説明

電話システム、通信端末、サーバ装置およびかけ直し通知方法

【課題】面倒な操作を繰り返すことなく、目的とする着信先のユーザが応答可能である可能性が高い場合に電話のかけ直しを行えるようにする。
【解決手段】IP電話機1(1)がIP電話機1(11)に電話をかけて通話ができなかった場合に、IP電話機1(1)は、プレゼンスサーバ3を通じてIP電話機1(11)の状態を確認し、IP電話機1(11)の状態に応じて、IP電話機1(11)の状態の変化をかけ直しのタイミングとするかけ直し設定をプレゼンスサーバ3に対して行う。プレゼンスサーバ3は、相手先のIP電話機1(11)から状態を変化したことの通知を受け、自機のかけ直し設定と付け合せ、かけ直しタイミングが到来したと判断すると、これを発信元のIP電話機1(1)に通知し、IP電話機1(1)がユーザに報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、着信先が通話中や不在などの種々の理由により通話が行えなかった場合に、当該着信先が電話に出られる可能性の高いタイミングで電話のかけ直しを行えるようにするシステム、装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
着信先が通話中や不在だった場合にリダイヤルを行うための発明が開示された文献として後に記す特許文献1がある。この特許文献1には、リダイヤル先となる相手先の電話番号とリダイヤルを行う時刻(指定時刻)とを設定しておき、指定時刻になると電話機を鳴動させ、ユーザが受話器を上げると(オフフックすると)目的とする着信先(リダイヤル先)に自動発信するものである。この発明により、発信元のユーザは、電話機の鳴動により、自己が設定したリダイヤルを行う時刻の到来を確実に知ることができると共に、オフフックした場合には自動的に目的とする着信先に対して発信することができる。
【0003】
したがって、発信元のユーザは、自己の都合を考慮する共に、着信先のユーザが電話に出られる可能性の高い時刻にリダイヤルを行うことができるようにされる。しかも、電話機が鳴動後、ユーザがオフフックしない限り、目的とする着信先に自動発信することもないので、不必要な発信を行うこともないようにされている。したがって、特許文献1に記載の発明は、発信元と着信先との双方にとって使い勝手のよいリダイヤル方式を実現するものであると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−347656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された発明の場合には、リダイヤル時刻になって電話機を鳴動させても、一定時間、発信元のユーザがオフフックしない場合には、設定情報はクリアーされてしまう。この場合に、再度、リダイヤルを行うようにするためには、電話番号やリダイヤル時刻の設定を繰り返さなければならない。また、リダイヤル時刻に発信元のユーザのオフフック操作に応じて目的とする着信先に発信しても、当該着信先が応答しなければ、電話番号やリダイヤル時刻の設定を繰り返し行う必要がある。このように、特許文献1に記載の発明の場合、リダイヤル時刻の到来時に一定時間以上発信元のユーザがオフフックをしなかったり、リダイヤルしても着信先が応答しなかったりした場合には、繰り返しリダイヤルの設定を行う必要があり面倒な場合がある。
【0006】
また、近年においては、IP(Internet Protocol)電話システムにおいていわゆるプレゼンス機能が利用されるようになってきている。このプレゼンス機能は、IP電話機が接続されたLAN(Local Area Network)上に設けるプレゼンスサーバにおいて、当該LANに接続されたIP電話機を使用するユーザの状態等を一元的に管理し、これを当該LANに接続されたIP電話機等で共用するものである。すなわち、各IP電話機のユーザは、在席中、会議中、外出中、休憩中といった自己の状態を自己が使用するIP電話機を通じてプレゼンスサーバに登録する。
【0007】
当該LANに接続されているIP電話機のユーザは、IP電話機や当該LANに接続されているパーソナルコンピュータを通じてプレゼンスサーバに登録されている情報を確認する。これにより、例えば内線電話をかけようとしている相手先の状態が在席中であることを確認した上で、内線電話をかけるようにするなどのことができるようにされる。また、プレゼンス機能においては、何時まで会議中、何時まで外出中といったように、状態の時間管理を行うこともできるようにされ、目的とする相手先が在席になる予定時刻を確認することもできるようにされる。
【0008】
しかしながら、上述したプレゼンス機能の利用が可能でも、内線電話を行おうとするたびに、目的とする相手先の状態を確認するのは面倒な場合がある。また、目的とする相手先が在席になったか否かを適宜のタイミングで一々確認していたのでは、結局、繰り返し電話をかけるのと同じになってしまう。また、プレゼンスサーバへの状態の登録は、IP電話機のユーザによってなされるため、登録操作を忘れた場合などにおいては、正確に自己の状態をプレゼンスサーバに登録することはできない。したがって、在席しているのに、プレゼンスサーバには、会議中のままとなってしまうといったことも発生する。このため、内線電話をかけて、相手が不在であるなどのために通話ができなかった場合には、目的とする相手先と通話できる可能性の高いタイミングで、かけ直しを行えるようにすることが望まれている。
【0009】
以上のことに鑑み、この発明は、電話をかけた相手先に対して電話のかけ直しを行うようにする場合に、面倒な操作を繰り返すことなく、目的とする着信先のユーザが応答可能である可能性が高い場合に電話のかけ直しを行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の電話システムは、
通話を行うための通信端末とサーバ装置とがネットワークを通じて接続されて構成される電話システムであって、
前記通信端末は、
目的とする相手先に発信し、当該相手先と通話を行うことができなかった場合に、前記サーバ装置に対してかけ直しのための通知設定を行う設定手段と、
前記サーバ装置からのかけ直しタイミングの到来の通知を受け付ける通知受付手段と、
前記通知受付手段を通じて、前記かけ直しタイミングの到来の通知を受けた場合に、これを報知する報知手段と
を備え、
前記サーバ装置は、
前記通信端末からの前記かけ直しのための通知設定を受け付ける設定受付手段と、
前記設定受付手段を通じて受け付けた前記通知設定を記憶する記憶手段と、
前記相手先からの状態通知を受け付ける状態受付手段と、
前記記憶手段の前記通知設定と前記状態受付手段を通じて受け付けた前記相手先からの状態通知に基づいて、かけ直しタイミングが到来したか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段において、かけ直しタイミングが到来したと判断した場合に、かけ直しタイミングの到来を前記通信端末に通知する通知手段と
を備えることを特徴とする。
【0011】
この請求項1に記載の発明の電話システムによれば、通信端末において、目的とする相手先(着信先)に発信したが、目的とする相手と通話を行うことができなかった場合に、設定手段によりサーバ装置に対して通知設定を行うことができるようにされる。この通知設定は、例えば、当該相手先の状態が通話中であった場合に通話終了となった場合を、かけ直しのタイミングとして設定したり、当該相手先の状態が不在であった場合に当該相手先の状態が在席に変わった場合を、かけ直しのタイミングとして設定したりするものである。
【0012】
サーバ装置においては、設定受付手段を通じて通信端末からの通知設定が受け付けられ、この通知設定が記憶手段に記憶される。そして、状態受付手段を通じて、当該相手先(着信先)から状態通知を受け付け、この受け付けた当該相手先の状態通知と、記憶手段の通知設定とに基づいて、判断手段により、かけ直しタイミングが到来したか否かが判断される。判断手段により、かけ直しタイミングが到来したと判断されると、かけ直しタイミングの到来が、通知手段を通じて設定元の通信端末に通知される。当該通信端末においては、当該サーバ装置からのかけ直しタイミングの到来の通知が通知受付手段を通じて受け付けられ、かけ直しタイミングの到来が、報知手段を通じて報知される。
【0013】
これにより、電話をかけた相手先と通話を行うことができないために電話のかけ直しを行うようにする場合に、かけ直しのための情報設定を繰り返し行うなどの面倒な操作を行うことなく、目的とする着信先のユーザが応答可能である可能性が高い場合にかけ直しを行うことができるようにされる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、電話をかけた相手先に対して電話のかけ直しを行うようにする場合に、かけ直しのための情報設定を繰り返し行うなどのことなく、目的とする相手先のユーザが応答可能である可能性が高い場合に電話のかけ直しを行うようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明のシステムの一実施の形態が適用されて構成された電話システムの構成例を説明するための図である。
【図2】図1に示した電話システムで用いられるIP電話機1を説明するためのブロック図である。
【図3】図2に示したIP電話機1の状態管理メモリ122で管理されるユーザの状態を示す情報の例について説明するための図である。
【図4】相手先の状態に応じて行うかけ直し設定のパターンについて説明するための図である。
【図5】IP電話機1において、かけ直しメモリ123に設定されるかけ直し設定の具体例について説明するための図である。
【図6】図1に示した電話システムで用いられるプレゼンスサーバ3を説明するためのブロック図である。
【図7】プレゼンス情報記憶部304に形成されるプレゼンス情報について説明するための図である。
【図8】図1に示した電話システムで用いられるSIPサーバ4を説明するためのブロック図である。
【図9】図8に示したSIPサーバ4のアドレス管理DB406に形成される管理情報(データベース)の構成例について説明するための図である。
【図10】内線電話をかけた相手先が通話中である場合の電話システムの関連機器間の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図11】内線電話をかけた相手先が会議で不在である場合の電話システムの関連機器間の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図12】発信元のIP電話機1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】図12に続くフローチャートである。
【図14】プレゼンスサーバ3の動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】図1に示したパソコン2の構成例を説明するためのブロック図である。
【図16】発信元のIP電話機1(1)とこれに対応付けられたパソコン2(1)とが連携して、かけ直しを行う場合の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図17】図15に続くシーケンス図である。
【図18】図16に続くシーケンス図である。
【図19】連携するパソコンから目的とする相手先であるIP電話機1(11)へかけ直しを行う場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
【図20】発信元のIP電話機1からかけ直し時間設定を行う場合について説明するためのシーケンス図である。
【図21】発信元のIP電話機1に対応付けられたパソコン2からかけ直し時間設定を行う場合について説明するためのシーケンス図である。
【図22】インターネットを通じて電話システムを構築する場合の例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照しながら、この発明によるシステム、装置、方法の一実施の形態について説明する。この発明のシステムは、事業所内などの限られた範囲に形成されるLANを通じて装置を接続することにより、あるいは、インターネットなどの広域ネットワークを通じて装置を接続することにより構成することが可能である。しかし、以下においては説明を簡単にするため、まず、事業所内に形成されるLANを通じて必要な装置を接続することにより形成したIP電話システムに、この発明を適用した場合を例にして説明する。
【0017】
[電話システムの概要]
図1は、この発明のシステムの一実施の形態が適用されて構成された電話システムの構成例を説明するための図である。この実施の形態の電話システムは、IP電話システムであり、IP電話機1(1)、1(2)、…1(n)と、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する。)2(1)、2(2)、…と、プレゼンスサーバ3と、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ4とが、LAN5を通じて接続されて構成されたものである。図1に示したように、SIPサーバ4は、IP網6や電話網7に接続されている。ここで、IP網6は、IP(Internet Protocol)を用いて通信を行うネットワークを意味し、具体的にはインターネットを意味する。また、電話網7は、PSTN(Public Switched Telephone Network)などと呼ばれるアナログ方式の公衆交換電話網やISDN(Integrated Services Digital Network)などと呼ばれるデジタル回線網などを意味する。
【0018】
IP電話機1(1)、1(2)、…のそれぞれは、通話を行うためにユーザによって用いられる通信端末である。IP電話機1(1)、1(2)、…のそれぞれは、SIPサーバ4を通じて、LAN5に接続された同じ事業所内の他のIP電話機との間や、IP網6や電話網7に接続された外部の電話機との間で通話を行う場合に用いられる。このように、IP電話機1(1)、1(2)、…のそれぞれは、LAN5に接続されたIP電話機との間の内線通話と、IP網6や電話網7に接続された外部の電話機との間の外線通話との双方を行うことができるものである。
【0019】
パソコン2(1)、2(2)、…のそれぞれは、種々の情報処理を行う情報処理装置である。なお、詳しくは後述するが、パソコン2(1)、2(2)、…のそれぞれは、LAN5に接続された機器との間で必要なデータの送受を行い、IP電話機とペアになって、内線電話のかけ直しタイミングの通知や設定を行う連携通信端末としての機能をも実現することができるものである。また、パソコン2(1)、2(2)、…のそれぞれは、SIPサーバ4を通じてIP網6にも接続することができるようにされる。そして、パソコン2(1)、2(2)、…のそれぞれは、目的とするサーバ装置に開示されている情報を閲覧したり、目的とするサーバから情報をダウンロードしたり、また、電子メールの送受を行なったりするなどの機能をも有している。
【0020】
プレゼンスサーバ3は、この電話システムにおけるいわゆるプレゼンス機能を実現するものである。すなわち、プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(1)、1(2)、…などからの通話中、在席、会議、外出、…といったそれらの機器やそれらの機器のユーザの状態を示す情報を受け付けて管理する。そして、プレゼンスサーバ3は、管理している情報を必要に応じてLAN5に接続された機器に提供する。これにより、内線電話をかける相手先(着信先)のユーザが在席しているか否かを確認して、在席している場合に電話をかけるようにするなど、相手先と連絡を取りたい場合に、確実かつ効率的に連絡を取ることができるようにされる。なお、詳しくは後述もするが、この実施の形態のIP電話機1(1)、1(2)、…のそれぞれは、プレゼンスサーバ3に登録するようにした自機や自機のユーザの状態を、自機においても管理することができるようにしている。
【0021】
SIPサーバ4は、通信回線を接続する端末間のアドレス解決をするものである。このため、LAN5に接続されたIP電話端末1(1)、1(2)、…のそれぞれは、内線、外線を問わず、SIPサーバ4を介して通話路が生成され、通話を行うことができるようにされる。つまり、SIPサーバ4は、レジストラ・サーバ機能とプロキシ・サーバ機能とを備え、これらの機能を用いることによって、LAN5に接続された電話システム内の機器間や、LAN5に接続された機器とIP網6や電話網7に接続された機器間に、通信回線を接続することができるようにするものである。
【0022】
そして、この実施の形態の電話システムにおいては、上述もしたように、プレゼンスサーバ3が提供するプレゼンス機能により、相手先のユーザの状態を確認して相手が在席している場合に内線電話をかけることができる。しかし、相手先のユーザが自己の状態をこまめにプレゼンスサーバ3に登録していない場合もある。そこで、この実施の形態の電話システムにおいては、IP電話機が内線電話をかけ、目的とする相手と通話を行うことができなかった場合に、発信元のIP電話機を通じてプレゼンスサーバ3にかけ直し設定(通知設定)を行うことができるようにしている。
【0023】
このかけ直し設定は、着信先のIP電話機に登録されている着信先のIP電話機の状態や着信先のIP電話機のユーザの状態を示す情報に応じてなされるものである。例えば、目的とする相手先(着信先)が通話中であった場合には、発信元のIP電話機を通じて、プレゼンスサーバ3に対し、当該着信先のIP電話機の通話が終了した場合に、かけ直しタイミングの到来を通知するようにするかけ直し設定を行う。そして、プレゼンスサーバ3は、当該着信先のIP電話機からの通話終了を示す情報を受信したとする。この場合、プレゼンスサーバ3におけるかけ直し設定が当該相手先のIP電話機の通話の終了をかけ直しタイミングとして設定したものである場合に、発信元のIP電話機に対してかけ直しタイミングの到来を通知する。これにより、発信元のIP電話機のユーザは、目的とする相手先のIP電話機が通話中から通話終了に変わったタイミングで内線電話をかけ直すことができるようにされる。
【0024】
また、別の例として、内線電話の相手先が応答せず、当該着信先のIP電話機に、当該IP電話機のユーザが会議中であることを示す情報が設定されていたとする。この場合には、発信元のIP電話機を通じて、プレゼンスサーバ3に当該着信先のIP電話機のユーザの状態が会議中から在席に変わった場合に、かけ直しタイミングの到来を通知するようにするかけ直し設定を行うようにする。そして、プレゼンスサーバ3は、当該着信先のIP電話機からのユーザが在席になったことを示す情報を受信したとする。この場合、プレゼンスサーバ3におけるかけ直し設定が当該相手先のIP電話機のユーザが在席になったタイミングをかけ直しタイミングとして設定したものである場合に、発信元のIP電話機に対してかけ直しタイミングの到来を通知する。これにより、発信元のIP電話機のユーザは、目的とする相手先のユーザが在席になったタイミングで内線電話をかけ直すことができるようにされる。
【0025】
このように、この実施の形態の電話システムにおいては、内線電話をかけた相手先のIP電話機の状態や当該IP電話機を使用するユーザの状態の変化に応じて、内線電話のかけ直しタイミングを検出することができるようにしている。そして、LAN5に接続されたIP電話機1(1)、1(2)、…、1(n)のそれぞれとプレゼンスサーバ3とが協働して、内線電話のかけ直し機能を実現することができるようにしている。
【0026】
