説明

電磁弁及びその電磁弁を備えた蒸発燃料処理装置

【課題】流量の制御精度を向上することのできる電磁弁及びその電磁弁を備えた蒸発燃料処理装置を提供する。
【解決手段】流量制御弁38は、ステップモータ90により往復移動される作動軸98と、流体が流れる流体通路64をそれぞれ開閉しかつそれぞれのコイルスプリング86,75により閉方向に付勢された第1弁部材67及び第2弁部材65とを備える。ステップモータ90により往動される作動軸98によって第1弁部材67及び第2弁部材65が段階的に開かれる構成とする。第1弁部材67により開閉される流体通路64の開口面積を、第2弁部材65により開閉される流体通路64の開口面積よりも小さく設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁及びその電磁弁を備えた蒸発燃料処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁弁の従来例としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。図13は電磁弁の閉弁状態の要部を示す断面図、図14は電磁弁の第1弁部材の開弁状態を示す断面図、図15は電磁弁の第2弁部材の開弁状態を示す断面図である。
図13に示すように、電磁弁210は、第1弁部材250と第2弁部材270と第2弁座217と電磁駆動部(図示省略)とを備えている。第1弁部材250は、電磁駆動部により軸方向(図13において左右方向)に往復駆動される。また、第2弁部材270は第1弁座276及び連通路272を有する。また、第2弁部材270の連通路272は、第1通路300と第2通路302とを連通可能である。第2弁部材270の第1弁座276に第1弁部材250が着座することにより、第2弁部材270の連通路272が閉塞される。また、第2弁部材270は、第2弁座217に着座可能である。また、第2弁部材270を開弁方向(図13において左方)へ付勢するスプリング278が設けられている。
【0003】
前記電磁弁210において、第1弁部材250が第1弁座276に着座した状態で、第2弁部材270が第2弁座217に着座されると、第1通路300と第2通路302との連通が遮断される(図13参照)。また、第2弁部材270が第2弁座217に着座された状態で、電磁駆動部の駆動により第1弁部材250が第1弁座276からリフト(離座)されると、連通路272を介して第1通路300と第2通路302とが連通される(図14参照)。このため、流体(蒸発燃料)は、第1通路300から連通路272を介して第2通路302へ流れる。この状態において、第1通路300と第2通路302との差圧が低下すると、第2弁部材270がスプリング278の付勢力によりリフト(離座)される(図15参照)。これにより、連通路272よりも開口面積(通路面積)が増加されるため、第1通路300から第2通路302へ流れる流量が増加される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−291241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記電磁弁210によると、第1弁部材250が第1弁座276からリフト(離座)した状態(図14参照)において、第1通路300と第2通路302との差圧の成り行きによって第2弁部材270がスプリング278の付勢力により開弁(図15参照)する構成となっている。このように、第2弁部材270が差圧の成り行きで開弁するものでは、流量の制御精度が低いという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、流量の制御精度を向上することのできる電磁弁及びその電磁弁を備えた蒸発燃料処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、特許請求の範囲に記載された構成を要旨とする電磁弁及びその電磁弁を備えた蒸発燃料処理装置により解決することができる。
すなわち、請求項1に記載された電磁弁によると、電磁駆動部により往復移動される作動軸と、流体が流れる流体通路をそれぞれ開閉しかつそれぞれの付勢手段により閉方向に付勢された第1弁部材及び第2弁部材とを備え、電磁駆動部により往動される作動軸によって第1弁部材及び第2弁部材が段階的に開かれる構成としたものである。したがって、電磁駆動部により往動される作動軸によって第1弁部材及び第2弁部材を段階的に精度良く開くことが可能である。このため、従来例の電磁弁(特許文献1参照)と比べて、流量の制御精度を向上することができる。
【0007】
また、請求項2に記載された電磁弁によると、第1弁部材により開閉される流体通路の開口面積を、第2弁部材により開閉される流体通路の開口面積よりも小さく設定したものである。したがって、第1弁部材が開弁される際は小流量を制御し、第2弁部材が開弁される際は大流量を制御することができる。
【0008】
