説明

非晶質カーボン被覆工具

【課題】耐溶着性及び耐摩耗性を有する非晶質カーボン被覆工具を提供する。
【解決手段】工具の最表面に非晶質カーボン膜を具える非晶質カーボン被覆工具であって、軟質金属または硬質粒子含有材の加工用の工具である。前記非晶質カーボン膜は、グラファイトを含有する原料を用いた物理的蒸着法によって形成され、ヌープ硬度がHk=3500kg/mm2以上、水素含有量が15at%未満である。グラファイトを出発原料として、グラファイトの昇華反応を利用した被覆方法により成膜することで、硬度が高く、耐摩耗性に優れると共に、耐溶着性に優れる被覆工具である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウムなどの軟質金属およびその合金、またはグラファイトなどの硬質粒子含有材を加工する工具の表面に、耐摩耗性および耐溶着性を有する膜を被覆した非晶質カーボン被覆工具に関するものである。特に、旋削工具(ドリル・エンドミル・リーマなど)、フライス工具に代表される切削スローアウェイチップ、切断工具(カッター・ナイフ・スリッターなど)として最適な工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より切削工具には、切削抵抗を小さくして高能率に加工できること、工具表面の損傷を小さくして高寿命に保つこと、および被加工物の仕上げ(表面形状、母材硬度、寸法精度など)を高品位に行なうことなどが求められている。上記に加えて最近では、環境保全のニーズから、切削を潤滑に行うために使用する切削油剤を減少させる傾向にあり、切削油剤を用いなくても寿命や切削能率が低下しない工具の開発が強く望まれている。そこで、耐摩耗性・潤滑性を改善するために、これら切削工具の表面にTiN・TiC・TiCN・TiAlNなどのTi系セラミックス被膜を施した工具が広く用いられている。
【0003】
しかし、上記Ti系セラミックス膜を被覆した切削工具でも、被加工材がアルミ合金などの軟質金属の場合は、切削工具の切れ刃部分に被加工材が溶着して切削抵抗が大きくなるという問題があった。また、グラファイトなど微細な硬質粒子を含む被加工材の場合には、切削性が高いため高速・高送り条件で加工が行われるので、他の被加工材に比べて工具摩耗が激しいという問題があった。そこで、アルミニウムやその合金、またはグラファイトを加工する工具には、従来、耐溶着性があり高硬度のダイヤモンド膜が用いられていた。
【0004】
また、被加工材が溶着しにくい加工工具としては、非晶質カーボン膜を被覆したものもある。この工具の被膜の製法として、従来からよく用いられているものには、炭化水素系ガス(メタン・ベンゼン・アセチレンなど)を用いたプラズマ化学蒸着法によるものがある(例えば、特許文献1,2参考)。
【0005】
その他、炭素を原料としたアークイオンプレーティング法によって被覆する成膜方法を開示した特許文献3に記載の発明がある。この発明の特徴は、粒径0.1μm以上の粒子を除くために原料と母材との間に防御体を設けたことである。
【0006】
特許文献4〜10は、非晶質カーボン膜に関する技術を開示している。
【0007】
【特許文献1】特開昭63-262467号公報
【特許文献2】特開平3-115571号公報
【特許文献3】特開平10-25565号公報
【特許文献4】特開平11-100671号公報
【特許文献5】特開平3-158455号公報
【特許文献6】特開平4-19001号公報
【特許文献7】特開平7-138748号公報
【特許文献8】特開平10-226874号公報
【特許文献9】特開平10-237627号公報
【特許文献10】特開平8-283933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記ダイヤモンド膜は、多結晶構造であるため表面の凹凸が大きく、精密加工工具として使用するためには、その凹凸によって複雑な形状を成す表面を研磨する必要がある。ところが、ダイヤモンド膜は、現存する材料で一番硬質であるため、その研磨にもダイヤモンドを用いるより他なく、非常なコストアップの要因となっていた。
【0009】
