説明

高周波デバイス、フィルタ、デュープレクサ、通信モジュール、通信装置

【課題】低損失のバランスフィルタを実現する。
【解決手段】フィルタまたはデュープレクサに含まれる集中定数型バラン12に、キャパシタとして機能する共振器(IDTキャパシタ)を備え、さらにIDTキャパシタの共振周波数をフィルタの通過帯域周波数よりも高くしたことにより、キャパシタQ値が向上し、低損失のバランスフィルタを実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の開示は、高周波デバイス、フィルタ、デュープレクサ、通信モジュール、通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性波フィルタ及びデュープレクサは、必要な周波数の高周波信号のみを抽出するために、携帯電話端末で多用されている。特に、図1に示すような、弾性波共振器RESを梯子形に接続したラダーフィルタが多く使用されている。ラダーフィルタに含まれる弾性波共振器としては、図2A〜図2Cに示す弾性表面波共振器、図3A〜図3Cに示すラブ波共振器、図4A〜図4Cに示す弾性境界波共振器などが用いられる。なお、図2A、図3A、図4Aは、共振器の回路図である。図2B、図3B、図4Bは、共振器の平面図である。図2Cは、図2BにおけるZ−Z部の断面図である。図3Cは、図3BにおけるZ−Z部の断面図である。図4Cは、図4BにおけるZ−Z部の断面図である。
【0003】
図2A〜図4Cに示す共振器は、タンタル酸リチウム(LiTaO3)やニオブ酸リチウム(LiNbO3)などの圧電基板101上に、一対の櫛形電極(IDT)104と、その両側にグレーティング反射器105が設けられた構造である。図3A〜図3Cに示すラブ波共振器は、IDT104上に、SiO2などの第1の誘電体106が堆積されている。図4A〜図4Cに示す弾性境界波共振器は、第1の誘電体106のさらに上部に、シリコンやアルミナなどの第2の誘電体107が堆積されている。図2A〜図4Cに示す弾性波共振器は、IDT104上を伝搬する弾性波の速度Vと、IDT104の電極のグレーティングピッチλとで決まる周波数で共振する。すなわち、弾性波共振器の共振周波数frは、
fr=V/λ ・・・(1)
により、およそ算出できる。
【0004】
従って、グレーティングピッチλを大きくすると共振周波数frは低くなり、グレーティングピッチλを小さくすると共振周波数frは高くなる。
【0005】
図1に示したラダーフィルタは、不平衡入力−不平衡出力型のフィルタであるが、携帯電話端末に搭載されるフィルタやデュープレクサは、不平衡入力−平衡出力型であることが望まれる場合がある。不平衡入力−平衡出力型のフィルタは、一般に「バランスフィルタ」と呼ばれる。
【0006】
不平衡型のラダーフィルタをバランスフィルタにする1つの方法として、図5に示すように、不平衡型ラダーフィルタ2の出力端子3に、集中定数型バラン4を接続する方法がある。集中定数型バラン4は、インダクタとキャパシタとを備えた平衡−不平衡変換器のことである。集中定数型バラン4は、例えば、図5に示すように一方の信号線に直列接続されたキャパシタC1と、一方の信号線とグランドとの間に接続されたインダクタL1と、他方の信号線に直列接続されたインダクタL2と、他方の信号線とグランドとの間に接続されたキャパシタC2とを備える。一方の信号線には第1の出力端子5が接続され、他方の信号線には第2の出力端子6が接続される。以上により、不平衡型ラダーフィルタを用いたバランスフィルタが実現できる。
【0007】
なお、集中定数型バラン4は、図5に示した構成に限らず、例えば図6A〜図6Dに示す回路で実現することができる。図6Aは、π型に接続したキャパシタC11とインダクタL11及びL12とを第1の出力端子5に接続し、π型に接続したインダクタL13とキャパシタC12及びC13とを第2の出力端子6に接続した集中定数型バランである。図6Bは、T型に接続したキャパシタC21及びC22とインダクタL21とを第1の出力端子5に接続し、π型に接続したインダクタL22とキャパシタC23及びC24とを第2の出力端子6に接続した集中定数型バランである。図6Cは、π型に接続したキャパシタC31とインダクタL31及びL32とを第1の出力端子5に接続し、T型に接続したインダクタL33及びL34とキャパシタC32とを第2の出力端子6に接続した集中定数型バランである。図6Dは、T型に接続したキャパシタC41及びC42とインダクタL41とを第1の出力端子5に接続し、T型に接続したインダクタL42及びL43とキャパシタC43とを第2の出力端子6に接続した集中定数型バランである。
【0008】
ここで、特許文献1及び2には、集中定数バランに含まれるキャパシタを弾性波共振器に置き換えて、バランスフィルタの小型化及び低コスト化を図る構成が開示されている。
【0009】
図7は、特許文献1及び2に開示されたバランスフィルタの構成を示す。図7に示すように、集中定数型バラン4に含まれるキャパシタを弾性波共振器RES1及びRES2で実現し、弾性波フィルタチップ上に集積化することで、集中定数型バランの実装面積と使用部品点数を削減し、小型化及び低コスト化を実現できる。実際、キャパシタとして用いる弾性波共振器RES1及びRES2はフィルタに用いられる共振器と違い、反射器を備えていない構成とすることができるため、本実施の形態の説明ではキャパシタ用弾性波共振器のことを「IDTキャパシタ」と呼ぶことにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−114917号公報
