説明

電池パックおよびそれを備える鞍乗型車両

【課題】防水性に優れかつ水を被る状況下においても取り扱いが容易な電池パックおよびそれを備える鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】電池パック40は、ケース52、電池ユニット62,64および電源端子102,118を有する。電池ユニット62,64はそれぞれ複数の電池182を有する。電源端子102、複数の電池182および電源端子118は、リード部Lによって電気的に接続される。リード部Lの遮断部Bは、電源端子102に電気的に接続される接続端子146、電源端子118に電気的に接続される接続端子140、および接続端子140,146に着脱可能な着脱部166を有する。ケース52は、水密にされる第1収容室R1および水抜き部(隙間112)を有する第2収容室R2を含む。リード部Lの少なくとも一部および複数の電池182は第1収容室R1に収容され、接続端子140,146は第2収容室R2に収容される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電池パックおよびそれを備える鞍乗型車両に関し、より特定的には、複数の充電できる電池を有する電池パックおよびそれを備える鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の充電できる電池を有する電池パックが提案されている。このような電池パックには、一般に、プラスの電源端子およびマイナスの電源端子が設けられるとともに、これらの電源端子間の電気的な接続を切断することによって電源端子からの電力の入出力を遮断できる遮断部が設けられている。
【0003】
たとえば、特許文献1に開示されている電源装置は、組電池、組電池を収容するケース、および組電池からの電力の入出力を遮断できるサービスプラグを有する。サービスプラグは、ケースに固定される固定部と、固定部に対して着脱可能に形成される接続解除部とによって構成される。この電源装置では、サービスプラグの接続解除部を固定部から取り外すことによって、組電池からの電力の入出力を遮断することができる。また、この電源装置では、サービスプラグの接続解除部はヒューズを有する。上述のように、接続解除部は固定部から取り外すことができるので、ヒューズの交換作業は、接続解除部を固定部から取り外した状態で行うことができる。
【0004】
このような電池パックは、近年、その利用範囲がますます広がっており、水を被る状況下においての利用も望まれている。水を被る状況下において電池パックを利用する場合には、ケース内への水の浸入を抑制するための構造が必要になる。しかし、特許文献1の電源装置では、サービスプラグが設けられる部分にシール部材が設けられていない。言い換えると、特許文献1の電源装置には、十分な防水処理が施されていない。したがって、特許文献1においては、水を被る状況下での電源装置の利用が想定されていないと考えられる。これに対して、水を被る状況下においての利用を考慮した電池パックも提案されている。このような電池パックには、ケース内への水の浸入を抑制するめの構造が設けられている。
【0005】
たとえば、特許文献2に開示されているバッテリパックは、複数の電池を含む電池ブロック、電池ブロックを収容する電池ケース、電池ケースの内部において電池ブロックの上に配置される絶縁プレート、絶縁プレート上に設けられかつ電池ブロックに接続される回路基板、および電池ケースの上方開口部を密封する蓋ケースを有する。蓋ケースには、上方開口でかつ電池ブロックの出力ラインに接続されるヒューズを収納する収納凹部と、Oリングを介して収納凹部の開口部を密閉するヒューズカバーとが設けられる。このバッテリパックでは、ヒューズを収納している収納凹部の開口部がヒューズカバーおよびOリングによって密閉されているので、収納凹部内に水が浸入することを防止できる。なお、このバッテリパックでは、ヒューズが溶断されることによって電池ブロックの電流の流れが遮断され、電池ブロックが過電流から保護される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−8954号公報
【特許文献2】特開2011−49014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2のバッテリパックにおいても、たとえばヒューズを取り換える際等に収納凹部内に水が浸入することが考えられる。しかし、特許文献2のバッテリパックにおいては、収納凹部に水が浸入した場合には、ヒューズカバーを取り外して、上記開口部から水を排出しなければならない。特に、ヒューズカバーを取り付けた後に収納凹部に水が浸入していることが判明した場合には、水を排出するためだけにヒューズカバーを取り外さなければならず、作業効率が悪くなる。このように、特許文献2のバッテリパックは、防水性に優れているが、収納凹部に水が浸入した場合のことを考慮すると、水を被る状況下においては慎重に取り扱う必要がある。
【0008】
それゆえに、この発明の主たる目的は、防水性に優れかつ水を被る状況下においても取り扱いが容易な電池パックおよびそれを備える鞍乗型車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の電池パックは、ケースと、ケースに収容される複数の充電できる電池と、ケースの外方に露出するように設けられるプラスの第1電源端子およびマイナスの第2電源端子と、第1電源端子、複数の電池および第2電源端子を電気的に接続するリード部とを備え、リード部は、第1電源端子と第2電源端子との電気的な接続を切断して第1接続端子および第2接続端子からの電力の入出力を遮断する遮断部を含み、遮断部は、第1電源端子に電気的に接続される第1接続端子、第2電源端子に電気的に接続される第2接続端子、および第1接続端子と第2接続端子とに着脱可能な着脱部を有し、ケースは、水密にされる第1収容室および水を排出するための水抜き部を有する第2収容室を含み、リード部の少なくとも一部および複数の電池が第1収容室に収容され、第1接続端子および第2接続端子が第2収容室に収容されることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の電池パックは、請求項1に記載の電池パックにおいて、着脱部は、第1接続端子に対して着脱可能に設けられる第3接続端子および第2接続端子に対して着脱可能に設けられる第4接続端子を有し、第2収容室は、第3接続端子および第4接続端子を差し込むための差込部を有することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の電池パックは、請求項2に記載の電池パックにおいて、着脱部は、第3接続端子と第4接続端子とを電気的に接続する本体部をさらに有し、差込部は、第3接続端子および第4接続端子を通すが本体部を通さないことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の電池パックは、請求項3に記載の電池パックにおいて、差込部は、第3接続端子を差し込み可能な第1孔部と第4接続端子を差し込み可能な第2孔部とを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の電池パックは、請求項2に記載の電池パックにおいて、第1接続端子と第3接続端子とは、第2収容室の内面から離れた位置で接続され、第2接続端子と第4接続端子とは、第2収容室の内面から離れた位置で接続されることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の電池パックは、請求項5に記載の電池パックにおいて、第2収容室の内面は複数の内面部を有し、差込部は、複数の内面部のうちのいずれか一つの内面部において開口し、水抜き部は、複数の内面部のうちの少なくとも2つ以上の内面部によって形成される角部において開口することを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の電池パックは、請求項1から6のいずれかに記載の電池パックにおいて、1または複数のシール部材をさらに備え、ケースは複数のケース部材を含み、複数のケース部材は、第1収容室が形成されるように1または複数のシール部材を挟んで互いに組み合わされることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の電池パックは、請求項1から6のいずれかに記載の電池パックにおいて、着脱部はヒューズを含むことを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の鞍乗型車両は、請求項1から6のいずれかに記載の電池パックを備えることを特徴とする。
【0018】
