電磁弁
【課題】単純な構造を有するコンパクトな電磁弁を提供する。
【解決手段】少なくとも3つの流路42、44、52が開いていて、そのうちの少なくとも2つが弁座38、40によって形成される中空内部を有する特に立方体状のハウジングを備える電磁弁であって、少なくとも2つの2アーム駆動要素30が中空内部に旋回可能に取り付けられており、そして各駆動要素30がその旋回位置に依存して弁座38、40を覆いまたは開放するために少なくとも1つの弁座38、40と協動する。
【解決手段】少なくとも3つの流路42、44、52が開いていて、そのうちの少なくとも2つが弁座38、40によって形成される中空内部を有する特に立方体状のハウジングを備える電磁弁であって、少なくとも2つの2アーム駆動要素30が中空内部に旋回可能に取り付けられており、そして各駆動要素30がその旋回位置に依存して弁座38、40を覆いまたは開放するために少なくとも1つの弁座38、40と協動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に立方体状のハウジングと少なくとも2つの流路(流動通路)が弁座で形成された少なくとも3つの流路が開いている中空内部とを備える電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、電磁弁はますます効率的でなければならず、また特にますますコンパクトに構成されなければならない。更に電磁弁は高速の応答および切替え特性を提供しなくてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、単純な構造を有するコンパクトな電磁弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
最初に言及されたタイプの電磁弁では、この目的は、少なくとも2つの2アーム付き駆動要素が中空内部内に旋回可能に取り付けられ、各々の駆動要素がその旋回位置に依存して弁座を覆い(カバー)または開放するために少なくとも1つの弁座と協動するという点において達成される。したがって本発明による電磁弁は、弁座を開放または閉鎖できるハウジングの中空内部に幾つかの揺り子様(rocker-like)駆動要素が収納されているので、極めてコンパクトな構造を有する。駆動要素は共通のハウジングに収容されるので、更に必要となる部品は少ししかない。本発明は特に、幾つかの一体化された3/2一方通行弁を有する電磁弁に関する。
【0005】
好適な実施形態によればハウジングは特に、細長い平行六面体として構成される。
【0006】
一実施形態では、バルブハウジングには弁座として形成された少なくとも2つの駆動要素と3つの流路とが配置されている。各駆動要素は、ただ1つの弁座と協動して弁座を開放または閉鎖できる。開かれた弁座は第3の流路と流体連通している。したがって4つの切替え条件が可能である:両弁座とも開いていることが可能である、両弁座とも閉じていることが可能である、第1の弁座は開いていて第2の弁座は閉じていることが可能である、第2の弁座は開いていて第1の弁座は閉じていることが可能である。このバルブ構成は、流体を混合するために特に適している。2つの弁座と協動するただ1つの揺り椅子様駆動要素を有するバルブでは、それぞれ1つの弁座は常に開いていて同時に他の1つは閉じている。したがって混合動作は実現され得ない。
【0007】
ハウジングの内部に配置された中間壁がこの中空内部を数個の制御チャンバに分割している。各制御チャンバには少なくとも1つの駆動要素が収容される。
【0008】
特にコンパクトな実施形態は、上面図において三角形の底面を有する制御チャンバが作り出されるように中間壁がハウジングの内部で対角線方向に延びるということによって達成され得る。この三角形の形状のために駆動要素はこの三角形の最も長い辺に沿って延びることができ、このことがスペースの節約を可能にしている。更に、より長いレバーアームが得られ、その結果として、より小さな推進力が必要とされる。このようにしてこのレバーアーム端部は、より大きな半径を有する円を描く。これは、偏向がほぼ垂直であって、ひどく弓形ではないことを意味する。
【0009】
対角線方向に延びる中間壁はまた、この対角線方向の中間壁に沿って延びる駆動要素に関連して更なる利点を有する。駆動要素を駆動する、ハウジングの外側に配置されたアーマチュアは、ハウジングの外側面に平行な軸線であって、特にコイルの長手方向(軸線方向)から見て目に見え、そして特にハウジングの長い側面に平行であるハウジングの中心軸線に交差する軸線を有する可能性がある。したがって、これらのコイルとアーマチュアとの長手方向から見えるように、これらのコイルと共にアーマチュアはハウジングによって画定された底面内に配置されて、そこから横方向に突き出ない。
【0010】
更なる一実施形態では各制御チャンバには、各駆動要素が少なくとも1つの弁座に接触するように適応した1つの駆動要素と少なくとも2つの流路とが設けられるはずである。これは、駆動要素が2/2一方通行弁を形成するために2つの流路のうちの1つを閉鎖できることを意味する。これは、2つの2/2一方通行弁が1つのバルブハウジング内に収容されることを意味する。
【0011】
3つの流路のうちの2つがそれぞれ弁座として形成される3つの流路が各制御チャンバ内に設けられる場合には、各々が3/2方式(3/2-way)機能を有し、互いに独立している2つのバルブがこのようにして単一のハウジング内に実現される。
【0012】
制御チャンバは、各制御チャンバ内のバルブが互いに別々に、そして互いに独立に切り替えられ得るように互いに流体的に分離されるべきである。しかしながら互いに流体的に接続された両制御チャンバのための共通の通路として1つの流入または流出通路を設けることも可能である。そのとき2つの流出または流入通路は、互いに独立に切り替えられ得る各制御チャンバ内に存在する。
【0013】
駆動要素の復帰は、各制御チャンバ内に設けられたスプリングによって実現され得る。
【0014】
迅速な復帰は、スプリングがハウジングの壁に設けられた流入側または流出側流路に平行に配置された場合に達成される。
【0015】
このスプリングの一方の端部はハウジング壁に支えられるべきであり、他方の端部は駆動要素に支えられるべきである。
【0016】
本発明の好適な実施形態は、スプリングがアームの端部で駆動要素に係合すると定めている。
【0017】
ハウジング壁および/または駆動要素は、スプリングがハウジング内に捕捉されて位置決めされた状態に留まるようにスプリングのための保持形状体を有するべきである。このような保持形状体は特に、通常、らせんスプリングとして構成されたスプリングが圧入によって滑り嵌めされる突起である。
【0018】
駆動要素のための旋回可能な取付けは特に、軸受けピンの端部がそれぞれハウジング壁に取り付けられる軸受けピンを与える。理論的には、両駆動要素のための1つの共通の軸受けを使用することも可能である。軸受けピン(単数または複数)は外側からハウジング内の内腔に挿入される。軸受けピンの内側端部が中間壁に取り付けられる場合もまた有利である。ハウジング壁における軸受けの場所は密閉される。
【0019】
駆動要素は各々、弁座から離れる方向に向いた駆動要素の側面に駆動装置(actuator)のための係合面を有し得る。したがって駆動装置、通常アーマチュアは、いわば関連する弁座に向かって駆動要素を動かすために駆動要素に対して背面を押し付ける。
【0020】
係合面は、ウェブ(曲面)として構成され得る、および/または半円形断面輪郭(プロファイル)、または更に一般的に言えば凸状断面輪郭を有し得る。これは、可能であれば軸線に沿って動き得る係合駆動装置と円の上で動き得る係合面との間の如何なる滑り摩擦の発生も防止するために有利である。むしろこの凸状面はこれら2つの部品の転がり運動につながる。
【0021】
これに関連して弁座の中心軸線は、好適にはウェブの長手方向の中心軸線と交差する。これは、ウェブを介して加えられた力が弁座の真上にあることを意味する。
【0022】
閉じた位置において、係合面に加えられた駆動力の合力が弁座によって画定された閉鎖面と好適には垂直に交差する場合は更に有利である。弁座は通常、流路の口を取り囲むリング状の縁部である。このリングは、リングの外周部の内側を形成する閉鎖面を画定する。
【0023】
上記のようにアーマチュア側の力の印加は、アーマチュアの中心軸線に対して偏心するように配置された係合面において駆動装置によって行われる。これは、可能であれば駆動装置の外面がアーマチュアの長手方向に見られるようにハウジングの外側周辺部から突出しないようにアーマチュアを互いに隣接して比較的近くに位置決めすることを可能にする。しかしながらこの実施形態は更に、レバーアームを極めて長く構成することを可能にする。特に係合面は駆動要素の関連するレバーアームの端部に、より近傍に在るべきである、すなわちアーマチュアの中心軸線より外側に在るべきである。
【0024】
駆動要素には一体に形成された軸受け突起が存在し得る。更にまたは代替として、駆動要素の各アームには弁座のための閉鎖面が配置される。駆動要素の旋回軸線は好適には、これらの閉鎖面によって画定された共通平面において位置決めされる。
【0025】
好適な実施形態は、少なくとも1つの駆動要素が長いアームと短いアームとを有すると定めている、特に2つの駆動要素の両方の短いアームがハウジング内で反対方向を指すと定めている。このようにして制御チャンバの、および駆動要素の点対称構造も恐らく取得され得る。
【0026】
駆動要素は、互いに平行に延びる特に細長い胴体である。
【0027】
可能な限り少ない異なる部品を有するために、駆動要素は完全に同じように構成され得る、すなわち同じ形状と寸法とを有し得る。
