説明

露光条件切替ユニット及びカメラユニット

【課題】カメラユニットの薄型化に貢献し得る露光条件切替ユニットを提供する。
【解決手段】底壁101に露光用の開口部110を有し、その開口部にCCD32を位置合わせした状態で、底壁の下面にCCD付き回路基板30が固定される下部ベース100と、底壁の開口部に対応したレンズ装着孔160を有すると共に、そのレンズ装着孔の内周に、レンズ40の雄ネジ部41が螺合される雌ネジ部161を有し、下部ベースの上面を覆った状態で、下部ベースに固定される上部カバー150と、下部ベースと上部カバーの間の空間に移動自在に収容され、上部カバーのレンズ装着孔に装着されたレンズ及び下部ベースの開口部を通してCCDに入射する露光の条件を切り替えるフィルタ組立体210と、フィルタ組立体を駆動するために下部ベースと上部カバーとの間の空間に内蔵されたアクチュエータ300と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ用の露光条件切替ユニット、及び、その露光条件切替ユニットを主要部として構成したカメラユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノートパソコンや携帯電話あるいは車両や監視用機器などに、小型のカメラユニット(スチルカメラやビデオカメラユニット)が広く搭載されるようになってきており、それらのカメラユニットに、フィルタ装置や絞り装置あるいはシャッタ装置等の露光条件切替ユニットが装備されることも多くなってきた。
【0003】
従来、この種の露光条件切替ユニットは、レンズ鏡筒に組み付けられるのが一般的であった(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開昭63−309933号公報
【特許文献2】特開平4−63331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、レンズ鏡筒を使用してレンズと露光条件切替ユニットとを組み合わせると、カメラユニット全体の光軸方向の寸法が大きくなり、カメラユニットの薄型化に限界が生じるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮し、カメラユニットの薄型化に貢献し得る露光条件切替ユニットとそれを用いて構成したカメラユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明の露光条件切替ユニットは、底壁に露光用の開口部を有し、その開口部に撮像素子を位置合わせした状態で、前記底壁の下面に、前記撮像素子を実装した回路基板が固定される下部ベースと、前記底壁の開口部に対応したレンズ装着孔を有すると共に、そのレンズ装着孔の内周または周囲に、レンズのネジ部が螺合されるネジ部を有し、前記下部ベースの上面を覆った状態で、該下部ベースに固定される上部カバーと、前記下部ベースと上部カバーの間の空間に移動自在に収容され、前記上部カバーのレンズ装着孔に装着されたレンズ及び前記下部ベースの開口部を通して前記撮像素子に入射する露光の条件を切り替える可動部材と、該可動部材を駆動するために前記下部ベースと上部カバーとの間の空間に内蔵されたアクチュエータと、を具備することを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の露光条件切替ユニットであって、前記レンズ側のネジ部が雄ネジであり、前記上部カバー側のネジ部として、雌ネジが前記上部カバーの装着孔の内周に形成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の露光条件切替ユニットであって、前記可動部材が、前記下部ベースの開口部上の位置に対して抜き差しされる光学フィルタを板状のフィルタ枠に取り付けて構成したフィルタ組立体よりなり、前記アクチュエータが、前記フィルタ枠を移動することにより、前記光学フィルタを前記開口部上の位置に対して抜き差しするものであることを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載の露光条件切替ユニットであって、前記板状のフィ
ルタ枠が、前記開口部から離れた位置で且つ前記フィルタ枠の板面上の中央付近に位置するように設定された回動支点に取り付けられることで、前記下部ベースの底壁に沿った面内で回動可能に設けられており、前記光学フィルタが、前記フィルタ枠が回動した際に前記開口部に対応する位置で且つ前記回動支点に対して片側に寄った位置に並べて複数配置されていることを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載の露光条件切替ユニットであって、前記複数の光学フィルタが配置された側を一端側とした場合、その反対側のフィルタ枠上の他端側に、前記フィルタ組立体の一端側と他端側の前記回動支点に対する重量バランスを調整するためのバランスウエイトが設けられていることを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5に記載の露光条件切替ユニットであって、前記アクチュエータが、回動支点を中心に前記下部ベースの底壁に沿った面内で揺動する揺動レバーを備えており、前記フィルタ枠の回動支点と前記揺動レバーの回動支点が前記開口部を挟んで対向する位置に配置され、前記フィルタ枠の回動支点と前記揺動レバーの回動支点の中間で、揺動レバーとフィルタ枠とが、該揺動レバーの揺動によりフィルタ枠が回動するように係合され、さらに、平面略四角形状に形成された前記下部ベース及び上部カバーの対角線方向に、前記フィルタ枠と揺動レバーの両回動支点が配置されていることを特徴としている。
【0013】
請求項7の発明は、請求項6に記載の露光条件切替ユニットであって、前記アクチュエータが、コイル枠と、該コイル枠に揺動自在に組み付けられ、コイル枠内に位置するマグネットホルダ部にマグネットを収容した前記揺動レバーと、前記コイル枠に装着され、通電により発生する磁力により、前記マグネットとの間に駆動力を生じさせて、前記揺動レバーを揺動させる空芯コイルと、からなり、前記コイル枠と前記揺動レバーのマグネットホルダ部の一方に設けた凸部と他方に設けた凹部を嵌め合わせることにより、前記揺動レバーの回動支点が構成され、その回動支点が、揺動レバーの回動軸線方向から見た場合のマグネットの投影面の中心付近に配置されていることを特徴としている。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7に記載の露光条件切替ユニットであって、前記コイル枠が、前記揺動レバーのマグネットホルダ部の上下に位置する上板と下板とを有しており、前記揺動レバーのマグネットホルダ部とコイル枠の一方と他方に設けた凸部と凹部が、前記上板と下板の少なくとも一方の撓みを利用して嵌め合わせられ、その後で、前記空芯コイルが前記上板と下板の外側に装着されることで、該上板と下板の外方への撓みが規制されて、それにより、前記揺動レバーがコイル枠から抜け止めされていることを特徴としている。
【0015】
請求項9の発明は、請求項3に記載の露光条件切替ユニットであって、前記板状のフィルタ枠が、前記開口部上に前記下部ベースの底壁に沿って直線スライド自在に設けられ、前記光学フィルタが前記フィルタ枠のスライド方向に並べて複数配置され、前記フィルタ枠がスライド自在に設けられた部分の側方に、該フィルタ枠のスライド方向と平行に自身の駆動方向を向けて直動式の前記アクチュエータが配置され、該アクチュエータの可動部と前記フィルタ枠とが、自身の長さ方向の中間部に回動支点を持ち両端が前記アクチュエータの可動部と前記フィルタ枠とにそれぞれ係合された回動レバーにより互いに連結され、該アクチュエータの可動部の直線運動により、前記フィルタ枠が直線スライドするように構成されていることを特徴としている。
【0016】
請求項10の発明は、請求項9に記載の露光条件切替ユニットであって、前記アクチュエータの固定部に、通電により磁力を発生するコイルが設けられ、前記アクチュエータの可動部に、前記コイルの磁力に応じて前記固定部と間で駆動力を生じて直線運動するマグ
ネットが設けられ、前記コイルの両側部に、該コイルの磁力を強化するヨークが設けられ、一方のヨークの外側に、前記コイルと外部リード線との電気接続を行うための小型の回路基板が配置され、その小型の回路基板が、前記下部ベースの側面に設けた切欠から外部に露出していることを特徴としている。
【0017】
請求項11の発明は、請求項1または2に記載の露光条件切替ユニットであって、前記可動部材が、前記下部ベースの開口部を開閉するシャッタ部材よりなることを特徴としている。
【0018】
請求項12の発明は、請求項1または2に記載の露光条件切替ユニットであって、前記可動部材が、前記下部ベースの開口部の開度を調整する絞り部材よりなることを特徴としている。
