電流制御回路
【課題】電源電圧に基づき2つの異なる電圧が出力可能となり、該2つの電圧のデューティ比によって負荷に流れる電流を制御する電流制御回路において、電源電圧の影響を受けないようにする。
【解決手段】電流制御回路16は、発振回路20から構成され、発振回路20は、オペアンプ22を用いた無安定マルチバイブレータからなる。オペアンプ22は、その電源電圧として、前記電源電圧Vpまたは前記電源電圧Vpの変動を反映した電圧が供給され、発振時に、−側端子に直列接続された抵抗RtとコンデンサCtとの接続点が接続され、+側端子に一端にオペアンプ22の出力電圧Voが印加された抵抗Rfの他端と一端に所定電圧Vzが印加された抵抗Rsの他端との接続点が接続される。これにより発振回路20は、電源電圧Vpが上昇するに連れてデューティ比が減少し、電源電圧が減少するに連れてデューティ比が増加する特性をそれ自身が持つ。
【解決手段】電流制御回路16は、発振回路20から構成され、発振回路20は、オペアンプ22を用いた無安定マルチバイブレータからなる。オペアンプ22は、その電源電圧として、前記電源電圧Vpまたは前記電源電圧Vpの変動を反映した電圧が供給され、発振時に、−側端子に直列接続された抵抗RtとコンデンサCtとの接続点が接続され、+側端子に一端にオペアンプ22の出力電圧Voが印加された抵抗Rfの他端と一端に所定電圧Vzが印加された抵抗Rsの他端との接続点が接続される。これにより発振回路20は、電源電圧Vpが上昇するに連れてデューティ比が減少し、電源電圧が減少するに連れてデューティ比が増加する特性をそれ自身が持つ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁切換弁や電磁開閉器のソレノイドのような負荷に流す電流を制御する電流制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁切換弁を例にとって説明すると、従来、電磁切換弁においては、ボディ内に摺動可能に挿入され、スプリングによって中立状態に付勢されるスプールを、電磁ソレノイドの励磁により、プッシュピンを介して押圧して移動させて、流路を切り換えるようになっている。
【0003】
このような電磁ソレノイドを駆動するための従来のソレノイド駆動回路と電流制御回路としては、図7に示すものが知られている。スイッチング素子SWが電磁ソレノイド1に直列に接続されており、スイッチング素子SWのゲートには、電流制御回路4からのスイッチング制御信号が印加されるようになっている。そして、図8に示すように、外部から入力される励磁指令がONになると、電流制御回路4から、励磁指令ONの間中ONとなるスイッチ制御信号が出力され、電源電圧による定格のソレノイド電流を流し、励磁指令がOFFになると、電流制御回路4からのスイッチ制御信号をOFFとする。尚、電磁ソレノイドには、サージアブソーバとしてのバリスタ2が並列に接続されている。
【0004】
しかしながら図7に示す回路であると、スプールの切換完了後にも、電源電圧による定格のソレノイド電流が流れ続ける。スプールをスプリングの付勢力に抗して切換状態を保持するために本来必要な電流は、切換時の定格のソレノイド電流よりも小さくて済むために、切換完了後も定格のソレノイド電流を流し続けると、そのほとんどがジュール熱となって放熱してしまい、消費電力の無駄となってしまうという問題がある。
【0005】
かかる問題を回避するために、特許文献1で提案する駆動回路では、図9に示すように、電源の両端子間に、電磁ソレノイド1と第1スイッチング素子SW1とを直列に接続し、その電磁ソレノイド1に、還流ダイオード6と第2スイッチング素子SW2との直列回路と、サージアブソーバ2とをそれぞれ並列に接続している。電流制御回路4は、第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2とをON/OFF制御しており、図10に示すように、励磁指令がONの間、第2スイッチング素子をONにし、励磁指令がONになってからスプールによる切換が完了するまでは、第1スイッチング素子をONにし続け、その後、励磁指令がOFFになるまでは、第1スイッチング素子を所定の周期でON/OFFして電磁ソレノイドに流れる電流を制御している。
【0006】
これによって、スプールの移動による切換完了までは電磁ソレノイド1に定格電流を流してスプールを駆動する励磁電流とし、切換完了後はスプールが切換状態を保つために十分なソレノイド吸引力となるような保持電流となるように、スイッチング制御することにより電磁ソレノイド1に流れる電流を低減する。このとき、スイッチング制御により電磁ソレノイド1への電圧印加がOFFになる時間は、ソレノイド1に蓄えられた磁気エネルギーによる電流を還流ダイオード6を経由してソレノイド1に流している。また、励磁指令がOFFになると、還流ダイオード6を経由する還流回路を絶って、ソレノイドに蓄えられた磁気エネルギーによる電流をサージアブソーバ2で吸収して応答遅れが生じないようにしている。こうして、特許文献1の構成によれば消費電力を低減させることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2001−132866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、電源電圧の変動があった場合、それに伴って保持電流が変動するため、変動の大きさによっては、保持電流が低くなりすぎて、ソレノイドを十分に保持することができず、切換不良を起こすおそれがある、という問題がある。
【0009】
このような電源電圧の変動は、例えば、共通の電源電圧によって複数の電磁切換弁を独自のタイミングでON/OFF制御する場合において、1つの電磁切換弁が保持状態にあるときに、別の電磁切換弁がONとなるとき等に発生するおそれがある。
【0010】
または、他の例として、電源にバッテリーを使う場合、バッテリーの出力電圧が充電直後は高く(定格電圧よりも高く)、経時的に漸次減少していく、という時間的にゆっくりとした変動が挙げられる。この場合、充電直後のフル出力は、消費電力の無駄使いとなり、バッテリーの消耗を早めることになる。
【0011】
一般的に電源電圧変動に対する常套的解決手段としては、保持電流を検出しフィードバックして、パルス幅を制御するようなPWM制御を行なうことが考えられるが、そのような解決手段は、負荷毎にそれぞれ電流検出回路とPWM制御演算回路を設ける必要があるため構成が複雑になり、品質的にも故障発生確立が高く、高価になるという問題がある。
【0012】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、負荷に流れる電流を電圧のデューティ比で制御するものにおいて、電源電圧の影響を受けない電流制御回路を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、電源電圧Vpに基づき2つの異なる電圧Voh、Volが発振出力可能となり、該2つの電圧のデューティ比Rd=tvoh/(tvoh+tvol)、(tvoh:Vohの出力継続時間、tvol:Volの出力継続時間、|Voh|>|Vol|)によって負荷に流れる電流を制御するための電流制御回路において、
電源電圧Vpが上昇するに連れてデューティ比が減少し、電源電圧Vpが減少するに連れてデューティ比が増加する特性をそれ自身が持つ発振回路を有することを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、電源電圧Vpに基づき2つの異なる電圧Voh、Volが発振出力可能となり、該2つの電圧のデューティ比Rd=tvoh/(tvoh+tvol)、(tvoh:Vohの出力継続時間、tvol:Volの出力継続時間、|Voh|>|Vol|)によって負荷に流れる電流を制御する電流制御回路において、
