説明

電池ホルダ

【課題】様々な電圧出力、容量、形状等が得られる組電池の構成を可能にする電池ホルダを提供する。
【解決手段】所定個数の単電池を収納する絶縁性ホルダ本体10、ホルダ本体10の外面に相互に絶縁して設けられた第1極端子20及び第2極端子30、単電池の第1極と第1極端子20間と単電池の第2極と第2極端子30間をそれぞれ電気的に接続する第1及び第2接続部材を備え、第1及び第2接続部材はホルダ本体10に内包され、第1極端子20及び第2極端子30は、複数個のホルダ本体10同士で、第1極端子20と第2極端子30、第1極端子20同士、及び第2極端子30同士のうち1つ以上の接触が可能で、かつ直列接続及び直列と並列を組み合わせた接続の両方が可能であるように、ホルダ本体10を通る中心線に対して周方向の2つ以上の箇所に配置され、単電池を収納した複数個のホルダ本体10を電気的接続により組み合わせた組電池を構成可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1個以上の単電池を収納して電池ユニットを構成することができ、かつ複数の該電池ユニットを組み合わせて組電池を構成することができる電池ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
複数個の単電池を組み合わせて組電池を構成することができる従来技術として、次の従来技術1および2が提案されている。
従来技術1は、電池本体(電池ケース)と、電池本体に凹形雌ネジ部を有する正極または負極用の第1端子と、第1端子の凹形雌ネジ部と螺合可能な凸形雄ネジ部を有する負極または正極用の第2端子とを1個ずつ備えた単電池である(例えば、特許文献1参照)。この場合、一の単電池の第1端子に他の単電池の第2端子を螺合して電気的に直列接続することにより、複数個の単電池を組み合わせた組電池が構成される。
【0003】
従来技術2は、単電池と、コネクタ部材と、第1および第2導電部材と、単電池を収容する収容体とを備えた集合電池である(例えば、特許文献2参照)。集合電池は、複数個のリチウム電池が電気的に直列接続されてなる。コネクタ部材は、板状本体の主面に正極用スナップ端子と負極用スナップ端子が1個ずつ形成されてなる。そして、集合電池の正極および負極が第1および第2導電部材によって正極および負極用スナップ端子に電気的に接続されている。この場合、一の集合電池の負極用スナップ端子に他の集合電池の正極用スナップ端子を嵌め込んで電気的に直列接続することにより、複数個の集合電池を組み合わせた組電池が構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−80411号公報
【特許文献2】特開2009−252607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、環境負荷が小さい電気自動車およびハイブリッド自動車等の電動車両が実用化されてきており、この電動車両用電源に組電池が用いられている。電動車両は、エネルギー効率を高めるために軽量であることが要求されるため、組電池の広い設置スペースを確保することは困難であると共に、組電池自体の軽量化も必要である。それに加えて組電池には、満充電での長い走行距離および加速に対応できる性能だけではなく、車種に応じた特性も要求される。
したがって、特に、電動車両用電源としての組電池を構成する各電池ユニット(各単電池または各集合電池)は、様々な電圧出力、容量、形状等が得られるように、様々な接続形態を可能とする接続構造を有していることが望ましい。
【0006】
しかしながら、従来技術1の場合、第1端子と第2端子の数はそれぞれ1個であるため、リード線を用いずに複数個の単電池を組み合わせる接続形態は一方向の直列接続のみであり、様々な容量、形状等が得られる組電池を構成することができない。
また、従来技術2の場合も、同じ面に正極用スナップ端子と負極用スナップ端子がそれぞれ1個ずつしか設けられていないため、リード線を用いずに複数個の集合電池を組み合わせる接続形態は千鳥状の直列接続のみであり、様々な容量、形状等が得られる組電池を構成することができない。
したがって、従来技術1の単電池を用いた組電池または従来技術2の集合電池を用いた組電池を、様々な電圧出力、容量、形状等に設計しようとする場合、異なる複数の電池ユニットもしくは組電池をリード線で電気的に接続することになる。そのため、組電池の組み立て効率が低下すると共に、前記リード線や各組電池を一体的に保持する保持部材等の別部品が必要になり、結果的に製造コストが上昇する。さらに、これらの従来の電池ユニットは、単体では接続形態が直列接続に限られているため、狭く複雑な形のスペースに有効的に設置するのに不向きである。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、様々な電圧出力、容量、形状等が得られる組電池を容易に作製することができる、電池ホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、所定個数の単電池を収納する絶縁性ホルダ本体と、該ホルダ本体の外面に相互に絶縁して設けられた第1極端子および第2極端子と、前記単電池の第1極と第1極端子間を電気的に接続する第1接続部材と、前記単電池の第2極と第2極端子間を電気的に接続する第2接続部材とを備え、前記第1および第2接続部材は前記ホルダ本体に内包され、前記第1極端子および第2極端子は、複数個の前記ホルダ本体同士で、第1極端子と第2極端子との接触、第1極端子同士の接触、および第2極端子同士の接触のうちの1つ以上の接触が可能であり、かつ直列接続、および直列と並列を組み合わせた接続の両方が可能であるように、前記ホルダ本体を通る中心線に対して周方向の2つ以上の箇所に配置されており、単電池を収納した複数個の前記ホルダ本体は電気的接続によって組み合わせて、組電池を構成可能である電池ホルダが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数個のホルダ本体は直列接続、および直列と並列を組み合わせた接続の両方、もしくは直列接続、並列接続、および直列と並列を組み合わせた接続の全てが可能で、そのうちの1つ以上の電気的接続によって組み合わせて組電池を構成可能であるため、様々な電圧出力、容量、形状等が得られる組電池を容易に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態1−1Aを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図2】図2(A)〜(C)は図1(C)のA−A線断面図、図1(D)のB−B線断面図および図1(B)のC−C線断面図である。
【図3】図3は実施形態1−1Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に組み合わせた組電池を示す平面図である。
【図4】図4は図3の組電池の回路を示す概念図である。
【図5】図5は実施形態1−1Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列および並列に組み合わせた組電池を示す平面図である。
【図6】図6は図5の組電池の回路を示す概念図である。
【図7】図7(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態1−1Aの変形例を示す平断面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図8】図8(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態1−1Bを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図9】図9は実施形態1−1Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に組み合わせた組電池を示す平面図である。
【図10】図10は実施形態1−1Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列および並列に組み合わせた組電池を示す平面図である。
【図11】図11(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態1−2Aを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図12】図12(A)〜(C)は図11(C)のA−A線断面図、図11(D)のB−B線断面図および図11(B)のC−C線断面図である。
【図13】図13は実施形態1−2Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個並列に組み合わせた組電池を示す平面図である。
【図14】図14は図13の組電池の回路を示す概念図である。
【図15】図15は実施形態1−2Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に組み合わせた組電池を示す平面図である。
【図16】図16は図15の組電池の回路を示す概念図である。
【図17】図17(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態1−2Aの変形例を示す平断面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図18】図18(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態1−2Bを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図19】図19は実施形態1−2Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個並列に組み合わせた組電池を示す平面図である。
【図20】図20は実施形態1−2Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に組み合わせた組電池を示す平面図である。
【図21】図21(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態2−1Aを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図22】図22(A)〜(C)は図21(A)のA−A線断面図、図21(B)のB−B線断面図および図21(D)のC−C線断面図である。
【図23】図23(A)は実施形態2−1Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に組み合わせた組電池を示す正面図であり、図23(B)は左側面図である。
【図24】図24は図23の組電池の回路を示す概念図である。
【図25】図25は実施形態2−1Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列および並列に、かつ平面方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
【図26】図26は図25の組電池の回路を示す概念図である。
【図27】図27(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態2−1Aの変形例を示す平断面図、左側面図、正面断面図および右側面図である。
【図28】図28(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態2−1Bを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図29】図29(A)は実施形態2−1Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に組み合わせた組電池を示す正面図であり、図29(B)は左側面図である。
【図30】図30は実施形態2−1Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列および並列に、かつ平面方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
【図31】図31(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態2−2Aを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図32】図32(A)〜(C)は図31(A)のA−A線断面図、図31(A)のB−B線断面図および図31(A)のC−C線断面図である。
【図33】図33(A)は実施形態2−2Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個並列に組み合わせた組電池を示す正面図であり、図33(B)は左側面図である。
【図34】図34は実施形態2−2Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に、かつ前後方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
【図35】図35は図34の組電池の回路を示す概念図である。
【図36】図36(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態2−2Aの変形例を示す平断面図、左側面図、正面断面図および右側面図である。
【図37】図37(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態2−2Bを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図38】図38(A)は実施形態2−2Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個並列に組み合わせた組電池を示す正面図であり、図38(B)は左側面図である。
【図39】図39は実施形態2−2Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に、かつ前後方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
【図40】図40(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態3−1Aを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図41】図41(A)および(B)は図40(B)のA−A線断面図および図40(A)のB−B線断面図である。
【図42】図42は実施形態3−1Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に、かつ左右方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
【図43】図43は実施形態3−1Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列および並列に、かつ前後方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
【図44】図44(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態3−1Bを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図45】図45は実施形態3−1Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に、かつ左右方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
【図46】図46は実施形態3−1Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列および並列に、かつ前後方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
【図47】図47(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態3−2Aを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図48】図48(A)および(B)は図47(B)のA−A線断面図および図47(A)のB−B線断面図である。
【図49】図49は実施形態3−2Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個並列に、かつ左右方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
【図50】図50は実施形態3−2Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に、かつ前後方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
【図51】図51(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態3−2Bを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図52】図52は実施形態3−2Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個並列に、かつ左右方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
【図53】図53は実施形態3−2Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に、かつ前後方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
【図54】図54(A)〜(D)は実施形態1−2AIの電池ホルダを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図55】図55(A)は実施形態1−2AIの表向きの電池パック(左図)と裏向きの電池パック(右図)を平行に並べた状態を示す平面図であり、図55(B)は実施形態1−2Aの表向きの電池パック(左図)と裏向きの電池パック(右図)を平行に並べた状態を示す平面図である。
