説明

電源装置および照明器具

【課題】電源線間に雷サージ等の過渡的な電圧が印加されたとしても整流器が破壊されない電源装置および照明器具を提供する。
【解決手段】電源装置10および照明器具1は、交流電源を整流する整流器DBと、整流器DBの出力をスイッチング素子Q1のオンオフでインダクタL1に蓄積するエネルギを利用して昇圧された所望の電圧を得る昇圧チョッパ回路14と、整流器DBと昇圧チョッパ回路14との間に挿入された限流要素Zとを備え、限流要素Zに並列にスイッチング素子Q1が接続され、スイッチング素子Q1は、昇圧チョッパ回路14の出力から帰還された第1駆動回路11と、整流器DBの出力電圧が通常時よりも高い所定値以上となるとオン信号を発生する第2駆動回路13とにより駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整流された交流電源を負荷に供給する電源装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来により昇圧チョッパ回路のインダクタの2次巻線からスイッチング素子をオンとする駆動信号を与えるようにした電源装置および照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図6に示すように、特許文献1に記載された電源装置100および照明器具200は、交流電源ACを全波整流して得られる脈流電源を含む直流電源を生成するダイオードブリッジ(整流器)DBと、直流電源の電圧を昇圧し昇圧動作のためにエネルギを蓄積するインダクタとして1次巻線と同一極性に巻装された2次巻線を有するトランスL1を用いた昇圧チョッパ回路101と、直流電源と昇圧チョッパ回路101間に挿入された限流要素Zと、この限流要素Zに並列に接続されたスイッチング素子Q1とを備え、昇圧チョッパ回路101のトランスL1の2次巻線からスイッチング素子Q1をオンとする駆動信号を与えるようにしてある。
【0003】
電源装置100および照明器具200は、ダイオードブリッジDBの出力を昇圧チョッパ回路101に供給する経路、具体的にはダイオードブリッジDBの正極側の出力ラインに、電源投入時の突入電流(inrush current)を抑制するための限流要素Zが挿入されている。この限流要素Zの両端には、電源投入時から一定時間の経過後に限流要素Zの両端を短絡するスイッチング素子Q1が接続され、昇圧チョッパ回路101が動作している間はスイッチング素子Q1をオンとするようにスイッチング素子Q1のオンまたはオフの制御を、昇圧チョッパ回路101のトランスL1の2次巻線に発生する電圧を用いて行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−147770号公報(図1、段落番号0012、0013、0014)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前述した特許文献1に記載された電源装置100および照明器具200は、雷サージ等の過渡的な電圧が印加された場合においても、スイッチング素子Q1は昇圧チョッパ回路101の動作中は常時オン状態が期待される。しかし、前述した特許文献1に記載された電源装置100および照明器具200は、過渡現象発生時においてダイオードブリッジDBの出力電圧が上昇すると、昇圧チョッパ回路101はチョッパ入力電圧>チョッパ出力電圧となり、昇圧チョッパ回路101は動作を止めるように動作し、スイッチSW1はオンデューティーの小さなオン動作もしくは間欠的なオン動作となり、スイッチSW1に期待されるオン動作が行われなくなって、トランスL1のエネルギが減少するために、昇圧チョッパ回路101から帰還された駆動回路のオン信号が発生せずに、スイッチング素子Q1がオフとなり、限流要素Zに電位差が発生し、その結果、ダイオードブリッジDBの出力両端に最大定格値を超えた電圧が発生してダイオードブリッジDBが破壊しかねない。
【0006】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電源線間に雷サージ等の過渡的な電圧が印加されたとしても整流器が破壊されない電源装置および照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電源装置は、交流電源を整流する整流器と、整流器の出力をスイッチング素子のオンオフでインダクタに蓄積するエネルギを利用して昇圧された所望の電圧を得る昇圧チョッパ回路と、整流器と昇圧チョッパ回路との間に挿入された限流要素とを備え、限流要素に並列にスイッチング素子が接続され、スイッチング素子は、昇圧チョッパ回路の出力から帰還された第1駆動回路と、整流器の出力電圧が通常時よりも高い所定値以上となるとオン信号を発生する第2駆動回路とにより駆動される。
【0008】
