説明

電気製品及びその制御方法

【課題】家庭用電気製品及びその制御方法が開示される。
【解決手段】家庭用電気製品は、スマートグリッド網(smart gridnet)に接続して、それぞれの時間帯(time period)に関する電力料金(Power−rate)情報を含む電力情報を認識する通信装置、所定の動作モード及び前記動作モードによる動作状態を感知するように構成された感知装置、及び前記電力情報及び前記感知装置により感知された前記状態情報に基づいて省電力動作を実行するように構成された制御装置を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気製品及びその制御方法に係り、特に、使用者に使用上の便宜を提供しながら、動作モードの具現状態及び電力料金情報を考慮して電力料金を低減することができる電気製品に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用電気製品及び事務用電気製品を動作させるのに必要な電力は、韓国電力株式会社(Korea Power Electric Corporation)により管理される発電所、送電線、及び配線順序(the order of the distributed wires)により供給することができる。
【0003】
電力は、分散型生成(distributed generation)ではなく、中央集中型生成(center generation)という特性を有し、放射タイプの構造(radial-type structure)を有する。また、電力は、消費者指向ではなく、単方向供給者指向であるという他の特性を有する。
【0004】
電力生成技術は、アナログまたは電気機械的であり、事故の発生時に手動で修復しなければならない。必要な装備も手動で修復しなければならない。
【0005】
電力料金情報は実時間で得ることはできないが、韓国電力取引所(Korea Power Exchange)から制限的に得ることができる。電力料金システムは、実質的に固定した価格システムである。そのため、料金変動制(rate-change)を用いる消費者のためのインセンティブのような誘導策を適用することができない。
【0006】
このような問題を解決し、エネルギー効率を改善するために、スマートグリッド(Smart Grid)に対する研究開発が現在進行中である。
【0007】
スマートグリッドとは、現代化した電力技術と情報通信技術とのコンバージェンスで表現される次世代電力システム、及びその管理方法である。
【0008】
前述したように、現在の電気ネットワークは、供給者により垂直的に制御される中央ベース及び中央集中ネットワークである。これに対し、スマートグリッドは、供給者への集中が相対的に小さく、消費者及び供給者が互いに通信できる水平、共同、及び分散のネットワークである。
【0009】
スマートグリッドにより、家庭用電気製品、電力貯蔵装置、分散された電力はいずれも一つのネットワークに接続し、消費者及び供給者が互いに通信することを可能にする。このことから、スマートグリッドは「エネルギーインターネット(Energy Internet)」とも呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
かかるスマートグリッドを家庭またはビルディングのような電気消費部分に採択するには、電気を単に受信する受動的な役割から脱皮し、単数及び複数の家庭用電気製品と接続しているネットワークが、電力情報について電力供給者と両方向通信を具現することが要求される。
【0011】
また、家庭または企業用電力供給ネットワークシステム及びその管理方法に対する需要が増加しつつあるが、家庭用電気製品が使用されるときの実時間電力料金及び電力料金のピーク時間帯を決定し、該ピーク-時間には可能なかぎり使用者が家庭用電気製品を使用することを抑えるようにし、電力料金の節減を図ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、家庭用電気製品及びその制御方法に関する。
【0013】
本発明は、電力の使用によって支払う電力料金を節減し、使用者の便宜性を改善するための動作モードの実行に基づいて、かつ消費者の電力需要の変化を表現する電力需要情報によって電力料金を請求するための電力の可変単位価格を含む電力料金情報に基づいて、時間帯別に変わる電力情報及び状態情報に応じてその動作を柔軟に制御できる家庭用電気製品及びその制御方法を提供する。
【0014】
本開示の追加的な利点、目的、及び特徴は、下記説明に一部が開示され、部分的には下記説明から当業者に明らかになったり、本発明の実施から学習することができる。本発明の目的及び他の利点は、添付の図面、記載された詳細な説明及び特許請求の範囲から特別に指示される構造により実現され、獲得されるであろう。
【0015】
かかる目的及び他の利点を獲得するために、本発明の目的によれば、ここに実施されたり概略的に説明されているように、家庭用電気製品は、スマートグリッド網(smart gridnet)と接続して、それぞれの時間帯(time period)の電力料金(Power−rate)情報を含む電力情報を認識する通信装置と、所定の動作モード、及び該動作モードによる動作状態を感知するように構成された感知装置と、前記電力情報、及び前記感知装置により感知された前記状態情報に基づいて省電力動作を実行するように構成された制御装置と、を含む。
【0016】
本発明の他の側面において、家庭用電気製品の制御方法は、家庭用電気製品に設定された動作モード及び電力情報を認識する段階と、現在時間が請求電力料金が所定の基準値以上であるピーク時間帯にあるか、または前記請求電力料金が所定の基準値以下である非ピーク時間帯にあるかを判断する段階と、前記省電力動作モードまたは所定の動作モードに必要な動作時間及び前記ピーク時間帯を考慮して前記動作モードを実行するように電力消費部の動作を制御する段階と、を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、下記の有利な効果が得られる。
【0018】
まず、使用者は、家庭用電気製品の動作が実行される場合に、電力情報が提供されるため、合理的なサイクル選択及び電力節減実行ができる。
【0019】
また、電力料金に関する正常時間帯またはピーク時間帯が周期的にまたは周期が変わる度に提供されるため、使用者による合理的なサイクル選択及び電力節減実行が可能になる。
【0020】
また、使用者は、洗濯機の動作による電力消費量、エネルギー源による温室ガス予想放出量、及び電力料金が提供されるため、洗濯機の使用による電力消費量、温室ガス、及び電力料金を考慮することができる。
【0021】
また、電力需要が分散してピーク電力が減少するため、結果として、本発明は、スマートグリッドの確立及び全体的なエネルギー節減にも寄与することができる。
【0022】
本発明に関する上記の一般的な説明及び下記の詳細な説明はいずれも例示的で且つ説明的なもので、請求項に記載された発明に対するさらなる説明を提供するためのものであるということが理解されるであろう。
【0023】
本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本出願に組み込まれて一部を構成する添付図面は、下記の説明と共に本開示の実施例を示し、本開示の原理を説明するための役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】スマートグリッドを概略的に示す図である。
