説明

電源制御回路及び電子機器

【課題】 通信ケーブルを介して外部装置から電力供給があった場合、その電力供給に切り替えることが容易に行える技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 内部電源と、外部装置との間でデータ通信を行うとともに外部装置からの電力供給を受ける入出力部と、内部電源からの電力供給又は外部装置からの電力供給に基づいて動作し、画像や情報の表示を行なう表示部の機能の少なくとも一部を動作させる動作制御部と、入出力部に外部装置からの電力供給がある場合には、動作制御部への電力供給を外部装置からの電力供給に切り替える切替部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ケーブルから供給される電力を制御する電源制御回路及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394といった規格に基づいた通信ケーブルを用いて、コンピュータやプリンタ等の外部装置と電子カメラ、携帯電話又は携帯音楽プレイヤー等の電子機器とを接続して、データのやり取りだけでなく、外部装置からの電力の供給によって、電子機器の全部又は一部の機能の動作や、電子機器に内蔵されている電池の充電等を行っている。
【0003】
例えば、特許文献1では、電子ビデオカメラをACアダプタや内蔵電池からの電力で動作させるとともに、コンピュータやプリンタ等の外部装置とUSBケーブルで接続された場合には、電子ビデオカメラを、外部装置とデータ通信させるとともに、外部装置からの電力供給によって、電子ビデオカメラのUSB制御部、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)制御部及びLCD部等の一部の回路を動作させ、内蔵電池の電力消費を抑制する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−60497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の電子カメラや電子ビデオカメラ等を構成する構成要素は、様々な電圧で動作するため、一般的に、ACアダプタ又は内蔵電池からの電力は、多チャンネルのDC−DCコンバータを用いて複数の電圧を生成し、各構成要素に応じた電力を提供している。したがって、従来技術である特許文献1のように、電子ビデオカメラの一部の構成要素を、ACアダプタ又は内蔵電池からの電力供給から、通信ケーブルを介して外部装置から供給される電力で動作させるための切り替え制御が複雑となり、回路規模が増大するという問題がある。
【0006】
上記従来技術が有する問題に鑑み、本発明の目的は、通信ケーブルを介して外部装置から電力供給があった場合、その電力供給に切り替えることが容易に行える技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の電源制御回路は、内部電源と、入出力部と、動作制御部と、切替部とから構成される。入出力部は、外部装置との間でデータ通信を行うとともに外部装置からの電力供給を受け付ける。動作制御部は、内部電源からの電力供給又は外部装置からの電力供給に基づいて動作し、画像や情報の表示を行なう表示部の機能の少なくとも一部を動作させる。切替部は、入出力部に外部装置からの電力供給がある場合には、動作制御部への電力供給を外部装置からの電力供給に切り替える。
【0008】
また、動作制御部は、表示部のバックライト用制御回路であっても良い。
【0009】
また、動作制御部は、表示部の表示部制御回路であっても良い。
【0010】
また、切替部の動作に応じて、表示部のバックライト用制御回路の設定を制御する制御部をさらに備え、表示部のバックライト用制御回路は、制御部による設定に基づいて表示部のバックライトの輝度を調節するようにしても良い。
【0011】
また、切替部の動作に応じて、表示部のバックライト用制御回路の設定を制御する制御部をさらに備え、表示部のバックライト用制御回路は、制御部による設定に基づいて表示部のバックライトを一時的に消すようにしても良い。
【0012】
また、入出力部に外部装置からの電力供給がなされていることを検出する検出部をさらに備え、切替部は、検出部に応じて切り替えを行っても良い。
【0013】