電源電圧Vpの変動割合よりも、等価印加電圧Ve≡Vp・Rdの変動割合が小さくなるようにデューティ比Rdが変化する特性をそれ自身が持つ発振回路を有することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の前記発振回路が、オペアンプを用いた無安定マルチバイブレータからなることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の前記発振回路が、オペアンプを用いた無安定マルチバイブレータからなり、該オペアンプは、その電源電圧として、前記電源電圧Vpまたは前記電源電圧Vpの変動を反映した電圧が供給され、発振時に、その−側端子に、直列接続された抵抗RtとコンデンサCtとの接続点が接続され、その+側端子に、一端にオペアンプの出力電圧が印加された抵抗Rfの他端と一端に所定電圧Vzが印加された抵抗Rsの他端との接続点が接続されることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の抵抗Rfと抵抗Rsの抵抗値の比率が、電源電圧Vpの変動割合に対する等価印加電圧Ve=Vp・Rdの変動割合が所望の範囲となるように設定されることを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の前記発振回路が、電源電圧Vp>所定電圧Vzを満足する場合には発振して2つの電圧Voh、Volを交互に出力し、電源電圧Vp<所定電圧Vzを満足する場合には発振を停止してVohのみを出力することを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項4ないし6のいずれか1項に記載の前記所定電圧Vzが、ツェナダイオードZDからなる基準電圧回路によって生成されることを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の前記基準電圧回路が、複数の所定電圧のうちのいずれかの所定電圧を選択的に出力可能であることを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の前記電源電圧が、バッテリー電圧であることを特徴とする。
【0022】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電流制御回路が、可動部材を復元力に抗した位置に維持するために負荷に流すことが必要な保持電流のための回路であることを特徴とする。
【0023】
請求項11記載の発明は、請求項10記載のものが、電磁切換弁の電磁ソレノイドの保持電流のための回路であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載の発明によれば、電源電圧が上昇するに連れてデューティ比が減少し、電源電圧が減少するに連れてデューティ比が増加する特性を発振回路がそれ自身で持つことにより、電源電圧の変動に拘わらず、負荷に流れる電流をほぼ等しくなるように補正することができる。発振回路自身によるデューティ比の変化を利用するので、複雑なフィードバック制御を不要とすることができ、回路構成を簡単にすることができ、よって、低コストで達成することができる。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、電源電圧Vpの変動よりも等価印加電圧Ve≡Vp・Rdの変動が小さくなるようにデューティ比Rdが変化する特性を発振回路がそれ自身で持つことにより、電源電圧の変動に拘わらず、負荷に流れる電流をほぼ等しくなるように補正することができる。発振回路自身によるデューティ比の変化を利用するので、複雑なフィードバック制御を不要とすることができ、回路構成を簡単にすることができ、よって、低コストで達成することができる。
【0026】
請求項3記載の発明によれば、上記特性を持つ回路としてオペアンプを用いた無安定マルチバイブレータとすることで、特殊部品を用いることなく、回路構成を簡単にすることができる。
【0027】
請求項4記載の発明によれば、オペアンプの電源電圧として、前記電源電圧Vpまたは前記電源電圧Vpの変動を反映した電圧が供給され、オペアンプの+側端子に出力電圧と所定電圧との電圧を抵抗Rsと抵抗Rfとで分圧した電圧が帰還されることにより、電源電圧の上昇と共に等価印加電圧が増加するという常識に反して、ほぼ一定の等価印加電圧とすることができる。
【0028】
請求項5記載の発明によれば、抵抗Rfと抵抗Rsの比率を適宜に設定することにより、要求される等価印加電圧の変動割合を満足するように簡単に設計することができるようになる。
【0029】
請求項6記載の発明によれば、電源電圧が高いときには発振し、電源電圧が低いときには発振しないようにして、電源電圧が高いときの消費電力を節約することができるようになる。
【0030】
請求項7記載の発明によれば、ツェナダイオードによって所定電圧を簡単に生成することができると共に、電源電圧VpがVzよりも小さくなると、所定電圧が印加されないようにして、発振を停止させることができるようになる。
【0031】
請求項8記載の発明によれば、複数の所定電圧のうちのいずれかの所定電圧を選択的に出力することにより、きめ細かい制御を行なうことができるようになる。
【0032】
請求項9記載の発明によれば、本発明を経時変化するバッテリー電圧に適用することで、経時変化による影響を緩和させることができるようになる。
【0033】
請求項10記載の発明によれば、本発明を、可動部材を移動させるためではなく、可動部材を復元力に抗した位置を維持するために負荷に流すことが必要な保持電流のための回路として適用することができる。
【0034】
請求項11記載の発明によれば、本発明を電磁切換弁の電磁ソレノイドの保持電流のための回路として適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の電流制御回路を含み負荷に電流を流すための回路のブロック図の一例である。
【0036】
図1において、負荷はソレノイド10であり、ソレノイド10にはソレノイド駆動回路12が接続される。ソレノイド駆動回路12は例えば、図7や特許文献1で示されたような図9のソレノイド駆動回路とすることができ、電源電圧Vpがそれぞれ供給されている。ソレノイド駆動回路12には、ソレノイドの励磁電流の制御を行なう電流制御回路14と、本発明による保持電流の制御を行なうための電流制御回路16と、指令信号を出すための入力信号処理回路18からの信号がゲート回路を介して入力される。
【0037】
電流制御回路14は、励磁指令がONとなると、所定時間ONとなる矩形波信号を出力するもので、ワンショット回路で構成される。この所定時間とは、電磁切換弁であれば可動部材となるスプールが移動して切換完了するのに必要な時間となる。
【0038】
電流制御回路16は発振回路からなり、以下で詳述するように、そのデューティ比が電源電圧により変化する特性を持つ。この電流制御回路14と電流制御回路16との出力をOR回路等で加算することにより、図10(b)に示すようなスイッチ制御信号が生成される。
【0039】
