説明

高誘電率樹脂組成物を用いたプリプレグ、および銅張積層板

【課題】高誘電率、低誘電正接で、製造時の作業性に優れた高誘電率樹脂組成物を用いたプリプレグ、および銅張積層板を提供する。
【解決手段】末端をスチレン変性した数平均分子量500〜3000の熱硬化性ポリフェニレンエーテルと、スチレン系エラストマーとを、前記熱硬化性ポリフェニレンエーテルと前記スチレン系エラストマーとの混合比が質量比で60:40〜80:20となるよう配合した混合樹脂(A)に、平均粒径D50が0.7以上で最大粒子径10μm以下の高誘電率無機絶縁フィラーを、前記混合樹脂(A)100質量部に対して250〜900質量部となるよう配合した、測定周波数1GHzでの室温における誘電率が10以上、誘電正接が0.01未満である高誘電率樹脂組成物(B)を、ガラスクロスまたはガラス不織布に付着させたプリプレグ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器用の基板材料、特に高周波領域で用いられる機器に使用される電子部品および回路基板の製造に好適なプリプレグ、および銅張積層板に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電子工業,通信工業の各分野で使用される周波数は,高周波領域での利用が増えてきている。このような高周波領域で用いられる機器に使用されるプリント配線板としては、誘電正接が低いものが必要となり、又回路の小型化には誘電率の高い物が必要となってきている。
【0003】
これらを満足するものとしてガラス布基材に高誘電率フィラーを配したフッ素樹脂を含浸し、それらを積層した積層板や,ガラス布基材に高誘電率フィラーを配したポリフェニレンエーテル樹脂(=ポリフェニレンオキサイド樹脂)を含浸した積層板などがある(下記特許文献1、2参照)。しかしながら上記積層板に使用されるフッ素樹脂は高融点であるため、一般にプリント配線板用のプリプレグ製造時や銅張積層板形成時のプレス成型時に300℃以上の高温処理が必要であり、また、従来のポリフェニレンエーテル樹脂は、汎用の有機溶媒への溶解性が悪く、プリプレグ製造時に溶解してワニスとする際に、加熱したトルエン等を用いて溶解し、更には加熱状態で塗布を行うため、作業性、安全性、環境性の課題があった。
【0004】
一方、汎用の有機溶剤に可溶なエポキシ樹脂を用いた高誘電率フィラー配合プリプレグの開示もあるが(下記特許文献3参照)、樹脂自体の誘電正接がフッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂に比べ高くなる為、低誘電正接を目的にするには不十分なものになるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−123712号公報
【特許文献2】特開平5−057852号公報
【特許文献3】特開平7−133359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、高誘電率、低誘電正接で、製造時の作業性に優れたプリプレグ、および銅張積層板の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は下記の構成を有する。
(1)末端をスチレン変性した数平均分子量500〜3000の熱硬化性ポリフェニレンエーテルと、スチレン系エラストマーとを、前記熱硬化性ポリフェニレンエーテルと前記スチレン系エラストマーとの混合比が質量比で60:40〜80:20となるよう配合した混合樹脂(A)に、平均粒径D50が0.7μm以上で最大粒子径10μm以下の高誘電率無機絶縁フィラーを、前記混合樹脂(A)100質量部に対して250〜900質量部となるよう配合した、測定周波数1GHzでの室温における誘電率が10以上、誘電正接が0.01未満である高誘電率樹脂組成物(B)を、ガラスクロスまたはガラス不織布に付着させてなることを特長とするプリプレグ。
【0008】
(2)体積比が、ガラスクロスまたはガラス不織布のガラス成分と高誘電率樹脂組成物(B)の総量に対し、前記ガラス成分が10〜35vol%、前記高誘電率樹脂組成物(B)が90〜65vol%であることを特徴とする前記(1)記載のプリプレグ。
【0009】
(3)測定周波数1GHzでの室温における誘電率が6以上、誘電正接が0.01未満であることを特徴とする前記(1)または(2)記載のプリプレグ。
【0010】
(4)プリント配線板用銅箔あるいは回路形成後のプリント配線版の表面に、前記(1)乃至(3)のいずれか一項記載のプリプレグを、1層又は2層以上積層成型してなる銅張積層板。
【発明の効果】
【0011】
本発明のプリプレグ及び銅張積層板は、上記のように特定の組成を有するため、高誘電率、低誘電正接であり、製造時の作業性、安全性、環境性の点からも有利である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明において、ガラスクロスまたはガラス不織布に付着させる上記高誘電率樹脂組成物(B)における樹脂成分は、末端をスチレン変性した数平均分子量500〜3000の熱硬化性ポリフェニレンエーテルと、スチレン系エラストマーとを、前記熱硬化性ポリフェニレンエーテルと前記スチレン系エラストマーとの混合比が質量比で60:40〜80:20となるよう配合した混合樹脂(A)からなる。末端をスチレン変性した数平均分子量500〜3000の熱硬化性ポリフェニレンエーテルは、室温で汎用の有機溶剤に可溶であり、製造時の作業性、安全性、環境性を向上させることができる。