請求項1に記載の電池パックでは、遮断部の着脱部を第1接続端子および第2接続端子から取り外すことによって、第1電源端子および第2電源端子からの電力の入出力を遮断することができる。ここで、第1接続端子および第2接続端子は、水抜き部を有する第2収容室に収容される。このため、たとえば、電池パックから着脱部を取り外している際に第2収容室に水が浸入したとしても、水抜き部から容易に水を排出することができる。さらに、複数の電池は水密にされる第1収容室に収容される。この場合、第2収容室に水が浸入しても、第1収容室に水が浸入することを防止できるので、複数の電池に水が付着することを防止できる。以上の結果、電池パックの優れた防水性を確保することができるとともに、水を被る状況下においても電池パックの取り扱いが容易になる。
【0019】
請求項2に記載の電池パックでは、着脱部の第3接続端子および第4接続端子を、差し込み部を通って第2収容室の外部から第2収容室の内部に差し込むことができる。これにより、着脱部の取り外しが容易になる。
【0020】
請求項3に記載の電池パックでは、差込部は、少なくとも第3接続端子および第4接続端子を通すことができればよい。この場合、差込部を小さく構成できるので、差込部から第2収容室に水が浸入することを抑制できる。
【0021】
請求項4に記載の電池パックでは、第1孔部は第3接続端子を通すことができる大きさを有していればよく、第2孔部は第4接続端子を通すことができる大きさを有していればよい。この場合、第1孔部および第2孔部を、必要十分な大きさを確保しつつできるだけ小さく形成することによって、第1孔部および第2孔部から第2収容室に水が浸入することを十分に抑制できる。
【0022】
請求項5に記載の電池パックでは、第1接続端子と第3接続端子との接続部および第2接続端子と第4接続端子との接続部が、第2収容室の内面から離れている。それにより、第2収容室内に水が浸入した場合でも、第1接続端子と第3接続端子との接続部および第2接続端子と第4接続端子との接続部に水が付着することを抑制できる。
【0023】
請求項6に記載の電池パックでは、水抜き部が第2収容室の角部において開口するように設けられるので、差込部から第2収容室内に水が浸入した場合でも、水抜き部から水を効率よく排出することができる。
【0024】
請求項7に記載の電池パックでは、1または複数のシール部材を挟んで複数のケース部材を組み合わせることによって、簡単な構成で第1収容室を水密にすることができる。
【0025】
請求項8に記載の電池パックでは、着脱部がヒューズを含む。この場合、電池パックの過電流を防止するための他のヒューズをさらに設けなくてもよいので、電池パックの構成を簡単にできる。また、着脱部を第1接続端子および第2接続端子から取り外すことによって、ヒューズを容易に交換できる。これにより、電池パックのメンテナンスが容易になる。
【0026】
電池パックを備えた鞍乗型車両のメンテナンスを容易にするためには、十分な防水性が確保されかつ水を被る状況下においても取り扱いが容易な電池パックを鞍乗型車両に搭載することが望ましい。したがって、優れた防水性を確保することができるとともに、水を被る状況下においても取り扱いが容易な上述の電池パックは、請求項9に記載されるように鞍乗型車両に好適に利用できる。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、防水性に優れかつ水を被る状況下においても取り扱いが容易な電池パックおよびそれを備える鞍乗型車両が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の実施の形態に係るスクータを示す側面図である。
【図2】車体カバーを取り外した状態のスクータを示す側面図である。
【図3】この発明の実施の形態に係る電池パックの外観を示す斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態に係る電池パックを示す分解斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態に係る電池パックの内部構造を示す斜視図である。
【図6】ケース部材を示す斜視図である。
【図7】側壁部の突出部、周壁部の突出部および端子保護部の関係を示す断面図解図である。
【図8】保護壁部の周辺の構成を示す断面図解図である。
【図9】保護壁部の周辺の構成を示す斜視図である。
【図10】保護壁部の周辺の構成を示す斜視図である。
【図11】保護壁部と取付部との関係を示す断面図解図である。
【図12】第1電池ユニットおよび第2電池ユニットを示す断面図解図である。
【図13】この発明の実施の形態に係る電池パックの電気回路を示す図解図である。
【図14】この発明の実施の形態に係る電池パックの構成を概念的に示す図解図である。
【図15】この発明の他の実施の形態に係る電池パックを示す斜視図である。
【図16】この発明の他の実施の形態に係る電池パックの第2収容室の周辺の構造を示す断面図解図である。
【図17】この発明のさらに他の実施の形態に係る電池パックを示す斜視図である。
【図18】この発明のさらに他の実施の形態に係る電池パックの第2収容室の周辺の構造を示す断面図解図である。
【図19】この発明のその他の実施の形態に係る電池パックを示す斜視図である。
【図20】この発明のその他の実施の形態に係る電池パックの第2収容室の周辺の構造を示す断面図解図である。
【図21】この発明のさらにその他の実施の形態に係る電池パックの第2収容室の周辺の構造を示す断面図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。ここでは、この発明の実施の形態に係る電池パック40を、鞍乗型車両の一例であるスクータ10に搭載した場合について説明する。なお、スクータ10の説明において前後、左右、上下とは、スクータ10のシート38に運転者がハンドル32に向かって着座した状態を基準とした前後、左右、上下を意味する。
【0030】
図1は、スクータ10を示す側面図である。スクータ10は、車体フレーム12および車体カバー14を有する。なお、図面が煩雑になることを避けるために、図1においては車体フレーム12を簡略化して示している。
【0031】
図2は、車体カバー14を取り外した状態のスクータ10を示す側面図である。
【0032】
図2を参照して、車体フレーム12は、ヘッドパイプ16、ヘッドパイプ16から後方斜め下方に延びる前部フレーム18、および前部フレーム18の下端部から後方に延びる一対の後部フレーム20(図2においては、左側の後部フレーム20のみを図示)を含む。一対の後部フレーム20は、スクータ10の幅方向(左右方向)に並ぶように配置される。
【0033】
各後部フレーム20は、前部フレーム18の下端部から後方へ延びる第1フレーム部22、第1フレーム部22の後端部から斜め上方へ延びる第2フレーム部24、第2フレーム部24の上端部から後方へ延びる第3フレーム部26、および第2フレーム部24と第3フレーム部26とを連結する第4フレーム部28を含む。第4フレーム部28は、第2フレーム部24の上下方向における中央部と第3フレーム部26の前後方向における中央部とを連結するように、第2フレーム部24から後方斜め上方に延びる。
【0034】
ヘッドパイプ16には、ステアリング軸30が回動自在に挿通される。ステアリング軸30の上端部には、ハンドル32が取り付けられる。ステアリング軸30の下端部には、フロントフォーク34が取り付けられる。フロントフォーク34の下端部には、前輪36が回転自在に支持される。
【0035】
第2フレーム部24の上方にシート38が設けられる。シート38の下方において後部フレーム20に電池パック40が支持される。より具体的には、電池パック40は、第2フレーム部24の下端部に設けられる支持部材42および第3フレーム部26の前端部に設けられる支持部材44を介して後部フレーム20に支持される。この実施形態では、電池パック40は、やや後方に傾くように配置される。なお、電池パック40は、後述する隙間112(水抜き部)の少なくとも一部が差込部162(貫通孔162a,162b)よりも下方に位置するように設けられることが好ましい。
【0036】
第4フレーム部28にスイングユニット46が揺動可能に支持される。スイングユニット46は、電動モータ48および後輪50を含む。スクータ10では、電池パック40から供給される電力によって電動モータ48が駆動され、電動モータ48の出力によって後輪50が駆動される。
【0037】
図3は、電池パック40の外観を示す斜視図であり、図4は、電池パック40を示す分解斜視図であり、図5は、電池パック40の内部構造を示す斜視図である。なお、図5においては、図面が煩雑になることを避けるために、第1電池ユニット62および第2電池ユニット64を簡略化して図示している。図3以降の各図には、電池パックの各構成部材の位置関係を明確にするために、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。
【0038】
図3を参照して、電池パック40はケース52を含む。ケース52は、Z方向において複数のケース部材に分割された構成を有する。この実施形態では、ケース52は、Z方向において4つのケース部材54,56,58,60に分割された構成を有する。ケース部材54,56,58,60は、たとえば、樹脂によって形成される。
【0039】
