説明

電気自動車用減速差動装置

【課題】電動モータ、減速部及び差動部を備えた電気自動車用減速差動装置において、電動モータの低コスト化及び効率化を図ることである。
【解決手段】電動モータ11、小ギヤ31と大ギヤ32の組み合わせからなる減速部12及び遊星ギヤ機構によって構成された差動部13とからなり、前記電動モータ11として複数の汎用モータを組み合わせて使用することにより低コスト化を図り、負荷に応じて駆動する電動モータ11の数を適宜決定することにより、電動モータ11の効率化を図るようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、モータを駆動源とした電気自動車用減速差動装置に関し、特に電動モータの低価格化、効率化を図ることにより、1充電当たりの走行距離を延ばすようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車用減速差動装置として従来から知られているものは、電動モータ、遊星ギヤ型の減速部、遊星ギヤ型の差動部の組み合わせにより構成されている(特許文献1、2)。前記減速部は前記電動モータのモータシャフトと一体化された入力シャフトを備え、その入力シャフトに減速部サンギヤが同軸状態に一体に設けられる。減速部サンギヤと、ケーシングに固定された減速部リングギヤとの間に減速部ピニオンギヤが介在され、そのピニオンギヤのシャフトに減速部キャリヤが一体化される。減速部キャリヤが前記差動側リングギヤと連結され、差動部に対し減速された駆動力を入力する。
【0003】
前記差動部においては、前記の減速駆動力が差動部サンギヤと差動部キャリヤの2つの分配部材に差動分配される。差動部サンギヤのセンターに第一出力シャフトが挿入結合される。その第一出力シャフトが、減速部入力シャフト及びこれと一体のモータシャフトの内部を同軸状態に貫通し、さらにモータ側等速ジョイントを経て一方の車輪に連結される。また、前記減速部キャリヤに第二出力シャフトが結合され、第二出力シャフトは差動部側等速ジョイントを経て他方の車輪に連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−42656号公報
【特許文献2】特開平6−323404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のように、従来の減速部は大きい減速比を得るために遊星ギヤ機構が用いられ、減速側サンギヤのセンターにモータシャフトを挿入して一体に結合する構成であったから、電動モータと減速部の遊星ギヤ機構は一対一に対応する構成が採られていた。その結果、電動モータは1装置に1台使用する構成となっていた。
【0006】
しかし、装置の大きさや能力は、仕様によって様々であるから、電動モータとしては装置の仕様に応じて専用品を設計する必要があり、かえって装置の製造コストが高くなる要因となっていた。また、1台の電動モータによって、自動車走行時のあらゆる負荷に対応することになるため、モータの使用効率が低い問題もあった。
【0007】
さらに、小型自動車等においては、減速部の減速比は左程高く設定する必要はないので、減速部に遊星ギヤ機構を使用する必要のないケースもある。
【0008】
そこで、この発明は、電動モータ及び減速部に改良を加え、製造コストの低減化を図るとともに、電動モータの使用効率を上げ1充電当たりの走行距離を延ばすことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、この発明は、電動モータ、減速部及び差動部、並びに前記各部材を収納したケーシング、第一及び第二出力シャフトの組み合わせからなり、前記電動モータの駆動力は前記減速部において減速されて差動部に出力され、減速された駆動力は前記差動装置において負荷の大きさに応じて2つの分配部材に出力され、一方の分配部材は第一出力シャフトに連結され、他方の分配部材は前記第二出力シャフトに連結された電気自動車用減速差動装置において、前記電動モータが前記第一出力シャフトの周りに複数配置され、前記減速部が電動モータのモータシャフトによって支持された小ギヤと、前記第一シャフトに回転自在に支持された前記小ギヤと噛み合った大ギヤとにより構成され、前記大ギヤの一部が前記差動部の入力ギヤに連結された構成としたものである。
