説明

高周波発振器

【課題】高価な誘電体共振器やバラクタダイオードを使用することなく、廉価に制作することができ、また回路面積が小さく小型化が可能となるようにする。
【解決手段】誘電体基板1上に形成されたマイクロストリップ線路2において、増幅素子3の入力端のゲートが入力端側線路2aに接続され、出力端のドレインが出力端側線路2bに接続され、ソースが接地電極5に接続される。そして、上記誘電体基板1の裏面の接地面7の中に、空地領域7Eを介して線状の金属パターン8を形成し、この金属パターン8をマイクロストリップ線路2の伝送線路方向に配置することで、この金属パターン8の一方端を入力端側線路2a、他方端を出力側線路2bに容量性結合する。この金属パターン8の結合は、一端のみでもよい。これによれば、増幅素子3からの出力が、容量C1、インダクタンスL、容量Cを通って入力端へ帰還し、発振が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に高周波帯のセンサーやレーダー等に使用される高周波発振器の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、マイクロ波帯又はミリ波帯等において高周波発振器が用いられており、この高周波発振器として、例えば下記の特許文献1や特許文献2に示されるものがある。
【0003】
図13には、特許文献1に記載されるマイクロ波発振器の構成が示されており、この発振器では、誘電体基板31上にマイクロストリップ線路32〜34が形成され、増幅素子35のドレイン端子がマイクロストリップ線路34、ゲート端子がマイクロストリップ線路33に接続され、かつマイクロストリップ線路33に電磁結合するように誘電体共振器36が配置される。
【0004】
このような発振器では、増幅素子35のドレイン回路−ゲート回路間に、両回路間の容量と誘電体共振器36による帰還回路が構成され、これによって、所定周波数のマイクロ波が発振する。また、上記誘電体共振器36の上方には、金属ビス37が配置されており、この金属ビス37と誘電体共振器36との間の距離を調整することで、発振周波数を変化させることが行われる。
【0005】
また、誘電体共振器を使用しない例として、例えば特許文献2に示されるように、誘電体基板上に、リング共振器を含む分布定数回路が形成された発振器もあり、この発振器では、リング共振器にスタブを介して接続されるバラクタダイオードの容量を変えることで、所望の周波数を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−94946号公報
【特許文献2】特開2006−80697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に示される従来の高周波発振器は、発振周波数の安定度は良好であるが、発振のために高価な誘電体共振器36を使用しており、廉価なセンサー等の発振源としては不向きである。また、図13に示されるように、誘電体共振器36を増幅素子35に接続されたマイクロストリップ線路33と34に挟み込む形で配置するため、発振器の回路全体が占める面積が大きくなり、小型化に不向きである。
【0008】
一方、上記特許文献2に示される高周波発振器は、誘電体基板上に分布定数回路であるリング共振器を形成しており、このリング共振器では、概ねλ(波長)/4の分布定数回路パターンが少なくとも4個配置されており、回路面積が大きくなる。しかも、周波数調整には、高価なバラクタダイオードを使用するため、廉価なセンサー等の発振源としては不向きである。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高価な誘電体共振器やバラクタダイオードを使用することなく、廉価に制作することができ、また回路面積が小さくなって小型化が可能となる高周波発振器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る高周波発振器は、誘電体基板表面に形成された伝送線路と、この伝送線路に対して接続された増幅素子と、上記誘電体基板における上記増幅素子配置位置の裏面側で、上記伝送線路の上記増幅素子の入力端側線路と上記増幅素子の出力端側線路との間に、伝送線路方向にて配置され、上記入力端側線路又は出力端側線路の少なくとも一方に容量性結合する金属体(金属パターン、金属線、金属片、金属板等)と、からなることを特徴とする。
請求項2の発明は、上記金属体として、上記誘電体基板の裏面に金属パターンを形成し、この金属パターンの両端を上記入力端側線路及び出力端側線路に容量性結合したことを特徴とする。