図4および図5を参照して、電池パック40はさらに、第1電池ユニット62および第2電池ユニット64を有する。第1電池ユニット62および第2電池ユニット64は、ケース52に収容される。より具体的には、第1電池ユニット62は、ケース部材54とケース部材56との間に配置され、第2電池ユニット64は、ケース部材58とケース部材60との間に配置される。
【0040】
ケース部材54は、板状かつ略長方形の側壁部66、側壁部66の外周縁からケース部材56側に向かって延びる枠状の周壁部68、および側壁部66の四隅にそれぞれ設けられるボス部70を有する。側壁部66は、X方向とY方向とに延びるように設けられる。
【0041】
図5を参照して、周壁部68は、ケース部材56側の縁部68aに凹部68bを有する。凹部68bは、ケース部材56側から見た場合に(Z方向視において)環形状を有する。凹部68bは、ケース部材56に向かって開口するように設けられる。
【0042】
図4および図5を参照して、ケース部材56は、板状かつ略長方形の側壁部72、側壁部72の外周縁からケース部材54側に向かって延びる枠状の周壁部74、側壁部72からケース部材58側に向かって延びる中空状の連結部76,78、および側壁部72の四隅に設けられるボス部80a,80b,80c,80d(図4参照)を有する。連結部76は、ケース部材58の後述する連結部86に対応する形状を有し、連結部78は、ケース部材58の後述する連結部88に対応する形状を有する。
【0043】
側壁部72は、X方向とY方向とに延びるように設けられる。図4を参照して、側壁部72は、貫通孔72a,72b,72cを有する。貫通孔72aは、側壁部72の一方の長辺に沿ってX方向に延びるように設けられる。貫通孔72bは長方形状を有し、側壁部72の一方の短辺の近傍に設けられる。貫通孔72cは長方形状を有し、側壁部72の他方の短辺の近傍に設けられる。貫通孔72a,72b,72cは、ケース部材58側から見た場合に(Z方向視において)連結部78の内側に位置する。
【0044】
図5を参照して、周壁部74は、ケース部材54側の縁部74aに凸部74bを有する。凸部74bは、ケース部材54側から見た場合に(Z方向視において)環形状を有する。凸部74bは、ケース部材54に向かって突出するように設けられる。
【0045】
連結部76は、ケース部材58側の縁部76aに凹部76bを有する。凹部76bは、ケース部材58側から見た場合に(Z方向視において)環形状を有する。凹部76bは、ケース部材58に向かって開口するように設けられる。連結部78は、ケース部材58側の縁部78aに凹部78bを有する。凹部78bは、ケース部材58から見た場合に(Z方向視において)環形状を有する。凹部78bは、ケース部材58に向かって開口するように設けられる。
【0046】
図6は、ケース部材58を示す斜視図である。
【0047】
図4〜図6を参照して、ケース部材58は、板状かつ略長方形状の側壁部82、側壁部82の外周縁からケース部材60側に向かって延びる枠状の周壁部84、側壁部82からケース部材56側に向かって延びる連結部86,88、側壁部82からケース部材56側に向かって延びる枠状の保護壁部90(図4および図6参照)、略円筒状の端子保護部92,94(図4および図6参照)、筒状の取付部96(図4および図6参照)、および側壁部82の四隅に設けられるボス部98a,98b,98c,98d(図4参照)を有する。端子保護部92には、後述する電源端子102(図7参照)が設けられ、端子保護部94には後述する電源端子118(図8参照)が設けられる。この実施形態では、電源端子102,118を介して第1電池ユニット62および第2電池ユニット64の後述する複数の電池182(図11参照)に対して電力の入出力が行われる。
【0048】
側壁部82は、X方向とY方向とに延びるように設けられる。図4および図6を参照して、側壁部82は、貫通孔82a,82b,82cおよび突出部82dを有する。貫通孔82aは、側壁部82の一方の長辺に沿ってX方向に延びるように設けられる。貫通孔82bは長方形状を有し、側壁部82の一方の短辺の近傍に設けられる。貫通孔82cは長方形状を有し、側壁部82の他方の短辺の近傍に設けられる。図6を参照して、貫通孔82a,82b,82cは、ケース部材56側から見た場合に(Z方向視において)連結部88の内側に位置する。突出部82dは、ケース部材56に向かって突出するように設けられる。
【0049】
図5を参照して、周壁部84は、ケース部材60側の縁部84aに凸部84bを有する。凸部84bは、ケース部材60側から見た場合に(Z方向視において)環形状を有する。凸部84bは、ケース部材60に向かって突出するように設けられる。
【0050】
図4および図6を参照して、周壁部84は、側壁部82の突出部82dに連なる突出部84cを有する。端子保護部92は、Y方向に延びるように突出部84cに設けられる。
【0051】
連結部86は、側壁部82からケース部材56側に向かって延びるように設けられる。側壁部82の突出部82dは、X方向において連結部86の略中央部に位置する。図5を参照して、連結部86は、ケース部材56側の縁部86aに凸部86bを有する。凸部86bは、ケース部材56側から見た場合に(Z方向視において)環形状を有する。凸部86bは、ケース部材56に向かって突出するように設けられる。連結部88は、ケース部材56側の縁部88aに凸部88bを有する。凸部88bは、ケース部材56側から見た場合に(Z方向視において)環形状を有する。凸部88bは、ケース部材56に向かって突出するように設けられる。
【0052】
図7は、側壁部82の突出部82d、周壁部84の突出部84cおよび端子保護部92の関係を示す断面図解図である。
【0053】
図7を参照して、端子保護部92は、周壁部84(突出部84c)の外面からY方向に延びるように設けられる。端子保護部92は、その中央部にY方向に延びる貫通孔92aを有する。貫通孔92aは、断面円形状を有する。
【0054】
周壁部84の突出部84cは、Y方向に延びかつ貫通孔92aに連通する貫通孔84dを有する。貫通孔84dは、断面円形状を有する。貫通孔84dの直径は貫通孔92aの直径よりも小さくかつ貫通孔84dと貫通孔92aとは同軸上に設けられる。貫通孔92aに環状のシール部材100が嵌められた状態で、貫通孔92aおよび貫通孔84dに電源端子102が嵌められる。より具体的には、電源端子102は、その一端部102aが端子保護部92内においてケース52(図3参照)の外方に露出し、かつ他端部102bがケース52の内方に臨むように設けられる。貫通孔84dおよび貫通孔92aは、シール部材100および電源端子102によって封止される。
【0055】
シール部材100としては、種々のガスケットを用いることができる。この実施形態では、シール部材100として、たとえば、樹脂(ゴムまたはプラスチック等)または金属によって構成されたガスケットを用いることができる。また、シール部材100として、たとえば、接着剤または両面テープを用いてもよい。後述のシール部材についても、シール部材100と同様である。
【0056】
この実施形態では、電源端子102は、たとえばプラスの電源端子として用いられる。なお、図面が煩雑になることを避けるために図7においては図示していないが、電源端子102の他端部102bは、後述する接続部材246(図13参照)を介して第1電池ユニット62および第2電池ユニット64に電気的に接続される。
【0057】
図8は、保護壁部90の周辺の構成を示す断面図解図であり、図9および図10は、保護壁部90の周辺の構成を示す斜視図である。
【0058】
図6を参照して、保護壁部90は、第1壁部90a、第2壁部90b、第3壁部90c、第4壁部90d、第5壁部90e、および第6壁部90fを含む。第1壁部90aは、ボス部98aからボス部98b側に向かってX方向に延びる。第2壁部90bは、ボス部98aと連結部88とを連結するようにY方向に延びる。第3壁部90cは、第2壁部90bの一端部(ボス部98b側の端部)の近傍から連結部88側に向かってY方向に延びる。第4壁部90dは、第3壁部90cの一端部(連結部88側の端部)から第2壁部90b側に向かって斜めに延びる。第5壁部90eは、第4壁部90dの一端部(連結部88側の端部)から連結部88側に向かってY方向に延びる。第6壁部90fは、第4壁部90eの一端部(連結部88側の端部)と第2壁部90bとを連結するようにX方向に延びる。図6、図8および図9を参照して、この実施形態では、保護壁部90の端部とボス部98aとによって開口104が形成される。
【0059】
図8〜図10を参照して、保護壁部90の内側において側壁部82から側壁部72(図4参照)に向かってZ方向に延びるようにボス部106が設けられる。なお、図面が煩雑になることを避けるために、図4においては保護壁部90の内側に設けられる部材(ボス部106を含む)を図示していない。
【0060】
図4、図6および図8を参照して、開口部104を塞ぐように、板状の蓋部材108が設けられる。図8を参照して、蓋部材108は、固定部材110によってボス部106に取り付けられる。固定部材110としては、たとえばネジを用いることができる。後述の固定部材についても固定部材110と同様である。
【0061】
