説明

電話装置およびそのダイヤル入力方法ならびにプログラム

【課題】 ダイヤル入力の途中で、その電話番号が蓄積データに含まれているか否かを表示することが可能な電話装置の提供。
【解決手段】 バックライトにより背景色を変化させることができるモニタ4を備え、発信者がダイヤルする際、比較部11は入力中のダイヤル番号数字列と、データ蓄積部5内の電話帳データ蓄積部21、リダイヤルデータ蓄積部22、着信履歴データ蓄積部23に含まれる電話番号数字列とを先頭から1桁ごとに逐次比較し、ダイヤル中の数字列がデータ蓄積部5に含まれる可能性がある場合、モニタバックライト制御部12はモニタ4のモニタ色をA色からB色に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話装置およびそのダイヤル入力方法ならびにプログラムに関し、特に電話帳データ等の蓄積機能を備えた電話装置およびそのダイヤル入力方法ならびにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電話装置、一例として従来の携帯電話には電話帳データ、リダイヤルデータ、着信履歴データ等を蓄積するデータ蓄積部を備えたものがある。このデータ蓄積部に含まれる電話番号であれば、その電話番号を呼び出すことによって、電話番号を間違えることなく発信することができる。
【0003】
しかし、電話帳に登録されていることを忘れていたり、リダイヤルデータや着信履歴データに入っていることを把握していない相手に電話を掛けるとき、電話番号を直接ダイヤル入力することがある。
【0004】
その場合、よく発信や着信をする相手であっても、ダイヤル入力の際に番号の押し間違い等によって電話番号を間違えることがある。
【0005】
一方、ダイヤル入力後に、入力した電話番号が電話帳、リダイヤルデータ、着信履歴データ等の蓄積データに含まれているか否かを表示する技術は知られている。
【0006】
また、正確に相手に電話を掛けることができたとしても、実際に相手につながるまでは正しい番号なのかどうかは判らず、通話を完了した後も、既に電話帳に登録してあることや、以前に発信や着信した相手であるということに気づかないままになってしまうことがある。
【0007】
そこで、これらの課題を解決する手段として、入力した電話番号数字列と蓄積したデータの数字列とを先頭から1桁ごとに逐次比較する電話装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、定められた桁数までの番号が入力されると、表示色を変化させあるいはメッセージ表示させ、定められた桁数を超えて入力されるとメッセージ表示させる通信装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】特開2005−217625号公報(段落0056,0057、図3および図4)
【特許文献2】特開2005−311605号公報(段落0057,0062、図4および図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来の電話装置では、ダイヤル入力が完了するまで、入力した電話番号が蓄積データに含まれているか否かを発信者に通知することができないという課題があった。
【0011】
一方、特許文献1開示の発明は、入力した電話番号数字列と蓄積したデータの数字列とを比較し、部分一致する電話番号を全て表示する構成であるが、本発明はダイヤル入力途中で入力中の電話番号が蓄積データに含まれているか否かを表示する構成であり、特許文献1開示の発明と本発明では構成が全く相違する。
【0012】
また、特許文献2開示の発明は、番号の入力に応じて表示色を変化等させるものであるが、表示色によってダイヤル入力の番号が蓄積データに含まれているか否かを表示するものではない。
【0013】