【0028】
3/2一方通行弁を用意するために、各制御チャンバ内には2つの弁座を有する3つの流路が開いている。これは、1つの流路は常に開いたままでいるが他の2つの流路は弁座において制御チャンバの内部に開くことを意味する。
【0029】
弁座は各制御チャンバにおいて異なる形状を有し得る。
【0030】
駆動要素に、少なくとも関連する弁座に接触する領域における1つのアームに、関連する弁座を覆いまたは開放するための弾力性密閉要素が固定され得る。
【0031】
好適な実施形態によれば、駆動要素の横方向の位置決めのために楔形の内向き案内突起がハウジング壁と一体に形成される。特に、関連する駆動要素に向き合うこの楔の1つの面は、これら2つの面が互いに平行であって横方向案内面を形成するように反対の中間壁に平行に配置される。
【0032】
単純化された製造のために立方体状のハウジングは、一体に形成された底部と、一体に形成された横壁と、開かれたカバーサイドとを示すべきである。このようにしてハウジングは、単なる2つの部品すなわちカバーと残りのハウジングとからなる。
【0033】
このカバーもまた、更なる部品が必要とされないように磁気駆動部に一体化され得る。
【0034】
カバーは、アーマチュア側の駆動装置の通過のための開口部を有するべきである。
【0035】
駆動要素がこの通路への、またはこの通路からの流れに影響を及ぼさないように駆動要素から離れた少なくとも1つの通路が中空内部に開いている場合は更に有利である。
【0036】
駆動要素は、実質的に1つの平面に配置されるべきである、すなわち駆動要素は、弁座も実質的に1つの平面に配置されるように互いに隣接して配置されるべきである。これは、電磁弁の製造を容易にする。特にすべての弁座はハウジングの1つの壁に存在することが可能であり、この「壁」もまた底部であると理解される。
本発明の更なる特徴および利点は、参照が行われる下記の説明および図面から明らかになる。これらの図面は下記を示す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による電磁弁の長手方向断面図である。
【図2】駆動部が取り外された電磁弁の斜視図である。
【図3】バルブ駆動部が取り外された図2に示されたバルブハウジングの上面図である。
【図4】図3に示されたハウジングの線IV−IVに沿った拡大図である。
【図5】図1の線V−Vに沿った電磁弁の断面図である。
【図6a】本発明による電磁弁で使用され得る磁気駆動部の可能な変形例の斜視図である。
【図6b】本発明による電磁弁で使用され得る磁気駆動部の可能な変形例の上面図である。
【図7a】磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図7b】磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図8a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図8b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図8c】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の断面図である。
【図9a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図9b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図9c】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の断面図である。
【図10a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図10b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図10c】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の断面図である。
【図11a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図11b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図11c】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の異なる軸線方向高さにおける断面図である。
【図11d】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の異なる軸線方向高さにおける断面図である。
【図12a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図12b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図13a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図13b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図14a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図14b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図14c】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本電磁弁は極めて小さな構造を有し、図1では過度に拡大されて示されている。実際に本発明による電磁弁は、ほんの約7〜10mmの幅を有する。
【0039】
本電磁弁は、両バルブが互いに独立に駆動され得る2重3/2一方通行弁として構成される。
【0040】
駆動ユニット12は、底部16と周りの横壁18とを有する好適には一体の流体ハウジング14を備える。ハウジング14は、磁気駆動部10の一部としてカバー20によって上部に向かって閉じられる。ハウジング14の内部は、図2から最も容易に理解され得る。底部16と横壁18とに一体的に接している中間壁22は立方体状のハウジング14を対角線方向に貫いて延びる。
【0041】
中間壁22は、ハウジング14の中空内部を必ずではないが好適には互いに流体的に分離されていて各々が3/2一方通行弁に関連している2つの制御チャンバ24、26に分割する。代替として、1つのハウジング14に2つより多い3/2一方通行弁が収容されることも可能である。
【0042】
以下それぞれ駆動要素28、30と呼ばれる2つのバルブ本体は、制御チャンバ24、26に完全に収容される。駆動要素28、30は、その仮想中心が旋回軸線を形成する軸受けピン32を介して各々がハウジング14内に取り付けられる2アームレバー(図4を参照)である。これらのピン32は、図3および5からわかるように、外側から横壁18と中間壁22との孔に押し込まれる。ピン32は互いに平行に、または同軸的に延びている。図示の例示的実施形態では、これらのピンは平行である。
【0043】
図4ではレバーアーム34、36が異なる長さを有することがわかる。
【0044】
各駆動要素28、30は、制御チャンバ24または26内に開いている流路42、44に結び付いた2つの弁座38、40と協動する。底部16から駆動要素28、30に向かって円錐形状の突起46、48が延びている。それぞれの突起46、48の最上部で開いている流路42、44は突起46、48を通って同軸的に延びる。突起46、48は口の周りに、それぞれ弁座38および40を形成するリング状表面を備えている。
【0045】
図示の実施形態では、軸受けピン32の仮想旋回軸線からのこれら2つの弁座38、40の距離は等しいが、異なることもあり得る。
【0046】
軸受けピン32の領域における駆動要素30のより良好な安定のために駆動要素30は、ベアリングラグとも呼ばれる突起50を示す。同じことは駆動要素28にも当てはまる。
【0047】
図4はまた、図5に示されているような、しかしながら好適には駆動要素28、30から離れている流路52を示す。
【0048】
したがって各制御チャンバ24、26は、そこで開いている全部で3つの流路、すなわち流路42、44、52を有する。これら3つの流路のうちの2つ、すなわち流路42、44は駆動要素28または30によって閉じられ得る。
【0049】
揺り椅子様駆動要素30は、弁座38、40に関連する面上に、駆動要素28、30が弁座38または40に支えられているときに、強められた密閉を与えるエラストマーで作られた1つのそれぞれの密閉要素54を有する。これら2つの弁座38、40は、軸受けピン32の中心軸線も配置されるべきである共通平面56(図4を参照)を画定する。しかしながらこれは単に1つの有利なオプションである。
【0050】
2つの駆動要素28、30は好適には同じ形状を有しており、これらは180度回転させられたそれぞれの制御チャンバ24、26に取り付けられるだけである。
【0051】
駆動要素28、30は、特に制御チャンバ24、26の対角線のほぼ全長に亘って中間壁22に平行に延びる細長い棒状胴体である。
【0052】
長いレバーアーム36と、より正確にはその自由な軸線方向端部と、底部16との間には、図4に関して駆動要素30を反時計回り方向に偏倚させて弁座38に駆動要素を押し付けるスプリング58が取り付けられている。
【0053】
スプリング58のより良い支持のためにレバーアーム36と底部16との両者はピン状の突起を構成する保持形状体60を備える。
【0054】