本発明に係る電源装置は、整流器と昇圧チョッパ回路との間に挿入された限流要素に並列に接続されたスイッチング素子は、昇圧チョッパ回路のグランドと整流器陰極側との間に挿入され、第2駆動回路は、整流器の出力電圧を分圧した電圧が所定値以上となった場合にスイッチング素子をオンさせるオン信号を発生する。
【0009】
本発明に係る電源装置は、第2駆動回路は、限流要素に発生する電圧が所定値以上となるとオン信号を発生し、昇圧チョッパ回路の出力電圧が所定値以下の状態ではオン信号を発生させない。
【0010】
本発明に係る照明器具は、電源装置を具備した。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電源装置および照明器具によれば、電源線間に雷サージ等の過渡的な電圧が印加されたとしても整流器が破壊されないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る第1実施形態の電源装置および照明器具の回路構成図
【図2】本発明に係る第2実施形態の電源装置および照明器具の回路構成図
【図3】本発明に係る第3実施形態の電源装置および照明器具の回路構成図
【図4】本発明に係る第4実施形態の電源装置および照明器具の回路構成図
【図5】本発明に係る第5実施形態の電源装置および照明器具の回路構成図
【図6】従来の電源装置および照明器具の回路構成図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の複数の実施形態に係る電源装置および照明器具について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態である照明器具1に適用される電源装置10は、主として、交流電源ACを全波整流するダイオードブリッジDBと、サイリスタである第1スイッチング素子Q1と、限流要素Zと、第3スイッチング素子Q3、コンデンサC2、コンデンサC4、抵抗R4、ダイオードD2、ダイオードD3、昇圧チョッパ回路14のインダクタである第1トランス(高周波トランス)L1の2次巻線からなる第1駆動回路11と、抵抗R2、抵抗R3からなり、トリガー回路である分圧回路12と、第2スイッチング素子Q2、コンデンサC3からなる第2駆動回路13と、インダクタである第1トランスL1の1次巻線と、スイッチ要素SW1と、ダイオードD1と、コンデンサ(電解コンデンサ)C1とからなり、ダイオードブリッジDBの出力を昇圧した直流電圧に変換する昇圧チョッパ回路14とで構成されており、昇圧チョッパ回路14の出力を負荷2に供給するようにしてある。
【0014】
昇圧チョッパ回路14は、スイッチ要素SW1のオン時に、第1トランスL1にエネルギを蓄積する。これとは異なり、昇圧チョッパ回路14は、スイッチ要素SW1のオフ時に、第1トランスL1に蓄積されたエネルギによる電圧をダイオードブリッジDBの出力電圧に加えた電圧で、ダイオードD1を介してコンデンサC1を充電し、コンデンサC1の両端に、昇圧された直流電圧を発生させる。
【0015】
そして、ダイオードブリッジDBの出力を昇圧チョッパ回路14に供給する経路、具体的にはダイオードブリッジDBの正極側の出力ラインに、電源投入時の突入電流を抑制する限流要素Zが挿入されている。この限流要素Zの両端に、電源投入時から一定時間の経過後に限流要素Zの両端を短絡するための第1スイッチング素子Q1が接続されている。第1スイッチング素子Q1は、アノードがダイオードブリッジDBの正極側に、ゲートが第3スイッチング素子Q3のコレクタに、カソードがコンデンサC2、コンデンサC4を介して第1トランスL1の1次巻線に接続されている。第1スイッチング素子Q1のオンまたはオフの制御は、昇圧チョッパ回路14の第1トランスL1に発生する電圧を用いて行い、昇圧チョッパ動作中はオン、昇圧チョッパ不動作中はオフするようにしてある。
【0016】
ダイオードブリッジDBの出力側の両端には、交流電源ACが全波整流された電圧を所望の電圧に分圧するための分圧回路12を構成する抵抗R2、抵抗R3が接続され、抵抗R2と抵抗R3との接続点にコンデンサC3を介して第2駆動回路13の第2スイッチング素子Q2のベースが接続されている。
【0017】
そして、第2駆動回路13の第2スイッチング素子Q2のコレクタに第1駆動回路11の第3スイッチング素子Q3のベースが接続されている。第3スイッチング素子Q3は、エミッタが抵抗R4、ダイオードD3を介して定電流源15に接続されている。第3スイッチング素子Q3は、ダイオードブリッジDBの出力電圧が所定値以上になった場合に第2スイッチング素子Q2がオンされるのに伴ってオンされ、定電流源15から第1スイッチング素子Q1のゲートに第1スイッチング素子Q1をオンさせるための信号を発する。
【0018】