なお、ここでは、内線電話のかけ直し機能の概要の説明として、内線電話をかけた相手先のIP電話機やユーザの状態の変化に応じて、内線電話のかけ直しタイミングを検出することを説明した。しかし、これに限るものではない。例えば、内線電話をかけ直す時間(時刻)を設定することもできる。すなわち、詳しくは後述もするが、かけ直し条件(かけ直しタイミングの発生条件)として、目的とするIP電話機やユーザの状態の変化と、かけ直し時間との一方あるいは両方を設定しておく。そして、設定された状態に変化した場合や、設定したかけ直し時間が到来した場合に、設定条件が満足したと判断して、発信元のIP電話機にかけ直しタイミングの到来を通知することができる。
【0027】
[電話システムを構成する各機器の構成と動作]
次に、図1に示したこの実施の形態の電話システムの構成要素であるIP電話機1(1)、1(2)、…、1(n)と、プレゼンスサーバ3と、SIPサーバ4とのそれぞれの構成と基本的な動作について説明する。なお、この実施の形態の電話システムにおいて、IP電話機1(1)、1(2)、…、1(n)のそれぞれは、同様の構成を有し、同様の機能を実現するものである。このため、特に区別する必要のある場合を除き、以下においては、IP電話機1(1)、1(2)、…、1(n)のそれぞれを総称してIP電話機1という。
【0028】
[IP電話機1の構成と動作概要]
図2は、この実施の形態の電話システムで用いられるIP電話機1を説明するためのブロック図である。この実施の形態のIP電話機1は、この発明の通信端末の一実施の形態が適用されたものである。図2に示すように、IP電話機1は、主に電話機能を実現する部分として、LAN接続端子101、LANインターフェース(以下、LANI/Fという。)102、パケット処理部103、通話音声入出力インターフェース(以下、通話音声入出力I/Fという。)104、ハンドセット接続端子105、ハンドセット106、操作入力部107、操作入力インターフェース(以下、操作入力I/Fという。)108、ディスプレイコントローラ109、ディスプレイ110、リンガ111を備えている。
【0029】
また、図2に示すように、IP電話機1は、電話帳メモリ121、状態管理メモリ122、かけ直しメモリ123、かけ直し制御部124、時計回路125を備えている。ここで、電話帳メモリ121は、よく電話をかける相手先の少なくとも名前と電話番号とを対応付けて記憶保持するものである。ここで、電話番号は外線番号と内線番号の両方を含む。すなわち、よく内線電話をかける相手先についても電話帳メモリ121に登録することができるようにされている。また、状態管理メモリ122は、自機の状態や自機のユーザの状態を記憶保持するものであり、プレゼンスサーバ3に登録される情報と同じ情報を記憶保持する。また、かけ直しメモリ123及びかけ直し制御部124は、詳しくは後述するが、IP電話機1におけるかけ直し機能を実現するためのものである。また、時計回路125は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供するものである。
【0030】
また、IP電話機1は、図2に示すように、各部を制御する制御部130を備えている。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)131、ROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)133が、CPUバス134を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU131は、ROM132に記憶保持されているプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成してこれを各部に供給したり、また、各部から供給されるデータを処理したりするものである。ROM132は、上述のように、CPU131で実行される種々のプログラムや処理に必要になる各種のデータが記憶保持されたものである。また、RAM133は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。
【0031】
[着信(着呼)時の動作]
まず、IP電話機1に電話がかかってきた場合(着信時)の処理について説明する。LAN5を介して送信されてくるパケットデータは、LAN接続端子101を通じてLANI/F102に供給され、ここで自機において処理可能な形式のデータに変換された後、CPUバス134を介して、パケット処理部103に供給される。パケット処理部103は、供給されたパケットデータに含まれる制御データや音声データを分解して抽出する。ここで分解された制御データは制御部130に供給され、自機の制御に用いられる。また、詳しくは後述するが、自機(自端末)宛の音声データが含まれていた場合には、当該音声データは、CPUバス134を通じて通話音声入出力I/F104に供給されて処理される。
【0032】
そして、パケット処理部103において分解されて抽出された制御データが、自機への着信メッセージである場合には、制御部130は、リンガ111を制御して、着信鳴動させる。同時に、制御部130は、ディスプレイコントローラ109を制御し、ディスプレイ110の表示画面に自機に着信があることを通知するメッセージや発信元の電話番号や内線番号などを表示する。
【0033】
ハンドセット106は、この実施の形態のIP電話機1の場合、従来からある電話端末と同様に、IP電話機1の本体に装着され、装着された状態では、IP電話機1はオンフック状態となり、取り外された状態ではオフフック状態となるようにされている。そして、自機への着信に応じて、ユーザがハンドセットをIP電話機1の本体から持ち上げると、当該IP電話機1はオフフック状態となる。制御部130は、自機への着信に応じてオフフック状態にされると、着信に応答するメッセージを形成し、これをパケット処理部103においてパケット化して、LANI/F102に供給する。
【0034】
LANI/F102は、着信に応答するための当該パケットデータを送信用のパケットデータに変換し、これをLAN接続端子101を通じてLAN5に送出し、発呼元の端末に送信する。これにより発呼元との間において、通信路が生成され、通話が開始される。この場合、相手先からのパケット化された音声データは、上述もしたように、LAN接続端子101、LANI/F102を通じて受け付けられ、パケット処理部103に供給される。そして、パケット処理部103においてパケット分解され、制御データは、制御部130に、また、音声データは通信音声入出力I/F104に供給される。
【0035】
通信音声入出力I/F104は、パケット処理部103からの音声データから自機のハンドセット106のスピーカ(受話器)に供給するアナログ音声信号を形成し、ハンドセット接続端子105を通じてハンドセット106のスピーカに供給する。これにより、相手先から送信されてくる相手先の音声が、ハンドセット106のスピーカから放音される。
【0036】
一方、ハンドセット106のマイクロホン(送話器)によって集音された音声は、ここで電気信号に変換され、ハンドセット接続端子105を通じて通信音声入出力I/F104に供給される。通信音声入出力I/F104は、ハンドセット106からの音声データをデジタル信号に変換するなどの処理を行って、これをパケット処理部103に供給する。パケット処理部103は、通信音声入出力I/F104からの音声データを含む相手先への送信用のパケットデータを形成し、これをLANI/F102、LAN接続端子101を通じてLAN5に送出し、通信の相手先に送信する。これにより、IP電話機1は、自機にかかって来た着信に応答し、発呼先との間で通信路を生成して通話を行うことができる。
【0037】
[発信(発呼)時の処理]
次に、IP電話機1から電話をかける場合(発信時)の処理について説明する。IP電話機1から発信(発呼)する場合には、まず、ハンドセット106をIP電話機1の本体から持ち上げて、IP電話機1をオフフック状態にし、操作入力部107を通じて通信の相手先の電話番号、あるいは、内線番号を入力する。ここで入力された情報は、操作入力I/F108を通じて制御部130に供給される。なお、操作入力部107を通じて行う操作により、電話帳メモリ121に登録されている相手先の中から目的とする相手先を選択することにより、電話をかけようとしている相手先の電話番号や内線番号を特定し、これを制御部130に供給するようにすることもできる。
【0038】
すると、制御部130は、発呼メッセージを形成し、これをパケット処理部103に供給する。パケット処理部103は、自機からの発呼メッセージをパケット化し、これをLANI/F102、LAN接続端子101を通じてLAN5に送出し、目的とする通信の相手先に送信するようにする。この後、目的とする相手先からの応答が返信されてきた場合に、通信路を生成する。そして、上述もしたように、LAN接続端子101、LANI/F102、パケット処理部103、通信音声入出力I/F104、ハンドセット接続端子105、ハンドセット106からなる通話系の機能により通話を行うことができるようにされる。このように、IP電話機1は、自機から目的とする端末に発信して、相手先との間に通信回線を接続して通話を行うこともできる。
【0039】
[かけ直しタイミング通知機能]
そして、この実施の形態のIP電話機1は、上述もしたように、自機から内線電話をかけ、目的とする相手と通話を行うことができなかった場合に、発信元のIP電話機1を通じてプレゼンスサーバ3に対してかけ直し設定を行うことができる。この場合のかけ直し設定は、かけ直しのタイミングをいつにするかを設定するものであり、IP電話機に登録されている着信先のIP電話機の状態や着信先のIP電話機のユーザの状態を示す情報に応じてなされる。すなわち、IP電話機1の状態やIP電話機1のユーザの状態は、図2に示したIP電話機1の状態管理メモリ122に登録されて管理される。
【0040】
また、状態管理メモリ122で管理される情報は、LAN5を通じてプレゼンスサーバ3にも供給され、プレゼンスサーバ3においても管理される。そして、IP電話機1とプレゼンスサーバ3との間の通信が何らかの原因によって正常に行われず、プレゼンスサーバ3にユーザの状態を示す情報が更新されなかった場合でも、各IP電話機1の状態管理メモリ122において、最新に登録されたユーザの状態を示す情報が管理される。したがって、IP電話機1の状態管理メモリ1の管理情報を確認することにより、最新にユーザによって登録するようにされたユーザの状態を知ることができる。
【0041】
図3は、この実施の形態のIP電話機1の状態管理メモリ122で管理される情報の例について説明するための図である。図3に示すように、状態管理メモリ122においては、(1)状態情報、(2)開始日時、(3)終了日時、(4)設定日時が管理される。(1)状態情報は、IP電話機1の状態やIP電話機1のユーザの状態を示すものである。(1)状態情報には、図3にも示したように、通話中、在席、会議、外出、出張、休憩、休暇、帰宅、…といった情報がある。
【0042】
(2)開始日時は、状態情報が示す状態が何年何月何日の何時から始まるかを示す情報であり、(3)終了日時は、状態情報が示す状態が何年何月何日の何時に終了するかを示す情報である。また、(4)設定日時は、状態情報、開示日時、終了日時を設定した日時を示す情報である。したがって、IP電話機1の状態管理メモリ122の情報を確認することにより、当該IP電話機1が通話中か否か、あるいは、当該IP電話機1のユーザが最後に設定したユーザの状態を把握することができる。
【0043】
そして、この実施の形態のIP電話機1においては、オフフック状態にあるときには管理情報メモリ122の状態情報を通話中とし、これをプレゼンスサーバ3にも登録することができるようにされている。また、IP電話機1においては、操作入力部107を通じて、在席、会議、外出、出張、休憩、休暇、帰宅、…といったIP電話機1のユーザの状態を示す情報を選択して、管理情報メモリ122の状態情報に設定し、これをプレゼンスサーバ3にも登録することができるようにされている。
【0044】
なお、ユーザの状態を示す情報の選択入力は、例えば、操作入力部107に、在席、会議、外出、出張、休憩、休暇、帰宅、…といったユーザの状態を選択して登録するための専用キーを設けておくことにより、これを通じて入力することができる。また、別の方法として、制御部130がディスプレイ110の表示画面に在席、会議、外出、出張、休憩、休暇、帰宅、…といった選択項目を表示し、これを操作入力部107の数字キーを通じて選択し入力するようにすることもできる。また、在席、会議、外出、出張、休憩、休暇、帰宅、…といった選択項目のそれぞれに操作入力部10の既存の操作キー(数字キーなど)を割り当てておき、当該既存の操作キーを通じてユーザの状態を選択して入力するようにすることもできる。
【0045】
また、開始日時や終了日時は、操作入力部107の数字キーを通じて入力することができ、設定日時は、状態情報等の入力時において、時計回路125が提供するいわゆるシステム日付を用いることができる。なお、開始日時と終了日時は、必須の入力情報ではなく、必要に応じて入力することができるものである。例えば、状態情報が在席であることを示している場合には、開始日時や終了日時を設定する必要はない。また、状態情報が会議であることを示している場合、当該会議がすぐには始まる場合には、終了日時だけを設定するなどのことができるようにされる。また、開始日時と終了日時は、設定日時より後の日時が入力された場合には、開始予定日時、終了予定日時の意味を有するものとなる。
【0046】
このように、IP電話機1の状態管理メモリ122に記憶保持されている情報によって、当該IP電話機1の状態(通話中か否か)、あるいは、当該IP電話機1のユーザの状態(在席中や会議中など)を示すことができるようにされる。
【0047】
そして、内線電話をかけて目的とする相手先と通話を行うことができなかったIP電話機1においては、かけ直し制御部124の機能により、プレゼンスサーバ3を通じて相手先(着信先)のIP電話機の状態管理メモリ122の情報を確認する。これにより、発信元のIP電話機1は、内線電話をかけた相手先(着信先)の状態を確認することができる。そして、発信元のIP電話機1は、かけ直し制御部124の制御により、相手先の状態に応じて、自機のかけ直しメモリ123とプレゼンスサーバ3に対してかけ直し設定を行う。
【0048】
図4は、相手先の状態に応じて行うかけ直し設定のパターンについて説明するための図である。図4に示すように、この実施の形態の電話システムにおいては、かけ直し設定のパターンには、(1)かけ直し設定(自動)、(2)かけ直し設定(時間)、(3)かけ直し設定(状態)の3種類がある。これら3種類のかけ直し設定のパターンのそれぞれについて具体的に説明する。
【0049】
(1)かけ直し設定(自動)は、相手先の状態からかけ直しのタイミングの条件を自動で設定するパターンである。(1)かけ直し設定(自動)を用いてかけ直し設定を行うようにすると、相手先の状態が所定の状態に変化した場合と、自動で設定するようにした設定時間が到来した場合が、かけ直しのタイミングとなる。相手先の状態が所定の状態に変化した場合とは、通話状態から通話終了となった場合や不在である状態から在席になった場合を意味する。具体的に不在である状態から在席になった場合とは、相手先のユーザの状態が、会議、外出、出張、休憩、休暇、帰宅、…といった不在である状態から在席に変化した場合を意味する。
【0050】
また、(1)かけ直し設定(自動)を用いる場合の自動で設定するようにした設定時間は、相手先の管理情報メモリ122の終了日時が設定されている場合には、当該終了時刻や当該終了時刻の5分後の時刻など、終了日時を基準とした所定の時間(時刻)となる。また、相手先の管理情報メモリ122の終了日時が設定されていない場合には、当該設定時から例えば30分後など予め決められた時間経過後の時間(時刻)が設定時間となる。このように、(1)かけ直し設定(自動)は、相手先の状態から自動で設定される相手先の状態変化と設定時間の到来とのいずれか一方が満足した場合を内線電話のかけ直しタイミングとするものである。
【0051】
次に、(2)かけ直し設定(時間)は、相手先の状態からかけ直しのタイミングとなる設定時刻を手動または自動で設定するパターンである。(2)かけ直し設定(時間)を用いてかけ直し設定を行うようにすると、手動または自動で設定する設定時間が到来した場合が、かけ直しのタイミングとなる。ここで、手動で設定する設定時間は、発信元のIP電話機1のユーザが、設定するようにしたかけ直しタイミングを示す時間(時刻)である。この場合、相手先の管理情報メモリ122の終了日時が設定されている場合には、例えばかけ直し制御部124の制御により、当該終了日時が示す時点以前にかけ直しのタイミングとなる設定時間を設定することはできないようにされる。
【0052】
また、自動で設定する設定時間は、相手先の管理情報メモリ122の終了日時が設定されている場合には、当該終了日時が示す時刻や当該終了日時の5分後の時刻など、終了日時を基準とした所定の時間(時刻)である。また、相手先の管理情報メモリ122の終了日時が設定されていない場合には、当該設定時から例えば30分後など予め決められた時間経過後の時間(時刻)である。なお、管理情報メモリ122の終了日時からどの位後の時刻を設定するか、また、設定時からどの位後の時刻を設定するかは、事前に決めておくことができるようにされる。このように、(2)かけ直し設定(時間)は、相手先の状態に応じて、手動または自動で設定される設定時間の到来を内線電話のかけ直しタイミングとして設定するものである。
【0053】
次に、(3)かけ直し設定(状態)は、相手先の状態からかけ直しのタイミングとなる状態の変化の内容を自動で設定するパターンである。(3)かけ直し設定(状態)を用いてかけ直し設定を行うようにすると、相手先の状態が所定の状態に変化した場合が、かけ直しのタイミングとなる。ここで、相手先の状態が所定の状態に変化した場合とは、上述もしたように、通話状態から通話終了状態になった場合や不在である状態から在席になった場合を意味する。このように、(3)かけ直し設定(状態)は、相手先の状態から自動で設定される相手先の状態変化が起こった場合を内線電話のかけ直しタイミングとするものである。
【0054】
この他にも、かけ直し設定のパターンとして、かけ直し設定(状態+時間)というパターンも考えられる。このパターンは、相手先の状態が所定の状態に変化した場合と、手動で設定するようにした設定時間が到来した場合が、かけ直しのタイミングとなるものである。しかし、できるだけ早く連絡を取りたい場合には、上述した(1)かけ直し設定(自動)を用いればよい。このため、このかけ直し設定(状態+時間)というパターンは、設定時間を細かく設定した場合や、会議が長引く可能性が高いなど相手先のユーザが不在となる時間が長くなることが予想できる場合などにおいて有効なかけ直し設定のパターンとなる。したがって、上記の(1)〜(3)のかけ直し設定のパターンに加えて、かけ直し設定(状態+時間)というパターンを用いることができるようにしてもよい。
【0055】
図5は、この実施の形態のIP電話機1において、かけ直しメモリ123に設定されるかけ直し設定の具体例について説明するための図である。図5に示すように、かけ直しメモリ123には、かけ直しの相手先の端末識別情報の欄と、かけ直し条件の欄と、設定日時の欄とが設けられている。ここで、相手先の端末識別情報の欄には、当該相手先のIP電話機を識別することができる情報が入力される。この実施の形態においては、説明を簡単にするため、相手先のIP電話機に割り当てられた内線番号が用いられるものとする。なお、相手先の端末識別情報としては、内線番号の他にも例えば各IP電話機に割り当てられたURI(Uniform Resource Identifier)や各IP電話機のMAC(Media Access Control)アドレス等を用いるようにすることも考えられる。また、かけ直し条件の欄には、詳しくは後述するように、かけ直しを行うタイミングを特定するための条件が入力される。設定日時は、当該かけ直し設定を設定した日時を示す情報が入力される。