更に、通常のTiNなどのセラミックス被膜の膜厚は、2〜3μmであるのに対し、ダイヤモンド膜の場合、最終的に表面を研磨するため、予め20〜30μm程度の厚膜が必要である。また、成膜は、ダイヤモンド成長時に同時成長するグラファイトをエッチング除去しながら行うので、非常に成膜レートが低い。具体的には、他のTiNなどのセラミックス被膜に対して、1/10未満の成膜レートである。従って、研磨工程・成膜工程を含めた製造コストが、非常に高くなるという問題があった。
【0010】
一方、上記プラズマ化学蒸着法で作られた非晶質カーボン膜では、水素含有ガスを原料に使用するため、被膜中に水素が15〜40at%含まれて、硬度が低くなるという問題がある。実際、この製法による非晶質カーボン膜のヌープ硬さ(Hk)は最大でもHk=3000kg/mm2程度であり、ダイヤモンド膜のHk=10000kg/mm2と比較してかなり硬度が低い。更に、加工時の摩擦によって被膜の温度が上昇して350℃程度になると、被膜中の水素は、被膜中から徐々に抜け出す。この結果、非晶質カーボン膜は、グラファイト膜に構造が変態する。すると、著しく硬度が低下してしまう。従って、上記製法による非晶質カーボン膜は、局部的に温度が上がる刃先などの切削工具に被覆した場合、耐摩耗性という点で問題が残る。
【0011】
また、上記特許文献3に記載の発明は、原料と母材との間に防御体を設けているために、成膜レートが200nm/minと遅い。そのため、膜厚を厚くするためには、長時間を要し現実的でない。更に、この発明も成膜に水素含有ガスを用いるため、実際の硬度はHk=3000kg/mm2程度と低い。
【0012】
そこで、本発明の目的の一つは、被膜した直後の工具表面粗度を良くすると共に、成膜レートが高く、製造コストを低減でき、かつ耐摩耗性のある非晶質カーボン被覆工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、工具の最表面に非晶質カーボン膜を具える非晶質カーボン被覆工具であって、軟質金属、または硬質粒子含有材を加工する工具である。前記非晶質カーボン膜は、安価に被覆でき、ダイヤモンドに近い特性を持つグラファイトを含有する原料を用いた物理的蒸着法によって形成され、かつヌープ硬度がHk=3500kg/mm2以上、水素含有量が15at%未満である。
【0014】
ここで、上記物理的蒸着法による非晶質カーボン膜は、ダイヤモンドライクカーボン膜・DLC膜・a-C:H膜・a-C膜・硬質炭素膜などとも呼ばれ、これら全てを含むものである。そして、この非晶質カーボン膜は、ダイヤモンドに匹敵する高硬度を得るために、グラファイトを出発原料として、グラファイトの昇華反応を利用した被覆方法により得られる。また、この非晶質カーボン膜は、成膜中に故意に反応ガスを導入しなければ、成膜中に不可避的に含まれる不純物を除いて炭素原子により構成されることになる。従って、上記非晶質カーボン膜は、水素化非晶質カーボンよりダイヤモンドに近い構造であり、硬度を高くできると同時に、耐酸化特性もダイヤモンドと同様の600℃近くにまで改善される。
【0015】
上記グラファイトを出発原料とした物理的蒸着法は、一般に工業的に用いられるアークイオンプレーティング法・レーザーアブレーション法やスパッタリング法などが好適である。これらの成膜方法は、成膜レートが高く、またダイヤモンド膜のような製造コストの問題もない。本発明被覆工具において非晶質カーボン膜は、特に、アークイオンプレーティング法による成膜が好ましい。更に、高硬度の非晶質カーボン膜を得るために、水素含有量が少ないガスの雰囲気下で成膜を行うことが好ましい。また、本発明被覆工具において非晶質カーボン膜を成膜するにあたり、特許文献3に記載の発明のように、原料と工具表面との間には防御体などを設けておらず、成膜レートは400nm/minと高い。
【0016】
加えて、非晶質カーボン膜の表面粗度をよくするために、グラファイト原料からの粒状飛散物を防止する方法も提案できる。例えば、グラファイト原料に対するアーク電流を小さくすることで蒸発量を少なくして成膜する方法や曲管を用いアークプラズマを磁力で曲げて直線的に移動する粒状飛散物を除く方法などがある。これらの成膜方法により、平滑な膜が得られる。
