高圧風を吹出する車輌、ワーク、商品(品物)等の被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシング
【課題】被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業には、高圧風の吹出を行うため、かなりの騒音を発生するとともに、風圧による被洗浄物に対する振動等に起因して騒音を発することが考えられる。そして、現実の問題として、今日の生活等の環境、住宅事情や、地域事情等の各種の状況より、騒音が問題になる場合が多いことから、その改良が急務である。
【構成】送風機の送風により、送風ノズルのケーシング内に添設された接続口から空気を取入れ、空気をケーシング内に圧送された高圧風の整流を行い、ケーシングの下方に設けたスリット形状の吹出口から高圧風を吹出し、送風ノズルのケーシングの上方に、ケーシング内部の容積を拡充する空気溜用の膨出部を配備し、接続口から圧送された高圧風の整流及び高圧風の衝突の回避することを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【構成】送風機の送風により、送風ノズルのケーシング内に添設された接続口から空気を取入れ、空気をケーシング内に圧送された高圧風の整流を行い、ケーシングの下方に設けたスリット形状の吹出口から高圧風を吹出し、送風ノズルのケーシングの上方に、ケーシング内部の容積を拡充する空気溜用の膨出部を配備し、接続口から圧送された高圧風の整流及び高圧風の衝突の回避することを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
送風機、ブロアー又は熱風発生機に接続して使用する送風ノズルのケーシングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明における送風ノズルのケーシングは、車輌、ワーク、商品(品物)等の被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業に係る作業であり、例えば、車輌の乾燥作業、各種機械部品の洗浄作業後の乾燥作業、廃油缶等のポリ容器の内部乾燥作業、シート洗浄後の乾燥作業等が挙げられる。
【0003】
従来、高圧風を吹出する車輌、ワーク、商品(品物)等の被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングは、送風機、ブロアー又は熱風発生機により、送風された風を断面視して略三角形状を呈するこのケーシング内に受入れ、このケーシングの下方に収斂された吹出口より車輌、ワーク、商品(品物)等の被洗浄物に向かって略均一に吹出するように構成されている。
【0004】
従って、この車輌、ワーク、商品(品物)等の被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業には、高圧風の吹出を行うため、かなりの騒音を発生するとともに、風圧による被洗浄物に対する振動等に起因して騒音を発することが考えられる。そして、現実の問題として、今日の生活等の環境、住宅事情や、地域事情等の各種の状況より、騒音が問題になる場合が多いことから、その改良が急務である。
【0005】
近時、これらの被洗浄物に関する洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う工場等の建屋が、住居、文教地区等の地域に設置されることと、これに加えて、建屋によって、昼夜を問わず、深夜にまで作業が行われること等であり、この地域の住環境に悪影響を与えることが指摘されている。またこの騒音問題は、工場内における作業者にとっても、避けて通れない問題であるとともに、作業及び/又は職場等の作業環境の改善と、効率的な作業を確保するために、この騒音問題解決は必要不可欠な条件である。
【0006】
以上のような状況に鑑み、本発明は、この種の送風ノズルのケーシングに設置される送風機に関する騒音問題を考えて検索した結果を踏まえて、関連する先行文献を挙げると、次の文献(1)〜(3)があるので、その概要を説明する。
【0007】
この文献(1)は、特開平10−236285号の「洗車機」である。この発明は、従来の側面視して逆三角形のトップノズルに、揺動式の補助トップノズルに組み合わせた構成であり、1BOX車、ワゴン車等のように前面、後面に垂直に近いような洗車面がある車輌であっても確実に水滴の除去ができる特徴がある。
【0008】
文献(2)は、特開2003−260386の「送風ノズル」である。この発明は、あり、長尺状の筒状本体部の長手方向にスリット状の吐出口を設け、この本体部の一方端部に及び/又は吐出口の反対側の背面部略中央部に供給口を設け、供給口より供給されたエアーが吐出口から吐出する送風ノズルにおいて、吐出口が本体部からエアーの吐出方向に突出した吐出口部の先端部に形成され、吐出口部から本体部の内部に向かって、本体部の背面側に延長する帯板状の一対の整流板を相対向するように設け、これら整流板には複数のエアー挿通孔を設ける構成とし、この整流板及びエアー挿通孔により本体内の静圧を均一に維持し、圧力損失の低減化を図るようにしたことを特徴がある。
【0009】
また文献(3)は、登録実用新案第3062317号の「エアーノズル」である。この考案は、ノズルの適宜位置にエアーの供給口と吐出口を配備してあり、この吐出口から幅広の偏平なエアーが吐出されるエアーノズルであり、この吐出口がノズル本体の対向する両側面の先端部によって1本の細長いスリットから形成され、吐出口に接続するエアーの導通路内で、上記両側面の両内壁面から相互に対向するように、それぞれ内部方向に膨出する膨出部を形成する構成であり、この細長いスリットから吐出するエアーをノズル本体の内部に膨出部により、吐出エアーが、このスリットからなる吐出口の左右の全体に均質に渡り、一様な風速又は風圧が得られ、風速むらを最小限に止めることができ、その吐出口の全体に渡り一定の風速又は風圧にて幅広の偏平な吐出エアーを得ることが図るようにしたことを特徴がある。