【0056】
そして、例えば、IP電話機1から内線番号「10」のIP電話機に内線電話をかけたとする。この場合に内線番号10のIP電話機の状態管理メモリ122の管理情報が通話中であることを示していた場合には、(3)かけ直し設定(状態)を用いることにより、図5の相手先端末識別情報が番号「10」の行に示すように、内線番号10のIP電話機については、かけ直し条件として、通話中から通話終了に変わった場合に、かけ直しのタイミングとなることを、かけ直しメモリ123に設定することができる。また、この例の場合、当該かけ直し設定が行われたのは2010年2月1日の13時40分であることが設定日時の欄に示されている。
【0057】
また、例えば、IP電話機1から内線番号「11」のIP電話機に内線電話をかけたとする。この場合に内線番号11のIP電話機の状態管理メモリ122の管理情報が15時(15:00)まで会議中であることを示していた場合には、(1)かけ直し設定(自動)を用いることにより、図5の相手先端末識別情報が番号「11」の行に示すように、内線番号11のIP電話機については、かけ直し条件として、状態情報が会議中から在席に変わるか、あるいは、今日の15時以降になった場合に、かけ直しのタイミングとなることを、かけ直しメモリ123に設定することができる。また、この場合、当該かけ直し設定が行われたのは2010年2月1日の14時05分であることが設定日時の欄に示されている。
【0058】
また、例えば、IP電話機1から内線番号「14」のIP電話機に内線電話をかけたとする。この場合に内線番号14のIP電話機の状態管理メモリ122の管理情報が14時30分(14:30)まで外出中であることを示していたとする。この場合には、(2)かけ直し設定(時間)を用いることにより、図5の相手先の端末識別情報が番号「14」の行に示すように、内線番号14のIP電話機については、かけ直し条件として、14時30分以降になった場合にかけ直しのタイミングとなることを、かけ直しメモリ123に設定することができる。また、当該かけ直し設定が行われたのは2010年2月1日の14時10分であることが設定日時の欄に示されている。
【0059】
そして、図5を用いて説明したように、発信元のIP電話機1のかけ直しメモリ123に対してかけ直し設定を行うことができるが、同様のかけ直し設定の内容が、プレゼンスサーバ3においても管理するようにされる。このように、IP電話機1とプレゼンスサーバ3との両方でかけ直し設定を行うようにするのは次の理由による。すなわち、かけ直し設定における設定時間の到来はIP電話機1内において時計回路125の機能を用いることにより検出できる。これに対して、相手先(着信先)の状態の変化は、当該相手先から状態が変化したことの通知(登録)を受け付けるプレゼンスサーバ3を介在させないと発信元のIP電話機が知ることができないためである。
【0060】
このように、この実施の形態のIP電話機1は、通話機能を実現するが、内線電話をかけて相手先と通話を行うことができなかった場合に、自機のかけ直しメモリ123と、後述するプレゼンスサーバ3に対して、かけ直し設定を行うことができるようにしている。このかけ直し設定は、上述もしたように、目的とする相手先と通話できる可能性が高いタイミングを発信元のIP電話機1に対して通知するための情報を設定するものである。なお、図2に示したかけ直し制御部124の機能は、例えば、制御部130において実行されるプログラムにより、制御部130の機能として実現することも可能である。
【0061】
[プレゼンスサーバ3の構成と動作概要]
次に、プレゼンスサーバ3について説明する。図6は、この実施の形態の電話システムで用いられるプレゼンスサーバ3を説明するためのブロック図である。この実施の形態のプレゼンスサーバ3は、この発明のサーバ装置の一実施の形態が適用されたものである。図6に示すように、この実施の形態のプレゼンスサーバ3は、LAN接続端子301、LANI/F302、メッセージ処理部303、プレゼンス情報記憶部304、端末対応付け情報記憶部305、制御部310、時計回路320を備えたものである。
【0062】
制御部310は、プレゼンスサーバ3の各部を制御するものであり、CPU311、ROM312、RAM313が、CPUバス314を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU311は、ROM312に記憶保持されているプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成してこれを各部に供給したり、また、各部から供給されるデータを処理したりするものである。ROM312は、上述のように、CPU311で実行される種々のプログラムや処理に必要になる各種のデータが記憶保持されたものである。また、RAM313は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。
【0063】
この実施の形態のプレゼンスサーバ3において、LAN5に接続されたIP電話機1やパソコン2からLAN5を通じて供給される状態設定やかけ直し設定などのパケット化されたメッセージは、LAN接続端子301を通じて受け付けられ、LANI/F302に供給される。LANI/F302は、自機宛のパケット化されたメッセージを受け付けて、自機において処理可能な形式のデータに変換し、これをメッセージ処理部303に供給する。メッセージ処理部303は、これに供給されたパケット化されているメッセージをパケット分解し、制御データや設定情報を分離して制御部310に供給する。
【0064】
制御部310は、これをRAM313に一時記憶し、CPU311が実行するプログラムに従って処理する。具体的に制御部310は、メッセージ処理部303からの制御データや設定情報に基づいて、プレゼンス情報記憶部304へのプレゼンス情報の追加、プレゼンス情報記憶部304に記憶保持されているプレゼンス情報の変更(更新)や削除等の処理を行う。なお、プレゼンス情報記憶部304は、ハードディスクを記録媒体として用いるハードディスクドライブや、書き換え可能な光ディスクを記録媒体として用いる光ディスクドライブや、半導体メモリを記録媒体として用いる半導体メモリドライブとして実現できる。この実施の形態のプレゼンスサーバ3のプレゼンス情報記憶部304は、ハードディスクを記録媒体として用いるハードディスクドライブである。
【0065】
図7は、プレゼンスサーバ3のプレゼンス情報記憶部304に記憶保持されるプレゼンス情報について説明するための図である。図7に示すように、プレゼンス情報記憶部304に記憶保持されるプレゼンス情報は、端末識別情報、状態管理情報、かけ直しに関する情報を有するものである。また、かけ直しに関する情報は、少なくとも発信元識別情報とかけ直し条件とを有するものである。
【0066】
ここで、端末識別情報は、LAN5に接続されているIP電話機を識別できるようにする情報であり、例えばIP電話機に割り当てられた内線番号などの情報である。また、状態管理情報は、端末識別情報により特定されるIP電話機から提供される情報であり、当該IP電話機の状態管理メモリ122に登録された情報と同じ情報である。また、かけ直しに関する情報の発信元識別情報は、端末識別情報によって特定されるIP電話機に対して内線電話をかけてきた発信元のIP電話機を識別できるようにする情報であり、例えば当該発信元のIP電話機に割り当てられた内線番号などの情報である。また、かけ直しに関する情報のかけ直し条件は、発信元識別情報により特定される当該発信元のIP電話機から提供される情報であり、当該発信元のIP電話機のかけ直しメモリ123のかけ直し条件の欄に設定された情報と同じ情報である。
【0067】
なお、当該発信元のIP電話機1のかけ直しメモリ123に複数の相手先についてのかけ直し設定がなされている場合には、かけ直しメモリ123の相手先の端末識別情報が、図7に示したプレゼンス情報の端末識別情報と同じもののかけ直し条件が図7に示したプレゼンス情報のかけ直し条件として用いられる。また、図7に示したプレゼンス情報記憶部304に記憶されるプレゼンス情報の場合、かけ直しに関する情報は、1つの発信元についてのものとした。しかし、1つのIP電話機に対して、複数のIP電話機が発信元となって内線電話がかけられる場合もある。このため、かけ直しに関する情報の欄を複数個も受けることのより、複数のIP電話機についてのかけ直し設定を行うようにすることもできる。
【0068】
そして、図7に示したプレゼンス情報記憶部304に形成されたプレゼンス情報においては、端末識別情報である内線番号が「1」のIP電話機のユーザは在席しており、内線番号が「1」のIP電話機を相手先とするかけ直しに関する情報は設定されていないことを示している。また、図7に示したプレゼンス情報においては、端末識別情報である内線番号が「10」のIP電話機は現在通話中であり、当該IP電話機を相手先とする内線番号が「1」のIP電話機からのかけ直し設定が行われていることを示している。当該かけ直し設定は、内線番号が「10」のIP電話機が通話終了になったらかけ直しのタイミングが到来したことを発信元(内線番号が「1」のIP電話機)に通知するようにするものである。
【0069】
また、図7に示したプレゼンス情報においては、端末識別情報である内線番号が「11」のIP電話機のユーザは15時まで会議中であり、当該IP電話機を相手先とする内線番号が「1」のIP電話機からのかけ直し設定が行われていることを示している。当該かけ直し設定は、内線番号が「11」のIP電話機のユーザが在席になるか、15時になったらかけ直しのタイミングが到来したことを発信元(内線番号が「1」のIP電話機)に通知するようにするものである。
【0070】
また、図7に示したプレゼンス情報においては、端末識別情報である内線番号が「14」のIP電話機のユーザは14時30分まで外出中であり、当該IP電話機を相手先とする内線番号が「1」のIP電話機からのかけ直し設定が行われていることを示している。当該かけ直し設定は、14時45分になったらかけ直しのタイミングが到来したことを発信元(内線番号が「1」のIP電話機)に通知するようにするものである。
【0071】
このように、この実施の形態のプレゼンスサーバ3は、LAN5に接続された複数のIP電話機1から送信されてくるパケット化されたメッセージを受信する。そして、受信したメッセージに基づいて、各IP電話機の状態や各IP電話機のユーザの状態を管理することができる。また、受信したメッセージに基づいて、相手先(着信先)毎に、発信先を特定したかけ直し設定を管理することができる。そして、プレゼンスサーバ3は、相手先(着信先)となったIP電話機からの通知により、当該相手先がかけ直し設定により示された状態になった場合に、発信元のIP電話機にかけ直しのタイミングの到来を通知することができるようにしている。
【0072】
また、プレゼンスサーバ3の端末対応付け情報記憶部305は、LAN5に接続されたIP電話機1(1)、1(2)、…、1(n)のそれぞれと、連携するパソコンとの対応関係を示す情報を管理する。具体的に、端末対応付け情報記憶部305においては、LAN5に接続されたIP電話機のそれぞれ毎に、LAN5に接続されて連携するパソコンが対応付けられて管理されている。例えば、IP電話機1(1)とパソコン2(1)とが連携し、IP電話機1(2)とパソコン2(2)が連携するというように、その対応付けが管理される。なお、端末対応付け情報記憶部305もまた、プレゼンス情報記憶部304と同様に、種々の記録媒体に形成することが可能であるが、この実施の形態においては、ハードディスクを記録媒体として用いるハードディスクドライブである。
【0073】
[SIPサーバ4の構成と動作概要]
次に、SIPサーバ4について説明する。図8は、この実施の形態の電話システムで用いられるSIPサーバ4を説明するためのブロック図である。図8に示すように、SIPサーバ4は、IP網6への接続端子401と、IPインターフェース(以下、IPI/Fと略称する。)402と、パケット分解/生成部403と、LANI/F404と、LAN接続端子405と、アドレス管理データベース(以下、アドレス管理DBと略称する。)406と、電話網インターフェース(以下、電話網I/Fと略称する。)407と、電話網7への接続端子408と、制御部410とを備えたものである。
【0074】
制御部410は、この実施の形態のSIPサーバ4の各部を制御するものであり、図8に示すように、CPU411、ROM412、RAM413がCPUバス414を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU411は、ROM412に記憶保持されているプログラムを実行することにより、各部を制御するための制御信号を生成して各部に供給したり、各部からの情報を処理したりするものである。ROM412は、上述のように、CPU411で実行される種々のプログラムや処理に必要となる種々のデータを記憶保持しているものである。
【0075】
また、RAM413は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に、作業領域として用いられるものである。なお、図示しないが、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリーなどのいわゆる不揮発性メモリを備え、電源が落とされても保持しておくべきデータ、例えば、種々の設定パラメータや機能アップのために提供された新たなプログラムなどについても記憶保持することができるようにされている。
【0076】
そして、接続端子401はIP網6への接続端部を構成するものである。IPI/F402は、IP網6との間でデータを送受するようにするためのものであり、IP網6を通じて供給されるパケットデータを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のデータに変換して制御部410に供給したり、制御部410を通じて供給される送信すべきパケットデータを送信用の形式のデータに変換して、これをIP網6に送出したりする。
【0077】
また、LAN接続端子405はLAN5への接続端部を構成するものである。LANI/F404は、この実施の形態の電話システムを形成するためのLAN5との間でデータを送受するようにするためのものであり、LAN5を通じて供給されるパケットデータを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のデータに変換して制御部410に供給したり、制御部410を通じて供給される送信すべきパケットデータを送信用の形式のデータに変換して、これをLAN5に送出したりする。
【0078】
また、接続端子408は電話網7への接続端部を構成するものである。電話網I/F407は、電話網7との間でデータを送受するようにするためのものであり、電話網7を通じて供給されるデータを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のデータに変換して制御部410に供給したり、制御部410を通じて供給される送信すべきデータを送信用の形式のデータに変換して、これを電話網7に送出したりする。
【0079】
そして、パケット分解/生成部403は、パケットデータの分解や生成を行うものである。具体的には、SIPサーバ4に対して、LAN接続されているIP電話機1からの電話網7に接続された端末装置に送信すべきパケットデータは、LAN接続端子405、LANI/F404を通じて制御部410に受け付けられた後、パケット分解/生成部403においてパケット分解された後に、電話網I/F407、接続端子408を通じて電話網7に送出され、目的とする相手先に送信するようにされる。
【0080】
また、電話網7に接続された端末装置からのLAN接続されているIP電話機1へのデータは、接続端子408、電話網I/F407を通じて受け付けられた後、パケット分解/生成部403において、所定の形式のパケットデータとされ、これがLANI/F404、LAN接続端子405を通じて、LAN5に送出されて、目的とするIP電話機1に送信するようにされる。
【0081】
なお、IP網6に接続された端末と、SIPサーバ4にLAN接続されたIP電話機1等との間では、パケットデータが送受されるため、パケット分解/生成部403において、パケットの分解や生成は行われることはなく、IPI/F402、LANI/F404において、データ形式が整えられてそのまま送受するようにされる。
【0082】
そして、アドレス管理DB406は、上述したレジストラ・サーバ機能を実現するために、IP網6やLAN5に接続され、このSIPサーバ4を通じて呼び出す可能性のある端末装置についてのアドレス情報を記憶保持するものである。具体的には、SIPサーバ4の制御部410は、IPI/F402やLANI/F404を通じて、これらに接続されている種々の端末装置からの登録要求(レジスタ・リクエスト)を受信した場合に、これに含まれるURI(Uniform Resource Identifier)やIPアドレスなどのアドレス情報を抽出し、抽出したアドレス情報をアドレス管理DB406に登録したり、抽出アドレス情報を用いてアドレス管理DB406の登録情報を更新したりする。
【0083】
このようにして、アドレス管理DB406に登録されて管理される情報が参照され、自機にLAN接続されているIP電話機1などから要求のあった通信先を確実に特定し、その特定した相手先に送信すべき情報(パケットデータ)を転送するようにするプロキシ・サーバとしての機能を実現するようにしている。また、アドレス管理DB406に登録されて管理される情報は、自機にLAN接続されているIP電話機1などへの着信の判別などにも用いられる。
【0084】
ここで、アドレス管理DB406内に形成される管理情報の具体例について説明する。図9は、アドレス管理DB406に形成される管理情報(データベース)の構成例について説明するための図である。SIPサーバ4のアドレス管理DB406には、当該SIPサーバ4にLAN接続されたIP電話機1などについてのアドレス情報のほか、IP網6に接続された他のIP電話システムの端末装置のアドレス情報をも管理することができるものである。
【0085】
基本的にアドレス管理DB406に形成される管理情報は、IP網6に接続された端末装置から送信されてくるURI(SIP URI)と、IPアドレスであるが、この実施の形態のSIPサーバ4のアドレス管理DB406には、SIPサーバ4にLAN接続されたIP電話機については、IP電話機毎に予め付加されているMAC(Media Access Control)アドレス、内線番号、ユーザ名などの情報についても登録することができるようにしている。
【0086】
そして、この実施の形態の電話システム内のIP電話機1から当該電話システム外のIP網6に接続された端末装置に対して電話をかける場合には、SIPサーバ4は自己のアドレス管理DB406の管理情報に基づいて、目的とする相手先の端末装置に対して、メッセージの転送を行うようにしている。また、LAN5に接続されているIP電話機1に対してかかってきた外線や、LAN5に接続されたIP電話機1間の内線の場合には、SIPサーバ4は、送信されてきたメッセージを受け付けて、これを自システム内に送出するようにしている。
【0087】
なお、発信に際して、IP電話番号が用いられる場合には、図1には図示しなかったが、IP網6に接続されているゲートウエイやDNS(Domain Name System)が利用されて、IP電話番号からURIなどが検索されて用いられることになる。相手先から、この実施の形態の電話システムを構成するIP電話機に対して、IP電話番号を用いて電話をかける場合においても同様に、IP網6に接続されているゲートウエイやDNSが利用されて、IP電話番号からURIなどが検索されて用いられることになる。