請求項3の発明は、上記金属体として、上記誘電体基板の裏面に金属パターンを形成し、この金属パターンの一方端を上記入力端側線路又は出力端側線路のいずれか一方にスルーホールを介して接続し、他方端を上記入力端側線路又は出力端側線路の他方に容量性結合したことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、上記誘電体基板の裏面で、かつ容量性結合した上記金属体の端部近傍に、周波数調整パターンを形成し、この周波数調整パターンの面積(形状、大きさ)を変えることにより、発振周波数を可変調整することを特徴とする。
請求項5の発明は、支持体(金属ケース等)から上記金属体の端部又は上記周波数調整パターンへ向けて金属可動部材(ネジや棒状部材)を配置し、この金属可動部材と上記金属体の端部又は上記周波数調整パターンとの距離を変えることにより、発振周波数を可変調整することを特徴とする。
請求項6の発明は、上記金属パターンの下側に、裏面が接地面とされた誘電体基板を更に積層したことを特徴とする。
【0012】
本発明の構成によれば、誘電体基板上の伝送線路(例えばマイクロストリップ線路)に増幅素子が接続され、この増幅素子の配置位置の裏面側で、この増幅素子の入力端側(例えばゲート側)の線路と出力端側(例えばドレイン側)の線路との間に、伝送線路方向に沿って金属体としての例えば線状の金属パターンが配置される。この金属パターンは、誘電体基板の裏面の接地面の一部を切り欠くように空地領域を設けることで形成され、この金属パターンの端部が入力端側線路又は出力端側線路の両方又は一方に容量性結合するように構成される。この結果、増幅素子の入力端と出力端との間に、金属パターンのインダクタンス、及び金属パターンと入力端側線路又は出力端側線路との間の容量が配置された帰還ループが形成されることになり、所定周波数が発振する発振器が構成される。
【0013】
また、請求項4のように、誘電体基板裏面の金属体の端部近傍に形成した周波数調整パターンの面積を変えること、請求項5のように、金属可動体と金属体の端部又は周波数調整パターンとの距離を変えることにより、発振周波数を所望の周波数に可変調整することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、誘電体基板の裏面において金属体を伝送線路方向で増幅素子に沿って配置することで、簡単に発振器を構成することができるので、高価な誘電体共振器やバラクタダイオードを使用することなく、高周波発振器を廉価に制作することができる。また、特許文献1のように帰還回路のためのマイクロストリップ線路(34等)を形成する必要がなく、特許文献2のような分布定数回路であるリング共振器等が不要であるから、回路面積が小さくなり、発振器の小型化を促進できるという効果がある。
【0015】
また、金属ネジを配置したり、周波数調整パターンを設けたりすることにより、所望の発振周波数を容易に得ることができる。更に、金属パターンの下側に、裏面が接地面とされた誘電体基板を積層することで、発振周波数を安定させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施例に係る高周波発振器の構成を示し、図(A)は上面図、図(B)は側面(断面)図、図(c)は裏面図である。
【図2】第1実施例の高周波発振器の等価回路を示す図である。
【図3】第1実施例の高周波発振器における発振信号のスペクトラムを示すグラフ図である。
【図4】第2実施例に係る高周波発振器の構成を示す側面(断面)図である。
【図5】第2実施例の高周波発振器の等価回路を示す図である。
【図6】第3実施例に係る高周波発振器の構成を示し、図(A)は側面(断面)図、図(B)は裏面図である。
【図7】第3実施例の高周波発振器の等価回路を示す図である。
【図8】第4実施例に係る高周波発振器の構成を示す側面(断面)図である。
【図9】第5実施例に係る高周波発振器の構成を示す側面(断面)図である。
【図10】第5実施例の高周波発振器の等価回路を示す図である。
【図11】第6実施例に係る高周波発振器の構成を示す側面(断面)図である。
【図12】第6実施例の高周波発振器の等価回路を示す図である。
