説明

電源装置及び画像形成装置

【課題】画像形成装置本体に接続されたオプション装置の種類に対応して、最も好適な電源効率と力率を実現することができる電源装置等を提供する。
【解決手段】交流電源1からの交流を整流する整流回路2と、整流電圧を昇圧し平滑する昇圧回路103、8とを備え、画像形成装置本体201及び該本体に接続されたオプション装置202、203、204に電力を供給する電源装置である。画像形成装置本体にオプション装置が接続されたと判断された場合には、昇圧回路による昇圧電圧を、オプション装置の種類に応じて、オプション装置が接続されていない場合に較べて高く設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に搭載される電源装置及び該電源装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コピー機、プリンタ、ファクシミリ等の機能を集約したMFP(Multi Function Peripherals)と称される多機能デジタル画像形成装置等では、ユーザの要求等に応じて、フィニッシャー、自動原稿搬送装置(ADF)等のオプション装置を装置本体に接続可能に構成されたものが存在する。
【0003】
このような画像形成装置では、前記オプション装置を装置本体に接続した場合であっても、1つのコンセントから取り入れた電力で動作可能な入力電流にする必要がある。
【0004】
そこで、従来から、力率改善手段として例えば昇圧チョッパ回路を備えた電源装置を用いることにより、入力電流を低下させることが行われている。
【0005】
しかし、前記昇圧チョッパ回路は回路内のスイッチング素子により電力損失を生じるので、その分電源効率を低下させてしまうという欠点がある。このため従来では、力率改善の必要のないときは力率改善手段をオフにして、電源効率を上げることにより省電力を達成している。
【0006】
例えば特許文献1には、電源装置内の整流回路の出力電力を検出し、検出された前記出力電力が所定値以上であるときには力率改善機能をオンにする一方、検出された出力電力が所定値未満であるときには力率改善機能をオフにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−168146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1に記載されている技術では次のような欠点があった。
【0009】
即ち、画像形成装置本体に接続されるオプション装置としては種々のものがあり、それぞれ負荷電流も異なっている。
【0010】
しかるに、前記特許文献1に記載されている技術では、接続されたオプション装置の種類にかかわらず、力率改善機能はオンかオフのいずれかの状態でしかないため、接続されたオプション装置の種類に対応して、最も好適な電源効率と力率を実現することができないという欠点があった。
【0011】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、画像形成装置本体に接続されたオプション装置の種類に対応して、最も好適な電源効率と力率を実現することができる電源装置、及び該電源装置を備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)交流電源からの交流を整流する整流回路と、前記整流回路により整流された整流電圧を昇圧し平滑する昇圧回路とを備え、画像形成装置本体及び該本体に接続されたオプション装置に電力を供給する電源装置であって、前記画像形成装置本体に、前記オプション装置が接続されたかどうかを判断する接続判断手段と、前記接続されたオプション装置の種類を判別する種類判別手段と、前記接続判断手段により画像形成装置本体にオプション装置が接続されたと判断された場合には、前記昇圧回路による昇圧電圧を、前記種類判別手段により判別されたオプション装置の種類に応じて、オプション装置が接続されていない場合に較べて高く設定する制御手段と、を備えたことを特徴とする電源装置。
(2)交流電源からの交流を整流する整流回路と、前記整流回路により整流された整流電圧を昇圧し平滑する昇圧回路とを備え、画像形成装置本体及び該本体に接続されたオプション装置に電力を供給する電源装置を制御する電源装置であって、前記画像形成装置本体に、前記オプション装置が複数接続されたかどうかを判断する接続判断手段と、前記接続された複数のオプション装置の組合せを判別する組合せ判別手段と、前記接続判断手段により画像形成装置本体にオプション装置が複数接続されたと判断された場合には、前記昇圧回路による昇圧電圧を、前記組合せ判別手段により判別されたオプション装置の組合せに応じて、オプション装置が接続されていない場合に較べて高く設定する制御手段と、を備えたことを特徴とする電源装置。
(3)前記昇圧回路による昇圧電圧は、接続されたオプション装置の全負荷電流が大きいほど高く設定される前項1または2に記載の電源装置。
