高速−低速走査を用いるマスクイオン注入
改良した太陽電池製造方法は、イオン注入装置のイオンビームに対して固定したマスクを利用する。イオンビームをマスクの複数の穴を介して基板へ向ける。基板を第1走査速度で移動する際にイオン線量率で、また基板を第2走査速度で移動する際に第2イオン線量率で基板にあてられるように、基板を異なる速度で移動させる。走査速度を変更することによって、種々の線量率を対応する基板位置で基板に注入することができる。これは、イオン注入を用いて太陽電池の製造に有利な精密ドーピングプロフィールを提供することを可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、デバイス製造の分野に関する。特に、本発明は、シャドウマスクを利用するイオン注入用の走査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン注入は、基板へ導電率を変える不純物を導入するための標準的な技術である。基板および付随する薄膜構造体における精密なドーピングプロフィールは、適切なデバイス性能にとって重要である。一般に、所望の不純物材料をイオン源内でイオン化し、そのイオンを加速して所定のエネルギーのイオンビームを形成し、そのイオンビームを基板の表面に向ける。該ビーム中のエネルギーイオンが、基板材料のバルクに侵入し、基板材料の結晶格子に組み込まれて所望の導電率の領域を形成する。
【0003】
かかるイオン注入装置を用いて太陽電池を形成することができる。一般に、太陽電池は基板材料としてシリコンをしばしば用いる他の半導体デバイスに用いられるのと同じプロセスを用いて製造される。半導体太陽電池は、半導体材料における光子の吸収により発生した電荷担体を分離する内蔵電界を有する。この電界は、通常半導体材料の特異的なドーピングによって創出されるp-n接合(ダイオード)の形成により作成される。反対極性の不純物で半導体基板の一部(例えば、表面領域)をドープすることは、光を電気に変換する光起電デバイスとして使用し得るp-n接合を形成する。これらの太陽電池は、循環する天然資源を用いた無公害で平等なアクセスのエネルギーを提供する。環境問題および上昇するエネルギーコストのため、太陽電池は、世界的にさらに重要となっている。これらの高性能太陽電池の製造コストを低減することや生産能力を増大すること、あるいは高性能太陽電池に対する他の効率向上は、世界中での太陽電池の推進にプラスの影響を与えるだろう。このことは、このクリーンエネルギー技術の幅広い有用性を可能にするであろう。
【0004】
太陽電池は、効率を向上させるためのドーピングを必要とする場合がある。これは、選択エミッタ太陽電池の断面図である図1で明らかとなる。エミッタ200をドーピングし、接点202の下の領域201に付加的なドーパントを提供することは、太陽電池の効率を高め得る。領域201をより高濃度にドーピングすると導電性を向上し、接点202間のドーピングを少なくして電荷収集を向上させる。これら接点202をおよそ2〜3mm離してのみ配置することができる。領域201は、およそ50〜300μmの幅でのみ存在し得る。
【0005】
図2は、櫛形バック接点(IBC)太陽電池の断面図である。IBC太陽電池では、前記接合部が太陽電池の背面上に存在する。この特定の実施態様において、ドーピングパターンは、p-型およびn-型の交互ドーパント領域である。p+エミッタ203およびn+裏面電界204をドーピングし得る。このドーピングは、IBC太陽電池内の接合が高められた効率で機能するか、または高められた効率を有するのを可能にし得る。
【0006】
従来、太陽電池は、ドーパント含有ガラスまたは加熱されてドーパントを太陽電池内へ拡散させるペーストを用いてドーピングされてきた。これは、太陽電池の種々の領域に精密なドーピングを行うことができず、空隙、気泡または汚染物質が存在する場合には、不均一なドーピングが起こり得る。イオン注入は太陽電池の精密なドーピングを可能にするため、太陽電池はイオン注入から利益を享受できた。しかしながら、太陽電池のイオン注入は、ドーパントの特定パターンを必要とするか、または太陽電池基板の特定領域のみにイオンを注入することを必要とする場合がある。これまで、基板の特定領域のみへの注入は、フォトレジストおよびイオン注入を用いて達成されてきた。しかしながら、フォトレジストの使用は、余分に処理工程を伴うために、太陽電池の生産に余分なコストを追加する。太陽電池表面に対する他の硬質マスクは高価であり、同様に余分な処理工程を必要とする。太陽電池の小さな領域に注入することおよび注入領域間のシート抵抗をさらに低くすることは直列抵抗を改善するために利点がある。この両方は、イオン注入の使用により達成し得る。従って、本技術分野において、シャドウマスクによる改良した注入方法、より詳細には、太陽電池製造でシャドウマスクを使用するイオン注入のための走査方法が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的実施態様は、イオン注入器内でイオンを基板へ注入するための装置および方法を対象とする。例示的な方法において、イオンビームをシャドウマスクの穴を介して対象の基板を支持するように構成された基板支持体に向ける。マスクの穴と一直線になった基板の第1部分にイオンビームをあてる。基板の第1部分にイオンビームをあてたときに、基板支持体をイオンビームに対し第1走査速度で移動させる。マスクの穴と一直線になった基板の第2部分にイオンビームをあてる。基板の第2部分にイオンビームをあてたときに、基板支持体をイオンビームに対して第2走査速度で移動させ、ここで第1走査速度と第2走査速度は異なる。
【0008】
例示的実施態様において、イオン注入器は、イオン源、ビームラインアセンブリー、シャドウマスクおよび走査アセンブリーを具える。ビームラインアセンブリーは、イオン源からイオンを抽出してイオンビームを形成し、そのイオンビームを基板支持体上に配置した基板へ向けるように構成する。マスクは、基板の前面に配置し、イオンビームのそれぞれの部分がマスクを介して基板へ向かうことを可能にする複数の穴を有する。走査アセンブリーは、基板の第1部分が複数の穴と一直線になったときに第1走査速度で、また基板の第2部分が複数の穴と一直線になったときに第2走査速度で基板をイオンビームに対して移動させるように構成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、選択エミッタ太陽電池の断面図である。
