説明

電気自動車用防曇・空調システム

【課題】電気自動車の車内空間、とりわけウインドウ周辺空気の相対湿度を制御し、特に梅雨時や冬季の視界を遮るウインドウの結露による曇りを防止する電気自動車用防曇・空調システムを提供する。
【解決手段】蓄電された電力を電動機の主たる動力源として走行する電気自動車において、その車体内部に、水分吸湿作用を発生する除湿材を内包する除湿ユニットを複数配置し、その除湿ユニット内に電気ヒータと送風ファンなどを併せて設置することで、夜間など電気自動車が停止かつ充電状態にある時に、商用電力などにより電気ヒータと送風ファンを稼働させ、加熱され温度上昇した低相対湿度の空気を除湿剤へ導き、除湿剤を再生した後に、除湿ユニットを通過した空気を車外へ排気できる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の車内空間、とりわけウインドウ周辺空気の相対湿度を制御し、特に梅雨時や冬季の視界を遮るウインドウの結露による曇りを防止する電気自動車用防曇・空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の傾向が顕著となり、その対策の一環として主たる温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を削減すべく化石燃料を全く使用しない電気自動車の導入が進められている。
しかしながら電気自動車では次の様な問題がある。例えば、冬季に外気温が氷点下となる条件でのバッテリー性能が低下する問題や、外気が車室内温度より低温となる冬季や梅雨時などに、乗員から排出される水蒸気(不感常泄量)がウインドウガラスに結露し視界が妨げられる問題などである。
前者はバッテリーを何らかの手段で保温すれば良いが、後者の問題は車室内空気の除湿が対策となるが、電気自動車の場合は、従来自動車の様に圧縮式空調(冷凍)システムによる冷却除湿に頼ることは、蓄電力の消費となり(走行可能距離の短縮となり)避けなければならない。
【0003】
例えば、外気が5℃、60%RH(絶対湿度2.6g/kg)の環境下で、車内容積が4m3(=空気重量4.8kg)の電気自動車に乗員3名が乗車した場合、人間の不感常泄量(水蒸気発散量)は約30g/h・人であるから、車内の絶対湿度は毎時18.8g/kgの速度で上昇する。このため、ウインドウガラス近傍で空気温度が5℃であれば、相対湿度100%(絶対湿度5.4g/kg)には約9分で到達し、結露(窓が曇る)が始まる。
【0004】
従来の自動車であれば、エンジン排熱を利用しウインドウガラス近傍の空気温度を上昇させて相対湿度を低下して結露を防止する手段や、エアコンを稼働させ冷却除湿し空気の絶対湿度を低下させた後に再加熱した空気をウインドウガラスへ噴射するなどの対策を行っているが、電気自動車では有効な熱源が無いために、この対策は取れない。
【0005】
一方、電気自動車はリチウムイオン電池などの蓄電バッテリーに電力を蓄え、蓄えた電力によりモータを駆動して走行する。従って、冬季や梅雨時に暖房や防曇などのために、加熱源やエアコンの動力源として電力を消費する事は、電気自動車の走行可能距離の短縮や、高価なリチウムイオン電池の容量アップに繋がり経済性を損なうこととなる。従って、電力の使用を抑制できる防曇・空調システムの開発は喫緊の課題であると言える。
【0006】
近年、空気の除湿を効果的に行う手段として、デシカント調湿技術が提案されている。例えば下記特許文献1では、2つのデシカント(水分吸脱装置部内に設置された除湿剤)を処理空気と再生空気の流通経路に交互に切り換え接続可能な状態に配置し、一方のデシカントで処理空気中の水分を吸着する時に、他方のデシカントを再生空気によって再生し、2つのデシカントを交互に使用し、外気を除湿するようにした空調システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−032912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1記載のデシカント空調システムのように、従来のデシカント調湿装置の多くは室内へ供給する外気(処理空気)の除湿が目的であり、比較的短時間に除湿剤の吸着工程と再生工程を繰り返す構成であり、また、処理空気を低湿化する際の吸湿熱を暖房へ積極的に活用するものは無い状況である。
