説明

電気自動車の充電システム

【課題】充電を行うための労力の低減を可能とする電気自動車の充電システムを実現する。
【解決手段】第1電気自動車101aは、第1電池103aからの電力から生成した電流を第1ケーブル部105aに出力し、第1ケーブル部105aからの電力から生成した電流を第1電池103aに供給する第1交換電流発生回路104aを備え、ケーブル102は、第1ケーブル部105aおよび第2ケーブル部105bの一方の電力を、第1ケーブル部105aおよび第2ケーブル部105bの他方に伝達するトランス106を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の電池からの放電により、他の電気自動車の電池を充電する、電気自動車の充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、停電状態にない電気自動車の電池からの放電により、停電状態にある他の電気自動車の電池を充電する、電気自動車の充電システムが知られている。
【0003】
上記システムの一例としては、特許文献1に開示されているシステムが挙げられる。
【0004】
図8は、特許文献1に開示されているシステム80の概略構成を示す図である。なお、図8には、電気自動車81aの電池82aからの放電により、他の電気自動車81bの電池82bを充電するシステム80を例示している。
【0005】
電気自動車81aが備える電池82aは、電気自動車81aの動力源である。同様に、電気自動車81bが備える電池82bは、電気自動車81bの動力源である。
【0006】
電気自動車81aには、放電(給電)用ケーブル83aの一端が接続されている。電気自動車81bには、充電(受電)用ケーブル83bの一端が接続されている。さらに、放電用ケーブル83aの他端および充電用ケーブル83bの他端は、制御ボックス84に接続されている。制御ボックス84は、周知のDC−DCコンバータ85を備えている。
【0007】
電池82aからの放電が行われると、該放電により得られた直流電力が、放電用ケーブル83aを介して制御ボックス84に供給される。制御ボックス84は、DC−DCコンバータ85により、放電用ケーブル83aから供給された直流電力の電圧を最適化する。そして、制御ボックス84は、電圧を最適化した直流電力を、充電用ケーブル83bを介して電池82bに供給する。電池82bは、充電用ケーブル83bから供給された直流電力により、充電される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−267561号公報(2007年10月11日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図8に示すシステム80において、電池82bの充電を行うためには、放電用ケーブル83aおよび充電用ケーブル83bに加え、制御ボックス84を用いる必要がある。ここで、制御ボックス84が備えるDC−DCコンバータ85は、非常に重い。このため、制御ボックス84の持ち運びには、非常に大きな労力を要する。
【0010】
従って、システム80では、電池82bの充電を行うために、非常に大きな労力を要するという問題が発生する。
【0011】
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたものであり、その目的は、充電を行うための労力の低減を可能とする電気自動車の充電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の電気自動車の充電システムは、上記の問題を解決するために、自車の動力源である第1電池を備えた第1電気自動車と、上記第1電池と電気的に接続されるケーブルである第1ケーブル部、上記第1電気自動車の他の電気自動車の動力源である第2電池と電気的に接続されるケーブルである第2ケーブル部、および上記第1ケーブル部と上記第2ケーブル部とを電気的に接続する接続部を備えたケーブルと、を備え、上記ケーブルを通じて、上記第1電池および上記第2電池の一方から放電された電力により、上記第1電池および上記第2電池の他方を充電することが可能である、電気自動車の充電システムであって、上記第1電気自動車は、上記第1電池から放電された電力から生成した電流を上記第1ケーブル部に出力する動作と、上記第1ケーブル部から入力された電力から生成した電流を上記第1電池に供給する動作とが切り替えられる第1交換電流発生回路を備え、上記接続部は、上記第1ケーブル部および上記第2ケーブル部の一方に入力された電力を、上記第1ケーブル部および上記第2ケーブル部の他方に伝達するトランスであることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、第1電気自動車は、第1電池から放電された電力から生成した電流を第1ケーブル部に出力する動作と、第1ケーブル部から入力された電力から生成した電流を第1電池に供給する動作との両方を行う第1交換電流発生回路を備える。第1電池は、第1交換電流発生回路から供給された電力により、充電可能である。
【0014】
そして、トランスは、第1ケーブル部および第2ケーブル部の一方に入力された電力を、第1ケーブル部および第2ケーブル部の他方に伝達することで、第1ケーブル部と第2ケーブル部との導通を図っている。
【0015】
上記の構成によれば、電池の充電を行うために用いる部材(ケーブル)は、第1ケーブル部および第2ケーブル部、そしてトランスとなる。トランスは、DC−DCコンバータに比して非常に軽いため、持ち運びに要する労力が小さい。
【0016】
従って、上記の構成によれば、充電を行うための労力を低減することが可能となる。
【0017】
ところで、従来技術に係るシステムは、2台の電気自動車を、制御ボックスを介して接続している構成である。この構成の場合、制御ボックスが動作を開始すると、一方の電気自動車の電池からの放電が行われているか否かに関わらず、他方の電気自動車に対する電力供給が行われる。
【0018】
また、上記制御ボックスのDC−DCコンバータは、コンデンサを備えている。コンデンサは、充電完了後でも電荷を蓄えているため、充電を行う者が、充電を行うために設けられた上記制御ボックスのコネクタの、電極に触れると、感電をする虞がある。
【0019】
一方、上記の構成によれば、トランスは、上記の電力の伝達を行う一方、該伝達を行わない期間においては、第1ケーブル部と第2ケーブル部との間を絶縁する。
【0020】
また、上記の構成によれば、ケーブルは、コンデンサが不要である。このため、充電を行う者が上記電極に触れても、感電をする可能性は非常に低い。
【0021】
従って、本発明の電気自動車の充電システムにおいては、従来技術に係るシステムに対して、安全性のさらなる向上が可能である。
【0022】
また、本発明の電気自動車の充電システムは、上記他の電気自動車である第2電気自動車をさらに備え、上記第2電気自動車は、上記第2電池から放電された電力から生成した電流を上記第2ケーブル部に出力する動作と、上記第2ケーブル部から入力された電力から生成した電流を上記第2電池に供給する動作とが切り替えられる第2交換電流発生回路を備えるのが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、第1電気自動車と同様に、第2電気自動車は、第2電池から放電された電力から生成した電流を第2ケーブル部に出力する動作と、第2ケーブル部から入力された電力から生成した電流を第2電池に供給する動作との両方を行う第2交換電流発生回路を備える。第2電池は、第2交換電流発生回路から供給された電力により、充電可能である。
【0024】