【0017】
本発明被覆工具は、工具基材と非晶質カーボン膜とを具え、特に、非晶質カーボン膜を工具の最表面に具える。この非晶質カーボン膜は、工具基材の直上に具えていてもよい。
【0018】
非晶質カーボン膜と工具表面との間に界面層を有していると、被膜(非晶質カーボン膜)の基材に対する密着性を高めることができる。この界面層は、周期律表IVa、Va、VIa族金属元素およびボロン、アルミニウム、シリコン、ゲルマニウムの群から選択される1種以上の元素からなるものが好ましい。或いは、非晶質カーボン膜と工具表面との間に、周期律表IVa、Va、VIa族金属元素およびボロン、アルミニウム、シリコン、ゲルマニウムの群から選択される1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素の群から選択される1種以上の元素とからなる化合物で構成されるものでもよい。そして、界面層の膜厚は、0.05μm〜1μmであることが望ましい。0.01μm未満では、被膜との密着性の改善効果が不充分であり、1μmを超えると密着性は余り変わり無いが、成膜時間が長くなるため不経済である。このような界面層を介在させることで、通常のTiNなどのセラミックス被膜に比べ著しく低い被膜の密着性が高められ、工具寿命を延ばすことが可能である。
【0019】
上記非晶質カーボン膜と界面層との合計膜厚は、0.1μm〜5μmであることが好適である。0.1μm未満では摩耗し易く、5μmを越えると被膜に蓄積される内部応力が大きくなり、剥離し易くなるからである。
【0020】
非晶質カーボン膜の水素含有量が15at%を超えると膜の硬度が極端に低下する。従って、被膜の硬度を高くするために非晶質カーボン膜の水素含有量を15at%未満とする。水素含有量は少ないほどよい。そのため、より好ましくは10at%未満、更に好ましい水素含有量は、0〜5at%である。これより、非晶質カーボン膜は、Hk=3500kg/mm2以上、特にHk=5000kg/mm2以上の硬度を有する。水素含有量を少なくするためには、非晶質カーボン膜を被覆する物理的蒸着法において、水素を含まない雰囲気下で形成するとよい。例えば、アルゴンガスや窒素ガスなどの不活性ガスなどを用いるとよい。
【0021】
なお、上記非晶質カーボン膜の含有物において、硬度や耐酸化性を低下させない範囲、即ち、被膜構成元素中において15at%未満の範囲で、より好ましくは10at%未満の範囲で、水素・窒素・アルゴンなどの原子が被膜中に含まれていてもよい。
【0022】
本発明非晶質カーボン被覆工具基材には、超硬合金・各種セラミック・ハイス鋼などがよい。
【0023】
本発明非晶質カーボン被覆工具は、ドリル・エンドミル・リーマ・スローアウェイチップ・カッター・ナイフ・スリッターなどに適する。特に、本発明被覆工具は、アルミニウム及びその合金などの軟質金属、またはグラファイトなどの硬質粒子含有材などを被削材とする場合に好適に利用できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の非晶質カーボン被覆工具は、優れた耐溶着性を有し、かつ耐摩耗性が高いため、工具寿命を著しく延長することができる。特に、旋削工具(ドリル、エンドミル、リーマなど)、フライス工具に代表される切削スローアウェイチップ、切断工具(カッター、ナイフ、スリッターなど)の表面の耐摩耗性を維持することが可能である。また、被覆材料にグラファイトを使用しているので、経済的であり、また成膜レートが高いので成膜の際の作業効率も良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明非晶質カーボン被覆工具の成膜は、図1に示す成膜装置1によって行う。図1に示すように、成膜装置1は、上部にガス導入口10を有し、下部には排気口11を具え、この排気口11には真空排気ポンプ(図示せず)を接続している。成膜装置1内の対向する位置に、複数個のターゲット(原料)2・3を配置する。このターゲット2・3は、真空アーク電源7・8に接続させる。また、成膜装置内1の中央部には、基材5を装着する基材保持具4を設置している。この基材保持具4は、回転することで装着した基材5に、ターゲット2・3から発生するイオンを満遍なく付着できる構成である。基材保持具4を中心として対向する位置に、基材5を加熱する基材加熱ヒーター6を配置している。
