説明

高強度スポンジ状焼成金属複合板

【課題】高強度スポンジ状焼成金属複合板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】連続空孔を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層22に、スポンジ状焼成金属層22の気孔率よりも小さい気孔率を有する高強度の焼成金属緻密補強層21を積層してなる高強度スポンジ状焼成金属複合板20であって、前記焼成金属緻密補強層21の厚さは高強度スポンジ状焼成金属複合板20全体の厚さの0.5〜30%の厚さを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高強度スポンジ状焼成金属複合板に関するものであり、この高強度スポンジ状焼成金属複合板は、高温用フィルター、空気清浄機用フィルター、アルカリ二次電池の電極基板を作製するための素材として使用されるが、特にアルカリ二次電池の電極基板を作製するための素材として使用されるものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、各種フィルター、アルカリ二次電池の電極基板などには表面に開口し内部の空孔に連続している空孔(以下、連続空孔という)を有し、気孔率:70〜99容量%を有するスポンジ状焼成金属板が使用されている。さらに、近年、アルカリ二次電池の電極基板などには、連続空孔と前記連続空孔に比べて超微細な連続空孔(以下、骨格内微細空孔という)を有する焼成焼結金属からなる骨格部分とで構成されている構造のスポンジ状焼成金属板が使用されている。そして前記連続空孔の平均空孔径は100〜700μmを有し、骨格部分の骨格内微細空孔の平均空孔径は0.5〜20μmでかつ気孔率は10〜55%であり、スポンジ状焼成金属板全体の気孔率は90〜99%の範囲内にあることが好ましいとされている。
【0003】
このスポンジ状焼成金属板を製造するには一般に図10の断面説明図に示される装置が使用されている。図10において、6はキャリヤーシート、7はドクターブレード、8は発泡スラリー、9は高温・高湿度槽、11は乾燥槽、12はホッパー、13は巻き出しリール、14は巻取リール、15、16は支持ロールである。
【0004】
原料粉末、シンナーからなるスラリーに界面活性剤および発泡剤を添加して発泡スラリー8を作製してこれをホッパー12に貯蔵し、この発泡スラリー8を、図10に示されるように、キャリヤーシート6上にドクターブレード7により薄板状に成形し、高温・高湿度槽9において前記発泡スラリーに含まれる揮発性有機溶剤の蒸気圧および界面活性剤の起泡性を利用してスポンジ状に発泡させ、さらに乾燥槽11において乾燥させてスポンジ状グリーン板10´を製造し、このスポンジ状グリーン板10´を脱脂装置および焼成炉(いずれも図示せず)を通すことにより脱脂、焼成し、これにより連続空孔を有するスポンジ状焼成金属板を製造している。
【0005】
このようにして作られたスポンジ状焼成金属板を強化するには、一般に、スポンジ状焼成金属板の片面に、通常のパンチング穴を有する金属層、金属網、または複数の細い金属層を抵抗溶接して一体化するなどして補強層を形成し強化している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、かかるスポンジ状焼成金属板に前記パンチング穴を有する金属テープ、金属網などを抵抗溶接して一体化すると、スポンジ状焼成金属板の製造工程と、スポンジ状焼成金属板と金属テープ、金属網などを抵抗溶接する工程の少なくとも2工程を必要とし、製造にコストがかかるので好ましくなく、またスポンジ状焼成金属板に金属テープ、金属網などを抵抗溶接する際に、電極ロールでスポンジ状焼成金属板の空孔を押し潰し、それによってスポンジ状焼成金属板の気孔率を減少させるなどの課題があった。
また、パンチング穴を有する金属テープ、金属網などの上に、前記発泡スラリーをドクターブレード法により薄板状に成形し、高温・高湿度槽において前記発泡スラリーに含まれる揮発性有機溶剤の蒸気圧および界面活性剤の起泡性を利用してスポンジ状に発泡させることにより連続空孔を有するスポンジ状グリーン板を成形し、このスポンジ状グリーン板を脱脂、焼成することによりパンチング穴を有する金属テープ、金属網などの上に連続空孔を有するスポンジ状焼成金属板を積層し、それにより高強度スポンジ状焼成金属複合板を製造する方法も考えられるが、この方法で作製した高強度スポンジ状焼成金属複合板は、脱脂・焼成時のスポンジ状グリーン板の収縮率が金属テープまたは金属網の収縮率と比べて格段に大きいところから、スポンジ状焼成金属層の側に湾曲したり、スポンジ状焼成金属層に亀裂が発生することがあるなどの課題があった。
さらにアルカリ二次電池の電極基板として用いる場合に、活物質を高強度スポンジ状焼成金属複合板のスポンジ状焼成金属層に含浸させ、圧延ロールを用いて圧延するが、この時スポンジ状焼成金属層と金属テープの接合が十分でなく、スポンジ状焼成金属層と金属テープが剥離することがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明者らは、かかる課題を解決すべく研究を行った結果、