そこで本発明の目的は、ダイヤル入力の途中で、その電話番号が蓄積データに含まれているか否かを表示することが可能な電話装置およびそのダイヤル入力方法ならびにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために本発明による電話装置は、所定の電話番号が蓄積される蓄積手段を含む電話装置であって、入力される電話番号と、前記蓄積手段に蓄積された電話番号とを先頭から1桁ごとに比較する比較手段と、前記電話番号同士を1桁比較するたびに、その比較結果を表示する表示手段とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明によるダイヤル入力方法は、所定の電話番号が蓄積される蓄積部を含む電話装置におけるダイヤル入力方法であって、入力される電話番号と、前記蓄積部に蓄積された電話番号とを先頭から1桁ごとに比較する比較ステップと、前記電話番号同士を1桁比較するたびに、その比較結果を表示する表示ステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明によるプログラムは、所定の電話番号が蓄積される蓄積部を含む電話装置におけるダイヤル入力方法のプログラムであって、コンピュータに、入力される電話番号と、前記蓄積部に蓄積された電話番号とを先頭から1桁ごとに比較する比較処理と、前記電話番号同士を1桁比較するたびに、その比較結果を表示する表示処理とを実行させることを特徴とする。
【0017】
ここで、本発明の作用を述べる。本発明による電話装置は、バックライトにより背景色を変化させることができるモニタを備える電話装置において、発信者がダイヤルする際、入力中のダイヤル番号数字列と、蓄積データ(電話帳データ、リダイヤルデータ、着信履歴データ等)に含まれる電話番号数字列とを先頭から1桁ごとに逐次比較し、ダイヤル中の数字列が蓄積データに含まれる可能性がある場合、モニタのバックライト色が変化することを特徴とする。
【0018】
すなわち、モニタのバックライト色を変化させることにより、ダイヤル中の電話番号が蓄積データに含まれている可能性があることを発信者に通知する。
【0019】
また、電話番号数字列と蓄積データとが合致しなくなった時点で、液晶モニタのバックライトの色を別の色に変化させる等により、ダイヤル入力中の電話番号は電話帳データ内にはなく、発信あるいは着信もない番号であることを発信者に通知する。
【0020】
ダイヤル入力完了まで液晶モニタのバックライトの色が蓄積データ内の電話番号と一致していることを示していれば、ダイヤルした番号は電話帳に既に登録されているか、もしくは以前に発信や着信があった相手であることが容易に判るため、蓄積データの存在を発信者に通知することができるとともに、発信者に安心感を与えることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記構成を含むため、ダイヤル入力の途中で、その電話番号が蓄積データに含まれているか否かを表示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は本発明に係る電話装置の第1実施例の構成図である。本発明では電話装置の一例として携帯電話について説明するが、これに限定するものではなく、固定電話あるいは他の携帯端末に適用することも可能である。
【0024】
同図を参照すると、本発明に係る電話装置10は、ダイヤルボタン(入力装置)1と、ダイヤル番号数字列記憶メモリ2と、制御部3と、モニタ(出力装置)4と、データ蓄積部5と、プログラム格納部6とを含んで構成される。
【0025】
ダイヤルボタン(入力装置)1は発信者がダイヤル時に操作するキーパネル等の装置である。ダイヤル番号数字列記憶メモリ2は入力ダイヤル番号数字列を記憶するメモリである。
【0026】
制御部3は、比較部11と、モニタバックライト制御部12と、モニタ点灯回路(A色/B色)13とを含んで構成される。
【0027】
比較部11はデータ蓄積部5内のデータと入力ダイヤル番号数字列とを先頭から1桁ごとに逐次比較する部位である。モニタバックライト制御部12はモニタ(出力装置)4のバックライト色を制御する部位である。モニタ点灯回路(A色/B色)13はモニタ(出力装置)4のバックライトを点灯させる部位である。
【0028】
モニタ(出力装置)4はダイヤル中の電話番号等を表示可能な装置であり、一例としてバックライト付液晶表示装置である。
【0029】
データ蓄積部5は電話帳データ蓄積部21と、リダイヤルデータ蓄積部22と、着信履歴データ蓄積部23とを含んで構成される。
【0030】
電話帳データ蓄積部21は電話装置の使用者があらかじめ複数の電話番号を登録しておくことが可能な部位である。リダイヤルデータ蓄積部22は過去に発信した電話番号を自動的に記憶する部位である。着信履歴データ蓄積部23は過去に着信した電話番号を自動的に記憶する部位である。
【0031】
プログラム格納部6には後述するダイヤル入力方法のプログラムが格納されている。
【0032】
