説明

電源装置及び電源装置を備える車両

【課題】底面から熱溶着部を突出させることなく角形電池セルを絶縁フィルムで被覆する。
【解決手段】電源装置は、角形の外装缶11を絶縁フィルム2で被覆してなる複数の角形電池セル1を積層状態に固定している。絶縁フィルム2は、一対の主面被覆部21の間に底面被覆部22を設けて、主面被覆部21と底面被覆部22の両側から側面被覆部23を突出させた絶縁性のフィルムである。側面被覆部23は、主面被覆部21の側縁から突出する第1の側面被覆部23Aと、底面被覆部22から外側に突出する第2の側面被覆部23Bとを切り離すことなく連結部24で連続している。絶縁フィルム2は、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとを外装缶11の側面11Dで折り畳んで、積層部25を水密構造に溶着して外装缶11の側面11Dを被覆している。電源装置は、複数の角形電池セル1の底面11Bが同一平面上に並ぶ姿勢として積層状態に締結している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の電池セルを積層している電源装置に関し、とくに、車両を走行させるモータに電力を供給する電源装置、あるいは、太陽電池等の自然エネルギーや深夜電力で充電される電源装置、あるいはまた、停電のバックアップ電源などに最適な電源装置及び電源装置を備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
大きな出力が要求される電源装置は、多数の電池を直列や並列に接続して出力を大きくしている。たとえば、モータで走行する電気自動車、あるいはモータとエンジンの両方で走行するハイブリッド自動車等の自動車、自然エネルギーで充電される電源装置、停電のバックアップ電源に使用される電源装置等は、複数の角形電池セルを積層して外装ケースに収納している(特許文献1参照)。この電源装置は、図34に示すように、多数の角形電池セル101を積層して電池ブロック110としている。角形電池セル101は、図35に示すように、角形の外装缶111の上面に正負の電極端子113を設けている。電池ブロック110は、角形電池セル101の電極端子113を直列に接続して出力電圧を高くできる。
【0003】
角形電池セル101は、外装缶111をアルミニウム等の金属製として薄くて強靭な構造にできる。角形電池セルにはリチウムイオン電池やニッケル水素電池が使用される。リチウムイオン電池は、外装缶を電極に接続しないので、外装缶が正負の電極端子の中間の電位となる。外装缶を正負の一方の電極に接続するニッケル水素電池は、外装缶が接続される電極と同じ電位となる。したがって、この角形電池セルを積層して隣の電池を直列に接続すると、隣の電池の外装缶に電位差が発生する。この角形電池セルは、直列に積層される電池を絶縁して、隣の電池の外装缶を介してショート電流が流れるのを阻止する必要がある。また、積層している各々の角形電池セルをアースから絶縁して漏電を防止する必要がある。このことを実現するために、角形電池セルを積層している電池ブロックは、外装缶を絶縁する状態で積層している。外装缶を絶縁するために、角形電池セルの間には絶縁セパレータを挟み、さらに外装缶の表面を絶縁シートで被覆している。外装缶の表面を絶縁シートで被覆している角形電池セルは、外装缶の表面に付着する結露水による漏電を防止できる。
【0004】
電源装置は、種々の外的環境で使用されるので、表面に結露水が付着することがある。外装缶の表面に付着する結露水は、漏電やショート電流の原因となる。結露水を介して隣の外装缶に電流が流れ、また、結露水を介してアースラインに電流が流れて漏電の原因となるからである。この弊害は、外装缶を絶縁シートで被覆して防止できる。とくに、外装缶に付着する結露水は、外装缶の表面に沿って流下するので、外装缶は底部をより確実に絶縁シートでもって防水構造に被覆することが大切である。
【0005】
さらに、電池ブロックは、金属板を加工している外装ケースの底板に載せて固定され、あるいは金属製の冷却プレートに載せて固定される。このため、角形電池セルは、外装缶の底面が外装ケースや冷却プレートに接触すると、ショート電流が流れ、あるいは漏電する弊害が発生する。
【0006】
角形電池セルの外装缶を絶縁するために、従来の電源装置は、図36に示すように、底を閉塞している袋状の熱収縮シート102に入れて外装缶111の底面111Bと周囲を被覆している。具体的には、上下を筒状に開口した熱収縮シート102を適当な長さで裁断し、図37に示すように角形電池セル101を挿入し、図38の(a)、(b)に示すように、角形電池セル101の底面111Bで熱収縮シート102同士を熱溶着して開口部分を閉塞すると共に、熱収縮シート102を熱収縮させて、図36に示すように外装缶111の表面に密着させている。
【0007】
この方法では、図36の(c)の断面図に示すように角形電池セル101の底面111Bから熱溶着部102Xが突出する。底面111Bに突出する熱溶着部102Xは、角形電池セル101と冷却プレート(図示せず)との熱抵抗を大きくして、熱結合状態を悪化させると共に、角形電池セル101の底面111Bを不均一として、各々の角形電池セル101を同一平面に固定するのを難しくする弊害がある。さらに、角形電池セルの底面から突出する熱溶着部は、電池ブロックの重量や振動で破損しやすく、電池ブロックを外装ケースの底板や冷却プレートに載せて固定する構造においては、熱収縮チューブの破損による短絡や漏電の原因となる。
【0008】
底面から突出する熱溶着部は、図示しないが、隣接するセパレータの間に設けた隙間に配置することができる。ただ、この構造の電池ブロックは、外装缶を直接に冷却プレートに熱結合できなくなって冷却効果が著しく低下する。また、外装缶の底部の局部をセパレータで支持するので、セパレータとの接触部分が損傷されやすくなる欠点がある。それは、セパレータに接触する部分の単位面積当たりの重量が大きくなるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−170258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものであって、その主な目的は、角形電池セルの底面から熱溶着部を突出させることなく、角形電池セルを安定して正確な位置で外装ケースや冷却プレートに載せて固定でき、しかも角形電池セルの底面を確実に絶縁フィルムで被覆することで、隣接する角形電池セルの外装缶の短絡や漏電を有効に防止できる電源装置及び電源装置を備える車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0011】
本発明の電源装置は、複数の角形電池セル1と、複数の角形電池セル1を積層状態に固定している締結手段6とを備えている。角形電池セル1は、天面11Aと底面11Bと一対の主面11Cと側面11Dからなる角形の外装缶11と、外装缶11の主面11Cと側面11Dと底面11Bを被覆している絶縁フィルム2とを備えている。絶縁フィルム2は、外装缶11の主面11Cを被覆する主面被覆部21と、外装缶11の底面11Bを被覆する底面被覆部22と、外装缶11の側面11Dを被覆する側面被覆部23とを連続して設けてなる1枚の絶縁性のフィルムからなる。この絶縁フィルム2は、一対の主面被覆部21の間に底面被覆部22を設けて、連続する主面被覆部21と底面被覆部22の両側から側面被覆部23を突出させる形状としている。側面被覆部23は、主面被覆部21の側縁から突出している第1の側面被覆部23Aと、底面被覆部22から外側に突出している第2の側面被覆部23Bとからなる。第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bは、主面被覆部21と底面被覆部22の両側縁部で切り離されることなく連結部24で連続している。さらに、絶縁フィルム2は、底面被覆部22と主面被覆部21との境界線L1を内折りして、底面被覆部22で外装缶11の底面11Bを、主面被覆部21で外装缶11の主面11Cを被覆し、さらに、第2の側面被覆部23Bと底面被覆部22との境界線L2を内折りし、かつ第1の側面被覆部23Aと主面被覆部21との境界線L3を内折りし、なおかつ、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとの連結部24の近傍を折曲して、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとを外装缶11の側面11Dで折り畳んで積層部25を水密構造に溶着して、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとで外装缶11の側面11Dを被覆している。さらに、電源装置は、複数の角形電池セル1の底面11Bが同一平面上に並ぶ姿勢として、締結手段6により積層状態に締結している。
【0012】
以上の電源装置は、積層している角形電池セルの底面から熱溶着部を突出させることなく、角形電池セルを安定して正確な位置で外装ケースや冷却プレートに載せて固定でき、しかも角形電池セルの底面を確実に絶縁フィルムで被覆することで、隣接する角形電池セルの外装缶の短絡や漏電を有効に防止できる特徴がある。それは、以上の電源装置が、角形電池セルの底面で折り返すようにして、底面と主面とを被覆し、さらに、折り返した絶縁フィルムの両側を角形電池セルの両側の側面で折曲して積層し、積層部を水密構造に溶着する構造によって、従来のように、角形電池セルの底面から熱溶着部を突出させることなく、絶縁フィルムで主面と側面と底面とを被覆しているからである。