(イ)原料粉末とシンナーとの混合体または原料粉末とシンナーと界面活性剤との混合体からなるスラリーをドクターブレード法によりキャリヤーシート上に延ばしこれを加熱.乾燥して焼成金属緻密補強層を形成するためのグリーン層(以下、緻密補強グリーン層と云う)を形成し、この緻密補強グリーン層の片面の上に、原料粉末、シンナー、界面活性剤および発泡剤を添加して作製したスラリー(以下、発泡スラリーという)をドクターブレード法により延ばしこれを加熱.乾燥して前記緻密補強グリーン層の上にスポンジ状焼成金属層を形成するためのグリーン層(以下、スポンジ状グリーン層という)を形成することよって緻密補強グリーン層およびスポンジ状グリーン層からなる複合グリーン板を作製し、この複合グリーン板を脱脂、焼成すると、表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔(以下、連続空孔という)を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層に、スポンジ状焼成金属層の気孔率よりも小さい気孔率を有しかつスポンジ状焼成金属層よりも緻密で高強度を有する焼成金属緻密補強層が積層してなる高強度スポンジ状焼成金属複合板が得られ、このスポンジ状焼成金属複合板は、脱脂・焼成工程で湾曲したり、スポンジ状焼成金属層に亀裂が発生したりすることはなく、一回の脱脂、焼成で高気孔率を有する高強度のスポンジ状焼成金属複合板が得られ、さらにアルカリ二次電池の電極基板作製時の剥離が発生することがない、
(ロ)前記焼成金属緻密補強層の厚さは、高強度スポンジ状焼成金属複合板全体の厚さの0.5〜30%(好ましくは、1〜5%)を有することが好ましい、
(ハ)焼成金属緻密補強層は、表面に開口し内部の空孔に連続している前記スポンジ状焼成金属層の連続空孔よりも一層微細な連続空孔(以下、連続微細空孔という)を有しかつスポンジ状焼成金属層の気孔率よりも小さい気孔率を有するために高強度および高電気伝導率を有するが、前記焼成金属緻密補強層の気孔率は4〜55容量%(一層好ましくは、20〜40容量%)であることが好ましい、
(ニ)焼成金属緻密補強層にパンチング穴などを設けることにより気孔率:4容量%未満の一層緻密な焼成金属緻密補強層を形成することができ、さらに空孔のない気孔率:0容量%の焼成金属緻密補強層を形成することができ、気孔率:4容量%未満または空孔のない焼成金属緻密補強層を焼成によりスポンジ状焼成金属層と積層させても、焼成中の収縮率はスポンジ状焼成金属層の焼成中の収縮率と大きな差はなく、湾曲したり、スポンジ状焼成金属層に亀裂が発生することはない、などの知見を得たのである。
【0008】
この発明は、かかる知見に基づいてなされたものであって、
(1)発泡剤を含むスラリーを用いて形成した連続空孔を有し気孔率:70〜99容量%を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層の片面に、発泡剤を含まないスラリーを用いて形成したスポンジ状焼成金属層の気孔率よりも小さい気孔率:0〜55(0も含む)容量%を有する高強度の焼成金属緻密補強層を積層してなる高強度スポンジ状焼成金属複合板であって、前記焼成金属緻密補強層の厚さは高強度スポンジ状焼成金属複合板全体の厚さの0.5〜30%の厚さを有する高強度スポンジ状焼成金属複合板、
(2)発泡剤を含むスラリーを用いて形成した連続空孔を有し気孔率:70〜99容量%を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層の片面に、発泡剤を含まないスラリーを用いて形成した連続微細空孔を有しかつスポンジ状焼成金属層の気孔率よりも小さい気孔率:4〜55容量%を有する高強度の焼成金属緻密補強層を積層してなる高強度スポンジ状焼成金属複合板であって、前記焼成金属緻密補強層の厚さは高強度スポンジ状焼成金属複合板全体の厚さの0.5〜30%の厚さを有する高強度スポンジ状焼成金属複合板、
(3)発泡剤を含むスラリーを用いて形成した連続空孔を有し気孔率:70〜99容量%を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層の片面に、発泡剤を含まないスラリーを用いて形成した気孔率:4容量%未満または空孔の存在しない高強度の焼成金属緻密補強層を積層してなる高強度スポンジ状焼成金属複合板であって、前記焼成金属緻密補強層の厚さは高強度スポンジ状焼成金属複合板全体の厚さの0.5〜30%の厚さを有する高強度スポンジ状焼成金属複合板、に特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
高気孔率を有するスポンジ状焼成金属層の片面または内部に強度付与のための焼成金属緻密補強層を有する高強度スポンジ状焼成金属複合板を提供することができ、この高強度スポンジ状焼成金属複合板は各種フィルターやアルカリ二次電池の電極基板を作製するための素材として使用することができ、この高強度スポンジ状焼成金属複合板を使用して得られたアルカリ二次電池の電極基板は従来よりも活物質の平均充填密度が増加し、抵抗が低く集電効率を向上させることができるところから、アルカリ二次電池産業の発展に大いに貢献し得るものである。
