説明

食品洗浄装置

【課題】 曝気と水流を洗浄水槽の全体に亘って均一に分散させながら、十分な噴出力によって被洗浄物を全体的に満遍なく下から煽って、かき解すように上下に浮沈させるといった効果的な洗浄を行なうことができる食品洗浄装置の提供。
【解決手段】 洗浄水槽2と、濾過水槽7と、濾過水槽に設けた循環ポンプ8と洗浄水槽に形成した底部室29との間に配管した圧力水管51と、圧力水管の先端に上向きに開口した噴出口55と、圧力水管の途中に設けた曝気用泡発生装置4と、洗浄カゴ9を備え、洗浄カゴの底部に設けた底部スクリーン92の中央部分に水流遮断部92aが形成され、この水流遮断部の中央部分に水流を通過させるための複数個の通水小孔92bが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜や海藻等の食品に付着したゴミ等(虫や異物汚れ等)を洗い流すために用いられる食品洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜等の被洗浄物を洗浄水槽内で洗浄させるようにした食品洗浄装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この従来の食品洗浄装置は本願出願人が既に提案したもので、本発明の基礎となる技術であり、洗浄水槽と濾過水槽を備え、この濾過水槽に設けた循環ポンプと洗浄水槽に形成した底部室との間に圧力水管を配管させ、圧力水管の噴出口に噴射ストレーナを取り付けると共に、圧力水管の途中に曝気用泡発生装置を設けたものであった。
【0004】
この従来技術は、気泡を含んだ洗浄水(含気水)を洗浄水槽の底部から上向きに噴射させるように構成させたもので、このとき気泡による曝気と水流を洗浄水槽の全体に亘って均一に分散させるために、圧力水管の噴出口に噴射ストレーナを取り付けていた。
【0005】
しかしながら、圧力水管の噴出口に噴射ストレーナを取り付けると、含気水を洗浄水槽の全体に亘って均一に分散させるという効果は十分に得られるものの、噴射ストレーナが抵抗となって噴出力が弱まり、この結果、洗浄能力が低下してしまうという問題を残していた。
又、噴射ストレーナを取り付けた場合には、その清掃に手間がかかるという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4414482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、気泡を含んだ洗浄水(含気水)を洗浄水槽の底部から上向きに噴射させる構成において、曝気と水流を洗浄水槽の全体に亘って均一に分散させながら、十分な噴出力によって被洗浄物を全体的に満遍なく下から煽って、かき解すように上下に浮沈させるといった効果的な洗浄を行なうことができる食品洗浄装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1記載の食品洗浄装置は、
内部に洗浄水を収容させる洗浄水槽(2)と、
この洗浄水槽(2)の上端縁に形成されたオーバーフロー縁(22)と、
前記洗浄水槽(2)の底面中央部に形成された底部室(29)と、
前記オーバーフロー縁(22)からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水を流入させて濾過させる濾過水槽(7)と、
前記濾過水槽(7)の濾過済み洗浄水を圧送させるための循環ポンプ(8)と前記底部室(29)との間に配管した圧力水管(51)と、
この圧力水管(51)の先端に上向きに開口した噴出口(55)と、
圧力水管(51)の途中に設けられた曝気用泡発生装置(4)と、
前記洗浄水槽(2)内に着脱可能に装着される洗浄カゴ(9)を備え、
前記洗浄カゴ(9)は、筒状胴部(90)の底部に底部スクリーン(92)が設けられると共に、筒状胴部(90)の上端(95)にスクリーン筒部(93)が設けられ、かつ前記底部スクリーン(92)の中央部分に水流遮断部(92a)が形成され、この水流遮断部(92a)の中央部分に水流を通過させるための複数個の通水小孔(92b)が形成されている構成とした。
【0009】
本発明の請求項2記載の食品洗浄装置は、
請求項1記載の食品洗浄装置において、前記オーバーフロー縁(22)が洗浄水槽(2)の上端縁の全縁に亘って形成されると共に、そのオーバーフロー縁(22)の全外周に外向きのフランジ面(20)が形成され、このフランジ面(20)に連続して前記洗浄水槽(2)の直径よりも幅広に開口した集水口(23)が形成され、前記オーバーフロー縁(22)からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水をこの集水口(23)で集水して濾過水槽(7)に流入させるように形成されている構成とした。