第1スイッチング素子Q1は、第2駆動回路13のコンデンサC3の容量を第1駆動回路11のコンデンサC2の容量よりも十分に大きなものとすることにより、保持電流でのオン状態でなくなった場合でもオンすることが可能となり、オフすることを回避できるために、雷サージ等の過渡的な電圧が印加された場合の過渡状態時においてもダイオードブリッジDBに過大な電圧が印加されることを防止し、ダイオードブリッジDBの破壊を回避できる。なお、第1スイッチング素子Q1は、サイリスタに代えて、MOSFET、トランジスタ等の半導体素子を適用することもできる。
【0019】
従って、この第1実施形態の電源装置10においては、昇圧チョッパ回路14の第1トランスL1のエネルギを用いて第1スイッチング素子Q1をオンとすることに加え、第1スイッチング素子Q1をオンさせるための分圧回路12および第2駆動回路13を有するために、ダイオードブリッジDBの出力電圧が所定値以上となって第1トランスL1のエネルギが第1スイッチング素子Q1をオンさせるほど十分でなくなった場合においても、第1スイッチング素子Q1をオン信号により確実にオンさせて、限流要素Zへの通電を抑制し、限流要素Zでの電圧上昇を抑制できる。
これにより、この第1実施形態の電源装置10においては、雷サージ等の過渡的な電圧が印加された場合においても、ダイオードブリッジDBに過電圧が印加されることがないので、ダイオードブリッジDBが破壊されない。
【0020】
また、この第1実施形態の電源装置10においては、第2駆動回路13は、限流要素Zに発生する電圧が所定値以上となるとオン信号を発生し、昇圧チョッパ回路14の出力電圧が所定値以下の状態では第2駆動回路13のオン信号を発生させない。
これにより、この第2実施形態の電源装置10においては、第1スイッチング素子Q1のオンを確実に保障することができる。
【0021】
加えて、この第1実施形態の照明器具1においては、雷サージ等の過渡的な電圧が印加された場合においても、電源装置10のダイオードブリッジDBに過電圧が印加されることがないので、電源装置10が破壊されない照明器具1を提供できる。
【0022】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の電源装置および照明器具について説明する。なお、以下の各実施形態において、上述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0023】
図2に示すように、本発明の第2実施形態の照明器具3に適用される電源装置20は、ダイオードブリッジDBと、サイリスタである第1スイッチング素子Q1と、限流要素Zと、抵抗R3、コンデンサC2、ダイオードD2、昇圧チョッパ回路14の第1トランスL1の2次巻線からなる第1駆動回路21と、定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)ZD1、抵抗R2、抵抗R3、コンデンサC3からなる検出回路22と、昇圧チョッパ回路14とで構成されている。
【0024】
検出回路22は、第1スイッチング素子Q1に並列接続された限流要素Zの両端電圧をモニタしている。検出回路22は、ダイオードブリッジDBの出力側電位が上昇する過渡現象時において、スイッチ要素SW1がオフされることにより第1トランスL1のエネルギが減少し、第1トランスL1の2次巻線を含む第1駆動回路21による第1スイッチング素子Q1へのオン信号がなくなった場合においても、限流要素Zに発生した電位差により、定電圧ダイオードZD1がオンし続けて、抵抗R2、抵抗R3で分圧された電圧によりダイオードD3がオンする。
【0025】
検出回路22は、第1駆動回路21のコンデンサC2の放電による第1スイッチング素子Q1の保持電流に関係なく、限流要素Zの両端電圧が上昇することにより駆動されるために、コンデンサC3の容量をコンデンサC2よりも大きくする必要がない。
【0026】
従って、この第2実施形態の電源装置20および照明器具3においては、ダイオードブリッジDBの出力電圧をモニタし、過渡現象時において検出回路22により第1スイッチング素子Q1のオン状態が保持される。
これにより、この第2実施形態の電源装置20および照明器具3においては、雷サージ等の過渡的な電圧が印加された場合においても、ダイオードブリッジDBに過電圧が印加されることがないので、ダイオードブリッジDBが破壊されない。
【0027】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の電源装置および照明器具について説明する。
図3に示すように、本発明の第3実施形態の照明器具4に適用される電源装置30は、ダイオードブリッジDBと、スイッチである第1スイッチング素子Q1と、限流要素Zと、抵抗R4、コンデンサC2、ダイオードD2、ダイオードD3、昇圧チョッパ回路14の第1トランスL1の2次巻線、第2駆動回路32の第2トランスL2の1次巻線からなる第1駆動回路31と、ダイオードブリッジDBの出力電圧を分圧する抵抗R2、抵抗R3、分圧された電圧が所定値以上になるとオンする定電圧ダイオードZD1、定電圧ダイオードZD1を介して流れる電流により振動を行う第2トランスL2の1次巻線と、コンデンサC3とからなる第2駆動回路32と、昇圧チョッパ回路14とで構成されている。
