説明

飲料充填システム、カム動作装置

【課題】 カムローラの偏摩耗等を防止し、耐久性、装置の信頼性を向上させるとともに、環境のクリーン度を維持できる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 カムプレート68、69の手前に衝撃緩和部材120Aを設け、回転体の回転に伴い、カムプレート68、69にカムローラ67が当たるに先立ち、カムローラ67を、衝撃緩和部材120Aの板状部材121に当てるようにした。これにより、カムローラ67は、板状部材121との間に生じる摩擦により、回転を始める。また、板状部材121は傾斜面を形成するようにし、しかも付勢部材122を弾性変形可能とすることで、カムローラ67が板状部材121に衝突したときに、付勢部材122によってその衝撃を吸収するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カムを用いてグリッパ等を動作させる機構を有した飲料充填システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のPETボトル等のボトル容器搬送装置として、回転自在な回転体の外周に複数のグリッパを取り付け、このグリッパでボトル容器を把持して回転搬送するものが知られている。
このようなグリッパは、グリッパ側に設けられたカムローラが、ボトル容器搬送装置の固定部側に設けられたカムプレートに接触することによって、開閉動作が行われるようになっている。すなわち、回転体に取り付けられたグリッパが回転体とともに回転しているとき、カムローラが固定部側のカムプレートに接触すると、これによってグリッパが開き、カムローラがカムプレートから離脱すると、グリッパが閉じるようになっている。
【0003】
ボトル容器搬送装置においては、これ以外にも、例えば、グリッパの上下を反転させて、グリッパで保持した容器の上下を反転させる機構等が備えられることがあり、このような機構においても、グリッパ側のカムローラと、固定部側のカムプレートとを接触させることで、所要の動作が行われる構造となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−67125号公報(第7頁、図2、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したようなカムローラとカムプレートを用いてグリッパを動作させる構造においては、以下に示すような問題が存在する。
すなわち、カムローラは、回転体の回転にともなって、所定の周速でカムプレートに当たる(衝突する)。このとき、カムローラは、カムプレートとの間に生じる摩擦によって、カムローラ自体が転動するようになっているが、カムプレートに接触していない状態では、カムローラは転動していない。このため、カムローラがカムプレートに接触したとき、カムローラが回転体の回転速度に応じた速度でカムローラが回転し始めるまで、カムローラとカムプレートとの間には微小なすべりが生じることになる。また、カムローラがカムプレートに接触する瞬間に、衝撃が生じることもある。これらにより、カムローラに偏摩耗が生じ、カムローラが回転しなくなるという不具合が生じることがある。また、カムローラの偏摩耗等によりカムローラから微粉が生じ、これが生産環境のクリーン度を低下させ、製品不良の要因となる可能性もある。
このような問題は、生産性を向上させるために回転体の回転速度を高めれば高まるほど、顕著な問題となり得る。
【0006】
また、このような問題は、カムローラがカムプレートに常時接触することなく、一連の動作中において間欠的に接触する構成のものであれば、ボトル容器搬送装置に限らず、他の装置等においても共通する。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、カムローラの偏摩耗等を防止し、耐久性、装置の信頼性を向上させるとともに、環境のクリーン度を維持できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的のもと、本発明の飲料充填システムは、回転体の外周に複数の充填バルブを備え、回転体の回転中に、充填バルブに開口部があてがわれた容器内へ充填バルブから液体を注入する回転式充填装置と、回転式充填装置の各充填バルブに容器を第一の位置で受け渡す受渡し装置と、回転式充填装置で液体が充填された容器を第二の位置で受け取る受け取り装置と、を備える。そして、回転式充填装置、受渡し装置、受け取り装置は、それぞれ、容器を保持する複数のグリッパを備えている。回転式充填装置と、受渡し装置および受け取り装置の一方は、第一の位置、第二の位置にそれぞれ設けられたカムプレートと、グリッパのそれぞれに設けられたカムローラとを備えて、回転体の回転に伴ってカムローラがカムプレートに接触・離間することでグリッパが開閉する構成とされ、回転体の回転に伴ってカムローラがカムプレートに接触する直前に、カムローラに接触する前接触部材が設けられている。
このような前接触部材は、カムローラがカムプレートに接触するに先立ち、カムローラを回転させるためのものとすることができる。カムローラを前接触部材で予め回転させておくことで、カムローラとカムプレートの摩擦による摩耗を抑制できる。
また、前接触部材を弾性変形可能なものとすることで、カムローラが接触したときに前接触部材を弾性変形させることで衝撃を吸収できる。
このような前接触部材は、カムプレートから離れた側からカムプレートに近い側に向けて、カムローラの変位量が増大するよう傾斜して設けられた接触部と、接触部を弾性変形可能に支持する弾性変形部と、を備えたものとすることができる。
また、前接触部材は、カムプレートから離れた側からカムプレートに近い側に向けて、カムローラの変位量が増大するよう傾斜して設けられ、それ自体が弾性変形可能であるものとすることもできる。