【0019】
請求項13の発明のカメラユニットは、請求項1〜12のいずれか1項に記載の露光条件切替ユニットの下部ベースの下面に、撮像素子を実装した回路基板を固定し、前記露光条件切替ユニットの上部カバーにレンズを装着して一体化してなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、本ユニットを構成する上部カバーにレンズ装着孔を形成し、そのレンズ装着孔の内周または周囲にレンズのネジ部の螺合するネジ部を形成したので、直接、上部カバーにレンズをねじ込んで取り付けることができる。つまり、本ユニットにレンズを取り付けるに当たり、光軸方向の長さを持つ鏡筒を省略することができる。従って、本ユニットに、撮像素子を実装した回路基板とレンズとを組み付けてカメラユニットを構成した場合に、カメラユニットの光軸方向寸法の短縮を図ることができ、カメラユニットの薄型化を図ることができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、上部カバーのレンズ装着孔の内周に雌ネジを設け、レンズ側の雄ネジと螺合するようにしたので、例えば、上部カバーの装着孔の周囲に円筒部を立設して、その外周に雄ネジを形成し、その雄ネジにレンズ側の雌ネジを螺合させる場合と比べて、ユニットの薄型化を図ることができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、フィルタの抜き差しによって撮像素子に入射する露光の条件を切り替えるので、フィルタ効果を効かした画像を記録することができる。また、フィルタ組立体は板状のものとなるので、カメラユニットの薄型化に貢献することができる。この場合、光学フィルタは複数枚フィルタ枠上に取り付けることができ、その組み合わせとしては、NDフィルタとダミーフィルタの組み合わせ、IRカットフィルタとダミーフィルタの組み合わせ、NDとIRの2枚重ねフィルタとダミーフィルタの組み合わせ等を自由に選択することができる。
【0023】
請求項4の発明によれば、フィルタ組立体の回動支点をフィルタ枠の中央付近に設定したので、バランス良くフィルタ組立体を回動させることができ、駆動負荷を減らすことができる。また、複数の光学フィルタを回動支点に対して片側に寄せて配置したので、使用するフィルタを切り替える場合の回動角度を大きくせずに済み、駆動負担を減らせる上、構成のコンパクト化に貢献することができる。
【0024】
請求項5の発明によれば、フィルタ枠の先端側(他端側)にバランスウエイトを設けたので、フィルタ組立体の回動支点の位置を、フィルタ組立体の重量バランスを保ちつつ、中央付近の中でも、できるだけ先端側に寄せた位置に配置することができ、それだけフィルタ枠の基端側(一端側)のスペースを大きくとることができて、複数の光学フィルタを
配置する際の余裕スペースを確保することができる。
【0025】
請求項6の発明によれば、フィルタ枠の回動支点と揺動レバーの回動支点を下部ベースの開口部を挟んで対向する位置で、且つ、平面略四角形状の下部ベースと上部カバーの対角線方向の2つの位置に配置したので、下部ベースと上部ケースの大きさの割りに、揺動レバーのアーム長を長く設定することができる。従って、アーム長を長く設定できる分だけ、揺動レバーの揺動角度をあまり大きくしないでも、アーム先端の揺動変位量を大きくとることができ、大きな面積の光学フィルタでも、余裕を持って切り替えることができるし、フィルタ切替機構部を構成する各要素のレイアウトの自由度も増すことができる。
【0026】
請求項7の発明によれば、重量の大きなマグネットの中心付近に揺動レバーの回動支点を設定しているので、揺動レバーの回動バランスを良くすることができ、揺動レバーの回動の円滑化に寄与することができる。
【0027】
請求項8の発明によれば、コイル枠の上板と下板の撓みを利用しながら、凹部と凸部を嵌め合わせることにより、揺動レバーのマグネットホルダ部をコイル枠に嵌め込むようにしているので、簡単にコイル枠と揺動レバーの組み付けを行うことができる。また、コイル枠に揺動レバーを組み付けた後に、空芯コイルをコイル枠に装着することによって、コイル枠の上板と下板の撓みを規制して、揺動レバーを抜け止めするので、組立品であるアクチュエータの取り扱いがやりやすくなる。
【0028】
請求項9の発明によれば、フィルタ枠を直線スライド自在に設けると共に、直動式のアクチュエータをフィルタ枠のスライド方向と平行に配置し、そしてアクチュエータの可動部とフィルタ枠とを、自身の長さ方向の中間部に回動支点を持つ回動レバーを介して連結したので、フィルタ切替機構部のコンパクトなレイアウトを実現することができ、露光条件切替ユニットの小型化に貢献することができる。
【0029】
請求項10の発明によれば、コイルの両側にヨークを設けたので、アクチュエータの駆動効率向上に寄与することができる。また、一方のヨークの外側にコイルと外部リード線との電気接続を行う小型の回路基板を配置し、その回路基板を下部ベースの側面に設けた切欠から露出させたので、外部リードの接続を簡単に行うことができる。
【0030】
請求項11の発明によれば、シャッタ部材で開口部を開閉するので、シャッタ効果を効かした画像を記録することができる。
【0031】
請求項12の発明によれば、絞り部材で開口部の開度を調整するので、絞り効果を効かした画像を記録することができる。
【0032】
請求項13の発明のカメラユニットによれば、請求項1〜12のいずれかに記載の露光条件切替ユニットを使用しているので、全体の薄型化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1〜図23は第1実施形態の説明図、図24〜図33は第2実施形態の説明図である。第1、第2のいずれの実施形態も、本発明の露光条件切替ユニットとしてのフィルタ切替ユニットを示すものであり、同時にフィルタ切替ユニットにレンズとCCD付き回路基板を取り付けて構成したカメラユニットも示している。
【0034】
《第1実施形態》
第1実施形態のフィルタ切替ユニットは、可動部材としてのフィルタ組立体を揺動させ
て、光学フィルタの切り替えを行う揺動タイプのものであり、以下、これについて詳細に説明する。
【0035】
図1はフィルタ切替ユニット10と、それに組み合わせてカメラユニット20を構成する全要素を示す分解斜視図である。このフィルタ切替ユニット10は、ハウジングを構成する下部ベース100及び上部カバー150と、2枚の異なる光学特性を持つ光学フィルタ220A、220Bをフィルタ枠210Aに取り付けたフィルタ組立体210と、フィルタ組立体210を駆動する電磁式のアクチュエータ300と、からなる。
【0036】
カメラユニット20は、そのフィルタ切替ユニット10に、レンズ40とCCD付き回路基板30を組み付けて構成したものである。
【0037】
図2及び図3は下部ベース100の構成を示す図、図4は上部カバー150の構成を示す図、図5〜図7は下部ベース100にフィルタ切替機構部200を組み付けた構成を示す図、図8及び図9はフィルタ切替ユニット10にレンズ40と回路基板30を組み付けて構成したカメラユニット20の外観図、図10はカメラユニット20の断面図である。また、図11〜図20はフィルタ切替機構部200の構成及びその要素の構成を示す図である。
【0038】
図1〜図4に示すように、下部ベース100及び上部カバー150は、それぞれ樹脂成形品により構成されており、平面略四角形状をなしている。下部ベース100は、底壁101の周縁に一定高さの周壁102を起立形成した底の浅い箱型のもので、底壁101の中央には露光用の円形の開口部110が設けられている。
【0039】
また、底壁101の下面には、基板本体31上にCCD(撮像素子)32を実装したCCD付き回路基板30が固定できるようになっている。即ち、底壁101の下面には、露光用の開口部110の直下にCCD32を位置合わせした状態で、回路基板30を固定することのできる基板取付筒部103が設けられており、その基板取付筒部103の内側のCCD収容凹部103aに、表面に実装したCCD32を収容した状態で、基板取付筒部103の下端面に、回路基板30を密着状態で2本のネジ14により固定できるようになっている。
【0040】
基板取付筒部103の外周側に膨出形成したボス部には、そのためのネジ止め孔105が設けられ、CCD付き回路基板30の基板本体31には、そのネジ14を通すためのネジ挿通孔35が設けられている。
【0041】
基板本体31は下部ベース100に対応した四角形状のもので、その対向する2つのコーナー部には、カメラユニット20として組み立てた状態で取付対象部材に固定するためのネジ止め用の取付孔36が設けられている。なお、基板本体31の上面中央には、撮像素子としてCCD32を実装しているが、それ以外の撮像素子を実装しても勿論よい。
【0042】