【0013】
本発明の電源装置は、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとの連結部24の近傍で折曲される折曲ライン27を、外装缶11の底面11Bから上方に向かう方向とすることができる。
以上の電源装置は、折曲ラインが上方に向かう姿勢となるので、折曲ラインに沿って水が絶縁フィルムの外部から内部に侵入するのをより確実に阻止できる特徴がある。
【0014】
本発明の電源装置は、第1の側面被覆部23Aを、主面被覆部21からの突出幅の広い幅広の側面被覆部23aと、突出幅の狭い幅狭の側面被覆部23bとで構成し、幅広の側面被覆部23aは、その一部を幅狭の側面被覆部23bと第2の側面被覆部23Bとに積層して、積層部25を水密構造に溶着し、幅広の側面被覆部23aと幅狭の側面被覆部23bと底面被覆部22とで外装缶11の側面11Dを被覆することができる。
以上の電源装置は、絶縁フィルムを無駄なく有効に利用して、角形電池セルを絶縁フィルムで水密構造に被覆できる特徴がある。それは、角形電池セルの側面を被覆する第1の側面被覆部を底面被覆部から長く突出させることなく、突出幅の小さい細長い第1の側面被覆部で外装缶の側面を被覆できるからである。
【0015】
本発明の電源装置は、幅狭の側面被覆部23bの突出幅(W4)を底面被覆部22の突出幅(W5)に等しくし、かつ、幅広の側面被覆部23aの突出幅(W3)を外装缶11の側面11Dの横幅(D)にほぼ等しくし、幅狭の側面被覆部23bと底面被覆部22とを同じ突出幅で連続させることができる。
以上の電源装置は、角形電池セルを被覆する絶縁フィルムを簡単な形状に裁断して、かつ絶縁フィルムを無駄なく使用して、外装缶を被覆できる特徴がある。それは、幅狭の側面被覆部と第2の側面被覆部とを直線状に裁断して、外装缶の側面を被覆できるからである。
【0016】
本発明の電源装置は、幅狭の側面被覆部23bと第2の側面被覆部23Bとをその境界部分で折曲して外装缶11の表面で積層し、さらに、幅広の側面被覆部23aと第2の側面被覆部23Bとをその境界部分で折曲して外装缶11の表面で積層して、積層部25を水密構造に溶着することができる。
【0017】
本発明の電源装置は、第2の側面被覆部23Bの突出幅(W5)を、第1の側面被覆部23Aの長さ(L)に等しくして、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとを外装缶11の側面11Dで水密構造に積層することができる。
【0018】
本発明の電源装置は、第1の側面被覆部23Aを、主面被覆部21の側縁から突出している主面側の被覆部23xと、第2の側面被覆部23Bとの連結部24において、第2の側面被覆部23Bの側縁から突出している側面側の被覆部23yとで構成し、主面側の被覆部23xの突出幅(W6)と側面側の被覆部23yの突出幅(W7)を外装缶11の側面11Dの横幅(D)よりも狭くし、主面側の被覆部23xと側面側の被覆部23yとをその境界部分で折曲して互いに積層することができる。
以上の電源装置は、折り畳んで積層している絶縁フィルムの積層部の最大積層数を3層として、積層部をより安定して確実に水密構造に溶着できる特徴がある。
【0019】
本発明の電源装置は、主面側の被覆部23xの突出幅(W6)と側面側の被覆部23yの突出幅(W7)を等しくすることができる。
【0020】
本発明の電源装置は、絶縁フィルム2を熱収縮フィルムとすることができる。
以上の電源装置は、絶縁フィルムを外装缶の表面に密着して、外装缶と絶縁フィルムとの間に発生する結露を少なくできる特徴がある。それは、絶縁フィルムと外装缶との間に侵入する空気量を少なくして、この空気層に含まれる水分量を少なくできるからである。
【0021】
本発明の電源装置は、各々の角形電池セル1の底面11Bに熱結合状態に固定してなる冷却プレート7を備えて、冷却プレート7でもって角形電池セル1を強制冷却することができる。
以上の電源装置は、角形電池セルを防水構造に被覆しながら、冷却プレートでもって各々の角形電池セルをより効率よく冷却できる特徴がある。それは、各々の角形電池セルの外装缶の底面をより熱抵抗の少ない状態で冷却プレートに熱結合できるからである。
【0022】
本発明の電源装置は、車両用の電源装置とすることができる。
【0023】
本発明の電源装置は、蓄電用の電源装置とすることができる。
【0024】
本発明の車両は、以上のいずれかに記載の電源装置を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施例に係る電源装置の斜視図である。
【図2】図1に示す電源装置の分解斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例に係る電源装置の斜視図である。
【図4】図3に示す電源装置の分解斜視図である。
【図5】角形電池セルの拡大斜視図である。
【図6】絶縁フィルムの一例を示す展開図である。
【図7】図6に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する工程を示す分解斜視図である。
【図8】図6に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する工程を示す斜視図である。
【図9】図6に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する他の一例を示す拡大斜視図である。
【図10】図6に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する他の一例を示す拡大斜視図である。
【図11】他の一例の絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する工程を示す斜視図である。
【図12】図11に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する工程を示す拡大斜視図である。
【図13】絶縁フィルムの一他の例を示す展開図である。
【図14】図13に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する工程を示す分解斜視図である。
【図15】図13に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する工程を示す斜視図である。
【図16】図13に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する工程を示す斜視図である。
【図17】絶縁フィルムの一他の例を示す展開図である。
【図18】図17に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する工程を示す分解斜視図である。
【図19】図17に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する工程を示す斜視図である。
【図20】図17に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する工程を示す斜視図である。
【図21】絶縁フィルムの一他の例を示す展開図である。
【図22】図21に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する工程を示す分解斜視図である。
【図23】図21に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する工程を示す斜視図である。
【図24】図21に示す絶縁フィルムで角形電池セルを被覆する工程を示す斜視図である。
【図25】絶縁フィルムの一他の例を示す展開図である。
【図26】図25に示す絶縁フィルムを袋状に成形する工程を示す斜視図である。
【図27】図25に示す絶縁フィルムを袋状に成形する工程を示す斜視図である。
【図28】図25に示す絶縁フィルムを袋状に成形する工程を示す斜視図である。
【図29】図25に示す絶縁フィルムを袋状に成形する工程を示す斜視図である。
【図30】図25に示す絶縁フィルムを袋状に成形する他の一例を示す斜視図である。
【図31】エンジンとモータで走行するハイブリッド自動車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【図32】モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【図33】蓄電用の電源装置に適用する例を示すブロック図である。
【図34】角形電池セルを積層した従来の電源装置を示す平面図である。
【図35】図34に示す角形電池セルの斜視図である。
【図36】図35の角形電池セルを従来の絶縁フィルムで被覆した状態を示す三面図である。
【図37】図35の角形電池セルを従来の絶縁フィルムで被覆する工程を示す斜視図である。
【図38】図37の状態から熱収縮シートを熱収縮させる状態を示す斜視図である。
【図39】角形電池セルを従来の絶縁フィルムで被覆する他の一例を示す斜視図である。
【図40】図39の角形電池セルを絶縁フィルムで被覆した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電源装置及び電源装置を備える車両を例示するものであって、本発明は電源装置及び電源装置を備える車両を以下のものに特定しない。なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【0027】