【特許文献2】特開2002−359542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
携帯電話端末の低消費電力化のために、携帯電話端末に搭載されるバランスフィルタには、低挿入損失特性が強く求められている。図7に示すバランスフィルタを低損失化するためには、ラダーフィルタ自体の損失を低減するか、集中定数型バランの損失を低減する必要がある。集中定数型バランの損失を低減するには、集中定数型バランに含まれるインダクタとキャパシタのQ値(クオリティファクタ)を向上させる必要がある。しかしながら、特許文献1及び2には、IDTキャパシタのQ値向上のために、IDTキャパシタをどのように設計するのが望ましいかについて開示されていない。このため、高いQ値のIDTキャパシタを使用して、低損失のバランスフィルタを実現することが困難であった。
【0012】
本発明は、Q値の高いIDTキャパシタを実現することで、低損失の高周波デバイスを提供することを目的とする。また、そのような高周波デバイスを備えたフィルタ、デュープレクサ、通信モジュール、通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願に開示する高周波デバイスは、不平衡入力を平衡出力に変換する変換回路と、前記変換回路の平衡出力に接続されたフィルタ回路とを備えた高周波デバイスであって、前記変換回路は、インダクタと共振器とを含み、前記変換回路に含まれる共振器の共振周波数は、前記フィルタ回路の通過帯域周波数よりも高いものである。
【発明の効果】
【0014】
本願の開示によれば、低挿入損失の高周波デバイスを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ラダーフィルタの構成を示す回路図
【図2A】フィルタの構成を示す回路図
【図2B】弾性表面波フィルタの平面図
【図2C】図2BにおけるZ−Z部の断面図
【図3A】フィルタの構成を示す回路図
【図3B】ラブ波フィルタの平面図
【図3C】図3BにおけるZ−Z部の断面図
【図4A】フィルタの構成を示す回路図
【図4B】弾性境界波フィルタの平面図
【図4C】図4BにおけるZ−Z部の断面図
【図5】不平衡型ラダーフィルタと集中定数型バランの回路図
【図6】A〜Dは集中定数型バランの変形例の回路図
【図7】共振器を備えた集中定数型バランを備えたラダーフィルタの回路図
【図8A】図7に示すラダーフィルタの周波数特性を示す特性図
【図8B】図8AにおけるY部の拡大図
【図9A】通過特性の周波数特性を示す特性図
【図9B】キャパシタQ値の周波数特性を示す特性図
【図10】フィルタの通過特性とIDTキャパシタの通過特性を示す特性図
【図11】集中定数型バランとラチスフィルタの構成を示す回路図
【図12】集中定数型バランとラダーフィルタの構成を示す回路図
【図13】集中定数型バランと不平衡型ラダーフィルタの構成を示す回路図
【図14】不平衡型ラダーフィルタと集中定数型バランとラチスフィルタの構成を示す回路図
【図15】デュープレクサの構成を示す回路図
【図16】A〜Dは、整合回路の構成を示す回路図
【図17】デュープレクサの構成を示す回路図
【図18】IDTキャパシタを備えた共振器の平面図
【図19】バランスフィルタのチップレイアウトを示す模式図
【図20】インダクタチップの構成を示す模式図
【図21】バランスフィルタチップの構成を示す斜視図
【図22】デュープレクサの構成を示す回路図
【図23A】送信用フィルタチップのチップレイアウトを示す模式図
【図23B】受信用フィルタチップのチップレイアウトを示す模式図
【図24】バランスフィルタチップの構成を示す斜視図
【図25】バランスフィルタチップが実装されたプリント基板の構成を示す平面図
【図26】通信モジュールのブロック図
【図27】通信装置のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態における高周波デバイスは、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
【0017】
すなわち、高周波デバイスにおいて、前記フィルタ回路の通過帯域上端周波数をfUPとし、前記変換回路に含まれる共振器の共振周波数をfrとしたとき、
fr>1.138×fUP
の関係を有する構成とすることができる。
【0018】
高周波デバイスにおいて、前記フィルタ回路は、信号線に直列接続された直列共振器と、前記信号線に並列接続された並列共振器とを備え、前記直列共振器のうち、最もグレーティングピッチの広い直列共振器のグレーティングピッチをλIDTとし、前記変換回路に含まれる共振器のグレーティングピッチをλcapとしたとき、
λIDT>1.138×λcap
の関係を有する構成とすることができる。
【0019】