【0010】
本発明の請求項3記載の食品洗浄装置は、
請求項1又は2記載の食品洗浄装置において、前記オーバーフロー縁(22)からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水と共に、前記底部室(29)から導入したゴミ等を含む洗浄水を濾過水槽(7)に流入させるように形成されている構成とした。
【0011】
また、本発明の請求項4記載の食品洗浄装置は、
請求項1又は2又は3記載の食品洗浄装置において、前記洗浄水槽(2)の底面が中央に向けて次第に縮小した逆錐形底面(21)に形成され、この逆錐形底面(21)の中央部に前記底部室(29)が形成され、この底部室(29)内に前記圧力水管(51)の先端に形成した噴出口(55)が上向きに開口して形成されている構成とした。
【0012】
本発明の請求項5記載の食品洗浄装置は、
請求項1〜4のいずれかに記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管(51)の先端に形成した噴出口(55)の内部に噴出水流に渦流を生じさせるための傾斜板(56)が設けられている構成とした。
【0013】
また、本発明の請求項6記載の食品洗浄装置は、
請求項1〜5のいずれかに記載の食品洗浄装置において、前記曝気用泡発生装置(4)は、水噴射ノズル(45)を取り付けた上流側円板(42)と、絞り管(46)を取り付けた下流側円板(43)とを空気取り込み口(44)を保持して対向接続させ、前記水噴射ノズル(45)から絞り管(46)内に向けて噴射させた水の勢いにより空気取り込み口(44)から空気を取り込んで含気させるように形成されている構成とした。
【発明の効果】
【0014】
本発明の食品洗浄装置(請求項1)は、圧力水管の先端に上向きに開口した噴出口を形成させ、洗浄カゴの底部スクリーンの中央部分に水流遮断部を形成させると共に、この水流遮断部の中央部分に水流を通過させるための複数個の通水小孔を形成させた構成に特徴がある。
【0015】
このように、従来のような噴射ストレーナを省いて噴出口を上向きに開口させることで強い噴出力を得ることができるし、水流遮断部を形成させることで上向きに流動する含気水の主流を遮って放射状の水流を生じさせることができる。
【0016】
ただし、この水流遮断部を形成させると、水流遮断部の上方では被洗浄物を洗浄水槽の中央に寄せ集めるような水流が生じるため、被洗浄物の分散が不十分になる傾向がある。
【0017】
そこで、本発明では水流遮断部の中央部分に水流を通過させるための複数個の通水小孔を形成させたもので、この通水小孔によって水流遮断部を通過する若干の上向水流を生じさせ、この上向水流によって洗浄水槽の中央に寄せ集った被洗浄物を下から煽って分散させるようにしたものである。
【0018】
従って、本発明では、十分な噴出力によって被洗浄物を全体的に満遍なく下から煽って、かき解すように上下に浮沈させるといった効果的な洗浄を行なうことができる。
【0019】
また、本発明の食品洗浄装置(請求項1)は、洗浄に伴って洗浄水の水面部分に浮き上ったゴミ等は洗浄水と共にオーバーフロー縁をオーバーフローして濾過水槽内に流入し、ここで濾過されてゴミ等が除去される。
このように、オーバーフロー縁を設けたことによってゴミ等を含む洗浄水を濾過水槽内に導入させて確実に濾過させることができる。
【0020】
また、洗浄水槽内に着脱可能に装着される洗浄カゴを備えているため、野菜等の被洗浄物を洗浄カゴに収容した状態で洗浄することができるため、被洗浄物の投入作業や取り出し作業等の取り扱いを容易にさせて能率よく作業を行なうことができるし、作業者の労力負担を軽減させることができる。
【0021】
また、圧力水管の途中に曝気用泡発生装置を設けているため、空気噴出装置と給水装置とを別々に設ける必要がなく、コスト、メンテナンス、コンパクト化の面で有利になる。
また、空気噴出装置を構成する曝気用ブロアが不要になるため、省エネになるし、騒音による作業環境の悪化を解消できる。
【0022】
なお、本願発明者において、ビニールテープやナイロン片などの異物を洗浄水槽に入れてテストを行った結果、従来の噴射ストレーナを取り付けた場合に比べて、本発明の方が異物の除去が早くでき、異物除去効果が高いことが確認できた。
【0023】
