説明

駆動装置および電動車両

【課題】昇圧コンバータのリアクトルに流れるリアクトル電流をより適正に取得する。
【解決手段】昇圧コンバータによって駆動電圧系電力ラインの電圧VHを電池電圧系電力ラインの電圧VLに対して昇圧していない非昇圧時には、非昇圧時の差分値α1を用いて学習値G1を設定すると共に設定した学習値G1を用いてリアクトルの検出電流ILdetを補正する(S110〜S160)。一方、昇圧コンバータによって駆動電圧系電力ラインの電圧VHを電池電圧系電力ラインの電圧VLに対して昇圧している昇圧時には、昇圧時の差分値α2を用いて学習値G2を設定すると共に設定した学習値G2を用いてリアクトルの検出電流ILdetを補正する(S110,S170〜S210)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置および電動車両に関し、詳しくは、第1の電圧系に接続された二次電池と、第2の電圧系に接続された電動機と、第1の電圧系に接続されたリアクトルを有し第2の電圧系の電圧を第1の電圧系に対して昇圧可能な昇圧コンバータと、第1の電圧系に取り付けられたコンデンサと、を備える駆動装置およびこの駆動装置を備える電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の駆動装置としては、蓄電装置と、走行用モータと、蓄電装置に接続されたリアクトルと2つのスイッチング素子とを有し直流入力電圧(蓄電装置の電圧)を変換して直流出力電圧(走行用モータに供給する電圧)を得るDC−DCコンバータと、DC−DCコンバータからみて蓄電装置に並列接続されたコンデンサと、を備え、2つのスイッチング素子のスイッチング周期の1/2の時間間隔で、リアクトルの電流波形における電流上昇区間と電流下降区間とで、電流値取得部によってリアクトルの電流値を取得し、電流上昇区間で取得した電流値と電流下降区間で取得した電流値とに基づいてリアクトルの電流の中心値を推定(取得)するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−22170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした駆動装置では、DC−DCコンバータから走行用モータに供給される電力をより適正に把握したり制御したりするなどのために、リアクトルの電流をより適正に取得することが課題の一つとされている。特に、リアクトルの電流は、DC−DCコンバータによって直流出力電圧を直流入力電圧に対して昇圧しているか否かによってその挙動が異なると考えられるため、これを踏まえてより適正に取得することが望まれる。
【0005】
本発明の駆動装置は、昇圧コンバータのリアクトルに流れるリアクトル電流をより適正に取得することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の駆動装置および電動車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の駆動装置は、
第1の電圧系に接続された二次電池と、第2の電圧系に接続された電動機と、前記第1の電圧系に接続されたリアクトルを有し前記第2の電圧系の電圧を前記第1の電圧系に対して昇圧可能な昇圧コンバータと、前記第1の電圧系に取り付けられたコンデンサと、を備える駆動装置であって、
前記二次電池に流れる電池電流を検出する電池電流検出センサと、
前記リアクトルに流れるリアクトル電流を検出するリアクトル電流検出センサと、
前記昇圧コンバータによって前記第2の電圧系の電圧を前記第1の電圧系の電圧に対して昇圧していない非昇圧時に、前記リアクトル電流センサによる検出値と前記電池電流センサによる検出値との差に基づいて第1の学習値を設定し、該設定した第1の学習値を用いて前記リアクトル電流センサによる検出値を補正する非昇圧時補正手段と、
前記昇圧コンバータによって前記第2の電圧系の電圧を前記第1の電圧系の電圧に対して昇圧している昇圧時に、前記リアクトル電流センサによる検出値と前記電池電流センサによる検出値との差に基づいて第2の学習値を設定し、該設定した第2の学習値を用いて前記リアクトル電流センサによる検出値を補正する昇圧時補正手段と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明の駆動装置では、昇圧コンバータによって第2の電圧系の電圧を第1の電圧系の電圧に対して昇圧していない非昇圧時には、リアクトル電流センサによる検出値と電池電流センサによる検出値との差に基づいて第1の学習値を設定し、設定した第1の学習値を用いてリアクトル電流センサによる検出値を補正する。また、昇圧コンバータによって第2の電圧系の電圧を第1の電圧系の電圧に対して昇圧している昇圧時には、リアクトル電流センサによる検出値と電池電流センサによる検出値との差に基づいて第2の学習値を設定し、設定した第2の学習値を用いてリアクトル電流センサによる検出値を補正する。通常、非昇圧時と昇圧時とでは、リアクトル電流と電池電流との差の現われ方が異なることから、リアクトル電流センサによる検出値と電池電流センサによる検出値との差に基づいて、非昇圧時と昇圧時とで別々に学習値を設定してリアクトル電流センサによる検出値を補正することにより、リアクトル電流をより適正に取得することができる。
