れて設けられる第2サブフィールド期間を含んでなる。つまり、第1サブフィールド期間及び第2サブフィールド期間では、共に第1画像及び第2画像のどちらか一方に対応する画像信号が供給され、且つ、第2サブフィールド期間は時間的に第1サブフィールド期間よりも遅れた時間範囲に設けられる。
【0019】
走査信号供給手段は、第2サブフィールド期間において走査信号が供給される走査線の本数が、第1サブフィールド期間の1/2になるように、走査線に対して走査信号を供給する。例えば本発明に係る電気光学装置が合計m(mは2以上の自然数)本の走査線を備えている場合、走査信号供給手段は、第1サブフィールド期間ではm本全ての走査線に対して走査信号を供給する一方で、第2サブフィールド期間ではm/2本の走査線に対してのみ走査信号を供給する。
【0020】
ここで、本発明における「1/2になるように」とは、本発明に係る電気光学装置が備える走査線の合計本数が奇数であるなどの事情によって、第2サブフィールド期間において走査すべき走査線の本数が自然数以外の値として算出された場合には、その算出値に近い自然数に対応する本数の走査線を走査する趣旨である。例えば、第1サブフィールド期間において走査される走査線の本数が奇数である場合には、その奇数値に「1」を加算又は減算した上で1/2を乗算することによって、第2サブフィールド期間において走査信号が供給される走査線の本数を算出してもよい。
【0021】
第2サブフィールド期間では、第1サブフィールド期間に比べて、1/2の本数の走査線に対してのみ走査信号が供給されることによって、画像が表示される。そのため、第1サブフィールド期間に比べて走査信号を供給するために要する時間が短く済む(単純に考えれば、半分で済む)。このように第2サブフィールド期間において、第1サブフィールド期間に比べて、走査信号を供給する走査線の数を制限することによって、時間軸上におけるサブフィールド期間の長さを効果的に短縮することができる。その結果、実質的にフィールド周波数の高速化が可能になり、表示画像の高品位化を図ることができる。
【0022】
尚、第2サブフィールド期間では第1サブフィールド期間に比べて一部(即ち、半分)の走査線に対してのみ走査信号を供給しているため、第1サブフィールド期間において表示される画像に比べて、第2サブフィールド期間において表示される画像は解像度が低くなるとも考えられる。しかしながら、第1電気光学パネルの画素部は保持特性を有することから、第1サブフィールド期間において供給された画像信号は、第2サブフィールド期間までの間に走査信号が新たに供給されない限り、そのまま保持されることとなる。このように、画素部の保持特性によって、後の第2サブフィールド期間において解像度のより低い画像を書き込んだとしても、その前のサブフィールド期間(例えば第1サブフィールド期間)において表示された画像に対して上書きされた画像として表示されることとなるので、最終的な表示画像の解像度が著しく低下しなくて済む。つまり走査信号が供給される走査線の本数の少ない第2サブフィールド期間において新たに表示された画像は、第1サブフィールド期間を含む、それ以前に表示された画像に対して上書きされて表示されるので、結果的により解像度の高い画像を表示させることが可能になる。言い換えれば、第2サブフィールド期間において新たに書き込まれる画像そのものの解像度は低いものの、それ以前の第1サブフィールド期間を含むサブフィールド期間において予め表示された画像に対して上書きすることによって、結果的に解像度の高い画像を表示することができる。
【0023】
また、走査信号供給手段は、第1サブフィールド期間において複数本の走査線に対して同時に走査信号を供給する。つまり、第1サブフィールド期間では、複数本の走査線に対して同時に走査信号を供給することによって、走査信号を供給するために要する時間(即ち第1サブフィールド期間の長さ)を短縮することができ、実質的にフィールド周波数の高速化を更に図ることができる。
【0024】
但し、同時に複数本の走査線に対し走査信号が供給されるため、複数の画素部に同一の画像信号が供給されることとなり、表示画像の解像度が低下する。しかしながら、画像の解像度が下がったとしても、それ以上にフィールド周波数が向上することによって得られるメリットが大きいため、問題とならない。また、上述のように、第1電気向学パネルの画素部は保持特性を有しているため、解像度の低い画像が順次上書きされることによって、結果的に解像度の高い画像を表示することが可能となる。
【0025】
以上説明したように、本態様に係る電気光学装置の駆動装置によれば、フィールド周波数の高速化と表示画像の解像度の確保を両立することができ、高品位な立体画像を表示することができる。
【0026】
本発明の電気光学装置の駆動装置の他の態様では、前記連続して繰り返される第1フィールド期間と、前記連続して繰り返される第2フィールド期間との間に、前記画像信号供給手段が黒表示に対応する画像信号を供給する第3フィールド期間を有する。
【0027】
前述したように偏光軸切り替え手段は、左目用の画像と右目用の画像とを、偏光メガネを装着した観測者の左右の目に別々に認識させるために、互いに交差するように偏光軸を切り替える。ここで、偏光軸切り替え手段が、例えば、液晶などの電気光学物質を基板間に挟持した電気光学パネルとして形成されている場合、変更軸の切り替えは、例えば表示光が透過する透過領域における走査線を順次走査することによって行われるため、透過領域を走査し終えるまでに有限の時間を要する。ここで、偏光軸切り替え手段の切り替え動作の途中(即ち、例えば透過領域における走査線を順次走査している最中)では、透過領域の一部は右目用の偏光状態になっているものの、他の一部は左目用の偏光状態になっている状況が生じ得る。そのため、このような状態で偏光軸補正手段からの出射光が偏光軸切り替え手段に入射されると、本来、右目用の画像となるべき画像に左目用の画像が混入するなど、左目用の画像と右目用の画像とが混在してしまい、投影画像の画質が低下したり、混在の程度がひどい場合には、観測者が画像を立体的に認識することが困難になってしまう。
【0028】
本態様に係る駆動装置では、第1画像が表示される第1フィールド期間と、第2画像が表示される第2フィールド期間とを切り替える際に、弟1フィールド期間及び第2フィールド期間の間に黒表示をするための第3フィールド期間を設けている。このように第3フィールド期間を設けることにより、上述した左右の画像の混在による画質の低下を効果的に防止することができる。つまり、上述したような左右の画像の混在が生じるおそれのある偏光軸切り替え手段の切り替え動作の途中を含む期間である第3フィールド期間において、複数の第1電気光学パネルに黒表示を行わせることにより、仮に左右の画像の混在が生じたとしても画質の低下として観測者が認識することはない。即ち、左右の画像を切り替えるタイミングで黒を表示することによって、左目用の画像と右目用の画像とを明確に区別することが可能となる。その結果、より高品位な立体画像を表示可能な電気光学装置の駆動装置を実現することができる。