また、本発明の電気自動車の充電システムの、上記第1交換電流発生回路は、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第1ダイオード、および第2ダイオードを備えた第1のレグと、第3トランジスタ、第4トランジスタ、第3ダイオード、および第4ダイオードを備えた第2のレグとを備え、上記第1のレグは、上記第1電池の正極が、上記第1トランジスタのドレインおよび上記第1ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第1トランジスタのドレインが、上記第1ダイオードのカソードに接続されており、上記第1トランジスタのソースが、上記第1ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第1トランジスタのソースおよび上記第1ダイオードのアノードが、上記第1ケーブル部の一端に接続されており、上記第1ケーブル部の一端が、上記第2トランジスタのドレインおよび上記第2ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第2トランジスタのドレインが、上記第2ダイオードのカソードに接続されており、上記第2トランジスタのソースが、上記第2ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第2トランジスタのソースおよび上記第2ダイオードのアノードが、上記第1電池の負極に接続されており、上記第2のレグは、上記第1電池の正極が、上記第3トランジスタのドレインおよび上記第3ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第3トランジスタのドレインが、上記第3ダイオードのカソードに接続されており、上記第3トランジスタのソースが、上記第3ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第3トランジスタのソースおよび上記第3ダイオードのアノードが、上記第1ケーブル部の他端に接続されており、上記第1ケーブル部の他端が、上記第4トランジスタのドレインおよび上記第4ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第4トランジスタのドレインが、上記第4ダイオードのカソードに接続されており、上記第4トランジスタのソースが、上記第4ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第4トランジスタのソースおよび上記第4ダイオードのアノードが、上記第1電池の負極に接続されているのが好ましい。
【0025】
また、本発明の電気自動車の充電システムの、上記第2交換電流発生回路は、第5トランジスタ、第6トランジスタ、第5ダイオード、および第6ダイオードを備えた第3のレグと、第7トランジスタ、第8トランジスタ、第7ダイオード、および第8ダイオードを備えた第4のレグとを備え、上記第3のレグは、上記第2電池の正極が、上記第5トランジスタのドレインおよび上記第5ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第5トランジスタのドレインが、上記第5ダイオードのカソードに接続されており、上記第5トランジスタのソースが、上記第5ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第5トランジスタのソースおよび上記第5ダイオードのアノードが、上記第2ケーブル部の一端に接続されており、上記第2ケーブル部の一端が、上記第6トランジスタのドレインおよび上記第6ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第6トランジスタのドレインが、上記第6ダイオードのカソードに接続されており、上記第6トランジスタのソースが、上記第6ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第6トランジスタのソースおよび上記第6ダイオードのアノードが、上記第2電池の負極に接続されており、上記第4のレグは、上記第2電池の正極が、上記第7トランジスタのドレインおよび上記第7ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第7トランジスタのドレインが、上記第7ダイオードのカソードに接続されており、上記第7トランジスタのソースが、上記第7ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第7トランジスタのソースおよび上記第7ダイオードのアノードが、上記第2ケーブル部の他端に接続されており、上記第2ケーブル部の他端が、上記第8トランジスタのドレインおよび上記第8ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第8トランジスタのドレインが、上記第8ダイオードのカソードに接続されており、上記第8トランジスタのソースが、上記第8ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第8トランジスタのソースおよび上記第8ダイオードのアノードが、上記第2電池の負極に接続されているのが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、第1交換電流発生回路および第2交換電流発生回路のそれぞれは、周知のフルブリッジ回路を応用した回路により、容易に構成することが可能である。
【0027】
また、本発明の電気自動車の充電システムの、上記トランスは、磁性体であるコアと、上記第1ケーブル部を上記コアに巻いて成る1次巻線と、上記第2ケーブル部を上記コアに巻いて成る2次巻線とを備え、上記1次巻線に対する上記2次巻線の巻線比は、1でないのが好ましい。
【0028】
1次巻線に対する2次巻線の巻線比が1である場合、すなわち1次巻線の巻数と2次巻線の巻数とが同じである場合、第1電池の定格電圧と第2電池の定格電圧とは、ほぼ一致させる必要がある。
【0029】
一方、上記の構成によれば、1次巻線に対する2次巻線の巻線比を、1以外の値にて調整することにより、第1電池の定格電圧と第2電池の定格電圧とが異なっている場合であっても、トランスを用いることが可能である。
【0030】
上記構成の一例として、本発明の電気自動車の充電システムの、上記1次巻線に対する上記2次巻線の巻線比、または上記2次巻線に対する上記1次巻線の巻線比は、1.1以上であってもよい。また、上記構成の一例として、本発明の電気自動車の充電システムの、上記1次巻線に対する上記2次巻線の巻線比は、上記第1電池の定格電圧に対する上記第2電池の定格電圧の比に等しくてもよい。
【0031】
特に、1次巻線に対する2次巻線の巻線比、または2次巻線に対する1次巻線の巻線比を1.1以上にすることにより、第1電池および第2電池のうち、定格電圧が高い方の電池から放電されて得られた電力に対して、降圧を施すことが可能となる。これにより、第1電池および第2電池のうち、定格電圧が高い方の電池から放電された電力により、該定格電圧が低い方の電池を充電することが可能となる。この構成は、充電動作として、該定格電圧が高い方の電池から放電された電力による、該定格電圧が低い方の電池の充電のみを行う構成として好適である。
【0032】
また、本発明の電気自動車の充電システムの、上記コアは、上記1次巻線と上記2次巻線との間で分割することが可能であるのが好ましい。
【0033】
上記の構成によれば、1次巻線と2次巻線との間でコアを分割することができるため、1次巻線に対して2次巻線を取り外し、該1次巻線および2次巻線の少なくとも一方を別の巻数のものに交換することにより、巻線比を容易に変更することができる。
【0034】
また、本発明の電気自動車の充電システムの、上記第1電気自動車は、上記第1交換電流発生回路と上記第1ケーブル部との接続部分に、インダクタを備え、上記第2電気自動車は、上記第2交換電流発生回路と上記第2ケーブル部との接続部分に、インダクタを備えるのが好ましい。
【0035】
上記の構成によれば、第1ケーブル部側のインダクタは、第1ケーブル部を通じる電力に対して、昇圧または降圧を施すことが可能となる。同様に、第2ケーブル部側のインダクタは、第2ケーブル部を通じる電力に対して、昇圧または降圧を施すことが可能となる。
【0036】
また、本発明の電気自動車の充電システムは、上記第1トランジスタが導通するタイミングと、上記第5トランジスタが導通するタイミングとが同期しており、上記第2トランジスタが導通するタイミングと、上記第6トランジスタが導通するタイミングとが同期しており、上記第3トランジスタが導通するタイミングと、上記第7トランジスタが導通するタイミングとが同期しており、上記第4トランジスタが導通するタイミングと、上記第8トランジスタが導通するタイミングとが同期しているのが好ましい。
【0037】