本発明の実施形態におけるフィルタは、不平衡入力端子と不平衡出力端子との間に複数の共振器を梯子形に接続したラダーフィルタと、前記ラダーフィルタの不平衡出力端子に接続される不平衡入力端子と、平衡出力端子と、前記不平衡入力端子と前記平衡出力端子との間に接続されたインダクタ及び共振器とを備えた変換回路と、前記変換回路の平衡出力端子に接続される平衡入力端子と、平衡出力端子と、前記平衡入力端子と前記平衡出力端子との間にラチス型に接続された複数の共振器とを備えたラチスフィルタとを備え、前記変換回路に含まれる共振器の共振周波数は、前記ラダーフィルタ及び前記ラチスフィルタの通過帯域周波数よりも高い。
【0020】
本発明の実施形態におけるデュープレクサは、入力される受信信号における所定の周波数帯域の信号を抽出する受信フィルタと、外部に出力するための所定の周波数帯域の信号を抽出する送信フィルタと、前記受信フィルタ側の信号と前記送信フィルタ側の信号の位相整合を行う整合回路とを備えたデュープレクサであって、前記受信フィルタは、不平衡入力端子と不平衡出力端子との間に複数の共振器を梯子形に接続したラダーフィルタと、前記ラダーフィルタの不平衡出力端子に接続される不平衡入力端子と、平衡出力端子と、前記不平衡入力端子と前記平衡出力端子との間に接続されたインダクタ及び共振器とを備えた変換回路と、前記変換回路の平衡出力端子に接続される平衡入力端子と、平衡出力端子と、前記平衡入力端子と前記平衡出力端子との間にラチス型に接続された複数の共振器とを備えたラチスフィルタとを備え、前記変換回路に含まれる共振器の共振周波数は、前記ラダーフィルタ及び前記ラチスフィルタの通過帯域周波数よりも高い。
【0021】
(実施の形態)
〔1.高周波デバイスの構成〕
本発明者らは、図7に示す従来のバランスフィルタにおけるIDTキャパシタのQ値について詳細な検討を行った。
【0022】
まず、集中定数バランに含まれるキャパシタのQ値が、フィルタ特性にどのような影響を与えるかをシミュレーションにより確認した。図5に示す回路において、キャパシタのQ値のみを変えてフィルタ特性を計算した結果を図8A及び図8Bに示す。図8Bは、図8AにおけるY部の拡大図である。
【0023】
図8A及び図8Bに示すように、キャパシタのQ値を10,20,30,40,無限大に順次設定してフィルタ特性を計算した場合、抑圧特性には大きな変化は見られなかったが、通過帯域の損失に変化が見られた。キャパシタのQ値の上昇と共に、フィルタの損失は低減し、およそQ=40で損失の低減量は飽和することがわかった。つまり、低損失のバランスフィルタを得るには、集中定数型バランに含まれるキャパシタのQ値は40程度が必要で、それ以上Q値を高くしてもあまり効果がないことがわかった。
【0024】
この計算結果を踏まえ、実際の弾性表面波共振器のキャパシタQ値を測定した。評価に使用した弾性表面波共振器は、IDTのグレーティングピッチλ=1.62μm、開口長(IDT電極の交差幅)=19.9λμm、IDT対数=59.5対の仕様を有する共振器で、42°YカットLiTaO3基板上に作製した。
【0025】
図9Aは、上記仕様の共振器を直列接続で測定した通過特性を示す。図9Aに示すように、上記仕様の共振器は、共振周波数fr=2332MHz、反共振周波数fa=2405MHzであった。図9Bは、上記仕様の共振器のキャパシタQ値を測定した結果である。図9Bに示すように、共振周波数fr付近でQ値は0となることがわかった。また、共振周波数fr以上の周波数では、Q値は非常に低い値(10前後)となることがわかった。これは、共振周波数frより高い周波数では、IDTからバルク波(圧電基板内部に放射される弾性波)が励振され、この波が損失となりQ値の低下を招いていると考えられる。逆に、共振周波数frより低い周波数では、共振周波数frから離れるほどQ値は高くなることがわかった。Q値が40となる周波数f40は2050MHzであり、周波数f40より低い周波数においては、上記仕様の共振器を集中定数型バランのキャパシタとして用いても、フィルタ損失の増加はほとんどないと考えられる。
【0026】
ここで、frとf40の関係を一般化すると、上記結果から、
fr=1.138×f40 ・・・(2)
の関係が得られる。実際のバランスフィルタを考えると、40以上のキャパシタQ値が必要な周波数は、フィルタ通過帯域周波数である。フィルタ通過帯の上端周波数をfUPとすると、IDTキャパシタの共振周波数frが、
fr>1.138×fUP ・・・(3)
を満たせば、フィルタ通過帯域内では、IDTキャパシタのQ値は40以上を確保できることになり、低損失のバランスフィルタを実現できる。式(3)の周波数関係を模式的に描くと図10のようになる。図10において、実線で示す特性は、フィルタの通過特性を示す。破線で示す特性は、フィルタにおける集中定数型バランに含まれるIDTキャパシタの通過特性を示す。図10に示すように、フィルタの通過帯域の上端周波数fUPとIDTキャパシタの共振周波数frとが1.138倍以上の差を有するように回路定数を設定することで、IDTキャパシタのQ値を40以上とすることができ、低損失のバランスフィルタを実現することができる。
【0027】