【0029】
本発明の電気光学装置の駆動装置の他の態様では、前記走査信号供給手段は、前記第1電気光学パネルにおける表示画像の更新タイミングと、前記偏光軸切り替え手段が表示光の偏光軸を切り替えるタイミングとが同期するように、前記走査信号を供給する。
【0030】
この態様によれば、駆動装置によって駆動される電気光学装置が備える偏光軸切り替え手段は、例えばTN液晶を基板間に挟持した液晶パネルなどの電気光学パネルである。この場合、第1液晶パネルと同様に、例えば、画素スイッチング用のトランジスタ、データ線、走査線及び画素電極等が形成された素子基板と、対向電極が形成された対向基板との間に、液晶などの電気光学物質を挟持することによって構成することができる。この場合、第1及び第2画像が混同されないように、適切なタイミングで偏光軸切り替え手段としての第2電気光学パネルを第1電気光学パネルと同期制御することで、高品位な立体画像を表示することができる。このような同期制御は、例えば第1及び第2電気光学パネルで、共通のクロック信号及び共通のトリガ信号を用いれば、容易に実現することができる。
【0031】
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置の駆動装置(但し、その各種態様を含む)を具備してなる。
【0032】
本発明の電気光学装置によれば、上述した本発明に係る駆動装置を具備しているので、フィールド周波数の高速化が可能となり、高品位な立体画像を表示することが可能である。
【0033】
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
【0034】
本発明の電子機器によれば、上述した電気光学装置を具備してなるので、高品質な立体画像の表示を行うことが可能な投射型の液晶プロジェクタ等の各種電子機器を実現できる。
【0035】
本発明に係る電気光学装置の駆動方法は上記課題を解決するために、画像表示領域に相交差して配線された複数の走査線及び複数のデータ線並びに該複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して配列された複数の画素部を備える第1電気光学パネルと、該第1電気光学パネルからの出射光の偏光軸を切り替えることにより、互いに交差する偏光軸を有する第1画像及び第2画像に対応する透過光を射出する偏光軸切り替え手段とを備える電気光学装置の駆動方法であって、前記複数の走査線を介して、走査信号を供給する走査信号供給工程と、前記複数のデータ線を介して、フィールド期間毎に第1画像及び第2画像の一方に対応する画像信号を前記複数の画素部に供給する画像信号供給工程とを備え、前記第1画像に対応する画像信号が供給される第1フィールド期間及び前記第2画像に対応する画像信号が供給される第2フィールド期間は、夫々、時間軸上において複数のサブフィールド期間に分割されていることを特徴とする。
【0036】
本発明に係る駆動方法によれば、上述した本発明に係る駆動装置の場合と同様に、実質的にフィールド周波数の高速化が可能となり、高品位な立体画像を表示することが可能となる。
【0037】
尚、本発明に係る駆動方法においても、上述した本発明に係る駆動装置と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0038】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態に係る液晶プロジェクタの全体構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本実施形態に係る液晶プロジェクタの偏光切替えユニットを透過する各段階における、クロスプリズムからの出射光が有する偏光軸を模式的に示す概念図である。
【図3】本実施形態に係る液晶プロジェクタによる投影画像を、観測者が観測する際に使用する偏光メガネの使用形態を表わす模式図である。
【図4】本実施形態に係る液晶プロジェクタの液晶ライトバルブに格納された液晶パネルの構成を示す平面図である。
【図5】図4のH−H´断面図である。
【図6】本実施形態に係る液晶プロジェクタの液晶ライトバルブに格納された液晶パネルの概略構成を示すブロック図である。
【図7】本実施形態における液晶プロジェクタの偏光軸切り替えパネルの透過領域における立体的な構成を表す斜視図である。
【図8】本実施形態に係る液晶プロジェクタの偏光軸切り替えパネルの概略構成を示すブロック図である。
【図9】本実施形態に係る液晶プロジェクタの動作に関して、液晶パネル及び偏光軸切り替えパネルに入出力される各制御信号のタイミングチャートである。
【図10】変形例に係る液晶プロジェクタの動作に関して、液晶パネル及び偏光軸切り替えパネルに入出力される各制御信号のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明に係る電気光学装置を適用した電子機器の一例である投影型の液晶プロジェクタを例に説明する。
<液晶プロジェクタの構成>
先ず、本実施形態に係る液晶プロジェクタの全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る液晶プロジェクタの全体構成を模式的に示す断面図である。
【0041】
図1において、本実施形態に係る液晶プロジェクタ1100は、RGB用の3枚の液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bを用いた複板式カラープロジェクタとして構築されている。液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bの各々は、液晶パネル1が液晶プロジェクタ1100の外壁に固定するための所定の保持ケースに格納されて構築されている。尚、液晶パネル1は、本発明における「第1電気光学パネル」の一例である。
【0042】
図1に示すように、液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から光源光が発せられると、2枚のミラー1106、2枚のダイクロイックミラー1108及び3つの偏光ビームスプリッタ(PBS)1113によって、光源光はRGBの3原色に対応する光成分R、G及びBに分けられる。各々の光成分は、対応する液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bに夫々導かれる。尚、この際、光路における光損失を防ぐために、光路の途中にレンズを適宜設けてもよい。そして、液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bにより夫々変調された3原色に対応する光成分は、クロスプリズム1112により単一の光束に合成された後、偏光軸切り替えユニット1114に入射する。