図1は、ソレノイド10が電磁切換弁の電磁ソレノイドとして使用された例である。複数のソレノイド10に対応して、各々ソレノイド駆動回路12、電流制御回路14及び入力信号処理回路18が備えられている。但し、電流制御回路16は共通となっており、そのために、電流制御回路16は、各電磁切換弁のON/OFFの影響を受けて電源電圧が変動しやすい状況にある。
【0040】
図2は、本発明による電流制御回路16の詳細回路図であり、発振回路であるオペアンプを用いた無安定マルチバイブレータ20で構成される。
【0041】
図において、無安定マルチバイブレータ20は、オペアンプ22を備えており、オペアンプ22の電源電圧としては、一定電圧ではなく変動し得る電源電圧Vpが供給される。この場合、電源電圧Vpそのものではなくとも、電源電圧Vpに比例する電圧等の電源電圧Vpの変動を反映した電圧が供給されればよい。そして、オペアンプ22の−側端子には、コンデンサCtと抵抗Rtとからなる直列回路24の抵抗RtとコンデンサCtとの接続点が接続される。また、オペアンプ22の+側端子には、抵抗Rsと抵抗Rfとの接続点が接続される。抵抗Rfの一端には、オペアンプ22の出力電圧Voが印加される。そして、抵抗Rsの一端には、基準電圧回路26を構成するツェナダイオードZDが接続されており、変動し得る電源電圧Vpに対して所定電圧Vzが印加されている。よって、オペアンプ22の+側端子には、出力電圧Voと所定電圧Vzとの電圧を抵抗Rsと抵抗Rfとで分圧した電圧が正帰還されている。
【0042】
以上の無安定マルチバイブレータの作用を説明すると、次のようになる。抵抗Rsと抵抗Rfとの接続点の電圧Vtは、
【0043】
【数1】
となる。ここで、
【数2】
とおいた。
【0044】
オペアンプ22の出力が、Vo=Vohのとき、つまり電流を吐き出す方向で飽和しているときは、コンデンサCtに充電中であり、抵抗Rsと抵抗Rfとの接続点の電圧Vtは、(1)式より
【0045】
【数3】
となり、オペアンプ22の出力が、Vo=Volのとき、つまり、電流を吸い込む方向で飽和しているときは、コンデンサCtから放電中であり、抵抗Rsと抵抗Rfとの接続点の電圧Vtは、(1)式より
【0046】
【数4】
となる。
【0047】
コンデンサCtの電圧をVc(t)とすると、充電中は、
【数5】
となる。ここで、τ≡Ct・Rtであり、Vclは発振が持続しているときのVcの最小値で、充電の初期値となる。また、放電中は、
【0048】
【数6】
となり、Vchは発振が持続しているときのVcの最大値で、放電の初期値となる。
【0049】
オペアンプ22の出力は、Vc=Vtのときに反転するから、Vcl=Vtl、Vch=Vthである。
【0050】
コンデンサCtの電圧がVchになるまでの充電時間をtcとすると、(4)式から
【数7】
となるので、この式を変形すると、充電時間tcは、
【数8】
で求められる。ここに、(2)、(3)式を用いて、Vth、Vtlを消去して整理すると、
【0051】
【数9】
となる。
【0052】
同様に、コンデンサCtの電圧がVclになるまでの放電時間をtdとすると、(5)式から
【0053】
【数10】
となるので、この式を変形すると、放電時間tdは、
【0054】
【数11】
となる。ここに、(2)、(3)式を用いて、Vth、Vtlを消去して整理すると、
【0055】
【数12】
となる。
【0056】
発振周期Tは、
【数13】
であり、デューティ比Rdは、Rd=tc/Tであるから、
【0057】
【数14】
となる。上記式からRdは、時定数τには無関係であることが分かる。
【0058】
図1に例示するように電源電圧Vpが供給されると共にその電源電圧Vpの供給が電流制御回路16のデューティ比Rdによってスイッチング制御されるソレノイド10に対して実質的に印加される等価印加電圧は、Ve=Rd×Vpとなる。
【0059】
オペアンプ22の電源電圧は、電源電圧Vpの変動下にあるので、Vohは電源電圧Vpの影響を受け、通常電源電圧Vpより若干小さい値を持つ一方、Volは電源電圧Vpの影響をほとんど受けない。さらにオペアンプ22には、その+側端子に出力電圧Vo(Voh,Vol)と所定電圧Vzとの電圧を抵抗Rsと抵抗Rfとで分圧した電圧が帰還されており、抵抗Rsの一端には電源電圧Vpによらない所定電圧Vzが印加されるために、電源電圧Vpの変動の影響を受けてデューティ比Rd=tvoh/(tvoh+tvol)、(tvoh=tc:Vohの出力継続時間、tvol=td:Volの出力継続時間)が変化する特性を持つ。具体的には、電源電圧Vpが上昇するに連れて、デューティ比が減少し、電源電圧が減少するに連れて、デューティ比が増加する特性を備える。このとき、発振周波数も変化する。この特性は、外部の電流値といった検出値をフィードバック制御する必要なく、無安定マルチバイブレータ20自身によって達成されるために、この特性を利用すれば、特別な部品を用いることなく簡単な構成で電源電圧Vpを相殺して、等価印加電圧Veが電源電圧Vpの変動割合よりも小さい変動割合となるようにすることができる。
【0060】
さらに、kを適切な範囲の値に選択することによって、電源電圧Vpの変動に対する等価印加電圧Ve=Rd×Vpの変動が所定の範囲に収まるように設定することができる。
【0061】
ここで、kの値とデューティ比Rdの関係、kの値と等価印加電圧Veとの関係を定性的に見るために、Vp=Vps(1+ΔVp)(Vps:基準電圧(または定格電圧))とし、便宜上、Voh=Vp−a・Vps、Vol=b・Vps、Vz=c・Vpsとして、(8)式を用いて、様々なk(0<k<1)に対して、Vp/Vpsを横軸に、デューティ比Rdを縦軸としたグラフを描くと図3Aに示すようになり、Vp/Vpsを横軸に、Ve/Ves(Vesは、Vp=VpsのときのVeである)を縦軸としたグラフを描くと、図3Bに示すようになる。尚、図3のグラフを作成するに当たり、a、b、cのパラメータについては、(a)はc=0.4、即ちVz=0.4Vps、(b)はc=0.6、即ちVz=0.6Vpsとし、a=0.04、b=0.03とした。実際の一般的なオペアンプでは、上述のように、Vohは、オペアンプに供給される電源電圧に対して1V程度低く、また、Volは、オペアンプに供給される電源電圧にほとんど依存しないほぼ一定値をとるが、上記式のようにVoh=Vp−a・Vps、Vol=b・Vpsと近似してもその傾向は変わるものではない。
【0062】
図3Aから、電源電圧Vpの基準電圧(定格電圧)Vpsの増加・減少に対して、デューティ比Rdが反対の減少・増加の傾向になることが分かり、図3Bから、電源電圧Vpの基準電圧(定格電圧)Vpsに対する変動割合に対して、等価印加電圧Veの基準等価印加電圧Vesに対する変動割合を小さくすることができることが分かる。kを所望の範囲(例えば0.9前後または0.9以上)に設定することにより、等価印加電圧Veをほとんど変化しないようにすることができる。よって、要求される許容変動幅に対して、これを満足するようにRsとRfを選択することによって、仕様を満足する回路の設計を行なうことができる。
【0063】
以上の例は、電流制御回路16の随時の電源電圧変動に対応する例であったが、本発明は電源電圧が所定値以上にあるときにデューティ比をその電源電圧に応じて発振させて、所定値以下の範囲で発振させないようにして、使用することも可能である。
【0064】
この場合に、図2の回路構成は変わらないが、Vzの値を、前記所定値となるように設定する。Vp>Vzの関係にある場合には、図2の等価回路は図4(a)のように表され、電流制御回路16は、電源電圧Vpの大きさに依存したデューティ比で発振する。一方、Vp<Vzの関係にある場合には、図2の等価回路は図4(b)のように表され、常時、Vt>Vohとなり、発振が停止する。