【0009】
また、従来の化石燃料を使用する自動車では、冬季でもカーエアコンを作動させ、室内空気を露点以下に冷却することで結露により除湿し、その後にヒータにて該空気を加熱して低相対湿度空気としてウインドウへ吹きつけることでウインドウの曇を防止する手段を用いている。しかしながら電気自動車では加熱源となる排熱がわずかであり、そのためにバッテリーに蓄えている電気を利用することは走行距離の短縮を引き起こすなどの問題がある。
【0010】
また、電気や化石燃料を使用せずに空気を加熱する手段として、潜熱蓄熱体に熱を蓄える手法が考えられる。これは、主に夜間などの電気自動車の停車充電時に潜熱蓄熱体を電気加熱して溶融状態として、昼間の走行時に溶融状態にある潜熱蓄熱体と低温空気を直接あるいは間接的に接触させて、潜熱蓄熱体が保有する温熱を空気へ移動させ加熱を行うものである。この様な潜熱蓄熱体として、融点が30℃〜80℃程度のパラフィン類や無機水和塩が知られているが、現時点では製品としての価格も決定できておらず、多くは試作品に留まっており、電気自動車へ適用するには非現実的な状況である。
【0011】
本発明は、このような従来の技術的問題点を解決し、電気自動車においてもその走行時にウインドウに発生する曇を防ぐと共に、室内空気を加熱することが可能な電気自動車用防曇・空調システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、蓄電された電力を電動機の主たる動力源として走行する電気自動車において、その車体内部に、水分吸湿作用を発生する除湿材を内包する除湿ユニットを複数配置し、その除湿ユニット内に電気ヒータと送風ファンなどを併せて設置することで、夜間など電気自動車が停止かつ充電状態にある時に、商用電力などにより電気ヒータと送風ファンを稼働させ、加熱され温度上昇した低相対湿度の空気を除湿剤へ導き、除湿剤を再生した後に、除湿ユニットを通過した空気を車外へ排気できる構成とした。
これにより冬季や梅雨時の走行時において、乗員から発生する水分(人間の不感常泄)や、外気が車内へ持ち込む水分を、除湿剤に吸わせることで、低相対湿度でかつ温度上昇した空気が得られる。この低相対湿度で高温の空気をフロントウインドウやリアウインドウなどへ吹き掛けることで、ウインドウに発生する結露除去が可能な電気自動車用の防曇・空調システムが提供される。
【0013】
また、夏季に、車載の電動圧縮式冷凍装置を使用して車内温度を低下させる時においても、乗員から発生する水分(人間の不感常泄)や、外気が車内へ持ち込む水分を、除湿ユニット内の除湿剤に吸わせることで、絶対湿度の低い空気が得られる。この絶対湿度の低い空気を電動圧縮式冷凍装置で冷却するので、蒸発器(エバポレータ)での結露(水蒸気凝縮)が防止できる。これにより電動圧縮式冷凍装置は空気の冷却除湿の負荷から解放され、空気を目的温度(通常は25℃程度)まで冷却するのみの負荷となり、冷凍効率の高い運転が可能な電気自動車用の防曇・空調システムが提供される。
【0014】
本発明では除湿剤として、高相対湿度領域で高い吸湿率、かつ低相対湿度領域で低い吸湿率を示す高分子収着剤やイモゴライトなどを使用しているので、夜間などの除湿剤の再生運転時には相対湿度20%程度の乾燥空気により十分な再生運転を行うことが可能であり、走行時、室内気の相対湿度が60%程度であっても吸湿率差を大きくとる事が可能となり、除湿剤の充填量を低減化できるため軽量かつコンパクトな電気自動車用の防曇・空調システムが提供される。
【0015】