【0009】
こうした本発明の駆動装置において、前記非昇圧時補正手段は、前記リアクトル電流センサによる検出値から前記電池電流センサによる検出値を減じた差分値,前記差分値の第1の所定回数における平均値,前記差分値の第1の所定時間における平均値のいずれかを前記第1の学習値として設定する手段であり、前記昇圧時補正手段は、前記差分値,前記差分値の第2の所定回数における平均値,前記差分値の第2の所定時間における平均値のいずれかを前記第2の学習値として設定する手段である、ものとすることもできる。ここで、「平均値」には、単純移動平均や加重移動平均,指数移動平均などによる値が含まれる。
【0010】
また、本発明の駆動装置において、前記第1の電気系に接続された電気機器を備え、前記非昇圧時補正手段は、前記電気機器が作動しているときには、前記リアクトル電流センサによる検出値と前記電気機器に流れる機器電流との和と、前記電池電流センサによる検出値と、の差に基づいて前記第1の学習値を設定する手段であり、前記昇圧時補正手段は、前記電気機器が作動しているときには、前記リアクトル電流センサによる検出値と前記電気機器に流れる機器電流との和と、前記電池電流センサによる検出値と、の差に基づいて前記第2の学習値を設定する手段である、ものとすることもできる。
【0011】
この電気機器を備える態様の本発明の駆動装置において、前記非昇圧時補正手段は、前記電気機器が作動しているときには、前記リアクトル電流センサによる検出値と前記電気機器に流れる機器電流との和から前記電池電流センサによる検出値を減じた第2の差分値,前記第2の差分値の第3の所定回数における平均値,前記第2の差分値の第3の所定時間における平均値のいずれかを前記第1の学習値として設定する手段であり、前記昇圧時補正手段は、前記電気機器が作動しているときには、前記第2の差分値,前記第2の差分値の第4の所定回数における平均値,前記第2の差分値の第4の所定時間における平均値のいずれかを前記第2の学習値として設定する手段である、ここで、「平均値」には、単純移動平均や加重移動平均,指数移動平均などによる値が含まれる。
【0012】
本発明の電動車両は、上述のいずれかの態様の本発明の駆動装置、即ち、基本的には、第1の電圧系に接続された二次電池と、第2の電圧系に接続された電動機と、前記第1の電圧系に接続されたリアクトルを有し前記第2の電圧系の電圧を前記第1の電圧系に対して昇圧可能な昇圧コンバータと、前記第1の電圧系に取り付けられたコンデンサと、を備える駆動装置であって、前記二次電池に流れる電池電流を検出する電池電流検出センサと、前記リアクトルに流れるリアクトル電流を検出するリアクトル電流検出センサと、前記昇圧コンバータによって前記第2の電圧系の電圧を前記第1の電圧系の電圧に対して昇圧していない非昇圧時に、前記リアクトル電流センサによる検出値と前記電池電流センサによる検出値との差に基づいて第1の学習値を設定し、該設定した第1の学習値を用いて前記リアクトル電流センサによる検出値を補正する非昇圧時補正手段と、前記昇圧コンバータによって前記第2の電圧系の電圧を前記第1の電圧系の電圧に対して昇圧している昇圧時に、前記リアクトル電流センサによる検出値と前記電池電流センサによる検出値との差に基づいて第2の学習値を設定し、該設定した第2の学習値を用いて前記リアクトル電流センサによる検出値を補正する昇圧時補正手段と、を備える駆動装置を備え、前記電動機からの動力を用いて走行することを要旨とする。
【0013】
この本発明の電動車両は、上述のいずれかの態様の本発明の駆動装置を備えるから、上述の駆動装置が奏する効果、例えば、リアクトル電流をより適正に取得することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例としての駆動装置を搭載する電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】モータ32を含む電機駆動系の構成の概略を示す構成図である。
【図3】電子制御ユニット50により実行されるリアクトル電流補正ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図4】電気機器70が作動していないときのバッテリ36に流れる実電流IbactとリアクトルLに流れる実電流ILactとの時間変化の様子の一例を示す説明図である。
【図5】変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【図6】変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