本発明の電源装置は、複数の角形電池セルを接続して出力を大きくしている電源、とくに、ハイブリッドカーや電気自動車などの電動車両に搭載されて、車両の走行モータに電力を供給して車両を走行させる電源装置、太陽電池等の自然エネルギーや深夜電力で充電される電源装置、あるいはまた、停電のバックアップ電源などの電源装置として使用される。
【0028】
図1と図2に示す電源装置は、外形を、幅よりも厚さを薄くした複数の角形電池セル1を積層して電池積層体9とし、この電池積層体9を締結手段6で積層状態に固定して、冷却プレート7の上に載せて電池ブロック10としている。この電源装置は、冷却プレート7で角形電池セル1を強制冷却する。
【0029】
締結手段6は、電池積層体9を、両端面から挟着する一対のエンドプレート4と、このエンドプレート4を連結するバインドバー5とを備える。電池積層体9は、図2の分解斜視図に示すように、複数の角形電池セル1をセパレータ3を介して積層している。図2の電池ブロック10の例では、18個の角形電池セル1を積層している。バインドバー5は、金属板の両端を折曲して折曲片5Aを設けて、全体をコ字状としている。また、エンドプレート4には、バインドバー5の折曲片5Aを受ける位置に窪みを設けている。折曲片5Aには貫通孔を、エンドプレート4にはねじ穴を設けて、止ネジ19をねじ込んでバインドバー5をエンドプレート4に固定している。
(電池積層体9)
【0030】
図1と図2の電池積層体9は、隣接する角形電池セル1の電極端子13をバスバー17で接続している。電池積層体9は、角形電池セル1を直列に接続して出力電圧を高く、並列に接続して出力電流を大きくする。金属製の外装缶の角形電池セル1を積層している電池積層体9は、プラスチックなどの絶縁材のセパレータ3を挟んで絶縁状態に積層している。プラスチックなどの絶縁材の外装缶の角形電池セルを積層している電池積層体は、セパレータを金属板とすることができる。また、セパレータを挟むことなく、角形電池セルを積層することもできる。
(セパレータ3)
【0031】
電池積層体9は、積層している角形電池セル1の間にセパレータ3を挟着している。この電池積層体9は、角形電池セル1の外装缶を金属製として、プラスチック製のセパレータ3で絶縁している。セパレータ3は、両面を角形電池セル1に嵌着できる形状として、隣接する角形電池セル1の位置ずれを阻止して積層できる。なお、電池積層体は、角形電池セルの外装缶をプラスチック等の絶縁材として、セパレータを挟着することなく積層状態に固定することもできる。
(冷却プレート7)
【0032】
図1と図2の電源装置は、冷却プレート7で各々の角形電池セル1を冷却する。図の電源装置は、冷却プレート7を電池積層体9の底面に配置しており、各々の角形電池セル1を底面から冷却している。冷却プレート7は、冷却機構8で冷却されて、各々の角形電池セル1を強制冷却する。さらに、図2に示す電池ブロック10は、各々の角形電池セル1に冷却プレート7を熱結合状態に連結するために、角形電池セル1の底面と冷却プレート7との間に絶縁性熱伝導シート35を配設している。この絶縁性熱伝導シート35は、角形電池セル1と冷却プレート7の間で圧縮されて変形して、角形電池セル1の底面と冷却プレート7の表面に面接触状態で密着する。
【0033】
冷却プレート7は、内部に冷媒を循環させる冷媒路31を設けている。冷媒路31は、フレオンや炭酸ガスなどの冷媒が液状で供給され、内部で冷媒を気化させて気化熱で冷却プレート7を冷却する。この冷却プレート7は、冷媒路31を冷却機構8に連結している。
【0034】
冷却機構8は、冷媒路31で気化された気体状の冷媒を加圧するコンプレッサ32と、このコンプレッサ32で圧縮された冷媒を冷却して液化させる冷却熱交換器33と、この冷却熱交換器33で液化された冷媒を冷媒路31に供給する膨張弁34とを備える。膨張弁34を介して供給される液状の冷媒は、冷却プレート7内の冷媒路31で気化され、気化熱で冷却プレート7を冷却して冷却機構8に排出される。したがって、冷媒は冷却プレート7の冷媒路31と冷却機構8とに循環して、冷却プレート7を冷却する。この冷却機構8は、冷媒の気化熱で冷却プレート7を低温に冷却するが、冷却プレートは、気化熱によらず冷却することもできる。この冷却プレートは、冷媒路に、低温に冷却されたブラインなどの冷媒を供給して、冷媒の気化熱でなくて、低温の冷媒で直接に冷却プレートを冷却する。
【0035】
冷却機構8は、角形電池セル1の温度を検出する温度センサ(図示せず)で冷却プレート7の冷却状態をコントロールする。すなわち、角形電池セル1の温度があらかじめ設定している冷却開始温度よりも高くなると、冷却プレート7に冷媒を供給して冷却し、角形電池セル1が冷却停止温度よりも低くなると、冷却プレート7への冷媒の供給を停止して、角形電池セル1をあらかじめ設定している温度範囲にコントロールする。
【0036】
さらに、電源装置は、必ずしも冷却プレートを介して角形電池セルを冷却する必要はなく、図3と図4に示すように、互いに積層される角形電池セル1の間に送風隙間57を設けて、この送風隙間57に冷却気体を強制送風して、電池ブロック50の角形電池セル1を冷却することもできる。図4に示す電池積層体59は、角形電池セル1の間に挟着されるセパレータ53の両面に送風溝53Aを設けており、この送風溝53Aによって、角形電池セル1とセパレータ53との間に送風隙間57を設けている。セパレータ53は、水平方向、いいかえると角形電池セル1の両側に連結するように送風溝53Aを設けている。このように、セパレータ53で設けられる送風隙間57は、冷却気体を水平方向に送風して角形電池セル1を冷却する。さらに、図のセパレータ53は、両面に角形電池セル1を嵌着構造で連結して、隣接する角形電池セル1の位置ずれを阻止しながら積層している。
【0037】
さらに、図3の電源装置は、電池積層体59の送風隙間57に冷却気体を強制送風して角形電池セル1を冷却する冷却機構58を備えている。図の電源装置は、冷却気体を強制送風する冷却機構58として、強制送風機構58Aを備えている。さらに、図3の電源装置は、強制送風機構58Aから送風隙間57に強制送風するために、電池ブロック50の両側の対向位置に送風ダクト56を設けている。この電源装置は、強制送風機構58Aから強制送風される冷却気体を、送風ダクト56を介して送風隙間57に送風し、この冷却気体を送風隙間57に通過させて角形電池セル1を冷却している。
(角形電池セル1)
【0038】
角形電池セル1は、リチウムイオン二次電池の角形電池である。ただ、角形電池セルは、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池等、充電できる全ての二次電池とすることもできる。図5の角形電池セル1は、所定の厚さを有し、かつ主面11Cを四角形としている。この角形電池セル1は、天面11Aの両端部には正負の電極端子13を突出して設けており、天面11Aの中央部には安全弁15の開口部16を設けている。積層される角形電池セル1は、隣接する正負の電極端子13をバスバー17で連結して互いに直列に接続している。隣接する角形電池セル1を互いに直列に接続するバッテリシステムは、出力電圧を高くして出力を大きくできる。ただ、バッテリシステムは、隣接する角形電池セルを並列に接続することもできる。
(絶縁フィルム2)
【0039】
角形電池セル1の天面11Aを除く面は、絶縁フィルム2で被覆して絶縁している。具体的には、角形電池セル1の天面11Aを除く面を、絶縁フィルム2で被覆する。絶縁フィルム2は、好ましくは、主面11Cと側面11Dと底面11Bの全面を被覆する。ただし、絶縁フィルムは、底面の全面と、主面及び側面の上部を除く部分を被覆し、あるいは、底面の全面と、主面及び側面の底部のみを被覆することもできる。角形電池セル1の底部を絶縁フィルムで被覆することで、外装缶の表面に付着して流下する結露水による短絡や漏電を防止できるからである。天面11Aは、電極端子13を電気接続のために表出させる必要があることから絶縁フィルム2で被覆しない。絶縁フィルム2は、熱収縮フィルムを所定外形のシート状に裁断した物である。熱収縮フィルムである絶縁フィルム2は、外装缶11の表面を被覆する状態で加熱処理されて、熱収縮して外装缶11の表面に密着する。
【0040】
このような絶縁フィルム2で表面を被覆することで角形電池セル1の表面に絶縁性を持たせる構成に際しては、角形電池セル1の底面11Bをフラットにすることが大切である。従来の上下を筒状に開口した熱収縮シートに角形電池セルを挿入して、底面を熱溶着する構造は、図36に示すように、外装缶111の底面111Bから熱溶着部102Xが突出する。外装缶の底面から熱溶着部が突出する欠点は、図39と図40に示すように、シート状の熱収縮フィルム202をU曲して内側に角形電池セル201を収納し、熱収縮フィルム202の両側を熱溶着することで防止できる。しかしながら、この構造は、図40に示すように、外装缶211の両側面211Dから外側に、熱溶着部202Xが突出する欠点がある。この突出部は、角形電池セル201の底面211Bを不均一とする原因となり、また冷却プレートとの熱抵抗を大きくする弊害がある。
【0041】
本発明の電源装置の角形電池セル1は、この弊害を防止して、外装缶11の底面11Bをフラットにするために、図6ないし図24に示すように、絶縁フィルム2を外装缶11の側面11Dで折り畳みして、外装缶11の側面11Dにできる積層部25を水密構造に熱溶着している。
【0042】