【0010】
この発明の数値限定理由は、以下の通りである。
焼成金属緻密補強層の厚さが0.5%未満では焼成金属緻密補強層の厚さが薄すぎて十分な強度が得られず、一方、焼成金属緻密補強層の厚さが30%を越えると、十分な強度が得られてもアルカリ二次電池の電極基板として使用した場合に活物質を十分に充填することができないので好ましくない。したがって、この発明の焼成金属緻密補強層の厚さは高強度スポンジ状焼成金属複合板全体の厚さの0.5〜30%(好ましくは、1〜5%)の厚さに定めた。
この発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板を構成する連続空孔を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層の気孔率は70〜99容量%を有し、この気孔率は通常のスポンジ状焼成金属層の気孔率と同じであり、前記連続空孔を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層は、平均空孔径:100〜700μmの連続空孔を有している。さらに前記連続空孔を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層は、従来の技術の欄で示した平均空孔径:100〜700μmの連続空孔と、平均孔径が0.5〜20μmの骨格内微細空孔を有する気孔率:10〜55容量%の骨格部分とで構成されており、全体の気孔率が70〜99容量%を有するスポンジ状焼成金属層であってもよい。
【0011】
この発明の高強度の焼成金属緻密補強層を積層した高強度スポンジ状焼成金属複合板を図面に基づいて一層詳細に説明する。
図1は、この発明の気孔率:4〜55容量%を有する高強度の焼成金属緻密補強層21の片面に連続空孔1を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層22を積層した高強度スポンジ状焼成金属複合板20の断面拡大模型図である。
このスポンジ状焼成金属層22は一般に連続空孔1および骨格部分23からなり、その気孔率は70〜99%を有し、この気孔率は一般に知られた値である。このスポンジ状焼成金属層22の片面に前記気孔率:4〜55容量%を有する高強度の焼成金属緻密補強層を積層させる場合は、スポンジ状焼成金属層22を焼成金属緻密補強層21の片面に積層させる。図1に示される前記焼成金属緻密補強層21と前記公知のスポンジ状焼成金属層22とで構成されているこの発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板20は、いずれも焼成金属緻密補強層21の厚さが高強度スポンジ状焼成金属複合板20全体の厚さの0.5〜30%の厚さを有している。
【0012】
図2は、この発明の気孔率:4〜55容量%を有する高強度の焼成金属緻密補強層21の片面に連続空孔1を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層32を積層した高強度スポンジ状焼成金属複合板20の断面拡大模型図である。
【0013】
図2において、焼成金属緻密補強層21の片面に積層させる連続空孔1を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層32は、連続空孔1および骨格部分33からなり、骨格部分33には骨格内微細空孔34が含まれており、その全体の気孔率は70〜99%を有する。前記連続空孔1の平均空孔径は100〜700μmを有し、骨格部分33の骨格内微細空孔34の平均空孔径は0.5〜20μmでかつ気孔率は10〜55%であり、スポンジ状焼成金属層32全体の気孔率は70〜98%である。この高気孔率のスポンジ状焼成金属層はすでに一般に知られている。図2に示される前記焼成金属緻密補強層21と前記公知のスポンジ状焼成金属層22とで構成されているこの発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板20は、いずれも焼成金属緻密補強層21の厚さが高強度スポンジ状焼成金属複合板20全体の厚さの0.5〜30%の厚さを有している。また、気孔率:4〜55容量%を有する高強度の焼成金属緻密補強層21の平均空孔径は1〜100μmの範囲内にあることが好ましい。
【0014】
図1〜図2に示されるこの発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板20を製造するには、まず、図3の断面説明図に示されるように、予め作製した緻密補強グリーンテープ17をキャリヤーシート6上に載置するように供給し、この緻密補強グリーンテープ17を載置した前記キャリヤーシート6の上に発泡スラリー8を供給しながら前記緻密補強グリーンテープ17の上に発泡スラリー8を薄板状に塗工し、高温・高湿度槽9において前記発泡スラリー8に含まれる揮発性有機溶剤の蒸気圧および界面活性剤の起泡性を利用してスポンジ状に発泡させ、さらに乾燥槽11において乾燥させて緻密補強グリーン層およびスポンジ状グリーン層からなる複合グリーン板10を作製し、この複合グリーン板10を脱脂装置および焼成炉(いずれも図示せず)を通すことにより脱脂、焼成してこの発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板20を製造する。