また、請求項3に記載された電磁弁によると、第2弁部材に流体通路の上流側通路部と下流側通路部とを連通する連通路を形成し、連通路を第1弁部材により開閉する構成としたものである。したがって、個別の流体通路を各弁部材により独立的に開閉する場合と比べて、第2弁部材に第1弁部材をコンパクトに配置することが可能である。これにより、電磁弁の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0009】
また、請求項4に記載された電磁弁によると、第1弁部材と第2弁部材との間に設けられ、第1弁部材を開閉方向にガイドする第1ガイド手段、及び、第2弁部材と流体通路の通路壁部材との間に設けられ、第2弁部材を開閉方向にガイドする第2ガイド手段のうちの少なくとも一方のガイド手段を備えたものである。したがって、第1ガイド手段を備えたことにより、第2弁部材に対する第1弁部材の開閉方向の移動を安定化することができる。また、第2ガイド手段を備えたことにより、通路壁部材に対する第2弁部材の開閉方向の移動を安定化することができる。
【0010】
また、請求項5に記載された電磁弁によると、第1弁部材と第2弁部材との間に設けられ、第1弁部材を開閉方向にガイドする第1ガイド手段を備え、第1弁部材を閉方向へ付勢する第1付勢手段、及び、第2弁部材を閉方向へ付勢する第2付勢手段を内外二重環状に配置された第1コイルスプリング及び第2コイルスプリングで構成し、第1コイルスプリングと第2コイルスプリングとの径方向の隙間に第1ガイド手段を配置したものである。したがって、第1ガイド手段を備えたことにより、第2弁部材に対する第1弁部材の開閉方向の移動を安定化することができる。また、第1コイルスプリングと第2コイルスプリングとの径方向の隙間に第1ガイド手段を配置することにより、第1コイルスプリング及び第2コイルスプリング並びに第1ガイド手段をコンパクトに配置することが可能である。これにより、電磁弁の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0011】
また、請求項6に記載された蒸発燃料処理装置によると、請求項1〜5のいずれか1つに記載の電磁弁を備え、燃料タンクとキャニスタとを連通する蒸発燃料通路に電磁弁の流体通路を介装したものである。したがって、蒸発燃料をパージする際に、蒸発燃料通路を流れる蒸発燃料の流量を電磁弁により精度良く制御することによって、空燃比(A/F)の乱れを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1にかかる蒸発燃料処理装置を示す構成図である。
【図2】流量制御弁を示す断面図である。
【図3】流量制御弁の要部を示す断面図である。
【図4】図3のIV−IV線矢視断面図である。
【図5】図3のV−V線矢視断面図である。
【図6】図5のVI−VI線矢視断面図である。
【図7】流量制御弁の閉弁状態を示す模式図である。
【図8】流量制御弁の第1弁部材の開弁状態を示す模式図である。
【図9】流量制御弁の第2弁部材の開弁状態を示す模式図である。
【図10】実施例2にかかる流量制御弁の要部を示す模式図である。
【図11】実施例3にかかる流量制御弁の要部を示す模式図である。
【図12】実施例4にかかる流量制御弁の要部を示す模式図である。
【図13】従来例にかかる電磁弁の閉弁状態の要部を示す断面図である。
【図14】電磁弁の第1弁部材の開弁状態を示す断面図である。
【図15】電磁弁の第2弁部材の開弁状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【実施例】
【0014】
[実施例1]
本発明の実施例1を説明する。説明の都合上、エンジン(内燃機関)の蒸発燃料処理装置の構成を説明した後、その蒸発燃料処理装置に用いられた電磁弁に相当する流量制御弁について説明する。図1は蒸発燃料処理装置を示す構成図である。
図1に示すように、自動車等の車両のエンジンシステム10に蒸発燃料処理装置12が備えられている。エンジンシステム10は、エンジン14と、エンジン14に供給される燃料を貯留するための燃料タンク15とを備えている。燃料タンク15には、給油口を備えるインレットパイプ16が設けられている。インレットパイプ16は、燃料を給油口から燃料タンク15内に導入するパイプであって、その上端部の給油口にはタンクキャップ17が着脱可能に取付けられている。
【0015】
前記燃料タンク15内には燃料供給装置19が設けられている。燃料供給装置19は、燃料タンク15内の燃料を吸入しかつ加圧して吐出する燃料ポンプ20、燃料の液面を検出するセンダゲージ21、大気圧に対する相対圧としてのタンク内圧を検出するタンク内圧センサ22等を備えている。燃料ポンプ20により燃料タンク15内から汲み上げられた燃料は、燃料供給通路24を介してエンジン14、詳しくは各燃焼室に対応するインジェクタ(燃料噴射弁)25を備えるデリバリパイプ26に供給された後、各インジェクタ25から吸気通路27に噴射される。吸気通路27には、エアクリーナ28、エアフロメータ29、スロットルバルブ30等が設けられている。
【0016】