更に、本発明では除湿ユニット内部に設置される除湿剤の形状として、断面がダンボール形状となる紙や樹脂の板材を複数積層した構造物、または複数個の突起を有する3次元構造体を使用しているので、通過空気の通風抵抗を低く抑えた上に均一な空気流が得られるために、これら構造体表面に担持された除湿剤の全量を活用可能であることを特徴とする電気自動車用防曇・空調システムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したとおり本発明の電気自動車用防曇・空調システムを用いれば、冬季や梅雨時には、電気自動車の走行時に発生するウインドウの曇りを除去した上に暖房効果が得られるので、搭載される蓄電バッテリーからの使用電力を極小に削減できる。また、夏季には車室内空気の絶対湿度を低くできるので、電動圧縮式冷凍装置内での結露(水分凝縮)を防止でき、圧縮式冷凍サイクルの運転効率を高められ、冷凍装置の小型化や軽量化も可能となる。
【0017】
本発明の本質は、電気自動車の充電時と走行時(充電された電気の放出時)の時間差を除湿剤の再生と吸湿に振り分けた点にある。
要するに、夜間など電気自動車の充電時に、外部電力などのエネルギーを用いて相対湿度の低い空気を製造し、これにより除湿剤を再生し、走行時には、乗員が発する不感常泄(約30g/h・人)を除湿剤が吸着し、室内空気の絶対湿度の上昇を防止作用を発生させる事が最大の特徴である。
【0018】
このように、除湿剤の利用形態を電気自動車の蓄電バッテリーの充電時と放電時に分けているので、従来のデシカント装置のように再生・吸湿運転における複雑な流路切り替え等を行うことなく、かつ、軽量でコンパクトな電気自動車向けの防曇・空調システムの提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る電気自動車に設置された防曇・空調システム10の構成図である。防曇・空調システム10は、除湿ユニット1、その内部に設置された除湿剤2、電気ヒータ3および送風ファン4、除湿ユニット1の下流部に設置される通風ダクト5、通風ダクト5の下流に設置される防曇ダクト6、および排気ダクト7、防曇ノズル6および排気ダクト7への送気を切り替えるガイドベーン8、排気ダクト7と同心円状に設置される外気導入ダクト9などから構成される。
【図2】除湿ユニット1の内部に設置される除湿剤2の形状説明図。除湿剤2は高分子収着剤を塗布したダンボール状の薄板を積層した形状である。
【図3】夜間などの電気自動車の充電時に、送風ファン4と電気ヒータ3を外部電力にて駆動し、高温の低相対湿度の空気を製造し、この低相対湿度の空気を除湿剤2へ送気して除湿剤2を再生する際の、除湿剤2を通過する前後の空気の状態を示す湿り空気線図である。
【図4】電気自動車の走行時、室内空気を送風ファン4にて除湿剤2へ送気することで、除湿剤2が空気中の水分を吸着し、空気温度が上昇し、かつ、低相対湿度となった空気状態を示す湿り空気線図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0021】
図1および図3は、冬季における電気自動車の防曇・空調システム10の運転状態を示す例である。ここでは、除湿ユニット1の内部に設置された除湿剤2の再生運転の状態を示している。商用100V電源を使用し、除湿ユニット1の内部に設置される電気ヒータ3および送風ファン4を稼働させている。状態Aにある室内気は送風ファン4にて送気され、電気ヒータ3にて加熱され状態Bとなる。 状態Bの空気は高温かつ低相対湿度の空気であるが、これが除湿剤2を通過する際に、除湿剤2から水分を吸収し状態Cとなる。状態Cとなった空気は、通風ダクト5、排気ダクト7を経て車外へ排気される。排気ダクト7はその外周側に車外からの外気を車内へ取り込む外気導入ダクト9を有しており、排気に伴い空気圧が減少した車内への外気の流入を行っている。
通風ダクト5を経て排気ダクト7を通過する状態Cの排気と、外気は熱交換を行う。この時、状態Cの空気は温度低下するために排気ダクト7の内部で結露を起こす事があるが、発生したドレインは重力により車外へ排出される構成となっている。
【0022】
図2は除湿ユニット1の内部に設置されている除湿剤2の形状を示した構成図である。図2において除湿ユニット1は矩形断面を持つ箱状であり、内部の除湿剤2も除湿ユニット1の形状に合致させた直方体形状であるが、除湿ユニット1ならびに除湿剤2の形状を共に円筒型形状としても良い。この場合、除湿剤2はダンボール状の平板を螺旋状に巻回して形成することが可能である。