【0028】
第2駆動回路32は、ダイオードブリッジDBの出力電圧を分圧し、分圧後の電圧を、定電圧ダイオードZD1を介して第2トランスL2の1次巻線に与える。第2トランスL2の1次巻線の他端はコンデンサC3に接続されているために、雷サージ等の過渡的な電圧が印加された場合の単パルス状に発生する過渡現象に対して、第2トランスL2の振動により第2駆動回路32が単発にならないようしている。
過渡現象時には、第2トランスL2の1次巻線により励起された電圧が第2トランスL2の2次巻線に発生するために、第1スイッチング素子Q1にオン信号が与えられる。そのため、昇圧チョッパ回路14の出力から帰還された第1駆動回路31により第1スイッチング素子Q1をオンできなくても、第2駆動回路32により第1スイッチング素子Q1をオンさせて保持できる。
【0029】
従って、この第3実施形態の電源装置30および照明器具4においては、過渡現象時には、第2トランスL2の1次巻線により励起された電圧が第2トランスL2の2次巻線に発生するために、第1スイッチング素子Q1にオン信号が与えられる。
これにより、この第3実施形態の電源装置30および照明器具4においては、雷サージ等の過渡的な電圧が印加された場合に、昇圧チョッパ回路14の出力から帰還された第1駆動回路31により第1スイッチング素子Q1をオンできなくても、第2駆動回路32により第1スイッチング素子Q1をオンさせて保持することにより、ダイオードブリッジDBの破壊を防止できる。
【0030】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態の電源装置および照明器具について説明する。
図4に示すように、本発明の第4実施形態の照明器具5に適用される電源装置40は、ダイオードブリッジDBと、スイッチである第1スイッチング素子Q1と、限流要素Zと、ダイオードD3、コンデンサC2からなる第1駆動回路41と、抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4、コンデンサC3、ダイオードD2からなる整流器出力モニタ回路42と、昇圧チョッパ回路14とで構成されている。
【0031】
限流要素Zは、昇圧チョッパ回路14のスイッチ要素SWのグランド側とダイオードブリッジDBの陰極側の出力ラインとに挿入されているために、電源投入時の突入電流を抑制する。限流要素Zの両端には、電源投入時から一定時間の経過後に限流要素Zの両端を短絡するための第1スイッチング素子Q1が接続されている。第1スイッチング素子Q1は、オンまたはオフの制御が、昇圧チョッパ回路14の第1トランスL1に発生する電圧を用いて行われるようになっており、昇圧チョッパ動作中にオン、昇圧チョッパ不動作中にオフするようになっている。
【0032】
電源装置40は、交流電源ACにノーマルモードの雷サージのように過渡的な電圧印加があった場合、ダイオードブリッジDBの出力に設けられた整流器出力モニタ回路42により、第1スイッチング素子Q1をオンとし、第1スイッチング素子Q1がオフした場合における限流要素Zでの発生電位を抑制できる。
【0033】
電源装置40は、抵抗R2、抵抗R3の分圧比を、通常点灯時に第1スイッチング素子Q1にオン信号が伝達されないように設定する必要がある。
ここで、第1駆動回路41のコンデンサC2に対し、整流器出力モニタ回路42のコンデンサC3の容量を十分に大きなものとすることにより、サイリスタのように保持電流で動作する半導体素子を使用しても、過渡現象発生時に保持電流によりオンを維持できなくても、整流器出力モニタ回路42により第1スイッチング素子Q1をオンできる。
電源装置40は、限流要素Zと第1スイッチング素子Q1とを回路内のグランド側に設置することにより、第1スイッチング素子Q1をオンさせるための信号のグランドが回路グランドと共通となって整流器出力モニタ回路42の構成を簡易化できる。
【0034】
従って、この第4実施形態の電源装置40および照明器具5においては、限流要素Zが、昇圧チョッパ回路14のスイッチ要素SWのグランド側とダイオードブリッジDBの陰極側の出力ラインとに挿入されており、ダイオードブリッジDBの出力電圧を分圧した電圧が所定値以上となった場合に整流器出力モニタ回路42により第1スイッチング素子Q1をオンさせるオン信号が発生される。
これにより、この第4実施形態の電源装置40および照明器具5においては、第1スイッチング素子Q1を駆動させる電圧が、電源装置40のグランドに対する電圧となり、複雑な駆動回路を構成せずに第1のスイッチング素子Q1を駆動できる。
【0035】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態の電源装置および照明器具について説明する。