また、切替部は、入出力部に外部装置からの電力供給がなされていることを検出する検出部を備え、検出部に応じて切り替えを行っても良い。
【0014】
本発明の電子機器は、本発明の電源制御回路を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、通信ケーブルを介して外部装置から電力供給があった場合、その電力供給に切り替えることが容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子カメラ100の構成図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る電源制御回路150の構成図
【図3】第1の実施形態に係る電子カメラ100の動作を示すフローチャート
【図4】第2の実施形態に係る電子カメラ100の動作を示すフローチャート
【図5】本発明の第3の実施形態に係る電源制御回路150の構成図
【図6】本発明の第4の実施形態に係る電源制御回路150の構成図
【発明を実施するための形態】
【0017】
≪第1の実施形態≫
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子カメラ100の構成図である。
【0018】
電子カメラ100は、撮像レンズ1、撮像素子2、A/D変換部3、CPU4、画像処理部5、バッファメモリ6、フラッシュ7、フラッシュ制御部8、操作部材9、記憶部10、表示部11、USB接続端子12、電源回路13及び内蔵電池14から構成される。CPU4、画像処理部5、バッファメモリ6、フラッシュ制御部8、操作部材9、記憶部10、表示部11、USB接続端子12及び電源回路13は、バス15を介して情報伝達可能に接続されている。なお、図1は電子カメラ100の主要部分のみを示す。例えば、図1において、CPU4の指令に従って、撮像素子2に撮影指示のタイミングパルスを発するタイミングジェネレータ等は省略されている。さらに、CPU4、表示部11、USB接続端子12、電源回路13及び内蔵電池14は、バス15を介して、図2に示すように、本実施形態の電子カメラ100の電源制御回路150として動作する。
【0019】
撮像レンズ1は、複数の光学レンズにより構成され、被写体からの光束を撮像素子2の受光面に結像する。
【0020】
撮像素子2は、CPU4の指令を受けてタイミングジェネレータ(不図示)が発するタイミングパルスに基づいて動作し、撮像レンズ1によって結像される被写体の像を取得する。撮像素子2には、CCDやCMOSの半導体のイメージセンサ等を適宜選択して用いることができる。
【0021】
撮像素子2から出力された画像信号は、A/D変換部3においてデジタル信号に変換され出力される。A/D変換部3は、撮像素子2とともに、CPU4の指令によりタイミングジェネレータ(不図示)が発するタイミングパルスに基づいて動作する。その出力結果は、一時的にフレームメモリ(不図示)に記録された後、バッファメモリ6に記録される。なお、バッファメモリ6には、任意の不揮発性メモリを適宜選択して用いることができる。
【0022】
CPU4は、ユーザにより操作部材9の電源釦が押されて、電子カメラ100の電源が入れられると、記憶部10に記憶されている電子カメラ100及び電源制御回路150の制御プログラムを読み込み、電子カメラ100及び電源制御回路150を初期化する。そして、CPU4は、操作部材9を介してユーザからの指示を受け付けると、制御プログラムに基づいて、撮像素子2に対して被写体の撮像、画像処理部5に対して撮像した画像の画像処理、その処理された画像の記憶部10への記録や表示部11への表示等の制御を行う。さらに、本実施形態では、後述するように、CPU4は、USBケーブル30を介して、電子カメラ100に接続されたPC等の外部装置からの電力供給に基づいた電源制御回路150の制御をも行う。
【0023】
画像処理部5は、補間処理、輪郭強調処理やホワイトバランス補正等の画像処理や、処理された画像をJPEG形式やYUV形式等のファイル形式を生成するディジタルフロントエンド回路である。
【0024】
フラッシュ7は、フラッシュ制御部8を介して、ユーザによる操作部材9の部材操作(例えば、撮影モード釦によって夜景モード等の選択や手動操作によるフラッシュ発光の設定等)に応じ、CPU4からの指示に基づいて、フラッシュ発光して被写体の撮像を行う。
