説明

電界発光素子用スピロ化合物及び、これを含む電界発光素子

【課題】優れた発光特性を有する電界発光素子用スピロ化合物及びスピロ化合物を含む電界発光素子を提供する。
【解決手段】本発明は電界発光素子用スピロ化合物及び、これを含む電界発光素子を提供し、電界発光素子の正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層全てに適用することができ、低いエネルギーで多様な色の実現が可能で、電界発光素子の輝度と発光効率を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電界発光素子用スピロ化合物及び、これを含む電界発光素子に関し、より詳しくは有機電界発光素子(EL Display)の正孔(hole)注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層全てに適用することができるスピロ系化合物及び、これを含む高効率の有機電界発光素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、情報通信産業の発達が加速化することに伴って、最も重要な分野の一つであるディスプレイ素子分野においてより高度な性能が要求されている。このようなディスプレイは発光型と非発光型に分けられる。
【0003】
発光型に属するディスプレイとしては、陰極線管(Cathode-Ray-Tube:CRT)、電界発光素子(Electroluminescene Display:ELD)、電気発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)、プラズマ素子パネル(Plazma Display Panel:PDP)等がある。そして、非発光型ディスプレイとしては液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)等がある。
【0004】
前記発光型及び非発光型ディスプレイは作動電圧、消費電力、明るさ、つまり輝度、コントラスト、応答速度、寿命、そして表示色などの基本性能を持っている。しかし、この中で現在まで多く使用されている液晶ディスプレイは、前述した基本性能の中で応答速度、コントラスト及び視覚依存性に対して問題を持っている。
【0005】
発光ダイオードを利用したディスプレイは応答速度が速く、自己発光型であるために背面光(back light)が必要でなく、輝度に優れているだけでなく、多様な長所を持っているので、液晶ディスプレイの問題点を補完した次世代ディスプレイ素子としての役割を果たすと展望している。
【0006】
発光ダイオードは主に結晶形態を有する無機材料が使用されるために、大面積の電界発光素子に適用することが難しい。また、無機材料を利用した電界発光素子の場合、駆動電圧が200V以上必要であり、価格もまた高価である短所がある。しかし、1987年イーストマンコダック社(Eastman Kodak Co.)でアルミナキノン(alumina quinone)というパイ共役構造を有する材料で製作された素子が発表されて以来、有機物を利用した電界発光素子の研究が活発になった。有機物の場合、合成経路が簡単で、多様な形態の物質合成が容易であるので、カラーチューニング(color tuning)が可能な長所を有している反面、機械的強度が低いため熱による結晶化が起こる短所がある。
【0007】
電界発光素子に使用される有機材料は低分子有機材料と高分子有機材料に分けられる。低分子有機材料としては、ジアミン、N,N'-ビス-(4-メチルフェニル)-N,N'-ビス(フェニル)ベンジジン(N,N'-bis-4-methylphenyl)-N,N'-bis(phenyl)benzidine;TPD)等のジアミン誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体、オキサジアゾール誘導体、1,1,4,4-テトラフェニル-1,3-ブタジエン(TPB)等がある。
【0008】
一方、高分子を利用した電界発光素子に関する研究は、1990年ケンブリッジグループによってπ-共役高分子であるポリ(1,4-フェニレンビニレン;PPV)に電気を加えた時、光が発光するという事実が報告された後、活発な研究が進められている。
【0009】
π-共役高分子は単一結合(或いはσ-結合)と二重結合(或いはπ-結合)が交互にある化学構造を持っていて、偏在化されずに結合鎖に沿って比較的に自由に動けるπ-電子を有している。π-共役高分子は、このような半導体的な性質によって、それらを電界発光素子の発光層に適用する時、HOMO-LUMOバンドギャップ(band-gap)に相当する全可視光領域の光を分子設計を通じて容易に得ることができる。また、スピンコーティング或いはプリンティング方法で簡単に薄膜を形成することができるので、素子製造工程が簡単で、安価で、高いガラス遷移温度を持っているために優れた機械的性質の薄膜が提供できるという長所を持っている。しかし、高分子物質は合成する方法によって分子鎖内に劣化を促進する欠陥が存在することがあり、精製が難しいため高純度化が難しいという短所がある。
【非特許文献1】C.W.Tang and S.V.VanSlyke, Appl. Phys. Lett. 51, 913 (1987)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はこのような問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、優れた発光特性を有する電界発光素子用スピロ化合物を提供することにある。
【0011】
前記スピロ化合物は、電界発光素子の正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層の全てに適用することができるヘテロ原子を含むスピロ系化合物である。
【0012】
本発明の他の目的は、前記スピロ化合物を含む電界発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は前記目的を達成するために、下記の化学式1または2で示される化合物、これらのオリゴマー化合物及び、これらのポリマーよりなる群から1種以上選択される電界発光素子用スピロ化合物を提供する。
【0014】
【化1】

【化2】

【0015】
前記式で、A乃至A15は各々独立的にC、N、O、S及びSiよりなる群から選択される元素であり、A乃至Aのうちの少なくとも一つと、A乃至A15のうちの少なくとも一つはCではなく、R乃至Rは各々独立的に水素、重水素、ハロゲン、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基及び、置換されたか置換されていないヘテロアリール基よりなる群から選択され、R乃至Rは水素、重水素、ハロゲン、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基、置換されたか置換されていないヘテロアリール基、-CN、-NO、置換されたか置換されていないフルオロアルキル、-SiR1011、-NR1213及び、-CR14=CR15-R16よりなる群から選択され、前記R乃至R16は各々独立的に水素、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基及び、置換されたか置換されていないヘテロアリール基よりなる群から選択され、x、y、z及びwは各々0乃至4の整数である。
【0016】
本発明はまた、基板と、アノードと、正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層と、電子注入層と、カソードとを含み、前記正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層のうちの少なくとも一つの層に前記スピロ化合物を含む電界発光素子を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電界発光素子用スピロ化合物は、正孔輸送層、正孔注入層、発光層、電子注入層及び、電子輸送層のうちのいずれか一つまたはこれら全てに適用することができる。
【0018】
前記スピロ化合物を含む電界発光素子は、低いエネルギーへの多様な色実現が可能であり、特に、低い電圧でも青色発光が駆動でき、輝度と発光効率を増加させる長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明者らは公知の低分子/高分子の短所を補完し、これらの長所を導入して、精製しやすくて分子欠陥がなく、さらに分子量が少ないことにもかかわらず、可溶性溶媒を利用して簡単に薄膜が形成できる電界発色材料を開発した。
【0020】
構造的には、ヘテロ原子を含むスピロ系化合物を基本分子骨格とし、多様な置換体を導入して、真空プロセスや湿式工程でも容易に使用できる新たなスピロ化合物を開発した。
【0021】
本発明の電界発光素子用スピロ化合物は、下記の化学式1または2で示される化合物及び、これらのオリゴマー及びポリマーよりなる群から1種以上選択されるのが好ましい。
【0022】
【化3】