弁座38、40とは反対の面上に駆動要素28、30は、半円形断面を有し特にウェブ(曲面)の形に構成された係合面62を有する。これは図2において明らかに見ることができる。
【0055】
流路44が閉じられたとき、係合面62は弁座40の真上に位置決めされる、すなわちこれらの対応する面は互いに向き合わされる。
【0056】
係合面62は、磁気駆動部10の可動磁気コア64の形をした駆動装置との低摩擦接触のために重要である。この磁気コア64は、これがそれを介して係合面62に支えられ得る平面状対抗接触面を端面の側に有する。
【0057】
しかしながら代替としてこれら2つの接触面は、駆動要素28、30における係合面62が平面状に構成され、磁気コア64、82の端面が半球形状を有するようにも構成され得る。
【0058】
磁気コア64は、長手方向または軸線方向Aに可動である(図1を参照)。
【0059】
スプリング58もまたこの軸線方向Aに向けられる。更に流路42、44は軸線方向Aに延びる。
【0060】
流路44の仮想中心軸線に関するウェブ状係合面62の向き(方向づけ)は好適には、流路44の中心軸線、したがってまた弁座40の中心軸線が図2に示されているウェブの長手方向中心軸線66に交差するように実現されるが、これは流路44の閉じられたバルブ位置に関してである。
【0061】
より一般的に言えば、閉じられた位置では係合面62に作用する磁気コア64を通る駆動力の合力は、いわゆる閉鎖面と垂直に交差するはずである。閉鎖面はリング状弁座40の外周によって画定され、そして今度は閉鎖面と呼ばれる円形領域を画定する。
【0062】
更に図1および4からわかるように係合面62は、磁気コア64が磁気駆動部10の更なるコンパクトさを実現するために更に内側に位置決めされるように磁気コア64の中心軸線に関してオフセットされる。係合面62と磁気コア64の下部端面との間の接触部は、磁気コア64の中心軸線に関してレバーアーム36の自由端により近いところに配置される。
【0063】
駆動ユニット12の更なる特徴は、軸線方向Aに関するその低い高さである。この低い高さは、実質的に1つの平面に配置された駆動要素28、30の平行な配置によって得られる。これは、軸線方向Aに関して駆動要素28、30が互いに上下に配置されるのではなく図1からわかるように互いに隣り合わせに配置されることを意味する。したがって軸受けピン32の旋回軸線は好適には、軸線方向Aに垂直である共通平面に配置される。
【0064】
駆動要素28、30の単純な取付けおよび確実な支持はまた、中間壁22の向かい側の面に平行に延びる案内面72を有する一体化形成された楔形の内向き案内突起70が相対する壁18から突出しているので(図5を参照)、軸受けピン32の長手方向に駆動要素28、30を取り付けることによっても改善される。
【0065】
このようにして駆動要素28、30は、軸線方向変位に対抗して固定されるように相対する案内面の間に取り付けられる。
【0066】
図1に示されている磁気駆動部10は、事前取付けユニットとしても構成される駆動ユニット12上にこの磁気駆動部10の取付けおよび完成の後に配置される事前取付け内蔵型ユニットである。
【0067】
磁気駆動部10は、駆動ユニット12とは反対側の端部で各々が磁気プラグ78、80を取り囲む2つの平行なコイル74、76を備える。以下磁気コア82、64と呼ばれる軸線方向に可動なアーマチュアもまたコイル74、76の内部に収容され、それぞれの磁気プラグ78、80とは反対側の駆動ユニット12に向かってスプリング86によって偏倚されている。磁気コア82、64はカバー20の開口部を貫通してハウジング14の内部に突出しており、初期位置においてそれぞれの駆動要素28または30の凸状係合面62を押し付けている。しかしながら初期位置においてコイル74、76が電流を供給されないとき、それぞれの駆動要素28、30はスプリング58がスプリング86より弱いように構成されているので弁座40から外されて弁座38上に静止するように旋回させられる。
【0068】
参照符号88は、磁気コアを取り囲むスリーブ内で磁気コア82、64が動くときに恐らく発生する摩擦力に対抗する滑り要素を指す。
【0069】
図1はまた、磁気駆動部10もまた極めてコンパクトな構造を有することを示している。軸線方向Aに見られるように磁気駆動部10は、ハウジング14の底面からの如何なる面にも突き出ない。
【0070】
2つのコイル74、76は互いに独立に駆動されることが可能であり、このことは駆動要素28、30によって形成された2つの3/2一方通行弁もまた互いに独立に駆動され得ることを意味する。この独立した駆動は、2つの強磁性回路が実質的に互いに分離されている駆動部自身の強磁性回路を各々の駆動部が有するという事実から可能である。この分離は、コイル74、76から上部に突出している2つの磁気プラグ78、80が共通のヨークプレート90に受けられているにもかかわらず得られる。2つの平行なコイル74、76を軸線方向に範囲画定するために更に、コイル74、76の反対側端部に設けられた共通のヨークプレート92が存在する。
【0071】
図6〜14は、2つの共通ヨークプレート90、92にもかかわらず実質的に互いに影響を及ぼさない2つの強磁性回路がどのように形成されるかの異なる可能性を示す。
【0072】
図6aによる実施形態では、2つの平行なヨークボルト94の形をした2つの磁気要素であって、コイル74、76に平行にこれらのコイル間に延びる2つの磁気要素が設けられている。図6bからわかるように、ヨークボルト94は2つのコイル74、76の共通包絡面内に配置され、最上部および底部に突出していない、すなわち図6bに関して横方向に突出していない。これら2つのヨークボルト94は磁性を有し、ヨークプレートの凹部に受け入れられて固定されるようにこれら2つのヨークプレート74、76の凹部内に突出している。ヨークボルト94は、コイル74、76および磁気プラグ78、80と共に2つの強磁性回路を形成する。各強磁性回路の漂遊磁界は極めて小さいので、隣接する強磁性回路は機能的に影響を受けないままに留まる。
【0073】
強磁性回路の更に良好な分離は、図7の実施形態によって得られる。ここでは、対応するヨークボルト94も設けられる。しかしながら少なくとも上部ヨークプレート90、好適には両ヨークプレート90、92は、各々のギャップがヨークプレート90、92の相対する長手方向縁部98、100から各々が始まり、それぞれ相対する長手方向縁部100および98に向かって延び、それから互いに合併することなく互いに接近するギャップ96を生じさせる。ギャップ96は、これらのギャップが常にヨークボルト94に結び付けられ、結び付けられたヨークボルト94と磁気プラグ78または80との間に配置されるように、ギャップの長手方向縁部98、100から互いに向かって正確に反対に延びるのではなく、互いに横方向にオフセットされる。このようにして一方のギャップ96は磁気プラグ78からヨークボルトを磁気的に分離し、他のギャップ96は他方のヨークボルト94から磁気プラグ80を分離する。このようにして各々のヨークボルトがそれぞれの強磁性回路を形成するために、図7bの上部ヨークボルト94は磁気プラグ78と磁気的に結び付けられ、下部ヨークボルト94は磁気プラグ80と結び付けられる。ギャップ96間の狭い接続ウェブ(曲面部)102は一種のブリッジを形成するが、このブリッジはこのブリッジを介して2つの強磁性回路の大きな影響が発生しないほど狭く、またこれら2つの駆動部は互いに別々に機能することができる。
【0074】
接続ウェブ102は、ヨークプレートの取付けを簡単にするヨークプレート90、92の一体化構成を可能にする。2部品ヨークプレートの場合には、これらの部品を互いに位置合わせするために更なる調整ステップが必要とされる。
【0075】
図6〜7による実施形態および図8〜14による残りの実施形態に関して、ヨークプレート90、92をシートスタックとして構成することは有利であり得るが、これはヨークプレート90、92が数層の薄い金属シートから作られることを意味する。簡略化のためにこれらの金属シートはスタックとしてスタンプ加工され得る。
【0076】
図7aのL字形ギャップ96はヨークプレート90、92を完全に貫通して軸線方向に延びているが、図8の実施形態では、多層ヨークプレート90または92の上部層はギャップなしに構成され(図8bを参照)、これに対して下地層は接続ウェブ102なしで構成された完全に連続したギャップ96を有するので、これら2つの強磁性回路は下部層において互いに完全に分離されるということがもたらされる。上部層は特に、如何なる磁気ブリッジも形成しないように非フェライト材料で作られる。
【0077】
図9〜14による実施形態では、2つのヨークボルトよりむしろ、強磁性回路を分離するための磁気要素であって、コイル74、76間に延びる磁気プレート104の形をした磁気要素(例えば図9cを参照)が設けられている。磁気プレート104は、ヨークプレート90、92間で軸線方向に延びてこれらのヨークプレートと接触している。コイル74、76はまた、コイルワイヤを絶縁するための絶縁ラッカーが損傷されてはならない最も狭い場所で、磁気プレート104に接触することも、例えば磁気プレート104を締付け固定することもできる。
【0078】
磁気プレート104は、軸線方向Aに見られるように楔形の厚い長手方向縁部を示している。これらの長手方向縁部は参照符号106を有する。この楔形長手方向縁部106は、磁気プレート104の全長に亘ってコイル74、76の軸線方向Aに延び、コイル74、76の円筒形外面の結果から生じるコイル74、76の外側包絡面108とコイル74、76との間の空間を実質的に満たす。
【0079】
図9による実施形態では、ヨークプレート90、92にはスロットが作られていない。