【0025】
操作部材9は、ユーザによる部材操作の内容に応じた操作信号をCPU4に出力する。操作部材9は、例えば、電源釦、撮影モード等のモード設定釦及びレリーズ釦等の操作部材を有する。なお、操作部材9は、LCDパネル等の表示部11の前面に設けられるタッチパネル形式の釦であっても良い。
【0026】
記憶部10は、CPU4によって実行される電子カメラ100や電源制御回路150を制御する制御プログラム、撮像された静止画像や動画等を記憶する。記憶部10に保持されるプログラムや画像等は、バス15を介して、CPU4から適宜参照することができる。記憶部10は、一般的なハードディスク装置、光磁気ディスク装置または脱着可能なメモリカード等の記憶装置を選択して用いることができる。
【0027】
表示部11は、撮影された画像やモード設定画面等を表示する。図2に示すように、表示部11は、バックライトとして動作する発光ダイオード23a〜23c、LCD制御IC24及びLCDモニタ25から構成されている。そして、発光ダイオード23a〜23cは、CPU4の指示に基づいたバックライトドライバ22からの制御信号に応じて、それらの輝度が制御される。具体的には、バックライトドライバ22は、ACアダプタ、内蔵電池14又はUSBケーブル30のVBUSを介したPC等の外部装置からの電力供給のON/OFF制御、及び輝度調整のための電流制御を行う。LCD制御IC24は、CPU4から転送されてくる画像や動画等の表示データをLCDパネル25に表示させるための制御を行う。本実施形態では、LCD制御IC24は、後述するDC−DCコンバータの1チャンネルである+3.3Vの電力に基づいて動作する。
【0028】
USB接続端子12は、USB規格に準拠した通信ケーブルであるUSBケーブル30の接続端子であり、電子カメラ100とPCやプリンタ等の外部装置との間を通信可能に接続し、画像データや外部装置との指示等の送受信を行う。さらに、USB規格によれば、図2に示すように、USB接続端子12及びUSBケーブル30は、4種類の端子又は線から構成され、主にデータ通信のために用いられるD+線及びD−線と、電力供給用のVBUS線及びGND線から構成される。ここで、VBUS線を介して外部装置から供給される電力は、5Vの電圧及び100mA又は500mAの電流である。本実施形態において、外部装置から供給される電力は、バックライトドライバ22を介して表示部11のバックライトに供給される。
【0029】
電源回路13は、図2に示すように、ACアダプタ又は内蔵電池14からの電力を、DC−DCコンバータの共通の入力端VBATに入力し、CPU4からEnable信号を受信することにより、複数の電圧の出力を生成する。本実施形態におけるDC−DCコンバータは、6つの電圧+1.2v、+1.8V、+3.3V、+5.0V、+15.0V及び−7.0Vを出力することができ、電子カメラ100の各構成要素に応じた電圧及び電力を供給する。本実施形態のDC−DCコンバータには、一般的なDC−DCコンバータを用いることができる。なお、図2における、ACアダプタ又は内蔵電池14を切り替えるスイッチング素子は、ACアダプタからの電力入力がない場合には、内蔵電池14からの電力供給に切り替えられるものである。また、USBケーブル30がUSB接続端子12に差し込まれて、PC等の外部装置と接続されると、外部装置からの電力供給がある場合には、2つのダイオード21a−21bからなる切替部20によって、外部装置からの電力供給に切り替えられる。即ち、本実施形態では、内蔵電池14として、例えば、1セルのリチウム電池を用いるが、ACアダプタやリチウム電池の電圧は約4Vであるのに対して、USBケーブル30を介して外部装置から供給される電圧は5Vであることから、切替部20は、外部装置からの電力供給に切り替えることができる。
【0030】
次に、本実施形態に係る電源制御回路150の動作について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。なお、本実施形態では、図1に示すように、最初から電子カメラ100のUSB接続端子12とPC等の外部装置との間をUSBケーブル30で接続されているものとして説明する。
【0031】