【図2】図2は、櫛形バック接点太陽電池の断面図である。
【図3A】図3Aは、本発明の実施態様による代表的なイオン注入器のブロック図である。
【図3B】図3Bは、シャドウマスクを介するイオン注入の断面図である。
【図4】図4は、シャドウマスクの正面斜視図である。
【図5】図5は、本発明の実施態様による基板の速度プロフィールの例である。
【図6A】図6Aは、本発明の実施態様による図5の速度プロフィールに対応する注入方法を表す。
【図6B】図6Bは、本発明の実施態様による図5の速度プロフィールに対応する注入方法を表す。
【図6C】図6Cは、本発明の実施態様による図5の速度プロフィールに対応する注入方法を表す。
【図6D】図6Dは、本発明の実施態様による図5の速度プロフィールに対応する注入方法を表す。
【図6E】図6Eは、本発明の実施態様による図5の速度プロフィールに対応する注入方法を表す。
【図7】図7は、本発明の実施態様による図6A〜図6Eに示した注入方法に由来する基板の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好ましい実施態様を示す図面を参照しながら、本発明を以下にさらに充分に説明する。しかしながら、本発明は、数多くの異なる形態に具体化することができ、本明細書中に示す実施態様に限定されるものとみなすべきではない。むしろ、これらの実施態様は、本願の開示が詳細かつ完全なものであり、本発明の範囲を当業者に充分に伝えるように提供される。図面において、全体を通して類似の数字は類似の構成要素を表わす。
【0011】
図3Aは、イオン源チャンバ120を具えるイオン注入器115のブロック図である。電源121は、特定種のイオンを発生させるように構成したイオン源チャンバ120に必要なエネルギーを供給する。発生したイオンをイオン源から一連の電極114を介して抽出し、ビーム101にして質量分析磁石116に通す。質量分析器は、所望の質量対電荷比を有するイオンのみを分析器を介して質量分解スリット117による最大伝達用に進むことができるような特定の磁場を有するように構成される。所望の種のイオンが質量スリット117から減速ステージ118を介して補正磁石119に通る。補正磁石119を付勢して、適用した磁場の強度および方向に従ってイオンビームを偏向し、支持体(例えば、プラテン)102上に位置した加工片すなわち基板(図3Bの100)にリボンビームを向ける。いくつかの実施態様においては、第2減速ステージ122を補正磁石119と支持体102との間に配置することができる。イオンは、基板内の電子および核と衝突した際にエネルギーを失い、加速エネルギーに基づいて基板内の所望の深さで静止する。マスク104(図3bに示す)は、プラテン102を格納するプロセスチャンバ内で基板(図3bに100で示す)に近接して配置される。マスク104を、本明細書中でシャドウまたは近接マスクとも呼ぶ。マスクは、複数の穴(図3Bの105)を有し、その穴と一直線になったイオンビームの部分を基板に向けて進めることを可能にし、穴105と一直線になっていないイオンビームの部分を遮断する。
【0012】
イオンビーム101は、基板に向かって(Z方向に)進むと、その幅(X方向)よりも小さい高さ(Y方向)を有する。イオンビームの高さは幅よりも小さいため、基板の一部分のみにイオンビームがあたる。従って、基板全体を走査するためには、イオンビーム101(結果的にマスク104)が基板に対して移動しなければならず、または基板をイオンビーム101に対して移動させなければならない。しかしながら、基板の表面を走査するためにイオンビームおよびマスクが移動する場合、複雑な冷却接続および接地接続がこの走査動作をすでに空間が貴重であるプロセスチャンバ内で収容しなければならない。従って、基板をイオンビーム101に対して移動させることは、より単純である。走査アセンブリー102aをプラテン102と連結し、基板をイオンビームに対して移動させるように構成する。特に、走査アセンブリーは、基板の第1部分が複数の穴と一直線になったときに第1走査速度で、基板の第2部分が前記複数の穴と一直線になったときに第2走査速度で基板を移動させる。
【0013】
走査アセンブリーを用いて、イオンビームが基板に所望のイオンドーズ量を注入すると、基板をY方向に可変速度で動かす。あるいは、走査アセンブリーは、イオンビームが基板に所望のイオンドーズ量を注入すると、基板をX方向に可変速度で動かすことができる。このように、走査速度は、基板の特定の部分で滞在時間をより長くして太陽電池の接触領域を高濃度にドープするように減速し、また滞在時間をより短くして太陽電池の露出したエミッタ領域を低濃度にドープするようにより速く移動することもできる。
【0014】
図3Bは、マスクを介した注入の断面図である。基板100において特定のパターンのイオン注入が所望される場合、マスク104をイオンビーム101の経路で基板100の前面に置くことができる。このマスク104は、シャドウまたは近接マスクとすることができる。基板100は、例えば、プラテン102上に置いた太陽電池とすることができる。太陽電池に用いる典型的な基板は非常に薄く、およそ300ミクロン以下の厚さであることが多い。基板100を、静電気的な力または物理的な力を用いてプラテン102上で所定の位置に保持する。必要ではないが、基板のX方向の幅はイオンビーム101の幅よりも狭いことが好ましい。しかしながら、基板の直交方向についてそのような制限は好まれない。
【0015】
マスク104は、所望するイオン注入のパターンに一致する1個以上の穴105を有する。シャドウマスク104の使用は、他のイオン注入技術で必要なスクリーン印刷またはリソグラフィーのようなプロセス工程を排除する。上述したように、図1の領域201で見られるような太陽電池の接点部分の下に高濃度のドーパントレベルを有するという利点がある。選択エミッタ太陽電池について論じたが、本方法の実施態様は他の太陽電池デザインに適用することもできる。点接触は、金属-シリコン接触面積を最小にするであろう。これらの点接触について、ドーパントを接点202の下に局在させて電場を付与し、少数キャリアから接点を遮蔽するべきである。高濃度にドープした領域は有害であるため、接点202間に存在し得る不動態化表面の下にドーパントを局在させなければならない。
【0016】