【化4】

【0023】
前記式で、A乃至A15はC、N、O、S及びSiよりなる群から選択され、A乃至Aのうちの少なくとも一つと、A乃至A15のうちの少なくとも一つはCではない。より好ましくは、化学式1でA乃至Aのうちの少なくとも一つと、A乃至Aのうちの少なくとも一つがN、O、S及びSiよりなる群から選択され、化学式2でA乃至A11のうちの少なくとも一つと、A12乃至A15のうちの少なくとも一つはN、O、S及びSiよりなる群から選択される。また、A乃至A15のうちのヘテロ元素は少なくとも1つ以上であるのが好ましく、1つ乃至4つであるのがさらに好ましい。
【0024】
前記化学式1または2において、R乃至Rは水素、重水素、ハロゲン、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基及び置換されたか置換されていないヘテロアリール基よりなる群から選択される。
【0025】
また、前記化学式1または2において、R乃至Rは水素、重水素、ハロゲン、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基、置換されたか置換されていないヘテロアリール基、-CN、-NO、置換されたか置換されていないハロアルキル、-SiR1011、-NR1213及び-CR14=CR15-R16よりなる群から選択される。
【0026】
また、前記R乃至R16は各々独立的に水素、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基及び置換されたか置換されていないヘテロアリール基よりなる群から選択される。
【0027】
この時、前記R乃至RのハロゲンはF、Cl、Br、及びIよりなる群から選択され、前記R乃至R16の中で、アルキル基は炭素数1乃至12のアルキル基であるのが好ましく、炭素数1乃至8の低級アルキル基であるのがさらに好ましく、シクロアルキル基は炭素数3乃至12のシクロアルキル基であるのが好ましく、炭素数5乃至8のシクロアルキル基であるのがさらに好ましく、アルケニル基は炭素数2乃至8のアルケニル基であるのが好ましく、炭素数2乃至4のアルケニル基であるのがさらに好ましく、アルキニル基は炭素数2乃至4のアルキニル基であるのが好ましく、炭素数2乃至4のアルキニル基であるのがさらに好ましく、アルコキシ基は炭素数1乃至12のアルコキシ基であるのが好ましく、炭素数1乃至8のアルコキシ基であるのがさらに好ましく、アリール基は炭素数4乃至30のアリール基であるのが好ましく、炭素数4乃至20のアリール基であるのがさらに好ましく、ヘテロアリール基は炭素数4乃至30の芳香族環にN、S、P、SiまたはOのヘテロ原子を1乃至3個含むヘテロアリール基であるのが好ましく、炭素数4乃至20の芳香族環に前記ヘテロ原子を1乃至3個含むヘテロアリール基であるのがさらに好ましい。
【0028】
本発明で化学式1及び2に記載された“置換”は少なくとも1つの水素がアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、脂肪族アミン、芳香族アミンまたはアリルオキシ基で置換されることを意味し、前記ハロゲンはF、Cl、Br及びIよりなる群から選択されるのが好ましい。
【0029】
特に、本発明の化学式1及び2で置換されたか置換されていないヘテロアリール基は、置換されたか置換されていないカルバゾール(carbazole)、置換されたか置換されていないフェノチアジン(phenothiazine)、置換されたか置換されていないフェノキサジン(phenoxazine)、置換されたか置換されていないフェノキサチン(phenoxathin)、置換されたか置換されていないアクリジン(acridine)、置換されたか置換されていないフェナザシリン(phenazasiline)または置換されたか置換されていない9-アザ-10-ゲルマ-アントラセン(9-aza-10-germa-anthracene)であるのがさらに好ましい。
【0030】
前記スピロ化合物は熱的に優れた特性を持っていて、3次元的な構造からなっているために分子間の相互作用が少なくて、発光特性の安定性面などで優れた特性を持っているので、電界発光(EL)素子の正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層に全て適用することができ、特に、発光特性に優れていて発光層のホストまたはドーパントとして使用することができる。
【0031】
本発明では前記化学式1または2で示される化合物をモノマーとして製造されたオリゴマー、ホモポリマーまたはコポリマーも好ましく使用できる。このうち、化学式1及び化学式2のモノマーのオリゴマーまたはポリマーは、下記の化学式3及び化学式4で示される:
【0032】
【化5】

【0033】
【化6】

【0034】
前記化学式3及び化学式4において、A乃至A、R及びRは前記化学式1と同一であり、nとmは1乃至10000の範囲にあるのが好ましく、1乃至2000の範囲にあるのがさらに好ましい。オリゴマーの場合に、nとmは1乃至10の範囲にあるのが好ましく、ポリマーの場合にはnとmは10乃至2000の範囲にあるのが好ましい。
【0035】
前記オリゴマーまたはコポリマーは化学式1または2の化合物をモノマーとして使用し、Ni(0)またはPd(O)などの金属触媒を用いて溶液重合して製造できる。前記触媒としてはNi(COD)[Bis(1,5-cyclooctadiene)nickel(0)]、Pd(Ph[Tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0)]、PdCl[Palladium(II)chloride]、FeCl[Iron(III)chloride]などを使用することができる。
【0036】
前記化学式1または2の化合物を重合する時、下記の化学式5及び化学式6の化合物を共に重合して製造することができる。一般に、これら重合は山本または鈴木重合法などを利用して行うことができる。
【0037】
【化7】

【0038】
【化8】

【0039】
前記式で、Arは置換されたか置換されていない芳香族基または異種原子が1つ以上芳香族環に含まれたヘテロ芳香族基であり、R17及びR18は反応性官能基で、好ましくは各々独立的にハロゲン、ボレート、ボロン酸(Boronic acid;-B(OH)))及びOTfである。また、R17及びR18は水素、置換されない直鎖または分枝鎖のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基よりなる群から選択することもできる。これらの炭素数は、前述した通りに定義できる。R17及びR18が反応性官能基でない場合には、酸化剤または還元剤を添加して重合反応を進めることができる。
【0040】
前記芳香族基は炭素数4乃至30の芳香族基が好ましく、炭素数4乃至20の芳香族基であるのがさらに好ましく、前記ヘテロ芳香族基は炭素数4乃至14のヘテロ芳香族基のが好ましく、前記芳香族基またはヘテロ芳香族基には炭素数1乃至12のアルキル基、アルコキシ基またはアミン基が一つ以上置換できる。前記Arの好ましい例は次の通りである。
【0041】
【化9】