【0010】
前記構成によると、複数台の電動モータによって所定の駆動力を得るものであるから、各電動モータとしては汎用モータを使用することができる。
【0011】
また、前記モータシャフトと小ギヤの間に、前記モータシャフトからの駆動力は伝達するが、小ギヤからの駆動力は遮断する一方向クラッチが介在された構成を採ることができる。複数台の電動モータのうち適宜な台数を停止させた場合、前記一方向クラッチの作用によって停止中の電動モータのモータシャフトが回転されることが防止される。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、この発明によれば、電動モータが汎用品であるため、専用品を設計する場合に比べ装置の製造コストが安価になる利点がある。また、駆動する電動モータの数を負荷に応じて適宜選定することにより、モータの効率のよい領域で運転させることができ、さらに消費電力が低減されるので、1充電当たりの走行距離を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施形態1の断面図である。
【図2】図2は、図1のX1−X1線の断面図である。
【図3】図3は、図1のX2−X2線の断面図である。
【図4】図4は、図1の一部拡大断面図である。
【図5】図5は、図1のX3−X3線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明を実施するための形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
[実施形態1]
【0016】
実施形態1に係る電気自動車用減速差動装置は、図1に示したように、同軸状態に配置された電動モータ11、平行軸歯車機構によって構成された減速部12及び遊星ギヤ機構によって構成された差動部13、並びに前記各部材を収納したケーシング14、同軸上に配置された第一出力シャフト15及び第二出力シャフト16の組み合わせからなる。
【0017】
ケーシング14は、電動モータ11を収納した一端閉塞のモータケーシング14a、減速部12及び差動部13を収納した両端開放の減速差動ケーシング14b、モータケーシング14aと減速差動ケーシング14bの間に介在された隔壁ケーシング14c並びに減速差動ケーシング14bの他端を閉塞する蓋ケーシング14dを結合一体化したものである。
【0018】
モータケーシング14aの閉塞端部のセンターに軸方向内側に突き出したボス17が設けられ、そのボス17の内径面に第一出力シャフト15の一端部が貫通される。その貫通部分の第一出力シャフト15とボス17の内径面との間に、内側に転がり軸受でなる第一出力シャフト支持軸受18、外側にオイルシール19が介在される。オイルシール19はモータケーシング14aの内部に溜まった潤滑油の漏出を防止する。
【0019】
前記のモータケーシング14aには、周方向に等間隔をおいて4台の電動モータ11が配置され、それぞれのモータケース21が隔壁ケーシング14cに固定される。各電動モータ11のモータシャフト22の一端部は各モータケース21に転がり軸受23によって回転自在に支持され、他端部は前記隔壁ケーシング14cを貫通している。その貫通部分の電動モータ11側に転がり軸受24が介在され、また減速部12側にオイルシール25が介在される。
【0020】
前記モータケース21の内部において、モータシャフト22にロータ26が取付けられ、またロータ26に径方向に対向したステータ27がモータケース21の内径面に固定される。
【0021】
前記の各電動モータ11は汎用モータであり、4台の総合した駆動力が従来の1台の駆動力に相当する程度のものである。車両の制御装置によって負荷の大きさに応じて、1台から4台まで駆動される電動モータ11の数が選択的に決定される。これにより電動モータ11の効率的な運転が可能となり、また消費電力の節減を図ることができる。
【0022】
前記の第一出力シャフト15は、モータケーシング14aのセンターを貫通し、さらに隔壁ケーシング14cのセンターを貫通する。その隔壁ケーシング14cの貫通部にオイルシール28が介在される。第一出力シャフト15は、さらに減速差動ケーシング14bのセンターを貫通し、後述の差動部13のキャリヤ43のボス50に設けられた軸受穴51に回転自在に挿入される。
【0023】