上記の構成によれば、いわゆる同期整流を行うことにより、第1トランジスタのドレイン−ソース間に接続されている第1ダイオードにおける電力損失を低減することができる。第2トランジスタ〜第8トランジスタについても同様である。なお、同期整流とは、一般的な整流回路において、通常ダイオードで構成する素子を、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)により実現し、整流回路のダイオードがオンするタイミングに対応付けてMOSFETを導通させることで、通常のダイオードで構成した素子において発生する導通損を低減することを目的として採用される方式である。
【0038】
また、本発明の電気自動車の充電システムは、上記第1電気自動車と上記第2電気自動車との間での通信を行うための通信線をさらに備えるのが好ましい。
【0039】
上記の構成によれば、通信線を介して、第1電気自動車と第2電気自動車との間での通信を行うことにより、第1電気自動車と第2電気自動車との間での情報交換、上記同期整流の精緻な制御等が可能となる。
【発明の効果】
【0040】
以上のとおり、本発明の電気自動車の充電システムは、自車の動力源である第1電池を備えた第1電気自動車と、上記第1電池と電気的に接続されるケーブルである第1ケーブル部、上記第1電気自動車の他の電気自動車の動力源である第2電池と電気的に接続されるケーブルである第2ケーブル部、および上記第1ケーブル部と上記第2ケーブル部とを電気的に接続する接続部を備えたケーブルと、を備え、上記ケーブルを通じて、上記第1電池および上記第2電池の一方から放電された電力により、上記第1電池および上記第2電池の他方を充電することが可能である、電気自動車の充電システムであって、上記第1電気自動車は、上記第1電池から放電された電力から生成した電流を上記第1ケーブル部に出力する動作と、上記第1ケーブル部から入力された電力から生成した電流を上記第1電池に供給する動作とが切り替えられる第1交換電流発生回路を備え、上記接続部は、上記第1ケーブル部および上記第2ケーブル部の一方に入力された電力を、上記第1ケーブル部および上記第2ケーブル部の他方に伝達するトランスである。
【0041】
従って、本発明は、充電を安全に行うのとともに、充電を行うための労力を低減するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電気自動車の充電システムの主要部の構成を示す回路図である。
【図2】図2(a)は、図1に係るケーブルの構成を具体的に示す断面図であり、図2(b)は、図2(a)に示すケーブルのコネクタおよび電気自動車のプラグの断面図であり、図2(c)は、同コネクタおよびプラグの分解斜視図である。
【図3】本発明の別の実施の形態に係る電気自動車の充電システムの主要部の構成を示す回路図である。
【図4】本発明のさらに別の実施の形態に係る電気自動車の充電システムの主要部の構成を示す回路図である。
【図5】図5(a)は、図4に係るケーブルの構成を具体的に示す断面図であり、図5(b)は、図5(a)に示すケーブルのコネクタおよび電気自動車のプラグの断面図であり、図5(c)は、同コネクタおよびプラグの分解斜視図である。
【図6】図6(a)は、図5(a)に示すケーブルの変形例を示す断面図であり、図6(b)は、図6(a)に係るフェライトコアの分割箇所の断面図である。
【図7】図7(a)は、ケーブルの端部の形状を示す斜視図であり、図7(b)は、電気自動車における、ケーブルの挿入口の構成を示す斜視図である。
【図8】従来技術に係る電気自動車の充電システムの概略構成を示す図である。
【図9】図8に示すシステムが備えるDC−DCコンバータの回路構成例を示す図である。
【図10】第1〜第8トランジスタの各々における、ゲート制御のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
〔実施の形態1〕
図1は、本実施の形態に係る電気自動車の充電システム100(以下、「システム100」と称する)の主要部の構成を示す回路図である。
【0044】
システム100は、第1電気自動車101a、第2電気自動車(他の電気自動車)101b、およびケーブル102を備える構成である。ケーブル102は、第1電気自動車101aおよび第2電気自動車101bの少なくとも一方に対して着脱可能である。
【0045】
第1電気自動車101aは、自車の動力源である第1電池103aを備える電気自動車である。同様に、第2電気自動車101bは、自車の動力源である第2電池103bを備える電気自動車である。第1電池103aおよび第2電池103bはいずれも、電力を供給することにより充電可能な蓄電池である。
【0046】
また、第1電気自動車101aは、第1交換電流発生回路104aを備えている。同様に、第2電気自動車101bは、第2交換電流発生回路104bを備えている。
【0047】
ケーブル102は、第1ケーブル部105aおよび第2ケーブル部105bを備えている。第1ケーブル部105aおよび第2ケーブル部105bは、それぞれの一部が、後述するフェライトコア(コア)に巻かれており、トランス(接続部)106を構成している。
【0048】
第1交換電流発生回路104aは、第1のレグ107aおよび第2のレグ108aを備えている。同様に、第2交換電流発生回路104bは、第3のレグ107bおよび第4のレグ108bを備えている。
【0049】
第1のレグ107aは、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、第1ダイオードD1、および第2ダイオードD2を備えている。第2のレグ108aは、第3トランジスタT3、第4トランジスタT4、第3ダイオードD3、および第4ダイオードD4を備えている。同様に、第3のレグ107bは、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、第5ダイオードD5、および第6ダイオードD6を備えている。第4のレグ108bは、第7トランジスタT7、第8トランジスタT8、第7ダイオードD7、および第8ダイオードD8を備えている。
【0050】
なお、ここでは、第1トランジスタT1〜第8トランジスタT8の各々として、nチャネル型のMOSFETを用いる例について説明する。但し、第1トランジスタT1〜第8トランジスタT8の各々には、nチャネル型のMOSFET以外にも、pチャネル型のMOSFET、または各種バイポーラトランジスタが用いられてもよい。
【0051】
さらに、第1のレグ107aおよび第2のレグ108aは、以下の接続関係を有している。
【0052】
第1電池103aの正極は、第1トランジスタT1のドレインおよび第1ダイオードD1のカソードに接続されており、かつ、第1トランジスタT1のドレインは、第1ダイオードD1のカソードに接続されている。
【0053】
第1トランジスタT1のソースは、第1ダイオードD1のアノードに接続されており、かつ、第1トランジスタT1のソースおよび第1ダイオードD1のアノードは、第1ケーブル部105aの一端に接続されている。
【0054】
第1ケーブル部105aの一端は、第2トランジスタT2のドレインおよび第2ダイオードD2のカソードに接続されており、かつ、第2トランジスタT2のドレインは、第2ダイオードD2のカソードに接続されている。
【0055】
第2トランジスタT2のソースは、第2ダイオードD2のアノードに接続されており、かつ、第2トランジスタT2のソースおよび第2ダイオードD2のアノードは、第1電池103aの負極に接続されている。
【0056】
第1電池103aの正極は、第3トランジスタT3のドレインおよび第3ダイオードD3のカソードに接続されており、かつ、第3トランジスタT3のドレインは、第3ダイオードD3のカソードに接続されている。
【0057】
第3トランジスタT3のソースは、第3ダイオードD3のアノードに接続されており、かつ、第3トランジスタT3のソースおよび第3ダイオードD3のアノードは、第1ケーブル部105aの他端に接続されている。
【0058】
第1ケーブル部105aの他端は、第4トランジスタT4のドレインおよび第4ダイオードD4のカソードに接続されており、かつ、第4トランジスタT4のドレインは、第4ダイオードD4のカソードに接続されている。
【0059】
第4トランジスタT4のソースは、第4ダイオードD4のアノードに接続されており、かつ、第4トランジスタT4のソースおよび第4ダイオードD4のアノードは、第1電池103aの負極に接続されている。
【0060】