【0042】
前記式でRは各々水素原子、炭素数1乃至12の線状、分枝状または環状アルキル基またはアルコキシ基または炭素数4乃至20、好ましくは炭素数4乃至14の芳香族基であり、前記芳香族基は炭素数1乃至12のアルキル基、アルコキシ基またはアミン基よりなる群から選択される置換基を有することができ、XはN、O、S、及びSiよりなる群から選択される。
【0043】
化学式1または2のモノマーのうちの少なくともいずれか一つと、化学式5または化学式6のモノマーのモル比を1:0.01乃至100に調節するのが好ましく、1:0.03乃至10に調節するのがさらに好ましい。
【0044】
本発明による前記スピロ化合物は、仕事関数の大きいITO(酸化インジウムスズ)からなる正孔を注入する正極と、アルミニウム、フッ化リチウム/アルミニウム、フッ化リチウム/カルシウム、フッ化バリウム/カルシウム、銅、銀、カルシウム、金、マグネシウムなどのような多様な仕事関数の金属及びマグネシウムと銀の合金、アルミニウムとリチウムの合金からなる電子を注入する負極の間に適用される。
【0045】
図1は本発明の電界発光素子の構造を概略的に示す断面図である。図1を参照すると、本発明の電界発光素子は基板1上に順次に積層されたアノード2、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6及びカソード7を含み、前記正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層のうちの少なくとも一つの層に前記スピロ化合物を含む。
【0046】
本発明の電界発光素子は図2で示したようにアノード2と正孔注入層3の間にバッファー層11をさらに含むことができる。
【0047】
また、本発明の電界発光素子は図3で示したように、必要に応じて電子輸送層6とカソード7との間に電子注入層12をさらに含むことができる。
【0048】
前記基板1は透明で表面平滑性があり、取扱い容易性及び防水性に優れた材料であるのが好ましく、ガラス、透明プラスチック、石英、セラミックまたはシリコンなどのような物質からなるのがさらに好ましいが、これに限定されるわけではない。
【0049】
前記アノード2は正孔を注入する役割を果たし、仕事関数の大きいアノード物質を含む。前記アノード物質は透明で伝導性に優れるのが好ましく、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫(SnO)及び酸化亜鉛(ZnO)よりなる群から1種以上選択されるのがさらに好ましい。
【0050】
前記バッファー層11は、前記アノード2上にアノードの表面を補償して、正孔の注入と流れを補助する役割を果たす。前記バッファー層に含まれるバッファー物質はドーピングされたポリアニリン(PANI)またはドーピングされたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のような伝導性高分子物質であるか、アルファ-銅ペロシアニン(CuPc)のような低分子物質を1種以上含み、前記PANIとPEDOTの場合には、スピンコーティング方法で20nm乃至150nm厚さを有する薄膜の形態で製造されるのが好ましく、前記アルファ-CuPcの場合には、真空蒸着で20nm乃至100nmの厚さを有する薄膜の形態で製造されるのが好ましい。ただし、前記バッファー層に関する内容は本発明の好ましい例を記載したことに過ぎず、必ず前記範囲に限定されるわけではない。
【0051】
前記正孔注入層(HIL)3は、前記アノード2または前記バッファー層11の上部に正孔注入物質を真空熱蒸着、或いはスピンコーティングして形成するのが好ましく、低分子電界発光素子の場合は、銅ペロシアニン(CuPc)またはスターバースト(Starburst)型アミン類である4,4’,4”-トリス-(N-カーバゾリル)-トリフェニルアミン(TCTA)、4,4’,4”-トリス(3-メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m-MTDATA)及び、1,3,5-トリス[4-(3-メチルフェニルフェニルアミノ)フェニル]ベンゼン(m-MTDAPB)よりなる群から選択される1種以上の正孔注入物質を含むのが好ましいが、本発明で正孔注入物質が前記例に特に制限されるわけではない。
【0052】
前記正孔輸送層(HTL)4の形成方法は特に限定されないが、前記正孔注入層3上に正孔輸送物質を真空熱蒸着またはスピンコーティングして形成することができる。前記正孔輸送物質は特に制限されず、電界発光素子に利用される通常のものであればよい。ただし、好ましくは、低分子電界発光素子の場合に、前記正孔輸送物質がN,N'-ビス(3-メチルフェニル)-N,N'-ジフェニル-[1,1-ビフェニル]-4,4'-ジアミン(TPD)、N,N'-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニルベンジジン及び、N,N'-ビス(ナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(-NPB)よりなる群から選択される1種以上であることができ、高分子電界発光素子の場合は、ドーピングされたPEDOTを前記正孔注入層3と正孔輸送層4に同時に含むこともできる。
【0053】
前記発光層5の形成方法は特に限定されないが、前記正孔輸送層4上に発色材料を真空熱蒸着或いはスピンコーティングして形成することができる。
【0054】
前記電子輸送層(ETL)6は、前記発光層5上に電子輸送物質を真空熱蒸着或いはスピンコーティングして形成することができ、前記電子輸送物質は低分子電界発光素子の場合、アルミニウムトリス(8-ヒドロキシキノリン)(Alq3)及び、2-(4'-ビスフェニル)-5-(4”-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(t-Bu-PBD)よりなる群から選択される1種以上であるのが好ましい。ただし、本発明で前記電気輸送層の形成方法と電子輸送物質の種類は前記例に限られない。
【0055】
前記電子注入層(EIL)12は、前記電子輸送層6上に選択的に積層されることができる。前記電子注入層の材料は一般的な電界発光素子用電子注入層材料で特に制限されないが、LiF、BaF、NaCl、CsF、LiO及びBaOよりなる群から選択される1種以上の物質を含むことができる。
【0056】
前記電子輸送層6または電子注入層12の上部に負極形成材料を真空熱蒸着してカソード7を形成することができ、前記カソード形成用材料としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)及び、マグネシウム-銀(Mg-Ag)よりなる群から選択される1種以上の金属を用いることができる。また、全面発光素子を得るためには、前記負極に透明な伝導性物質を利用するのが好ましく、ITO及びIZOよりなる群から選択される1種以上を含む透過型カソードを利用するのがさらに好ましい。
【0057】
前記電界発光素子の正孔注入層3,正孔輸送層4,発光層5、電子輸送層6及び電子注入層12の中で少なくとも1つの層は、前記化学式1または2で示される化合物、これらのオリゴマー及びポリマーのうちの1種以上を含み、好ましくは前記発光層が前記化学式1または2で示される化合物、これらのオリゴマー及びポリマーのうちの1種以上を含む。
【0058】
前記スピロ化合物が発光層5に含まれる場合、発色材料として前記スピロ化合物と他の発色材料が共に含まれることができ、前記スピロ化合物と共にドーパントが含まれることもでき、或いは前記スピロ化合物と他の発色材料及びドーパントが共に含まれることもできる。前記の多様な場合において、スピロ化合物と他の発色材料が含まれる場合には、前記スピロ化合物がドーパントとしての役割を果たし、前記スピロ化合物とドーパントが共に含まれる場合には、前記スピロ化合物が発光ホストの役割を果たし、前記スピロ化合物が他の発色材料及びドーパントと共に使用される場合には、ホストとドーパントの役割を同時に果たす。
【0059】
前記スピロ化合物の他に発光層5に含まれる発色材料は本発明で特に限定されず、既存の発色材料を全て用いることができるが、好ましくはドーパントによって緑色、赤色、または黄色発光をする発光ホストであるアルミニウムトリス(8-ヒドロキシキノリン)(Alq3),緑色発光ホストである4,4'-ビス(カーバゾール-9-イル)ビフェニル(CBP)、青色発光ホストである4,4'-ビス(2,2-ジフェニル-エチレン-1-イル)-ジフェニル(DPVBi)、4,4”-ビス(2,2-ジフェニルビニル-1-イル)-p-トリフェニレン(DPVTP)、スピロ-DPVBiなどよりなる群から選択される1種以上の発光ホスト材料を含むのが好ましい。
【0060】
前記発光層5に含まれるドーパントは、共役二重結合を有する有機化合物であるのが好ましく、被ドーピング物質である前記スピロ化合物よりエネルギーギャップが少なくて最大波長値が前記スピロ化合物より小さく、エネルギー遷移が容易で、発色団特性を有する物質であるのが好ましい。
【0061】
高分子電界発光システムの場合、少なくとも単独乃至2種、多くは4乃至5種の高分子を物理的に混合して発光特性(発光色、効率、そして作動電圧を下げるなど)を最適化することができる。しかし、根本的にこれらブレンディングシステムの場合、相分離などの高分子薄膜の耐久性低下によって化学結合である共重合による性能の最適化を図るのが好ましい。
【0062】
低分子電界発光システムの場合には、ジカルバゾリルアゾベンゼン(DCAB)、フルオレニルジアセチレン(FDA)、ペリレン、カルバゾール、カルバゾール誘導体、クマリン系化合物及び、4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(1,1,7,7-テトラメチルジュロジニル-9-エニル)-4H-ピラン(DCJT)よりなる群から選択される少なくとも1つの化合物がドーパントとして好ましい。
【0063】
前記ジカルバゾリルアゾベンゼン(DCAB)は下記の化学式7で示され、前記フルオレニルジアセチレン(FDA)は下記の化学式8で示され、前記ペリレンは下記の化学式9で示され、前記4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(1,1,7,7-テトラメチルジュロジニル-9-エニル)-4H-ピランは下記の化学式10で示され、前記クマリン系化合物は下記の化学式11で示されるクマリン6(エキシトン社製品)であるのが好ましい。
【0064】
【化10】

【0065】
【化11】

【0066】
前記式で、R19及びR20は各々独立的に水素、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基及びアセチル期よりなる群から選択されるものである。
【0067】
【化12】

【0068】
【化13】

【0069】
【化14】

【0070】
前記ドーパントは結晶化度、熱的安定性、溶解性など、必要な物性を得るために一つ以上の置換基を有することができる。
【0071】
前記ジカルバゾリルアゾベンゼン(DCAB)、フルオレニルジアセチレン(FDA)、ペリレン、カルバゾール及びカルバゾール誘導体はブルードーパントとして、クマリン系化合物はグリーンドーパントとして、4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(1,1,7,7-テトラメチルジュロジニル-9-エニル)-4H-ピランはレッドドーパントとして使用できる。
【0072】
本発明の発光層で前記ドーパントの使用量は発色材料及びドーパントの全量に対して0.1乃至30重量%であるのが優れた発光特性を現わすのに好ましく、1乃至30重量%であるのがさらに好ましく、1乃至10重量%であることが最も好ましい。
【0073】
以下、本発明の好ましい実施例を提示する。ただし、下記の実施例は本発明の理解のために提示されるものに過ぎず、本発明が下記の実施例に限定されるわけではない。
【0074】
〔実施例1[ジブロモ化合物7の合成] 〕
下記反応式1のような段階でジブロモ化合物7を合成した。
【0075】
【化15】