【0080】
しかしながら図10aによる実施形態では、これに関連して図7に関する説明に参照が行われ得るように適当なギャップ96を有する図7のヨークプレート90、92が使用される。
【0081】
図11による実施形態では、図8のヨークプレート90、92は磁気プレート104に接続して使用される。ここでは別々の説明はいずれも必要でない。
【0082】
図12による実施形態では、磁気プレート104は厚い長手方向縁部なしで単に矩形に構成される。ヨークプレート90、92は図6による実施形態のヨークプレートに対応している。
【0083】
図13の実施形態は、図12の磁気プレート104を図7および10のヨークプレート90、92と組み合わせている。
【0084】
図14の実施形態は、図12の磁気プレート104を図8および11のヨークプレート90、92と組み合わせている。
【0085】
これらの図に示されている磁気駆動部10は、横方向に極めて小さな構造を有し、したがってハウジング12の底部16の底面から突出していない。軸線方向Aに見られるように、コイルの中心軸を有するコイル74、76は長手方向ハウジング14の中心軸線M上に配置される。図3を参照のこと。駆動要素28、30の対角線配置だけが同時にコンパクトな構造を得るために中心軸線M上におけるコイル74、76の配置を可能にするということが理解され得る。
【0086】
図示のバルブは好適には、2つの3/2一方通行弁を有する空気弁である。
【0087】
揺り子様の駆動要素28、30上の長いレバーアームは、復帰スプリング58の収容を可能にしている。
【0088】
通常の動作時に弁座40の下に加圧下の媒体、例えば空気が印加される。空気弁において通気機能を有する流路42は、流路52いわゆる動作接続部と流体的に接続されている。関連するコイル76の駆動時に弁座40はスプリング58によって開かれ、同時に弁座38は閉じられる。電磁弁のこの切換え位置において流路44は流路52と流体的に接続される。
【0089】
しかしながら流路42が開かれることになっている場合には、コイル76は電流を供給され、磁気コア82または64は駆動要素28、30に動かされ、駆動要素28、30は図4にしたがって時計回りに旋回して弁座38から離昇させられる。2つの駆動部の小さな磁気的影響から、制御チャンバ24、26の駆動はそれぞれ他の制御チャンバ26または24の駆動とは独立に駆動され得る。
【0090】
駆動要素28、30の対角線配置は長いレバーアームと小さな横方向の動きという結果をもたらし、これが流体性能を改善している。磁気コア82、84の下方に配置された弁座40は、直接的パワー伝達を確実にする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に立方体状のハウジングと少なくとも2つの流路(流動通路)が弁座で形成された少なくとも3つの流路が開いている中空内部とを備える電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、電磁弁はますます効率的でなければならず、また特にますますコンパクトに構成されなければならない。更に電磁弁は高速の応答および切替え特性を提供しなくてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、単純な構造を有するコンパクトな電磁弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
最初に言及されたタイプの電磁弁では、この目的は、少なくとも2つの2アーム付き駆動要素が中空内部内に旋回可能に取り付けられ、各々の駆動要素がその旋回位置に依存して弁座を覆い(カバー)または開放するために少なくとも1つの弁座と協動するという点において達成される。したがって本発明による電磁弁は、弁座を開放または閉鎖できるハウジングの中空内部に幾つかの揺り子様(rocker-like)駆動要素が収納されているので、極めてコンパクトな構造を有する。駆動要素は共通のハウジングに収容されるので、更に必要となる部品は少ししかない。本発明は特に、幾つかの一体化された3/2一方通行弁を有する電磁弁に関する。
【0005】
好適な実施形態によればハウジングは特に、細長い平行六面体として構成される。
【0006】
一実施形態では、バルブハウジングには弁座として形成された少なくとも2つの駆動要素と3つの流路とが配置されている。各駆動要素は、ただ1つの弁座と協動して弁座を開放または閉鎖できる。開かれた弁座は第3の流路と流体連通している。したがって4つの切替え条件が可能である:両弁座とも開いていることが可能である、両弁座とも閉じていることが可能である、第1の弁座は開いていて第2の弁座は閉じていることが可能である、第2の弁座は開いていて第1の弁座は閉じていることが可能である。このバルブ構成は、流体を混合するために特に適している。2つの弁座と協動するただ1つの揺り椅子様駆動要素を有するバルブでは、それぞれ1つの弁座は常に開いていて同時に他の1つは閉じている。したがって混合動作は実現され得ない。
【0007】
ハウジングの内部に配置された中間壁がこの中空内部を数個の制御チャンバに分割している。各制御チャンバには少なくとも1つの駆動要素が収容される。
【0008】
特にコンパクトな実施形態は、上面図において三角形の底面を有する制御チャンバが作り出されるように中間壁がハウジングの内部で対角線方向に延びるということによって達成され得る。この三角形の形状のために駆動要素はこの三角形の最も長い辺に沿って延びることができ、このことがスペースの節約を可能にしている。更に、より長いレバーアームが得られ、その結果として、より小さな推進力が必要とされる。このようにしてこのレバーアーム端部は、より大きな半径を有する円を描く。これは、偏向がほぼ垂直であって、ひどく弓形ではないことを意味する。
【0009】
対角線方向に延びる中間壁はまた、この対角線方向の中間壁に沿って延びる駆動要素に関連して更なる利点を有する。駆動要素を駆動する、ハウジングの外側に配置されたアーマチュアは、ハウジングの外側面に平行な軸線であって、特にコイルの長手方向(軸線方向)から見て目に見え、そして特にハウジングの長い側面に平行であるハウジングの中心軸線に交差する軸線を有する可能性がある。したがって、これらのコイルとアーマチュアとの長手方向から見えるように、これらのコイルと共にアーマチュアはハウジングによって画定された底面内に配置されて、そこから横方向に突き出ない。
【0010】
更なる一実施形態では各制御チャンバには、各駆動要素が少なくとも1つの弁座に接触するように適応した1つの駆動要素と少なくとも2つの流路とが設けられるはずである。これは、駆動要素が2/2一方通行弁を形成するために2つの流路のうちの1つを閉鎖できることを意味する。これは、2つの2/2一方通行弁が1つのバルブハウジング内に収容されることを意味する。
【0011】
3つの流路のうちの2つがそれぞれ弁座として形成される3つの流路が各制御チャンバ内に設けられる場合には、各々が3/2方式(3/2-way)機能を有し、互いに独立している2つのバルブがこのようにして単一のハウジング内に実現される。
【0012】
制御チャンバは、各制御チャンバ内のバルブが互いに別々に、そして互いに独立に切り替えられ得るように互いに流体的に分離されるべきである。しかしながら互いに流体的に接続された両制御チャンバのための共通の通路として1つの流入または流出通路を設けることも可能である。そのとき2つの流出または流入通路は、互いに独立に切り替えられ得る各制御チャンバ内に存在する。
【0013】
駆動要素の復帰は、各制御チャンバ内に設けられたスプリングによって実現され得る。
【0014】
迅速な復帰は、スプリングがハウジングの壁に設けられた流入側または流出側流路に平行に配置された場合に達成される。
【0015】
このスプリングの一方の端部はハウジング壁に支えられるべきであり、他方の端部は駆動要素に支えられるべきである。
【0016】
本発明の好適な実施形態は、スプリングがアームの端部で駆動要素に係合すると定めている。
【0017】
ハウジング壁および/または駆動要素は、スプリングがハウジング内に捕捉されて位置決めされた状態に留まるようにスプリングのための保持形状体を有するべきである。このような保持形状体は特に、通常、らせんスプリングとして構成されたスプリングが圧入によって滑り嵌めされる突起である。
【0018】
駆動要素のための旋回可能な取付けは特に、軸受けピンの端部がそれぞれハウジング壁に取り付けられる軸受けピンを与える。理論的には、両駆動要素のための1つの共通の軸受けを使用することも可能である。軸受けピン(単数または複数)は外側からハウジング内の内腔に挿入される。軸受けピンの内側端部が中間壁に取り付けられる場合もまた有利である。ハウジング壁における軸受けの場所は密閉される。
【0019】
駆動要素は各々、弁座から離れる方向に向いた駆動要素の側面に駆動装置(actuator)のための係合面を有し得る。したがって駆動装置、通常アーマチュアは、いわば関連する弁座に向かって駆動要素を動かすために駆動要素に対して背面を押し付ける。
【0020】
係合面は、ウェブ(曲面)として構成され得る、および/または半円形断面輪郭(プロファイル)、または更に一般的に言えば凸状断面輪郭を有し得る。これは、可能であれば軸線に沿って動き得る係合駆動装置と円の上で動き得る係合面との間の如何なる滑り摩擦の発生も防止するために有利である。むしろこの凸状面はこれら2つの部品の転がり運動につながる。
【0021】
これに関連して弁座の中心軸線は、好適にはウェブの長手方向の中心軸線と交差する。これは、ウェブを介して加えられた力が弁座の真上にあることを意味する。
【0022】