【0010】
【特許文献1】特開平10−236285号
【特許文献2】特開2003−260386
【特許文献3】登録実用新案第3062317号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、文献(1)は、トップノズルの空気溜用の膨出部を配備する構成ではないので、高圧風の整流及び高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図るには、更なる改良が必要となる。文献(2)は、この本体部の背面側に延長する帯板状の一対の整流板を相対向するように設け、この整流板には複数のエアー挿通孔を設けていることにより、その目的を達成する構成である。しかし、送風ノズルの長手方向の中央部までこのエアーが到達する保証はなく、必ずしもこの送風ノズルの形状において、均質な送風が行えず、十分とは考えられない。また文献(3)は、膨出部を設けているので、この膨出部により、エアーの衝突が生じ易く、この衝突により、騒音が発生することが考えられる。また、文献(2)と同様の問題も考えられる。
【0012】
そして、上記に鑑み本発明は、
(1)送風ノズルのケーシング内に圧送された高圧風の整流及び/又はこの高圧風の衝突等の回避により消音を図ることで、このケーシングの吹出口より高圧風を略均等に被洗浄物へ排気すること、又はケーシング内に圧送された高圧風の圧損を回避し、エネルギーロスを減少しつつ、前述と同様にこの吹出口より高圧風を略均等に排気すること等を意図する。
(2)送風機、ブロアー又は熱風発生機に取込まれた空気を略均等に、送風ノズルのケーシング内に圧送されて、高圧風になり、その高圧風をスリット形状の吹出口に誘導し、この吹出口より被洗浄物に向かって、確実かつ略均等に吹出すことで、例えば、車輌への洗車作業と、調温等の効率化、)送風機の耐久性の向上、又は一箇所に強風が吹出される弊害(吹出による騒音、損傷、人的被害等)の解消等を図ることを意図する。
(3)また、消音を図ることにより、生活等の環境、住宅事情や、地域事情等の各種の状況に応じて騒音を防止すること、24時間営業等を行っている工場での作業が可能になり、昼夜を問わず、快適に作業者が容易に作業を行えることを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、前述の(1)〜(3)の目的を達成するに最適な空気溜用の膨出部を配備した送風ノズルのケーシングを設け、高圧風の整流及び/又は高圧風の衝突回避を提供することを意図する。
【0014】
請求項1は、送風機、ブロアー又は熱風発生機の送風により、送風ノズルのケーシング内に添設された接続口から空気を取入れ、この空気をケーシング内に圧送された高圧風の整流を行い、このケーシングの下方に設けたスリット形状の吹出口から高圧風を吹出し、ワークの洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングであって、
このケーシングの上方に、ケーシング内部の容積を拡充する空気溜用の膨出部を配備し、前記接続口から圧送された高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適な空気溜用の膨出部の形状を提供することを意図する。
【0016】
請求項2は、請求項1に記載の空気溜用の膨出部は、四角柱、六角柱、円柱等の柱状の形状又は四角錘、六角錘、八角錘、円錐等の様々な錘状の形状又は楕円、ひし形等の様々な形状であり、上記ケーシングの上方にできたスペースの有効利用を図り、これらの様々な形状に対応した空気溜用の膨出部に高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0017】
請求項3の発明は、請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なケーシングの上方における空気溜用の膨出部を配備する箇所を提供することを意図する。
【0018】
請求項3は、請求項2に記載の空気溜用の膨出部は、上記スペースの有効利用を図るため、この接続口の近傍に単数基及び/又は複数基配備することにより、この空気溜用の膨出部に、高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適な空気溜用の膨出部の素材を提供することを意図する。
【0020】
請求項4は、請求項1に記載の空気溜用の膨出部は、この空気溜用の膨出部内の容積に取入れられた空気量及び/又はケーシング内から吹出する高圧風量を調整可能とするため、容積を変更できるように伸縮可能としたゴム製等の樹脂素材で加工されており、この樹脂素材により、高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明は、送風機、ブロアー又は熱風発生機の送風により、送風ノズルのケーシング内に添設された接続口から空気を取入れ、空気をケーシング内に圧送された高圧風の整流を行い、ケーシングの下方に設けたスリット形状の吹出口から高圧風を吹出し、ワークの洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングであって、
ケーシングの上方に、ケーシング内部の容積を拡充する空気溜用の膨出部を配備し、接続口から圧送された高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0022】
従って、請求項1は、
(1)送風ノズルのケーシング内に圧送された高圧風の整流及び/又はこの高圧風の衝突等の回避により消音を図ることで、このケーシングの吹出口より高圧風を略均等に被洗浄物へ排気すること、又はケーシング内に圧送された高圧風の圧損を回避し、エネルギーロスを減少しつつ、前述と同様にこの吹出口より高圧風を略均等に排気すること等の特徴を有する。