【0076】
(i)1,2-ビスオクチルオキシベンゼン(化合物1)の製造
カテコール(catechol)19gをアセトニトリル200mlに溶かした後、1-ブロモオクタン(2.5eq)、KCO(2.5eq)、KI(0.1eq)を入れて24時間加熱還流した。
反応が完結すれば、前記反応物をろ過した後、有機層を減圧濃縮した。減圧濃縮して得た残渣をエチルエーテル200mlに溶かした後、水100ml及び飽和塩水で有機層を洗浄して有機層を分離した後、MgSO20gで脱水し、ろ液を減圧濃縮して白い固体で目的化合物(化合物1)を57.17g(収率=99%)を得た。
前記生成された化合物1の構造はH-NMRを通じて確認した。
【0077】
(ii)4-ブロモ-1,2-ビス-オクチルオキシベンゼン(化合物2)の製造
前記化合物1(57.17g)をメチレンクロライド400mlに溶かした後、0℃でN-ブロモコハク酸イミド(NBS)(1.1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF、100ml)に溶かして滴加した後、室温に温度を上げて2時間反応させた。反応が完結すれば、反応液を水200mlで二回洗浄した後、Na・5HO溶液、NaHCO飽和溶液、塩水順に有機層を洗浄して、MgSOで処理してろ過し、溶媒は減圧濃縮して目的化合物69.01g(収率=98%)得た。生成された化合物2の構造はH-NMRを通じて確認した。
【0078】
(iii)1-(3,4-ビスオクチルオキシフェニル)-3,3,4,4-テトラメチル-ボロラン(化合物3)の製造
2Lのフラスコに化合物2(69.03g)を入れて、無水テトラヒドロフラン(THF、500ml)に溶かした後、78℃でn-BuLi(1.2eq)を徐々に滴加して10分間攪拌し、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(dioxaborolane、1.1eq)を徐々に同じ温度で滴加した。
1時間程度攪拌して反応が終われば、反応液にエチルアセテート300mlと水300mlを加えて有機層を分離した。有機層を飽和NaHCO(150ml)溶液と塩水(150ml)で洗浄して、MgSOで処理してろ過した後、ろ液を減圧濃縮して化合物3を46.26g(収率=60%)得た。
【0079】
(iv)3-(3,4-ビスオクチルオキシフェニル)-ピリジン(化合物4)の製造
前記化合物3(57.55g)と3-ブロモピリジン(19.75g)をジメトキシエタン(DME):HO=1.5:1(300ml)に溶かした後、Pd(OAc)(0.1eq)、トリス-o-トリルホスフィン(0.1eq)を入れて、KCO(2.5eq)をDME:HO=1.5:1(150ml)に溶かした後に滴加し、1時間加熱還流して反応させた。
反応が完結すれば、反応液にエチルアセテート(300ml)と水(200ml)を加えて、有機層を分離してMgSO(30g)で脱水した後、ろ過してろ液は減圧濃縮した。
n-ヘキサン:酢酸エチル=10:1を展開溶媒として、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して化合物4を35.90g(収率=70%)得た。
【0080】
(v)3-(2-ブロモ-4,5-ビスオクチルオキシフェニル)ピリジン(化合物5)の製造
前記化合物4(40.19g)をメチレンクロライド(350ml)に溶かした後、0乃至5℃に冷却してNBS(1.1eq)を小分して反応液に添加した後、放置して室温で2時間反応させた。
反応が完結すれば、水(200ml)を反応液に加えて攪拌した後、有機層を分離して飽和NaHCO(100ml)溶液と塩水(100ml)で洗浄し、MgSO(30g)で脱水してろ過して、ろ液を減圧濃縮した。反応終了後、目的化合物はn-ヘキサン:酢酸エチル=10:1を展開溶媒として、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して化合物5を35.62g(収率=83%)得た。
【0081】
(vi)9-(4,5-ビスオクチルオキシ-2-ピリジン-3-イル-フェニル)-2、7-ジブロモ-9H-フルオレン-9-オル(化合物6)の製造
前記化合物5(35.62g)を無水THF(500ml)に溶かした後、-78℃に冷却した。t-BuLi(35ml、1.7M)を反応液に徐々に滴加した後、1時間攪拌して、2,7-ジブロモ-9-フルオレン(10.00g、0.0296mol)を無水THF(300ml)に溶かした溶液を前記反応液に30分間滴加した。
反応が終結すれば、反応液を減圧濃縮して、残渣はエチルアセテート(200ml)、飽和塩水(200ml)を加えて有機層を分離した。有機層はMgSO(30g)で脱水してろ過し、ろ液は減圧濃縮した。濃縮して得た残渣はn-ヘキサン:酢酸エチル=3:1を展開溶媒として、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して化合物6を25.04g(収率=46%)得た。
【0082】
(vii)6,7-ビス(n-オクチルオキシ)-9H-インデノ[2,1-b]ピリジン-9-スピロ-9'-2,7-ジブロモ-9H-フルオレン(化合物7)の製造
化合物6(25.04g)をポリリン酸(250g)に溶かした後、100乃至110℃で加熱した。同じ温度で2時間反応させて、反応混合物を常温に冷却した。
反応が終結すれば、反応混合物を氷水(300ml)に滴加して結晶化し、生成された固体をろ過した。ろ過して得られた固体はCHCl(300ml)、水(300ml)に溶かして、40%のNaOH溶液でpHを10乃至11に調節した。有機層を分離して飽和塩水で洗浄した後、MgSO(20g)、活性炭(10g)を加えて、脱水及び脱色を行ってろ過した。
ろ液を減圧濃縮して得た残渣は、アセトン(500ml)を用いて再結晶化して、化合物7を14.5g(収率=58%)得た。
前記化合物7の構造はH-NMRを通じて確認し、その結果を図4に示した。
【0083】
〔実施例2[ジブロモ化合物11の製造]〕
下記反応式2のような段階でジブロモ化合物11を合成した。
【0084】
【化16】

【0085】
(i)3-(3,4-ビスオクチルオキシフェニル)チオフェン(化合物8)の製造
前記実施例1の化合物4(39.13g)と3-ブロモチオフェン(13.86g)をDME:HO=1.5:1(300ml)に溶かした後、Pd(OAc)(0.1eq)、トリス-o-トリルホスフィン(Tris-o-tolyl phosphine、0.1eq)を入れて、KCO(2.5eq)をDME:HO=1.5:1(150ml)に溶かした後、滴加して1時間加熱還流して反応させた。
反応が完結すれば、反応液にエチルアセテート(300ml)と水(200ml)を加えて有機層を分離して、MgSO(30g)で脱水した後、ろ過してろ液は減圧濃縮した。n-ヘキサン:酢酸エチル=10:1を展開溶媒として、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して化合物8を28.10g(収率=79%)得た。
【0086】
(ii)3-(3,4-ビス-オクチルオキシ-フェニル)-2-ブロモ-チオフェン(化合物9)の製造
前記化合物8(28.01g)を酢酸(200ml)とCHCl(200ml)に溶かした後、-78℃に冷却した。t-BuLi(35ml、1.7M)を反応液に徐々に滴加した後、1時間攪拌して、2,7-ジブロモ-9-フルオレン(10.00g、0.0296mol)を無水THF(300ml)に溶かした溶液を反応液に30分間滴加した。
反応が終結すれば、反応液を減圧濃縮して、残渣はエチルアセテート(200ml)、飽和塩水(200ml)を加えて有機層を分離した。有機層はMgSO(30g)で脱水してろ過し、ろ液は減圧濃縮した。濃縮して得た残渣はn-ヘキサン:酢酸エチル=3:1を展開溶媒として、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して29.50g(収率=88%)を得た。
【0087】
(iii)9-[3-(3,4-ビス-オクチルオキシ-フェニル)-チオフェン-2-イル]-2,7-ジブロモ-9H-フルオレン-9-オル(化合物10)の製造
化合物9(12.39g)をポリリン酸(250g)に溶かした後、100乃至110℃で加熱した。同じ温度で2時間反応させて、反応混合物を常温に冷却した。
反応が終結すれば、反応混合物を氷水(300ml)に滴加して結晶化し、生成された固体をろ過した。
ろ過して得た固体はCHCl(300ml)、水(300ml)に溶かして40%のNaOH溶液でpHを10乃至11に調節した。有機層を分離して飽和塩水で洗浄した後、MgSO(20g)、活性炭(10g)を加えて、脱水及び脱色してろ過した。
ろ液を減圧濃縮して得た残渣はn-ヘキサン:エチルアセテート=15:1を展開溶媒として、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して化合物10を12.45g(収率=66%)得た。
【0088】
(iv)5,6-ビス(n-オクチルオキシ)-8H-インデノ[2,1-b]チオフェン-9-スピロ-9'-2,7-ジブロモ-9H-フルオレン(化合物11)の製造
実施例1の化合物7の製造方法と同様な方法で化合物10(12.45g)を使用して、その他の試薬は同一の当量数を使用して反応させた。反応終了後、反応液にMeOH(200ml)を加えて生成された結晶をろ過して得て、アセトン(400ml)を使用して再結晶化して、化合物11を10.57g(収率=87%)得た。
前記生成された化合物11の構造はH-NMRを通じて確認し、その結果を図5に示した。
【0089】
〔実施例3乃至7[化合物12乃至16の製造]〕
下記反応式3によって化合物12乃至16を各々製造した。
【0090】
【化17】

【0091】
(i)実施例3,5,及び6:化合物12,14,及び15の製造
実施例1の化合物7からPd(0)を利用した鈴木アリルカップリング法を使用して、前記反応式3によって化合物12、14及び15を合成した。
代表的な例として、化合物12の合成法は次の通りである。
化合物7(4.67g、6.38mmol)とホウ酸アントラセン誘導体である2-(アントラセン-9-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン4.08g(2.1eq.,13.4mmol)、そしてPd(PPh1mol%(73.7mg)を無水トルエン(30mL)とTHF(30mL)に溶かした後、2MのKCO16mL(5eq)を添加して、100℃で36時間反応させた。反応が完了されれば、水と酢酸エチルで抽出及び乾燥した後、ジエチルエーテルとクロロホルムで再結晶して、生成物を4.91g(83%)収得した。生成された化合物12の構造はH-NMRを通じて確認した。
化合物12(実施例3)のm/z:925.49、C6863NOCHN元素分析(理論分)C,88.18;H,6.86;N,1.51;(実験分)C,88.16;H,6.88;N,1.52。
化合物14(実施例5)のm/z:1081.58、C8075NOCHN元素分析(理論分)C,88.77;H,6.98;N,1.29;(実験分)C,88.77;H,6.99;N,1.30。
化合物15(実施例6)のm/z:1081.58、C8075NOCHN元素分析(理論分)C,88.77;H,6.98;N,1.29;(実験分)C,88.75;H,6.98;N,1.28。
【0092】
(ii)実施例4及び7:化合物13と16の製造
実施例1の化合物7からPd(0)-mediated C-N Aryl Coupling法を使用して、前記反応式3によって化合物13と16を合成した。
代表的な例として化合物13の合成方法は次の通りである。
化合物7(1.17g、1.6mmol)、N-フェニル-1-ナフチルアミン0.724g(3.3mmol)、Pd(dba)0.059g(0.64x10-4mol)、t-BuONa 0.465g(4.835mmol)、そして(t-Bu)P0.016g(0.81x10-4mol)を窒素雰囲気下で100mLの丸い底のフラスコに全て入れて、無水トルエン40mLに入れた。温度をオイルバス(oil bath)を利用して110℃まで攪拌しながら、徐々に上げる。
この反応混合物を48時間反応させた。反応が終結した後、水とCHClを利用してワークアップした後、有機層は1Nの塩酸水溶液500mLでよく洗浄した。そして、有機溶媒を全て減圧下に除去した後、得られた固体をトレイン昇華装置を利用して精製した。
約1.53g(95%)の化合物13が得られて、生成された化合物13の構造はH-NMRを通じて確認した。前記化合物13のH-NMRスペクトルを図6に示した。
化合物13(実施例4)のm/z:1007.54,C7269CHN元素分析(理論分)C,85.76;H,6.90;N,4.17;(実験分)C,85.79;H,6.93;N,4.16。
化合物16(実施例7)のm/z:903.48、C6461CHN元素分析(理論分)C,85.01;H,6.80;N,4.65;(実験分)C,85.02;H,6.82;N,4.64。
【0093】
〔実施例8乃至12[化合物17乃至21の製造]〕
下記反応式4によって化合物17乃至21を各々製造した。
【0094】
【化18】