前記減速部12は、各モータシャフト22の先端部に形成された小径部22aに一方向クラッチ30(図3参照)を介して取付けられた小ギヤ31と、前記第一出力シャフト15の外径面に転がり軸受29を介して回転自在に取付けられた外歯型の大ギヤ32の組み合わせからなる平行軸歯車機構によって構成される。大ギヤ32のボスに複数本のアーム33(図3参照)が放射状に設けられ、その先端部が差動部13側に屈曲され環状部34が形成される。前記減速部12の減速比は、小ギヤ31と大ギヤ32の歯数の比となり、その減速比で減速された駆動力が前記環状部34へ伝達される。
【0024】
前記のアーム33に代えて、大ギヤ32のボスと一体に円板部を設け、その円板部の外周部を差動部13側に屈曲して環状部34を形成するようにしてもよい。
【0025】
前記の一方向クラッチ30は、モータシャフト22からの駆動力を小ギヤ31に伝達するが、その反対方向のトルクの伝達は遮断するものであり、いわゆるフリーホイールとして知られているものである。
【0026】
なお、前記の外歯型の大ギヤ32に代えて、内歯型の大ギヤを使用してもよい。その場合は、減速差動ケーシング14bの内径面に転がり軸受を介してその内歯型の大ギヤを回転自在に取付け、その内径側に各小ギヤ31を噛み合わせる。
【0027】
前記差動部13は、図1及び図5示したように、遊星ギヤ機構によって構成され、前記環状部34の内径面に一体に設けられたリングギヤ38、その内径側において同軸状態に設けられたサンギヤ39、前記リングギヤ38とサンギヤ39の間に介在され相互に噛み合ったダブルピニオン式の差動側ピニオンギヤ41a、41b、これらのピニオンギヤ41a、41bを支持するピニオンシャフト42a、42b、これらのピニオンシャフト42a、42bを支持するキャリヤ43によって構成される。
【0028】
前記サンギヤ39は、そのセンターに設けられたセレーション穴45に第一出力シャフト15が挿通され、セレーション結合によって第一出力シャフト15と一体化される。また、サンギヤ39には、円弧形の長穴によって形成された通油穴56が設けられる。
【0029】
前記ピニオンギヤ41a、41bは、同一歯数の同一サイズのギヤである。図5に示したように、相互に噛み合うとともに、一方のピニオンギヤ41aは他方のピニオンギヤ41bより大きいPCDを有しリングギヤ38と噛み合い、PCDの小さいピニオンギヤ41bがサンギヤ39と噛み合う。各ピニオンギヤ41a、41bと各ピニオンシャフト42a、42bの間に、それぞれ針状ころ軸受44a、44bが介在される。各ピニオンシャフト42a、42bには給油穴40が設けられる。
【0030】
前記キャリヤ43は、図1に示したように、蓋ケーシング14dの内側面に沿って配置され、前記アーム33に沿って配置されたキャリヤ補助部材46との間で前記のピニオンシャフト42a、42bの各両端部を支持する。キャリヤ43の外周縁の複数個所には結合突部47が差動側キャリヤ補助部材46側に向けて設けられ、その結合突部47の先端に設けられた小突起48がキャリヤ補助部材46の結合穴49に挿入固定される。これによって、キャリヤ43とキャリヤ補助部材46が結合一体化される。
【0031】
前記キャリヤ43は、そのセンターに外方に突き出したボス50を有する。ボス50の内端(差動部13側の端部)に軸方向の軸受穴51が設けられ、その軸受穴51に、前述のように第一出力シャフト15の端部が挿入され、針状ころ軸受でなる第一出力シャフト支持軸受52を介して回転自在に支持されている。
【0032】
前記ボス50の閉塞された外端部のセンターに前記の第二出力シャフト16が一体に設けられる。ボス50と、蓋ケーシング14dのボス53との間に転がり軸受によって構成されたキャリヤ支持軸受54が介在され、キャリヤ支持軸受54によってキャリヤ43と第二出力シャフト16がケーシング14に支持される。前記のキャリヤ支持軸受54の外側において両方のボス50、53の間にオイルシール55が装着され、減速差動ケーシング14b内の潤滑油をシールする。
【0033】
前記のように、第一出力シャフト支持軸受52とキャリヤ支持軸受54は径方向に配置されるので、第二出力シャフト16の位置が第一出力シャフト15に接近する。第一出力シャフト15及び第二出力シャフト16の先端にはそれぞれ等速ジョイントを介して左右の車輪が取付けられるので、両出力シャフト15、16の位置が接近することにより等速ジョイントの取付け角度が小さくなる利点がある。