閉じた位置において、係合面に加えられた駆動力の合力が弁座によって画定された閉鎖面と好適には垂直に交差する場合は更に有利である。弁座は通常、流路の口を取り囲むリング状の縁部である。このリングは、リングの外周部の内側を形成する閉鎖面を画定する。
【0023】
上記のようにアーマチュア側の力の印加は、アーマチュアの中心軸線に対して偏心するように配置された係合面において駆動装置によって行われる。これは、可能であれば駆動装置の外面がアーマチュアの長手方向に見られるようにハウジングの外側周辺部から突出しないようにアーマチュアを互いに隣接して比較的近くに位置決めすることを可能にする。しかしながらこの実施形態は更に、レバーアームを極めて長く構成することを可能にする。特に係合面は駆動要素の関連するレバーアームの端部に、より近傍に在るべきである、すなわちアーマチュアの中心軸線より外側に在るべきである。
【0024】
駆動要素には一体に形成された軸受け突起が存在し得る。更にまたは代替として、駆動要素の各アームには弁座のための閉鎖面が配置される。駆動要素の旋回軸線は好適には、これらの閉鎖面によって画定された共通平面において位置決めされる。
【0025】
好適な実施形態は、少なくとも1つの駆動要素が長いアームと短いアームとを有すると定めている、特に2つの駆動要素の両方の短いアームがハウジング内で反対方向を指すと定めている。このようにして制御チャンバの、および駆動要素の点対称構造も恐らく取得され得る。
【0026】
駆動要素は、互いに平行に延びる特に細長い胴体である。
【0027】
可能な限り少ない異なる部品を有するために、駆動要素は完全に同じように構成され得る、すなわち同じ形状と寸法とを有し得る。
【0028】
3/2一方通行弁を用意するために、各制御チャンバ内には2つの弁座を有する3つの流路が開いている。これは、1つの流路は常に開いたままでいるが他の2つの流路は弁座において制御チャンバの内部に開くことを意味する。
【0029】
弁座は各制御チャンバにおいて異なる形状を有し得る。
【0030】
駆動要素に、少なくとも関連する弁座に接触する領域における1つのアームに、関連する弁座を覆いまたは開放するための弾力性密閉要素が固定され得る。
【0031】
好適な実施形態によれば、駆動要素の横方向の位置決めのために楔形の内向き案内突起がハウジング壁と一体に形成される。特に、関連する駆動要素に向き合うこの楔の1つの面は、これら2つの面が互いに平行であって横方向案内面を形成するように反対の中間壁に平行に配置される。
【0032】
単純化された製造のために立方体状のハウジングは、一体に形成された底部と、一体に形成された横壁と、開かれたカバーサイドとを示すべきである。このようにしてハウジングは、単なる2つの部品すなわちカバーと残りのハウジングとからなる。
【0033】
このカバーもまた、更なる部品が必要とされないように磁気駆動部に一体化され得る。
【0034】
カバーは、アーマチュア側の駆動装置の通過のための開口部を有するべきである。
【0035】
駆動要素がこの通路への、またはこの通路からの流れに影響を及ぼさないように駆動要素から離れた少なくとも1つの通路が中空内部に開いている場合は更に有利である。
【0036】
駆動要素は、実質的に1つの平面に配置されるべきである、すなわち駆動要素は、弁座も実質的に1つの平面に配置されるように互いに隣接して配置されるべきである。これは、電磁弁の製造を容易にする。特にすべての弁座はハウジングの1つの壁に存在することが可能であり、この「壁」もまた底部であると理解される。
本発明の更なる特徴および利点は、参照が行われる下記の説明および図面から明らかになる。これらの図面は下記を示す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による電磁弁の長手方向断面図である。
【図2】駆動部が取り外された電磁弁の斜視図である。
【図3】バルブ駆動部が取り外された図2に示されたバルブハウジングの上面図である。
【図4】図3に示されたハウジングの線IV−IVに沿った拡大図である。
【図5】図1の線V−Vに沿った電磁弁の断面図である。
【図6a】本発明による電磁弁で使用され得る磁気駆動部の可能な変形例の斜視図である。
【図6b】本発明による電磁弁で使用され得る磁気駆動部の可能な変形例の上面図である。
【図7a】磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図7b】磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図8a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図8b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図8c】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の断面図である。
【図9a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図9b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図9c】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の断面図である。
【図10a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図10b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図10c】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の断面図である。
【図11a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図11b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図11c】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の異なる軸線方向高さにおける断面図である。
【図11d】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の異なる軸線方向高さにおける断面図である。
【図12a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図12b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図13a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図13b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図14a】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の斜視図である。
【図14b】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の上面図である。
【図14c】本発明で使用され得る磁気駆動部の更なる実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本電磁弁は極めて小さな構造を有し、図1では過度に拡大されて示されている。実際に本発明による電磁弁は、ほんの約7〜10mmの幅を有する。
【0039】
本電磁弁は、両バルブが互いに独立に駆動され得る2重3/2一方通行弁として構成される。
【0040】
駆動ユニット12は、底部16と周りの横壁18とを有する好適には一体の流体ハウジング14を備える。ハウジング14は、磁気駆動部10の一部としてカバー20によって上部に向かって閉じられる。ハウジング14の内部は、図2から最も容易に理解され得る。底部16と横壁18とに一体的に接している中間壁22は立方体状のハウジング14を対角線方向に貫いて延びる。
【0041】
中間壁22は、ハウジング14の中空内部を必ずではないが好適には互いに流体的に分離されていて各々が3/2一方通行弁に関連している2つの制御チャンバ24、26に分割する。代替として、1つのハウジング14に2つより多い3/2一方通行弁が収容されることも可能である。
【0042】
以下それぞれ駆動要素28、30と呼ばれる2つのバルブ本体は、制御チャンバ24、26に完全に収容される。駆動要素28、30は、その仮想中心が旋回軸線を形成する軸受けピン32を介して各々がハウジング14内に取り付けられる2アームレバー(図4を参照)である。これらのピン32は、図3および5からわかるように、外側から横壁18と中間壁22との孔に押し込まれる。ピン32は互いに平行に、または同軸的に延びている。図示の例示的実施形態では、これらのピンは平行である。
【0043】
図4ではレバーアーム34、36が異なる長さを有することがわかる。
【0044】
各駆動要素28、30は、制御チャンバ24または26内に開いている流路42、44に結び付いた2つの弁座38、40と協動する。底部16から駆動要素28、30に向かって円錐形状の突起46、48が延びている。それぞれの突起46、48の最上部で開いている流路42、44は突起46、48を通って同軸的に延びる。突起46、48は口の周りに、それぞれ弁座38および40を形成するリング状表面を備えている。
【0045】
図示の実施形態では、軸受けピン32の仮想旋回軸線からのこれら2つの弁座38、40の距離は等しいが、異なることもあり得る。
【0046】