【図7】変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の一実施例としての駆動装置を搭載する電気自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、モータ32を含む電機駆動系の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、図1に示すように、駆動輪26a,26bにデファレンシャルギヤ24を介して接続された駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32と、モータ32を駆動するためのインバータ34と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ36と、インバータ34が接続された電力ライン(以下、駆動電圧系電力ラインという)42とバッテリ36が接続された電力ライン(以下、電池電圧系電力ラインという)44とに接続されて駆動電圧系電力ライン42の電圧VHを調節すると共に駆動電圧系電力ライン42と電池電圧系電力ライン44との間で電力のやりとりを行なう昇圧コンバータ40と、電池電圧系電力ライン44に接続された電気機器70と、車両全体をコントロールする電子制御ユニット50と、を備える。なお、電気機器70としては、乗員室の空気調和を行なう空調装置におけるエアコンプレッサや、電池電圧系電力ライン44の電力を降圧して例えば鉛蓄電池として構成されてバッテリ36より電圧が低い低圧バッテリが接続された低電圧系電力ラインに供給するDC/DCコンバータなどを考えることができる。
【0017】
モータ32は、永久磁石が埋め込まれたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備える周知の同期発電電動機として構成されている。インバータ34は、図2に示すように、6つのスイッチング素子としてのトランジスタT11〜T16と、トランジスタT11〜T16に逆方向に並列接続された6つのダイオードD11〜D16と、により構成されている。トランジスタT11〜T16は、駆動電圧系電力ライン42の正極母線と負極母線とに対してソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置されており、対となるトランジスタ同士の接続点の各々にモータ32の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、インバータ34に電圧が作用している状態でトランジスタT11〜T16のオン時間の割合を調節することにより、三相コイルに回転磁界を形成でき、モータ32を回転駆動することができる。駆動電圧系電力ライン42の正極母線と負極母線とには平滑用のコンデンサ46が接続されている。
【0018】
昇圧コンバータ40は、図2に示すように、2つのトランジスタT31,T32とトランジスタT31,T32に逆方向に並列接続された2つのダイオードD31,D32とリアクトルLとからなる昇圧コンバータとして構成されている。2つのトランジスタT31,T32は、それぞれ駆動電圧系電力ライン42の正極母線,駆動電圧系電力ライン42および電池電圧系電力ライン44の負極母線に接続されており、トランジスタT31,T32同士の接続点と電池電圧系電力ライン44の正極母線とにはリアクトルLが接続されている。したがって、トランジスタT31,T32をオンオフすることにより、電池電圧系電力ライン44の電力を昇圧して駆動電圧系電力ライン42に供給したり、駆動電圧系電力ライン42の電力を降圧して電池電圧系電力ライン44に供給したりすることができる。電池電圧系電力ライン44の正極母線と負極母線とには平滑用のコンデンサ48が接続されている。
【0019】
電子制御ユニット50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU52の他に処理プログラムを記憶するROM54と、データを一時的に記憶するRAM56と、図示しない入出力ポートと、を備える。電子制御ユニット50には、モータ32のロータの回転位置を検出する回転位置検出センサ32aからのモータ32のロータの回転位置θmや、モータ32の三相コイルのV相,W相に流れる相電流を検出する電流センサ23V,23Wからの相電流Iv,Iw,バッテリ36の端子間に取り付けられた電圧センサ37aからの端子間電圧Vb,バッテリ36の出力端子に取り付けられた電流センサ37bからの充放電電流Ib,バッテリ36に取り付けられた温度センサ37cからの電池温度Tb,昇圧コンバータ30のトランジスタT31,T32同士の接続点とリアクトルLとの間に取り付けられた電流センサ41からのリアクトル電流IL,コンデンサ46の端子間に取り付けられた電圧センサ46aからのコンデンサ46の電圧(駆動電圧系電力ライン42の電圧)VH,コンデンサ48の端子間に取り付けられた電圧センサ48aからのコンデンサ48の電圧(電池電圧系電力ライン44の電圧)VL,電気機器70に取り付けられた電力センサ71からの機器電力(電池電圧系電力ライン44から電気機器70への電力)Ph,イグニッションスイッチ60からのイグニッション信号,シフトレバー61の操作位置を検出するシフトポジションセンサ62からのシフトポジションSP,アクセルペダル63の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル65の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ66からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ68からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。実施例では、電流センサ37bと電流センサ41とについては、電流センサ37bの方が検出精度が高く、電流センサ41の方が応答性が高くなるよう設計されているものとした。