ここで、式(3)をIDT電極のグレーティングピッチで表現することを考える。ラダーフィルタの場合、フィルタ通過帯域の上端周波数を決めるのは、直列共振器のうち、最も共振周波数が低い共振器である。つまり、最もグレーティングピッチの広い直列共振器である。直列共振器のうち最も共振周波数が低い共振器のIDTグレーティングピッチをλIDTとし、IDTキャパシタのグレーティングピッチをλcapとすると、式(1)及び式(3)に基づき次式が得られる。
【0028】
λIDT>1.138×λcap ・・・(4)
式(4)を満たすようにIDTキャパシタのグレーティングピッチλcapを設定すれば、フィルタ通過帯域内においてIDTキャパシタのQ値を40以上とすることができ、低損失のバランスフィルタを実現できる。
【0029】
なお、上記説明は、42°YカットLiTaO3基板上に作製し、グレーティングピッチλ=1.62μm、開口長(IDT電極の交差幅)=19.9λμm、IDT対数=59.5対の弾性表面波共振器の実験データをもとにしたが、本発明者らは、これ以外の共振器についても同様の実験を行っている。LiTaO3基板のカット角を36°〜48°Yまで変化させたが、式(2)の関係は変化しなかった。また、共振器のグレーティングピッチ、開口長、IDT対数を変化させても、式(2)の関係は変化しなかった。
【0030】
〔2.バランスフィルタの変形例〕
本発明のIDTキャパシタは、図7に示したバランスフィルタに適用できるだけでなく、種々のバランスフィルタに適用できる。
【0031】
図11は、集中定数型バラン12の平衡出力側に、ラチスフィルタ13を接続したバランスフィルタである。ラチスフィルタ13は、集中定数型バラン12の第1の平衡出力端子と第1の出力端子14とに接続された第1の信号線と、集中定数型バラン12の第2の平衡出力端子と第2の出力端子15とに接続された第2の信号線とを備え、第1の信号線に接続された直列共振器と、第2の信号線に接続された直列共振器と、集中定数型バラン12の第1の平衡出力端子と第2の出力端子15との間に接続された並列共振器と、集中定数型バラン12の第2の平衡出力端子と第1の出力端子14との間に接続された並列共振器とを備えている。図11に示すバランスフィルタにおいて、集中定数型バラン12に本実施の形態のIDTキャパシタRES1及びRES2を搭載することで、低損失のバランスフィルタを実現することができる。
【0032】
図12は、集中定数型バラン12の平衡出力側に、平衡側ラダーフィルタ16を接続したバランスフィルタである。平衡型ラダーフィルタ16は、集中定数型バラン12の第1の平衡出力端子と第1の出力端子14との間の第1の信号線に直列接続された複数の直列共振器と、集中定数型バラン12の第2の平衡出力端子と第2の出力端子15との間の第2の信号線に直列接続された複数の直列共振器と、第1の信号線と第2の信号線との間に並列接続された複数の並列共振器とを備えている。図12に示すバランスフィルタにおいて、集中定数型バラン12に本実施の形態のIDTキャパシタRES1及びRES2を搭載することで、低損失のバランスフィルタを実現することができる。
【0033】
図13は、集中定数型バラン12の平衡出力側に、不平衡型ラダーフィルタ17を接続したバランスフィルタである。不平衡型ラダーフィルタ17は、集中定数型バラン12の第1の平衡出力端子と第1の出力端子14との間の第1の信号線に直列接続された複数の直列共振器と、集中定数型バラン12の第2の平衡出力端子と第2の出力端子15との間の第2の信号線に直列接続された複数の直列共振器と、第1の信号線とグランドとの間に並列接続された複数の並列共振器と、第2の信号線とグランドとの間に接続された複数の並列共振器とを備えている。図13に示すバランスフィルタにおいて、集中定数型バラン12に本実施の形態のIDTキャパシタRES1及びRES2を搭載することで、低損失のバランスフィルタを実現することができる。
【0034】
図14は、集中定数型バラン12の不平衡入力側に不平衡型ラダーフィルタ18を接続し、集中定数型バラン12の平衡出力側にラチスフィルタ19を接続したバランスフィルタである。不平衡型ラダーフィルタ18は、入力端子11と集中定数型バラン12の第1の不平衡入力端子との間の信号線に直列接続された複数の直列共振器と、信号線とグランドとの間に接続された並列共振器とを備えている。また、ラチスフィルタ19は、集中定数型バラン12の第1の平衡出力端子と第1の出力端子14との間の第1の信号線に直列接続された直列共振器と、集中定数型バラン12の第2の平衡出力端子と第2の出力端子15との間の第2の信号線に直列接続された直列共振器と、集中定数型バラン12の第1の平衡出力端子と第2の出力端子15との間に接続された並列共振器と、集中定数型バラン12の第2の平衡出力端子と第1の出力端子14との間に接続された並列共振器とを備えている。図14に示すバランスフィルタにおいて、集中定数型バラン12に本実施の形態のIDTキャパシタRES1及びRES2を搭載することで、低損失のバランスフィルタを実現することができる。
【0035】
〔3.デュープレクサの構成〕