【図2】家庭に設置された電力管理ネットワークを概略的に示す図である。
【図3】電力管理ネットワークの制御ブロック図である。
【図4】本発明に係る洗濯機を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る洗濯機を示す側断面図である。
【図6】本発明に係る洗濯機に設けられている制御装置と、該制御装置の周辺に設けられている所定の部分の構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】本発明に係る洗濯機に設けられている出力部の実施例を示す画面である。
【図8】本発明に係る洗濯機の制御流れ図である。
【図9】本発明に係る洗濯機の制御流れ図である。
【図10】本発明に係る洗濯機の制御流れ図である。
【図11】本発明に係る洗濯機の制御流れ図である。
【図12】本発明に係るエアコンの制御流れ図である。
【図13】本発明に係る冷蔵庫の制御流れ図である。
【図14】本発明に係る冷蔵庫の制御流れ図である。
【図15】本発明に係る冷却器具の制御流れ図である。
【図16】電力料金変化のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の特定実施例を、添付の図面を参照して詳細に説明する。ただし、可能なかぎり、図面の全体を通じて同一または類似の部分については同一の参照符号を付して説明する。
【0026】
図1は、スマートグリッドを概略的に示す図であり、スマートグリッドは、原子力発電または水力発電により電気を生成する発電所、及び太陽光及び風力のような再生エネルギーを用いる太陽光発電所及び風力発電所を含む。
【0027】
発電所、原子力発電所または水力発電所は、電気を電力ケーブルを通じて外部基地に伝送し、外部基地は電気をサブ基地に伝送して、例えば、家庭及び事務室のような電気購買者に電気が分配されるようにすることができる。
【0028】
再生エネルギーにより生成された電気は、サブ基地に伝送されて電気購買者のそれぞれに分配され、サブ基地から伝送された電気は、電力貯蔵装置を通じて事務室及び家庭のそれぞれに分配される。
【0029】
ホームエリアネットワーク(Home Area Network(HAN))を用いる家庭は、太陽光及びPHEV(Plug in Hybrid Electric Vehicle)に搭載されている燃料電池を用い電気を生成して供給し、残っている電気は他の所に販売することができる。
【0030】
スマート検針インフラ構造(smart metering infrastructure)では、事務室または家庭においてその使用電力及び電力料金を認識することができる。そのため、使用者は、現在電力及び電力料金を認識することができ、電力料金を請求するための単位価格、または一部の電力会社から通知される使用電力に関する電力料金情報を通じて、環境に応じて電力消費または電力料金を低減するために検針を行うことができる。
【0031】
実時間電力管理及び実時間電力消費予測のために採択されたエネルギー管理システム(Energy Management System(EMS))、及び電力消費の実時間検針のための高級検針インフラ構造(Advanced Metering Infrastructure(AMI))が、スマートグリッドにおいて重要である。
【0032】
ここで、スマートグリッド下のAMIは、公開アーキテクチャに基づいて消費者を統合するための基本技術であり、AMIは、システムのエラーを検出することによって、消費者が効率的に電気を使用し、電力供給者がシステムを管理するようにすることができる。
【0033】
ここで、公開アーキテクチャとは、従来の通信ネットワークと比較する時、その製造方法を問わず、いかなる種類の家庭用電気製品もスマートグリッドで互いに接続されるための基準である。
【0034】
その結果、スマートグリッドで用いられる検針インフラ構造は、「Prices to Devices」のような、消費者が手軽に使える機能を可能にする。
【0035】
すなわち、電力市場の実時間価格信号または請求された電力料金情報または請求用単位価格情報が、それぞれの家庭に設置されているEMSを通じて伝達され、EMSは、制御するそれぞれの家庭用電気製品と通信する。したがって、使用者はEMSを見て、それぞれの家庭用電気製品の電力情報を認識し、電力情報プロセス、例えば、認識された電力情報に基づく電力料金制限設定または電力消費を実行する。
【0036】
ここで、EMSは、事務室または家庭で用いられるローカルEMS、及びローカルEMSにより獲得される情報を処理するための中央EMSで構成することができる。
【0037】
供給者と消費者間の電力情報に関する実時間通信がスマートグリッドで可能になることにより、「実時間グリッド応答」が実現でき、ピーク需要に対する高い費用負担を軽減することができる。
【0038】
図2は、家庭で用いられる電力供給ネットワーク10を概略的に示す図である。
【0039】
電力供給ネットワーク10は、それぞれの家庭に供給される電力、及び電力料金を実時間で検針できるスマート検針器20、またはエネルギー管理システム(EMS)30を備える。
【0040】
ここで、電力料金は、時間別支払システムに基づいて課金されてもよい。このような時間別支払電力料金は、例えば、電力消費が急増する時間帯には高くなり、夜間のように電力消費が相対的に低い時間帯には低くなる。
【0041】
EMS 30は、現在の電気消費量及び外部環境(例えば、温度及び湿度)をディスプレイするための画面31を有する。EMSは、使用者による駆動を可能にするボタン式入力装置32を有する端末機でよい。
【0042】
EMS 30またはスマート検針器20は、冷蔵庫101、洗濯機102、エアコン103、調理器具104、及びTV105のような家庭用電気製品と接続されることによって、これらと両方向で通信することが可能になる。
【0043】
宅内通信(Communication inside the house)は、PLCのような有線または無線で具現することができる。
【0044】
家庭用電気製品のそれぞれは、他の家庭用電気製品と接続して通信を行うこともできる。
【0045】
図3は、エネルギー管理システム(EMS)を通じて接続される要素の制御ブロック図である。
【0046】
ここで、システム電力供給器51は、火力、原子力、水力のための従来の発電施設を含む発電会社により供給される電力供給源である。
【0047】
さらに、EMSは、風力または太陽力発電を含む自体生成施設のような再生エネルギー供給器52、及び燃料電池自動車、家庭に提供されうる燃料電池または蓄電バッテリーのような補助電力供給器53を有することもできる。
【0048】
かかる電力供給器50は、スマート検針器20及びEMS 30と接続される。
【0049】
スマート検針器20及びEMS 30は、家庭用電気製品と通信することができる。
【0050】
ここで、EMS 30は、制御装置35、入力装置38、通信装置34、及びディスプレイ39を備える。スマート検針器20は、制御装置25、入力装置28、通信装置24、及びディスプレイ29を備える。
【0051】
それぞれの通信装置34及び24は、冷蔵庫101、洗濯機または乾燥機102、エアコン103、及び調理器具104などの、家庭に設置されている家庭用電気製品のそれぞれに設けられる通信装置101c,102c,103c,104cと通信するように接続される構成とすることができる。
【0052】