電子制御ユニット50からは、インバータ34のトランジスタT11〜T16へのスイッチング制御信号や昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32へのスイッチング制御信号,電気機器70への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、電子制御ユニット50は、回転位置検出センサ32aにより検出されたモータ32のロータの回転位置θmに基づいてモータ32のロータの電気角θeや回転数Nmを演算したり、電流センサ37bにより検出されたバッテリ36の充放電電流Ibに基づいてそのときのバッテリ36から放電可能な電力量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ36を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。
【0020】
こうして構成された実施例の電気自動車20では、電子制御ユニット50は、アクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Accと車速センサ68からの車速Vとに応じて駆動軸22に出力すべき要求トルクTr*を設定し、バッテリ36の入出力制限Win,Woutをモータ32の回転数Nmで除してモータ32から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを設定し、要求トルクTr*をトルク制限Tmin,Tmaxで制限してモータ32から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm*を設定し、設定したトルク指令Tm*とモータ32の回転数Nmとに応じた駆動電圧系電力ライン42の目標電圧VHtagを許容上限電圧VHlimで制限して電圧指令VH*を設定し、設定したトルク指令Tm*でモータ32が駆動されるようインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチング制御すると共に駆動電圧系電力ライン42の電圧VHが電圧指令VH*となるよう昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32をスイッチング制御する。なお、最大許容電圧VHmaxは、コンデンサ46の耐圧以下の電圧として予め定められたものを用いることができる。
【0021】
次に、こうして構成された実施例の電気自動車20の動作、特に、電流センサ41により検出されたリアクトル電流IL(検出電流ILdet)を補正する際の動作について説明する。図3は、電子制御ユニット50により実行されるリアクトル電流補正ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
【0022】
リアクトル電流補正ルーチンが実行されると、電子制御ユニット50のCPU52は、まず、電流センサ37bからのバッテリ36の充放電電流Ib(以下、検出電流Ibdetという),電流センサ41からのリアクトルLのリアクトル電流IL(以下、検出電流ILdetという),電気機器70に流れる機器電流Ih,昇圧コンバータ40によって駆動圧系電力ライン42の電圧VHを電池電圧系電力ライン44の電圧VLに対して昇圧しているか否か(昇圧時か非昇圧時か)を示す昇圧フラグF1,電気機器70が作動しているか否かを示す機器作動フラグF2などのデータを入力する(ステップS100)。ここで、電気機器70に流れる機器電流Ihは、電力センサ71からの電気機器70の機器電力Phを電圧センサ37aからのバッテリ36の端子間電圧Vbで除した値を入力するものとした。また、昇圧フラグF1は、昇圧時に値1が設定されると共に非昇圧時に値0が設定されたものを入力するものとした。さらに、機器作動フラグF2は、電気機器70が作動しているときに値1が設定されると共に電気機器70が作動していないときに値0が設定されたものを入力するものとした。
【0023】
こうしてデータを入力すると、入力した昇圧フラグF1の値を調べ(ステップS110)、昇圧フラグF1が値0のとき即ち非昇圧時には、機器作動フラグF2の値を調べる(ステップS120)。そして、機器作動フラグF2が値0のとき即ち電気機器70が作動していないときには、リアクトルLの検出電流ILdetからバッテリ36の検出電流Ibdetを減じて差分値α1を計算し(ステップS130)、機器作動フラグF2が値1のとき即ち電気機器70が作動しているときには、リアクトルLの検出電流ILdetと電気機器70の機器電流Ihとの和からバッテリ36の検出電流Ibdetを減じて差分値α1を計算する(ステップS140)。このステップS130,S140の処理は、電気機器70の機器電流Ih分を除外して、電流センサ41によるリアクトルLの検出電流ILdetの電流センサ37bによるバッテリ36の検出電流Ibdetに対するズレを計算する処理である。
【0024】