前記蒸発燃料処理装置12は、蒸発燃料通路31とパージ通路32とキャニスタ34とを備えている。蒸発燃料通路31の一端部(上流側端部)は、前記燃料タンク15内の気層部に連通されている。蒸発燃料通路31の他端部(下流側端部)は、キャニスタ34に連通されている。また、パージ通路32の一端部(上流側端部)は、キャニスタ34に連通されている。パージ通路32の他端部(下流側端部)は、前記吸気通路27におけるスロットルバルブ30よりも下流側に連通されている。また、キャニスタ34内には、吸着材としての活性炭が装填されている。燃料タンク15内の蒸発燃料は、蒸発燃料通路31を介してキャニスタ34内の吸着材(活性炭)に吸着される。また、燃料タンク15内の気層部において、蒸発燃料通路31の上流側端部には、フューエルカットオフバルブ35及びORVR差圧弁(On Board Refueling Vapor Recovery valve)36が設けられている。
【0017】
前記蒸発燃料通路31には流量制御弁38が介装されている。流量制御弁38は、外部すなわちECU45(後述する)から駆動信号が供給されることにより開閉する電磁弁である。また、流量制御弁38には、リリーフ弁39がユニット化されている。リリーフ弁39は、燃料タンク15側の圧力がキャニスタ34側の圧力に比して所定圧以上に高圧となった場合に開弁する正方向リリーフ弁と、その逆の場合に開弁する逆方向リリーフ弁とを備える機械式の双方向逆止弁である。また、前記パージ通路32にはパージ弁40が介装されている。パージ弁40は、ECU45(後述する)から駆動信号が供給されることにより開閉する電磁弁である。
【0018】
前記キャニスタ34には、切替弁41を介して大気通路42が連通されている。切替弁41は、無通電の状態(OFF状態)でキャニスタ34を大気通路42に連通させ、また、ECU45(後述する)から駆動信号が供給された通電の状態(ON状態)でキャニスタ34と大気通路42との連通を遮断する。また、大気通路42にはエアフィルタ43が設けられている。
【0019】
前記蒸発燃料処理装置12はECU45を備えている。ECU45には、前記したタンク内圧センサ22、流量制御弁38、パージ弁40、切替弁41の他、リッドスイッチ46、リッドオープナー47、表示装置49等が接続されている。また、リッドオープナー47には、給油口を覆うリッド48を手動で開閉するリッド手動開閉装置(図示省略)が連結されている。リッドオープナー47は、リッド48のロック機構で、ECU45からリッド開信号が供給された場合、又は、リッド手動開閉装置に開動作が施された場合に、リッド48のロックを解除する。また、リッドスイッチ46は、ECU45に対してリッド48のロックを解除するための信号を出力する。なお、ECU45は本明細書でいう「制御回路」に相当する。
【0020】
次に、前記蒸発燃料処理装置12の基本動作について説明する。
(1)駐車中
車両の駐車中は、流量制御弁38が閉弁状態に維持される。したがって、燃料タンク15内のタンク内圧がリリーフ弁39の正方向開弁圧(正圧)を超えない限り、燃料タンク15内の蒸発燃料がキャニスタ34内に流入されることがない。また、燃料タンク15内のタンク内圧がリリーフ弁39の逆方向開弁圧(負圧)を下回らない限り、燃料タンク15内に空気が吸入されることがない。なお、パージ弁40及び切替弁41も閉弁状態に維持されている。
【0021】
(2)給油中
車両の停車中において、リッドスイッチ46が操作されると、ECU45が流量制御弁38を開弁状態とする。この際、燃料タンク15のタンク内圧が大気圧より高圧であれば、流量制御弁38が開くと同時に、燃料タンク15内の蒸発燃料が、蒸発燃料通路31を通ってキャニスタ34内の吸着材に吸着される。これにより、蒸発燃料が大気に放出されることが防止される。これにともない、燃料タンク15のタンク内圧は大気圧近傍値に低下する。燃料タンク15のタンク内圧が大気圧近傍値にまで低下すると、ECU45は、リッド48のロックを解除する信号をリッドオープナー47に出力する。その信号を受けたリッドオープナー47がリッド48のロックを解除することにより、リッド48の開動作が可能となる。そして、リッド48が開けられ、タンクキャップ17が開けられた状態で、燃料タンク15への給油が開始される。なお、燃料タンク15のタンク内圧が大気圧近傍値に低下されてからタンクキャップ17が開けられるため、蒸発燃料が給油口から大気に放出されることが防止される。また、ECU45は、給油の終了(具体的にはリッド48が閉じられる)まで、流量制御弁38を開状態に維持する。このため、給油の際に、燃料タンク15内の蒸発燃料が蒸発燃料通路31を通ってキャニスタ34内の吸着材に吸着される。また、燃料タンク15のタンク内ガスも蒸発燃料通路31を通ってキャニスタ34内の吸着材に吸着される。
【0022】
(3)走行中
車両の走行中において、ECU45は、所定のパージ条件が成立する場合に、キャニスタ34に吸着されている蒸発燃料をパージさせる制御を実行する。この制御では、切替弁41を開弁状態としてキャニスタ34を大気通路42に連通したまま、パージ弁40が開閉制御される。パージ弁40が開弁されると、エンジン14の吸気負圧がパージ通路32を介してキャニスタ34内に作用する。その結果、キャニスタ34内の蒸発燃料が、大気通路42から吸入される空気とともに吸気通路27に導入されることにより、エンジン14で燃焼される。また、ECU45は、蒸発燃料のパージ中に限り、流量制御弁38を開状態とする。これにより、燃料タンク15のタンク内圧が大気圧近傍値に維持される。