図15は、図14に示すバランスフィルタを備えたバランスデュープレクサの回路図である。図15に示すバランスデュープレクサは、アンテナ端子21,整合回路22,送信フィルタ23,入力端子24,受信フィルタ25,第1の出力端子29a,および第2の出力端子29bを備えている。送信フィルタ23は、複数の共振器をラダー型に接続したラダーフィルタで実現している。受信フィルタ25は、ラダーフィルタ26,集中定数型バラン27,およびラチスフィルタ28を備えている。集中定数型バラン27は、前述したように不平衡入力を平衡出力に変換する回路であり、インダクタとIDTキャパシタRES1及びRES2とを備えている。
【0036】
整合回路22は、送信フィルタ23から出力される信号と、受信フィルタ25に入力される信号の位相整合を行う回路である。整合回路22は、図16A〜図16Dに示す回路のうちいずれかで実現することができる。図16Aは、ストリップラインまたはマイクロストリップラインで実現した整合回路である。図16Bは、インダクタL51とキャパシタC51及びC52とをπ型に接続した整合回路である。図16Cは、キャパシタC53とインダクタL52及びL53とをπ型に接続した整合回路である。図16Dは、並列インダクタL54を付加した共振器RES11で実現した整合回路である。
【0037】
図17は、図13に示すバランスフィルタを備えたバランスデュープレクサの回路図である。図17において、図15に示すバランスデュープレクサと同様の構成については同一符号を付与して詳細な説明は省略する。図17において、図15に示す構成と異なるのは、受信フィルタの構成と、整合回路を無くした点である。図17に示す受信フィルタ30は、不平衡型ラダーフィルタを備えている。また、図17に示すデュープレクサは、アンテナ端子21と受信フィルタ30との間には整合回路を備えず、集中定数型バラン27が整合回路の役割を果たしている。
【0038】
また、本実施の形態のIDTキャパシタは、バランスフィルタに含まれる集中定数型バランのキャパシタだけでなく、種々の用途のキャパシタとして利用することができる。例えば、図18に示すように、弾性波共振器44に対して並列にIDTキャパシタ45を接続することができる。図18は、弾性波共振器とIDTキャパシタの平面図である。図18に示すように、一対の櫛形電極44aとグレーティング反射器44bとで構成された弾性波共振器44は、一方の櫛形電極に入力端子42が接続され、他方の櫛形電極に出力端子43が接続されている。また、入力端子42と出力端子43とには、IDTキャパシタ45が接続されている。IDTキャパシタ45は、一対の櫛形電極で実現している。一般的に、弾性波共振器に対して並列にキャパシタを接続することで、弾性波共振器の電気機械結合係数を低減することができる。図18に示すように、弾性波共振器44に並列接続するキャパシタとして、本実施の形態のIDTキャパシタ45を採用することで、損失を増加させることなく、電気機械結合係数を低減することができる。
【0039】
〔4.フィルタチップ構造〕
<第1実施例>
図14に示した本実施の形態のバランスフィルタの実施例を説明する。
【0040】
図19は、図14に示したバランスフィルタのフィルタチップのレイアウト図である。図19に示すように、フィルタチップは、1チップの圧電基板51上に、入力端子52、出力端子53a及び53b、ラダーフィルタ54、ラチスフィルタ55、およびグランド端子57が形成されている。ラダーフィルタ54は、直列共振器58a,58bと並列共振器58c,58d,58eとを備えている。ラチスフィルタ55は、直列共振器58h,58iと並列共振器58k,58jとを備えている。集中定数型バランは、直列インダクタL1、並列インダクタL2、共振器58f,58gを備えている。集中定数型バランの共振器58f,58gはキャパシタとして機能し、本実施の形態のIDTキャパシタで実現することができる。ここで、図19におけるIDTキャパシタ(共振器58f,58g)のグレーティングピッチλcapは、式(4)を満たすように設定されている。集中定数型バランの2つのインダクタL1,L2は、フィルタチップの外部に接続される。
【0041】
図20は、図19に示す集中定数型バランの2つのインダクタL1,L2を備えたIPD(Integrated Passive Device)インダクタチップの構造を示す模式図である。図20に示すように、インダクタL1,L2は、石英基板61上に、第1のスパイラルコイル62、第2のスパイラルコイル63、パッド64を備えて実現されている。第1のスパイラルコイル62は、図19におけるインダクタL1に相当する。第2のスパイラルコイル63は、図19におけるインダクタL2に相当する。
【0042】
図21は、第1実施例のフィルタチップを備えたバランスデュープレクサのパッケージ構造を示す。図21に示すように、バランスデュープレクサは、キャビティタイプのセラミックパッケージ74に、図19に示すフィルタチップ73および図20に示すIPDインダクタチップ72をフリップチップ実装し、メタルリッド71にて気密封止して実現している。このような構造とすることで、集中定数型バランのキャパシタQ値が向上し、低損失の優れたバランスフィルタを実現することができる。
【0043】
<第2実施例>
図22は、第2実施例におけるバランスデュープレクサの回路図である。図22に示すバランスデュープレクサは、主に図15に示すバランスデュープレクサで実現され、図15における整合回路を図16Cに示す回路で実現している。