EMS 30またはスマート検針器20は、通信装置101c,102c,103c,104cに実時間電力情報を送信することができる。
【0053】
EMS 30またはスマート検針器20の少なくとも一方に設けられた制御装置25及び35は、入力装置32を介して使用者により入力される設定情報、家庭用電気製品の動作に関する蓄積された履歴情報、電力消費履歴情報、及び外部電力供給を実時間で認識する。
【0054】
制御装置は、実時間で様々な情報をプロセシングして、実時間で家庭用電気製品の動作を制御し、家庭用電気製品に供給される電力を制御する。
【0055】
ディスプレイ29及び39は、電力供給器により供給される電力情報、及び家庭用電気製品同士の通信情報をディスプレイする。
【0056】
EMS 30及びスマート検針器20における最も重要な役割は、家庭用電気製品に省電力モードを提供して、家庭用電気製品の動作時に、電力料金、電力消費、及び二酸化炭素放出を軽減するということである。
【0057】
電力料金を節減するように構成された省電力モードは、家庭用電気製品の使用時間によって電力料金が可変する変動支払システム(図16参照)下で、電力料金に関する情報に基づいて実行される。
【0058】
EMS 30またはスマート検針器20は、最高の電力料金が課金されるピーク時間、電力消費量、または電力料金の上限または所定の制限目標値を考慮して家庭用電気製品を制御するように採択することができる。
【0059】
ここで、省電力モードを実行するために、EMS 30またはスマート検針器20は、電力会社のような電力管理プログラムの中心運営主体(central operation body)により提供される電力管理プログラムに加入していればよい。
【0060】
電力管理プログラムに加入した後に、電力管理システム下で、電力料金は節減可能になり、電力会社により提供される電力料金引下げ政策を有利に共有することができる。
【0061】
制御装置101a,102a,103a,104a、ディスプレイ装置101b,102b,103b,104b、通信装置101c,102c,103c,104c、及び入力装置101d,102d,103d,104dは、現在の通信状態がディスプレイされ、使用者の命令が入力されうるように家庭用電気製品(100;101,102,103,104)に設けられる。
【0062】
通信装置101c,102c,103c,104cは、EMS 30またはスマート検針器20と通信したり、接続し、電力管理プログラムから送信される命令は、制御装置101a,102a,103a,104aにより家庭用電気製品において実行することができる。
【0063】
省電力動作を実行するために、家庭用電気製品に設けられた制御装置101a,102a,103a,104aは、EMS 30またはスマート検針器20から送信された電力情報に基づき、現在時間がピーク時間帯であるか否かを自体判断する。
【0064】
ここで、省電力動作は、電力料金に対して電力消費量及び電力節減の大きさ(size of the Power-saving)を考慮して定められる単一動作モード及び様様な動作モードで構成されるものではない。
【0065】
図4を参照して、家庭用電気製品の中でも、洗濯機102及びその制御方法を説明する。
【0066】
図4及び図5を参照すると、ドラム式洗濯機は、洗濯物を投入するための開口181を有するキャビネット110、開口181を開閉するように構成されたドア170、キャビネット110に吊設されて、洗濯水を貯留するタブ140、給水経路213及び214で構成されて、洗濯水をタブ140に供給する給水手段104、タブ140に回転可能に取り付けられて、洗濯物を収容するドラム160、タブ140に取り付けられてドラム160を回転させるモーター200、及びドア170をロック/アンロックするように構成されたドアスイッチ171を有する。
【0067】
ガスケット180は、開口181の周りに沿って取り付けられて、開口181とタブ140との間にできる隙間をシールすることができる。
【0068】
ここで、ガスケット180は、所定の高さを有する環状のもので、ガスケット180の中心は、しわが付いて重なり合っている。すなわち、ドア170の周りを包囲するガスケット180は、重なり合ってしわのついた部分を有する。
【0069】
制御パネル190は、洗濯機102の前面部の上部に形成されている。制御パネル190には、ドラム式洗濯機100の使用情報を含む様々な情報をディスプレイするように構成された出力部330、使用者または管理者が命令を入力するように構成された入力装置340を含む複数の制御装置、入力装置、及びディスプレイ装置が形成されているとよい。
【0070】
制御装置300は、制御パネル190に組み込まれており、制御装置300は、複数の入力装置から送信される入力信号またはそこに内蔵された制御アルゴリズムに基づき、出力部330を含む洗濯機102を制御する。ここで、制御装置300は、ドラム式洗濯機100の他の所定の部位に設けられていてもよい。
【0071】
より具体的に、図5を参照すると、ドラム式洗濯機は、その外形を定義するように構成されたキャビネット、ダンパー組立体130により支持されると共に、キャビネット110内部のスプリング120に吊り下がっているタブ140、タブ140に回転可能に取り付けられて、その内部に洗濯水及び洗濯物を収容するドラム160、ドラム160の内部表面に突設され、互いに所定の距離だけ離れており、ドラムの回転によって洗濯物を持ち上げたり落下させたりする複数のリフト161、ドラムに連結されたタブ140の背面部に取り付けられて、ドラム160を回転させるモーター200、及びタブ140の上側に設けられて、洗濯水を高温高圧のスチームに加熱し、該スチームをタブ140及びドラム160に供給するスチーム生成装置230を有する。
【0072】
図示のように、スチーム生成装置230の排出口は、タブ140の内部空間と連通する構成とすることができる。
【0073】
また、ドラム式洗濯機は、タブ140の上方に設けられて、洗濯水をタブ140及びドラム160に供給する給水手段210、及びタブ140の下方に設けられて、タブ140及びドラム160中の洗濯水を排出する排水装置220をさらに有する。スチーム生成装置230は、給水手段210と連結されている。
【0074】
具体的に、給水手段210は、キャビネット110の背面に取り付けられて、水の供給を調整する給水弁組立体211、給水弁組立体211とタブ140との間に設けられて、内部に洗剤を収容する洗剤ボックス組立体212、給水弁組立体211から分岐して、洗剤ボックス組立体212とスチーム生成装置230にそれぞれ連結される第1及び第2給水経路123,214、及び一端はスチーム生成装置230に連結され、他端はドラム160内に位置して、タブ140及びドラム160にスチームを供給するスチーム経路215を有する。
【0075】
ここで、ドラム160は、内周面に複数の脱水孔162を有し、これらの脱水孔162を通じて、洗濯水がタブ140内に流入し、回転による遠心力により洗濯物から水が流れ出ることとなる。給水弁組立体211及び排水装置220は、給水弁(図示せず)及び排水ポンプ(図示せず)をそれぞれ有し、給水弁及び排水ポンプの動作によって洗濯水を供給したり排出したりすることができる。
【0076】
図6を参照すると、本発明に係る洗濯機は、使用者が洗濯機の選択動作モード及び選択サイクルを入力する入力装置102d、有無線で外部装置と接続して電力情報を受信する通信装置102c、及び選択動作モード及び電力情報に基づいてサイクルを実行するように構成された制御装置102aを有することができる。