【0088】
このように、この実施の形態のSIPサーバ4は、パケット分解/生成部403やアドレス管理DB406を備え、SIPサーバ4が接続される種々のネットワークに接続される端末間のメッセージの中継を行うことができるものである。
【0089】
[電話システムにおける内線電話時の処理]
次に、図1〜図9を用いて説明したこの実施の形態の電話システムにおいて、IP電話機1が内線電話をかけて、相手先と通話を行うことができなかったために、かけ直し設定を行い、かけ直しのタイミングの通知を受ける場合のシーケンスについて説明する。以下においては、内線電話をかけた発信元が、内線番号が「1」のIP電話機1(1)であり、相手先(着信先)が、内線番号が「11」のIP電話機1(11)である場合を例にして説明する。また、以下においては、着信先のIP電話機1(11)が通話中であった場合と、着信先のIP電話機1(11)のユーザが会議中で不在であった場合とのそれぞれについて説明する。
【0090】
[相手先が通話中であった場合のシーケンス]
まず、相手先(着信先)のIP電話機1(11)が通話中である場合について説明する。図10は、この実施の形態の電話システムにおいて、IP電話機1(1)からIP電話機1(11)に内線電話をかけたが、相手先(着信先)のIP電話機1(11)が通話中であった場合における関連する機器間の処理手順を説明するためのシーケンス図である。図10に示すように、IP電話機1(11)はユーザによってオフフック状態にされたことにより、制御部130の制御によって、自機の状態管理メモリ122の状態情報に通話中を示す情報が入力される。
【0091】
すなわち、図3に示した状態管理メモリ122において、状態情報が「通話中」となり、設定日時に当該設定を行った時点を示す日時情報が入力される。なお、状態情報が「通話中」の場合には、開始日時、終了日時は更新されず、例えば、初期値「0(ゼロ)」のままとされる。また、この場合、プレゼンス機能を実現するためにプレゼンスサーバ3に対しても自機(IP電話機1(11))が通話中になったことが登録される。しかし、以下に説明するように、この例では、相手先(着信先)の状態を一番正確に把握しているのは着信先であるため、着信先に対して状態の確認を行うようにしている。
【0092】
そして、発信元となるIP電話機1(1)から相手先となるIP電話機1(11)に対して内線電話をかける操作が行われると、発信元のIP電話機1(1)は、IP電話機1(11)宛てのINVITE(呼び出し)メッセージを形成し、これを相手先のIP電話機1(11)に送信する。この場合、相手先のIP電話機1(11)は、上述したように通話中の状態にあるので、INVITEメッセージを受信すると、発信元のIP電話機1(1)宛ての応答できないことを通知するBUSY(応答不可)メッセージを形成して送信してくる。
【0093】
発信元のIP電話機1(1)は、相手先のIP電話機1(11)が応答できないことは認識できるが、なぜ応答できないのかが不明である。このため、発信元のIP電話機1(1)は、プレゼンスサーバ3に対するIP電話機1(11)の状態を問い合わせるためのSUBSCRTBE(情報提供要請)メッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に送信する。当該メッセージを受信したプレゼンスサーバ3は、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))を発信元のIP電話機1(1)に送信する。
【0094】
そして、プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(1)からのSUBSCRIBEメッセージに応じて、相手先のIP電話機1(11)に対する状態情報の提供を要請するSUBSCRIBEメッセージを形成して、これをIP電話機1(11)に送信する。当該メッセージを受信したIP電話機1(11)は、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。また、IP電話機1(11)は、プレゼンスサーバ3宛ての自機が通話中であることを示すNOTIFY(情報提供)メッセージを形成し、これを要求元のプレゼンスサーバ3に送信する。
【0095】
プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(11)からの当該NOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をIP電話機1(11)に送信する。そして、プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(11)は通話中であることを示すIP電話機1(1)宛てのNOTIFYメッセージを形成し、これを発信元のIP電話機1(1)に送信する。
【0096】
発信元であるIP電話機1(1)は、プレゼンスサーバ3からの当該NOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。そして、発信元のIP電話機1(1)は、相手先のIP電話機1(11)の状態を例えばディスプレイ110に表示するなどしてユーザに通知する。IP電話機1(1)のユーザは、相手先であるIP電話機1(11)の状態を確認し、かけ直し設定のパターンを選択すると共に、必要な場合にはかけ直し時刻の設定を行う。
【0097】
そして、発信元のIP電話機1(1)は、ユーザからの指示情報に基づき、プレゼンスサーバ3宛てのかけ直し設定を行うことを指示するNOTIFYメッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に送信する。プレゼンスサーバ3は、当該NOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))を発信先のIP電話機1(1)に送信する。
【0098】
そして、発信元のIP電話機1(1)は、かけ直し制御部124の機能により、ユーザの指示に応じたパターンのかけ直し設定を、自己のかけ直しメモリ123に対して行う。また、プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(1)からのかけ直し設定を行うことを指示するNOTIFYメッセージに応じて、プレゼンス情報記憶部304のIP電話機1(11)のプレゼンス情報に、発信元であるIP電話機1(1)のかけ直し設定を行う。ここで、IP電話機1(1)のかけ直しメモリ123とプレゼンスサーバ3のプレゼンス情報記憶部304には、IP電話機1(11)が通話終了となったタイミングが、IP電話機1(1)におけるIP電話機1(11)へのかけ直しタイミングとなるかけ直し設定がされたとする。
【0099】
すなわち、発信元のIP電話機1(1)のかけ直しメモリ123には、図5に示した状態の相手先の端末識別情報が「10」であるIP電話機に対するかけ直し設定と同様の設定がなされる。この場合には、相手先がIP電話機1(11)であるので、相手先の端末識別情報が内線番号「11」となり、かけ直し条件が「通話終了」となり、設定日時が設定を行った日時を示す情報となる。また、プレゼンスサーバ3のプレゼンス情報記憶部304には、図7に示した状態の端末識別情報が「10」である場合のかけ直しに関する情報と同等の情報が、相手先であるIP電話機1(11)に対応し、端末識別情報が「11」のかけ直しに関する情報に更新される。具体的には、発信元識別情報がIP電話機1(1)の内線番号に対応して「1」となり、かけ直し条件が「通話終了」になる。
【0100】
この後、相手先であるIP電話機1(11)において、通話が終了し、オンフック状態に戻すようにされたとする。この場合、IP電話機1(11)は、通話が終了したこと(オンフック状態になったこと)を通知するNOTIFYメッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に送信する。プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(11)からの通話が終了したことを示すNOTIFYメッセージを受信すると、プレゼンス情報記憶部304に保持されているIP電話機1(11)のプレゼンス情報を確認する。当該プレゼンス情報には、発信元であるIP電話機1(1)についてのかけ直しに関する情報が設定されている。このかけ直しに関する情報は、上述もしたように、IP電話機1(11)が通話終了となったタイミングが、IP電話機1(1)におけるIP電話機1(11)へのかけ直しタイミングとするものである。
【0101】
このため、プレゼンスサーバ3は、発信元のIP電話機1(1)に対して、IP電話機1(11)の通話が終了したことを通知するNOTIFYメッセージを形成し、これを発信元のIP電話機1(1)に送信する。IP電話機1(1)は、プレゼンスサーバ3からIP電話機1(11)の通話が終了したことを示すメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。この後、発信元のIP電話機1(1)は、かけ直し制御部124の機能により、IP電話機1(11)に対するかけ直し(リダイヤル)のタイミングになったことをディスプレイ110に表示したり、リンガ111から所定のパターンの報知音を放音したりする。これにより、IP電話機1(1)のユーザに、IP電話機1(11)へのかけ直しのタイミングが到来したことが報知される。そして、IP電話機1(1)のユーザが、所定の動作を行うことにより、相手先であるIP電話機1(11)に対してリダイヤルを行うことができるようにされる。
【0102】
この場合、例えば、IP電話機1(1)のユーザがオフフックするなどの所定の動作を行うことにより、かけ直しメモリ123の情報に基づいて、自動的に目的とする相手先であるIP電話機1(11)に対して自動的にリダイヤルを行うようにすることができる。もちろん、IP電話機1(1)のユーザが、リダイヤルのタイミングになったことが報知された場合に、操作入力部107を通じて目的とする相手先であるIP電話機1(11)の内線番号を入力してかけ直すこともできる。
【0103】
このように、発信元のIP電話機1(1)は、目的する相手先のIP電話機1(11)が電話中のときに内線電話をかけてしまった場合であっても、簡単な操作によって、かけ直し設定を行うことができるようにされる。そして、当該かけ直し設定に基づいて、プレゼンスサーバ3と協働することによって、IP電話機1(11)の通話が終了した直後のタイミングを、かけ直しタイミングの到来として、発信元のIP電話機1(1)に通知することができるようにされる。したがって、相手先のIP電話機の状態に応じたかけ直し設定を行って、相手先のIP電話機のユーザと通話できる可能性の高いタイミングでかけ直しを行うことができるようにされる。
【0104】
[相手先が会議中で不在中であった場合のシーケンス]
次に、相手先のIP電話機1(11)のユーザが15時まで会議中で不在となり電話に出られない場合について説明する。図11は、この実施の形態の電話システムにおいて、IP電話機1(1)からIP電話機1(11)に内線電話をかけたが、相手先(着信先)のIP電話機1(11)のユーザが15時まで会議中である状態情報が設定されていた場合における関連する機器間の処理手順を説明するためのシーケンスである。図11に示すように、IP電話機1(11)においては、ユーザからの指示に応じた制御部130の制御によって、自機の状態管理メモリ122に15時まで会議中であることを示す情報が設定されているものとする。
【0105】
すなわち、図3に示した状態管理メモリ122において、状態情報が「会議」となり、終了日時に終了予定時刻が当日の15時であることを示す「2010年2月1日、15時」と言う情報が入力され、設定日時に当該設定を行った時点を示す日時情報が入力される。なお、この例の場合、会議はすぐに行われため、開始日時は更新されず、例えば、初期値「0(ゼロ)」のままとされているものとする。また、この場合、プレゼンスサーバ3に対しても自機(IP電話機1(11))のユーザが15時まで会議中になったことが登録される。しかし、上述もしたように、この例においても、相手先(着信先)の状態を一番正確に把握しているのは着信先であるため、着信先に対して状態の確認を行うようにしている。
【0106】
そして、発信元となるIP電話機1(1)から相手先となるIP電話機1(11)に対して内線電話をかける操作が行われると、発信元のIP電話機1(1)は、IP電話機1(11)宛てのINVITE(呼び出し)メッセージを形成し、これを相手先のIP電話機1(11)に送信する。この場合、相手先のIP電話機1(11)は、上述したように15時まで会議中であることが状態管理メモリ122に登録されている。このため、相手先のIP電話機1(11)は、INVITEメッセージを受信すると、IP電話機1(1)宛ての応答できないことを通知するBUSY(応答不可)メッセージを形成して送信してくる。
【0107】
発信元のIP電話機1(1)は、相手先のIP電話機1(11)が応答できないことは認識できるが、なぜ応答できないのかが不明である。このため、発信元のIP電話機1(1)は、プレゼンスサーバ3宛てのIP電話機1(11)の状態を問い合わせるためのSUBSCRTBE(情報提供要請)メッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に送信する。当該メッセージを受信したプレゼンスサーバ3は、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))を発信元のIP電話機1(1)に送信する。
【0108】
そして、プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(1)からのSUBSCRIBEメッセージに応じて、相手先のIP電話機1(11)宛ての状態情報の提供を要請するSUBSCRIBEメッセージを形成して、これをIP電話機1(11)に送信する。当該メッセージを受信したIP電話機1(11)は、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。また、IP電話機1(11)は、プレゼンスサーバ3宛ての自機のユーザが15時まで会議中であることを示すNOTIFY(情報提供)メッセージを形成し、これを要求元のプレゼンスサーバ3に送信する。
【0109】
プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(11)からの当該NOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をIP電話機1(11)に送信する。そして、プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(11)のユーザは15時まで会議中であることを示すIP電話機1(1)宛てのNOTIFYメッセージを形成し、これを発信元のIP電話機1(1)に送信する。
【0110】
発信元であるIP電話機1(1)は、プレゼンスサーバ3からの当該NOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。そして、発信元のIP電話機1(1)は、相手先のIP電話機1(11)のユーザの状態を例えばディスプレイ110に表示するなどしてユーザに通知する。IP電話機1(1)のユーザは、相手先であるIP電話機1(11)のユーザの状態を確認し、かけ直し設定のパターンを選択すると共に、必要な場合にはかけ直し時刻の設定を行う。
【0111】
発信元のIP電話機1(1)は、ユーザからの指示情報に基づき、プレゼンスサーバ3宛てのかけ直し設定を行うことを指示するNOTIFYメッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に送信する。プレゼンスサーバ3は、かけ直し設定を行うことを指示するNOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))を発信先のIP電話機1(1)に送信する。
【0112】
そして、発信元のIP電話機1(1)は、かけ直し制御部124の機能により、ユーザの指示に応じたパターンのかけ直し設定を、自己のかけ直しメモリ123に対して行う。また、プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(1)からのかけ直し設定を行うことを指示するNOTIFYメッセージに応じて、プレゼンス情報記憶部304のIP電話機1(11)のプレゼンス情報に、発信元であるIP電話機1(1)のかけ直し設定を行う。
【0113】
ここで、IP電話機1(1)のかけ直しメモリ123とプレゼンスサーバ3のプレゼンス情報記憶部304には、IP電話機1(11)が会議中から在席になるか、現在時刻が15時以降になった場合に、IP電話機1(1)におけるIP電話機1(11)へのかけ直しタイミングとなるかけ直し設定がされたとする。このように、在席になったタイミングだけでなく、15時以降のタイミングを内線電話のかけ直しタイミングとするのは、会議終了後に在席になったことを、IP電話機1(11)のユーザが設定しなおす操作を忘れるなどのことがあるためである。
【0114】
具体的に、発信元のIP電話機1(1)のかけ直しメモリ123には、図5に示した状態の相手先の端末識別情報が「11」であるIP電話機に対するかけ直し設定と同様の設定がなされる。この場合には、相手先がIP電話機1(11)であるので、相手先の端末識別情報が内線番号「11」となり、かけ直し条件が「在席または15:00〜(15時以降の所定の時刻)」となり、設定日時が設定を行った日時を示す情報となる。また、プレゼンスサーバ3のプレゼンス情報記憶部304には、図7に示した状態の端末識別情報が「11」である場合のかけ直しに関する情報と同等の情報が、相手先であるIP電話機1(11)に対応し、端末識別情報が「11」のかけ直しに関する情報に更新される。具体的には、発信元識別情報がIP電話機1(1)の内線番号に対応して「1」となり、かけ直し条件が「在席または15:00〜(15時以降の所定の時刻)」になる。ここで、15時以降の所定の時刻は、例えば、15時ちょうど、15時の5分後、10分後などのように決められる時刻である。
【0115】
この後、相手先であるIP電話機1(11)において、会議から戻ったIP電話機1(11)のユーザが、IP電話機1(11)に対して操作を行うことにより、会議中である設定から在席である設定に変更するようにしたとする。この場合、IP電話機1(11)は、プレゼンスサーバ3宛ての在席になったことを通知するNOTIFYメッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に送信する。プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(11)からの在席になったことを示すNOTIFYメッセージを受信すると、プレゼンス情報記憶部304に保持されているIP電話機1(11)のプレゼンス情報を確認する。この場合、当該プレゼンス情報には、発信元であるIP電話機1(1)についてのかけ直し設定がなされている。このかけ直し設定は、上述もしたように、IP電話機1(11)が在席になるか、現在時刻が15以降になったタイミングが、IP電話機1(1)におけるIP電話機1(11)へのかけ直しタイミングとするものである。
【0116】