【0044】
図23Aは、送信フィルタ用チップのレイアウト図を示す。図23Aに示すように、送信フィルタ用チップは、入力端子83a、4段ラダーフィルタ83b、出力端子83c、およびグランド端子83dを備えている。
【0045】
図23Bは、受信フィルタ用チップのレイアウト図を示す。図23Bに示すように、受信フィルタ用チップは、1チップの圧電基板81上に、ラダーフィルタ82b、ラチスフィルタ82c、整合回路用共振器82hが形成されている。また、集中定数型バランのキャパシタとして、本実施の形態のIDTキャパシタが2個(共振器82f,82g)同一チップ上に形成されている。ここで、本実施の形態のIDTキャパシタのグレーティングピッチλcapは、式(4)を満たすように設定されている。集中定数型バランの2つのインダクタL82,L83は、フィルタチップの外部に接続される。
【0046】
図24は、第2実施例のフィルタチップを備えたバランスデュープレクサのパッケージ構造を示す。図24に示すように、バランスデュープレクサは、キャビティタイプのセラミックパッケージ94に、図23A及び図23Bに示すバランスフィルタを備えた受信フィルタチップ92及び送信フィルタチップ93をフリップチップ実装し、メタルリッド91にて気密封止してフィルタチップをパッケージングする。
【0047】
図25は、図24に示すデュープレクサパッケージを実装したプリント基板の平面図である。図25に示すように、図24に示す構造を有するデュープレクサパッケージ96は、プリント基板95上に半田実装される。また、パッケージ整合回路用インダクタ98a、バラン直列インダクタ98b、およびバラン並列インダクタ98cは、チップインダクタで実現され、プリント基板95上に半田実装される。また、プリント基板95上には、アンテナに接続されるアンテナ端子97a、受信回路に接続される出力端子97b及び97c、送信回路に接続される入力端子97d、グランド端子97eを備えている。このような構造とすることで、集中定数型バランのキャパシタQ値が向上し、低損失の優れたデュープレクサパッケージを実現することができる。
【0048】
〔5.通信モジュールの構成〕
図26は、本実施の形態にかかる高周波デバイスまたはフィルタを備えた通信モジュールの一例を示す。図26に示すように、デュープレクサ162は、受信フィルタ162aと送信フィルタ162bとを備えている。また、受信フィルタ162aには、例えばバランス出力に対応した受信端子163a及び163bが接続されている。また、送信フィルタ162bは、パワーアンプ164を介して送信端子165に接続している。ここで、デュープレクサ162には、本実施の形態にかかる高周波デバイスまたはフィルタを備えたデュープレクサで実現することができる。
【0049】
受信動作を行う際、受信フィルタ162aは、アンテナ端子161を介して入力される受信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、受信端子163a及び163bから外部へ出力する。また、送信動作を行う際、送信フィルタ162bは、送信端子165から入力されてパワーアンプ164で増幅された送信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、アンテナ端子161から外部へ出力する。
【0050】
以上のように本実施の形態にかかる高周波デバイス、フィルタ、またはそれらを備えたデュープレクサを通信モジュールに備えることで、低損失の通信モジュールを実現することができる。
【0051】
なお、図26に示す通信モジュールの構成は一例であり、他の形態の通信モジュールに本発明の電子部品を搭載しても、同様の効果が得られる。
【0052】
〔6.通信装置の構成〕
図27は、本実施の形態にかかる高周波デバイス、フィルタ、デュープレクサ、または前述の通信モジュールを備えた通信装置の一例として、携帯電話端末のRFブロックを示す。また、図27に示す構成は、GSM(Global System for Mobile Communications)通信方式及びW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)通信方式に対応した携帯電話端末の構成を示す。また、本実施の形態におけるGSM通信方式は、850MHz帯、950MHz帯、1.8GHz帯、1.9GHz帯に対応している。また、携帯電話端末は、図27に示す構成以外にマイクロホン、スピーカー、液晶ディスプレイなどを備えているが、本実施の形態における説明では不要であるため図示を省略した。ここで、デュープレクサ173は、本実施の形態にかかる高周波デバイスを備えたデュープレクサで実現することができる。
【0053】
まず、アンテナ171を介して入力される受信信号は、その通信方式がW−CDMAかGSMかによってアンテナスイッチ回路172で、動作の対象とするLSIを選択する。入力される受信信号がW−CDMA通信方式に対応している場合は、受信信号をデュープレクサ173に出力するように切り換える。デュープレクサ173に入力される受信信号は、受信フィルタ173aで所定の周波数帯域に制限されて、バランス型の受信信号がLNA174に出力される。LNA174は、入力される受信信号を増幅し、LSI176に出力する。LSI176では、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行ったり、携帯電話端末内の各部を動作制御したりする。