そして、計算した差分値α1を用いて差分値α1についての学習値G1を設定し(ステップS150)、設定した学習値G1をリアクトルLの検出電流ILdetから減じて補正後リアクトル電流ILmoを計算して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。ここで、学習値G1は、実施例では、差分値α1の所定回数(例えば、数回〜数百回など)の平均値(単純移動平均による値)を設定するものとした。このように差分値α1を用いて検出電流ILdetを補正して補正後リアクトル電流ILmoを求めることにより、非昇圧時に、リアクトルLに流れる電流をより適正に取得することができる。この結果、非昇圧時に、電池電圧系電力ライン44から駆動電圧系電力ライン42に供給される電流や電力をより適正に把握することなどができる。なお、実施例では、電流センサ41については、電流センサ37bより応答性が高いものの検出精度が低いものを用いるものとしたから、電気機器70の機器電流Ih分を除外した状態での電流センサ41による検出値の電流センサ37bによる検出値に対するズレである差分値α1に基づく学習値G1を用いて電流センサ41による検出値を補正して補正後リアクトル電流ILmoを求めることの意義が大きい。
【0025】
ステップS110で昇圧フラグF1が値1のとき即ち昇圧時にも、昇圧フラグF1が値0のとき即ち非昇圧時と同様に、機器作動フラグF2の値を調べる(ステップS170)。そして、機器作動フラグF2が値0のとき即ち電気機器70が作動していないときには、リアクトルLの検出電流ILdetからバッテリ36の検出電流Ibdetを減じて差分値α2を計算し(ステップS180)、昇圧フラグF1が値1で機器作動フラグF2が値1のとき即ち昇圧時で電気機器70が作動しているときには、リアクトルLの検出電流ILdetと電気機器70の機器電流Ihとの和からバッテリ36の検出電流Ibdetを減じて差分値α2を計算する(ステップS190)。
【0026】
そして、計算した差分値α2を用いて差分値α2についての学習値G2を設定し(ステップS200)、設定した学習値G2をリアクトルLの検出電流ILdetから減じて補正後リアクトル電流ILmoを計算して(ステップS210)、本ルーチンを終了する。ここで、学習値G2は、実施例では、学習値G1と同様に、差分値α2の所定回数(例えば、数回〜数百回など)の平均値(単純移動平均による値)を設定するものとした。このように差分値α2を用いて検出電流ILdetを補正して補正後リアクトル電流ILmoを求めることにより、リアクトルLに流れる電流をより適正に取得することができる。この結果、昇圧時に、電池電圧系電力ライン44から駆動電圧系電力ライン42に供給される電流や電力をより適正に把握することなどができる。また、昇圧時には、こうして得られた補正後リアクトル電流ILmoを昇圧コンバータ40による駆動電圧系電力ライン42の電圧VHの調節に用いることにより、リアクトルLの検出電流ILdetを用いるものに比して駆動電圧系電力ライン42の電圧VHの調節をより適正に行なうことができる。
【0027】
図4は、電気機器70が作動していないときのバッテリ36に流れる実電流IbactとリアクトルLに流れる実電流ILactとの時間変化の様子の一例を示す説明図である。図4(a)は非昇圧時の様子を示し、図4(b)は昇圧時の様子を示す。非昇圧時で電気機器70が作動していないときには、コンデンサ48の充放電がなければ、図4(a)に示すように、バッテリ36に流れる実電流IbactとリアクトルLに流れる実電流ILactとは略等しくなることから、差分値α1は略一定になると考えられる。一方、昇圧時で電気機器70が作動していないときには、図4(b)に示すように、昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32のオンオフによってリアクトルLに流れる実電流ILにリプル(脈動)が生じることから、差分値α2は、電流センサ41による検出タイミングによって異なると考えられる。実施例では、差分値α1,α2の所定回数の平均値をそれぞれ学習値G1,G2として設定すると共に設定した学習値G1,G2を用いてリアクトルLの検出電流ILdetを補正して補正後リアクトル電流ILmoを計算するものとしたから、非昇圧時か昇圧時かで差分値αや学習値Gを分けない(同一とする)ものとすると、非昇圧時に、昇圧時の差分値αを含む学習値Gを用いてリアクトルLの検出電流ILdetを補正することになる場合や、昇圧時に、非昇圧時の差分値αを含む学習値Gを用いてリアクトルLの検出電流ILdetを補正することになる場合が生じ、リアクトルLに流れる電流を適正に取得できない場合が生じ得る。これに対して、実施例では、非昇圧時には、非昇圧時の差分値α1だけを用いて学習値G1を設定してリアクトルLの検出電流ILdetを補正し、昇圧時には、昇圧時の差分値α2だけを用いて学習値G2を設定してリアクトルLの検出電流ILdetを補正することにより、リアクトルLの電流をより適正に取得することができる。
【0028】
以上説明した実施例の電気自動車20によれば、昇圧コンバータ40によって駆動電圧系電力ライン42の電圧VHを電池電圧系電力ライン44の電圧VLに対して昇圧していない非昇圧時には、非昇圧時の差分値α1を用いて学習値G1を設定すると共に設定した学習値G1を用いてリアクトルLの検出電流ILdetを補正し、昇圧コンバータ40によって駆動電圧系電力ライン42の電圧VHを電池電圧系電力ライン44の電圧VLに対して昇圧している昇圧時には、昇圧時の差分値α2を用いて学習値G2を設定すると共に設定した学習値G2を用いてリアクトルLの検出電流ILdetを補正するから、リアクトルLの電流をより適正に取得することができる。
