説明

非水系リチウム二次電池

【課題】本発明は、高エネルギー密度を有し、かつ高出力のリチウム系二次電池を提供することを目的とする。
【解決手段】正極、負極および非水系電解質を備えた非水系リチウム二次電池の製造方法であって、
(1)BET法による比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料あるいはBET法による比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料とリチウムを電気化学的に吸蔵および放出可能な材料との混合物からなる正極材料を電極に成形して正極を得る工程、
(2)活性炭表面上に炭素質材料を被覆したBET法による比表面積が20〜1000m/gである負極材料を電極に成形して負極を得る工程、及び
(3)工程(2)で得られた負極にリチウムをドープし、あらかじめリチウムがドープされた負極を得る工程
を含む非水系リチウム二次電池の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高エネルギー密度と高出力とを兼ね備えた非水系リチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境の保全および省資源を目指したエネルギーの有効利用の観点から、深夜電力貯蔵システム、太陽光発電技術に基づく家庭用分散型蓄電システム、電気自動車用の蓄電システムなどが注目を集めている。
【0003】
これらの蓄電システムにおける第一の要求事項は、用いられる電池のエネルギー密度が高いことである。この様な要求に対応すべく、リチウム電池電力貯蔵技術研究組合(LIBES)などにより、高エネルギー密度電池の有力候補として、リチウムイオン電池の開発が精力的に進められている。
【0004】
第二の要求事項は、出力特性が安定していることである。例えば、高効率エンジンと蓄電システムとの組み合わせ(例えば、ハイブリッド電気自動車)、あるいは燃料電池と蓄電システムとの組み合わせ(例えば、燃料電池電気自動車)において、エンジンあるいは燃料電池が最大効率で運転するためには、一定出力での運転が必須であり、負荷側の出力変動あるいはエネルギー回生に対応するために、蓄電システムにおける高出力放電特性および/または高率充電受け入れ特性が要求されている。
【0005】
現在、高出力蓄電デバイスとしては、電極に活性炭を用いた電気二重層キャパシタがあり、2kW/lを超える出力特性を有する大型キャパシタが開発されている。しかしながら、そのエネルギー密度は、1〜5Wh/l程度に過ぎないので、単独で上述の蓄電システムを構成することは難しい。
【0006】
一方、現在ハイブリッド電気自動車で採用されているニッケル水素電池は、2kW/l以上の高出力を実現し、かつ160Wh/l程度のエネルギー密度を有している。しかしながら、そのエネルギー密度をより一層高めるとともに、高温での安定性をさらに改善させることにより、信頼性をより一層向上させるための研究が精力的に進められている。
【0007】
また、リチウムイオン電池においても、高出力化に向けての研究が進められている。例えば、DOD50%において3kW/lを超える高出力が得られるリチウムイオン電池が開発されているが、そのエネルギー密度は、100Wh/l以下であり、リチウムイオン電池の最大の特徴である高エネルギー密度を敢えて抑制した設計となっている。
【0008】
上記の様に高出力(2kW/l以上)と高エネルギー密度(180Wh/l)とを兼ね備えた電池の実用化が強く求められているが、現在のところ、この技術的要求を充足する電池は開発されていない。
【0009】
リチウムイオン電池において高エネルギー密度と高出力とを同時に達成するためには、負極材料、正極材料、電解液などの各種の電池構成材料の特性を向上させる多面的なアプローチが必要である。現在、リチウムイオン電池を作製するに際し、負極材料として用いられている黒鉛系材料、炭素材料などを使用する場合には、例えば5分レベルの急速な放電(4000mA/gの電流密度)において、その容量は1時間レベルの放電(300mA/gの電流密度)時に比べて著しく低下する。従って、高エネルギー密度と高出力とを兼ね備えたリチウム系二次電池を開発するためには、大きなブレークスルーが必要である。
【0010】
また、リチウムイオン電池用正極材料として用いられるLiCoO、LiMn、LiNiOなどに代表されるリチウム複合酸化物は、負極として用いられる黒鉛系材料と同様に、例えば5分レベルの急速な放電において、その容量は1C放電時に比べ著しく低下するので、リチウム系二次電池の性能向上のためには、やはり大きなブレークスルーが必要である。
【0011】
一方、高出力用デバイスであるキャパシタに用いられる活性炭は、一般に比表面積が1000m/g以上である。この様なキャパシタ用活性炭にリチウムイオンをドーピングする場合には、その効率が著しく低いこと、また、電極化時密度も低いことなどの理由により、この様な活性炭を高出力と高容量とを兼ね備えた電池に用いることは、難しかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明は、高エネルギー密度を有し、かつ高出力のリチウム系二次電池を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、上記の様な従来技術の問題点に留意しつつ、研究を進めた結果、特定の正極材料と負極材料とを使用することにより、高エネルギー密度と高出力とを兼ね備えた非水系リチウム二次電池を得ることに成功した。