【0054】
一方、信号を送信する場合は、LSI176は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ175で増幅されて送信フィルタ173bに入力される。送信フィルタ173bは、入力される送信信号のうち所定の周波数帯域の信号のみを通過させる。送信フィルタ173bから出力される送信信号は、アンテナスイッチ回路172を介してアンテナ171から外部に出力される。
【0055】
また、入力される受信信号がGSM通信方式に対応した信号である場合は、アンテナスイッチ回路172は、周波数帯域に応じて受信フィルタ177〜180のうちいずれか一つを選択し、受信信号を出力する。受信フィルタ177〜180のうちいずれか一つで帯域制限された受信信号は、LSI183に入力される。LSI183は、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行ったり、携帯電話端末内の各部を動作制御したりする。一方、信号を送信する場合は、LSI183は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ181または182で増幅されて、アンテナスイッチ回路172を介してアンテナ171から外部に出力される。
【0056】
本実施の形態にかかる高周波デバイス、フィルタ、デュープレクサ、または通信モジュールを通信装置に備えることで、低損失の通信装置を実現することができる。
【0057】
〔7.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、キャパシタを含むフィルタにおいて、そのキャパシタを共振器(IDTキャパシタ)で実現するとともに、IDTキャパシタの共振周波数をフィルタの通過帯域周波数よりも高くしたことにより、キャパシタQ値が向上し、低損失の優れたバランスフィルタを実現することができる。
【0058】
また、フィルタまたはデュープレクサに含まれる集中定数型バランに、キャパシタとして機能する共振器(IDTキャパシタ)を備え、さらにIDTキャパシタの共振周波数をフィルタの通過帯域周波数よりも高くしたことにより、キャパシタQ値が向上し、低損失の優れたバランスフィルタを実現することができる。
【0059】
(付記1)
フィルタ回路と、
櫛形電極で形成されたキャパシタとを備え、
前記櫛形電極で形成されたキャパシタの共振周波数が、前記フィルタ回路の通過帯域周波数よりも高い、高周波デバイス。
【0060】
(付記2)
フィルタ回路と、
少なくとも一つのキャパシタを含む集中定数型バランとを備え、
前記集中定数型バランに含まれる少なくとも一つのキャパシタは、櫛形電極で形成され、
前記キャパシタの共振周波数は、前記フィルタ回路の通過帯域周波数よりも高い、高周波デバイス。
【0061】
(付記3)
弾性波フィルタは、弾性表面波フィルタ、ラブ波フィルタ、弾性境界波フィルタのうちいずれかのフィルタである、付記1または2記載の高周波デバイス。
【0062】
(付記4)
前記キャパシタに含まれる櫛形電極の平均ピッチは、前記フィルタ回路に含まれる共振器の櫛形電極の平均ピッチよりも小さい、付記3記載の高周波デバイス。
【0063】
(付記5)
前記キャパシタに含まれる櫛形電極の平均線幅は、前記フィルタ回路に含まれる共振器の櫛形電極の平均線幅よりも細い、付記3記載の高周波デバイス。
【0064】
(付記6)
前記フィルタ回路の通過帯域上端周波数をfUPとし、前記キャパシタの共振周波数をfrとしたとき、
fr>1.138×fUP
の関係を有する、付記1〜5のうちいずれか一項に記載の高周波デバイス。
【0065】
(付記7)
前記フィルタ回路は、信号線に直列接続された直列共振器と、前記信号線に並列接続された並列共振器とを備え、
前記直列共振器のうち、最もグレーティングピッチの広い直列共振器のグレーティングピッチをλIDTとし、前記キャパシタの櫛形電極のグレーティングピッチをλcapとしたとき、
λIDT>1.138×λcap
の関係を有する、付記1〜5のうちいずれか一項に記載の高周波デバイス。
【0066】
(付記8)
前記キャパシタの櫛形電極の伸長方向は、前記フィルタ回路に含まれる共振器の櫛形電極の伸長方向と等しい、付記1〜7のうちいずれか一項に記載の高周波デバイス。
【0067】
(付記9)
前記キャパシタの櫛形電極の伸長方向は、前記フィルタ回路に含まれる共振器の櫛形電極の伸長方向と異なる、付記1〜7のうちいずれか一項に記載の高周波デバイス。
【0068】
(付記10)
前記集中定数型バランは、2つのインダクタと2つのキャパシタとを含む、付記2〜9のうちいずれか一項に記載の高周波デバイス。
【0069】
(付記11)
前記集中定数型バランの不平衡端子に、不平衡ラダー型弾性波フィルタが接続されている、付記2〜9のうちいずれか一項に記載の高周波デバイス。
【0070】
(付記12)
前記集中定数型バランの平衡端子に、ラチス型弾性波フィルタが接続されている、付記2〜10のうちいずれか一項に記載の高周波デバイス。