点接触は、その上に点を有するマスクを介して注入することによってドープしてもよい。しかしながら、かかるドーピング構造を有する太陽電池の直列抵抗は、依然として接点202間のドーパントの量によって制限される場合がある。マスク104を介した注入において、基板100を走査するときに、マスク104は基板100と共に進まなければならない。上述したように、この移動は、マスク104の冷却および接地の困難性を増す。加えて、小さな穴105を有するマスク104は、多量のイオンビーム103を遮断し、生産性およびデバイス処理量を低下させる。
【0017】
複数の穴105を有する固定したマスク104は、イオンビーム101の高さ(Y方向)をカバーするように構成する。これは、例えばリボンイオンビーム101の高さまたは走査イオンビーム101の最高最低垂直範囲とすることができる。このような設計は、イオンビーム101を走査する次元(例えば、Y方向)またはリボンイオンビーム101の長さ次元(例えば、X方向)などの一次元で位置の定義を提供する。基板100を走査する方向のような第2の次元での位置の定義は、基板100の走査速度を変えることによって提供される。
【0018】
図4は、7個の穴405を有するシャドウマスク404の正面斜視図であり、イオンビーム101に対して固定される(すなわち、並行移動または走査しない)。7個の穴405を図示したが、マスク404は単に7個の穴405に限定されず、その他の数も可能である。イオンビーム101などのイオンビームが注入プロセスの間中マスク404へ入射し、このイオンビームに対しマスク404は動かないかまたは固定されている。基板100をマスク404の背後で走査する。穴404間で、またマスク405bおよび405cの末端で規定されたマスク405aの部分は、イオンビームが基板100上へ注入されるのを妨げる。
【0019】
図5は、例示的な基板についての対応する走査速度プロフィールの例である。この速度プロフィールでは、速度プロフィールの大部分の間は基板100を第1速度で移動させるが、イオンビーム101が基板100上の5つの等間隔の場所の各々にある際に基板100を第2速度に減速する。具体的に、基板100はtNとtN−1の間で規定される例示的な時間間隔に対し参照記号501によって表された第1速度S1で移動する。基板100の移動速度は、tN−1とtN−2の間で規定される例示的な時間間隔に対し参照記号500によって表された速度S2へ変わる。走査速度S1は走査速度S2よりも遅いことから、基板100の表面上の速度S2でのイオンビーム101からのイオンの線量率は、基板がイオンビームにより速く移動しているために低くなる。従って、これら5つの位置間で基板100に注入されるドーズ(501によって表される)は、速い走査速度S1のために、基板上の5つの位置でのドーズ(500によって表される)よりも低くなる。これを用いて、基板の高線量率の位置を例示的な太陽電池上の点金属接触に合わせることができる。
【0020】
図6A〜図6Eは、図5の速度プロフィールに対応する注入方法の結果を示す。図6Aにおいて、イオンビーム101がマスク404の穴405を介して第1位置で基板100に注入される。低ドーズ領域601は、走査速度が速い(S1)図5の速度プロフィールの部分に対応する。図6Bにおいて、イオンビーム101がマスク404の穴405を介して第2位置で注入され、ここで高ドーズの注入領域600がより遅い走査速度(S2)を有する速度プロフィールの部分に対応する。このように、図6Bは、高ドーズ注入領域600、第1位置の低ドーズ注入領域601、および穴405間のマスク405aの領域に対応する未ドープ領域602を示す。
【0021】
基板100をマスク404の背後で連続的に走査することができる。しかしながら、図5に見られるように、基板100は、イオンビーム101を高ドーズ注入領域600に注入しているときには、基板100の低ドーズ領域601と比べて遅い第2速度で走査する。従って、基板100は、図6A〜図6Bに示した第1位置および第2位置での注入のものより速く第1位置と第2位置との間(図示せず)を第1速度で移動する。マスクをイオンビーム101に対して固定しているため、基板の走査中にマスクを基板と共に移動させる必要がなく、特に低ドーズレベルで増加した製造処理量を提供する。
【0022】
図6C〜図6Eは、基板100が例示的なY方向に移動する際の基板の位置に部分にそれぞれ対応する第3位置、第4位置および第5位置におけるマスク404の穴405を介して注入されたイオンビーム101の結果を表す。図7は、図6A〜図6Eに示した注入方法に由来する基板の正面斜視図である。図7に示すように、一連の高ドーズ注入領域600が、低ドーズ注入領域601を間に挟んで基板100に形成される。未ドープ領域602は、穴405間とマスク404の周縁でのマスク領域405a、405bおよび405cの背後で一直線となった基板の部分に対応する。高ドーズ注入領域600は、金属化工程の間に付加される太陽電池のさらなる点接触に対応することができる。マスク404は図6A〜図6Eにおいて動かないかまたは固定されているから、マスク404が基板100のように移動しないために、複雑でない冷却接続および接地接続がもたらされる。これはまた、マスク404の有効性ならびに冷却接続および接地接続の信頼性を向上させることもできる。
【0023】
図7の基板100は、基板100と共に走査するマスク104のようなシャドウマスクによって製造することができた。しかしながら、基板100全体が、図6A〜図6Eに示す注入工程のそれぞれと同じ時間でイオンビーム101内にとどまらなければならない。これは、注入を行うのに必要なイオンビーム101のドーズが、Sh/((Bh)(n))(ここで、Shは基板100の高さ、Bhはイオンビーム101の高さ、nは高ドーズ注入領域600の列の数である)の因子によって増加させられるであろうことを意味する。イオンビームの高さが4mm、基板100の高さが156mm、高ドーズ注入領域600が4列である場合、図6A〜6Eに図示する方法を用いると、総ドーズ量は、走査マスク104での注入方法よりも10倍少なくできる。この低減したドーズ量は、処理量の増加および生産コストの低減をもたらす。低減したドーズ量は、マスク404への熱負荷をより少なくすることにもつながり得る。
【0024】
高ドーズ注入領域600間の低ドーズ注入領域601は、あらゆる生成した太陽電池の直列抵抗を下げることができる。多数キャリアを発生部位から接点まで移送する必要があり、多数キャリアが移送中に出会う抵抗は太陽電池の出力を減ずる。接触点間で生じる多数キャリアについて、接点間の僅かに高いドーズが抵抗を下げるであろう。これは、太陽電池においてより良好な内部直列抵抗をもたらすことができる。