【0077】
ここで、電力情報は、ピーク時間帯(on−peak time period)及び非ピーク時間帯(off−Peak time period)に関する情報を含む。
【0078】
また、電力情報は、請求料金が、電力の単位価格に関する情報を考慮して消費者の選択により定義されたり、電力供給者により定義されたりすることができる或る所定のレベルを超える或る時間帯を意味する「高い請求料金時間帯(highly billed rate time period)」を含むことができる。
【0079】
ピーク時間帯は、非ピーク時間帯に比べて、より高い電力料金が請求される時間帯である。
【0080】
システム電力供給源51(図2参照)を管理する電力供給者は、統計的データまたは実時間測定に基づき、残っている電力量が所定の値以下になる程度に十分に全体電力消費が増加した時間帯を「ピーク時間帯」または「高い請求料金時間帯」と設定する。
【0081】
その結果、電力供給者は、ピーク時間帯または高い請求料金時間帯に、高い電力料金を請求することで、電力の使用を調整する。
【0082】
非ピーク時間帯は、ピーク時間帯以外の時間帯であり、高くない請求料金時間帯は、高い請求料金時間帯以外の時間帯である。
【0083】
ピーク時間帯(または、高い請求料金時間帯)及び非ピーク時間帯(または、高くない請求料金時間帯)に関する情報は、スマート検針器20(図2参照)及びEMS 30(図2参照)のような電力関連装置、及び外部電力システムの少なくとも一方に、あらかじめ記憶しておくことができる。
【0084】
また、電力供給者は、実時間で電力料金に関する情報を使用者に提供し、使用者がピーク時間帯及び非ピーク時間帯を認識できるようにすることもできる。
【0085】
通信装置102cは、有無線で外部装置と接続して、電力情報を受信する。有無線通信には、データを送受信できる任意の通信タイプ、例えば、電線通信、無線LAN、インターネット、ジグビー(Zigbee)、直列通信(serial communication)などを挙げることができる。通信装置102cは、洗濯機で要求される電力量、電力料金、及び温室ガス排出量に関する情報を、有無線通信を通じて外部に送信することができる。
【0086】
使用者は、入力装置102dを介して動作モード、例えば、正規モード及び省電力モードのいずれかを設定することができる。
【0087】
制御装置102aは、受信された電力情報に基づき、現在時間が非ピーク時間帯または高くない請求料金時間帯に属すると、正規動作モードで選択サイクルを実行し、受信された電力情報に基づき、現在時間がピーク時間帯または高い請求料金時間帯に属すると、使用者の設定モードで選択サイクルを実行する。
【0088】
すなわち、使用者が洗濯機を正規動作モードで動作するように設定した場合は、現在時間がピーク時間帯または高い請求料金時間帯に属するという電力情報を有しても、洗濯機の制御装置102aは、正規動作モードでサイクルを実行する。逆に、洗濯機が省電力モードで動作するように使用者が設定した後に、現在時間がピーク時間帯または高い請求料金時間帯に属するという電力情報を受信した場合は、洗濯機の制御装置は、省電力モードで洗濯機サイクルを実行する。動作モードは、必要によっては、あらかじめ設定された条件に応じて自動で変更されるようにしてもよい。
【0089】
本発明に係る洗濯機は、外部電力供給部に接続して洗濯機に電力を供給する電力供給部102e、洗濯物の量及び給水の温度を含む洗濯機-状態-情報を感知するように構成された感知装置102g、入力装置102dを介して入力されたり、現在実行状態の動作モード及びサイクルをディスプレイするように構成されたディスプレイ装置102b、制御装置の制御信号に応じてモーター、ヒーター、及びファンを駆動するように構成された駆動装置102fをさらに有する。
【0090】
電力供給装置102eは、外部電力供給器、すなわち、商用交流電源から電力を受信し、直流電圧を出力して、洗濯機、及びその内部に設けられた制御装置を構成する回路を駆動する。
【0091】
一般に、電力供給装置102eは、スイッチングモード電源供給器(Switched-Mode Power Supply(SPMS))でよい。
【0092】
勿論、電力供給装置102eは、他のタイプの電力スイッチング装置であってもよい。スイッチングモード電力供給器は、外部電力供給器の交流電圧を整流し等化して直流電圧に変換する。その後、電力供給装置102eは、高周波変圧器及びレギュレータ(regulator)のような変換器を用いることによって、直流電圧を、洗濯機及び洗濯機の制御装置を駆動するのに適した駆動電圧に変換する。
【0093】
感知装置102gは、洗濯物の量及び給水の温度を感知し、感知された量及び温度に関する情報を制御装置102aに送信する。
【0094】
この場合、制御装置102aは、あらかじめ設定されたサイクル、感知された洗濯物の量、及び感知された水温のいずれかに基づいて洗濯機の予想電力消費及び予想電力料金を計算することができる。
【0095】
感知装置102gは、洗濯機の通常的なサイクルをプロセシングするのに必要な様々な状態情報を検知する。水位センサー、すすぎレベルセンサー、洗濯物偏心センサー、及び洗濯機振動レベルセンサーをさらに有してもよい。
【0096】
感知装置102gは、センサーにより感知された情報を、制御装置102aに送信する。
【0097】
ディスプレイ部102bは、入力装置102dから入力された動作モード、及び洗濯機が実行する予定のサイクルをディスプレイしたり、現在実行中の動作モード及びサイクルをディスプレイしたりする。
【0098】
駆動装置102fは、制御装置102aから送信された駆動信号に基づき、それぞれのサイクルを実行するために発生した負荷を駆動する。具体的に、駆動装置102fは、ドラムを回転させるように構成されたモーター200(図5参照)、浸し過程(soaking course)のために供給される水を加熱するように構成されたヒーター、スチームを生成するように構成されたヒーター、空気を加熱して洗濯物を乾燥するように構成されたヒーター、及び乾燥過程に要求される気流(air current)を生成するように構成されたファン及びファンモーターのような、負荷を駆動する。
【0099】
以上では洗濯機の構成要素を挙げて説明したが、制御装置102a、ディスプレイ装置102b、通信装置102c、入力装置102d、電力供給装置102e、駆動装置102f、感知装置102gの構成は、他の家庭用電気製品、例えば、冷蔵庫101(図2参照)、エアコン103(図2参照)、調理器具104(図2参照)、及びTV 105(図2参照)にも適用することができる。
【0100】
この場合、冷蔵庫101の駆動装置は、圧縮器(compressor)、冷却ファンモーター、製氷器(ice−maker)、ディスプレイ装置、除霜用ヒーター(defrosting heater)と接続されるとよい。エアコンの駆動部は、外部ユニットに設けられる圧縮器、外部ファンモーター、内部ユニットに設けられている内部ファンモーター、及びディスプレイ装置に接続されるとよい。
【0101】
調理器具の駆動部は、ディスプレイ装置及びヒーターと接続するとよい。
【0102】
図8を参照すると、電力供給を洗濯機に印加した後(S801)、本発明の一実施例に係る洗濯機の制御方法は、洗濯機で実行されるサイクルの入力信号を受信する段階(図示せず)、外部装置から非ピーク時間帯(又は高くない請求料金時間帯)、及び非ピーク時間帯(又は高くない請求料金時間帯)よりも高い電力料金が請求されるピーク時間帯(又は高い請求料金時間帯)に関する電力情報を受信する段階(S802)、及び電力情報に基づいて正規動作モードまたは省電力動作モードでサイクルを実行する段階(S803)を含む。