【0043】
偏光軸切り替えユニット1114は、本発明における「偏光軸補正手段」の一例たるカラーセレクトパネル1114aと、本発明における「偏光軸切り替え手段」の一例たる偏光軸切り替えパネル1114bとを含んで構成されている。偏光軸切り替えユニット1114を透過した出射光は、投影レンズ1115を透過した後、スクリーン1120にカラー映像として拡大投影される。
【0044】
本実施形態では、液晶ライトバルブ100R、100B及び100Gには、ダイクロイックミラー1108及び偏光ビームスプリッタ1113によって、RGBの各原色に対応する光成分が入射するので、RGB用の3枚の液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bの夫々にカラーフィルタを設ける必要はない。尚、偏光ビームスプリッタ1113を用いない場合には、逆に、RGB用の3枚の液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bの夫々にカラーフィルタを設けてもよい。
【0045】
液晶プロジェクタ1100は、左目用の画像と、右目用の画像とを所定のタイミングで交互にスクリーン1120に投影することにより、偏光メガネを装着した観察者が、投影画像を立体的に認識できるように構成されている。尚、左目用の画像及び右目用の画像を切り替えるタイミングや、観測者が装着する偏光メガネの具体的な態様については、後述する。
【0046】
ここで、図2を参照して、偏光軸切り替えユニット1114を透過する各段階における、クロスプリズム1112からの出射光の偏光軸について、具体的に説明する。図2は、偏光切替えユニット1114を透過する各段階における、クロスプリズム1112からの出射光が有する偏光軸を模式的に示す概念図である。
【0047】
クロスプリズム1112からの出射光は複数の液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bからの光成分が合成されている。本実施形態では、液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bのうち、液晶ライトバルブ100R及び100Bからの光成分は同じ方向(X方向)の偏光軸を有しているが、液晶ライトバルブ100Gからの光成分は、液晶ライトバルブ100R及び100Bからの光成分に対して90度異なる方向(Y方向)の偏光軸を有している。そのため、RGBの光成分が合成されたクロスプリズム1112からの出射光は、X方向及びY方向に偏光軸を有している。
【0048】
このように複数の方向に偏光軸を有するクロスプリズム1112からの出射光は、偏光軸切り替えユニット1114の一部として組み込まれているカラーセレクトパネル1114aを透過することによって、その偏光軸を一の方向に揃えることができる。このような偏光軸の統一は、特定の色に対応する光成分について、偏光軸の方向を所定の角度だけ変化させる特性を有するデバイスを、カラーセレクトパネル1114aとして用いることで実現することができる。カラーセレクトパネル1114aに適したデバイスとしては、例えば、カラーリンク社製の波長選択性偏光ローテーター・カラーセレクト(登録商標)が挙げられる。この製品は、特定の波長を有する光成分の偏光軸を、予め設定された所定の角度だけ変化させるという特性を有しており、カラーセレクトパネル1114aとして好適に機能する。
【0049】
本実施形態では、液晶ライトバルブ100Gからの光成分は、X方向の偏光軸を有する液晶ライトバルブ100R及び100Bの光成分に対して、90度ずれたY方向の偏光軸を有している。そのため、液晶ライトバルブ100Gからの光成分に対応する波長を有する光に対して、偏光軸を90度回転させる特性を有するデバイスを、カラーセレクトパネル1114aとして用いている。その結果、複数の偏光軸を有するクロスプリズム1112からの出射光は、カラーセレクトパネル1114aを透過することによって、その偏光軸を揃えることができる。上述の特許文献1では、RGBに対応する複数の液晶パネル100の各々に、偏光軸を揃えるための偏光切り替え素子を配置する必要があったが、本実施形態では一つのカラーセレクトパネル1114aを配置するのみで、偏光軸を揃えることが可能である。その結果、液晶プロジェクタ1100を構築するための部品の填数を少なく抑えることができ、製造コストの削減に貢献することができる。
【0050】
カラーセレクトパネル1114aからの出射光は、カラーセレクトパネル1114aと共に偏光軸切り替えユニット1114の一部を構成する偏光軸切り替えパネル1114bに入射する。偏光軸切り替えパネル1114bは、カラーセレクトパネル1114aからの出射光の偏光軸を互いに交差する方向(即ちX方向とY方向)に所定のタイミングで交互に切り替える。ここで、図2(a)及び(b)は、夫々左目用の画像及び右目用の画像に対応する表示光の偏光軸を模式的に示す概念図である。Y方向の偏光軸を有するカラーセレクトパネル1114aの出射光は、あるタイミングでは偏光切り替えパネル1114aを透過することによって偏光軸がX方向に切り換えられる(図2(a)参照)。また、別のタイミングでは、偏光軸はY方向のまま維持される(図2(b)参照)。このように偏光軸切り替えパネル1114bを制御することによって、互いに交差する方向の偏光軸を有する、左目用の画像と右目用の画像とに夫々対応した表示光を形成することが可能となる。
【0051】
続いて、前述の液晶プロジェクタ1100によってスクリーン1120に投影された映像を観測する際に、観測者が装着する偏光メガネについて説明する。ここで、図3は、本実施形態に係る液晶プロジェクタ1100による投影画像を、観測者が観測する際に使用する偏光メガネの使用形態を表わす模式図である。観測者は、図3に示す偏光メガネ2000を介してスクリーン1120に投影された画像を観測することによって、投影画像を立体的に認識することができる。
【0052】
偏光メガネ2000は、左目用レンズ2100と右目用レンズ2200とが、フレーム2300に固定されることによって構成されている。左目用レンズ2100は、左目用の画像の偏光軸と同じ方向の偏光方向(即ちX方向)を有する偏光板から形成されている。一方、右目用レンズ2200は、右目用の画像の偏光軸と同じ方向の偏光方向(即ちY方向)を有する偏光板から形成されている。その結果、左目用の画像に対応する表示光は偏光軸と同じ偏光方向を有する左目用レンズ2100を透過することができるが、偏光軸と異なる偏光方向を有する右目用レンズ2200は透過することができない。逆に右目用の画像に対応する表示光は、偏光軸と同じ偏光方向を有する右目用レンズ2200を透過することができるが、偏光軸と異なる偏光方向を有する左目用レンズ2100は透過することができない。