【0025】
本開示の範囲は、本明細書中に記載した特定の実施態様によって限定されない。実際、上述の記載および添付図面から、本明細書に記載したものに加えて、本開示の他の様々な実施態様および変更が当業者には明らかであろう。よって、かかる他の実施態様および変更が本開示の範囲内に含まれることを意図する。さらに、本開示は特定の目的について特定の環境下で特定の実施に関連して本明細書中に説明されているが、当業者であれば、その実用性がそれらに限定されず、本開示がいくつもの目的についていくつもの環境下で有益に実施され得ることを理解するであろう。従って、特許請求の範囲は、本明細書に記載する本開示の完全な幅広さおよび精神の観点から解釈されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、デバイス製造の分野に関する。特に、本発明は、シャドウマスクを利用するイオン注入用の走査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン注入は、基板へ導電率を変える不純物を導入するための標準的な技術である。基板および付随する薄膜構造体における精密なドーピングプロフィールは、適切なデバイス性能にとって重要である。一般に、所望の不純物材料をイオン源内でイオン化し、そのイオンを加速して所定のエネルギーのイオンビームを形成し、そのイオンビームを基板の表面に向ける。該ビーム中のエネルギーイオンが、基板材料のバルクに侵入し、基板材料の結晶格子に組み込まれて所望の導電率の領域を形成する。
【0003】
かかるイオン注入装置を用いて太陽電池を形成することができる。一般に、太陽電池は基板材料としてシリコンをしばしば用いる他の半導体デバイスに用いられるのと同じプロセスを用いて製造される。半導体太陽電池は、半導体材料における光子の吸収により発生した電荷担体を分離する内蔵電界を有する。この電界は、通常半導体材料の特異的なドーピングによって創出されるp-n接合(ダイオード)の形成により作成される。反対極性の不純物で半導体基板の一部(例えば、表面領域)をドープすることは、光を電気に変換する光起電デバイスとして使用し得るp-n接合を形成する。これらの太陽電池は、循環する天然資源を用いた無公害で平等なアクセスのエネルギーを提供する。環境問題および上昇するエネルギーコストのため、太陽電池は、世界的にさらに重要となっている。これらの高性能太陽電池の製造コストを低減することや生産能力を増大すること、あるいは高性能太陽電池に対する他の効率向上は、世界中での太陽電池の推進にプラスの影響を与えるだろう。このことは、このクリーンエネルギー技術の幅広い有用性を可能にするであろう。
【0004】
太陽電池は、効率を向上させるためのドーピングを必要とする場合がある。これは、選択エミッタ太陽電池の断面図である図1で明らかとなる。エミッタ200をドーピングし、接点202の下の領域201に付加的なドーパントを提供することは、太陽電池の効率を高め得る。領域201をより高濃度にドーピングすると導電性を向上し、接点202間のドーピングを少なくして電荷収集を向上させる。これら接点202をおよそ2〜3mm離してのみ配置することができる。領域201は、およそ50〜300μmの幅でのみ存在し得る。
【0005】
図2は、櫛形バック接点(IBC)太陽電池の断面図である。IBC太陽電池では、前記接合部が太陽電池の背面上に存在する。この特定の実施態様において、ドーピングパターンは、p-型およびn-型の交互ドーパント領域である。p+エミッタ203およびn+裏面電界204をドーピングし得る。このドーピングは、IBC太陽電池内の接合が高められた効率で機能するか、または高められた効率を有するのを可能にし得る。
【0006】
従来、太陽電池は、ドーパント含有ガラスまたは加熱されてドーパントを太陽電池内へ拡散させるペーストを用いてドーピングされてきた。これは、太陽電池の種々の領域に精密なドーピングを行うことができず、空隙、気泡または汚染物質が存在する場合には、不均一なドーピングが起こり得る。イオン注入は太陽電池の精密なドーピングを可能にするため、太陽電池はイオン注入から利益を享受できた。しかしながら、太陽電池のイオン注入は、ドーパントの特定パターンを必要とするか、または太陽電池基板の特定領域のみにイオンを注入することを必要とする場合がある。これまで、基板の特定領域のみへの注入は、フォトレジストおよびイオン注入を用いて達成されてきた。しかしながら、フォトレジストの使用は、余分に処理工程を伴うために、太陽電池の生産に余分なコストを追加する。太陽電池表面に対する他の硬質マスクは高価であり、同様に余分な処理工程を必要とする。太陽電池の小さな領域に注入することおよび注入領域間のシート抵抗をさらに低くすることは直列抵抗を改善するために利点がある。この両方は、イオン注入の使用により達成し得る。従って、本技術分野において、シャドウマスクによる改良した注入方法、より詳細には、太陽電池製造でシャドウマスクを使用するイオン注入のための走査方法が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的実施態様は、イオン注入器内でイオンを基板へ注入するための装置および方法を対象とする。例示的な方法において、イオンビームをシャドウマスクの穴を介して対象の基板を支持するように構成された基板支持体に向ける。マスクの穴と一直線になった基板の第1部分にイオンビームをあてる。基板の第1部分にイオンビームをあてたときに、基板支持体をイオンビームに対し第1走査速度で移動させる。マスクの穴と一直線になった基板の第2部分にイオンビームをあてる。基板の第2部分にイオンビームをあてたときに、基板支持体をイオンビームに対して第2走査速度で移動させ、ここで第1走査速度と第2走査速度は異なる。
【0008】
例示的実施態様において、イオン注入器は、イオン源、ビームラインアセンブリー、シャドウマスクおよび走査アセンブリーを具える。ビームラインアセンブリーは、イオン源からイオンを抽出してイオンビームを形成し、そのイオンビームを基板支持体上に配置した基板へ向けるように構成する。マスクは、基板の前面に配置し、イオンビームのそれぞれの部分がマスクを介して基板へ向かうことを可能にする複数の穴を有する。走査アセンブリーは、基板の第1部分が複数の穴と一直線になったときに第1走査速度で、また基板の第2部分が複数の穴と一直線になったときに第2走査速度で基板をイオンビームに対して移動させるように構成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、選択エミッタ太陽電池の断面図である。