なお、第1トランジスタT1のゲート、第2トランジスタT2のゲート、第3トランジスタT3のゲート、および第4トランジスタT4のゲートはいずれも、制御部109aに接続されている。制御部109aは、第1トランジスタT1〜第4トランジスタT4の各々のオンオフ制御を行うための制御信号を、これらの各ゲートに供給する。また、他にも制御部109aは、第1電気自動車101aに関する各種情報を取得することもできる。ここで、第1電気自動車101aに関する各種情報としては、第1電池103aの電池残量、第1トランジスタT1〜第4トランジスタT4の各々のオンオフ状態等が挙げられる。
【0061】
同様に、第3のレグ107bおよび第4のレグ108bは、以下の接続関係を有している。
【0062】
第2電池103bの正極は、第5トランジスタT5のドレインおよび第5ダイオードD5のカソードに接続されており、かつ、第5トランジスタT5のドレインは、第5ダイオードD5のカソードに接続されている。
【0063】
第5トランジスタT5のソースは、第5ダイオードD5のアノードに接続されており、かつ、第5トランジスタT5のソースおよび第5ダイオードD5のアノードは、第2ケーブル部105bの一端に接続されている。
【0064】
第2ケーブル部105bの一端は、第6トランジスタT6のドレインおよび第6ダイオードD6のカソードに接続されており、かつ、第6トランジスタT6のドレインは、第6ダイオードD6のカソードに接続されている。
【0065】
第6トランジスタT6のソースは、第6ダイオードD6のアノードに接続されており、かつ、第6トランジスタT6のソースおよび第6ダイオードD6のアノードは、第2電池103bの負極に接続されている。
【0066】
第2電池103bの正極は、第7トランジスタT7のドレインおよび第7ダイオードD7のカソードに接続されており、かつ、第7トランジスタT7のドレインは、第7ダイオードD7のカソードに接続されている。
【0067】
第7トランジスタT7のソースは、第7ダイオードD7のアノードに接続されており、かつ、第7トランジスタT7のソースおよび第7ダイオードD7のアノードは、第2ケーブル部105bの他端に接続されている。
【0068】
第2ケーブル部105bの他端は、第8トランジスタT8のドレインおよび第8ダイオードD8のカソードに接続されており、かつ、第8トランジスタT8のドレインは、第8ダイオードD8のカソードに接続されている。
【0069】
第8トランジスタT8のソースは、第8ダイオードD8のアノードに接続されており、かつ、第8トランジスタT8のソースおよび第8ダイオードD8のアノードは、第2電池103bの負極に接続されている。
【0070】
なお、第5トランジスタT5のゲート、第6トランジスタT6のゲート、第7トランジスタT7のゲート、および第8トランジスタT8のゲートはいずれも、制御部109bに接続されている。制御部109bは、第5トランジスタT5〜第8トランジスタT8の各々のオンオフ制御を行うための制御信号を、これらの各ゲートに供給する。また、他にも制御部109bは、第2電気自動車101bに関する各種情報を取得することもできる。ここで、第2電気自動車101bに関する各種情報としては、第2電池103bの電池残量、第5トランジスタT5〜第8トランジスタT8の各々のオンオフ状態等が挙げられる。
【0071】
以上より、第1電気自動車101aの第1電池103aおよび第1交換電流発生回路104aと、第2電気自動車101bの第2電池103bおよび第2交換電流発生回路104bとは、互いに略同一の構成を有していると言える。また、第1交換電流発生回路104aおよび第2交換電流発生回路104bはいずれも、周知のフルブリッジ回路を応用して構成された回路であり、当業者であれば、その構成および動作原理を容易に理解することができるであろう。
【0072】
第1のレグ107aおよび第2のレグ108aの上記接続関係からも明らかであるとおり、第1ケーブル部105aは、第1電池103aと電気的に接続している。同様に、第3のレグ107bおよび第4のレグ108bの上記接続関係からも明らかであるとおり、第2ケーブル部105bは、第2電池103bと電気的に接続している。
【0073】
トランス106は、第1ケーブル部105aの一部が後述するフェライトコアに巻かれて成る1次巻線110a、および第2ケーブル部105bの一部が同フェライトコアに巻かれて成る2次巻線110bを備えている。
【0074】
ここで、1次巻線110aと2次巻線110bとは、巻方向が互いに逆となっている。図1、さらには説明を後述する図3および図4においては、1次巻線110aおよび2次巻線110bのそれぞれの巻方向を示す、文字XおよびYを表示した。1次巻線110aおよび2次巻線110bはいずれも、対応するXからYへの方向に巻かれている。
【0075】
トランス106は、第1ケーブル部105aと第2ケーブル部105bとを、互いに非接触の状態で導通させるために設けられている。すなわち、トランス106は、第1ケーブル部105aおよび第2ケーブル部105bの一方に電力が入力されると、該電力を、第1ケーブル部105aおよび第2ケーブル部105bの他方に伝達することにより、該導通を実現している。
【0076】
具体的に、第1トランジスタT1および第4トランジスタT4がオンである期間に、1次巻線110aは励磁エネルギーを蓄積し、その後、第1トランジスタT1および第4トランジスタT4がオフになると、該励磁エネルギーが2次巻線110bに伝達される。同様に、第5トランジスタT5および第8トランジスタT8がオンである期間に、2次巻線110bは励磁エネルギーを蓄積し、その後、第5トランジスタT5および第8トランジスタT8がオフになると、該励磁エネルギーが1次巻線110aに伝達される。
【0077】
ここからは、第1電気自動車101aの第1電池103aからの放電により、第2電気自動車101bの第2電池103bを充電する動作について説明する。
【0078】
第1交換電流発生回路104aにおいては、制御部109aからの制御信号により、第1トランジスタT1および第4トランジスタT4がオンに制御される一方、第2トランジスタT2および第3トランジスタT3がオフに維持される。第2交換電流発生回路104bにおいては、制御部109bからの制御信号により、第6トランジスタT6および第7トランジスタT7がオンに制御される一方、第5トランジスタT5および第8トランジスタT8がオフに維持される。
【0079】
第1電池103aからの放電が行われると、第1トランジスタT1、第1ケーブル部105a、第4トランジスタT4、第1電池103a、第1トランジスタT1、・・・の順に電流が流れる。なおこのとき、第1トランジスタT1および第4トランジスタT4がオンであることは、言うまでも無い。
【0080】
1次巻線110aは、第1ケーブル部105aから電流が流れると、励磁エネルギーを2次巻線110bに伝達する。これにより、第2ケーブル部105b、第7トランジスタT7、第2電池103b、第6トランジスタT6、第2ケーブル部105b、・・・の順に電流が流れる。なおこのとき、第6トランジスタT6および第7トランジスタT7がオンであることは、言うまでも無い。そして、第2電池103bに流れる該電流、および第2電池103bに印加される電圧により、第2電池103bは充電される。また、次のタイミングにて、第1交換電流発生回路104aにおいては、制御部109bからの制御信号により、第2トランジスタT2および第3トランジスタT3がオンに制御される一方、第1トランジスタT1および第4トランジスタT4がオフに維持される。また、第2交換電流発生回路104bにおいては、制御部109bからの制御信号により、第5トランジスタT5および第8トランジスタT8がオンに制御される一方、第6トランジスタT6および第7トランジスタT7がオフに維持される。
【0081】
上記伝達時において、1次巻線110aは、1次巻線110aに対する2次巻線110bの巻線比に応じて、2次巻線110bに伝達すべき電圧値および電流値の変換を行う。一方、トランスは一般的に、変圧比と変流比とが互いに逆数の関係となる。従って、上記伝達時において、1次巻線110aにおける電力と、2次巻線110bにおける電力とは、互いに略等しい。このようにして、トランス106は、1次巻線110aおよび2次巻線110bの一方に発生している電力を、1次巻線110aおよび2次巻線110bの他方に伝達している。
【0082】