さらに、前接触部材は、カムプレートに近い側の端部がカムプレートに連結され、かつカムプレートのカムローラに対する接触面に連続するよう設けられたものとすることもできる。
このようなカムローラは、回転軸に回転自在に支持され、カムローラの内周面と回転軸の間に潤滑液体を供給するため、カムローラの側面から内周面に臨む溝または孔が形成されているものとするのが好ましい。これによりカムローラの潤滑性が向上し、カムローラが滑らかに回転するため、上記効果はより確実なものとなる。
【0008】
本発明は、所定のプロファイルを有したカムプレートと、カムプレートに対して相対的に移動し、カムプレートに接触・離間することで変位するカムローラと、カムローラの変位に伴って所定の動作を行なう動作体と、カムローラがカムプレートに接触するときにカムローラが回転状態となるよう、カムローラを回転させるカムローラ回転手段と、を備えることを特徴とするカム動作装置とすることができる。このようなカム動作装置は、飲料充填システムにおいてグリッパを開閉する機構に限らず、カムプレートに対してカムローラが間欠的に接触・離間することで動作するものであれば、いかなる装置にも適用が可能である。
このとき、カムローラ回転手段は、カムローラがカムプレートに接触するに先立ち、カムローラに接触することでカムローラを回転させる前接触部材によって構成することができる。さらに、前接触部材は、弾性変形可能であり、前接触部材にカムローラが接触したときに弾性変形することで衝撃を吸収するのが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カムローラの偏摩耗等を防止し、耐久性、装置の信頼性を向上させるとともに、環境のクリーン度を維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態におけるボトル容器搬送装置が組み込まれたPETボトル飲料充填装置の実施の形態を示している。
このPETボトル飲料充填装置は、空のPETボトル(図示無し)を洗浄するリンサー1、リンサー1で洗浄されたPETボトルに飲料を充填するフィラー(回転式充填装置)2、飲料が充填されたPETボトルにキャップを取り付けるキャッパ3を主に備えている。
リンサー1に対しては、図示しない搬入コンベアから、リンサー搬入ホイール(受渡し装置)5iを介してPETボトルが供給される。そして、リンサー1で洗浄されたPETボトルは、リンサー搬出ホイール(受け取り装置)5oにより搬出され、中継ホイール6を経て、フィラー搬入ホイール(受渡し装置)7iを介してフィラー2に供給される。フィラー2で飲料が充填されたPETボトルは、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール(受渡し装置、受け取り装置)7oにより搬出されてキャッパ3に供給され、キャップが装着されたPETボトルは、キャッパ搬出ホイール9oを経て、図示しない搬出コンベアへと搬出されるようになっている。
【0011】
リンサー1、フィラー2、キャッパ3は、それぞれ、回転しながら、リンサー搬入ホイール5i、フィラー搬入ホイール7iで搬送されるPETボトルを1本ずつ受け取り、回転搬送中に、空のPETボトルの洗浄、PETボトル中への飲料の充填、PETボトルへのキャップの取付を行う。
【0012】
また、リンサー搬入ホイール5i、リンサー搬出ホイール5o、フィラー搬入ホイール7i、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール7o、キャッパ搬出ホイール9oは、それぞれ回転しながら、リンサー1、フィラー2、中継ホイール6、キャッパ3に対するPETボトルの受渡し、受け取りを行うようになっている。
ここで、リンサー搬入ホイール5i、リンサー搬出ホイール5o、フィラー搬入ホイール7i、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール7o、キャッパ搬出ホイール9oの構成について説明する。リンサー搬入ホイール5i、リンサー搬出ホイール5o、中継ホイール6、フィラー搬入ホイール7i、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール7o、キャッパ搬出ホイール9oは、基本的に共通する構成を有しているので、ここで、代表としてフィラー搬入ホイール7iについての説明を行う。
【0013】
図2はフィラー搬入ホイール7iの上面図を、図3は図2のIII−III線断面図を示している。
本実施の形態において、フィラー搬入ホイール7iは、中空部を有する円筒状の固定軸10と、この固定軸10に回転可能に支持される回転体11とを備えている。
そして、回転体11は、固定軸10の中空部に挿入される回転軸12と、この回転軸12の上部側面に取り付けられた回転円板13と、この回転円板13の外周に放射状に取り付けられ、PETボトル(容器)Pの首部を把持する複数の第一グリッパ(グリッパ、動作体)14(具体的には14a〜14x)とを有している。
【0014】
また、図4及び図5は、第一グリッパ14の拡大図であり、図4(a)は第一グリッパ14の上面を、図4(b)は第一グリッパ14の側面を示し、図5(a)は第一グリッパ14を閉めた状態を、図5(b)は第一グリッパ14を開いた状態を示している。
本実施の形態において、第一グリッパ14は、図4(a)(b)に示すように一対の可動片20、30を有している。そして、これら可動片20、30の中間部には支点孔21、31が、先端部には切欠部22、32が、後端部には角柱状のスプリング支持棒23、33が、夫々形成されている。