このため、プレゼンスサーバ3は、発信元のIP電話機1(1)に対して、IP電話機1(11)のユーザが在席になったことを通知するNOTIFYメッセージを形成し、これを発信元のIP電話機1(1)に送信する。IP電話機1(1)は、プレゼンスサーバ3からIP電話機1(11)の在席になったことを示すメッセージを受信すると、当該メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。この後、発信元のIP電話機1(1)は、かけ直し制御部124の機能により、IP電話機1(11)に対するリダイヤルのタイミングになったことをディスプレイ110に表示したり、リンガ111から所定のパターンの報知音を放音したりする。これにより、IP電話機1(1)のユーザに、IP電話機1(11)へのかけ直しのタイミングになったことが報知される。そして、IP電話機1(1)のユーザが、所定の動作を行うことにより、相手先であるIP電話機1(11)に対してかけ直しを行うことができるようにされる。
【0117】
この場合、例えば、IP電話機1(1)のユーザがオフフックするなどの所定の動作を行うことにより、かけ直しメモリ123の情報に基づいて、自動的に目的とする相手先であるIP電話機1(11)に対して自動的にリダイヤルを行うようにすることができる。もちろん、IP電話機1(1)のユーザが、リダイヤルのタイミングになったことが報知された場合に、操作入力部107を通じて目的とする相手先であるIP電話機1(11)の内線番号を入力してかけ直すこともできる。
【0118】
また、IP電話機1(11)のユーザが出席していた会議が15時には終了し、IP電話機1(11)のユーザはすぐに自分の席に戻り仕事を開始したが、IP電話機1(11)を通じて会議終了後に在席になったことを設定しなおす操作を忘れたとする。しかし、発信元1(1)のかけ直しメモリ123には、15時以降にIP電話機1(11)に内線電話をかけ直すことの設定がなされている。このように、かけ直しメモリ123に情報が設定されているIP電話機のかけ直し制御部124は、時計回路125の現在時刻に基づいて、かけ直しメモリ123に設定されているかけ直し時刻の到来を監視している。
【0119】
そして、かけ直し制御部124は、かけ直しメモリ123に設定されているかけ直し時刻の到来を検知すると、IP電話機1(11)に対するかけ直しのタイミングになったことをディスプレイ110に表示したり、リンガ111から所定のパターンの報知音を放音したりする。これにより、IP電話機1(1)のユーザに、IP電話機1(11)へのかけ直しのタイミングになったことを報知することができる。そして、上述したように、IP電話機1(1)のユーザが、所定の動作を行うことにより、相手先であるIP電話機1(11)に対してかけ直しを行うことができるようにされる。なお、かけ直し時刻の到来についても、プレゼンスサーバ3から発信元のIP電話機に通知することも可能である。しかし、かけ直し時刻の到来については、発信元のIP電話機で判断した方が、プレゼンスサーバ3の負荷を軽減することができる。
【0120】
このように、発信元のIP電話機1(1)は、目的する相手先のIP電話機1(11)が会議中のときに内線電話をかけてしまった場合であっても、簡単な操作によって、かけ直し設定を行うことができるようにされる。そして、当該かけ直し設定に基づいて、プレゼンスサーバ3と協働することによって、IP電話機1(11)のユーザが在席になった場合を、かけ直しタイミングの到来として、発信元のIP電話機1(1)に通知することができるようにされる。
【0121】
また、IP電話機1(1)は、自機においてかけ直し時刻を管理し、かけ直し時刻が到来した場合に、これを発信元のIP電話機1(1)のユーザに通知することができるようにされる。なお、図5、図7を用いて説明したように、かけ直し条件としてかけ直し時刻のみを設定することも可能である。この場合には、発信元のIP電話機は、プレゼンスサーバ3と協働する必要はなく、自機のかけ直し制御部124と時計回路125の機能により、かけ直しメモリ123に設定したかけ直し時刻の到来を検知した場合に、これをユーザに通知し、かけ直しを行うようにすることができる。
【0122】
このように、相手先のIP電話機の状態に応じたかけ直し設定を行って、相手先のIP電話機のユーザと通話できる可能性の高いタイミングでかけ直しを行うことができるようにされる。
【0123】
[IP電話機1とプレゼンスサーバ3の動作のまとめ]
[相手先(着信先)となるIP電話機1の動作]
上述したように、内線電話の相手先(着信先)となるIP電話機1は、オンフック状態からオフフック状態に変わったり、オフフック状態からオンフック状態にかわったりした場合には、これをプレゼンスサーバ3に通知することができるものである。また、内線電話の相手先(着信先)となるIP電話機1は、ユーザの操作に応じて、ユーザの状態(在席、会議、外出、出張、休憩、休暇、帰宅、…)やその開始時刻、終了時刻をプレゼンスサーバ3に通知することができるものである。このように、内線電話の相手先(着信先)となるIP電話機1は、自機の状態や自機のユーザの状態をユーザの操作に応じて、プレゼンスサーバ3に対して通知することができるものである。
【0124】
[発信元となるIP電話機1の動作]
また、内線電話の発信元となるIP電話機1は、通話を行うことができなかった場合に、上述もしたように、相手先のIP電話機の状態や相手先のIP電話機のユーザの状態に応じて、かけ直し設定を自機とプレゼンスサーバ3とに行うことができるものである。以下、発信元となるIP電話機1の動作について、図12、図13のフローチャートを参照しながら説明する。図12、図13は、発信元となるIP電話機1の動作について説明するためのフローチャートである。
【0125】
図12、図13に示す処理は、いわゆる待ち受け中であるIP電話機1がオフフックするようにされた場合に、IP電話機1の主に制御部130において実行される処理である。まず、制御部130は、オフフックされると、相手先の内線番号の入力を受け付ける(ステップS101)。そして、制御部130は、当該内線番号により特定される相手先(着信先)に対するINVITEメッセージを作成し、これをLAN5を通じて当該相手先に送信する(ステップS102)。なお、IP電話機1から送信するメッセージは、上述もしたように、パケット処理部103でパケット化した後、LANI/F102、LAN接続端子101を通じてLAN5に送出される。
【0126】
そして、制御部130は、相手先のIP電話機からの応答メッセージを受信する(ステップS103)。なお、IP電話機1宛のメッセージは、上述もしたように、LAN接続端子101、LANI/F102を通じて取り込まれ、これがパケット処理部103においてパケット分解され、これが制御部130等のその後の処理回路に供給されて利用される。
【0127】
そして、制御部130は、相手先のIP電話機からの応答メッセージが、BUSY(応答不可)か否かを判断する(ステップS104)。ステップS104の判断処理において、受信した応答メッセージはBUSYではないと判断したときには、制御部130は、当該相手先からの応答に応じて、回線を接続し、通話を行うように各部を制御する(ステップS105)。ステップS104の判断処理において、受信した応答メッセージはBUSYであると判断したときには、相手先の状態を確認するためのプレゼンスサーバ3宛てのSUBSCRIBEメッセージを形成し、これを上述もしたようにしてプレゼンスサーバ3に送信する(ステップS106)。
【0128】
この後、自機からのSUBSCRIBEメッセージに応じて、プレゼンスサーバ3から送信されてくる、相手先の状態を通知するNOTIFYメッセージを上述したようにして受信する(ステップS107)。そして、制御部130は、受信したNOTIFYメッセージの内容を、例えばディスプレイ110に表示して、IP電話機1のユーザに提示(通知)する(ステップS108)。そして、制御部130は、相手先の状態を確認したユーザからのかけ直し条件を、操作入力部107を通じて受け付ける(ステップS109)。ここでは、かけ直し設定を行うか否か、行う場合には、図4を用いて説明したどのパターンのかけ直し設定を行うか、また、かけ直し時間を設定する場合には、そのかけ直し時間の入力も行われる。
【0129】
そして、制御部130は、ステップS109においてかけ直し設定が行うようにされたか否かを判断する(ステップS110)。ステップS110の判断処理において、かけ直し設定を行うようにされていない(かけ直しを行わない)と判断したときには、制御部130は、例えば、開いていたファイルを閉じる(クローズ)するなどの必要な終了処理を行って(ステップS111)、この図12、図13に示す処理を終了する。ステップS110の判断処理において、かけ直し設定は行うようにされた(かけ直しを行う)と判断したときには、ステップS109で受け付けた入力情報に基づいて、自己のかけ直しメモリ123にかけ直し条件等の必要な情報を登録する(ステップS112)。
【0130】
この後、図13の処理に進み、制御部130は、相手先のIP電話機の状態の変化や相手先のIP電話機のユーザの状態変化がかけ直しのタイミング検出の条件になっているか否かを判断する(ステップS113)。すなわち、ステップS113の判断処理は、例えば、通話中から通話終了になった場合をかけ直しのタイミングとしたり、会議中から在席になった場合をかけ直しのタイミングとしたりする設定がされているか否かを判断する処理である。
【0131】
ステップS113の判断処理において、相手先のIP電話機の状態の変化や相手先のIP電話機のユーザの状態変化がかけ直しのタイミング検出の条件になっていると判断したときには、プレゼンスサーバ3に対してかけ直し設定を登録する(ステップS114)。すなわち、制御部130は、プレゼンスサーバ3宛てのかけ直し設定を行うためのメッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に送信する。これにより、プレゼンスサーバ3においては、図7を用いて説明したように、プレゼンス情報記憶部304に対してかけ直し設定が行うようにされる。
【0132】
また、ステップS113の判断処理において、相手先のIP電話機の状態の変化や相手先のIP電話機のユーザの状態変化がかけ直しのタイミング検出の条件になっていない取判断したときには、ステップS115の判断処理を行うようにする。すなわち、この場合には、かけ直し時刻の設定だけであり、プレゼンスサーバ3にかけ直し設定を行う必要は無いので、ステップS114の処理を省略することができる。なお、図7を用いて説明したように、かけ直し時刻だけを設定する場合であっても、これをプレゼンスサーバ3に登録し、プレゼンスサーバ3において、かけ直し設定がされているか否かを管理するように構成することも可能である。
【0133】
このように、ステップS101〜ステップS114までの処理が、発呼元のIP電話機1における自己のかけ直しメモリ123とプレゼンスサーバ3のプレゼンス情報記憶部304へのかけ直し設定を行う処理である。そして、制御部130は、かけ直し制御部124の機能を用いて、かけ直し処理を行うようにする。そのかけ直し処理が、以下に説明するステップS115〜ステップS120の処理である。
【0134】
すなわち、発信元のIP電話機1において、相手先が応答不可であるためにかけ直し設定を行ったとする。この後、当該発信元のIP電話機1のかけ直し制御部124は、自機のかけ直しメモリ123の設定情報を確認し、かけ直し時刻の設定があるか否かを判断すう(ステップS115)。ステップS115の判断処理において、かけ直し時刻の設定がされていると判断したときには、かけ直し制御部124は、時計回路125の現在時刻を参照し、設定されているかけ直し時刻が到来したか否かを判断する(ステップS116)。ステップS116の判断処理において、かけ直し時刻が到来したと判断したときには、ステップS120の処理に進み、かけ直し処理を実行する(ステップS120)。
【0135】
ここでかけ直し処理は、かけ直し制御部124が、制御部130と協働して、まず、かけ直しタイミングが到来したことを、ディスプレイ110へのメッセージ表示やリンガ111のリンガ音によってユーザに通知する。そして、かけ直しタイミングの到来を知ったユーザが、例えばオフフックするなどの所定の操作を行うことによって、図5に示したかけ直しメモリ123に登録された情報のうち、かけ直し条件が満足した情報の相手先の端末識別情報により特定される相手先に内線電話をかける処理を行う。
【0136】
また、ステップS115の判断処理において、かけ直し時刻の設定がはされていないと判断した場合、及び、ステップS116の判断処理において、かけ直し時刻は到来していないと判断した場合には、ステップS117の判断処理を行う。すなわち、かけ直し制御部124は、自機のかけ直しメモリ123の設定情報を確認し、相手先のIP電話機や当該IP電話機のユーザの状態の変化を確認する必要があるか否かを判断する(ステップS117)。ステップS117の判断処理において、相手先のIP電話機や当該IP電話機のユーザの状態の変化を確認する必要はないと判断したときには、かけ直し時刻の設定だけであるので、ステップS115からの処理を繰り返す。
【0137】
ステップS117の判断処理において、相手先のIP電話機や当該IP電話機のユーザの状態の変化を確認する必要があると判断したときには、かけ直し制御部124は制御部130と協働し、ステップS118の処理を行う。この場合、かけ直し制御部124は、プレゼンスサーバ3からの目的とする相手先からの状態が変化したことの通知を受信するようにする(ステップS118)。そして、目的とする相手先からの状態が変化したことの通知を受信したか否かを判断し(ステップS119)、受信したと判断したときには、上述もしたかけ直し処理を実行する(ステップS120)。ステップS119の判断処理において、まだ受信していないと判断したときには、ステップS115からの処理を繰り返す。
【0138】
このように、この実施の形態のIP電話機1は、自機が発信元となって内線電話をかけ、相手先と通話できなかった場合には、当該相手先の状態に応じてかけ直し設定をプレゼンスサーバ3に対して行うことができるようにされる。そして、プレゼンスサーバ3を通じて提供される相手先の状態が変化したことの通知に応じて、かけ直しタイミングを通知し、かけ直しを行うことができるようにされる。
【0139】
[プレゼンスサーバ3の動作]
この実施の形態のプレゼンスサーバ3は、上述もしたように、発信元のIP電話機1からの要求に応じて、自機のプレゼンス情報記憶部304にかけ直し設定を行うことができる。そして、プレゼンスサーバ3は、自機のプレゼンス情報記憶部304のかけ直し設定と、相手先のIP電話機からの状態が変化したことの通知に基づいて、発信元のIP電話機1に対して、かけ直しのタイミングの到来を通知することができるものである。以下、プレゼンスサーバ3の動作について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。図14は、プレゼンスサーバ3の動作を説明するためのフローチャートである。
【0140】
図14に示す処理は、プレゼンスサーバ3の主に制御部310において常時行うようにされている処理である。まず、制御部310は、自機宛のメッセージを受信する(ステップS201)。プレゼンスサーバ3宛てのメッセージは、上述もしたように、LAN接続端子301、LANI/F302を通じて取り込まれ、これがメッセージ処理部303においてパケット分解され、これが制御部310に供給されて利用される。そして、制御部310は、自機宛のメッセージを受信したか否かを判断する(ステップS202)。ステップS202の判断処理において、自機宛のメッセージを受信していないと判断したときには、ステップS201からの処理を繰り返す。
【0141】
ステップS202の判断処理において、自機宛のメッセージを受信したと判断したときには、制御部310は、その受信したメッセージは、相手先の状態確認要請か否かを判断する(ステップS203)。ステップS203の判断処理において、受信した自機宛のメッセージが相手先の状態確認要請であると判断したときには、目的とする相手先に対して、状態を問い合わせるメッセージを形成し、これを当該相手先に送信する(ステップS204)。なお、プレゼンスサーバ3から送信するメッセージは、上述もしたように、メッセージ処理部303でパケット化した後、LANI/F302、LAN接続端子301を通じてLAN5に送出される。
【0142】
この後、制御部310は、目的とする相手先からの状態を通知するメッセージを受信する(ステップS205)。そして、制御部310は、要求元のIP電話機1に対して、相手先のIP電話機の状態を通知し(ステップS206)、当該要求元のIP電話機1からのかけ直し設定を受信する(ステップS207)。そして、制御部310は、要求元のIP電話機1からのかけ直し設定を受信したか否かを判断し(ステップS208)、受信したと判断したときには、自機のプレゼンス情報記憶部304の該当するかけ直しに関する情報のエリアにかけ直し設定を行う(ステップS209)。この後、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS208の判断処理において、かけ直し設定を受信していないと判断したときには、かけ直し設定は行われなかったと判断し、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。
【0143】
また、ステップS203の判断処理において、受信した自機宛のメッセージが相手先の状態確認要請ではないと判断したときには、受信した自機宛のメッセージは、通話が終了したこと、または、在席になったことを通知するメッセージか否かを判断する(ステップS210)。ステップS210の判断処理において、受信したメッセージは、通話が終了したこと、または、在席になったことを通知するメッセージではないと判断したときには、当該受信したメッセージに応じた処理を実行する(ステップS211)。例えば、会議や外出といった状態が変化したことを通知するメッセージの場合には、プレゼンス情報記憶部304の状態管理情報を更新する処理が行われる。
【0144】
また、ステップS210の判断処理において、受信したメッセージが、通話が終了したこと、または、在席になったことを通知するメッセージであると判断したときには、プレゼンス情報記憶部304の当該送信元についてのかけ直し設定との付け合せを行う(ステップS212)。そして、制御部310は、かけ直しのタイミングが到来したか否かを判断する(ステップS213)。ステップS213の判断処理において、かけ直しタイミングが到来したと判断したときには、かけ直しタイミングが到来した当該かけ直し設定を行った発信元のIP電話機1に対して、相手先の状態が変化したことを通知する(ステップS214)。すなわち、当該かけ直し設定を行った当該発信元のIP電話機1に対して、目的とする相手先の状態が変化したことを通知するメッセージを形成し、これを当該発信元のIP電話機1に対して送信する。
【0145】
このステップS214の処理の後、また、ステップS213の判断処理において、かけ直しタイミングは到来していない(当該相手先に対するかけ直し設定は行われていない)と判断したときには、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。このように、実施の形態のプレゼンスサーバ3は、単にプレゼンス機能を実現するだけのものではない。内線電話をかけた発信元からのかけ直し設定を受け付けるとともに、当該内線電話の相手先(着信先)からの状態の変化通知を受け付け、これらに基づいて、発信元のIP電話機1に対してかけ直しタイミングの到来を通知することができるものである。
【0146】
[パソコン2との連携]