【0095】
(i)実施例8、10、及び11:化合物17、19、及び20の製造
実施例2の化合物11からPd(0)を利用した鈴木アリルカップリング法 を利用して、前記反応式4によって化合物17、19及び20を合成した。
代表的な例として化合物17の合成方法は次の通りである。
化合物11(4.70g、6.38mmol)とホウ酸アントラセン誘導体である2-(アントラセン-9-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン4.08g(2.1eq.,13.4mmol)、そしてPd(PPh1mol%(73.7mg)を無水トルエン(30mL)とTHF(30mL)に溶かした後、2MのKCO16mL(5eq)を添加して、100℃で36時間反応させた。
反応が完了すれば、水と酢酸エチルで抽出及び乾燥した後、ジエチルエーテルとクロロホルムで再結晶して、生成物を5.20g(88%)得た。生成された化合物17の構造はH-NMRを通じて確認した。
化合物17(実施例8)のm/z:930.45,C6762S元素分析C,86.41;H,6.71(実験分)C,86.43;H,6.72。
化合物19(実施例10)のm/z:1086.54,C7974S元素分析(理論分)C,87.25;H,6.86;(実験分)C,87.26;H,6.87。
化合物20(実施例11)のm/z:1086.54,C7974S、元素分析(理論分)C,87.25;H,6.86;(実験分)C,87.23;H,6.89。
【0096】
(ii)実施例9及び12:化合物18及び21の製造
実施例2の化合物11からPd(0)-mediatedC-N Aryl Coupling法を利用して、前記反応式4によって化合物18から21を合成した。
代表的な例として化合物18の合成方法は次の通りである。
化合物11(1.18g、1.6mmol)、N-フェニル-1-ナフチルアミン0.724g(3.3mmol)、Pd(dba)0.059g(0.64x10-4mol)、t-BuONa0.465g(4.835mmol)、そして(t-Bu)P0.016g(0.81x10-4mol)を窒素雰囲気下で100mLの丸い底のフラスコに全て入れて、無水トルエン40mLに入れる。
オイルバスを利用して110℃まで攪拌しながら徐々に温度を上げる。この反応混合物を48時間反応させる。反応が終結した後、水とCHClを利用してワークアップし、有機層は1Nの塩酸水溶液500mLでよく洗浄した。そして有機溶媒を全て減圧下に除去した後、得られた固体をトレイン昇華装置を利用して精製した。
約1.50g(93%)の化合物18を得た。生成された化合物18の構造はH-NMRを通じて確認した。
化合物18(実施例9)のm/z:1012.50、C7168SCHN元素分析(理論分)C,84.15;H,6.76;N,2.76;(実験分)C,84.16;H,6.79;N,2.77。
化合物21(実施例12)のm/z:908.44,C6360SCHN元素分析(理論分)C,83.22;H,6.65;N,3.08;(実験分)C,83.20;H,6.63;N,3.06。
【0097】
〔実施例13及び14[化合物22と23の製造]〕
実施例1と2で製造された化合物7と11を1当量のn-ブチルリチウム試薬を使用して一臭素原子をリチウムで置換した後、Fe(acac)を用いたカップリング反応を通じて下記反応式5によって化合物22と23を製造した。
【0098】
【化19】

【0099】
前記化合物22と23の収率は各々60%と72%程度であり、得られた化合物22及び23の構造はNMRを通じて確認した。
化合物22(実施例13)のm/z:1302.52,C8090Br元素分析(理論分)C,73.72;H,6.96;(実験分)C,73.70;H,6.71。
化合物23(実施例14)のm/z:1312.45,C7888Br元素分析(理論分)C,71.33;H,6.75;(実験分)C,71.30;H,6.79。
【0100】
〔実施例15乃至19[化合物24乃至28の製造]〕
実施例3で行われた方法と同一に適用し、化合物7の代わりに実施例13で製造された化合物22を利用して、下記反応式6によって化合物24乃至28を各々製造した。
【0101】
【化20】

【0102】
前記製造された化合物24乃至28の構造はNMRを通じて確認した。
化合物24(実施例15)のm/z:1043.29、C7639元素分析(理論分)C,87.42;H,3.76;N,2.68;(実験分)C,87.43;H,3.80;N,2.65。
化合物25(実施例16)のm/z:1579.89、C112114元素分析(理論分)C,85.13;H,7.27;N,3.55;(実験分)C,85.10;H,7.23;N,3.54。
化合物26(実施例17)のm/z:1653.93,C120120元素分析(理論分)C,87.13;H,7.31;N,1.69;(実験分)C,87.10;H,7.39;N,1.62。
化合物27(実施例18)のm/z:1653.93,C120120元素分析C,87.13;H,7.31;N,1.69;(実験分)C,87.14;H,7.32;N,1.68。
化合物28(実施例19)のm/z:1475.82,C104106元素分析(理論分)C,84.63;H,7.24;N,3.80;(実験分)C,84.62;H,7.25;N,3.81。
【0103】
〔実施例20乃至24[化合物29-33の製造]〕
実施例8で行われた方法と同一に適用するが、ただし化合物11の代わりに実施例14で製造された化合物23を利用して、下記反応式7により化合物29乃至33を各々製造した。
【0104】
【化21】

【0105】
前記製造された化合物29乃至33の構造はNMRを通じて確認した。
化合物29(実施例20)のm/z:1507.76,C106106元素分析(理論分)C,84.42;H,7.08;(実験分)C,84.40;H,7.12。
化合物30(実施例21)のm/z:1589.81,C110112元素分析(理論分)C,83.08;H,7.10;N,1.76;(実験分)C,83.09;H,7.14;N,1.75。
化合物31(実施例22)のm/z:1663.85,C118118元素分析(理論分)C,85.16;H,7.15;(実験分)C,85.17;H,7.16。
化合物32(実施例23)のm/z:1663.85,C118118元素分析(理論分)C,85.16;H,7.15;(実験分)C,85.12;H,7.15。
化合物33(実施例24)のm/z:1485.75,C102104元素分析(理論分)C,82.44;H,7.05;N,1.89;(実験分)C,82.46;H,7.07;N,1.88。
【0106】
〔実施例25:ポリマー1の合成〕
【0107】
【化22】