【0015】
図3において、7はドクターブレード、9は高温・高湿度槽、11は乾燥槽、12はホッパー、13は巻き出しリール、14は巻取リール、15、16は支持ロールであり、これらの符号は図10と同じであるからその作用についての説明は省略する。この緻密補強グリーン層およびスポンジ状グリーン層からなる複合グリーン板を脱脂、焼成することにより図1および図2に示されるスポンジ状焼成金属層22および気孔率:4〜55容量%を有する高強度の焼成金属緻密補強層21からなるこの発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板20を製造することができる。
【0016】
図3では予め作製しておいた緻密補強グリーンテープ17を供給しているが、図4の断面説明図に示されるように、ホッパー12に貯蔵した緻密補強層形成スラリー19をキャリヤーシート6の上に供給し、ドクターブレード7´によって緻密補強層形成スラリー19を薄く延ばすことによりキャリヤーシート6の上に緻密補強スラリー層24を形成し、この緻密補強スラリー層24を高温・高湿度槽9´に通すことより表面を軽くグリーン化し、引き続いてこの表面を軽くグリーン化した緻密補強スラリー層24の上に発泡スラリー8を供給しながら発泡スラリー層を成形し、引き続いて高温・高湿度槽9および乾燥槽11に通すことにより緻密補強グリーン層およびスポンジ状グリーン層からなる複合グリーン板10を作製し、この複合グリーン板を脱脂装置および焼成炉(いずれも図示せず)を通すことにより脱脂、焼成して図1および図2に示されるこの発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板20を製造することもできる。
【0017】
前記高温・高湿度槽9´を設けたのは、複合グリーン板を作製する際に緻密補強層形成スラリー19と発泡スラリー8が混合しないように緻密補強スラリー層24の表面を軽くグリーン化するためのものである。
【0018】
さらに、この発明は、気孔率:4容量%未満または空孔の存在しない高強度の焼成金属緻密補強層を積層した高強度スポンジ状焼成金属複合板に特徴を有するものである。気孔率:4容量%未満または空孔の存在しない高強度の焼成金属緻密補強層は通気性が十分でないために、複数のパンチング穴を設けた焼成金属緻密補強層、網状の焼成金属緻密補強層、間隔をおいて平行に並べた焼成金属緻密補強層などを積層させる必要がある。
【0019】
この発明の気孔率:4容量%未満または空孔の存在しない高強度の焼成金属緻密補強層を積層した高強度スポンジ状焼成金属複合板を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図5は、この発明の気孔率:4容量%未満または空孔の存在しない高強度の焼成金属緻密補強層を積層した高強度スポンジ状焼成金属複合板20の平面説明図であり、図6は、図5のI−I断面図である。図5および図6において、1は連続空孔、2は気孔率:4容量%未満または空孔の存在しない高強度の焼成金属緻密補強層である。図5および図6に示されるように、焼成金属緻密補強層2を有する高強度スポンジ状焼成金属複合板20は、スポンジ状焼成金属層22の片面に、スポンジ状焼成金属層22の長手方向に平行に狭幅な帯状の焼成金属緻密補強層2が間隔をおいて形成されており、この図5および図6に示される焼成金属緻密補強層2を有する高強度スポンジ状焼成金属複合板20は所定の形状に切断してそのまま高温用フィルター、空気清浄機用フィルターとして使用できる。
【0021】
また、図5および図6に示される高強度スポンジ状焼成金属複合板20は、図7に示されるように、焼成金属緻密補強層2を有する部分と連続空孔1を有する部分が対になるように切断してアルカリ二次電池の電極基板3を製造することができる。図7に示されるように焼成金属緻密補強層2が存在し、この焼成金属緻密補強層2に集電用のタブ4を溶接5しても連続空孔1が潰れることがなく、したがって連続空孔1の占める割合が減少せず、電極全体に含まれる活物質の量が集電用のタブの溶接により減少することはない。
【0022】
この発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板20の片面に形成される焼成金属緻密補強層2は、図5では狭幅な帯状の焼成金属緻密補強層2が長さ方向に平行に間隔をおいて形成されているが、格子状または網状(図示せず)であっても良く、またこれ以外の任意の形状であっても良く、図5〜図7に示した形状に特に限定されるものではない。
【0023】