一方、第2電気自動車101bの第2電池103bからの放電により、第1電気自動車101aの第1電池103aを充電する動作についても、同様である。第2交換電流発生回路104bにおいては、制御部109bからの制御信号により、第5トランジスタT5および第8トランジスタT8がオンに制御される一方、第6トランジスタT6および第7トランジスタT7がオフに維持される。
【0083】
第1交換電流発生回路104aにおいては、制御部109aからの制御信号により、第2トランジスタT2および第3トランジスタT3がオンに制御される一方、第1トランジスタT1および第4トランジスタT4がオフに維持される。
【0084】
第2電池103bからの放電が行われると、第5トランジスタT5、第2ケーブル部105b、第8トランジスタT8、第2電池103b、第5トランジスタT5、・・・の順に電流が流れる。なおこのとき、第5トランジスタT5および第8トランジスタT8がオンであることは、言うまでも無い。
【0085】
2次巻線110bは、第2ケーブル部105bから電流が流れると、励磁エネルギーを1次巻線110aに伝達する。これにより、第1ケーブル部105a、第3トランジスタT3、第1電池103a、第2トランジスタT2、第1ケーブル部105a、・・・の順に電流が流れる。なおこのとき、第2トランジスタT2および第3トランジスタT3がオンであることは、言うまでも無い。そして、第1電池103aに流れる該電流、および第1電池103aに印加される電圧により、第1電池103aは充電される。また、次のタイミングにて、第2交換電流発生回路104bにおいては、制御部109bからの制御信号により、第7トランジスタT7および第6トランジスタT6がオンに制御される一方、第5トランジスタT5および第8トランジスタT8がオフに維持される。また、第1交換電流発生回路104aにおいては、制御部109aからの制御信号により、第1トランジスタT1および第4トランジスタT4がオンに制御される一方、第2トランジスタT2および第3トランジスタT3がオフに維持される。
【0086】
図10に、第1トランジスタT1〜第8トランジスタT8の各々の、ゲート制御の(ゲート電圧を印加して、ゲートを導通させる)タイミングの一例を示すタイミングチャートを示した。図10において、第1トランジスタT1〜第8トランジスタT8の各々は、制御電圧VGonがゲートに印加される間、ゲートが導通するものとする。同期整流を行うためのMOSFETは、スイッチングを行うMOSFETより遅れてオンとなり、スイッチングを行うMOSFETより早くオフとなる。例えば、同期整流を行うためのMOSFETが第1トランジスタT1となる場合、スイッチングを行うMOSFETは第6トランジスタT6となる。また、例えば、同期整流を行うためのMOSFETが第4トランジスタT4となる場合、スイッチングを行うMOSFETは第7トランジスタT7となる。また、例えば、同期整流を行うためのMOSFETが第2トランジスタT2となる場合、スイッチングを行うMOSFETは第5トランジスタT5となる。また、例えば、同期整流を行うためのMOSFETが第3トランジスタT3となる場合、スイッチングを行うMOSFETは第8トランジスタT8となる。さらには、これらの、スイッチングを行うMOSFETと、同期整流を行うためのMOSFETとの相互関係は、逆もまた然りである。
【0087】
図2(a)は、ケーブル102の構成を具体的に示す断面図であり、図2(b)は、ケーブル102のコネクタおよび電気自動車のプラグの断面図であり、図2(c)は、同コネクタおよびプラグの分解斜視図である。
【0088】
ケーブル102は、一端にコネクタ112aを備えており、他端にコネクタ112bを備えている。
【0089】
コネクタ112aは、第1電気自動車101aに設けられたプラグ113aに接続するのに適した形状を有している。例えば、プラグ113aが2つの突起115a・115aから成る形状である場合、コネクタ112aは、該2つの突起115a・115aに各々対応した、2つの孔116a・116aから成る形状であるのが好ましい。これにより、コネクタ112aとプラグ113aとを接続することにより、ケーブル102と第1電気自動車101aとを電気的に接続することは容易である。同様に、コネクタ112bは、第2電気自動車101bに設けられたプラグ113bに接続するのに適した形状を有している。例えば、プラグ113bが2つの突起115b・115bから成る形状である場合、コネクタ112bは、該2つの突起115b・115bに各々対応した、2つの孔116b・116bから成る形状であるのが好ましい。これにより、コネクタ112bとプラグ113bとを接続することにより、ケーブル102と第2電気自動車101bとを電気的に接続することは容易である。
【0090】
なお、便宜上、図2(b)および図2(c)では、コネクタ112aとプラグ113aとを接続する例のみを示しているが、コネクタ112bとプラグ113bとを接続する場合に関しても同様である。
【0091】
図2(a)に示すとおり、トランス106において、1次巻線110aおよび2次巻線110bはそれぞれ、磁性体であるフェライトコア(コア)114に巻かれて成る。フェライトコア114のかわりに、鉄心等の他の磁性体が用いられてもよい。
【0092】
また、図2(a)に示すとおり、1次巻線110aに対する2次巻線110bの巻線比は、1でないのが好ましい。
【0093】
1次巻線110aに対する2次巻線110bの巻線比が1である場合、すなわち1次巻線110aの巻数と2次巻線110bの巻数とが同じである場合、第1電池103aの定格電圧と第2電池103bの定格電圧とは、ほぼ一致させる必要がある。
【0094】
一方、1次巻線110aに対する2次巻線110bの巻線比を、1以外の値にて調整することにより、第1電池103aの定格電圧と第2電池103bの定格電圧とが異なっている場合であっても、問題無くトランス106を用いることが可能である。
【0095】
上記構成の一例として、1次巻線110aに対する2次巻線110bの巻線比、または2次巻線110bに対する1次巻線110aの巻線比は、1.1以上であってもよい。また、1次巻線110aに対する2次巻線110bの巻線比は、第1電池103aの定格電圧に対する第2電池103bの定格電圧の比に等しくてもよく、該比の1.1倍以上(比が1以上の場合)または1/1.1倍以下(比が1未満の場合)であってもよい。
【0096】
特に、1次巻線110aに対する2次巻線110bの巻線比、または2次巻線110bに対する1次巻線110aの巻線比を1.1以上にすることにより、第1電池103aおよび第2電池103bのうち、定格電圧が高い方の電池から放電されて得られた電力に対して、降圧を施すことが可能となる。これにより、第1電池103aおよび第2電池103bのうち、定格電圧が高い方の電池から放電された電力により、該定格電圧が低い方の電池を充電することが可能となる。この構成は、充電動作として、該定格電圧が高い方の電池から放電された電力による、該定格電圧が低い方の電池の充電のみを行う構成として好適である。
【0097】
また、第1トランジスタT1が導通するタイミングと、第5トランジスタT5が導通するタイミングとを同期させるのが好ましい。同様に、第2トランジスタT2が導通するタイミングと、第6トランジスタT6が導通するタイミングとを同期させるのが好ましい。同様に、第3トランジスタT3が導通するタイミングと、第7トランジスタT7が導通するタイミングとを同期させるのが好ましい。同様に、第4トランジスタT4が導通するタイミングと、第8トランジスタT8が導通するタイミングとを同期させるのが好ましい。
【0098】
いわゆる同期整流を行うことにより、第1トランジスタT1のドレイン−ソース間に接続されている第1ダイオードD1における電力損失を低減することができる。第2トランジスタT2〜第8トランジスタT8に関しても同様に、第2ダイオードD2〜第8ダイオードD8の対応するいずれかにおける電力損失を低減することができる。
【0099】
例えば、充電(放電)時に、第1ダイオードD1において、0.6〜0.7Vの電圧が発生すると仮定する。この場合、第1ダイオードD1に100Aの電流が流れると、第1ダイオードD1において60〜70Wの電力損失が発生する。ここで、第1トランジスタT1が導通するタイミングと、第5トランジスタT5が導通するタイミングとを同期させる同期整流を行うと、第1ダイオードD1の抵抗を下げることができ、電力損失を低減することができる。
【0100】