【0103】
サイクルを実行する段階で、現在時間が、受信電力情報に基づいてピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)内にある場合は、サイクルは省電力モードで実行され(S804)、現在時間が非ピーク時間帯(又は高い請求料金時間帯)にある場合は、正規モードで実行される(S805)。
【0104】
電力供給者は、統計的データまたは実時間測定に基づき、それぞれの家庭に供給されうる残っている電力量を所定の値以下に下げる程度に十分に全体電力消費が増加した時間帯を、「ピーク時間帯」または「高い請求料金時間帯」と設定する。
【0105】
その結果、電力供給者は、ピーク時間帯または高い請求料金時間帯に、高い電力料金を請求することで電力の使用を調整する。
【0106】
ピーク時間帯(又は高い請求料金時間帯)及び非ピーク時間帯(又は高くない請求料金時間帯)に関する情報は、家庭に設置されたホームサーバー及びスマート検針器のような電力関連装置、及び外部電力システムの少なくとも一つに、あらかじめ記憶しておいてもよい。
【0107】
図9を参照すると、電力供給を洗濯機に印加した後に(S901)、本発明の他の実施例に係る洗濯機の制御方法は、洗濯機のサイクルを実行する入力信号を受信する段階(図示せず)、使用者が正規動作モードまたは省電力動作モードを設定するようにする段階(S902)、外部装置から、非ピーク時間帯(または高くない請求料金時間帯)、及び他の時間帯に比べてより高い電力料金が請求されるピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)に関する電力情報を受信する段階(S903)、及び受信された電力情報に基づいて正規動作モードまたは省電力動作モードでサイクルを実行する段階(S904)を含む。
【0108】
洗濯機は、受信された電力情報に基づいて現在時間が非ピーク時間帯(または高くない請求料金時間帯)にあると、正規動作モードでサイクルを実行する(S907)。
【0109】
洗濯機は、受信された電力情報に基づいて現在時間がピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)にあると、設定動作モードでサイクルを実行する。
【0110】
すなわち、段階S902で省電力動作モードが設定されていたか否かを判断する(S905)。判断の結果、省電力動作モードが設定されていると、サイクルは省電力動作モードで実行される(S906)。判断の結果、省電力動作モードが設定されていないと、サイクルは、正規動作モードで実行される(S907)。
【0111】
使用者は、動作モード、すなわち、正規動作モードと省電力動作モードのいずれかを設定することができる。
【0112】
受信された電力情報に基づき、洗濯機は、現在時間が非ピーク時間帯(または高くない請求料金時間帯)に属すると、正規動作モードでサイクルを実行し、現在時間がピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)に属すると、使用者の設定動作モードでサイクルを実行する。
【0113】
すなわち、使用者が洗濯機を正規動作モードに設定した場合は、たとえ現在時間がピーク時間帯であるという電力情報が受信されても、洗濯機のサイクルは正規動作モードで実行される。
【0114】
逆に、洗濯機が省電力動作モードで動作するように使用者が設定した後に、現在時間がピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)に属するという電力情報が受信された場合は、洗濯機のサイクルは省電力動作モードで実行される。
【0115】
この場合、省電力モードがピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)の終了時まで一定の機能を行う遅延を含み、このような遅延がピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)に起きると、遅延された機能を再開するための残っている予想時間が出力されたりディスプレイされたりする。
【0116】
また、動作(例えば、洗濯、すすぎまたは回転(脱水))の終了が視覚的または聴覚的に知らされると、使用者はそれぞれの状況に対処することができる。
【0117】
動作モードは、必要によっては、あらかじめ設定された条件に応じて自動で変更されるようにしてもよい。
【0118】
図10及び図11を参照して、本発明に係る洗濯機の制御方法を構成する省電力動作段階について説明すると、下記の通りである。
【0119】
上記制御方法によれば、省電力動作モードは使用者により設定され、通信装置102c(図6参照)は、ピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)に関する電力情報を受信する。次に、電力情報が受信されると、洗濯機のどのサイクルが実行されるかを判断し、洗濯機のサイクルは、判断結果に基づいて実行される。
【0120】
電力情報が受信された時に、洗濯機は洗濯サイクル前であるか、または給水サイクル前であるかが判断される(S1001)。電力情報の受信が洗濯サイクルまたは給水サイクルの前であると共に、洗濯サイクル及び給水サイクルに要求される時間がピーク時間帯と重なる場合に、制御装置102a(図6参照)は待機するように制御される(S1002)。
【0121】
しかし、全体費用を考慮して洗濯の効率が向上するとされる場合は、たとえ現在時間がピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)に属しても、給水サイクルが行われてもよい。
【0122】
段階S1001で洗濯サイクルまたは給水サイクルが始まる時に、電力情報を受信するタイミングが加熱−洗濯サイクルの途中であれば(S1003)、制御装置102aは、洗濯機の洗濯サイクルの加熱段階を中断し(S1004)、一つのピーク時間帯(高い請求料金時間帯)が終了するまで加熱段階を待機状態に制御する(S1005)。
【0123】
選択的に、水の加熱目標温度がヒーターの使用を減らすように下げられ、これにより電力使用が減少する(S1006)。
【0124】
段階S1003で電力情報を受信するタイミングが洗濯サイクルの加熱段階の途中でないと、現在、すすぎサイクルが継続中であるか判断される(S1007)。
【0125】
電力情報を受信したタイミングが、すすぎサイクルの途中であれば、すすぎサイクルの残っている回数が2以上か判断される(S1008)。すすぎサイクルの残っている回数が2未満であれば、すなわち、1または0の場合は、すすぎサイクルをそのまま行うことができる(S1011)。
【0126】
段階S1008ですすぎサイクルの残っている回数が2以上であれば、すすぎサイクルは1回行われ(S1009)、以降、ピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)が終了するまですすぎサイクルを待機状態とする(S1010)。
【0127】
あるいは、すすぎサイクルにはさほど電力が使用されないから、すすぎサイクルは、段階S1011を省き、完全に実行され、以降、洗濯機をピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)が終了するまで待機状態にすることもできる。