【0029】
また、実施例の電気自動車20では、電気機器70が作動していないときには、リアクトルLの検出電流ILdetからバッテリ36の検出電流Ibdetを減じて差分値α1や差分値α2を計算し、電気機器70が作動しているときには、リアクトルLの検出電流ILdetと電気機器70の機器電流Ihとの和からバッテリ36の検出電流Ibdetを減じて差分値α1や差分値α2を計算するから、電気機器70に流れる電流を除外してリアクトルLの検出電流ILdetのバッテリ36の検出電流Ibdetに対するズレをより適正に計算することができる。
【0030】
実施例の電気自動車20では、非昇圧時には、電気機器70が作動しているか否かに拘わらず同一の学習値G1を設定し、昇圧時には、電気機器70が作動しているか否かに拘わらず同一の学習値G2を設定するものとしたが、非昇圧時も昇圧時も、電気機器70が作動しているか否かによって別々の学習値を設定するものとしてもよい。即ち、非昇圧時に電気機器70が作動していないときには、リアクトルLの検出電流ILdetからバッテリ36の検出電流Ibdetを減じて差分値α11を計算すると共に計算した差分値α11に基づいて学習値G11を設定し、非昇圧時に電気機器70が作動しているときには、リアクトルLの検出電流ILdetと電気機器70の機器電流Ihとの和からバッテリ36の検出電流Ibdetを減じて差分値α12を計算すると共に計算した差分値α12に基づいて学習値G12を設定し、昇圧時に電気機器70が作動していないときには、リアクトルLの検出電流ILdetからバッテリ36の検出電流Ibdetを減じて差分値α21を計算すると共に計算した差分値α21に基づいて学習値G21を設定し、昇圧時に電気機器70が作動しているときには、リアクトルLの検出電流ILdetと電気機器70の機器電流Ihとの和からバッテリ36の検出電流Ibdetを減じて差分値α22を計算すると共に計算した差分値α22に基づいて学習値G22を設定するものとしてもよい。
【0031】
実施例の電気自動車20では、電気機器70が作動していないときには、リアクトルLの検出電流ILdetからバッテリ36の検出電流Ibdetを減じて差分値α1や差分値α2を計算し、電気機器70が作動しているときには、リアクトルLの検出電流ILdetと電気機器70の機器電流Ihとの和からバッテリ36の検出電流Ibdetを減じて差分値α1や差分値α2を計算するものとしたが、電池電圧系電力ライン44に電気機器が接続されていないときや、電気機器が接続されていてもその電気機器に流れる電流を無視できるようなときには、電気機器70が作動していないときと同様に、リアクトルLの検出電流ILdetからバッテリ36の検出電流Ibdetを減じて差分値α1や差分値α2を計算すればよい。
【0032】
実施例の電気自動車20では、学習値G1,G2は、それぞれ、差分値α1,α2の所定回数(例えば、数回〜数百回など)の平均値(単純移動平均による値)を設定するものとしたが、差分値α1,α2をそのまま設定するものしてもよいし、差分値α1,α2の所定時間(例えば、数十msec〜数百msecなど)における平均値(単純移動平均による値)を設定するものとしてもよいし、差分値α1,α2の所定回数や所定時間における平均値(加重移動平均,指数移動平均などによる値)を設定するものとしてもよいし、差分値α1,α2の所定回数や所定時間における中央値を設定するものとしてもよい。ここで、所定回数や所定時間は、非昇圧時と昇圧時とで同一の値を用いるものとしてもよいし、異なる値を用いるものとしてもよい。また、この所定回数や所定時間は、電気機器70が作動していないときと作動しているときとで同一の値を用いるものとしてもよいし、異なる値を用いるものとしてもよい。
【0033】
実施例では、駆動輪26a,26bに連結された駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32を備える電気自動車20に適用するものしたが、例えば、図5の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、遊星歯車機構126を介して駆動軸22に接続されたエンジン122およびモータ124と、駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32と、を備えるハイブリッド自動車120に適用するものとしてもよいし、図6の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン122と、エンジン122のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と駆動輪26a,26bに連結された駆動軸22に接続されたアウターロータ234とを有しエンジン122からの動力の一部を駆動軸22に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230と、駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32と、を備えるハイブリッド自動車220に適用するものとしてもよいし、図7の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、駆動軸22に変速機330を介してモータ32を取り付けると共にモータ32の回転軸にクラッチ229を介してエンジン122を接続する構成とし、エンジン122からの動力をモータ32の回転軸と変速機330とを介して駆動軸22に出力すると共にモータ32からの動力を変速機330を介して駆動軸22に出力するハイブリッド自動車320に適用するものとしてもよい。