【0053】
このように、左目用レンズ2100及び右目用レンズ2200の透過光は、偏光メガネ2000を透過することによって、夫々、観測者の左目及び右目のみに入射することになる。その結果、偏光メガネ200を装着した観測者は、左目用の画像と右目用の画像とを夫々左右の目で別々に認識することができ、スクリーン1120に投影された画像を立体的に認識することが可能となる。
<液晶パネルの構成>
続いて、液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bに格納されている液晶パネル1の構造について図4及び図5を参照して説明する。図4は、本実施形態における液晶ライトバルブ100に格納された液晶パネル1の構成を示す平面図であり、図5は、図4のH−H´断面図である。
【0054】
図4及び図5に示すように、液晶パネル1において、TFTアレイ基板10は対向基板20と互いに対向するように配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0055】
図4において、シール材52の内側に並行して、遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。画像表示領域10aの周辺のうち、シール材52の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101、及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。サンプリング回路7は、この一辺に沿ったシール材52よりも内側に、額縁遮光膜53に覆われるように設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール材52の内側に、額縁遮光膜53に覆われるように設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐために、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿って、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。また、TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する位置に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができるように構成されている。
【0056】
TFTアレイ基板10上には、外部回路接続端子102と、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、上下導通端子106等とを電気的に接続するための引回配線90が形成されている。
【0057】
図5において、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aには、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。また、画像表示領域10aの周辺には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104及びサンプリング回路7を夫々構成する駆動回路用のTFTや引回配線90等が作りこまれた積層構造が形成される。
【0058】
TFTアレイ基板10に形成された画素電極9a上には、図不示の配向膜が形成されている。他方、対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上には、遮光性材料からなるブラックマトリクス23が形成されている。そして、ブラックマトリクス23上に、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aに対向するように形成されている。対向電極21上には図不示の配向膜が形成されている。また、本実施形態における液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0059】
尚、ここでは図示を省略しているが、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104の他に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路、検査用パターン等が形成されていてもよい。
【0060】
次に、図6を参照して、液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bに格納された液晶パネル1の電気的な構成について説明する。図6は、液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bに格納された液晶パネル1の概略構成を示すブロック図である。
【0061】
液晶パネル1は、画像表示領域10a、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104を含んで構成されている。表示光が射出される画像表示領域10aでは、液晶層50に対して駆動電圧をオンオフ制御することによって画像表示が行われる。画像表示領域10aには、n本(nは2以上の自然数)の走査線3aがX(行)方向に延在して形成され、m本(mは2以上の自然数)のデータ線6aがY(列)方向に沿って延在して形成されている。そして、走査線3aとデータ線6aとの各交差に対応して画素部14がマトリクス状に配列されている。
【0062】
コントローラ400は、クロック信号CLK、垂直走査信号VSYNC、水平走査信号HSYNC及び画像信号DATAを外部から取得する。そして、コントローラ400は、これらの取得した信号に基づいて、走査側スタートパルスDY、走査側転送クロックCLY、データ転送クロックCLX及び画像データ信号Dsとを生成する。走査側スタートパルスDYは、走査側(Y側)に対する走査の開始タイミングで出力されるパルス信号である。走査側転送クロックCLYは、走査側(Y側)の走査タイミングを規定するクロック信号である。データ転送クロックCLXは、データ線駆動回路101へデータを転送するタイミングを規定する信号である。画像データ信号Dsは、画像信号DATAに対応する電圧信号である。
【0063】