ユーザにより操作部材9の電源釦が押されると、CPU4は、電子カメラ100の記憶部10に保持されている制御プログラムを読み込み、電子カメラ100を初期化する。その電子カメラ100の初期化において、CPU4は、電源制御回路150に対してステップS10〜ステップS13の作業を行う。
【0032】
ステップS10:CPU4は、USBケーブル30を介して、PC等の外部装置に対して所定の電力供給の要求を行う。例えば、CPU4が、PC等の外部装置に対して、500mAの電力供給の要求を行う。その要求に対して、PC等の外部装置は、それだけの電力供給する余裕がある場合には、同意する通知をCPU4に対して行い、500mAの電力供給を開始する。一方、PC等の外部装置は、それだけの電力供給する余裕がない場合には、100mAの電力供給には同意する通知をCPU4に対して行い、100mAの電力供給を開始する。そうした外部装置からの電力が、USB接続端子12のVBUS及び切替部20を介して、バックライトドライバ22に供給される。
【0033】
ステップS11:CPU4は、PC等の外部装置との間で合意した電流値を基に、所定の電流値を、バックライトドライバ22に設定する。
【0034】
ステップS12:CPU4は、バックライトドライバ22に対して、ステップS11で設定した電流値で、表示部11のバックライトである発光ダイオード23a〜23cを点灯するための制御信号を送信して、発光ダイオード23a〜23cを点灯させる。
【0035】
ステップS13:CPU4は、電子カメラ100の電源が、ユーザによる操作部材9の電源釦によって電源OFFにする信号を受信したか否かを判定する。電源OFFの信号を受信していない場合(NO側)には、CPU4は、電源OFFの信号を受信するまで待機する。一方、電源OFFの信号を受信した場合(YES側)には、CPU4は一連の動作を終了する。
【0036】
このように、本実施形態では、2つのダイオード21a−21bからなる切替部20を設けることにより、電源制御回路150の回路規模を増大させることなく、USBケーブル30を介してPC等の外部装置から供給される電力に容易に切り替えることができる。
【0037】
また、電子カメラ100の消費電力のうち、割合が大きい表示部11におけるバックライトの消費電力を、PC等の外部装置からの電力供給に切り替えて賄うことにより、リチウム電池等の内蔵電池14の電力消費を抑制することかできる。
≪第2の実施形態≫
本発明の第2の実施形態に係る電子カメラ及びその電源制御回路は、図1及び図2に示す第1の実施形態に係る電子カメラ100及び電源制御回路150と同じである。したがって、本実施形態における電子カメラ及び電源制御回路の構成については、図1及び図2に示す電子カメラ100及び電源制御回路150を用い、各構成要素の詳細な説明は省略する。
【0038】
本実施形態に係る電源制御回路150の動作が、第1の実施形態のものと異なる点は、USBケーブル30が初めからPC等の外部装置と接続されていない、又は最初は外部装置に接続されていたが途中で切断された場合であるという点にある。そこで、上記の場合における、本実施形態の電子カメラ100における電源制御回路150の動作について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0039】
ユーザにより操作部材9の電源釦が押されると、CPU4は、電子カメラ100の記憶部10に保持されている制御プログラムを読み込み、電子カメラ100を初期化する。その電子カメラ100の初期化において、CPU4は、電源制御回路150に対してステップS20〜ステップS31の作業を行う。
【0040】
ステップS20:CPU4は、電子カメラ100にUSBケーブル30が接続され、PC等の外部装置と通信可能に繋がっているか否かを判定する。繋がっている場合、CPU4は、ステップS21(YES側)へ移行し、繋がっていない場合、ステップS27(NO側)へ移行する。
【0041】
ステップS21:CPU4は、USBケーブル30を介して、PC等の外部装置に対して所定の電力供給の要求を行う。例えば、CPU4が、PC等の外部装置に対して、500mAの電力供給の要求を行う。その要求に対して、PC等の外部装置は、500mAの電力供給する余裕がある場合には、同意する通知をCPU4に対して行い、500mAの電力供給を開始する。一方、PC等の外部装置は、500mAの電力供給する余裕がない場合には、100mAの電力供給には同意する通知をCPU4に対して行い、100mAの電力供給を開始する。そうした外部装置からの電力が、USB接続端子12のVBUS及び切替部20を介して、バックライトドライバ22に供給される。
