説明

電磁弁

【課題】逆止弁は、通常は電磁弁の独立した構成部分内に配置されており、このことは、電磁弁の構成サイズを拡大する。
【解決手段】電磁弁(1)は、弁ケーシング(2)内で軸線方向に変位可能な少なくとも1つの磁気アーマチャ(6)と、該磁気アーマチャ(6)と動作可能に結合しており、磁気アーマチャ(6)によって電磁弁(1)の少なくとも1つの弁座(9)を開閉するように配置可能な弁要素(7)と、電磁弁(1)の第1流体接続部(19)と第2流体接続部(20)との間に設けられた逆止弁(10)とを備える。逆止弁(10)は、少なくとも部分的に磁気アーマチャ(6)内に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁ケーシング内で軸線方向に変位可能な少なくとも1つの磁気アーマチャと、磁気アーマチャと動作可能に結合しており、磁気アーマチャによって電磁弁の少なくとも1つの弁座を開閉するように配置可能な弁要素と、電磁弁の第1流体接続部と第2流体接続部との間に設けられた逆止弁とを備える電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭で述べた形式の電磁弁は従来技術により既知である。このような電磁弁の磁気アーマチャには、例えば少なくとも1つのコイルによって磁力を加えることができ、これにより、電磁弁は軸線方向に変位され、この場合に弁座を開放または閉鎖するように弁要素を配置する。磁気アーマチャもしくは弁要素は、磁気アーマチャもしくは弁要素をそれぞれの停止位置の方向もしくは初期位置の方向に押しのけるばね力をもたらすばね要素と付加的に動作可能に結合されていてもよい。この場合、停止位置は、弁座が弁要素から少なくとも部分的に解放されている開放位置であるか、または弁要素が弁座を閉鎖する閉鎖位置である。第1の場合、非通電状態で開かれた電磁弁が設けられており、第2の場合、非通電状態で閉じられた電磁弁が設けられている。電磁弁は、例えば、高圧切換弁(HSV)として構成されていてもよい。有利には、電磁弁は、例えばESP、ASRまたはABSシステムなどの運転手支援装置で使用される。
【0003】
電磁弁は、流体のための第1流体接続部および第2流体接続部を備える。電磁弁が開放されている場合、すなわち、磁気アーマチャが弁座を開放するように配置されている場合、流体は第1流体接続部から第2流体接続部まで電磁弁を貫流することができる。これに対して電磁弁が閉じられている場合、すなわち、弁要素が弁座を閉鎖するように配置されている場合、電磁弁内における第1流体接続部と第2流体接続部との間の流体接続は遮断されている。電磁弁の第1流体接続部は、例えばホイールブレーキシリンダに配属されており、第2流体接続部はブレーキシステムのブレーキマスタシリンダに配属されている。ブレーキプロセスでは、圧力がブレーキマスタシリンダ、ひいてはホイールブレーキシリンダ内にも形成される。電磁弁の開放時には流体はブレーキマスタシリンダからホイールブレーキシリンダの方向に流れることができ、これに対して電磁弁が閉じられている場合には流体接続は遮断されている。
【0004】
電磁弁の第1流体接続部と第2流体接続部との間には、さらに逆止弁が流体技術的に配置されている。このために、逆止弁は、第1および第2流体接続部の間の貫流を一方向にのみ、すなわち、第2流体接続部から第1流体接続部に向けてのみ許可する。電磁弁の開放時には逆止弁は実質的に機能していない。これに対して、電磁弁が閉じられた場合、すなわち、弁座を通って、第1および第2流体接続部の間を流体が流れることができない場合、それにもかかわらず、逆止弁によって第1および第2流体接続部の間の流体接続部が開放される。電磁弁の閉鎖時に第2流体接続部に提供された流体の圧力が第1流体接続部に提供された圧力を上回った場合、逆止弁が開き、流体は第2流体接続部から第1流体接続部まで電磁弁を貫流することができる。これに対して、第1接続部の側の圧力が第2流体接続部の側の圧力よりも大きいか、または等しい場合には、逆止弁は閉じられる。