【0023】
次に、前記流量制御弁38について詳しく説明する。図2は流量制御弁を示す断面図、図3は同じく要部を示す断面図、図4は図3のIV−IV線矢視断面図、図5は図3のV−V線矢視断面図、図6は図5のVI−VI線矢視断面図である。なお、説明の都合上、図2の断面図を基準として左右上下の各方向を定めることにする。
図2に示すように、流量制御弁38は、弁ハウジング51を備えている。弁ハウジング51の右側面には、右方に延びる第1接続管53が形成されている。第1接続管53内が第1通路54となっている。また、弁ハウジング51の左側面には、左方に延びる第2接続管56が形成されている。第2接続管56内が第2通路57となっている。
【0024】
図3に示すように、前記弁ハウジング51の中央部には、円筒状の筒状壁59(図4参照)が形成されている。筒状壁59内に弁室60が形成されている。弁室60は、筒状壁59の下面開口部を介して第1通路54と連通されている。また、筒状壁59の上面開口部は、下面を弁座面とする円板状の第2弁座62により閉鎖されている。第2弁座62には、上下方向に貫通する円形の第2弁孔63が同心状に形成されている。第2弁孔63を介して、弁室60と第2通路57とが連通されている。なお、第1通路54、第2通路57及び弁室60により一連の流体通路64が構成されている。また、弁ハウジング51は本明細書でいう「通路壁部材」に相当する。
【0025】
図1に示すように、前記流量制御弁48の流体通路64(図2参照)は、前記蒸発燃料処理装置12における燃料タンク15とキャニスタ34とを連通する蒸発燃料通路31に介装される。すなわち、前記第1通路54が、蒸発燃料通路31の上流側(燃料タンク15側)の通路部と接続される。また、前記第2通路57が、蒸発燃料通路31の下流側(キャニスタ34側)の通路部と接続される。したがって、流量制御弁48の開弁時には燃料タンク15側からの蒸発燃料が流体通路64を介してキャニスタ34側へ流れ、また、流量制御弁48の閉弁時には燃料タンク15側からの蒸発燃料が流体通路64を介してキャニスタ34側へ流れない。また、弁ハウジング51は、図示しない車体側の固定側部材にボルト等により取付可能となっている。
【0026】
図3に示すように、前記弁室60には、上下2つの弁部材65,67が同心状(図4参照)にかつ上下動可能に配置されている。上側に配置された第2弁部材65は、前記弁ハウジング51の第2弁座62に対応する円板状の弁板69を主体として形成されている。弁板69は、第2弁座62から下方に離座するときは第2弁座62の第2弁孔63を開き、その状態から上動して第2弁座62に着座することにより第2弁孔63を閉じる。弁板69の上面には、第2弁座62に弾性的に当接するOリングからなる第2シール部材70(図5参照)が装着されている。
【0027】
図6に示すように、前記第2弁部材65における弁板69の外周部には、下方へ突出する内外二重円筒状をなす内筒部72及び外筒部73が同心状に形成されている。外筒部73は、前記弁ハウジング51の筒状壁59の内径よりも小さい外径を有しており、その筒状壁59内に軸方向すなわち上下方向に移動可能にかつ所定の隙間を隔てて嵌合されている。なお、弁ハウジング51の筒状壁59と第2弁部材65の外筒部73とは、第2弁部材65を上下方向すなわち開閉方向にガイドする「第2ガイド手段」を構成している。
【0028】
前記第2弁部材65の内筒部72と外筒部73との間の環状隙間には、コイルスプリングからなる第2コイルスプリング75が嵌合されている。第2コイルスプリング75は、前記弁板69と前記弁室60の下面との対向面間に介装されており、常に第2弁部材65を上方すなわち閉弁方向に付勢している。なお、第2コイルスプリング75は本明細書でいう「第2付勢手段」に相当する。
【0029】
図5に示すように、前記第2弁部材65の外筒部73には、周方向に等間隔に並ぶ適数個(図5では4個を示す)のスリット溝76が形成されている。これにより、外筒部73は、周方向に断続的に並ぶ適数個(図5では4個)の円弧状片に分断されている。また、スリット溝76は、外筒部73に連続する弁板69の外周部を貫通している(図3参照)。これにより、前記弁室60における弁板69の上方流路部と下方流路部とがスリット溝76を介して連通されている。なお、流体通路64における蒸発燃料(流体)の流れ方向からみて、弁板69の下方流路部は「上流側通路部」に相当し、その上方流路部は「下流側通路部」に相当する。
【0030】
図3に示すように、前記第2弁部材65の内筒部72内に面する弁板69の中央部分は、下面を弁座面とする円板状の第1弁座(符号、78を付す)となっている。第1弁座78には、上下方向に貫通する円形の第1弁孔79が同心状に形成されている。したがって、第1弁孔79を介して、前記弁室60における第1弁座78の上方流路部と下方流路部とが連通されている。また、第1弁孔79の孔径は、第2弁孔63の孔径よりも小径に設定されている。なお、流体通路64における蒸発燃料(流体)の流れ方向からみて、第1弁座78の下方流路部は「上流側通路部」に相当し、その上方流路部は「下流側通路部」に相当する。