図6、図13、図17、及び図21の展開図に示す絶縁フィルム2は、外装缶11の主面11Cを被覆する主面被覆部21と、外装缶11の底面11Bを被覆する底面被覆部22と、外装缶11の側面11Dを被覆する側面被覆部23とを連続して設けている1枚の絶縁性のフィルムである。この絶縁フィルム2は、一対の主面被覆部21の間に底面被覆部22を設けて、連続する主面被覆部21と底面被覆部22の両側から側面被覆部23を突出させる形状としている。側面被覆部23は、主面被覆部21の両側に設けられて、主面被覆部21の側縁から外側に突出している第1の側面被覆部23Aと、底面被覆部22の両側に設けられて、底面被覆部22の側縁から外側に突出している第2の側面被覆部23Bとからなる。
【0043】
図6、図13、図17、及び図21の展開図で示すように、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bは、その境界で切り離されることなく連結部24で連続している。第1の側面被覆部と第2の側面被覆部との境界で切断して、この切断線が第1の側面被覆部と第2の側面被覆部と主面被覆部と底面被覆部との交点まで延びると、この交点でピンホールが出来やすく、ピンホールが水漏れの原因となるからである。連結部24のある絶縁フィルム2は、外装缶11に沿って折り畳まれる状態で、前述した交点Kでピンホールができない。連結部24が、外装缶11の側面11Dの両側縁に沿って立ち上がり部となって、外装缶11の側面11Dの両側縁を被覆するからである。
【0044】
図6の絶縁フィルム2は、図7と図8に示すように、底面被覆部22と主面被覆部21との境界線L1を内折りして、底面被覆部22で外装缶11の底面11Bを、主面被覆部21で外装缶11の主面11Cを被覆し、さらに、第2の側面被覆部23Bと底面被覆部22との境界線L2を内折りし、また、第1の側面被覆部23Aと主面被覆部21との境界線L3を内折りし、さらにまた、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとの連結部24の近傍において、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとの境界線L4及び第1の側面被覆部23A上の折曲線S1を折曲して、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとを外装缶11の側面11Dで折り畳む。第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとを外装缶11の側面11Dで折り畳んでできる積層部25を、加圧状態で加熱して、絶縁フィルム2を水密構造に溶着して、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとで、外装缶11の側面11Dの全面を被覆する。
【0045】
絶縁フィルム2は、主面被覆部21と底面被覆部22とを直角に内折りして、外装缶11の主面11Cと底面11Bを被覆する。さらに、図に示す絶縁フィルム2は、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとの境界部分、すなわち連結部24に、境界線L4と折曲線S1を折曲ライン27とする直角三角形の折返し部26が形成される。この折返し部26は、境界線L4と折曲線S1からなる折曲ライン27の一方を内折りし、他方を外折りすることで、第1の側面被覆部23Aの裏面又は表面に積層される。いいかえると、折返し部26は、第1の側面被覆部23Aの裏面と第2の側面被覆部23Bの表面との間に積層するように折り畳まれ、あるいは、第1の側面被覆部23Aの表面と第2の側面被覆部23Bの裏面との間に積層するように折り畳まれる。折返し部26は、積層している第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bに水密構造に溶着される。
【0046】
図6と図7に示す絶縁フィルム2は、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとの連結部24であって、第1の側面被覆部23Aに直角三角形の折返し部26を形成している。この絶縁フィルム2は、境界線L1と境界線L3との交点Kから、第1の側面被覆部23A上に折曲線S1を延長して直角三角形の折返し部26を形成している。図に示す絶縁フィルム2は、境界線L3と境界線L4がなす角の二等分線を折曲線S1として、境界線L4と折曲線S1がなす角αを約45度としている。これにより、折返し部26を挟んで互いに積層される第1の側面被覆部23A及び第2の側面被覆部23Bと、主面被覆部21と、底面被覆部22とが互いに直交する姿勢として、外装缶11の1つのコーナー部を被覆している。
【0047】
図5に示す角形電池セル1の絶縁フィルム2は、図7と図8に示すように、以下の工程で、外装缶11の表面を被覆する。
(1)図7に示すように、外装缶11の底面11Bを絶縁フィルムの底面被覆部22に対向させる状態で、主面被覆部21と底面被覆部22の境界線L1を内折りして、底面被覆部22で外装缶11の底面11Bを、主面被覆部21で外装缶11の主面11Cを被覆する。
(2)図8の(1)で示すように、第2の側面被覆部23Bを底面被覆部22との境界線L2で内折りし、第2の側面被覆部23Bで外装缶11の側面11Dの底部を被覆する。
(3)図8の(2)で示すように、連結部24において、折返し部26の1辺である折曲線S1を内折りし、折返し部26を第1の側面被覆部23Aの裏面に積層する。
(4)図8の(3)及び(4)で示すように、第1の側面被覆部23Aを主面被覆部21との境界線L3で内折りすると共に、折返し部26の1辺である境界線L4を外折りして、第1の側面被覆部23Aで外装缶11の側面11Dを被覆する。
(5)外装缶11の側面11Dに折り畳まれた第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bの積層部25を水密構造に溶着して、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとで外装缶11の側面11Dを被覆する。
第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bの積層部25は、例えば、加熱器(図示せず)の溶着プレートが押圧されて溶着される。
【0048】
ここで、図5と図8の角形電池セル1は、第2の側面被覆部23Bの両側に設けた折返し部26の両方を、折曲線S1で内折りすると共に、境界線L4で外折りして折り畳んでいる。これにより、絶縁フィルム2は、両方の折返し部26を、第1の側面被覆部23Aの裏面と第2の側面被覆部23Bの表面との間に積層して、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとで、外装缶11の側面11Dの全面を被覆している。
【0049】
さらに、図9は、第2の側面被覆部23Bの両側に設けた折返し部26の両方を、折曲線S1で外折りすると共に、境界線L4で内折りして折り畳む状態を示している。この絶縁フィルム2は、両方の折返し部26を、第1の側面被覆部23Aの表面と第2の側面被覆部23Bの裏面との間に積層して第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとで、外装缶11の側面11Dの全面を被覆している。
【0050】
さらにまた、図10は、第2の側面被覆部23Bの両側に設けた折返し部26のうち、一方(図において右側)を折曲線S1で外折りすると共に、境界線L4で内折りして、第1の側面被覆部23Aの表面と第2の側面被覆部23Bの裏面との間に積層し、他方(図において左側)を折曲線S1で内折りすると共に、境界線L4で外折りして、第2の側面被覆部23Bの表面と第1の側面被覆部23Aの裏面との間に積層して折り畳む状態を示している。
【0051】
以上のように、折返し部26は、好ましくは、第1の側面被覆部23Aに設けられて、第1の側面被覆部23Aの表面又は裏面に積層されるように折り畳まれる。それは、この状態に折り畳むことで、全ての折曲ライン27を、図5、図9、及び図10に示すように、外装缶11の底面11Bから上方に向かう方向として、積層部25を溶着する状態でより確実に水の侵入を防止できるからである。
【0052】
ただ、折返し部26は、図11と図12に示すように、第2の側面被覆部23Bに設けて、第2の側面被覆部23Bの表面又は裏面に積層するように折り畳むこともできる。折返し部26が第2の側面被覆部23Bの表面又は裏面に溶着されて、水の侵入を阻止できるからである。図11と図12の絶縁フィルム2は、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとの連結部24に設ける折返し部26のうち、一方(図において右側)を第2の側面被覆部23Bに設けて、第2の側面被覆部23Bの表面と第1の側面被覆部23Aの裏面との間に積層すると共に、他方(図において左側)を第1の側面被覆部23Aに設けて、第1の側面被覆部23Aの裏面と第2の側面被覆部23Bの表面との間に積層するように折り畳んでいる。
【0053】
以上の絶縁フィルム2は、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとの連結部24に、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとの境界線L4を折曲ライン27とする直角三角形の折返し部26を形成しているが、絶縁フィルムは、必ずしも第1の側面被覆部と第2の側面被覆部との境界線L4を折曲ラインとして折返し部を設ける必要はない。
【0054】