【図56】図56は実施形態1−2AIIの電池ホルダを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
【図57】図57は実施形態1−2AIIの電池ホルダの一部分を拡大した一部省略断面図である。
【図58】図58は実施形態1−2AIIの電池ホルダを用いた電池パックの組電池の一例を説明する図であって、図58(A)〜(C)は組み立て順を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の電池ホルダは、前記ホルダ本体と、該ホルダ本体の外面に設けられた前記第1極端子および前記第2極端子と、前記ホルダ本体内に設けられた前記第1接続部材および前記第2接続部材とを備える。
本発明において、第1極端子および第2極端子の配置は、複数個の前記ホルダ本体同士で、第1極端子と第2極端子との接触、第1極端子同士の接触、および第2極端子同士の接触のうちの1つ以上の接触を可能とし、かつ直列接続、および直列と並列を組み合わせた接続の両方、もしくは直列接続、並列接続、および直列と並列を組み合わせた接続の全ての電気的接続を可能とするように構成されている。これによって、様々な電圧出力、容量、形状等が得られる組電池が構成可能となる。
【0012】
このように様々な組電池を構成可能とするためには、前記ホルダ本体を通る中心線に対して周方向の2つ以上の箇所に、第1極端子と第2極端子それぞれが複数配置されていることが好ましい。
ここで、「ホルダ本体を通る中心線」とは、例えば、ホルダ本体が円筒形であればその軸心線が中心線となる。また、ホルダ本体が直方体であれば、対向する各2面の中心を通る3本の直線のうちの1本が中心線となる。
具体的には、後述する実施形態1−1シリーズ、1−2シリーズ、2−1シリーズ、2−2シリーズ、3−1シリーズ、および3−2シリーズのように電池ホルダを構成することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の電池ホルダの各種の実施形態について詳しく説明する。なお、以下の実施形態は例示に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0013】
《実施形態1−1シリーズ》
実施形態1−1シリーズの電池ホルダは、前記中心線と平行な一面上に第1極端子が配置され、前記一面と平行な他面上に第2極端子が配置されている。
この場合、第1極端子と第2極端子とは、前記中心線に対して中心角度180°の相対位置に配置されていることが好ましい。
具体的には、後述の実施形態1−1Aまたは1−1Bのような電池ホルダを構成することができる。
【0014】
(実施形態1−1A)
図1(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態1−1Aを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。また、図2(A)〜(C)は図1(C)のA−A線断面図、図1(D)のB−B線断面図および図1(B)のC−C線断面図である。
なお、便宜上、電池ホルダの平面(上面)、左側面、正面(前面)および右側面を図1(A)〜(D)のように規定しているが、電池ホルダは向きに関係なく使用することができ、本実施形態以外においても同様である。
本発明の電池ホルダは、第1極端子が第1極凸端子からなり、第2極端子が第2極凹端子からなり、第1極端子の凸形状と第2極端子の凹形状は、相互に嵌合可能な形状で、前記中心線方向に並ぶ、同一面上に設けられた各2個の端子同士の間隔は、ホルダ本体の中心線方向の長さの1/2以上であってもよい(本実施形態1−1A、および後述の各実施形態2−1A、3−1A)。
【0015】
本実施形態1−1Aの電池ホルダH11は、4個の単電池Eを収納する絶縁性ホルダ本体10と、ホルダ本体10の外面に相互に絶縁して設けられた第1極端子20および第2極端子30と、単電池Eの第1極e1と第1極端子20とを電気的に接続する第1接続部材40と、単電池Eの第2極e2と第2極端子30とを電気的に接続する第2接続部材50とを備えている。
本実施形態の場合、単電池Eとして、第1極e1が正極であり、第2極e2が負極である市販の単1形電池(一次電池または二次電池)を4個収容できる電池ホルダH11を例示しているが、収容する単電池Eの形状含めた種類、個数等は変更可能である。
以下、所定個数(本実施形態では4個)の単電池が収容された電池ホルダを「電池パック」と言う。また、以下の各実施形態では、電池ホルダの第1極端子を正極とし第2極端子を負極として説明するが、極性はこの逆でも構わない。
【0016】
ホルダ本体10は、上方に開口する開口部を有する直方体形の容器本体10aと、この容器本体10aの開口部を開閉可能に塞ぐ長方形板の蓋体10bとから構成されており、これらは絶縁性樹脂材料にて形成されている。ここでは、ホルダ本体10は、中心線L11の方向に長い直方体形である。この中心線L11は、図1に示すように、ホルダ本体H11における第1および第2極端子20、30が配置されない2面の中心を通る線であり、この場合、ホルダ本体10の長手方向両端面の中心を通る線である。
【0017】
容器本体10aの内底面には容器本体10aの長手方向に2個の単電池Eを直列に上下2段で並べた状態で保持するための一対の垂直壁10a1が形成されていると共に、容器本体10aの左右側壁の上部内面には一対の突起部10a2が形成されている。さらに、容器本体10aの右側壁には後述する第1極端子20の2個の第1極凸端子21を挿通させる2個の孔部10a3が形成されると共に、容器本体10aの左側壁には後述する第2極端子30の2個の第2極凹端子31を挿通させる2個の孔部10a4が形成されている。
蓋体10bは、その一対の長辺近傍の内面に、容器本体10aの一対の突起部10a2と係合する一対の係合凸部10b1が形成されている。
【0018】
第1極端子20と第2極端子30は、ホルダ本体10を通る中心線L11に対して周方向の2つ以上の箇所に配置されている。本実施形態の場合、中心線L11と平行な右側面上に第1極端子20が配置され、右側面と平行な左側面上に第2極端子30が配置されている。さらに、本実施形態の場合、第1極端子20と第2極端子30とは中心線L11に対して中心角度θ1が180°の相対位置に配置されているが、第1極端子20と第2極端子30との相対位置は多少上下にずれていてもよい。
また、前記中心線L11と直交する直交平面P11を挟んでホルダ本体10の右側面上に2個の第1極端子20が対称的に配置され、前記直交平面P11を挟んで左側面上に2個の第2極端子30が対称的に配置され、2個の第1極端子20は互いに導通し、2個の第2極端子30は互いに導通している。なお、2個の第2極端子30は、前記直交平面P11とは異なる任意の直交平面を挟んで左側面上に対称的に配置されていてもよい。
【0019】
さらに具体的には、第1極端子20は第1極凸端子21からなり、第2極端子30は第2極凹端子31からなり、第1極端子20の凸形状と第2極端子30の凹形状は相互に嵌合可能な形状となっている。
1枚の導電性プレート(例えば、銅板)をプレス成型することにより、相互に導通した一対の第1極凸端子21を形成することができる。これと同様に、相互に導通した一対の第2極凹端子31も形成できるが、この場合、各第2極凹端子31は各第1極凸端子21ときっちり嵌合する形状、大きさおよび間隔に形成される。
以下、相互に導通した一対の第1極端子20または第1極凸端子21を「第1極端子部材20U」と言い、相互に導通した一対の第2極端子30または第2極凹端子31を「第2極端子部材30U」と言う場合がある。
【0020】
第1極端子部材20Uにおいて、中心線L11方向に隣接して並ぶ2個の第1極凸端子21の間隔S11は、ホルダ本体10の中心線L11方向の長さM11の1/2以上である。これと同様に、第2極端子部材30Uにおいて、中心線L11方向に隣接して並ぶ2個の第2極凹端子31の間隔S11も、ホルダ本体10の中心線L11方向の長さM11の1/2以上である。ここで、2個の第1極凸端子21の間隔と2個の第2極凹端子31の間隔は、前項で言及したように等間隔であり、後述の各実施形態においても同様である。なお、本実施形態では、間隔S11が長さM11の1/2の場合を例示している。
前記構成を有する第1極端子部材20Uは、一対の第1極凸端子21を容器本体10aの一対の孔部10a3に内側から挿入して外部へ突出させるよう、容器本体10aの右側壁内面に、例えば接着により固定されている。
一方、前記構成を有する第2極端子部材30Uは、一対の第2極凹端子31の裏面側の凸部分を容器本体10aの一対の孔部10a4に外側から挿入して内部へ突出させるよう、容器本体10aの左側壁外面に、例えば接着により固定されている。
なお、本実施形態では、第1極端子20の凸形状と第2極端子30の凹形状が立方体形の場合を例示しているが、凸形状と凹形状が相互に嵌合可能な形状であればよく、例えば、円柱形やそれ以外の形状でもよい。このように、凸端子および凹端子の形状、および配置は図1での例示には限定されず、同一面上の端子間の距離が各面で等しければ、適宜設計変更することができる。この点については、後述の各実施形態でも同様である。
【0021】
第1接続部材40は、導電性プレート(例えば、銅板)を折り曲げて形成した導電性プレートであり、第1極端子部材20Uと接触する第1接触部41と、上下段の単電池Eの第1極e1と接触する2箇所の第2接触部42とを有し、容器本体10aの内面に、例えば接着により固定されている。
第2接続部材50は、第2極端子部材30Uと接触するように導電性プレート(例えば、銅板)を折り曲げて形成した導電性プレート51と、上下段の単電池Eの第2極e2と接触する2個の金属スプリング52とからなる。導電性プレート51は、容器本体10aの内面に、例えば接着により固定されている。各金属スプリング52は、導電性プレート51の平面部分に、例えば半田付けにより固定されている。
【0022】
このように構成された電池ホルダH11において、容器本体10a内の一対の垂直壁10a1の間に、第1極e1が第1接続部材40の方へ向くようにして2個の単電池Eを直列に上下2段でセットし、蓋体10bを容器本体10aの開口部に取り付ける。
これにより、電池ホルダH11内の4個の単電池Eは、容器本体10aの底壁、一対の垂直壁10a1および蓋体10bによって上下左右方向の動きを、第1および第2接続部材40、50によって前後方向の動きを規制されるため、電池ホルダH11内でがたついたり、電池ホルダH11内から飛び出したりすることを防止できる。
この電池パックQ11において、一対の第1極凸端子21は正極であり、一対の第2極凹端子31は負極であり、電圧出力は第1接続部材40と第2接続部材50の間に2直列の単電池Eを2並列で電気的に接続した合計4個の単電池E(以下、「2直列×2並列の単電池」あるいは「2並列×2直列の単電池」という場合がある)から得られる。
【0023】
図3は実施形態1−1Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に組み合わせた組電池を示す平面図であり、図4は図3の組電池の回路を示す概念図である。なお、図3では3個の電池パックQ11を直列に組み合わせた組電池の場合を例示しているが、電池パックQ11の数は2個でも4個以上でもよい。
この場合、一の電池パックQ11の一対の第1極凸端子21を、隣接する他の電池パックQ11の一対の第2極凹端子31に嵌め込むことにより、2直列×2並列の単電池を有する電池パックQ11を3個直列に組み合わせた組電池G11が構成されている。そして、X方向(接続方向)に隣接する電池パックQ11同士は、第1極凸端子21と第2極凹端子31との嵌合により、電気的に接続されるだけではなく、物理的に連結されている。
【0024】
1個の電池パックQ11の電圧は、1個の単電池Eの電圧の2倍に等しい。よって、3個の電池パックQ11を直列接続してなる組電池G11の電圧は、1個の単電池Eの電圧の6倍に等しい。
本実施形態においては、複数個の電池パックQ11を電気的に直列接続する接続形態の場合、1個の電池パックQ11の電圧を電池パックQ11の数で乗じた値の電圧を有する組電池G11を得ることができる。なお、電池ホルダH11の内部構造は、電池ホルダH11内に収容する単電池Eの種類および数の変更に応じて設計変更でき、電池パックQ11の電圧および容量を変更することができる。この点については、後述の各実施形態でも同様である。
【0025】
この組電池G11から電力を取り出す際は、X方向の一方端に位置する2つの第1極凸端子21(正極)のうち少なくとも1つと、X方向の他方端に位置する2つの第2極凹端子31(負極)のうちの少なくとも1つを、外部回路に電気的に接続する。例えば、外部回路に電力を導入する正極用リード線および負極用リード線の各先端に凹形導電部材および凸形導電部材を電気的に接続し、凹形導電部材を第1極凸端子21に嵌め込み、凸形導電部材を第2極凹端子31に嵌め込む。なお、2つの第1極凸端子21のうちの1つと、2つの第2極凹端子31のうちの1つとから電力を取り出す場合、残りの第1極凸端子21および第2極凹端子31に凹形絶縁部材および凸形絶縁部材を嵌め込んで外部に露出しないよう被覆してもよいし、組電池G11自体を固定するための別の凹および凸形絶縁部材を嵌め込む固定用端子として利用してもよい。この点については、後述の各実施形態でも同様である。
【0026】
図5は実施形態1−1Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列および並列に組み合わせた組電池を示す平面図であり、図6は図5の組電池の回路を示す概念図である。なお、図5では4個の電池パックQ11を直列および並列に組み合わせた組電池の場合を例示しているが、電池パックQ11の数は4個以外でもよい。
この場合、極性を同じ向きに揃えた2個の電池パックQ11a、Q11bを長手方向に並べ、その電池パックQ11a、Q11bの隣接する2つの第1極凸端子21に3個目の電池パックQ11cの一対の第2極凹端子31を嵌め込み、2個並べた電池パックQ11a、Q11bのうちの一方(ここでは、電池パックQ11b)の残りの第1極凸端子21に4個目の電池パックQ11dの一方の第2極凹端子31を嵌め込むことにより、4個の電池パックQ11a〜Q11dを2直列×2並列で、前後左右方向に平面的に組み合わせた接続形態の組電池G12が構成される。
複数個の電池パックQ11を前記のように組み合わせる際、各電池パックQ11の中心線L11方向に隣接して並ぶ2個の第1極凸端子21同士および2個の第2極凹端子31同士の間隔S11は、ホルダ本体10の長さM11の1/2以上であるため、3個目の電池パックQ11cが2個並べた電池パックQ11a、Q11bに組み合わせられなくなるという不具合や、3個目の電池パックQ11cが4個目の電池パックQ11dに干渉し、4個目の電池パックQ11dが組み合わせられなくなるという不具合はない。
【0027】
この組電池G12から電力を取り出す際は、X方向の一方端に位置する電池パックQ11cおよび電池パックQ11dから少なくとも1つずつの第1極凸端子21と、X方向の他方端に位置する電池パックQ11aおよび電池パックQ11bから少なくとも1つずつの第2極凹端子31とを、外部回路に電気的に接続する。例えば、外部回路に電力を導入する正極用リード線の2本に分岐した各先端に凹形導電部材を電気的に接続し、かつ負極用リード線の2本に分岐した各先端に凸形導電部材を電気的に接続し、2つの凹形導電部材を2つの第1極凸端子21に嵌め込み、2つの凸形導電部材を2つの第2極凹端子31に嵌め込む。なお、電力の取り出しに用いられなかった組電池G12の残りの第1極凸端子21および第2極凹端子31は凹形絶縁部材および凸形絶縁部材によって被覆されてもよいし、組電池G12自体を固定するための別の凹および凸形絶縁部材を嵌め込む固定用端子として利用してもよい。
この組電池G12は、4個の電池パックQ11を2直列×2並列で組み合わせたものであるため、その電圧は単電池Eの電圧の4倍に等しい。
【0028】
本実施形態の電池パックQ11は、図3〜図6で示すような接続形態以外も可能である。
例えば、図示省略するが、1個目の電池パックの一方の第1極凸端子に、2個目の電池パックの一方の第2極凹端子を嵌め込む。このとき、2個目の電池パックを1個目の電池パックに対してL字形に組み合わせる。この組み合わせを繰り返せば、複数個の電池パックを螺旋状に直列接続することができる。この場合、隣接する電池パック同士の接続箇所が1箇所であるため、例えば、螺旋の中心に芯材を配置し、所定位置の電池パックを紐やベルトを用いて芯材に縛り付けて固定することにより、隣接する電池パック同士の電気的および物理的接続を補強するようにしてもよい。例えば、この組電池を電気自動車の電源に用いる場合、電気自動車の構造材を芯材として用いることができれば好都合である。
また、図示省略するが、1個目の電池パックの一対の第1極凸端子に、中心線L11に対して同じ側にL字形となるよう2個目と3個目の電池パックの一方の第2極凹端子を嵌め込み、2個目と3個目の電池パックの他方の2つの第2極凹端子に4個目の電池パックの一対の第1極凸端子を嵌め込む。この組電池を互い違いに積み上げれば、2並列の電池パックをやぐら状に直列接続することができる。
なお、このような接続形態は、接続方向の自由度を高め、直列と並列を組み合わせた更に複雑な接続形態を可能とするが、L字形に組み合わせることのできる形状および端子配置の、電池パックQ11に限られる。
【0029】
図7(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態1−1Aの変形例を示す平断面図、左側面図、正面図および右側面図である。なお、図7において、図2中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
この電池ホルダH12は、第1極端子部材20Uと第2極端子部材30Uは同じであるが、8個の単電池E(この場合、単1形)を2直列×4並列で収容するため、ホルダ本体110の大きさおよび内部構造等が図2の電池ホルダH11と異なっている。
以下、この電池ホルダH12について、図2の電池ホルダH11と異なる点を主に説明する。
【0030】
ホルダ本体110は、8個の単電池Eを2直列×4並列で収容できる大きさの直方体形である。このホルダ本体110の中心線L12は、短手方向両端面の中心を通る線である。なお、このホルダ本体110も、絶縁性樹脂材料にて形成された容器本体と蓋体から構成されている。