ここで、切欠部22、32は、PETボトルP(図示せず)の首部に設けられたつば部を把持するために設けられるものであり、切欠部22(32)には、つば部の上側を把持する第一上部把持部22a(32a)と、このつば部の下側を把持する第一下部把持部22b(32b)とが夫々設けられている。そして、本実施の形態では、第一上部把持部22a、32aがつば部上部の周長の60%程度を覆う一方、第一下部把持部22b、32bがつば部下部の周長の20%程度を覆うようになっている。
なお、本実施の形態では、第一下部把持部22b、32bが、第一上部把持部22a、32aに対して、夫々ボルト22c、32cを用いて取り付けられるようになっている。また、可動片20、30の中間部には、夫々凸部24、凹部34が形成されており、凹部34に対して凸部24が揺動自在にはめ込まれている。
【0015】
また、これら一対の可動片20、30の中間部の上側には、ブロック板51が配設されており、このブロック板51に取り付けられた支点ピン52、53が、可動片20、30の支点孔21、31に対して回動自在にはめ込まれるようになっている。そして、可動片20、30のブロック板51との対向部裏面側には、支点ピン52、53を固定する支持板54が配設され、この支持板54はボルト55、56によりブロック板51に固定される。
更に、ブロック板51の上部には、図4(b)に示すように、フィラー搬入ホイール7i(図2、図3参照)の回転円板13に固定するためのボルト57、58及び位置決めピン59(具体的には59a、59b)が取り付けられる。
【0016】
更にまた、可動片20、30に設けられたスプリング支持棒23、33には座金61、62を介してスプリング60の端部がはめ込まれている。これにより第一グリッパ14は、通常時において、スプリング60の付勢力により支点ピン52、53を中心として夫々揺動され、先端部(切欠部22、32側)が互いに近接した状態を維持する(図5(a)参照)ようになっている。
【0017】
そして、可動片30の後端部側の下側には、可動片20側に向かって延びるアーム65がボルト63、64によって取り付けられており、このアーム65の自由端部下側には、ボルト66によって円形状のカムローラ67が取り付けられている。
【0018】
また、本実施の形態では、図2及び図3に示すように、回転体11の回転に伴って移動する第一グリッパ14のカムローラ67に当接するカムプレート68、69が取り付けられている。
ここで、カムプレート68は、中継ホイール6との受渡点A近傍に配設され、カムローラ67に当接して第一グリッパ14を開く(図5(b)参照)ようになっている。また、カムプレート69は、フィラー2との受渡点(第一の位置)B近傍に配設され、カムローラ67に当接して、カムプレート68と同様に第一グリッパ14を開くようになっている。なお、これらカムプレート68、69は、夫々扇形のベース板70、71を介して固定軸10に固定配設される。
【0019】
続いて、リンサー1、フィラー2、キャッパ3、および中継ホイール6において、リンサー搬入ホイール5i、リンサー搬出ホイール5o、フィラー搬入ホイール7i、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール7o、キャッパ搬出ホイール9oとの間で、PETボトルPの受け取り、受渡しを行うための構成について説明する。
ここでは、フィラー2を代表例として説明するが、PETボトルPの受け取り、受渡しを行うための構成については、リンサー1、フィラー2、キャッパ3、および中継ホイール6は共通している。
【0020】
図6は、フィラー2の上面図を示している。本実施の形態において、フィラー2は、矢印方向に回転する回転本体72と、この回転本体72の外周部に取り付けられる複数の充填ユニット(充填バルブ)73(具体的には73a〜73p)とを備えている。
そして、充填ユニット73は、図7に示すように、PETボトルPを把持する第二グリッパ(グリッパ)74と、この第二グリッパ74を上下動させるリフター75と、このリフター75を常時上方へ付勢するアクチュエータ76と、リフター75をアクチュエータ76の付勢力に抗して降下させるカム77等から構成され、ブラケット78を介して回転本体72(図6参照)に固定されている。
【0021】
リフター75は四つのガイド孔75aを有しており、このガイド孔75aに、ブラケット78の上面に垂直に立設固定した四本のロッド79が移動自在にはめ込まれることにより上下動自在となっている。そして、これらロッド79の上端部にはアクチュエータ76が固定設置され、このアクチュエータ76の作動軸76aがリフター75の上面中央部に連結されている。そして、リフター75はアクチュエータ76によって常時上方に付勢されている。また、リフター75の外側面には軸75bを介してロール40が回転自在に支持されている。そして、ロール40の外周面上にリング状のカム77が配設され、ロール40はアクチュエータ76の上方への付勢力によってカム77に当接している。従って、リフター75はカム77の形状変化によって上下に移動することになる。
【0022】
一方、リフター75の下面には、ブラケット78に設けられた貫通孔78aを貫通する二本のロッド41が延設されており、これらロッド41の下端に第二グリッパ74を装着するブロック42が固定配設されている。このブロック42は、側面形状がL字状を成し、正面中心に切欠部42aが形成され、この切欠部42aによって分離された支持部42bが形成されている。そして、この支持部42bの上面にロッド41の下端が固定(螺合)されている。従って、ブロック42はリフター75と共に上下に移動する。
そして、切欠部42aに対応する位置には、図示しない充填ノズルが配置されており、リフター75が上側に移動した際にPETボトルPの口部に密着して飲料を充填するようになっている。
【0023】