(4)前記オプション装置が接続されていない場合の前記昇圧回路による昇圧電圧は、最大負荷時に効率が最大となる電圧である前項1〜3のいずれかに記載の電源装置。
(5)前記オプション装置が接続されていない場合の前記昇圧回路による昇圧電圧は、定格入力電圧時に効率が最大となる電圧である前項1〜3のいずれかに記載の電源装置。
(6)前記オプション装置が接続されている場合の前記昇圧回路による昇圧電圧は、交流電源からの入力電流が交流電源に接続される入力電源コードの電流定格以内となるように設定されている前項1〜5のいずれかに記載の電源装置。
(7)前記接続判断手段は、前記画像形成装置本体に備えられたオプション装置接続用コネクタにオプション装置が接続されたことを検出することにより、画像形成装置本体にオプション装置が接続されたと判断する前項1〜6のいずれかに記載の電源装置。
(8)前記画像形成装置本体が省エネルギ状態の待機モードにあるときは、オプション装置が接続されていても、前記制御手段は前記昇圧回路による昇圧電圧を、オプション装置が接続されていない場合と同じ大きさに設定する前項1〜7のいずれかに記載の電源装置。
(9)前記オプション装置は、前記画像形成装置本体の工場出荷後に前記本体に接続される前項1〜8のいずれかに記載の電源装置。
(10)画像形成装置本体と、該本体にオプション装置を接続可能な接続手段と、前項1〜9のいずれかに記載の電源装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0013】
前項(1)に記載の発明によれば、画像形成装置本体にオプション装置が接続された場合には、昇圧回路による昇圧電圧が、オプション装置の種類に応じて、オプション装置が接続されていない場合に較べて高く設定されるから、オプション装置の種類に対応して、最も好適な電源効率と力率を実現することができる。これにより、画像形成装置本体にオプション装置が接続されていない場合には、力率よりも電源効率が優先され、標準消費電力量(TEC値:Typical Energy Consumption)を低下させることができ、省エネルギを達成できる一方、画像形成装置本体にオプション装置が接続されると、昇圧電圧をオプション装置の種類に応じて高くすることで、電源効率より力率を優先できるとともに、オプション装置の種類に応じて最適な力率を実現でき、交流電源からの入力電流を抑制できる。
【0014】
前項(2)に記載の発明によれば、画像形成装置本体にオプション装置が複数接続された場合には、昇圧回路による昇圧電圧が、オプション装置の組合せに応じて、オプション装置が接続されていない場合に較べて高く設定されるから、オプション装置の組合せに対応して、最も好適な電源効率と力率を実現することができる。これにより、画像形成装置本体にオプション装置が接続されていない場合には、力率よりも電源効率が優先され、標準消費電力量(TEC値:Typical Energy Consumption)を低下することができ、省エネルギを達成できる一方、画像形成装置本体にオプション装置が複数接続されると、昇圧電圧をオプション装置の組合せに応じて高くすることで、電源効率より力率を優先し、オプション装置の組合せに応じて最適な力率を実現でき、交流電源からの入力電流を抑制できる。
【0015】
前項(3)に記載の発明によれば、昇圧回路による昇圧電圧を、接続されたオプション装置の全負荷電流が大きいほど高く設定できる。
【0016】
前項(4)に記載の発明によれば、高い電源効率を確保できる。
【0017】
前項(5)に記載の発明によれば、高い電源効率を確保できる。
【0018】
前項(6)に記載の発明によれば、入力電源コードに定格を超える電流が流れるのを防止できる。
【0019】
前項(7)に記載の発明によれば、比較的簡単な構成で画像形成装置本体にオプション装置が接続されたことを検出できる。
【0020】
前項(8)に記載の発明によれば、オプション装置が接続されていても、画像形成装置本体が省エネルギ状態の待機モードにあるときは、オプション装置が接続されていない場合と同じように、高い電源効率を確保できる。
【0021】
前項(9)に記載の発明によれば、オプション装置が画像形成装置本体の工場出荷後に本体に接続された場合であっても、好適な電源制御を行うことができる。
【0022】
前項(10)に記載の発明によれば、オプション装置の種類や組合せに応じて、最適な電源制御を行うことができる画像形成装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像形成装置の正面図である。
【図2】画像形成装置本体の電源装置を示す回路図である。
【図3】画像形成装置本体の電源装置の他の例を示す回路図である。
【図4】接続されるオプション装置の種類または組み合わせに対応する昇圧電圧の設定値を示す表である。