【0014】
すなわち、本発明は、下記の非水系リチウム二次電池を提供する:
1.正極、負極および非水系電解質を備えた非水系リチウム二次電池の製造方法であって、
(1)BET法による比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料あるいはBET法による比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料とリチウムを電気化学的に吸蔵および放出可能な材料との混合物からなる正極材料を電極に成形して正極を得る工程、
(2)活性炭表面上に炭素質材料を被覆したBET法による比表面積が20〜1000m/gである負極材料を電極に成形して負極を得る工程、及び
(3)工程(2)で得られた負極にリチウムをドープし、あらかじめリチウムがドープされた負極を得る工程
を含む非水系リチウム二次電池の製造方法。
2.工程(2)における負極材料が、気相での熱処理により被覆層を形成しうる炭化水素のガスを含む不活性雰囲気下中で活性炭を熱処理することにより得られる、上記項1に記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
3.気相での熱処理により被覆層を形成しうる炭化水素のガスを含む不活性雰囲気が、ピッチ又はコークスを熱処理して得られる、上記項2に記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
4.工程(1)が、BET法による比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料とリチウムを電気化学的に吸蔵および放出可能な材料とを100/0〜30/70(重量比)で混合した材料を電極に成形して正極を得る工程である上記項1〜3のいずれかに記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
5.工程(2)により得られる負極が、初期効率30%以上、4000mA/gの速度での放電で300mAh/g以上の容量を有する上記項1〜4のいずれかに記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
6.工程(2)における炭素質材料が、アモルファス状材料である上記項1〜5のいずれかに記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
7.工程(2)において、活性炭を被覆する炭素質材料の量が、活性炭重量を基準として10〜80%である上記項1〜6のいずれかに記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
8.工程(2)が、活性炭表面上に炭素質材料を被覆したBET法による比表面積が20〜1000m/gの材料からなる負極材料と結着剤樹脂とを混合し、その後電極に成形する工程である上記項1〜7のいずれかに記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
9.正極、負極および非水系電解質を備えた非水系リチウム二次電池の製造方法であって、
(1)BET法による比表面積が1000m/g以上の多孔質炭素質材料あるいはBET法による比表面積が1000m/g以上の多孔質炭素質材料とリチウムを電気化学的に吸蔵および放出可能な材料との混合物からなる正極材料を電極に成形して正極を得る工程、
(2)(i)気相での熱処理により被覆層を形成しうる炭化水素のガスを含む不活性雰囲気下中で活性炭を熱処理することにより、活性炭表面上に炭素質材料を被覆したBET法による比表面積が20〜830m/gである負極材料を得る工程、
(ii)前記負極材料を電極に成形して負極を得る工程、及び
(3)工程(2)で得られた負極にリチウムをドープし、あらかじめリチウムがドープされた負極を得る工程
を含む非水系リチウム二次電池の製造方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高エネルギー密度を有し、かつ高出力を有する非水系リチウム二次電池を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
【0017】
本発明のリチウム系二次電池における正極材料は、BET法による比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料単独或いは比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料とリチウムを電気化学的に吸蔵および放出できる材料との混合物からなる。
【0018】
正極材料として使用する多孔質炭素質材料としては、BET法による比表面積(以下、必要でない限り、単に「比表面積」という)が500m/g以上であれば、限定されないが、活性炭、ケッチェンブラックなどのカーボンブラックなどが例示される。多孔質炭素質材料の比表面積は、500m/g以上であることを必須しており、より好ましくは1000m/g以上、さらに好ましくは1500m/g以上である。多孔質炭素材料の比表面積が低すぎる場合には、後述するアニオン種のドーピング量が少なくなり、高出力放電時に充分な容量が得られない。正極に用いる多孔質炭素質材料の比表面積は、充填率の観点からは、2500m/g以下であることが好ましい。