但し、上記のように、2つのトランジスタが導通する各タイミングを同期させることは、必須でない。
【0101】
すなわち、第1電池103aから放電を行う場合、第5トランジスタT5〜第8トランジスタT8については、全てオフに維持されていても問題無い。理由は、第5トランジスタT5〜第8トランジスタT8が全てオフであっても、これらにそれぞれ接続された第5ダイオードD5〜第8ダイオードD8が、流れる電流を整流することにより、第2電池103bに整流された電流を供給することができるためである。同様の理由により、第2電池103bから放電を行う場合、第1トランジスタT1〜第4トランジスタT4については、全てオフに維持されていても問題無い。
【0102】
以上のとおり、システム100は、ケーブル102を通じて、第1電池103a(第1電気自動車101aの動力源)および第2電池103b(第2電気自動車101bの動力源)の一方から放電された電力により、第1電池103aおよび第2電池103bの他方を充電することが可能である、電気自動車の充電システムであって、第1電気自動車101aは、第1電池103aから放電された電力から生成した電流を第1ケーブル部105aに出力する動作と、第1ケーブル部105aから入力された電力から生成した電流を第1電池103aに供給する動作とが切り替えられる第1交換電流発生回路104aを備え、第2電気自動車101bは、第2電池103bから放電された電力から生成した電流を第2ケーブル部105bに出力する動作と、第2ケーブル部105bから入力された電力から生成した電流を第2電池103bに供給する動作とが切り替えられる第2交換電流発生回路104bを備え、ケーブル102は、第1ケーブル部105aおよび第2ケーブル部105bの一方に入力された電力を、第1ケーブル部105aおよび第2ケーブル部105bの他方に伝達するトランス106を備える構成である。
【0103】
システム100は、電池の充電を行うために用いる部材が、第1ケーブル部105aおよび第2ケーブル部105b、そしてトランス106を備えたケーブル102となる。トランス106は、DC−DCコンバータに比して非常に軽いため、持ち運びに要する労力が小さい。従って、システム100では、充電を行うための労力を低減することが可能となる。
【0104】
ところで、システム80は、電気自動車81aと電気自動車81bとを、制御ボックス84を介して接続している構成である。この構成の場合、制御ボックス84が動作を開始すると、電気自動車81aの電池82aからの放電が行われているか否かに関わらず、電気自動車81bに対する電力供給が行われる。
【0105】
また、図9には、DC−DCコンバータ85の回路構成例を示している。図9に示すとおり、DC−DCコンバータ85は、コンデンサ86を備えている。コンデンサ86は、電池82bの充電時に発熱する。このため、電池82bの充電時において、発熱したコンデンサ86に充電を行う者の肌が触れると、充電を行う者が火傷または感電をする虞がある。
【0106】
従って、電気自動車の充電システムにおいては、システム80に対して、安全性のさらなる向上が求められる。
【0107】
一方、トランス106は、上記の電力の伝達を行う一方、該伝達を行わない期間においては、第1ケーブル部105aと第2ケーブル部105bとの間を絶縁する。具体的には、第1トランジスタT1〜第8トランジスタT8によるスイッチングが行われない限り、第1電気自動車101aと第2電気自動車101bとの間では、電気が流れない。
【0108】
また、ケーブル102は、コンデンサが不要である。このため、充電作業中に、充電を行う者が該コンデンサに触れ、火傷または感電する虞は、非常に低い。
【0109】
従って、システム100においては、従来技術に係るシステムに対して、安全性のさらなる向上が可能である。
【0110】
〔実施の形態2〕
図3は、本実施の形態に係る電気自動車の充電システム300(以下、「システム300」と称する)の主要部の構成を示す回路図である。
【0111】
システム300は、システム100と以下の点が異なっている。
【0112】
すなわち、第1電気自動車301aは、第1電気自動車101aの構成に加え、第1交換電流発生回路104aと第1ケーブル部105aとの接続部分に、インダクタ302aを備えている。同様に、第2電気自動車(他の電気自動車)301bは、第2電気自動車101bの構成に加え、第2交換電流発生回路104bと第2ケーブル部105bとの接続部分に、インダクタ302bを備えている。
【0113】
インダクタ302aは、第1ケーブル部105aを通じる電力に対して、昇圧または降圧を施すためのものである。同様に、インダクタ302bは、第2ケーブル部105bを通じる電力に対して、昇圧または降圧を施すためのものである。
【0114】
システム100においては、1次巻線110aに対する2次巻線110bの巻線比を変更しない限り、第1電池103aの定格電圧と第2電池103bの定格電圧とを、ほぼ一致させる必要があった。
【0115】
一方、システム300においては、1次巻線110aに対する2次巻線110bの巻線比を変更せずとも、第1電池103aの定格電圧と第2電池103bの定格電圧とが異なっている場合に、問題無くトランス106を用いることが可能である。
【0116】
すなわち、トランス106による電力の伝達が開始されると、インダクタ302aおよび302bはいずれも、トランス106において発生する磁界により、自らが電流を流す。また、第1トランジスタT1および第4トランジスタT4がオンからオフになると、インダクタ302aは、電位が上昇する。同様に、第5トランジスタT5および第8トランジスタT8がオンからオフになると、インダクタ302bは、電位が上昇する。
【0117】
これにより、インダクタ302aは1次巻線110aに、インダクタ302bは2次巻線110bに、それぞれ、高い値の電流および電圧を与えることが可能となり、昇圧が可能となる。
【0118】
同様の要領により、インダクタ302aは1次巻線110aに、インダクタ302bは2次巻線110bに、それぞれ、低い値の電流および電圧を与えることが可能となり、降圧が可能となる。
【0119】
なお、インダクタ302aは、第1トランジスタT1および第4トランジスタT4のスイッチングまでの期間が短い程、高電位となる。同様に、インダクタ302bは、第5トランジスタT5および第8トランジスタT8のスイッチングまでの期間が短い程、高電位となる。
【0120】
〔実施の形態3〕
図4は、本実施の形態に係る電気自動車の充電システム400(以下、「システム400」と称する)の主要部の構成を示す回路図である。
【0121】
システム400は、システム100および300と以下の点が異なっている。
【0122】
すなわち、システム400は、システム100または300(図4では、システム300)の構成に加え、第1電気自動車と第2電気自動車との間での通信を行うための通信線をさらに備えている。
【0123】
具体的に、上記通信線を備えるシステム400は、以下の構成により実現することが可能である。
【0124】
すなわち、システム400は、第1電気自動車401a、第2電気自動車(他の電気自動車)401b、およびケーブル402を備えている。
【0125】
第1電気自動車401aは、第1電気自動車101aまたは301a(図4では、第1電気自動車301a)の構成に加え、共に一端が制御部109aに接続された、通信線部403a・403aを備えている。同様に、第2電気自動車401bは、第2電気自動車101bまたは301b(図4では、第2電気自動車301b)の構成に加え、共に一端が制御部109bに接続された、通信線部403b・403bを備えている。
【0126】
ケーブル402は、ケーブル102の構成に加え、第1通信用ケーブル405aおよび第2通信用ケーブル405bを備えている。第1通信用ケーブル405aおよび第2通信用ケーブル405bは、それぞれの一部が、フェライトコアに巻かれてトランス406を構成していてもよいが、トランス406を備える構成は必須でない。
【0127】
第1通信用ケーブル405aの一端は、一方の通信線部403aの他端に接続されている。同様に、第2通信用ケーブル405bの一端は、一方の通信線部403bの他端に接続されている。
【0128】
第1通信用ケーブル405aの他端は、他方の通信線部403aの他端に接続されている。同様に、第2通信用ケーブル405bの他端は、他方の通信線部403bの他端に接続されている。
【0129】