【0042】
ステップS22:CPU4は、PC等の外部装置との間で合意した電流値を基に、所定の電流値を、バックライトドライバ22に設定する。
【0043】
ステップS23:CPU4は、バックライトドライバ22に対して、ステップS22で設定した電流値で、表示部11のバックライトである発光ダイオード23a〜23cを点灯するための制御信号を送信して、発光ダイオード23a〜23cを点灯させる。
【0044】
ステップS24:CPU4は、USBケーブル30が電子カメラ100から抜かれたか否かを、USB接続端子12のVBUSからの信号が切断されたことを検出することによって判定する。USBケーブル30が抜かれたことを検出した場合、CPU4は、ステップS26(YES側)へ移行する。一方、VBUSからの信号を検出し続けている場合、CPU4は、USBケーブル30は抜かれていないと判定して、ステップS25(NO側)へ移行する。
【0045】
ステップS25:CPU4は、電子カメラ100の電源が、ユーザによる操作部材9の電源釦による電源OFFの信号を受信したか否かを判定する。電源OFFの信号を受信していない場合、CPU4は、ステップS24(NO側)へ移行する。一方、電源OFFの信号を受信した場合(YES側)には、CPU4は一連の動作を終了する。
【0046】
ステップS26:CPU4は、USBケーブル30が抜かれたことから、ACアダプタ又は内蔵電池14による電力供給に切り替えて、バックライトドライバ22の電流制御の設定を変更するにあたり、バックライトドライバ22に対して、一旦発光ダイオード23a〜23cをOFF又は減光させる指示を行う。これにより、例えば、外部装置から供給されていた電力の電流が500mAであり、ACアダプタ又は内蔵電池14による電力供給による電流値が200mAである場合、バックライトドライバ22は、ACアダプタ又は内蔵電池14に対しても500mAの電流を要求し続けるため、特に、内蔵電池14に対して不必要な負荷をかけてしまう。そこで、CPU4が、バックライトドライバ22に対して、一旦発光ダイオード23a〜23cをOFF又は減光させる指示を行う。
【0047】
ステップS27:CPU4は、ACアダプタ又は内蔵電池14に対応した電流値(例えば、200mA)を、バックライトドライバ22に設定する。
【0048】
ステップS28:CPU4は、バックライトドライバ22に対して、ステップS27で設定した電流値で、表示部11のバックライトである発光ダイオード23a〜23cを点灯するための制御信号を送信して、発光ダイオード23a〜23cを点灯させる。
【0049】
ステップS29:CPU4は、USBケーブル30が電子カメラ100に接続されたか否かを、USB接続端子12のVBUSからの信号を検出することによって判定する。VBUSからの信号を検出した場合、CPU4は、USBケーブル30がUSB接続端子12に接続されたと判定して、ステップS30(YES側)へ移行する。一方、VBUSからの信号を検出しない場合、CPU4は、USBケーブル30は接続されていないと判定して、ステップS31(NO側)へ移行する。
【0050】
ステップS30:CPU4は、外部装置からの電力供給が可能であると判定されたことから、外部装置からの電力供給に切り替えて、バックライトドライバ22の電流制御の設定を変更するにあたり、バックライトドライバ22に対して、一旦発光ダイオード23a〜23cをOFF又は減光させる指示を行う。これにより、例えば、ACアダプタ又は内蔵電池14から供給されていた電力の電流が200mAであり、外部装置からの電力供給による電流値が100mAである場合、バックライトドライバ22は、外部装置からの電力供給に対しても200mAの電流を要求し続ける。そこで、CPU4が、バックライトドライバ22に対して、一旦発光ダイオード23a〜23cをOFF又は減光させる指示を行うことにより、外部装置において何らかの問題が生じることを回避できる。
【0051】
ステップS31:CPU4は、電子カメラ100の電源が、ユーザによる操作部材9の電源釦による電源OFFの信号を受信したか否かを判定する。電源OFFの信号を受信していない場合、CPU4は、ステップS29(NO側)へ移行する。一方、電源OFFの信号を受信した場合(YES側)には、CPU4は一連の動作を終了する。