【0013】
上記スチレン系エラストマーとしては、上記熱硬化性ポリフェニレンエーテルとの相溶性が高く、誘電特性に優れるスチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBS)、水添型スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)およびその変性体が挙げられる。
【0014】
上記混合樹脂(A)において、上記熱硬化性ポリフェニレンエーテルと上記スチレン系エラストマーとの混合比は、質量比で60:40〜80:20(上記熱硬化性ポリフェニレンエーテルと上記スチレン系エラストマーの合計を100とする。)となるよう配合する必要がある。上記スチレン系エラストマーの質量比が20未満であると、樹脂組成物の流動性が高くなり過ぎて積層板作成のプレス成形時に樹脂が積層板端部から流れ易くなり、板厚のバラツキ範囲が広くなるという問題が生じる。また、上記スチレン系エラストマーの質量比が40を超えると、樹脂組成物の流動性が低くなり過ぎて、ボイドやカスレが生じる。
【0015】
なお、上記混合樹脂(A)において、上記熱硬化性ポリフェニレンエーテル、上記スチレン系エラストマーのそれぞれは2種以上を混合して使用しても良い。
【0016】
本発明において、混合樹脂(A)に配合して高誘電率樹脂組成物(B)を構成する高誘電率無機絶縁フィラーとしては、二酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシム、チタン酸鉛が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上を混合して使用できる。
【0017】
上記高誘電率無機絶縁フィラーは、平均粒径D50が0.7以上である必要がある。平均粒径D50が0.7μm未満であると、樹脂組成物のチキソ性が大きくなり樹脂流動性が低下するため、回路上に積層した際の回路間の樹脂埋め性が不十分になる。
【0018】
また、本発明において、上記高誘電率無機絶縁フィラーは、最大粒径が10μm以下である必要がある。高誘電率樹脂組成物をキャパシタとして使用する場合,一定面積の2層回路間で容量を上げるには絶縁層を薄くする必要があるが、高誘電率無機絶縁フィラーが2層回路間で上下に突き抜けないように絶縁層の厚みを高誘電率無機絶縁フィラーの最大粒径以上にする必要がある。高誘電率無機絶縁フィラーの最大粒径が10μmを超えると、絶縁層の厚みが大きくなりすぎ、キャパシタとして使用する場合、容量不足となる可能性がある。
【0019】
上記高誘電率無機絶縁フィラーは、前記混合樹脂(A)100質量部に対して250〜900質量部となるよう配合する必要がある。高誘電率無機絶縁フィラーの含有量が900質量部を超えると樹脂組成物の成形が困難となり、250質量部未満であると誘電率が低くなり、高誘電率無機フィラーの配合効果が見られない。
【0020】
本発明において、ガラスクロスまたはガラス不織布に付着させる高誘電率樹脂組成物(B)は、上記の構成とすることにより、その硬化物の測定周波数1GHzでの室温における誘電率を10以上、誘電正接を0.01未満とすることができ、かつ積層板成型時にボイドやカスレもなく、成型可能となる。また、製造時の作業性、安全性、環境性も向上する。
【0021】
本発明のプリプレグは、例えば、混合樹脂(A)を構成する上記熱硬化性ポリフェニレンエーテルと、上記スチレン系エラストマーとを溶媒に溶解して溶液とし、該溶液に高誘電率無機絶縁フィラーを添加して分散させたのち、ガラスクロスまたはガラス不織布に付着させ、Bステージ状に溶媒を乾燥させることで製造でき、混合樹脂(A)中に高誘電率無機絶縁フィラーが分散された高誘電率樹脂組成物(B)が付着されたプリプレグを形成することができる。なお、高誘電率樹脂組成物(B)をガラスクロスまたはガラス不織布に付着させる方法としては、上記の高誘電率樹脂組成物(B)が溶解、分散された溶液をガラスクロスまたはガラス不織布に、含浸させる、吹き付ける、塗布する等の方法が挙げられるが、含浸させるのが生産性に優れる。
【0022】
上記高誘電率樹脂組成物(B)には、本発明の作用を阻害しない範囲で難燃剤、樹脂改質材等の添加剤を添加しても良い。
【0023】
本発明のプリプレグは、体積比が、ガラスクロスまたはガラス不織布のガラス成分と高誘電率樹脂組成物(B)の総量に対し、前記ガラス成分が10〜35vol%、前記高誘電率樹脂組成物(B)が90〜65vol%であるのが好ましい。上記ガラス成分が10vol%未満であると、樹脂成分が多くなり、ガラスクロスまたはガラス不織布による補強効果が低下する。ガラス成分が35vol%を超えると、プリプレグの誘電率が低くなり、実用的でなくなる。
【0024】
本発明において、実用上、プリプレグの測定周波数1GHzでの室温における誘電率が6以上、誘電正接が0.01未満となるようにするのが好ましい。プリプレグにおいて、高誘電率樹脂組成物(B)をガラスクロスやガラス不織布とくみあわせると、樹脂組成物の硬化物より、誘電率が低下するが、プリプレグの誘電率及び誘電正接は、上記高誘電率樹脂組成物(B)を用い、ガラスクロスまたはガラス不織布と高誘電率樹脂組成物(B)の体積比によって調整できる。