本発明では、比較部11の比較結果に応じ、モニタバックライト制御部12を介してモニタ(出力装置)4のバックライト色を変化させることにより、ダイヤルした電話番号が既に電話帳に登録してあることや、以前に発信や着信した相手であることを発信者に通知する。
【0033】
次に、第1実施例の動作について図2を参照しながら説明する。図2は第1実施例の動作を示すフローチャートである。なお、以下の動作は制御部3がダイヤル番号数字列記憶メモリ2、モニタ(出力装置)4、データ蓄積部5を制御することにより実行される。
【0034】
まず、モニタ(出力装置)4のバックライト色をA色に設定する(初期値)(ステップS1)。
【0035】
次に、ダイヤル入力の桁数n(nは正の整数)を“1”(初期値)に設定する(ステップS2)。
【0036】
次に、発信者が電話番号の先頭の1桁目をダイヤルボタン1から入力する(ステップS3)。
【0037】
入力されたダイヤル番号数字列はダイヤル番号数字列記憶メモリ2に蓄積され、外部からのダイヤル入力があったことを検出する(ステップS4にて“Y”)。また、入力されたダイヤル番号数字列はモニタ(出力装置)4に表示される。
【0038】
なお、外部からのダイヤル入力があったことを検出しない場合(ステップS4にて“N”)、すなわち何か特別な処理がされない限り、モニタ(出力装置)4は既に設定されている色のバックライト色を維持する(ステップS5)。なお、初期設定ではバックライト色はA色に設定されているものとする。
【0039】
次に、比較部11によりダイヤル入力された1桁目の電話番号と電話帳データ蓄積部21に含まれる全ての電話番号数字列の1桁目とが比較される(ステップS6)。
【0040】
次に、先頭からn桁目まで一致する電話番号が存在するか否かが調べられるが(ステップS7)、まだn=1なので、1桁目だけを調べ、1桁目が一致する電話番号が存在する場合は(ステップS7にて“Y”)、モニタバックライト制御部12を介してモニタ点灯回路(A色/B色)13に信号を出力し、モニタ(出力装置)4のバックライトの色をA色からB色に変更する(ステップS8)。
【0041】
次に、ステップS7にて1桁目が一致する電話番号が存在しない場合は(ステップS7にて“N”)、電話帳データに一致する電話番号数字列が存在しないと判定され、リダイヤルデータとの比較がなされる(ステップS11)。
【0042】
比較の結果、1桁目が一致するリダイヤルデータが存在する場合(ステップS12にて“Y”)、モニタバックライト制御部12を介してモニタ点灯回路(A色/B色)13に信号を出力し、モニタ(出力装置)4のバックライトの色をA色からB色に変更する(ステップS8)。
【0043】
一方、ステップS12において、1桁目が不一致となった場合(ステップS12にて“N”)、リダイヤルデータに一致する電話番号数字列が存在しないと判定され、着信履歴データとの比較がなされる(ステップS13)。
【0044】
比較の結果、1桁目が一致する着信履歴データが存在する場合(ステップS14にて“Y”)、モニタバックライト制御部12を介してモニタ点灯回路(A色/B色)13に信号を出力し、モニタ(出力装置)4のバックライトの色をA色からB色に変更する(ステップS8)。
【0045】
一方、ステップS14において、1桁目が不一致となった場合(ステップS14にて“N”)、着信履歴データに一致する電話番号数字列が存在しないと判定され、モニタ4のバックライトの色をA色のまま保持する(ステップS15)。
【0046】
この場合のバックライトのA色は、電話番号の先頭の1桁目を入力した時点で入力を希望する電話番号が電話帳データ、リダイヤルデータ、着信履歴データのいずれにも含まれないことを表示している。
【0047】
これに対し、ステップS7で1桁目が一致した場合は、バックライトの色がB色に変わるため、電話番号の先頭の1桁目を入力した時点で入力を希望する電話番号が電話帳データに含まれていることが判る(ステップS8)。
【0048】
同様に、ステップS12で1桁目が一致した場合は、バックライトの色がB色に変わるため、電話番号の先頭の1桁目を入力した時点で入力を希望する電話番号がリダイヤルデータに含まれていることが判る(ステップS8)。
【0049】
同様に、ステップS14で1桁目が一致した場合は、バックライトの色がB色に変わるため、電話番号の先頭の1桁目を入力した時点で入力を希望する電話番号が着信履歴データに含まれていることが判る(ステップS8)。
【0050】