【図2】図2は、櫛形バック接点太陽電池の断面図である。
【図3A】図3Aは、本発明の実施態様による代表的なイオン注入器のブロック図である。
【図3B】図3Bは、シャドウマスクを介するイオン注入の断面図である。
【図4】図4は、シャドウマスクの正面斜視図である。
【図5】図5は、本発明の実施態様による基板の速度プロフィールの例である。
【図6A】図6Aは、本発明の実施態様による図5の速度プロフィールに対応する注入方法を表す。
【図6B】図6Bは、本発明の実施態様による図5の速度プロフィールに対応する注入方法を表す。
【図6C】図6Cは、本発明の実施態様による図5の速度プロフィールに対応する注入方法を表す。
【図6D】図6Dは、本発明の実施態様による図5の速度プロフィールに対応する注入方法を表す。
【図6E】図6Eは、本発明の実施態様による図5の速度プロフィールに対応する注入方法を表す。
【図7】図7は、本発明の実施態様による図6A〜図6Eに示した注入方法に由来する基板の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好ましい実施態様を示す図面を参照しながら、本発明を以下にさらに充分に説明する。しかしながら、本発明は、数多くの異なる形態に具体化することができ、本明細書中に示す実施態様に限定されるものとみなすべきではない。むしろ、これらの実施態様は、本願の開示が詳細かつ完全なものであり、本発明の範囲を当業者に充分に伝えるように提供される。図面において、全体を通して類似の数字は類似の構成要素を表わす。
【0011】
図3Aは、イオン源チャンバ120を具えるイオン注入器115のブロック図である。電源121は、特定種のイオンを発生させるように構成したイオン源チャンバ120に必要なエネルギーを供給する。発生したイオンをイオン源から一連の電極114を介して抽出し、ビーム101にして質量分析磁石116に通す。質量分析器は、所望の質量対電荷比を有するイオンのみを分析器を介して質量分解スリット117による最大伝達用に進むことができるような特定の磁場を有するように構成される。所望の種のイオンが質量スリット117から減速ステージ118を介して補正磁石119に通る。補正磁石119を付勢して、適用した磁場の強度および方向に従ってイオンビームを偏向し、支持体(例えば、プラテン)102上に位置した加工片すなわち基板(図3Bの100)にリボンビームを向ける。いくつかの実施態様においては、第2減速ステージ122を補正磁石119と支持体102との間に配置することができる。イオンは、基板内の電子および核と衝突した際にエネルギーを失い、加速エネルギーに基づいて基板内の所望の深さで静止する。マスク104(図3bに示す)は、プラテン102を格納するプロセスチャンバ内で基板(図3bに100で示す)に近接して配置される。マスク104を、本明細書中でシャドウまたは近接マスクとも呼ぶ。マスクは、複数の穴(図3Bの105)を有し、その穴と一直線になったイオンビームの部分を基板に向けて進めることを可能にし、穴105と一直線になっていないイオンビームの部分を遮断する。
【0012】
イオンビーム101は、基板に向かって(Z方向に)進むと、その幅(X方向)よりも小さい高さ(Y方向)を有する。イオンビームの高さは幅よりも小さいため、基板の一部分のみにイオンビームがあたる。従って、基板全体を走査するためには、イオンビーム101(結果的にマスク104)が基板に対して移動しなければならず、または基板をイオンビーム101に対して移動させなければならない。しかしながら、基板の表面を走査するためにイオンビームおよびマスクが移動する場合、複雑な冷却接続および接地接続がこの走査動作をすでに空間が貴重であるプロセスチャンバ内で収容しなければならない。従って、基板をイオンビーム101に対して移動させることは、より単純である。走査アセンブリー102aをプラテン102と連結し、基板をイオンビームに対して移動させるように構成する。特に、走査アセンブリーは、基板の第1部分が複数の穴と一直線になったときに第1走査速度で、基板の第2部分が前記複数の穴と一直線になったときに第2走査速度で基板を移動させる。
【0013】
走査アセンブリーを用いて、イオンビームが基板に所望のイオンドーズ量を注入すると、基板をY方向に可変速度で動かす。あるいは、走査アセンブリーは、イオンビームが基板に所望のイオンドーズ量を注入すると、基板をX方向に可変速度で動かすことができる。このように、走査速度は、基板の特定の部分で滞在時間をより長くして太陽電池の接触領域を高濃度にドープするように減速し、また滞在時間をより短くして太陽電池の露出したエミッタ領域を低濃度にドープするようにより速く移動することもできる。
【0014】
図3Bは、マスクを介した注入の断面図である。基板100において特定のパターンのイオン注入が所望される場合、マスク104をイオンビーム101の経路で基板100の前面に置くことができる。このマスク104は、シャドウまたは近接マスクとすることができる。基板100は、例えば、プラテン102上に置いた太陽電池とすることができる。太陽電池に用いる典型的な基板は非常に薄く、およそ300ミクロン以下の厚さであることが多い。基板100を、静電気的な力または物理的な力を用いてプラテン102上で所定の位置に保持する。必要ではないが、基板のX方向の幅はイオンビーム101の幅よりも狭いことが好ましい。しかしながら、基板の直交方向についてそのような制限は好まれない。
【0015】
マスク104は、所望するイオン注入のパターンに一致する1個以上の穴105を有する。シャドウマスク104の使用は、他のイオン注入技術で必要なスクリーン印刷またはリソグラフィーのようなプロセス工程を排除する。上述したように、図1の領域201で見られるような太陽電池の接点部分の下に高濃度のドーパントレベルを有するという利点がある。選択エミッタ太陽電池について論じたが、本方法の実施態様は他の太陽電池デザインに適用することもできる。点接触は、金属-シリコン接触面積を最小にするであろう。これらの点接触について、ドーパントを接点202の下に局在させて電場を付与し、少数キャリアから接点を遮蔽するべきである。高濃度にドープした領域は有害であるため、接点202間に存在し得る不動態化表面の下にドーパントを局在させなければならない。
【0016】