【0019】
さらに、正極材料としては、多孔質炭素質材料とリチウムを電気化学的に吸蔵および放出可能な材料とを併用することが出来る(以下この様に併用される材料を単に「併用材料」ということがある)。この様な併用材料は、リチウムの電気化学的な吸蔵および放出が可能であれば、限定されないが、例えば、リチウム複合コバルト酸化物、リチウム複合ニッケル酸化物、リチウム複合マンガン酸化物、これら複合酸化物の混合物、これら複合酸化物或いは複合酸化物の混合物にさらに異種金属元素(コバルト系酸化物に対し、Ni、Mn、Fe、V、Al、Mgなど;Ni系酸化物に対し、Co、Mn、Fe、V、Al、Mgなど;マンガン系酸化物に対し、Co、Ni、Fe、V、Al、Mgなど)の少なくとも1種を添加した複合酸化物などを用いることができる。異種金属元素の添加量は、併用材料に対する要求性能、複合酸化物を構成する金属の組み合わせなどに応じて、適宜選択することができる。例えば、リチウム含有Co−Ni複合酸化物においては、Co:Ni=1:1とすることができる。また、マンガン、バナジウム、鉄などの金属の酸化物(異種金属を含んでいても良い)、ジスルフィド系化合物などを用いることも、可能である。なお、本発明における“リチウムを電気化学的に吸蔵および放出可能な併用材料”は、当然のことながら、上記の比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料を含まない。
【0020】
本発明による電池の正極においては、電池の充電時には多孔質炭素質材料に電解質中のアニオンがドーピングされ、放電時にはこのアニオンが脱ドーピングされる。このドーピング/脱ドーピング反応は極めて速度が速く、例えば10Cを超える電池の高出力放電に追従することが可能である。
【0021】
本発明の二次電池において、高出力が必要とされる時間が比較的短くかつ持続時間が短い場合(すなわち、電池としてそれほど大きな容量が必要とされない場合)には、正極として多孔質炭素材料を単独で使用することができる。これに対し、高出力化と高容量化とを達成する必要がある場合には、多孔質炭素材料と併用材料とを併せて使用する。本発明における併用材料の容量は、その比重により異なるが、少なくとも100mAh/g以上の比容量を利用できる材料が好ましい。
【0022】
正極として、比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料を単独で用いるか、或いは比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料とリチウムを電気化学的に吸蔵および放出可能な材料とを併用する混合材料を用いるか、混合材料を使用する場合の混合比をどの様に定めるかなどは、目的とする電池の仕様により適宜決定される。例えば、電池をハイブリッド電気自動車などにおいて使用する場合には、高出力が必要とされる時間は比較的短く、10秒程度持続すれば使用可能であるので、多孔質炭素質材料を使用することができる。また、高出力と高容量とを必要とする電池においては、比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質と併用材料とを混合して用いることが望ましい。いずれの場合においても、電極に活性炭を用いた電気二重層キャパシタを超える容量および出力特性が得られる。
【0023】
比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料と併用材料とを混合して用いる場合には、併用材料の混合比は、両材料の合計重量を基準として、70%以下とすることが好ましく、50%以下とすることがより好ましい。併用材料の混合比が、70%を上回る場合には、十分な出力が得られない。
【0024】
本発明における負極は、BET法による比表面積が通常20〜1000m/g、より好ましくは50〜800m/g、さらに好ましくは100〜600m/gの炭素質材料からなる。比表面積が小さすぎる場合には、充分な出力が得られないのに対し、比表面積が大きすぎる場合には、リチウムイオンの初期充放電効率が著しく低下するとともに、該負極材料を用いた電極の密度が低下して、体積あたりの容量が減少する。また、該負極材料から電解質へのリチウムイオンの移動速度を高めるためには、電解質を活物質内部まで充分に進入させる必要があり、そのためには、特に細孔直径100〜10Å程度の細孔の量を適切に制御することが好ましい。
【0025】
本発明によるリチウム二次電池の負極材料は、上記の特性乃至構造を有している限り、特に限定されるものではないが、活物質内でのリチウムイオンの移動を考慮すると、アモルファス状炭素材料であることがより好ましい。アモルファス状炭素材料は、黒鉛などの結晶性材料に比べて、その充放電曲線がなだらかであるため、結晶性材料に比して、リチウムをより高率で充放電することが可能である点においても、好適である。
【0026】
本発明によるリチウム二次電池の負極材料の容量は、400mAh/g以上であり、特に好ましくは500mAh/g以上である。従来技術においては、リチウムイオン電池の負極活物質としては、200〜300mAh/g程度の材料を使用することが一般的である。しかしながら、高出力電池を得るためには、後述の様に電解液を保持する負極の気孔率(負極材料自体の気孔率と成形された負極中の負極材料粒子間隙に起因する気孔率との総和)を35〜60%程度となる様に設定することが好ましく、活物質容量が400mAh/g未満の場合には、電池のエネルギー密度が低下する傾向がある。