(2)送風機、ブロアー又は熱風発生機に取込まれた空気を略均等に、送風ノズルのケーシング内に圧送されて、高圧風になり、その高圧風をスリット形状の吹出口に誘導し、この吹出口より被洗浄物に向かって、確実かつ略均等に吹出すことで、例えば、車輌への洗車作業と、調温等の効率化、)送風機の耐久性の向上、又は一箇所に強風が吹出される弊害(吹出による騒音、損傷、人的被害等)の解消等を図ること等の特徴を有する。
(3)また、消音を図ることにより、生活等の環境、住宅事情や、地域事情等の各種の状況に応じて騒音を防止すること、24時間営業等を行っている工場での作業が可能になり、昼夜を問わず、快適に作業者が容易に作業を行えること等の特徴を有する。
【0023】
請求項2の発明は、請求項1に記載の空気溜用の膨出部は、四角柱、六角柱、円柱等の柱状の形状又は四角錘、六角錘、八角錘、円錐等の様々な錘状の形状又は楕円、ひし形等の様々な形状であり、ケーシングの上方にできたスペースの有効利用を図り、様々な形状に対応した空気溜用の膨出部に高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0024】
従って、請求項2は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適な空気溜用の膨出部の形状を提供できること等の特徴を有する。
【0025】
請求項3の発明は、請求項2に記載の空気溜用の膨出部は、スペースの有効利用を図るため、接続口の近傍に単数基及び/又は複数基配備することにより、空気溜用の膨出部に、高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0026】
従って、請求項3は、請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なケーシングの上方における空気溜用の膨出部を配備する箇所を提供できること等の特徴を有する。
【0027】
請求項4の発明は、請求項1に記載の空気溜用の膨出部は、空気溜用の膨出部内の容積に取入れられた空気量及び/又はケーシング内から吹出する高圧風量を調整可能とするため、容積を変更できるように伸縮可能としたゴム製等の樹脂素材で加工されており、樹脂素材により、高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0028】
従って、請求項4は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適な空気溜用の膨出部の素材を提供できること等の特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の態様(形態)を説明する。
【0030】
図面の説明をすると、図1は本発明の一例を採用した洗車機の用途で用いられる送風ノズル全体の斜視図、図2は図1の正面図、図3は図1の洗車機に本発明を採用した一例を示す正面図、図4は図1のトップノズルの空気の流れを示した斜視図、図5は図1の要部の断面図、図6は図1の他の一例を示した要部の断面図、図7は図1のさらに他の一例を示したトップノズル全体の斜視図、図8は本発明の他の一例を採用したビン容器の熱風による局部乾燥の用途で用いられる送風ノズル全体の斜視図、図9は図8の他の一例を示した斜視図、図10は図8のさらに他の一例を示した斜視図、図11は図8と同じ一例を採用したビン容器の熱風による局部乾燥の用途で用いられる送風ノズルで送風ノズルを横に載置した全体の斜視図である。
【0031】
図3において、本発明の一例を採用した車輌、ワーク、商品(品物)等の被洗浄物の中において、洗車機の用途で用いられる送風ノズルを示した図であり、1は洗車機を示しており、この洗車機1は、門型の移動フレーム2と、この移動フレーム2に設けた送風機3と、この送風機3に接続されるトップノズル5aと、サイドノズル5bの送風ノズル5と、移動フレーム2に設けた車輪7を有し、従来と同様に移動し、車輌Aの洗車及び/又は乾燥を図る構造である。8は、この移動フレーム2用のレールで、このレール8は床面に敷設される。
【0032】
そして、送風機3とトップノズル5aはダクト10を介して接続されている。このトップノズル5aには、ダクト10の接続口12と、高圧風を排気する排気用のスリット状の吹出口14を有する。従って、送風機3からの高圧風はダクト10を経由し、それぞれトップノズル5aに圧送される。この圧送された高圧風は、このトップノズル5aの吹出口14より被洗浄物である車輌の略全体に均等に排気されるとともに、車輌の洗浄作業及び/又は乾燥作業が行われる構造である。また、図示しないが、送風機3とサイドノズル5bとをダクト10で接続することもある。
【0033】
続いて、図5、図6に示すように、トップノズル5aの構造を詳細に説明すると、このトップノズル5は、断面視すると、略逆三角形状のケーシング50と、このケーシング50の上方50aにダクト10接続用の接続口12が一個または複数個設けられている。またこのケーシング50の下方50bにはスリット形状の吹出口14が設けられている。そして、この接続口12に近傍に空気溜用の膨出部13を配備する。この空気溜用の膨出部13は、単数基及び複数基配備されており、トップノズル5のケーシング50の上方50aにあるスペース16又はこのケーシング50の昇降時に邪魔にならないスペース(図示しない)等を利用することにより、この空気溜用の膨出部13を配備する数は適宜変更され、又、有効である。なお、この空気溜用の膨出部13を送風ノズル5の長手方向に配備することも可能であり、この配備箇所は、ケーシング50におけるスペース16の状態により、適宜変更される。なお、図示しないが、既存のトップノズル等にも採用できる。
【0034】