又、オーバーフロー縁を洗浄水槽の上端縁の全縁に亘って形成させると(請求項2)、洗浄水槽のどこからでもオーバーフローさせることができ、ゴミ等を含む洗浄水がオーバーフローできずに滞留してしまうといったことがない。
また、集水口の開口幅を洗浄水槽の直径よりも幅広に形成させたので(請求項2)、
集水面積を広くとることができ、ゴミ等を含む洗浄水の流れをスムーズにさせて、確実に濾過水槽に流入させることができる。
【0024】
又、底部室から導入したゴミ等を含む洗浄水についても濾過水槽に流入させるように形成させると(請求項3)、水中に浮遊するゴミ等を洗浄水と共に洗浄カゴの底部スクリーンを通過して底部室から濾過水槽内に流入させ、ここで濾過してゴミ等を除去させることができる。
このように、オーバーフロー縁及び底部室の両方からゴミ等を含んだ洗浄水を濾過水槽に流入させ、ここで濾過させるため、洗浄水を確実に濾過させることができる。
【0025】
又、洗浄水槽の底面を逆錐形底面に形成させると(請求項4)、この逆錐形底面が水流のガイドとして機能し、含気水の飛散方向を安定させることができる。これにより、含気水の不規則方向への飛散を防止して含気水を効果的に被洗浄食品に浴びせることができる。
【0026】
又、圧力水管の先端に形成した噴出口の内部に傾斜板を設けると(請求項5)、噴出口から上向きに生じた水流に渦流による回転を加えることができ、上向水流と回転水流とによって被洗浄物を多方向から煽って分散させることができ、洗浄効果をより一層向上させることができる。
【0027】
また、曝気用泡発生装置を、水噴射ノズルから絞り管内に向けて噴射させた水の勢いにより空気取り込み口から空気を取り込んで含気させるように形成させると(請求項6)、駆動装置としては循環ポンプだけで済み、その構造が簡単になるし、コスト、メンテナンス、コンパクト、安全の各面で有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例1に係る食品洗浄装置を示す正面断面図である。
【図2】その食品洗浄装置を示す側面断面図である。
【図3】その食品洗浄装置を示し、洗浄カゴの図示を省略した平面図である。
【図4】その食品洗浄装置に設けた洗浄カゴを示す平断面図である。
【図5】その食品洗浄装置に設けた圧力水管の噴出口を示す斜視図である。
【図6】その圧力水管の噴出口に取り付ける傾斜板を上方から見た斜視図である。
【図7】その圧力水管の噴出口に取り付ける傾斜板を下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0029】
本実施例の食品洗浄装置は、機枠1に組み付けられた洗浄水槽2と濾過水槽7を備えている。
【0030】
前記洗浄水槽2は、上面が開口し、底面が逆錐形底面(逆円錐底面)21に形成された円形容器に形成されている。
実施例の洗浄水槽2は、底面が中央に向けて次第に縮小した逆円錐底面に形成された円形容器に形成されているが、これに限らず、角形容器に形成してもよく、この角形容器の逆錐形底面21は、周囲が四角形で、中央部に向けて次第に円形になるように形成する。
【0031】
前記洗浄水槽2の上端縁はその全周がオーバーフロー縁22に形成され、このオーバーフロー縁22の全外周に外向きのフランジ面20が形成され、このフランジ面20に連続して前記洗浄水槽2の直径よりも幅広に開口した集水口23が形成されている。
【0032】
実施例では、洗浄水槽2の半周部分に一定幅の円弧状フランジ面20aを形成させ、洗浄水槽2の他方の半周部分に前記円弧状フランジ部20aの両端から接線方向に延長して平行フランジ部20b,20bを形成させ、この平行フランジ部20b,20bの幅全体を集水口23の幅として形成させている。これにより集水面積を広くとることができる。
【0033】
前記集水口23は樋状流路24に接続され、この樋状流路24の底部に回収管25が接続され、この回収管25が前記濾過水槽7内に延長されている。
従って、洗浄水槽2のオーバーフロー縁22を越流したオーバーフロー水(洗浄水)はフランジ面20を流れて集水口23に流入し、さらに樋状流路24から回収管25を経て前記濾過水槽7内に流入する。
なお、図2では濾過水槽7の図示を省略し、図3では洗浄カゴ9の図示を省略している。
【0034】
前記洗浄水槽2の逆錐形底面21の中央部(最底部)には底部室29が形成され、底部室29と前記樋状流路24の底部との間に下部流入管34が接続されており、この下部流入管34によって、水中に浮遊するゴミ等を洗浄水と共に底部室29から濾過水槽7内に流入させ、ここで濾過してゴミ等を除去させることができる。
なお、この下部流入管34は必ずしも設ける必要はなく、被洗浄物の種類や洗浄条件等を勘案して適宜に決定する。