【0031】
前記第1弁部材67は、前記第2弁部材65の第1弁座78に対応する円板状の弁板81を主体として形成されている。弁板81は、第1弁座78から下方に離座するときは第1弁座78の第1弁孔79を開き、その状態から上動して第1弁座78に着座することにより第1弁孔79を閉じる。弁板81の上面には、第1弁座78に弾性的に当接するOリングからなる第1シール部材82が装着されている。
【0032】
前記第1弁部材67における弁板81の外周部には、下方へ突出する円筒状をなすガイド筒部84が同心状に形成されている。ガイド筒部84は、前記第2弁部材65の内筒部72の内径よりも小さい外径を有しており、その内筒部72内に軸方向すなわち上下方向に移動可能にかつ所定の隙間を隔てて嵌合されている。なお、第2弁部材65の内筒部72と第1弁部材67のガイド筒部84とは、第1弁部材67を上下方向すなわち開閉方向にガイドする「第1ガイド手段」を構成している。
【0033】
前記第1弁部材67のガイド筒部84内には、コイルスプリングからなる第1コイルスプリング86が嵌合されている。第1コイルスプリング86は、前記弁板81と前記弁室60の下面との対向面間に介装されており、常に第1弁部材67を上方すなわち閉弁方向に付勢している。第1コイルスプリング86と前記第2コイルスプリング75とは、内外二重環状に配置されている(図4参照)。なお、第1コイルスプリング86は本明細書でいう「第1付勢手段」に相当する。
【0034】
図3に示すように、前記第1弁部材67の弁板81上には、連動軸部87が同心状に突出されている。連動軸部87は、前記第2弁部材65の第1弁孔79の孔径よりも小さい外径(軸径)を有しており、その第1弁孔79内に軸方向すなわち上下方向に移動可能にかつ所定の隙間を隔てて挿通されている。このため、第1弁座78の上流側通路部と下流側通路部とは、第1弁孔79と連動軸部87との間の環状隙間を介して連通されている。なお、第1弁孔79と連動軸部87との間の環状隙間が本明細書でいう「連通路」に相当する。
【0035】
図2に示すように、前記弁ハウジング51上にはステップモータ90が設置されている。ステップモータ90のモータハウジング91は、弁ハウジング51上にボルト等により締結されている。モータハウジング91内には、ボビン93に励磁コイル94を巻装したステータ95が設けられている。ステータ95内で回転するロータ97は、モータハウジング91内において所定の高さ位置において垂直軸回りに回転可能に支持されている。ロータ97の外周部には永久磁石(図示省略)が固定されている。また、ロータ97内には、作動軸98の上部が同心状に螺合されている。すなわち、ロータ97の軸心部に形成されためねじ孔に、作動軸98の上部に形成されたおねじがねじ合わされている。また、作動軸98は、モータハウジング91に対して軸回り方向に関して回り止めされている。したがって、ロータ97の正逆回転によって作動軸98が軸方向すなわち上下方向に往復移動される。また、作動軸98の軸線は、弁ハウジング51の筒状壁59、第2弁部材65及び第1弁部材67と同心状をなしている。また、ステップモータ90は前記ECU45(図1参照)によって駆動制御される。なお、ステップモータ90は、ステッパモータ、ステッピングモータ等とも呼ばれるもので、本明細書でいう「電磁駆動部」に相当する。
【0036】
図3に示すように、前記作動軸98の下端部は、前記弁ハウジング51の上壁部を貫通し、前記第2弁座62の第2弁孔63内の付近に延びている。作動軸98の下端部には、円板状の作動板99が同心状に形成されている。作動板99は、第2弁部材65の弁板69(第1弁部材67の連動軸部87を含む)の上面に対向している。また、作動板99は、作動軸98の外径(軸径)及び前記第2弁部材65の第1弁孔79の孔径よりも大きくかつ第2弁孔63の孔径よりも小さい外径を有している。
【0037】
次に、前記流量制御弁38の動作について説明する。図7は流量制御弁の閉弁状態を示す模式図、図8は同じく第1弁部材の開弁状態を示す模式図、図9は同じく第2弁部材の開弁状態を示す模式図である。
図7に示すように、車両の駐車中における流量制御弁38の第2弁部材65及び第1弁部材67は、それぞれコイルスプリング75,86の付勢力により閉弁状態に維持される。このとき、ステップモータ90の作動軸98は後退位置(上昇位置)にあり、作動軸98の作動板99が、第2弁部材65の弁板69、及び、第1弁部材67の連動軸部87から離れている。また、第1弁部材67の連動軸部87の上端部は、第2弁部材65の弁板69上に突出されている。また、第2弁部材65は、弁ハウジング51の第2弁座62の第2弁孔63を閉じている。これとともに、第1弁部材67は、第2弁部材65の第1弁座78の第1弁孔79を閉じている。したがって、弁ハウジング51内の流体通路64の第1通路54と第2通路57との連通が、第2弁部材65及び第1弁部材67の閉弁によって遮断される。このため、蒸発燃料処理装置12(図1参照)において、燃料タンク15内の蒸発燃料は、蒸発燃料通路31からキャニスタ34内に流入されることがない。