図13と図14の絶縁フィルム2は、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとの連結部24に、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとの境界線L4の近傍に設けた折曲線S1と折曲線S2を折曲ライン27とする三角形の折返し部26を形成している。図に示す絶縁フィルム2は、境界線L1と境界線L3との交点Kから、第1の側面被覆部23A上に折曲線S1を延長すると共に、第2の側面被覆部23B上に折曲線S2を延長して三角形の折返し部26を形成している。この絶縁フィルム2は、折曲線S1と折曲線S2がなす角αを約45度としている。この折返し部26も、折曲線S1と折曲線S2の一方を内折りし、他方を外折りすることで第1の側面被覆部23Aの裏面又は表面に積層される。すなわち、折返し部26は、第1の側面被覆部23Aの裏面と第2の側面被覆部23Bの表面との間に積層するように折り畳まれ、あるいは、第1の側面被覆部23Aの表面と第2の側面被覆部23Bの裏面との間に積層するように折り畳まれる。折返し部26は、積層している第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bに水密構造に溶着される。
【0055】
図15と図16は、第2の側面被覆部23Bの両側の連結部24に設けた折返し部26のうち、一方(図において右側)の折返し部26については、折曲線S2を内折りし、折曲線S1を外折りして、第1の側面被覆部23Aの表面と第2の側面被覆部23Bの裏面との間に積層して折り畳むと共に、他方(図において左側)の折返し部26については、折曲線S2を外折りし、折曲線S1を内折りして、第1の側面被覆部23Aの裏面と第2の側面被覆部23Bの表面との間に積層して折り畳む状態を示している。以上の角形電池セル1も、折返し部26をこの状態に折り畳むことで、連結部24の折曲ライン27を、外装缶11の底面11Bから上方に向かう方向として、積層部25を溶着する状態でより確実に水の侵入を防止できる。ただ、図示しないが、絶縁フィルムは、第2の側面被覆部の両側の連結部に設けた折返し部の両方を、第1の側面被覆部の裏面と第2の側面被覆部の表面との間に積層して折り畳むこともでき、また、折返し部の両方を、第1の側面被覆部の表面と第2の側面被覆部の裏面との間に積層して折り畳むこともできる。
【0056】
図15と図16の絶縁フィルム2も、折返し部26を挟んで互いに積層される第1の側面被覆部23A及び第2の側面被覆部23Bと、主面被覆部21と、底面被覆部22とを互いに直交する姿勢として、角形電池セルの1つのコーナー部を被覆している。とくに、この絶縁フィルム2は、図に示すように、外装缶11の側面11Dに第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとを積層する状態において、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bの間に積層される三角形の折返し部26の折曲ライン27を、境界線L2及び境界線L3から離して配置できる。したがって、外装缶11の側面11Dに積層される第1の側面被覆部23A及び第2の側面被覆部23Bの主面被覆部21や底面被覆部22との境界線L2、L3の近傍における重なりを少なくして、いいかえると、境界線L2、L3の近傍を薄くしながら、積層部25を確実に溶着できる。
【0057】
図13の絶縁フィルム2は、図14ないし図16に示すように、以下の工程で、外装缶11の表面を被覆する。
(1)図14に示すように、外装缶11の底面11Bを絶縁フィルム2の底面被覆部22に対向させる状態で、主面被覆部21と底面被覆部22の境界線L1を内折りして、底面被覆部22で外装缶11の底面11Bを、主面被覆部21で外装缶11の主面11Cを被覆する。
(2)図15に示すように、一方(図において右側)の第1の側面被覆部23Aを主面被覆部21との境界線L3で内折りして外装缶11の側面を被覆する。
(3)第2の側面被覆部23Bを底面被覆部22との境界線L2で内折りし、第2の側面被覆部23Bで外装缶11の側面11Dの底部を被覆する。このとき、一方(図において右側)の連結部24において、折返し部26の1辺である折曲線S1を外折りし、さらに、折返し部26の他の1辺である折曲線S2を内折りして、折返し部26を第1の側面被覆部23Aの表面と第2の側面被覆部23Bの裏面との間に積層する。
(3)さらに、図16に示すように、他方(図において左側)の第1の側面被覆部23Aを主面被覆部21との境界線L3で内折りして外装缶11の側面を被覆する。このとき、他方(図において左側)の連結部24において、折返し部26の1辺である折曲線S1を内折りし、さらに、折返し部26の他の1辺である折曲線S2を外折りして、折返し部26を第2の側面被覆部23Bの表面と第1の側面被覆部23Aの裏面との間に積層する。
(5)外装缶11の側面11Dに折り畳まれた第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bの積層部25を水密構造に溶着して、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとで外装缶11の側面11Dを被覆する。
第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bの積層部25は、例えば、加熱器(図示せず)の溶着プレートが押圧されて溶着される。
【0058】
図6ないし図16の絶縁フィルムは、第1の側面被覆部23Aの突出幅(W1)と第2の側面被覆部23Bの突出幅(W2)を等しくし、第1の側面被覆部23Aの先端縁と第2の側面被覆部23Bの先端縁とを直線状としている。さらに、以上の絶縁フィルム2は、第1の側面被覆部23Aの突出幅(W1)と第2の側面被覆部23Bの突出幅(W2)を、外装缶11の側面11Dの横幅(D)の1/2よりも大きくすると共に、外装缶11の側面11Dの横幅(D)よりも小さくしている。これにより、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとを外装缶11の側面11Dで確実に積層して、側面11Dを隙間なく被覆できる。この構造の絶縁フィルムは、全体の外形を長方形とする簡単な外形としながら、絶縁性のフィルムを無駄なく有効に利用して、角形電池セルを水密構造に被覆できる。
【0059】
さらに、図17の展開図で示す絶縁フィルム2は、第1の側面被覆部23Aで外装缶11の側面11Dのほぼ全面を被覆できるように、第1の側面被覆部23Aに、主面被覆部21からの突出幅の広い幅広の側面被覆部23aと、突出幅の狭い幅狭の側面被覆部23bとを設けている。この絶縁フィルム2は、幅広の側面被覆部23aの突出幅(W3)を外装缶11の側面11Dの横幅(D)にほぼ等しくして、これで外装缶11側面11Dのほぼ全面を被覆できるようにしている。幅狭の側面被覆部23bは、その突出幅(W4)を底面被覆部22の突出幅(W5)と等しくしている。さらに、幅狭の側面被覆部23bと底面被覆部22との境界には連結部24を設けて、両者を同じ突出幅で連続する形状としている。図の絶縁フィルムは、底面被覆部22の突出幅(W5)を幅狭の側面被覆部23bの突出幅(W4)と等しくするので、絶縁フィルムを無駄なく有効に利用して、角形電池セルを絶縁フィルムで水密構造に被覆できる。ただ、絶縁フィルムは、底面被覆部の突出幅(W5)を幅広の側面被覆部の突出幅(W3)と等しくすることもできる。この絶縁フィルムは、積層部を広くして水密構造の信頼性を高くできる。
【0060】
図17の絶縁フィルム2も、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとの連結部24に三角形の折返し部26を設けて、この折返し部26の2辺となる折曲ライン27で折曲して第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとを外装缶11の側面11Dで積層している。図17と図18の絶縁フィルム2は、幅狭の側面被覆部23bと第2の側面被覆部23Bとの連結部24であって、幅狭の側面被覆部23bに直角三角形の折返し部26を設けると共に、幅広の側面被覆部23aと第2の側面被覆部23Bとの連結部24であって、第2の側面被覆部23Bに直角三角形の折返し部26を設けている。この折返し部26は、境界線L4と折曲線S1からなる折曲ライン27の一方を内折りし、他方を外折りすることで、第1の側面被覆部23Aの表面又は裏面に積層される。
【0061】
図17の絶縁フィルム2は、図18ないし図20に示すように、以下の工程で、外装缶11の表面を被覆する。
(1)図18に示すように、外装缶11の底面11Bを絶縁フィルム2の底面被覆部22に対向させる状態で、主面被覆部21と底面被覆部22の境界線L1を内折りして、底面被覆部22で外装缶11の底面11Bを、主面被覆部21で外装缶11の主面11Cを被覆する。
(2)図19に示すように、幅狭の側面被覆部23bを主面被覆部21との境界線L3で内折りして、外装缶11の側面11Dの側縁部を被覆する。
(3)第2の側面被覆部23Bを底面被覆部22との境界線L2で内折りし、第2の側面被覆部23Bで外装缶11の側面11Dの底部を被覆する。このとき、幅狭の側面被覆部23bとの連結部24において、折返し部26の1辺である折曲線S1を内折りし、さらに、折返し部26の他の1辺である境界線L4を外折りして、折返し部26を第1の側面被覆部23Aの表面と第2の側面被覆部23Bの裏面との間に積層する。