例えば、図8に示されるパンチング穴18を有する高強度の広幅の緻密補強グリーンテープ17を予め作製し、このパンチング穴18を有する緻密補強グリーンテープ17を図3の断面説明図に示されるように、キャリヤーシート6上に載置するように供給し、このパンチング穴18を有する緻密補強グリーンテープ17の上に発泡スラリー8を供給しながらパンチング穴18を有する緻密補強グリーンテープ17の上に発泡スラリー8を薄板状に成形し、前記発泡スラリー8に含まれる揮発性有機溶剤の蒸気圧および界面活性剤の起泡性を利用してスポンジ状に発泡させた後、乾燥させて緻密補強グリーン層およびスポンジ状グリーン層からなる複合グリーン板を作製し、この複合グリーン板を脱脂装置および焼成炉(いずれも図示せず)を通すことにより脱脂、焼成し、図9(a)の平面図および図9(b)の断面図に示されるような、連続空孔1を有しかつ片面にパンチング穴18を設けた焼成金属緻密補強層2を有するこの発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板20を製造することができる。この様にして得られた高強度スポンジ状焼成金属複合板20は、図9(a)の平面図および図9(b)の断面図に示されるように、連続空孔1が高強度スポンジ状焼成金属複合板20の裏面の焼成金属緻密補強層2のパンチング穴18から露出した構造となっている。
【0024】
この発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板は、図3および図4に示されるように、原料粉末(フィラー)とシンナーとの混合体または原料粉末(フィラー)とシンナーと界面活性剤との混合体からなるスラリーをドクターブレード法によりキャリヤーシート上に延ばしこれを加熱.乾燥して焼成金属緻密補強層を形成するための緻密補強グリーン層を形成し、この緻密補強グリーン層の上に、原料粉末(フィラー)、シンナー、界面活性剤および発泡剤を添加して作製した発泡スラリーをドクターブレード法により延ばしこれを加熱.乾燥して前記緻密補強グリーン層の上にスポンジ状焼成金属層を形成するためのスポンジ状グリーン層を形成することによって緻密補強グリーン層およびスポンジ状グリーン層からなる複合グリーン板を作製し、この複合グリーン板を脱脂、焼成することにより製造することができる。
【0025】
前記(1)〜(3)記載の高強度スポンジ状焼成金属複合板は、高温用フィルター、空気清浄機用フィルター、アルカリ二次電池の電極基板を作製するための素材とすることができるが、特にアルカリ二次電池の電極基板を作製することが好ましい。
【0026】
従って、この発明は、
(4)前記(1)〜(3)記載の高強度スポンジ状焼成金属複合板を用いて作製したアルカリ二次電池の電極基板、に特徴を有するものである。
【0027】
なお、この発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板を製造するための原料粉末は、Ni粉末、Ni基合金粉末、Cu粉末、Cu基合金粉末、Fe粉末またはFe基合金粉末であることが好ましいが、その他の金属粉末でも良く、これに限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
実施例1
表1に示す配合組成で、フィラーとシンナーを配合し、密閉容器中で4時間混練して緻密補強層形成スラリーを作製し、これを図4に示されるホッパー12´に貯蔵した。
次に、表2に示す配合組成で、フィラーとシンナーを配合し、密閉容器中で24時間混練したのち、表2に示す量の界面活性剤を添加して減圧下で15分間混練し、ついで表2に示す量の発泡剤を添加して大気圧下で5分間混練し、発泡スラリーを調整し、得られた発泡スラリーを図4に示されるホッパー12に貯蔵した。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
まず、表1に示す緻密補強層形成スラリー19を図4のキャリアーシート6上にブレードギャップ0.1mmで緻密補強スラリー層24を形成し、このスラリー層を高温・高湿度槽9´に通して30℃、2分間乾燥させることにより表面を軽く乾燥したのち、これを表2に示す発泡スラリー8を貯蔵するホッパー12の下に供給し、発泡スラリー8をブレードギャップ0.4mmで塗工することにより積層スラリーを作製し、この積層スラリーを図4の高温・高湿度槽9に供給し、そこで温度:40℃、湿度:90%、20分間保持の条件で発泡させたのち、温度:80℃、15分間保持の条件の温風乾燥を行い、緻密補強グリーン層およびスポンジ状グリーン層からなる複合グリーン板10を作製した。
【0032】
この複合グリーン板を脱脂装置(図示せず)の中を通しながら、空気中温度:500℃、15分間保持の条件で脱脂し、続いて焼成炉(図示せず)の中を通しながら、N2 −5%H2 雰囲気中、表3に示される条件で焼成することにより表3に示されるスポンジ状焼成金属層および焼成金属緻密補強層からなるこの発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板(以下、本発明複合板という)1〜3を作製した。
【0033】
この様にして得られた本発明複合板1〜3について、その一部を樹脂に埋め込み、断面を研磨し、光学顕微鏡で倍率100倍で観察することによりスポンジ状焼成金属層および焼成金属緻密補強層の気孔率、これらの厚さの比を測定し、また弯曲の有無およびスポンジ状焼成金属層に亀裂が発生しているか否かを観察し、その結果を表3に示した。さらに放電加工機でJISZ2201(金属材料引張試験片)13A号形状に切断して引張試験を行い、さらに、幅10mm、長さ200mmに切断し、4端子法により比抵抗を測定し、それらの結果を表3に示した。