空気溜用の膨出部13について、説明すると、この空気溜用の膨出部13は、送風ノズル5のケーシング50の容積を拡充するため、四角柱・六角柱・八角柱・円柱等の様々な柱状又は四角錘、六角錘、八角錘、円錐等の様々な錘状の形状又は楕円、ひし形等の様々な形状で加工されており、この形状は限定されない。なお、図5は、空気溜用の膨出部13を、四角錘の形状にしたものである。さらに、この例においては、このケーシング50の上方50aを切断することにより、空気溜用の膨出部13の設置を接着材等の接着素材を介して隙間部分を生じないように設けることにより、既存の送風ノズル5のケーシング50にも設置可能であり、この空気溜用の膨出部13は、どのような形状、材質のケーシング50に対しても、スペース16に対応して、適応することができると考えられる。
【0035】
そして、接続口12から圧送された高圧風は、この送風ノズル5のケーシング50に吸込まれ、空気溜用の膨出部13に取込まれる。この空気溜用の膨出部13の材質は、ゴム製等の樹脂素材で加工されており、空気溜用の膨出部内13の容積に取入れられた空気量及び/又はケーシング50内から吹出する高圧風量に対応して、この13の容積を拡大又は縮小するため、樹脂素材で形成し、伸縮可能とすることもできる。この樹脂素材の伸縮により、高圧風の整流及び高圧風の衝突を回避する。
【0036】
図4において、空気と高圧風の流れを矢印で示す如く、ケーシング50内において、高圧風の整流及び/又高圧風の衝突等の回避による消音が図れ、このケーシング50の吹出口14より高圧風を略均等に排気できる特徴がある。そして、この略均等に排気されることで、確実かつ効率的に車輌の洗浄作業及び/又は乾燥作業が行われる。
【0037】
ケーシング50内に、断面略漏斗状の風量調整板20が配備されている。この風量調整板20を介し、このケーシング50内に送風された空気(高圧風)を分岐及び/又は迂回させることも可能である。また図示しないが、風量調整板20は、左右対称が理想であるが、一例であり限定されない。
【0038】
さらに、消音効果を促す一例として、このケーシング50内における吹出口14に吸音効果を有する吸音材で構成するか、又は吸音材で囲繞する構成とし、空気溜用の膨出部13と併用することにより、騒音発生の回避を図ることも可能である。
【0039】
なお、図8は、ビン容器等の被洗浄物をベルトコンベア等の搬送手段により、搬送される際における送風ノズル5であり、この送風ノズル5は、垂設されている。なお、この送風ノズル5における空気溜用の膨出部13は、前述したように、スペース16と、他の装置とで形成されるスペース(図示しない)の有効利用を図り、吹出口14の反対側の背面部長手方向において、この空気溜用の膨出部13を配備してあり、図10のように、吹出口14の左右側の長手方向に配備することもできる。さらに、既存の送風ノズルにも使用可能であり、有益である。
【0040】
また、送風ノズル5のケーシング50の空気溜用の膨出部13の内部に吸音材で貼着、吸音材で内部全体を囲繞する構成もあり、大きな消音が図れる。
【0041】
なお、図11は図8と同じ一例を採用したビン容器の熱風による局部乾燥の用途で用いられる送風ノズルで送風ノズルを横に載置した全体の斜視図であり、図8の実施例と同様な構成及び効果を生ずる。また、この実施例に記載していないが、本発明における送風ノズルのケーシングは、被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業に係る作業全般で同様な構成及び効果が生じる。なお、この乾燥作業以外にも、冷却作業等の種々の作業で有益であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は本発明の一例を採用した洗車機の用途で用いられる送風ノズル全体の斜視図
【図2】図2は図1の正面図
【図3】図3は図1の洗車機に本発明を採用した一例を示す正面図
【図4】図4は図1のトップノズルの空気の流れを示した斜視図
【図5】図5は図1の要部の断面図
【図6】図6は図1の他の一例を示した要部の断面図
【図7】図7は図1のさらに他の一例を示したトップノズル全体の斜視図
【図8】図8は本発明の他の一例を採用したビン容器の熱風による局部乾燥の用途で用いられる送風ノズル全体の斜視図
【図9】図9は図8の他の一例を示した斜視図
【図10】図10は図8のさらに他の一例を示した斜視図
【図11】図11は図8と同じ一例を採用したビン容器の熱風による局部乾燥の用途で用いられる送風ノズルで送風ノズルを横に載置した全体の斜視図
【符号の説明】
【0043】
1 洗車機
2 移動フレーム
3 送風機
5 送風ノズル
5a トップノズル
5b サイドノズル
50 ケーシング
50a 上方
50b 下方
7 車輪
8 レール
10 ダクト
12 接続口
13 空気溜用の膨出部
14 吹出口
16 スペース
【技術分野】
【0001】
送風機、ブロアー又は熱風発生機に接続して使用する送風ノズルのケーシングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明における送風ノズルのケーシングは、車輌、ワーク、商品(品物)等の被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業に係る作業であり、例えば、車輌の乾燥作業、各種機械部品の洗浄作業後の乾燥作業、廃油缶等のポリ容器の内部乾燥作業、シート洗浄後の乾燥作業等が挙げられる。
【0003】
従来、高圧風を吹出する車輌、ワーク、商品(品物)等の被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングは、送風機、ブロアー又は熱風発生機により、送風された風を断面視して略三角形状を呈するこのケーシング内に受入れ、このケーシングの下方に収斂された吹出口より車輌、ワーク、商品(品物)等の被洗浄物に向かって略均一に吹出するように構成されている。
【0004】
従って、この車輌、ワーク、商品(品物)等の被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業には、高圧風の吹出を行うため、かなりの騒音を発生するとともに、風圧による被洗浄物に対する振動等に起因して騒音を発することが考えられる。そして、現実の問題として、今日の生活等の環境、住宅事情や、地域事情等の各種の状況より、騒音が問題になる場合が多いことから、その改良が急務である。