【0027】
上記の要件を満足する好ましいリチウム系二次電池用負極材料としては、アモルファス状炭素(ポリアセン系物質、非晶質炭素など)が挙げられる。より具体的には、核となる炭素粒子(核炭素粒子)の表面上にアモルファス状炭素質材料(ポリアセン系物質、非晶質炭素など)からなる被覆層を形成させることにより得られ、比表面積が20〜1000m/g程度である炭素質材料(積層粒子材料)がより好ましい。
【0028】
この様な積層粒子材料は、例えば、以下の様にして製造することができる。すなわち、平均粒子径1〜500μm程度(より好ましくは1〜50μm程度)で比表面積100m/g以上(より好ましくは600m/g以上)の核炭素粒子(活性炭、木炭、ポリアセン系物質など;以下「活性炭」をもって代表させる)を、フェノール樹脂、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンスルフィド、メソカーボンマイクロビーズ、ピッチ、ピッチ系繊維、コークスなどの共存下に熱処理を行うことによりその表面に被覆層を形成させるか;或いは熱処理により被覆層を形成しうる炭素前駆体(液状有機物質、或いは有機溶媒に溶解させたタール、ピッチ、合成樹脂などの固形有機物質)を予め活性炭表面にコーティングした後、熱処理することにより、被覆層を形成させるか;或いは気相での熱処理により被覆層を形成し得るキシレン、ベンゼンなどの炭化水素のガスを含む不活性雰囲気中で活性炭を熱処理する;などの手法により、製造される。活性炭としては、得られる積層粒子材料が所望の特性を発揮する限り、その原料などには制限はなく、石油系、石炭系、植物系、高分子系などの各種の原料から得られた市販品を使用することが出来る。熱処理温度は、活性炭表面を非晶質炭素、ポリアセン系物質などのアモルファス系炭素質材料により被覆するために、500〜1500℃程度の温度で行うことが好ましく、特に500〜700℃程度の熱処理により、活性炭表面をポリアセン系物質で被覆することが望ましい。すなわち、ポリアセン系物質による被覆層を備えた積層粒子材料は、リチウムをドープした状態において、150℃程度の温度における電解液との反応による発熱が少ないので、安全性の観点から好適である。
【0029】
活性炭を被覆する炭素質材料の量は、原料とする活性炭の構造乃至特性(細孔直径、気孔率など)に応じて適宜決定すれば良く、限定されないが、通常活性炭重量を基準として10〜80%程度である。
【0030】
本発明における負極材料は、初期効率30%以上(好ましくは50%以上)であり、4000mA/gの速度での放電での容量300mAh/g以上(好ましくは320mAh/g以上、より好ましくは400mAh/g以上)である。この値は、例えば、上述の方法で得られる本発明のリチウム系二次電池用負極材料を用いた電極により、測定可能である。BET法による比表面積が20〜1000m/gの炭素質材料であっても、上記の初期効率および/または容量を有していない場合には、所望の高エネルギー密度と高出力とを兼ね備えたリチウム系二次電池を得ることはできない。
【0031】
本発明における負極材料には、あらかじめリチウムをドープしておくことが可能である。予めリチウムをドープしておくことにより、電池の初期効率、容量、出力特性などを制御することができる。本発明における負極材料へのプリドーピングは、本発明の負極材料を電極に成形した後、電気化学的に行うことが好ましい。具体的には、電池組立前に対極としてリチウム金属を用いた電気化学システムを組み立てた状態で、後述の非水系電解液中においてプリドーピングする方法、電解液を含浸した負極にリチウム金属を張り合わせる方法などが挙げられる。また、電池組立後にリチウムのプリドーピングを行う場合には、リチウム金属などのリチウム源を負極と張り合わせて、両者を電気的に接触させておいた状態で、電池内に電解液を注液することにより、行うことができる。
【0032】
本発明の正極材料および負極材料を電極に成形する方法は、所望の非水系二次電池の形状、特性などに応じて、公知の手法から適宜選択することができる。例えば、正極材料(或いは負極材料)と結着剤樹脂と、必要に応じて導電剤とを混合した後、成形することにより、電極を得ることができる。結着剤樹脂の種類は、特に限定されるものではないないが、ポリフッ化ビニリデン、ポリ四フッ化エチレンなどのフッ素系樹脂類、フッ素ゴム、SBR、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類などが例示される。
【0033】
正極および負極における結着剤混合量は、特に限定されず、本発明の正極材料および負極材料の種類、粒径、形状、目的とする電極の厚み、強度などに応じて適宜決定すれば良い。例えば、通常本発明の正極材料或いは負極材料重量の1〜30%程度の割合とすることが好ましい。
【0034】
本発明において、負極を集電体上に形成する場合には、集電体の材質などは、特に限定されず、銅箔、ステンレス鋼箔、チタン箔などが使用できる。さらに、金属箔上あるいは金属の隙間に電極が形成可能である構造体、例えば、エキスパンドメタル、網材などを集電体として用いることもできる。