次に、ステップS8にてモニタ(出力装置)4のバックライトの色がB色に変わった場合について説明する。
【0051】
この時点では、入力した電話番号の1桁目が電話帳データ、リダイヤルデータ、着信履歴データのいずれかに必ず含まれている。
【0052】
桁数nがカウントアップされ、“2”となる(ステップS9)。
【0053】
次に、ダイヤル入力が完了したか否かが調べられ(ステップS10)、完了の場合は(ステップS10にて“Y”)、処理は終了となる。
【0054】
一方、ダイヤル入力が完了していない場合は(ステップS10にて“N”)、ステップS3に戻り、発信者が電話番号の2桁目をダイヤルボタン(入力装置)1から入力する(ステップS3)。
【0055】
入力されたダイヤル番号数字列はダイヤル番号数字列記憶メモリ2に蓄積され、外部からのダイヤル入力があったことを検出する(ステップS4にて“Y”)。また、入力されたダイヤル番号数字列はモニタ(出力装置)4に表示される。
【0056】
なお、外部からのダイヤル入力があったことを検出しない場合(ステップS4にて“N”)、すなわち何か特別な処理がされない限り、モニタ(出力装置)4は既に設定されている色のバックライト色を維持する(ステップS5)。
【0057】
次に、比較部11によりダイヤル入力された1〜2桁目の電話番号と電話帳データ蓄積部21に含まれる全ての電話番号数字列の1〜2桁目とが比較される(ステップS6)。
【0058】
次に、1〜2桁目を調べ、1〜2桁目が一致する電話番号が存在する場合は(ステップS7にて“Y”)、モニタ(出力装置)4のバックライトの色をA色からB色に変更する(ステップS8)。
【0059】
次に、ステップS7にて1〜2桁目が一致する電話番号が存在しない場合は(ステップS7にて“N”)、電話帳データに一致する電話番号数字列が存在しないと判定され、リダイヤルデータとの比較がなされる(ステップS11)。
【0060】
比較の結果、1〜2桁目が一致するリダイヤルデータが存在する場合(ステップS12にて“Y”)、モニタ4のバックライトの色をA色からB色に変更する(ステップS8)。
【0061】
一方、ステップS12において、1〜2桁目が不一致となった場合(ステップS12にて“N”)、リダイヤルデータに一致する電話番号数字列が存在しないと判定され、着信履歴データとの比較がなされる(ステップS13)。
【0062】
比較の結果、1〜2桁目が一致する着信履歴データが存在する場合(ステップS14にて“Y”)、モニタ(出力装置)4のバックライトの色をA色からB色に変更する(ステップS8)。
【0063】
一方、ステップS14において、1〜2桁目が不一致となった場合(ステップS12にて“N”)、着信履歴データに一致する電話番号数字列が存在しないと判定され、モニタ(出力装置)4のバックライトの色をA色のまま保持あるいはB色からA色に変更する(ステップS15)。
【0064】
この場合のバックライトのA色は、電話番号の2桁目を入力した時点で入力を希望する電話番号が電話帳データ、リダイヤルデータ、着信履歴データのいずれにも含まれないことを表示している。
【0065】
これに対し、ステップS7で1〜2桁目が一致した場合は、バックライトの色がB色に変わるため、電話番号の2桁目を入力した時点で入力を希望する電話番号が電話帳データに含まれていることが判る(ステップS8)。
【0066】
同様に、ステップS12で1〜2桁目が一致した場合は、バックライトの色がB色に変わるため、電話番号の2桁目を入力した時点で入力を希望する電話番号がリダイヤルデータに含まれていることが判る(ステップS8)。
【0067】
同様に、ステップS14で1〜2桁目が一致した場合は、バックライトの色がB色に変わるため、電話番号の2桁目を入力した時点で入力を希望する電話番号が着信履歴データに含まれていることが判る(ステップS8)。
【0068】
以上、桁数nが“1”および“2”の場合の動作を述べたが、N=3以降の動作も“1”および“2”の場合の動作と同様であるため、その説明を省略する。
【0069】
以上説明したように、本発明の第1実施例によれば、ダイヤル入力数字列が電話装置に蓄積された電話帳データ、リダイヤルデータ、着信履歴データと自動的に比較されることにより、発信者は特別な操作を行うことなく、ダイヤル番号がそれらの蓄積データに含まれる番号か否かを知ることが可能となる。そして、もし含まれていれば、蓄積データの存在を発信者に通知することができるとともに、発信者に安心感を与えることが可能となる。
【0070】