図6および図8を参照して、蓋部材108は、保護壁部90と蓋部材108との間に隙間112が形成されるようにボス部106に取り付けられる。この実施形態では、側壁部82、保護壁部90、ボス部98aおよび蓋部材108によって第2収容室R2が形成される。
【0062】
図6、図8および図9を参照して、この実施形態では、第2収容室R2の内面114は、複数の内面部114a,114b,114c,114d,114e,114f,114g,114hを有する。内面部114aは第1壁部90aによって形成され、内面部114bは第2壁部90bによって形成され、内面部114cは第3壁部90cによって形成され、内面部114dは第4壁部90dによって形成され、内面部114eは第5壁部90eによって形成され、内面部114fは第6壁部90fによって形成される。内面部114gは蓋部材108によって形成され、内面部114hは側壁部82によって形成される。
【0063】
図8を参照して、端子保護部94は、保護壁部90の第1壁部90aからY方向に延びるように設けられる。端子保護部94は、その中央部にY方向に貫通する貫通孔94aを有する。貫通孔94aは、断面円形状を有する。
【0064】
第1壁部90aは、Y方向に延びかつ貫通孔94aに連通する貫通孔90gを有する。貫通孔90gは、断面円形状を有する。貫通孔90gの直径は貫通孔94aの直径よりも小さくかつ貫通孔90gと貫通孔94aとは同軸上に設けられる。貫通孔94aに環状のシール部材116が嵌められた状態で、貫通孔94aおよび貫通孔90gに電源端子118が嵌められる。より具体的には、電源端子118は、その一端部118aが端子保護部94内において第2収容室R2(ケース52)の外方に露出し、かつ他端部118bが第2収容室R2の内方に臨むように設けられる。この実施形態では、電源端子118は、たとえばマイナスの電源端子として用いられる。
【0065】
第2収容室R2内において側壁部82から蓋部材108側に向かって延びるように、複数(この実施形態では3つ)の凸部120,122,124が設けられる。この実施形態では、凸部120,122はボス部106と第1壁部90aとの間に設けられる。より具体的には、凸部120は第1壁部90a寄りに設けられ、凸部122はボス部106と凸部120との間に設けられる。凸部124は、ボス部106と第6壁部90fとの間に設けられる。凸部120には、ナット126が埋め込まれ、凸部122には、ナット128,130が埋め込まれ、凸部124には、ナット132が埋め込まれる。
【0066】
電源端子118の他端部118bと板状のリード部材134の一端部とが、固定部材136によって凸部120およびナット126に固定される。これにより、電源端子118とリード部材134とが電気的に接続される。
【0067】
リード部材134の他端部は、固定部材138によって、接続端子140とともに凸部122およびナット128に固定される。これにより、リード部材134と接続端子140とが電気的に接続される。すなわち、電源端子118と接続端子140とが電気的に接続される。
【0068】
接続端子140はさらに、固定部材142によって凸部122およびナット132に固定される。接続端子140は、板状の一対の導電性部材140a,140bを含む。なお、図面が繁雑になることを避けるために、図9および図10においては、接続端子140および後述の接続端子146を簡略化して図示している。
【0069】
図8を参照して、固定部材144によって、接続端子146が凸部124およびナット130に固定される。接続端子140と接続端子146とはY方向に離れて設けられる。接続端子146は、板状の一対の導電性部材146a,146bを含む。この実施形態では、接続端子146が第1接続端子に相当し、接続端子140が第2接続端子に相当する。
【0070】
図8を参照して、第2収容室R2は、内面部114hにおいて開口する貫通孔148を有する。貫通孔148は、側壁部82に形成される。貫通孔148は、Z方向視において凸部124と第6壁部90fとの間に形成される。貫通孔148内に環状のシール部材150が嵌められた状態で、貫通孔148に筒状の連結部材152の一端部が嵌められる。連結部材152は、導電性材料からなる。
【0071】
連結部材152の一端部は、固定部材154によって、中空円板状のシール部材156および板状のリード部材158とともに、側壁部82に固定される。この実施形態では、固定部材154およびシール部材156のうちの少なくとも一方は、導電性材料からなる。貫通孔148は、シール部材150、連結部材152、固定部材154、およびシール部材156によって封止される。
【0072】
連結部材152の他端部には、固定部材160によって接続端子146が固定される。これにより、接続端子146とリード部材158とが連結部材152を介して電気的に接続される。
【0073】
図11は、保護壁部90と取付部96との関係を示す断面図解図である。なお、図11においては、図面が煩雑になることを避けるために、後述するサービスプラグ164を簡略化して図示している。
【0074】
図9〜図11を参照して、取付部96は、保護壁部90の第2壁部90bの外面からX方向に延びるように設けられる。第2壁部90bは、後述する接続端子168,170を差し込むための差込部162を有する。この実施形態では、差込部162は、第2壁部90bをX方向に貫通する貫通孔162a,162bを含む。貫通孔162a,162bはそれぞれ、内面部114bにおいて開口する。
【0075】
取付部96には、サービスプラグ164が着脱可能に取り付けられる。
【0076】
図9および図11を参照して、サービスプラグ164は、接続端子140と接続端子146とに着脱可能な着脱部166を有する。着脱部166は、接続端子140に対して着脱可能に設けられる接続端子168、接続端子146に対して着脱可能に設けられる接続端子170、および接続端子168と本体部172とを電気的に接続する本体部172(図11参照)を含む。本体部172は、たとえばヒューズを含む。
【0077】
図10を参照して、接続端子168は、第2収容室R2(図11参照)の外部から貫通孔162aを通るように第2収容室R2内に差し込まれ、接続端子140に接続される。同様に、接続端子170は、第2収容室R2の外部から貫通孔162bを通るように第2収容室R2内に差し込まれ、接続端子146に接続される。図8および図10を参照して、接続端子168は、内面114から離れた位置で接続端子140に接続され、接続端子170は、内面114から離れた位置で接続端子146に接続される。図8を参照して、この実施形態では、接続端子168は、導電性部材140a,140bによって挟まれることによって140に接続され、接続端子170は、導電性部材146a,146bによって挟まれることによって接続端子146に接続される。これにより、接続端子140と接続端子146とが着脱部166を介して電気的に接続される。
【0078】
この実施形態では、接続端子170が第3接続端子に相当し、接続端子168が第4接続端子に相当し、貫通孔162bが第1孔部に相当し、貫通孔162aが第2孔部に相当する。
【0079】
なお、図8および図10に示す状態においては、接続端子140に接続端子168が接続され、接続端子146に接続端子170が接続された状態が示されているが、接続端子140に接続端子170が接続され、接続端子146に接続端子168が接続されてもよい。この場合には、接続端子168が第3接続端子に相当し、接続端子170が第4接続端子に相当し、貫通孔162aが第1孔部に相当し、貫通孔162bが第2孔部に相当する。
【0080】
この実施形態では、差込部162(貫通孔162a,162b)は、接続端子168,170を通すが本体部172を通さないように構成される。
【0081】
この実施形態では、隙間112が水抜き部に相当する。したがって、この実施形態では、第2収容室R2は、少なくとも2つ以上の内面によって形成される角部(図11に示す第2収容室R2では、たとえば、内面部114eと内面部114gとによって形成される角部174)において開口する水抜き部(隙間112)を有する。
【0082】
図4および図5を参照して、ケース部材60は、板状かつ略長方形状の側壁部176、側壁部176の外周縁からケース部材58側に向かって延びる枠状の周壁部178、および側壁部176の四隅にそれぞれ設けられるボス部180(図4参照)を有する。側壁部176は、X方向とY方向とに延びるように設けられる。
【0083】
図5を参照して、周壁部178は、ケース部材58側の縁部178aに凹部178bを有する。凹部178bは、ケース部材58側から見た場合に(Z方向視において)環形状を有する。凹部178bは、ケース部材58に向かって開口するように設けられる。
【0084】
図12は、第1電池ユニット62および第2電池ユニット64を示す断面図解図である。図12を参照して、第1電池ユニット62は、互いに平行に配置される複数の充電できる電池182、複数の電池182を保持する電池保持部184、および複数の電池182を電気的に接続する複数の板状のリード部材186,188,190,192を有する。リード部材186,188,190,192はそれぞれ、Y方向に延びるように設けられる。この実施形態では、7つのリード部材186、1つのリード部材188、6つのリード部材190、および1つのリード部材192が設けられる。