第1極端子部材20Uと第2極端子部材30Uは、ホルダ本体110の長手方向両端面の中央位置に配置されている。なお、図7において、符号P12は中心線L12に対する直交平面を表している。この場合も、第1・第2極端子部材20U、30Uにおいて、中心線L12方向に隣接して並ぶ2個の第1極凸端子21の間隔S12および2個の第2極凹端子31の間隔S12は、ホルダ本体10の中心線L12方向の長さM12の1/2以上である。具体的には、間隔S12が長さM12の1/2の場合を例示している。
【0031】
第1接続部材140は四角い導電性プレートからなり、ホルダ本体110内に第1極端子部材20Uと接触して設けられている。
第2接続部材150は一面の4箇所に凸部を有する四角い導電性プレートからなり、ホルダ本体110内に第2極端子部材30Uと接触して設けられている。
2直列×4並列の単電池Eは、4つの第1極(正極)e1が第1接続部材140と接触し、4つの第2極(負極)e2が第2接続部材150の4つの凸部と接触するように、電池ホルダH12内に収容される。なお、単電池Eの重みで第2接続部材150が撓まないように、ホルダ本体110の内面には第2接続部材150を支持する図示しないリブ110aが形成されている。
【0032】
この電池ホルダH12では、単電池Eの直列接続方向に第1および第2極端子部材20U、30Uが配置されているため、ホルダ本体110を構成する壁面で2直列×4並列の単電池Eを保持することができる。よって、ホルダ本体110の内部構造を簡素化できると共に、第1および第2接続部材140、150を簡素化できる。
ホルダ本体110内に8個の単電池Eを収容してなる電池パックQ12は、図2に示した電池パックQ11と単電池Eの数は異なるが同じ電圧を得ることができる。そして、電池パックQ11と同様に、複数個の電池パックQ12を直列接続(図3参照)、または直列および並列接続(図5参照)することができる。
【0033】
なお、実施形態1−1Aおよびその変形例(図1〜図7)では、第2極端子部材30Uにおける一対の第2極凹端子を連結する導電性連結部分がホルダ本体の外部に露出している場合を例示したが、外部短絡する可能性を抑制するために、第2極端子部材30U全体をホルダ本体内に収納し、第2極凹端子のみを外部に露出させるようにするか、あるいは外部に露出した導電性連結部分を絶縁テープ等の絶縁部材で被覆することが好ましい。また、ホルダ本体内に収納する電池の形状含めた種類や個数、配置、同じ極性の端子同士を電気的に接続する接続部材の形状等も図1〜図7での例示に限定されず、自由に設計変更することができ、できるだけ部品点数が少なく簡素な構造とすることが好ましい。これらの点については、後述の各実施形態も同様である。
【0034】
(実施形態1−1B)
図8(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態1−1Bを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
本発明の電池ホルダは、第1極端子が第1極面状端子からなり、第2極端子が第2極面状端子からなってもよい。さらに、面状端子を有するこれらの電池ホルダの場合、前記ホルダ本体を組み合わせて組電池を作製する際に、一のホルダ本体と他のホルダ本体とが相互に連結するための、連結部を有してもよい(本実施形態1−1B、および後述の各実施形態1−2B、2−1B,2−2B、3−1B、3−2B)。
本実施形態1−1Bの電池ホルダH13は、主として、第1極端子と第2極端子の形状、およびホルダ本体に連結部材が設けられていることが実施形態1−1A(図2)の電池ホルダH11と異なっている。
以下、この電池ホルダH13について、実施形態1−1Aの電池ホルダH11と異なる点を主に説明する。
【0035】
この電池ホルダH13のホルダ本体10Bは、実施形態1−1Aの電池ホルダH11と概ね同様の容器本体と蓋体とから構成され、中心線L13と平行な容器本体の対向する二面に、第1極端子としての第1極面状端子120および第2極端子としての第2極面状端子130が設けられている。
第1極面状端子120は、長方形の四辺に折曲げ部120aを有する1枚の導電性プレートからなる。第1極面状端子120は、ホルダ本体10Bの壁部に形成されたスリットに外側から各折曲げ部120aが差し込まれ折り曲げられることにより、ホルダ本体10Bに取り付けられている。第2極面状端子130は第1極面状端子120と同じ部材からなり、第1極面状端子120と同様にホルダ本体10Bに取り付けられている。
そして、ホルダ本体10B内において、第1極面状端子120の各折曲げ部120aは第1接続部材(図示省略)と電気的に接続され、第2極面状端子130の各折曲げ部130aは第2接続部材(図示省略)と電気的に接続されている。
【0036】
また、ホルダ本体10Bにおいて、第1極面状端子120が配置された面および第2極面状端子130が配置された面には、連結部が設けられている。
具体的には、ホルダ本体10Bの第1極面状端子120が配置された面に連結部としての4つの凸部10Ba1が設けられ、第2極面状端子130が配置された面に連結部としての4つの凹部10Ba2が設けられ、凸部10Ba1と凹部10Ba2は嵌合可能な大きさおよび形状に形成されている。
図8(B)に示すように前記面における長い二辺の近傍に凸部10Ba1が2つずつ配置され、図8(D)に示すように前記面における長い二辺の近傍に凹部10Ba2が2つずつ配置されている。また本実施形態の場合、図8(A)に示すように、平面的に視て、凸部10Ba1および凹部10Ba2は、ホルダ本体10Bの長さM11を二分する直交平面P13に対して対称的に配置されている。さらに、ホルダ本体10Bの中心線L13方向(長手方向)に隣接する2組の凸部10Ba1同士の間隔S13と、2組の凹部10Ba2同士の間隔S13は同じであり、かつホルダ本体の長さM11の1/2以上である。また、ホルダ本体10Bの高さ方向に隣接する2組の凸部10Ba1同士の間隔J13と、2組の凹部10Ba2同士の間隔J13は同じである。
【0037】
第1および第2極面状端子120、130の長手方向の長さF13は、前記間隔S13以上ホルダ本体の長さM11以下であり、本実施形態の場合、第1および第2極面状端子120、130の長さ方向の中心は前記直交平面P13上に位置している。なお、第1および第2極面状端子120、130の幅は、各凸部10Ba1および各凹部10Ba2に当たらない寸法である。
このように構成された電池ホルダH13において、第1および第2極面状端子120、130を外観的に識別することは難しいが、凸部10Ba1が配置された方が第1極面状端子(正極)120であり、凹部10Ba2が配置された方が第2極面状端子(負極)130であることで識別できる。なお、電池ホルダH13の内部構造は、電池ホルダH13内に収容する単電池の種類および数に応じて自由に設計することができ、連結部材および面状端子の、形状、サイズ、配置等も本実施形態に限らず、適宜変更可能である。この点については、後述の面状端子を備えた各実施形態についても同様である。
【0038】
図9は実施形態1−1Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に組み合わせた組電池を示す平面図である。
電池ホルダH13に2直列×2並列の単電池を収容した電池パックQ13は、図9に示すように、一の電池パックQ13の4つの凸部10Ba1を、隣接する他の電池パックQ13の4つの凹部10Ba2に嵌め込むことにより、一の電池パックQ13の第1極面状端子120と隣接する他の電池パックQ13の第2極面状端子130とが全面的に接触して電気的に接続される。それと同時に、各凸部10Ba1と各凹部10Ba2とが連結することにより、電池パックQ13同士が物理的に連結される。
このようにして3個の電池パックQ13を組み合わせた組電池G13の回路は図4で示す実施形態1−1Aの組電池G11の回路と実質的に同じである。
【0039】
図10は実施形態1−1Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列および並列に組み合わせた組電池を示す平面図である。
この場合、極性を同じ向きに揃えた2個の電池パックQ13a、Q13bを長手方向に並べ、その電池パックQ13a、Q13bの隣接する4つの凸部10Ba1に3個目の電池パックQ13cの4つの凹部10Ba2を嵌め込み、2個並べた電池パックQ13a、Q13bのうちの一方(ここでは、電池パックQ13b)の残りの凸部10Ba1に4個目の電池パックQ13dの2つの凹部10Ba2を嵌め込む。これにより、3個目の電池パックQ13cの第2極面状端子130が2個並べた電池パックQ13a、Q13bの各第1極面状端子120と接触すると共に、4個目の電池パックQ13dの第2極面状端子130が電池パックQ13bの第1極面状端子120と接触して、4個の電池パックQ13a〜Q13dを2直列×2並列で、前後左右方向に平面的に組み合わせた接続形態の組電池G14が構成される。
このようにして4個の電池パックQ13を組み合わせた組電池G14の回路は図6で示す実施形態1−1Aの組電池G12の回路と実質的に同じである。
【0040】
《実施形態1−2シリーズ》
実施形態1−2シリーズの電池ホルダは、前記中心線と平行な一面上に第1極端子と第2極端子が1個ずつ配置され、前記一面と平行な他面上に第1極端子と第2極端子が1個ずつ配置され、前記中心線と直交する任意の各直交平面を挟んで同一面上の第1極端子と第2極端子が対称的、かつ第1極端子同士と第2極端子同士とは前記中心線方向の同じ側に配置され、2個の第1極端子は互いに導通し、2個の第2極端子は互いに導通している。ここで、本発明(全てのホルダ形態)において、「任意の各直交平面」とは、実施形態1−1シリーズの場合と同様、一面に対する直交平面と、他面に対する直交平面とは、同一でも異なってもどちらでもよいことを意味する。
この場合、第1極凸端子と第1極凹端子、第2極凸端子と第2極凹端子、および第1極凸端子と第2極凹端子は、前記中心線に対して中心角度180°の相対位置に配置されていることが好ましく、第1極および第2極凸端子の凸形状と第1極および第2極凹端子の凹形状は、任意の凸端子と凹端子が相互に嵌合可能な形状であることが好ましい。
具体的には、後述の実施形態1−2Aまたは1−2Bのような電池ホルダを構成することができる。
【0041】
(実施形態1−2A)
図11(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態1−2Aを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。また、図12(A)〜(C)は図11(C)のA−A線断面図、図11(D)のB−B線断面図および図11(B)のC−C線断面図である。なお、図11および図12において、図1および図2中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
本発明の電池ホルダは、第1極端子および第2極端子が、凸端子と凹端子からなり、その凸形状と凹形状は相互に嵌合可能な形状で、前記中心線方向に並ぶ、同一面上に設けられた各2個の端子同士の間隔は、ホルダ本体の中心線方向の長さの1/2以上であってもよい(本実施形態1−2A、および後述の各実施形態2−2A、3−2A)。
本実施形態1−2Aの電池ホルダH21と実施形態1−1Aの電池ホルダH11の外観は概ね同じであるが、それらの内部構造は全く異なっている。以下、実施形態1−2Aにおける実施形態1−1Aとは異なる点を主に説明する。
【0042】
実施形態1−2Aの電池ホルダH21において、中心線L21と平行な右側面上に第1極端子220と第2極端子230が1個ずつ配置され、右側面と平行な左側面上に第1極端子220と第2極端子230が1個ずつ配置されている。また、中心線L21と直交する直交平面P21を挟んで第1極端子220と第2極端子230が対称的に、かつ第1極端子同士および第2極端子同士は前記中心線方向の同じ側にあるように(対向する位置に)配置されている。そして、2個の第1極端子220は互いに導通し、2個の第2極端子230は互いに導通している。
【0043】
この場合、右側面上の第1極端子220が第1極凸端子221からなり、左側面上の第1極端子220が第1極凹端子222からなり、右側面上の第2極端子230が第2極凸端子231からなり、左側面上の第2極端子230が第2極凹端子232からなっている。また、第1極凸端子221および第2極凸端子231の凸形状と、第1極凹端子222および第2極凹端子232の凹形状とは、任意の組合せで相互に嵌合可能な形状である。また、第1極凸端子221と第1極凹端子222との相対位置、第2極凸端子231と第2極凹端子232との相対位置、および第1極凸端子231と第2極凹端子232との相対位置は、中心線L21に対して中心角度θが180°の相対位置に配置されている。また、中心線L21方向に隣接して並ぶ第1極凸端子221と第2極凸端子231の間隔S21および第1極凹端子222と第2極凹端子232の間隔S21は、ホルダ本体10の中心線L21方向の長さM21の1/2以上(実施形態1−2Aでは1/2)である。
【0044】
さらに詳しく説明すると、電池ホルダH21のホルダ本体10は、上方に開口する開口部を有する直方体形の容器本体210aと、この容器本体210aの開口部を開閉可能に塞ぐ長方形板の蓋体210bとから構成されており、これらは絶縁性樹脂材料にて形成されている。
容器本体210aの内底面には、容器本体210aの長手方向に4個の単電池Eを1列で立てて並べた状態で保持するための垂直壁210a1が形成されていると共に、容器本体210aの左右側壁の上部内面には図示しない一対の突起部(図2(B)参照)が形成されている。なお、容器本体210aの右および左側壁には、第1極凸端子221、第2極凸端子231、第1極凹端子222および第2極凹端子232を挿通させる4個の孔部が形成されている。
蓋体210bは、その一対の長辺近傍の内面に、容器本体210aの一対の突起部と係合する図示しない一対の係合凸部(図2(B)参照)が形成されている。
【0045】
第1極凸端子221および第2極凸端子231は、実施形態1−1Aの第1極端子部材20U(図2(A)参照)の一対の第1極凸端子21を分離した形状のものである。一方、第1極凹端子222および第2極凹端子232は、実施形態1−1Aの第2極端子部材30Uの一対の第2極凹端子31を分離した形状のものである。
第1極凸端子221と第1極凹端子222とは第1接続部材240によって電気的に接続され、第2極凸端子231と第2極凹端子232とは第2接続部材250によって電気的に接続されている。
【0046】
第1接続部材240は、容器本体210aの内側面に固定されて第1極凸端子221と第1極凹端子222とに接触して電気的に接続する第1部材240aと、蓋体210bの内面に固定されて第1極凹端子222と4個の単電池Eの第1極e1とに接触して電気的に接続する第2部材240bとからなり、これらは導電性プレートにて形成されている。
第2接続部材250は、容器本体210aの内側面に固定された導電性プレートであり、第2極凸端子231と4個の単電池Eの第2極e2と第2極凹端子232とに接触してこれらを電気的に接続する形状に形成されている。
【0047】
この場合、4個の単電池Eを容器本体210a内に入れるために蓋体210bを取り外すことにより、第1接続部材240の第2部材240bが第1部材240aおよび各単電池Eの第1極e1と接触しなくなるが、再び蓋体210bを容器本体210aに取り付ければ再接触する。
また、電池ホルダH21内の各単電池Eは、容器本体10aの壁部と垂直壁210a1によって前後左右の動き、第1および第2接続部材240、250によって上下方向の動きを規制されるため、電池ホルダH21内でがたついたり、電池ホルダH21内から飛び出したりすることを防止できる。
【0048】
この電池パックQ21において、第1極凸端子221および第1極凹端子222は正極であり、第2極凸端子231および第2極凹端子232は負極であり、電圧出力は電気的に並列接続した4個の単電池E(以下、「4並列の単電池」という場合がある)から得られる。
このように構成された電池ホルダH21において、隣接した第1極凸端子(正極)221と第2極凸端子(負極)231、および隣接した第1極凹端子(正極)222と第2極凹端子(負極)232は、外観的に識別することは難しい。したがって、この場合、例えば、ホルダ本体210の外面における各端子の近傍にそれらを識別するための標記(極性、マーク、色等)を付しておくことが好ましい。
【0049】
図13は実施形態1−2Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個並列に組み合わせた組電池を示す平面図であり、図14は図13の組電池の回路を示す概念図である。なお、図13では3個の電池パックQ21を並列に組み合わせた組電池の場合を例示しているが、電池パックQ21の数は2個でも4個以上でもよい。
この場合、一の電池パックQ21の第1極凸端子221および第2極凸端子231を、隣接する他の電池パックQ21の第1極凹端子222および第2極凹端子232に嵌め込むことにより、4並列の単電池を有する電池パックQ21を3個並列に組み合わせた組電池G21が構成されている。そして、X方向に隣接する電池パックQ21同士は、第1極凸端子221と第1極凹端子222との嵌合および第2極凸端子231と第2極凹端子232との嵌合により、電気的に接続されるだけではなく、物理的に連結されている。
1個の電池パックQ21の電圧は、1個の単電池Eの電圧に等しい。よって、3個の電池パックQ21を並列接続してなる組電池G21の電圧は、1個の単電池Eの電圧に等しい。なお、電池ホルダH21の内部構造は、電池ホルダH21内に収容する単電池Eの種類および数の変更に応じて設計変更でき、電池パックQ21の電圧および容量を変更することができる。
【0050】
この組電池G21から電力を取り出す際は、X方向の両端に位置する正極としての第1極凸端子221および第1極凹端子222のうちの少なくとも1つと、X方向の両端に位置する負極としての第2極凸端子231と第2極凹端子232のうちの少なくとも1つを、外部回路に電気的に接続する。例えば、外部回路に電力を導入する正極用リード線および負極用リード線の各先端に凹形導電部材を電気的に接続し、各凹形導電部材を第1極凸端子221および第2極凸端子231に嵌め込む。この場合、第1極凹端子222と第2極凹端子232に凸形絶縁部材を嵌め込んで外部に露出しないよう被覆してもよいし、組電池G21自体を固定するための別の凸形絶縁部材を嵌め込む固定用端子として利用してもよい。
【0051】