(3)さらに、図20に示すように、幅広の側面被覆部23aを主面被覆部21との境界線L3で内折りして、外装缶11の側面11Dを被覆する。このとき、幅広の側面被覆部23aとの連結部24において、折返し部26の1辺である折曲線S1を外折りし、さらに、折返し部26の他の1辺である境界線L4を内折りして、折返し部26を第2の側面被覆部23Bの表面と第1の側面被覆部23Aの裏面との間に積層する。
(4)外装缶11の側面11Dに折り畳まれた幅狭の側面被覆部23bと第2の側面被覆部23Bと幅広の側面被覆部23aの積層部25を水密構造に溶着して、幅狭の側面被覆部23bと第2の側面被覆部23Bと幅広の側面被覆部23aとで外装缶11の側面11Dを被覆する。
幅狭の側面被覆部23bと第2の側面被覆部23Bと幅広の側面被覆部23aの積層部25は、例えば、加熱器(図示せず)の溶着プレートが押圧されて溶着される。
【0062】
図20の角形電池セル1は、外装缶11の側面11Dに積層される幅狭の側面被覆部23bと第2の側面被覆部23Bと幅広の側面被覆部23aのうち、幅広の側面被覆部23aを最も表面側となるように積層している。この角形電池セル1は、外装缶11の側面11Dの横幅(D)にほぼ等しい突出幅(W3)の幅広の側面被覆部23aで外装缶11の側面11Dの表面側のほぼ全面を被覆するので、側面11Dの被覆部をすっきりとした綺麗な外観にできる。ただ、絶縁フィルムは、必ずしも幅広の側面被覆部を最も表面側となるように積層する必要はなく、幅狭の側面被覆部と第2の側面被覆部を幅広の側面被覆部の表面側に積層することもできる。
【0063】
図6ないし図20絶縁フィルム2は、外装缶11の側面11Dのほぼ全体を第1の側面被覆部23Aで被覆している。以上の絶縁フィルム2は、第2の側面被覆部23Bを底面被覆部22から大きく突出させることなく、突出幅の小さい細長い第2の側面被覆部23Bと第1の側面被覆部23Aで外装缶11の側面11Dを被覆している。
【0064】
さらに、図21の展開図に示す絶縁フィルム2は、外装缶11の側面11Dのほぼ全体を第2の側面被覆部23Bで被覆する。図21の絶縁フィルム2は、外装缶11の側面11Dのほぼ全面を第2の側面被覆部23Bで被覆できるように、第2の側面被覆部23Bの突出幅(W5)を、第1の側面被覆部23Aの長さ(L)に等しくしている。この絶縁フィルム2は、図22ないし図24に示すように、底面被覆部22と主面被覆部21との境界線L1を内折りして、底面被覆部22で外装缶11の底面11Bを、主面被覆部21で外装缶11の主面11Cを被覆し、さらに、第2の側面被覆部23Bと底面被覆部22との境界線L2を内折りして、第2の側面被覆部23Bで外装缶11の側面11Dを被覆する。この図の絶縁フィルム2は、外装缶11の主面11Cと側面11Dのほぼ全面を被覆するので、第2の側面被覆部23Bの突出幅(W5)を外装缶11の側面11Dの高さにほぼ等しくしている。
【0065】
さらに、この絶縁フィルム2は、第1の側面被覆部23Aを、主面被覆部21の側縁から突出している主面側の被覆部23xと、第2の側面被覆部23Bとの連結部24において、第2の側面被覆部23Bの側縁から突出している側面側の被覆部23yとで構成している。この絶縁フィルム2は、外装缶11の底面11Bを底面被覆部22で、主面11Cを主面被覆部21で、さらに、側面11Dを第2の側面被覆部23Bで被覆する状態で、主面被覆部21の側縁から突出する主面側の被覆部23xと第2の側面被覆部23Bの側縁から突出する側面側の被覆部23yとが積層されると共に、この積層部25Aが溶着されて水の侵入が阻止される。図21の絶縁フィルム2は、主面側の被覆部23xの突出幅(W6)と側面側の被覆部23yの突出幅(W7)を等しくしており、その境界部分において折曲線S1で折曲して互いに積層している。さらに、第1の側面被覆部23Aは、主面側の被覆部23xの突出幅(W6)と側面側の被覆部23yの突出幅(W7)を外装缶11の側面11Dの横幅(D)よりも狭くしている。主面側の被覆部23xの突出幅(W6)と側面側の被覆部23yの突出幅(W7)は、外装缶11の側面11Dの横幅(D)の1/2とし、あるいは1/2よりも小さくしている。この絶縁フィルム2は、折り畳んで積層される積層部25の最大積層数を3層として、積層部25をより安定して確実に水密構造に溶着できる。以上の絶縁フィルム2は、互いに積層される主面側の被覆部23xと側面側の被覆部23yが、外装缶11の側面11Dを被覆する第2の側面被覆部23Bの表面に折り畳まれて、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bの積層部25が水密構造に溶着される
【0066】
図21の絶縁フィルム2は、図22ないし図24に示すように、以下の工程で、外装缶11の表面を被覆する。
(1)図22に示すように、外装缶11の底面11Bを絶縁フィルムの底面被覆部22に対向させる状態で、主面被覆部21と底面被覆部22の境界線L1を内折りして、底面被覆部22で外装缶11の底面11Bを、主面被覆部21で外装缶11の主面11Cを被覆する。
(2)第2の側面被覆部23Bを底面被覆部22との境界線L2で内折りし、第2の側面被覆部23Bで外装缶11の側面11Dを被覆する。
(3)図23に示すように、第1の側面被覆部23Aを、主面側の被覆部23xと側面側の被覆部23yとの境界線である折曲線S1で内折りし、主面側の被覆部23xと側面側の被覆部23yとを互いに積層する。
(4)図24に示すように、主面側の被覆部23xを主面被覆部21との境界線L3で内折りすると共に、側面側の被覆部23yを第2の側面被覆部23Bとの境界線L4で外折りして、互いに積層された主面側の被覆部23xと側面側の被覆部23yとを、第2の側面被覆部23Bの表面に折り畳む。
(5)外装缶11の側面11Dに折り畳まれた第2の側面被覆部23Bと主面側の被覆部23xと側面側の被覆部23yとの積層部25を水密構造に溶着して、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bとで外装缶11の側面11Dを被覆する。
第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bの積層部25は、例えば、加熱器(図示せず)の溶着プレートが押圧されて溶着される。
【0067】
以上の絶縁フィルム2は、第1の側面被覆部23Aに、第2の側面被覆部23Bの側縁から突出する側面側の被覆部23yを設けて、この側面側の被覆部23yを第1の側面被覆部23Aの主面側の被覆部23xに積層するので、主面被覆部21と第2の側面被覆部23Bとの境界部分をより確実に水密に被覆できる特徴がある。ただ、絶縁フィルムは、図示しないが、第1の側面被覆部に、第2の側面被覆部の側縁から突出する側面側の被覆部を設けることなく、外装缶の側面のほぼ全面を第2の側面被覆部で被覆すると共に、この第2の側面被覆部に、主面被覆部から突出する第1の側面被覆部を積層して、主面被覆部と第2の側面被覆部との境界部分を水密に被覆することもできる。
【0068】
さらに、図7ないし図12、図14ないし図16、図18ないし図20、及び図22ないし図24は、外装缶11を絶縁フィルム2で被覆する工程において、絶縁フィルム2の内側に外装缶11を配置する状態で、絶縁フィルム2を所定の位置で折曲して外装缶11の底面11B、主面11C、及び側面11Dを被覆する状態を示している。これらの角形電池セル1は、加熱器(図示せず)の溶着プレートを外装缶11の側面11Dに沿って押圧して、第1の側面被覆部23Aと第2の側面被覆部23Bの積層部25を熱溶着する。ただ、角形電池セルは、絶縁フィルムの内側に外装缶を配置することなく、絶縁フィルムを所定の位置で所定の向きに折曲すると共に、積層部を溶着して全体の形状を袋状とした後、この袋状に成形された絶縁フィルムの内部に角形電池セルを挿入して、角形電池セルの外装缶の底面、主面、及び側面を絶縁フィルムで被覆することもできる。この絶縁フィルムは、所定の位置で所定の向きに折曲されて、外装缶の側面と対向する位置に形成される積層部の両面を、加熱器(図示せず)の溶着プレートで挟着して熱溶着する。この方法は、絶縁フィルムを熱溶着する工程での外装缶への熱の影響を極減できる。以上のようにして、外装缶11を絶縁フィルム2で被覆した角形電池セル1は、絶縁フィルム2を熱収縮させて、さらに外装缶11の表面に密着させる。
【0069】
さらに、図21に示す絶縁フィルム2は、図23に示す上述の(3)の工程において、外装缶11の側縁で積層される主面側の被覆部23xと側面側の被覆部23yとの積層部25Aを、加熱器(図示せず)の溶着プレートで両面から挟着して熱溶着することもできる。この構造は、外装缶11への熱の影響を極減しながら、主面側の被覆部23xと側面側の被覆部23yの積層部25Aをより確実に溶着して水密構造にできる。溶着された積層部25Aは、第2の側面被覆部23Bの表面に折り畳まれて、外装缶11の側面11Dに積層される。外装缶11の側面11Dに折り畳まれた積層部25Aは、第2の側面被覆部23Bの表面に溶着され、あるいは接着される。
【0070】
さらに、図25の展開図に示す絶縁フィルム2は、第2の側面被覆部23Bの両側に設けた第1の側面被覆部23Aのうち、一方で外装缶の側面のほぼ全面を被覆すると共に、この第1の側面被覆部23Aの先端部を他方の第1の側面被覆部23Aに溶着して外装缶の表面を被覆する。図25に示す絶縁フィルム2は、第2の側面被覆部23Bの両側に設けられる第1の側面被覆部23Aを、外装缶11の側面11Dのほぼ全面を被覆するメイン側面被覆部23mと、このメイン側面被覆部23mの先端部が溶着されるサブ側面被覆部23sとで構成している。図に示す絶縁フィルム2は、メイン側面被覆部23mの突出幅(W8)とサブ側面被覆部23sの突出幅(W9)、及び第2の側面被覆部23Bの突出幅(W10)を外装缶11の側面11Dの横幅(D)よりも大きくすると共に、メイン側面被覆部23mの先端縁と、第2の側面被覆部23Bの先端縁と、サブ側面被覆部23sの先端縁とを直線状としている。この絶縁フィルムは、全体の外形を長方形として簡単に製造できる。