【0128】
図11に示すように、電力情報を受信したタイミングが、乾燥段階を含む主−回転サイクルの途中であるか否か判断する(S1101)。
【0129】
主−回転サイクルの途中であると判断されると、乾燥サイクルが回転サイクルを実行すると同時に動作するように設定されているか否かを判断する(S1102)。
【0130】
乾燥サイクルが動作するように設定されていると、乾燥サイクルを除いて回転サイクルのみ行われ、洗濯機は、一応回転サイクルが完了し、ピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)が終了するまで待機状態にする(S1103及びS1104)。
【0131】
段階S1102で電力情報を受信するタイミングが、乾燥段階を含まない主−回転サイクルの途中であると判断されると、回転サイクルが行われ、洗濯機の電力が遮断される(S1106)。
【0132】
段階S1101で電力情報を受信するタイミングが主−回転サイクルの途中でないと判断されると、駆動ヒーターの個数が2以上であるか判断する(S1107)。
【0133】
駆動ヒーターの個数が2以上であると、ヒーターの一部がオフ状態に制御され(S1109)、個数が1の場合は、ヒーターは加熱程度によってオフ状態、または他の動作モード(1段階、2段階、または3段階)として制御される(S1110)。
【0134】
ドラムを回転させるように構成されたモーターは、最も低い速度及び最も低い実動(net−operation)で駆動される(S1111)。
【0135】
本発明に係る洗濯機の制御方法において、電力情報は、外部電力供給器の種類及び温室ガスレベルをさらに含むことができる。
【0136】
この場合、制御方法は、電力情報に基づいて予想電力料金及び温室ガスの量を計算する段階、及び外部電力供給器の種類、温室ガスレベル、予想電力料金、及び温室ガス放出量データのうち少なくとも一つを出力する段階をさらに含むことができる。
【0137】
また、この制御方法によれば、洗濯機に供給されるエネルギー源の予想温室ガス放出量が、計算された予想電力消費量に基づいて計算されることが可能である。例えば、計算された予想電力消費量は、エネルギー源の二酸化炭素指数(carbon dioxide index)と掛けられて予想二酸化炭素放出量の値が算出される。ここで、エネルギー源は、石油、ガスのような化石燃料、太陽光、太陽熱、風力、潮力、水力、及び地力(fertility)のような再生エネルギー源、原子力、燃料電池などでよい。それぞれのエネルギー源による温室ガス指数、例えば、二酸化炭素指数は、実験からあらかじめ設定されていればよい。
【0138】
前述したように、電力が洗濯機に印加された後に、洗濯機の制御装置及び制御方法によれば、現在電力料金時間帯に関する情報が洗濯機の通信装置から出力部を通じて使用者に送信される。その後、使用者は、電力節減のための合理的な選択をし、ピーク時間帯に対応する省電力動作モードを可能にすることができる。その結果、合理的なエネルギーの使用が導入される。
【0139】
図12は、家庭用電気製品のうち、エアコンの省電力動作制御を示すフローチャートである。
【0140】
まず、圧縮器が動作するか否が判断される(S1201)。圧縮器が動作しないと、エアコンは、待機するように制御される(S1202)。ここで、待機状態は、圧縮器の予想動作時間がピーク時間帯以前に始まりながらピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)に属する場合は、ピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)が終了すまで圧縮器の動作の開始が待機中である状態を指す。あるいは、圧縮器動作時間がピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)と重なる場合は、圧縮器の動作時間をピーク−時間帯(または高い請求料金時間帯)の前に移すこともできる。
【0141】
判断の結果、圧縮器が動作中であれば、圧縮器の残っている動作時間が所定の値以下であるか否かが判断される(S1203)。
【0142】
圧縮器の残っている動作時間が所定の値以下であれば、圧縮器の現在動作状態が維持される(S1204)。しかし、残っている動作時間が所定の値以上であれば、電力消費量を低減させなければならず、圧縮器の電力消費量減少動作を実行する(S1205)。
【0143】
この場合、圧縮器の動作速度または動作頻度は、電力消費量減少動作の実行に合わせて調整される。
【0144】
一方、圧縮器の電力消費量減少動作または内部ファンモーターの消費電力減少によるエアコンの減少した冷却能力を補償するために、内部ファンモーターが制御されて、内部ファンの回転数を調整することができる。
【0145】
この場合、減少した冷却能力を補償するために、空気排出量及びファンの回転数を増加させる。一方、判断の結果、内部ファンの電力消費量を低減しなければならない場合は、内部ファンの回転数を減少させることができる。
【0146】
その後、圧縮器の動作が終了するか否かが判断される(S1207)。圧縮器の動作が完了した場合、待機状態はピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)が終了するまで維持される(S1208)。
【0147】
図13は、家庭用電気製品のうち、冷蔵庫に設けられる除霜用ヒータのための省電力動作モードの制御流れ図である。
【0148】
まず、除霜用ヒーターが動作するか否かが判断される(S1301)。除霜用ヒーターが現在動作していないと、すなわち、除霜用ヒーターが動作する前であれば、動作を開始せずに、待機状態を維持する(S1302)。
【0149】
ここで、待機状態とは、除霜用ヒーターの予想動作時間が、ピーク時間帯以前に始まりながら、ピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)に属する場合に、ピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)が終了するまで除霜用ヒーターの動作が待機中である状態を指す。
【0150】
この場合、除霜用ヒーターの実質的な動作時間を、除霜が完全に行われる遅延時間だけ延長することができる。
【0151】
判断の結果、除霜用ヒーターが動作中であれば、除霜用ヒーターの残っている動作時間は所定の値以下である(S1303)。現在、残っている動作時間が所定の値以下であれば、現在の除霜動作が維持される(S1304)。
【0152】
しかし、除霜用ヒーターの残っている動作時間が、所定の値以上であれば、ヒーターの加熱量を減らして電力消費量を低減させる(S1305)。
【0153】
上記の状態を維持しながら、除霜用ヒーターの動作が完了したか否かを判断する(S1306)。一旦除霜用ヒーターの動作が完了すると、待機状態は、ピーク時間帯が終了するまで維持される(S1307)。
【0154】
図14は、家庭用電気製品のうち、冷蔵庫に設けられている製氷機のための省電力動作モードの制御流れ図である。
【0155】
まず、製氷機が動作するか否かが判断される(S1401)。製氷機が現在動作していないと、すなわち、製氷機が動作する前であれば、待機状態は、動作を開始せずに維持される(S1402)。
【0156】