ここで、一の電池パックQ21の第1極凸端子221および第2極凸端子231を、隣接する他の電池パックQ21の第2極凹端子232および第1極凹端子222に嵌め込むと、電池パック同士で閉回路(タイプ1)が形成され、収容されている各単電池が発熱することで、破裂および発火する可能性が生じるため、複数個の電池パックQ21を並列に組み合わせる際には注意が必要である(図55(B)参照)。
したがって、ホルダ本体H21の外面には、このような閉回路(タイプ1)が形成される向きでは電池パックQ21を組み合わせないように注意喚起するための注意喚起マークが形成されていることが好ましい。例えば、図55(B)に示すように、ホルダ本体H21の外面における第1極凸端子221の近傍位置と第2極凹端子232の近傍位置に注意喚起マークとしての色線CLを付けておき、2つの電池パックQ21が閉回路(タイプ1)を形成するように組み合わせたときに、一方の電池パックQ21の色線CLと他方の電池パックQ21の色線CLが横一線に並ぶようにする。2本の色線CLが横一線に並ぶことにより、ユーザーはこの組電池が閉回路(タイプ1)を形成したものであることを認識できる。なお、注意喚起マークは色線の他に図形や記号等でもよい。
なお、このような注意喚起マークは、実施形態1−2Aだけでなく、後述する実施形態2−2Aおよび3−2Aにも適用でき、さらに、端子形状が面状である後述の実施形態1−2B、実施形態2−2Bおよび3−2Bにも適用できる。
【0052】
図15は実施形態1−2Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に組み合わせた組電池を示す平面図であり、図16は図15の組電池の回路を示す概念図である。なお、図15では4個の電池パックQ21を直列に組み合わせた組電池の場合を例示しているが、電池パックQ21の数は4個以外の任意の個数でもよい。
この場合、端子形状(凹凸形状)を同じ向きに揃え、かつ極性が交互になるように2個の電池パックQ21a、Q21bを長手方向に並べ、その電池パックQ21a、Q21bの隣接する第2極凸端子231と第1極凸端子221に3個目の電池パックQ21cの第1極凹端子222と第2極凹端子232を嵌め込み、ここでは2個並べた電池パックQ21a、Q21bのうちの一方の電池パックQ21bの残りの第2極凸端子231に4個目の電池パックQ21dの第1極凹端子222を嵌め込むことにより、4個の電池パックQ21a〜Q21dを4直列で、前後左右方向に平面的に組み合わせた接続形態の組電池G22が構成される。
【0053】
この組電池G22から電力を取り出す際は、X方向と垂直な方向の一方端に位置する電池パックQ21dにおける接続されていない第2極凸端子231と第2極凹端子232のうちの少なくとも一方と、X方向と垂直な方向の他方端に位置する電池パックQ21aにおける接続されていない第1極凸端子221と第1極凹端子222のうちの少なくとも一方とを、外部回路に電気的に接続する。例えば、外部回路に電力を導入する負極用リード線の先端に凹形導電部材を電気的に接続し、かつ正極用リード線の先端に凸形導電部材を電気的に接続し、凹形導電部材を第2極凸端子231に嵌め込み、凸形導電部材を第1極凹端子222に嵌め込む。なお、電力の取り出しに用いられなかった組電池G22の残りの端子は凹形絶縁部材および凸形絶縁部材によって被覆されてもよいし、組電池G22自体を固定するための別の凹および凸形絶縁部材を嵌め込む固定用端子として利用してもよい。
この組電池G22は、4個の電池パックQ11を4直列で組み合わせたものであるため、その電圧は単電池Eの電圧の4倍に等しい。
【0054】
なお、これら4個の電池パックQ21のうちの1個でも第1極凸端子221と第2極凸端子231の位置を逆にして(極性を逆にして)組電池を構成した場合、前記の接続方法では、この組電池から十分に電力を取り出すことができなくなるため、複数個の電池パックQ21を直列に組み合わせる際には注意が必要である。
また、L字形に組み合わせることのできる形状および端子配置の、電池パックQ21に限っては、1個目の電池パックの第1極凸端子に2個目の電池パックの第2極凹端子を、2個目の電池パックの第1極凹端子に3個目の電池パックの第2極凸端子を、3個の電池パックがU字型となるようそれぞれ嵌め込み、4個目の電池パックの第1極および2極凹端子をそれぞれ、1個目の電池パックの第2極凸端子と3個目の電池パックの第1極凸端子に嵌め込むと、環状の組電池となって、電池パック同士で閉回路が形成され、破裂および発火する可能性が生じるため、注意が必要である。なお、この場合の閉回路は、図55(B)で示した電池パックQ21同士で形成される閉回路(タイプ1)とは異なる閉回路(タイプ2)である。
【0055】
図17(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態1−2Aの変形例を示す平断面図、左側面図、正面図および右側面図である。
この電池ホルダH22は、第1極凸端子221、第1極凹端子222、第2極凸端子231および第2極凹端子232は同じであるが、8個の単電池E(この場合、単1形)を2直列×4並列で収容するため、ホルダ本体310の大きさおよび内部構造等が図12の電池ホルダH21と異なっている。
以下、この電池ホルダH22について、図12の電池ホルダH21と異なる点を主に説明する。
【0056】
ホルダ本体310は、中心線L22の方向に第1極(正極)e1と第2極(負極)e2を向けた8個の単電池Eを2直列×4並列で収容できる大きさの直方体形である。
第1接続部材340は、容器本体310の後壁内面に固定された導電性プレートからなり、その両端は右および左側壁に沿って折れ曲がって第1極凸端子221と第1極凹端子222と接触してこれらを電気的に接続している。
第1接続部材340は、容器本体310の後壁内面に固定された導電性プレートからなり、その両端は右および左側壁に沿って折れ曲がって第1極凸端子221と第1極凹端子222と接触してこれらを電気的に接続している。
第2接続部材350は、容器本体310の前壁内面に固定された4つの凸部を有する導電性プレートからなり、その両端は右および左側壁に沿って折れ曲がって第2極凸端子231と第2極凹端子232と接触してこれらを電気的に接続している。
【0057】
2直列×4並列の単電池Eは、4つの第1極e1が第1接続部材340と接触し、4つの第2極e2が第2接続部材350の4つの凸部と接触するように、電池ホルダH22内に収容される。なお、ホルダ本体310の内底面には各単電池Eを保持すると共に、第1および第2接続部材340、350が各単電池Eの、中心線L22方向の両端以外にある端子に接触しないように分離する垂直壁が形成されており、この電池ホルダH22によれば、第1および第2接続部材340、350を簡素化できる。
ホルダ本体310内に8個の単電池Eを収容してなる電池パックQ22は、図12に示した電池パックQ21と比べて単電池Eの数および電圧が2倍である。また、電池パックQ21と同様に、複数個の電池パックQ22を並列接続(図13参照)または直列接続(図15参照)することができる。
【0058】
また、図示省略するが、実施形態1−2Aの電池パックQ21の別の変形例として、図17(A)における単電池Eを、平面内で90°右回転させた位置関係の電池パックを挙げることができる。この場合、第1および第2接続部材340、350の形状をさらに簡素化できるメリットが得られる。
【0059】
(実施形態1−2B)
図18(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態1−2Bを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。なお、図18において、図11中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
本発明の電池ホルダは、第1極端子が第1極面状端子、第2極端子が第2極面状端子からなり、ホルダ本体を組み合わせる場合に、一のホルダ本体の第1極面状端子と他のホルダ本体の第2極面状端子、および当該一のホルダ本体の第2極面状端子と当該他のホルダ本体の第1極面状端子とを同時には接触させないよう注意喚起するための、注意喚起マークがホルダ本体の外面に形成されていてもよい(本実施形態1−2B、および後述の各実施形態2−2B、3−2B)。
本実施形態1−2Bの電池ホルダH23は、実施形態1−2Aの電池ホルダH21(図12参照)における第1極凸端子221、第1極凹端子222、第2極凸端子231および第2極凹端子232の代わりに、第1極面状端子321、322および第2極面状端子331、332を用いた点と、ホルダ本体410に連結部材が設けられていることが実施形態1−2Aの電池ホルダH21と異なっている。
以下、この電池ホルダH23について、実施形態1−2Aの電池ホルダH21と異なる点を主に説明する。
【0060】
この電池ホルダH23のホルダ本体210Bは、実施形態1−2Aの電池ホルダH21と概ね同様の容器本体と蓋体とから構成され、中心線L23と平行な容器本体の対向する二面に、第1極端子としての第1極面状端子421、422および第2極端子としての第2極面状端子431、432が1つずつ設けられている。
第1極面状端子421、422および第2極面状端子431、432は、四辺に図示しない折曲げ部を有する個別の長方形導電性プレートからなり、図8に示す実施形態1−1Bの第1および第2極面状端子120、130と同様にしてホルダ本体210Bに取り付けられている。
そして、ホルダ本体210B内において、第1極面状端子421、422の各折曲げ部は第1接続部材(図示省略)と電気的に接続され、第2極面状端子431、432の各折曲げ部は第2接続部材(図示省略)と電気的に接続されている。
【0061】
また、図8に示す実施形態1−1Bと同様に、ホルダ本体210Bにおいて、第1および第2極面状端子421、431が配置された面に連結部としての4つの凸部210Ba1が設けられ、第1および第2極面状端子422、432が配置された面に連結部としての4つの凹部210Ba2が設けられている。
本実施形態の場合も、図18(A)に示すように、平面的に視て、凸部210Ba1および凹部210Ba2は、ホルダ本体210Bの長さM21を二分する直交平面P23に対して対称的に配置されている。さらに、ホルダ本体210Bの中心線L23方向(長手方向)に隣接する2組の凸部210Ba1同士の間隔S23と、2組の凹部210Ba2同士の間隔S23は同じであり、かつホルダ本体の長さM21の1/2以上(具体的には1/2)である。また、ホルダ本体210Bの高さ方向に隣接する2組の凸部210Ba1同士の間隔J23と、2組の凹部210Ba2同士の間隔J23は同じである。
このように構成された電池ホルダH23において、隣接した第1極面状端子(正極)421と第2極面状端子(負極)431、および隣接した第1極面状端子(正極)422と第2極面状端子(負極)432は、外観的に識別することが難しい。したがって、この場合も、例えば、ホルダ本体210Bの外面における各端子の近傍にそれらを識別するための標記を付しておくことが好ましい。
【0062】
図19は実施形態1−2Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個並列に組み合わせた組電池を示す平面図である。
電池ホルダH23に4並列の単電池を収容した電池パックQ23は、図19に示すように、一の電池パックQ23の4つの凸部210Ba1を、隣接する他の電池パックQ23の4つの凹部210Ba2に嵌め込み、一の電池パックQ23の第1極面状端子421と隣接する他の電池パックQ23の第1極面状端子422とが全面的に接触して電気的に接続されると共に、一の電池パックQ23の第2極面状端子431と隣接する他の電池パックQ23の第2極面状端子432とが全面的に接触して電気的に接続される。それと同時に、各凸部210Ba1と各凹部210Ba2とが連結することにより、電池パックQ23同士が物理的に連結される。
このようにして3個の電池パックQ23を組み合わせた組電池G23の回路は図14で示す実施形態1−2Aの組電池G21の回路と実質的に同じである。
【0063】
図20は実施形態1−2Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に組み合わせた組電池を示す平面図である。
この場合、凸部210Ba1を同じ向きに、かつ極性が交互になるように2個の電池パックQ23a、Q23bを長手方向に並べ、その電池パックQ23a、Q23bの隣接する第2極面状端子431と第1極面状端子421に3個目の電池パックQ23cの第1極面状端子422と第2極面状端子432を接触させ、ここでは2個並べた電池パックQ23a、Q23bのうちの一方の電池パックQ23bの残りの第2極面状端子431に4個目の電池パックQ21dの第1極面状端子422を接触させることにより、4個の電池パックQ23a〜Q23dを4直列で、前後左右方向に平面的に組み合わせた接続形態の組電池G24が構成される。
このようにして4個の電池パックQ23を組み合わせた組電池G24の回路は図16で示す実施形態1−2Aの組電池G22の回路と実質的に同じである。
なお、この電池パックQ23を用いた組電池G23または組電池G24を組み立てる際も、実施形態1−2Aと同様に、単電池の破裂および発火を防ぎ、かつ電力を十分に活用できるよう注意する必要がある。
【0064】
《実施形態2−1シリーズ》
実施形態2−1シリーズの電池ホルダは、前記中心線と平行な一面上に第1極端子が配置され、前記一面と直交する他面上に第2極端子が配置されている。
この場合、第1極端子と第2極端子とは、前記中心線に対して中心角度90°の相対位置に配置されていることが好ましい。
具体的には、後述の実施形態2−1Aまたは2−1Bのような電池ホルダを構成することができる。
【0065】
(実施形態2−1A)
図21(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態2−1Aを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。また、図22(A)〜(C)は図21(A)のA−A線断面図、図21(B)のB−B線断面図および図21(D)のC−C線断面図である。
実施形態2−1Aの電池ホルダH31は、実施形態1−1Aの電池ホルダH11(図1と図2参照)の第1極端子部材20Uと第2極端子部材30Uと同様の構成の第1極端子部材420Uと第2極端子部材430Uを備えているが、それらの相対的な位置が電池ホルダH11とは異なる。
すなわち、この電池ホルダH31のホルダ本体410において、中心線L31と平行な上面上に第1極端子部材420Uが配置され、上面と直角な左側面上に第2極端子部材430Uが配置されている。具体的には、第1極端子部材420Uと第2極端子部材430Uとは、中心線L31に対して中心角度θが90°の相対位置に配置されている。
なお、実施形態1−1Aと同様に、中心線L31と直交する直交平面P31を挟んで上面上に2個の第1極凸端子421が対称的に配置され、直交平面P31を挟んで左側面上に2個の第2極凹端子431が対称的に配置され、一対の第1極凸端子421の間隔S31および一対の第2極凹端子431の間隔S31はホルダ本体410の長さM31の1/2以上である。
【0066】
ホルダ本体410は、4個の単電池Eを立てて4並列した状態で収容できる大きさの直方体形であり、このホルダ本体410の中心線L31は、長手方向両端面の中心を通る線である。なお、このホルダ本体410も、絶縁性樹脂材料にて形成された容器本体410aと蓋体410bから構成されている。
第1接続部材440は、平坦な導電性プレートからなり、ホルダ本体410内に第1極端子部材420Uに沿ってかつ接触して配置されている。
第2接続部材450は、一面の4箇所に4個の単電池Eと接触する凸部を有する導電性プレートからなり、ホルダ本体410内に第2極端子部材430Uに沿ってかつ接触して配置されている。
【0067】
4個の単電池Eは、4つの第1極(正極)e1が第1接続部材440と接触し、4つの第2極(負極)e2が第2接続部材450の4つの凸部と接触するように、電池ホルダH410内に収容される。なお、各単電池Eを保持してぐらつかせないよう、4個の単電池Eが並列してきっちり収まる長さに容器本体410aが形成され、容器本体410aの第2極端子部材450の近傍に垂直壁410a1が設けられ、蓋体410bに突出片410b1が設けられている。垂直壁410a1は、第2接続部材450が各単電池Eの第1極e1と接触しないよう電気的に分離する機能も有している。
【0068】
図23(A)は実施形態2−1Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に組み合わせた組電池を示す正面図であり、図23(B)は左側面図である。また、図24は図23の組電池の回路を示す概念図である。なお、図23では3個の電池パックQ31を直列に組み合わせた組電池の場合を例示しているが、電池パックQ31の数は2個でも4個以上でもよい。
この場合、一の電池パックQ31の一対の第1極凸端子421を、隣接する他の電池パックQ31の一対の第2極凹端子431に嵌め込むことにより、4並列の単電池を有する電池パックQ31を3個直列にかつ上下左右方向に組み合わせた接続形態の組電池G31が構成されている。
なお、図23(A)および(B)では、下に位置する1個目の電池パックQ31から3個目の電池パックQ31まで第1極凸端子421の向きを上、右、上の順にした場合を例示しており、これを繰り返すことができる。図示省略するが、これ以外にも、1個目の電池パックQ31から4個目の電池パックQ31まで第1極凸端子421の向きを上、右、下、右の順で繰り返すこともできる。
また、図示省略するが、ここで例示する実施形態2−1Aの場合、1個目の電池パックQ31から4個目の電池パックQ31まで第1極凸端子421の向きを上、左、下、右の順として、4個目の電池パックQ31の第1極凸端子421を1個目の電池パックQ31の第2極凹端子431に嵌め込むと、電池パック同士で閉回路(タイプ3)が形成され、破裂および発火する可能性が生じる。そのため、例示した形態を含めて、このような接続ができる形状および端子配置の、電池パックQ31を組み合わせる際には注意が必要である。
【0069】
1個の電池パックQ31の電圧は、1個の単電池Eの電圧に等しい。よって、3個の電池パックQ31を直列接続してなる組電池G31の電圧は、1個の単電池Eの電圧の3倍に等しい。本実施形態も、実施形態1−1Aと同様に、1個の電池パックQ31の電圧を電池パックQ31の数で乗じた値の電圧を有する組電池G31を得ることができる。
この組電池G31から電力を取り出す際は、外部に露出した2つの第1極凸端子421(正極)のうちの少なくとも1つと、外部に露出した2つの第2極凹端子431(負極)のうちの少なくとも1つを外部回路に電気的に接続する。