【0085】
電池182は円柱形状を有し、Z方向に対して平行に配置される。複数の電池182は、X方向に複数行およびY方向に複数列に配列される。この実施形態では、複数の電池182は、X方向に14行かつY方向に6列になるように格子状に配列される。
【0086】
第1電池ユニット62の複数の電池182についての以下の説明では、ボス部80a,80c(図4参照)に最も近い1行を1行目とし、ボス部80b,80d(図4参照)に最も近い1行を14行目とする。この実施形態では、複数の電池182は、奇数行に配置される電池182と偶数行に配置される電池182とが逆方向を向くように電池保持部184に保持される。具体的には、たとえば、1、3、5、7、9、11および13行目の複数の電池182は、プラス極が側壁部66側を向くように配置され、2、4、6、8、10、12および14行目の複数の電池182は、マイナス極が側壁部66側を向くように配置される。
【0087】
1行目の複数の電池182の一端部(側壁部66側の端部)および2行目の複数の電池182の一端部(側壁部66側の端部)に1つのリード部材186が接続される。これにより、1行目の複数の電池182の一端部が電気的に並列に接続され、2行目の複数の電池182の一端部が電気的に並列に接続される。また、1行目の複数の電池182の一端部と2行目の複数の電池182の一端部とが電気的に直列に接続される。同様に、3行目から14行目の複数の電池182の一端部に、6つのリード部材186が接続される。具体的には、2つの行の複数の電池182毎に1つのリード部材186が接続される。
【0088】
1行目の複数の電池182の他端部(側壁部72側の端部)にリード部材188が接続される。これにより、1行目の複数の電池182の他端部が電気的に並列に接続される。2行目の複数の電池182の他端部および3行目の複数の電池182の他端部に1つのリード部材190が接続される。これにより、2行目の複数の電池182の他端部が電気的に並列に接続され、3行目の複数の電池182の他端部が電気的に並列に接続される。また、2行目の複数の電池182の他端部と3行目の複数の電池182の他端部とが電気的に直列に接続される。同様に、4行目から13行目の複数の電池182の他端部に、5つのリード部材190が接続される。具体的には、2つの行の複数の電池182毎に1つのリード部材190が接続される。リード部材192は、14行目の複数の電池182の他端部に接続される。これにより、14行目の複数の電池182の他端部が電気的に並列に接続される。
【0089】
リード部材186,188,190,192は、たとえば複数の電池182に溶接される。
【0090】
電池保持部184は、略直方体状の第1保持部194および略直方体状の第2保持部196を含む。図4および図12を参照して、第1保持部194は、第2保持部196側の端部に凸状部198,200を有する。凸状部198,200はそれぞれ、X方向に突出しかつY方向に延びるように設けられる。図4を参照して、凸状部198の両端部および凸状部200の両端部にはそれぞれ、ボス部202が設けられる。
【0091】
図4および図12を参照して、第2電池ユニット64は、第1電池ユニット62とほぼ同様の構成を有する。第2電池ユニット64が第1電池ユニット62と異なるのは、電池保持部184の代わりに電池保持部204を有する点、およびリード部材188(図12参照)の代わりに板状のリード部材206(図12参照)を有する点である。なお、第2電池ユニット64については、第1電池ユニット62と異なる構成についてのみ説明し、第1電池ユニット62と同一の構成については説明を省略する。
【0092】
電池保持部204が電池保持部184と異なるのは、第1保持部194の代わりに第1保持部208を有する点である。第1保持部208が第1保持部194と異なるのは、凸状部198の代わりに凸状部210を有する点である。凸状部210が凸状部198と異なるのは、凸状部210をZ方向に貫通する貫通孔212を有する点である。なお、凸状部210の両端部には、凸状部198の両端部と同様にボス部202(図4参照)が設けられる。
【0093】
図12を参照して、リード部材206は、Y方向視において略Z字状に屈曲した形状を有し、1行目の複数の電池182の端部(側壁部176側の端部)から凸状部210まで延びるように設けられる。リード部材206は、リード部材188と同様に、1行目の複数の電池182の端部(側壁部176側の端部)に接続される。
【0094】
図8および図11を参照して、凸状部210の貫通孔212には、筒状の連結部材214の一端部が嵌められる。連結部材214は、導電性材料からなる。連結部材214の一端部は、固定部材216によってリード部材206とともに凸状部210に固定される。連結部材214の他端部には、固定部材218によってリード部材158が固定される。これにより、接続端子146とリード部材206とが連結部材152、リード部材158および連結部材214を介して電気的に接続される。すなわち、接続端子146と第2電池ユニット64の複数の電池182とが電気的に接続される。
【0095】
図4を参照して、第1電池ユニット62と第2電池ユニット64とを連結するように、連結ユニット220、リード部材222、およびリード部材224が設けられる。連結ユニット220は、基板226および基板226に固定される複数のリード部材228を含む。連結ユニット220は、ケース部材56の貫通孔72aおよびケース部材58の貫通孔82aに挿通され、リード部材222は、ケース部材56の貫通孔72bおよびケース部材58の貫通孔82bに挿通され、リード部材224は、ケース部材56の貫通孔72cおよびケース部材58の貫通孔82cに挿通される。第1電池ユニット62の複数の電池182(図12参照)と第2電池ユニット64の複数の電池182(図12参照)とは、リード部材222、リード部材224および複数のリード部材228を介して電気的に接続される。
【0096】
図4および図5を参照して、第1電池ユニット62は、ケース部材54とケース部材56とによって収容される。ケース部材54の周壁部68とケース部材56の周壁部74とは、環状のシール部材230を挟んで互いに組み合わされる。より具体的には、図5を参照して、周壁部68の凹部68bにシール部材230が収容されるように、周壁部74の凸部74bが凹部68bに差し込まれる。これにより、ケース部材54とケース部材56とが水密に組み合わせられる。
【0097】
図4および図5を参照して、第2電池ユニット64は、ケース部材58とケース部材60とによって収容される。ケース部材58の周壁部84とケース部材60の周壁部178とは、環状のシール部材232を挟んで互いに組み合わされる。より具体的には、図5を参照して、周壁部178の凹部178bにシール部材232が収容されるように、周壁部84の凸部84bが凹部178bに差し込まれる。これにより、ケース部材58とケース部材60とが水密に組み合わせられる。
【0098】
図4を参照して、ケース部材56とケース部材58とに挟まれるように、ナット234a,234b,234c,234dが設けられる。
【0099】
ナット234aは、ケース部材56のボス部80aとケース部材58のボス部98aとによって収容され、ナット234bは、ケース部材56のボス部80bとケース部材58のボス部98bとによって収容される。ボス部80aとボス部98aとは、環状のシール部材236aを挟んで互いに組み合わされ、ボス部80bとボス部98bは、環状のシール部材236bを挟んで互いに組み合わされる。これにより、ボス部80aとボス部98aとが水密に組み合わされ、ボス部80bとボス部98bとが水密に組み合わされる。
【0100】
ナット234c,234dは、ケース部材56の連結部78とケース部材58の連結部88とによって収容される。ナット234cは、ボス部80cとボス部98cとに挟まれるように設けられ、ナット234dは、ボス部80dとボス部98dとに挟まれるように設けられる。
【0101】
図4および図5を参照して、ケース部材56の連結部76とケース部材58の連結部86とは、環状のシール部材238を挟んで互いに組み合わされる。より具体的には、図5を参照して、連結部76の凹部76bにシール部材238が収容されるように、連結部86の凸部86bが凹部76bに差し込まれる。これにより、連結部76と連結部86とが水密に組み合わせられる。
【0102】
図4および図5を参照して、ケース部材56の連結部78とケース部材58の連結部88とは、環状のシール部材240を挟んで互いに組み合わされる。より具体的には、図5を参照して、連結部78の凹部78bにシール部材240が収容されるように、連結部88の凸部88bが凹部78bに差し込まれる。これにより、連結部78と連結部88とが水密に組み合わせられる。
【0103】
図4を参照して、上記のようにして組み合わされたケース52は、複数のボルト242によって第1電池ユニット62および第2電池ユニット64に連結される。
【0104】