点接触は、その上に点を有するマスクを介して注入することによってドープしてもよい。しかしながら、かかるドーピング構造を有する太陽電池の直列抵抗は、依然として接点202間のドーパントの量によって制限される場合がある。マスク104を介した注入において、基板100を走査するときに、マスク104は基板100と共に進まなければならない。上述したように、この移動は、マスク104の冷却および接地の困難性を増す。加えて、小さな穴105を有するマスク104は、多量のイオンビーム103を遮断し、生産性およびデバイス処理量を低下させる。
【0017】
複数の穴105を有する固定したマスク104は、イオンビーム101の高さ(Y方向)をカバーするように構成する。これは、例えばリボンイオンビーム101の高さまたは走査イオンビーム101の最高最低垂直範囲とすることができる。このような設計は、イオンビーム101を走査する次元(例えば、Y方向)またはリボンイオンビーム101の長さ次元(例えば、X方向)などの一次元で位置の定義を提供する。基板100を走査する方向のような第2の次元での位置の定義は、基板100の走査速度を変えることによって提供される。
【0018】
図4は、7個の穴405を有するシャドウマスク404の正面斜視図であり、イオンビーム101に対して固定される(すなわち、並行移動または走査しない)。7個の穴405を図示したが、マスク404は単に7個の穴405に限定されず、その他の数も可能である。イオンビーム101などのイオンビームが注入プロセスの間中マスク404へ入射し、このイオンビームに対しマスク404は動かないかまたは固定されている。基板100をマスク404の背後で走査する。穴404間で、またマスク405bおよび405cの末端で規定されたマスク405aの部分は、イオンビームが基板100上へ注入されるのを妨げる。
【0019】
図5は、例示的な基板についての対応する走査速度プロフィールの例である。この速度プロフィールでは、速度プロフィールの大部分の間は基板100を第1速度で移動させるが、イオンビーム101が基板100上の5つの等間隔の場所の各々にある際に基板100を第2速度に減速する。具体的に、基板100はtNとtN−1の間で規定される例示的な時間間隔に対し参照記号501によって表された第1速度S1で移動する。基板100の移動速度は、tN−1とtN−2の間で規定される例示的な時間間隔に対し参照記号500によって表された速度S2へ変わる。走査速度S1は走査速度S2よりも遅いことから、基板100の表面上の速度S2でのイオンビーム101からのイオンの線量率は、基板がイオンビームにより速く移動しているために低くなる。従って、これら5つの位置間で基板100に注入されるドーズ(501によって表される)は、速い走査速度S1のために、基板上の5つの位置でのドーズ(500によって表される)よりも低くなる。これを用いて、基板の高線量率の位置を例示的な太陽電池上の点金属接触に合わせることができる。
【0020】
図6A〜図6Eは、図5の速度プロフィールに対応する注入方法の結果を示す。図6Aにおいて、イオンビーム101がマスク404の穴405を介して第1位置で基板100に注入される。低ドーズ領域601は、走査速度が速い(S1)図5の速度プロフィールの部分に対応する。図6Bにおいて、イオンビーム101がマスク404の穴405を介して第2位置で注入され、ここで高ドーズの注入領域600がより遅い走査速度(S2)を有する速度プロフィールの部分に対応する。このように、図6Bは、高ドーズ注入領域600、第1位置の低ドーズ注入領域601、および穴405間のマスク405aの領域に対応する未ドープ領域602を示す。
【0021】
基板100をマスク404の背後で連続的に走査することができる。しかしながら、図5に見られるように、基板100は、イオンビーム101を高ドーズ注入領域600に注入しているときには、基板100の低ドーズ領域601と比べて遅い第2速度で走査する。従って、基板100は、図6A〜図6Bに示した第1位置および第2位置での注入のものより速く第1位置と第2位置との間(図示せず)を第1速度で移動する。マスクをイオンビーム101に対して固定しているため、基板の走査中にマスクを基板と共に移動させる必要がなく、特に低ドーズレベルで増加した製造処理量を提供する。
【0022】
図6C〜図6Eは、基板100が例示的なY方向に移動する際の基板の位置に部分にそれぞれ対応する第3位置、第4位置および第5位置におけるマスク404の穴405を介して注入されたイオンビーム101の結果を表す。図7は、図6A〜図6Eに示した注入方法に由来する基板の正面斜視図である。図7に示すように、一連の高ドーズ注入領域600が、低ドーズ注入領域601を間に挟んで基板100に形成される。未ドープ領域602は、穴405間とマスク404の周縁でのマスク領域405a、405bおよび405cの背後で一直線となった基板の部分に対応する。高ドーズ注入領域600は、金属化工程の間に付加される太陽電池のさらなる点接触に対応することができる。マスク404は図6A〜図6Eにおいて動かないかまたは固定されているから、マスク404が基板100のように移動しないために、複雑でない冷却接続および接地接続がもたらされる。これはまた、マスク404の有効性ならびに冷却接続および接地接続の信頼性を向上させることもできる。
【0023】
図7の基板100は、基板100と共に走査するマスク104のようなシャドウマスクによって製造することができた。しかしながら、基板100全体が、図6A〜図6Eに示す注入工程のそれぞれと同じ時間でイオンビーム101内にとどまらなければならない。これは、注入を行うのに必要なイオンビーム101のドーズが、Sh/((Bh)(n))(ここで、Shは基板100の高さ、Bhはイオンビーム101の高さ、nは高ドーズ注入領域600の列の数である)の因子によって増加させられるであろうことを意味する。イオンビームの高さが4mm、基板100の高さが156mm、高ドーズ注入領域600が4列である場合、図6A〜6Eに図示する方法を用いると、総ドーズ量は、走査マスク104での注入方法よりも10倍少なくできる。この低減したドーズ量は、処理量の増加および生産コストの低減をもたらす。低減したドーズ量は、マスク404への熱負荷をより少なくすることにもつながり得る。
【0024】
高ドーズ注入領域600間の低ドーズ注入領域601は、あらゆる生成した太陽電池の直列抵抗を下げることができる。多数キャリアを発生部位から接点まで移送する必要があり、多数キャリアが移送中に出会う抵抗は太陽電池の出力を減ずる。接触点間で生じる多数キャリアについて、接点間の僅かに高いドーズが抵抗を下げるであろう。これは、太陽電池においてより良好な内部直列抵抗をもたらすことができる。