軸受けピン32の領域における駆動要素30のより良好な安定のために駆動要素30は、ベアリングラグとも呼ばれる突起50を示す。同じことは駆動要素28にも当てはまる。
【0047】
図4はまた、図5に示されているような、しかしながら好適には駆動要素28、30から離れている流路52を示す。
【0048】
したがって各制御チャンバ24、26は、そこで開いている全部で3つの流路、すなわち流路42、44、52を有する。これら3つの流路のうちの2つ、すなわち流路42、44は駆動要素28または30によって閉じられ得る。
【0049】
揺り椅子様駆動要素30は、弁座38、40に関連する面上に、駆動要素28、30が弁座38または40に支えられているときに、強められた密閉を与えるエラストマーで作られた1つのそれぞれの密閉要素54を有する。これら2つの弁座38、40は、軸受けピン32の中心軸線も配置されるべきである共通平面56(図4を参照)を画定する。しかしながらこれは単に1つの有利なオプションである。
【0050】
2つの駆動要素28、30は好適には同じ形状を有しており、これらは180度回転させられたそれぞれの制御チャンバ24、26に取り付けられるだけである。
【0051】
駆動要素28、30は、特に制御チャンバ24、26の対角線のほぼ全長に亘って中間壁22に平行に延びる細長い棒状胴体である。
【0052】
長いレバーアーム36と、より正確にはその自由な軸線方向端部と、底部16との間には、図4に関して駆動要素30を反時計回り方向に偏倚させて弁座38に駆動要素を押し付けるスプリング58が取り付けられている。
【0053】
スプリング58のより良い支持のためにレバーアーム36と底部16との両者はピン状の突起を構成する保持形状体60を備える。
【0054】
弁座38、40とは反対の面上に駆動要素28、30は、半円形断面を有し特にウェブ(曲面)の形に構成された係合面62を有する。これは図2において明らかに見ることができる。
【0055】
流路44が閉じられたとき、係合面62は弁座40の真上に位置決めされる、すなわちこれらの対応する面は互いに向き合わされる。
【0056】
係合面62は、磁気駆動部10の可動磁気コア64の形をした駆動装置との低摩擦接触のために重要である。この磁気コア64は、これがそれを介して係合面62に支えられ得る平面状対抗接触面を端面の側に有する。
【0057】
しかしながら代替としてこれら2つの接触面は、駆動要素28、30における係合面62が平面状に構成され、磁気コア64、82の端面が半球形状を有するようにも構成され得る。
【0058】
磁気コア64は、長手方向または軸線方向Aに可動である(図1を参照)。
【0059】
スプリング58もまたこの軸線方向Aに向けられる。更に流路42、44は軸線方向Aに延びる。
【0060】
流路44の仮想中心軸線に関するウェブ状係合面62の向き(方向づけ)は好適には、流路44の中心軸線、したがってまた弁座40の中心軸線が図2に示されているウェブの長手方向中心軸線66に交差するように実現されるが、これは流路44の閉じられたバルブ位置に関してである。
【0061】
より一般的に言えば、閉じられた位置では係合面62に作用する磁気コア64を通る駆動力の合力は、いわゆる閉鎖面と垂直に交差するはずである。閉鎖面はリング状弁座40の外周によって画定され、そして今度は閉鎖面と呼ばれる円形領域を画定する。
【0062】
更に図1および4からわかるように係合面62は、磁気コア64が磁気駆動部10の更なるコンパクトさを実現するために更に内側に位置決めされるように磁気コア64の中心軸線に関してオフセットされる。係合面62と磁気コア64の下部端面との間の接触部は、磁気コア64の中心軸線に関してレバーアーム36の自由端により近いところに配置される。
【0063】
駆動ユニット12の更なる特徴は、軸線方向Aに関するその低い高さである。この低い高さは、実質的に1つの平面に配置された駆動要素28、30の平行な配置によって得られる。これは、軸線方向Aに関して駆動要素28、30が互いに上下に配置されるのではなく図1からわかるように互いに隣り合わせに配置されることを意味する。したがって軸受けピン32の旋回軸線は好適には、軸線方向Aに垂直である共通平面に配置される。
【0064】
駆動要素28、30の単純な取付けおよび確実な支持はまた、中間壁22の向かい側の面に平行に延びる案内面72を有する一体化形成された楔形の内向き案内突起70が相対する壁18から突出しているので(図5を参照)、軸受けピン32の長手方向に駆動要素28、30を取り付けることによっても改善される。
【0065】
このようにして駆動要素28、30は、軸線方向変位に対抗して固定されるように相対する案内面の間に取り付けられる。
【0066】
図1に示されている磁気駆動部10は、事前取付けユニットとしても構成される駆動ユニット12上にこの磁気駆動部10の取付けおよび完成の後に配置される事前取付け内蔵型ユニットである。
【0067】
磁気駆動部10は、駆動ユニット12とは反対側の端部で各々が磁気プラグ78、80を取り囲む2つの平行なコイル74、76を備える。以下磁気コア82、64と呼ばれる軸線方向に可動なアーマチュアもまたコイル74、76の内部に収容され、それぞれの磁気プラグ78、80とは反対側の駆動ユニット12に向かってスプリング86によって偏倚されている。磁気コア82、64はカバー20の開口部を貫通してハウジング14の内部に突出しており、初期位置においてそれぞれの駆動要素28または30の凸状係合面62を押し付けている。しかしながら初期位置においてコイル74、76が電流を供給されないとき、それぞれの駆動要素28、30はスプリング58がスプリング86より弱いように構成されているので弁座40から外されて弁座38上に静止するように旋回させられる。
【0068】
参照符号88は、磁気コアを取り囲むスリーブ内で磁気コア82、64が動くときに恐らく発生する摩擦力に対抗する滑り要素を指す。
【0069】
図1はまた、磁気駆動部10もまた極めてコンパクトな構造を有することを示している。軸線方向Aに見られるように磁気駆動部10は、ハウジング14の底面からの如何なる面にも突き出ない。
【0070】
2つのコイル74、76は互いに独立に駆動されることが可能であり、このことは駆動要素28、30によって形成された2つの3/2一方通行弁もまた互いに独立に駆動され得ることを意味する。この独立した駆動は、2つの強磁性回路が実質的に互いに分離されている駆動部自身の強磁性回路を各々の駆動部が有するという事実から可能である。この分離は、コイル74、76から上部に突出している2つの磁気プラグ78、80が共通のヨークプレート90に受けられているにもかかわらず得られる。2つの平行なコイル74、76を軸線方向に範囲画定するために更に、コイル74、76の反対側端部に設けられた共通のヨークプレート92が存在する。
【0071】
図6〜14は、2つの共通ヨークプレート90、92にもかかわらず実質的に互いに影響を及ぼさない2つの強磁性回路がどのように形成されるかの異なる可能性を示す。
【0072】
図6aによる実施形態では、2つの平行なヨークボルト94の形をした2つの磁気要素であって、コイル74、76に平行にこれらのコイル間に延びる2つの磁気要素が設けられている。図6bからわかるように、ヨークボルト94は2つのコイル74、76の共通包絡面内に配置され、最上部および底部に突出していない、すなわち図6bに関して横方向に突出していない。これら2つのヨークボルト94は磁性を有し、ヨークプレートの凹部に受け入れられて固定されるようにこれら2つのヨークプレート74、76の凹部内に突出している。ヨークボルト94は、コイル74、76および磁気プラグ78、80と共に2つの強磁性回路を形成する。各強磁性回路の漂遊磁界は極めて小さいので、隣接する強磁性回路は機能的に影響を受けないままに留まる。
【0073】
強磁性回路の更に良好な分離は、図7の実施形態によって得られる。ここでは、対応するヨークボルト94も設けられる。しかしながら少なくとも上部ヨークプレート90、好適には両ヨークプレート90、92は、各々のギャップがヨークプレート90、92の相対する長手方向縁部98、100から各々が始まり、それぞれ相対する長手方向縁部100および98に向かって延び、それから互いに合併することなく互いに接近するギャップ96を生じさせる。ギャップ96は、これらのギャップが常にヨークボルト94に結び付けられ、結び付けられたヨークボルト94と磁気プラグ78または80との間に配置されるように、ギャップの長手方向縁部98、100から互いに向かって正確に反対に延びるのではなく、互いに横方向にオフセットされる。このようにして一方のギャップ96は磁気プラグ78からヨークボルトを磁気的に分離し、他のギャップ96は他方のヨークボルト94から磁気プラグ80を分離する。このようにして各々のヨークボルトがそれぞれの強磁性回路を形成するために、図7bの上部ヨークボルト94は磁気プラグ78と磁気的に結び付けられ、下部ヨークボルト94は磁気プラグ80と結び付けられる。ギャップ96間の狭い接続ウェブ(曲面部)102は一種のブリッジを形成するが、このブリッジはこのブリッジを介して2つの強磁性回路の大きな影響が発生しないほど狭く、またこれら2つの駆動部は互いに別々に機能することができる。
【0074】
接続ウェブ102は、ヨークプレートの取付けを簡単にするヨークプレート90、92の一体化構成を可能にする。2部品ヨークプレートの場合には、これらの部品を互いに位置合わせするために更なる調整ステップが必要とされる。
【0075】
図6〜7による実施形態および図8〜14による残りの実施形態に関して、ヨークプレート90、92をシートスタックとして構成することは有利であり得るが、これはヨークプレート90、92が数層の薄い金属シートから作られることを意味する。簡略化のためにこれらの金属シートはスタックとしてスタンプ加工され得る。