図1を用いて説明したように、この実施の形態の電話システムの場合、LAN5にはパソコン2(1)、2(2)、…が接続されている。これらのパソコン2(1)、2(2)、…のそれぞれは、上述もしたように、IP電話機とペアになって、内線電話のかけ直しタイミングの通知や設定を行う連携通信端末としての機能をも実現することができるものである。以下においては、パソコン(1)、2(2)、…のそれぞれが、対応するIP電話機1と連携する場合について説明する。なお、パソコン(1)、2(2)、…のそれぞれは、同様に構成され、同様の機能を実現するものである。このため、以下においては、パソコン(1)、2(2)、…のそれぞれをパソコン2と総称する。
【0147】
[パソコン2の構成と動作概要]
図15は、この実施の形態の電話システムで用いられるパソコン2を説明するためのブロック図である。この実施の形態のパソコン2は、この発明による連携通信端末の一実施の形態が適用されたものである。図15に示すように、パソコン2は、LAN接続端子201、LANI/F202、メッセージ処理部203、登録情報生成部204、通知設定生成部205、ハードディスクドライブ(以下、HDDと略称する。)206、操作入力部207、操作入力I/F208、ディスプレイコントローラ209、ディスプレイ210、制御部220を備えたものである。
【0148】
制御部220は、パソコン2の各部を制御するものであり、CPU221、ROM222、RAM223、EEPROM224が、CPUバス225を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU221は、ROM222に記憶保持されているプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成してこれを各部に供給したり、また、各部から供給されるデータを処理したりするものである。ROM222は、上述のように、CPU221で実行される種々のプログラムや処理に必要になる各種のデータが記憶保持されたものである。また、RAM223は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。また、EEPROM224は、いわゆる不揮発性メモリであり、電源が落とされても保持しておくべきデータがプログラムが格納される。
【0149】
そして、パソコン2宛てのメッセージは、LAN接続端子201を通じて受け付けられ、LANI/F202に供給される。LANI/F202は、LAN接続端子201からのメッセージを自機において処理可能な形式のものに変換し、これをメッセージ処理部203に供給する。メッセージ処理部203は、LANI/F202からのパケット化されたメッセージをパケット分解して、種々データを抽出して、これを制御部220に供給する。これにより、制御部220は受信した自機宛のメッセージに応じた処理を実行することができるようにされる。
【0150】
また、制御部220等において形成された送信すべきデータは、メッセージ処理部203に供給され、ここでパケット化されてLANI/F202に供給される。LANI/F202は、メッセージ処理部203からのパケット化された送信すべきデータからLAN5に送出する送信用データを形成し、これをLAN接続端子201を通じてLAN5に送出し、目的とする相手先に送信する。このように、この実施の形態のパソコン2は、LAN5を通じてデータの送受を行うことができるものである。
【0151】
また、操作入力部207は、アルファベットキー、数字キー、種々のファンクションキー等を備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換して操作入力I/F208に供給することができるものである。操作入力I/F208は、操作入力部207からのユーザの操作入力に応じた電気信号から、制御部220に対して供給する信号を形成しこれを制御部220に供給する。これにより、操作入力部207を通じて受け付けたユーザからの操作入力に応じて、制御部220が各部を制御し、ユーザの操作入力に応じた処理を実行することができるようにされる。
【0152】
また、ディスプレイコントローラ209は、制御部220を通じて表示データの供給を受け、この表示データからディスプレイ210に供給する映像信号を形成し、これをディスプレイ210に供給する。ディスプレイ210は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の比較的に表示画面の大きな表示素子を有するものであり、ディスプレイコントローラ209の制御に応じて、画像を自己の表示素子の表示画面に表示することができるものである。また、HDD206は、上述もしたように、記録媒体としてハードディスクを備えたものであり、制御部220からの種々のデータの供給を受けて、これをハードディスクに記録したり、制御部220の制御に応じて、ハードディスクに記録されているデータを読み出して制御部220に供給したりすることができるものである。
【0153】
そして、この実施の形態のパソコン2の登録情報生成部204は、後述もするが、制御部220の制御に応じて、プレゼンスサーバ3に対して、目的とするIP電話機に当該パソコン2を対応付けるようにするための登録情報を生成する。登録情報生成部204において生成された登録情報は、メッセージ処理部203においてパケット化されて、LANI/F202、LAN接続端子201を通じてLAN5に送出され、プレゼンスサーバ3に送信される。これに応じて、プレゼンスサーバ3において、対応付け情報が作成されて、これが端末対応付け情報記憶部305に記録されることになる。
【0154】
また、通知設定生成部205は、操作入力を通じて受け付けた操作入力に応じた制御部220の制御に基づいて、プレゼンスサーバ3や発信元のIP電話機1に対するかけ直し設定(かけ直し設定情報)を生成する。通知設定生成部205において生成されたかけ直し設定は、メッセージ処理部203においてパケット化されて、LANI/F202、LAN接続端子201を通じてLAN5に送出され、プレゼンスサーバ3に送信される。これに応じて、プレゼンスサーバ3や発信元のIP電話機1において、プレゼンス情報記憶304やかけ直しメモリ123に対してかけ直し設定が行うようにされる。なお、図15に示した登録情報生成部204や通知設定生成部205の機能は、制御部220で実行されるプログラムによって、制御部220の機能として実現することもできる。
【0155】
[パソコン2が連携する場合のシーケンス]
そして、図15を用いて説明した構成のパソコン2を連携されるこの例の場合、プレゼンスサーバ3において、IP電話機1とパソコン2との対応付けが行われるようにされる。この実施の形態の場合には、プレゼンスサーバ3の上述した端末対応付け情報記憶部305において、LAN5に接続されたIP電話機と、これに対応付けられるLAN5に接続されたパソコンとが管理される。より具体的には、LAN5に接続されたIP電話機のそれぞれの端末識別情報と、LAN5に接続されたパソコンの端末識別情報とを対応付けて管理することができるようにしている。このように、端末対応付け情報記憶部305においては、IP電話機1とパソコン2との対応付けだけを管理する対応付け管理表が形成される。
【0156】
以下においては、IP電話機1とパソコン2とが連携する場合のこの電話システムの各機器間の処理シーケンスについて説明する。なお、以下に説明する例においても、発信元のIP電話機を内線番号が「1」であるIP電話機1(1)とし、相手先(着信先)のIP電話機を内線番号が「11」であるIP電話機1(11)として説明する。また、発信元のIP電話機1(1)に対応付けられるパソコン2は、パソコン2(1)であるものとして説明する。
【0157】
図16〜図18は、発信元のIP電話機1(1)とこれに対応付けられたパソコン2(1)とが連携して、かけ直しを行うようにする場合における関連する機器間の処理手順を説明するためのシーケンス図である。この例の場合、プレゼンスサーバ3において、IP電話機1(1)にパソコン2(1)を対応付けるようにする必要がある。そこで、図16に示すように、パソコン2(1)は、まず、IP電話機と連携してかけ直し設定を行ったり、かけ直しタイミングの到来の通知を受けたりするための専用アプリケーションを起動する。
【0158】
そして、パソコン2(1)は、登録情報生成部204の機能を用いて、操作入力部207を通じてユーザから指示された目的とするIP電話機と対応付けられてプレゼンスサーバ3において管理できるようにするためのプレゼンスサーバ3宛てのREGISTER(登録要求)を形成し、これをプレゼンスサーバ3に対して送信する。さらに、パソコン2(1)は、対応付けを希望するIP電話機1(1)の状態情報の提供を要請するプレゼンスサーバ3宛てのSUBSCRIBEメッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に送信する。プレゼンスサーバ3は、当該メッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をパソコン2(1)に送信する。
【0159】
この後、プレゼンスサーバ3は、パソコン2(1)からの要求に応じて、IP電話機1(1)の状態情報の提供を要請するIP電話機1(1)宛てのSUBSCRIBEメッセージを形成し、これをIP電話機1(1)に送信する。IP電話機1(1)は、当該メッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。さらに、IP電話機1(1)は、自己の現在の状態情報を提供するプレゼンスサーバ3宛てのNOTIFYメッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に送信する。この例の場合、IP電話機1(1)の状態管理メモリ122においては、ユーザは現在在席であることが管理されているため、IP電話機1(1)のユーザは在席であることを示すメッセージがプレゼンスサーバ3に送信される。プレゼンスサーバ3は、当該メッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をIP電話機1(1)に送信する。
【0160】
そして、プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(1)の現在の状態を提供するパソコン2宛てのNOTIFYメッセージ(IP電話機1(1)のユーザは在席していることを示すメッセージ)を形成し、これを要求元のパソコン2(1)に送信する。パソコン2(1)は、当該メッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。
【0161】
この一連の手続が終了すると、プレゼンスサーバ3の端末対応付け情報記憶部305において、IP電話機1(1)とパソコン2(1)とが関連付けられて管理することができるようにされる。そして、図16に示した例の場合にも、図10も用いて説明した場合と同様に、相手先となるIP電話機1(11)においては、ユーザからの指示に応じた制御部130の制御によって、自機の状態管理メモリ122に15時まで会議中であることを示す情報が設定されているものとする。
【0162】
この状態にあるときに、発信元となるIP電話機1(1)から相手先となるIP電話機1(11)に対して内線電話をかける操作が行われたとする。すると、図17に示すように、発信元のIP電話機1(1)は、IP電話機1(11)宛てのINVITE(呼び出し)メッセージを形成し、これを相手先のIP電話機1(11)に送信する。この場合、相手先のIP電話機1(11)は、上述したように15時まで会議中であることが状態管理メモリ122に登録されている。このため、相手先のIP電話機1(11)は、INVITEメッセージを受信すると、IP電話機1(1)宛ての応答できないことを通知するBUSY(応答不可)メッセージを形成して送信する。
【0163】
この例の場合、発信元のIP電話機1(1)は、プレゼンスサーバ3の端末対応付け情報管理部305の自機の情報を確認することにより、自機がパソコン2(1)と対応付けられたことを把握することができる。なお、図15を用いて説明したパソコン2(1)のREGISTERメッセージから始まる一連の処理において、例えば、プレゼンスサーバ3を介してパソコン2(1)からIP電話機1(1)に送信される要求に応じて、IP電話機1(1)の例えば不揮発性メモリにおいて、自機に対応付けられたパソコンがあるときには、これを管理するようにすることもできる。
【0164】
そして、発信元のIP電話機1(1)は、自機に対応付けられたパソコンが存在しない場合には、パソコン2が連携することのない図11を用いて説明した処理を行うことになる。しかし、この例の場合、IP電話機1(1)には、パソコン2(1)が対応付けられている。このため、IP電話機1(1)は、IP電話機1(11)が応答できないことを通知するプレゼンスサーバ3宛てのBUSY(応答不可)メッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に送信する。プレゼンスサーバ3は、当該メッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をIP電話機1(1)に送信する。
【0165】
そして、プレゼンスサーバ3は、端末対応付け情報記憶部305の情報を確認し、IP電話機1(11)は応答できないことを通知するパソコン2(1)宛てのBUSY(応答不可)メッセージを形成し、これを発信元のIP電話機1(1)に対応付けられているパソコン2(1)に送信する。パソコン2(1)は当該メッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。さらに、パソコン2(1)は、相手先のIP電話機1(11)が応答できないことは認識できるが、なぜ応答できないのかが不明である。このため、パソコン2(1)は、プレゼンスサーバ3宛てのIP電話機1(11)の状態を問い合わせるためのSUBSCRTBE(情報提供要請)メッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に送信する。当該メッセージを受信したプレゼンスサーバ3は、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をパソコン2(1)に送信する。
【0166】
そして、プレゼンスサーバ3は、パソコン2(1)からのSUBSCRIBEメッセージに応じて、相手先のIP電話機1(11)宛ての状態情報の提供を要請するSUBSCRIBEメッセージを形成して、IP電話機1(11)に送信する。当該メッセージを受信したIP電話機1(11)は、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。また、IP電話機1(11)は、自機のユーザが15時まで会議中であることを示すプレゼンスサーバ3宛てのNOTIFY(情報提供)メッセージを形成し、これを要求元のプレゼンスサーバ3に送信する。
【0167】
プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(11)からの当該NOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をIP電話機1(11)に送信する。そして、プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(11)のユーザが15時まで会議中であることを示すパソコン2(1)宛てのNOTIFYメッセージを形成し、これを発信元のIP電話機1(1)に対応付けられているパソコン2(1)に送信する。そして、IP電話機1(1)に対応付けられているパソコン2(1)は、プレゼンスサーバ3からの当該NOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。
【0168】
そして、図18の処理に進み、パソコン2(1)は、相手先のIP電話機1(11)のユーザの状態を例えばディスプレイに表示するなどしてユーザに通知する。パソコン2(1)のユーザは、相手先であるIP電話機1(11)のユーザの状態を確認し、かけ直し設定のパターンを選択すると共に、必要な場合にはかけ直し時刻の設定を行う。
【0169】
パソコン2(1)は、通知設定生成部205の機能を用いて、ユーザからの指示情報に基づき、かけ直し設定をプレゼンスサーバ3に対して行うことを指示するNOTIFYメッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に送信する。プレゼンスサーバ3は、かけ直し設定を行うことを指示するNOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をパソコン2(1)に送信する。
【0170】
そして、プレゼンスサーバ3は、パソコン2(1)からのかけ直し設定を行うことを指示するNOTIFYメッセージに応じて、プレゼンス情報記憶部304のIP電話機1(11)のプレゼンス情報に、発信元であるIP電話機1(1)のかけ直し設定を行う。この場合、プレゼンスサーバ3のプレゼンス情報記憶部304には、IP電話機1(11)が会議中から在席になった場合に、IP電話機1(11)へのかけ直しタイミングとなるかけ直し設定がされるものとする。
【0171】
この後、相手先であるIP電話機1(11)において、会議から戻ったIP電話機1(11)のユーザが、IP電話機1(11)に対して操作を行うことにより、会議中である設定から在席である設定に変更する操作を行ったとする。この場合、IP電話機1(11)においては在席になったことを通知するプレゼンスサーバ3宛てのNOTIFYメッセージが形成され、これがプレゼンスサーバ3に送信される。プレゼンスサーバ3は、当該メッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をIP電話機1(11)に送信する。
【0172】
さらに、プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(11)からの在席になったことを示すNOTIFYメッセージを受信すると、プレゼンス情報記憶部304に保持されているIP電話機1(11)のプレゼンス情報を確認する。この場合、当該プレゼンス情報には、発信元であるIP電話機1(1)についてのかけ直し設定がなされている。このかけ直し設定は、上述もしたように、IP電話機1(11)が在席になったタイミングが、IP電話機1(1)におけるIP電話機1(11)へのかけ直しタイミングとするものである。
【0173】
このため、プレゼンスサーバ3は、端末対応付け記憶部305のIP電話機1(1)の情報を確認する。この場合、IP電話機1(1)には、パソコン2(1)が対応付けられているので、プレゼンスサーバ3は、パソコン2(1)宛てのIP電話機1(11)のユーザが在席になったことを通知するNOTIFYメッセージを形成し、これをパソコン2(1)に送信する。パソコン2(1)は、プレゼンスサーバ3からIP電話機1(11)の在席になったことを示すメッセージを受信すると、当該メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。
【0174】
この後、パソコン2(1)は、発信元のIP電話機1(1)の相手先であるIP電話機1(11)のユーザが在席となったため、IP電話機1(11)に対してかけ直しのタイミングが到来したことを通知するポップアップ表示を自機のディスプレイに行う。これにより、IP電話機1(1)のユーザは、IP電話機1(1)に対応付けられたパソコン2(1)を通じて、IP電話機1(11)へのリダイヤルのタイミングになったことを知ることができる。
【0175】