また、下部ベース100の底壁101の下面には、アクチュエータ収容部120に固定したアクチュエータ300のコイル(後述)の端末と外部リード線とを接続するための小型の回路基板50がネジ16で取り付けられている。
【0043】
また、下部ベース100の上面には、上部カバー150を取付固定するためのネジ止め孔104や位置決めボス107が設けられている。また、露光用の開口部110を挟む一方側には、フィルタ組立体210の回動支点となる凸軸111が突設され、他方側には、アクチュエータ300を収容するためのアクチュエータ収納部120が設けられている。
【0044】
アクチュエータ収納部120に収容されるアクチュエータ300は、後に詳しく述べるが、回動支点を中心に回動自在とされた揺動レバー270を有するものであり、その揺動レバー270の回動支点が、開口部110を挟んで凸軸111と対向する位置にある。特に、フィルタ組立体210の回動支点と揺動レバー270の回動支点は、平面略四角形状の下部ベース100及び上部カバー150の対角線上に配置されている。
【0045】
前記アクチュエータ収納部120は、底壁101より一段低く形成されており、そのアクチュエータ収納部120の底面には、アクチュエータ300を構成するコイル枠240をワンタッチ固定するための一対の係止アーム121と、固定の際に正確にコイル枠240を位置決めするための3個の位置決め孔129が設けられている。
【0046】
一方、下部ベース100の上側に被せる上部カバー150は、略四角形状の上面板151の中央に、下部ベース100の露光用の開口部110に対応したレンズ装着孔160を有しており、そのレンズ装着孔160の内周には、レンズ40の雄ネジ部41が螺合される雌ネジ部161が形成されている。この上部カバー150は、下部ベース100の上面を覆った状態で、下部ベース100にネジ12で固定されるもので、下部ベース100のネジ止め孔104に対応したネジ挿通孔154と、位置決めボス107が嵌まる位置決め孔157を有している。また、上部カバー150のレンズ装着孔160の下端には、レンズ40のねじ込み高さを規制するストッパ162が設けられている。
【0047】
レンズ装着孔160に装着されるレンズ40は、透明樹脂による一体成形品として構成されており、図1、図10に示すように、中央に下部ベース100の開口部110より大きめの口径の円形のレンズ部40Aを有し、その周囲にリング状枠部42を有し、そのリング状枠部42の下端外周に雄ネジ部41を有している。このようにレンズ40に直接、上部カバー150の雌ネジ部161に螺合する雄ネジ部41を形成していることにより、無駄な鏡筒を使用しないで、フィルタ切替ユニット10にレンズ40を装着することができる。つまり、フィルタ切替ユニット10が、レンズマウントの役割をなす。
【0048】
本実施形態のフィルタ切替ユニット10は、下部ベース100にフィルタ切替機構部200を組み付け、その上から上部カバー150を被せて固定したものであり、以下にフィルタ切替機構部200の構成について説明する。
【0049】
図5〜図7並びに図10に示すように、フィルタ切替機構部200は、下部ベース100と上部カバー150(図5〜図7では図示されていず)の間の空間に収容されており、フィルタ組立体210と、このフィルタ組立体210を駆動するアクチュエータ300と、からなる。フィルタ組立体210は、上部カバー150のレンズ装着孔160に装着されたレンズ40及び下部ベース100露光用の開口部110を通して撮像素子であるCCD32に入射する露光の条件を切り替える可動部材に相当するものである。
【0050】
フィルタ組立体210は、下部ベース100の露光用の開口部110上の位置に対して抜き差しされる2枚の光学フィルタ220A、220Bを板状のフィルタ枠210Aに取り付けて構成したものであり、アクチュエータ300によってフィルタ枠210Aを揺動させることにより、光学フィルタ220A、220Bを、開口部110上の位置に対して抜き差しできるようになっている。
【0051】
図11、図12に示すように、フィルタ枠210Aは、外形が略釣鐘形をなした板体212の中央付近に、下部ベース100の凸軸111に嵌まる揺動孔211を有しており、その揺動孔211を下部ベース100の凸軸111に嵌めることにより、凸軸111と揺動孔211で構成される回動支点を中心にして、下部ベース100の底壁101に沿った面内で回動できるようになっている。
【0052】
凸軸111は開口部110から若干離れた位置にあり、凸軸111を中心にフィルタ枠210Aが回動した際に開口部110を通過するフィルタ枠210A上の位置に、円形の2つの透孔213A、213Bが設けられており、各透孔213A、213Bの上に、矩形の光学フィルタ220A、220Bが取り付けられている。2枚の光学フィルタ220A、220Bの組み合わせとしては、NDフィルタとダミーフィルタの組み合わせ、IRカットフィルタとダミーフィルタの組み合わせ、NDとIRの2枚重ねフィルタとダミーフィルタの組み合わせ等を自由に選択することができる。
【0053】
2枚の光学フィルタ220A、220Bは、回動支点(揺動孔211)に対して片側に寄った位置に並べて複数配置されている。また、これら複数の光学フィルタ220A、220Bが配置された側を一端側(基端側)とした場合、その反対側のフィルタ枠210A上の他端側(先端側)には、フィルタ組立体210の一端側と他端側の回動支点(凸軸111、揺動孔211)に対する重量バランスを調整するためのバランスウエイト219が設けられている。バランスウエイト219は、フィルタ枠210Aの先端を肉厚にすることで形成されている。
【0054】
2枚の矩形の光学フィルタ220A、220Bは、図12に示すように、1つの辺同士を略平行にして近接させることで、フィルタ枠210Aの上面に並べて配置してあり、フィルタ枠210Aに形成した複数の鉤爪216や位置決め凸部214、218で位置決め係止した状態で、両フィルタ220A、220Bの縁部に跨るバネ状の押え板230を上から被せて、その押え板230の先端231と両翼部232をフィルタ枠210A上の係止爪217に差し込むことにより、フィルタ枠210上の所定位置に位置決め固定されている。
【0055】
また、フィルタ枠210Aの2つの透孔213A、213Bの間には、揺動孔211の中心から2つの透孔213A、213Bの中心の中間点に引いた直線に沿って延びる長孔215が設けられ、押え板230にもその長孔215に重なる長孔235が設けられている。この長孔215は、後述するアクチュエータ300の揺動レバー270の先端の駆動ピン285をスライド自在に係合するためのスライド孔である。
【0056】
次にアクチュエータ300について説明する。
アクチュエータ300は、図13に示すように、樹脂成形品よりなるコイル枠240と、コイル枠240に揺動自在に組み付けられ、コイル枠240内に位置するマグネットホルダ部275にマグネット272を収容した揺動レバー270と、コイル枠240に装着され、通電により発生する磁力により、マグネット272との間に駆動力を生じさせて、揺動レバー270を揺動させる空芯コイル290と、からなる。揺動レバー270は、アクチュエータ300を下部ベース100のアクチュエータ収納部120に設置した状態で、回動支点を中心に下部ベース100の底壁101に沿った面内で揺動するものとして設けられている。
【0057】
コイル枠240は、揺動レバー270の先端を突き出すための開口260を有した前板242と、前板242の背面に上下に間隔をおいて突設された互いに平行に対向する上板243及び下板244と、前板242の背面に左右に間隔をおいて突設された左右の側板245、246と、左右の側板245、246の外面に縦に設けられた取付固定用の断面コ字状のスライドガイド247とを備えており、前板242と上板243と下板244と左右側板245、246で囲まれた背面開放の矩形の空間に、揺動レバー270のマグネットホルダ部275を揺動自在に収容できるようになっている。
【0058】
各スライドガイド247の内側下端には係止段部247aが設けられており、コイル枠
240を下部ベース100のアクチュエータ収納部120に収容した際に、アクチュエータ収納部120の底面に突設した係止アーム121の先端係止爪が、コイル枠240の係止段部247aに係合することにより、コイル枠240を下部ベース100に確実に固定できるようになっている。スライドガイド247は、このようにコイル枠240をアクチュエータ収納部120に収容する際に、係止アーム121に対してスライドすることにより、コイル枠240の収容動作をガイドする機能を果たす。
【0059】
また、図15に示すように、コイル枠240の下端面には、コイル枠240を下部ベース100のアクチュエータ収納部120に収容する際に、アクチュエータ収納部120の底面に設けた位置決め孔129に嵌まることで、コイル枠240の取付位置を決める3つの位置決め突起249が設けられている。