なお、図において、符号35は洗浄水槽用のドレン排水弁である。
【0035】
前記濾過水槽7は、前記洗浄水槽2のオーバーフロー縁22からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水、及び前記下部流入管34により導入されたゴミ等を含む洗浄水を流入させて濾過させるもので、方形容器に形成されている。
【0036】
この濾過水槽7の内部には循環ポンプ8として水中ポンプが設置され、この循環ポンプ8による圧送で濾過水槽7内の洗浄水を前記洗浄水槽2に循環させる。この循環ポンプ8としては低圧ポンプを使用できる。
また、濾過水槽7には、洗浄作業の間は給水管73により常に給水され、また、汚れた洗浄水はオーバーフロー孔72から装置外に排出させるようになっている。
なお、図において、符号70は濾過水槽用のドレン排水弁である。
【0037】
前記回収管25の濾過水槽7内での排出口26には、濾過用メッシュ袋71が着脱可能に取り付けられている。
この濾過用メッシュ袋71は、綿、麻、合成樹脂材によるメッシュで形成され、その口部を前記排出口26に被せて縛ることにより着脱可能に取り付けるようになっている。
【0038】
前記循環ポンプ8と、前記洗浄水槽2の中央に位置した底部室29との間に圧力水管51が配管され、この圧力水管51の先端に噴射管55aがネジ部57の螺合によって取り付けられ、この噴射管55aに上向きに開口した噴出口55が形成されている。
【0039】
前記噴出口55の内部には、図5、6、7で示すように、噴出水流に渦流を生じさせるための傾斜板56が設けられている。
実施例では、4枚の傾斜板56を直角に組み合わせて平面視で十字状に形成させ、下からの水流を各傾斜板56によって図5の矢印Aで示す反時計方向に向きを変えさせることで、前記噴射管55aのネジ部57の緩みを防止させながら左回りの渦流を生じさせ、噴出口55から上向きに生じた水流に渦流による回転を加えるようにしている。
【0040】
傾斜板56の枚数は、2枚〜6枚程度が適当と思われるが、多すぎると水流の勢い弱める抵抗となり、少なすぎると水流の向きを変える作用が小さくなるため、これらを勘案して枚数及び傾斜角度を設定する。
【0041】
前記圧力水管51の途中に曝気用泡発生装置4が取り付けられている。
この曝気用泡発生装置4は、円周方向に等間隔に配設した数個のカラー41を介して上流側円板42と下流側円板43とを対向接続させることで、両円板42,43間に外周に開口して空気取り込み口44を保持させ、かつ前記上流側円板42に水噴射ノズル45を取り付け、前記下流側円板43にレジューサによって形成した絞り管46を取り付けた構造になっている。この場合、洗浄水槽2内の水位Wが絞り管46の絞り部分(小径部分)に概ね一致するように設置している。
【0042】
そして、前記循環ポンプ8により圧送させた洗浄水を水噴射ノズル45から絞り管46内に向けて噴射させることで、その洗浄水の勢いによる誘引作用で空気取り込み口44から空気を取り込んで、洗浄水中に気泡を含ませるように形成されている。
なお、水噴射ノズル45からの勢い、絞り管46の絞り程度等は適宜に設定することになるが、特に、絞り管46を絞り過ぎると洗浄水が逆流して空気取り込み口44から溢れ出てしまうし、絞りが小さくストレートに近くなると気泡が大きくなり、洗浄用曝気としては不適であった。
【0043】
本発明の食品洗浄装置は、洗浄水槽2内に着脱可能に装着される洗浄カゴ9を使用して洗浄する。
この洗浄カゴ9は、前記洗浄水槽2内に納まるような外径の円形カゴに形成され、筒状胴部90の底部に底部スクリーン92が設けられると共に、筒状胴部90の上端にスクリーン筒部93が設けられ、そのスクリーン筒部93の上端に取手94が取り付けられている。
【0044】
この洗浄カゴ9の筒状胴部90の外周面に止め部材96が取り付けられ、この止め部材96を洗浄水槽2の上端縁に係止させることで着脱可能に装着されるが、その装着状態で上端95が洗浄水槽2のオーバーフロー縁22に概ね一致するように形成されている。
【0045】
なお、洗浄カゴ9の筒状胴部90は、平板で形成しても良いし、パンチング板やメッシュ板等で形成しても良い。
実施例のスクリーン筒部93は、多数の細棒を所定の間隔で傾斜させた櫛歯状スクリーンに形成されているが、多数の細棒を所定の間隔で垂直方向に並設させたり、水平方向に並設させたり、格子状に形成させてもよい。
【0046】