【0026】
上記装置を用いた真空アーク放電によるイオンプレーティング法は、以下の手順により行う。
(1) 成膜装置1内に複数個のターゲット2・3を配置する。ターゲット2・3は、真空アーク電源7・8に接続する。
(2) ターゲット2・3の中心点を中心として、これらターゲット2・3間で回転する基材保持具4に基材5を装着する。
【0027】
(3) 真空アーク電源7・8の放電電流を制御しながら界面層および非晶質カーボン膜を被覆する。放電電流を制御することによって、アーク放電が変化し、それによりターゲット2・3の材料の蒸発量が増減することで基材5に膜が被覆される。成膜装置1内の真空度は、7×10−3Paの雰囲気とする。アルゴンガスをガス導入口10から導入して1×10−1Paの雰囲気に保持しながら、基材加熱ヒーター6を用いて100℃まで加熱する。基材保持具4に-1000Vの電圧(バイアス電源)9をかけて洗浄を行った後、アルゴンガスを真空排気ポンプにより排気する。
【0028】
(4) 成膜装置1内に、Nガス・CHガス・アルゴンガスのいずれか一種類あるいは数種類を合計流量100cc/minの割合で導入しながら、周期律表IVa・Va・VIa族金属元素・アルミニウム・シリコンのターゲット2を真空アーク放電により蒸発・イオン化させることによりドリル表面上に界面層を形成する。更に、その上にグラファイトのターゲット3を蒸発・イオン化させることで非晶質カーボン膜を形成する。
【0029】
以下、本発明非晶質カーボン被覆工具を実施例により具体的に説明する。実施例では、水素含有量が少ない(水素含有ガスを用いない場合も含む)雰囲気下で非晶質カーボン膜を被覆した工具を使用した。また、比較例においては、上記のガスに加え水素含有ガスを含む雰囲気下で水素化非晶質カーボン膜やセラミックス被膜を形成した被覆工具を使用した。なお、本発明非晶質カーボン被覆工具の形成は、ここで用いた製法に限られるものではなく、グラファイトを用いた物理的蒸着法で成膜されたものであれば、いずれの方法であってもよい。
【0030】
(実施例1)
工具基材として、組成がJIS規格K10であるφ8mmの超硬合金製ドリルを用いて、表1・2に示すように膜厚と界面層の成分とを変えた本発明品1〜30を用意した。本発明品1〜28は、上記の方法により被膜を施したドリルである。本発明品29・30は、界面層を被覆していない工具である。また比較のため、表2に示すように比較品1〜5の被覆ドリルも用意した。なお、比較品1〜3は、通常のプラズマCVD装置を使用して、上記と同じドリルの表面に水素を多く含有する非晶質カーボン膜を形成したものである。
【0031】
上記のドリルに対し、表3の条件による穴あけ試験(外部給油による湿式条件)を行い、ノンコートドリルに対するスラスト低減率および切刃における凝着状況を測定した。なお、スラスト低減率は、従来品1のスラスト抵抗を基準として評価する。上記の各切削試験の結果を表1・2に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】
表2に示すように、化学的蒸着法で形成した水素含有量が20at%以上である水素化非晶質カーボン膜を具える比較品1〜3は、スラスト抵抗がノンコートと同程度で、かつ耐溶着性が悪い。TiN膜を具えるドリル(比較品4)、TiAlN膜を具えるドリル(比較品5)は、切削抵抗が著しく大きく、比較品4では10穴で、比較品5では、3穴空けたところで溶着し始めた。それに対し、水素を殆ど含まない本発明例のドリル(本発明品1〜30)は、アルミ穴あけ加工において優れた耐摩耗性を有すると同時に、優れた耐溶着性を具えることが分かる。従って、穴開け加工後の穴加工精度も非常に高い。また、界面層を施していない本発明品29・30は、硬度が5500kg/mmと高く、耐摩耗性がよいが、比較品3においては、硬度が2000kg/mmと低く、すぐに摩耗した。なお、本発明品は、切削抵抗が小さいため作業性がよかった。
【0036】