図5に示すように、本発明の第5実施形態の照明器具6に適用される電源装置50は、ダイオードブリッジDBと、スイッチである第1スイッチング素子Q1と、限流要素Zと、ダイオードD3、コンデンサC2からなる第1駆動回路51と、定電圧ダイオードZD1と、抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4、コンデンサC3、ダイオードD2からなる整流器出力モニタ回路52と、昇圧チョッパ回路14とで構成されている。
【0036】
整流器出力モニタ回路52は、ダイオードブリッジDBの出力に設けられた抵抗R2、抵抗R3の間に定電圧ダイオードZD1を挿入しているために、ダイオードブリッジDBの出力電圧が所定値以上になった時にのみコンデンサC3が充電され、ダイオードD2を介して第1スイッチング素子Q1がオンされる。
【0037】
電源装置50は、整流器出力モニタ回路52に定電圧ダイオードZD1が挿入されることにより、整流器出力モニタ回路52の動作を、より正確に調整できる。
第1スイッチング素子Q1にサイリスタを使用する場合、コンデンサC2に対してコンデンサC3の容量を十分に大きくすることにより、保持電流でのオンができなくなってからもコンデンサC3からの放電電流により第1スイッチング素子Q1をオンし続けることができる。
電源装置50は、ダイオードブリッジDBの出力電圧が所定値以下であれば、整流器出力モニタ回路52に流れる電流がほぼゼロのために、通常点灯時の電力損失を低減できる。
【0038】
従って、この第5実施形態の電源装置50および照明器具6においては、電源装置50の整流器出力モニタ回路52に定電圧ダイオードZD1が挿入される。
これにより、この第5実施形態の電源装置50および照明器具6においては、整流器出力モニタ回路52の動作を、より正確に調整できるとともに、ダイオードブリッジDBの出力電圧が所定値以下であれば、整流器出力モニタ回路52に流れる電流がほぼゼロのために、通常点灯時の電力損失を低減できる。
【0039】
なお、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態で使用したダイオードブリッジ、負荷等は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1、3、4、5、6 照明器具
10、20、30、40、50 電源装置
11、21、31、41、51 第1駆動回路
13、32 第2駆動回路
14 昇圧チョッパ回路
22 検出回路(第2駆動回路)
42、52 整流器出力モニタ回路(第2駆動回路)
DB ダイオードブリッジ(整流器)
L1 第1トランス(インダクタ)
Q1 第1スイッチング素子(スイッチング素子)
Z 限流要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源を整流する整流器と、
前記整流器の出力をスイッチング素子のオンオフでインダクタに蓄積するエネルギを利用して昇圧された所望の電圧を得る昇圧チョッパ回路と、
前記整流器と前記昇圧チョッパ回路との間に挿入された限流要素とを備え、
前記限流要素に並列に前記スイッチング素子が接続され、
前記スイッチング素子は、前記昇圧チョッパ回路の出力から帰還された第1駆動回路と、前記整流器の出力電圧が通常時よりも高い所定値以上となるとオン信号を発生する第2駆動回路とにより駆動される電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電源装置において、
前記整流器と前記昇圧チョッパ回路との間に挿入された限流要素に並列に接続されたスイッチング素子は、前記昇圧チョッパ回路のグランドと前記整流器陰極側との間に挿入され、
前記第2駆動回路は、前記整流器の出力電圧を分圧した電圧が所定値以上となった場合に前記スイッチング素子をオンさせるオン信号を発生する電源装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電源装置において、
前記第2駆動回路は、前記限流要素に発生する電圧が所定値以上となるとオン信号を発生し、前記昇圧チョッパ回路の出力電圧が所定値以下の状態ではオン信号を発生させない電源装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電源装置を具備した照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−244565(P2011−244565A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113280(P2010−113280)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】