このように、図16〜図18を用いて説明した例の場合、IP電話機1(1)からIP電話機1(11)に内線電話をかけて、相手と通話できなかった場合に、IP電話機1(1)に対応付けられるパソコン2(1)を通じてプレゼンスサーバ3にかけ直し設定を行うことができる。そして、相手先(着信先)であるIP電話機1(11)の状態やIP電話機1(11)のユーザの状態が変化した場合に、これをプレゼンスサーバ3が発信元のIP電話機1(1)に対応付けられたパソコン2(1)に対して通知することができるようにされる。
【0176】
これにより、パソコン2(1)を通じて、IP電話機1(1)のユーザにIP電話機1(11)へのかけ直しタイミングの到来を通知することができる。したがって、発信元のIP電話機1(1)のユーザが、IP電話機1(1)のそばにいない場合に、パソコン2(1)がLAN5に接続可能な場所にいれば、パソコン2(1)を通じてIP電話機1(11)へのかけ直しタイミングの到来を知ることができるようにされる。
【0177】
そして、IP電話機1(1)のユーザがIP電話機1(1)を通じてIP電話機1(11)に対してかけ直しを行うようにすることができる。また、詳しくは、後述するように、パソコン2(1)からIP電話機1(11)に発信を行うようにして、IP電話機1(1)とIP電話機1(11)との間に通信回線を接続し、通話を行うようにすることもできる。
【0178】
[パソコン2(1)からの内線電話のかけ直し処理]
次に、図16〜図18を用いて説明した例において、相手先の状態が変化したことの通知を受けたパソコン2(1)からかけ直し操作を行うようにして、IP電話機1(1)からIP電話機1(11)に内線電話をかけ直す場合について説明する。図19は、図16〜図18に示した処理の後、IP電話機1(11)へのかけ直しタイミングの到来をポップアップ表示したパソコン2(1)から操作して、IP電話機1(1)からIP電話機1(11)へかけ直しを行う場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
【0179】
発信元のIP電話機1(1)と対応付けられたパソコン2(1)においては、IP電話機1(1)と対応付けるようにしたことを把握している。また、図16〜図18の処理により、IP電話機1(11)が相手先(着信先)であり、当該IP電話機1(11)へのかけ直しのタイミングが到来したことも認識している。そして、図18に示したように、IP電話機1(11)へのかけ直しタイミングの到来をポップアップ表示によりユーザに通知したのち、ユーザがパソコン2(1)の操作入力部207を通じて、IP電話機1(11)へかけ直しを行うようにする所定の操作を行ったとする。例えば、パソコン2(1)のディスプレイ210に表示されたポップアップ表示において、かけ直しを行うことを指示する選択項目を選択する処理を行ったとする。
【0180】
この場合、パソコン2(1)は、図19において、「Click Dial」が示すように、SIPサーバ4に対して、IP電話機1(1)からIP電話機1(11)に内線電話をかける処理を行うように指示メッセージを出す。この場合、SIPサーバ4は、パソコン2(1)からの指示メッセージに応じて、まず、発信元となるIP電話機1(1)宛てのINVITEメッセージを形成して送信し、IP電話機1(1)の呼び出しを行う。これに応じて、IP電話機1(1)は、呼び出しを行っていることを示すステータス(180(Ringing))をSIPサーバ4に送信する。そして、IP電話機1(1)のユーザがIP電話機1(1)に対して所定のオフフック操作を行うと、IP電話機1(1)は、リクエストが成功したことを示すステータス(200(OK))をSIPサーバ4に送信する。
【0181】
この後、SIPサーバ4は、IP電話機1(1)宛てのACK(確認応答)メッセージを形成し、これを発信元となるIP電話機1(1)に送信する。さらに、SIPサーバ4は、目的とする相手先となるIP電話機1(11)に対して内線電話をかけることを指示するIP電話機1(1)宛てのREFER(転送)メッセージを形成し、これをIP電話機1(1)に送信する。IP電話機1(1)は、REFERメッセージを受理したが、処理は完了していないことを示すSIPサーバ4宛てのステータス(202(Accepted))を形成し、これをSIPサーバ4に送信する。
【0182】
そして、IP電話機1(1)はSIPサーバ4からの転送要求に応じて、目的とする相手先であるIP電話機1(11)宛てのINVITEメッセージを形成し、これをIP電話機1(11)に送信して呼び出しを行う。これに応じて、IP電話機1(11)は、呼び出しを行っていることを示すステータス(180(Ringing))をIP電話機1(1)に送信する。そして、IP電話機1(11)のユーザがIP電話機1(11)に対してオフフック操作を行うと、IP電話機1(11)は、リクエストが成功したことを示すステータス(200(OK))をIP電話機1(1)に送信する。これに応じて発信元となるIP電話機1(1)は、相手先のIP電話機1(11)に対してACK(確認応答)メッセージを送信する。
【0183】
そして、発信元となるIP電話機1(1)は、SIPサーバ4宛てのIP電話機1(11)と接続するようにされたことを通知するNOTIFYメッセージを形成し、これをSIPサーバ4に送信する。SIPサーバ4は、当該メッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をIP電話機1(1)に送信する。さらに、SIPサーバ4は、発信元となるIP電話機1(1)宛てのBYE(切断要求)メッセージを形成し、これをIP電話機1(1)に送信する。IP電話機1(1)は、当該メッセージを受信した場合に、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をSIPサーバ4に送信する。これによって、SIPサーバ4とIP電話機1(1)との通信回線は切断される。そして、IP電話機1(1)とIP電話機1(11)との間に通信回線が接続されて、発信元のIP電話機1(1)と相手先のIP電話機1(11)との間において通話を行うことができるようにされる。
【0184】
このように、発信元のIP電話機1(1)に対応付けられたパソコン2(1)からかけ直しの操作を行うことにより、IP電話機1(1)からIP電話機1(11)へのかけ直しを行うことができるようにされる。なお、ここでは、パソコン2(1)を通じて、発信元のIP電話機1(1)から相手先のIP電話機1(11)に内線電話をかけ直す場合を説明した。しかしこれに限るものではない。例えば、パソコン2(1)をIP電話機1(1)から離れた例えば会議室などでLAN5に接続して使用している場合に、IP電話機1(11)のかけ直しタイミングが到来する場合もある。この場合には、パソコン2(1)を通じて、発信元となるIP電話機をIP電話機1(1)から近傍にあるIP電話機に変えるように指示する。これにより、図19に示したシーケンス図において、IP電話機1(1)が当該指示されたIP電話機となって、当該指示されたIP電話機から目的とするIP電話機1(11)に内線電話をかけ直すようにすることもできる。
【0185】
[かけ直し時間の設定を行う場合]
図16〜図18を用いて説明した例の場合、かけ直し設定は、相手先であるIP電話機1のユーザの状態が変化した場合(例えば、会議から在席に変化した場合)をかけ直しタイミングとなるようにプレゼンスサーバ3にかけ直し条件を設定するようにした。しかし、パソコン2と連携する場合であっても、かけ直し時間の設定を行うようにすることもできる。かけ直し時間の管理は、上述もしたように、発信元となったIP電話機1で行われる。
【0186】
この場合に、発信元となったIP電話機1に対するかけ直し時間の設定は、当該発信元となったIP電話機1を通じて行うか、また、発信元のIP電話機1に対応付けられたパソコン2を通じて行うようされる。以下においては、IP電話機1とパソコン2とが連携する場合であって、かけ直し時間の設定を発信元のIP電話機1を通じて行う場合と、発信元のIP電話機1に対応付けられたパソコン2を通じて行う場合について説明する。
【0187】
[発信元のIP電話機1からかけ直し時間設定を行う場合]
まず、発信元のIP電話機1からかけ直し時間設定を行う場合について説明する。図20は、発信元のIP電話機1からかけ直し時間設定を行う場合について説明するためのシーケンス図である。この例の場合にも、図16を用いて説明したように、パソコン2(1)からのREGSTERメッセージに応じて、プレゼンスサーバ3の端末対応付け情報記憶部305において、IP電話機1(1)とパソコン2(1)とが対応付けられて管理するようにされている。そして、図16に示した処理の後、発信元のIP電話機1(1)から目的とする相手先であるIP電話機1(11)に対して、INVITEメッセージを送信し、呼び出しを行うようにしたとする。
【0188】
そして、例えば、IP電話機1(11)の状態管理メモリ122の状態情報は在席になっていたものの、IP電話機1(11)のユーザは不在であり、例えば、IP電話機1(11)の近隣の人が、IP電話機1(1)からの呼び出しに応答したとする。そして、IP電話機1(11)のユーザは外出しており、1時間後に戻ってくる予定であるので、かけ直すように要請されたとする。この場合、IP電話機1(11)がオンフックすると、IP電話機1(11)からはIP電話機1(1)宛てのBYE(切断要求)メッセージが形成されて発信元のIP電話機1(1)に送信される。これにより接続された通信回線が切断される。
【0189】
この後、発信元のIP電話機1(1)のユーザは、IP電話機1(1)の操作入力部107を通じて、IP電話機1(11)に対するかけ直し設定を行う。この例の場合、上述したように、IP電話機1(11)のユーザは1時間後に戻る予定であるので、例えば、一時間後の時刻をかけ直し時間(時刻)としてかけ直しメモリ123に設定する。この後、発信元のIP電話機1(1)においては、かけ直しメモリ123の設定情報と時計回路125の提供する現在時刻とを所定のタイミング毎に比較するようにし、かけ直し時刻の到来を検出するようにする。そして、かけ直し時刻が到来したことを検知すると、IP電話機1(1)は、目的とする相手先であるIP電話機1(11)への内線電話のかけ直しタイミングが到来したことをNOTIFYメッセージによりプレゼンスサーバ3に通知する。この場合には、例えば、電話帳メモリ121に登録されているIP電話機1(11)の内線番号や使用者名などが当該NOTIFYメッセージに含められて送信される。
【0190】
プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(1)からの当該NOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をIP電話機1(1)に送信する。そして、プレゼンスサーバ3は、目的とする相手先であるIP電話機1(11)への内線電話のかけ直しタイミングが到来したことを通知するパソコン2(1)宛てのNOTIFYメッセージを形成し、これをパソコン2(1)に送信する。この場合、プレゼンスサーバ3は、端末対応付け情報記憶部305の情報に基づいてIP電話機1(1)に対応付けられたパソコン2(1)を特定し、当該パソコン2(1)宛てのNOTIFYメッセージを形成して送信する。また、この場合においても、IP電話機1(1)から通知されたIP電話機1(11)の内線番号や使用者名を含むNOTIFYメッセージが形成され、パソコン2(1)に送信される。
【0191】
パソコン2(1)は、プレゼンスサーバ3からの当該NOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。この後、パソコン2(1)は、IP電話機1(11)への内線電話のかけ直しタイミングが到来したことを通知するポップアップ表示を自機のディスプレイに行う。これにより、パソコン2(1)を通じて、IP電話機1(11)への内線電話のかけ直しタイミングの到来が通知される。
【0192】
この後、図19に示した処理を行なうようにすることにより、パソコン2(1)を通じて、IP電話機1(1)からIP電話機1(11)に内線電話をかけるようにすることができる。もちろん、IP電話機1(1)に対して操作を行うことによって、IP電話機1(1)から直接にIP電話機1(11)に対して内線電話をかけ直すようにすることもできる。このように、発信元のIP電話機1(1)から目的とする相手先へのかけ直し時間の設定を発信元の当該IP電話機1(1)に対して行うことができる。
【0193】
[IP電話機1に対応付けられたパソコン2からかけ直し時間設定を行う場合]
次に、発信元のIP電話機1に対応付けられたパソコン2からかけ直し時間設定を行う場合について説明する。図21は、発信元のIP電話機1に対応付けられたパソコン2からかけ直し時間設定を行う場合について説明するためのシーケンス図である。この例の場合にも、図16を用いて説明したように、パソコン2(1)からのREGSTERメッセージに応じて、プレゼンスサーバ3の端末対応付け情報記憶部305において、IP電話機1(1)とパソコン2(1)とが対応付けられて管理するようにされている。そして、図16に示した処理の後、発信元のIP電話機1(1)から目的とする相手先であるIP電話機1(11)に対して、INVITEメッセージを送信し、呼び出しを行うようにしたとする。
【0194】
この場合に、相手先であるIP電話機1(11)は、通話中であったり、状態管理メモリ122に会議や外出のために不在であることが登録されていたりして、応答できない状態にあるとする。この場合、相手先のIP電話機1(11)は、応答できないことを通知するIP電話機1(1)宛てのBUSY(応答不可)メッセージを形成し、これを発信元のIP電話機1(1)に送信する。IP電話機1(1)はBUSYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をIP電話機1(11)に送信する。
【0195】
そして、発信元のIP電話機1(1)は、事前にプレゼンスサーバ3の端末対応付け情報記憶部305を参照するなどして、自機にパソコン2(1)が対応付けられていることを知ることができる。このようにIP電話機1(1)に対応付けられたパソコンが存在する場合、発信元のIP電話機1(1)は、相手先のIP電話機1(11)がBUSY(応答不可)であることを通知するプレゼンスサーバ3宛てのNOTIFYメッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に送信する。プレゼンスサーバ3は、当該NOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をIP電話機1(11)に送信する。
【0196】
プレゼンスサーバ3は、自己の端末対応付け情報記憶部305の情報により、当該NOTIFIYメッセージの送信元であるIP電話機1(1)に対応付けられたパソコン2(1)が存在することを管理している。このため、プレゼンスサーバ3は、端末対応付け情報記憶部305の情報に従って、相手先のIP電話機1(11)がBUSY(応答不可)であることを通知するパソコン2(1)宛てのNOTIFYメッセージを形成する。そして、当該NOTIFYメッセージを発信元のIP電話機1(1)に対応付けられたパソコン2(1)に対して送信する。パソコン2は、当該NOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。
【0197】
そして、パソコン2(1)は、プレゼンスサーバ3からの当該NOTIFYメッセージに従って、目的とする相手先であるIP電話機1(11)は応答不可であることを自機のディスプレイにポップアップ表示する。この後、パソコン2(1)は、ユーザからのかけ直し時間の設定を受け付けるようにする。なお、図21において、IP電話機1(11)は応答不可であることのポップアップ表示処理と、ユーザからのかけ直し時間の設定処理との間において、IP電話機1(11)の状態を取得するようにしてもよい。この場合、図16を用いて説明したように、パソコン2(1)は、プレゼンスサーバ3を通じて相手先であるIP電話機1(11)の状態を知ることが可能である。
【0198】
そして、パソコン2(1)は、ユーザからIP電話機1(11)に対するかけ直し時間の設定を受け付けると、発信元のIP電話機1(1)に対して、IP電話機1(11)へのかけ直し時間の設定を要求するプレゼンスサーバ3宛てのNOTIFYメッセージを形成し、これをプレゼンスサーバ3に対して送信する。当該NOTIFYメッセージを受信したプレゼンスサーバ3は、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をパソコン2(1)に送信する。
【0199】
この後、プレゼンスサーバ3は、発信元のIP電話機1(1)宛てのIP電話機1(11)へのかけ直し時間の設定を要求するNOTIFYメッセージを形成し、これをIP電話機1(1)に対して送信する。当該NOTIFYメッセージを受信したIP電話機1(1)は、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。そして、IP電話機1(1)においては、プレゼンスサーバ3を経由して送信されてきたパソコン2(1)からのIP電話機1(11)へのかけ直し時間の設定情報に基づいて、自己のかけ直しメモリ123に対してかけ直し設定を行う。
【0200】
そして、IP電話機1(1)は、かけ直しメモリ123の設定情報と時計回路125の提供する現在時刻とを所定のタイミング毎に比較するようにし、かけ直し時刻の到来を検知するようにする。そして、かけ直し時刻が到来したことを検知すると、IP電話機1(1)は、目的とする相手先であるIP電話機1(11)への内線電話のかけ直しタイミングが到来したことをNOTIFYメッセージによりプレゼンスサーバ3に通知する。この場合には、例えば、電話帳メモリ121に登録されているIP電話機1(11)の内線番号や使用者名などが当該NOTIFYメッセージに含められて送信される。
【0201】
プレゼンスサーバ3は、IP電話機1(1)からの当該NOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をIP電話機1(1)に送信する。そして、プレゼンスサーバ3は、目的とする相手先であるIP電話機1(11)への内線電話のかけ直しタイミングが到来したことを通知するパソコン2(1)宛てのNOTIFYメッセージを形成し、これをパソコン2(1)に送信する。この場合、プレゼンスサーバ3は、端末対応付け情報記憶部305の情報に基づいてIP電話機1(1)に対応付けられたパソコン2(1)を特定し、当該パソコン2(1)宛てのNOTIFYメッセージを形成して送信する。この場合においても、IP電話機1(1)から通知されたIP電話機1(11)の内線番号や使用者名を含むNOTIFYメッセージが形成され、パソコン2(1)に送信される。
【0202】
パソコン2(1)は、プレゼンスサーバ3からの当該NOTIFYメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示すステータス(200(OK))をプレゼンスサーバ3に送信する。この後、パソコン2(1)は、IP電話機1(11)への内線電話のかけ直しタイミングが到来したことを通知するポップアップ表示を自機のディスプレイに行う。これにより、パソコン2(1)を通じて、IP電話機1(11)への内線電話のかけ直しタイミングの到来が通知される。
【0203】
この後、図19に示した処理を行なうようにすることにより、パソコン2(1)を通じて、IP電話機1(1)からIP電話機1(11)に内線電話をかけるようにすることができる。もちろん、IP電話機1(1)に対して操作を行うことによって、IP電話機1(1)から直接にIP電話機1(11)に対して内線電話をかけ直すようにすることもできる。このように、発信元のIP電話機1(1)に対応付けられたパソコン2(1)から目的とする相手先へのかけ直し時間の設定を発信元のIP電話機1(1)に対して行うことができる。