上記試験から、被膜の密着性を良くするための界面層の最適な厚みは、0.05〜1μmであることが分かる。0.05μmより小さいと付着性が悪く、1μmより大きいと性能的な問題はないが、成膜時間が長くなるためコストアップ要因となる。
【0037】
(実施例2)
実施例1と同じ方法により、超硬合金製ドリルの表面に非晶質カーボン膜を被覆した本発明品2と、化学蒸着法による水素化非晶質カーボン膜を被覆した比較品1・TiN膜を被覆した比較品4・TiAlN膜を被覆した比較品5とについて、表4の条件によるカーボンの穴開け加工を行い、穴開け個数と刃先の状態を評価した。
【0038】
【表4】

【0039】
その結果、物理的蒸着法により金属窒化物膜を被覆した従来の被覆工具である比較品4・5は、1000穴空けたところで被加工材の穴径にバラツキが生じたため、ドリルの状態を調べたところ、刃先に摩耗が生じ、その先端でチッピングが認められた。一方、本発明品2のドリルでは、5000穴空けた時点でも被加工材の加工状況に全く問題がなく、ドリル刃先にも摩耗やチッピングは認められなかった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明非晶質カーボン被覆工具は、アルミニウムなどの軟質金属およびその合金、またはグラファイトなどの硬質粒子含有材の切削加工に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】工具表面に被覆を施す成膜装置の説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1 成膜装置 2・3 ターゲット 4 基材保持具 5 基材
6 基材加熱ヒーター 7・8 アーク電源 9 バイアス電源
10 ガス導入口 11 排気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具基材と、工具の最表面に設けられる非晶質カーボン膜とを具える非晶質カーボン被覆工具であって、
この工具は、軟質金属または硬質粒子含有材の加工用の切削工具であり、
前記非晶質カーボン膜は、
グラファイトを含有する原料を用いた物理的蒸着法によって形成され、
ヌープ硬度がHk=3500kg/mm2以上であり、
水素含有量が15at%未満であることを特徴とする非晶質カーボン被覆工具。
【請求項2】
非晶質カーボン膜と工具基材の表面との間には、周期律表IVa・Va・VIa族金属元素およびボロン・アルミニウム・シリコン・ゲルマニウムの群から選択される1種以上の元素からなる膜厚0.05μm〜1μmの界面層を有することを特徴とする請求項1記載の非晶質カーボン被覆工具。
【請求項3】
非晶質カーボン膜と工具基材の表面との間には、周期律表IVa・Va・VIa族金属元素およびボロン・アルミニウム・シリコン・ゲルマニウムの群から選択される1種以上の元素と、炭素・窒素・酸素の群から選択される1種以上の元素とからなる化合物で構成される膜厚0.05μm〜1μmの界面層を有することを特徴とする請求項1記載の非晶質カーボン被覆工具。
【請求項4】
非晶質カーボン膜と界面層との合計膜厚は、0.1μm〜5μmであることを特徴とする請求項2または3記載の非晶質カーボン被覆工具。
【請求項5】
非晶質カーボン膜は、工具基材の直上に被覆されていることを特徴とする請求項1記載の非晶質カーボン被覆工具。
【請求項6】
非晶質カーボン膜は、水素を含まない雰囲気下で形成されたことを特徴とする請求項1記載の非晶質カーボン被覆工具。

【図1】
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【公開番号】特開2007−160506(P2007−160506A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−44678(P2007−44678)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【分割の表示】特願平11−242773の分割
【原出願日】平成11年8月30日(1999.8.30)
【出願人】(503212652)住友電工ハードメタル株式会社 (390)
【Fターム(参考)】