【0038】
また、車両の走行中において、小流量の蒸発燃料を燃料タンク15から蒸発燃料通路31を介してキャニスタ34内に流入させる場合には、流量制御弁38のステップモータ90にECU45(図1参照)から開弁信号が入力され、ロータ97が開弁方向に回転される。すると、作動軸98が後退位置(上昇位置)から進出(下動)される(図8参照)。この作動軸98(作動板99を含む)により、第1弁部材67の連動軸部87が押下されることで、第1弁部材67が第1コイルスプリング86の付勢に抗して開弁(下動)される。すなわち、第2弁部材65の第1弁座78から第1弁部材67の弁板81が離座することで、第1弁座78の第1弁孔79が開かれる。なお、このときの作動軸98の位置を第1段目の進出位置(下動位置)という。
【0039】
したがって、弁ハウジング51内の流体通路64の第1通路54と第2通路57とが、第2弁部材65と第1弁部材67との相互間の隙間、すなわち、第2弁部材65の内筒部72と第1弁部材67のガイド筒部84との間の環状隙間、第2弁部材65の弁板69と第1弁部材67の弁板81との間の隙間、第1弁孔79と連動軸部87との間の環状隙間、及び、弁ハウジング51の第2弁座62の第2弁孔63と作動軸98(作動板99を含む)との間の環状隙間を介して連通される。これにより、蒸発燃料処理装置12(図1参照)において、燃料タンク15内の蒸発燃料が、蒸発燃料通路31を介してキャニスタ34内に流入される。このとき、蒸発燃料通路31を流れる蒸発燃料の流量は、第1弁部材67により開閉される開口面積、すなわち第2弁部材65と第1弁部材67との相互間の隙間のうちの最小隙間(例えば、第1弁孔79と連動軸部87との間の環状隙間)における開口面積に応じた流量となる。
【0040】
また、車両の走行中及び給油時等において、大流量の蒸発燃料を燃料タンク15から蒸発燃料通路31を介してキャニスタ34内に流入させる場合には、流量制御弁38のステップモータ90にECU45(図1参照)から開弁信号が更に入力され、ロータ97が更に開弁方向に回転される。すると、作動軸98が第1段目の進出位置(下動位置)から更に進出(下動)される(図9参照)。この作動軸98(作動板99を含む)により、第1弁部材67の連動軸部87の押下に続いて、第2弁部材65の弁板69が押下されることで、第2弁部材65が第2コイルスプリング75の付勢に抗して開弁(下動)される。すなわち、弁ハウジング51の第2弁座62から第2弁部材65の弁板69が離座することで、第2弁座62の第2弁孔63が開かれる。なお、このときの作動軸98の位置を第2段目の進出位置(下動位置)という。
【0041】
したがって、弁ハウジング51内の流体通路64の第1通路54と第2通路57とが、弁ハウジング51と第2弁部材65との相互間の隙間、すなわち、弁ハウジング51の筒状壁59と第2弁部材65のスリット溝76との間の隙間、第2弁座62と第2弁部材65の弁板69との間の隙間、及び、弁ハウジング51の第2弁座62の第2弁孔63と作動軸98(作動板99を含む)との間の環状隙間を介して連通される。これにより、蒸発燃料処理装置12(図1参照)において、燃料タンク15内の蒸発燃料が、蒸発燃料通路31を介してキャニスタ34内に流入される。このとき、蒸発燃料通路31を流れる蒸発燃料の流量は、第2弁部材65により開閉される開口面積、すなわち弁ハウジング51の筒状壁59及び第2弁座62と第2弁部材65との相互間の隙間のうちの最小隙間(例えば、第2弁孔63と作動軸98(作動板99を含む)との間の環状隙間)における開口面積に応じた流量となる。
また、第1弁部材67により開閉される開口面積をAとし、第2弁部材65により開閉される開口面積をBとした場合、開口面積Aと開口面積Bは、
A>B
の関係を満たすように設定されている。
【0042】
また、前記開弁状態(図8又は図9参照)において、流量制御弁38のステップモータ90に前記ECU45(図1参照)から閉弁信号が入力され、ロータ97が閉弁方向に回転されると、作動軸98が後退(上動)される。その結果、流量制御弁38は閉弁状態(図7参照)に戻される。
【0043】
前記した流量制御弁38によると、ステップモータ90により往復移動される作動軸98と、蒸発燃料(流体)が流れる流体通路64をそれぞれ開閉しかつそれぞれのコイルスプリング86,75により閉方向に付勢された第1弁部材67及び第2弁部材65とを備え、ステップモータ90により往動される作動軸98によって第1弁部材67及び第2弁部材65が段階的に開かれる構成としたものである。したがって、ステップモータ90により往動される作動軸98によって第1弁部材67及び第2弁部材65を段階的に精度良く開くことが可能である。このため、従来例の電磁弁(特許文献1参照)と比べて、流量の制御精度を向上することができる。
【0044】