ここで、図8及び図9は、第二グリッパ74の拡大図であり、図8(a)は第二グリッパ74の上面を、図8(b)は第二グリッパ74の側面を示し、また、図9(a)は第二グリッパ74を閉めた状態を、図9(b)は第二グリッパ74を開いた状態を示している。この第二グリッパ74は、上述した第一グリッパ14と略同様の構成を有しているが、PETボトルPを把持する部位の構成が若干異なっていることに加え、第一グリッパ14のカムローラ67、アーム65相当の部品がなく、グリッパの積極的な開閉機構を持たない点が第一グリッパ14と異なる。
【0024】
本実施の形態において、第二グリッパ74は、図8(a)(b)に示すように一対の可動片80、90を有している。そして、これら可動片80、90の中間部には支点孔81、91が、先端部には切欠部82、92が、後端部には角柱状のスプリング支持棒83、93が、夫々形成されている。
ここで、切欠部82、92は、PETボトルP(図示せず)の首部に設けられたつば部を把持するために設けられるものであり、切欠部82(92)には、つば部の上側を把持する第二上部把持部82a(92a)と、このつば部の下側を把持する第二下部把持部82b(92b)とが夫々設けられている。そして、第一グリッパ14とは逆に、第二上部把持部82a、92aがつば部上部の周長の20%程度を覆う一方、第二下部把持部82b、92bがつば部下部の周長の60%程度を覆うようになっている。
なお、本実施の形態では、第二上部把持部82a、92aが、第二下部把持部82b、92bに対して、夫々ボルト82c、92cを用いて取り付けられるようになっている。また、可動片80、90の中間部には、夫々凸部84、凹部94が形成されており、凹部94に対して凸部84が揺動自在にはめ込まれている。
【0025】
また、これら一対の可動片80、90の中間部の上側には、ブロック板101が配設されており、このブロック板101に取り付けられた支点ピン102、103が、可動片80、90の支点孔81、91に対して回動自在にはめ込まれるようになっている。そして、可動片80、90のブロック板101との対向部裏面側には、支点ピン102、103を固定する支持板104が配設され、この支持板104はボルト105、106によりブロック板101に固定されるようになっている。
更に、ブロック板101の上部には、図8(b)に示すように、フィラー2(図6参照)の回転本体72に固定するためのボルト107、108及び位置決めピン109(具体的には109a、109b)が取り付けられる。
【0026】
更にまた、可動片80、90に設けられたスプリング支持棒83、93には座金111、112を介してスプリング110の端部がはめ込まれている。これにより第二グリッパ74は、通常時において、スプリング110の付勢力により支点ピン102、103を中心として夫々揺動され、先端部(切欠部82、92側)が互いに近接した状態を維持する(図8(a)、図9(a)参照)ようになっている。
【0027】
ただし、可動片90の後端部側の下側には、第一グリッパ14のような可動片80側に向かって延びるアームは無く、よってそれを固定するボルトや取り付けのスペースも不要なため、可動片90の後端部の形状は可動片80のそれとほぼ対称となっている。
【0028】
本実施の形態では、回転本体72の回転に伴って移動する第二グリッパ74に当接するカムプレートは無く、第二グリッパ74は常時はスプリング110によって閉じた状態にある。即ち第二グリッパ74は、第一グリッパ14が把持したボトルを受け渡し点で押し込まれる場合及び引き出される場合に、ボトル首部によって受動的に開閉動作をする。
【0029】
さて、上述したように、リンサー搬入ホイール5i、リンサー搬出ホイール5o、フィラー搬入ホイール7i、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール7o、キャッパ搬出ホイール9oは、第一グリッパ14の開閉を、回転体11の回転に伴い、カムローラ67がカムプレート68、69に当接することによって行う。これにより、第一グリッパ14を開閉させ、リンサー搬入ホイール5i、リンサー搬出ホイール5o、フィラー搬入ホイール7i、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール7o、キャッパ搬出ホイール9oと、リンサー1、フィラー2、中継ホイール6、キャッパ3の第二グリッパ74との間での、PETボトルPの受渡しを行うようになっている。
【0030】
ここで、代表して、フィラー搬入ホイール7i、フィラー2、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール7oにおいて、PETボトルPを受け渡す際の動作について説明する。
フィラー搬入ホイール7iでは、回転円板13の回転に伴って第一グリッパ14が回転移動していく。このとき、中継ホイール6との受渡点Aの回転方向上流側にある第一グリッパ14(例えば14a〜14f)は、PETボトルPを把持しておらず、スプリング60の付勢力により閉じた状態となっている(図5(a)参照)。
【0031】
次に、中継ホイール6との受渡点Aの近傍に到達した第一グリッパ14(例えば14g〜14i)は、カムローラ67がカムプレート68に当接することにより開いた状態(図5(b)参照)となり、この開口部に中継ホイール6からPETボトルPが受け渡される。そして、カムローラ67とカムプレート68との当接が終了した第一グリッパ14(例えば14j〜14u)は、スプリング60の付勢力により再び閉じた状態となり、PETボトルPは第一グリッパ14に把持された状態で回転搬送されていく。
【0032】