【0035】
本発明電池における電解質としては、リチウム塩を含む非水系電解液、ポリマー電解質、ポリマーゲル電解質などの公知の非水系電解質を用いることが可能であり、正極材料の種類、負極材料の性状、充電電圧などの使用条件などにより、適宜決定される。高出力の電池を得るためには、電解質は、1×10−3S/cm以上の伝導度を有していることが好ましく、3×10−3S/cm以上の伝導度を有していることがより好ましい。リチウム塩を含む非水系電解液としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClOなどのリチウム塩をプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチルラクトン、酢酸メチル、蟻酸メチルなどの1種または2種以上からなる有機溶媒に溶解したものを用いることができる。また、電解液の濃度は、特に限定されるものではないが、一般に0.5〜2mol/l程度が実用的である。当然のことながら、電解液中の水分含量ができるだけ低いことが望ましく、100ppm以下であることが好ましい。なお、本明細書において、「非水系電解質」とは、非水系電解液および有機電解液のみならず、ゲル状および固体の電解質をも含む電解質を意味する。
【0036】
本発明の非水系二次電池の形状、大きさなどは、特に限定されず、その用途に応じて、円筒型、角型、フィルム電池、箱型などなどの任意の形態を選択することができる。
【実施例】
【0037】
以下に、実施例を示し、本発明の特徴とするところをさらに明確にする。
【0038】
実施例1
(1)市販のピッチ系活性炭(粒径10μm;比表面積2000m/g)5gをステンレススチールメッシュ製の籠に入れ、等方性ピッチ(軟化点:270℃)10gを入れたセラミック製皿の上に置き、小型円筒炉(炉心管内径100mm)内に配置して、加熱処理を行った。加熱処理は、窒素雰囲気下で行い、窒素流量は0.5l/minとした。加熱処理は、上記ピッチを700℃まで昇温し、同温度で4時間保持し、続いて自然冷却により60℃まで冷却した後、炉から取り出した。
【0039】
得られた加熱熱処理後の炭素質材料被覆活性炭は、原料ピッチ系活性炭に比して、重量が50%増加しており、BET法による比表面積(測定機器:ユアサアイオニクス社製“NOVA1200”)を測定したところ、550m/gであった。
【0040】
次いで、上記で得た炭素質材料被覆活性炭100重量部、アセチレンブラック10重量部およびPVdF(ポリフッ化ビニリデン)10重量部とNMP(N−メチルピロリドン)200重量部と混合して、スラリーを得た。次いで、得られたスラリーを厚さ14μmの銅箔の片面に塗布し、乾燥し、プレスして、厚さ50μmの電極を得た。得られた電極の密度は、1.01g/ccであった。
【0041】
上記で得られた電極を作用極として使用し、金属リチウムを対極および参照極として使用し、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートを3:7重量比で混合した溶媒に1mol/lの濃度でLiPFを溶解させた溶液を電解液として使用して、アルゴンドライボックス中で電気化学セルを作成した。リチウムのドーピングは、まずリチウム電位に対して1mVになるまで活物質重量に対して100mA/gの速度で行い、さらにリチウム電位に対して1mVの定電圧を20時間印加して、ドーピングを終了した。次いで、活物質重量に対し100mA/gの速度でリチウム電位に対して2Vまで脱ドーピングを行ったところ、放電容量605mAh/g、初期効率56%の値を得た。
【0042】
次に、充電速度および放電速度を変化させて、容量の測定を行った。すなわち、4000mA/gの放電あるいは5分(リチウム電位に対して1mVになるまで活物質重量に対して4000mA/gの速度で行い、さらにリチウム電位に対して1mVの定電圧を印加して、総充電時間を5分間とした)の充電において400mAh/g以上の容量が得られた。
【0043】
(2)市販のピッチ系活性炭(粒径10μm;比表面積2000m/g)100重量部、ケッチェンブラック5重量部およびPVdF10重量部とNMP250重量部と混合して、正極合材スラリーを得た。このスラリーを集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布し、乾燥し、プレスして、厚さ150μmの正極を得た。
【0044】
(3)上記(1)および(2)で得られた負極(50mm×30mm)と正極(50mm×30mm)とをセパレータ(東燃タピルス製、多孔性ポリエチレン:52mm×32mm)を介して対向させ、電池を組み立てた。この時、負極として材料重量あたり1000mAh/gのリチウムを電気化学的にプリドーピングしたものを使用し、電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートを3:7重量比で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLIPFを溶解した溶液を使用した。
【0045】
(4)作成した電池を2mAの電流で4.2Vまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を8時間行った。続いて、2mAの定電流で2.5Vまで放電した。放電容量は、6mAhであった。