【0065】
これによれば、例えば図5に示すように、電源電圧Vpが経時的に減少していく傾向のあるバッテリー電圧のようなものの場合に、電源電圧Vpが所定電圧Vzよりも大きい範囲では発振して、電源電圧Vpが低下して所定電圧Vzよりも小さくなると、発振が停止する。よって、所定電圧Vzを定格電圧に設定すれば、電源電圧Vpが定格電圧以上である場合には発振をして消費電力を節約し、電源電圧が定格電圧以下となった場合には、フル出力とすることができるようになる。
【0066】
図6は、本発明によるさらに別の発振回路20−1を持つ電流制御回路の例であり、この例では、基準電圧回路26−1が複数の所定電圧Vzを出力可能となっている点で、前実施形態と異なっている。具体的には、基準電圧回路26−1は、電圧の異なるツェナダイオードVz1、Vz2、及びスイッチS1を有しており、切換信号により所定電圧Vz1と所定電圧Vz2を切り換えている。
【0067】
所定電圧Vz1と所定電圧Vz2との値の設定及び切換を適宜行なうことにより、さらに細かい制御が可能となる。例えば、所定電圧Vz1と所定電圧Vz2とを切り換えることで、基準デューティ比を変化させることが可能になる。または、所定電圧Vz1によって発振を停止させ、所定電圧Vz2によって発振を発生させる、または、その逆の制御を行なうといったことも可能である。さらには、図5の制御と組み合わせて、図5(a)の電源電圧Vpの経時的変化に対する閾値をVz1に設定する一方で、所定電圧Vz2によって、デューティ比を変化させるといった制御も可能である。
【0068】
本実施形態によれば、以下の効果を有する。
・簡単な構成で電源電圧の変動に対して補正を行なうことができ、低コストで実現できる。
・電源の定格電圧に対して使用上許容できる範囲を広げることができる。使用上許可する電圧を低めに設定すると、保持電流を予め高めに設定する必要があり、省エネルギー効果を損なうことになり、逆に保持電流を低めにすると使用する電圧の許容範囲が狭くなるが、本発明では、かかる問題を一掃することができる。
・負荷への電流値を電圧のデューティ比により制御しているために、定格電圧が同じであれば、異なる電力の負荷に対して同じ電流制御回路を使用することができる。例えば、電磁切換弁においても、弁のサイズによって、必要な励磁電流、保持電流の値が異なるソレノイドが複数種類あるが、同じデューティ比制御が適用できるので、これらの複数のソレノイドに対して1つの電流制御回路を共通に使用することができ、低コストとすることができる。
【0069】
尚、以上の例においては、電磁切換弁におけるソレノイドのための電流制御回路を例にとったが、これに限るものではなく、電流制御が必要な任意の負荷に対して適用することが可能である。例えば、電磁開閉器の場合においても、コイルの焼付け・発熱を防止するために、保持電流を励磁電流よりも低くすると好ましいが、そのような保持電流の電流制御回路として、本発明の電流制御回路は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の電流制御回路を含み負荷に電流を流すための回路のブロック図の一例である。
【図2】本発明の電流制御回路の回路図である。
【図3A】k=Rf/(Rs+Rf)の値に応じた電源電圧の変動に対するデューティ比の変化を表すグラフである。
【図3B】k=Rf/(Rs+Rf)の値に応じた電源電圧の変動に対する等価印加電圧の変動を表すグラフである。
【図4】(a)はVp>Vzの関係にある場合の図2の等価回路、(b)はVp<Vzの関係にある場合の図2の等価回路である。
【図5】電源電圧Vpが経時的に減少していく場合の、出力電圧と等価印加電圧の波形図である。
【図6】本発明によるさらに別の電流制御回路の回路図である。
【図7】従来の電磁切換弁の電磁ソレノイドを駆動するためのソレノイド駆動回路と電流制御回路を表す回路図である。
【図8】図7の回路の励磁指令、スイッチ制御信号及びソレノイド電流の波形図である。
【図9】さらに別の従来の電磁切換弁の電磁ソレノイドを駆動するためのソレノイド駆動回路と電流制御回路を表す回路図である。
【図10】図9の回路の励磁指令、スイッチ制御信号及びソレノイド電流の波形図である。
【符号の説明】
【0071】
10 ソレノイド(負荷)
16 電流制御回路
20 無安定マルチバイブレータ(発振回路)
22 オペアンプ
26 基準電圧回路
Rs,Rf 抵抗
ZD ツェナダイオード
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁切換弁や電磁開閉器のソレノイドのような負荷に流す電流を制御する電流制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁切換弁を例にとって説明すると、従来、電磁切換弁においては、ボディ内に摺動可能に挿入され、スプリングによって中立状態に付勢されるスプールを、電磁ソレノイドの励磁により、プッシュピンを介して押圧して移動させて、流路を切り換えるようになっている。
【0003】
このような電磁ソレノイドを駆動するための従来のソレノイド駆動回路と電流制御回路としては、図7に示すものが知られている。スイッチング素子SWが電磁ソレノイド1に直列に接続されており、スイッチング素子SWのゲートには、電流制御回路4からのスイッチング制御信号が印加されるようになっている。そして、図8に示すように、外部から入力される励磁指令がONになると、電流制御回路4から、励磁指令ONの間中ONとなるスイッチ制御信号が出力され、電源電圧による定格のソレノイド電流を流し、励磁指令がOFFになると、電流制御回路4からのスイッチ制御信号をOFFとする。尚、電磁ソレノイドには、サージアブソーバとしてのバリスタ2が並列に接続されている。
【0004】
しかしながら図7に示す回路であると、スプールの切換完了後にも、電源電圧による定格のソレノイド電流が流れ続ける。スプールをスプリングの付勢力に抗して切換状態を保持するために本来必要な電流は、切換時の定格のソレノイド電流よりも小さくて済むために、切換完了後も定格のソレノイド電流を流し続けると、そのほとんどがジュール熱となって放熱してしまい、消費電力の無駄となってしまうという問題がある。
【0005】
かかる問題を回避するために、特許文献1で提案する駆動回路では、図9に示すように、電源の両端子間に、電磁ソレノイド1と第1スイッチング素子SW1とを直列に接続し、その電磁ソレノイド1に、還流ダイオード6と第2スイッチング素子SW2との直列回路と、サージアブソーバ2とをそれぞれ並列に接続している。電流制御回路4は、第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2とをON/OFF制御しており、図10に示すように、励磁指令がONの間、第2スイッチング素子をONにし、励磁指令がONになってからスプールによる切換が完了するまでは、第1スイッチング素子をONにし続け、その後、励磁指令がOFFになるまでは、第1スイッチング素子を所定の周期でON/OFFして電磁ソレノイドに流れる電流を制御している。
【0006】