【0005】
近時、これらの被洗浄物に関する洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う工場等の建屋が、住居、文教地区等の地域に設置されることと、これに加えて、建屋によって、昼夜を問わず、深夜にまで作業が行われること等であり、この地域の住環境に悪影響を与えることが指摘されている。またこの騒音問題は、工場内における作業者にとっても、避けて通れない問題であるとともに、作業及び/又は職場等の作業環境の改善と、効率的な作業を確保するために、この騒音問題解決は必要不可欠な条件である。
【0006】
以上のような状況に鑑み、本発明は、この種の送風ノズルのケーシングに設置される送風機に関する騒音問題を考えて検索した結果を踏まえて、関連する先行文献を挙げると、次の文献(1)〜(3)があるので、その概要を説明する。
【0007】
この文献(1)は、特開平10−236285号の「洗車機」である。この発明は、従来の側面視して逆三角形のトップノズルに、揺動式の補助トップノズルに組み合わせた構成であり、1BOX車、ワゴン車等のように前面、後面に垂直に近いような洗車面がある車輌であっても確実に水滴の除去ができる特徴がある。
【0008】
文献(2)は、特開2003−260386の「送風ノズル」である。この発明は、あり、長尺状の筒状本体部の長手方向にスリット状の吐出口を設け、この本体部の一方端部に及び/又は吐出口の反対側の背面部略中央部に供給口を設け、供給口より供給されたエアーが吐出口から吐出する送風ノズルにおいて、吐出口が本体部からエアーの吐出方向に突出した吐出口部の先端部に形成され、吐出口部から本体部の内部に向かって、本体部の背面側に延長する帯板状の一対の整流板を相対向するように設け、これら整流板には複数のエアー挿通孔を設ける構成とし、この整流板及びエアー挿通孔により本体内の静圧を均一に維持し、圧力損失の低減化を図るようにしたことを特徴がある。
【0009】
また文献(3)は、登録実用新案第3062317号の「エアーノズル」である。この考案は、ノズルの適宜位置にエアーの供給口と吐出口を配備してあり、この吐出口から幅広の偏平なエアーが吐出されるエアーノズルであり、この吐出口がノズル本体の対向する両側面の先端部によって1本の細長いスリットから形成され、吐出口に接続するエアーの導通路内で、上記両側面の両内壁面から相互に対向するように、それぞれ内部方向に膨出する膨出部を形成する構成であり、この細長いスリットから吐出するエアーをノズル本体の内部に膨出部により、吐出エアーが、このスリットからなる吐出口の左右の全体に均質に渡り、一様な風速又は風圧が得られ、風速むらを最小限に止めることができ、その吐出口の全体に渡り一定の風速又は風圧にて幅広の偏平な吐出エアーを得ることが図るようにしたことを特徴がある。
【0010】
【特許文献1】特開平10−236285号
【特許文献2】特開2003−260386
【特許文献3】登録実用新案第3062317号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、文献(1)は、トップノズルの空気溜用の膨出部を配備する構成ではないので、高圧風の整流及び高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図るには、更なる改良が必要となる。文献(2)は、この本体部の背面側に延長する帯板状の一対の整流板を相対向するように設け、この整流板には複数のエアー挿通孔を設けていることにより、その目的を達成する構成である。しかし、送風ノズルの長手方向の中央部までこのエアーが到達する保証はなく、必ずしもこの送風ノズルの形状において、均質な送風が行えず、十分とは考えられない。また文献(3)は、膨出部を設けているので、この膨出部により、エアーの衝突が生じ易く、この衝突により、騒音が発生することが考えられる。また、文献(2)と同様の問題も考えられる。
【0012】
そして、上記に鑑み本発明は、
(1)送風ノズルのケーシング内に圧送された高圧風の整流及び/又はこの高圧風の衝突等の回避により消音を図ることで、このケーシングの吹出口より高圧風を略均等に被洗浄物へ排気すること、又はケーシング内に圧送された高圧風の圧損を回避し、エネルギーロスを減少しつつ、前述と同様にこの吹出口より高圧風を略均等に排気すること等を意図する。
(2)送風機、ブロアー又は熱風発生機に取込まれた空気を略均等に、送風ノズルのケーシング内に圧送されて、高圧風になり、その高圧風をスリット形状の吹出口に誘導し、この吹出口より被洗浄物に向かって、確実かつ略均等に吹出すことで、例えば、車輌への洗車作業と、調温等の効率化、)送風機の耐久性の向上、又は一箇所に強風が吹出される弊害(吹出による騒音、損傷、人的被害等)の解消等を図ることを意図する。
(3)また、消音を図ることにより、生活等の環境、住宅事情や、地域事情等の各種の状況に応じて騒音を防止すること、24時間営業等を行っている工場での作業が可能になり、昼夜を問わず、快適に作業者が容易に作業を行えることを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、前述の(1)〜(3)の目的を達成するに最適な空気溜用の膨出部を配備した送風ノズルのケーシングを設け、高圧風の整流及び/又は高圧風の衝突回避を提供することを意図する。
【0014】
請求項1は、送風機、ブロアー又は熱風発生機の送風により、送風ノズルのケーシング内に添設された接続口から空気を取入れ、この空気をケーシング内に圧送された高圧風の整流を行い、このケーシングの下方に設けたスリット形状の吹出口から高圧風を吹出し、ワークの洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングであって、
このケーシングの上方に、ケーシング内部の容積を拡充する空気溜用の膨出部を配備し、前記接続口から圧送された高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適な空気溜用の膨出部の形状を提供することを意図する。