【0076】
図7aのL字形ギャップ96はヨークプレート90、92を完全に貫通して軸線方向に延びているが、図8の実施形態では、多層ヨークプレート90または92の上部層はギャップなしに構成され(図8bを参照)、これに対して下地層は接続ウェブ102なしで構成された完全に連続したギャップ96を有するので、これら2つの強磁性回路は下部層において互いに完全に分離されるということがもたらされる。上部層は特に、如何なる磁気ブリッジも形成しないように非フェライト材料で作られる。
【0077】
図9〜14による実施形態では、2つのヨークボルトよりむしろ、強磁性回路を分離するための磁気要素であって、コイル74、76間に延びる磁気プレート104の形をした磁気要素(例えば図9cを参照)が設けられている。磁気プレート104は、ヨークプレート90、92間で軸線方向に延びてこれらのヨークプレートと接触している。コイル74、76はまた、コイルワイヤを絶縁するための絶縁ラッカーが損傷されてはならない最も狭い場所で、磁気プレート104に接触することも、例えば磁気プレート104を締付け固定することもできる。
【0078】
磁気プレート104は、軸線方向Aに見られるように楔形の厚い長手方向縁部を示している。これらの長手方向縁部は参照符号106を有する。この楔形長手方向縁部106は、磁気プレート104の全長に亘ってコイル74、76の軸線方向Aに延び、コイル74、76の円筒形外面の結果から生じるコイル74、76の外側包絡面108とコイル74、76との間の空間を実質的に満たす。
【0079】
図9による実施形態では、ヨークプレート90、92にはスロットが作られていない。
【0080】
しかしながら図10aによる実施形態では、これに関連して図7に関する説明に参照が行われ得るように適当なギャップ96を有する図7のヨークプレート90、92が使用される。
【0081】
図11による実施形態では、図8のヨークプレート90、92は磁気プレート104に接続して使用される。ここでは別々の説明はいずれも必要でない。
【0082】
図12による実施形態では、磁気プレート104は厚い長手方向縁部なしで単に矩形に構成される。ヨークプレート90、92は図6による実施形態のヨークプレートに対応している。
【0083】
図13の実施形態は、図12の磁気プレート104を図7および10のヨークプレート90、92と組み合わせている。
【0084】
図14の実施形態は、図12の磁気プレート104を図8および11のヨークプレート90、92と組み合わせている。
【0085】
これらの図に示されている磁気駆動部10は、横方向に極めて小さな構造を有し、したがってハウジング12の底部16の底面から突出していない。軸線方向Aに見られるように、コイルの中心軸を有するコイル74、76は長手方向ハウジング14の中心軸線M上に配置される。図3を参照のこと。駆動要素28、30の対角線配置だけが同時にコンパクトな構造を得るために中心軸線M上におけるコイル74、76の配置を可能にするということが理解され得る。
【0086】
図示のバルブは好適には、2つの3/2一方通行弁を有する空気弁である。
【0087】
揺り子様の駆動要素28、30上の長いレバーアームは、復帰スプリング58の収容を可能にしている。
【0088】
通常の動作時に弁座40の下に加圧下の媒体、例えば空気が印加される。空気弁において通気機能を有する流路42は、流路52いわゆる動作接続部と流体的に接続されている。関連するコイル76の駆動時に弁座40はスプリング58によって開かれ、同時に弁座38は閉じられる。電磁弁のこの切換え位置において流路44は流路52と流体的に接続される。
【0089】
しかしながら流路42が開かれることになっている場合には、コイル76は電流を供給され、磁気コア82または64は駆動要素28、30に動かされ、駆動要素28、30は図4にしたがって時計回りに旋回して弁座38から離昇させられる。2つの駆動部の小さな磁気的影響から、制御チャンバ24、26の駆動はそれぞれ他の制御チャンバ26または24の駆動とは独立に駆動され得る。
【0090】
駆動要素28、30の対角線配置は長いレバーアームと小さな横方向の動きという結果をもたらし、これが流体性能を改善している。磁気コア82、84の下方に配置された弁座40は、直接的パワー伝達を確実にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空内部を有するハウジング(14)を備える電磁弁であって、前記中空内部の中に少なくとも3つの流路(42、44、52)が開いていて、そのうちの少なくとも2つが弁座(38、40)によって形成される、電磁弁において、少なくとも2つの2アーム付き駆動要素(28、30)が、前記中空内部に旋回可能に取り付けられ、各駆動要素(28、30)が少なくとも1つの弁座(38、40)と協動して、その旋回位置に依存して前記弁座(38、40)を覆うかまたは開放することを特徴とする電磁弁。
【請求項2】
少なくとも1つの中間壁(22)が、前記中空内部を複数の制御チャンバ(24、26)に分割し、前記少なくとも1つの中間壁(22)が前記ハウジング(14)の前記内部に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記少なくとも1つの中間壁は、前記中空内部を貫通して対角線方向に延びることを特徴とする、請求項2に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記駆動要素(28、30)は、これらの長手方向延長部に関して前記中間壁(22)に平行に延びることを特徴とする、請求項2または3に記載の電磁弁。
【請求項5】
1つの駆動要素(28、30)と少なくとも2つの流路(42、44、52)とが各制御チャンバ(24、26)内に設けられ、各駆動要素(28、30)が少なくとも1つの弁座(38、40)と接触させられるように適応することを特徴とする、請求項2から4のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項6】
前記制御チャンバ(24、26)は互いに流体的に分離されていることを特徴とする、請求項2から5のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項7】
各制御チャンバ(24、26)には前記駆動要素(28、30)を戻すためのスプリング(58)が収容されていることを特徴とする、請求項2から6のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項8】
前記スプリング(58)は前記ハウジング(14)の前記壁に設けられた流入側または流出側の流路(42、44)と平行に配置され、該スプリングの一方の端部はハウジング壁に支えられ、他方の端部は前記駆動要素(28、30)に支えられることを特徴とする、請求項7に記載の電磁弁。
【請求項9】
前記駆動要素(28、30)は軸受けピン(32)を有し、前記軸受けピンの端部が各々ハウジング壁に取り付けられることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項10】
前記軸受けピン(32)の1つの端部は前記中間壁(22)に取り付けられることを特徴とする、請求項2から8のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項11】
前記駆動要素(28、30)は各々、駆動要素の前記弁座(38、40)から遠い方を向いた側に、駆動装置のための係合面(62)を有し、前記係合面は、凸状断面輪郭を有し、特にウェブとして構成されることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項12】
弁座(40)の中心軸線は前記ウェブを通る長手方向中心軸線(66)に交差することを特徴とする、請求項11に記載の電磁弁。
【請求項13】
閉じた位置において、前記係合面(62)に加えられた駆動力の合成力は、前記弁座(40)によって画定された閉鎖面と交差することを特徴とする、請求項11または12に記載の電磁弁。
【請求項14】
可動なアーマチュアによるアーマチュア側の力の印加は、係合面(62)において行われ、前記係合面(62)は、関連する前記アーマチュアの中心軸線に対して偏心するように位置決めされることを特徴とする、請求項11から13のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項15】
前記駆動要素(28、30)には軸受け突起(50)が設けられることを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項16】
前記駆動要素(28、30)の各レバーアーム(34、36)には、弁座(38、40)のための閉鎖面が存在し、前駆駆動要素(28、30)の旋回軸線は、前記弁座(38、40)によって画定された共通平面(56)に配置されることを特徴とする、請求項1から15のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項17】
少なくとも1つの駆動要素(28、30)は、長いレバーアーム(34)と短いレバーアーム(36)とを有することを特徴とする、請求項1から16のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項18】
両駆動要素(28、30)の前記2つの短いレバーアーム(34)は各々、前記ハウジング(14)内で反対方向に向くことを特徴とする、請求項1から17のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項19】