【0005】
したがって、逆止弁は、電磁弁が閉じられており(この場合にのみ第1流体接続部と第2流体接続部との間に圧力差が生じるので)、かつ第2流体接続部の圧力が第1流体接続部の圧力よりも高い場合にのみ開放される。このようにして、電磁弁の閉鎖時に、ブレーキマスタシリンダ内に提供された圧力がホイールブレーキシリンダ内の圧力よりも低い場合にはホイールブレーキシリンダ内に提供された圧力を減衰することができる。この場合、電磁弁は、有利には、運転手支援装置の入口弁として使用される非通電状態で開かれた電磁弁である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
逆止弁は、一般に電磁弁の独立した構成部分内に配置されており、このことは、電磁弁の構成サイズを拡大する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これに対して、請求項1に記載の特徴を有する電磁弁は、特に軸線方向に、構成サイズを著しく減じることができるという利点を有する。これは、本発明によれば、逆止弁が、少なくとも部分的に磁気アーマチャ内に配置されていることにより達成される。これにより、一般に逆止弁を格納するために設けられた独立した構成部分が省略される。このために、逆止弁と第2流体接続部ならびに第2流体接続部との流体技術的な接続を確保する流路が設けられている。付加的または代替的には、逆止弁が少なくとも部分的に弁要素内に設けられている電磁弁の実施形態も可能である。
【0008】
本発明の別の実施形態では、弁要素は、部分的に磁気アーマチャの凹部に挿入され、この場合、弁要素と凹部の底部との間の凹部内に流体スペースが設けられているように凹部の底部から離間されている。流体スペースは適宜に磁気アーマチャ内に形成されている。流体スペースは、一方側では流体スペースの底部によって制限されており、他方側では弁要素もしくは弁要素における磁気アーマチャに向いた端面によって制限されている。有利には、弁要素は凹部内に圧入されており、これにより、凹部内で摩擦接続的に保持されている。したがって、簡単かつ安価に、逆止弁のための弁スペースとしての役割を果たす流体スペースを形成することができる。
【0009】
本発明の別の実施形態では、逆止弁は、流体スペース内に配置された逆止弁座と、逆止弁要素とからなっており、逆止弁要素は、第1流体接続部と第2流体接続部との間の流体接続部を開放または遮断するために逆止弁座と協働する。したがって、流体スペースは、逆止弁の全ての重要な要素、すなわち、逆止弁座と逆止弁要素とを含む。逆止弁要素は、原則的に任意に構成してもよいが、しかしながら、流体接続を遮断するために逆止弁座と協働するために適した形状を備えている。好ましくは、逆止弁要素は球状であり、逆止弁座は円形横断面を備える。流体接続部の開放もしくは遮断は、逆止弁の貫流方向もしくは第1流体接続部と第2流体接続部との間の圧力に関係して行われる。第1流体接続部に第2流体接続部よりも高い圧力が提供されている場合には、逆止弁要素は逆止弁座内に押し込まれる。これにより、圧力差の増大に伴って逆止弁のシール作用も増大し、流体は電磁弁の閉鎖時には第1流体接続部から第2流体接続部まで流れることができないことが確保されている。これに対して、第2流体接続部の側の圧力が第1流体接続部の側の圧力よりも高い場合には、逆止弁要素は逆止弁座から押しのけられ、したがって、貫流のために逆止弁座を開放する。この場合、流体は、妨げられずに第2流体接続部から第1流体接続部まで電磁弁を貫流することができる。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、逆止弁座は逆止弁体に設けられている、逆止弁体は、半径方向に部分的に磁気アーマチャと弁要素との間に位置し、特にこれらの間にクランプ状態で保持されている。逆止弁座は、少なくとも部分的に流体スペース内に位置する。