【0070】
図25は実施形態2−1Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列および並列に、かつ平面方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図であり、図26は図25の組電池の回路を示す概念図である。
この場合、極性を同じ向きに揃えた2個の電池パックQ31a、Q31bを長手方向に並べ、その電池パックQ31a、Q31bの隣接する2つの第1極凸端子421に3個目の電池パックQ31cの一対の第2極凹端子431を嵌め込み、2個並べた電池パックQ31a、Q31bのうちの一方(ここでは、電池パックQ31b)の残りの第1極凸端子421に4個目の電池パックQ31dの一方の第2極凹端子431を嵌め込み、3個目と4個目の電池パックQ31c、Q31dの隣接する2つの第1極凸端子421に5個目の電池パックQ31eの一対の第2極凹端子431を嵌め込み、3個目と4個目の電池パックQ31c、Q31dのうちの一方(ここでは、電池パックQ31c)の残りの第1極凸端子421に6個目の電池パックQ31fの一方の第2極凹端子431を嵌め込むことにより、6個の電池パックQ31a〜Q31fを2並列×3直列で組み合わせた組電池G32が構成される。すなわち、複数個の電池パックQ31を前後上下左右方向に組み合わせた接続形態を有する組電池G32が組み上がる。
また、この組電池G32の電圧は、単電池Eの電圧の3倍に等しい。
【0071】
複数個の電池パックQ31を前記のように組み合わせる際、各電池パックQ31の中心線L31方向に隣接して並ぶ2個の第1極凸端子421同士および2個の第2極凹端子431同士の間隔S31は、ホルダ本体410の長さM31の1/2以上であるため、3個目の電池パックQ31cが2個並べた電池パックQ31a、Q31bに組み合わせられなくなるという不具合や、3個目の電池パックQ31cが4個目の電池パックQ31dに干渉し、4個目の電池パックQ31dが組み合わせられなくなるという不具合はない。
この組電池G32から電力を取り出す際は、5個目の電池パックQ31eの少なくとも一方の第1極凸端子421と6個目の電池パックQ31fの少なくとも一方の第1極凸端子421を外部回路の正極用リード線に電気的に並列接続すると共に、1個目の電池パックQ31aの少なくとも一方の第2極凹端子431と2個目の電池パックQ31bの少なくとも一方の第2極凹端子431を外部回路の負極用リード線に電気的に並列接続する。
【0072】
また、本実施形態の電池パックQ31の接続形態は、図23〜図26に示す接続形態だけではない。例えば、図示省略するが、1個目の電池パックの一方の第1極凸端子に、2個目の電池パックの一方の第2極凹端子を嵌め込む。このとき、2個目の電池パックを1個目の電池パックに対してL字形に組み合わせる。そうすれば、隣接する2個の電池パックを相互にL字形に組み合わせることに加え、各電池パックの第1極端子部材と第2極端子部材とが相対的に中心角度90°に位置していることで、接続方向の自由度を高め、直列と並列を組み合わせたさらに複雑な接続形態を得ることができる。なお、このような接続形態は、L字形に組み合わせることのできる形状および端子配置の、電池パックQ31に限られる。
【0073】
図27(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態2−1Aの変形例を示す平断面図、左側面図、正面断面図および右側面図である。なお、図27において、図22中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
この電池ホルダH32は、第1極端子部材520Uと第2極端子部材530Uは同様の構成であるが、8個の単電池E(この場合、単1形)を2直列×4並列で収容するため、ホルダ本体510の大きさおよび内部構造等が図22の電池ホルダH31と異なっている。
以下、この電池ホルダH32について、図22の電池ホルダH31と異なる点を主に説明する。
【0074】
ホルダ本体510は、8個の単電池Eを2直列×4並列で収容できる大きさの直方体形である。このホルダ本体510の中心線L32は、短手方向両端面の中心を通る線である。なお、このホルダ本体510も、絶縁性樹脂材料にて形成された容器本体と蓋体から構成されている。
第1極端子部材520Uは、ホルダ本体510の上面の長手方向中央位置に配置されている。第2極端子部材530Uは、ホルダ本体510の長手方向の左端面に配置されている。なお、図27において、符号P32は中心線L32に対する直交平面を表している。この場合も、第1・第2極端子部材520U、530Uにおいて、中心線L32方向に隣接して並ぶ2個の第1極凸端子521の間隔S32および2個の第2極凹端子531の間隔S32は、ホルダ本体510の中心線L32方向の長さM32の1/2以上である。具体的には、間隔S32が長さM32の1/2の場合を例示している。
【0075】
第1接続部材540は、ホルダ本体510の内部に長手方向の右内面から上内面に亘って直角に折り曲げられて配置された導電性プレートからなり、第1極端子部材520Uと接触して設けられている。
第2接続部材550は、一面の4箇所に凸部を有する四角い導電性プレートからなり、ホルダ本体510内に第2極端子部材530Uと接触して設けられている。
2直列×4並列の単電池Eは、4つの第1極(正極)e1が第1接続部材540と接触し、4つの第2極(負極)e2が第2接続部材550の4つの凸部と接触するように、電池ホルダH32内に収容される。なお、ホルダ本体510の内面には、単電池Eの重みで第2接続部材550が撓まないように支持し、かつ第1接続部材540と、各単電池Eの、ホルダ本体510長手方向の右端面以外にある端子との接触を防止し、かつ8個の単電池Eがぐらつかないよう保持する区画壁510aが形成されている。
ホルダ本体510内に8個の単電池Eを収容してなる電池パックQ32からは、図22に示した電池パックQ31の電圧の2倍の電圧を得ることができる。そして、電池パックQ31と同様に、複数個の電池パックQ32を直列接続(図23参照)、または直列および並列接続(図25参照)することができる。
【0076】
また、図示省略するが、電池ホルダの実施形態2−1Aの別の変形例として、図22(A)における単電池Eを、平面内で右または左方向に90°回転させた位置関係の電池パックを挙げることができる。
【0077】
(実施形態2−1B)
図28(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態2−1Bを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
この電池ホルダH33は、主として、第1極端子と第2極端子の形状、およびホルダ本体に連結部材が設けられていることが実施形態2−1A(図21)の電池ホルダH31と異なっている。
以下、この電池ホルダH33について、実施形態2−1Aの電池ホルダH31と異なる点を主に説明する。
【0078】
この電池ホルダH33のホルダ本体410Bは、実施形態2−1Aの電池ホルダH31と概ね同様の容器本体と蓋体とから構成され、中心線L33と平行な容器本体の上面と左側面に、第1極端子としての第1極面状端子620および第2極端子としての第2極面状端子630が設けられている。第1および第2極面状端子620、630のホルダ本体410Bへの取り付けは、実施形態1−1Bのホルダ本体10B(図8参照)と同様である。
ホルダ本体410Bの内部構造は、実施形態2−1Aのホルダ本体410(図22参照)と同様であり、第1接続部材にて第1極面状端子620と4個の単電池Eの各第1極(正極)とが電気的に接続され、第2接続部材にて第2極面状端子630と4個の単電池Eの各第2極(負極)とが電気的に接続されている。
【0079】
ホルダ本体410Bにおいて、上面には連結部としての4つの凸部410Ba1が設けられ、左側面には連結部としての4つの凹部410Ba2が設けられている。これらの凸部410Ba1および凹部410Ba2の形状および各面に対する相対的な形成位置は、実施形態1−1Bと同様で、直交平面P33に対して対称的であり、かつ中心線L33方向(長手方向)に隣接する2組の凸部410Ba1同士の間隔S33と、2組の凹部410Ba2同士の間隔S33は同じであり、かつホルダ本体410Bの長さM31の1/2以上(具体的には1/2)である。また、ホルダ本体410Bの左右方向に隣接する2組の凸部410Ba1同士の間隔K33と、高さ方向に隣接する2組の凹部410Ba2同士の間隔J33は同じである。
このように構成された電池ホルダH33において、第1および第2極面状端子620、630を外観的に識別することは難しいが、凸部410Ba1が配置された方が第1極面状端子(正極)620であり、凹部410Ba2が配置された方が第2極面状端子(負極)630であることで識別できる。
【0080】
図29(A)は実施形態2−1Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に組み合わせた組電池を示す正面図であり、図29(B)は左側面図である。
電池ホルダH33に4並列の単電池を収容した電池パックQ33は、図29(A)および(B)に示すように、一の電池パックQ33の4つの凸部410Ba1を、隣接する他の電池パックQ33の4つの凹部410Ba2に嵌め込むことにより、一の電池パックQ33の第1極面状端子620と隣接する他の電池パックQ33の第2極面状端子630とが全面的に接触して電気的に接続される。それと同時に、各凸部410Ba1と各凹部410Ba2とが連結することにより、電池パックQ33同士が物理的に連結される。
このようにして3個の電池パックQ33を組み合わせた組電池G33の回路は図24で示す実施形態2−1Aの組電池G31の回路と実質的に同じである。
なお、図29(A)および(B)では、下に位置する1個目の電池パックQ33から3個目の電池パックQ33まで第1極面状端子620の向きを上、右、上の順にした場合を例示しており、これを繰り返すことができる。図示省略するが、これ以外にも、1個目の電池パックQ33から4個目の電池パックQ33まで第1極面状端子620の向きを上、右、下、右の順で繰り返すこともできる。
また、実施形態2−1Aの場合と同じく、電池ホルダの形状および端子配置によっては、電池パック同士で閉回路(タイプ3)を形成する組み合わせが存在することに注意する必要がある。
【0081】
図30は実施形態2−1Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列および並列に、かつ平面方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
この場合の6個の電池パックQ33(Q33a〜Q33f)の組み合わせは、実施形態2−1Aの組電池G32(図25および図26参照)に準じて行うことができ、6個の電池パックQ33を2並列×3直列で組み合わせた組電池G34が構成される。この組電池G34の回路は図26で示す実施形態2−1Aの組電池G32の回路と実質的に同じである。
【0082】
《実施形態2−2シリーズ》
実施形態2−2シリーズの電池ホルダは、前記中心線と平行な一面上に第1極端子と第2極端子が1個ずつ配置され、前記一面と直交する他面上に第1極端子と第2極端子が1個ずつ配置され、前記中心線と直交する任意の各直交平面を挟んで同一面上の第1極端子と第2極端子が対称的、かつ第1極端子同士と第2極端子同士とは前記中心線方向の同じ側に配置され、2個の第1極端子は互いに導通し、2個の第2極端子は互いに導通している。
この場合、第1極凸端子と第1極凹端子、第2極凸端子と第2極凹端子、および第1極凸端子と第2極凹端子は、前記中心線に対して中心角度90°の相対位置に配置されていることが好ましく、第1極および第2極凸端子の凸形状と第1極および第2極凹端子の凹形状は、任意の凸端子と凹端子が相互に嵌合可能な形状であることが好ましい。
具体的には、後述の実施形態2−2Aまたは2−2Bのような電池ホルダを構成することができる。
【0083】
(実施形態2−2A)
図31(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態2−2Aを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。また、図32(A)〜(C)は図31(A)のA−A線断面図、図31(A)のB−B線断面図および図31(A)のC−C線断面図である。
実施形態2−2Aの電池ホルダH41と実施形態2−1Aの電池ホルダH31(図21参照)の外観は概ね同じであるが、それらの内部構造は全く異なっている。以下、実施形態2−2Aにおける実施形態2−1Aとは異なる点を主に説明する。
【0084】
実施形態2−2Aの電池ホルダH41において、中心線L41と平行な上面上に第1極凸端子721と第2極凸端子731が1個ずつ配置され、中心線L41と平行な左側面上に第1極凹端子722と第2極凹端子732が1個ずつ配置されている。また、中心線L41と直交する直交平面P41を挟んで第1極凸端子721と第2極凸端子731、および第1極凹端子722と第2極凹端子732が対称的に配置され、第1極凸端子721と第1極凹端子722とは互いに導通し、第2極凸端子731と第2極凹端子732とは互いに導通している。
【0085】
また、第1極凸端子721および第2極凸端子731の凸形状と、第1極凹端子722および第2極凹端子732の凹形状とは、任意の組合せで相互に嵌合可能な形状である。また、第1極凸端子721と第1極凹端子722との相対位置、第2極凸端子731と第2極凹端子732との相対位置、および第1極凸端子721と第2極凹端子732との相対位置は、中心線L41に対して中心角度θが90°の相対位置に配置されている。また、中心線L41方向に隣接して並ぶ第1極凸端子721と第2極凸端子731の間隔S41および第1極凹端子722と第2極凹端子732の間隔S41は、ホルダ本体710の中心線L41方向の長さM41の1/2以上(具体的には1/2)である。
【0086】
さらに詳しく説明すると、電池ホルダH41のホルダ本体710は、右側に開口する開口部を有する直方体形の容器本体710aと、この容器本体710aの開口部を開閉可能に塞ぐ長方形板の蓋体710bとから構成されており、これらは絶縁性樹脂材料にて形成されている。
容器本体710aの内底面の左側壁近傍には垂直壁710a1が形成されると共に、垂直壁710a1から蓋体710bに向かって上下二段の平行な水平壁710a2、710a3が形成されている。つまり、この容器本体710aは、前後壁、垂直壁710a1および上下の水平壁710a2、710a3で囲まれた空間に4個の単電池Eを寝かせて並べた状態で、がたつかせずに保持できるように構成されている。
また、容器本体710aの上壁および左側壁には、第1極凸端子721、第2極凸端子731、第1極凹端子722および第2極凹端子732を挿通させる4個の孔部が形成されている。
なお、容器本体710aおよび蓋体710bには、図示しない一対の突起部および一対の係合凸部(図2(B)参照)が形成されている。
【0087】
第1極凸端子721、第2極凸端子731、第1極凹端子722および第2極凹端子732は、実施形態1−2Aと同様のものであり、第1極凸端子721と第1極凹端子722とは第1接続部材740によって電気的に接続され、第2極凸端子731と第2極凹端子732とは第2接続部材750によって電気的に接続されている。
第1接続部材740は、容器本体710aの内側面に固定されて第1極凸端子721と第1極凹端子722とに接触して電気的に接続する第1部材740aと、蓋体710bの内面に固定されて第1部材740aと4個の単電池Eの第1極e1とに接触して電気的に接続する第2部材740bとからなり、これらは導電性プレートにて形成されている。
第2接続部材750は、前記垂直壁710a1に固定された導電性プレートであり、第2極凸端子731と4個の単電池Eの第2極e2と第2極凹端子732とに接触してこれらを電気的に接続する形状に形成されている。なお、垂直壁710a1の第2極凹端子732近傍には孔部が形成されており、その孔部を通り抜けた第2接続部材750の一部が第2極凹端子732と接触している。
【0088】
この場合、4個の単電池Eを容器本体710a内に入れるために蓋体710bを取り外すことにより、第1接続部材740の第2部材740bが第1部材740aおよび各単電池Eの第1極e1と接触しなくなるが、再び蓋体710bを容器本体710aに取り付ければ再接触する。
このように構成された電池ホルダH41において、隣接した第1極凸端子(正極)721と第2極凸端子(負極)731、および隣接した第1極凹端子(正極)722と第2極凹端子(負極)732は、外観的に識別することは難しい。したがって、この場合、例えば、ホルダ本体710の外面における各端子の近傍にそれらを識別するための標記(極性、マーク、色等)を付しておくことが好ましい。
【0089】
図33(A)は実施形態2−2Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個並列に組み合わせた組電池を示す正面図であり、図33(B)は左側面図である。
この場合、一の電池パックQ41の第1極凸端子721および第2極凸端子731を、隣接する他の電池パックQ41の第1極凹端子722および第2極凹端子732に嵌め込むことにより、4並列の単電池Eを有する電池パックQ41を2個並列に組み合わせた組電池G41が構成されている(図14参照)。
1個の電池パックQ41の電圧は、1個の単電池Eの電圧に等しい。よって、2個の電池パックQ41を並列接続してなる組電池G41の電圧は、1個の単電池Eの電圧に等しい。
なお、一の電池パックQ41の第1極凸端子721および第2極凸端子731を、隣接する他の電池パックQ41の第2極凹端子732および第1極凹端子722に嵌め込む、すなわち、図33で示した上の電池パックQ41を平面内で180°反対向きにして下の電池パックQ41に組み合わせると、閉回路(タイプ1)が形成されてしまうので注意する必要がある。
【0090】
図34は実施形態2−2Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に、かつ前後方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図であり、図35は図34の組電池の回路を示す概念図である。