また、ダイヤル番号を1桁ずつ比較して比較結果を出力する構成であるため、ダイヤル途中に掛け間違いに気づく可能性が高くなることも挙げられる。また、発信者への通知手段としてバックライトの色変化という方法を用いることにより、ダイヤル番号が表示される背景色が変わるため視認性がよいという利点もある。
【実施例2】
【0071】
図3は本発明に係る電話装置の第2実施例の構成図である。なお、同図において図1と同様の構成部分については同一番号を付し、その説明を省略する。
【0072】
第2実施例が第1実施例と異なる点は、入力した電話番号が電話帳データ、リダイヤルデータ、着信履歴データのどれに含まれるのかを、バックライトの色により区別して発信者に通知する点である。
【0073】
このため、制御部7内のモニタ点灯回路14はA色、B色、C色およびD色の4色を切り替える構成としている(図3参照)。
【0074】
図4は第2実施例の動作を示すフローチャートである。なお、図2のフローチャートと同様のステップについては同一番号を付し、その説明を省略する。第2実施例ではモニタ点灯回路14でA色、B色、C色およびD色の4色の切り替えを行うために、図2のステップS8の代わりに図4のステップS21〜S23を設けている。
【0075】
すなわち、比較の結果、ダイヤル中の数字列が電話帳データと一致していればモニタ4のバックライトをB色に変更する処理を行い(ステップS21)、リダイヤルデータと一致していればモニタ4のバックライトをC色に変更する処理を行い(ステップS22)、着信履歴データと一致していればモニタ4のバックライトをD色に変更する処理を行う(ステップS23)。また、いずれとも不一致であれば、モニタ4のバックライトをA色に戻す処理を行う(ステップS15)。
【0076】
なお、第2実施例では、モニタ色の優先順位は、最上位が電話帳データ、次いでリダイヤルデータ、最下位が着信履歴データの順となっているが、これに限定するものではなく、順序は任意に設定が可能である。
【0077】
以上説明したように、本発明の第2実施例によれば、入力した電話番号が電話帳データ、リダイヤルデータ、着信履歴データのどれに含まれるのかを、バックライトの色により区別して発信者に通知することが可能となる。
【実施例3】
【0078】
図5は本発明に係る電話装置の第3実施例の構成図である。なお、同図において図1および図3と同様の構成部分については同一番号を付し、その説明を省略する。
【0079】
第3実施例では、入力ダイヤル番号数字列と先頭から数桁以上一致する電話帳データ、リダイヤルデータまたは着信履歴データを発信電話番号の候補として読み出す番号選定読み出し部15を新たに追加し、候補となる番号をモニタ(出力装置)4に表示し、選択可能とする(図5参照)。
【0080】
図6は第3実施例の動作を示すフローチャートである。なお、図2および図4のフローチャートと同様のステップについては同一番号を付し、その説明を省略する。図6は図4のフローに新たにステップS31〜S33を追加したものである。
【0081】
第3実施例では、候補として表示するのは入力ダイヤル番号数字列と、電話帳データ、リダイヤルデータまたは着信履歴データとの一致桁数が先頭から4桁以上の場合とするが、これに限定するものではなくこの桁数は任意に設定が可能である。
【0082】
図6を参照すると、モニタ色をB色(ステップS21)、C色(ステップS22)、あるいはD色(ステップS23)に変更後、入力中のダイヤル番号数字列が4桁以上になると(ステップS31にて“Y”)、その時点でデータ蓄積部21〜23(図5参照)に含まれる電話番号のうち一致している番号をモニタ(出力装置)4に表示し、発信者が確認および選択できるようにする(ステップS32およびS33)。
【0083】
ここで、候補として表示された電話番号を選択すると(ステップS33にて“Y”)、動作は終了となる。一方、候補を選択せず(ステップS33にて“N”)、かつダイヤル入力が未完了であれば(ステップS10にて“N”)、桁数nをカウントアップし(ステップS9)、ステップS3以降の処理を行う。
【0084】
なお、図6のフローチャートには記載していないが、電話帳データに登録されているにも関わらず何度も直接ダイヤル入力される場合、その入力回数に応じて番号の優先順位を上げることにより、上記候補に入る桁数を引き下げる構成も可能である。
【0085】
また、第3実施例では、モニタ色の優先順位は、最上位が電話帳データ、次いでリダイヤルデータ、最下位が着信履歴データの順となっているが、これに限定するものではなく、順序は任意に設定が可能である。