これによって、スプールの移動による切換完了までは電磁ソレノイド1に定格電流を流してスプールを駆動する励磁電流とし、切換完了後はスプールが切換状態を保つために十分なソレノイド吸引力となるような保持電流となるように、スイッチング制御することにより電磁ソレノイド1に流れる電流を低減する。このとき、スイッチング制御により電磁ソレノイド1への電圧印加がOFFになる時間は、ソレノイド1に蓄えられた磁気エネルギーによる電流を還流ダイオード6を経由してソレノイド1に流している。また、励磁指令がOFFになると、還流ダイオード6を経由する還流回路を絶って、ソレノイドに蓄えられた磁気エネルギーによる電流をサージアブソーバ2で吸収して応答遅れが生じないようにしている。こうして、特許文献1の構成によれば消費電力を低減させることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2001−132866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、電源電圧の変動があった場合、それに伴って保持電流が変動するため、変動の大きさによっては、保持電流が低くなりすぎて、ソレノイドを十分に保持することができず、切換不良を起こすおそれがある、という問題がある。
【0009】
このような電源電圧の変動は、例えば、共通の電源電圧によって複数の電磁切換弁を独自のタイミングでON/OFF制御する場合において、1つの電磁切換弁が保持状態にあるときに、別の電磁切換弁がONとなるとき等に発生するおそれがある。
【0010】
または、他の例として、電源にバッテリーを使う場合、バッテリーの出力電圧が充電直後は高く(定格電圧よりも高く)、経時的に漸次減少していく、という時間的にゆっくりとした変動が挙げられる。この場合、充電直後のフル出力は、消費電力の無駄使いとなり、バッテリーの消耗を早めることになる。
【0011】
一般的に電源電圧変動に対する常套的解決手段としては、保持電流を検出しフィードバックして、パルス幅を制御するようなPWM制御を行なうことが考えられるが、そのような解決手段は、負荷毎にそれぞれ電流検出回路とPWM制御演算回路を設ける必要があるため構成が複雑になり、品質的にも故障発生確立が高く、高価になるという問題がある。
【0012】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、負荷に流れる電流を電圧のデューティ比で制御するものにおいて、電源電圧の影響を受けない電流制御回路を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、電源電圧Vpに基づき2つの異なる電圧Voh、Volが発振出力可能となり、該2つの電圧のデューティ比Rd=tvoh/(tvoh+tvol)、(tvoh:Vohの出力継続時間、tvol:Volの出力継続時間、|Voh|>|Vol|)によって負荷に流れる電流を制御するための電流制御回路において、
電源電圧Vpが上昇するに連れてデューティ比が減少し、電源電圧Vpが減少するに連れてデューティ比が増加する特性をそれ自身が持つ発振回路を有することを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、電源電圧Vpに基づき2つの異なる電圧Voh、Volが発振出力可能となり、該2つの電圧のデューティ比Rd=tvoh/(tvoh+tvol)、(tvoh:Vohの出力継続時間、tvol:Volの出力継続時間、|Voh|>|Vol|)によって負荷に流れる電流を制御する電流制御回路において、
電源電圧Vpの変動割合よりも、等価印加電圧Ve≡Vp・Rdの変動割合が小さくなるようにデューティ比Rdが変化する特性をそれ自身が持つ発振回路を有することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の前記発振回路が、オペアンプを用いた無安定マルチバイブレータからなることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の前記発振回路が、オペアンプを用いた無安定マルチバイブレータからなり、該オペアンプは、その電源電圧として、前記電源電圧Vpまたは前記電源電圧Vpの変動を反映した電圧が供給され、発振時に、その−側端子に、直列接続された抵抗RtとコンデンサCtとの接続点が接続され、その+側端子に、一端にオペアンプの出力電圧が印加された抵抗Rfの他端と一端に所定電圧Vzが印加された抵抗Rsの他端との接続点が接続されることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の抵抗Rfと抵抗Rsの抵抗値の比率が、電源電圧Vpの変動割合に対する等価印加電圧Ve=Vp・Rdの変動割合が所望の範囲となるように設定されることを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の前記発振回路が、電源電圧Vp>所定電圧Vzを満足する場合には発振して2つの電圧Voh、Volを交互に出力し、電源電圧Vp<所定電圧Vzを満足する場合には発振を停止してVohのみを出力することを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項4ないし6のいずれか1項に記載の前記所定電圧Vzが、ツェナダイオードZDからなる基準電圧回路によって生成されることを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の前記基準電圧回路が、複数の所定電圧のうちのいずれかの所定電圧を選択的に出力可能であることを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の前記電源電圧が、バッテリー電圧であることを特徴とする。
【0022】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電流制御回路が、可動部材を復元力に抗した位置に維持するために負荷に流すことが必要な保持電流のための回路であることを特徴とする。
【0023】
請求項11記載の発明は、請求項10記載のものが、電磁切換弁の電磁ソレノイドの保持電流のための回路であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載の発明によれば、電源電圧が上昇するに連れてデューティ比が減少し、電源電圧が減少するに連れてデューティ比が増加する特性を発振回路がそれ自身で持つことにより、電源電圧の変動に拘わらず、負荷に流れる電流をほぼ等しくなるように補正することができる。発振回路自身によるデューティ比の変化を利用するので、複雑なフィードバック制御を不要とすることができ、回路構成を簡単にすることができ、よって、低コストで達成することができる。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、電源電圧Vpの変動よりも等価印加電圧Ve≡Vp・Rdの変動が小さくなるようにデューティ比Rdが変化する特性を発振回路がそれ自身で持つことにより、電源電圧の変動に拘わらず、負荷に流れる電流をほぼ等しくなるように補正することができる。発振回路自身によるデューティ比の変化を利用するので、複雑なフィードバック制御を不要とすることができ、回路構成を簡単にすることができ、よって、低コストで達成することができる。
【0026】
請求項3記載の発明によれば、上記特性を持つ回路としてオペアンプを用いた無安定マルチバイブレータとすることで、特殊部品を用いることなく、回路構成を簡単にすることができる。
【0027】
請求項4記載の発明によれば、オペアンプの電源電圧として、前記電源電圧Vpまたは前記電源電圧Vpの変動を反映した電圧が供給され、オペアンプの+側端子に出力電圧と所定電圧との電圧を抵抗Rsと抵抗Rfとで分圧した電圧が帰還されることにより、電源電圧の上昇と共に等価印加電圧が増加するという常識に反して、ほぼ一定の等価印加電圧とすることができる。