【0108】
(i)1,2-ビスオクチルオキシベンゼンの製造
カテコール(catechol)19gをアセトニトリル200mlに溶かした後、1-ブロモオクタン(2.5eq)、KCO(2.5eq)、KI(0.1eq)を入れて24時間加熱還流した。反応が完結すれば、ろ過した後、有機層を減圧濃縮した。減圧濃縮して得た残渣をエチルエーテル200mlに溶かした後、水100ml、飽和塩水で有機層を洗浄して、有機層を分離した後、MgSO(20g)で脱水し、ろ液を減圧濃縮して白い固体で目的化合物を57.17g(収率=99%)を得た。生成化合物の構造はH-NMRを通じて確認した。
【0109】
(ii)4-ブロモ-1,2-ビス-オクチルオキシベンゼン(反応式8で化合物2の製造
前記化合物1(57.17g)をメチレンクロライド400mlに溶かした後、0℃でNBS(1.1eq)をDMF(100ml)に溶かして滴加し、室温で温度を上げた後に2時間反応させた。反応が完結すれば、反応液を水200mlで二回洗浄した後、Na・5HO溶液、NaHCO飽和溶液、塩水順に有機層を洗浄し、MgSOで処理してろ過した後、溶媒は減圧濃縮して目的化合物を69.01g(収率=98%)得た。生成化合物の構造はH-NMRを通じて確認した。
【0110】
(iii)1-(3,4-ビスオクチルオキシフェニル)-3,3,4,4-テトラメチル-ボロラン(反応式8で化合物3)
2Lのフラスコに化合物2(69.03g)を入れて、無水THF(500ml)に溶かした後、78℃でn-BuLi(1.2eq)を徐々に滴加し、10分間攪拌した後に2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(1.1eq)を徐々に同じ温度で滴加した。1時間程度攪拌した後に反応が終わると、反応液にエチルアセテート300mlと水300mlを加えたて有機層を分離した。有機層を飽和NaHCO(150ml)溶液と塩水(150ml)で洗浄した後、MgSOで処理してろ過した後ろ液を減圧濃縮し、目的化合物を46.26g(収率=60%)得た。
【0111】
(iv)3-(3,4-ビスオクチルオキシフェニル)-ピリジン(反応式8で化合物4)
前記化合物3(57.55g)と3-ブロモピリジン(19.75g)をDME:HO=1.5:1(300ml)に溶かした後、Pd(OAc)(0.1eq)、トリス-o-トリルホスフィン(Tris-o-tolyl phosphine)(0.1eq)を入れてKCO(2.5eq)をDME:HO=1.5:1(150ml)に溶かして滴加した後、1時間加熱還流して反応させた。反応が完結すれば、反応液にエチルアセテート(300ml)と水(200ml)を加えて有機層を分離し、MgSO(30g)で脱水した後にろ過してろ液は減圧濃縮した。n-ヘキサン:酢酸エチル=10:1を展開溶媒として、シリカゲルカラムを実施して35.90g(収率=70%)を得た。
【0112】
(v)3-(2-ブロモ-4,5-ビスオクチルオキシフェニル)ピリジン(反応式8で化合物5)
前記化合物4(40.19g)をメチレンクロライド(350ml)に溶かした後、0乃至5℃に冷却してNBS(1.1eq)を小分して反応液に添加した後、放置して室温で2時間反応させる。反応が完結すれば、水(200ml)を反応液に加えて攪拌した後、有機層を分離して飽和NaHCO(100ml)溶液と塩水(100ml)で洗浄し、MgSO(30g)で脱水してろ過してろ液は減圧濃縮した。反応終了後、目的化合物はn-ヘキサン:酢酸エチル=10:1を展開溶媒として、シリカゲルカラムを実施して35.62g(収率=83%)を得た。
【0113】
(vi)9-(4,5-ビスオクチルオキシ-2-ピリジン-3-イル-フェニル)-2,7-ジブロモ-9H-フルオレン-9-オル(反応式8で化合物6)
前記化合物5(35.62g)を無水THF(500ml)に溶かした後、-78℃に冷却する。t-BuLi(35ml、1.7M)を反応液に徐々に滴加した後、1時間の間攪拌し、2,7-ジブロモ-9-フルオレン(10.00g、0.0296mol)を無水THF(300ml)に溶かした溶液を反応液に30分間滴加した。反応が終結すれば、反応液を減圧濃縮し、残渣はエチルアセテート(200ml)、飽和塩水(200ml)を加えて有機層を分離した。有機層はMgSO(30g)で脱水してろ過し、ろ液は減圧濃縮した。濃縮して得た残渣はn-ヘキサン:酢酸エチル=3:1を展開溶媒として、シリカゲルカラムを実施して25.04g(収率=46%)を得た。
【0114】
(vii)6,7-ビス(n-オクチルオキシ)-9H-インデノ[2,1-b]ピリジン-9-スピロ-9'-2,7-ジブロモ-9H-フルオレン(反応式8で化合物7)
化合物6(25.04g)をポリリン酸(250g)に溶かした後、100乃至110℃で加熱した。同じ温度で2時間反応させて反応混合物を常温に冷却した。反応が終結すれば、反応混合物を氷水(300ml)に滴加して結晶化し、生成された固体をろ過した。ろ過して得た固体はCHCl(300ml)、水(300ml)に溶かし、40%NaOH溶液でpHを10乃至11に調節した。有機層を分離して飽和塩水で洗浄した後、にMgSO(20g)、活性炭(10g)を加え、脱水及び脱色してろ過した。ろ液を減圧濃縮して得た残渣はアセトン(500ml)を利用して再結晶化して目的化合物を14.5g(収率=58%)を得た。生成化合物の構造はH-NMRを通じて確認し、その結果を図2に示した。
【0115】
(viii)ポリマー1の製造
フラスコ(Schlenk flask)内部を数回真空化及び窒素還流させて水分を完全に除去した後、前記フラスコにNi(COD)880mg(3.2mmol)とビピリダル(bipyridal)500mg(3.2mmol)をグローブボックス(glove box)内で投入し、再び数回フラスコ内部を真空化及び窒素還流させた。次いで、窒素気流下で無水DMF10mlとCOD346mg(3.2mmol)及び無水トルエン10mlを添加した。80℃で30分間攪拌した後、化合物7(1.60mmol)をトルエン10mlに希釈して添加した。次に、フラスコ壁に付着されている物質を全て洗浄しながら、トルエン10mlを添加した後、80℃で4日間攪拌した。4日後、ブロモペンタフルオロベンゼン1mlを添加して80℃で一日程度攪拌した。攪拌が完了した後、温度を60℃に下げ、前記反応混合物をHCl:アセトン:メタノール=1:1:2溶液に注いで沈殿物を生成させ12時間以上攪拌した。前記沈殿物を重力フィルターを実施して回収した後、少量のクロロホルムに溶解した。前記溶液をメタノールで再沈殿させた後、その沈殿物を重力フィルターによって再び回収した後、メタノールとクロロホルムを使用して順次にソックスレー(soxhlet)を実施した。これから収得したクロロホルム溶液を適当に濃縮した後、メタノールで再沈殿を実施して、最終生成物であるポリマー1を収得した(収率:85%)。生成された化合物の構造はH-NMRを通じて確認し、その結果を図7に示した。製造されたポリマーの数平均分子量と重量平均分子量は各々79,000及び156,000であった。
【0116】
〔実施例26:ポリマー2の製造〕
【0117】
【化23】

【0118】
(i)3-(3,4-ビスオクチルオキシフェニル)チオフェン(反応式9で化合物8)
前記実施例25の化合物3(39.13g)と3-ブロモピリジン(13.86g)をDME:HO=1.5:1(300ml)に溶かした後、Pd(OAc)(0.1eq)、トリス-o-トリルホスフィン(Tris-o-tolyl phosphine)(0.1eq)を入れてKCO(2.5eq)をDME:HO=1.5:1(150ml)に溶かした後、滴加して1時間加熱還流し反応させた。反応が完結すれば、反応液にエチルアセテート(300ml)と水(200ml)を加えて有機層を分離してMgSO(30g)で脱水した後、ろ過してろ液は減圧濃縮した。n-ヘキサン:酢酸エチル=10:1を展開溶媒として、シリカゲルカラムを実施して28.10g(収率=79%)を得た。
【0119】
(ii)3-(3,4-ビス-オクチルオキシ-フェニル)-2-ブロモ-チオフェン(反応式9で化合物9)
化合物8(28.01g)を酢酸(200ml)とCHCl(200ml)に溶かした後、-78℃に冷却した。t-BuLi(35ml、1.7M)を反応液に徐々に滴加し、1時間程度攪拌して2,7-ジブロモ-9-フルオレン(10.00g、0.0296mol)を無水THF(300ml)に溶かした溶液を反応液に30分間滴加した。反応が終結すれば、反応液を減圧濃縮し、残渣はエチルアセテート(200ml)、飽和塩水(200ml)を加えて有機層を分離した。有機層はMgSO(30g)で脱水してろ過し、ろ液は減圧濃縮した。濃縮して得た残渣はn-ヘキサン:酢酸エチル=3:1を展開溶媒として、シリカゲルカラムを実施して29.50g(収率=88%)を得た。
【0120】
(iii)9-[3-(3,4-ビス-オクチルオキシ-フェニル)-チオフェン-2-イル]-2,7-ジブロモ-9H-フルオレン-9-オル(反応式9で化合物10)
化合物9(12.39g)をポリリン酸(250g)に溶かした後、100乃至110℃で加熱した。同じ温度で2時間反応させて、反応混合物を常温に冷却した。反応が終結すれば、反応混合物を氷水(300ml)に滴加して結晶化し、生成された固体をろ過した。ろ過して得た固体はCHCl(300ml)、水(300ml)に溶かして40%のNaOH溶液でpHを10乃至11に調節した。有機層を分離して飽和塩水で洗浄した後、MgSO(20g)、活性炭(10g)を加えて脱水及び脱色してろ過した。ろ液を減圧濃縮して得た残渣はn-ヘキサン:エチルアセテート=15:1を展開溶媒として、シリカゲルカラムを実施して12.45g(収率=66%)を得た。
【0121】
(iv)5,6-ビス(n-オクチルオキシ)-8H-インデノ[2,1-b]チオフェン-9-スピロ-9'-2,7-ジブロモ-9H-フルオレン(反応式9で化合物11の製造)
実施例25の化合物7の製造方法と同様な方法で化合物10(12.45g)を使用し、その他の試薬は同一な当量数を使用して反応させた。反応終了後、反応液にMeOH(200ml)を加えて生成された結晶をろ過して得て、アセトン(400ml)を使用して再結晶化して目的化合物を10.57g(収率=87%)を得た。生成化合物の構造はH-NMRを通じて確認した結果を図4に示した。
【0122】
(v)ポリマー2の製造
実施例25のポリマー1の製造法と同一に合成した。生成されたポリマー2の構造はH-NMRを通じて確認し、その結果を図8に示した。製造されたポリマーの数平均分子量と重量平均分子量は各々67,000と134,000であった。
【0123】
〔実施例27:ポリマー3の製造〕
【0124】
【化24】