【0025】
プリント配線板用銅箔あるいは回線形成後のプリント配線版の表面に、本発明のプリプレグを、1層又は2層以上積層成型することにより銅張積層板を得ることが出来る。即ち、本発明の銅張積層版において、プリプレグは2層以上の多層体として使用しても良い。
【0026】
本発明において、上記銅張積層板は、本発明の作用を阻害しない範囲で、他層を有していても良い。また、上記銅箔あるいはプリント配線板は、プリプレグあるいはその積層体の片面あるいは両面のいずれに形成しても良い。
【0027】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが,本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0028】
混合樹脂(A)成分として、末端をスチレン変性した数平均分子量1200の熱硬化性ポリフェニレンエーテル70質量部と水添型スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS:タフテックH1041,旭化成ケミカルズ(株)製)30質量部を、室温のトルエンに溶解させ、樹脂固形分濃度35重量%の溶液とし、その後高誘電率無機絶縁フィラーとして平均粒径D50が0.9μmのチタン酸ストロンチウム粉末を混合樹脂(A)成分100質量部に対して400質量部添加し、完全に分散するまで攪拌して高誘電率樹脂組成物(B)を含むワニスを作製した。このワニスを、ガラスクロス(#2116、日東紡績(株)製)に、ガラスクロスのガラス成分と高誘電率樹脂組成物(B)の総量に対し、高誘電率樹脂組成物(B)が体積比で70vol%となるように含浸させ、トルエンを乾燥させてプリプレグを得た。
作成したプリプレグ3枚を重ね、温度180℃、圧力40kg/cmでプレス成型して、厚さ0.3mmの積層板を得た。また、積層板の断面を450倍の顕微鏡で観察し積層板内部のボイドの有無を確認してプレス成形性を評価した。
さらに、厚さ35μmの電解銅箔(プリント配線板用銅箔:JTC,日鉱金属(株)製)の銅箔上に上記プリプレグを4枚積層し、温度180℃、圧力40kg/cm、時間60分で加熱・加圧して、銅張積層板を得た。該銅張積層板から、銅箔を除去したもの(プリプレグの積層体)について、RF I−V法により1GHzにおける誘電率および誘電正接を測定した。
【実施例2】
【0029】
ガラスクロスのガラス成分と高誘電率樹脂組成物(B)の総量に対し、高誘電率樹脂組成物(B)が体積比で85vol%となるように含浸させた以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび銅張積層板を得た後、実施例1と同様にプリプレグから成型した積層体の誘電率、誘電正接、プレス成形性を確認した。
【実施例3】
【0030】
高誘電率無機絶縁フィラーとして、平均粒径D50が0.9μmのチタン酸ストロンチウム粉末を混合樹脂(A)成分100質量部に対して300質量部添加し、ガラスクロスのガラス成分と高誘電率樹脂組成物(B)の総量に対し、高誘電率樹脂組成物(B)が体積比で65vol%となるように含浸させた以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび銅張積層板を得た後、実施例1と同様にプリプレグから成型した積層体の誘電率、誘電正接、プレス成形性を確認した。
【実施例4】
【0031】
混合樹脂(A)成分を、末端をスチレン変性した数平均分子量2200の熱硬化性ポリフェニレンエーテル70質量部と水添型スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS:タフテックH1041,旭化成ケミカルズ(株)製)30質量部とした以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび銅張積層板を得た後、実施例1と同様にプリプレグから成型した積層体の誘電率、誘電正接、プレス成形性を確認した。
【実施例5】
【0032】
混合樹脂(A)成分を、末端をスチレン変性した数平均分子量1200の熱硬化性ポリフェニレンエーテル60質量部と水添型スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS:タフテックH1041,旭化成ケミカルズ(株)製)40質量部とした以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび銅張積層板を得た後、実施例1と同様にプリプレグから成型した積層体の誘電率、誘電正接、プレス成形性を確認した。
【0033】
比較例1
混合樹脂(A)成分として、末端をスチレン変性した数平均分子量16000の熱硬化性ポリフェニレンエーテル70質量部と水添型スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS:タフテックH1041,旭化成ケミカルズ(株)製)30質量部を、80℃のトルエンに溶解させ、樹脂固形分濃度35重量%の溶液とし、80℃でガラスクロスに含浸させた以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび銅張積層板を得た後、実施例1と同様にプリプレグから成型した積層体の誘電率、誘電正接、プレス成形性を確認した。