【0028】
請求項5記載の発明によれば、抵抗Rfと抵抗Rsの比率を適宜に設定することにより、要求される等価印加電圧の変動割合を満足するように簡単に設計することができるようになる。
【0029】
請求項6記載の発明によれば、電源電圧が高いときには発振し、電源電圧が低いときには発振しないようにして、電源電圧が高いときの消費電力を節約することができるようになる。
【0030】
請求項7記載の発明によれば、ツェナダイオードによって所定電圧を簡単に生成することができると共に、電源電圧VpがVzよりも小さくなると、所定電圧が印加されないようにして、発振を停止させることができるようになる。
【0031】
請求項8記載の発明によれば、複数の所定電圧のうちのいずれかの所定電圧を選択的に出力することにより、きめ細かい制御を行なうことができるようになる。
【0032】
請求項9記載の発明によれば、本発明を経時変化するバッテリー電圧に適用することで、経時変化による影響を緩和させることができるようになる。
【0033】
請求項10記載の発明によれば、本発明を、可動部材を移動させるためではなく、可動部材を復元力に抗した位置を維持するために負荷に流すことが必要な保持電流のための回路として適用することができる。
【0034】
請求項11記載の発明によれば、本発明を電磁切換弁の電磁ソレノイドの保持電流のための回路として適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の電流制御回路を含み負荷に電流を流すための回路のブロック図の一例である。
【0036】
図1において、負荷はソレノイド10であり、ソレノイド10にはソレノイド駆動回路12が接続される。ソレノイド駆動回路12は例えば、図7や特許文献1で示されたような図9のソレノイド駆動回路とすることができ、電源電圧Vpがそれぞれ供給されている。ソレノイド駆動回路12には、ソレノイドの励磁電流の制御を行なう電流制御回路14と、本発明による保持電流の制御を行なうための電流制御回路16と、指令信号を出すための入力信号処理回路18からの信号がゲート回路を介して入力される。
【0037】
電流制御回路14は、励磁指令がONとなると、所定時間ONとなる矩形波信号を出力するもので、ワンショット回路で構成される。この所定時間とは、電磁切換弁であれば可動部材となるスプールが移動して切換完了するのに必要な時間となる。
【0038】
電流制御回路16は発振回路からなり、以下で詳述するように、そのデューティ比が電源電圧により変化する特性を持つ。この電流制御回路14と電流制御回路16との出力をOR回路等で加算することにより、図10(b)に示すようなスイッチ制御信号が生成される。
【0039】
図1は、ソレノイド10が電磁切換弁の電磁ソレノイドとして使用された例である。複数のソレノイド10に対応して、各々ソレノイド駆動回路12、電流制御回路14及び入力信号処理回路18が備えられている。但し、電流制御回路16は共通となっており、そのために、電流制御回路16は、各電磁切換弁のON/OFFの影響を受けて電源電圧が変動しやすい状況にある。
【0040】
図2は、本発明による電流制御回路16の詳細回路図であり、発振回路であるオペアンプを用いた無安定マルチバイブレータ20で構成される。
【0041】
図において、無安定マルチバイブレータ20は、オペアンプ22を備えており、オペアンプ22の電源電圧としては、一定電圧ではなく変動し得る電源電圧Vpが供給される。この場合、電源電圧Vpそのものではなくとも、電源電圧Vpに比例する電圧等の電源電圧Vpの変動を反映した電圧が供給されればよい。そして、オペアンプ22の−側端子には、コンデンサCtと抵抗Rtとからなる直列回路24の抵抗RtとコンデンサCtとの接続点が接続される。また、オペアンプ22の+側端子には、抵抗Rsと抵抗Rfとの接続点が接続される。抵抗Rfの一端には、オペアンプ22の出力電圧Voが印加される。そして、抵抗Rsの一端には、基準電圧回路26を構成するツェナダイオードZDが接続されており、変動し得る電源電圧Vpに対して所定電圧Vzが印加されている。よって、オペアンプ22の+側端子には、出力電圧Voと所定電圧Vzとの電圧を抵抗Rsと抵抗Rfとで分圧した電圧が正帰還されている。
【0042】
以上の無安定マルチバイブレータの作用を説明すると、次のようになる。抵抗Rsと抵抗Rfとの接続点の電圧Vtは、
【0043】
【数1】
となる。ここで、
【数2】
とおいた。
【0044】
オペアンプ22の出力が、Vo=Vohのとき、つまり電流を吐き出す方向で飽和しているときは、コンデンサCtに充電中であり、抵抗Rsと抵抗Rfとの接続点の電圧Vtは、(1)式より
【0045】
【数3】
となり、オペアンプ22の出力が、Vo=Volのとき、つまり、電流を吸い込む方向で飽和しているときは、コンデンサCtから放電中であり、抵抗Rsと抵抗Rfとの接続点の電圧Vtは、(1)式より
【0046】
【数4】
となる。
【0047】
コンデンサCtの電圧をVc(t)とすると、充電中は、
【数5】
となる。ここで、τ≡Ct・Rtであり、Vclは発振が持続しているときのVcの最小値で、充電の初期値となる。また、放電中は、
【0048】
【数6】
となり、Vchは発振が持続しているときのVcの最大値で、放電の初期値となる。
【0049】
オペアンプ22の出力は、Vc=Vtのときに反転するから、Vcl=Vtl、Vch=Vthである。
【0050】
コンデンサCtの電圧がVchになるまでの充電時間をtcとすると、(4)式から
【数7】
となるので、この式を変形すると、充電時間tcは、
【数8】
で求められる。ここに、(2)、(3)式を用いて、Vth、Vtlを消去して整理すると、
【0051】
【数9】
となる。
【0052】
同様に、コンデンサCtの電圧がVclになるまでの放電時間をtdとすると、(5)式から
【0053】
【数10】
となるので、この式を変形すると、放電時間tdは、
【0054】
【数11】
となる。ここに、(2)、(3)式を用いて、Vth、Vtlを消去して整理すると、
【0055】
【数12】
となる。
【0056】
発振周期Tは、
【数13】
であり、デューティ比Rdは、Rd=tc/Tであるから、
【0057】
【数14】
となる。上記式からRdは、時定数τには無関係であることが分かる。
【0058】
図1に例示するように電源電圧Vpが供給されると共にその電源電圧Vpの供給が電流制御回路16のデューティ比Rdによってスイッチング制御されるソレノイド10に対して実質的に印加される等価印加電圧は、Ve=Rd×Vpとなる。
【0059】
オペアンプ22の電源電圧は、電源電圧Vpの変動下にあるので、Vohは電源電圧Vpの影響を受け、通常電源電圧Vpより若干小さい値を持つ一方、Volは電源電圧Vpの影響をほとんど受けない。さらにオペアンプ22には、その+側端子に出力電圧Vo(Voh,Vol)と所定電圧Vzとの電圧を抵抗Rsと抵抗Rfとで分圧した電圧が帰還されており、抵抗Rsの一端には電源電圧Vpによらない所定電圧Vzが印加されるために、電源電圧Vpの変動の影響を受けてデューティ比Rd=tvoh/(tvoh+tvol)、(tvoh=tc:Vohの出力継続時間、tvol=td:Volの出力継続時間)が変化する特性を持つ。具体的には、電源電圧Vpが上昇するに連れて、デューティ比が減少し、電源電圧が減少するに連れて、デューティ比が増加する特性を備える。このとき、発振周波数も変化する。この特性は、外部の電流値といった検出値をフィードバック制御する必要なく、無安定マルチバイブレータ20自身によって達成されるために、この特性を利用すれば、特別な部品を用いることなく簡単な構成で電源電圧Vpを相殺して、等価印加電圧Veが電源電圧Vpの変動割合よりも小さい変動割合となるようにすることができる。