この場合、端子形状(凹凸形状)を同じ向きに揃え、かつ極性が交互になるように2個の電池パックQ41a、Q41bを長手方向に並べ、その電池パックQ41a、Q41bの隣接する第2極凸端子731と第1極凸端子721に3個目の電池パックQ41cの第1極凹端子722と第2極凹端子732を嵌め込み、ここでは2個並べた電池パックQ41a、Q41bのうちの一方の電池パックQ41bの残りの第2極凸端子731に4個目の電池パックQ41dの第1極凹端子722を嵌め込むことにより、4個の電池パックQ41a〜Q41dを4直列で、前後上下方向に組み合わせた接続形態の組電池G42が構成される。
【0091】
この組電池G42の場合、直列接続方向の一方端に配置された1個目の電池パックQ41aの第1極凸端子721と第1極凹端子722のうちの少なくとも一方と、直列接続方向の他方端に配置された4個目の電池パックQ41dの第2極凸端子731と第2極凹端子732のうちの少なくとも一方が、電力取り出し用の端子となる。
この組電池G42は、4個の電池パックQ41を4直列で組み合わせたものであるため、その電圧は単電池Eの電圧の4倍に等しい。
なお、実施形態1−2Aの場合と同じく、これら4個の電池パックQ41のうちの1個でも極性を逆にして組電池を構成した場合、前記の接続端子からは、この組電池の電力を十分に取り出すことができなくなるため、複数個の電池パックQ41を直列に組み合わせる際には注意が必要である。
また、L字形に組み合わせることのできる形状および端子配置の、電池パックQ41に限っては、実施形態1−2Aにおける電池パックQ21と同様の手順で環状の組電池とすると、電池パック同士で閉回路(タイプ2)が形成されるため、注意が必要である。
【0092】
図36(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態2−2Aの変形例を示す平断面図、左側面図、正面断面図および右側面図である。なお、図36において、図32中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
この電池ホルダH42は、8個の単電池Eを2直列×4並列で収容するため、主としてホルダ本体810の形状および内部構造等が図32の電池ホルダH41と異なっている。
以下、この電池ホルダH42について、図32の電池ホルダH41と異なる点を主に説明する。
【0093】
このホルダ本体H810は、容器本体810aと蓋体810bとから構成されており、その内部に長手方向に直列に並べた2個の単電池Eが下2列と上2列で収容される。また、ホルダ本体810内には、単電池Eと第1・第2接続部材840、850とを分離する垂直壁810a1が設けられている。
第1接続部材840は、導電性プレートからなり、容器本体810aの後壁内面に固定されて上下4個の単電池Eの第1極(正極)e1と電気的に接続する第1部分840aと、第1部分840aから上壁の方へ折れ曲がって第1極凸端子721と電気的に接続する第2部分840bと、第1部分840aから左側壁の方へ折れ曲がって第1極凹端子722と電気的に接続する第3部分840cとからなる。
【0094】
第2接続部材850は、導電性プレートからなり、容器本体810aの前壁内面に固定されて上下4個の単電池Eの第2極(負極)e2と電気的に接続する第1部分850aと、第1部分850aから上壁の方へ折れ曲がって第2極凸端子731と電気的に接続する第2部分850bと、第1部分850aから左側壁の方へ折れ曲がって第2極凹端子732と電気的に接続する第3部分850cとからなる。
なお、垂直壁810a1には、第1・第2接続部材840、850の各第3部分840c、850cを通すスリットが形成されている。
ホルダ本体810内に8個の単電池Eを収容してなる電池パックQ42からは、図32に示した電池パックQ41の電圧の2倍の電圧を得ることができる。そして、電池パックQ41と同様に、複数個の電池パックQ42を並列接続(図33参照)または直列接続(図34参照)することができる。
【0095】
(実施形態2−2B)
図37(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態2−2Bを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
この電池ホルダH43は、主として、第1極端子と第2極端子の形状、およびホルダ本体に連結部材としての凸部710Ba1および凹部710Ba2が設けられていることが実施形態2−2A(図31)の電池ホルダH41と異なっている。
以下、この電池ホルダH43について、実施形態2−2Aの電池ホルダH41と異なる点を主に説明する。
【0096】
この電池ホルダH43のホルダ本体710Bは、実施形態2−2Aの電池ホルダH41と概ね同様の容器本体と蓋体とから構成され、中心線L43と平行な容器本体の上面に第1極面状端子921および第2極面状端子931が設けられ、中心線L43と平行な容器本体の左側面に第1極面状端子922および第2極面状端子932が設けられている。第1および第2極面状端子921、922、931、932のホルダ本体710Bへの取り付けは、実施形態1−1Bのホルダ本体10B(図8参照)と同様である。
ホルダ本体710Bの内部構造は、実施形態2−2Aのホルダ本体710(図31参照)と同様であり、第1接続部材にて第1極面状端子921、922と4個の単電池Eの各第1極(正極)とが電気的に接続され、第2接続部材にて第2極面状端子931、932と4個の単電池Eの各第2極(負極)とが電気的に接続されている。
【0097】
本実施形態の場合も、図37(B)に示すように、凸部710Ba1および凹部710Ba2は、ホルダ本体710Bの長さM41を二分する直交平面P43に対して対称的に配置されている。さらに、ホルダ本体710Bの中心線L43方向(長手方向)に隣接する2組の凸部710Ba1同士の間隔S43と、2組の凹部710Ba2同士の間隔S43は同じであり、かつホルダ本体の長さM41の1/2以上(具体的には1/2)である。また、ホルダ本体710Bの左右方向に隣接する2組の凸部710Ba1同士の間隔K43と、高さ方向に隣接する2組の凹部710Ba2同士の間隔J43は同じである。
このように構成された電池ホルダH43において、隣接した第1極面状端子(正極)921と第2極面状端子(負極)931、および隣接した第1極面状端子(正極)922と第2極面状端子(負極)932は、外観的に識別することが難しい。したがって、この場合も、例えば、ホルダ本体710Bの外面における各端子の近傍にそれらを識別するための標記を付しておくことが好ましい。
【0098】
図38(A)は実施形態2−2Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個並列に組み合わせた組電池を示す正面図であり、図38(B)は左側面図である。
電池ホルダH43に4並列の単電池を収容した電池パックQ43は、図38(A)および(B)に示すように、一の電池パックQ43の4つの凸部710Ba1を、他の電池パックQ43の4つの凹部710Ba2に嵌め込んで組み上げる。このとき、一の電池パックQ43の第1極面状端子921および第2極面状端子931に、他の電池パックQ43の第1極面状端子922および第2極面状端子932を電気的に接続する。
このようにして2個の電池パックQ43を組み合わせた組電池G43の回路は、図33で示す実施形態2−2Aの組電池G41の回路と実質的に同じである。
【0099】
図39は実施形態2−2Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に、かつ前後方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
この場合、凸部710Ba1を同じ向きに、かつ極性が交互になるように2個の電池パックQ43a、Q43bを長手方向に並べ、その電池パックQ43a、Q43bの隣接する第2極面状端子931と第1極面状端子921に3個目の電池パックQ43cの第1極面状端子922と第2極面状端子932を接触させ、ここでは2個並べた電池パックQ43a、Q43bのうちの一方の電池パックQ43bの残りの第2極面状端子931に4個目の電池パックQ41dの第1極面状端子922を接触させることにより、4個の電池パックQ43a〜Q43dを4直列で、前後上下方向に組み合わせた接続形態の組電池G44が構成される。
このようにして4個の電池パックQ43を組み合わせた組電池G44の回路は図35で示す実施形態2−2Aの組電池G42の回路と実質的に同じである。
なお、この電池パックQ43を用いた組電池G43または組電池G44を組み立てる際も、実施形態2−2Aと同様に、単電池の破裂および発火を防ぎ、かつ電力を十分に活用できるよう注意する必要がある。
【0100】
《実施形態3−1シリーズ》
実施形態3−1シリーズの電池ホルダは、前記中心線と平行な第1面上および第1面と直交する第2面上にそれぞれ第1極端子が配置され、第2面と直交する第3面上および第3面と直交する第4面上にそれぞれ第2極端子が配置され、第1面および第2面上の第1極端子同士は導通し、第3面および第4面上の第2極端子同士は導通している。
この場合、前記中心線と直交する任意の各直交平面を挟んで、第1面上に2個の第1極端子、前記第2面上に2個の第1極端子、第3面上に2個の第2極端子、および前記第4面上に2個の第2極端子が対称的に配置されていることが好ましい。
さらに、第1面の第1極端子と第2面の第1極端子、第2面の第1極端子と第3面の第2極端子、第3面の第2極端子と第4面の第2極端子、および第4面の第2極端子と第1面の第1極端子とは、前記中心線に対して中心角度90°の相対位置に配置されていることが好ましい。
具体的には、後述の実施形態3−1Aまたは3−1Bのような電池ホルダを構成することができる。
【0101】
(実施形態3−1A)
図40(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態3−1Aを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。また、図41(A)および(B)は図40(B)のA−A線断面図および図40(A)のB−B線断面図である。
実施形態3−1Aは、実施形態1−1Aおよび2−1Aに関連しているため、これらと異なる点を主に説明する。
【0102】
ホルダ本体1010は、2直列の単電池Eを上下に2列ずつ並べた合計8個の単電池Eを収容できる大きさの直方体形である。このホルダ本体1010の中心線L51は、長手方向両端面の中心を通る線である。なお、このホルダ本体1010も、絶縁性樹脂材料にて形成された容器本体と蓋体から構成されている。
実施形態3−1Aの電池ホルダH51において、中心線L51と平行な第1面1010a上および第1面1010aと直交する第2面1010b上にそれぞれ第1極凸端子1021、1022が配置され、第2面1010bと直交する第3面1010c上および第3面1010cと直交する第4面1010d上にそれぞれ第2極凹端子1031、1032が配置されている。
第1面1010aおよび第2面1010b上の第1極凸端子1021、1022同士は第1接続部材1040にて導通し、第3面1010cおよび第4面1010d上の第2極凹端子1031、1032同士は第2接続部材1050にて導通している。
【0103】
また、中心線L51と直交する直交平面P51を挟んで、第1面1010a上に2個の第1極端子1021、第2面1010b上に2個の第1極端子1022、第3面1010c上に2個の第2極端子1031、および第4面1010d上に2個の第2極端子1032が対称的に配置されている。なお、2個の第1極凸端子1021は一枚の導電性プレートにて形成された第1極端子部材1021Uにて一体化され、2個の第1極凸端子1022は第1極端子部材1022Uにて一体化され、2個の第2極凹端子1031は第2極端子部材1031Uにて一体化され、2個の第2極凹端子1032は第2極端子部材1032Uにて一体化されている。
また、第1面1010aの第1極端子1021と第2面1010bの第1極端子1022、第2面1010bの第1極端子1022と第3面1010cの第2極端子1031、第3面1010cの第2極端子1031と第4面1010dの第2極端子1032、および第4面1010dの第2極端子1032と第1面1010aの第1極端子1021とは、中心線L51に対して中心角度θが90°の相対位置に配置されている。
この場合も、中心線L51方向に隣接して並ぶ、第1面1010a上の一対の第1極凸端子1021の間隔S51、第2面1010b上の一対の第1極凸端子1022の間隔S51、第3面1010c上の一対の第2極凹端子1031の間隔S51、および第4面1010d上の一対の第2極凹端子1032の間隔S51は同じであり、かつホルダ本体1010の中心線L51方向の長さM51の1/2以上(具体的には1/2)である。
【0104】
ホルダ本体1010の内部において、第1接続部材1040は第1面1010a、第2面1010bおよびこれらと直交する端面1010eに沿って設けられた導電性プレートからなり、第1極端子部材1021U、1022Uと電気的に接触すると共に、上下に並んだ単電池Eの4つの第1極e1と電気的に接触する。
また、ホルダ本体1010の内部において、第2接続部材1050は第3面1010c、第4面1010dおよびこれらと直交する端面1010fに沿って設けられた導電性プレートからなり、第2極端子部材1031U、1032Uと電気的に接触すると共に、上下に並んだ単電池Eの4つの第2極e2と電気的に接触する。
【0105】
図42は実施形態3−1Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に、かつ左右方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
図40と図42を参照しながら説明すると、この場合、左下の電池パックQ51の第1面1010aの一対の第1極凸端子1021を、隣接する右下の電池パックQ51の第3面1010cの一対の第2極凹端子1031に嵌め込み、右下の電池パックQ51の第2面1010bの一対の第1極凸端子1022を、隣接する右上の電池パックQ51の第4面1010dの一対の第2極凹端子1032に嵌め込んでいる。これにより、2直列×4並列の単電池を有する電池パックQ51を3個直列に組み合わせた接続形態の組電池G51が構成される。
また、図示省略するが、ここで例示する実施形態3−1Aの場合、実施形態2−1Aにおける電池パックQ31と同様、電池パック同士で閉回路(タイプ3)が形成される接続方法があるため、例示した形態を含めて、そのような接続ができる形状および端子配置の、電池パックQ51を組み合わせる際には注意が必要である。
【0106】
1個の電池パックQ51の電圧は、1個の単電池Eの電圧の2倍に等しい。よって、3個の電池パックQ51を直列接続してなる組電池G51の電圧は、1個の単電池Eの電圧の6倍に等しい。本実施形態も、実施形態1−1Aと同様に、1個の電池パックQ51の電圧を電池パックQ51の数で乗じた値の電圧を有する組電池G51を得ることができる。
この組電池G51から電力を取り出す際は、右上の電池パックQ51の外部に露出した4つの第1極凸端子1021、1022(正極)のうちの少なくとも1つと、左下の電池パックQ51の外部に露出した4つの第2極凹端子1031、1032(負極)のうちの少なくとも1つを外部回路に電気的に接続する。
【0107】
図43は実施形態3−1Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列および並列に、かつ前後方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
図40と図43を参照しながら説明すると、この場合、極性を同じ向きに揃えた2個の電池パックQ51を長手方向に並べ、その2個の電池パックQ51の第2面1010b上の隣接する2つの第1極凸端子1022を、3個目の電池パックQ51の第4面1010dの一対の第2極凹端子1032に嵌め込み、2個並べた電池パックQ51のうちの一方の残りの第1極凸端子1022に、4個目の電池パックQ51の一方の第2極凹端子1032を嵌め込むことにより、2直列×4並列の単電池を有する4個の電池パックQ51を2並列×2直列で、前後上下方向に組み合わせた組電池G52が構成される。この組電池G52の電圧は、単電池Eの電圧の4倍に等しい。
なお、図42と図43に示した接続形態の両方を用いて、組電池を構成することもできる。
【0108】
複数個の電池パックQ51を前記のように組み合わせる際、各電池パックQ51の中心線L51方向に隣接して並ぶ2組の第1極凸端子同士、および2組の第2極凹端子同士の間隔S51は、ホルダ本体1010の長さM51の1/2以上であるため、3個目の電池パックQ51が2個並べた電池パックQ51に組み合わせられなくなるという不具合や、3個目の電池パックQ51が4個目の電池パックQ51に干渉し、4個目の電池パックQ51が組み合わせられなくなるという不具合はない。
この組電池G52から電力を取り出す際は、3個目の電池パックQ51の少なくとも1つの第1極凸端子と、4個目の電池パックQ51の少なくとも1つの第1極凸端子を外部回路の正極用リード線に電気的に並列接続すると共に、1個目の電池パックQ51の少なくとも1つの第2極凹端子と、2個目の電池パックQ51の少なくとも1つの第2極凹端子を外部回路の負極用リード線に電気的に並列接続する。
【0109】
また、本実施形態についても、L字形に組み合わせることのできる形状および端子配置の電池パックQ51であれば、より複雑な接続形態を得ることができる。
【0110】
また、図示省略するが、実施形態3−1Aの電池パックQ51の変形例として、図41(A)における単電池Eを、平面内で90°右回転させた位置関係の電池パックを挙げることができる。この場合、第1および第2接続部材1040、1050の形状を簡素化できるメリットが得られる。
【0111】
(実施形態3−1B)
図44(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態3−1Bを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
実施形態3−1Bは、実施形態1−1B、2−1B、および3−1Aに関連している。
具体的には、実施形態3−1Bの電池ホルダH52は、実施形態3−1Aにおける第1極端子部材1021U、1022Uを第1極面状端子1121、1122に代え、第2極端子部材1031U、1032Uを第2極面状端子1131、1132に代えている。さらに、ホルダ本体1110の第1面および第2面1110a、1110bに凸部1110Ba1を設けると共に、第3面および第4面1110c、1110dに凹部1110Ba2を設けている。