システム400は、例えば以上のように構成された通信線を介して、第1電気自動車401aと第2電気自動車401bとの間での通信を行う。これにより、システム400では、第1電気自動車401aと第2電気自動車401bとの間での情報交換、上記同期整流の精緻な制御、充電および/または放電の、開始および/または終了のタイミングの制御等を行うことが可能となる。
【0130】
図5(a)は、ケーブル502の構成を具体的に示す断面図であり、図5(b)は、ケーブル502のコネクタおよび電気自動車のプラグの断面図であり、図5(c)は、同コネクタおよびプラグの分解斜視図である。
【0131】
図5(a)では、説明の便宜上、ケーブル402から、トランス406を省略したケーブル502を参照して、説明を行う。該省略に伴い、第1通信用ケーブル405aおよび第2通信用ケーブル405bは、通信用ケーブル505へと変更されている。
【0132】
ケーブル502は、一端にコネクタ512aを備えており、他端にコネクタ512bを備えている。
【0133】
コネクタ512aは、第1電気自動車401aに設けられた通信線対応のプラグ513aに接続するのに適した形状を有している。例えば、プラグ513aが、プラグ113aの構成に加え、通信線用の突起515aを備える形状である場合、コネクタ512aは、コネクタ112aの構成に加え、該突起515aに対応した孔516aを備える形状であるのが好ましい。これにより、図2(a)〜(c)に示した場合と同様に、コネクタ512aとプラグ513aとを接続することにより、ケーブル502と第1電気自動車401aとを電気的に接続することは容易である。同様に、コネクタ512bは、第2電気自動車401bに設けられた通信線対応のプラグ513bに接続するのに適した形状を有している。例えば、プラグ513bが、プラグ113bの構成に加え、通信線用の突起515bを備える形状である場合、コネクタ512bは、コネクタ112bの構成に加え、該突起515bに対応した孔516bを備える形状であるのが好ましい。これにより、図2(a)〜(c)に示した場合と同様に、コネクタ512bとプラグ513bとを接続することにより、ケーブル502と第2電気自動車401bとを電気的に接続することは容易である。
【0134】
なお、便宜上、図5(b)および図5(c)では、コネクタ512aとプラグ513aとを接続する例のみを示しているが、コネクタ512bとプラグ513bとを接続する場合に関しても同様である。
【0135】
図6(a)は、ケーブル502の変形例であるケーブル602を示す断面図であり、図6(b)は、図6(a)に係るフェライトコア614の分割箇所の断面図である。
【0136】
図6から明らかである通り、フェライトコア614が、1次巻線110aと2次巻線110bとの間で、コア部614aおよびコア部614bのように、分割することが可能であるのが好ましい。
【0137】
上記構成のフェライトコア614の一例としては、周知の磁気接触型のものが挙げられる。また、コア部614aおよびコア部614bは、分割されたコア部614aおよびコア部614bを組み合わせて元のフェライトコア614の形状に戻すための、位置あわせピン615・615を備えるのが好ましい。
【0138】
フェライトコア614を用いた場合、1次巻線110aと2次巻線110bとの間でコアを分割することができる。これにより、1次巻線110aに対して2次巻線110bを取り外し、該1次巻線110aおよび2次巻線110bの少なくとも一方を別の巻数のものに交換することにより、巻線比を容易に変更することができる。
【0139】
図7(a)は、ケーブルの端部の形状を示す斜視図である。また、図7(b)は、電気自動車における、ケーブルの挿入口の構成を示す斜視図である。
【0140】
ロックアーム701は、ケーブル102のコネクタ112aを挿入口710に挿入したときに、コネクタ112aが車両側のコネクタ(図示しない)から外れないように、ロックを行うものである。
【0141】
充電表示ランプ702は、例えば赤色のLED(Laser Emitting Diode:発光ダイオード)によって構成されている。例えば、充電表示ランプ702は、ケーブル102が通電状態である場合に点灯する構成とすることができる。
【0142】
リリースレバー703は、ロックレバー704のロックを解除し、また、ロックアーム701による上記ロックを解除するものである。
【0143】
ロックレバー704は、ケーブル102を、車両側のコネクタに設けられた端子(プラグ113a)と電気的に接続するものであり、ロックレバー704を握りつつ、コネクタ112aを挿入口710に挿入することで、上記の電気的接続が可能となる。
【0144】
また、705はハンドル、706はギャップタイヤケーブルである。
【0145】
挿入口710は、電気自動車における、ケーブルの挿入口である。キャップ711を開くと、プラグ113aが設けられている。
【0146】
なお、ここでは、ケーブル102のコネクタ112aへの挿入に関して説明を行ったが、ケーブル102のコネクタ112bへの挿入に関しても、上記の説明と同様のことが言える。
【0147】
なお、第1電気自動車または第2電気自動車のかわりに、直流電流および電圧による電力供給が可能な装置が接続されてもよい。
【0148】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、電気自動車の電池からの放電により、他の電気自動車の電池を充電する、電気自動車の充電システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0150】
100 電気自動車の充電システム
101a 第1電気自動車
101b 第2電気自動車(他の電気自動車)
102 ケーブル
103a 第1電池
103b 第2電池
104a 第1交換電流発生回路
104b 第2交換電流発生回路
105a 第1ケーブル部
105b 第2ケーブル部
106 トランス(接続部)
107a 第1のレグ
107b 第3のレグ
108a 第2のレグ
108b 第4のレグ
110a 1次巻線
110b 2次巻線
114 フェライトコア(コア)
300 電気自動車の充電システム
301a 第1電気自動車
301b 第2電気自動車(他の電気自動車)
302a インダクタ
302b インダクタ
400 電気自動車の充電システム
401a 第1電気自動車
401b 第2電気自動車(他の電気自動車)
402 ケーブル
403a 通信線部(通信線)
403b 通信線部(通信線)
405a 第1通信用ケーブル(通信線)
405b 第2通信用ケーブル(通信線)
505 通信用ケーブル(通信線)
602 ケーブル
614 フェライトコア(コア)
D1 第1ダイオード
D2 第2ダイオード
D3 第3ダイオード
D4 第4ダイオード
D5 第5ダイオード
D6 第6ダイオード
D7 第7ダイオード
D8 第8ダイオード
T1 第1トランジスタ
T2 第2トランジスタ
T3 第3トランジスタ
T4 第4トランジスタ
T5 第5トランジスタ
T6 第6トランジスタ
T7 第7トランジスタ
T8 第8トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の動力源である第1電池を備えた第1電気自動車と、
上記第1電池と電気的に接続されるケーブルである第1ケーブル部、上記第1電気自動車の他の電気自動車の動力源である第2電池と電気的に接続されるケーブルである第2ケーブル部、および上記第1ケーブル部と上記第2ケーブル部とを電気的に接続する接続部を備えたケーブルと、を備え、
上記ケーブルを通じて、上記第1電池および上記第2電池の一方から放電された電力により、上記第1電池および上記第2電池の他方を充電することが可能である、電気自動車の充電システムであって、
上記第1電気自動車は、上記第1電池から放電された電力から生成した電流を上記第1ケーブル部に出力する動作と、上記第1ケーブル部から入力された電力から生成した電流を上記第1電池に供給する動作とが切り替えられる第1交換電流発生回路を備え、
上記接続部は、上記第1ケーブル部および上記第2ケーブル部の一方に入力された電力を、上記第1ケーブル部および上記第2ケーブル部の他方に伝達するトランスであることを特徴とする電気自動車の充電システム。
【請求項2】
上記第1交換電流発生回路は、
第1トランジスタ、第2トランジスタ、第1ダイオード、および第2ダイオードを備えた第1のレグと、