【0060】
さらに、kを適切な範囲の値に選択することによって、電源電圧Vpの変動に対する等価印加電圧Ve=Rd×Vpの変動が所定の範囲に収まるように設定することができる。
【0061】
ここで、kの値とデューティ比Rdの関係、kの値と等価印加電圧Veとの関係を定性的に見るために、Vp=Vps(1+ΔVp)(Vps:基準電圧(または定格電圧))とし、便宜上、Voh=Vp−a・Vps、Vol=b・Vps、Vz=c・Vpsとして、(8)式を用いて、様々なk(0<k<1)に対して、Vp/Vpsを横軸に、デューティ比Rdを縦軸としたグラフを描くと図3Aに示すようになり、Vp/Vpsを横軸に、Ve/Ves(Vesは、Vp=VpsのときのVeである)を縦軸としたグラフを描くと、図3Bに示すようになる。尚、図3のグラフを作成するに当たり、a、b、cのパラメータについては、(a)はc=0.4、即ちVz=0.4Vps、(b)はc=0.6、即ちVz=0.6Vpsとし、a=0.04、b=0.03とした。実際の一般的なオペアンプでは、上述のように、Vohは、オペアンプに供給される電源電圧に対して1V程度低く、また、Volは、オペアンプに供給される電源電圧にほとんど依存しないほぼ一定値をとるが、上記式のようにVoh=Vp−a・Vps、Vol=b・Vpsと近似してもその傾向は変わるものではない。
【0062】
図3Aから、電源電圧Vpの基準電圧(定格電圧)Vpsの増加・減少に対して、デューティ比Rdが反対の減少・増加の傾向になることが分かり、図3Bから、電源電圧Vpの基準電圧(定格電圧)Vpsに対する変動割合に対して、等価印加電圧Veの基準等価印加電圧Vesに対する変動割合を小さくすることができることが分かる。kを所望の範囲(例えば0.9前後または0.9以上)に設定することにより、等価印加電圧Veをほとんど変化しないようにすることができる。よって、要求される許容変動幅に対して、これを満足するようにRsとRfを選択することによって、仕様を満足する回路の設計を行なうことができる。
【0063】
以上の例は、電流制御回路16の随時の電源電圧変動に対応する例であったが、本発明は電源電圧が所定値以上にあるときにデューティ比をその電源電圧に応じて発振させて、所定値以下の範囲で発振させないようにして、使用することも可能である。
【0064】
この場合に、図2の回路構成は変わらないが、Vzの値を、前記所定値となるように設定する。Vp>Vzの関係にある場合には、図2の等価回路は図4(a)のように表され、電流制御回路16は、電源電圧Vpの大きさに依存したデューティ比で発振する。一方、Vp<Vzの関係にある場合には、図2の等価回路は図4(b)のように表され、常時、Vt>Vohとなり、発振が停止する。
【0065】
これによれば、例えば図5に示すように、電源電圧Vpが経時的に減少していく傾向のあるバッテリー電圧のようなものの場合に、電源電圧Vpが所定電圧Vzよりも大きい範囲では発振して、電源電圧Vpが低下して所定電圧Vzよりも小さくなると、発振が停止する。よって、所定電圧Vzを定格電圧に設定すれば、電源電圧Vpが定格電圧以上である場合には発振をして消費電力を節約し、電源電圧が定格電圧以下となった場合には、フル出力とすることができるようになる。
【0066】
図6は、本発明によるさらに別の発振回路20−1を持つ電流制御回路の例であり、この例では、基準電圧回路26−1が複数の所定電圧Vzを出力可能となっている点で、前実施形態と異なっている。具体的には、基準電圧回路26−1は、電圧の異なるツェナダイオードVz1、Vz2、及びスイッチS1を有しており、切換信号により所定電圧Vz1と所定電圧Vz2を切り換えている。
【0067】
所定電圧Vz1と所定電圧Vz2との値の設定及び切換を適宜行なうことにより、さらに細かい制御が可能となる。例えば、所定電圧Vz1と所定電圧Vz2とを切り換えることで、基準デューティ比を変化させることが可能になる。または、所定電圧Vz1によって発振を停止させ、所定電圧Vz2によって発振を発生させる、または、その逆の制御を行なうといったことも可能である。さらには、図5の制御と組み合わせて、図5(a)の電源電圧Vpの経時的変化に対する閾値をVz1に設定する一方で、所定電圧Vz2によって、デューティ比を変化させるといった制御も可能である。
【0068】
本実施形態によれば、以下の効果を有する。
・簡単な構成で電源電圧の変動に対して補正を行なうことができ、低コストで実現できる。
・電源の定格電圧に対して使用上許容できる範囲を広げることができる。使用上許可する電圧を低めに設定すると、保持電流を予め高めに設定する必要があり、省エネルギー効果を損なうことになり、逆に保持電流を低めにすると使用する電圧の許容範囲が狭くなるが、本発明では、かかる問題を一掃することができる。
・負荷への電流値を電圧のデューティ比により制御しているために、定格電圧が同じであれば、異なる電力の負荷に対して同じ電流制御回路を使用することができる。例えば、電磁切換弁においても、弁のサイズによって、必要な励磁電流、保持電流の値が異なるソレノイドが複数種類あるが、同じデューティ比制御が適用できるので、これらの複数のソレノイドに対して1つの電流制御回路を共通に使用することができ、低コストとすることができる。
【0069】
尚、以上の例においては、電磁切換弁におけるソレノイドのための電流制御回路を例にとったが、これに限るものではなく、電流制御が必要な任意の負荷に対して適用することが可能である。例えば、電磁開閉器の場合においても、コイルの焼付け・発熱を防止するために、保持電流を励磁電流よりも低くすると好ましいが、そのような保持電流の電流制御回路として、本発明の電流制御回路は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の電流制御回路を含み負荷に電流を流すための回路のブロック図の一例である。
【図2】本発明の電流制御回路の回路図である。
【図3A】k=Rf/(Rs+Rf)の値に応じた電源電圧の変動に対するデューティ比の変化を表すグラフである。
【図3B】k=Rf/(Rs+Rf)の値に応じた電源電圧の変動に対する等価印加電圧の変動を表すグラフである。
【図4】(a)はVp>Vzの関係にある場合の図2の等価回路、(b)はVp<Vzの関係にある場合の図2の等価回路である。
【図5】電源電圧Vpが経時的に減少していく場合の、出力電圧と等価印加電圧の波形図である。
【図6】本発明によるさらに別の電流制御回路の回路図である。
【図7】従来の電磁切換弁の電磁ソレノイドを駆動するためのソレノイド駆動回路と電流制御回路を表す回路図である。
【図8】図7の回路の励磁指令、スイッチ制御信号及びソレノイド電流の波形図である。
【図9】さらに別の従来の電磁切換弁の電磁ソレノイドを駆動するためのソレノイド駆動回路と電流制御回路を表す回路図である。
【図10】図9の回路の励磁指令、スイッチ制御信号及びソレノイド電流の波形図である。
【符号の説明】
【0071】
10 ソレノイド(負荷)
16 電流制御回路
20 無安定マルチバイブレータ(発振回路)
22 オペアンプ
26 基準電圧回路
Rs,Rf 抵抗