次に、フィラー2との受渡点Bの近傍に到達した第一グリッパ14(例えば14v〜14x)は、カムローラ67がカムプレート69と当接することにより開いた状態となり、この開口部からフィラー2へとPETボトルPが受け渡される。そして、カムローラ67とカムプレート69との当接を終了した第一グリッパ14(例えば14a)は、PETボトルPを把持せず、スプリング60の付勢力により再び閉じた状態となる。
以後、上述したプロセスを繰り返しながら、フィラー搬入ホイール7iにおけるPETボトルPの回転搬送が行われていく。
【0033】
次に、図6〜図9に基づいて、フィラー2の動作を説明する。
フィラー2では、回転本体72の回転に伴って充填ユニット73及びこの充填ユニット73に取り付けられた第二グリッパ74が回転移動していく。このとき、フィラー搬入ホイール7iとの受渡点Bの回転方向上流側にある充填ユニット73(例えば73a〜73c)の第二グリッパ74はPETボトルPを把持しておらず、スプリング110の付勢力により閉じた状態となっている(図9(a)参照)。また、充填ユニット73のブロック42は下側に向けて付勢されており、ブロック42に取り付けられた第二グリッパ74は、フィラー搬入ホイール7iに取り付けられた第一グリッパ14と略同じ高さにセットされている。
【0034】
次に、フィラー搬入ホイール7iとの受渡点Bの近傍に到達した充填ユニット73(例えば73d)では、第二グリッパ74の開口部はフィラー搬入ホイール7iからPETボトルPの首部が押し込まれた後、スプリング110の付勢力により再び閉じた状態となり、PETボトルPは第二グリッパ74に把持された状態で回転搬送されていく。
受渡点Bを通過した充填ユニット73(例えば73e〜73o)では、図示しないカムによりリフター75及びこれに取り付けられたブロック42が上方向に移動し、第二グリッパ74に把持されたPETボトルPの口部が図示しない充填ノズルに密着し、充填ノズルによりPETボトルPに飲料が充填された後、図示しないカムによりリフター75及びこれに取り付けられたブロック42が下方向に移動する。
【0035】
次に、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール7oとの受渡点(第二の位置)Cの近傍に到達した充填ユニット73(例えば73p)は、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール7o上の第二グリッパ74の開閉動作によってPETボトルPが引き抜かれた後、スプリング110の付勢力により再び閉じた状態となる。
以後、上述したプロセスを繰り返しながら、フィラー2におけるPETボトルPの回転搬送が行われていく。
【0036】
ここで、リンサー搬入ホイール5i、リンサー搬出ホイール5o、フィラー搬入ホイール7i、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール7o、キャッパ搬出ホイール9oは、第一グリッパ14の開閉を、回転体11の回転に伴い、カムローラ67がカムプレート68、69に当接することによって行う。このようなカムプレート68、69には、以下のような構成が備えられている。
図10に示すように、回転体11の回転に伴い、カムプレート68、69に、カムローラ67が当たるとき、その衝撃等を緩和するため、カムプレート68、69に隣接して、衝撃緩和部材(前接触部材、カムローラ回転手段)120Aがベース板70、71に設けられている。
衝撃緩和部材120Aは、板状部材(接触部)121と、板状部材121をカムローラ67側に付勢する付勢部材(弾性変形部)122とを備えている。付勢部材122は、カムプレート68、69に近い側の端部121aがカムプレート68、69から離れた側の端部121bに対してカムローラ67に径方向で近い位置となるよう、板状部材121を傾斜状態に維持している。
【0037】
このような衝撃緩和部材120Aにより、回転体11の回転に伴い、カムプレート68、69に、カムローラ67が当たるに先立ち、カムローラ67は、衝撃緩和部材120Aの板状部材121に当たる。
すると、カムローラ67は、板状部材121との間に生じる摩擦により、回転を始める。また、板状部材121は傾斜面を形成しており、しかも付勢部材122が弾性変形可能となっているので、カムローラ67が板状部材121に衝突したときに、付勢部材122によってその衝撃を吸収することができる。
【0038】
回転体11がさらに回転すると、カムローラ67は、板状部材121からカムプレート68、69に乗り移り、カムプレート68、69のプロファイルに応じた動作を、第一グリッパ14に行わせる。このとき、板状部材121は、カムプレート68、69に近い側の端部121aが、カムプレート68、69から離れた側の端部121bに対し、カムローラ67に径方向で近い位置となるよう、傾斜しているので、端部121aからカムプレート68、69に乗り移る際の衝撃を最小限に抑えることができる。またこのとき、カムローラ67は、既に回転を始めているので、カムプレート68、69との間に生じる摩擦によってカムローラ67やカムプレート68、69が摩耗するのを防止できる。
その結果、カムローラ67の偏摩耗等を防止し、耐久性、装置の信頼性を向上させるとともに、異物の発生を抑制し、環境のクリーン度の低下を防ぐことが可能となる。
【0039】
なお、衝撃緩和部材は、上記以外の構成とすることも可能である。
例えば図11に示すように、衝撃緩和部材(前接触部材、カムローラ回転手段)120Bは、略V字状断面を有した板バネによって形成することもできる。この場合、衝撃緩和部材120Bは、固定部123がベース板70、71に固定され、バネ部124が、固定部123の一端から斜め上方に延びるように一体形成されている。このバネ部124は、カムプレート68、69に近い側の端部124aがカムプレート68、69から離れた側の端部に対してカムローラ67に径方向で近い位置となるよう、傾斜状態に形成されている。