【0046】
続いて、2mAの電流で4.2Vまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を8時間行っ後、500mAの電流で10秒間放電し、4.2Vで1分間(最大電流1000mA)充電する操作を10回繰り返したが、80Cを超える高レートでの電流取り出しが可能であった。
【0047】
実施例2
(1)LiCoO(セイミケミカル製、品番C−012)50重量部、市販のピッチ系活性炭(粒径10μm;比表面積2000m/g)50重量部およびPVdF8重量部とNMP200重量部とを混合して、正極合材スラリーを得た。このスラリーを集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布し、乾燥し、プレスして、厚さ150μmの正極を得た。
【0048】
(2)(1)で得られた正極(50mm×30mm)及び実施例1と同様の負極(50mm×30mm)をセパレータ(東燃タピルス製、多孔性ポリエチレン:52mm×32mm)を介して対向させ、電池を組み立てた。この時、負極として材料重量あたり500mAh/gのリチウムを電気化学的にプリドーピングしたものを使用し、電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートを3:7重量比で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を使用した。
【0049】
(3)上記のようにして作成した電池を5mAの電流で4.2Vまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を8時間行った。続いて、5mAの定電流で2.5Vまで放電した。放電容量は、25mAhであった。
【0050】
続いて、5mAの電流で4.2Vまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を8時間行った後、750mAの電流で10秒間放電し、4.2Vで1分間(最大電流750mA)充電する操作を10回繰り返したが、30Cを超える高レートでの電流取り出しが可能であった。
【0051】
比較例1
(1)市販のピッチ系活性炭(粒径10μm;比表面積2000m/g)100重量部、ケッチェンブラック5重量部およびPVdF10重量部とNMP250重量部とを混合して、電極合材スラリーを得た。このスラリーを集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布し、乾燥し、プレスして、厚さ100μmの電極(下記(2)において、正極および負極として使用する)を得た。
【0052】
(2)(1)で作成した電極(50mm×30mm)を正極および負極とし、セパレータ(電解コンデンサ紙:52mm×32mm)を介して対向させて、電気二重層キャパシタを組立てた。電解液としては、プロピレンカーボネートに1.5mol/lの濃度にトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレートを溶解した溶液を使用した。作成した電気二重層キャパシタを2mAの電流で2.5Vまで充電し、その後2.5Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を8時間行った。続いて、1mAの定電流で1Vまで放電した。放電容量は、2.7mAhであった。
【0053】
続いて、2mAの電流で2.5Vまで充電し、その後2.5Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を8時間行った後、500mAの電流で放電したところ、10秒以内にキャパシタ電圧は1V以下となった。
【0054】
実施例3
(1)市販のピッチ系活性炭(粒径10μm;比表面積2000m/g)50gをステンレススチールメッシュ製の籠に入れ、等方性ピッチ(軟化点:270℃)100gを入れたステンレススチール製バット(300mm×200mm:深さ50mm)の中に置き、蓋をした後(籠がステンレススチールメッシュ製である為、隙間が少し開いている状態にある)、角型電気炉(炉内寸法400mm×400mm×400mm)内に配置して、加熱処理を行った。加熱処理は、窒素雰囲気下で行い、窒素流量は5l/minとした。加熱処理は、上記ピッチを700℃まで昇温し、同温度で4時間保持し、続いて自然冷却により60℃まで冷却した後、炉から取り出した。
【0055】
得られた加熱熱処理後の炭素質材料被覆活性炭は、原料ピッチ系活性炭に比して、重量が29%増加しており、BET法による比表面積(測定機器:ユアサアイオニクス社製“NOVA1200”)を測定したところ、830m/gであった。
【0056】
次いで、上記で得た炭素質材料被覆活性炭100重量部、アセチレンブラック10重量部およびPVdF(ポリフッ化ビニリデン)10重量部とNMP(N−メチルピロリドン)200重量部と混合して、スラリーを得た。次いで、得られたスラリーを厚さ14μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥し、プレスして、厚さ154μmの電極Aを得た。また、厚さ14μmの銅箔の片面に塗布し、乾燥し、プレスして、厚さ84μmの電極Bをも得た。得られた両電極の密度は、いずれも0.85g/ccであった。
【0057】