【0016】
請求項2は、請求項1に記載の空気溜用の膨出部は、四角柱、六角柱、円柱等の柱状の形状又は四角錘、六角錘、八角錘、円錐等の様々な錘状の形状又は楕円、ひし形等の様々な形状であり、上記ケーシングの上方にできたスペースの有効利用を図り、これらの様々な形状に対応した空気溜用の膨出部に高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0017】
請求項3の発明は、請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なケーシングの上方における空気溜用の膨出部を配備する箇所を提供することを意図する。
【0018】
請求項3は、請求項2に記載の空気溜用の膨出部は、上記スペースの有効利用を図るため、この接続口の近傍に単数基及び/又は複数基配備することにより、この空気溜用の膨出部に、高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適な空気溜用の膨出部の素材を提供することを意図する。
【0020】
請求項4は、請求項1に記載の空気溜用の膨出部は、この空気溜用の膨出部内の容積に取入れられた空気量及び/又はケーシング内から吹出する高圧風量を調整可能とするため、容積を変更できるように伸縮可能としたゴム製等の樹脂素材で加工されており、この樹脂素材により、高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明は、送風機、ブロアー又は熱風発生機の送風により、送風ノズルのケーシング内に添設された接続口から空気を取入れ、空気をケーシング内に圧送された高圧風の整流を行い、ケーシングの下方に設けたスリット形状の吹出口から高圧風を吹出し、ワークの洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングであって、
ケーシングの上方に、ケーシング内部の容積を拡充する空気溜用の膨出部を配備し、接続口から圧送された高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0022】
従って、請求項1は、
(1)送風ノズルのケーシング内に圧送された高圧風の整流及び/又はこの高圧風の衝突等の回避により消音を図ることで、このケーシングの吹出口より高圧風を略均等に被洗浄物へ排気すること、又はケーシング内に圧送された高圧風の圧損を回避し、エネルギーロスを減少しつつ、前述と同様にこの吹出口より高圧風を略均等に排気すること等の特徴を有する。
(2)送風機、ブロアー又は熱風発生機に取込まれた空気を略均等に、送風ノズルのケーシング内に圧送されて、高圧風になり、その高圧風をスリット形状の吹出口に誘導し、この吹出口より被洗浄物に向かって、確実かつ略均等に吹出すことで、例えば、車輌への洗車作業と、調温等の効率化、)送風機の耐久性の向上、又は一箇所に強風が吹出される弊害(吹出による騒音、損傷、人的被害等)の解消等を図ること等の特徴を有する。
(3)また、消音を図ることにより、生活等の環境、住宅事情や、地域事情等の各種の状況に応じて騒音を防止すること、24時間営業等を行っている工場での作業が可能になり、昼夜を問わず、快適に作業者が容易に作業を行えること等の特徴を有する。
【0023】
請求項2の発明は、請求項1に記載の空気溜用の膨出部は、四角柱、六角柱、円柱等の柱状の形状又は四角錘、六角錘、八角錘、円錐等の様々な錘状の形状又は楕円、ひし形等の様々な形状であり、ケーシングの上方にできたスペースの有効利用を図り、様々な形状に対応した空気溜用の膨出部に高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0024】
従って、請求項2は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適な空気溜用の膨出部の形状を提供できること等の特徴を有する。
【0025】
請求項3の発明は、請求項2に記載の空気溜用の膨出部は、スペースの有効利用を図るため、接続口の近傍に単数基及び/又は複数基配備することにより、空気溜用の膨出部に、高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0026】
従って、請求項3は、請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なケーシングの上方における空気溜用の膨出部を配備する箇所を提供できること等の特徴を有する。
【0027】
請求項4の発明は、請求項1に記載の空気溜用の膨出部は、空気溜用の膨出部内の容積に取入れられた空気量及び/又はケーシング内から吹出する高圧風量を調整可能とするため、容積を変更できるように伸縮可能としたゴム製等の樹脂素材で加工されており、樹脂素材により、高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングである。
【0028】
従って、請求項4は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適な空気溜用の膨出部の素材を提供できること等の特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の態様(形態)を説明する。
【0030】
図面の説明をすると、図1は本発明の一例を採用した洗車機の用途で用いられる送風ノズル全体の斜視図、図2は図1の正面図、図3は図1の洗車機に本発明を採用した一例を示す正面図、図4は図1のトップノズルの空気の流れを示した斜視図、図5は図1の要部の断面図、図6は図1の他の一例を示した要部の断面図、図7は図1のさらに他の一例を示したトップノズル全体の斜視図、図8は本発明の他の一例を採用したビン容器の熱風による局部乾燥の用途で用いられる送風ノズル全体の斜視図、図9は図8の他の一例を示した斜視図、図10は図8のさらに他の一例を示した斜視図、図11は図8と同じ一例を採用したビン容器の熱風による局部乾燥の用途で用いられる送風ノズルで送風ノズルを横に載置した全体の斜視図である。