【0071】
(付記13)
前記集中定数型バランの平衡端子に、平衡ラダー型弾性波フィルタが接続されている、付記2〜10のうちいずれか一項に記載の高周波デバイス。
【0072】
(付記14)
前記集中定数型バランの平衡端子に、不平衡ラダー型弾性波フィルタが2つ接続されている、付記2〜10のうちいずれか一項に記載の高周波デバイス。
【0073】
(付記15)
前記集中定数型バランの平衡端子に、ラチス型弾性波フィルタが接続されており、不平衡端子に、不平衡ラダー型弾性波フィルタが接続されている、付記2〜10のうちいずれか一項に記載の高周波デバイス。
【0074】
(付記16)
前記集中定数型バランに含まれるインダクタは、IPD(集積受動デバイス)スパイラルコイルである、付記2〜15のうちいずれか一項に記載の高周波デバイス。
【0075】
(付記17)
前記集中定数型バランに含まれるインダクタは、チップインダクタである、付記2〜15のうちいずれか一項に記載の高周波デバイス。
【0076】
(付記18)
付記11〜15のうちいずれか一項に記載のフィルタを備えた、デュープレクサ。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、高周波デバイス、フィルタ、デュープレクサ、通信モジュール、通信装置に有用である。
【符号の説明】
【0078】
RES1、RES2 IDTキャパシタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不平衡入力を平衡出力に変換する変換回路と、
前記変換回路の平衡出力に接続されたフィルタ回路とを備えた高周波デバイスであって、
前記変換回路は、インダクタと共振器とを含み、
前記変換回路に含まれる共振器の共振周波数は、前記フィルタ回路の通過帯域周波数よりも高い、高周波デバイス。
【請求項2】
前記フィルタ回路の通過帯域上端周波数をfUPとし、前記変換回路に含まれる共振器の共振周波数をfrとしたとき、
fr>1.138×fUP
の関係を有する、請求項1記載の高周波デバイス。
【請求項3】
前記フィルタ回路は、信号線に直列接続された直列共振器と、前記信号線に並列接続された並列共振器とを備え、
前記直列共振器のうち、最もグレーティングピッチの広い直列共振器のグレーティングピッチをλIDTとし、前記変換回路に含まれる共振器のグレーティングピッチをλcapとしたとき、
λIDT>1.138×λcap
の関係を有する、請求項1記載の高周波デバイス。
【請求項4】
不平衡入力端子と不平衡出力端子との間に複数の共振器を梯子形に接続したラダーフィルタと、
前記ラダーフィルタの不平衡出力端子に接続される不平衡入力端子と、平衡出力端子と、前記不平衡入力端子と前記平衡出力端子との間に接続されたインダクタ及び共振器とを備えた変換回路と、
前記変換回路の平衡出力端子に接続される平衡入力端子と、平衡出力端子と、前記平衡入力端子と前記平衡出力端子との間にラチス型に接続された複数の共振器とを備えたラチスフィルタとを備え、
前記変換回路に含まれる共振器の共振周波数は、前記ラダーフィルタ及び前記ラチスフィルタの通過帯域周波数よりも高い、フィルタ。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の高周波デバイスを備えた、デュープレクサ。
【請求項6】
入力される受信信号における所定の周波数帯域の信号を抽出する受信フィルタと、
外部に出力するための所定の周波数帯域の信号を抽出する送信フィルタと、
前記受信フィルタ側の信号と前記送信フィルタ側の信号の位相整合を行う整合回路とを備えたデュープレクサであって、
前記受信フィルタは、
不平衡入力端子と不平衡出力端子との間に複数の共振器を梯子形に接続したラダーフィルタと、
前記ラダーフィルタの不平衡出力端子に接続される不平衡入力端子と、平衡出力端子と、前記不平衡入力端子と前記平衡出力端子との間に接続されたインダクタ及び共振器とを備えた変換回路と、
前記変換回路の平衡出力端子に接続される平衡入力端子と、平衡出力端子と、前記平衡入力端子と前記平衡出力端子との間にラチス型に接続された複数の共振器とを備えたラチスフィルタとを備え、
前記変換回路に含まれる共振器の共振周波数は、前記ラダーフィルタ及び前記ラチスフィルタの通過帯域周波数よりも高い、デュープレクサ。
【請求項7】
請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の高周波デバイス、または請求項5,6のうちいずれか一項に記載のデュープレクサを備えた、通信モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の通信モジュールを備えた、通信装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2010−178186(P2010−178186A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20357(P2009−20357)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】