【0040】
このような衝撃緩和部材120Bにおいても、回転体11の回転に伴って、カムプレート68、69にカムローラ67が当たるに先立ち、カムローラ67が衝撃緩和部材120Bに当たり、カムローラ67を回転させることで、カムローラ67やカムプレート68、69が摩耗するのを防止できる。また、カムローラ67がバネ部124に衝突したときにバネ部124が弾性変形することで、その衝撃を吸収することができ、またバネ部124が傾斜面を形成しているので、カムローラ67がカムプレート68、69に乗り移る際の衝撃を最小限に抑えることができる。
このようにして、このような衝撃緩和部材120Bによっても、カムローラ67の偏摩耗等を防止し、耐久性、装置の信頼性を向上させるとともに、異物の発生を抑制し、環境のクリーン度の低下を防ぐことが可能となる。また、このような衝撃緩和部材120Bは、構造も単純であるため、取り付けが容易であり、コストも安いという利点がある。
【0041】
また、図12に示すように、衝撃緩和部材(前接触部材、カムローラ回転手段)120Cは、カムプレート68、69と一体化した板バネによって形成することもできる。この場合、衝撃緩和部材120Cは、固定部125がカムプレート68、69の端部に固定され、バネ部126が、固定部125から斜め下方に延びるように一体形成されている。バネ部126は、カムプレート68、69のカムローラ67に対する接触面に連続するように形成されている。
【0042】
このような衝撃緩和部材120Cにおいても、回転体11の回転に伴って、カムプレート68、69にカムローラ67が当たるに先立ち、カムローラ67が衝撃緩和部材120Cに当たり、カムローラ67を回転させることで、カムローラ67やカムプレート68、69が摩耗するのを防止できる。また、カムローラ67がバネ部126に衝突したときにバネ部126が弾性変形することで、その衝撃を吸収することができ、またバネ部126が傾斜面を形成しているので、カムローラ67がカムプレート68、69に乗り移る際の衝撃を最小限に抑えることができる。このようにして、このような衝撃緩和部材120Cによっても、カムローラ67の偏摩耗等を防止し、耐久性、装置の信頼性を向上させるとともに、異物の発生を抑制し、環境のクリーン度の低下を防ぐことが可能となる。
しかも、バネ部126は、カムプレート68、69側が固定部125と一体化しているため、そのバネ定数は、カムプレート68、69から離れた側の先端部126aから固定部125側の基端部126bに向けて徐々に高くなっている。このため、カムローラ67がバネ部126の先端部126aに接地した後、基端部126b側に移動するに従い、バネ部126から作用する反発力が徐々に大きくなる。すなわち、接地した瞬間はバネ部126からの反発力(反力)が弱いために、衝撃を効果的に抑えることができ、またバネ部126の基端部126b側からカムプレート68,69に乗り移る過程では反発力の大きさが連続的に増大するため、上記効果を一層顕著なものとすることができるのである。
【0043】
また、図13に示すように、衝撃緩和部材(前接触部材、カムローラ回転手段)120Dは、基端部127aがカムプレート68、69に回転自在に連結された板状部材(接触部)127と、板状部材127の先端部127bをカムローラ67側に付勢する付勢部材(弾性変形部)128とを備えている。付勢部材128は、板状部材127のカムプレート68、69に近い側の基端部127aがカムプレート68、69から離れた側の先端部127bに対してカムローラ67に径方向で近い位置となるよう、板状部材127を傾斜状態に維持している。
【0044】
このような衝撃緩和部材120Dにおいても、回転体11の回転に伴って、カムプレート68、69にカムローラ67が当たるに先立ち、カムローラ67が衝撃緩和部材120Dに当たり、カムローラ67を回転させることで、カムローラ67やカムプレート68、69が摩耗するのを防止できる。また、カムローラ67が板状部材127に衝突したときに付勢部材128が弾性変形することで、その衝撃を吸収することができ、また板状部材127が傾斜面を形成しているので、カムローラ67がカムプレート68、69に乗り移る際の衝撃を最小限に抑えることができる。このようにして、このような衝撃緩和部材120Dによっても、カムローラ67の偏摩耗等を防止し、耐久性、装置の信頼性を向上させるとともに、異物の発生を抑制し、環境のクリーン度の低下を防ぐことが可能となる。
【0045】
この他、カムローラ67がカムプレート68、69に接触する際の摩擦を軽減するという観点からすれば、図14に示すように、カムローラ67にフィン(カムローラ回転手段)130を複数設ける構成とすることも可能である。このような構成においては、カムローラ67がカムプレート68、69に接触する前に、フィン130に、エアーや水等を当てることで、その圧力によってカムローラ67を回転させておくようにする。これにより、カムローラ67がカムプレート68、69に接触する際の摩擦を軽減することができる。しかもカムローラ67がカムプレート68、69に接触する前に、上記したような衝撃緩和部材120Dに接触することもなく、負荷を受けずにカムローラ67を回転させることができる。
【0046】
上記において、カムローラ67とカムプレート68、69は、第一グリッパ14を開閉するためのものとしたが、衝撃緩和部材120A〜120Dや、フィン130を備えたカムローラ67は、第一グリッパ14を開閉するために限らず、他の各種動作を行うためのカムローラ、カムプレートに対しても同様に適用することが可能であり、それにより、上記と同様の効果を奏することができる。例えば、保持したPETボトルPの上下を反転させるためのカムローラ・カムプレート等である。
【0047】