この実施形態では、4本のボルト242が、ケース部材54の4つのボス部70、第1電池ユニット62の4つのボス部202、およびケース部材56のボス部80a,80b,80c,80dに差し込まれる。同様に、4本のボルト242(図4においては3本のボルト242のみ図示)が、ケース部材60の4つのボス部180、第2電池ユニット64の4つのボス部202、およびケース部材58のボス部98a,98b,98c,98dに差し込まれる。複数のボルト242の先端部は、ナット234a,234b,234c,234dに固定される。これにより、ケース52、第1電池ユニット62および第2電池ユニット64が連結される。なお、各ボス部70および各ボス部180には、環状のシール部材244が嵌め込まれる。これにより、各ボス部70および各ボス部180がそれぞれ、ボルト242とシール部材244とによって封止される。
【0105】
図13は、電池パック40の電気回路を示す図解図である。
【0106】
図13を参照して、上述したように、第1電池ユニット62の複数の電池182は、複数のリード部材186、リード部材188、複数のリード部材190およびリード部材192を介して電気的に接続されている。第2電池ユニット64の複数の電池182は、複数のリード部材186、リード部材206、複数のリード部材190およびリード部材192を介して電気的に接続されている。第1電池ユニット62の複数の電池182と第2電池ユニット64の複数の電池182とは、リード部材222、リード部材224および複数のリード部材228によって電気的に接続されている。電源端子118と第1電池ユニット62および第2電池ユニット64とは、リード部材134、接続端子140、サービスプラグ164の着脱部166、接続端子146、連結部材152、リード部材158、および連結部材214を介して電気的に接続される。電源端子102と第1電池ユニット62および第2電池ユニット64とは、接続部材246を介して電気的に接続される。したがって、この実施形態では、リード部材134,158,186,188,190,192、206,222,224,228、接続端子140,146、連結部材152,214、着脱部166および接続部材246を含んで、電源端子102、複数の電池182および電源端子118を電気的に接続するリード部Lが構成される。この実施形態では、接続部材246は、たとえば複数のリード部材を含む。
【0107】
電池パック40では、接続端子140,146から着脱部166を取り外すことによって電源端子102と電源端子118との電気的な接続を切断することができ、電源端子102,118からの電力の入出力を遮断することができる。この実施形態では、接続端子140,146および着脱部166を含んで遮断部Bが構成される。
【0108】
図14は、電池パック40の構成を概念的に示す図解図である。
【0109】
図14を参照して、この実施形態では、ケース部材54、ケース部材56(より特定的には、側壁部72、周壁部74、連結部78、およびボス部80a,80b)、ケース部材58(より特定的には、側壁部82、周壁部84、連結部88、およびボス部98a,98b)、およびケース部材60によって第1収容室R1が形成される。
【0110】
図4を参照して、上述したように、ケース部材54の各ボス部70およびケース部材60の各ボス部180はそれぞれ、ボルト242とシール部材244とによって封止される。ケース部材54とケース部材56とは、シール部材230を挟んで水密に組み合わされる。ケース部材58とケース部材60とは、シール部材232を挟んで水密に組み合わされる。連結部78と連結部88とは、シール部材240を挟んで水密に組み合わされる。ボス部80aとボス部98aとはシール部材236aを挟んで水密に組み合わされ、ボス部80bとボス部98bとはシール部材236bを挟んで水密に組み合わされる。図7を参照して、周壁部84の貫通孔84dは、シール部材100および電源端子102によって封止される。図8を参照して、側壁部82の貫通孔148は、シール部材150、連結部材152、固定部材154およびシール部材156によって封止される。これらの結果、第1収容室R1が水密にされる。したがって、この実施形態では、シール部材100,150,156,230,232,236a,236b、240,244、電源端子102、連結部材152、固定部材154、およびボルト242が、第1収容室R1を水密にするための封止部として機能する。
【0111】
なお、この実施形態において第1収容室R1が水密にされた状態とは、第1収容室R1の外部から第1収容室R1の内部への水の浸入が防止された状態のことをいう。
【0112】
図14を参照して、電池パック40では、リード部Lの一部、第1電池ユニット62の複数の電池182(図12参照)、および第2電池ユニット64の複数の電池182(図12参照)が第1収容室R1に収容され、遮断部Bの接続端子140,146が第2収容室R2に収容される。
【0113】
次に、電池パック40の作用効果を説明する。
電池パック40では、遮断部Bの着脱部166を接続端子140,146から取り外すことによって、電源端子102および電源端子118からの電力の入出力を遮断することができる。ここで、接続端子140,148は、水抜き部(この実施形態では隙間112)を有する第2収容室R2に収容される。このため、たとえば、電池パック40から着脱部166(サービスプラグ164)を取り外している際に第2収容室R2に水が浸入したとしても、水抜き部(隙間112)から容易に水を排出することができる。さらに、第1電池ユニット62および第2電池ユニット64の複数の電池182は、水密にされる第1収容室R1に収容される。この場合、第2収容室R2に水が浸入しても、第1収容室R1に水が浸入することを防止できるので、複数の電池182に水が付着することを防止できる。以上の結果、電池パック40の優れた防水性を確保することができるとともに、水を被る状況下においても電池パック40の取り扱いが容易になる。
【0114】
電池パック40では、着脱部166の接続端子168,170を、差込部162を通って第2収容室R2の外部から第2収容室R2の内部に差し込むことができる。これにより、着脱部166の取り外しが容易になる。
【0115】
電池パック40では、差込部162は、接続端子168,170を通すが本体部172を通さないように構成される。この場合、差込部162は、少なくとも接続端子168,170を通すことができればよいので、差込部162を小さく構成できる。それにより、差込部162から第2収容室R2内に水が浸入することを抑制できる。
【0116】
電池パック40では、差込部162は、接続端子168,170を差し込み可能な貫通孔162aと接続端子168,170を差し込み可能な貫通孔162bとを有する。ここで、貫通孔162aは、接続端子168,170を通すことができる大きさを有していればよく、貫通孔162bは接続端子168,170を通すことができる大きさを有していればよい。この場合、貫通孔162a,162bを、必要十分な大きさを確保しつつできるだけ小さく形成することによって、貫通孔162a,162bから第2収容室R2内に水が浸入することを十分に抑制できる。
【0117】
電池パック40では、接続端子146と接続端子170との接続部および接続端子140と接続端子168との接続部が、第2収容室R2の内面114から離れている。それにより、第2収容室R2内に水が浸入した場合でも、接続端子146と接続端子170との接続部および接続端子140接続端子168との接続部に水が付着することを抑制できる。
【0118】
電池パック40では、水抜き部(隙間112)が第2収容室R2の角部(たとえば、図11に示す角部174)において開口するように設けられる。この場合、差込部162から第2収容室R2内に水が浸入した場合でも、水抜き部(隙間112)から水を効率よく排出することができる。
【0119】
電池パック40では、複数のシール部材230,232,236a,236b,240を挟んでケース部材54,56,58,60を組み合わせることによって、簡単な構成で第1収容室R1を水密にすることができる。
【0120】
電池パック40では、着脱部166がヒューズを含むので、過電流を防止するための他のヒューズをさらに設けなくてもよい。それにより、電池パック40の構成を簡単にできる。また、着脱部166(サービスプラグ164)を接続端子140,146から取り外すことによって、ヒューズを容易に交換できる。これにより、電池パック40のメンテナンスが容易になる。
【0121】
電池パック40では、接続端子140,146が第2収容室R2内においてケース部材58に固定される。これにより、接続端子140,146の位置決め精度を向上させることができる。
【0122】
図15は、この発明の他の実施の形態に係る電池パック40aを示す斜視図であり、図16は、電池パック40aの第2収容室R21の周辺の構造を示す断面図解図である。
【0123】
図15および図16を参照して、電池パック40aは、ケース52a、第1電池ユニット62(図4参照)および第2電池ユニット64を有する。ケース52aは、ケース部材54、ケース部材56、ケース部材58aおよびケース部材60を含む。第1電池ユニット62は、ケース部材54とケース部材56とによって収容され、第2電池ユニット64は、ケース部材58aとケース部材60とによって収容される。