走査線駆動回路104は、コントローラ400から、走査側スタートパルスDY及び走査側転送クロックCLYを取得することにより、画像表示領域10aにおける走査線3aに対して走査信号G1、G2、G3、…、Gnを順次出力する。走査線駆動回路104は、例えばシフトレジスタから構成されており、コントローラ400から供給される走査側スタートパルスDYを走査側転送クロックCLYに従って、走査線3aを順次駆動、つまり線順次方式によって駆動する。尚、本実施形態では線順次方式で走査線3aを駆動する例を便宜上示しているが、他の駆動方式を用いて走査線を駆動してもよい。
【0064】
データ線駆動回路101は、コントローラ400から、データ転送クロックCLX及び画像データ信号Dsを取得し、画像表示領域10aのデータ線6aに対してデータ信号d1、d2、d3、…、dmを出力する。具体的には、データ線駆動回路101は、ある水平走査期間において画像データ信号Dsをデータ線6aの本数に相当するm個順次ラッチした後、ラッチしたm個の画像データ信号Dsを、次の水平走査期間において、それぞれ対応するデータ線6aにデータ信号d1、d2、d3、…、dmとして一斉に供給するものである。
<偏光軸切り替えパネルの構成>
次に、図7を参照して、本実施形態における偏光軸切り替えパネル1114bの構成について説明する。図7は、本実施形態における偏光軸切り替えパネル1114bの透過領域110aにおける構成を表す斜視図である。ここで、透過領域110aとは、カラーセレクトパネル1114aからの出射光が透過可能な領域である。
【0065】
偏光軸切り替えパネル1114bは、2枚の基板間に液晶層が挟持された構成を有している点において、液晶パネル1と共通の構造を有している。即ち、偏光軸切り替えパネル1114bもまた、液晶パネルの一種である。ここでは、偏光切替えパネル1114bの構造について、主に液晶パネル1と相違する点について主に説明する。
【0066】
偏光軸切り替えパネル1114bの透過領域110aにおいて、素子基板110及び対向基板120上には、夫々、走査電極109a及び対向電極121が形成されている。走査電極109aには、走査電極駆動ドライバ204が電気的に接続されることにより、その電位が制御される。図7では説明の便宜上の都合から走査電極109aの詳細な形状について図示を省略しているが、実際には、後述する図8に示すように、走査電極109aはX方向に延びた形状を有するn本の複数の電極に分割されており、走査電極駆動ドライバ204は、分割された夫々の走査電極109aについて電圧を印加することができる。対向電極121は対向基板120上にベタ状に形成されている。ここで、対向電極121には接地線170が電気的に接続されることにより、その電位が0Vに保持されている。尚、走査電極109a及び対向電極121は、例えばITO等の透明材料からなる。
【0067】
偏光軸切り替えパネル1114bの透過光の偏光軸は、素子基板110及び対向基板120間に挟持して封入された液晶層150の配向状態に依存する。液晶層150の配向状態は、素子基板110上に形成された走査電極109a及び対向基板120上に形成された対向電極121間の電位差によって生ずる電界によって制御される。
【0068】
液晶層150は、TN液晶を含んでなる。そのため、走査電極109a及び対向電極121間の電界がオフ状態の場合は、TN液晶分子の配向方向が、素子基板110側と対向基板120側とにおいて90度ねじれているため、偏向軸切り替えパネル1114bを透過する表示光の偏向軸は、90度変更されることとなる(図7(a)を参照)。一方、走査電極109a及び対向電極121間の電界がオン状態にある場合には、TN液晶分子の配向状態が基板間に生ずる電界によって変更されるので、偏向軸切り替えパネル1114bを透過した表示光の偏向軸は変更されない(図7(b)を参照)。
【0069】
尚、液晶層150を構成するTN液晶分子は駆動電圧に対する応答性が速いものが好ましい。仮に、応答性が遅いと透過光の偏向軸の切り替えタイミングを精度よく制御することが困難になるため、左目用の画像と右目用の画像との切り分け制度が低下し、画質が低下してしまうからである。
【0070】
続いて、図8を参照して、偏光軸切り替えパネル1114bの電気的な構成について説明する。図8は、偏光軸切り替えパネル1114bの概略構成を示すブロック図である。偏光軸切り替えパネル1114bは、透過領域110a及び走査電極駆動ドライバ204を含んで構成されている。
【0071】
偏光軸切り替えパネル1114bの切り替え動作は、コントローラ400によって制御される。ここで、コントローラ400は、図6において示した液晶パネル1におけるコントローラ400と共用するものである。
【0072】
偏光軸切り替えパネル1114bの透過領域110aには、n本(nは2以上の自然数)の走査電極13aがX(行)方向に延在して形成されている。走査電極109aの電位は、電気的に接続された走査電極駆動ドライバ204によって印加電圧値を制御可能である。この印加電圧値の具体的な制御については、後に詳述する。
【0073】
コントローラ400は、クロック信号CLK及び垂直走査信号VSYNCを取得し、走査側スタートパルスDY及び走査側転送クロックCLYを生成する。走査電極駆動ドライバ204は、コントローラ400から、走査側スタートパルスDY及び走査側転送クロックCLYを取得することにより、n本の走査電極109aに対応する駆動電圧L1、L2、L3、…、Lnを順次出力する。走査電極駆動ドライバ204は、例えばシフトレジスタから構成されており、コントローラ400から供給される走査側スタートパルスDYを走査側転送クロックCLYに従って、駆動電圧を順次出力する。尚、本実施形態では線順次方式で駆動電圧Lnを出力する例を便宜上示しているが、他の駆動方式を用いてもよい。
<液晶パネル及び偏光軸切り替えパネルの制御>
続いて図9を参照して、本実施形態に係る液晶プロジェクタ1100の動作に関して、液晶パネル1及び偏光軸切り替えパネル1114bに入出力される各制御信号の観点から説明する。図9は、本実施形態に係る液晶プロジェクタ1100の動作に関して、液晶パネル1及び偏光軸切り替えパネル1114bに入出力される各制御信号のタイミングチャートである。
【0074】
図9(1)は、液晶パネル1の走査線駆動回路104及び偏光軸切り替えパネル1114bの走査電極駆動ドライバ204に対して供給される走査側スタートパルスDYの供給タイミングを表わしている。走査側スタートパルスDYが走査線駆動回路104に供給されると、液晶パネル1では、走査線駆動回路104がn本の走査線3aに対し走査信号Gnの供給を開始する(図9(3)参照)。一方、偏光軸切り替えパネル1114bでは、走査側スタートパルスDYが走査電極駆動ドライバ204に供給されると、走査電極駆動ドライバ204は、n本の走査電極109aに対して駆動電圧Lnの供給を開始する(図9(4)参照)。
【0075】