【0031】
図3において、本発明の一例を採用した車輌、ワーク、商品(品物)等の被洗浄物の中において、洗車機の用途で用いられる送風ノズルを示した図であり、1は洗車機を示しており、この洗車機1は、門型の移動フレーム2と、この移動フレーム2に設けた送風機3と、この送風機3に接続されるトップノズル5aと、サイドノズル5bの送風ノズル5と、移動フレーム2に設けた車輪7を有し、従来と同様に移動し、車輌Aの洗車及び/又は乾燥を図る構造である。8は、この移動フレーム2用のレールで、このレール8は床面に敷設される。
【0032】
そして、送風機3とトップノズル5aはダクト10を介して接続されている。このトップノズル5aには、ダクト10の接続口12と、高圧風を排気する排気用のスリット状の吹出口14を有する。従って、送風機3からの高圧風はダクト10を経由し、それぞれトップノズル5aに圧送される。この圧送された高圧風は、このトップノズル5aの吹出口14より被洗浄物である車輌の略全体に均等に排気されるとともに、車輌の洗浄作業及び/又は乾燥作業が行われる構造である。また、図示しないが、送風機3とサイドノズル5bとをダクト10で接続することもある。
【0033】
続いて、図5、図6に示すように、トップノズル5aの構造を詳細に説明すると、このトップノズル5は、断面視すると、略逆三角形状のケーシング50と、このケーシング50の上方50aにダクト10接続用の接続口12が一個または複数個設けられている。またこのケーシング50の下方50bにはスリット形状の吹出口14が設けられている。そして、この接続口12に近傍に空気溜用の膨出部13を配備する。この空気溜用の膨出部13は、単数基及び複数基配備されており、トップノズル5のケーシング50の上方50aにあるスペース16又はこのケーシング50の昇降時に邪魔にならないスペース(図示しない)等を利用することにより、この空気溜用の膨出部13を配備する数は適宜変更され、又、有効である。なお、この空気溜用の膨出部13を送風ノズル5の長手方向に配備することも可能であり、この配備箇所は、ケーシング50におけるスペース16の状態により、適宜変更される。なお、図示しないが、既存のトップノズル等にも採用できる。
【0034】
空気溜用の膨出部13について、説明すると、この空気溜用の膨出部13は、送風ノズル5のケーシング50の容積を拡充するため、四角柱・六角柱・八角柱・円柱等の様々な柱状又は四角錘、六角錘、八角錘、円錐等の様々な錘状の形状又は楕円、ひし形等の様々な形状で加工されており、この形状は限定されない。なお、図5は、空気溜用の膨出部13を、四角錘の形状にしたものである。さらに、この例においては、このケーシング50の上方50aを切断することにより、空気溜用の膨出部13の設置を接着材等の接着素材を介して隙間部分を生じないように設けることにより、既存の送風ノズル5のケーシング50にも設置可能であり、この空気溜用の膨出部13は、どのような形状、材質のケーシング50に対しても、スペース16に対応して、適応することができると考えられる。
【0035】
そして、接続口12から圧送された高圧風は、この送風ノズル5のケーシング50に吸込まれ、空気溜用の膨出部13に取込まれる。この空気溜用の膨出部13の材質は、ゴム製等の樹脂素材で加工されており、空気溜用の膨出部内13の容積に取入れられた空気量及び/又はケーシング50内から吹出する高圧風量に対応して、この13の容積を拡大又は縮小するため、樹脂素材で形成し、伸縮可能とすることもできる。この樹脂素材の伸縮により、高圧風の整流及び高圧風の衝突を回避する。
【0036】
図4において、空気と高圧風の流れを矢印で示す如く、ケーシング50内において、高圧風の整流及び/又高圧風の衝突等の回避による消音が図れ、このケーシング50の吹出口14より高圧風を略均等に排気できる特徴がある。そして、この略均等に排気されることで、確実かつ効率的に車輌の洗浄作業及び/又は乾燥作業が行われる。
【0037】
ケーシング50内に、断面略漏斗状の風量調整板20が配備されている。この風量調整板20を介し、このケーシング50内に送風された空気(高圧風)を分岐及び/又は迂回させることも可能である。また図示しないが、風量調整板20は、左右対称が理想であるが、一例であり限定されない。
【0038】
さらに、消音効果を促す一例として、このケーシング50内における吹出口14に吸音効果を有する吸音材で構成するか、又は吸音材で囲繞する構成とし、空気溜用の膨出部13と併用することにより、騒音発生の回避を図ることも可能である。
【0039】
なお、図8は、ビン容器等の被洗浄物をベルトコンベア等の搬送手段により、搬送される際における送風ノズル5であり、この送風ノズル5は、垂設されている。なお、この送風ノズル5における空気溜用の膨出部13は、前述したように、スペース16と、他の装置とで形成されるスペース(図示しない)の有効利用を図り、吹出口14の反対側の背面部長手方向において、この空気溜用の膨出部13を配備してあり、図10のように、吹出口14の左右側の長手方向に配備することもできる。さらに、既存の送風ノズルにも使用可能であり、有益である。
【0040】
また、送風ノズル5のケーシング50の空気溜用の膨出部13の内部に吸音材で貼着、吸音材で内部全体を囲繞する構成もあり、大きな消音が図れる。
【0041】
なお、図11は図8と同じ一例を採用したビン容器の熱風による局部乾燥の用途で用いられる送風ノズルで送風ノズルを横に載置した全体の斜視図であり、図8の実施例と同様な構成及び効果を生ずる。また、この実施例に記載していないが、本発明における送風ノズルのケーシングは、被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業に係る作業全般で同様な構成及び効果が生じる。なお、この乾燥作業以外にも、冷却作業等の種々の作業で有益であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は本発明の一例を採用した洗車機の用途で用いられる送風ノズル全体の斜視図