逆止弁座を不動に保持するために、逆止弁座は磁気アーマチャと弁要素との間に設けられたギャップに係合し、したがって、半径方向に磁気アーマチャと弁要素との間に位置する。ギャップは、リングギャップとして設けてもよい。これにより、逆止弁体は、少なくとも半径方向に磁気アーマチャもしくは弁要素に対して固定されている。さらに、逆止弁体を軸線方向に保持することを意図して、逆止弁体は磁気アーマチャと弁要素との間にクランプ状態で保持されており、したがって、摩擦接続的な結合が、一方では磁気アーマチャと逆止弁体との間に提供され、他方では逆止弁体と弁要素との間に提供される場合には有利である。このようにして、逆止弁体が弁要素に嵌め込まれ、弁要素が次いで磁気アーマチャの凹部内に圧入されるだけでよいので、電磁弁の簡単な組付けが可能となる。
【0011】
本発明の別の実施形態では、弁ケーシングおよび/または磁気アーマチャと弁要素との間には第1流路が設けられており、この第1流路を介して、第2流体接続部は逆止弁の入口側と接続している。したがって、逆止弁の入口側は第2流体接続部に配属されており、出口側は第1流体接続部に配属されており、第1流体接続部と流体接続している。逆止弁の機能を可能にするためには、逆止弁の入口側と第2流体接続部との間ならびに出口側と第1流体接続部との間の流路を形成する必要がある。第2流体接続部と入口側との間の流体接続部を提供する第1流路は、弁ケーシングおよび/または磁気アーマチャと弁要素とによって共に形成される。これにより、弁ケーシングもしくは磁気アーマチャの内壁は流路の一方の面を規定し、および弁要素の外壁は流路の他方の面を規定する。したがって、第1流路は、通常は一方の弁ケーシングもしくは磁気アーマチャと他方の弁要素との間の環状ギャップとして設けられている。
【0012】
本発明の別の実施形態では、弁要素内には第2流路が設けられており、この第2流路を介して、第1流体接続部は弁要素の閉鎖位置でも逆止弁の出口側と流体接続している。逆止弁の機能を可能にするためには、特に電磁弁が閉じられており、したがって、弁要素が閉鎖位置に位置している場合に、逆止弁は常に第1流体接続部とも第2流体接続部とも流体接続している必要がある。このために、弁要素内に形成された第2流路が設けられている。例えば、第2流路は、弁要素を縦方向に完全に貫通する貫通孔であり、したがって、第2流路は弁要素の第1端面にも第1端面に向かい合った第2端面にも開口しているか、もしくはこれら両端面を貫通している。
【0013】
本発明の別の実施形態では、逆止弁要素はスペーサによって第2流路の磁気アーマチャ側開口から離間されている。通常は、逆止弁は第2流路の磁気アーマチャ側の開口と、逆止弁体に設けられた逆止弁座との間に配置されている。逆止弁要素が逆止弁座および第2流路の開口と協働し、第1流体接続部と第2流体接続部との流体接続を遮断できることを阻止するために、スペーサが設けられていることが望ましい。スペーサは、逆止弁要素が第2流路の開口部と協働できないようにし、逆止弁要素が流体接続部を遮断するために逆止弁座と協働しない場合にも逆止弁が閉じるようにする。
【0014】
本発明の別の実施形態では、弁ケーシングは弁体を有し、弁体は、磁気アーマチャに向いていない側に、弁座を共に形成する貫通開口を備える。弁体は弁ケーシングの一部をなす。弁ケーシングは、例えば、電磁弁の本体に固定されており、本体は、電磁弁のカプセルに結合されている。この場合、弁ケーシングは、カプセル、本体および弁体から組み立てられている。弁座は、弁体内に設けられているか、もしくは弁体に形成されていることが望ましい。このために、弁体には貫通開口が設けられており、貫通開口における磁気アーマチャに向いた側は弁座を形成している。有利には、弁要素内に設けられた第2流路と弁体の貫通開口とは互いに同軸的である。弁体が本体に圧入されており、カプセルが本体に押し付けられているか、または本体に固定されている場合には、特に有利である。
【0015】