【0124】
図16を参照して、ケース部材58aは、側壁部248および周壁部250を有する。側壁部248は、ケース部材60側に向かって凹む凹部252を有する。蓋部材108aは、周壁部250および凹部252との間に隙間112aが形成されるように設けられる。この実施形態では、側壁部248の凹部252、周壁部250および蓋部材108aによって第2収容室R21が形成される。また、この実施形態では、隙間112aが水抜き部に相当する。
【0125】
この実施形態では、ケース部材54、ケース部材56(より特定的には、側壁部72、周壁部74、連結部78、およびボス部80a,80b(図4参照))、ケース部材58a(より特定的には、側壁部248、周壁部250、連結部88、およびボス部98a,98b(図4参照))、およびケース部材60によって第1収容室R11が形成される。第1収容室R11は、電池パック40の第1収容室R1と同様の構成によって水密にされる。
【0126】
連結部材152と連結部材214とは、リード部材254を介して電気的に接続される。これにより、接続端子146と複数の電池182とが電気的に接続される。
【0127】
なお、詳細な説明は省略するが、取付部96および差込部162は、第2収容室R21に対応する位置に設けられる。また、電池パック40の第2収容室R2内に配置されている各構成要素(リード部材134および接続端子140等)は、第2収容室R21の構成に応じて適切な位置に配置され、必要な場合には設計変更されて用いられる。また、電池パック40の他の構成要素(電源端子102,118、連結ユニット220等)についても、ケース52aの構成に応じて適切な位置に配置され、必要な場合には設計変更されて用いられる。
【0128】
上述のような構成により、電池パック40aにおいても、電池パック40の上述の作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0129】
図17は、この発明のさらに他の実施の形態に係る電池パック40bを示す斜視図であり、図18は、電池パック40bの第2収容室R22の周辺の構造を示す断面図解図である。
【0130】
図17および図18を参照して、電池パック40bは、ケース52b、第1電池ユニット(図示せず)および第2電池ユニット64bを有する。ケース52bは、ケース部材54b、ケース部材56b、ケース部材58b、およびケース部材60bを含む。第1電池ユニットは、ケース部材54bとケース部材56bとによって収容され、第2電池ユニット64bは、ケース部材58bとケース部材60bとによって収容される。
【0131】
詳細な説明は省略するが、ケース部材54bは、X方向の長さが長い点を除いてケース部材54とほぼ同様の構成を有し、ケース部材56bは、X方向の長さが長い点を除いてケース部材56とほぼ同様の構成を有する。ケース部材58bは、X方向の長さが長い点、保護壁部90(図6参照)が設けられていない点、および取付部96(図6参照)が設けられていない点を除いてケース部材58とほぼ同様の構成を有する。
【0132】
図18を参照して、ケース部材60bは、側壁部256および周壁部258を有する。側壁部256は、ケース部材58b側に向かって凹む凹部260を有する。凹部260の開口部260aを塞ぐように、蓋部材262が設けられる。蓋部材262は、板状部262aおよび取付部262bを有する。板状部262aは、差込部162(図9参照)と同様の構成を有する差込部264を有する。取付部262bは、取付部96(図6参照)と同様の構成を有する。蓋部材262は、板状部262aと凹部260との間に隙間112bが形成されるように設けられる。この実施形態では、凹部260および板状部262aによって第2収容室R22が形成される。また、この実施形態では、隙間112bが水抜き部に相当する。
【0133】
凹部260は、X方向に延びるように設けられる貫通孔260bを有する。貫通孔260b内に環状のシール部材266が嵌められた状態で、貫通孔260bに筒状の連結部材268の一端部が嵌められる。連結部材268は、X方向に延びるように設けられる。連結部材268は、導電性材料からなる。
【0134】
連結部材268の一端部は、固定部材270によって、中空円板状のシール部材272および板状のリード部材274の一端部とともに凹部260に固定される。この実施形態では、固定部材270およびシール部材272のうちの少なくとも一方は、導電性材料からなる。貫通孔260bは、シール部材266、連結部材268、固定部材270、およびシール部材272によって封止される。
【0135】
連結部材268の他端部には、固定部材276によって接続端子146が固定される。リード部材274の他端部には、リード部材206が接続される。これにより、接続端子146と複数の電池182とが、連結部材268、リード部材274およびリード部材206を介して電気的に接続される。
【0136】
この実施形態では、上述の第1収容室R1,R11と同様に、ケース部材54b、ケース部材56b、ケース部材58bおよびケース部材60bの所定の構成要素によって第1収容室R12が形成される。第1収容室R12は、第1収容室R1,R11と同様に水密にされる。
【0137】
なお詳細な説明は省略するが、第1電池ユニット62をケース部材54b,56bの構成に応じて適宜設計変更することによって電池パック40bの第1電池ユニットとして用いることができる。また、第2電池ユニット64bは、第2電池ユニット64をケース部材58b,60bの構成に応じて適宜設計変更したものである。また、電池パック40の他の構成要素(電源端子102,118、連結ユニット220等)についても、ケース52bの構成に応じて適切な位置に配置され、必要な場合には設計変更されて用いられる。
【0138】
上述のような構成により、電池パック40bにおいても、電池パック40の上述の作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0139】
図19は、この発明のその他の実施の形態に係る電池パック40cを示す斜視図であり、図20は、電池パック40cの第2収容室R23の周辺の構造を示す断面図解図である。
【0140】
図19および図20を参照して、電池パック40cは、ケース52c、第1電池ユニット(図示せず)および第2電池ユニット64cを有する。第1電池ユニットしては、電池パック40bの第1電池ユニットと同様のものを用いることができる。
【0141】
ケース52cは、ケース部材54b、ケース部材56b、ケース部材58b、およびケース部材60cを含む。第1電池ユニットは、ケース部材54bとケース部材56bとによって収容され、第2電池ユニット64cは、ケース部材58bとケース部材60cとによって収容される。
【0142】
図20を参照して、ケース部材60cがケース部材60b(図18参照)と異なるのは、側壁部256の代わりに側壁部278が設けられている点である。側壁部278が側壁部256と異なるのは、凹部260の代わりに凹部280を有する点である。
【0143】
電池パック40cでは、凹部280の開口部280aを塞ぐように、蓋部材262が設けられる。蓋部材262は、板状部262aと凹部280との間に隙間112cが形成されるように設けられる。この実施形態では、凹部280および板状部262aによって第2収容室R23が形成される。また、この実施形態では、隙間112cが水抜き部に相当する。
【0144】
凹部280は、Z方向に延びるように設けられる貫通孔280bを有する。貫通孔280b内に環状のシール部材282が嵌められた状態で、貫通孔280bに筒状の連結部材284の一端部が嵌められる。連結部材284は、Z方向に延びるように設けられる。連結部材284は、導電性材料からなる。
【0145】
連結部材284の一端部は、固定部材286によって、中空円板状のシール部材288および板状のリード部材290の一端部とともに凹部280に固定される。この実施形態では、固定部材286およびシール部材288のうちの少なくとも一方は、導電性材料からなる。貫通孔280bは、シール部材282、連結部材284、固定部材286およびシール部材288によって封止される。
【0146】
連結部材284の他端部には、固定部材292によって接続端子294が固定される。接続端子294は、サービスプラグ164の着脱部166が着脱可能に構成される。リード部材290の他端部には、リード部材296の一端部が接続される。リード部材296の他端部は、第2電池ユニット64cの1行目の複数の電池182に接続される。これにより、接続端子294と複数の電池182とが、連結部材284、リード部材290およびリード部材296を介して電気的に接続される。
【0147】
この実施形態では、上述の第1収容室R1,R11,R12と同様に、ケース部材54b、ケース部材56b、ケース部材58bおよびケース部材60cの所定の構成要素によって第1収容室R13が形成される。第1収容室R13は、第1収容室R1,R11,R12と同様に水密にされる。