【図2】図2は図1の正面図
【図3】図3は図1の洗車機に本発明を採用した一例を示す正面図
【図4】図4は図1のトップノズルの空気の流れを示した斜視図
【図5】図5は図1の要部の断面図
【図6】図6は図1の他の一例を示した要部の断面図
【図7】図7は図1のさらに他の一例を示したトップノズル全体の斜視図
【図8】図8は本発明の他の一例を採用したビン容器の熱風による局部乾燥の用途で用いられる送風ノズル全体の斜視図
【図9】図9は図8の他の一例を示した斜視図
【図10】図10は図8のさらに他の一例を示した斜視図
【図11】図11は図8と同じ一例を採用したビン容器の熱風による局部乾燥の用途で用いられる送風ノズルで送風ノズルを横に載置した全体の斜視図
【符号の説明】
【0043】
1 洗車機
2 移動フレーム
3 送風機
5 送風ノズル
5a トップノズル
5b サイドノズル
50 ケーシング
50a 上方
50b 下方
7 車輪
8 レール
10 ダクト
12 接続口
13 空気溜用の膨出部
14 吹出口
16 スペース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機、ブロアー又は熱風発生機の送風により、送風ノズルのケーシング内に添設された接続口から空気を取入れ、この空気をケーシング内に圧送された高圧風の整流を行い、このケーシングの下方に設けたスリット形状の吹出口から高圧風を吹出し、ワークの洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングであって、
このケーシングの上方に、ケーシング内部の容積を拡充する空気溜用の膨出部を配備し、前記接続口から圧送された高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシング。
【請求項2】
請求項1に記載の空気溜用の膨出部は、四角柱、六角柱、円柱等の柱状の形状又は四角錘、六角錘、八角錘、円錐等の様々な錘状の形状又は楕円、ひし形等の様々な形状であり、上記ケーシングの上方にできたスペースの有効利用を図り、これらの様々な形状に対応した空気溜用の膨出部に高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシング。
【請求項3】
請求項2に記載の空気溜用の膨出部は、上記スペースの有効利用を図るため、この接続口の近傍に単数基及び/又は複数基配備することにより、この空気溜用の膨出部に、高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシング。
【請求項4】
請求項1に記載の空気溜用の膨出部は、この空気溜用の膨出部内の容積に取入れられた空気量及び/又はケーシング内から吹出する高圧風量を調整可能とするため、容積を変更できるように伸縮可能としたゴム製等の樹脂素材で加工されており、この樹脂素材により、高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシング。
【請求項1】
送風機、ブロアー又は熱風発生機の送風により、送風ノズルのケーシング内に添設された接続口から空気を取入れ、この空気をケーシング内に圧送された高圧風の整流を行い、このケーシングの下方に設けたスリット形状の吹出口から高圧風を吹出し、ワークの洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシングであって、
このケーシングの上方に、ケーシング内部の容積を拡充する空気溜用の膨出部を配備し、前記接続口から圧送された高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシング。
【請求項2】
請求項1に記載の空気溜用の膨出部は、四角柱、六角柱、円柱等の柱状の形状又は四角錘、六角錘、八角錘、円錐等の様々な錘状の形状又は楕円、ひし形等の様々な形状であり、上記ケーシングの上方にできたスペースの有効利用を図り、これらの様々な形状に対応した空気溜用の膨出部に高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシング。
【請求項3】
請求項2に記載の空気溜用の膨出部は、上記スペースの有効利用を図るため、この接続口の近傍に単数基及び/又は複数基配備することにより、この空気溜用の膨出部に、高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシング。
【請求項4】
請求項1に記載の空気溜用の膨出部は、この空気溜用の膨出部内の容積に取入れられた空気量及び/又はケーシング内から吹出する高圧風量を調整可能とするため、容積を変更できるように伸縮可能としたゴム製等の樹脂素材で加工されており、この樹脂素材により、高圧風を取込むことにより、高圧風の整流及び高圧風の衝突回避を図ることを特徴とする高圧風を吹出して被洗浄物の洗浄作業及び/又は乾燥作業を行う送風ノズルのケーシング。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−80264(P2008−80264A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−264194(P2006−264194)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(391008294)フルタ電機株式会社 (176)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(391008294)フルタ電機株式会社 (176)
【Fターム(参考)】
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