【0125】
実施例25と実施例26で製造された化合物7または11は多様なジハロ芳香族化合物(dihaloaromatices)と芳香族ジボレート(aromatic diborate)などのようなコモノマーとの反応を通じて共重合体を得ることができる(反応式10参照)。下記反応式11は代表的な共重合の例としてポリマー3の製造工程を記載したものである。
【0126】
【化25】

【0127】
フラスコ内部を数回真空化及び窒素還流させて水分を完全に除去した後、前記フラスコにNi(COD)を880mg(3.2mmol)とビピリジル500mg(3.2mmol)をグローブボックス内で投入した後、再び数回フラスコ内部を真空化及び窒素還流させた。次いで、窒素気流下で無水DMF10mlとCOD346mg(3.2mmol)及び無水トルエン10mlを添加した。80℃で30分間攪拌した後、化合物11(1.52mmol)と2,6-ジブロモ-9、9'-ジオクチルフルオレン834mg(1.52mmol)をトルエン10mlに希釈して添加した。次に、フラスコ壁に付着されている物質を全て洗浄してトルエン10mlを添加した後、80℃で4日間攪拌した。4日後、ブロモペンタフルオロベンゼン1mlを添加して80℃で一日程度攪拌した。攪拌が完了した後、温度を60℃に下げ、前記反応混合物をHCl:アセトン:メタノール=1:1:2溶液に注いで沈殿物を生成させ、12時間以上攪拌した。前記沈殿物を重力フィルターを実施して回収した後、少量のクロロホルムに溶解した。前記溶液をメタノールで再沈殿させた後、その沈殿物を重力フィルター利用して再び回収し、メタノールとクロロホルムを使用して順次にソックスレー(soxhlet)を実施した。これから収得したクロロホルム溶液を適当に濃縮した後、メタノールで再沈殿を実施して最終生成物であるポリマー3を収得した。生成化合物の構造はH-NMRを通じて確認した。製造されたポリマーの数平均分子量と重量平均分子量は各々89,000及び204,000であった。
【0128】
〔製造されたスピロ化合物の熱的特性評価〕
前記実施例3で合成された化合物12と実施例4で合成された化合物13に対してTGAとDSC分析を行い、実施例3の化合物12に対するTGAに対する分析結果を図9に示し、実施例4の化合物13に対するTGA分析結果を図10に示した。
【0129】
図9と図10に示したように、本発明のスピロ化合物12及び13は各々389℃と415℃近くまで安定であることが確認された。DSC分析では196.5℃で化合物12の融点が観測された。
【0130】
前記実施例25乃至26で合成されたポリマー1とポリマー2をTGAとDSCを通じてその熱的特性を分析した。ポリマー1のTGAに対する分析結果を図11に示し、ポリマー2のTGA分析結果を図12に示した。図11と図12に示したように、ポリマー1、2とも400℃近くまで安定であることが確認された。DSCでは300℃まで二つのポリマーとも特別な熱的遷移現象が見られなかった。
【0131】
〔製造されたスピロ化合物の光学的特性評価〕
前記実施例3で合成された化合物12と実施例4で合成された化合物13を各々個別的にトルエンに溶解させ、その溶液を石英基板上にスピンコーティング法で塗布して化合物薄膜を形成した後、UV-可視光線吸収スペクトル(UV-vis spectrum)とPL(photoluminescence)スペクトルを測定し、実施例3で合成された化合物12と実施例4で合成された化合物13のUV-可視光線吸収スペクトルを各各図13と図15に示しており、実施例3で合成された化合物12と実施例4で合成された化合物13のPLスペクトルを各各図14と図16に示した。
【0132】
図13に示したように、化合物12の最大UV吸収ピークの位置は262nmであり、図14に示されているように化合物12の最大吸収波長帯を励起波長として測定した最大PLピークは大略433nmの波長帯で観測された。また、図15に示したように、化合物13の最大UV吸収ピークの位置は224nmであり、図16に示されているように、最大吸収波長帯を励起波長として測定した最大PLピークは大略449nmの波長帯で観測された。
【0133】
前記実施例25乃至27で合成されたポリマー1乃至3を各々個別的にトルエンに溶解させ、その溶液を石英基板上にスピンコーティング法で塗布してポリマー薄膜を形成した後、UV-可視光線吸収スペクトルとPLスペクトルを測定した。ポリマー1に対する測定結果を図17に示した。図17に示されているように、ポリマー1の最大UV吸収ピークの位置は396nmであり、最大吸収波長帯を励起波長として測定した各々の最大PLピークは大略429nmの波長帯で観測された。また、ポリマー2の最大UV吸収ピークの位置は380nmであり、最大吸収波長帯を励起波長として測定した最大PLピークは大略484nmの波長帯で観測された。
【0134】
〔電界発光素子の製作及び特性評価〕
前記実施例3で製造された化合物12及び実施例25乃至27で得られたポリマー1乃至ポリマー3を利用して、次のように電界発光素子を製作した。
まず、ITO(酸化インジウムスズ)をガラス基板上にコーティングした透明電極基板をきれいに洗浄した後、ITOを感光性樹脂とエッチング液(etchant)を利用して、所望する形にパターニングし、再びきれいに洗浄した。
その上に伝導性バッファー層でバイエル社のBatron P 4083を約500乃至1100Åの厚さでコーティングした後、140℃で約1時間ベーキング(baking)した。
次いで、クロロベンゼンやトルエンに溶解して製造された有機電界発光高分子溶液を前記バッファー層上にスピンコーティングし、ベーキング処理後に真空オーブン内で溶媒を完全に除去して化合物薄膜を形成した。この時、前記高分子溶液は0.2mmフィルターでろ過した後、スピンコーティングに使用され、化合物の薄膜厚さは前記化合物溶液の濃度とスピン速度を調節することによって調節された。前記で形成された発光化合物薄膜の厚さは約50乃至100nm程度であった。
次に、前記発光化合物薄膜上にCa-Al金属電極を真空蒸着器を利用して真空度を4×10-6torr以下に維持しながら、蒸着して形成した。蒸着する時、膜の厚さ及び膜の成長速度はクリスタルセンサー(crystal sensor)を利用して調節し、発光面積は6mmで、駆動電圧は直流電圧で順方向バイアス電圧(forward bias voltage)を利用した。
製作された電界発光素子はITO/PEDOT(poly(3,4-ethylenedioxy thiophene))/化合物12/Ca/Al構造で積層された断層型電界発光素子である。実施例3による化合物12及び実施例25乃至27で得られたポリマー1乃至ポリマー3の電界発光特性を評価した。実施例3によって製造された化合物12の電流-電圧グラフを図18に、電圧-輝度グラフを図19に示した。前記電界発光素子は全て典型的な整流ダイオード(rectifying diode)特性を実現した。
【0135】
素子の駆動電圧(turn-on voltage)は約3.2乃至3.4Vで始まり、発光色は青色で、最大輝度は3800cd/m程度であり、最大量子効率は2.23cd/Aであった。また、前記電界発光素子は全て数回反復駆動後にも初期の電圧-電流密度特性をそのまま維持する安定性を示した。
【0136】
前記化合物12のELスペクトルは図20に示した。図20で示したように、化合物12のCIE 1931色座標は(0.151,0.106)で優れていることが分かり、最大発光波長は各々434nmで観測されることが分かる。また、電圧を増加させても発光波長の位置は変化しなかった。
【0137】
ポリマー1の発光特性を評価して図21乃至図23に示した。前記電界発光素子もまた、全て典型的な整流ダイオード特性を実現した。各素子の駆動電圧は約5.5乃至7.5Vで始まり(図21)、発光色は青色で(図22)、最大輝度は300乃至1000cd/m程度であり(図23)、最大量子効率は0.1乃至0.34cd/A(図24)であった。また、前記電界発光素子は全て数回反復駆動後にも初期の電圧-電流密度特性をそのまま維持する安定性を示した。CIE1931色座標の場合、ポリマー1の場合(0.21,0.22)を示しており、ポリマー3の場合(0.16,0.07)ディープブルー(deep blue)の優れた色座標を示した。
【0138】
ポリマー1のELスペクトルは図25に示し、ポリマー3のELスペクトルは図26に示した。図25及び図26で示したように、ポリマー1とポリマー3の最大発光波長は各々431と432nmで観測された。また、図26の結果で電圧範囲を変化させても発光波長の位置が変わらないことが分かった。
【0139】
本発明の単純な変形及び変更は全てこの分野の通常の知識を有する者であれば容易に実施でき、このような変形や変更は全て本発明の領域に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の電界発光素子構成を概略的に示す断面図である。
【図2】バッファー層を追加的に含む本発明の電界発光素子構成を概略的に示す断面図である。
【図3】電子注入層を追加的に含む本発明の電界発光素子構成を概略的に示す断面図である。
【図4】実施例1によって製造されたジブロモ化合物7のH-NMRスペクトルである。
【図5】実施例2によって製造されたジブロモ化合物11のH-NMRスペクトルである。
【図6】実施例4によって製造された化合物13のH-NMRスペクトルである。
【図7】実施例25によって製造されたポリマー1のH-NMR結果を示す図面である。
【図8】実施例26によって製造されたポリマー2のH-NMR結果を示す図面である。
【図9】実施例3によって製造された化合物12に対するTGA分析グラフである。
【図10】実施例4によって製造された化合物13に対するTGA分析グラフである。
【図11】実施例25によって製造されたポリマー1に対するTGA分析結果を示す図面である。
【図12】実施例26によって製造されたポリマー2に対するTGA分析結果を示す図面である。
【図13】実施例3によって製造された化合物12のUV-可視光線吸収スペクトル(UV-vis spectrum)を示すグラフである。
【図14】実施例3によって製造された化合物12のPL(photオルuminescence)スペクトルを示すグラフである。
【図15】実施例4によって製造された化合物13のUV-可視光線吸収スペクトルを示すグラフである。
【図16】実施例4によって製造された化合物13のPLスペクトルを示すグラフである。
【図17】実施例25で合成したポリマー1のUV-可視光線吸収スペクトルとPLスペクトルを示す図面である。
【図18】実施例3によって製造された化合物12の電界発光特性(電流-電圧)を示すグラフである。
【図19】実施例3によって製造された化合物12の電界発光特性(電圧-輝度)を示すグラフである。
【図20】実施例3によって製造された化合物12のELスペクトルを示すグラフである。
【図21】実施例25によって製造されたポリマー1の電界発光特性(電流-電圧、電圧-輝度、電流-輝度)を示す図面である。
【図22】実施例25によって製造されたポリマー1の電界発光特性(電流-電圧、電圧-輝度、電流-輝度)を示す図面である。
【図23】実施例25によって製造されたポリマー1の電界発光特性(電流-電圧、電圧-輝度、電流-輝度)を示す図面である。
【図24】実施例25によって製造されたポリマー1の電流増加による輝度効率特性を示した図面である。
【図25】実施例25によって製造されたポリマー1のELスペクトルを示す図面である。
【図26】実施例27によって製造されたポリマー3のELスペクトルを示す図面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1及び化学式2で示される化合物よりなる群から1種以上選択される電界発光素子用スピロ化合物:
【化1】