【0025】
本開示の範囲は、本明細書中に記載した特定の実施態様によって限定されない。実際、上述の記載および添付図面から、本明細書に記載したものに加えて、本開示の他の様々な実施態様および変更が当業者には明らかであろう。よって、かかる他の実施態様および変更が本開示の範囲内に含まれることを意図する。さらに、本開示は特定の目的について特定の環境下で特定の実施に関連して本明細書中に説明されているが、当業者であれば、その実用性がそれらに限定されず、本開示がいくつもの目的についていくつもの環境下で有益に実施され得ることを理解するであろう。従って、特許請求の範囲は、本明細書に記載する本開示の完全な幅広さおよび精神の観点から解釈されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオンビームをシャドウマスクの穴を介して対象の基板を支持するように構成した基板支持体へ向ける工程と;
前記マスクの穴と一直線になった基板の第1部分にイオンビームをあてる工程と;
前記基板の第1部分にイオンビームをあてるときに、前記基板支持体を前記イオンビームに対し第1走査速度で移動させる工程と;
前記マスクの穴と一直線になった基板の第2部分にイオンビームをあてる工程と;
前記基板の第2部分にイオンビームをあてるときに、前記基板支持体を前記イオンビームに対し第2走査速度で移動させる工程とを備え、
前記第1走査速度が前記第2走査速度よりも遅いことを特徴とするイオンを太陽電池基板へ注入する方法。
【請求項2】
前記基板が太陽電池を形成するのに用いる材料であり、前記第1走査速度が太陽電池の点接触に対応する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シャドウマスクをイオンビームに対し固定して位置づける工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記シャドウマスクをイオンビームの第1次元に対し固定する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記イオンビームを基板上で第1次元に対応して走査する工程をさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1次元がイオンビームの高さに対応する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1次元がイオンビームの幅に対応する請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記シャドウマスクをイオンビームの経路に対し直交してならべる工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記イオンビームの高さ寸法よりも大きい高さ寸法を有する穴のマスクを付与する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
イオンビームをシャドウマスクの複数の穴を介して対象の基板を支持するように構成した基板支持体に向ける工程と;
前記基板の第1部分に前記マスクの複数の穴に対応するイオンビームをあてる工程と;
前記基板の第1部分にイオンビームをあてるときに、前記基板支持体を前記イオンビームに対し第1速度で移動させる工程と;
前記基板の第2部分に前記マスクの複数の穴に対応するイオンビームをあてる工程と;
前記基板の第2部分にイオンビームをあてるときに、前記基板支持体を前記イオンビームに対し第2速度で移動させる工程とを備え、
前記第1走査速度が前記第2走査速度より速いことを特徴とする基板へイオンを注入する方法。
【請求項11】
前記基板の第1部分および第2部分にイオンビームをあてるときに、前記シャドウマスクの複数の穴間の領域と一直線になった基板の第3部分にイオンビームが到達するのを妨げる工程をさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記シャドウマスクをイオンビームの経路に対し直交してならべる工程をさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記シャドウマスクをイオンビームに対し固定して位置づける工程をさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第2走査速度が太陽電池の点接触に対応する請求項10に記載の方法。
【請求項15】
イオン源と;
前記イオン源からイオンを抽出してイオンビームを形成し、前記イオンビームを基板支持体上に配置した基板に向けるように構成したビームラインアセンブリーと;
前記基板の前面に配置し、複数の穴を有し、前記イオンビームのそれぞれの部分が基板に向かうのを可能にしたマスクと;
前記基板の第1部分が複数の穴と一直線になったときに第1走査速度で、また前記基板の第2部分が複数の穴と一直線になったときに第2走査速度で前記基板支持体を前記イオンビームに対して移動させるように構成した走査アセンブリーとを備え、
ここで前記第1走査速度が前記第2走査速度より速く、前記第2走査速度が太陽電池の点接触に対応することを特徴とする太陽電池を形成するのに用いた材料である基板へ注入するためのイオン注入装置。
【請求項16】
前記シャドウマスクが、前記基板の前面でイオンビームに対し固定して配置される請求項14に記載のイオン注入装置。
【請求項17】
前記イオンビームが高さ次元を有し、前記穴が穴の高さに相当する長さを有する請求項14に記載のイオン注入装置
【請求項18】
前記シャドウマスクの温度を維持するために前記シャドウマスクに接続した冷却サブアセンブリーをさらに具える請求項14に記載のイオン注入装置。
【請求項19】
前記第1走査速度が前記第2走査速度より遅く、前記基板の第1部分が前記基板の第2部分と比較して前記イオンビーム由来の高線量率のイオンを有する請求項14に記載のイオン注入装置。
【請求項20】
前記基板が太陽電池を形成するのに用いる材料であり、前記基板の前記第1部分が太陽電池の点接触に対応する請求項18に記載のイオン注入装置。
【請求項1】
イオンビームをシャドウマスクの穴を介して対象の基板を支持するように構成した基板支持体へ向ける工程と;
前記マスクの穴と一直線になった基板の第1部分にイオンビームをあてる工程と;