ZD ツェナダイオード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源電圧Vpに基づき2つの異なる電圧Voh、Volが発振出力可能となり、該2つの電圧のデューティ比Rd=tvoh/(tvoh+tvol)、(tvoh:Vohの出力継続時間、tvol:Volの出力継続時間、|Voh|>|Vol|)によって負荷に流れる電流を制御するための電流制御回路において、
電源電圧Vpが上昇するに連れてデューティ比が減少し、電源電圧Vpが減少するに連れてデューティ比が増加する特性をそれ自身が持つ発振回路を有することを特徴とする電流制御回路。
【請求項2】
電源電圧Vpに基づき2つの異なる電圧Voh、Volが発振出力可能となり、該2つの電圧のデューティ比Rd=tvoh/(tvoh+tvol)、(tvoh:Vohの出力継続時間、tvol:Volの出力継続時間、|Voh|>|Vol|)によって負荷に流れる電流を制御する電流制御回路において、
電源電圧Vpの変動割合よりも、等価印加電圧Ve≡Vp・Rdの変動割合が小さくなるようにデューティ比Rdが変化する特性をそれ自身が持つ発振回路を有することを特徴とする電流制御回路。
【請求項3】
前記発振回路は、オペアンプを用いた無安定マルチバイブレータからなることを特徴とする請求項1または2記載の電流制御回路。
【請求項4】
前記発振回路は、オペアンプを用いた無安定マルチバイブレータからなり、該オペアンプは、その電源電圧として、前記電源電圧Vpまたは前記電源電圧Vpの変動を反映した電圧が供給され、発振時に、その−側端子に、直列接続された抵抗RtとコンデンサCtとの接続点が接続され、その+側端子に、一端にオペアンプの出力電圧が印加された抵抗Rfの他端と一端に所定電圧Vzが印加された抵抗Rsの他端との接続点が接続されることを特徴とする請求項1または2記載の電流制御回路。
【請求項5】
前記抵抗Rfと抵抗Rsの抵抗値の比率が、電源電圧Vpの変動割合に対する等価印加電圧Ve=Vp・Rdの変動割合が所望の範囲となるように設定されることを特徴とする請求項4記載の電流制御回路。
【請求項6】
前記発振回路は、電源電圧Vp>所定電圧Vzを満足する場合には発振して2つの電圧Voh、Volを交互に出力し、電源電圧Vp<所定電圧Vzを満足する場合には発振を停止してVohのみを出力することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電流制御回路。
【請求項7】
前記所定電圧Vzは、ツェナダイオードZDからなる基準電圧回路によって生成されることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の電流制御回路。
【請求項8】
前記基準電圧回路は、複数の所定電圧のうちのいずれかの所定電圧を選択的に出力可能であることを特徴とする請求項7記載の電流制御回路。
【請求項9】
前記電源電圧は、バッテリー電圧であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電流制御回路。
【請求項10】
可動部材を復元力に抗した位置に維持するために前記負荷に流すことが必要な保持電流のための回路であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電流制御回路。
【請求項11】
電磁切換弁の電磁ソレノイドの保持電流のための回路であることを特徴とする請求項10記載の電流制御回路。
【請求項1】
電源電圧Vpに基づき2つの異なる電圧Voh、Volが発振出力可能となり、該2つの電圧のデューティ比Rd=tvoh/(tvoh+tvol)、(tvoh:Vohの出力継続時間、tvol:Volの出力継続時間、|Voh|>|Vol|)によって負荷に流れる電流を制御するための電流制御回路において、
電源電圧Vpが上昇するに連れてデューティ比が減少し、電源電圧Vpが減少するに連れてデューティ比が増加する特性をそれ自身が持つ発振回路を有することを特徴とする電流制御回路。
【請求項2】
電源電圧Vpに基づき2つの異なる電圧Voh、Volが発振出力可能となり、該2つの電圧のデューティ比Rd=tvoh/(tvoh+tvol)、(tvoh:Vohの出力継続時間、tvol:Volの出力継続時間、|Voh|>|Vol|)によって負荷に流れる電流を制御する電流制御回路において、
電源電圧Vpの変動割合よりも、等価印加電圧Ve≡Vp・Rdの変動割合が小さくなるようにデューティ比Rdが変化する特性をそれ自身が持つ発振回路を有することを特徴とする電流制御回路。
【請求項3】
前記発振回路は、オペアンプを用いた無安定マルチバイブレータからなることを特徴とする請求項1または2記載の電流制御回路。
【請求項4】
前記発振回路は、オペアンプを用いた無安定マルチバイブレータからなり、該オペアンプは、その電源電圧として、前記電源電圧Vpまたは前記電源電圧Vpの変動を反映した電圧が供給され、発振時に、その−側端子に、直列接続された抵抗RtとコンデンサCtとの接続点が接続され、その+側端子に、一端にオペアンプの出力電圧が印加された抵抗Rfの他端と一端に所定電圧Vzが印加された抵抗Rsの他端との接続点が接続されることを特徴とする請求項1または2記載の電流制御回路。
【請求項5】
前記抵抗Rfと抵抗Rsの抵抗値の比率が、電源電圧Vpの変動割合に対する等価印加電圧Ve=Vp・Rdの変動割合が所望の範囲となるように設定されることを特徴とする請求項4記載の電流制御回路。
【請求項6】
前記発振回路は、電源電圧Vp>所定電圧Vzを満足する場合には発振して2つの電圧Voh、Volを交互に出力し、電源電圧Vp<所定電圧Vzを満足する場合には発振を停止してVohのみを出力することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電流制御回路。
【請求項7】
前記所定電圧Vzは、ツェナダイオードZDからなる基準電圧回路によって生成されることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の電流制御回路。
【請求項8】
前記基準電圧回路は、複数の所定電圧のうちのいずれかの所定電圧を選択的に出力可能であることを特徴とする請求項7記載の電流制御回路。
【請求項9】
前記電源電圧は、バッテリー電圧であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電流制御回路。
【請求項10】
可動部材を復元力に抗した位置に維持するために前記負荷に流すことが必要な保持電流のための回路であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電流制御回路。
【請求項11】
電磁切換弁の電磁ソレノイドの保持電流のための回路であることを特徴とする請求項10記載の電流制御回路。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−180864(P2007−180864A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−376592(P2005−376592)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000003388)株式会社トキメック (103)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000003388)株式会社トキメック (103)
【Fターム(参考)】
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