【0060】
また、上板243と下板244の上下に対応する位置には、揺動レバー270のマグネットホルダ部275の上下に突出した円柱状の凸軸(凸部)281を回動自在に嵌めるための円形の軸受孔243a、244aが設けられ、その円形の軸受孔(凹部)243a、244aの手前側(背面側)の上板243と下板244の対向面には、軸受孔243a、244aに向けて揺動レバー270の円柱状の凸軸(凸部)281を容易に嵌め込めるようにするためのガイド斜面243b、244bが設けられている。また、図14に示すように、前板242の左右には、前板242の板厚内に形成された細径のヨークピン挿入孔248が一対設けられ、それらヨークピン挿入孔248にそれぞれヨークピン258が圧入されている。これらヨークピン258は、揺動レバー270のマグネット272との間で吸引作用を及ぼし、非作動時に揺動レバー270をいずれかの揺動限に吸引して保持する役目を果たす。
【0061】
また、左右側板245、246と上板243及び下板244の左右側縁との間には、空芯コイル290を差し込むための挿入隙間250が設けられている。空芯コイル290は、4つの辺部を有する角筒状のもので、上辺部がコイル枠240の上板243の上面側に嵌まり、下辺部がコイル枠240の下板244の下面側に嵌まり、左右辺部が前記挿入隙間250に嵌まるようになっている。
【0062】
揺動レバー270は、図16に示すように、マグネットホルダ部275とアーム276を有する樹脂成形品よりなる揺動レバー本体271と、マグネットホルダ部275に挿入固定されたマグネット272と、からなる。
【0063】
マグネットホルダ部275は、図17に示すように、前壁282と、前壁282の背面に互いに平行に間隔をおいて突設された上壁277及び下壁278と、外面が円弧面となった左右側壁279とからなり、前壁282と上下壁277、278と左右側壁279で囲まれた背面開放の矩形の空間280に、直方体形状のマグネット272を背面側から挿入できるようになっている。
【0064】
上壁277の上面と下壁278の下面には、コイル枠240の上板243と下板244の軸受孔243a、244aに嵌まる凸軸281が突設され、上壁277の下面の空間280への入口側には、挿入したマグネット272を抜け止めする係止突起277aが設けられている。
【0065】
アーム276は、前壁282から前方へ直線的に延び出しており、アーム276の先端下面には、フィルタ枠210Aの長孔215にスライド自在に係合する駆動ピン285が突設されている。
【0066】
次に組立手順を説明する。
アクチュエータ300を組み立てる場合は、まず、図16に示すように、揺動レバー本体271のマグネットホルダ部275にマグネット272を挿入して揺動レバー270を組み立てる。マグネット272を挿入する際には、マグネット272を係止突起277aに押し当て、上壁277を若干撓ませつつ挿入する。奥まで挿入すると、上壁277が撓みから復帰することで、係止突起277aがマグネット272の後端に係合し、マグネット272を抜け止めする。この際、マグネット272がガタつくような場合は、接着剤を適当な孔から注入してマグネット272を確実に固定する。
【0067】
マグネット272は長手方向(左右方向)に磁化されており、揺動レバー本体271のマグネットホルダ部275に収容して揺動レバー270を組み立てた段階で、左右側壁279側にN極とS極がある。また、凸軸281は、上から見た場合のマグネット272の投影面積の中央付近に位置するように設けられている。
【0068】
揺動レバー270を組み立てたら、図13に示すように、次にこれをコイル枠240に組み付ける。即ち、アーム275の先端をコイル枠240の前板242の開口260に貫通させ、揺動レバー270のマグネットホルダ部275を、上板243と下板244の間の空間に挿入する。そして、揺動レバー270のマグネット収容部275の上下面に出っ張っている凸軸281を、上板243と下板244のガイド斜面243b、244bを利用して、コイル枠240の軸受孔243a、244aに嵌め込む。その際、上板243と下板244は、いったん若干外側に撓んだ後、凸軸281が軸受孔243a、243bに嵌った段階で、元の位置に戻ることになる。
【0069】
このように、揺動レバー270の凸軸281をコイル枠240の軸受孔243a、244aに嵌め込むことで、揺動レバー270はコイル枠240に揺動自在に組み付けられる。そして、凸軸(凸部)281と軸受孔243a、244aが、揺動レバー270の回動支点となる。この組立品において、揺動レバー270のアーム276の先端は、コイル枠240の前板242の開口260から外に突出しており、開口260の左右側縁部が、揺動レバー270の揺動限を規定するストッパの役割をなす。
【0070】
揺動レバー270をコイル枠240に組み付けたら、次に図18〜図21に示すように、コイル枠240に空芯コイル290を装着する。即ち、角筒状の空芯コイル290の上辺部をコイル枠240の上板243の上面側に嵌め、空芯コイル290の下辺部をコイル枠240の下板244の下面側に嵌め、空芯コイル290の左右辺部をコイル枠240の左右側板245、246の内側の挿入隙間250に嵌め込む。
【0071】
そうすることにより、空芯コイル290が、コイル枠240の上板243と下板244の外側への撓みを規制することになるから、揺動レバー270の凸軸281がコイル枠240の軸受孔243a、244aから外れるのを防止することができる。
【0072】
この段階で、図19〜図21に示すアクチュエータ300が組み上がる。このアクチュエータ300において、空芯コイル290に通電すると、空芯コイル290は前後方向の磁界を生じるので、前側がN極のときにはマグネット272のS極側を吸引し、前側がS極のときにはマグネット272のN極側を吸引し、揺動レバー270に回転駆動力を与え、アーム276が図21中の矢印のどちらかの方向へ揺動することになる。
【0073】
次に、図5〜図7に示すように、フィルタ組立体210とアクチュエータ300を組み合わせながら、両者の組み合わせ品であるフィルタ切替機構部200を下部ベース100に組み付ける。その際、まず、フィルタ組立体210のフィルタ枠210Aの揺動孔211を、下部ベース100の凸軸111に嵌める。次いで、アクチュエータ300のコイル枠240を、下部ベース100のアクチュエータ収納部120に組み付ける。
【0074】
即ち、コイル枠240の下端の3つの位置決めピン249を下部ベース100側の3つの位置決め孔129に嵌め込んでコイル枠240を位置決めしなら、係止アーム121をスライドガイド247の係合段部247aに係合させることにより、コイル枠240を下部ベース100に固定する。それにより、アクチュエータ300が下部ベース100に固定される。
【0075】
その際、アクチュエータ300の揺動レバー270の先端の駆動ピン285を、フィルタ枠210Aの長孔215に係合させる。これにより、フィルタ枠210Aの回動支点(揺動孔211と凸軸111)と揺動レバー270の回動支点(軸受孔243a、244aと凸軸281)の中間で、揺動レバー270とフィルタ枠210Aとが、揺動レバー270の揺動によりフィルタ枠210Aが回動するように連結される。
【0076】
また、フィルタ枠210Aの回動支点と揺動レバー270の回動支点が、露光用の開口部110を挟んで対向する位置関係になり、平面略四角形状に形成された下部ベース100及び上部カバー150の対角線方向にフィルタ枠210Aと揺動レバー270の両回動支点が並ぶ。
【0077】
このように、フィルタ組立体210とアクチュエータ300よりなるフィルタ切替機構部200を下部ベース100に組み付けたら、空芯コイル290と小型の回路基板50を電気接続し、上部カバー150をその上に被せる。そして、ネジ12で上部カバー150を下部ベース100に固定する。これにて、本フィルタ切替ユニット10が完成する。
【0078】
そこで、このフィルタ切替ユニット10の上部カバー150のレンズ装着孔160にレンズ40を装着し、下部ベース100の下面にCCD付き回路基板30をネジ14で固定する。そうすることで、図8〜図10に示すカメラユニット20が完成する。
【0079】
このフィルタ切替ユニット10において、空芯コイル290に通電すると、図22に示す状態か、図23に示す状態になる。即ち、揺動レバー270が回動することにより、フィルタ組立体210が一方または他方に揺動し、2枚のフィルタ220A、220Bのうちの一方または他方が、露光用の開口部110の上に位置決めされる。そして、フィルタ220A、220Bを通過した光がCCD32に入射することになる。
【0080】
次に作用効果を述べる。