【図13】従来のマイクロ波発振器の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1には、本発明の第1実施例である高周波発振器の構成が示されており、この高周波発振器は、伝送線路(分布定数線路)をマイクロストリップ線路とした例である。図1において、誘電体基板1上にマイクロストリップ線路(分布定数パターン)2が形成され、このマイクロストリップ線路2に、FET等の増幅素子(ベアチップ又はパッケージ形成チップ)が接続される。即ち、図1のマイクロストリップ線路2において、増幅素子3の入力端であるゲートが入力端側線路2aに接続され、出力端であるドレインが出力端側線路2bに接続され、ソースが接地電極5に接続される。
【0018】
そして、上記誘電体基板1の裏面の接地(GND)面(層)7の中に、その接地面7の一部を除去すること等により、金属体としての線状の金属パターン8が配置される。即ち、増幅素子3の裏側に位置する接地面7を四角枠状に切り欠くようにして空地領域7Eを設けることで、増幅素子3の長さよりも長い線状の金属パターン8が形成され、この金属パターン8は、その長手方向がマイクロストリップ線路2の伝送線路方向で設けられる(図1では金属パターン8がマイクロストリップ線路2に平行となる)。なお、この金属パターン8は、線状に限らず、短冊状又は方形等の平面状のものでもよい。
【0019】
このようにして、第1実施例では、図1(B)に示されるように、線状の金属パターン8の一方端が入力端側線路2aに誘電体基板1を介して容量性結合し、他方端が出力側線路2bに誘電体基板1を介して容量性結合し、図2に示す回路からなる発振器が構成される。
【0020】
図2は、第1実施例の高周波発振器の等価回路であり、図1の構成により、増幅素子3の入力端と出力端の間に、金属パターン8によるインダクタンス(誘導成分)L、金属パターン8と出力端側線路2bの間の容量(容量成分)C及び金属パターン8と入力端側線路2aの間の容量Cを有する帰還ループが形成され、増幅素子3からの出力が、容量C1、インダクタンスL、容量Cを通って入力端へ帰還し、この帰還ループの共振によって発振が行われる。
【0021】
そして、この高周波発振器では、発振周波数をfとすると、
【数1】

が成立するので、次の数式2で表わされる発振周波数fが得られる。
【数2】

【0022】
図3には、第1実施例で得られた発振信号の一例が示されており、図3に示されるように、不要な発振がなく、周波数24GHz近傍の一つのピーク値を持つ良好な発振が得られた。
【0023】
図4には、第2実施例の高周波発振器の構成が示されており、この第2実施例は、金属パターンに対し周波数調整(可変)用の金属ネジ(金属可動部材)を配置したものである。
図4に示されるように、誘電体基板1の裏面の金属パターン8及び空地領域7Eの全体を囲み覆うように金属ケース体10が設けられ、この金属ケース体10に、その下面から線状の金属パターン8の両端のそれぞれへ向かって貫通するように金属ネジ12a,12bが螺合・結合されており、この金属ネジ12a,12bは、金属パターン8の端部との距離が変えられるように進退可能となる。なお、その他の構成は、第1実施例と同様である。
【0024】
このような第2実施例によれば、金属パターン8に対する金属ネジ12a,12bの距離を調整することにより、金属パターン8と金属ネジ12a,12bとの間の結合性容量を可変にし、この結果、増幅素子3の帰還ループに生じる容量値を変えることができる。なお、第2実施例では、上記金属ネジ12a,12bを金属ケース体10に配置したが、誘電体基板1上に各種形状の支持体を配置し、この支持体から金属ネジ12a,12bを金属パターン8へ向けて配置するようにしてもよい。
【0025】
図5には、第2実施例の高周波発振器の等価回路が示されており、この第2実施例は増幅素子3の入力端と出力端の間に、可変容量C、金属パターン8によるインダクタンスL及び可変容量Cからなる帰還ループが形成される。即ち、上記可変容量Cは、金属パターン8と出力端側線路2bの間の容量に金属パターン8と金属ネジ12bの間の可変容量を合成したもの、上記可変容量Cは、金属パターン8と入力端側線路2aの間の容量に金属パターン8と金属ネジ12aの間の可変容量を合成したものとなる。従って、第2実施例では、金属ネジ12a、金属ネジ12bと金属パターン8の両端との距離を調整することで、発振周波数を可変とし、所望の周波数を得ることが可能となる。
【0026】
図6には、第3実施例の高周波発振器の構成が示されており、この第3実施例は、周波数調整パターンを設けたものである。