図9(2)は、液晶パネル1の走査線駆動回路104及び偏光軸切り替えパネル1114bの走査電極駆動ドライバ204に対して供給される走査側転送クロックCLYの供給タイミングを表わしている。本実施形態における走査側転送クロックCLYは、オンとオフの2値の電圧値を一定周期で交互に供給される。走査側スタートパルスDYが供給されると、走査側転送クロックCLYに同期して、走査線駆動回路104はn本の走査線3aに対して走査信号Gnを順次供給すると共に、走査電極駆動ドライバ204は、n本の走査電極209aに対して駆動電圧Lnを順次供給する。
【0076】
図9(3)は、液晶パネル1の走査線駆動回路104が走査信号Gnを走査線3aに対して供給するタイミングを表わしている。
【0077】
第1フィールド期間(1f)のうち第1サブフィールド期間(1−1sf)においては、コントローラ400から走査側スタートパルスDYが供給された後、走査側転送クロックCLYの半周期毎に、走査信号G1及びG2、G3及びG4、G5及びG6、・・・・、Gn−1及びGnのように、順次隣り合う2本の走査線3aに対して同時に供給される。n本の走査線3aの各々に対し、一通り走査信号Gnが供給され終わると、次の走査側スタートパルスDYの供給タイミングを待って第2サブフィールド期間(1−2f)に移行し、再び走査線3aに対する走査信号Gnの供給が開始される。このように2本の走査線3aに対して同時に走査信号Gnを供給するため、走査線3aに対して1本ずつ走査信号Gnを順次供給した場合に比べて、全ての走査線3aに走査信号Gnを供給し終えるまでに要する時間が1/2で済む。つまり、第1フィールド期間において、第1サブフィールド期間(1−1sf)では複数本の走査線3aに対して走査信号Gnを同時に供給すると共に、第2サブフィールド期間(1−2sf)においてはn/2本の走査線3aに対してのみ走査信号を供給することによって、時間軸上における第1フィールド期間の長さを短縮し、フィールド周波数の高速化を図っている。
【0078】
このように第1フィールド期間のうち第1サブフィールド期間(1−1sf)において2本の走査線3aが同時に駆動されるので、この駆動された2本の走査線3a上にある画素部のうち、同一データ線6aにある画素部14には、同じ画像データ信号Dsが供給される。つまり、第1サブフィールド期間(1−1sf)において画像表示領域10aに表示される画像は、1本ずつ走査信号Gnが供給された場合に表示される画像に比べて、解像度が1/2に低下する。言い換えれば、第1サブフィールド期間(1−1sf)では、フィールド周波数を高速化する代償として、表示画像の解像度をある程度犠牲にしている。
【0079】
第2サブフィールド期間(1−2sf)では、コントローラ400から走査側スタートパルスDYが供給された後、走査側転送クロックCLYの半周期毎に、偶数番目の走査線3aに対してのみ走査信号Gnが供給される。即ち、第2サブフィールド期間(1−2sf)では、偶数番目のn/2本の走査線3aに対して、走査信号G2、G4、G6、・・・・、Gnが順次供給される。n/2本の走査線3aの各々に対し、一通り走査信号Gnが供給されると、次の走査側スタートパルスDYの供給タイミングを待って、第2フィールド期間(2f)に移行して、再び走査線3aに対する走査信号Gnの供給が開始される。このように第2サブフィールド期間(1−2sf)では、n/2本の走査線3aに対してのみ走査信号Gnが供給されるので、n本の走査線3aに走査信号Gnを順次供給する場合に比べて、時間軸上におけるサブフィールド期間の長さが1/2で済む。つまり、第2サブフィールド期間(1−2)sfでは一部の走査線3aに対してのみ走査信号Gnを供給することによって、実質的にフィールド周波数の高速化を図っている。
【0080】
ここで、第2サブフィールド期間(1−2sf)において奇数番目のn/2本の走査線3a上の画素部14には、走査信号Gnが供給されていないため、第2サブフィールド期間(1−2)sfでは新たに画像データ信号Dsは印加されていない。ここで、液晶パネル1の画素部14は、新たに走査信号Gnが供給されない限り、それ以前に印加された画像データ電圧Dsを保持する保持特性を有するため、第2サブフィールド期間(1−2sf)においても、第1サブフィールド期間(1−1sf)において印加された画像データ電圧Dsが保持されている。そのため、第2サブフィールド期間(1−2sf)において走査信号Gnが供給されない奇数番目のn/2本の走査線3a上の画素部14は、第1サブフィールド期間(1−1sf)における表示画像をそのまま維持することによって、第2サブフィールド期間(1−2sf)においても表示画像の一部を構成する。
【0081】
このように、第2サブフィールド期間(1−2sf)における表示画像は、現に第2サブフィールド期間(1−2sf)において新たに表示された画像が、第1サブフィールド期間(1−1sf)において表示された画像と組み合わさることによって構成されているため、両者の画像に対応する表示光は、同じ方向の偏光軸を有する。尚、表示光の偏光軸の選定については、偏光軸切り替えパネル1114bによって制御可能であり、その制御方法については後に詳述する。
【0082】
一方、偶数数番目のn/2本の走査線3a上の画素部14には、第2サブフィールド期間(1−2sf)において新たに走査信号Gnが供給されるため、第1サブフィールド期間(1−1sf)とは別の画像が表示される。つまり、第1サブフィールド期間(1−1sf)においては2本の隣り合う走査線3aに対して同時に走査信号Gnが供給されるため、解像度の低い画像が表示されていたが、第2サブフィールド期間(1−2sf)において偶数数番目のn/2本の走査線3a上の画素部14に対応する画像を書き換えることにより、第2サブフィールド期間(1−2sf)では、第1サブフィールド期間(1−1sf)に比べて解像度の高い画像を表示することができる。
【0083】
このように、第1サブフィールド期間において、フィールド周波数を高速化することによって犠牲にしていた解像度を、第2サブフィールド期間において解像度のより高い画像を表示することによって、表示画像の画質を向上させることができる。その結果、第1フィールド期間全体(即ち、第1及び第2サブフィールド期間)をまとめて見ると、フィールド周波数の高速化と表示画像の解像度の高さを両立することが可能となり、高品位な画像表示を可能にすることができる。
【0084】
尚、第2フィールド期間(2f)以降は、第1期間と同様のパターンで、走査信号Gnが走査線3aに対して供給される。
【0085】
図9(4)は、偏光軸切り替えパネル1114bの走査電極駆動ドライバ204に対する駆動電圧Lnの供給タイミングを表わしている。
【0086】
第1フィールド期間(1f)のうち第1サブフィールド期間(1−1sf)では、液晶パネル1における走査信号Gnの供給順に対応するように(図9(3)参照)、コントローラ400から走査側スタートパルスDYが供給された後、走査側転送クロックCLYの半周期毎に、オン状態(即ち+V)の駆動電圧L1及びL2、L3及びL4、L5及びL6、・・・・、Ln−1及びLnが順次、隣り合う2本の走査電極109aに対して同時に供給される。