上述したフィルタ切替ユニット10は、ユニットを構成する上部カバー150にレンズ装着孔160を形成し、そのレンズ装着孔160の内周に、レンズ40の雄ネジ部41の螺合する雌ネジ部161を形成しているので、直接、上部カバー150にレンズ40をねじ込んで取り付けることができる。つまり、本ユニット10にレンズ40を取り付けるに当たり、光軸方向の長さを持つ鏡筒を省略することができる。従って、本ユニット10に、CCD付き回路基板30とレンズ40とを組み付けてカメラユニット20を構成した場合に、カメラユニット20の光軸方向寸法の短縮を図ることができ、カメラユニット20の薄型化を図ることができる。
【0081】
また、光学フィルタ220A、220Bの抜き差しによってCCD32に入射する露光の条件を切り替えるので、フィルタ効果を効かした画像を記録することができる。また、フィルタ組立体210は板状のものとなるので、カメラユニット20の薄型化に貢献することができる。
【0082】
また、フィルタ組立体210の回動支点(揺動孔211、凸軸111)をフィルタ枠210Aの中央付近に設定したので、バランス良くフィルタ組立体210を回動させること
ができ、アクチュエータ300の駆動負荷を減らすことができる。また、2枚の光学フィルタ220A、220Bを回動支点(揺動孔211、凸軸111)に対して片側に寄せて配置しているので、使用するフィルタ220A、220Bを切り替える場合の回動角度を大きくせずに済み、駆動負担を減らせる上、構成のコンパクト化に貢献することができる。
【0083】
また、フィルタ枠210Aの先端側(他端側)にバランスウエイト219を設けているので、フィルタ組立体210の回動支点(揺動孔211、凸軸111)の位置を、フィルタ組立体210の重量バランスを保ちつつ、中央付近の中でも、できるだけ先端側に寄せた位置に配置することができ、それだけフィルタ枠210Aの基端側(一端側)のスペースを大きくとることができて、複数の光学フィルタ220A、220Bを配置する際の余裕スペースを確保することができる。
【0084】
また、フィルタ枠210Aの回動支点(揺動孔211、凸軸111)と揺動レバー270の回動支点(凸軸281、軸受孔243a、244a)を下部ベース100の開口部110を挟んで対向する位置で、且つ、平面略四角形状の下部ベース100と上部カバー150の対角線方向の2つの位置に配置したので、下部ベース100と上部ケース150の大きさの割りに、揺動レバー270のアーム276の長さを長く設定することができる。従って、アーム276の長さを長く設定できる分だけ、揺動レバー270の揺動角度をあまり大きくしないでも、アーム276の先端の揺動変位量を大きくとることができ、大きな面積の光学フィルタ220A、220Bでも、余裕を持って切り替えることができるし、フィルタ切替機構部200を構成する各要素のレイアウトの自由度も増すことができる。
【0085】
また、重量の大きなマグネット272の中心付近に揺動レバー270の回動支点(凸軸281、軸受孔243a、244a)を設定しているので、揺動レバー270の回動バランスを良くすることができ、揺動レバー270の回動の円滑化に寄与することができる。
【0086】
また、コイル枠240の上板243と下板244の撓みを利用しながら、軸受孔243a、244aと凸軸281を嵌め合わせることにより、揺動レバー270のマグネットホルダ部275をコイル枠240に嵌め込むようにしているので、簡単にコイル枠240と揺動レバー270の組み付けを行うことができる。また、コイル枠240に揺動レバー270を組み付けた後に、空芯コイル290をコイル枠240に装着することによって、コイル枠240の上板243と下板244の撓みを規制して、揺動レバー270を抜け止めするので、組立品であるアクチュエータ300の取り扱いがやりやすくなる。
【0087】
なお、上記実施形態では、アクチュエータ300で駆動する可動部材がフィルタ組立体210である場合を説明したが、可動部材を、下部ベース100の開口部110を開閉するシャッタ部材で構成してもよく、その場合は、シャッタ効果を効かした画像を記録することができる。また、可動部材を、下部ベース100の開口部110の開度を調整する絞り部材で構成してもよく、その場合は、絞り効果を効かした画像を記録することができる。
【0088】
次に本発明の第2実施形態を説明する。
【0089】
《第2実施形態》
第2実施形態のフィルタ切替ユニットは、可動部材としてのフィルタ組立体を揺動ではなく、直線移動させて、光学フィルタの切り替えを行う直動タイプのものであり、以下、これについて詳細に説明する。
【0090】
図24はフィルタ切替ユニット(露光条件切替ユニット)1010と、それに組み合わせてカメラユニット1020を構成する全要素を示す分解斜視図である。このフィルタ切替ユニット1010は、ハウジングを構成する下部ベース1100及び上部カバー1150と、2枚の異なる光学特性を持つ光学フィルタ220A、220Bをフィルタ枠1210Aに取り付けたフィルタ組立体1210と、フィルタ組立体1210を駆動する電磁式のアクチュエータ1300と、からなる。2枚の光学フィルタ220A、220Bの組み合せは、第1実施形態で述べたものを同じである。
【0091】
カメラユニット1020は、そのフィルタ切替ユニット1010に、レンズ40とCCD付き回路基板30を組み付けて構成したものである。
【0092】
図25及び図26は下部ベース1100の構成を示す図、図27は上部カバー1150の構成を示す図、図28〜図30は下部ベース1100にフィルタ切替機構部1200を組み付けた構成を示す図、図31及び図32はフィルタ切替ユニット1010にレンズ40と回路基板30を組み付けて構成したカメラユニット1020の外観図、図33はカメラユニット1020の断面図である。
【0093】
図24〜図29に示すように、下部ベース1100及び上部カバー1150は、それぞれ樹脂成形品により構成されており、平面略四角形状をなしている。下部ベース1100は、底壁1101の周縁に一定高さの周壁1102を起立形成した底の浅い箱型のもので、底壁1101の中央には露光用の円形の開口部1110が設けられている。
【0094】
また、底壁1101の下面には、基板本体31上にCCD(撮像素子)32を実装したCCD付き回路基板30が固定できるようになっている。即ち、底壁1101の下面には、露光用の開口部1110の直下にCCD32を位置合わせした状態で、回路基板30を固定することのできる基板取付筒部1103が設けられており、その基板取付筒部1103の内側のCCD収容凹部1103aに、表面に実装したCCD32を収容した状態で、基板取付筒部1103の下端面に、回路基板30を密着状態で2本のネジ14により固定できるようになっている。
【0095】
基板取付筒部1103の外周側に膨出形成したボス部には、そのためのネジ止め孔1105が設けられ、CCD付き回路基板30の基板本体31には、そのネジ14を通すためのネジ挿通孔35が設けられている。
【0096】
基板本体31は下部ベース1100に対応した四角形状のもので、その対向する2つのコーナー部には、カメラユニット1020として組み立てた状態で取付対象部材に固定するためのネジ止め用の取付孔36が設けられている。なお、基板本体31の上面中央には、撮像素子としてCCD32を実装しているが、それ以外の撮像素子を実装しても勿論よい。
【0097】
下部ベース1100の上面には、フィルタ組立体1210やアクチュエータ1300が搭載される。この場合のフィルタ組立体1210は、直動式のアクチュエータ1300の動作により直線スライドして、露光用の開口部1110上に抜き差しする光学フィルタ220A、220Bを切り替えるタイプのものであり、下部ベース1100の長手方向と平行な方向に、フィルタ組立体1210のスライド方向A(図28中の矢印A方向)が設定されている。
【0098】
下部ベース1100上の中央の領域は、フィルタ組立体1210がスライドする領域として確保され、その領域の中心に露光用の開口部1110が設けられている。また、フィルタ組立体1210がスライドする領域の側方には、アクチュエータ収納部1120とし
てのスペースが確保されている。アクチュエータ収納部1120は、前記スライド方向Aと平行な方向に長い平面長方形状のスペースであり、フィルタ組立体1210がスライドする領域の底壁1101よりも一段低くなっていて、両サイドが外側の側壁1120aと内側の側壁1120bとで画成され、後端と前端が後端壁1121と前端壁1122とで画成されている。後端壁1121は、周壁1102の一部として設けられ、前端壁1122は、周壁1102の内側に仕切壁として設けられている。そして、この仕切壁として設けられた前端壁1122の前隣りにはスライド溝1123が設けられ、その先端にはバネ止めピンとして兼用される位置決めボス1107が設けられている。
【0099】