本発明の別の実施形態では、電磁弁の戻し要素は一端を弁要素および/または磁気アーマチャで支持されており、他端を弁体で支持されている。戻し要素は、磁気アーマチャを初期位置に押し込み、すなわち、非通電状態で開かれた電磁弁において弁座を開放するように弁要素を配置する役割を果たす。これに対して、非通電状態で閉じられた電磁弁では、戻し要素は弁要素を弁座の方向に、すなわち、閉鎖位置に押し込む。戻し要素は、例えば、周方向に弁要素を包囲するコイルばねとして形成されている。戻し要素は、弁要素を戻すためのばね力を誘起するために弁体および弁要素もしくは磁気アーマチャで支持されている。したがって、戻し要素のための付加的な支持体を設ける必要はない。
【0016】
本発明の別の実施形態では、弁体には、特に軸線方向に第1流体接続部が形成されており、特に半径方向に第2流体接続部が形成されている。したがって、弁体は、第1流体接続部および第2流体接続部を組み込んでいる。この場合、有利には第1流体接続部は軸線方向に弁体に設けられており、第2流体接続部は半径方向に弁体に設けられている。この場合、方向付けは、電磁弁の開放時における主要流れ方向に基づく。したがって、流体は第1流体接続部を通って軸線方向に流れ、第2流体接続部を通って半径方向に流れる。当然ながら、複数の第1流体接続部および/または複数の第2流体接続部が弁体に設けられていてもよい。
【0017】
次に本発明を図示の実施例に基づいて、本発明を制限することなしに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】逆止弁が組み込まれた電磁弁の縦断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、電磁弁1の縦断面図を示す。電磁弁1は、ここに図示した実施形態ではカプセル3、本体4および弁体5からなるケーシング2を備える。しかしながら、ケーシング2は任意の形式で形成することができ、例えば、カプセル3および弁体5のみからなっていてもよい。ケーシング2、特にカプセル3内には、弁要素7と動作可能に結合された磁気アーマチャ6が設けられている。磁気アーマチャ6および弁要素7は、この場合、ケーシング2内で縦軸線8の方向に軸線方向に変位可能である。したがって、弁要素7は弁座9を開閉するために配置可能である。さらに電磁弁1は、少なくとも部分的に磁気アーマチャ6および/または弁要素7に組み込まれている逆止弁10を備える。この場合、逆止弁10は、ここに示す実施形態では球として構成された逆止弁要素12と、逆止弁座11とからなる。
【0020】
逆止弁10は、磁気アーマチャ6と弁要素7とによって形成された流体スペース13に配置されている。このために、弁要素7は部分的に磁気アーマチャ6の凹部14に係合する。この場合、弁要素7は、流体スペース13が凹部14の終端部に設けられているように、凹部の底部15から離間されている。凹部14は、磁気アーマチャ6内の止まり穴として設けられており、弁座9に向いた端面16にのみ設けられている。
【0021】
逆止弁座11は逆止弁体17によって形成される。逆止弁体17は部分的に中空シリンダの形態で設けられており、逆止弁の寸法は底部15の方向にテーパしている。中空シリンダ状の下部によって、逆止弁体17は弁要素7を包囲し、これにより、半径方向に部分的に磁気アーマチャ6と弁要素7との間に配置されている。有利には、逆止弁体17は磁気アーマチャ6と弁要素7との間に挟まれて保持されており、これにより、逆止弁体17を保持するための付加的な固定要素を設ける必要はない。逆止弁座11は、逆止弁要素12を逆止弁座11から軸線方向に、すなわち、弁要素7の方向に変位させることが可能となるように、弁要素7の端面18から十分に遠く離間されている。
【0022】