【図5】オプション装置の接続の有無に応じた昇圧電圧の設定動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置200の正面図である。この画像形成装置200は、画像形成装置本体201を備えるとともに、画像形成装置本体201には複数のオプション装置が、ユーザ等の要求に応じて、画像形成装置本体201の工場出荷後に接続できるようになっている。もちろん工場出荷時に接続されていても良い。
【0026】
オプション装置としては、例えば印刷済み用紙にパンチング、ステープル、折り込み等の各種の加工を実施できるフィニッシャー202や、自動原稿搬送装置(ADF)203や、大容量給紙トレイ(LCTともいう)204等を挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0027】
図2は、画像形成装置200の電源装置を示す回路図である。この実施形態では、画像形成装置本体201に接続されるオプション装置が一つである場合を示している。
【0028】
図1において、符号101は画像形成装置本体201に設けられた本体回路、符号102はオプション装置301に設けられたオプション装置回路102である。本体回路101の本体制御基板23とオプション装置回路102のオプション制御基板24とは、オプション装置301を接続するためのコネクタ311を介して相互に繋がっている。コネクタ31には、オプション装置制御信号を伝達するライン33と、オプション装置接続検知信号を伝達するライン34と、24V電圧を本体制御基板23からオプション制御基板24に伝達するライン35とGND36と、5V電圧を本体制御基板23からオプション制御基板24に伝達するライン37と、GND38が含まれている。
【0029】
なお、図2では、実際に接続されているオプション装置301が1つである場合を示しているが、画像形成装置本体201には、複数のオプション装置を接続可能とするために、コネクタ311のほかコネクタ312が設けられており、各オプション装置は対応するコネクタに接続されるものとなされている。図2では2つのコネクタのみを示しているが、3個以上のコネクタを設けて、3個以上のオプション装置を接続できる構成としても良い。
【0030】
本体回路101は、外部の商用電源である交流電源1に接続されたブリッジダイオードからなる全波整流回路2と、力率改善機能を有する力率改善手段である昇圧チョッパ回路103と、昇圧チョッパ制御回路105と、平滑コンデンサ8と、電圧変換回路104と、前記本体制御基板23とを備えている。なお、昇圧チョッパ回路103と平滑コンデンサ8とで、昇圧回路が形成されている。一方、オプション装置回路102はオプション制御基板24を備えている。
【0031】
全波整流回路2は、交流電源1からの交流電圧を全波整流する。昇圧チョッパ回路103は、ライン3を介して入力される整流電圧を昇圧し、入力力率を1付近に変化させる。この昇圧チョッパ回路103の動作としては、ライン3からチョークコイル5を介して接続されたスイッチング素子としてのMOSFET25を一定時間オンさせて、チョークコイル5にエネルギーを蓄える。その後MOSFET25を一定時間オフしチョークコイル5に蓄えたエネルギーを、ダイオード6および正極性ライン9を介して平滑コンデンサ8に蓄積させる。この繰り返しにより整流・平滑化されて平滑コンデンサ8に昇圧電圧Vdcが蓄えられる。
【0032】
次に、このMOSFET25のオン/オフ制御について説明する。
【0033】
全波整流回路2にて整流された電圧を抵抗21、22にて分圧した交流電流位相信号∨acphを乗算器41に入力する。また、平滑コンデンサ8に昇圧され蓄えられた昇圧電圧Vdcを、抵抗10、11、12、13等にて分圧した帰還電圧信号Vdcfbを予め決められた昇圧電圧指令Vdch*とアンプ40にて比例積分制御する。
【0034】
アンプ40の出力Vdcaoを乗算器41に入力し、前記交流電流位相信号Vacphと乗算する。この乗算された電流信号Idc*を、MOSFET25とライン4に接続された直流電流検出抵抗32にて検出した直流電流Idcfbと、アンプ42にて比例積分制御する。このアンプ42の出力IdcaとPWMキャリアとなる三角波発信器43による三角波を比較器44にて比較し、MOSFET25のPWMデューティ信号とする。
【0035】
また平滑コンデンサ8の充電電圧Vdcは、以下の部品で構成された電圧変換回路104にて定電圧制御される。
【0036】
即ち、トランス1次側14aを介して接続されたMOSFET15にてオン/オフ制御することにより、トランス1次側14aの電圧を、トランスの2次側第1部14bと2次側第2部14cに絶縁状態で降圧し伝達している。このMOSFET15のオン/オフデューティ比を制御することにより、出力を一定電圧に制御している。トランス2次側第1部14bに伝達された電圧は、ダイオード27で整流し、この整流電圧を平滑コンデンサ28で平滑することで24Vとして、24V端子16とGND17を介して本体制御基板23に供給する。