【0034】
さらに、水酸化ニッケル粉末92重量%、一酸化コバルト粉末8重量%からなる混合粉末に対し、カルボキシメチルセルロース(CMC)を1重量%、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を3重量%、純水30重量%添加し、混練することによりペースト状の活物質を作製し、本発明複合板1〜3にこの活物質を含浸させ、温度:100℃、3時間乾燥させ、これをさらに圧延ロールを用いて30%圧延し、圧延後の本発明複合板1〜3の断面を光学顕微鏡で観察し、スポンジ状焼成金属層と焼成金属緻密補強層の剥離の有無を観察し、その結果を表3に示した。
【0035】
従来例1
パンチング穴を設けた厚さ:60μmのNi薄板の表面に、実施例1の表2に示される発泡スラリーをドクターブレード法により塗工し、実施例1と同じ条件でパンチング穴を設けたNi薄板の表面にスポンジ状焼成金属層を形成した従来複合板1を作製し、得られた従来複合板1について実施例1と同じ測定および観察を行い、それらの結果を表3に示した。
【0036】
従来例2
実施例1の表2に示される発泡スラリーをドクターブレード法により緻密補強層を持たないスポンジ状焼成金属板を作製し、得られた板について実施例1と同じ測定および観察を行い、それらの結果を表3に示した。
【0037】
【表3】

【0038】
表3に示される結果から、本発明複合板1〜3はいずれも高温用フィルター、空気清浄機用フィルター、アルカリ二次電池の電極基板を作製するための素材として使用できることが分かる。しかし、従来複合板1はスポンジ状焼成金属層側に弯曲し、これを修正しようとしたところスポンジ状焼成金属層に亀裂が発生するなど、高温用フィルター、空気清浄機用フィルター、アルカリ二次電池の電極基板を作製するための素材として使用できなかった。また、従来例2のスポンジ状焼成金属板は、強度が小さく、高温用フィルターの空気清浄機用フィルターとして使用できず、また比抵抗が大きいことから、アルカリ二次電池の電極板として良い結果が得られなかった。
【0039】
実施例2
表4に示す配合組成で、まずシンナーを調製し、それにフィラーを配合し、密閉容器中で8時間混練してスラリー状とし、公知のドクターブレード法で成形し、自然乾燥した後、幅4mmにスリットして厚さ0.1mm、幅4mmの寸法を有し、気孔率:0%を有する長尺の緻密補強グリーンテープを製造した。
【0040】
【表4】

【0041】
次に、表5に示す配合組成で、まず、フィラーとシンナーを24時間混練した後、界面活性剤を添加して減圧下で15分間混練し、次いで発泡剤を添加して大気圧下で5分混練し、発泡スラリーを調製した。
【0042】
【表5】

【0043】
前記緻密補強グリーンテープを、図3に示されるように、キャリヤーシート上に6cm間隔で供給し、この緻密補強グリーンテープを載置した前記キャリヤーシートの上に発泡スラリーを、ブレードギャップ:0.4mm、送り速度:0.4mm/分の条件でドクターブレード法により板状に成形し、次いで温度:40℃、湿度:90%、20分間保持の条件で発泡スラリーに含まれる揮発性有機溶剤の蒸気圧および界面活性剤の起泡性を利用してスポンジ状に発泡させた後、温風乾燥、温度:80℃、15分間保持の条件で乾燥させて片面に緻密補強グリーンテープおよびスポンジ状グリーン層からなる複合グリーン板を作製した。
【0044】
この複合グリーン板を脱脂装置(図示せず)の中を通しながら、空気中、温度:600℃、30分間保持の条件で脱脂し、続いて焼成炉(図示せず)の中を通しながらN2 −5%H2 、温度:1100℃、30分間保持の条件で焼成することにより焼成金属緻密補強層を有する本発明複合板4を作製した。この本発明複合板4を放電加工機でJISZ2201(金属材料引張試験片)13A号形状に切断して焼成金属緻密補強層を有する引張試験片を作製した。さらに焼成金属緻密補強層がない引張試験片を作製し、これら引張試験片を用いて引張試験を行い、その結果を表6に示した。
【0045】
【表6】

【0046】
表6に示される結果から、焼成金属緻密補強層を設けることによりスポンジ状多孔質金属板の引張強さが格段に向上することが分かる。
【0047】
実施例3
次に、実施例2で得られた本発明複合板4を放電加工機で切断し、図7に示される構造の焼成金属緻密補強層を有する本発明アルカリ二次電池の電極基板を作製し、得られた本発明アルカリ二次電池の電極基板に水酸化ニッケルを主成分とする活物質を充填した後、圧下率:50%で圧延プレスし、焼成金属緻密補強層を含む全体の平均活物質充填密度を測定し、その結果を表7に示した。
【0048】