また、スクリーン筒部93は、櫛歯状スクリーンに限らず、多数のパンチング孔を形成した透孔スクリーンやメッシュスクリーンや金網等で形成しても良い。この場合、櫛歯の間隔、パンチング孔の孔径、メッシュの大きさ等は洗浄対象となる食品の種類等に応じて適宜に決定する。
また、底部スクリーン92についても、多数のパンチング孔97を形成した透孔スクリーンやメッシュスクリーンや金網等で形成できる。
【0047】
そして、前記底部スクリーン92の中央部分に水流遮断部92aが形成され、この水流遮断部92aの中央部分に水流を通過させるための複数個の通水小孔92bが形成されている。
【0048】
実施例では、前記水流遮断部92aの形状は、長方形に形成されているが、これに限らず正方形、円形、楕円形等、水流を遮断する機能を有していれば特に形状に制限はない。
【0049】
又、前記通水小孔は、前記水流遮断部92aの中央、即ち、前記噴出口55のほぼ真上部分に形成されており、実施例では6個の通水小孔(直径10mm)を60度ごとの等間隔で形成しているが、2個の通水小孔を180度ごと、3個の通水小孔を120度ごと、4個の通水小孔を90度ごと、5個の通水小孔を72度ごとの等間隔で形成するなど、8個程度までが適当と思われる。
【0050】
なお、被洗浄物がキャベツやレタス等の葉物野菜のような比重が小さい食品である場合には、水流遮断部92aの面積を広く取ることで水流の勢いを弱め、他方、ニンニク、塩蔵キュウリ、ジャガイモ、生姜、小肉片、カット大根、カット人参などの比重が大きい食品である場合には、水流遮断部92aの面積を狭く取ることで水流の勢いを強めるなどの調整を行う。
【0051】
従って、本実施例の食品洗浄装置では、洗浄カゴ9内に被洗浄食品を収容させて洗浄水槽2内に沈め、載置させる。
そして、循環ポンプ8を作動させて、濾過水槽7内の洗浄水を圧力水管51で圧送させながら途中に設けた曝気用泡発生装置4で気泡を含気させ、その含気水を洗浄水槽2の底部室29に設けた噴出口55から上向きに噴射させる。
【0052】
本発明では、従来のような噴射ストレーナを省いて、噴出口55を上向きに開口させているため強い噴出力を得ることができるし、洗浄カゴ9の底部スクリーン92に水流遮断部92aを形成させているため上向きに流動する含気水の主流を遮って放射状の水流を生じさせることができる。
【0053】
さらに、水流遮断部92aの中央部分に水流を通過させるための複数個の通水小孔92bを形成させたので、この通水小孔92bによって水流遮断部92aを通過する若干の上向水流を生じさせ、この上向水流によって洗浄水槽2の中央に寄せ集った被洗浄物を下から煽って分散させることができる。
【0054】
これにより、十分な噴出力を得ながら被洗浄物を全体的に満遍なく下から煽って、かき解すように上下に浮沈させるといった効果的な洗浄を行なうことができる。
【0055】
又、噴出口55の内部に傾斜板56を設けたので、噴出口55から上向きに生じた水流に渦流による回転を加えることができ、上向水流と回転水流とによって被洗浄物を多方向から煽って分散させることができ、洗浄効果をより一層向上させることができる。
なお、この傾斜板56は必ずしも必要でない。
【0056】
また、洗浄に伴って洗浄水の水面部分に浮き上がったゴミ等、及び水中に浮遊するゴミ等は洗浄水と共に濾過水槽7内に流入していくもので、このとき、濾過用メッシュ袋71内に流入してゴミ等が除去される。
そして、濾過された濾過水槽7内の洗浄水は循環ポンプ8により圧力水管51に圧送されて噴出口55から洗浄水槽2内に噴射され、これを繰り返すことで食品を洗浄させていくことができる。
【0057】
この場合、洗浄作業に際し、循環ポンプ8の作動スイッチを入れると、同時に洗浄時間を設定したタイマ(図示せず)が作動し、このタイマによる設定時間になると、循環ポンプ8の作動スイッチが切れ、洗浄が終了するように制御されている。
なお、図1において、符号15は制御ボックスである。
【0058】
このようにして洗浄が終了すると、洗浄カゴ9を洗浄水槽2から引き上げ、内部の洗浄済み食品を所定に取り出すことで1回の洗浄サイクルが終了する。
【符号の説明】
【0059】
1 機枠
15 制御ボックス
2 洗浄水槽
20 フランジ面
20a 円弧状フランジ面
20b 平行フランジ部
21 逆錐形底面
22 オーバーフロー縁
23 集水口
24 樋状流路
25 回収管
26 排出口
29 底部室
35 ドレン排水弁
34 下部流入管
4 曝気用泡発生装置
41 カラー
42 上流側円板
43 下流側円板
44 空気取り込み口
45 水噴射ノズル
46 絞り管
51 圧力水管
55 噴出口
55a 噴射管
56 傾斜板
57 ネジ部
7 濾過水槽
70 ドレン排水弁