【0037】
またトランス2次側第2部14cに伝達された電圧はダイオード29で整流し、この整流電圧を平滑コンデンサ30で平滑することで5Vとして、5V端子18とGND19を介して本体制御基板23に供給する。
【0038】
前記本体制御基板23は、CPU39を備えている。このCPU39は、図示しないROM等に記録された動作プログラムに従って動作することにより、オプション装置の接続を検出したり、昇圧チョッパ103の出力である平滑コンデンサ8の充電電圧(昇圧電圧)Vdcの電圧を、予め設定された設定値になるように制御する。
【0039】
オプション装置301の接続検知は次のようにして行われる。即ち、この実施形態では、接続検知手段として、本体制御基板23に、抵抗46と5V端子18とオプション装置制御信号を伝達するライン33とをつなぐライン45が設けられている。オプション装置301が接続されていない場合、CPU39には抵抗46を介して5V供給ラインから“H”レベルの信号が入力される。これによりCPU39はオプション装置301の接続が無いことを検知する。オプション装置301が接続されている場合、ライン45にはライン33がつながっており、ライン33はオプション装置301の制御基板24内でGND47につながるため、CPU39には“L”レベルの信号が入力され、これによりCPU39はオプション装置102が接続されていることを検知する。
【0040】
CPU39に“H”レベルの信号が入力されてオプション装置301が接続されていないと判断された場合、CPU39はライン20aを介してフォトカプラ131をオフさせる。フォトカプラ131はそれがオンされることにより、平滑コンデンサ8と並列のラインにおいて相互に直列に接続された抵抗10、11、12、13のうちの抵抗12を短絡させるためのものである。ここでは、フォトカプラ131がオフであることから、帰還電圧信号Vdcfbは平滑コンデンサ8に蓄えられた昇圧電圧Vdcを抵抗10,11,12、13で分圧した値になる。これにより、平滑コンデンサ8の両端の昇圧電圧Vdcは例えば約300Vの一定電圧となり、例えば力率90%、電源効率85%と力率よりも電源効率を優先した設定になる。
【0041】
一方、CPU39に“L”レベルの信号が入力されて、CPU39によりオプション装置301の接続有りと判断された場合は、CPU39はライン20aを介してフォトカプラ131をオンさせ抵抗12を短絡させる。抵抗12を短絡させることにより、平滑コンデンサ8に蓄えられた昇圧電圧Vdcは抵抗10、11、13にて分圧されて、抵抗10,11,12、13にて分圧した場合よりも帰還電圧信号Vdcfbは小さくなる。これにより、平滑コンデンサ8の両端の電圧Vdcは、オプション装置301が接続されていないと判断された場合に較べて高くなり、例えば力率99%、電源効率80%と電源効率よりも力率を優先した設定となる。
【0042】
なお、オプション装置301に代えて、他のオプション装置がコネクタ312に接続された場合は、本体制御基板23のCPU39は別のフォトカプラ132をオンさせ抵抗13を短絡させることにより、平滑コンデンサ8の両端の電圧Vdcを高くする。
【0043】
オプション装置が接続されている場合の平滑コンデンサ8の両端の電圧Vdcの値は、オプション装置の種類によって例えば図4の表に示すように予め設定されている。
【0044】
図4の例では、オプション装置が装着されていない場合、電圧Vdcの値は300V、接続されたオプション装置がフィニッシャーである場合、電圧Vdcの値は340V、LCTの場合330V、ADFの場合320Vに設定されている。このような電圧Vdcの設定値はオブション装置の負荷電流が大きいほど高い値に設定されている。そして、オプション装置に対応するフォトカプラ131、132によって抵抗12、13が短絡されたときに、前記電圧Vdcが設定値になるように、抵抗10〜13の分圧比が設定されている。
【0045】
なお、昇圧電圧Vdcの設定値は、前述のようにオブション装置の負荷電流が大きいほど高い値に設定されるから、オプション装置がハードディスク装置(HDD)等の軽負荷の場合は、オプション装置が装着されていない場合と同じ電圧を維持すればよい。
【0046】
また、各オプション装置301、302が接続されるコネクタ311、312は前述したように、オプション装置毎に予め決められており、CPU39は接続されたオプション装置の種類を判別することができるようになっている。
【0047】
上記のように、オプション装置の接続の有無及び接続されたオプション装置の種類に応じて、平滑コンデンサ8の両端の電圧(昇圧電圧)Vdcはそれぞれのオプション装置にに適した値に設定されるので、1つのコンセントから取り入れた電力で動作させつつ、省電力にて動作させることができる。
【0048】