ところで、上記したようなPETボトル飲料充填装置においては、各部が水によって潤滑される状態となっており、上記したようなカムローラ67についても同様である。
カムローラ67はリング状で、その中心部が回転軸(図示無し)に回転自在に支持された状態になっているが、回転軸とカムローラ67の間には、水が入りにくく、十分な潤滑効果が期待できない。
そこで、図15に示すように、カムローラ67の内周面67aと側面67bとに、それぞれ溝141,142を形成するのが好ましい。
溝141は、カムローラ67の内周面67aに、一箇所以上(図示の例では2箇所)に、カムローラ67の厚さ方向に延びるように形成されている。
溝142は、カムローラ67の側面67bにおいて、溝141に連続する位置に、カムローラ67の径方向に延びるように形成されている。
【0048】
このような溝141、142を備えたカムローラ67は、上方(斜め上方を含む)から水が流れてくると、この水が溝142から溝141へと流れ込み、これによって回転軸とカムローラ67の内周面67aとの間に水が供給され、水による潤滑効果が得られる。その結果、カムローラ67の回転を円滑に行わせることが可能となる。
【0049】
また、図16に示すように、カムローラ67の内周面67aには、らせん状に溝143を形成するようにしても良い。このようにすると、図15に示した溝141に比較し、溝143に水が滞留しやすく、潤滑効果を高めることができる。
【0050】
図17に示すように、カムローラ67の側面67bには、外周側から内周側に向けて徐々に深くなる溝144を形成するようにしても良い。このようにすると、内周面67aの溝141に水が流れ込みやすくなり、潤滑性を高めることができる。
【0051】
また、溝141、142、143、144は、図18に示すように、放射状に複数本を配置しても良い(図18は、溝141、142の場合を図示している。)。このようにすれば、特に、カムローラ67を縦方向に回転するように設けた場合等において、カムローラ67の回転が停止したときの角度に関わらず、水が流入しやすくなるという利点がある。
【0052】
この他、図19に示すように、カムローラ67の側面67bから内周面67aに向けて、斜めに孔145をあけるようにしても良い。この場合も、潤滑性が向上できる。さらに、図20に示すように、孔145を複数設ければ、カムローラ67の回転が停止したときの角度に関わらず、水が流入しやすくなる。
【0053】
また、図21に示すように、カムローラ67は、ワッシャー150により、回転軸140の軸線方向への移動が規制される。このとき、ワッシャー150とカムローラ67との間にスペーサ151を設け、このスペーサ151に、カムローラ67の内周面67aと回転軸140の間に水を導く孔152を形成するようにしても良い。
ワッシャー150は、その内径が回転軸140の外径よりも大きく、ワッシャー150と回転軸140との間には隙間が形成されている。ワッシャー150の下方に位置するスペーサ151は、その上面が、外周部から内周部に向けて低くなるすり鉢状の形状とされている。そして、スペーサ151には、上下を貫通する孔152あるいはスリット、切り欠き等を形成する。
このようなスペーサ151を用いると、水が上方からかかったときには、水がワッシャー150と回転軸140の隙間から下方に流れ込み、上面がすり鉢状のスペーサ151によって内周側に水が集められ、孔152あるいはスリット、切り欠き等を通して、回転軸140とカムローラ67の内周面67aとの間に供給される。
このようにしても、潤滑性の向上を図ることが可能である。ただし、このような構成は、カムローラ67を横方向に回転させる場合に限られる。
【0054】
なお、PETボトル飲料充填装置においては、PETボトルPを搬送する経路において、多数のローラが用いられている。上記したようなカムローラ67の潤滑性を向上させるための構成は、このような搬送経路に設けられたローラにも、同様に適用することが可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施の形態におけるPETボトル飲料充填装置の全体構成を示す概要図である。
【図2】フィラー搬入ホイールの上面図である。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】(a)は第一グリッパの上面図であり、(b)は第一グリッパの側面図である。
【図5】(a)は第一グリッパの閉状態を示す説明図であり、(b)は第一グリッパの開状態を示す説明図である。
【図6】フィラーの上面図である。
【図7】充填ユニットの斜視図である。
【図8】(a)は第二グリッパの上面図であり、(b)は第二グリッパの側面図である。
【図9】(a)は第二グリッパの閉状態を示す説明図であり、(b)は第二グリッパの開状態を示す説明図である。
【図10】前接触部材の例を示す図である。
【図11】前接触部材の他の例を示す図である。
【図12】前接触部材のさらに他の例を示す図である。
【図13】前接触部材のさらに他の例を示す図である。
【図14】カムローラを事前に回転させるためのフィンを設けたカムローラの例を示す図である。
【図15】カムローラに形成した溝を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は(b)のA−A断面図である。
【図16】カムローラに形成した溝の他の例を示す図である。
【図17】カムローラに形成した溝のさらに他の例を示す図である。