【0034】
実施例では、本発明を電気自動車やハイブリッド自動車の形態としたが、自動車以外の車両(例えば、列車など)の形態としてもよいし、駆動装置の形態としてもよい。
【0035】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、バッテリ36が「二次電池」に相当し、モータ32が「電動機」に相当し、昇圧コンバータ40が「昇圧コンバータ」に相当し、コンデンサ48が「コンデンサ」に相当し、バッテリ36の出力端子に取り付けられた電流センサ37bが「電池電流検出センサ」に相当し、昇圧コンバータ30のトランジスタT31,T32同士の接続点とリアクトルLとの間に取り付けられた電流センサ41が「リアクトル電流検出センサ」に相当し、昇圧コンバータ40によって駆動電圧系電力ライン42の電圧VHを電池電圧系電力ライン44の電圧VLに対して昇圧していない非昇圧時には、非昇圧時の差分値α1を用いて学習値G1を設定すると共に設定した学習値G1を用いてリアクトルLの検出電流ILdetを補正する図3のリアクトル電流補正ルーチンのステップS110〜S160の処理を実行する電子制御ユニット50が「非昇圧時補正手段」に相当し、昇圧コンバータ40によって駆動電圧系電力ライン42の電圧VHを電池電圧系電力ライン44の電圧VLに対して昇圧している昇圧時には、昇圧時の差分値α2を用いて学習値G2を設定すると共に設定した学習値G2を用いてリアクトルLの検出電流ILdetを補正する図3のリアクトル電流補正ルーチンのステップS110,S170〜S210の処理を実行する電子制御ユニット50が「昇圧時補正手段」に相当する。また、電気機器70が「電気機器」に相当する。
【0036】
ここで、「二次電池」としては、リチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ36に限定されるものではなく、ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池,鉛蓄電池など、第1の電圧系に接続されたものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータ32に限定されるものではなく、誘導電動機など、第2の電圧系に接続されたものであれば如何なるものとしても構わない。「昇圧コンバータ」としては、昇圧コンバータ40に限定されるものではなく、第1の電圧系に接続されたリアクトルを有し第2の電圧系の電圧を第1の電圧系に対して昇圧可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「コンデンサ」としては、コンデンサ48に限定されるものではなく、第1の電圧系に取り付けられたものであれば如何なるものとしても構わない。「電池電流検出センサ」としては、電流センサ37bに限定されるものではなく、二次電池に流れる電池電流を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「リアクトル電流検出センサ」としては、電流センサ41に限定されるものではなく、リアクトルに流れるリアクトル電流を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「非昇圧時補正手段」としては、昇圧コンバータ40によって駆動電圧系電力ライン42の電圧VHを電池電圧系電力ライン44の電圧VLに対して昇圧していない非昇圧時には、非昇圧時の差分値α1を用いて学習値G1を設定すると共に設定した学習値G1を用いてリアクトルLの検出電流ILdetを補正するものに限定されるものではなく、昇圧コンバータによって第2の電圧系の電圧を第1の電圧系の電圧に対して昇圧していない非昇圧時に、リアクトル電流センサによる検出値と電池電流センサによる検出値との差に基づいて第1の学習値を設定し、設定した第1の学習値を用いてリアクトル電流センサによる検出値を補正するものであれば如何なるものとしても構わない。「昇圧時補正手段」としては、昇圧コンバータ40によって駆動電圧系電力ライン42の電圧VHを電池電圧系電力ライン44の電圧VLに対して昇圧している昇圧時には、昇圧時の差分値α2を用いて学習値G2を設定すると共に設定した学習値G2を用いてリアクトルLの検出電流ILdetを補正するものに限定されるものではなく、昇圧コンバータによって第2の電圧系の電圧を第1の電圧系の電圧に対して昇圧している昇圧時に、リアクトル電流センサによる検出値と電池電流センサによる検出値との差に基づいて第2の学習値を設定し、設定した第2の学習値を用いてリアクトル電流センサによる検出値を補正するものであれば如何なるものとしても構わない。