図3は、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の電源装置を示す回路図である。この実施形態では、画像形成装置本体201に2個のオプション装置301、302が接続されている。なお、3個以上のオプション装置が接続されても良い。
【0049】
この実施形態では、オプション装置301のオプション制御基板24が、コネクタ311を介して本体制御基板23に接続され、オプション装置302のオプション制御基板109が、コネクタ312を介して本体制御基板23に接続されている。
【0050】
なお、オプション装置301、302が接続されたことの検出、接続されたオプション装置の種類の判別は、図2の場合と同様にして行われる。また、本体回路101の構成は図2の実施形態と同じであるので、説明は省略する。
【0051】
この実施形態では、オプション装置302が接続されている場合、ライン45にはライン33がつながる。ライン33はオプション装置の制御基板24内でGND47につながっているため、CPU39には“L”レベルの信号が入力され、これによりCPU39はオプション装置301が接続されていることを検知する。同様にして、CPU39はオプション装置302が接続されていることを検知する。
【0052】
オプション装置301、302の接続有りと判断された場合は、CPU39はライン20a、20bを介してフォトカプラ131、132をオンさせ、抵抗12、13を共に短絡させる。抵抗12、13を短絡させることにより、平滑コンデンサ8の両端の昇圧電圧Vdcは抵抗10、11にて分圧されて、抵抗10,11,12、13にて分圧した場合よりも帰還電圧信号Vdcfbは小さくなる。これにより、平滑コンデンサ8の両端の電圧Vdcは、オプション装置が接続されていない場合に較べて高くなる。なお、3個以上のオプション装置が接続される場合は、各オプション装置に対応して、フォトカプラとこれによって短絡される抵抗がそれぞれ設けられる。
【0053】
複数のオプション装置301、302が接続されている場合の平滑コンデンサ8の両端の電圧Vdcの値は、接続されているオプション装置の組み合わせによって例えば図4の表に示すように予め設定されている。
【0054】
図4において、接続されるオプション装置がフィニッシャーとLCTの組み合わせの場合は、電圧Vdcの値は370Vに設定され、フィニッシャーとADFの組み合わせの場合は360Vに、LCTとADFの組み合わせの場合は350Vに、それぞれ設定されている。また、フィニッシャーとLCTとADFの全てが接続された場合は、390Vに設定されている。
【0055】
このような電圧Vdcの設定値は組み合わされたオブション装置の全負荷電流が大きいほど高い値に設定されている。そして、各オプション装置に対応するフォトカプラ131、132、・・・によって抵抗12、13、・・・が短絡されたときに、前記電圧Vdcが設定値になるように、抵抗10〜13、・・・の分圧比が設定されている。
【0056】
図5は、前記CPU39によって実行される、平滑コンデンサ8の両端電圧(昇圧電圧)Vdcの設定動作を示すフローチャートである。
【0057】
図5において、ステップS01で、オプション装置の接続検知を行う。オプション装置が接続されていないと判断された場合(ステップS01でNO)、ステップS02で、本体制御基板23はフォトカプラ131、132を全てオフさせる。帰還電圧信号Vdcfbは平滑コンデンサ8に蓄えられた昇圧電圧Vdcを抵抗10,11,12、13で分圧した値になる。これにより、平滑コンデンサ8の両端の昇圧電圧Vdcは例えば約300Vの一定電圧となり、例えば力率90%、電源効率85%と力率よりも電源効率を優先した設定になり、標準消費電力量(TEC値)を低下することができ、省エネルギを達成できる。
【0058】
なお、オプション装置が接続されていない場合の平滑コンデンサ8の両端の電圧Vdcは、画像形成装置本体201のプリント動作時等の最大負荷時の効率が最大となる電圧に設定されるか、あるいは定格入力電圧時に効率が最大となる電圧に設定されても良い。
【0059】
一方、CPU39によりオプション装置の接続有りと判断された場合は(ステップS01でYES)、ステップS03で、オプション装置の種類または組み合わせを判定する。そして、ステップS04で、オプション装置の種類または組み合わせに応じたフォトカプラ131、132をオンさせ抵抗12、13を短絡させる。これにより、平滑コンデンサ8に蓄えられた昇圧電圧Vdcの抵抗による分圧比を変化させ、平滑コンデンサ8の両端の電圧Vdcを予め設定された電圧値に変化させる。
【0060】
なお、オプション装置が接続されている場合の平滑コンデンサ8の両端の電圧Vdcは、交流電源1からの入力電流が交流電源1に接続される入力電源コードの電流定格以内となるように設定されるのが、入力電源コードに定格を超える電流が流れるのを防止できる点から望ましい。