第3トランジスタ、第4トランジスタ、第3ダイオード、および第4ダイオードを備えた第2のレグとを備え、
上記第1のレグは、
上記第1電池の正極が、上記第1トランジスタのドレインおよび上記第1ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第1トランジスタのドレインが、上記第1ダイオードのカソードに接続されており、
上記第1トランジスタのソースが、上記第1ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第1トランジスタのソースおよび上記第1ダイオードのアノードが、上記第1ケーブル部の一端に接続されており、
上記第1ケーブル部の一端が、上記第2トランジスタのドレインおよび上記第2ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第2トランジスタのドレインが、上記第2ダイオードのカソードに接続されており、
上記第2トランジスタのソースが、上記第2ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第2トランジスタのソースおよび上記第2ダイオードのアノードが、上記第1電池の負極に接続されており、
上記第2のレグは、
上記第1電池の正極が、上記第3トランジスタのドレインおよび上記第3ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第3トランジスタのドレインが、上記第3ダイオードのカソードに接続されており、
上記第3トランジスタのソースが、上記第3ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第3トランジスタのソースおよび上記第3ダイオードのアノードが、上記第1ケーブル部の他端に接続されており、
上記第1ケーブル部の他端が、上記第4トランジスタのドレインおよび上記第4ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第4トランジスタのドレインが、上記第4ダイオードのカソードに接続されており、
上記第4トランジスタのソースが、上記第4ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第4トランジスタのソースおよび上記第4ダイオードのアノードが、上記第1電池の負極に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項3】
上記他の電気自動車である第2電気自動車をさらに備え、
上記第2電気自動車は、上記第2電池から放電された電力から生成した電流を上記第2ケーブル部に出力する動作と、上記第2ケーブル部から入力された電力から生成した電流を上記第2電池に供給する動作とが切り替えられる第2交換電流発生回路を備えることを特徴とする請求項2に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項4】
上記第2交換電流発生回路は、
第5トランジスタ、第6トランジスタ、第5ダイオード、および第6ダイオードを備えた第3のレグと、
第7トランジスタ、第8トランジスタ、第7ダイオード、および第8ダイオードを備えた第4のレグとを備え、
上記第3のレグは、
上記第2電池の正極が、上記第5トランジスタのドレインおよび上記第5ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第5トランジスタのドレインが、上記第5ダイオードのカソードに接続されており、
上記第5トランジスタのソースが、上記第5ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第5トランジスタのソースおよび上記第5ダイオードのアノードが、上記第2ケーブル部の一端に接続されており、
上記第2ケーブル部の一端が、上記第6トランジスタのドレインおよび上記第6ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第6トランジスタのドレインが、上記第6ダイオードのカソードに接続されており、
上記第6トランジスタのソースが、上記第6ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第6トランジスタのソースおよび上記第6ダイオードのアノードが、上記第2電池の負極に接続されており、
上記第4のレグは、
上記第2電池の正極が、上記第7トランジスタのドレインおよび上記第7ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第7トランジスタのドレインが、上記第7ダイオードのカソードに接続されており、
上記第7トランジスタのソースが、上記第7ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第7トランジスタのソースおよび上記第7ダイオードのアノードが、上記第2ケーブル部の他端に接続されており、
上記第2ケーブル部の他端が、上記第8トランジスタのドレインおよび上記第8ダイオードのカソードに接続されており、かつ、上記第8トランジスタのドレインが、上記第8ダイオードのカソードに接続されており、
上記第8トランジスタのソースが、上記第8ダイオードのアノードに接続されており、かつ、上記第8トランジスタのソースおよび上記第8ダイオードのアノードが、上記第2電池の負極に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項5】
上記トランスは、磁性体であるコアと、上記第1ケーブル部を上記コアに巻いて成る1次巻線と、上記第2ケーブル部を上記コアに巻いて成る2次巻線とを備え、
上記1次巻線に対する上記2次巻線の巻線比は、1でないことを特徴とする請求項4に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項6】
上記1次巻線に対する上記2次巻線の巻線比、または上記2次巻線に対する上記1次巻線の巻線比は、1.1以上であることを特徴とする請求項5に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項7】
上記1次巻線に対する上記2次巻線の巻線比は、上記第1電池の定格電圧に対する上記第2電池の定格電圧の比に等しいことを特徴とする請求項5または6に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項8】
上記コアは、上記1次巻線と上記2次巻線との間で分割することが可能であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項9】
上記第1電気自動車は、上記第1交換電流発生回路と上記第1ケーブル部との接続部分に、インダクタを備え、
上記第2電気自動車は、上記第2交換電流発生回路と上記第2ケーブル部との接続部分に、インダクタを備えることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項10】
上記第1トランジスタが導通するタイミングと、上記第5トランジスタが導通するタイミングとが同期しており、
上記第2トランジスタが導通するタイミングと、上記第6トランジスタが導通するタイミングとが同期しており、
上記第3トランジスタが導通するタイミングと、上記第7トランジスタが導通するタイミングとが同期しており、
上記第4トランジスタが導通するタイミングと、上記第8トランジスタが導通するタイミングとが同期していることを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載の電気自動車の充電システム。
【請求項11】
上記第1電気自動車と上記第2電気自動車との間での通信を行うための通信線をさらに備えることを特徴とする請求項3〜10のいずれか1項に記載の電気自動車の充電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−161187(P2012−161187A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19957(P2011−19957)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】