【0023】
図4は、再生された除湿剤2が電気自動車の走行時などに吸湿作用を発揮し、状態Dの室内気を、状態Eに示される低相対湿度で高温な空気とする行程を示したものである。すなわち走行時には、図示されない蓄電バッテリー11からの給電にて送風ファン4を稼働させ、状態Dの室内気を除湿剤2へ送気し、除湿剤が空気中の水蒸気を吸湿し状態Eとする。状態Eの空気は、その後、図1に示される除湿ユニット1の下流部に設置される通風ダクト5を経由し、防曇ノズル6からフロントウインドウなどの窓ガラスへ向けて噴射され、ウインドウの結露除去あるいは結露発生を防止する。
【0024】
図3,図4に示される除湿剤2の再生行程、吸着行程は季節に拠らず通年して繰り返される運転である。冬季や梅雨時では、その効果は防曇や室内気の加熱となって現れるが、夏季には、室内気の除湿により電動圧縮式冷凍装置での結露(蒸発器における水蒸気の凝縮)を防ぎ、冷凍サイクル効率を向上させる作用を発揮する。
【0025】
電気自動車用の防曇・空調システムの構成と作用
例えば冬季や梅雨時など気温が低い状態においては、ウインドウも低温であるために、比較的短時間で乗員から発生する水分(人間の不感常泄)がウインドウに結露し曇りが発生する。
従来のガソリン車であれば、エンジン排熱を利用し室内気を高温とすることで簡単に相対湿度の低い空気が製造でき、これをフロントウインドウへ噴射することで曇り止めが可能であった。また、燃費は低下するが、エンジン駆動の圧縮式冷凍装置(カーエアコン)にて冷却除湿した空気をヒータにて加熱して、更に相対湿度の低い空気をフロントウインドウへ噴射することでウインドウの防曇が可能であった。
また、夏季においては、冷房時に空気中の絶対湿度を低下させるために、圧縮式冷凍装置にて空気温度をかなりの低温まで冷却する必要がある。このため、冷凍システムの運転効率が低下するという本質的な問題があった。
【0026】
このような現象や問題点は電気自動車にも同様に発生するが、電気自動車の場合は蓄電バッテリーにて走行時に必要となる全エネルギーを供給しようとすると、大容量の蓄電バッテリー搭載が不可欠で、コスト的にも重量的にも大きな課題となる。また、電気自動車では走行時の発熱源は周波数変換器などの電気系統のみであり、その発熱量は内燃機関を用いる自動車に比して極めて低いため、車内の暖房や防曇は大きな課題となる。このような問題を解決する観点から、電気自動車に設置された防曇・空調システム10の構成と作用に付いて説明する。
【0027】
図2に示されるように、除湿ユニット1の内部に通気可能な状態で、高分子収着剤が塗布された除湿剤2が設置されている。電気自動車が家庭などの商用電源から受電し、図示されない蓄電バッテリー12への充電と同時に、電気ヒータ4と送風ファン5を駆動して高温化され相対湿度が20%程度まで低下した空気を製造する。この空気を除湿ユニット1内の除湿剤2へ送気し、そこで、除湿剤2の内部にある水分を受け取る。この結果、除湿剤2は再生される。また、除湿剤2から水分を受け取った空気は、排気ダクト7を経て車外へ排気される。その際、排気ダクト7の外周側に設置される外気導入ダクト9を介して車内へ流入する外気と熱交換を行う。
【0028】
このように、除湿剤2の再生運転時に車内から排気される空気のもつ顕熱を、車内へ流入する外気へ移すことで、電気ヒータ3の加熱負荷を低減している。また、排気ダクト7はその傾きを重力方向としているので、絶対湿度の高い排気が、排気ダクト7の内部で低温下して結露が発生しても、そのドレインは重力により車外へ落下するので、ドレインが車内へ還流することは無い。
【0029】
このように季節を問わず、電気自動車の蓄電バッテリー充電時に除湿剤2を再生しているので、蓄電バッテリーの充電後は常に除湿剤2は再生状態となり、その後の走行時に室内気から水分を吸着可能となっている。
【0030】
図3の例では、夜間など除湿剤2の再生を行う際、状態A(例えば、温度5℃、相対湿度60%)にある車内空気を電気ヒータ3にて状態B(例えば、温度29℃、相対湿度14%程度)まで加熱する。これを除湿剤2を通過させると、状態C(例えば、温度19℃、相対湿度55%)となり、状態Aの絶対湿度(約3.5g/kgDA)から状態Cの絶対湿度(約8g/kgDA)となり、除湿剤2から水分を除去していることが判る。