【0148】
なお、詳細な説明は省略するが、第2電池ユニット64cは、第2電池ユニット64をケース部材58b,60cの構成に応じて適宜設計変更したものである。また、電池パック40の他の構成要素についても、ケース52cの構成に応じて適切な位置に配置され、必要な場合には設計変更されて用いられる。
【0149】
上述のような構成により、電池パック40cにおいても、電池パック40の上述の作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0150】
上述の実施形態では、水抜き部として隙間112,112a,112b,112cを設ける場合について説明したが、水抜き部の構成は上述の例に限定されない。
【0151】
図21は、この発明のさらにその他の実施の形態に係る電池パック40dの第2収容室R24の周辺の構造を示す断面図解図である。
【0152】
図21に示す電池パック40dが上述の電池パック40と異なるのは、保護壁部90の代わりに保護壁部298が設けられている点、および蓋部材108の代わりに蓋部材300が設けられている点である。
【0153】
保護壁部298が保護壁部90と異なるのは、第5壁部90eの代わりに壁部298aを有する点である。壁部298aが第5壁部90eと異なるのは、その端部(Z方向における端部)に切欠部298bを有する点である。蓋部材300が蓋部材108と異なるのは、その端部(X方向における端部)に切欠部300aを有する点である。切欠部298bおよび切欠部300aはそれぞれ、第2収容室R24の角部302(内面部298cと内面部300bとによって形成される角部)において開口するように形成される。蓋部材300は、隙間112dが形成されるように設けられる。
【0154】
電池パック40dでは、隙間112dに加えて、さらに切欠部298bおよび切欠部300aを水抜き部として用いることができる。これにより、第2収容室R24内に水が浸入しても、水抜き部(隙間112d、切欠部298bおよび切欠部300a)を介して効率よく水を排出することができる。なお、切欠部298bおよび切欠部300aのうちいずれか一方が設けられなくてもよい。また、切欠部298bおよび切欠部300aのうち少なくとも一方が設けられる場合には、隙間112dは形成されなくてもよい。切欠部298bの代わりに貫通孔が形成されてもよく、切欠部300aの代わりに貫通孔が形成されてもよい。電池パック40a、電池パック40bおよび電池パック40cに示すようなタイプの電池パックにおいても、蓋部材に水抜き部としての切欠部または貫通孔を形成してもよい。
【0155】
上述の実施形態では、第1電池ユニットと第2電池ユニットとが電気的に並列に接続されているが、第1電池ユニットと第2電池ユニットとが電気的に直列に接続されてもよい。
【0156】
上述の実施形態では、リード部において、マイナスの電源端子と第2電池ユニットとの間に遮断部が設けられる場合について説明したが、遮断部の位置は上述の例に限定されない。たとえば、リード部において、プラスの電源端子と第2電池ユニットとの間に遮断部が設けられてもよい。たとえば、第1電池ユニットと第2電池ユニットとが電気的に直列に接続される場合には、リード部において、第1電池ユニットと第2電池ユニットとの間に遮断部を設けてもよい。
【0157】
上述の実施形態では、板状のリード部材を用いる場合について説明しているが、リード部材としてリード線を用いてもよい。
【0158】
上述の実施形態では、着脱部166の本体部172はヒューズを含むが、着脱部がヒューズを含まなくてもよい。たとえば、着脱部の本体部がリード部材(リード線またはリード板等)であってもよい。
【0159】
上述の実施形態では、プラスの電源端子およびマイナスの電源端子が1つずつ設けられる場合について説明したが、電源端子の数は上述の例に限定されない。たとえば、プラスの電源端子が2つ設けられてもよい(たとえば、充電用の電源端子と放電用の電源端子)。この場合、各電源端子は、たとえば、上述の電源端子102と同様に、シール部材とともにケース部材に設けられる。
【0160】
上述の実施形態では、複数のシール部材を用いて第1収容室を水密にしているが、第1収容室を水密にする方法は上述の例に限定されない。たとえば、構成部材同士を溶着することによって第1収容室を水密にしてもよい。具体的には、たとえば、ケース部材54とケース部材56とを溶着してもよく、ケース部材56とケース部材58とを溶着してもよく、ケース部材58とケース部材60とを溶着してもよい。
【0161】
この発明が適用される鞍乗型車両はスクータ10に限定されない。具体的には、この発明は、モペット等の他のタイプの自動二輪車、不整地走行用車両(ALL−TERRAIN VEHICLE)、およびスノーモービル等の他の鞍乗型車両にも適用できる。
【符号の説明】
【0162】
10 スクータ
40a,40b,40c,40d 電池パック
52,52a,52b,52c ケース
54,54b,56,56b,58,58a,58b,60,60b,60c ケース部材
102,118 電源端子
112,112a,112b,112c,112d 隙間
114 内面
114a,114b,114c,114d,114e,114f,114g,114h,298c,300b 内面部
140,146,168,170,294 接続端子
162 差込部
162a,162b 貫通孔
164 サービスプラグ
166 着脱部
172 本体部
182 電池
230,232,236a,236b,238,240 シール部材
298b,300a 切欠部
B 遮断部
L リード部
R1,R11,R12,R13 第1収容室
R2,R21,R22,R23,R24 第2収容室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースに収容される複数の充電できる電池と、
前記ケースの外方に露出するように設けられるプラスの第1電源端子およびマイナスの第2電源端子と、
前記第1電源端子、前記複数の電池および前記第2電源端子を電気的に接続するリード部とを備え、
前記リード部は、前記第1電源端子と前記第2電源端子との電気的な接続を切断して前記第1接続端子および前記第2接続端子からの電力の入出力を遮断する遮断部を含み、
前記遮断部は、前記第1電源端子に電気的に接続される第1接続端子、前記第2電源端子に電気的に接続される第2接続端子、および前記第1接続端子と前記第2接続端子とに着脱可能な着脱部を有し、
前記ケースは、水密にされる第1収容室および水を排出するための水抜き部を有する第2収容室を含み、
前記リード部の少なくとも一部および前記複数の電池が前記第1収容室に収容され、前記第1接続端子および前記第2接続端子が前記第2収容室に収容される、電池パック。
【請求項2】
前記着脱部は、前記第1接続端子に対して着脱可能に設けられる第3接続端子および前記第2接続端子に対して着脱可能に設けられる第4接続端子を有し、
前記第2収容室は、前記第3接続端子および前記第4接続端子を差し込むための差込部を有する請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記着脱部は、前記第3接続端子と前記第4接続端子とを電気的に接続する本体部をさらに有し、
前記差込部は、前記第3接続端子および前記第4接続端子を通すが前記本体部を通さない、請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記差込部は、前記第3接続端子を差し込み可能な第1孔部と前記第4接続端子を差し込み可能な第2孔部とを含む、請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記第1接続端子と前記第3接続端子とは、前記第2収容室の内面から離れた位置で接続され、
前記第2接続端子と前記第4接続端子とは、前記第2収容室の内面から離れた位置で接続される、請求項2に記載の電池パック。
【請求項6】
前記第2収容室の前記内面は複数の内面部を有し、
前記差込部は、前記複数の内面部のうちのいずれか一つの内面部において開口し、
前記水抜き部は、前記複数の内面部のうちの少なくとも2つ以上の内面部によって形成される角部において開口する、請求項5記載の電池パック。
【請求項7】
1または複数のシール部材をさらに備え、
前記ケースは複数のケース部材を含み、
前記複数のケース部材は、前記第1収容室が形成されるように前記1または複数のシール部材を挟んで互いに組み合わされる、請求項1から6のいずれかに記載の電池パック。
【請求項8】
前記着脱部はヒューズを含む、請求項1から6のいずれかに記載の電池パック。
【請求項9】
請求項1から6のいずれかに記載の電池パックを備える、鞍乗型車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−109974(P2013−109974A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254424(P2011−254424)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】