【0204】
なお、図16のシーケンス図を用いて説明した処理においては、プレゼンスサーバ3はパソコン2からの要求に応じて端末対応付け情報記憶部305の内容を更新する処理を行う。また、発信元のIP電話機1は、プレゼンスサーバ3を介して提供されるパソコン2からの情報提供要求に応じて情報を提供すると共に、自機においても対応付けられたパソコン2が存在することを管理するようにしてもよい。
【0205】
また、図17、図18のシーケンス図を用いて説明した処理の場合、発信元のIP電話機1を通じては、かけ直しのタイミングの到来を通知することはない。このため、発信元のIP電話機1は、図12に示したフローチャートの処理のステップS101〜ステップS104の処理をおこなって、ステップS104において、相手先がBUSYだった場合に、これをプレゼンスサーバに通知する処理を行うことになる。
【0206】
また、図17、図18のシーケンス図を用いて説明した処理の場合においても、プレゼンスサーバ3の処理は、図14のフローチャートに示した処理と同様の処理を行うことになる。ただ、図14のステップS201、ステップS207において、パソコン2からメッセージを受信し、ステップS206、ステップS214において、メッセージをパソコン2に通知したりすることになる。
【0207】
また、図19のシーケンス図を用いて説明した処理においては、パソコン2とSIPサーバ4とが協働し、発信元のIP電話機1が目的とするIP電話機にかけ直しを行うようにする。したがって、発信元のIP電話機1では、図19を用いて説明したように、SIPサーバ4からの要請に応じて動作することになる。また、相手先のIP電話機では、図19を用いて説明したように、発信元のIP電話機1からのメッセージに応じて動作することになる。
【0208】
また、図20、図21のシーケンス図を用いて説明した処理においては、発信元のIP電話機1に対してかけ直し時間の設定が、自機を通じて行われるか、対応付けられたパソコン2を通じて行われるかの違いはあるものの、その後の処理は、基本電話機に図13に示した処理の場合と同様に、設定されたかけ直し時間の到来を検出し、かけ直し時間が到来した場合に、プレゼンスサーバ3を通じて対応付けられているパソコン2にこれを通知する処理を行うことになる。
【0209】
[インターネットを通じて電話システムを構成する場合]
図1に示した実施の形態の電話システムは、上述もしたように、事業所内に形成されるLANを通じて必要な装置を接続することにより形成したIP電話システムであった。しかし、上述もしたように、この発明のシステムは、インターネットなどの広域ネットワークを通じて装置を接続することにより構成することも可能である。図22は、広域ネットワークであるIP網(インターネット)6を通じて機器を接続し、この発明の電話システムを構築する場合の例について説明するための図である。
【0210】
図22に示すように、IP網6には、SIPサーバ4Aを通じてLANシステムAに接続され各機器が接続されていると共に、SIPサーバ4Bを通じてLANシステムBに接続され各機器が接続されている。また、IP網6には、各家庭等で使用されるIP電話機1C、1D、…や、パソコン2C、2D、…等も使用される。図22に示したように、LANシステムA内には、プレゼンスサーバ3Aが設けられ、LANシステムA内のプレゼンス機能や上述した内線電話のかけ直し機能を実現する。同様に、LANシステムB内には、プレゼンスサーバ3Bが設けられ、LANシステムB内のプレゼンス機能や上述した内線電話のかけ直し機能を実現する。
【0211】
そして、図22に示した例の場合には、IP網6にもIP網6に接続された端末間のプレゼンス機能やかけ直し機能を実現するためのプレゼンスサーバ8を設けるようにする。このプレゼンスサーバ8は、基本的に図1に示したLAN5に接続されたプレゼンスサーバ3と同様の機能を実現するものである。そして、プレゼンスサーバ8は、例えば、予め登録するようにされているIP電話機やパソコンについて、プレゼンス機能やかけ直し機能を実現するようにするものである。
【0212】
したがって、この例の場合、LANシステムAのIP電話機1A(1)、1A(2)、…は、自システム内のプレゼンスサーバ3AとIP網6上のプレゼンスサーバ8に対して、自機の状態や自機のユーザの状態を登録するようにする。同様に、LANシステムBのIP電話機1B(1)、1B(2)、…は、自システム内のプレゼンスサーバ3BとIP網6上のプレゼンスサーバ8に対して、自機の状態や自機のユーザの状態を登録するようにする。また、IP網6に接続されたIP電話機1C、1D、…のそれぞれは、IP網6上のプレゼンスサーバ8に対して自機の状態や自機のユーザの状態を登録するようにする。
【0213】
更に、LANシステムAのパソコン2A(1)、2A(2)、…は、自システム内のプレゼンスサーバ3AとIP網6上のプレゼンスサーバ8に対して、対応付けられるIP電話機を登録するようにする。同様に、LANシステムBのパソコン2B(1)、2B(2)、…は、自システム内のプレゼンスサーバ3BとIP網6上のプレゼンスサーバ8に対して、対応付けられるIP電話機を登録するようにする。
【0214】
そして、図22において、IP網6に対してSIPサーバ4A、4Bを通じて、あるいは、直接に接続されたIP電話機が、いわゆる外線電話をかけた場合には、IP網6上のプレゼンスサーバ8が、上述した実施の形態のプレゼンスサーバ3と同様の機能を実現する。これにより、IP網6に接続されたIP電話機間で外線電話をかけるようにした場合には、図1〜図21を用いて説明した場合と同様にして、かけ直し設定を行うようにすることができる。このように、この発明は、IP網6などの広域ネットワークを通じて形成される電話システムにも適用することができる。
【0215】
[この発明の方法、プログラム]
なお、上述した実施形態の説明からも分かるように、上述した実施形態の電話システムにおいて用いられるかけ直し通知方法がこの発明によるかけ直し通知方法である。具体的には、図10、図11のシーケンス図や、図12〜図14のフローチャートを用いて説明した方法が、この発明によるかけ直し通知方法である。
【0216】
また、図12、図13に示したフローチャートの処理を行うプログラムを形成し、これをIP電話機において実行できるようにすることによって、この発明の通信端末を実現することができる。同様に、図14に示したフローチャートの処理を行うプログラムを形成し、これをネットワーク上のプレゼンスサーバにおいて実行できるようにすることにより、この発明のサーバ装置を実現することができる。
【0217】
[その他]
なお、上述した実施の形態の説明からも分かるように、IP電話機1の制御部130とパケット処理部103、LANI/F102が協働して、通信端末の設定手段、通知受付手段としての機能を実現している。また、IP電話機1の制御部130とディスプレイコントローラ109とディスプレイ110とが協働して、通信端末の報知手段や出力手段の機能を実現している。また、IP電話機1の主に制御部130が通信端末の時刻設定手段としての機能を実現し、IP電話機1の時計回路125が通信端末の時計手段としての機能を実現し、IP電話機1の主にかけ直し制御部124が通信端末の判別手段としての機能を実現している。
【0218】
また、プレゼンスサーバ3のLANI/F302とメッセージ処理部303と制御部310とが協働して、サーバ装置の設定受付手段、状態受付手段、通知手段、登録受付手段としての機能を実現している。また、プレゼンスサーバ3のプレゼンス情報記憶部304がサーバ装置の記憶手段としての機能を実現している。また、プレゼンスサーバ3の主に制御部310がサーバ装置の判断手段としての機能を実現している。また、プレゼンスサーバ3の端末対応付け情報記憶部305が、サーバ装置の登録情報記憶手段の機能を実現している。
【0219】
また、パソコン2の登録情報生成部204とメッセージ処理部203とLANI/F202とが協働して、連携通信端末の登録手段としての機能を実現している。また、パソコン2の通知設定生成部205とメッセージ処理部203とLANI/F202とが協働して、連携通信端末の設定手段としての機能を実現している。また、パソコン2のLANI/F202とメッセージ処理部203と制御部220とが協働して、連携通信端末の通知受付手段としての機能を実現している。また、パソコン2の制御部220とディスプレイコントローラ209とディスプレイ210とが協働して、連携通信端末の報知手段の機能を実現している。
【0220】
また、上述した実施の形態においては、かけ直し時間(時刻)の管理は、発信元となったIP電話機1において行うものとして説明したが、これに限るものではない。かけ直し時間(時刻)の管理を、プレゼンスサーバ3において発信元のIP電話機1毎に行う予にする。そして、かけ直し時間の到来をプレゼンスサーバ3において検知した場合に、該当するIP電話機1や該当するIP電話機1に対応付けられたパソコン2に通知するようにすることも可能である。
【0221】
また、IP電話機1の状態管理メモリ122やかけ直しメモリ123で管理する情報は、上述した実施の形態のものに限るものではなく、その他の種々の情報を管理するようにすることももちろん可能である。同様に、プレゼンスサーバ3のプレゼンス情報記憶部304や端末対応付け情報記憶部305においても、関連する種々の情報を管理することができる。
【0222】
また、図20のシーケンス図を用いて説明したように、目的とする相手先に電話をかけて、目的とする人でなく、別の人が応答した場合にも、発信元のIP電話機1や対応付けられたパソコン2を通じて、かけ直しの設定をプレゼンスサーバ3や発信元のIP電話機1に対して行うようにすることができる。
【0223】
また、上述した実施の形態においては、かけ直し時間を設定する場合には、何年何月何日の何時何分というように、絶対的な情報である日時(時刻)情報により設定するようにしたが、これに限るものではない。例えば、設定時刻から何分後、あるいは、設定時刻から何時間後というように、相対的に設定するようにすることもできる。
【符号の説明】
【0224】
1…IP電話機、101…LAN接続端子、102…LANI/F、103…パケット処理部、104…通話音声入出力I/F、105…ハンドセット接続端子、106…ハンドセット、107…操作入力部、108…操作入力I/F、109…ディスプレイコントローラ、110…ディスプレイ、111…リンガ、121…電話帳メモリ、122…状態管理メモリ、123…かけ直しメモリ、124…かけ直し制御部、125…時計回路、130…制御部、131…CPU、132…ROM、133…RAM、134…CPUバス、3…プレゼンスサーバ、301…LAN接続端子、302…LANI/F、303…メッセージ処理部、304…プレゼンス情報記憶部、305…端末対応付け情報記憶部、310…制御部、311…CPU、312…ROM、313…RAM、314…CPUバス、320…時計回路、2…パソコン、201…LAN接続端子、202…LANI/F、203…メッセージ処理部、204…登録情報生成部、205…通知設定生成部、206…HDD、207…操作入力部、208…操作入力I/F、209…ディスプレイコントローラ、210…ディスプレイ、220…制御部、221…CPU、222…ROM、223…RAM、224…EEPROM、225…CPUバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話を行うための通信端末とサーバ装置とがネットワークを通じて接続されて構成される電話システムであって、
前記通信端末は、
目的とする相手先に発信し、当該相手先と通話を行うことができなかった場合に、前記サーバ装置に対してかけ直しのための通知設定を行う設定手段と、
前記サーバ装置からのかけ直しタイミングの到来の通知を受け付ける通知受付手段と、
前記通知受付手段を通じて、前記かけ直しタイミングの到来の通知を受けた場合に、これを報知する報知手段と
を備え、
前記サーバ装置は、
前記通信端末からの前記かけ直しのための通知設定を受け付ける設定受付手段と、
前記設定受付手段を通じて受け付けた前記通知設定を記憶する記憶手段と、
前記相手先からの状態通知を受け付ける状態受付手段と、
前記記憶手段の前記通知設定と前記状態受付手段を通じて受け付けた前記相手先からの状態通知に基づいて、かけ直しタイミングが到来したか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段において、かけ直しタイミングが到来したと判断した場合に、かけ直しタイミングの到来を前記通信端末に通知する通知手段と
を備えることを特徴とする電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電話システムであって、
前記サーバ装置の前記判断手段は、前記記憶手段に記憶した前記通信端末からの前記通知設定が、前記相手先の通話終了をかけ直しの条件として設定したものであり、前記状態受付手段を通じて受け付けた前記相手先からの状態通知が、通話終了を示すものである場合に、かけ直しタイミングが到来したと判断することを特徴とする電話システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電話システムであって、
前記サーバ装置の前記判断手段は、前記記憶手段に記憶した前記通信端末からの前記通知設定が、前記相手先の在席をかけ直しの条件として設定したものであり、前記状態受付手段を通じて受け付けた前記相手先からの状態通知が、在席を示すものである場合に、かけ直しタイミングが到来したと判断することを特徴とする電話システム。
【請求項4】
請求項1に記載の電話システムであって、
前記通信端末は、
前記相手先と通話を行うことができなかった理由が、不在である時間が前記相手先について設定されていたことによるものである場合に、自機の所定の記憶手段に対して、電話のかけ直しの通知時刻を設定する時刻設定手段と、
現在時刻を提供する時計手段と、
前記所定の記憶手段に設定された電話のかけ直しの通知時刻と、前記時計手段が提供する現在時刻からかけ直しタイミングが到来したか否を判別する判別手段と、
前記判別手段が、かけ直しタイミングが到来したと判別した場合に、かけ直しタイミングの到来を示す情報を出力する出力手段と
を備え、
前記時刻設定手段は、前記不在である時間が示す不在時間帯に、電話のかけ直しの通知時刻の設定を行えないようにする
ことを特徴とする電話システム。
【請求項5】
請求項1に記載の電話システムであって、前記ネットワークには、通信端末と連携して用いられる連携通信端末が接続可能にされており、
前記連携通信端末は、
所定の前記通信端末と連携することを示す登録情報を前記サーバ装置に供給して登録する登録手段と、
前記登録手段を通じて、所定の前記通信端末と連携することを前記サーバ装置に登録した後、所定の前記通信端末が、目的とする相手先に発信して、当該相手先と通話を行うことができなかった場合に、前記サーバ装置に対してかけ直しのための通知設定を行う設定手段と、
前記サーバ装置からの前記相手先の状態通知を受け付ける通知受付手段と、
前記通知受付手段を通じて、前記相手先の状態通知を受けた場合に、これを報知する報知手段と
を備え、
前記サーバ装置は、
前記連携通信端末からの登録情報を受け付ける登録受付手段と、
前記登録受付手段を通じて受け付けた前記登録情報を記憶する登録情報記憶手段と
を備え、
前記サーバ装置の前記設定受付手段は、前記登録情報記憶手段に前記登録情報が記憶された前記連携通信端末からの前記かけ直しのための通知設定を受け付けることができるものであり、
前記サーバ装置の前記通知手段は、前記登録情報に基づいて、前記通知設定を行った前記連携通信装置に対して前記状態通知を通知することができるものであることを特徴とする電話システム。
【請求項6】
通話を行うための通信端末とサーバ装置とがネットワークを通じて接続されて構成される電話システムの前記通信端末であって、
目的とする相手先に発信し、当該相手先と通話を行うことができなかった場合に、前記サーバ装置に対してかけ直しのための通知設定を行う設定手段と、
前記サーバ装置からのかけ直しタイミングの到来の通知を受け付ける通知受付手段と、
前記通知受付手段を通じて、前記かけ直しタイミングの到来の通知を受けた場合に、これを報知する報知手段と
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項7】
通話を行うための通信端末とサーバ装置とがネットワークを通じて接続されて構成される電話システムの前記サーバ装置であって、
前記通信端末からのかけ直しのための通知設定を受け付ける設定受付手段と、
前記設定受付手段を通じて受け付けた前記通知設定を記憶する記憶手段と、
相手先からの状態通知を受け付ける状態受付手段と、
前記記憶手段の前記通知設定と前記状態受付手段を通じて受け付けた前記相手先からの状態通知に基づいて、かけ直しタイミングが到来したか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段において、かけ直しタイミングが到来したと判断した場合に、かけ直しタイミングの到来を前記通信端末に通知する通知手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のサーバ装置であって、前記ネットワークには、連携通信端末が接続可能にされており、
前記連携通信端末からの所定の前記通信端末と対応することを示す登録情報を受け付ける登録受付手段と、
前記登録受付手段を通じて受け付けた前記登録情報を記憶する登録情報記憶手段と
を備え、
前記設定受付手段は、前記登録情報記憶手段に前記登録情報が記憶された前記連携通信端末からの前記かけ直しのための通知設定を受け付けることができるものであり、
前記通知手段は、前記登録情報に基づいて、前記通知設定を行った前記連携通信端末に対して前記状態通知を通知することができるものであることを特徴とするサーバ装置。
【請求項9】
通話を行うための通信端末とサーバ装置とがネットワークを通じて接続されて構成される電話システムで用いられるかけ直し通知方法であって、
前記通信端末においては、
目的とする相手先に発信し、当該相手先と通話を行うことができなかった場合に、設定手段が、前記サーバ装置に対してかけ直しのための通知設定を行う設定工程と、
前記サーバ装置からのかけ直しタイミングの到来の通知を、通知受付手段を通じて受け付ける通知受付工程と、
前記通知受付工程において、前記かけ直しタイミングの到来の通知を受けた場合に、これを報知手段を通じて報知する報知工程と
を有し、
前記サーバ装置においては、
前記通信端末からの前記かけ直しのための通知設定を、設定受付手段を通じて受け付ける設定受付工程と、
前記設定受付工程を通じて受け付けた前記通知設定を記憶手段に記録する記録工程と、
前記相手先からの状態通知を、状態受付手段を通じて受け付ける状態受付工程と、
前記記録工程において前記記憶手段に記録した前記通知設定と前記状態受付工程において受け付けた前記相手先からの状態通知とに基づいて、かけ直しタイミングが到来したか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程において、かけ直しタイミングが到来したと判断した場合に、かけ直しタイミングの到来を通知手段を通じて前記通信端末に通知する通知工程と
を有することを特徴とするかけ直し通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−182347(P2011−182347A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47266(P2010−47266)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】