上記で得られた片面電極Bを作用極として使用し、金属リチウムを対極および参照極として使用し、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを3:7重量比で混合した溶媒に1mol/lの濃度でLiPFを溶解した溶液を電解液として使用して、アルゴンドライボックス中で電気化学セルを作成した。リチウムのドーピングは、まずリチウム電位に対して1mVになるまで活物質重量に対して100mA/gの速度で行い、さらにリチウム電位に対して1mVの定電圧を20時間印加して、ドーピングを終了した。次いで、活物質重量に対し100mA/gの速度でリチウム電位に対して2Vまで脱ドーピングを行ったところ、放電容量560mAh/g、初期効率51%の値を得た。
【0058】
次に、放電速度を変化させて、容量の測定を行った。4000mA/gの放電において320mAh/gの容量が得られた。
【0059】
(2)市販のピッチ系活性炭(粒径10μm;比表面積2000m/g)100重量部、ケッチェンブラック5重量部およびPVdF10重量部とNMP250重量部と混合して、正極合材スラリーを得た。このスラリーを集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥し、プレスして、厚さ320μmの正極を得た。得られた電極の密度は、0.62g/ccであった。
【0060】
(3)上記(1)および(2)で得られた負極(片面負極A=2枚、両面負極B=3枚:15mm×21mm)と正極(両面正極=4枚:14mm×20mm)とセパレータ(多孔性ポリエチレン:16mm×22mm)を、片面負極A/セパレータ/両面正極/セパレータ/両面負極B/セパレータ/両面正極/セパレータ/両面負極B/セパレータ/両面正極/セパレータ/両面負極B/セパレータ/両面正極/セパレータ/片面負極Aの順で積層し、正極・負極端子を溶接し、樹脂−アルミラミネートフィルム外装体に挿入した後、電解液を注入し、樹脂開口部を熱融着して、封口した。積層時には、各負極のすべての電極面には厚さ20μmのリチウム金属を圧着した。電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを3:7重量比で混合した溶媒に1mol/lの濃度でLiPFを溶解した溶液を使用した。作成した電池を1日間放置した後、測定を開始した。
【0061】
(4)作成した電池を2mAの電流で4.0Vまで充電し、その後4.0Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を8時間行った。続いて、13mAの定電流で2.0Vまで放電した。放電容量は、11.3mAhであった。
【0062】
続いて、2mAの電流で4.0Vまで充電し、その後4.0Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を8時間行なった後、130mAの電流で定電流で2.0Vまで放電した。放電容量は、9.8mAhであった。更に同様にして充電を行った後、780mAの電流で定電流で2.0Vまで放電した。放電容量は、7mAhであった。
【0063】
実施例3および下記比較例2で得られた電池について、各条件下における放電カーブを図1に示す。
【0064】
比較例2
(1)市販のピッチ系活性炭(粒径10μm;比表面積2000m/g)100重量部、ケッチェンブラック5重量部およびPVdF10重量部とNMP250重量部とを混合して、電極合材スラリーを得た。このスラリーを集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥し、プレスして、厚さ320μmの電極C(下記(2)において、正極および負極として使用する)を得た。また、厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に、塗布し、乾燥し、プレスして、厚さ170μmの電極D(下記(2)において、正極および負極として使用する)を得た。得られた両電極の密度は、いずれも0.62g/ccであった。
【0065】
(2)(1)で作成した電極(負極用片面電極D=2枚、負極用両面電極C=2枚、正極用両面電極C=3枚、:各電極の面積=14mm×20mm)とセパレータ(電解コンデンサ紙:16mm×22mm)を、片面電極D(負極)/セパレータ/両面電極C(正極)/セパレータ/両面電極C(負極)/セパレータ/両面電極C(正極)/セパレータ/両面電極C(負極)/セパレータ/両面電極C(正極)/セパレータ/片面電極D(負極)の順で積層し、正極・負極端子を溶接した後、樹脂−アルミラミネートフィルム外装体に挿入し、電解液を注入した後、樹脂開口部を熱融着して、封口した。電解液として溶媒(プロピレンカーボネート)に1.5mol/lの濃度でトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレートを溶解した溶液を使用した。得られた電気二重層キャパシタの厚さは、実施例3と同じであった。
【0066】
(3)作成した電池を2mAの電流で2.5Vまで充電し、その後2.5Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を8時間行った。続いて、10mAの定電流で0Vまで放電した。放電容量は、7.5mAhであった。
【0067】