【0086】
以上説明したように、本発明の第3実施例によれば、電話番号の入力途中で候補の電話番号が表示され、その中から発信者が希望する電話番号を選択する構成であるため、電話番号の入力作業を軽減することが可能となる。
【実施例4】
【0087】
図7は本発明に係る電話装置の第4実施例の構成図である。なお、同図において図1、図3および図5と同様の構成部分については同一番号を付し、その説明を省略する。
【0088】
第4実施例では、ダイヤル完了後の入力数字列が蓄積データに酷似した番号(例えば数字の1桁ないし2桁違い等)であれば、その旨を通知してダイヤル番号と蓄積データの確認を促す。
【0089】
このため、第4実施例では、第3実施例の構成(図5参照)にダイヤル入力が完了したことを検出するダイヤル入力完了検出部16(図7参照)を追加している。
【0090】
図8は第4実施例の動作を示すフローチャートである。なお、図2、図4および図6のフローチャートと同様のステップについては同一番号を付し、その説明を省略する。図8は図6のフローに新たにステップS41〜S44を追加したものである。
【0091】
第4実施例では、ダイヤル途中に蓄積データのどれとも一致しなかった入力ダイヤル番号数字列が処理の対象となる。
【0092】
図8を参照すると、ダイヤル入力が完了するまでステップS3からステップS15までの動作を繰り返し行うが、既にダイヤル入力数字列は蓄積データに不一致であることが確定しているため、モニタ(出力装置)4の色はA色を維持している(ステップS15参照)。
【0093】
ダイヤル入力完了がダイヤル入力完了検出部16によって検出されると(ステップS41にて“Y”)、ダイヤル入力による電話番号が全ての蓄積データと比較される(ステップS42)。
【0094】
一方、ダイヤル入力完了がダイヤル入力完了検出部16によって検出されない場合は(ステップS41にて“N”)、ステップS3に戻る。
【0095】
ステップS42では、ダイヤル入力数字列の1桁目からn桁目までと、蓄積データに含まれる全ての電話番号の1桁目からn桁目までのそれぞれ同じ桁を比較する。
【0096】
そして、異なる数字の桁が2桁以内であると判断された場合は(ステップS43にて“Y”)、発信電話番号の候補として表示し、発信者が選択可能とする(ステップS44)。
【0097】
一方、異なる数字の桁が2桁以内であると判断されない場合は(ステップS43にて“N”)、動作は終了となる。
【0098】
なお、第4実施例では、一例として異なる数字の桁数を2桁以内としたが、これに限定するものではなく、異なる数字の桁数は任意に設定が可能である。
【0099】
また、第4実施例では、モニタ色の優先順位は、最上位が電話帳データ、次いでリダイヤルデータ、最下位が着信履歴データの順となっているが、これに限定するものではなく、順序は任意に設定が可能である。
【0100】
図9は第4実施例の動作の一例を示す模式図である。同図を参照すると、ダイヤル入力した数字列が“123−456−7890”で、これと比較した蓄積データ内の電話番号の1つが電話番号a“123−645−0987”である場合を示している。
【0101】
この場合、各桁を比較すると、ダイヤル入力した数字列のうちの“456−7890”が蓄積データ内の電話番号aと不一致となっている。不一致の桁数は7桁であり、この場合電話番号aは候補として表示されない(ステップS43にて“N”)。
【0102】
一方、比較した蓄積データ内の電話番号の他の1つが電話番号b“123−465−7890”である場合、各桁を比較すると、ダイヤル入力した数字列のうちの“56”が蓄積データ内の電話番号bと不一致となっている。不一致の桁数は2桁であり、この場合電話番号bは候補として表示される(ステップS43にて“Y”およびステップS44)。
【0103】
以上説明したように、本発明の第4実施例によれば、わずかな桁数の番号入力ミスよる掛け間違いを防止することが可能となる。
【実施例5】
【0104】
図10は本発明に係る電話装置の第5実施例の構成図である。なお、同図において図1と同様の構成部分については同一番号を付し、その説明を省略する。
【0105】
第5実施例では、図10に示すように、図1の構成に外部メモリ接続インターフェース51と、電話帳データ蓄積部52とを追加している。外部メモリ接続インターフェース51は制御部3内の比較部11と接続され、かつ電話帳データ蓄積部52と接続される。