【0034】
なお、図1及び図4に示したように、減速部12の大ギヤ32と隔壁ケーシング14cの間及び大ギヤ32とサンギヤ39の間、サンギヤ39とキャリヤ43の間に、それぞれスラスト軸受57、58、59が介在される。
【0035】
実施形態1の電気自動車用減速差動装置は以上のように構成され、次にその作用について説明する。
【0036】
いま、すべての電動モータ11(図示の場合4台)が同時に駆動されたとすると、各モータシャフト22が回転し、一方向クラッチ30を経て小ギヤ31が回転する。これと同時にその小ギヤ31に噛み合った大ギヤ32が減速回転され、アーム33を介して差動部13の環状部34及びこれと一体のリングギヤ38を回転させる。
【0037】
車両の一方の車輪の負荷は、第一出力シャフト15を介して差動部13のサンギヤ39に加えられ、他方の車輪の負荷は、第二出力シャフト16を介してキャリヤ43に加えられる。両方の車輪に作用する負荷が均等である場合は、サンギヤ39、ピニオンギヤ41a、41b及びキャリヤ43は、リングギヤ38の回転に伴って一体となって回転し、相対回転することがない。
【0038】
このため、4台の電動モータ11の駆動力がサンギヤ39を経て第一出力シャフト15に、またキャリヤ43を経て第二出力シャフト16にそれぞれ均等に配分され、左右の車輪を等速回転させる。
【0039】
これに対し、左右の車輪に作用する負荷に差が生じると、ピニオンギヤ41a、41bの自転と公転によって駆動力は負荷の差に応じて、前記の経路を経て第一出力シャフト15及び第二出力シャフト16に差動分配される。
【0040】
即ち、第一出力シャフト15に作用する負荷が相対的に大きくなり、これと一体のサンギヤ39の回転数Nsが、リングギヤ38の入力回転数NrよりΔNだけ小さくなった場合、キャリヤ43の回転数Ncは、
Nc=Nr+λ/(1−λ)・ΔN
となり、第二出力シャフト16が増速される。但し、λは歯車比(=Zs/Zr)、Zsはサンギヤ39の歯数、Zrはリングギヤ38の歯数である。
【0041】
逆に、第二出力シャフト16に作用する負荷が相対的に大きくなり、これと一体のキャリヤ43の回転数Ncが、入力回転数NrよりΔNだけ小さくなった場合、サンギヤ39の回転数Nsは、
Ns=Nr+(1−λ)/λ・ΔN
となり、第一出力シャフト15が増速される。
【0042】
なお、作動される電動モータ11の数は負荷の大きさに応じて制御装置において適宜決定される。停止された電動モータ11がある場合は、そのモータシャフト22に取付けられた一方向クラッチ30はオフとなって、大ギヤ32からモータシャフト22が回転されることを防止する。
【0043】
減速部12及び差動部13の潤滑方式は油浴潤滑が行われる。即ち、減速差動ケーシング14bの内底部に一定レベルまで潤滑油が溜められ、減速部12においては環状部34を支持するアーム33が、回転中に潤滑油を掻き上げる。差動部13においては、キャリヤ43の外周部に設けられた結合突部47、ピニオンギヤ41a、41b等が、それぞれ潤滑油の掻き上げ作用を行う。掻き上げられた潤滑油は、減速部12及び差動部13の内部に飛散され各部品に掛けられる。
【0044】
また、大ギヤ32から放射方向に延びたアーム33の間、サンギヤ39の通油穴56においては潤滑油が軸方向に移動する。
【0045】
なお、以上の実施形態1においては、差動部13を遊星ギヤ機構によるものを示したが、差動部13は、デフケース、ピニオンギヤ及びサイドギヤより構成されるベベルギヤ方式のものでもよい。
【符号の説明】
【0046】
11 電動モータ
12 減速部
13 差動部
14 ケーシング
14a モータケーシング
14b 減速差動ケーシング
14c 隔壁ケーシング
14d 蓋ケーシング
15 第一出力シャフト
16 第二出力シャフト
17 ボス
18 第一出力シャフト支持軸受
19 オイルシール
21 モータケース
22 モータシャフト
22a 小径部
23 転がり軸受
24 転がり軸受
25 オイルシール
26 ロータ
27 ステータ
28 オイルシール
29 転がり軸受
30 一方向クラッチ
31 小ギヤ
32 大ギヤ
33 アーム
34 環状部
38 リングギヤ