【図18】カムローラに複数の溝を形成した例を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図19】カムローラに形成した孔の例を示す図であって、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図20】カムローラに複数の孔を形成した例を示す図であって、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図21】カムローラにスペーサを設け、このスペーサに孔を形成した例を示す図であって、(a)は断面図、(b)はスペーサの平面図である。
【符号の説明】
【0056】
1…リンサー、2…フィラー(回転式充填装置)、3…キャッパ、5i…リンサー搬入ホイール(受渡し装置)、5o…リンサー搬出ホイール(受け取り装置)、6…中継ホイール、7i…フィラー搬入ホイール(受渡し装置)、7o…フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール(受渡し装置、受け取り装置)、9o…キャッパ搬出ホイール、11…回転体、14…第一グリッパ(グリッパ、動作体)、67…カムローラ、68,69…カムプレート、73…充填ユニット(充填バルブ)、74…第二グリッパ(グリッパ)、120A、120B、120C、120D…衝撃緩和部材(前接触部材、カムローラ回転手段)、121,127…板状部材(接触部)、122、128…付勢部材(弾性変形部)、123、125…固定部、124、126…バネ部、130…フィン(カムローラ回転手段)、140…回転軸、141、142、143、144…溝、145…孔、150…ワッシャー、151…スペーサ、152…孔、P…PETボトル(容器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体の外周に複数の充填バルブを備え、前記回転体の回転中に、前記充填バルブに開口部があてがわれた容器内へ前記充填バルブから液体を注入する回転式充填装置と、
前記回転式充填装置の前記各充填バルブに前記容器を第一の位置で受け渡す受渡し装置と、
前記回転式充填装置で前記液体が充填された前記容器を第二の位置で受け取る受け取り装置と、
を備え、
前記回転式充填装置、前記受渡し装置、前記受け取り装置は、それぞれ、前記容器を保持する複数のグリッパを備え、
前記回転式充填装置と、前記受渡し装置および前記受け取り装置の一方は、前記第一の位置、前記第二の位置にそれぞれ設けられたカムプレートと、前記グリッパのそれぞれに設けられたカムローラとを備えて、前記回転体の回転に伴って前記カムローラが前記カムプレートに接触・離間することで前記グリッパが開閉する構成とされ、前記回転体の回転に伴って前記カムローラが前記カムプレートに接触する直前に、前記カムローラに接触する前接触部材が設けられていることを特徴とする飲料充填システム。
【請求項2】
前記前接触部材は、前記カムローラが前記カムプレートに接触するに先立ち、前記カムローラを回転させるためのものであることを特徴とする請求項1に記載の飲料充填システム。
【請求項3】
前記前接触部材は、弾性変形可能であり、前記前接触部材に前記カムローラが接触したときに弾性変形することで衝撃を吸収することを特徴とする請求項1または2に記載の飲料充填システム。
【請求項4】
前記前接触部材は、前記カムプレートから離れた側から前記カムプレートに近い側に向けて、前記カムローラの変位量が増大するよう傾斜して設けられた接触部と、
前記接触部を弾性変形可能に支持する弾性変形部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の飲料充填システム。
【請求項5】
前記前接触部材は、前記カムプレートから離れた側から前記カムプレートに近い側に向けて、前記カムローラの変位量が増大するよう傾斜して設けられ、弾性変形可能であることを特徴とする請求項3に記載の飲料充填システム。
【請求項6】
前記前接触部材は、前記カムプレートに近い側の端部が前記カムプレートに連結され、かつ前記カムプレートの前記カムローラに対する接触面に連続するよう設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の飲料充填システム。
【請求項7】
前記カムローラは、回転軸に回転自在に支持され、前記カムローラの内周面と前記回転軸の間に潤滑液体を供給するため、前記カムローラの側面から内周面に臨む溝または孔が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の飲料充填システム。
【請求項8】
所定のプロファイルを有したカムプレートと、
前記カムプレートに対して相対的に移動し、前記カムプレートに接触・離間することで変位するカムローラと、
前記カムローラの変位に伴って所定の動作を行なう動作体と、
前記カムローラが前記カムプレートに接触するときに前記カムローラが回転状態となるよう、前記カムローラを回転させるカムローラ回転手段と、
を備えることを特徴とするカム動作装置。
【請求項9】
前記カムローラ回転手段は、前記カムローラが前記カムプレートに接触するに先立ち、前記カムローラに接触することで前記カムローラを回転させる前接触部材であることを特徴とする請求項8に記載のカム動作装置。
【請求項10】
前記前接触部材は、弾性変形可能であり、前記前接触部材に前記カムローラが接触したときに弾性変形することで衝撃を吸収することを特徴とする請求項9に記載のカム動作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−315715(P2006−315715A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−139463(P2005−139463)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(505193313)三菱重工食品包装機械株式会社 (146)
【Fターム(参考)】