また、1つのステップモータ90で2つの弁部材65,67を駆動することができるため、流量制御弁38の小型化、軽量化及びコストの低減を図ることができる。
また、電磁駆動部としてステップモータ90を使用することができる。このため、電磁駆動部のデューティ制御(オン・オフ制御)により流量調整を行う従来例の電磁弁(特許文献1参照)と比べて、流量制御弁38の構成及びECU45の構成を簡素化し、コストの低減、軽量化、小型化を図ることができる。また、従来例の電磁弁(特許文献1参照)の場合、デューティ制御にともない発生する作動音の対策として、弁ハウジング51を車体側の固定側部材に取付けるに際し、エアダンパ、ゴムブッシュ等の防振部品を設定する必要があった。しかし、本実施例の流量制御弁38によれば、前記防振部品を省略あるいは簡素化することができ、部品点数及びコストの低減、並びに、搭載スペースの小スペース化を図ることができる。
【0045】
また、第1弁部材67により開閉される流体通路64の開口面積を、第2弁部材65により開閉される流体通路64の開口面積よりも小さく設定したものである。したがって、第1弁部材67が開弁される際は小流量を制御し、第2弁部材65が開弁される際は大流量を制御することができる。
【0046】
また、第2弁部材65に流体通路64の上流側通路部と下流側通路部とを連通する第1弁孔79を形成し、第1弁孔79を第1弁部材67により開閉する構成としたものである。したがって、個別の流体通路を各弁部材により独立的に開閉する場合と比べて、第2弁部材65に第1弁部材67をコンパクトに配置することが可能である。これにより、流量制御弁38の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0047】
また、第1弁部材67と第2弁部材65との間に設けられ、第1弁部材67を開閉方向にガイドする第1ガイド手段(第2弁部材65の内筒部72と第1弁部材67のガイド筒部84)を備えたものである。したがって、第2弁部材65に対する第1弁部材67の開閉方向(軸方向)の移動を安定化することができる。
また、第2弁部材65と流体通路64の弁ハウジング51との間に設けられ、第2弁部材65を開閉方向にガイドする第2ガイド手段(弁ハウジング51の筒状壁59と第2弁部材65の外筒部73)を備えたものである。したがって、弁ハウジング51に対する第2弁部材65の開閉方向(軸方向)の移動を安定化することができる。
なお、第1ガイド手段及び第2ガイド手段のうちの少なくとも一方のガイド手段は、省略することが可能である。
【0048】
また、第1弁部材67を閉方向へ付勢する第1付勢手段、及び、第2弁部材65を閉方向へ付勢する第2付勢手段を内外二重環状に配置された第1コイルスプリング86及び第2コイルスプリング75で構成し、第1コイルスプリング86と第2コイルスプリング75との径方向の隙間に第1ガイド手段(第2弁部材65の内筒部72と第1弁部材67のガイド筒部84)を配置したものである。したがって、第1コイルスプリング86及び第2コイルスプリング75並びに第1ガイド手段をコンパクトに配置することが可能である。これにより、流量制御弁38の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0049】
また、前記した蒸発燃料処理装置12(図1参照)によると、前記流量制御弁38を備え、燃料タンク15とキャニスタ34とを連通する蒸発燃料通路31に流量制御弁38の流体通路64を介装したものである。したがって、蒸発燃料をパージする際に、蒸発燃料通路31を流れる蒸発燃料の流量を流量制御弁38により精度良く制御することによって、空燃比(A/F)の乱れを抑えることができる。
【0050】
[実施例2]
本発明の実施例2を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。図10は流量制御弁の要部を示す模式図である。
本実施例は、図10に示すように、前記実施例1における作動板99を有する作動軸98(図7参照)を、ストレート状の作動軸(符号、101を付す)に代えたものである。このため、作動軸101の形状が単純化されるので、コストを低減することができる。なお、作動軸101は、第2弁部材65の第1弁孔79の孔径よりも大きくかつ第2弁孔63の孔径よりも小さい外径を有している。
また、前記実施例1における第1接続管53(図2参照)を、弁ハウジング51の下面に下方へ延びる第1接続管(符号、103を付す)に代えたものである。第1接続管103内が第1通路(符号、104を付す)となっている。
【0051】
[実施例3]
本発明の実施例3を説明する。本実施例は、前記実施例2に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。図11は流量制御弁の要部を示す模式図である。
本実施例は、図11に示すように、前記実施例2における第1弁部材67(図10参照)を、球弁からなる第1弁部材(符号、106を付す)に代えたものである。第1弁部材101は、第2弁部材65の第1弁孔79を開閉する。これにともない、前記第2弁部材65の内筒部72が省略されている。
【0052】