【0071】
メイン側面被覆部23mの突出幅(W8)を外装缶11の側面11Dの横幅(D)よりも大きくするのは、メイン側面被覆部23mで外装缶11の側面11Dを被覆した状態で、メイン側面被覆部23mの先端部をサブ側面被覆部23sに積層するためである。図のメイン側面被覆部23mは、主面被覆部21との境界線L3からの突出幅が側面11Dの横幅(D)と等しい位置に折曲線S4を設けており、この折曲線S4より先端部分を、サブ側面被覆部23sへの積層連結部28としている。ここで、サブ側面被覆部23sの突出幅(W9)は、サブ側面被覆部23sの積層連結部28が積層される突出幅があればいいので、外装缶11の側面11Dの横幅(D)よりも小さくすることもできる。
【0072】
さらに、図の絶縁フィルム2は、メイン側面被覆部23mと第2の側面被覆部23Bとの連結部24に、折曲線S1と折曲線S2を折曲ライン27とする三角形の折返し部26を形成している。図の絶縁フィルム2は、境界線L1と境界線L3との交点Kから、メイン側面被覆部23m上に折曲線S1を延長すると共に、第2の側面被覆部23B上に折曲線S2を延長して三角形の折返し部26を形成している。この絶縁フィルム2は、折曲線S1と折曲線S2がなす角αを約45度としている。この折返し部26は、折曲線S1と折曲線S2の一方を内折りし、他方を外折りすることでメイン側面被覆部23mの裏面又は表面に積層される。すなわち、折返し部26は、メイン側面被覆部23mの裏面と第2の側面被覆部23Bの表面との間に積層するように折り畳まれ、あるいは、メイン側面被覆部23mの表面と第2の側面被覆部23Bの裏面との間に積層するように折り畳まれる。この絶縁フィルム2は、メイン側面被覆部23mと第2の側面被覆部23Bとの境界線L4を折曲ライン27としない折返し部26を設けているので、メイン側面被覆部23mと第2の側面被覆部23Bとを積層する状態において、メイン側面被覆部23mと第2の側面被覆部23Bの間に積層される三角形の折返し部26の折曲ライン27を、境界線L2及び境界線L3から離して配置できる。したがって、外装缶11の側面11Dに積層されるメイン側面被覆部23m及び第2の側面被覆部23Bの境界線L2、L3の近傍における重なりを少なくして、積層部25を確実に溶着できる。ただ、絶縁フィルムは、メイン側面被覆部と第2の側面被覆部との境界線L4を折曲ラインとする折返し部を、メイン側面被覆部と第2の側面被覆部との連結部に設けることもできる。
【0073】
さらに、図の絶縁フィルム2は、サブ側面被覆部23sと第2の側面被覆部23Bとの連結部24に、サブ側面被覆部23sと第2の側面被覆部23Bとの境界線L4及びサブ側面被覆部23s上の折曲線S3を折曲ライン27とする直角三角形の折返し部26を形成している。この折返し部26は、折曲線S3を内折りし、境界線L4を外折りすることで、サブ側面被覆部23sの裏面に積層される。
【0074】
図25の絶縁フィルム2は、図26ないし図29に示すように、以下の工程で袋状に成形される。
(1)図26に示すように、メイン側面被覆部23mを設けた主面被覆部21と底面被覆部22との境界線L1を内折りし、メイン側面被覆部23mと主面被覆部21との境界線L3を内折りする。
(2)図27に示すように、メイン側面被覆部23mと第2の側面被覆部23Bとの連結部24において、折返し部26の1辺である折曲線S1を外折りし、さらに、折返し部26の他の1辺である折曲線S2を内折りして、折返し部26をメイン側面被覆部23mの表面と第2の側面被覆部23Bの裏面との間に積層する。
(3)図27の矢印で示すように、折返し部26を介して積層されたメイン側面被覆部23mと第2の側面被覆部23Bの積層部25を、加熱器(図示せず)の溶着プレートで両面から挟着して熱溶着する。
(4)図28に示すように、サブ側面被覆部23sを設けた主面被覆部21と底面被覆部22との境界線L1を内折りすると共に、サブ側面被覆部23sと第2の側面被覆部23Bとの連結部24において、折返し部26の1辺である折曲線S3を内折りし、さらに、折返し部26の他の1辺である境界線L4を外折りし、さらに、メイン側面被覆部23mの折曲線S4を外折りして、メイン側面被覆部23mの積層連結部28をサブ側面被覆部23sに積層する。このとき、メイン側面被覆部23mの折曲線S4が、サブ側面被覆部23sと主面被覆部21との境界線L3に重なるように積層する。
(5)図28の矢印で示すように、メイン側面被覆部23mの積層連結部28とサブ側面被覆部23sとの積層部25を、加熱器(図示せず)の溶着プレートで両面から挟着して熱溶着する。
(6)図29の鎖線で示すように、サブ側面被覆部23sの先端部を、熱溶着された積層部25の側縁に沿ってカットして除去する。
(7)図29の矢印で示すように、サブ側面被覆部23sの先端部がカットされた積層部25を折り畳んでメイン側面被覆部23mの表面に積層する。折り畳まれた積層部25は、メイン側面被覆部23mの表面に溶着され、あるいは接着される。
【0075】
さらに、図25の絶縁フィルム2は、上述の(2)の工程において、図30に示すように、折返し部26の1辺である折曲線S1を内折りし、さらに、折返し部26の他の1辺である折曲線S2を外折りして、折返し部26をメイン側面被覆部23mの裏面と第2の側面被覆部23Bの表面との間に積層することもできる。この絶縁フィルム2も、上述の(3)ないし(7)の工程と同様にして、袋状に成形される。
【0076】
以上のようにして袋状に成形された絶縁フィルム2の内部に角形電池セルの外装缶を挿入して、外装缶の底面、主面、及び側面を絶縁フィルムで被覆する。さらに、外装缶が挿入された絶縁フィルムを熱収縮させて、外装缶の表面に密着させる。
【0077】
以上の電源装置は、車載用の電源として利用できる。電源装置を搭載する車両としては、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、あるいはモータのみで走行する電気自動車などの電動車両が利用でき、これらの車両の電源として使用される。
【0078】
(ハイブリッド車用電源装置)
図31は、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド自動車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置90を搭載した車両HVは、車両HVを走行させるエンジン96及び走行用のモータ93と、モータ93に電力を供給する電源装置90と、電源装置90の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置90は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。車両HVは、電源装置90の電池を充放電しながらモータ93とエンジン96の両方で走行する。モータ93は、エンジン効率の悪い領域、たとえば加速時や低速走行時に駆動されて車両を走行させる。モータ93は、電源装置90から電力が供給されて駆動する。発電機94は、エンジン96で駆動され、あるいは車両にブレーキをかけるときの回生制動で駆動されて、電源装置90の電池を充電する。
【0079】
(電気自動車用電源装置)
また、図32は、モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置90を搭載した車両EVは、車両EVを走行させる走行用のモータ93と、このモータ93に電力を供給する電源装置90と、この電源装置90の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置90は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。モータ93は、電源装置90から電力が供給されて駆動する。発電機94は、車両EVを回生制動する時のエネルギーで駆動されて、電源装置90の電池を充電する。
【0080】
(蓄電用電源装置)
さらに、本発明は、電源装置の用途を、車両を走行させるモータの電源には特定しない。本発明の電源装置は、太陽光発電や風力発電等で発電された電力で電池を充電して蓄電する蓄電装置用の電源として使用することができ、あるいは、夜間の深夜電力を利用して電池を充電して蓄電する蓄電装置用の電源として使用することもできる。深夜電力で充電される電源装置は、発電所の余剰電力である深夜電力で充電して、電力負荷の大きくなる昼間に電力を出力して、昼間のピーク電力を小さく制限することができる。さらに、電源装置は、太陽電池の出力と深夜電力の両方で充電する電源としても使用できる。この電源装置は、太陽電池で発電される電力と深夜電力の両方を有効に利用して、天候や消費電力を考慮しながら効率よく蓄電できる。
【0081】