【0052】
このように、本実施形態では、2つのダイオード21a−21bからなる切替部20を設けることにより、電源制御回路150の回路規模を増大させることなく、USBケーブル30を介してPC等の外部装置から供給される電力に容易に切り替えることができる。
【0053】
また、電子カメラ100の消費電力のうち、割合が大きい表示部11におけるバックライトの消費電力を、PC等の外部装置からの電力供給に切り替えて賄うことにより、リチウム電池等の内蔵電池14の電力消費を抑制することかできる。
【0054】
さらに、CPU4が、ステップS26又はステップS30において、外部装置からの電力供給からACアダプタ又は内蔵電池14による電力供給へ変更、或いは、ACアダプタ又は内蔵電池14からの電力供給から外部装置による電力供給へ変更する際に、バックライトドライバ22に対して、表示部11のバックライトの発光ダイオード23a〜23cを一旦OFF又は減光することにより、内蔵電池14やACアダプタに対して定格以上の負荷による誤動作や、内蔵電池14やACアダプタ、或いは外部装置における何らかの障害の発生の回避を行うことができる。
≪第3の実施形態≫
本発明の第3の実施形態に係る電子カメラは、図1に示す第1の実施形態に係る電子カメラ100と同じである。したがって、本実施形態における電子カメラの構成については、図1に示す電子カメラ100を用い、各構成要素の詳細な説明は省略する。
【0055】
一方、図5に示す本実施形態における電源制御回路150は、図2に示す第1の実施形態に係る電源制御回路150と基本的には同じである。したがって、図5における電源制御回路150の構成について、図1に示す電源制御回路150と同じ各構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。ただし、本実施形態における電源制御回路150と第1の実施形態のものと異なる点は、CPU4からの指示に応じて、表示部11のLCD制御IC24に対する電力供給が、DC−DCコンバータの+3.3Vのチャンネルからの電力供給と、USB接続端子12のVBUSを介してPC等の外部装置からの電力供給とを切り替える切替部40を備える点にある。なお、外部装置から供給される電力の電圧は+5Vであることから、切替部40は、+5Vを+3.3Vに変換するレギュレータ41を備える。レギュレータ41には、一般的なレギュレータ、例えば、シリーズレギュレータの一種である三端子レギュレータ等を適宜選択して用いることができる。
【0056】
具体的には、本実施形態において、CPU4は、電子カメラ100とPC等の外部装置とがUSBケーブル30で接続されておらず、USB接続端子12のVBUSからの信号が検出されない場合、DC−DCコンバータの+3.3Vのチャンネルからの電力を、LCD制御IC24に供給するために、切替部40に対して切り替え動作させる。一方、電子カメラ100とPC等の外部装置とがUSBケーブル30で接続され、USB接続端子12のVBUSからの信号が検出された場合、CPU4は、レギュレータ41によって+3.3Vに変換された外部装置からの電力を、LCD制御IC24に供給するために、切替部40に対して切り替え動作させる。
【0057】
このように、本実施形態では、レギュレータ41を備えた切替部40を設けることにより、回路規模を増大させることなく、USB接続端子12のVBUSを介して、PC等の外部装置からの電力供給に容易に切り替えることができるとともに、リチウム電池等の内蔵電池14の電力消費を抑制することかできる。
【0058】
また、LCDパネル25に表示する画像等のデータが記録できるRAM等のメモリ(不図示)がLCD制御IC24に内蔵されている場合、一旦データがCPU4から転送されて記録されれば、外部装置からの電力供給が有る限り、たとえ電子カメラ100の電源が切られても表示し続けることができる。
【0059】
さらに、例えば、外部装置からの電力供給に基づいて、リチウム電池等の内蔵電池14を充電するとともに、充電に使用する電力以外の電力を極力減らしたい場合、充電制御IC(不図示)以外の電源は切るが、CPU4の電源を切る前に、LCDパネル25に内蔵されているメモリ(不図示)に「充電中」等の表示内容のデータを記録しておけば、LCDパネル25に「充電中」等を表示し続けることができる。