【0106】
電話帳データ蓄積部52は外部に設けられる蓄積部であり、一例としてメモリカード等の記録媒体である。この電話帳データ蓄積部52に蓄積された電話番号を外部メモリ接続インターフェース51によって読み込み、比較データとして加える。
【0107】
以上説明したように、本発明の第5実施例によれば、比較データ範囲をさらに拡大することが可能となる。
【0108】
なお、上記第1〜第5実施例では発信者に通知する方法としてモニタ(出力装置)4の色を変化させる方式を挙げたが、これに限定するものではなく、他の通知方法の適用も可能である。例えば、前述の動作例でのモニタを点灯させる要領で比較部より信号を送り、その信号の受け側が単純なLED(light emitting diode)ランプ点灯回路もしくはプッシュトーンの音色を変化させる回路であってもよい。
【実施例6】
【0109】
第6実施例はダイヤル入力方法のプログラムに関するものである。前述のとおり、本発明に係る電話装置10,20,30、40および50はプログラム格納部6を含んでいる(図1,3,5,7および9参照)。このプログラム格納部6には、図2、4、6および8にフローチャートで示すダイヤル入力方法のプログラムが格納されている。
【0110】
制御部3,7,8および9(図1,3,5,7および9参照)は、プログラム格納部6からこのダイヤル入力方法のプログラムを読み出し、そのプログラムにしたがって、ダイヤル番号数字列記憶メモリ2と、モニタ(出力装置)4と、データ蓄積部5とを制御する。その制御の内容は既に述べたので、ここでの説明は省略する。
【0111】
以上説明したように、本発明の第6実施例によれば、ダイヤル入力の途中で、その電話番号が蓄積データに含まれているか否かを表示することが可能なプログラムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明に係る電話装置の第1実施例の構成図である。
【図2】第1実施例の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る電話装置の第2実施例の構成図である。
【図4】第2実施例の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る電話装置の第3実施例の構成図である。
【図6】第3実施例の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る電話装置の第4実施例の構成図である。
【図8】第4実施例の動作を示すフローチャートである。
【図9】第4実施例の動作の一例を示す模式図である。
【図10】本発明に係る電話装置の第5実施例の構成図である。
【符号の説明】
【0113】
1 ダイヤルボタン(入力装置)
2 ダイヤル番号数字列記憶メモリ
3,7,8,9 制御部
4 モニタ(出力装置)
5 データ蓄積部
6 プログラム格納部
10,20,30 電話装置
11 比較部
12 モニタバックライト制御部
13,14 モニタ点灯回路
15 番号選定読み出し部
16 ダイヤル入力完了検出部
21 電話帳データ蓄積部
22 リダイヤルデータ蓄積部
23 着信履歴データ蓄積部
40,50 電話装置
51 外部メモリ接続インターフェース
52 電話帳データ蓄積部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の電話番号が蓄積される蓄積手段を含む電話装置であって、
入力される電話番号と、前記蓄積手段に蓄積された電話番号とを先頭から1桁ごとに比較する比較手段と、
前記電話番号同士を1桁比較するたびに、その比較結果を表示する表示手段とを含むことを特徴とする電話装置。
【請求項2】
前記表示手段は表示を制御する表示制御部と、表示を行う表示部とを含んで構成され、
前記表示部はバックライト付液晶表示装置であり、前記表示制御部は前記電話番号同士の比較結果に応じて前記バックライトの色を変更することを特徴とする請求項1記載の電話装置。
【請求項3】
前記蓄積手段に蓄積される電話番号は用途別に分類されており、前記表示制御部は前記電話番号同士の比較結果に応じて前記バックライトの色を用途別に変更することを特徴とする請求項2記載の電話装置。
【請求項4】
前記電話番号は電話帳データ、リダイヤルデータおよび着信履歴データに分類されることを特徴とする請求項3記載の電話装置。
【請求項5】