電磁弁1は、1つの第1流体接続部19および複数の、特に4つの第2流体接続部20を備えるが、これら第2流体接続部20のうちの2つのみを見ることができる。電磁弁1が開放された場合、すなわち、弁要素7が弁座9から間隔をおいて配置された場合、流体は第1流体接続部19と第1流体接続部20との間を流れることができる。これに対して、弁要素7が閉鎖位置に位置している場合には、すなわち、第1流体接続部19と第2流体接続部20との間の流体接続を遮断するように弁座と協働した場合、流体は流れることができない。弁要素7もしくは磁気アーマチャ6の変位は、少なくとも1つのコイル21によって得られる。コイル21は電磁弁1のケーシング2でコイルホルダ22内に保持されている。コイル21およびケーシング2は、ここに示す実施形態ではケーシング周面23によって少なくとも周方向にケーシング2の高さ方向全長にわたって包囲されている。
【0023】
電磁弁1は、特に、コイル21による弁要素7もしくは磁気アーマチャ6の変位に反作用する戻し要素24を備える。コイル21にもはや電流が加えられない場合には、戻し要素24は磁気アーマチャ6および弁要素7を初期位置に押し込む。この初期位置は、例えば電磁弁1の閉鎖位置または開放位置であってよい。ここでは戻し要素24は、弁要素7を周方向に包囲するコイルばねとして設けられている。この場合、戻し要素24は一端を弁要素7の支持突起25で支持され、他端を弁体5の端面26で支持される。弁要素7の支持突起25は半径方向突出部によって形成され、この半径方向突出部は、同時に磁気アーマチャ6の凹部14に弁要素7を挿入する場合の終端ストッパ27を形成している。
【0024】
逆止弁10を正常に機能させるためには、逆止弁10が第1流体接続部19および第2流体接続部20と流体接続されていることが不可欠である。このために、弁ケーシング2もしくは弁アンカ6と弁要素7との間には第1流路28が設けられている。この第1流路28は、この場合、弁ケーシング2もしくは流体スペース13の内壁29および弁要素7の外壁30によって規定される。第1流路28を形成するためには、逆止弁体17は軸線方向に、例えば、縁部が開かれた凹部として周面に設けられた貫流通路を備えていてもよい(図示しない)。
【0025】
逆止弁10を第1流体接続部19と流体接続する第2流路31は弁要素7の内部に設けられている。この場合、第2流路31は、弁要素7を縦方向に完全に貫通する貫通孔である。第1流路28は、第2流体接続部20と逆止弁10の入口側32との流体接続を形成しており、第2流路31は第1流体接続部19と出口側33との流体接続を形成している。弁要素7の端面18は、逆止弁要素12が第2流路31の磁気アーマチャ側の開口35を閉鎖することを阻止するスペーサ34によって形成されている。このために、スペーサ34は実質的に拡大された直径を有する第2流路31の延長部を形成しており、縁部が開かれた凹部36を備える。弁要素7もしくは弁要素7のスペーサ34の周に一様に分配されている、縁部が開かれた凹部36により、逆止弁要素12が弁要素7の端面18に載置されている場合にも流体が流れることができる。
【0026】
弁体5は、磁気アーマチャ6に向いていない方の側に、弁座9に形成された貫通開口9′を備え、貫通開口9′は同時に第1流体接続部19を形成している。ここに示す実施例では、第1流体接続部19は軸線方向に設けられており、第2流体接続部20は半径方向に設けられている。電磁弁1は、特に弁要素7を電磁弁収容部(ここには図示しない)に直接に挿入できるように形成されている。この点では、本発明は上記実施形態にしたがった電磁弁1および電磁弁を保持する電磁弁収容部を備える電磁弁装置にも関する。この場合、電磁弁1の弁要素7には電磁弁収容部との摩擦接続的な結合が設けられていることが望ましい。摩擦接続的な結合は、特に弁要素7を電磁弁収容部に圧入することによって生じる。
【符号の説明】
【0027】
1 電磁弁
2 弁ケーシング
3 カプセル
4 本体
5 弁体
6 磁気アーマチャ
7 弁要素
8 縦軸線
9 弁座
9′ 貫通開口
10 逆止弁
11 逆止弁座
12 逆止弁要素
13 流体スペース
14 凹部
15 底部
16,18 端面
17 逆止弁体
19 第1流体接続部
20 第2流体接続部
21 コイル
22 コイルホルダ