図6に示されるように、第3実施例の基本的な構成は第1実施例と同様であるが、誘電体基板1の裏面の接地面(層)7において、上記空地領域(切り欠き領域)7Eを伝送線路方向へ広くし、金属パターン8の両端の近傍に例えば方形の周波数調整パターン14a,14bが形成される。この調整パターン14a,14bのそれぞれは、方形以外の小短冊状等の各種の形状としてもよく、1つだけでなく、複数配置することもでき、調整パターン14a,14bのそれぞれの全体の面積、即ち個々の形状、個数が調整すべき所望の周波数に応じて設定される。また、金属パターン8と調整パターン14a,14bは、調整の必要に応じて、導電体(金属パターン、金属線、金属片、金属板等)で接続してもよい。
【0027】
このような第3実施例によれば、周波数調整パターン14a,14bを設けることにより、入力端側線路2aと周波数調整パターン14aの間、出力端側線路2bと周波数調整パターン14bの間に容量を付与することができ、この周波数調整パターン14a,14bの全体の面積を調整することにより、増幅素子3の帰還ループの容量値を変えることができる。また、この場合は、インダクタンス成分も可変となる。
【0028】
図7には、第3実施例の高周波発振器の等価回路が示されており、この第3実施例では増幅素子3の入力端と出力端の間に、可変容量C、金属パターン8による可変インダクタンスL及び可変容量Cからなる帰還ループが形成される。即ち、上記可変容量Cは、金属パターン8と出力端側線路2bの間の容量に周波数調整パターン14bで生じる容量を合成したもの、上記可変容量Cは、金属パターン8と入力端側線路2aの間の容量に周波数調整パターン14aで生じる容量を合成したものとなる。従って、第3実施例では、周波数調整パターン14a,14bの全体の面積を調整することで、発振周波数を可変とし、所望の周波数を得ることができる。
【0029】
図8には、第4実施例の高周波発振器の構成が示されており、この第4実施例は、周波数調整パターンに対し金属ネジを配置したものである。
図8に示されるように、第4実施例の基本的な構成は第3実施例と同様であり、誘電体基板1の裏面の接地面7において空地領域7Eを含む金属パターン8及び周波数調整パターン14a,14bを覆うように金属ケース体15が設けられ、この金属ケース体15に、その上面から貫通し周波数調整パターン14a,14bのそれぞれに向かうように金属ネジ16a,16bが螺合されており、これら金属ネジ16a,16bは、周波数調整パターン14a,14bとの距離が変えられるように進退可能となる。
【0030】
このような第4実施例によれば、周波数調整パターン14a,14bのそれぞれに対する金属ネジ16a,16bの距離を調整することにより、周波数調整パターン14a,14bと金属ネジ16a,16bとの間の結合性容量を可変にし、この結果、増幅素子3の帰還ループの容量値を変え、所望の周波数を得ることができる。
【0031】
図9には、第5実施例の高周波発振器の構成が示されており、この第5実施例は、金属パターンの下側に、接地面を有する誘電体基板を配置したものである。
図8に示されるように、第5実施例の基本的な構成は第1実施例と同様であるが、接地面7及び金属パターン8の下側に、裏側に接地面19が形成された第2の誘電体基板18が積層配置され、多層基板構造とされる。
【0032】
このような第5実施例によれば、図10に示されるように、増幅素子3からの出力が容量C7、インダクタンスL、容量Cを通って入力端へ戻る帰還ループにて、発振が行われる。そして、この場合は、金属パターン8が接地面19によって覆われるため、所望の発振周波数を安定化することができるという利点がある。
【0033】
図11には、第6実施例の高周波発振器の構成が示されており、この第6実施例は、金属体の一方端を伝送線路に接続し、他方端を伝送線路に容量性結合したものである。
図11の高周波発振器でも、第1実施例と同様に、誘電体基板1上にマイクロストリップ線路2が形成され、このマイクロストリップ線路2において、増幅素子3の入力端であるゲートが入力端側線路2aに接続され、出力端であるドレインが出力端側線路2bに接続され、ソースが接地電極2に接続される。
【0034】
また、上記誘電体基板1の裏面の接地(GND)面7において、増幅素子3の裏側に位置する接地面7の一部を切り欠くようにして空地領域7Eを設けることで、増幅素子3の長さよりも長い線状の金属パターン8が形成され、この金属パターン8は、その長手方向がマイクロストリップ線路2の伝送線路方向で設けられる。そして、金属パターン8の一方端のみがスルーホール21を介して入力端側線路2a(出力端側線路2bでもよい)に接続される。
【0035】