前記比較手段での比較結果に応じて、先頭から所定桁数までの番号が一致する電話番号を前記蓄積手段から読み出す一致番号選定読み出し手段を含み、
前記表示手段は前記一致番号選定読み出し手段で読み出された電話番号を表示することを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の電話装置。
【請求項6】
前記一致番号選定読み出し手段で読み出された電話番号のうちの1つを選択する選択手段を含むことを特徴とする請求項5記載の電話装置。
【請求項7】
所定の電話番号の入力完了を検出する入力完了検出手段と、
前記入力完了検出手段にて所定の電話番号の入力完了が検出された後に、電話番号の不一致が所定桁数以内の電話番号を前記蓄積手段から読み出す不一致番号選定読み出し手段を含み、
前記表示手段は前記不一致番号選定読み出し手段で読み出された電話番号を表示することを特徴とする請求項1から6いずれかに記載の電話装置。
【請求項8】
前記不一致番号選定読み出し手段で読み出された電話番号のうちの1つを選択する選択手段を含むことを特徴とする請求項7記載の電話装置。
【請求項9】
他の蓄積手段から電話番号を読み込むインターフェース手段を含むことを特徴とする請求項1から8いずれかに記載の電話装置。
【請求項10】
所定の電話番号が蓄積される蓄積部を含む電話装置におけるダイヤル入力方法であって、
入力される電話番号と、前記蓄積部に蓄積された電話番号とを先頭から1桁ごとに比較する比較ステップと、
前記電話番号同士を1桁比較するたびに、その比較結果を表示する表示ステップとを含むことを特徴とするダイヤル入力方法。
【請求項11】
前記表示ステップは表示を制御する表示制御ステップと、表示を行う表示部とを含んで構成され、
前記表示部はバックライト付液晶表示装置であり、前記表示制御ステップは前記電話番号同士の比較結果に応じて前記バックライトの色を変更することを特徴とする請求項10記載のダイヤル入力方法。
【請求項12】
前記蓄積部に蓄積される電話番号は用途別に分類されており、前記表示制御ステップは前記電話番号同士の比較結果に応じて前記バックライトの色を用途別に変更することを特徴とする請求項11記載のダイヤル入力方法。
【請求項13】
前記電話番号は電話帳データ、リダイヤルデータおよび着信履歴データに分類されることを特徴とする請求項12記載のダイヤル入力方法。
【請求項14】
前記比較ステップでの比較結果に応じて、先頭から所定桁数までの番号が一致する電話番号を前記蓄積部から読み出す一致番号選定読み出しステップを含み、
前記表示部は前記一致番号選定読み出しステップで読み出された電話番号を表示することを特徴とする請求項10から13いずれかに記載のダイヤル入力方法。
【請求項15】
前記一致番号選定読み出しステップで読み出された電話番号のうちの1つを選択する選択ステップを含むことを特徴とする請求項14記載のダイヤル入力方法。
【請求項16】
所定の電話番号の入力完了を検出する入力完了検出ステップと、
前記入力完了検出ステップにて所定の電話番号の入力完了が検出された後に、電話番号の不一致が所定桁数以内の電話番号を前記蓄積部から読み出す不一致番号選定読み出しステップを含み、
前記表示部は前記不一致番号選定読み出しステップで読み出された電話番号を表示することを特徴とする請求項10から15いずれかに記載のダイヤル入力方法。
【請求項17】
前記不一致番号選定読み出しステップで読み出された電話番号のうちの1つを選択する選択ステップを含むことを特徴とする請求項16記載のダイヤル入力方法。
【請求項18】
他の蓄積部から電話番号を読み込むインターフェースステップを含むことを特徴とする請求項10から17いずれかに記載のダイヤル入力方法。
【請求項19】
所定の電話番号が蓄積される蓄積部を含む電話装置におけるダイヤル入力方法のプログラムであって、
コンピュータに、入力される電話番号と、前記蓄積部に蓄積された電話番号とを先頭から1桁ごとに比較する比較処理と、
前記電話番号同士を1桁比較するたびに、その比較結果を表示する表示処理とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−124943(P2008−124943A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308525(P2006−308525)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】