ここでいう待機状態は、製氷機の予想動作時間がピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)の前に始まりながら、ピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)に属する場合は、ピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)が終了するまで製氷機の動作が待機中である状態を指す。
【0157】
判断の結果、製氷機が動作中であれば、現在、氷箱中に保管している氷の量は所定の値以上である(S1403)。
【0158】
氷の量が所定の値以上であれば、それ以上氷を作る必要がないため、製氷機の動作は中断し、待機状態を持続する。すると、吐出ヒーターまたは給水モーターの動作が中断され、よって、電力消費が中断される。
【0159】
氷箱中に保管している氷の量が所定の値以下であれば、氷をさらに作る必要があり、製氷動作が実行される(S1405)。
【0160】
その後、製氷動作が完了したか否か判断する(S1406)。判断の結果、製氷動作が完了すると、待機状態は、ピーク時間帯が終了するまで維持される(S1407)。
【0161】
図15は、家庭用電気製品のうち、冷却器具のための電力節減制御方法を示す図である。
【0162】
まず、ヒーターが動作するか否かが判断される(S1501)。現在、ヒーターが動作していないと、すなわち、ヒーターが動作する前であれば、動作を開始することなく待機状態が維持される(S1502)。
【0163】
ここでいう待機状態は、ヒーターの予想動作時間がピーク時間帯以前に始まりながらピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)に属する場合に、ピーク時間帯(または高い請求料金時間帯)が終了するまでヒーターの動作が待機中の状態を指す。
【0164】
判断の結果、ヒーターが動作中であれば、複数のヒーターが設けられているか否かが判断される(S1503)。
【0165】
判断の結果、複数のヒーターが設けられていると、所定個数のヒーターがオフ状態に制御される(S1509)。
【0166】
しかし、一つのヒーターが設けられていると、ヒーターの残っている動作時間が所定の値以下であるか否か判断される(S1504)。
【0167】
ヒーターは、加熱程度によってオフ状態または他の動作モード(第1段階、第2段階、または第3段階)に制御される。
【0168】
現在残っている動作時間が所定の値以下であれば、現在の動作状態が維持される(S1505)。
【0169】
しかし、残っている動作時間が所定の値以上であれば、ヒーターにより生成される熱の量が減少して電力消費量が低減する(S1506)。
【0170】
その後、上記の状態が維持されながら、ヒーターの動作が完了したか否かが判断される(S1507)。判断の結果、ヒーターの動作が完了した場合は、待機状態が、ピーク時間帯が終了するまで維持される(S1508)。
【0171】
本発明の思想や範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変形及び変更が可能であるということが、当業者には理解されるであろう。したがって、添付した請求項及びこれら請求項と均等の範囲内にある変形及び変更はいずれも、本発明の範囲に含まれるものと解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートグリッド網に接続して、各時間帯の電力料金情報を含む電力情報を認識する通信装置と、
所定の動作モード、及び該動作モードによる動作状態を感知するように構成された感知装置と、
前記電力情報、及び前記感知装置により感知された状態情報に基づいて省電力動作を実行するように構成された制御装置と、
を備える家庭用電気製品。
【請求項2】
前記電力情報は、
請求電力料金が所定の基準値以上である高い請求料金時間帯、
時間変化または電力使用量による可変単位価格、または
前記請求電力料金が所定の基準値以下である非ピーク時間帯及び前記請求電力料金が所定の値以上であるピーク時間帯を含む、請求項1に記載の家庭用電気製品。
【請求項3】
前記制御装置は、前記動作モードを実現するのに必要な所定の電力消費部の予想動作時間が、前記高い請求料金時間帯と重なる場合に、前記高い請求料金時間帯が終了するまで、前記電力消費部の動作開始が待機中にあるように制御する、請求項2に記載の家庭用電気製品。
【請求項4】
前記制御装置は、前記高い請求料金時間帯が、前記動作モードを実行するのに必要な電力消費部の動作の間に始まる場合に、前記電力消費部の残っている動作時間または残っているサイクル数を考慮して、前記電力消費部の動作を中断するように、または前記残っている動作時間及び前記残っているサイクル数の間に動作を完了した後に終了するように制御する、請求項2に記載の家庭用電気製品。
【請求項5】
家庭用電気製品に設定された動作モード及び電力情報を認識する段階と、
現在時間が、請求電力料金が所定の基準値以上である高い請求料金時間帯またはピーク時間帯にあるか、或いは前記請求電力料金が所定の基準値以下である高くない請求料金時間帯または非ピーク時間帯にあるかを判断する段階と、
前記ピーク時間帯、及び前記動作モードを実行するのに必要な動作時間を考慮して、省電力動作モードまたは所定の動作モードを実行するように電力消費部の動作を制御する段階と、
を有する、家庭用電気製品の制御方法。
【請求項6】
前記所定の動作モードは、前記所定の動作モードの前記動作時間が、前記高くない請求料金時間帯または前記非ピーク時間帯にある場合に実行され、
前記所定の動作モードよりも少ない電力を消費する前記省電力動作モードは、前記所定の動作モードの前記動作時間が、前記高い請求料金時間帯または前記ピーク時間帯にある場合に実行される、請求項5に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項7】
前記動作モードを実行するのに必要な前記電力消費部の予想動作時間が、前記高い請求料金時間帯または前記ピーク時間帯と重なる場合に、前記電力消費部の動作開始は、前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯が終了するまで待機中にあるように制御される、請求項5に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項8】
前記家庭用電気製品は、洗濯機であり、
前記動作モードのうち洗濯サイクルまたはすすぎサイクルの予想動作時間が、前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯にあり、前記洗濯サイクルまたはすすぎサイクルの予想開始タイミングが、前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯が始まる前に来る場合に、前記洗濯サイクルまたはすすぎサイクルの開始は、前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯が終了するまで待機中にあるように制御される、請求項5に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項9】
前記家庭用電気製品は、エアコンであり、