また、アクチュエータ収納部1120を画成している外側の側壁1120aも周壁1102の一部として設けられており、その側壁1120aには矩形の切欠1128が形成されている。この切欠1128は、後述する小型の回路基板105を外部に露出させるためのものである。また、内側の側壁1120bは、フィルタ組立体1210の収容スペースとアクチュエータ収納部1120とを区分するための仕切壁として設けられており、その内側の側壁1120bと後端壁1121の側縁との間には、後述するアクチュエータベース1242を上から挿入するスリット1144が設けられている。
【0100】
また、スリット1144の外側には、内側の側壁1120bと連続したアクチュエータベース取付壁1142が設けられている。このアクチュエータベース取付壁1142も、下部ベース1100の周壁1102の一部として設けられており、その下端部には、アクチュエータベース1142をネジ止めするためのネジ孔1143が設けられている。
【0101】
また、下部ベース1100の上面には、上部カバー1150を取付固定するためのネジ止め孔1104や位置決めボス1107の他に、フィルタ組立体1210の直線スライドを案内する3つのガイドピン1115や後述する回動レバー1280を回動自在に支持する凸軸1111が立設されている。
【0102】
3つのガイドピン1115は、一対の対向辺が前記スライド方向Aと平行で且つ4つの頂点が露光用の開口部1110を囲む仮想長方形の3つの頂点の位置に配置されている。また、凸軸1111は、フィルタ組立体1210がスライドする領域から外れた位置で、フィルタ組立体1210がスライドする領域の延長上の位置に配置されている。
【0103】
この凸軸1111も位置決めボス(他の位置決めボスは符号1107で示す)を兼ねるものであり、フィルタ組立体1210を挟んで、この凸軸1111と略対向する位置にも、上部カバー1150の位置を決めるための位置決めボス1107が立設されている。また、上部カバー1150をネジ止めするためのネジ止め孔1104は、適当な間隔をおいて3つ以上配置され、下部ベース1100の周壁1102の内面側に膨出部を設けて、そこに形成されている。
【0104】
一方、下部ベース1100の上側に被せる上部カバー1150は、図24、図27に示すように、略四角形状の上面板1151の中央に、下部ベース1100の露光用の開口部1110に対応したレンズ装着孔1160を有しており、そのレンズ装着孔1160の内周には、レンズ40の雄ネジ部41が螺合される雌ネジ部1161が形成されている。この上部カバー1150は、下部ベース1100の上面を覆った状態で、下部ベース1100にネジ12で固定されるもので、下部ベース1100のネジ止め孔1104に対応したネジ挿通孔1154と、位置決めボス1107や凸軸1111の上端が嵌まる位置決め孔1157や保持孔1171を有している。また、上部カバー1150のレンズ装着孔1160の下端には、レンズ40のねじ込み高さを規制するストッパ1162が設けられている。
【0105】
レンズ装着孔1160に装着されるレンズ40は、透明樹脂による一体成形品として構成されており、図24及び図33に示すように、中央に下部ベース1100の開口部1110より大きめの口径の円形のレンズ部40Aを有し、その周囲にリング状枠部42を有し、そのリング状枠部42の下端外周に雄ネジ部41を有している。このようにレンズ40に直接、上部カバー1150の雌ネジ部1161に螺合する雄ネジ部41を形成していることにより、無駄な鏡筒を使用しないで、フィルタ切替ユニット1010にレンズ40を装着することができる。つまり、フィルタ切替ユニット1010が、レンズマウントの役割をなす。
【0106】
本実施形態のフィルタ切替ユニット1010は、下部ベース1100にフィルタ切替機構部1200を組み付け、その上から上部カバー1150を被せて固定したものであり、以下にフィルタ切替機構部1200の構成について説明する。
【0107】
図24、図28、図29、図30に示すように、フィルタ切替機構部1200は、下部ベース1100と上部カバー1150(図示略)の間の空間に収容されており、フィルタ組立体1210と、このフィルタ組立体1210を駆動するアクチュエータ1300と、からなる。フィルタ組立体1210は、上部カバー1150のレンズ装着孔1160に装着されたレンズ40及び下部ベース1100露光用の開口部1110を通して撮像素子であるCCD32に入射する露光の条件を切り替える可動部材に相当するものである。
【0108】
フィルタ組立体1210は、下部ベース1100の露光用の開口部1110上の位置に対して抜き差しされる2枚の光学フィルタ220A、220Bを板状のフィルタ枠1210Aに取り付けて構成したものであり、アクチュエータ1300によってフィルタ枠1210Aを直線スライドさせることにより、光学フィルタ220A、220Bを、開口部1110上の位置に対して抜き差しできるようになっている。
【0109】
フィルタ枠1210Aは略長方形状板状のもので、スライド方向に並べて、露出用の開口部1110に対応した2つの円形の透孔1213A、1213Bを有すると共に、それら透孔1213A、1213Bの両側に位置させて、下部ベース1100のスライドピン1115に嵌まる3本のスライド溝1215を有している。透孔1213A、1213Bの上側には、2枚の矩形の光学フィルタ220A、220Bが配置されており、これら2枚の光学フィルタ220A、220Bは、フィルタ枠1210Aに形成した複数の鉤爪1216等で位置決め係止した状態で、両フィルタ220A、220Bの縁部に跨る帯バネ状の押え板1230を上から被せて、その押え板1230の両端をフィルタ枠1210A上の係止爪1217に差し込むことにより、フィルタ枠1210上の所定位置に位置決め固定されている。
【0110】
また、フィルタ枠1210Aのスライド方向Aの端部には、後述する回動レバー1280の駆動ピン1284を係合するための長孔1211が設けられている。
【0111】
次にフィルタ組立体1210をスライドさせるアクチュエータ1300について説明する。
アクチュエータ1300は、可動ロッド1270を直線運動させる直動式のもので、アクチュエータベース(アクチュエータの固定部)1242と、このアクチュエータベース1242に固定されたコイルボビン1241と、コイルボビン1241に直列且つ逆向きに巻回された2つのコイル1290と、コイルボビン1241の両側に配された磁力強化用の板状のヨーク1291と、可動ロッド1270と、から構成されており、自身の駆動方向をフィルタ組立体1210のスライド方向Aと平行に揃えて、アクチュエータ収納部1120に収容されている。
【0112】
コイル1290は、図30(B)に示すように、コイルボビン1241の3枚の仕切1241a、1241b、1241cの間に形成された2つの凹所に巻かれている。また、アクチュエータベース1242の一端には、下部ベース1100側のアクチュエータベース取付壁1142にネジ18で固定するためのネジ通し孔1243が付いている。また、一方のヨーク1291の外側には、コイル1290と外部リード線との電気接続を行うための小型の回路基板1050が配置されている。
【0113】
アクチュエータ1300の可動ロッド1270は、基端部に、円柱状のマグネット1273が挿入固定されたマグネットホルダ部1271が設けられており、その先端側に、真っ直ぐ延びるロッド1272が一体化されている。ロッド1272の先端には、下部ベース1100のスライドガイド1123にスライド自在に係合する下向きの突起1274が設けられると共に、横向きに直角に折れ曲がったアーム1275が設けられている。そして、アーム1275の先端に上向きに駆動ピン1276が設けられている。
【0114】
コイルボビン1241の内部は空洞になっており、ここに可動ロッド1270のマグネットホルダ部1271がスライド自在に挿入され、これによりアクチュエータ1300が構成されている。この場合、マグネット1273は長手方向に2極着磁されており、コイル1290に通電すると、マグネットを吸引・反発し、駆動力を発生するようになっている。
【0115】
フィルタ切替ユニット1010を構成する場合は、まず、下部ベース1100にフィルタ組立体1210を組み付ける。即ち、フィルタ枠1210Aの3つのガイド溝1215を3つのガイドピン1115に嵌める。これにより、フィルタ組立体1210が、ガイドピン1115とガイド溝1215の作用により、矢印A方向にスライド自在となる。次に、アクチュエータ1300をアクチュエータ収納部1120に収容し、アクチュエータベース1242の一端部をスリット1144から外に出して、下部ベース1100のアクチュエータベース取付壁1142にネジ18で固定する。これによりアクチュエータ1300が固定され、この状態で、小型の回路基板1050が下部ベース1100の切欠1128から外に臨む。
【0116】