≪第4の実施形態≫
本発明の第4の実施形態に係る電子カメラは、図1に示す第1の実施形態に係る電子カメラ100と同じである。したがって、本実施形態における電子カメラの構成については、図1に示す電子カメラ100を用い、各構成要素の詳細な説明は省略する。
【0060】
一方、図6に示す本実施形態における電源制御回路150は、図5に示す第3の実施形態に係る電源制御回路150と基本的には同じである。したがって、図6における電源制御回路150の構成について、図5に示す電源制御回路150と同じ各構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。ただし、本実施形態における電源制御回路150と第3の実施形態のものと異なる点は、切替部40aが、レギュレータ41とともに、ダイオード50a−50b、電解効果トランジスタ60及び抵抗器Rから構成され、CPU4からの指示によらず切り替え動作を行う点にある。
【0061】
具体的には、本実施形態において、電子カメラ100とPC等の外部装置とがUSBケーブル30で接続されておらず、外部装置からの電力供給を受けられない場合、切替部40aは、電界効果トランジスタ60のゲート端子に外部装置からの電圧が加わらないことからON状態となり、DC−DCコンバータの+3.3Vのチャンネルからの電力に切り替えて、LCD制御IC24に供給する。一方、電子カメラ100とPC等の外部装置とがUSBケーブル30で接続され、外部装置からの電力供給が受けられる場合、切替部40aは、電界効果トランジスタ60のゲート端子に外部装置からの電圧が加わることからOFF状態となり、レギュレータ41によって+3.3Vにされた外部装置からの電力に切り替えて、LCD制御IC24に供給する。
【0062】
このように、本実施形態では、レギュレータ41とともに、ダイオード50a−50b、電解効果トランジスタ60及び抵抗器Rから構成される切替部40aを設けることにより、回路規模を増大させることなく且つCPU4からの指示によらず独立して、USB接続端子12のVBUSを介して、PC等の外部装置からの電力供給に容易に切り替えることができるとともに、リチウム電池等の内蔵電池14の電力消費を抑制することかできる。
【0063】
また、LCDパネル25に表示する画像等のデータが記録できるRAM等のメモリ(不図示)がLCD制御IC24に内蔵されている場合、一旦データがCPU4から転送されて記録されれば、外部装置からの電力供給が有り限り、たとえ電子カメラ100の電源が切られても表示し続けることができる。
【0064】
さらに、例えば、外部装置からの電力供給に基づいて、リチウム電池等の内蔵電池14を充電するとともに、充電に使用する電力以外の電力を極力減らしたい場合、充電制御IC(不図示)以外の電源は切るが、CPU4の電源を切る前に、LCDパネル25に内蔵されているメモリ(不図示)に「充電中」等の表示内容のデータを記録しておけば、LCDパネル25に「充電中」等を表示し続けることができる。
≪実施形態の補足事項≫
第1の実施形態ないし第4の実施形態において、表示部11は、発光ダイオード23a〜23cとともに、LCD制御IC24及びLCDパネル25構成されるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、表示部11は、有機EL(Electro-Luminescence)制御IC及び有機ELパネルから構成されていても良い。
【0065】
なお、第1の実施形態ないし第4の実施形態において、電子カメラ100とPC等の外部装置とを接続するのは、USBケーブル30としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、IEEE1394等のデータ通信とともに、PC等の外部装置から電力を供給できる通信ケーブルを用いることができる。
【0066】
なお、第1の実施形態ないし第4の実施形態において、6チャンネルのDC−DCコンバータを用いたが、本発明はこれに限定されず、1又は複数のDC−DCコンバータを用いることができる。ただし、ACアダプタ又は内蔵電池14からの電力供給が共通のVBATを有したDC−DCコンバータであることが好ましい。
【0067】