実施形態3−1Bにおいて、ホルダ本体の内部構造は実施形態3−1Aと概ね同じであり、面上端子および連結部材の形状、形成位置等は実施形態1−1B、2−1Bと同様である。
【0112】
図45は実施形態3−1Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に、かつ左右方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図であり、図46は実施形態3−1Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列および並列に、かつ前後方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
図45に示す組電池G53は、図42に示した組電池G51と同様にして、電池パックQ52を組み合わせてなる。図46に示す組電池G54は、図43に示した組電池G52と同様にして、電池パックQ52を組み合わせてなる。実施形態3−1Bの場合も、図45と図46に示した接続形態の両方を用いて、組電池を構成することができる。
【0113】
《実施形態3−2シリーズ》
実施形態3−2シリーズの電池ホルダは、前記中心線と平行な第1面上、第1面と直交する第2面上、第2面と直交する第3面上、および第3面と直交する第4面上にそれぞれ第1極端子と第2極端子が1個ずつ配置され、前記中心線と直交する任意の各直交平面を挟んで同一面上の第1極端子と第2極端子が対称的、かつ第1極端子同士と第2極端子同士とは前記中心線方向の同じ側に配置され、4個の第1極端子同士は互いに導通し、4個の第2極端子同士は互いに導通している。
この場合、第1面および第2面上の第1極端子が第1極凸端子からなり、第1面および第2面上の第2極端子が第2極凸端子からなり、第3面および第4面上の第1極端子が第1極凹端子からなり、第3面および第4面上の第2極端子が第2極凹端子からなり、第1極および第2極凸端子の凸形状と第1極および第2極凹端子の凹形状は、任意の凸端子と凹端子が相互に嵌合可能な形状であることが好ましい。
さらに、第1極凸端子同士、第2面上の第1極凸端子と第3面上の第1極凹端子、第1極凹端子同士、第4面上の第1極凹端子と第1面上の第1極凸端子、第2極凸端子同士、第2面上の第2極凸端子と第3面上の第2極凹端子、第2極凹端子同士、第4面上の第2極凹端子と第1面上の第2極凸端子および第2面上の第1極凸端子と第3面上の第2極凹端子は、前記中心線に対して中心角度90°の相対位置に配置されていることが好ましい。
具体的には、後述の実施形態3−2Aまたは3−2Bのような電池ホルダを構成することができる。
【0114】
(実施形態3−2A)
図47(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態3−2Aを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。また、図48(A)および(B)は図47(B)のA−A線断面図および図47(A)のB−B線断面図である。
実施形態3−2Aは、実施形態1−2Aおよび2−2Aに関連しているため、これらと異なる点を主に説明する。
【0115】
ホルダ本体1210は、2直列の単電池Eを上下に2列ずつ並べた合計8個の単電池Eを収容できる大きさの直方体形である。このホルダ本体1210の中心線L61は、長手方向両端面の中心を通る線である。なお、このホルダ本体1210も、絶縁性樹脂材料にて形成された容器本体と蓋体から構成されている。
実施形態3−2Aの電池ホルダH61において、中心線L61と平行な第1面1210a上、第1面1210aと直交する第2面1210b上、第2面1210bと直交する第3面1210c上、および第3面1210cと直交する第4面1210d上にそれぞれ第1極端子と第2極端子が1個ずつ配置されている。
【0116】
この場合、第1面1210a上に第1極凸端子1221と第2極凸端子1231、第2面1210b上に第1極凸端子1222と第2極凸端子1232、第3面1210c上に第1極凹端子1223と第2極凹端子1233、および第4面1210d上に第1極凹端子1224と第2極凹端子1234が配置されている。なお、第1極凸端子1221、1222および第2極凸端子1231、1232の凸形状と第1極凹端子1223、1224および第2極凹端子1233、1234の凹形状は、任意の凸端子と凹端子が相互に嵌合可能な形状である。
以下、実施形態3−2Aにおいて、第1極凸端子1221、1222および第1極凹端子1223、1224を統合して「第1極端子」という場合があり、第2極凸端子1231、1232および第2極凹端子1233、1234を統合して「第2極端子」という場合がある。
【0117】
また、電池ホルダH61において、中心線L61と直交する直交平面P61を挟んで同一面上の第1極端子と第2極端子が対称的、かつ第1極端子同士と第2極端子同士とは中心線L61方向の同じ側に配置されている。
そして、4個の第1極端子同士は第1接続部材1240にて互いに導通し、4個の第2極端子同士は第2接続部材1250にて互いに導通している。
また、第1極凸端子1221、1222同士、第2面1210b上の第1極凸端子1222と第3面1210c上の第1極凹端子1223、第1極凹端子1223、1224同士、第4面1210d上の第1極凹端子1224と第1面1210a上の第1極凸端子1221、第2極凸端子1231、1232同士、第2面1210b上の第2極凸端子1232と第3面1210c上の第2極凹端子1233、第2極凹端子1233、1234同士、第4面1210d上の第2極凹端子1234と第1面1210a上の第2極凸端子1232、および第2面1210b上の第1極凸端子1222と第3面1210c上の第2極凹端子1233は、中心線L61に対して中心角度90°の相対位置に配置されている。
この場合も、各面において中心線L61方向に隣接して並ぶ第1極端子と第2極端子の間隔S61は同じであり、かつホルダ本体1210の中心線L61方向の長さM61の1/2以上(具体的には1/2)である。
【0118】
ホルダ本体1210の内部において、第1接続部材1240は第1面〜第4面1210a〜1210dおよびこれらと直交する端面1210eに沿って設けられた導電性プレートからなり、第1極凸端子1221、1222および第1極凹端子1223、1224と電気的に接触すると共に、上下に並んだ単電池Eの4つの第1極e1と電気的に接触する。
また、ホルダ本体1210の内部において、第2接続部材1250は第1面〜第4面1210a〜1210dおよびこれらと直交する端面1210fに沿って設けられた導電性プレートからなり、第2極凸端子1231、1232および第2極凹端子1233、1234と電気的に接触すると共に、上下に並んだ単電池Eの4つの第2極e2と電気的に接触する。
【0119】
図49は実施形態3−2Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個並列に、かつ左右方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
図49と図47を参照しながら説明すると、この場合、左下の電池パックQ61の第1面1210aの第1極凸端子1221および第2極凸端子1231を、隣接する右下の電池パックQ61の第3面1210cの第1極凹端子1223および第2極凹端子1233に嵌め込み、右下の電池パックQ61の第2面1210bの第1極凸端子1222および第2極凸端子1232を、隣接する右上の電池パックQ61の第4面1210dの第1極凹端子1224および第2極凹端子1234に嵌め込んでいる。これにより、2直列×4並列の単電池を有する電池パックQ61を3個並列に組み合わせた接続形態の組電池G61が構成される。
また、図示省略するが、ここで例示する実施形態3−2Aの場合も、実施形態1−2A、2−2Aと同様、一の電池パックQ61の同一面上の第1極凸端子および第2極凸端子を、隣接する他の電池パックQ61の同一面上の第2極凹端子および第1極凹端子に嵌め込むと、閉回路(タイプ1)が形成されてしまうので注意する必要がある。
【0120】
1個の電池パックQ61の電圧は、1個の単電池Eの電圧の2倍に等しい。よって、3個の電池パックQ61を並列接続してなる組電池G61の電圧は、1個の単電池Eの電圧の2倍に等しい。
また、この組電池G61から電力を取り出す際は、電池パックQ61の外部に露出した8つの第1極端子(正極)のうちの少なくとも1つと、電池パックQ61の外部に露出した8つの第2極端子(負極)のうちの少なくとも1つを外部回路に電気的に接続する。
【0121】
図50は実施形態3−2Aの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に、かつ前後方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
図50と図47を参照しながら説明すると、この場合、極性を同じ向きに揃えた2個の電池パックQ61を長手方向に並べ、その2個の電池パックQ61の第2面1210b上の隣接する第2極凸端子1232および第1極凸端子1222を、上の電池パックQ61の第4面1210dの第1極凹端子1224および第2極凹端子1234に嵌め込んでいる。これにより、2直列×4並列の単電池を有する電池パックQ61を3直列で、前後上下方向に組み合わせた組電池G62が構成される。この組電池G62の電圧は、単電池Eの電圧の6倍に等しい。
なお、図49と図50に示した接続形態の両方を用いて、組電池を構成することもできる。
【0122】
複数個の電池パックQ61を前記のように組み合わせる際、各電池パックQ61の中心線L61方向に隣接して並ぶ同一面上の第1極端子と第2極端子の間隔S61は、ホルダ本体1210の長さM61の1/2以上であるため、上の電池パックQ61が2個並べた電池パックQ61に組み合わせられなくなるという不具合はない。また、4個目の電池パックQ61を3個目(上)の電池パックQ61に対して長手方向に並べて、組電池G62を4直列とする際にも、3個目(上)の電池パックQ61が4個目の電池パックQ61に干渉し、4個目の電池パックQ61が組み合わせられなくなるという不具合はない。
この3直列の組電池G62から電力を取り出す際は、1個目(下後)の電池パックQ61の少なくとも1つの第1極端子を外部回路の正極用リード線に電気的に接続すると共に、2個目(下前)の電池パックQ61の少なくとも1つの第2極端子を外部回路の負極用リード線に電気的に接続する。
【0123】
なお、実施形態1−2A、2−2Aの場合と同じく、これら3個の電池パックQ61のうちの1個でも極性を逆にして組電池を構成した場合、前記の接続方法では、この組電池から十分に電力を取り出すことができなくなるため、複数個の電池パックQ61を直列に組み合わせる際には注意が必要である。
また、本実施形態についても、L字形に組み合わせることのできる形状および端子配置の電池パックQ61であれば、より複雑な接続形態を得ることができるが、実施形態1−2A、2−2Aの場合と同様の手順で環状の組電池とすると、電池パック同士で閉回路(タイプ2)が形成されるため、注意が必要である。
【0124】
また、図示省略するが、実施形態3−2Aの電池パックQ61の変形例として、図48(A)における単電池Eを、平面内で右または左方向に90°回転させた位置関係の電池パックを挙げることができる。
【0125】
(実施形態3−2B)
図51(A)〜(D)は本発明の電池ホルダの実施形態3−2Bを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。
実施形態3−2Bは、実施形態1−2B、2−2B、および3−2Aに関連している。具体的には、実施形態3−2Bの電池ホルダH62は、実施形態3−2Aにおける第1極凸端子1221、1222および第1極凹端子1223、1224を第1極面状端子1321〜1324に代え、第2極凸端子1231、1232および第2極凹端子1233、1234を第2極面状端子1331〜1334に代えている。さらに、ホルダ本体1310の第1面および第2面1310a、1310bに凸部1310Ba1を設けると共に、第3面および第4面1310c、1310dに凹部1310Ba2を設けている。
実施形態3−2Bにおいて、ホルダ本体の内部構造は実施形態3−2Aと概ね同じであり、面上端子および連結部材の形状、形成位置等は実施形態1−2B、2−2Bと同様である。
【0126】
図52は実施形態3−2Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個並列に、かつ左右方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図であり、図53は実施形態3−2Bの電池ホルダに単電池を備えた電池パックを複数個直列に、かつ前後方向だけでなく高さ方向にも組み合わせた組電池を示す斜視図である。
図52に示す組電池G63は、図49に示した組電池G61と同様にして、電池パックQ62を組み合わせてなる。図53に示す組電池G64は、図50に示した組電池G62と同様にして、電池パックQ62を組み合わせてなる。実施形態3−2Bの場合も、図52と図53に示した接続形態の両方を用いて、組電池を構成することができる。
【0127】
《実施形態1−2AI》
前記実施形態1−2、2−2、および3−2シリーズの電池パックにおいて、閉回路(タイプ1)をもつ組電池を形成しないように、ホルダ本体の外面に注意喚起マークを設けてもよいことを説明したが、本発明の電池ホルダは、次のように閉回路(タイプ1)および閉回路(タイプ2)の形成を防止することもできる。
特に、凹凸形状の第1および第2極端子を採用した実施形態1−2A、2−2A、および3−2Aにおいて、第1および第2極端子の凹凸形状を、2つの電池パックを組み合わせたときに閉回路(タイプ1)が形成できない形状とする。
つまり、極性を同じ向きに揃えた前記ホルダ本体同士を、平行移動または前記中心線回りの回転移動以外を伴って組み合わせる場合に、一のホルダ本体の凸端子と他のホルダ本体の凹端子とが相互に嵌合できない形状、もしくは一のホルダ本体の第1極凸端子と他のホルダ本体の第2極凹端子とが相互に嵌合できない形状、もしくは一のホルダ本体の第2極凸端子と他のホルダ本体の第1極凹端子とが相互に嵌合できない形状に、第1および第2極凸端子の凸形状と第1および第2極凹端子の凹形状を形成する(本実施形態1−2AI)。すると、前記ホルダ本体同士はL字形に組み合わせることもできなくなるため、閉回路(タイプ1)だけではなく、閉回路(タイプ2)の形成も防止できる。
さらに、この場合、第1極凸端子、もしくは第2極凸端子、もしくは第1極凸端子および第2極凸端子を、その突出方向の軸心廻りに0°、90°、180°または270°回転させて位置決めする回転固定機構部と、前記位置でホルダ本体内に押し込み可能とする押込み機構部とを有してもよい(後述の実施形態1−2AII)。
以下、実施形態1−2Aの変形例としての本実施形態1−2AIを代表的に説明するが、実施形態2−2Aおよび3−2Aの変形例も同様である。
また、閉回路形成の防止については、閉回路(タイプ1)をとりあげて説明する。
【0128】
図54(A)〜(D)は実施形態1−2AIの電池ホルダを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図である。なお、図54において、図11中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態1−2AIの電池ホルダH21mにおいて、第1極凸端子221mは、鋭角な頂部が正面側に配置された平面視三角形(右側面視四角形)の三角柱形である。第2極凸端子231mも、鋭角な頂部が正面側に配置された平面視三角形(右側面視四角形)の三角柱形である。なお、第1極および第2極凸端子221m、231mはこの形状に限らず、凸端子の軸心廻りに点対称でない(180°回転させた際に、凸端子が始状態と一致しない)任意の形状であればよい。
第1極凹端子222mは平面的に見て第1極凸端子221mと同じ三角形の凹形状に形成され、第2極凹端子232mは平面的に見て第2極凸端子231mと同じ三角形の凹形状に形成されているため、表向きまたは裏向きに(極性を)揃えて並べた電池ホルダH21m同士を図13または図15のように組み立てることができる。
この電池ホルダH21mにおいて、その他の構成は実施形態1−2Aと同様である。
【0129】
図55(A)は実施形態1−2AIの表向きの電池パック(左図)と裏向きの電池パック(右図)を平行に並べた状態を示す平面図であり、図55(B)は実施形態1−2Aの表向きの電池パック(左図)と裏向きの電池パック(右図)を平行に並べた状態を示す平面図である。なお、図55(A)および(B)では、第1極を正極(+)とし、第2極を負極(−)としている。
図55(B)で示すように、実施形態1−2Aの電池パックQ21は、表向き(左図)でも裏向き(右図)でも、平面的に見て、第1および第2極凸端子221、231の形状は同一であり、かつ第1および第2極凹端子222、232の形状も同一である。
したがって、表向きの電池パックQ21の第1極凸端子221および第2極凸端子231を、裏向きの電池パックQ21の第2極凹端子232および第1極凹端子222に同時に嵌め込むことが可能であり、その結果、閉回路(タイプ1)をもつ組電池が構成されてしまう。
【0130】
これに対して実施形態1−2AIの電池パックQ21mでは、図55(A)で示すように、表向き(左図)と裏向き(右図)では、平面的に見ると、第1および第2極凸端子221m、231mの形状が異なり、かつ第1および第2極凹端子222m、232mの形状も異なる。具体的には、表向きと裏向きで、平面的に見た三角形の形が180°反転する。
したがって、表向きの電池パックQ21mの第1極凸端子221mおよび第2極凸端子231mを、裏向きの電池パックQ21mの第2極凹端子232mおよび第1極凹端子222mに嵌め込むことはできず、その結果、閉回路(タイプ1)をもつ組電池が構成されることはない。
このように、実施形態1−2AIの電池ホルダH21mは、第1および第2極端子の凹凸形状が、2つの電池パックを組み合わせたときに閉回路(タイプ1)が形成できない形状である。
なお、組み合わせる電池パックQ21mが全て表向きならば、図13または図15で説明した組電池を構成することができる。
【0131】
《実施形態1−2AII》
図56は実施形態1−2AIIの電池ホルダを示す平面図、左側面図、正面図および右側面図であり、図57は実施形態1−2AIIの電池ホルダの一部分を拡大した一部省略断面図である。