23 ケーシング周面
24 戻し要素
25 支持突起
26 端面
27 終端ストッパ
28 第1流路
29 内壁
30 外壁
31 第2流路
32 入口側
33 出口側
34 スペーサ
35 磁気アーマチャ側開口
36 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ケーシング(2)内で軸線方向に変位可能な少なくとも1つの磁気アーマチャ(6)と、該磁気アーマチャ(6)と動作可能に結合しており、磁気アーマチャ(6)によって電磁弁(1)の少なくとも1つの弁座(9)を開閉するように配置可能な弁要素(7)と、電磁弁(1)の第1流体接続部(19)と第2流体接続部(20)との間に設けられた逆止弁(10)とを備える電磁弁(1)において、
逆止弁(10)が、少なくとも部分的に磁気アーマチャ(6)内に配置されていることを特徴とする、電磁弁。
【請求項2】
前記弁要素(7)が部分的に前記磁気アーマチャ(1)の凹部(14)に挿入され、この場合に凹部(14)の底部(15)から離間されており、これにより、弁要素(7)と前記底部(15)との間の凹部(14)内に流体スペース(13)が設けられている、請求項1に記載の磁気アーマチャ。
【請求項3】
前記逆止弁(10)が、流体スペース(13)に配置された逆止弁座(11)と、逆止弁要素(12)とからなっており、該逆止弁要素が、前記第1流体接続部(19)と前記第2流体接続部(20)との間の流体接続部を開放または遮断するために前記逆止弁座(11)と協働する、請求項1または2に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記逆止弁座(11)が逆止弁体(17)に設けられており、該逆止弁体(17)が、半径方向に部分的に前記磁気アーマチャ(6)と前記弁要素(11)との間に位置し、特にこれらの間にクランプ状態で保持されている、請求項1から3までのいずれか一項に記載の電磁弁。
【請求項5】
前記弁ケーシング(2)および/または前記磁気アーマチャ(6)と前記弁要素(7)との間に第1流路(28)が設けられており、該第1流路を介して、前記第2流体接続部(20)が前記逆止弁(10)の入口側(32)と接続している、請求項1から4までのいずれか一項に記載の電磁弁。
【請求項6】
前記弁要素(7)内に第2流路(31)が設けられており、該第2流路を介して、前記第1流体接続部(19)が、前記弁要素(7)の閉鎖位置でも前記逆止弁(10)の出口側(33)と流体接続している、請求項1から5までのいずれか一項に記載の電磁弁。
【請求項7】
逆止弁要素(12)がスペーサ(34)によって第2流路(31)の磁気アーマチャ側の開口(35)から離間されている、請求項1から6までのいずれか一項に記載の電磁弁。
【請求項8】
前記弁ケーシング(2)が弁体(5)を有し、該弁体(5)が、前記磁気アーマチャ(6)に向いていない側に、弁座(9)を共に形成する貫通開口(9′)を備える、請求項1から7までのいずれか一項に記載の電磁弁。
【請求項9】
前記電磁弁(1)の戻し要素(24)が、一端を前記弁要素(7)および/または前記磁気アーマチャ(6)で支持されており、他端を弁体(5)で支持されている、請求項1から8までのいずれか一項に記載の電磁弁。
【請求項10】
弁体(5)に、特に軸線方向に前記第1流体接続部(19)が形成されており、特に半径方向に前記第2流体接続部(20)が形成されている、請求項1から9までのいずれか一項に記載の電磁弁。

【図1】
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【公開番号】特開2013−11350(P2013−11350A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−144077(P2012−144077)
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】