なお、第1の実施形態ないし第4の実施形態において、USBケーブル30を介して、電子カメラ100に接続されたPC等の外部装置からの電力供給が行われるのは、表示部11の発光ダイオード23a〜23c又はLCD制御IC24、或いはその両方であるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、USB制御IC等が、CPU4と独立して存在する場合には、それらに対しいて外部装置からの電力供給を行っても良い。
【0068】
なお、第1の実施形態ないし第4の実施形態において、電源制御回路150は、電子カメラ100に適用されたが、本発明はこれに限定されず、電子ビデオカメラ、携帯電話及び携帯音楽プレイヤー等の電子機器に対しても適用可能である。
【0069】
本発明は、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈されてはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0070】
1 撮像レンズ、2 撮像素子、3、 A/D変換部、4 CPU、5 画像処理部、6 バッファメモリ、7 フラッシュ、8 フラッシュ制御部、9 操作部材、10 記憶部、11 表示部、12 USB接続端子、13 電源回路、14 内蔵電池、15 バス、20、40、40a 切替部、21a−21b、50a−50b ダイオード、22 バックライトドライバ、23a〜23c 発光ダイオード、24 LCD制御IC、25 LCDパネル、41 レギュレータ、60 電界効果トランジスタ、100 電子カメラ、150 電源制御回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部電源と、
外部装置との間でデータ通信を行うとともに前記外部装置からの電力供給を受ける入出力部と、
前記内部電源からの電力供給又は前記外部装置からの電力供給に基づいて動作し、画像や情報の表示を行なう表示部の機能の少なくとも一部を動作させる動作制御部と、
前記入出力部に前記外部装置からの電力供給がある場合には、前記動作制御部への電力供給を前記外部装置からの電力供給に切り替える切替部と、
を備えることを特徴とする電源制御回路。
【請求項2】
請求項1に記載の電源制御回路において、
前記動作制御部は、前記表示部のバックライト用制御回路であることを特徴とする電源制御回路。
【請求項3】
請求項1に記載の電源制御回路において、
前記動作制御部は、前記表示部の表示部制御回路であることを特徴とする電源制御回路。
【請求項4】
請求項2に記載の電源制御回路において、
前記切替部の動作に応じて、前記表示部のバックライト用制御回路の設定を制御する制御部をさらに備え、
前記表示部のバックライト用制御回路は、前記制御部による前記設定に基づいて前記表示部のバックライトの輝度を調節する
ことを特徴とする電源制御回路。
【請求項5】
請求項2に記載の電源制御回路において、
前記切替部の動作に応じて、前記表示部のバックライト用制御回路の設定を制御する制御部をさらに備え、
前記表示部のバックライト用制御回路は、前記制御部による前記設定に基づいて前記表示部のバックライトを一時的に消す
ことを特徴とする電源制御回路。
【請求項6】
請求項3に記載の電源制御回路において、
前記入出力部に前記外部装置からの電力供給がなされていることを検出する検出部をさらに備え、
前記切替部は、前記検出部に応じて切り替えを行う
ことを特徴とする電源制御回路。
【請求項7】
請求項3に記載の電源制御回路において、
前記切替部は、前記入出力部に前記外部装置からの電力供給がなされていることを検出する検出部を備え、前記検出部に応じて切り替えを行う
ことを特徴とする電源制御回路。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の電源制御回路を有することを特徴とする電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−262216(P2010−262216A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114370(P2009−114370)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】