【0034】
比較例2
混合樹脂成分(A)として、末端をスチレン変性した数平均分子量1200の熱硬化性ポリフェニレンエーテル50質量部と水添型スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS:タフテックH1041,旭化成ケミカルズ(株)製)50質量部とした以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび銅張積層板を得た後、実施例1と同様にプリプレグから成型した積層体の誘電率、誘電正接、プレス成形性を確認した。
【0035】
比較例3
実施例1の水添型スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS:タフテックH1041,旭化成ケミカルズ(株)製)の代わりに、ニトリルブタジエンゴム(NBR:Nipol 1001、日本ゼオン(株)製)30質量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび銅張積層板を得た後、実施例1と同様にプリプレグから成型した積層体の誘電率、誘電正接、プレス成形性を確認した。
【0036】
比較例4
高誘電率無機絶縁フィラーとして平均粒径D50が0.9μmのチタン酸ストロンチウム粉末を、混合樹脂(A)成分100質量部に対して950質量部を添加した以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび銅張積層板を得ようとしたが、成形不能であった。
【0037】
比較例5
高誘電率無機絶縁フィラーとして、平均粒径D50が0.3μmのチタン酸ストロンチウムを、混合樹脂(A)成分100質量部に対して400質量部を添加した以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび銅張積層板を得た後、実施例1と同様にプリプレグから成型した積層体の誘電率、誘電正接、プレス成形性を確認した。
【0038】
比較例6
高誘電率無機絶縁フィラーとして平均粒径D50が0.8μmのチタン酸バリウム粉末を、混合樹脂(A)成分100質量部に対して200質量部を添加した以外は実施例1と同様にしてプリプレグおよび銅張積層板を得た後、実施例1と同様にプリプレグから成型した積層体の誘電率、誘電正接、プレス成形性を確認した。
【0039】
実施例および比較例について、プリプレグから成型した積層体の誘電率、誘電正接、プレス成形性を確認した結果を表1に示す。
【0040】
【表1】


混合樹脂成分
PPE樹脂:末端をスチレン変性した熱硬化性ポリフェニレンエーテル
A:数平均分子量 1200
B:数平均分子量 2200
C:数平均分子量 16000
エラストマー
A:SEBS
B:NBR
無機フィラー(高誘電率無機絶縁フィラー)
A:チタン酸ストロンチウム 平均粒径D50 0.9μm
最大粒径 5μm
B:チタン酸ストロンチウム 平均粒径D50 0.3μm
最大粒径 1μm
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のプリプレグおよび銅張積層板は高誘電率、低誘電正接であって、積層板成型時にボイドやカスレもなく、成型可能であり、また、製造時の作業性、安全性、環境性に優れるため、電子機器用の基板材料、特に高周波領域で用いられる機器に使用される電子部品および回路基板の製造用として好適に使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
末端をスチレン変性した数平均分子量500〜3000の熱硬化性ポリフェニレンエーテルと、スチレン系エラストマーとを、前記熱硬化性ポリフェニレンエーテルと前記スチレン系エラストマーとの混合比が質量比で60:40〜80:20となるよう配合した混合樹脂(A)に、平均粒径D50が0.7μm以上で最大粒子径10μm以下の高誘電率無機絶縁フィラーを、前記混合樹脂(A)100質量部に対して250〜900質量部となるよう配合した、測定周波数1GHzでの室温における誘電率が10以上、誘電正接が0.01未満である高誘電率樹脂組成物(B)を、ガラスクロスまたはガラス不織布に付着させてなることを特長とするプリプレグ。
【請求項2】
体積比が、ガラスクロスまたはガラス不織布のガラス成分と高誘電率樹脂組成物(B)の総量に対し、前記ガラス成分が10〜35vol%、前記高誘電率樹脂組成物(B)が90〜65vol%であることを特徴とする請求項1記載のプリプレグ。
【請求項3】
測定周波数1GHzでの室温における誘電率が6以上、誘電正接が0.01未満であることを特徴とする請求項1または2記載のプリプレグ。
【請求項4】
プリント配線板用銅箔あるいは回路形成後のプリント配線版の表面に、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリプレグを、1層又は2層以上積層成型してなる銅張積層板。

【公開番号】特開2011−1411(P2011−1411A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143891(P2009−143891)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(591045703)利昌工業株式会社 (19)
【Fターム(参考)】