また、可動ロッド1270の先端の下向きの突起1274を下部ベース1100のスライド溝1123に嵌める。そうすると、アーム1275はフィルタ組立体1210を取り付けた側に突き出た形となる。次いで、下部ベース1100の凸軸1111に、方向転換用の回動レバー1280のレバーアーム1281の長手方向中間部に設けた軸受孔1282を嵌める。これにより、回動レバー1280は、凸軸1111と軸受孔1282を回動支点にして揺動できるようになる。
【0117】
そこで、この回動レバー1280のレバーアーム1281の一端に設けた長孔1283を、可動ロッド1270のアーム1275の先端に設けた上向きの駆動ピン1276に係合させると共に、レバーアーム1281の他端に設けた下向きの駆動ピン1284を、フィルタ組立体1210のフィルタ枠1210Aの先端に設けた長孔1211に係合させる。こうすることにより、アクチュエータ1300の可動ロッド1270とフィルタ組立体1210とが、自身の長さ方向の中間部に回動支点を持った回動レバー1280を介して互いに連結される。
【0118】
また、捩り巻きバネ1288の一端1288aを、下部ベース1100のバネ止めピンを兼ねた位置決めボス1107に係止すると共に、他端1288bを、回動レバー1270の長孔1283の近傍に設けたフック1285に係止する。
【0119】
これにより、可動ロッド1270の直線運動に応じて、フィルタ組立体1210がスラ
イドするようになると共に、バネ1288の作用により、フィルタ組立体1210がどちらかの移動端に付勢されるようになる。この場合、回動レバー1280の回動支点からのアーム長を適当に配分することにより、可動ロッド1270とフィルタ組立体1210のモーメントのバランスを調整し動作のスムーズ化を図ることができる。
【0120】
こうして、フィルタ切替機構部1200を下部ベース1100上に組み込んだら、その上から上部カバー1150を被せ、位置決め孔1157や保持孔1171を下部ベース1100の位置決めボス1107や凸軸1111に嵌める。そして、ネジ12で上部カバー1150を下部ベース1100に固定する。これにて、本フィルタ切替ユニット1010が完成する。
【0121】
そこで、このフィルタ切替ユニット1010の上部カバー1150のレンズ装着孔1160にレンズ40を装着し、下部ベース1100の下面にCCD付き回路基板30をネジ14で固定する。そうすることで、図31〜図33に示すカメラユニット1020が完成する。
【0122】
このフィルタ切替ユニット1010において、コイル1290に通電すると、可動ロッド1270が直線移動し、回動レバー1280が揺動することで、フィルタ組立体1210がスライドし、2枚のフィルタ220A、220Bのうちの一方または他方が、露光用の開口部1110の上に位置決めされる。そして、フィルタ220A、220Bを通過した光がCCD32に入射することになる。
【0123】
この動作の際、マグネット1273が片側に寄っている時には、大半が片側のコイル1290中にあるが、一部が他側のコイル1290の中に残る。従って、マグネット1273の大半が位置する側に流す電流が反発の磁界を発生する時は、相手側は吸引の磁界を発生するため、そちらへ移動するし、吸引の時は、その位置で止まっている。また、コイル1290に電流が流れていな時は、磁気的にどちらにも動かず、バネ1288の力でどちらかに寄せられる。
【0124】
次に作用効果を述べる。
上述したフィルタ切替ユニット1010は、ユニットを構成する上部カバー1150にレンズ装着孔1160を形成し、そのレンズ装着孔1160の内周に、レンズ40の雄ネジ部41の螺合する雌ネジ部1161を形成しているので、直接、上部カバー1150にレンズ40をねじ込んで取り付けることができる。つまり、本ユニット1010にレンズ40を取り付けるに当たり、光軸方向の長さを持つ鏡筒を省略することができる。従って、本ユニット1010に、CCD付き回路基板30とレンズ40とを組み付けてカメラユニット1020を構成した場合に、カメラユニット1020の光軸方向寸法の短縮を図ることができ、カメラユニット1020の薄型化を図ることができる。
【0125】
また、光学フィルタ220A、220Bの抜き差しによってCCD32に入射する露光の条件を切り替えるので、フィルタ効果を効かした画像を記録することができる。また、フィルタ組立体1210は板状のものとなるので、カメラユニット1020の薄型化に貢献することができる。
【0126】
また、本実施形態のフィルタ切替ユニット1010においては、フィルタ組立体1210を直線スライド自在に設けると共に、直動式のアクチュエータ1300をフィルタ組立体1210のスライド方向と平行に配置し、そしてアクチュエータ1300の可動ロッド1270とフィルタ枠1210Aとを、自身の長さ方向の中間部に回動支点(軸受孔1282、凸軸1111)を持つ回動レバー1280を介して連結したので、フィルタ切替機構部1200のコンパクトなレイアウトを実現することができ、フィルタ切替ユニット1
010の小型化に貢献することができる。
【0127】
また、コイル1290の両側にヨーク1291を設けているので、アクチュエータ1300の駆動効率向上に寄与することができるし、一方のヨーク1291の外側にコイル1290と外部リード線との電気接続を行う小型の回路基板1050を配置し、その回路基板1050を下部ベース1100の側面に設けた切欠1128から露出させているので、外部リード線の接続を簡単に行うことができる。
【0128】
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態においては、上部カバー150、1150のレンズ装着孔160、1160の内周にネジ部として雌ネジ(雌ネジ部161、1161)を形成し、レンズ40側に雄ネジ部41を形成してある場合を説明したが、その反対に、レンズ40側に雌ネジ部を形成し、上部カバー150、1150側に雄ネジ部を形成して両者を螺合させるようにしてもよい。その場合は、例えば、上部カバー150、1150のレンズ装着孔160、1160の周囲に円筒部を立設し、その円筒部の外周に雄ネジを形成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の第1実施形態の分解斜視図である。
【図2】(a)は下部ベースの平面図、(b)は(a)のIIb−IIb矢視断面図である。
【図3】下部ベースの下から見た斜視図である。
【図4】上部カバーの下面側の斜視図である。
【図5】下部ベースにフィルタ切替機構部を組み付けた斜視図である。
【図6】(a)は下部ベースにフィルタ切替機構部を組み付けた平面図、(b)は(a)のVIb−VIb矢視断面図である。
【図7】図6(a)のVIIb−VIIb矢視断面図である。
【図8】全体の組立品(カメラユニット)の斜視図である。
【図9】全体の組立品(カメラユニット)の下から見た斜視図である。
【図10】全体の組立品(カメラユニット)の断面図である。
【図11】フィルタ切替機構部の斜視図である。
【図12】フィルタ組立体の分解斜視図である。
【図13】アクチュエータを構成するコイル枠と揺動レバーと空芯コイルの分解斜視図である。
【図14】コイル枠の分解斜視図である。
【図15】コイル枠の構成図で、(a)は上面図、(b)は背面図、(c)は(b)の左側面図、(d)は(b)の右側面図、(e)は下面図、(f)は正面図である。
【図16】揺動レバーの分解斜視図である。
【図17】(a)は揺動レバーの平面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図18】アクチュエータを構成するコイル枠と揺動レバーに空芯コイルを組み付ける前の状態を示す斜視図である。
【図19】コイル枠と揺動レバーと空芯コイルを組み合わせて構成したアクチュエータの背面側から見た斜視図である。
【図20】同アクチュエータの背面図である。
【図21】同アクチュエータの水平断面図である。
【図22】フィルタ切替機構部を一方側へ揺動させたときの状態を示す斜視図である。
【図23】フィルタ切替機構部を他方側へ揺動させたときの状態を示す斜視図である。
【図24】本発明の第2実施形態の分解斜視図である。
【図25】下部ベースの斜視図である。
【図26】下部ベースの下から見た斜視図である。
【図27】上部カバーの下から見た斜視図である。
【図28】下部ベースにフィルタ切替機構部を組み付けた斜視図である。
【図29】下部ベースにフィルタ切替機構部を組み付けた平面図である。
【図30】(a)は図29のXXXa−XXXa矢視断面図、(b)は図29のXXXb−XXXb矢視断面図である。
【図31】全体の組立品(カメラユニット)の斜視図である。
【図32】全体の組立品(カメラユニット)の下から見た斜視図である。
【図33】全体の組立品(カメラユニット)の断面図である。
【符号の説明】
【0130】
10 フィルタ切替ユニット(露光条件切替ユニット)
20 カメラユニット