前記駆動要素(28、30)は互いに平行に延びる細長い胴体であることを特徴とする、請求項1から18のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項20】
前記駆動要素(28、30)は同一であることを特徴とする、請求項1から19のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項21】
各制御チャンバ(24、26)に3つの流路(42、44、52)が開き、2つの流路(42、44)がそれらの制御チャンバ(24、26)内に弁座を有することを特徴とする、請求項1から20のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項22】
各駆動要素(28、30)は、少なくとも1つのそれぞれのレバーアーム(34、36)に、前記少なくとも1つの弁座(38、40)を覆いまたは開放するための密閉要素(54)を有することを特徴とする、請求項1から21のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項23】
前記2つの駆動要素(28、30)は実質的に共通平面に配置されることを特徴とする、請求項1から22のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項1】
中空内部を有するハウジング(14)を備える電磁弁であって、前記中空内部の中に少なくとも3つの流路(42、44、52)が開いていて、そのうちの少なくとも2つが弁座(38、40)によって形成される、電磁弁において、少なくとも2つの2アーム付き駆動要素(28、30)が、前記中空内部に旋回可能に取り付けられ、各駆動要素(28、30)が少なくとも1つの弁座(38、40)と協動して、その旋回位置に依存して前記弁座(38、40)を覆うかまたは開放することを特徴とする電磁弁。
【請求項2】
少なくとも1つの中間壁(22)が、前記中空内部を複数の制御チャンバ(24、26)に分割し、前記少なくとも1つの中間壁(22)が前記ハウジング(14)の前記内部に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記少なくとも1つの中間壁は、前記中空内部を貫通して対角線方向に延びることを特徴とする、請求項2に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記駆動要素(28、30)は、これらの長手方向延長部に関して前記中間壁(22)に平行に延びることを特徴とする、請求項2または3に記載の電磁弁。
【請求項5】
1つの駆動要素(28、30)と少なくとも2つの流路(42、44、52)とが各制御チャンバ(24、26)内に設けられ、各駆動要素(28、30)が少なくとも1つの弁座(38、40)と接触させられるように適応することを特徴とする、請求項2から4のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項6】
前記制御チャンバ(24、26)は互いに流体的に分離されていることを特徴とする、請求項2から5のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項7】
各制御チャンバ(24、26)には前記駆動要素(28、30)を戻すためのスプリング(58)が収容されていることを特徴とする、請求項2から6のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項8】
前記スプリング(58)は前記ハウジング(14)の前記壁に設けられた流入側または流出側の流路(42、44)と平行に配置され、該スプリングの一方の端部はハウジング壁に支えられ、他方の端部は前記駆動要素(28、30)に支えられることを特徴とする、請求項7に記載の電磁弁。
【請求項9】
前記駆動要素(28、30)は軸受けピン(32)を有し、前記軸受けピンの端部が各々ハウジング壁に取り付けられることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項10】
前記軸受けピン(32)の1つの端部は前記中間壁(22)に取り付けられることを特徴とする、請求項2から8のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項11】
前記駆動要素(28、30)は各々、駆動要素の前記弁座(38、40)から遠い方を向いた側に、駆動装置のための係合面(62)を有し、前記係合面は、凸状断面輪郭を有し、特にウェブとして構成されることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項12】
弁座(40)の中心軸線は前記ウェブを通る長手方向中心軸線(66)に交差することを特徴とする、請求項11に記載の電磁弁。
【請求項13】
閉じた位置において、前記係合面(62)に加えられた駆動力の合成力は、前記弁座(40)によって画定された閉鎖面と交差することを特徴とする、請求項11または12に記載の電磁弁。
【請求項14】
可動なアーマチュアによるアーマチュア側の力の印加は、係合面(62)において行われ、前記係合面(62)は、関連する前記アーマチュアの中心軸線に対して偏心するように位置決めされることを特徴とする、請求項11から13のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項15】
前記駆動要素(28、30)には軸受け突起(50)が設けられることを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項16】
前記駆動要素(28、30)の各レバーアーム(34、36)には、弁座(38、40)のための閉鎖面が存在し、前駆駆動要素(28、30)の旋回軸線は、前記弁座(38、40)によって画定された共通平面(56)に配置されることを特徴とする、請求項1から15のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項17】
少なくとも1つの駆動要素(28、30)は、長いレバーアーム(34)と短いレバーアーム(36)とを有することを特徴とする、請求項1から16のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項18】
両駆動要素(28、30)の前記2つの短いレバーアーム(34)は各々、前記ハウジング(14)内で反対方向に向くことを特徴とする、請求項1から17のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項19】
前記駆動要素(28、30)は互いに平行に延びる細長い胴体であることを特徴とする、請求項1から18のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項20】
前記駆動要素(28、30)は同一であることを特徴とする、請求項1から19のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項21】
各制御チャンバ(24、26)に3つの流路(42、44、52)が開き、2つの流路(42、44)がそれらの制御チャンバ(24、26)内に弁座を有することを特徴とする、請求項1から20のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項22】
各駆動要素(28、30)は、少なくとも1つのそれぞれのレバーアーム(34、36)に、前記少なくとも1つの弁座(38、40)を覆いまたは開放するための密閉要素(54)を有することを特徴とする、請求項1から21のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項23】
前記2つの駆動要素(28、30)は実質的に共通平面に配置されることを特徴とする、請求項1から22のいずれかに記載の電磁弁。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図14c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図14c】
【公開番号】特開2012−184844(P2012−184844A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−46185(P2012−46185)
【出願日】平成24年3月2日(2012.3.2)
【出願人】(510284358)ビュルケルト ヴェルケ ゲーエムベーハー (3)
【氏名又は名称原語表記】Buerkert Werke GmbH
【住所又は居所原語表記】Christian−Buerkert−Strasse 13−17, 74653 Ingelfingen, Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−46185(P2012−46185)
【出願日】平成24年3月2日(2012.3.2)
【出願人】(510284358)ビュルケルト ヴェルケ ゲーエムベーハー (3)
【氏名又は名称原語表記】Buerkert Werke GmbH
【住所又は居所原語表記】Christian−Buerkert−Strasse 13−17, 74653 Ingelfingen, Germany
【Fターム(参考)】
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