図33に示す蓄電装置は、商用電源の深夜電力や太陽電池等の充電用電源85で電源装置80の電池を充電し、電源装置80の電池を放電して負荷81のDC/ACインバータ82に電力を供給する。このため、図の蓄電装置は、充電モードと放電モードを備える。充電用電源85は、充電スイッチ86を介して電源装置80に接続されており、DC/ACインバータ82は、放電スイッチ84を介して電源装置80に接続されている。放電スイッチ84及び充電スイッチ86のON/OFFは、電源装置80の制御回路87によって切り替えられる。充電モードにおいて、制御回路87は充電スイッチ86をONに、放電スイッチ84をOFFに切り替えて、充電用電源85から供給される電力で電源装置80の電池を充電する。電源装置80は、充電が完了して満充電になり、あるいは所定値以上の容量が充電されると、制御回路87が充電スイッチ86をOFFに切り換えて充電を停止する。また、放電モードにおいて、制御回路87は、放電スイッチ84をONに、充電スイッチ86をOFFに切り替えて、電源装置80から負荷81へ電力を供給する。電源装置80から電力が供給される負荷81は、DC/ACインバータ82を介して電源装置80からの電力を電気機器83に供給する。電源装置80は、電池の残容量が所定の容量まで低下すると、制御回路87が放電スイッチ84をOFFに切り換えて放電を停止する。さらに、蓄電装置は、必要に応じて、充電スイッチ86と放電スイッチ84の両方をONにして、負荷81への電力供給と、電源装置80への充電を同時に行うこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明に係る電源装置は、EV走行モードとHEV走行モードとを切り替え可能なプラグイン式ハイブリッド電気自動車やハイブリッド式電気自動車、電気自動車等の電源装置として好適に利用できる。また、コンピュータサーバのラックに搭載可能なバックアップ電源装置、携帯電話等の無線基地局用のバックアップ電源装置、家庭内用、工場用の蓄電用電源、街路灯の電源等、太陽電池と組み合わせた蓄電装置、信号機等のバックアップ電源用等の用途にも適宜利用できる。
【符号の説明】
【0083】
1…角形電池セル
2…絶縁フィルム
3…セパレータ
4…エンドプレート
5…バインドバー 5A…折曲部
6…締結手段
7…冷却プレート
8…冷却機構
9…電池積層体
10…電池ブロック
11…外装缶 11A…天面
11B…底面
11C…主面
11D…側面
13…電極端子
15…安全弁
16…開口部
17…バスバー
19…止ネジ
21…主面被覆部
22…底面被覆部
23…側面被覆部 23A…第1の側面被覆部
23B…第2の側面被覆部
23a…幅広の側面被覆部
23b…幅狭の側面被覆部
23m…メイン側面被覆部
23s…サブ側面被覆部
23x…主面側の被覆部
23y…側面側の被覆部
24…連結部
25…積層部 25A…積層部
26…折返し部
27…折曲ライン
28…積層連結部
31…冷媒路
32…コンプレッサ
33…冷却熱交換器
34…膨張弁
35…絶縁性熱伝導シート
50…電池ブロック
53…セパレータ 53A…送風溝
56…送風ダクト
57…送風隙間
58…冷却機構 58A…強制送風機構
59…電池積層体
80…電源装置
81…負荷
82…DC/ACインバータ
83…電気機器
84…放電スイッチ
85…充電用電源
86…充電スイッチ
87…制御回路
90…電源装置
93…モータ
94…発電機
95…DC/ACインバータ
96…エンジン
101…角形電池セル
102…熱収縮シート 102X…熱溶着部
110…電池ブロック
111…外装缶 111B…底面
113…電極端子
201…角形電池セル
211…外装缶 211B…底面
211D…側面
202…熱収縮フィルム 202X…熱溶着部
EV…車両
HV…車両
L1…境界線
L2…境界線
L3…境界線
L4…境界線
S1…折曲線
S2…折曲線
S3…折曲線
S4…折曲線
K…交点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の角形電池セル(1)と、
複数の角形電池セル(1)を積層状態に固定している締結手段(6)と、
を備える電源装置であって、
角形電池セル(1)は、
天面(11A)と底面(11B)と、一対の主面(11C)と側面(11D)からなる角形の外装缶(11)と、
外装缶(11)の主面(11C)と側面(11D)と底面(11B)を被覆している絶縁フィルム(2)と、
を備え、
絶縁フィルム(2)は、外装缶(11)の主面(11C)を被覆する主面被覆部(21)と、外装缶(11)の底面(11B)を被覆する底面被覆部(22)と、外装缶(11)の側面(11D)を被覆する側面被覆部(23)とを連続して設けてなる1枚の絶縁性のフィルムからなり、
この絶縁フィルム(2)は、一対の主面被覆部(21)の間に底面被覆部(22)を設けて、連続する主面被覆部(21)と底面被覆部(22)の両側から側面被覆部(23)を突出させる形状としており、
さらに、側面被覆部(23)は、主面被覆部(21)の側縁から突出している第1の側面被覆部(23A)と、底面被覆部(22)から外側に突出している第2の側面被覆部(23B)とからなり、
第1の側面被覆部(23A)と第2の側面被覆部(23B)は、主面被覆部(21)と底面被覆部(22)の両側縁部で切り離されることなく連結部(24)で連続しており、
底面被覆部(22)と主面被覆部(21)との境界線(L1)が内折りされて底面被覆部(22)で外装缶(11)の底面(11B)を、主面被覆部(21)で外装缶(11)の主面(11C)を被覆しており、
さらに、第2の側面被覆部(23B)と底面被覆部(22)との境界線(L2)が内折りされ、かつ第1の側面被覆部(23A)と主面被覆部(21)との境界線(L3)が内折りされ、なおかつ、第1の側面被覆部(23A)と第2の側面被覆部(23B)との連結部(24)の近傍が折曲されて、第1の側面被覆部(23A)と第2の側面被覆部(23B)とが外装缶(11)の側面(11D)で折り畳まれて積層部(25)が水密構造に溶着されて、第1の側面被覆部(23A)と第2の側面被覆部(23B)とで外装缶(11)の側面(11D)を被覆しており、
複数の角形電池セル(1)の底面(11B)が同一平面上に並ぶ姿勢として、締結手段(6)により積層状態に締結されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記第1の側面被覆部(23A)と第2の側面被覆部(23B)との連結部(24)の近傍で折曲される折曲ライン(27)が、外装缶(11)の底面(11B)から上方に向かう方向となる請求項1に記載される電源装置。
【請求項3】
前記第1の側面被覆部(23A)が、前記主面被覆部(21)からの突出幅の広い幅広の側面被覆部(23a)と、突出幅の狭い幅狭の側面被覆部(23b)とからなり、前記幅広の側面被覆部(23a)は、その一部を前記幅狭の側面被覆部(23b)と前記第2の側面被覆部(23B)とに積層して、積層部(25)が水密構造に溶着されており、
前記幅広の側面被覆部(23a)と前記幅狭の側面被覆部(23b)と前記底面被覆部(22)とで外前記装缶(11)の側面(11D)を被覆している請求項1または2に記載される電源装置。
【請求項4】
前記幅狭の側面被覆部(23b)の突出幅(W4)が前記底面被覆部(22)の突出幅(W5)に等しく、かつ、前記幅広の側面被覆部(23a)の突出幅(W3)が前記外装缶(11)の側面(11D)の横幅(D)にほぼ等しく、
前記幅狭の側面被覆部(23b)と前記底面被覆部(22)とが同じ突出幅で連続している請求項3に記載される電源装置。
【請求項5】
前記幅狭の側面被覆部(23b)と前記第2の側面被覆部(23B)とがその境界部分で折曲されて、前記外装缶(11)の表面で積層され、さらに、前記幅広の側面被覆部(23a)と前記第2の側面被覆部(23B)とがその境界部分で折曲されて、前記外装缶(11)の表面で積層され、前記積層部(25)が水密構造に溶着されてなる請求項4に記載される電源装置。
【請求項6】
前記第2の側面被覆部(23B)の突出幅(W5)が、前記第1の側面被覆部(23A)の長さ(L)に等しく、
前記第1の側面被覆部(23A)と前記第2の側面被覆部(23B)とが前記外装缶(11)の側面(11D)で水密構造に積層されてなる請求項1に記載される電源装置。
【請求項7】
前記第1の側面被覆部(23A)が、前記主面被覆部(21)の側縁から突出している主面側の被覆部(23x)と、前記第2の側面被覆部(23B)との連結部(24)において、前記第2の側面被覆部(23B)の側縁から突出している側面側の被覆部(23y)とを備え、
前記主面側の被覆部(23x)の突出幅(W6)と前記側面側の被覆部(23y)の突出幅(W7)が外装缶(11)の側面(11D)の横幅(D)よりも狭く、
前記主面側の被覆部(23x)と前記側面側の被覆部(23y)とがその境界部分で折曲されて互いに積層されてなる請求項6に記載される電源装置。
【請求項8】
前記主面側の被覆部(23x)の突出幅(W6)と前記側面側の被覆部(23y)の突出幅(W7)が等しい請求項7に記載される電源装置。
【請求項9】
前記絶縁フィルム(2)が熱収縮フィルムである請求項1ないし8のいずれかに記載される電源装置。
【請求項10】
各々の角形電池セル(1)の底面(11B)に熱結合状態に固定してなる冷却プレート(7)を備え、冷却プレート(7)でもって角形電池セル(1)を強制冷却するようにしてなる請求項1ないし9のいずれかに記載される電源装置。
【請求項11】
前記電源装置が、車両用の電源装置である請求項1ないし10のいずれかに記載の電源装置。
【請求項12】
前記電源装置が、蓄電用の電源装置である請求項1ないし10のいずれかに記載の電源装置。
【請求項13】
請求項1ないし11のいずれかに記載される電源装置を備える車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2013−33668(P2013−33668A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169675(P2011−169675)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】