【化2】

前記式で、A乃至A15は各々独立的にC、N、O、S及びSiよりなる群から選択される元素であり、A乃至Aのうちの少なくとも一つとA乃至A15のうちの少なくとも一つはCではなく、
乃至Rは各々独立的に水素、重水素、ハロゲン、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基及び置換されたか置換されていないヘテロアリール基よりなる群から選択され、
乃至Rは水素、重水素、ハロゲン、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基、置換されたか置換されていないヘテロアリール基、CN、NO、置換されたか置換されていないフルオロアルキル、-SiR1011、-NR1213及び-CR14=CR15-R16よりなる群から選択され、
前記R乃至R16は各々独立的に水素、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基及び置換されたか置換されていないヘテロアリール基よりなる群から選択され、
x、y、z及びwは各々0乃至4の整数である。
【請求項2】
前記R乃至R16の中で、前記アルキル基は炭素数1乃至12のアルキル基であり、前記シクロアルキル基は炭素数3乃至12のシクロアルキル基であり、前記アルケニル基は炭素数2乃至8のアルケニル基であり、前記アルキニル基は炭素数2乃至4のアルキニル基であり、前記アルコキシ基は炭素数1乃至12のアルコキシ基であり、前記アリール基は炭素数4乃至30のアリール基であり、前記ヘテロアリール基は炭素数4乃至30の芳香族環にN、S、P、SiまたはOのヘテロ原子を1乃至3個含むヘテロアリール基であり、
前記“置換された”は、少なくとも1つの水素がアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、脂肪族アミン、芳香族アミンまたはアリルオキシ基で置換されることを特徴とする、請求項1に記載の電界発光素子用スピロ化合物。
【請求項3】
前記R乃至R16の中で、置換されたか置換されていないヘテロアリール基は、置換されたか置換されていないカルバゾール(carbazole)、置換されたか置換されていないフェノチアジン(phenothiazine)、置換されたか置換されていないフェノキサジン(phenoxazine)、置換されたか置換されていないフェノキサチン(phenoxathin)、置換されたか置換されていないアクリジン(acridine)、置換されたか置換されていないフェナザシリン(phenazasiline)、または置換されたか置換されていない9-アザ-10-ゲルマ-アントラセン(9-aza-10-germa-anthracene)であることを特徴とする、請求項2に記載の電界発光素子用スピロ化合物。
【請求項4】
下記の化学式3及び化学式4で示される化合物よりなる群から1種以上選択されることを特徴とする電界発光素子用スピロ化合物:
【化3】

【化4】

前記式で、A乃至A15は各々独立的にC、N、O、S及びSiよりなる群から選択される元素であり、A乃至Aのうちの少なくとも一つとA乃至A15のうちの少なくとも一つはCではなく、
乃至Rは各々独立的に水素、重水素、ハロゲン、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基及び置換されたか置換されていないヘテロアリール基よりなる群から選択され、
乃至Rは水素、重水素、ハロゲン、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基、置換されたか置換されていないヘテロアリール基、CN、NO、置換されたか置換されていないフルオロアルキル、-SiR1011、-NR1213及び-CR14=CR15-R16よりなる群から選択され、
前記R乃至R16は各々独立的に水素、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基、及び置換されたか置換されていないヘテロアリール基よりなる群から選択され、
x、y、z及びwは各々0乃至4の整数であり、
n及びmは1乃至10000の範囲にある。
【請求項5】
下記の化学式1の化合物、化学式2の化合物及び、これらの混合物よりなる群から選択される第1モノマーと、下記の化学式5の化合物、化学式6の化合物及び、これらの混合物よりなる群から選択される第2モノマーを共重合したものである電界発光素子用化合物:
【化5】

【化6】

前記式で、A乃至A15は各々独立的にC、N、O、S及びSiよりなる群から選択される元素であり、A乃至Aのうちの少なくとも一つとA乃至A15のうちの少なくとも一つはCではなく、
乃至Rは各々独立的に水素、重水素、ハロゲン、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基、及び置換されたか置換されていないヘテロアリール基よりなる群から選択され、
乃至Rは水素、重水素、ハロゲン、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基、置換されたか置換されていないヘテロアリール基、CN、NO、置換されたか置換されていないフルオロアルキル、-SiR1011、-NR1213、及び-CR14=CR15-R16よりなる群から選択され、
前記R乃至R16は各々独立的に水素、置換されたか置換されていない直鎖または分枝鎖のアルキル基、置換されたか置換されていないシクロアルキル基、置換されたか置換されていないアルケニル基、置換されたか置換されていないアルキニル基、置換されたか置換されていないアルコキシ基、置換されたか置換されていないアリール基、及び置換されたか置換されていないヘテロアリール基よりなる群から選択され、
x、y、z及びwは各々0乃至4の整数であり、
【化7】

【化8】

前記式で、Arは芳香族基(aromatic group)または異種原子が1つ以上芳香族環に含まれるヘテロ芳香族基(heteroaromatic group)であり、R17及びR18は反応性官能基、水素、置換されない直鎖または分枝鎖のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、及びヘテロアリール基よりなる群から選択される。
【請求項6】
前記化合物は、第1モノマーと第2モノマーのモル比を1:0.01乃至100で含むことを特徴とする、請求項5に記載の電界発光素子用化合物。
【請求項7】
基板と、
アノードと、
正孔注入層と、
正孔輸送層と、
発光層と、
電子輸送層と、
カソードとを含み、
前記正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層のうちの少なくとも一つの層に請求項1乃至6のうちのいずれか一つの項によるスピロ化合物を含む電界発光素子。
【請求項8】
前記発光層は前記スピロ化合物を含むことを特徴とする、請求項7に記載の電界発光素子。
【請求項9】
前記発光層がスピロ化合物よりエネルギーギャップが少なく、共役二重結合を含むドーパントをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の電界発光素子。
【請求項10】
前記ドーパントはジカルバゾリルアゾベンゼン(DCAB)、フルオレニルジアセチレン(FDA)、ペリレン(perylene)、カルバゾール、カルバゾール誘導体、クマリン系化合物及び、4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(1,1,7,7-テトラメチルジュロジニル-9-エニル)-4H-ピラン(DCJT)よりなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、請求項9に記載の電界発光素子。
【請求項11】
前記電界発光素子は、アノードと正孔注入層との間にバッファー層をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の電界発光素子。
【請求項12】
前記電界発光素子は電子輸送層とカソードとの間に電子注入層をさらに含み、
前記正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子輸送層のうちの少なくとも一つの層に請求項1乃至6のうちのいずれか一つの項によるスピロ化合物を含むことを特徴とする、請求項7に記載の電界発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−34788(P2008−34788A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−346156(P2006−346156)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(504010707)株式会社斗山 (2)
【Fターム(参考)】