【0087】
第1フィールド期間(1f)の第2サブフィールド期間(1−2sf)における液晶パネル1の表示画像は、現に第2サブフィールド期間(1−2sf)において新たに表示された画像が、第1サブフィールド期間(1−1sf)において表示された画像と組み合わさることによって構成されているため、両者の画像に対応する表示光は、同じ方向の偏光軸を有する。そのため、図9(5)に示すように、偏光軸切り替えパネル1114bの走査電極109aに供給される駆動電圧Lnは、第2サブフィールド期間(1−2sf)においても、第1サブフィールド期間(1−1sf)において印加された値のまま保持される。このように、駆動電圧Lnを制御することにより、第1及び第2サブフィールド期間における表示光は、共に同じ方向の偏光方向を有することとなる。
【0088】
第2フィールド期間(2f)における第1サブフィールド期間(2−1sf)及び第2サブフィールド期間(2−2sf)では、表示光の偏光軸が、第1フィールド期間(1f)における表示光の偏光軸と交差するように、偏光軸切り替えパネル1114bが制御される。
【0089】
第2フィールド期間(2f)の第1サブフィールド期間(2−1sf)では、液晶パネル1における走査信号Gnの供給順に対応するように、コントローラ400から走査側スタートパルスDYが供給された後、走査側転送クロックCLYの半周期毎に、オフ状態(即ちゼロ)の駆動電圧L1及びL2、L3及びL4、L5及びL6、・・・・、Ln−1及びLnが順次、隣り合う2本の走査電極109aに対して同時に供給される。
【0090】
液晶パネル1の第2サブフィールド期間(2−2sf)における表示画像は、第1サブフィールド期間(2−1sf)における画像と共に表示される必要があるため、両者を投影するための表示光は同じ方向の偏光軸を有する必要がある。そこで、図9(5)に示すように、偏光軸切り替えパネル1114bの走査電極109aに供給する駆動電圧Lnは、第2サブフィールド期間(2−2sf)においても、第1サブフィールド期間(2−1sf)において印加した値のまま保持されている。このように、駆動電圧Lnを制御することにより、第1及び第2サブフィールド期間における表示光は、共に同じ方向の偏光方向を有することとなる。
【0091】
第3フィールド期間(3f)における第1及び2サブフィールド期間(3−1sf及び3−2sf)は、基本的には第1フィールド期間(1f)における第1及び第2サブフィールド期間(1−1sf及び1−2sf)と同様のパターンで、駆動電圧Lnが走査電極109aに対して供給される。但し、第1及び2サブフィールド期間(3−1sf及び3−2sf)では、走査電極109aに供給されるオン状態の駆動電圧Lnの値は「+V」ではなく、「−V」となる。これは、オン状態の駆動電圧Lnとして、プラス極性の電圧である+Vを印加し続けると、偏光軸切り替えパネル1114bに封入されたTN液晶からなる液晶層150に焼き付きが生じるため、偏光軸切り替えパネル1114bの寿命が縮まることを防止するためである。
【0092】
第4フィールド期間(図9において不示)では、基本的には第2フィールド期間(2f)と同様のパターンで、駆動電圧Lnが走査電極109aに対して供給される。
【0093】
第5フィールド期間以降では、以上説明した第1から第4フィールド期間と同様のパターンに従って、駆動電圧Lnが走査電極109aに対して供給される。
【0094】
尚、夫々のフィールド期間の奇数番目のサブフィールド期間において駆動電圧L1、L2、L3、・・・・Lnが供給されるタイミングは、液晶パネル1における走査信号G1、G2、G3、・・・・Gnの供給タイミングに対し、走査側転送クロックCLYの反周期分だけ遅延している。この遅延は、液晶パネル1及び偏光軸切り替えパネル1114bに封入されている液晶の反応速度が異なるなどの要因によって、左目用の画像と右目用の画像とが混在してしまうことを防ぐために設けているものである。そのため、遅延期間の長さは、液晶パネル1及び偏光軸切り替えパネル1114bの特性を考慮して、左目用の画像と右目用の画像とを投影するための、互いに90度異なる偏光軸を有する表示光が形成されるように、実験的又は理論的に求めたり、シミュレーションによって算出することによって決定するとよい。
【0095】
以上説明したような制御を繰り返すことによって、液晶パネル1と偏光軸切り替えパネル1114bとを駆動させることで、互いに90度異なる偏光軸を有する、左目用の画像と右目用の画像とを好適に加工することが可能となる。
【0096】
尚、本願では液晶パネル1における走査線3aと偏光軸切り替えパネル1114bにおける走査電極109aの本数が同じ例について説明しているが、液晶パネル1における走査線3aと偏光軸切り替えパネル1114bにおける走査電極109aの本数は異なっていてもよい。但し、この場合は、液晶パネル1と偏光軸切り替えパネル1114bのフィールド周波数が同期するように、走査線駆動回路104及び走査電極駆動ドライバ204を制御するとよい。例えば、液晶パネル1と偏光軸切り替えパネル1114bのフレーム周期が同じになるように走査線駆動回路104及び走査電極駆動ドライバ204を制御することが好ましい。
<変形例>
続いて、図10を参照しながら、上述の実施形態の変形例について説明する。図10は、変形例に係る液晶プロジェクタ1100の動作に関して、液晶パネル1及び偏光軸切り替えパネル1114bに入出力される各制御信号のタイミングチャートである。特に、図10(1)は、液晶パネル1の走査線駆動回路104及び偏光軸切り替えパネル1114bの走査電極駆動ドライバ204に対して供給される走査側スタートパルスDYの供給タイミングを表わしている。図10(2)は、液晶パネル1の走査線駆動回路104及び偏光軸切り替えパネル1114bの走査電極駆動ドライバ204に対して供給される走査側転送クロックCLYの供給タイミングを表わしている。図10(3)は、液晶パネル1のデータ線駆動回路101が画素部14に対して画像データ信号Dsを供給するタイミングを表している。図10(4)は、液晶パネル1の走査線駆動回路104が走査信号Gnを走査線3aに対して供給するタイミングを表わしている。図10(5)は、偏光軸切り替えパネル1114bの走査電極駆動ドライバ204に対する駆動電圧Lnの供給タイミングを表わしている。尚、本変形例に係る液晶プロジェクタ1100は、偏光軸切り替えパネル1114bの切り替え動作が行われるフィールド期間において、液晶パネル1の画像表示領域10aに黒表示がなされる点で上述の実施形態と異なっている。
【0097】