前記基板の第1部分にイオンビームをあてるときに、前記基板支持体を前記イオンビームに対し第1走査速度で移動させる工程と;
前記マスクの穴と一直線になった基板の第2部分にイオンビームをあてる工程と;
前記基板の第2部分にイオンビームをあてるときに、前記基板支持体を前記イオンビームに対し第2走査速度で移動させる工程とを備え、
前記第1走査速度が前記第2走査速度よりも遅いことを特徴とするイオンを太陽電池基板へ注入する方法。
【請求項2】
前記基板が太陽電池を形成するのに用いる材料であり、前記第1走査速度が太陽電池の点接触に対応する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シャドウマスクをイオンビームに対し固定して位置づける工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記シャドウマスクをイオンビームの第1次元に対し固定する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記イオンビームを基板上で第1次元に対応して走査する工程をさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1次元がイオンビームの高さに対応する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1次元がイオンビームの幅に対応する請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記シャドウマスクをイオンビームの経路に対し直交してならべる工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記イオンビームの高さ寸法よりも大きい高さ寸法を有する穴のマスクを付与する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
イオンビームをシャドウマスクの複数の穴を介して対象の基板を支持するように構成した基板支持体に向ける工程と;
前記基板の第1部分に前記マスクの複数の穴に対応するイオンビームをあてる工程と;
前記基板の第1部分にイオンビームをあてるときに、前記基板支持体を前記イオンビームに対し第1速度で移動させる工程と;
前記基板の第2部分に前記マスクの複数の穴に対応するイオンビームをあてる工程と;
前記基板の第2部分にイオンビームをあてるときに、前記基板支持体を前記イオンビームに対し第2速度で移動させる工程とを備え、
前記第1走査速度が前記第2走査速度より速いことを特徴とする基板へイオンを注入する方法。
【請求項11】
前記基板の第1部分および第2部分にイオンビームをあてるときに、前記シャドウマスクの複数の穴間の領域と一直線になった基板の第3部分にイオンビームが到達するのを妨げる工程をさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記シャドウマスクをイオンビームの経路に対し直交してならべる工程をさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記シャドウマスクをイオンビームに対し固定して位置づける工程をさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第2走査速度が太陽電池の点接触に対応する請求項10に記載の方法。
【請求項15】
イオン源と;
前記イオン源からイオンを抽出してイオンビームを形成し、前記イオンビームを基板支持体上に配置した基板に向けるように構成したビームラインアセンブリーと;
前記基板の前面に配置し、複数の穴を有し、前記イオンビームのそれぞれの部分が基板に向かうのを可能にしたマスクと;
前記基板の第1部分が複数の穴と一直線になったときに第1走査速度で、また前記基板の第2部分が複数の穴と一直線になったときに第2走査速度で前記基板支持体を前記イオンビームに対して移動させるように構成した走査アセンブリーとを備え、
ここで前記第1走査速度が前記第2走査速度より速く、前記第2走査速度が太陽電池の点接触に対応することを特徴とする太陽電池を形成するのに用いた材料である基板へ注入するためのイオン注入装置。
【請求項16】
前記シャドウマスクが、前記基板の前面でイオンビームに対し固定して配置される請求項14に記載のイオン注入装置。
【請求項17】
前記イオンビームが高さ次元を有し、前記穴が穴の高さに相当する長さを有する請求項14に記載のイオン注入装置
【請求項18】
前記シャドウマスクの温度を維持するために前記シャドウマスクに接続した冷却サブアセンブリーをさらに具える請求項14に記載のイオン注入装置。
【請求項19】
前記第1走査速度が前記第2走査速度より遅く、前記基板の第1部分が前記基板の第2部分と比較して前記イオンビーム由来の高線量率のイオンを有する請求項14に記載のイオン注入装置。
【請求項20】
前記基板が太陽電池を形成するのに用いる材料であり、前記基板の前記第1部分が太陽電池の点接触に対応する請求項18に記載のイオン注入装置。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【公表番号】特表2013−502077(P2013−502077A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524844(P2012−524844)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/045186
【国際公開番号】WO2011/019828
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(500239188)ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド (69)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/045186
【国際公開番号】WO2011/019828
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(500239188)ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド (69)
【Fターム(参考)】
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