30 CCD付き回路基板
32 CCD(撮像素子)
40 レンズ
41 雄ネジ部
100 下部ベース
101 底壁
110 露光用の開口部
111 凸軸(回動支点)
150 上部カバー
160 レンズ装着孔
161 雌ネジ部
210 フィルタ組立体(可動部材)
210A フィルタ枠
211 揺動孔(回動支点)
219 バランスウエイト
220A,220B 光学フィルタ
240 コイル枠
243 上板
244 下板
243a,244a 軸受孔(凹部、回動支点)
270 揺動レバー
272 マグネット
275 マグネットホルダ部
290 空芯コイル
281 凸軸(凸部)
300 アクチュエータ
1010 フィルタ切替ユニット(露光条件切替ユニット)
1020 カメラユニット
1050 小型の回路基板
1100 下部ベース
1101 底壁
1110 露光用の開口部
1111 凸軸(回動支点)
1128 切欠
1150 上部カバー
1160 レンズ装着孔
1161 雌ネジ部
1210 フィルタ組立体(可動部材)
1210A フィルタ枠
1242 アクチュエータベース(アクチュエータの固定部)
1270 可動ロッド(アクチュエータの可動部)
1273 マグネット
1280 回動レバー
1282 軸受孔(回動支点)
1290 コイル
1291 ヨーク
1300 アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁に露光用の開口部を有し、その開口部に撮像素子を位置合わせした状態で、前記底壁の下面に、前記撮像素子を実装した回路基板が固定される下部ベースと、
前記底壁の開口部に対応したレンズ装着孔を有すると共に、そのレンズ装着孔の内周または周囲に、レンズのネジ部が螺合されるネジ部を有し、前記下部ベースの上面を覆った状態で、該下部ベースに固定される上部カバーと、
前記下部ベースと上部カバーの間の空間に移動自在に収容され、前記上部カバーのレンズ装着孔に装着されたレンズ及び前記下部ベースの開口部を通して前記撮像素子に入射する露光の条件を切り替える可動部材と、
該可動部材を駆動するために前記下部ベースと上部カバーとの間の空間に内蔵されたアクチュエータと、
を具備することを特徴とする露光条件切替ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の露光条件切替ユニットであって、
前記レンズ側のネジ部が雄ネジであり、前記上部カバー側のネジ部として、雌ネジが前記上部カバーの装着孔の内周に形成されていることを特徴とする露光条件切替ユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載の露光条件切替ユニットであって、
前記可動部材が、前記下部ベースの開口部上の位置に対して抜き差しされる光学フィルタを板状のフィルタ枠に取り付けて構成したフィルタ組立体よりなり、
前記アクチュエータが、前記フィルタ枠を移動することにより、前記光学フィルタを前記開口部上の位置に対して抜き差しするものであることを特徴とする露光条件切替ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の露光条件切替ユニットであって、
前記板状のフィルタ枠が、前記開口部から離れた位置で且つ前記フィルタ枠の板面上の中央付近に位置するように設定された回動支点に取り付けられることで、前記下部ベースの底壁に沿った面内で回動可能に設けられており、
前記光学フィルタが、前記フィルタ枠が回動した際に前記開口部に対応する位置で且つ前記回動支点に対して片側に寄った位置に並べて複数配置されていることを特徴とする露光条件切替ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の露光条件切替ユニットであって、
前記複数の光学フィルタが配置された側を一端側とした場合、その反対側のフィルタ枠上の他端側に、前記フィルタ組立体の一端側と他端側の前記回動支点に対する重量バランスを調整するためのバランスウエイトが設けられていることを特徴とする露光条件切替ユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の露光条件切替ユニットであって、
前記アクチュエータが、回動支点を中心に前記下部ベースの底壁に沿った面内で揺動する揺動レバーを備えており、
前記フィルタ枠の回動支点と前記揺動レバーの回動支点が前記開口部を挟んで対向する位置に配置され、
前記フィルタ枠の回動支点と前記揺動レバーの回動支点の中間で、揺動レバーとフィルタ枠とが、該揺動レバーの揺動によりフィルタ枠が回動するように係合され、
さらに、平面略四角形状に形成された前記下部ベース及び上部カバーの対角線方向に、前記フィルタ枠と揺動レバーの両回動支点が配置されていることを特徴とする露光条件切替ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の露光条件切替ユニットであって、
前記アクチュエータが、
コイル枠と、
該コイル枠に揺動自在に組み付けられ、コイル枠内に位置するマグネットホルダ部にマグネットを収容した前記揺動レバーと、
前記コイル枠に装着され、通電により発生する磁力により、前記マグネットとの間に駆動力を生じさせて、前記揺動レバーを揺動させる空芯コイルと、からなり、
前記コイル枠と前記揺動レバーのマグネットホルダ部の一方に設けた凸部と他方に設けた凹部を嵌め合わせることにより、前記揺動レバーの回動支点が構成され、
その回動支点が、揺動レバーの回動軸線方向から見た場合のマグネットの投影面の中心付近に配置されていることを特徴とする露光条件切替ユニット。
【請求項8】
請求項7に記載の露光条件切替ユニットであって、
前記コイル枠が、前記揺動レバーのマグネットホルダ部の上下に位置する上板と下板とを有しており、
前記揺動レバーのマグネットホルダ部とコイル枠の一方と他方に設けた凸部と凹部が、前記上板と下板の少なくとも一方の撓みを利用して嵌め合わせられ、
その後で、前記空芯コイルが前記上板と下板の外側に装着されることで、該上板と下板の外方への撓みが規制されて、それにより、前記揺動レバーがコイル枠から抜け止めされていることを特徴とする露光条件切替ユニット。
【請求項9】
請求項3に記載の露光条件切替ユニットであって、
前記板状のフィルタ枠が、前記開口部上に前記下部ベースの底壁に沿って直線スライド自在に設けられ、
前記光学フィルタが前記フィルタ枠のスライド方向に並べて複数配置され、
前記フィルタ枠がスライド自在に設けられた部分の側方に、該フィルタ枠のスライド方向と平行に自身の駆動方向を向けて直動式の前記アクチュエータが配置され、
該アクチュエータの可動部と前記フィルタ枠とが、自身の長さ方向の中間部に回動支点を持ち両端が前記アクチュエータの可動部と前記フィルタ枠とにそれぞれ係合された回動レバーにより互いに連結され、
該アクチュエータの可動部の直線運動により、前記フィルタ枠が直線スライドするように構成されていることを特徴とする露光条件切替ユニット。
【請求項10】
請求項9に記載の露光条件切替ユニットであって、
前記アクチュエータの固定部に、通電により磁力を発生するコイルが設けられ、前記アクチュエータの可動部に、前記コイルの磁力に応じて前記固定部と間で駆動力を生じて直線運動するマグネットが設けられ、
前記コイルの両側部に、該コイルの磁力を強化するヨークが設けられ、一方のヨークの外側に、前記コイルと外部リードとの電気接続を行うための小型の回路基板が配置され、
その小型の回路基板が、前記下部ベースの側面に設けた切欠から外部に露出していることを特徴とする露出条件切替ユニット。
【請求項11】
請求項1または2に記載の露光条件切替ユニットであって、
前記可動部材が、前記下部ベースの開口部を開閉するシャッタ部材よりなることを特徴とする露光条件切替ユニット。
【請求項12】
請求項1または2に記載の露光条件切替ユニットであって、
前記可動部材が、前記下部ベースの開口部の開度を調整する絞り部材よりなることを特徴とする露光条件切替ユニット。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の露光条件切替ユニットの下部ベースの下面に、撮像素子を実装した回路基板を固定し、前記露光条件切替ユニットの上部カバーにレンズを装着して一体化してなることを特徴とするカメラユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2009−92866(P2009−92866A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262437(P2007−262437)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000231590)日本精密測器株式会社 (64)
【Fターム(参考)】