図10(3)に示すように、偏光軸切り替えパネル1114bが駆動電圧Lnを変更することによって、表示光の偏光軸の切り替え動作を行う第1フィールド期間(1f)の第1サブフィールド期間(1−1sf)及び第2フィールド期間(2f)の第1フィールド期間(2−1sf)においては、液晶パネル1のデータ線駆動回路101にから各データ線6aに供給される画像データ電圧Dsをハイレベルに設定することにより、液晶パネル1の画像表示領域10aに黒表示をする。一方、表示光の偏光軸の切り替え動作を行なわれない他のサブフィールド期間(1−2sf、1−3sf、2−2sf及び2−3sf)では、投影画像に対応する画像データ電圧Dsが液晶パネル1のデータ線駆動回路101に供給される。ここで、黒表示が行われる第1フィールド期間(1f)の第1サブフィールド期間(1−1sf)及び第2フィールド期間(2f)の第1フィールド期間(2−1sf)は「第3フィールド期間」の一例である。
【0098】
このように、偏光軸切り替えパネル1114bによって表示光の偏光軸の切り替えが行われるサブフィールド期間において、液晶パネル1の画像表示領域10aに黒表示をするによって、左目用の画像と右目用の画像とが混じることを効果的に防止することができる。つまり、表示光の偏光軸の切り替えが行われる際には、偏光軸切り替えパネル1114bの透過領域110aは、駆動電圧Lnがすでに供給された領域と、まだ供給されていない領域が混在する。これらの領域間においては、液晶層150の配向状態が異なるため、表示光の配向軸が一に規定することができない。そこで、本変形例では、偏光軸切り替えパネル1114bによる表示光の偏光軸の切り替え動作が確実に完了した後で、表示画像を投影することにより、左目用の画像と右目用の画像とが混じることを効果的に防止することができる。
【0099】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置の駆動装置、それを備えた電気光学装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0100】
1 液晶パネル、 3a 走査線、 6a データ線、 10a 画像表示領域、 14 画素部、 100 液晶ライトバルブ、 101 データ線駆動回路、 104 走査線駆動回路、 400 コントローラ、 1110 液晶プロジェクタ、 1112 クロスプリズム、 1114 偏光軸切り替えユニット、 1114a カラーセレクトパネル、 1114b 偏光軸切り替えパネル、 1115 投影レンズ、 1120 スクリーン、 2000 偏光メガネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示領域に相交差して配線された複数の走査線及び複数のデータ線並びに該複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して配列された複数の画素部を備える第1電気光学パネルと、該第1電気光学パネルからの出射光の偏光軸を切り替えることにより、互いに交差する偏光軸を有する第1画像及び第2画像に対応する透過光を射出する偏光軸切り替え手段とを備える電気光学装置の駆動装置であって、
前記複数の走査線を介して、走査信号を供給する走査信号供給手段と、
前記複数のデータ線を介して、フィールド期間毎に第1画像及び第2画像の一方に対応する画像信号を前記複数の画素部に供給する画像信号供給手段と
を備え、
前記第1画像に対応する画像信号が供給される第1フィールド期間及び前記第2画像に対応する画像信号が供給される第2フィールド期間は、夫々、時間軸上において複数のサブフィールド期間に分割されていることを特徴とする電気光学装置の駆動装置。
【請求項2】
前記複数のサブフィールド期間において、前記走査信号供給手段によって前記走査信号が供給される前記走査線の本数が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項3】
前記第1フィールド期間及び前記第2フィールド期間の一方に対応する前記複数のサブフィールド期間は、第1サブフィールド期間及び前記第1サブフィールド期間より時間的に遅れて設けられる第2サブフィールド期間を含んでなり、
前記走査信号供給手段は、前記第2サブフィールド期間において前記走査信号が供給される走査線の本数が、前記第1サブフィールド期間の1/2になるように、前記走査線に対して前記走査信号を供給すると共に、前記第1サブフィールド期間において複数本の前記走査線に対して同時に走査信号を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項4】
前記連続して繰り返される第1フィールド期間と、前記連続して繰り返される第2フィールド期間との間に、前記画像信号供給手段が黒表示に対応する画像信号を供給する第3フィールド期間を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項5】
前記走査信号供給手段は、前記第1電気光学パネルにおける表示画像の更新タイミングと、前記偏光軸切り替え手段が表示光の偏光軸を切り替えるタイミングとが同期するように、前記走査信号を供給することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の駆動装置を備える電気光学装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電気光学装置を備える電子機器。
【請求項8】
画像表示領域に相交差して配線された複数の走査線及び複数のデータ線並びに該複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して配列された複数の画素部を備える第1電気光学パネルと、該第1電気光学パネルからの出射光の偏光軸を切り替えることにより、互いに交差する偏光軸を有する第1画像及び第2画像に対応する透過光を射出する偏光軸切り替え手段とを備える電気光学装置の駆動方法であって、
前記複数の走査線を介して、走査信号を供給する走査信号供給工程と、
前記複数のデータ線を介して、フィールド期間毎に第1画像及び第2画像の一方に対応する画像信号を前記複数の画素部に供給する画像信号供給工程と
を備え、
前記第1画像に対応する画像信号が供給される第1フィールド期間及び前記第2画像に対応する画像信号が供給される第2フィールド期間は、夫々、時間軸上において複数のサブフィールド期間に分割されていることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−27810(P2011−27810A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170880(P2009−170880)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】