さらに、比較のために、表5に示される発泡スラリーを図10に示される装置を用いて実施例2と同じ条件でスポンジ状グリーン板を作製し、このスポンジ状グリーン板を実施例2と同じ条件で脱脂し、続いて実施例2と同じ条件で焼成することによりスポンジ状多孔質金属板を作製した。このスポンジ状多孔質金属板に抵抗溶接によりニッケルテープを接合し、このニッケルテープを接合したスポンジ状多孔質金属板を放電加工機で切断することにより従来アルカリ二次電池の電極基板を作製し、得られた従来アルカリ二次電池の電極基板に水酸化ニッケルを主成分とする活物質を充填して圧下率:50%で圧延プレスし、ニッケルテープ接合部を含む全体の平均活物質充填密度を測定し、その結果を表7に示した。
【0049】
【表7】

【0050】
表7に示される結果から明らかなように、この発明の方法で製造したスポンジ状多孔質金属板を用いて作製した本発明アルカリ二次電池の電極基板は、従来アルカリ二次電池の電極基板に比べて平均活物質充填密度を4%多くできることが分かる。
【0051】
実施例4
表8に示す組成の緻密補強層形成スラリーA〜Eおよび表9に示す組成の発泡スラリーA〜Eを作製した。
【0052】
【表8】

【0053】
【表9】

【0054】
表8の緻密補強層形成スラリーAをホッパー12´に貯蔵し、さらに表9の発泡スラリーAをホッパー12に貯蔵し、緻密補強層形成スラリーAを図4のキャリアーシート6上にブレードギャップ0.2mmで緻密補強スラリー層24を形成し、このスラリー層を高温・高湿度槽9´に通して30℃、2分間乾燥させることにより表面を軽く乾燥したのち、これを表9に示す発泡スラリーAを貯蔵するホッパー12の下に供給し、発泡スラリー8をブレードギャップ0.5mmで塗工することにより積層スラリーを作製し、この積層スラリーを図4の高温・高湿度槽9に供給し、そこで温度:40℃、湿度:90%、20分間保持の条件で発泡させたのち、温度:80℃、15分間保持の条件の温風乾燥を行い、緻密補強グリーン層およびスポンジ状グリーン層からなる複合グリーン板を作製した。
【0055】
この複合グリーン板を脱脂装置(図示せず)の中を通しながら、表10に示す条件で脱脂し、続いて焼成炉(図示せず)の中を通しながら、表10に示される条件で焼成することにより表11に示されるスポンジ状焼成金属層および焼成金属緻密補強層からなる本発明複合板5を作製した。
この様にして得られた本発明複合板5について、実施例1と同様にしてスポンジ状焼成金属層および焼成金属緻密補強層の気孔率、これらの厚さの比、弯曲の有無並びにスポンジ状焼成金属層に亀裂が発生しているか否かを観察し、その結果を表11に示した。
【0056】
表8の緻密補強層形成スラリーBと表9の発泡スラリーB、表8の緻密補強層形成スラリーCと表9の発泡スラリーC、表8の緻密補強層形成スラリーDと表9の発泡スラリーD、表8の緻密補強層形成スラリーEと表9の発泡スラリーEについても、表8の緻密補強層形成スラリーAと表9の発泡スラリーAと同様にして複合グリーン板を作製し、これら複合グリーン板を脱脂装置(図示せず)の中を通しながら、表10に示す条件で脱脂し、続いて焼成炉(図示せず)の中を通しながら、表10に示される条件で焼成することにより表11に示されるスポンジ状焼成金属層および焼成金属緻密補強層からなる本発明複合板5〜9を作製した。
【0057】
この様にして得られた本発明複合板5〜9について、実施例1と同様にして弯曲の有無並びにスポンジ状焼成金属層に亀裂が発生しているか否かを観察し、その結果を表11に示した。
【0058】
【表10】

【0059】
【表11】

【0060】
表11に示される結果から、この発明の方法により作製した本発明複合板5〜9はいずれも弯曲することがなく、さらにスポンジ状焼成金属層に亀裂が発生することがないので高温用フィルター、空気清浄機用フィルターを作製するための素材として使用できることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】高強度スポンジ状焼成金属複合板の断面拡大模型図である。
【図2】高強度スポンジ状焼成金属複合板の断面拡大模型図である。
【図3】この発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板の製造に使用する緻密補強グリーン層を有する複合グリーン板を製造するための装置の断面説明図である。
【図4】この発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板の製造に使用する緻密補強グリーン層を有する複合グリーン板を製造するための装置の断面説明図である。
【図5】この発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板の平面概略図である。
【図6】図5のI−I断面図である。
【図7】この発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板を用いて作製したアルカリ二次電池の電極基板の平面図である。
【図8】パンチング穴を有する緻密補強グリーンテープの平面図である。
【図9】パンチング穴を設けた焼成金属緻密補強層を有するこの発明の高強度スポンジ状焼成金属複合板の平面概略図である。
【図10】従来のスポンジ状多孔質金属板の製造に使用する複合グリーン板を製造するための装置の断面説明図である。
【符号の説明】
【0062】
1 連続空孔
2 焼成金属緻密補強層
3 アルカリ二次電池の電極基板