また、作動軸101の下端面に、小径の連動軸部(符号、107を付す)が同心状に形成されている。連動軸部107は、第2弁部材65の第1弁孔79の孔径よりも小さい軸径(外径)で形成されている。また、連動軸部107は、作動軸101の下動時に、第1弁部材106を押下(開弁)する。
【0053】
[実施例4]
本発明の実施例4を説明する。本実施例は、前記実施例2に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。図12は流量制御弁の要部を示す模式図である。
本実施例は、図12に示すように、前記実施例2における第1弁部材67(図10参照)を、連動軸部87が省略された第1弁部材(符号、109を付す)に代えたものである。また、前記実施例2における作動軸101(図10参照)を、その軸径(外径)よりも小さい軸径(外径)の作動軸111に代えたものである。作動軸111の軸径は、第2弁部材65の第1弁孔79の孔径よりも小径に設定されている。このため、作動軸111は、下動にともない、第1弁部材109を押下(開弁)する。また、作動軸111の下端より上方に離れた位置には、円板状の作動フランジ112が形成されている。作動フランジ112の外径は、第2弁孔63の孔径よりも小さくかつ第2弁部材65の第1弁孔79の孔径よりも大径に設定されている。このため、作動軸111の下動にともない、作動フランジ112が第2弁部材65の弁板69を押下(開弁)する。
【0054】
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明の電磁弁は、蒸発燃料処理装置12の流量制御弁38に限らず、どのような用途にも適用することができる。また、個別の流体通路64を各弁部材(第1弁部材、第2弁部材)により独立的に開閉する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0055】
12…蒸発燃料処理装置
15…燃料タンク
31…蒸発燃料通路
34…キャニスタ
38…流量制御弁(電磁弁)
51…弁ハウジング
59…筒状壁
64…流体通路
65…第2弁部材
67…第1弁部材
72…内筒部
73…外筒部
75…第2コイルスプリング(第2付勢手段)
79…第1弁孔
84…ガイド筒部
86…第1コイルスプリング(第1付勢手段)
90…ステップモータ(電磁駆動部)
98…作動軸
101…作動軸
106…第1弁部材
109…第1弁部材
111…作動軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁駆動部により往復移動される作動軸と、
流体が流れる流体通路をそれぞれ開閉しかつそれぞれの付勢手段により閉方向に付勢された第1弁部材及び第2弁部材と
を備え、
前記電磁駆動部により往動される前記作動軸によって前記第1弁部材及び前記第2弁部材が段階的に開かれる構成としたことを特徴とする電磁弁。
【請求項2】
請求項1に記載の電磁弁であって、
前記第1弁部材により開閉される前記流体通路の開口面積を、前記第2弁部材により開閉される前記流体通路の開口面積よりも小さく設定したことを特徴とする電磁弁。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電磁弁であって、
前記第2弁部材に前記流体通路の上流側通路部と下流側通路部とを連通する連通路を形成し、前記連通路を前記第1弁部材により開閉する構成としたことを特徴とする電磁弁。
【請求項4】
請求項3に記載の電磁弁であって、
前記第1弁部材と前記第2弁部材との間に設けられ、該第1弁部材を開閉方向にガイドする第1ガイド手段、及び、前記第2弁部材と前記流体通路の通路壁部材との間に設けられ、該第2弁部材を開閉方向にガイドする第2ガイド手段のうちの少なくとも一方のガイド手段を備えたことを特徴とする電磁弁。
【請求項5】
請求項3に記載の電磁弁であって、
前記第1弁部材と前記第2弁部材との間に設けられ、該第1弁部材を開閉方向にガイドする第1ガイド手段を備え、
前記第1弁部材を閉方向へ付勢する第1付勢手段、及び、前記第2弁部材を閉方向へ付勢する第2付勢手段を内外二重環状に配置された第1コイルスプリング及び第2コイルスプリングで構成し、
前記第1コイルスプリングと前記第2コイルスプリングとの径方向の隙間に前記第1ガイド手段を配置した
ことを特徴とする電磁弁。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の電磁弁を備え、
燃料タンクとキャニスタとを連通する蒸発燃料通路に前記電磁弁の流体通路を介装した
ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−144848(P2011−144848A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4670(P2010−4670)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(000116574)愛三工業株式会社 (1,018)
【Fターム(参考)】