39 サンギヤ
40 給油穴
41a、41b ピニオンギヤ
42a、42b ピニオンシャフト
43 キャリヤ
44a、44b 針状ころ軸受
45 セレーション穴
46 キャリヤ補助部材
47 結合突部
48 小突起
49 結合穴
50 ボス
51 軸受穴
52 第一出力シャフト支持軸受
53 ボス
54 キャリヤ支持軸受
55 オイルシール
56 通油穴
57、58、59 スラスト軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータ、減速部及び差動部、並びに前記各部材を収納したケーシング、第一及び第二出力シャフトの組み合わせからなり、前記電動モータの駆動力は前記減速部において減速されて差動部に出力され、減速された駆動力は前記差動装置において負荷の大きさに応じて2つの分配部材に出力され、一方の分配部材は第一出力シャフトに連結され、他方の分配部材は前記第二出力シャフトに連結された電気自動車用減速差動装置において、前記電動モータが前記第一出力シャフトの周りに複数配置され、前記減速部が電動モータのモータシャフトによって支持された小ギヤと、前記第一シャフトに回転自在に支持された前記小ギヤと噛み合った大ギヤとにより構成され、前記大ギヤの一部が前記差動部の入力ギヤに連結されたことを特徴とする電気自動車用減速差動装置。
【請求項2】
前記モータシャフトと小ギヤの間に、前記モータシャフトからの駆動力は伝達するが、小ギヤからの駆動力は遮断する一方向クラッチが介在されたことを特徴とする請求項1に記載の電気自動車用減速差動装置。
【請求項3】
前記電動モータは、それぞれ単独で動作させることができることを特徴とする請求項2に記載の電気自動車用減速差動装置。
【請求項4】
前記電動モータが汎用モータであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電気自動車用減速差動装置。
【請求項5】
前記減速部の大ギヤは外歯型であり、前記第一出力シャフトの外径面に転がり軸受を介して回転自在に支持されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電気自動車用減速差動装置。
【請求項6】
前記減速部の大ギヤは内歯型であり、前記ケーシングの内径面に転がり軸受を介して回転自在に支持されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電気自動車用減速差動装置。
【請求項7】
前記差動部は遊星ギヤ機構によって構成され、前記減速部からの減速された駆動力が入力される入力ギヤが当該遊星ギヤ機構のリングギヤであり、前記一方の分配部材がサンギヤであり前記第一出力シャフトに連結され、前記他方の分配部材がキャリヤであり、そのキャリヤが前記第二出力シャフトに連結されたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電気自動車用減速差動装置。
【請求項8】
前記キャリヤは、そのボスの一端部に前記第二出力シャフトが一体に設けられたことを特徴とする請求項7に記載の電気自動車用減速差動装置。
【請求項9】
前記ボスに軸方向の軸受穴が設けられ、前記軸受穴に挿入された第一出力シャフトの一端部と前記軸受穴内径面との間に第一出力シャフト支持軸受が介在されたことを特徴とする請求項1から8のいずいれかに記載の電気自動車用減速差動装置。
【請求項10】
前記ボスの外径面と前記ケーシングとの間にキャリヤ支持軸受が介在されたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の電気自動車用減速差動装置。
【請求項11】
前記減速部と差動部の潤滑が油浴潤滑であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の電気自動車用減速差動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−241820(P2012−241820A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113363(P2011−113363)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】