4 タブ
5 溶接
6 キャリヤーシート
7 ドクターブレード
8 発泡スラリー
9 高温・高湿度槽
10 複合グリーン板
11 乾燥槽
12 ホッパー
12´ ホッパー
13 巻き出しリール
14 巻取リール
15 支持ロール
16 支持ロール
17 緻密補強グリーンテープ
18 パンチング穴
19 緻密補強層形成スラリー
20 高強度スポンジ状多孔質金属複合板
21 焼成金属緻密補強層
22 スポンジ状焼成金属層
23 骨格部分
24 緻密補強スラリー層
32 スポンジ状焼成金属層
33 骨格部分
34 骨格内微細空孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡剤を含むスラリーを用いて形成した表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔(以下、連続空孔という)を有し気孔率:70〜99容量%を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層の片面に、発泡剤を含まないスラリーを用いて形成したスポンジ状焼成金属層の気孔率よりも小さい気孔率:0〜55(0も含む)容量%を有する高強度の焼成金属緻密補強層を積層してなる高強度スポンジ状焼成金属複合板であって、前記焼成金属緻密補強層の厚さは高強度スポンジ状焼成金属複合板全体の厚さの0.5〜30%の厚さを有することを特徴とする高強度スポンジ状焼成金属複合板。
【請求項2】
発泡剤を含むスラリーを用いて形成した連続空孔を有し気孔率:70〜99容量%を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層の片面に、発泡剤を含まないスラリーを用いて形成した表面に開口し内部の空孔に連続している前記スポンジ状焼成金属層の連続空孔よりも一層微細な連続空孔を有しかつスポンジ状焼成金属層の気孔率よりも小さい気孔率:4〜55容量%を有する高強度の焼成金属緻密補強層を積層してなる高強度スポンジ状焼成金属複合板であって、前記焼成金属緻密補強層の厚さは高強度スポンジ状焼成金属複合板全体の厚さの0.5〜30%の厚さを有することを特徴とする高強度スポンジ状焼成金属複合板。
【請求項3】
発泡剤を含むスラリーを用いて形成した連続空孔を有し気孔率:70〜99容量%を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層の片面に、発泡剤を含まないスラリーを用いて形成した気孔率:4容量%未満または空孔の存在しない高強度の焼成金属緻密補強層を積層してなる高強度スポンジ状焼成金属複合板であって、前記焼成金属緻密補強層の厚さは高強度スポンジ状焼成金属複合板全体の厚さの0.5〜30%の厚さを有することを特徴とする高強度スポンジ状焼成金属複合板。
【請求項4】
前記連続空孔を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層は、平均空孔径:100〜700μmの連続空孔を有し、気孔率:70〜99容量%を有することを特徴とする請求項1、2または3記載の高強度スポンジ状焼成金属複合板。
【請求項5】
前記連続空孔を有する高気孔率のスポンジ状焼成金属層は、平均空孔径:100〜700μmの連続空孔と、平均孔径が0.5〜20μmの骨格内微細空孔を有する気孔率:10〜55容量%の骨格部分とで構成されており、気孔率:70〜99容量%を有することを特徴とする請求項1、2、3または4記載の高強度スポンジ状焼成金属複合板。
【請求項6】
前記スポンジ状焼成金属層および焼成金属緻密補強層は、いずれもNi粉末またはNi基合金粉末を焼成してなる焼成金属からなることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の高強度スポンジ状焼成金属複合板。
【請求項7】
請求項6記載の高強度スポンジ状焼成金属複合板を用いて作製したアルカリ二次電池の電極基板。
【請求項8】
前記スポンジ状焼成金属層および焼成金属緻密補強層は、いずれもNi粉末、Ni基合金粉末、Cu粉末、Cu基合金粉末、Fe粉末またはFe基合金粉末を焼成してなる焼成金属からなることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の高強度スポンジ状焼成金属複合板。
【請求項9】
請求項8記載の高強度スポンジ状焼成金属複合板を用いて作製したフィルター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−126753(P2007−126753A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−332873(P2006−332873)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【分割の表示】特願2003−312569(P2003−312569)の分割
【原出願日】平成11年2月24日(1999.2.24)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】