圧縮器の予想動作時間が前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯にあり、予想開始タイミングが、前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯の前に来る場合に、前記圧縮器の動作開始は、前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯が終了するまで待機中にあるように制御される、請求項7に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項10】
前記家庭用電気製品は、冷蔵庫であり、
除霜用ヒーターまたは製氷機の予想動作時間が、前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯にあり、前記除霜用ヒーターまたは製氷機の予想開始タイミングが、前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯が始める前に来る場合に、前記除霜用ヒーターまたは製氷機の動作開始は、前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯が終了するまで待機中にあるように制御される、請求項7に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項11】
前記家庭用電気製品は、調理器具であり、
ヒーターの予想動作時間が前記ピーク時間帯にあり、前記ヒーターの予想開始タイミングが前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯の前に来る場合に、前記ヒーターの動作開始は、前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯が終了するまで待機中にあるように制御される、請求項7に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項12】
前記ピーク時間帯が、前記電力消費部の残っている動作時間間または残っているサイクル回数内に始まった場合に、前記電力消費部の動作は、前記残っている動作時間または残っているサイクル回数を考慮して中断されるように、または前記動作を完了した後に終了するように制御される、請求項5に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項13】
前記家庭用電気製品は、洗濯機であり、
前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯が、加熱洗濯サイクル中に始まった場合に、加熱は中断され、前記加熱は、前記高い料金時間帯またはピーク時間帯が終了するまで待機中にあるように制御され、または加熱された水の目標温度が低くなるように制御される、請求項12に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項14】
前記家庭用電気製品は、洗濯機であり、
前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯がすすぎサイクル中に始まった場合に、前記すすぎサイクルは実行され、前記すすぎサイクルの状態は、前記高い料金時間帯またはピーク時間帯が終了するまで待機中にあるように制御される、請求項12に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項15】
前記家庭用電気製品は、洗濯機であり、
前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯が乾燥サイクルを含む主−回転サイクル中に始まった場合に、前記乾燥サイクルは実行されず、単に回転サイクルのみ実行され、前記回転サイクルの状態は、前記高い料金時間帯またはピーク時間帯が終了するまで待機中にあるように制御される、請求項12に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項16】
前記家庭用電気製品は、洗濯機であり、
前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯が、乾燥サイクルを含まない主−回転サイクル中に始まった場合に、回転サイクルが実行され、前記洗濯機の電力は遮断されるように制御される、請求項12に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項17】
前記家庭用電気製品は、洗濯機であり、
前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯が乾燥サイクル中に始まった場合に、ヒーターの動作は中断され、モーターは、最も低い速度及び最も低い実動率で駆動される、請求項12に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項18】
前記家庭用電気製品は、エアコンであり、
前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯が圧縮器の動作中に始まった場合に、
前記圧縮器の残っている動作時間が所定の値以下であるか否かを判断する段階と、
前記判断結果に基づき、前記残っている動作時間が所定の値以下であれば、現在の動作状態を維持し、前記判断結果に基づき、前記残っている動作時間が所定の値以上であれば、前記圧縮器の電力消費減少動作を実行する段階と、
をさらに有する、請求項12に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項19】
前記家庭用電気製品は、冷蔵庫であり、
前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯が除霜用ヒーターの動作中に始まった場合に、
前記除霜用ヒーターの残っている動作時間が所定の値以下であるか否かを判断する段階と、
前記判断結果に基づき、前記残っている動作時間が所定の値以下であれば、現在の動作状態を維持し、前記判断結果に基づき、前記残っている動作時間が所定の値以上であれば、前記除霜用ヒーターの電力消費減少動作を実行する段階と、
をさらに有する、請求項12に記載の家庭用電気製品の制御方法。
【請求項20】
前記家庭用電気製品は、調理器具であり、
前記高い請求料金時間帯またはピーク時間帯がヒーターの動作中に始まった場合に、
複数のヒーターが設けられている場合は、前記ヒーターの個数を判断し、所定の個数のヒーターを中断する段階と、
単数のヒーターが設けられている場合は、前記ヒーターの残っている動作時間が所定の値以下であるか否かを判断し、現在状態を維持する段階と、
前記ヒーターの残っている動作時間が所定の値以上であれば、前記ヒーターにより生成された熱の量を減少させる段階と、
をさらに有する、請求項12に記載の家庭用電気製品の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2013−508875(P2013−508875A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536647(P2012−536647)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【国際出願番号】PCT/KR2010/006726
【国際公開番号】WO2011/052896
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】