【0037】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0038】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、駆動装置や電動車両の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0040】
20 電気自動車、22 駆動軸、24 デファレンシャルギヤ、26a,26b 駆動輪、32 モータ、32a 回転位置検出センサ、32V,32W 電流センサ、34 インバータ、36 バッテリ、37a 電圧センサ、37b 電流センサ、37c 温度センサ、40 昇圧コンバータ、41 電流センサ、42 駆動電圧系電力ライン、44 電池電圧系電力ライン、46,48 コンデンサ、46a,48a 電圧センサ、50 電子制御ユニット、52 CPU、54 ROM、56 RAM、60 イグニッションスイッチ、61 シフトレバー、62 シフトポジションセンサ、63 アクセルペダル、64 アクセルペダルポジションセンサ、65 ブレーキペダル、66 ブレーキペダルポジションセンサ、68 車速センサ、70 電気機器、71 電力センサ、120,220,320 ハイブリッド自動車、122 エンジン、124 モータ、126 遊星歯車機構、329 クラッチ、330 変速機、D11〜D16,D31,D32 ダイオード、L リアクトル、T11〜T16,T31,T32 トランジスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電圧系に接続された二次電池と、第2の電圧系に接続された電動機と、前記第1の電圧系に接続されたリアクトルを有し前記第2の電圧系の電圧を前記第1の電圧系に対して昇圧可能な昇圧コンバータと、前記第1の電圧系に取り付けられたコンデンサと、を備える駆動装置であって、
前記二次電池に流れる電池電流を検出する電池電流検出センサと、
前記リアクトルに流れるリアクトル電流を検出するリアクトル電流検出センサと、
前記昇圧コンバータによって前記第2の電圧系の電圧を前記第1の電圧系の電圧に対して昇圧していない非昇圧時に、前記リアクトル電流センサによる検出値と前記電池電流センサによる検出値との差に基づいて第1の学習値を設定し、該設定した第1の学習値を用いて前記リアクトル電流センサによる検出値を補正する非昇圧時補正手段と、
前記昇圧コンバータによって前記第2の電圧系の電圧を前記第1の電圧系の電圧に対して昇圧している昇圧時に、前記リアクトル電流センサによる検出値と前記電池電流センサによる検出値との差に基づいて第2の学習値を設定し、該設定した第2の学習値を用いて前記リアクトル電流センサによる検出値を補正する昇圧時補正手段と、
を備える駆動装置。
【請求項2】
請求項1記載の駆動装置であって、
前記非昇圧時補正手段は、前記リアクトル電流センサによる検出値から前記電池電流センサによる検出値を減じた差分値,前記差分値の第1の所定回数における平均値,前記差分値の第1の所定時間における平均値のいずれかを前記第1の学習値として設定する手段であり、
前記昇圧時補正手段は、前記差分値,前記差分値の第2の所定回数における平均値,前記差分値の第2の所定時間における平均値のいずれかを前記第2の学習値として設定する手段である、
駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の駆動装置であって、
前記第1の電気系に接続された電気機器を備え、
前記非昇圧時補正手段は、前記電気機器が作動しているときには、前記リアクトル電流センサによる検出値と前記電気機器に流れる機器電流との和と、前記電池電流センサによる検出値と、の差に基づいて前記第1の学習値を設定する手段であり、
前記昇圧時補正手段は、前記電気機器が作動しているときには、前記リアクトル電流センサによる検出値と前記電気機器に流れる機器電流との和と、前記電池電流センサによる検出値と、の差に基づいて前記第2の学習値を設定する手段である、
駆動装置。
【請求項4】
請求項3記載の駆動装置であって、
前記非昇圧時補正手段は、前記電気機器が作動しているときには、前記リアクトル電流センサによる検出値と前記電気機器に流れる機器電流との和から前記電池電流センサによる検出値を減じた第2の差分値,前記第2の差分値の第3の所定回数における平均値,前記第2の差分値の第3の所定時間における平均値のいずれかを前記第1の学習値として設定する手段であり、
前記昇圧時補正手段は、前記電気機器が作動しているときには、前記第2の差分値,前記第2の差分値の第4の所定回数における平均値,前記第2の差分値の第4の所定時間における平均値のいずれかを前記第2の学習値として設定する手段である、
駆動装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載の駆動装置を備え、前記電動機からの動力を用いて走行する電動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−249414(P2012−249414A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118993(P2011−118993)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】