【0061】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。
【0062】
たとえば、本体制御基板23のCPU39を含む画像形成装置本体201が省エネルギ状態の待機モード(スリープモード)にあるときは、オプション装置が接続されていても実際にはオプション装置は使用されていないため、平滑コンデンサ8の両端の電圧Vdcは、オプション装置が接続されていない場合と同じ大きさに設定されても良い。
【符号の説明】
【0063】
1 交流電源
2 整流回路
8 平滑コンデンサ
23 本体制御基板
39 CPU
24 オプション制御基板
101 本体回路
102、109 オプション装置
103 昇圧チョッパ回路
104 電圧変換回路
105 昇圧チョッパ制御回路
200 画像形成装置
201 画像形成装置本体
202 フィニッシャー
203 自動原稿搬送装置
204 大容量給紙トレイ
311、312 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源からの交流を整流する整流回路と、前記整流回路により整流された整流電圧を昇圧し平滑する昇圧回路とを備え、画像形成装置本体及び該本体に接続されたオプション装置に電力を供給する電源装置であって、
前記画像形成装置本体に、前記オプション装置が接続されたかどうかを判断する接続判断手段と、
前記接続されたオプション装置の種類を判別する種類判別手段と、
前記接続判断手段により画像形成装置本体にオプション装置が接続されたと判断された場合には、前記昇圧回路による昇圧電圧を、前記種類判別手段により判別されたオプション装置の種類に応じて、オプション装置が接続されていない場合に較べて高く設定する制御手段と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
交流電源からの交流を整流する整流回路と、前記整流回路により整流された整流電圧を昇圧し平滑する昇圧回路とを備え、画像形成装置本体及び該本体に接続されたオプション装置に電力を供給する電源装置を制御する電源装置であって、
前記画像形成装置本体に、前記オプション装置が複数接続されたかどうかを判断する接続判断手段と、
前記接続された複数のオプション装置の組合せを判別する組合せ判別手段と、
前記接続判断手段により画像形成装置本体にオプション装置が複数接続されたと判断された場合には、前記昇圧回路による昇圧電圧を、前記組合せ判別手段により判別されたオプション装置の組合せに応じて、オプション装置が接続されていない場合に較べて高く設定する制御手段と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項3】
前記昇圧回路による昇圧電圧は、接続されるオプション装置の全負荷電流が大きいほど高く設定される請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記オプション装置が接続されていない場合の前記昇圧回路による昇圧電圧は、最大負荷時に効率が最大となる電圧である請求項1〜3のいずれかに記載の電源装置。
【請求項5】
前記オプション装置が接続されていない場合の前記昇圧回路による昇圧電圧は、定格入力電圧時に効率が最大となる電圧である請求項1〜3のいずれかに記載の電源装置。
【請求項6】
前記オプション装置が接続されている場合の前記昇圧回路による昇圧電圧は、交流電源からの入力電流が交流電源に接続される入力電源コードの電流定格以内となるように設定されている請求項1〜5のいずれかに記載の電源装置。
【請求項7】
前記接続判断手段は、前記画像形成装置本体に備えられたオプション装置接続用コネクタにオプション装置が接続されたことを検出することにより、画像形成装置本体にオプション装置が接続されたと判断する請求項1〜6のいずれかに記載の電源装置。
【請求項8】
前記画像形成装置本体が省エネルギ状態の待機モードにあるときは、オプション装置が接続されていても、前記制御手段は前記昇圧回路による昇圧電圧を、オプション装置が接続されていない場合と同じ大きさに設定する請求項1〜7のいずれかに記載の電源装置。
【請求項9】
前記オプション装置は、前記画像形成装置本体の工場出荷後に前記本体に接続される請求項1〜8のいずれかに記載の電源装置。
【請求項10】
画像形成装置本体と、該本体にオプション装置を接続可能な接続手段と、請求項1〜9のいずれかに記載の電源装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−217309(P2012−217309A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82315(P2011−82315)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】