71 濾過用メッシュ袋
72 オーバーフロー孔
73 給水管
8 循環ポンプ
9 洗浄カゴ
90 筒状胴部
92 底部スクリーン
92a 水流遮断部
92b 通水小孔
93 スクリーン筒部
94 取手
95 上端
96 止め部材
97 パンチング孔
W 水位


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に洗浄水を収容させる洗浄水槽(2)と、
この洗浄水槽(2)の上端縁に形成されたオーバーフロー縁(22)と、
前記洗浄水槽(2)の底面中央部に形成された底部室(29)と、
前記オーバーフロー縁(22)からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水を流入させて濾過させる濾過水槽(7)と、
前記濾過水槽(7)の濾過済み洗浄水を圧送させるための循環ポンプ(8)と前記底部室(29)との間に配管した圧力水管(51)と、
この圧力水管(51)の先端に上向きに開口した噴出口(55)と、
圧力水管(51)の途中に設けられた曝気用泡発生装置(4)と、
前記洗浄水槽(2)内に着脱可能に装着される洗浄カゴ(9)を備え、
前記洗浄カゴ(9)は、筒状胴部(90)の底部に底部スクリーン(92)が設けられると共に、筒状胴部(90)の上端(95)にスクリーン筒部(93)が設けられ、かつ前記底部スクリーン(92)の中央部分に水流遮断部(92a)が形成され、この水流遮断部(92a)の中央部分に水流を通過させるための複数個の通水小孔(92b)が形成されていることを特徴とする食品洗浄装置。
【請求項2】
請求項1記載の食品洗浄装置において、前記オーバーフロー縁(22)が洗浄水槽(2)の上端縁の全縁に亘って形成されると共に、そのオーバーフロー縁(22)の全外周に外向きのフランジ面(20)が形成され、このフランジ面(20)に連続して前記洗浄水槽(2)の直径よりも幅広に開口した集水口(23)が形成され、前記オーバーフロー縁(22)からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水をこの集水口(23)で集水して濾過水槽(7)に流入させるように形成されている食品洗浄装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の食品洗浄装置において、前記オーバーフロー縁(22)からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水と共に、前記底部室(29)から導入したゴミ等を含む洗浄水を濾過水槽(7)に流入させるように形成されている食品洗浄装置。
【請求項4】
請求項1又は2又は3記載の食品洗浄装置において、前記洗浄水槽(2)の底面が中央に向けて次第に縮小した逆錐形底面(21)に形成され、この逆錐形底面(21)の中央部に前記底部室(29)が形成され、この底部室(29)内に前記圧力水管(51)の先端に形成した噴出口(55)が上向きに開口して形成されている食品洗浄装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の食品洗浄装置において、前記圧力水管(51)の先端に形成した噴出口(55)の内部に噴出水流に渦流を生じさせるための傾斜板(56)が設けられている食品洗浄装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の食品洗浄装置において、前記曝気用泡発生装置(4)は、水噴射ノズル(45)を取り付けた上流側円板(42)と、絞り管(46)を取り付けた下流側円板(43)とを空気取り込み口(44)を保持して対向接続させ、前記水噴射ノズル(45)から絞り管(46)内に向けて噴射させた水の勢いにより空気取り込み口(44)から空気を取り込んで含気させるように形成されている食品洗浄装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−200165(P2011−200165A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70381(P2010−70381)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【特許番号】特許第4555894号(P4555894)
【特許公報発行日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(391021606)小嶺機械株式会社 (17)
【Fターム(参考)】