実施形態1−2AIIの電池ホルダH21nは、実施形態1−2AIの電池ホルダH21mと外見的に概ね同じであるが、第1極凸端子221mおよび第2極凸端子231mとは異なる形状の、第1極凸端子221nおよび第2極凸端子231nが可動できるようにホルダ本体210nに取り付けられたことが大きく異なる。
具体的には、第1極凸端子221nおよび第2極凸端子231nは回動可能、かつ押し込み状態と突出状態の一方に切り換え可能となるようにホルダ本体210nに取り付けられている。
この電池ホルダH21nにおいて、その他の構成は実施形態1−2AIと同様である。
【0132】
ホルダ本体210nの右側面には、第1および第2極凸端子221n、231nを挿通させる一対の孔部が形成されている。そして、ホルダ本体210nにおいて、右側壁内面の一対の孔部近傍に、前記のような動きが可能となるように第1および第2極凸端子221n、231nを保持する凸端子取付部Fが設けられている。
図57は第1極凸端子221n側の凸端子取付部Fの内部構造を示している。以下、第1極凸端子221nおよびその凸端子取付部Fを説明するが、第2極凸端子231nおよびその凸端子取付部Fも同様である。
まず、第1極凸端子221nは、円筒の上部を斜めにカットしたような外観形状であり、この点も実施形態1−2AIとは異なる。この第1極凸端子221nは基端に外鍔221n1を有している。
【0133】
凸端子取付部Fは、ストッパ機構Fsと、ノック機構Fkとを備えている。
ストッパ機構部Fsは、ホルダ本体210nの右側壁の各孔部外周を中心角度90°毎に切り欠いたノッチs1と、第1極凸端子221nに形成されたスリットs2に設けられた操作片s3と、第1極凸端子221n内に固定されると共に操作片s3と連結した板バネs4とを有する。
操作片s3は、板バネs4によって常に外側へ弾性的に押圧されているため、ノッチs1に嵌り込む。これにより、第1極凸端子221nはホルダ本体210nに対して回動できずに位置決めされる。
また、ユーザーが指で操作片s3を第1極凸端子221nの内部に押し込んでノッチs1から離脱させた状態とすることにより、第1極凸端子221nはホルダ本体210nに対して回動できる。これにより、操作片s3を所定のノッチs1の位置まで回動させて位置決めすることができる。
なお、本実施形態(図56(D)参照)ではストッパ機構部Fsのノッチs1が第1極凸端子221nに対して、ホルダ本体を通る中心線と平行および垂直方向に中心角度90°毎で形成された場合を例示したが、中心角度90°毎であれば前記方向に限らない。(4つのノッチs1が中心角度90°を保って、第1極凸端子221n廻りに任意の角度回転しても良い。)ただ、前記以外の方向に中心角度90°毎で形成した場合は、第1極凹端子222nもそれに合わせて形成する必要がある。
【0134】
ノック機構Fkは、ノック式ボールペンのノック機構を応用している。
このノック機構Fkは、ホルダ本体210nの右側壁内面に固定された円筒形ケースk1と、ケースk1内に設けられると共に第1極凸端子221nを回転可能な状態で保持する第1円筒部材k2と、ケースk1内に設けられた第2円筒部材k3と、第2円筒部材k3を第1円筒部材k2の方へ円板k4を介して弾性的に押圧するコイルスプリングk5とを備えている。
ケースk1において、その内周面には、(凸端子の)軸心方向に延びるガイド溝k11が、周方向に中心角度90°の間隔で4本形成されており、隣接するガイド溝k11間には、2つの頂部を有するノコギリ歯形のノコギリ段部k12が形成されている。
なお、ガイド溝k11が、周方向に中心角度120°の間隔で3本形成された構成でもよい。
【0135】
第1円筒部材k2は、ホルダ本体210nの右側壁側の端部に設けられた二重の内鍔k21、k22と、各ガイド溝k11と軸心方向にスライド可能で嵌合する、内鍔k21の反対側に設けられた突起部k23と、第2円筒部材k3側の端部に設けられた三角波部k24とを有する。また、三角波部k24の歯は、その数がガイド溝k11の本数の2倍に等しく、その山部がガイド溝k11の幅方向の中間と、隣接するガイド溝k11同士の中間に配置されるよう、周方向に等間隔で設けられている。なお、第1極凸端子221nの外鍔221n1は、軸心廻りに回動できるよう内鍔k21、k22間に嵌め込まれている。
第2円筒部材k3は、各ガイド溝k11と軸心方向にスライド可能で嵌合するスライド部k31を有し、スライド部k31の第1円筒部材k2側の端部は、ノコギリ段部k12の1つの歯の斜面および三角波部k24の歯の一方の斜面と、並行な斜面をもつ三角形の突起部k31aを有し、この突起部k31aは三角波部k24に接触している。なお、突起部k31aの斜面は、ノコギリ段部k12の1つの歯の斜面および三角波部k24の歯の一方の斜面より急でもよい。
【0136】
このように構成されたノック機構Fkにおいて、二重の内鍔k21、k22および三角波部k24は、ガイド溝k11およびノコギリ段部k12よりも内側に配置されており、第2円筒部材k3は、スライド部k31が各ガイド溝k11に嵌合し、かつ三角波部k24に接触する厚みに構成されている。
また、ノコギリ段部k12の谷部(ホルダ本体210nの右側壁側へのへこみ部)と突起部k31aの山部の軸心方向の距離は、第1極凸端子221nのホルダ本体210n外部への突出寸法よりも長くなっているため、第1極凸端子221nをホルダ本体210n内に完全に収納することができる。
なお、ノック機構Fkの構成部品を導電性材料で形成し、図示省略した単電池Eの第1極e1と電気的に接触する第1接続部材を、ケースk1に電気的に接触させれば、単電池Eの第1極e1と第1極凸端子221nとは電気的に接続されることになる。
【0137】
図57はノック機構Fkによる第1極凸端子221nの突出状態を示しており、この状態から押し込み状態となるときのノック機構Fkの動作は次の通りである。
ユーザーが指で第1極凸端子221nを押し込むと、第1極凸端子221nの外鍔221n1によって第1円筒部材k2の内鍔k22が押し込まれる。そうすると、第1円筒部材k2の三角波部k24によって第2円筒部材k3の突起部k31aがガイド溝k11に沿って押し込まれる。第1極凸端子221nがホルダ本体210n内に完全に押し込まれ、さらに押し込まれていくと、三角波部k24とノコギリ段部k12の斜面が一致する。すると、突起部k31aは三角波部k24からノコギリ段部k12に摺動しながら乗り移り、ノコギリ段部k12の谷部の位置で止まる。このようにして、ノック機構Fkによって第1極凸端子221nが押し込み状態に切り替わる。
この押し込み状態から、ユーザーが指で第1極凸端子221nをさらに押し込むと、三角波部k24によって押し込まれた突起部k31aがノコギリ段部k12を摺動しながら乗り越えて、押込まれた三角波部k24の谷部の位置で止まる。そして、第1極凸端子221nの押し込みをやめると、コイルスプリングk5の押圧により第2円筒部材k3、第1円筒部材k2および第1極凸端子221nが押されて、突起部k31aがノコギリ段部k12を摺動してガイド溝k11へ入り込むことで、図57に示す突出状態に切り替わる。
【0138】
図58は実施形態1−2AIIの電池ホルダを用いた電池パックの組電池の一例を説明する図であって、図58(A)〜(C)は組み立て順を示している。
詳しく説明すると、図58(A)は、実施形態1−2AIIの表向きの電池パックQ21n(左図)と実施形態1−2AIIの裏向きの電池パックQ21n(右図)を平行に並べた状態を示している。なお、この場合、第1極が正極(+)、第2極が負極(−)である。
この状態に並べた一方の電池ホルダQ21nの第1および第2極凸端子221n、231nを、他方の電池ホルダQ21nの第2および第1極凹端子232n、222nに嵌め込むことはできない。この段階において、実施形態1−2AIIは実施形態1−2AIと同じ機能を有していると言える。
【0139】
図58(B)は、実施形態1−2AIIの表向きの電池パックQ21nの第1および第2極凸端子221n、231nを180°回動させた状態を示している。
この状態に並べた表向きの電池ホルダQ21nの第1および第2極凸端子221n、231nを、裏向きの電池ホルダQ21nの第2および第1極凹端子232n、222nに嵌め込むことはできるが、閉回路(タイプ1)が形成されてしまう。
そこで、表向きの電池ホルダQ21nの第2極凸端子231nを内部へ完全に押し込む。これにより、図58(C)に示すように、表向きの電池ホルダQ21nの第1極凸端子221nは裏向きの電池ホルダQ21nの第2極凹端子232nに嵌め込まれるが、表向きの電池ホルダQ21nの第2極凸端子231nは裏向きの電池ホルダQ21nの第1極凹端子222nに嵌め込まれない。なお、操作片s3の先端は丸く面取りされているため(図57参照)、表向きの電池ホルダQ21nの操作片s3の面取り部が裏向きの電池ホルダQ21nの左側面に当たると、操作片s3は自動的に第1極凸端子221n内に押し込まれる。加えて、表向きの電池ホルダQ21nの第1極凸端子221nは、嵌め込む際の裏向きの電池ホルダQ21nの第2極凹端子232nとの摩擦で押し込まれることはなく、突出状態を保つように構成されている。
これらにより、電池ホルダQ21n同士を、図15に示すようにずらすことなく、真っ直ぐ組み合わせて直列接続した組電池を不具合なく形成することができる。なお、実施形態1−2AIIの電池パックQ21nの第1および第2極凸端子221n、231nを90°回動させた状態とすれば、電池ホルダQ21n同士をL字形に組み合わせて直列接続した組電池を形成することができる。
【0140】
《他の実施形態》
1.本発明の電池ホルダは、組電池としてだけではなく、電池パック自体でも所望の電圧、容量、形状、サイズ等を得ることができるよう、ホルダ本体の内部構造、第1・第2接続部材等の構成等を設計変更することにより、電池ホルダ内に収容する単電池の個数、種類、単電池同士の電気的な接続形態等を自由に設定することができる。さらに、電池パックに使用される単電池としては、軸心方向に第1極と第2極を有する円筒形の単1形〜単4形電池以外でもよく、要は、所望の電圧、容量、形状、サイズ等の電池パックを得ることができるよう、使用する単電池に応じてホルダ本体の内部構造、第1・第2接続部材等の構成等を設計すればよい。
【0141】
2.前記の各種実施形態では、ホルダ本体の形状が直方体形の場合を例示したが、ホルダ本体の形状は特に限定されるものではない。凹凸形状の第1および第2極端子を有する電池ホルダの場合、ホルダ本体の形状は、例えば、立方体形、直方体の角部が平らまたは円弧状に面取りされた形、円筒形等でもよい。面状の第1および第2極端子を有する電池ホルダの場合も、ホルダ本体の形状は、例えば、立方体形、直方体の角部が平らまたは円弧状に面取りされた形、円筒形等でもよいが、円筒形の場合は、面状の第1および第2極端子、および凹凸形の連結部が配置される箇所は平坦面であることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明の電池ホルダは、電気自動車およびハイブリッド自動車等の電動車両の電源用組電池を構成する電池ホルダとしても用いることができる。
【符号の説明】
【0143】
10 ホルダ本体
20 第1極端子
21 第1極凸端子
30 第2極端子
31 第2極凹端子
40 第1接続部材
50 第2接続部材
120 第1極面状端子
130 第2極面状端子
E 単電池
e1 第1極
e2 第2極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定個数の単電池を収納する絶縁性ホルダ本体と、該ホルダ本体の外面に相互に絶縁して設けられた第1極端子および第2極端子と、前記単電池の第1極と第1極端子間を電気的に接続する第1接続部材と、前記単電池の第2極と第2極端子間を電気的に接続する第2接続部材とを備え、前記第1および第2接続部材は前記ホルダ本体に内包され、
前記第1極端子および第2極端子は、複数個の前記ホルダ本体同士で、第1極端子と第2極端子との接触、第1極端子同士の接触、および第2極端子同士の接触のうちの1つ以上の接触が可能であり、かつ直列接続、および直列と並列を組み合わせた接続の両方が可能であるように、前記ホルダ本体を通る中心線に対して周方向の2つ以上の箇所に配置されており、前記単電池を収納した複数個の前記ホルダ本体は電気的接続によって組み合わせて、組電池を構成可能であることを特徴とする電池ホルダ。
【請求項2】
前記中心線と平行な一面上に第1極端子が配置され、前記一面と平行な他面上に第2極端子が配置されている請求項1に記載の電池ホルダ。
【請求項3】
第1極端子と第2極端子とは、前記中心線に対して中心角度180°の相対位置に配置されている請求項2に記載の電池ホルダ。
【請求項4】
前記中心線と平行な一面上に第1極端子が配置され、前記一面と直交する他面上に第2極端子が配置されている請求項1に記載の電池ホルダ。
【請求項5】
第1極端子と第2極端子とは、前記中心線に対して中心角度90°の相対位置に配置されている請求項4に記載の電池ホルダ。
【請求項6】
前記中心線と直交する直交平面を挟んで、前記一面上に2個の第1極端子が対称的に配置され、前記直交平面もしくは前記直交平面と平行な別の直交平面を挟んで、前記他面上に2個の第2極端子が対称的に配置され、かつ前記一面上に設けられた2個の第1極端子の間隔と前記他面上に設けられた2個の第2極端子の間隔は等しく、2個の第1極端子は互いに導通し、2個の第2極端子は互いに導通している請求項2〜5のいずれか1項に記載の電池ホルダ。
【請求項7】
前記中心線と平行な第1面上および第1面と直交する第2面上にそれぞれ第1極端子が配置され、第2面と直交する第3面上および第3面と直交する第4面上にそれぞれ第2極端子が配置され、第1面および第2面上の第1極端子同士は導通し、第3面および第4面上の第2極端子同士は導通している請求項1に記載の電池ホルダ。
【請求項8】
第1面の第1極端子と第2面の第1極端子、第2面の第1極端子と第3面の第2極端子、第3面の第2極端子と第4面の第2極端子、および第4面の第2極端子と第1面の第1極端子とは、前記中心線に対して中心角度90°の相対位置に配置されている請求項7に記載の電池ホルダ。
【請求項9】
前記中心線と直交する任意の各直交平面を挟んで、前記第1面上に2個の第1極端子、前記第2面上に2個の第1極端子、前記第3面上に2個の第2極端子、および前記第4面上に2個の第2極端子が対称的に、かつ各2個の端子同士の間隔が等しくなるように配置されている請求項7または8に記載の電池ホルダ。
【請求項10】
第1極端子が第1極凸端子からなり、第2極端子が第2極凹端子からなり、第1極端子の凸形状と第2極端子の凹形状は、相互に嵌合可能な形状である請求項1〜9のいずれか1項に記載の電池ホルダ。
【請求項11】
前記中心線と平行な一面上に第1極端子と第2極端子が1個ずつ配置され、前記一面と平行な他面上に第1極端子と第2極端子が1個ずつ配置され、同一面上の第1極端子と第2極端子は、前記中心線と直交する任意の各直交平面を挟んで対称的に、かつ各2個の端子同士の間隔が等しくなるように配置され、かつ第1極端子同士と第2極端子同士とは前記中心線方向の同じ側に配置され、2個の第1極端子は互いに導通し、2個の第2極端子は互いに導通している請求項1に記載の電池ホルダ。
【請求項12】
第1極端子同士、第2極端子同士、および異なる面上の第1極端子と第2極端子は、前記中心線に対して中心角度180°の相対位置に配置されている請求項11に記載の電池ホルダ。
【請求項13】
前記中心線と平行な一面上に第1極端子と第2極端子が1個ずつ配置され、前記一面と直交する他面上に第1極端子と第2極端子が1個ずつ配置され、同一面上の第1極端子と第2極端子は、前記中心線と直交する任意の各直交平面を挟んで対称的に、かつ各2個の端子同士の間隔が等しくなるように配置され、かつ第1極端子同士と第2極端子同士とは前記中心線方向の同じ側に配置され、2個の第1極端子は互いに導通し、2個の第2極端子は互いに導通している請求項1に記載の電池ホルダ。
【請求項14】
第1極端子同士、第2極端子同士、および異なる面上の第1極端子と第2極端子は、前記中心線に対して中心角度90°の相対位置に配置されている請求項13に記載の電池ホルダ。
【請求項15】
前記一面上の第1極端子が第1極凸端子からなり、前記他面上の第1極端子が第1極凹端子からなり、前記一面上の第2極端子が第2極凸端子からなり、前記他面上の第2極端子が第2極凹端子からなり、第1極および第2極凸端子の凸形状と第1極および第2極凹端子の凹形状は、任意の凸端子と凹端子が相互に嵌合可能な形状である請求項11〜14のいずれか1項に記載の電池ホルダ。
【請求項16】
前記中心線と平行な第1面上、第1面と直交する第2面上、第2面と直交する第3面上、および第3面と直交する第4面上にそれぞれ第1極端子と第2極端子が1個ずつ配置され、同一面上の第1極端子と第2極端子は、前記中心線と直交する任意の各直交平面を挟んで対称的に、かつ各2個の端子同士の間隔が等しくなるように配置され、かつ第1極端子同士と第2極端子同士とは前記中心線方向の同じ側に配置され、4個の第1極端子は互いに導通し、4個の第2極端子は互いに導通している請求項1に記載の電池ホルダ。
【請求項17】
直交する2つの面上の第1極端子同士、直交する2つの面上の第2極端子同士、および直交する2つの異なる面上の第1極端子と第2極端子は、前記中心線に対して中心角度90°の相対位置に配置されている請求項16に記載の電池ホルダ。
【請求項18】
前記第1面および第2面上の第1極端子が第1極凸端子からなり、前記第1面および第2面上の第2極端子が第2極凸端子からなり、前記第3面および第4面上の第1極端子が第1極凹端子からなり、前記第3面および第4面上の第2極端子が第2極凹端子からなり、第1極および第2極凸端子の凸形状と第1極および第2極凹端子の凹形状は、任意の凸端子と凹端子が相互に嵌合可能な形状である請求項16または17に記載の電池ホルダ。
【請求項19】
前記中心線方向に並ぶ、同一面上に設けられた各2個の端子同士の間隔は、ホルダ本体の中心線方向の長さの1/2以上である請求項6、9、11〜18のいずれか1項に記載の電池ホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【公開番号】特開2013−20841(P2013−20841A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153882(P2011−153882)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】