【0031】
同様に図4に示すように、再生された除湿剤2を用いて、電気自動車の走行時などに車内空気の除湿を行う際、状態D(例えば、温度21.5℃、相対湿度60%)にある車内空気を除湿剤2へ導くと、状態E(例えば、温度31℃、相対湿度20%)となる。状態Eの空気を防曇ノズル6からウインドウへ向けて噴射すると、その温度が低下し、状態F(例えば、温度14.5℃、相対湿度55%)となる。状態Dの絶対湿度(約9.5g/kgDA)のまま、ウインドウへ近づき温度が15℃以下となれば相対湿度が100%近くなり、結露を生じるが、除湿剤2により、状態Dの絶対湿度(約5.5g/kgDA)であれば、10℃程度まで温度低下しても結露は生じない。
【0032】
このように電気自動車用の防曇・空調システムを構成し、運用しているので、冬季や梅雨時には電気自動車の走行時においても、通風ファンの駆動だけでウインドウの防曇ならびに室内加熱が可能となり、蓄電バッテリーからの電力供給量を削減可能となる。
また夏季においても、室内空気の除湿が電動圧縮式冷凍装置による冷却除湿頼る必要が無くなったので、電動圧縮式冷凍装置は室内空気温度を目的温度まで冷却するだけの負荷となり、消費電力の削減が可能となる。
これらの結果、電気自動車の走行可能距離が伸びるなどの効果が期待でき、蓄電バッテリーの小容量化や電気自動車の軽量化が可能となる。
【符号の説明】
【0033】
1・・・除湿ユニット、
2・・・除湿剤、
3・・・電気ヒータ、
4・・・送風ファン、
5・・・通風ダクト、
6・・・防曇ノズル、
7・・・排気ダクト、
8・・・ガイドベーン、
9・・・外気導入ダクト、
10・・・防曇・空調システム、
11・・・蓄電バッテリー、
12・・・制御装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電された電力を電動機の主たる動力源として走行する電気自動車の車体内部に、水分吸湿作用を発生する除湿材を内包する除湿ユニットを複数配置した車内空調装置において、主に夜間などのバッテリー蓄電時に、併行して電力による温風を製造し、該温風により除湿ユニット内の除湿材を加熱再生することを特徴とした電気自動車用防曇・空調システム。
【請求項2】
前記電気自動車の走行時に、該除湿ユニットを通過した車内空気または外気を、電気自動車の少なくとも前方のウインドウガラスに向けて車内側から噴射する構成としたことを特徴とする請求項1記載の電気自動車用防曇・空調システム。
【請求項3】
前記電気自動車の走行時に、該除湿ユニットを通過した車内空気または外気を、電気自動車に乗車する乗客や運転者へ向けて噴射する構成としたことを特徴とする請求項1記載の電気自動車用防曇・空調システム。
【請求項4】
請求項1,2,3記載の電気自動車用防曇・空調システムにおいて、主に夜間などのバッテリー蓄電時に、併行して電力による温風を製造する手段として、該除湿ユニット内にある電気ヒータを通電加熱した上で、該電気ヒータに室内空気あるいは外気を通過させた後に、該除湿剤へ送風し、その後に、該除湿ユニットから外へ排気する構成としたことを特徴とする電気自動車用防曇・空調システム。
【請求項5】
請求項1,2,3,4記載の自動車用防曇・空調システムにおいて、除湿ユニットに内包される除湿材は高分子収着剤あるいはイモゴライト吸着剤を塗布したダンボール状の板材を複数積層した構造物、あるいは複数個の突起を有する3次元構造体に高分子収着剤を塗布したものであることを特徴とする電気自動車用防曇・空調システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−121516(P2011−121516A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281860(P2009−281860)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(309028961)
【Fターム(参考)】