このような第6実施例では、図11に示されるように、金属パターン8の他方端が出力側線路2bに誘電体基板1を介して容量性結合し、図12に示す回路からなる発振器が構成される。ここで、上記金属パターン8の長さを、λ/2(λ:所望の発振周波数の波長)の長さ相当とすれば、出力端側線路2aから見て金属パターン8のインピーダンスが開放となり、所望の発振周波数における増幅素子の利得低下を防止することができる。
【0036】
図12は、第6実施例の高周波発振器の等価回路であり、図11の構成により、増幅素子3の入力端と出力端の間に、金属パターン8と入力端側線路2bの間の容量C、金属パターン8によるインダクタンスLを有する帰還ループが形成され、増幅素子3からの出力が、容量C、インダクタンスLを通って入力端へ帰還することで、発振が行われる。
【0037】
また、この第6実施例でも、第2実施例のように、金属ネジ12a,12bを設ける構成、第3実施例のように、周波数調整パターン14a,14bを形成する構成、第4実施例のように、周波数調整パターン14a,14bに対して金属ネジ16a,16bを設ける構成、第5実施例のように、金属パターン8の下側に、接地面19を有する誘電体基板18を積層する構成を採用することができる。
【0038】
なお、上記各実施例では、金属体として線状の金属パターン8を設けたが、これ以外でも、金属線、金属片、金属板等を用いることができ、伝送線路としてマイクロストリップ線路を用いたが、コプラナーウェーブガイド等を用いてもよい。また、上記第2実施例、第4実施例において、金属ケース10,15は、金属以外の材料で形成してもよいし、ケース形状以外の各種の支持体としてもよい。更に、金属ネジ12a,12b,16a,16bの代わりに、金属棒状部材を上下動可能に配置してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1,18…誘電体基板、 2…マイクロストリップ線路、
2a…入力端側線路、 2b…出力端側線路、
3…増幅素子、 7,19…接地(GND)面、
7E…空地領域、 8…金属パターン、
10,15…金属ケース体、 12a,12b,16a,16b…金属ネジ、
14a,14b…周波数調整パターン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体基板表面に形成された伝送線路と、
この伝送線路に対して接続された増幅素子と、
上記誘電体基板における上記増幅素子配置位置の裏面側で、上記伝送線路の上記増幅素子の入力端側線路と上記増幅素子の出力端側線路との間に、伝送線路方向にて配置され、上記入力端側線路又は出力端側線路の少なくとも一方に容量性結合する金属体と、からなる高周波発振器。
【請求項2】
上記金属体として、上記誘電体基板の裏面に金属パターンを形成し、この金属パターンの両端を上記入力端側線路及び出力端側線路に容量性結合したことを特徴とする請求項1記載の高周波発振器。
【請求項3】
上記金属体として、上記誘電体基板の裏面に金属パターンを形成し、この金属パターンの一方端を上記入力端側線路又は出力端側線路のいずれか一方にスルーホールを介して接続し、他方端を上記入力端側線路又は出力端側線路の他方に容量性結合したことを特徴とする請求項1記載の高周波発振器。
【請求項4】
上記誘電体基板の裏面で、かつ容量性結合した上記金属体の端部近傍に、周波数調整パターンを形成し、この周波数調整パターンの面積を変えることにより、発振周波数を可変調整することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高周波発振器。
【請求項5】
支持体から上記金属体の端部又は上記周波数調整パターンへ向けて金属可動部材を配置し、この金属可動部材と上記金属体の端部又は上記周波数調整パターンとの距離を変えることにより、発振周波数を可変調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の高周波発振器。
【請求項6】
上記金属パターンの下側に、裏面が接地面とされた誘電体基板を更に積層したことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の高周波発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−258868(P2010−258868A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107683(P2009−107683)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000191238)新日本無線株式会社 (569)
【Fターム(参考)】