続いて、2mAの電流で2.5Vまで充電し、その後2.5Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を8時間行なった後、100mAの電流で定電流で0Vまで放電した。放電容量は、6.8mAhであった。更に同様にして充電した後、600mAの電流で定電流で0Vまで放電した。放電容量は、5.5mAhであった。
【0068】
図1に示す結果から明らかな様に、多孔質炭素質材料を負極に用いた本発明による非水系二次電池は、従来の電気二重層キャパシタに比して、高電圧かつ高容量であり、また出力特性にも優れていることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明実施例3による非水系リチウム二次電池の特性と比較例2による電気二重層キャパシタの特性とを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、負極および非水系電解質を備えた非水系リチウム二次電池の製造方法であって、
(1)BET法による比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料あるいはBET法による比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料とリチウムを電気化学的に吸蔵および放出可能な材料との混合物からなる正極材料を電極に成形して正極を得る工程、
(2)活性炭表面上に炭素質材料を被覆したBET法による比表面積が20〜1000m/gである負極材料を電極に成形して負極を得る工程、及び
(3)工程(2)で得られた負極にリチウムをドープし、あらかじめリチウムがドープされた負極を得る工程
を含む非水系リチウム二次電池の製造方法。
【請求項2】
工程(2)における負極材料が、気相での熱処理により被覆層を形成しうる炭化水素のガスを含む不活性雰囲気下中で活性炭を熱処理することにより得られる、請求項1に記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
【請求項3】
気相での熱処理により被覆層を形成しうる炭化水素のガスを含む不活性雰囲気が、ピッチ又はコークスを熱処理して得られる、請求項2に記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
【請求項4】
工程(1)が、BET法による比表面積が500m/g以上の多孔質炭素質材料とリチウムを電気化学的に吸蔵および放出可能な材料とを100/0〜30/70(重量比)で混合した材料を電極に成形して正極を得る工程である請求項1〜3のいずれかに記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
【請求項5】
工程(2)により得られる負極が、初期効率30%以上、4000mA/gの速度での放電で300mAh/g以上の容量を有する請求項1〜4のいずれかに記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
【請求項6】
工程(2)における炭素質材料が、アモルファス状材料である請求項1〜5のいずれかに記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
【請求項7】
工程(2)において、活性炭を被覆する炭素質材料の量が、活性炭重量を基準として10〜80%である請求項1〜6のいずれかに記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
【請求項8】
工程(2)が、活性炭表面上に炭素質材料を被覆したBET法による比表面積が20〜1000m/gの材料からなる負極材料と結着剤樹脂とを混合し、その後電極に成形する工程である請求項1〜7のいずれかに記載の非水系リチウム二次電池の製造方法。
【請求項9】
正極、負極および非水系電解質を備えた非水系リチウム二次電池の製造方法であって、
(1)BET法による比表面積が1000m/g以上の多孔質炭素質材料あるいはBET法による比表面積が1000m/g以上の多孔質炭素質材料とリチウムを電気化学的に吸蔵および放出可能な材料との混合物からなる正極材料を電極に成形して正極を得る工程、
(2)(i)気相での熱処理により被覆層を形成しうる炭化水素のガスを含む不活性雰囲気下中で活性炭を熱処理することにより、活性炭表面上に炭素質材料を被覆したBET法による比表面積が20〜830m/gである負極材料を得る工程、
(ii)前記負極材料を電極に成形して負極を得る工程、及び
(3)工程(2)で得られた負極にリチウムをドープし、あらかじめリチウムがドープされた負極を得る工程
を含む非水系リチウム二次電池の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−105052(P2009−105052A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298777(P2008−298777)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【分割の表示】特願2002−543720(P2002−543720)の分割
【原出願日】平成13年11月7日(2001.11.7)
【出願人】(591167430)株式会社KRI (211)
【Fターム(参考)】